JPWO2020162366A1 - 樹脂組成物及び樹脂製品 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、3次元プリンタ用の原材料として好適で、成形性と破壊特性とを両立した樹脂組成物、並びに、かかる樹脂組成物を用いた、破壊特性に優れる樹脂製品を提供することであり、その解決手段は、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、芳香族ビニル単位と、を含有する共重合体(A)と、熱可塑性樹脂(B)及び/又は熱可塑性エラストマー(C)と、を含有し、前記共重合体(A)は、融点が55℃以上であることを特徴とする、樹脂組成物、並びに、該樹脂組成物を用いたことを特徴とする、樹脂製品である。

Description

本発明は、樹脂組成物及び樹脂製品に関するものである。
昨今、3次元物体の造形に、3次元プリンタが利用されている。該3次元プリンタの方式としては、熱溶融積層方式(Fused Deposition Molding、以下、「FDM方式」と略記することがある。)、インクジェット方式、光造形方式、粉末焼結方式、シート積層方式等が知られている。これらの中でも、FDM方式は、樹脂製のフィラメントを加熱/溶融し、押し出し、積層させて3次元物体を作製する方式であり、原材料の反応を利用しない簡便な方式であるため、広く利用されつつある。ここで、3次元プリンタに用いる従来の原材料としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS)や、ポリ乳酸樹脂(PLA)等が知られている。
一方、下記特許文献1には、ゴム製品の耐亀裂成長性、耐久性を改善する材料として、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する多元共重合体が開示されている。しかしながら、該特許文献1では、タイヤ等のゴム製品について言及されているのみで、3次元プリンタ用原材料としての検討は全く行われていない。
国際公開第2017/065299号
3次元プリンタを用いて作製した造形物においては、破壊特性が重要な性能の一つである。3次元プリンタに用いる原材料としては、上述のように、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS)、ポリ乳酸樹脂(PLA)が知られているが、例えば、ポリ乳酸樹脂は、硬くて脆いという欠点があり、これら従来の原材料よりも破壊特性を向上させた原材料が求められている。
また、3次元プリンタ用の原材料においては、成形性も重要な性能の一つである。例えば、押し出しにより、原材料からフィラメントを作製する場合、押し出し時に流動性が確保できないとフィラメントが脈動して、フィラメントの表面が波打ってしまう。その場合、3次元プリンタでフィラメントを溶融・積層する際に、ノズルから押し出した材料の接着性が低下し、目的形状の造形物を得ることが難しくなる。
そこで、本発明は、3次元プリンタ用の原材料として好適で、成形性と破壊特性とを両立した樹脂組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、かかる樹脂組成物を用いた、破壊特性に優れる樹脂製品を提供することを更なる課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明の樹脂組成物は、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、芳香族ビニル単位と、を含有する共重合体(A)と、熱可塑性樹脂(B)及び/又は熱可塑性エラストマー(C)と、を含有し、
前記共重合体(A)は、融点が55℃以上であることを特徴とする。
かかる本発明の樹脂組成物は、3次元プリンタ用の原材料として好適であり、また、成形性と破壊特性とを両立することができる。
本発明の樹脂組成物において、前記共重合体(A)は、数平均分子量が100,000以上であることが好ましい。この場合、0.01〜50%ひずみ領域の樹脂組成物の硬さが向上し、例えば、樹脂組成物から作製したフィラメントの硬さが向上して、巻き取り易くなり、また、3次元プリンタのノズルに向けて送り出す際に、座屈し難いフィラメントを得ることができる。一方、フィラメント方式ではない直接押し出し方式の3次元プリンタ(即ち、ペレットを3次元プリンタに直接投入して混合、溶融してノズルから押し出す方式の3次元プリンタ)ではこの限りではない。
本発明の樹脂組成物の好適例においては、前記共重合体(A)と前記熱可塑性樹脂(B)と前記熱可塑性エラストマー(C)との合計100質量%中の、前記共重合体(A)の含有率が90質量%以下である。この場合、樹脂組成物の成形性が更に向上する。
本発明の樹脂組成物において、前記共重合体(A)は、前記非共役オレフィン単位の含有量が85mol%以下であることが好ましい。この場合、樹脂組成物の破壊特性が更に向上する。
本発明の樹脂組成物の他の好適例においては、前記熱可塑性樹脂(B)及び/又は前記熱可塑性エラストマー(C)が、ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド及びポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種である。この場合、樹脂組成物の成形性と破壊特性が更に向上する。
本発明の樹脂組成物において、前記共重合体(A)は、主鎖が非環状構造のみからなることが好ましい。この場合、樹脂組成物を溶融させ易くなり、樹脂組成物の溶融押し出し性が向上する。
また、本発明の樹脂製品は、上記の樹脂組成物を用いたことを特徴とする。かかる本発明の樹脂製品は、破壊特性に優れる。
本発明によれば、3次元プリンタ用、アディティブ・マニュファクチャリング用の原材料として好適で、成形性と破壊特性とを両立した樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、かかる樹脂組成物を用いた、破壊特性に優れる樹脂製品を提供することができる。
以下に、本発明の樹脂組成物及び樹脂製品を、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、芳香族ビニル単位と、を含有する共重合体(A)と、熱可塑性樹脂(B)及び/又は熱可塑性エラストマー(C)と、を含有し、前記共重合体(A)は、融点が55℃以上であることを特徴とする。
前記共重合体(A)は、単量体単位として、芳香族ビニル単位を含有することで、樹脂組成物の破断強度を向上させることができる。ここで、本発明者らが検討したところ、共重合体(A)のみでは、樹脂組成物の破断伸びを確保することが難しいことが分かった。そして、更に検討を進めたところ、共重合体(A)と、熱可塑性樹脂(B)及び/又は熱可塑性エラストマー(C)と、を組み合わせることで、樹脂組成物の破断強度と破断伸びとの両方を向上させることができ、樹脂組成物の破壊特性を総合的に向上させられることが分かった。
