明 細 書
発明の名称
洗濯機の制御装置
技術分野
本発明は槽内の洗濯液の光透過度を検知する透過度検知装置 を備え 、 この透過度検知装置からの出力によ り 汚れを判断 して 洗い運転を制御する洗濯機の制御装置に関する 。
背景技術
槽内の洗濯液の汚れを検知する透過度検知装置を備えた洗濯 機の制御装置の一例と して、 特公昭 6 3 — 1 6 1 5 7 号公報に 示すものがある 。 この洗濯機の制御装置は、 槽内の洗濯液の光 透過度を検知する透過度検知装置と 、 洗い運転中における透過 度検知装置の光透過度の変化を検出 し、 この変化がな く なる と 洗い運転終了 と判定する判定部を備えたものである 。 判定部は 洗い運転終了 と判定する と 、 洗い運転を終了 し 、 排水弁を開 き 、 洗濯液を排水管路を介 して排出する 。 この排水工程におい て、 透過度検出装置は排水管路内を流れる洗濯液の光透過度を 検知するのであるが、 洗い運転中に発生 した泡が洗濯液中に混 入 した状態で排出するので、 透過度検知装置の光透過度は、 洗 濯液中の泡によ る光の散乱で低下する 。 この透過度検出装置の 光透過度は、 洗濯液中の泡の量が多 く なれば泡による光の散乱 量も多 く なるため、 低下 レベルも大き く なるので、 この排水ェ 程における光透過度の低下レベルを検出すれば、 洗濯液中の泡 の量、 すなわち洗剤分を知る こ とができ 、 洗濯液にどの程度の 洗浄能力が残っているかを知る こ とができる 。 そこで、 判定 レ
ベルは排水行程における透過度検知装置の光透過度低下レベル を検出 し、 低下レベルが少ないときに洗い不十分と して報知を 行っていた。
しかし、 上記洗濯機の制御装置では、 洗い運転中における透 過度検知装置の光透過度を検出 し、 この光透過度変化がな く なった時点を洗い運転終了時点と しているので、 光透過度変化 が短時間でな く なる汚れ物を洗う ときには洗いが不十分となる 問題点を有していた。 すなわち、 泥汚れが主体の場合には洗濯 液中に泥成分が短時間でほとんど溶け出 してしま うので、 光透 過度変化も短時間でな く なるが、 この時点ではまだ、 洗濯物に わずかながら泥成分あるいはその他の脂成分が付着 しているの で洗い不十分となっていた。
また、 洗い運転終了後に、 洗いが十分か否かを判定 し洗い不 十分のときには報知による再洗濯を使用者に指示するので、 洗 い不十分の場合には、 使用者が再度洗い運転を実行 しなければ ならず、 使い勝手が悪いという 問題を有していた。
発明の開示
本発明は上記問題点を解決する もので、 泥汚れのよ う に光透 過変化が短時間でな く なる汚れ物に対しても洗い仕上り 状態を 十分なものと し、 また、 ^い運転終了状態では洗い仕上がり 状 態を十分なものと し、 再洗濯を行う必要性をな く し、 使い勝手 の向上を図る こ とを第 1 の目的とする 。
第 2の目的は洗剤の種類が異なる場合においても 、 上記第 1 の目的を十分に達成させる こ とにある 。
第 3の目的は、 長時間の使用によ り 透過度検知装置の検知部
分に汚れが蓄積 してきた場合でも上記第 1 の目的を十分に達成 させる こ とにある 。
第 4の目的は、 洗濯物量が異なる場合においても 、 上記第 1 の目的を十分に達成させる こ とにある 。
