明 細 書 車両用始動許可装置及び識別コード登録方法 技術分野
本発明は、 送受信機から読取った識別コードが予め設定された識別コードと一 致したときはエンジンの始動を許可する車両用始動許可装置並びに識別コードと して送受信機を特定するための送受信機コード及び車両を特定するための車両コ 一ドを送受信機及び車両用始動許可装置の双方にそれぞれ登録する識別コード登 録方法に関する。 背景技術
近年、 車両においては、 セキュリティの向上を図るために、 例えば機械的なキ —に送信回路を一体に設けた電子キーが考えられている。 このものは、 電子キー がィグニッションスィツチに差込まれた状態で電子キーから識別コードを送信す ると共に、 電子キーから送信された識別コードが予め設定された識別コードとー 致したときは、 電子キーは真であると判断して電子キーの回転操作に応じてェン ジンを始動するようになっている。
し力、しな力くら、 上記従来例のものでは、 電子キーから識別コードそのものを送 信する構成であるので、 電子キーに記憧された識別コードを読取ることが可能で あな 発明の開示
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、 その目的は、 送受信機に記憶され た識別コ一ドをさらに秘匿することができる車両用始動許可装置並びに送受信機 及び車両用始動許可装置に記憶されたそれぞれの識別コードを秘匿して送受信機 及び車両始動許可装置の双方に登録する識別コード登録方法を提供することにあ る。
本発明の第 1の態様は、 送受信機から読取った識別コードが予め設定された識
別コードと一致したときはエンジンの始動を許可する始動許可手段を備えた車両 用始動許可装置において、 前記始動許可手段に、 所定の手順に基づいて作成した 乱数コードを送信する乱数コード送信手段を設け、 前記送受信機に、 前記乱数コ 一ド送信手段から送信された乱数コードに基づいて自己を特定するための識別コ 一ドを所定の暗号処理により返還コ一ドに変換して送信する返還コード送信手段 を設け、 さらに、 前記始動許可手段に、 前記返還コード送信手段から送信された 返還コードを前記乱数コード送信手段による乱数コー ドに基づいて識別コードに 復元する識別コ一ド復元手段を設けたものである。
本態様によれば、 始動許可手段に設けられた乱数コード送信手段は、 所定の手 順により乱数コードを作成して送信する。 すると、 送受信機に設けられた返通コ 一ド送信手段は、 乱数コード送信手段から送信された乱数コードに基づいて自己 を特定するための識別コ一ドを所定の暗号処理により返遝コードに変換して送信 する。 そして、 始勳許可手段に設けられた識別コード復元手段は、 返還コード送 信手段から送信された返通コードを識別コードに復元し、 その復元した識別コー ドが予め設定された識別コードと一致したときはエンジンの始動を許可する。 こ れにより、 送受信機に記憶された識別コードをさらに秘匿することができる。 この場合に、 識別コードとして前記送受信機を特定するための送受信機コード 若しくは車両を特定するための車両コードの少なく とも一方を設定するようにし てもよい。 このようにすれば、 送受信機に設けられた返還コー ド送信手段は、 始 動許可手段に設けられた乱数コード送信手段から送信された乱数コードを送受信 機を特定するための送受信機コード若しくは車両を特定するための車両コードの 少なく とも一方に基づいて返還コードに変換して送信するので、 例えば送受信機 コード及び車両コードの両方に基づいて返還コードに作成するように構成した場 合には、 送受信機に記憶された識別コ一ドの秘匿性を一層高めることができる。 また、 前記乱数コード送信手段を、 乱数コードを毎回更新した状態で送信する ようにしてもよい。 このようにすれば、 始動許可手段に設けられた乱数コード送 信手段は、 乱数コードを毎回更新した状態で作成するので、 同一の乱数コードを 複数回継統して送信する場合に比べて、 乱数コードの読取りが困難となる。 これ により、 送受信機に記憶された識別コ一ドの秘匿性を一層高めることができる。