また、共重合体(A)のみでは、樹脂組成物から3次元プリンタ用のフィラメントを作製する場合、作製したフィラメントの表面が波打つようになり(換言すると、フィラメントの表面の凹凸が大きくなり)、成形性の点でも問題がある。これに対して、共重合体(A)と、熱可塑性樹脂(B)及び/又は熱可塑性エラストマー(C)と、を組み合わせることで、作製したフィラメントの表面が平滑になり(換言すると、フィラメントの表面の凹凸が小さくなり)、成形性も向上させることができる。これは3次元プリンタのノズルから押し出す際にも同様のことが生じ、ノズルから押し出した材料が脈動して表面が波打つと、ノズルから押し出した材料の成形性、接着性が低下し、目的形状の造形物を得ることが難しくなる。
なお、共重合体(A)と、熱可塑性樹脂(B)及び/又は熱可塑性エラストマー(C)と、を含む樹脂組成物であっても、共重合体(A)の融点が低過ぎると、樹脂組成物が軟らかくなり過ぎ、例えば、樹脂組成物から3次元プリンタ用のフィラメントを作製する場合、作製したフィラメントが軟らかくなり過ぎて、巻き取りが困難になったり、また、フィラメントを3次元プリンタのノズルに向けて送り出す際に、フィラメントが座屈する等の問題が生じる。
これに対して、本発明の樹脂組成物においては、融点が55℃以上の共重合体(A)を使用することで、樹脂組成物の硬さを十分に確保でき、樹脂組成物から作製したフィラメントの巻き取りが容易になり、また、座屈し難いフィラメントを得ることができる。このように、本発明の樹脂組成物は、当該樹脂組成物からフィラメントを作製した場合、作製したフィラメントの取り扱い性にも優れる。
以上のように、本発明の樹脂組成物は、3次元プリンタ用の原材料として好適で、成形性と破壊特性とを両立することができる。一方、フィラメント方式ではない直接押し出し方式の3次元プリンタではこの限りではない。
本発明の樹脂組成物は、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、芳香族ビニル単位と、を含有する共重合体(A)を含有する。該共重合体(A)は、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、芳香族ビニル単位と、を少なくとも含有し、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、芳香族ビニル単位のみからなってもよいし、更に他の単量体単位を含有してもよい。
前記非共役オレフィン単位は、単量体としての非共役オレフィン化合物に由来する構成単位である。該非共役オレフィン単位は、大きく歪んだ際に、当該非共役オレフィン単位に由来する結晶成分が崩壊することによって、エネルギーを散逸する。ここで、非共役オレフィン化合物とは、脂肪族不飽和炭化水素で、炭素−炭素二重結合を1個以上有し、炭素−炭素二重結合が共役していない化合物を指す。該非共役オレフィン化合物は、炭素数が2〜10であることが好ましい。かかる非共役オレフィン化合物として、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等のα−オレフィン、ピバリン酸ビニル、1−フェニルチオエテン、N−ビニルピロリドン等のヘテロ原子置換アルケン化合物等が挙げられる。前記非共役オレフィン化合物は、一種単独であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。そして、共重合体(A)の単量体としての非共役オレフィン化合物は、共重合体(A)を含む樹脂組成物の溶融押し出し性を向上させる観点から、非環状の非共役オレフィン化合物であることが好ましく、また、当該非環状の非共役オレフィン化合物は、α−オレフィンであることがより好ましく、エチレンを含むα−オレフィンであることが更に好ましく、エチレンのみからなることが特に好ましい。換言すると、共重合体(A)における非共役オレフィン単位は、非環状の非共役オレフィン単位であることが好ましく、また、当該非環状の非共役オレフィン単位は、α−オレフィン単位であることがより好ましく、エチレン単位を含むα−オレフィン単位であることが更に好ましく、エチレン単位のみからなることが更に好ましい。
前記共重合体(A)は、前記非共役オレフィン単位の含有量が、85mol%以下であることが好ましく、80mol%以下であることが更に好ましく、75mol%以下であることがより一層好ましく、また、44mol%超であることが好ましく、45mol%以上であることが更に好ましく、55mol%以上であることがより一層好ましく、65mol%以上であることが特に好ましい。非共役オレフィン単位の含有量が、共重合体(A)全体の85mol%以下であると、結果として共役ジエン単位又は芳香族ビニル単位の含有量が増加し、樹脂組成物の破壊特性(特には、破断伸び(Eb)、破断強度(Tb))が更に向上する。また、非共役オレフィン単位の含有量が44mol%超であると、結果として共役ジエン単位又は芳香族ビニル単位の含有量が減少して、耐候性が向上したり、高温での破壊特性(特には、破断強度(Tb))が更に向上する。
前記共役ジエン単位は、単量体としての共役ジエン化合物に由来する構成単位である。該共役ジエン単位は、樹脂組成物の伸びや強度を発現する。ここで、共役ジエン化合物とは、共役系のジエン化合物を指す。該共役ジエン化合物は、炭素数が4〜8であることが好ましい。かかる共役ジエン化合物として、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。前記共役ジエン化合物は、一種単独であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。そして、共重合体(A)の単量体としての共役ジエン化合物は、得られる共重合体(A)を用いた樹脂組成物や樹脂製品の破壊特性を更に向上させる観点から、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンを含むことが好ましく、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンのみからなることがより好ましく、1,3−ブタジエンのみからなることが更に好ましい。換言すると、共重合体(A)における共役ジエン単位は、1,3−ブタジエン単位及び/又はイソプレン単位を含むことが好ましく、1,3−ブタジエン単位及び/又はイソプレン単位のみからなることがより好ましく、1,3−ブタジエン単位のみからなることが更に好ましい。