そ して上記第 1 の目的を達成するために本発明は、 槽内の洗 灌液の光透過度を検知する透過度検知装置と 、 この透過度検知 装置の出力変化によ り 飽和状態を検知する飽和状態検知手段 と 、 洗い運転開始から前記飽和状態検知手段が飽和状態検知す るまでの飽和時間を計測する計時手段と 、 撹拌翼駆動モーター 等の負荷を制御 して洗い運転を実行する制御手段と 、 前記光透 過度と飽和時間とから洗い運転時間あるいは洗剤投入量あるい は水流の強さを定めた制御テーブルを記憶 した記憶手段とを備 え、 前記制御手段が、 飽和状況における光透過度と飽和時間と を前記記憶手段の制御テーブルの内容と比較 し、 洗い運転時間 あるいは洗剤投入量あるいは水流の強さを決定するよ う に した ものである 。
上記構成で検知 している飽和時間が短い泥汚れか飽和時間の 長い脂汚れかという 汚れ種類情報とな り 、 また、 光透過度が洗 濯液中に溶け出 した汚れの量の情報となるので、 これら兩方の 情報に基いて洗い運転時間を決定すれば、 泥汚れのよ うな汚れ 物においても 、 汚れの種類は もとよ り その汚れの量に も応 じた 洗い運転時間を決定でき 、 洗い仕上り 状態が十分となる最適な 洗い運転時間を制御する こ とができ る 。
また、 汚れ種類情報の飽和時間と汚れの量情報の光透過度と によ り 洗い運転を決定するのに、 フ ア ジ ィ 推論を用いるのが望
ま しい。 すなわち、 汚れ種類と汚れ量によ り 最適な洗い運転を 決定するのは人間の経験に基づ く と ころが多いので、 飽和時間 と光透過度をあいまいなデータに置き換えて人間的な判断を可 能と し、 洗い運転時間を決定する こ とができるフ ア ジ ィ 推論器 を用いる こ とが望しい。 しかし、 フ ア ジ ィ 推論を用いるには、 そのためのプロ グラムが必要となり 、 4 〜 8 ビ ッ 卜のマイ ク ロ コンピュータで実現するのが困難であり 、 また、 フ ア ジ ィ 推論 に要する時間が必要となり 、 リ アルタ イムで洗い運転時間を決 定できないという 問題がある 。
そ こで 、 記憶手段に光透過度と飽和時間とをフ ア ジ ィ 推論 し、 その結果である洗い運転時間を定めた制御テーブルを記 11 させているので、 フ ア ジ ィ推論のためのプログラムが不要とな る とと もに、 リ アルタ イムで洗い運転時間を決定する こ とがで きる 。 なお、 フ ア ジ ィ 推論でな く ても、 飽和時間と光透過度に 基いて複雑な演算を して洗い運転時間を決定する ものについて も上記と同様な効果が得られる 。
また、 飽和時間と光透過度に基いて洗剤投入量を決定してい るので、 ひどい汚れの場合のよ う に洗剤不足で洗いが不十分と なる場合には、 洗剤を追加投入 して洗い仕上り 状態では洗い十 分なものとする こ とができる 。
さ ら に 、 飽和時間と光透過度によ り 水流の強さ も変えるの で、 汚れの種類、 汚れの量に適 した水流制御が可能となる 。
上記第 2の目的を達成するために、 本発明は、 記 11手段に洗 剤の種類に応 じた複数の制御テーブルを記憶させ、 制御手段が 洗剤判別手段の出力に応 じて記録手段の制御テーブルを選択
し、 洗い運転あるいは洗剤投入量あるいは水流の強さを決定す るよ う に構成 した ものである 。
上記構成によれば、 洗剤の種類、 たとえば液体洗剤, 粉末洗 剤では、 同一の汚れでも光透過度が大き く 異なるので、 洗剤の 種類が異なれば、 飽和時間と光透過度とによ り 洗い運転時間を 定めた制御テーブルも洗剤の種類に応 じて複数設け、 洗剤の種 類に起因する光透過度変化を加味 した上で、 洗い運転時間, 洗 剤投入量, 水流の強さを決定でき 、 洗剤種類が異なっても十分 な制度で、 各種制御ができ る 。