さらに、 前記乱数コード送信手段を、 乱数コードを車種毎または車両毎に異な つた手段で作成するようにしてもよい。 このようにすれば、 始動許可手段に設け られた乱数コード送信手段は、 乱数コードを車種毎または車両毎に異なった手順 で作成するので、 全ての車両の乱数コード送信手段における乱数コード作成手段 が同一であるものと違って、 送受信機の識別コ一ドの秘匿性を一層高めることが できる。
本発明の第 2の態様は、 識別コードとして送受信機を特定するための送受信機 コード及び車両を特定するための車両コ一ドを送受信機及び該送受信機から読取 つた識別コ一ドが予め設定された識別コードと一致したときにはェンジンの始動 を許可する車両用始動許可装置の双方にそれぞれ登録する識別コード登録方法で あって、 (A ) 送受信機に前記送受信機コードを、 車両用始動許可装置に前記車 両コードを、 それぞれ登録し、 (B ) 車両用始動許可装置で所定の手順に基づい て作成した乱数コードを送信し、 送受信機で受信した乱数コードに基づいて前記 送受信機コードを所定の喑号処理により返還コードに変換して送信し、 車両用始 動許可装置で受信した返通コードを前記送信した乱数コ一ドに基づいて送受信機 コードに復元して該送受信機コードを車両始動許可装置に登録し、 (C ) 車両用 始動許可装置で前記乱数コードに基づいて前記車両コードを所定の暗号処理によ り乱数車両コ一ドに変換して送信し、 送受信機で受信した乱数車両コードを前記 乱数コードに基づいて車両コードに復元して該車両コードを送受信機に登録する 、 ステップを含んでいる。
本態様によれば、 送受信機及び車両用始動許可装置にそれぞれ自己を特定する 識別コードを個々に登録しておき、 その後、 送受信機に車両コードの登録と車両 用始動許可装置に送受信機コードの登録ができるので、 登録するまで車両用始動 許可装置と送受信機とを一体に管理する必要がなるなると共に、 登録のための送 信にあたって乱数コード、 返還コード、 乱数車両コードを送信し識別コードその ものを単独に送信していないので、 識別コードを秘匿することができる。 なお、 この場合に、 前記ステップ (C ) は前記ステップ (B ) より前に実行するように してもよい。
図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の一実施例における全体構成を示す概略図である。
図 2は、 始動許可 E C Uを示す機能ブロック図である。
図 3は、 電子キーの送受信制御回路を示す機能プロック図である。
図 4は、 全体の構成及び動作を示す模式図である。
図 5は、 始動許可 E C Uの動作を示すフローチャー トである。
図 6は、 電子キーの送受信制御回路の動作を示すフローチヤ一トである。 図 7は、 図 5のステップ S 2 0のサブルーチンを示すフローチヤ一卜である。 図 8は、 図 6のステップ T 1 0のサブルーチンを示すフローチャー トである。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明をより詳細に説述するために、 添付の図面に従ってこれを説明す る
図 1は全体の構成を概略的に示している。 この図 1において、 始動許可手段、 乱数コ一ド送信手段及び識別コード送信手段としての始動許可 E C U 1 はコイル 2を備えており、 そのコイル 2を通じて送受信機としての電子キー 3と電磁結合 するようになっている。
つまり、 コイル 2はィグニッシヨンスィッチ 4に対応して配置されており、 電 子キー 3がィグニッションスィッチ 4に差込まれた状態でコイル 2は電子キー 3 のコイル 5と電磁結合して送受信制御回路 6に給電すると共に送受信制御回路 6 から識別コードを読取るようになっている。
ここで、 始動許可 E C U 1は、 ィグニッシヨンスィッチ 4から A C C信号 (A C C位置に操作されたことを示す信号) を受けたときは電子キー 3の送受信制御 回路 6と通信を行い、 電子キー 3が真であると判断したときはエンジン制御用 E C U 7に始動許可信号を出力する。