前記共重合体(A)は、前記共役ジエン単位の含有量が、10mol%以上であることが好ましく、15mol%以上であることがより好ましく、また、40mol%以下であることが好ましく、30mol%以下であることがより好ましい。共役ジエン単位の含有量が、共重合体(A)全体の10mol%以上であると、破断伸びに優れる樹脂組成物及び樹脂製品が得られるので好ましく、また、40mol%以下であると、耐候性に優れる。
前記芳香族ビニル単位は、単量体としての芳香族ビニル化合物に由来する構成単位である。該芳香族ビニル単位は、共重合体(A)を含む樹脂組成物の破断強度を向上させることができる。ここで、芳香族ビニル化合物とは、少なくともビニル基で置換された芳香族化合物を指し、共役ジエン化合物には包含されないものとする。該芳香族ビニル化合物は、炭素数が8〜10であることが好ましい。かかる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等が挙げられる。前記芳香族ビニル化合物は、一種単独であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。そして、共重合体(A)の単量体としての芳香族ビニル化合物は、得られる共重合体(A)を用いた樹脂組成物及び樹脂製品の耐候性や破壊特性を更に向上させる観点から、スチレンを含むことが好ましく、スチレンのみからなることがより好ましい。換言すると、共重合体(A)における芳香族ビニル単位は、スチレン単位を含むことが好ましく、スチレン単位のみからなることがより好ましい。
なお、芳香族ビニル単位における芳香族環は、隣接する単位と結合しない限り、共重合体(A)の主鎖には含まれない。
前記共重合体(A)は、前記芳香族ビニル単位の含有量が、3mol%以上であることが好ましく、5mol%以上であることがより好ましく、また、30mol%以下であることが好ましく、25mol%以下であることがより好ましく、20mol%以下であることがより一層好ましい。芳香族ビニル単位の含有量が、共重合体(A)全体の3mol%以上であると、破壊特性が更に向上する。また、芳香族ビニル単位の含有量が30mol%以下であると、共役ジエン単位及び非共役オレフィン単位による効果が顕著になる。
前記共重合体(A)の単量体の種類の数としては、共重合体(A)が非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する限り、特に制限はない。該共重合体(A)は、非共役オレフィン単位、共役ジエン単位、及び芳香族ビニル単位以外の、その他の構成単位を有していてもよいが、その他の構成単位の含有量は、所望の効果を得る観点から、共重合体(A)全体の30mol%以下であることが好ましく、20mol%以下であることがより好ましく、10mol%以下であることが更に好ましく、含有しないこと、即ち、含有量が0mol%であることが特に好ましい。
また、前記共重合体(A)は、ブチレン単位の含有量が0mol%であることが好ましい。
前記共重合体(A)は、破壊特性を更に向上させる観点から、単量体として、一種のみの共役ジエン化合物、一種のみの非共役オレフィン化合物、及び一種のみの芳香族ビニル化合物を少なくとも用いて重合してなる共重合体であることが好ましい。換言すると、前記共重合体(A)は、一種のみの共役ジエン単位、一種のみの非共役オレフィン単位、及び一種のみの芳香族ビニル単位を含有する共重合体であることが好ましく、一種の共役ジエン単位、一種の非共役オレフィン単位、及び一種の芳香族ビニル単位のみからなる三元共重合体であることがより好ましく、1,3−ブタジエン単位、エチレン単位、及びスチレン単位のみからなる三元共重合体であることが更に好ましい。ここで、「一種の共役ジエン単位」には、異なる結合様式の共役ジエン単位が包含される。
前記共重合体(A)は、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が100,000以上であることが好ましく、また、400,000以下であることが好ましい。前記共重合体(A)のMnが100,000以上であることにより、樹脂組成物の硬さが向上し、例えば、樹脂組成物から作製したフィラメントの硬さが向上して、巻き取り易くなり、また、3次元プリンタのノズルに向けて送り出す際に、座屈し難いフィラメントを得ることができる。また、前記共重合体(A)のMnが400,000以下であることにより、樹脂組成物を溶融させ易くなり、樹脂組成物の溶融押し出し性が向上する。一方、フィラメント方式ではない直接押し出し方式の3次元プリンタではこの限りではない。
前記共重合体(A)は、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が300,000以上であることが好ましく、また、1,000,000以下であることが好ましい。前記共重合体(A)のMwが300,000以上であることにより、樹脂組成物の硬さが向上し、例えば、樹脂組成物から作製したフィラメントの硬さが向上して、巻き取り易くなり、また、3次元プリンタのノズルに向けて送り出す際に、座屈し難いフィラメントを得ることができる。また、前記共重合体(A)のMwが1,000,000以下であることにより、樹脂組成物を溶融させ易くなり、樹脂組成物の溶融押し出し性が向上する。一方、フィラメント方式ではない直接押し出し方式の3次元プリンタではこの限りではない。
前記共重合体(A)は、分子量分布[Mw/Mn(重量平均分子量/数平均分子量)]が1.00〜4.00であることが好ましく、1.50〜3.50であることがより好ましく、1.80〜3.00であることが更に好ましい。共重合体(A)の分子量分布が4.00以下であれば、共重合体(A)の物性に十分な均質性をもたらすことができる。
なお、上述した数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標準物質として求める。
前記共重合体(A)は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が55℃以上であり、60℃以上が好ましく、70℃以上が更に好ましく、また、200℃以下であることが好ましく、150℃以下であることが更に好ましい。共重合体(A)の融点が55℃以上であれば、共重合体(A)を含む樹脂組成物の硬さが向上し、例えば、樹脂組成物から作製したフィラメントの硬さが向上して、巻き取り易くなり、また、3次元プリンタのノズルに向けて送り出す際に、座屈し難いフィラメントを得ることができる。また、共重合体(A)の融点が200℃以下であれば、樹脂組成物を溶融させ易くなり、樹脂組成物の溶融押し出し性が向上する。一方、フィラメント方式ではない直接押し出し方式の3次元プリンタではこの限りではない。
ここで、該融点は、実施例に記載の方法で測定した値である。