上記第 3 の目的を達成するために本発明は、 透過度検知装置 を発光素子と受光素子と発光出力制御手段とから構成 し、 制御 手段は、 槽内が清水状態の時に前記発光出力制御手段を動作さ せ、 前記受光素子の出力を基準値とする ものである 。
そ して上記構成によれば、 清水状態において発光素子の出力 を制御 して受光素子の出力が一定となるよ う に しているので、 透過度検知装置の検知部に汚れが蓄積 してきても 、 常に清水状 態では受光素子から一定の出力が得 られ、 よ って検知部の汚れ の蓄積の有無にかかわらず高精度に飽和時間, 光透過度を検知 する こ とができ る 。
上記第 4の目的を達成するために本発明は、 槽内の洗濯物量 を検知する洗濯物量検知手段と 、 この洗濯物量検知手段からの 洗濯物量を数段階に区別する洗濯物量判別手段とを備え、 記憶 手段には洗灌判別手段からの各段階の洗濯物量応 じた複数の制 御テーブルを記憶させ、 制御手段が洗濯物量判別手段の出力に 応 じて記憶手段の制御テーブルを洗濯 し、 洗い運転あるいは洗
剤投入量ある いは水流の強さ を決定するよ う に した ものであ る 。
上記構成によれば、 洗濯物量に応 じてその洗濯物量に適 した 制御テーブルを選択するので、 洗濯物量の多少にかかわらず、 高精度な各種制御を行う こ とができる 。
図面の簡単な説明
第 1 図は本発明によ る透過度検知装置の一実施例を示すブ ロ ッ ク図、 第 2図は本発明による洗濯機の構成の一実施例を示 す断面図 、 第 3図は本発明の洗濯機の制御装置のブロ ッ ク図、 第 4図は洗い, すすぎ, 脱水時の透過度検知装置の出力信号変 化を示す図、 第 5図は洗い時の洗剤の影響を示す図、 第 6図は 本発明による洗い制御の概略フローチャー ト 、 第 7図は洗い制 御テーブルの一実施例を示す図、 第 8図は本発明の他の実施例 を示す洗濯機の制御装置のブロ ッ ク図である 。
発明を実施するための最良の形態
第 1 図は、 本発明によ る透過度検知装置の一実施例を示す。 図において、 8は光センサで、 発光素子 8 a と受光素子 8 bを 対向 して配置 し、 発光素子 8 aの発光出力を一定に して、 受光 素子 8 b の出力信号を検知 し、 槽内の洗濯液の汚れを検知す る 。 発光素子 8 aの発光出力は、 マイ ク ロ コン ピュータ 1 6の 出力信号 (パルス副制御信号 略して P W M信号) によ り 制 御される 。 すなわち、 マイ ク ロ コンピュータ 1 6の P WM信号 を D Z A変換回路 1 9 aによ り 直流電圧に変換 し、 この直流電 圧をコ レク タ端子に発光素子 8 aが接続された N P N トラ ンジ ス夕 1 9 bのベース電圧に印加 し、 N P N トラ ンジスタの電流
一 Ί —
を制御 して発光素子 8 bの発光出力を制御する 。
上記 D ZA変換回路 1 9 a と N P N ト ラ ンジスタ 1 9 bによ り 発光出力制御手段を構成 している 。 ト ラ ンジスタ 1 9 bのェ ミ ッ タ端子にエ ミ ッ タ抵抗 1 9 cを接統 し、 発光素子 8 aに安 定した電流を供給する。 一方、 受光素子 8 bのエミ ッタ抵抗 1 9 d の出力信号 Veは、 マイ ク ロ コ ン ピュ ータ 1 6の A Z D変換入 力端子に加える 。 マイ ク ロ コン ピュータ 1 6は槽内の洗濯液が 清水の時に発光素子 8 aの発光出力制御を行い、 受光素子 8 b の出力信号 Veが基準値 Vsとする 。 