ェンジン制御用 E C U 7は、 始動許可信号の入力状態でィグニッシヨンスイツ チ 4からの O N信号 (O N位置に操作されたことを示す信号) 及び S T A R T信 号 (S T A R T位置に操作されたことを示す信号) を受付けると共に、 S T A R T信号を受付けたときはエンジンのスタータを駆動することによりェンジンを始
動するようになっている。
図 2は始動許可 E C U 1を機能プロック図で示している。 この図 2において、 乱数コード発生回路 8は、 ィグニッションスィツチ 4に差込まれている電子キー 3が A C C位置に操作されたときに乱数を発生させて乱数コード保持レジスタ 9 に記億する。 変調回路 1 0は、 乱数コー ド保持レジスタ 9に記憶された乱数コー ドを発振回路 1 1の発振周波数でもって送信信号に変調して出力回路 1 2に出力 する。 出力回路 1 2は、 変調回路 1 0からの送信信号をコイル 2を通じて送信す る。
—方、 受信回路〗 3は、 アンテナ 2を通じて受信した受信信号に基いてィグニ ッションスィツチ 4に電子キー 3が差込まれていると判断したときはそのことを 電源制御回路 1 4に指令する。 電源制御回路 1 4は、 受信回路 1 3から受信した ことを指令されたときは、 バッテリ 1 5からの電源電圧を所定の制御電源電圧に 安定した状態で始動許可 E C U 1を構成する各回路に出力する。
また、 受信回路 1 3は、 コイル 2から受信した受信信号を波形整形回路 1 6を 通じて波形整形した状態で出力する。 同期回路 1 7は、 波形整形回路 1 6からの 受信信号に含まれる同期信号を分離する。 クロック回路 1 8は、 同期回路 1 7の 同期信号に応じてクロック信号を出力する。 そして、 コード復元回路 1 9は、 ク ロック回路 1 8からのクロック信号に同期して波形整形回路 1 6からの受信信号 を入力することにより乱数コード及びキーコードを復元 (復号) する。 この場合 、 受信信号に対して車両コードに基づいて所定の演算を施すことにより乱数コー ド及びキーコードを復元することができる。 尚、 コード復元回路 1 9は、 後述す る車両コード Sが空である (電子キー 3の不揮発性メモリに車両コード Sが登録 されていない) ことを示す 0 S を判別する図示しない 0 s 判別回路を含んでいる o
符号判別回路 2 0は乱数コー ドシフ トレジスタ 2 1及びキーコー ドシフ トレジ スタ 2 2から構成されており、 コード復号回路 1 9から受取った乱数コード及び キーコードが真か否かを判断する。
即ち、 乱数コードシフ トレジスタ 2 1は、 コード復号回路 1 9から送られてき た乱数コードをシフ ト動作により記慷する。 また、 キーコードシフ トレジスタ 2
2は、 コード復号回路 1 9から送られてきたキーコードをシフ ト動作により記憶 する。 そして、 乱数コ一ド照合回路 2 3は、 乱数コードシフ トレジスタ 2 1に記 愴された乱数コードと乱数コード保持レジスタ 9に記憶された乱数コードとを比 較する。 また、 キーコード照合回路 2 4は、 キーコードシフ トレジスタ 2 2に記 愴されたキーコードと不揮発性メモリに予め登録されたキーコードとを比較する 。 この場合、 乱数コード照合回路 2 3が両方の乱数コードは一致すると判断した ときは、 電子キー 3との間の通信は正常に行われたと判断できる。 従って、 電子 キー 3との通信が正常な状態でキーコード照合回路 2 4が両方のキーコードがー 致すると判断したときは、 正しい電子キー 3が使用されていると判断することが できる。 そして、 符号判断回路 2 0は、 上述のようにして乱数コード及びキーコ 一ドが一致したときはエンジン制御用 E C U 7に対して始動許可信号を出力する o
また、 キーコード照合回路 2 4は、 後述するキーコード Kのフラグが立ってい るかを判別する図示しないフラグ判別回路や始動許可 E C U 1の不揮発性メモリ にキーコ一ド Kを窨き込む図示しない書込回路を含んでおり、 コード復号回路 1 9と接続されている。 さらに、 始動許可 E C U 1には後述する P演算回路 4 0力く 設けられており、 P演算回路 4 0は上述したコード復号回路 1 9及び変調回路 1 0に接続されている。