前記共重合体(A)は、主鎖が非環状構造のみからなることが好ましい。共重合体(A)の主鎖が非環状構造のみからなる場合、共重合体(A)が柔らかくなり、樹脂組成物を溶融させ易くなり、樹脂組成物の溶融押し出し性が向上する。
なお、共重合体(A)の主鎖が環状構造を有するか否かの確認には、NMRが主要な測定手段として用いられる。具体的には、主鎖に存在する環状構造に由来するピーク(例えば、三員環〜五員環については、10〜24ppmに現れるピーク)が観測されない場合、その共重合体の主鎖は、非環状構造のみからなることを示す。
前記共重合体(A)は、非共役オレフィン化合物と、共役ジエン化合物と、芳香族ビニル化合物とを単量体として用いる重合工程を経て製造でき、更に、必要に応じ、カップリング工程、洗浄工程、その他の工程を経てもよい。なお、前記共重合体(A)は、変性されていても、変性されていなくてもよい。
ここで、前記共重合体(A)の製造においては、触媒存在下で、共役ジエン化合物を添加せずに非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物のみを添加し、これらをまず重合させることが好ましい。非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物より共役ジエン化合物の方が反応性が高いことから、共役ジエン化合物の存在下で非共役オレフィン化合物及び/又は芳香族ビニル化合物を重合させることが困難となり易いためである。
重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、かかる溶媒としては、重合反応において不活性なものであればよく、例えば、トルエン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン等が挙げられる。
重合工程は、一段階で行ってもよく、二段階以上の多段階で行ってもよい。一段階の重合工程とは、重合させる全ての種類の単量体、即ち、共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物、芳香族ビニル化合物、及びその他の単量体、好ましくは、共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物、及び芳香族ビニル化合物を一斉に反応させて重合させる工程である。また、多段階の重合工程とは、1種類又は2種類の単量体の一部又は全部を最初に反応させて重合体を形成し(第1重合段階)、次いで、残る種類の単量体や前記1種類又は2種類の単量体の残部を添加して重合させる1以上の段階(第2重合段階〜最終重合段階)を行って重合させる工程である。特に、共重合体の製造では、重合工程を多段階で行うことが好ましい。
重合工程において、重合反応は、不活性ガス、好ましくは窒素ガスやアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。上記重合反応の重合温度は、特に制限されないが、例えば、−100℃〜200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。また、上記重合反応の圧力は、共役ジエン化合物を十分に重合反応系中に取り込むため、0.1〜10.0MPaの範囲が好ましい。また、上記重合反応の反応時間も特に制限がなく、例えば、1秒〜10日の範囲が好ましいが、触媒の種類、重合温度等の条件によって適宜選択することができる。
また、前記共役ジエン化合物の重合工程においては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の重合停止剤を用いて、重合を停止させてもよい。
前記重合工程は、多段階で行うことが好ましい。より好ましくは、少なくとも芳香族ビニル化合物を含む第1単量体原料と、重合触媒とを混合して重合混合物を得る第1工程と、前記重合混合物に対し、共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第2単量体原料を導入する第2工程とを実施することが好ましい。更に、上記第1単量体原料が共役ジエン化合物を含まず、且つ上記第2単量体原料が共役ジエン化合物を含むことがより好ましい。
前記第1工程で用いる第1単量体原料は、芳香族ビニル化合物とともに、非共役オレフィン化合物を含有してもよい。また、第1単量体原料は、使用する芳香族ビニル化合物の全量を含有してもよく、一部のみを含有してもよい。また、非共役オレフィン化合物は、第1単量体原料及び第2単量体原料の少なくともいずれかに含有される。
前記第1工程は、反応器内で、不活性ガス、好ましくは窒素ガス又はアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。第1工程における温度(反応温度)は、特に制限はないが、例えば、−100℃〜200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。また、第1工程における圧力は、特に制限はないが、芳香族ビニル化合物を十分に重合反応系中に取り込むため、0.1〜10.0MPaの範囲が好ましい。また、第1工程に費やす時間(反応時間)は、重合触媒の種類、反応温度等の条件によって適宜選択することができるが、例えば、反応温度を25〜80℃とした場合には、5分〜500分の範囲が好ましい。
前記第1工程において、重合混合物を得るための重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、かかる溶媒としては、重合反応において不活性なものであればよく、例えば、トルエン、シクロヘキサノン、ノルマルヘキサン等が挙げられる。
前記第2工程で用いる第2単量体原料は、共役ジエン化合物のみ、又は、共役ジエン化合物及び非共役オレフィン化合物、又は、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物、又は、共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物であることが好ましい。
なお、第2単量体原料が、共役ジエン化合物以外に非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物よりなる群から選択される少なくとも1つを含む場合には、予めこれらの単量体原料を溶媒等と共に混合した後に重合混合物に導入してもよく、各単量体原料を単独の状態から導入してもよい。また、各単量体原料は、同時に添加してもよく、逐次添加してもよい。第2工程において、重合混合物に対して第2単量体原料を導入する方法としては、特に制限はないが、各単量体原料の流量を制御して、重合混合物に対して連続的に添加すること(所謂、ミータリング)が好ましい。ここで、重合反応系の条件下で気体である単量体原料(例えば、室温、常圧の条件下における非共役オレフィン化合物としてのエチレン等)を用いる場合には、所定の圧力で重合反応系に導入することができる。
