JP2000086836A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物

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JP2000086836A
JP2000086836A JP10259668A JP25966898A JP2000086836A JP 2000086836 A JP2000086836 A JP 2000086836A JP 10259668 A JP10259668 A JP 10259668A JP 25966898 A JP25966898 A JP 25966898A JP 2000086836 A JP2000086836 A JP 2000086836A
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Jun Yonezawa
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 軟質性、応力白化性、曇り度、フィルムブロ
ッキング性のバランスを改良したポリプロピレン系樹脂
組成物。 【解決手段】 成分(A);ポリプロピレン系樹脂 9
8〜50重量部、成分(B);ビニル芳香族炭化水素化
合物単量体を主体とする重合体ブロックと水素添加され
た共役ジエン化合物単量体単位を主体とする重合体ブロ
ックから構成されるブロック共重合体 2〜50重量部
からなる樹脂組成物であって、成分(A)が連続相を形
成し、その連続相中に、成分(A)と成分(B)からな
る第一分散相が存在し、さらにその第一分散相中に主に
成分(B)を構成するビニル芳香族炭化水素化合物単量
体を主体とする重合体ブロックからなるドメインが第2
分散相を形成した分散形態を有し、タッピングAFM
(原子間力顕微鏡)の位相差像にて測定した第一分散相
の粒径が数平均粒径で200nm以下であって、第2分
散相が数平均長で100nm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン樹
脂組成物に関し、水素添加ブロック共重合体を添加する
ことにより、ポリプロピレン系樹脂の軟質性、応力白化
性、曇り度、フィルムブロッキング性のバランスを改良
した特異的なモルフォロジーを有するポリプロピレン系
樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂組成物は、一般に
耐薬品性、機械的特性に優れているため、包材、雑貨、
機械部品、自動車部品など広範に使用されている。ま
た、最近、環境問題に対する必要性から非ハロゲン系の
透明高分子材料の開発が進んでおり、特にシート、フィ
ルム分野においてはポリプロピレン系樹脂を軟質化、透
明化させる要求が出ている。ポリプロピレン系樹脂を軟
質化、透明化させるためには、ポリプロピレン系樹脂に
エラストマーを添加する方法が用いられているが、例え
ばオレフィン系エラストマーを添加した場合組成物の軟
質性は向上するが応力白化性、曇り度、フィルムどうし
のブロッキング性は満足のいくものではなかった。応力
白化性の改善を目的として特開平6−287365には
ポリプロピレンと水添ジエン系共重合体よりなる組成物
が提案されている。しかしながら、この方法で得られた
フィルムは、フィルムどうしのブロッキングの改善が要
求されており、また軟質性、曇り度も満足のいくもので
はなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は軟質
性、応力白化性、曇り度、フィルムブロッキング性のバ
ランスに優れるポリプロピレン系樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、図1に示すよ
うなある特定な分散形態をもたせたポリプロピレン系樹
脂と水素添加スチレン系ブロック共重合体との樹脂組成
物が上記課題を効果的に解決することを見いだし本発明
を完成するに至った。
【0005】即ち本発明の第1は、成分(A);ポリプ
ロピレン系樹脂 98〜50重量部及び、成分(B);
ビニル芳香族炭化水素化合物単量体を主体とする重合体
ブロックと水素添加された共役ジエン化合物単量体単位
を主体とする重合体ブロックから構成される水素添加ス
チレン系ブロック共重合体 2〜50重量部からなる樹
脂組成物であって、成分(A)が連続相を形成し、その
連続相中に、成分(A)と成分(B)からなる第一分散
相が存在し、さらにその第一分散相中に主に成分(B)
を構成するビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位を主
体とする重合体ブロックからなるドメインが第2分散相
を形成した分散形態を有し、タッピングAFM(原子間
力顕微鏡)の位相差像を測定した第一分散相の粒径が2
00nm以下であって、第2分散相の平均長が100n
m以下であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組
成物であり、組成物の断面において観測される第2分散
相中のビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位を主体と
する重合体ブロックからなるドメインの数が3個以下で