尚、 図 2では始動許可 E C U 1を機能ブロック図で示したが、 始動許可 E C U 1はマイクロコンピュータを主体として構成されている。
図 3は電子キー 3の送受信制御回路 6を機能プロック図で示している。 この図 3において、 電力受信回路 2 5は、 受信アンテナ 5が受けた受信電力を所定の制 御電源電圧に安定化して出力する。 信号受信回路 2 6は、 受信アンテナ 5が受信 した受信信号を波形整形回路 2 7により整形した状態で出力する。 同期回路 2 8 は、 波形整形回路 2 7からの受信信号に含まれる同期信号を分離する。 クロック 回路 2 9は、 同期回路 2 8の同期信号に応じてクロック信号を出力する。
乱数コードシフ トレジスタ 3 0は、 波形整形回路 2 7からの受信信号に含まれ る乱数コードをクロック回路 2 9からのクロック信号に応じてシフ ト操作により 記憶する。 キーコードシフ トレジスタ 3 1は、 不揮発性メモリに記憶されている
キーコードをシフ ト操作により記憶する。 車両コードシフ 卜レジスタ 3 2は、 不 揮発性メモリに記慷されている車両コードをシフ ト操作により記愴する。
コ一ド生成回路 3 3は、 乱数コードシフ トレジスタ 3 0、 キーコードシフ トレ ジスタ 3 1及び車両コードレジスタ 3 2に記億された各コードに基いて所定の喑 号処理により返還コードを作成する。
変調回路 3 4は、 コード生成回路 3 3からの変調コードを発振回路 3 5からの 発振周波数でもって変調して返通コードを生成する。 そして、 出力回路 3 6は、 変調回路 3 4からの返遝コードをァンテナ 5を通じて送信する。
また、 電子キー 3には電子キー 3の不揮発性メモリに車両コード Sが登録され ていない (車両コード S = 0 S ) か否かを判断する車両コード判別回路 5 0が設 けられており、 車両コード判別回路 5 0は車両コー ド Sのフラグが立っている ( 車両コード Sが 0 S でなく既に登録されている) かを判別する図示しないフラグ 判別回路や不揮発性メモリに車両コード Sを書き込む図示しない害込回路を含ん でいる。 この車両判別回路 5 0には上述した車両コードシフ トレジスタ 3 2及び 不揮発性メモリに接铳されている。
尚、 図 3では電子キー 3の送受信制御回路 6を機能ブロック図で示したが、 こ の送受信制御回路 6は実際にはマイクロコンピュータを主体として構成されてい る。
図 4は全体の構成及び動作を模式的に示している。 この図 4において、 車両に は予備を含めて 3個までの電子キー A , B, Cを備えることができる。 これらの 電子キー A, B , Cには電子キーを特定するための識別コードとして個別のキー コードが設定されていると共に同一の車両コ一ドが登録できる。
即ち、 キーコードとして、 電子キー Aには K l、 電子キー Βには Κ 2、 電子キ —Cには Κ 3が設定されている。 また、 電子キー A , Β , Cには同一の車両コー ドとして S 1が登録できる。
—方、 車両には 3つまでのキーコードを登録できるようになつている。 即ち、 3個の電子キー A , Β , Cに対応してキーコードとして Κ 1, Κ 2 , Κ 3を登録 することができる。 なお、 電子キー 3へのキーコードの設定及び始動許可 E C U 1への車両コードの設定は、 例えば、 所定の鲁込装置により電子的に書き込むこ
とによって行うことができる。 また、 電子キー 3への車両コー ドの登録及び始動 許可 E C U 1へのキーコードの登録は、 後述するように、 所定の手順により行う ことができるようになつている。
次に上記構成の作用について説明する。
始動許可 E CU 1は、 ィグニッシヨ ンスィ ッチ 4に電子キー 3が揷入されたと ころでコイル 2に高周波電力を印加する。 これにより電子キー 3のコイル 5に誘 導起電力が発生するので、 送受信制御回路 6に給電され、 その袷電に応じて送受 信制御回路 6が動作を開始する。