前記第2工程は、反応器内で、不活性ガス、好ましくは窒素ガス又はアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。第2工程における温度(反応温度)は、特に制限はないが、例えば、−100℃〜200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。なお、反応温度を上げると、共役ジエン単位におけるシス−1,4結合の選択性が低下することがある。また、第2工程における圧力は、特に制限はないが、共役ジエン化合物等の単量体を十分に重合反応系に取り込むため、0.1〜10.0MPaの範囲が好ましい。また、第2工程に費やす時間(反応時間)は、重合触媒の種類、反応温度等の条件によって適宜選択することができるが、例えば、0.1時間〜10日の範囲が好ましい。
また、第2工程においては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の重合停止剤を用いて、重合反応を停止させてもよい。
ここで、上記の非共役オレフィン化合物、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物の重合工程は、触媒成分としての、下記(a)〜(f)成分の1種以上の存在下で、各種単量体を重合させる工程を含むことが好ましい。なお、重合工程には、触媒成分として、下記(a)〜(f)成分を1種以上用いることが好ましいが、下記(a)〜(f)成分の2種以上を組み合わせて、触媒組成物として用いることが更に好ましい。
(a)成分:希土類元素化合物又は該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物
(b)成分:有機金属化合物
(c)成分:アルミノキサン
(d)成分:イオン性化合物
(e)成分:ハロゲン化合物
(f)成分:シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基を有する化合物
これら(a)〜(f)成分については、国際公開第2017/065299号、国際公開第2018/092733号等に詳述されている。
前記カップリング工程は、前記重合工程において得られた共重合体の高分子鎖の少なくとも一部(例えば、末端)を変性する反応(カップリング反応)を行う工程である。
前記カップリング工程において、重合反応が100%に達した際にカップリング反応を行うことが好ましい。
前記カップリング反応に用いるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)等のスズ含有化合物;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)が、反応効率と低ゲル生成の点で、好ましい。
なお、カップリング反応を行うことにより、数平均分子量(Mn)の増加を行うことができる。
前記洗浄工程は、前記重合工程において得られた共重合体を洗浄する工程である。なお、洗浄に用いる媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられるが、重合触媒としてルイス酸由来の触媒を使用する際は、特にこれらの溶媒に対して酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸等)を加えて使用することができる。添加する酸の量は、溶媒に対して15mol%以下が好ましい。これ以上では、酸が共重合体中に残存してしまうことで混練及び加硫時の反応に悪影響を及ぼす可能性がある。
この洗浄工程により、共重合体中の触媒残渣量を好適に低下させることができる。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(B)及び/又は熱可塑性エラストマー(C)を含有する。即ち、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(B)及び熱可塑性エラストマー(C)の一方、又は、両方を含有する。
ここで、熱可塑性樹脂(B)及び熱可塑性エラストマー(C)は、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になる高分子化合物であり、本明細書では、このうち、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になり且つゴム状弾性を有する高分子化合物を熱可塑性エラストマー(C)とし、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になり且つゴム状弾性を有しない高分子化合物を熱可塑性樹脂(B)として、区別する。
また、本明細書では、熱可塑性樹脂(B)及び熱可塑性エラストマー(C)には、上述の、「非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、芳香族ビニル単位と、を含有する共重合体(A)」は包含されないものとする。
前記熱可塑性樹脂(B)としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン系樹脂(PP)等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。前記ポリエチレンとしては、特に制限はなく、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等が挙げられる。また、前記ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンのホモポリマーの他、プロピレンに加えて、エチレンを含むランダムコポリマーやブロックコポリマーも包含する。また、他の熱可塑性樹脂(B)としては、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS樹脂)、ポリ乳酸樹脂(PLA樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、等が挙げられる。前記熱可塑性樹脂(B)は、公知の方法で合成して使用することもできるし、市販品を利用することもできる。
前記熱可塑性エラストマー(C)としては、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)等が挙げられる。これらの中でも、樹脂組成物の成形性と破壊特性の観点から、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)が好ましい。前記熱可塑性エラストマー(C)は、公知の方法で合成して使用することもできるし、市販品を利用することもできる。