そ して受光素子 8 bの出力 信号 Veが基準値 Vsとなった時点で発光素子 8 aの出力を一定 と し、 この基準値 Vsと経時変化する受光素子 8 bの出力電圧 Veの電圧変化を検知する こ と によ り 透過度検知が可能とな る 。 すなわち、 清水の時の基準値 Vsが透過度 1 0 0 %で 、 受 光素子 8 b の 出 力 電圧 Veと Vsの比、 VeZVsが透過度とな る 。 ,
第 2図は、 本発明による洗濯機の構成の一実施例を示す。 図 において、 1 は洗濯脱水槽で、 底部に撹拌翼 2を設け、 洗い, すすぎの撹拌時に回転させる 。 また脱水時には、 撹拌翼 2と洗 濯脱水槽 1を同時に回転させる 。 3は槽で、 洗い及びすすぎ時 に洗濯液を溜める 。 4は槽 3等を吊 り 下げるサスペン シ ョ ン で、 5は全体を保持する筐体である 。 6はモータで、 減速装置 7を介 して撹拌翼 2又は洗濯脱水槽 1へ回転力を伝達する 。 9 は槽 1の底部に設けられた排水口で、 排水弁 1 0に接続された 排水パイプ 1 1 に透過度検知装置 1 9の検知部である光センサ 8を配設 している 。 そ して光センサ 8によ って槽 3の底部と排
水弁 1 0を接銃する排水パイプ 1 1 中の洗濯液の光透過度を検 知 し 、 洗濯物の汚れ状態あるいは脱水状態を検知する 。
第 3 図は本発明によ る洗濯機の制御装置のブロ ッ ク 図であ る 。 図に示すよ う に、 交流電源 1 2よ り 制御装置 1 3へ交流電 力を加え、 制御装置 1 3は、 負荷であるモータ 6 , 排水弁 1 0, 給水弁 1 4等を制御する 。 6 ' はモータ 6の進相用コンデンサ である 。 1 5は槽 3の水位を検知する水位センサ、 1 6はマイ ク ロ コ ン ピュータ 、 1 7は洗濯物の量を検知する洗濯物量セン サである 。 洗濯物量センサ 1 7は、 モー夕 6を O N , O F F し て撹拌翼 2を左、 休止、 右へと回転させる洗い撹拌中にモータ 6の O F F時の撹拌翼 2の惰性回転数を検知 し洗濯物布量を判 定する ものである 。 すなわち、 洗濯物量が小さ ければ、 撹拌翼 2の惰性回転を阻害する洗濯物が少ないので撹拌翼 2および モータ 6の惰性面転数が大き く 、 進相コンデンサ 6 ' の減衰パ ルス数は大き く なる 。 また、 洗濯物量が大き ければ、 進相コン デンサ 6 ' のモータオフ時の進相コンデンサ 6 ' の減衰パルス 数は小さ く な り 、 上記特性を利用すれば洗濯物量を検知ができ る 。 1 8 は記憶回路で、 透過度検知 1 9の発光出力制御デー タ 、 あるいは基準設定値等を記憶し読み書きする ものである 。 2 0はパワースイ ッチング装置で、 マイ ク ロ コンピュータ 1 6 からの制御信号によ り モータ 6 , 排水弁 1 0 , 給水弁 1 4等の 負荷を制御する 。 2 1 は操作表示装置で、 各種のスィ ッ チ, 表 示部品からな り 、 使用者が指示 し、 あるいは、 使用者に表示報 知する ものである 。
第 4図に 、 透過度検知装置 1 9の出力電圧 Veの洗い, すす