ここで、 図 5は始動許可 E CU 1の動作を示し、 図 6は電子キー 3の送受信制 御回路 6の動作を示している。 まず、 始動許可 E CU 1は、 ィグニッシヨ ンスィ ツチ 4から AC C信号を入力するまで待機している (図 5のステップ S 1 ) 。 さて、 運転者がエンジンを始動するために電子キー 3を、 まず ACC位置に回 転操作すると、 始動許可 E CU 1は、 乱数コードを生成する (ステップ S 2) 。 この場合、 始動許可 E CU 1は、 AC C信号を入力する毎に乱数コード Rnを毎 回更新状態で生成するようになっている (図 4の動作 1 ) 。 この際、 乱数コード R nを作成するための演算式は、 車種毎または車両毎に異なるように設定されて いる。 これは、 所定の演算式により作成した乱数は周期性を有しており、 その周 期特性を知ることにより乱数コードの解読が比較的容易となるからである。
続いて、 始動許可 ECU 1は、 生成した乱数コードを送信する (ステップ S 3 ) 。 これにより、 始動許可 E CU 1のコイル 2からは乱数 R nが送信される (図 4参照) 。
そして、 始動許可 E CU 1は、 電子キー 3から受信信号を受信するまで待機す る (ステップ S 4 ) 。
一方、 電子キー 3の送受信制御回路 6は、 始動許可 E CU 1から受信信号を受 信するまで待機し (図 6のステップ T 1 ) 、 受信信号を受信したところで乱数コ 一ド Rnを受信したか否かを判断する (ステップ T 6) 。 乱数コード Rnを受信 したと判断したときは、 受信信号が示す乱数コード Rnを受信する (ステップ T 2) o
铳いて、 送受信制御回路 5は、 不揮発性メモリからキーコード及び車両コード
を読込んでから (ステップ T 3 ) 、 それらのキーコード及び車両コードに基づい て返通コードを生成し (ステップ T 4) 、 その返還コードを送信する (ステップ T 5)
即ち、 送受信制御回路 6は、 受信した乱数コード Rn及び予め記憧されている 車両コード S 1に基づいて予め記憶されているキーコード K 1に対して所定の暗 号処理を施すことにより返還コード Qを作成する。 具体的には、 送受信制御回路 6は、 コイル 4による被給電状態で受信した乱数コード R nに基いてキーコ一ド K 1 と車両コード S 1 とにより所定の暗号化演算式 Q= f (R, K, S) に従つ て返還コード Qを作成してコイル 5を通じて送信する (図 4参照) 。 なお、 当該 電子キー 3のキーコードが登録されていないときは、 後述するように、 キーコー ド Kが空であることを示す 0 κ により暗号化演算式 Qは f (R. 0κ , S) とさ Iる。
さて、 始動許可 E CU 1は、 上述のように乱数コードを送信した後は、 受信信 号の受信状態となり (図 5のステップ S 4 ) 、 受信信号を受信したところで受信 信号が示す返還コード Qを受信し (ステップ S 5、 図 4の動作 2) 、 車両コード Sが空 (0 s ) か否かを判断する (ステップ S 1 3、 図 2のコー ド復元回路 1 9 ) 。 車両コードが空 (0s ) でないときは、 車両コードは既に登録されているの で、 不揮発性メモリから車両コードを読込み (ステップ S 6) 、 その車両コード に基づいて不揮発性メモリから乱数コー ド及びキーコードを復号する (ステップ S 7)
続いて、 始動許可 ECU 1は、 不揮発性メモリから乱数コードを読込み (ステ ップ S 8) 、 2つの乱数コードが一致するかを判断する (ステップ S 9) 。 この とき、 2つの乱数コードが異なっていたときは、 電子キー 3との通信は誤ってい ると判断してステップ S 2に移行することにより電子キー 3との通信を再度実行 する。
また、 始動許可 E CU 1は、 2つの乱数コードが一致していたときは、 電子キ 一 3との通信は正常であると判断して不揮発性メモリからキーコードを読み込み (ステップ S 1 0) 、 2つのキーコードが一致しているかを判断する (ステップ S 1 1 ) 。 このとき、 読み込んだキーコードが予め登録されている 3種類のキー