前記スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)は、芳香族ビニル系重合体ブロック(ハードセグメント)と、ゴムブロック(ソフトセグメント)とを有し、芳香族ビニル系重合体部分が物理架橋を形成して橋かけ点となり、一方、ゴムブロックがゴム弾性を付与する。該スチレン系熱可塑性エラストマーは、分子中のソフトセグメントの配列様式により分けることができ、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・エチレン/プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEEPS)等が挙げられ、更には、ポリブタジエンとブタジエン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して得られる、結晶性ポリエチレンとエチレン−ブチレン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体や、ポリブタジエン又はエチレン−ブタジエンランダム共重合体とポリスチレンとのブロック共重合体を水添して得られる、例えば、結晶性ポリエチレンとポリスチレンとのジブロック共重合体等も含まれる。これらの中でも、樹脂組成物の成形性と破壊特性の観点から、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)が好ましい。
上述した材料の中でも、樹脂組成物の成形性と破壊特性の観点から、前記熱可塑性樹脂(B)及び/又は前記熱可塑性エラストマー(C)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド及びポリカーボネートが好ましい。
これら熱可塑性樹脂(B)及び熱可塑性エラストマー(C)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の樹脂組成物においては、前記共重合体(A)と前記熱可塑性樹脂(B)と前記熱可塑性エラストマー(C)との合計100質量%中の、前記共重合体(A)の含有率が90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることが更に好ましく、また、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)と熱可塑性エラストマー(C)との合計100質量%中の、共重合体(A)の含有率が90質量%以下であれば、樹脂組成物の成形性が更に向上する。また、共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)と熱可塑性エラストマー(C)との合計100質量%中の、共重合体(A)の含有率が30質量%以上であれば、樹脂組成物の破壊特性が更に向上する。
本発明の樹脂組成物においては、前記共重合体(A)と前記熱可塑性樹脂(B)と前記熱可塑性エラストマー(C)との合計100質量%中の、前記熱可塑性樹脂(B)と前記熱可塑性エラストマー(C)との合計含有率が、10質量%以上であることが好ましく、また、70質量%以下であることが好ましい。共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)と熱可塑性エラストマー(C)との合計100質量%中の、熱可塑性樹脂(B)と熱可塑性エラストマー(C)との合計含有率が10質量%以上であれば、樹脂組成物の成形性が更に向上する。また、共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)と熱可塑性エラストマー(C)との合計100質量%中の、熱可塑性樹脂(B)と熱可塑性エラストマー(C)との合計含有率が70質量%以下であれば、樹脂組成物の破壊特性が更に向上する。
本発明の樹脂組成物は、前記共重合体(A)、前記熱可塑性樹脂(B)、前記熱可塑性エラストマー(C)の他に添加剤を含有してもよい。なお、本発明の樹脂組成物においては、前記共重合体(A)と前記熱可塑性樹脂(B)と前記熱可塑性エラストマー(C)との合計含有量が、樹脂組成物全量基準で、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることがより一層好ましく、100質量%であってもよい。共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)と熱可塑性エラストマー(C)との合計含有量が、樹脂組成物全量基準で、70質量%以上であれば、樹脂組成物の成形性と破壊特性とをより高度に両立できる。
前記添加剤としては、特に制限はなく、例えば、帯電防止剤、滑剤、結晶核剤、粘着性付与剤、防曇剤、離型剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、顔料、染料、香料、難燃剤等が挙げられる。これら添加剤の合計含有量は、樹脂組成物全量基準で、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることが更に好ましく、10質量%以下であることがより一層好ましく、0質量%であってもよい。添加剤の合計含有量が、樹脂組成物全量基準で、30質量%以下であれば、樹脂組成物の成形性と破壊特性とをより高度に両立できる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、前記共重合体(A)と、前記熱可塑性樹脂(B)及び/又は前記熱可塑性エラストマー(C)と、所望に応じて選択した添加剤と、を溶融混練することで、樹脂組成物を製造でき、更に、該樹脂組成物を、目的に応じて、例えば、3次元プリンタ用のフィラメント形状に押し出し、ボビン状に巻き取った巻回体とすることもできる。
<樹脂製品>
本発明の樹脂製品は、上述した、本発明の樹脂組成物を用いたことを特徴とする。かかる本発明の樹脂製品は、本発明の樹脂組成物を用いているため、破壊特性に優れる。
なお、本発明の樹脂製品の用途は、特に限定されず、少なくとも一部に樹脂部分を有する種々の物品が挙げられ、例えば、車両部品、電子部品等が挙げられる。
本発明の樹脂製品は、例えば、上述の本発明の樹脂組成物からフィラメントを作製し、FDM方式の3次元プリンタにより、該フィラメントを溶融し、押し出し、積層することで、作製することができる。