ぎ, 脱水時における変化を示す。 T i〜 T 2期間は洗い、 T 2〜 T 3は排水、 T 3〜 T 4は中 間 脱水 、 T 4〜 T 5は給水、 T 5〜 T 7 はすすぎ撹拌行程である 。 中間脱水後のすすぎのための給水期 間中 ( T4〜 T5 ) に透過度検知装置 1 9の発光出力制御を行 い、 透過度検知装置の 1 9の出力電圧 Veを基準値 Vsに調整制 御する 。 この時、 槽 3の排水パイプ 1 1 近傍の水は、 清水とほ とんど同 じで、 透過度 1 0 0 %と考えればよい。 この時の調整 によ り 、 排水パイプ 1 1の管壁内の汚れの大小に関らず透過度検 知装置 1 9の出力電圧 Veは値 Vsとなるので、 この基準値 Vs からの変化が、 洗濯液あるいは脱水液の汚れとなる 。 給水期間 中に調整 さ れた発光出力制御データ 、 ある いは 、 センサ電圧 Ve ( Vsとほとんど同 じ 〉 は記憶回路 1 8に記憶され、 以降の すすぎ, 脱水, および、 次回の洗い、 中間脱水工程に用いられ る 。 すすぎ撹拌開始 ( T5 ) から一定期間後 Τ6にて、 透過度検 知装置 1 9の出力電圧変化によ り光透過度の低下を検知 し、 以 降のすすぎ運転を制御する 。 洗濯物の吸水性が大きい場合に は、 中間脱水時に脱水液が排水パイプに流れ、 第 4図に示す如 く 透過度が低下する 。
第 5 図に洗い運転中にお ける透過度検知装置 1 9の出力圧 Veの変化を示す。 TQ時点から洗い撹拌が開始 し、 汚れのない 洗濯物と液体洗剤を槽 3 内に投入 した場合又は液体洗剤のみの 場合は、 Aのよ う にほとんど変化がな く 、 洗濯物の汚れが大き い場合には A ' のよ う に基準電圧 Vsから徐 々 に低下する 。 B は汚れのない洗濯物と粉末洗剤を槽 3 内に投入 した場合又は粉 末洗剤のみの場合の変化を示 し 、 飽和時には V aの値となる 。
B ' は粉末洗剤で汚れ犬の洗濯物を投入 した場合である 。 洗い 開始から透過度検知装置 1 9の出力電圧の変化率がな く なる飽 和時 T sまでの時間を飽和時間と呼ぶ。 この飽和時間を検出す る こ とによ り 泥汚れと脂汚れを判定できる 。 すなわち、 泥汚れ の場合には洗濯液内に汚れが短時間で溶けだすので飽和時間が 短く 、 又脂汚れは、 溶けだしに く いので飽和時間は長く なる 。 また、 飽和時間は粉末洗剤と液体洗剤とによ り 同 じ汚れでも異 なる 。 すなわち 、 液体洗剤は粉末洗剤よ り 洗浄性能が低いの で、 汚れが溶け出すのに時間がかかり 、 飽和時間が長 く なる傾 向にある 。 このよ う に、 洗剤の種類によ り 飽和時間、 透過度検 知装置 1 9の出力電圧 Veが影饗さ れるので、 洗剤の種類を判 別する こ とが望まれる 。
次に洗剤の種類の判別方法について説明する 。 洗い開始後の 1 時点での透過度検知装置 1 9の出力電圧 Veを検知 し、 粉末 洗剤のみの電圧. Vaのよ り 少 し高い電圧 ^と上記出力電圧 Ve とを比較し、 Ve〉 VLな らば液体洗剤、 Ve≤ Vtな らば粉末洗 剤と判別でき る 。 また、 液体洗剤の場合は清水の基準値 V sか らの出力電圧 Veの変化、 粉末洗剤の場合は、 電圧 Vaからの出 力電圧 Veの変化が洗濯物によ る汚れ変化となる 。 すなわち、 液体洗剤の場合、 Vs— Veが大きいほど汚れが大となり 粉末洗 剤の場合には、 V a— V eが大き いほど汚れが大き い。 なお 、 Vaは Vsの約 6 0〜 6 5 %程度である 。
第 6図は、 本発明による洗い制御のフローチャー トである 。 ステップ 1 6 0で洗いをスター 卜する とステップ 1 6 1で洗い 撹拌がスター トする 。 ステップ 1 6 2では透過度検知装置 1 9