コード K l, Κ 2 , Κ 3のうちの何れかに一致していたときは (図 4の勦作 4 ) 、 始動許可信号をエンジン制御用 E C U 6に出力する。
従って、 エンジン制御用 E CU 7は、 始動許可 E CU 1から始動許可信号を入 力した状態でィグニッシヨ ンスィッチ 4から S TART信号を入力したときは、 スタータを駆動することによりエンジンを始動する。
—方、 ステップ S 1 3で車両コード Sが空 (0 s ) と判断されたときは、 ステ ップ S 2 0において図 7に示すキーコード登録処理を実行する。 まず、 ステップ S 2 1では、 始動許可 E CU 1の不揮発性メモリのキーコー ドの格納エリア A、 B、 C (図 4参照) のすベてのフラグが立っているかを判断することにより、 始 動許可 E C U 1の不揮発性メモリのキーコードの格納エリア A、 B、 Cのすベて に既にキーコード K l、 Κ 2、 Κ 3が登録されているかを判断する (図 2のキー コード照合回路 2 4の図示しないフラグ判別回路) 。
肯定判断のときは、 既に 3つのキーコードが登録されておりこれ以上格納でき ないので、 ステップ S 2 0に戻り始動許可 E CU 1のルーチンは終了する。 一方 、 否定判断のときは、 次のステップ S 2 2において、 返 ¾コード Qからキーコー ド Kを復号化する (図 2のキーコー ドシフ トレジスタ 2 2、 キーコー ド照合回路 2 4) 。 次のステップ 2 3では、 ECU 1の不揮発性メモリにキーコード Kを格 納して (図 2のキーコード照合回路 2 4の図示しない害込回路) 、 次のステップ 2 4においてフラグを立てる。 なお、 キーコード Kの害込 (登録) は図 4に示し た A、 B、 Cの順に行われ、 順にフラグが立てられる。 これにより、 始動許可 E CU 1への当該電子キー 3のキーコード Kの登録は終了する。
次にステップ 2 5において、 乱数車両コード Pを電子キー 3に送信してキーコ 一ド登録処理のサブルーチンを終了してステップ 2 0へ戻り、 始動許可 ECU 1 のルーチンは終了する。 ここで、 乱数車両コード Pについて一言すれば、 暗号化 演算式 P= f (R, 0κ , S) によって表されるコードである力く、 詳しくは、 R は図 4にも示した通り Rnで表される乱数コードであり、 φκ は始動許可 E CU 1に当該電子キー 3のキーコード Kが登録されていないこと (空であること) を 表すものであり、 Sは上述したように車両コードを表しており具体的には S 1で ある。 この演算化は図 2に示した P演算回路 4 0で行われる。 これにより、 変調
回路 1 0は、 上述した暗号化演算式 P = f ( R , Φ κ , S ) に従った変調波を出 力回路 1 2へ送出する。
この乱数車両コード Pが電子キー 3に送信されると、 電子キー 3は、 図 6で示 したステップ T 6で、 乱数コード R nとは異なるので、 否定判断を行ない、 ステ ッブ T 1 0において図 8に示す車両コード登録処理が実行される。
まず、 ステップ T 1 1では、 乱数車両コード P (上述した暗号化演算式 P = f
( R , 0 κ , S ) によるコード) か否かを判断し、 否定判断のときは雑音信号等 の誤った信号を受信したものとしてステップ Τ 1 0へ戻り、 肯定判断のときは次 のステップ T 1 2において乱数車両コード Ρを受信する。 次にステップ T 1 3に おいて、 当該電子キー 3の不揮発性メモリの車両コードの格納エリア S (図 4参 照) のフラグが立っているかを判断することにより、 当該電子キー 3の不揮発性 メモリに既に車両コード Sが登録されているかを判断する (図 3の車両コ一ド判 別回路 5 0の図示しないフラグ判別回路) 。 肯定判断のときはステップ Τ 1 0へ 戻り、 否定判断のときは次のステップ Τ 1 4において、 乱数車両コード Ρから車 両コード S 1を復号化する (図 3の車両コ一ドシフ トレジスタ 3 2、 車両コ一ド 判別回路 5 0 ) 。 次にステップ 1 5では、 電子キー 3の不揮発性メモリに車両コ ード S 1を格納し (図 3の車両コード判別回路 5 0の図示しない耆込回路) 、 次 のステップ Τ 1 6において重ねて登録しないように車両コード Sのフラグを立て てステップ T 1 0へ戻り、 電子キー 3のルーチンは終了する。