FDM方式の3次元プリンタは、一般に、フィラメントを突出口であるノズルに向けてローラーによって送り出す機構となっている。このため、フィラメントには、座屈を回避するために、一定以上の剛性が必要となる。これに対して、上述の本発明の樹脂組成物から作製したフィラメントは、十分な剛性を有するため、ノズルに向けてローラーによって送り出しても、座屈を回避することができる。一方、フィラメント方式ではない直接押し出し方式の3次元プリンタではこの限りではない。
なお、本発明の樹脂製品の製造方法は、フィラメントを利用した上述の方法に限定されず、例えば、樹脂組成物から帯状体(リボン)を作製し、該帯状体を溶融し、押し出し、積層することでも、作製することができる。
また、本発明の樹脂製品は、組成が均一でも、不均一でもよい。例えば、フィラメントの作製に際し、樹脂組成物の組成を変化させつつ供給することで、シームレスに硬さを変化させたフィラメントを作製することができ、また、かかるフィラメントを3次元プリンタのノズルに供給し、溶融し、押し出し、積層することで、部分ごとに組成が異なる樹脂製品を作製することができる。かかる樹脂製品は、例えば、部分ごとに、要求性能が異なる場合、特に有効である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<共重合体の分析方法>
以下の方法で、後述のようにして合成した共重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)、エチレン単位、ブタジエン単位及びスチレン単位の含有量、融点(Tm)を測定し、主鎖構造を確認した。結果を表1に示す。
(1)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー社製HLC−8121GPC/HT、カラム:東ソー社製GMHHR−H(S)HT×2本、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、測定温度は40℃である。
(2)エチレン単位、ブタジエン単位、スチレン単位の含有量
共重合体中のエチレン単位、ブタジエン単位、スチレン単位の含有量(mol%)を、H−NMRスペクトル(100℃、d−テトラクロロエタン標準:6ppm)における、各ピークの積分比より求めた。
(3)融点(Tm)
示差走査熱量計(DSC、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、「DSCQ2000」)を用い、JIS K 7121−1987に準拠して、共重合体の融点(Tm)を測定した。
(4)主鎖構造の確認
合成した共重合体について、13C−NMRスペクトルを測定した。いずれの共重合体についても、13C−NMRスペクトルチャートにおいて、10〜24ppmにピークが観測されなかったことから、合成した共重合体は、主鎖が非環状構造のみからなることを確認した。
<共重合体1の合成方法>
十分に乾燥した2000mL耐圧ステンレス反応器に、スチレン100gと、トルエン379gと、を加えた。
一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、モノ(1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)インデニル)ビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体{1,3−(t−BuMeSi)Gd[N(SiHMe}0.090mmol、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[MeHNPhB(C]0.090mmol、及びトリイソブチルアルミニウム0.90mmolを仕込み、トルエン57mLを加え、16時間エージングして、触媒溶液とした。
得られた触媒溶液を、前記耐圧ステンレス反応器に加え、60℃に加温した。
次いで、エチレンを圧力1.5MPaで、前記耐圧ステンレス反応器に投入し、75℃で計4時間共重合を行った。1,3−ブタジエンは、連続的に1.5〜2.0mL/分の速度で、1,3−ブタジエン70gを含むトルエン溶液280gとして、加えた。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを、前記耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、共重合体1を得た。
<共重合体2の合成方法>
十分に乾燥している2000mL耐圧ステンレス反応器に、スチレン35gと、トルエン643gと、を加える。
一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、モノ((1−ベンジルジメチルシリル−3−メチル)インデニル)ビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体{(1−BnMeSi−3−Me)CGd[N(SiHMe}0.075mmol及びトリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[PhCB(C]0.075mmolを仕込み、トルエン20mLを加えて、触媒溶液とする。
得られる触媒溶液を、前記耐圧ステンレス反応器に加え、60℃に加温する。
次いで、エチレンを圧力1.5MPaで、前記耐圧ステンレス反応器に投入し、75℃で計4時間共重合を行う。1,3−ブタジエンは、連続的に0.3〜0.4mL/分の速度で、1,3−ブタジエン18gを含むトルエン溶液72gとして、加える。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを、前記耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させる。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、共重合体2を得る。
<共重合体3の合成方法>
十分に乾燥した2000mL耐圧ステンレス反応器に、スチレン100gと、トルエン378gと、を加えた。
一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、モノ(1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)インデニル)ビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体{1,3−(t−BuMeSi)Gd[N(SiHMe}0.090mmol、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[MeHNPhB(C]0.090mmol、及びトリイソブチルアルミニウム0.90mmolを仕込み、トルエン57mLを加え、16時間エージングして、触媒溶液とした。
得られた触媒溶液を、前記耐圧ステンレス反応器に加え、60℃に加温した。