の発光出力は、 記憶回路 1 8 に記憶された発光出力制御データ によ り 発光素子 8 a の発光出力を一定に制御 した状態で、 周期 的に透過度検知装置 1 9の出力電圧 V eを入力する 。 ステ ッ プ 1 6 3 にて撹拌開始 後 ( 2 〜 3 分 ) な らばステ ップ 1 6 4 にて出力電圧 V eが液体洗剤判定レベル V Lよ り 高いかどう かを 判定する 。 高ければ液体洗剤と判定 し、 低ければ、 粉末洗剤と 判定 し、 以降の洗いあるいはすすぎの制御フラ グとな り 記憶さ れる 。 次にステ ップ 1 6 7 にて透過度検知装置 1 9の出力電圧 変化 ( Δ V /厶 t ) が設定値よ り 小さ く なれば飽和に達 したも のと判定 し、 飽和時間 T sとその時の光透過度 ( 出力電圧 V eを 記憶 し 、 洗い制御デー タ とする 。 ステ ッ プ 1 6 9 は飽和時間 T sと光透過度に応 じて洗い時間を設定する もので、 制御テー ブルをマイ ク ロ コンピュータのメ モ リ 内に記憶しており 、 第 7図 に示すような制御テーブルあるいは関数テーブルを参照して、 追 加洗い時間を求める 。 すなわち、 洗い時間 T wは T s 十 厶 T (追 加洗い時間) とな り 、 Δ Tは第 7 図の実施例に示すよ う に、 透 過度と飽和時間 T sの重みに応 じて変わる 。 Δ Τは透過度が低 下するほど、 また T sが長 く なるほど大き く なる 。 液体洗剤と 粉末洗剤の場合では重みが異な り 実際には V s - V e, V a— V e によ り 重みが複雑となるので、 第 7 図は液体洗剤の実施例を示 している 。 粉末洗剤の場合には、 あ らたに別の制御テーブルを 設け、 洗剤の種類に応 じて制御テーブルを選択するよ う にす る 。 また、 第 7 図の制御テーブルよ り 、 汚れが大き く 厶 Tが大 き く なつた場合には、 水流を強 く したり 、 あるいは洗剤自動投 入装置を有する場合には、 洗剤追加量を增加させる 。
ステ ップ 1 7 0は洗い終了判定で、 ステップ 1 7 1 は排水及 び中間脱水工程で、 その後、 ステップ 1 7 2 にてすすぎの給水 開始をする 。 すすぎ給水中に、 ステップ 1 7 3の発光出力調整 及びメ モ リ 書き込みサブルーチンが実行され、 以降のすすぎ、 あ る いは次回の洗い時には、 この時設定された発光出力制御 データによ り 、 発光出力は一定に制御される 。
上記制御フローから明らかな通り 、 制御の中枢であるマイ ク 口 コ ンピュータ 1 6は、 透過度検知装置 1 9の出力変化によ り 飽和状態を検知する機能と、 洗い開始から飽和状態を検知する までの飽和時間を計測する機能と洗剤の種類を判別する機能を 有 している こ とから 、 マイ ク ロ コンピュータ 1 6は飽和状態検 知手段と計時手段と洗剤判別手段を有 している ものである 。
また、 制御テーブルは、 飽和時間 T sと光透過度とか ら追加 洗い時間 Δ Tを決定する ものであるが、 この追加洗い時間 Δ T を決定するには人間の経験に基づく ところが多いので、 飽和時 間 T sおよ び光透過度をあいま いなデータに置き換えて人間的 な判断を可能と したフ ア ジ ィ 推論を用いる こ とが望ま しい。 し か し、 フ ア ジ ィ 推論を行わすには専用のフ ア ジ ィ 推論用プログ ラムが必要となり 、 通常 : 〜 8 ビッ 卜のマイ ク ロ コンピュータ で洗い等の運転制御プロ、グラムと と もにフ ア ジ ィ 推論プログラ ムを載せるのは困難であるので、 フ ア ジ ィ 推論 した結果を制御 テーブルの形でマイ ク ロ コン ピュータの R O Mに記憶させてい る 。 なお、 制御テーブルを決定するのにフ ア ジ ィ 推論以外の複 雑なプロ グラムを必要とする場合にも同様に行えばよい。