上記構成のものによれば、 始動許可 E C U 1は電子キー 3に対して乱数コード を送信し、 電子キー 3は始動許可 E C U 1から受信した乱数コード及び予め記憶 されている車両コードに基づいてキーコードを暗号化により返還コードを生成し て送信すると共に、 始動許可 E C U 1は電子キー 3から受信した返還コードを車 両コードに基づいて乱数コード及びキ一コ一ドに復号し、 そのキーコードが予め 登録されているキーコードと一致したときのみエンジン制御用 E C U 7に対して 始動許可信号を出力するようにしたので、 電子キーから識別コードそのものを返 信してしまう従来例のものと違って、 電子キー 3に記慷されている識別コードと してのキーコードをさらに秘匿することができる。
また、 電子キー 3において返還コードを作成する際に、 始動許可 E C U 1から
受信した乱数コードに加えて予め登録されている車両コードに基づいて返還コー ドを作成するようにしたので、 電子キー 3に記億されたキーコードの秘匿性を一 層高めることができる。
さらに、 始動許可 E C U 1は乱数コードを毎回更新した状態で送信するので、 乱数コード及び返還コードが毎回異なるようになる。 従って、 同一の乱数コード を継続して送信する構成に比べて、 キーコ一ドの秘匿性を一層高めることができ る o
加えて、 車種毎または車両毎に乱数コードを作成するための演算式を異なって 設定するようにしたので、 キーコードの秘匿性を一層高めることができる。
本発明は、 上記実施例に限定されるものではなく、 次のように変形または拡張 できる。
電子キー 3の送受信制御回路 6にキーコード若しくは車両コ一ドのみを記慷す るようにしてもよい。
電子キー 3を機械的なキーを廃止して送受信制御回路 6のみ設け、 他の操作手 段によりィグニッシヨンスィツチ 4を操作できるように構成してもよい。
始動許可 E C U 1 と電子キー 3の送受信制御回路 6との間の通信を光通信で行 うようにしてもよい。
始動許可 E C U 1は、 ィグニッシヨンスィッチ 4に電子キー 3が挿入されたと きに電子キー 3に乱数コードを送信して電子キーの真偽を判断するようにしても よい。
上記実施例では、 ステップ S 1 3で返遝コード Qから車両コード Sが空 (0 S ) かを判断したが、 ステップ S 1 3での判断の代わりにステップ S 1の次に始動 許可 E C U 1の不揮発性メモリにキーコード Kが登録されているかを判断するよ うにしてもよい。 また、 この場合にステップ T 6で乱数コードか否かを判断した が電子キー 3に車両コ一ド Kが格納されているかを判断するようにしてもよい。 また、 上記実施例では、 始動許可 E C U 1の不揮発性メモリへのキーコード K の登録を行った後に、 電子キー 3の不揮発性メモリへの車両コード Sの登録を行 つたが、 始動許可 E C U 1から乱数コード R n、 乱数車両コード Pを送信して電 子キー 3で車両コード Sが格納されているか否かを判断し格納されていない場合
に車両コード Sを復号するようにすれば、 電子キー 3への車両コード Sの登録を 先に行うことができる。 更にこの場合に、 始動許可 E C U 1から乱数コード R n を送信を行わないで乱数車両コード Pを最初から送信するようにすれば、 乱数コ 一ド R nを送信する時間を短縮することができるので、 登録のための時間を短縮 することができる。 産業上の利用可能性
以上説明したように、 本発明に係る車両用始動許可装置及び識別コード記憶方 法は、 識別コードを秘匿することができるので、 車両をその適正な所有者に専有 させるものとして有用であり、 また、 識別コード記憶方法は双方の識別コードを 登録するまでは車両用始動許可装置と送信機とを別々に管理することができるの で、 分業化が進んだ裾野の広い車両業界において車両の生産、 販売での管理面を 軽減するものとして有用である。