次いで、エチレンを圧力1.5MPaで、前記耐圧ステンレス反応器に投入し、75℃で計3時間共重合を行った。1,3−ブタジエンは、連続的に1.5〜2.0mL/分の速度で、1,3−ブタジエン53gを含むトルエン溶液210gとして、加えた。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを、前記耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、共重合体3を得た。
Figure 2020162366
<樹脂組成物の調製及び評価>
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
上記のようにして合成した共重合体と、市販の熱可塑性樹脂(B)及び/又は熱可塑性エラストマー(C)から、表2に示す配合処方に従い、5mLの小型混練機(xplore instruments社5mL小型混練機)を用いて、FDM方式の3次元プリンタ用フィラメントを作製した。
混練りは、練り温度170℃、スクリュー回転数100rpm、練り時間3分で行った。これら条件は、練りトルクが最大値8000Nを超えないように設定した。
また、混練後にフィラメントを押し出す際は、フィラメントの直径が1.7mmから1.8mmとなるように、直径1.25mmのノズルを使用し、回転数を10rpmに下げて押し出しを行った。
押し出されたフィラメントは、ファイバー巻き取り機(xploreオプション装置)を用いて、10mm/sの速度で巻き取ることで、フィラメントの直径を一定にした。
得られたフィラメントに対して、下記の方法で、破断伸び及び破断強度を測定し、更に、成形性を評価した。結果を表2に示す。
(5)破断伸び及び破断強度の測定方法
各フィラメントの破断伸び及び破断強度の評価は、引張試験装置(INSTRONデュアルコラム卓上型試験機5965型)を用いて、以下の設定条件で応力−歪み曲線を計測し、破断伸長歪み(%)と破断応力(MPa)を求めて行った。
ロードセルmax応力: 5kN
変位計測: 初期長さ10mmとしてチャック間距離を計測
チャック形状・締め付け圧力: 2枚の板で挟む形式で破断応力20MPa(引張破断張力50Nの約10倍の500Nでチャック滑りが起こらないよう締め付け)
引張速度: 100mm/min
雰囲気温度: 室温
破断伸びについては、300%以上であれば良好と判断した。また、破断強度については、6MPa以上であれば良好と判断した。
なお、比較例3の樹脂組成物については、降伏点が観測されたため、表2には、破断強度として、引張降伏応力を示す。
(6)成形性の評価方法
上記の押し出し条件で作製した各フィラメントの表面粗さで、成形性の評価を行った。押し出し時にフィラメントが脈動することで表面が波打ってしまうと接着性が低下し、目的形状の造形物が得られないことから、フィラメント作製時の表面粗さを成形性の指標として評価を行った。
表面粗さは、フィラメント表面の長さ10mmの範囲で3箇所を選択し、形状解析レーザー顕微鏡(キーエンス社VK−X1000)を用いてRz(μm)を計測した。各サンプルの計測結果の平均値を表2に示す。
表面粗さ(Rz)が200μm以下であれば、成形性が良好であると判断した。
また、これにより3次元プリンタでフィラメントを溶融・積層する際に、ノズルから押し出した材料の接着性が確保でき、目的形状の造形物を得ることができるようになった。
(比較例4)
共重合体2と、市販のポリエチレンから、表2に示す配合処方に従い、実施例1〜3及び比較例1〜3と同様にして、FDM方式の3次元プリンタ用フィラメントの作製を試みる。
しかしながら、比較例4の樹脂組成物の、ノズルからの押し出し物は、柔らか過ぎて、巻き取り時に破断し、フィラメントの作製が困難である。そのため、比較例4の樹脂組成物は、破断伸び及び破断強度の測定、及び、成形性の評価を行うことができない。
Figure 2020162366
*1 ポリエチレン: 宇部興産丸善ポリエチレン株式会社製、低密度ポリエチレン(LDPE)、商品名「ユメリット613A」
*2 SEBS1: 旭化成株式会社製、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、商品名「タフテックP1500」
*3 SEBS2: 旭化成株式会社製、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、商品名「タフテックP2000」
*4 ポリプロピレン: 日本ポリプロ株式会社製、商品名「ウィンテックWSX03」
表2から、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、芳香族ビニル単位と、を含有し、融点が55℃以上である共重合体(A)を、熱可塑性樹脂(B)及び/又は熱可塑性エラストマー(C)とブレンドすることにより、成形性と破壊特性に優れる樹脂組成物が得られることが分かる。
本発明の樹脂組成物は、3次元プリンタ用、アディティブ・マニュファクチャリング用の原材料として利用できる。

Claims (7)

  1. 非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、芳香族ビニル単位と、を含有する共重合体(A)と、熱可塑性樹脂(B)及び/又は熱可塑性エラストマー(C)と、を含有し、
    前記共重合体(A)は、融点が55℃以上であることを特徴とする、樹脂組成物。
  2. 前記共重合体(A)は、数平均分子量が100,000以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記共重合体(A)と前記熱可塑性樹脂(B)と前記熱可塑性エラストマー(C)との合計100質量%中の、前記共重合体(A)の含有率が90質量%以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記共重合体(A)は、前記非共役オレフィン単位の含有量が85mol%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記熱可塑性樹脂(B)及び/又は前記熱可塑性エラストマー(C)が、ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド及びポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記共重合体(A)は、主鎖が非環状構造のみからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とする、樹脂製品。
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