次に、 本発明の他の実施例を第 8図によ り 説明する 。 図にお
いて、 1 6はマイ ク ロ コ ン ピュータで、 このマイ ク ロ コンピュ 一 夕 1 6 は 、 洗濯物量セ ンサ 1 7の出力に基いて洗濯物量を
「多」 「 中 」 「 少」 の 3段階の形で判別する洗濯物量判別手段
2 2 と 、 洗濯物量 「多」 「 中」 「少」 の各々 に適合 した光透過 度と飽和時間 T sとによ り 洗剤投入量を決定する制御テーブル を記憶 した R O M l , R 0 M 2 , R O M 3 と 、 洗濯物量判別手 段 2 2からの洗濯物量 「多 j 「 中 」 「少」 に応 じて R O M l 〜
R O M 3を選択 し、 この選択 した R O M l 〜 R O M 3の内容と 透過度検知装置 1 9か らの光透過度およ び飽和時間 Tsとを比 較 し洗剤投入装置 2 4をパワースイ ッチング装置を介 して制御 する制御手段 2 3を有 している 。
そ して、 上記構成の洗濯機の制御装置は、 まず洗濯物量センサ
1 7の検知 した値を洗濯物量判別手段 2 2によ り 「多」 「 中 」
「少」 に判別する 。 この判別 した結果によ り 洗濯物量に適 した 制御テーブル W記憶 した R O M l 〜 R O M 3を選択する 。
以降は透過度検知装置 1 9を介して洗い撹拌における槽内の選 択液の光透過度と飽和時間 Tsを制御手段 2 3 によ り 検出 し 、 この検出 した光透過度と飽和時間 Tsと洗濯物量に適 した制御 テーブルとによ り 洗剤投入量を決定する 。 例えば飽和時間 T s が長 く 光透過度も小さ い場合には洗剤を多めに投入するよ う 洗 剤投入装置 2 4を動作させる 。
産業上の利用可能性
以上の実施例から明 らかなよ う に本発明によれば、 汚れの種 類等の情報となる飽和時間と 、 洗濯物の汚れの量等の情報とな る光透過度の両方によ り 、 洗い時間、 洗剤投入量, 水量の強さ
を決定しているので、 汚れの種類、 汚れの量等に最適な洗い時 間, 洗剤投入量, 水量の強さが決定でき 、 洗い仕上り 状態を良 好とできる 。 また、 上記洗い時間, 洗剤投入量, 水量の強さを 制御テーブルで決定するので、 フ ア ジ ィ 推論のよ うな複雑なプ ロ グラムをマイ ク ロ コンピュータに搭載する こ とな く フ ア ジ ィ 推論のよ うな高度な制御を行う こ とができ 、 また リ アルタイム での制御も可能となる 。
ま た洗剤の種類に適 した制御テーブルを複数設けているの で、 洗剤の種類が異なって光透過度, 飽和時間が変化 した場合 でも 、 洗剤の種類に合致 した最適制御が行える 。
また、 清水状態において透過度検知装置の発光素子の発光出 力制御をおこなうので、 長期の使用によ り 透過度検知装置の検 知部に汚れが蓄積しても、 透過度検知装置の出力が低下せず一 定に維持でき 、 長年にわたって高精度な光透過度, 飽和時間の 検知が行える 。
さ らに、 洗濯物量に適した複数の制御テーブルを設けている ので、 洗濯物量の多少にかかわらず、 高精度な制御ができる 。