ある割合が50%以上であることを特徴とする第1の発
明のポリプロピレン系樹脂組成物である。
【0006】本発明の第2は、成分(B)の水素添加ス
チレン系ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素化
合物単量体単位を主体とする重合体ブロックの数が、少
なくとも2個以上であり、ビニル芳香族炭化水素化合物
単量体単位を主体とする重合体ブロック連鎖数が5以上
であるビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位を主体と
する重合体ブロックの割合が50%以上であることを特
徴とする第1の発明のポリプロピレン系樹脂組成物であ
る。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明はポ
リプロピレン系樹脂と水素添加スチレン系ブロック共重
合よりなる組成物において、特定の分散形態をもたせる
ことで軟質性、応力白化性、曇り度、フィルムブロッキ
ング性のバランスに優れる組成物が得られることを発見
した事による。
【0008】ポリプロピレン系樹脂に軟質性を付与する
ためには、水素添加スチレン系ブロック共重合体をポリ
プロピレン系樹脂中に粒子として微分散させる方法で検
討されてきた。微分散化させることにより確かにポリプ
ロピレン系樹脂組成物は軟質化するが、フィルムの曇り
度、応力白化性やフィルムブロッキング性に劣るという
欠点がある。そこで、成分(A);ポリプロピレン系樹
脂が連続相を形成し、その連続相中に、成分(A)と成
分(B);水素添加スチレン系ブロック共重合体からな
る第一分散相が存在し、さらにその第一分散相中に主に
成分(B)を構成するビニル芳香族炭化水素化合物単量
体単位を主体とする重合体ブロックからなるドメインが
第2分散相を形成した分散形態をとらせ、しかも、粒径
や第2分散相中のドメインの個数をある特定範囲にする
ことによって軟質性、フィルムの曇り度、応力白化性や
フィルムブロッキング性のすべてのバランスに優れた組
成物を作ることに成功し完成したものである。このよう
な本発明の組成物は、特定の構造を有する水素添加スチ
レン系ブロック共重合体を選択し、溶融混練時に、混練
温度、スクリュー回転数、フィード量等を適当に調整す
ることによって得ることが出来る。
【0009】以下本発明を更に詳しく説明する。本発明
の樹脂組成物は、(1)ポリプロピレン系樹脂、98〜
50重量部と(2)水素添加ブロック共重合体、2〜5
0重量部よりなる組成物であり、水素添加スチレンブロ
ック共重合体の量が2重量部未満であると軟質性に劣
り、50重量部を越えるとフィルムブロッキング性に劣
る。
【0010】本発明の組成物において、タッピングAF
M(原子間力顕微鏡)の位相差像にて測定した第一分散
相の粒径が数平均粒径は200nm以下であり、第2分
散相が数平均長で100nm以下である。第1分散相の
平均粒径が200nmを超え、第2分散相の数平均長が
100nmを超えると、軟質性、応力白化、曇り度の点
で劣る。組成物の断面において観測される第2分散相中
のビニル芳香族炭化水素化合物単量体を主体とする重合
体ブロックからなるドメインの数が3個以下である割合
が50%以上あり、50%未満であると応力白化、曇り
度の点で劣る。
【0011】本発明に使用される成分(A)ポリプロピ
レン系樹脂としては、ポロピレンの単独重合体、また
は、プロピレンに少量のエチレンまたはブテン−1等の
α−オレフィンを共重合したいわゆるランダムポリプロ
ピレンを使用することができる。また、本発明における
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(JISK
7210L条件に準拠)は0.1〜200g/10分の
範囲にあることが望ましい。ポリオレフィン系樹脂の重
合方法は従来公知の方法いずれでもよく、遷移重合、ラ
ジカル重合、イオン重合等があげられる。
【0012】本発明に使用される成分(B)水素添加ス
チレン系ブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素化
合物単量体単位を主体とする重合体ブロックと、水素添
加された共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロ
ックから構成される。ビニル芳香族化合物単量体単位と
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−ターシャルブチルスチレン等のアル
キルスチレン、パラメトキシスチレン等のうちから1
種、または2種以上が選ばれ、中でもスチレンが好まし
い。また、成分(B)の水素添加スチレン系ブロック共
重合体中のビニル芳香族炭化水素化合物単量体を主体と
する重合体ブロックのビニル芳香族単量体の連鎖数が5
以上である割合が50%以上さらには70%以上である
ことが好ましい。50%未満であると組成物のフィルム
どうしのブロッキング性が悪化し好ましくない。
【0013】ビニル芳香族化合物単量体単位含量は12
重量%を越え25重量%未満であることが好ましい。1
2重量%以下であるとフィルムブロッキング性が悪化
し、25重量%以上であると軟質性、曇り度が悪化す
る。ビニル芳香族化合物単量体単位含量は核磁気共鳴装
置(NMR)、紫外分光光度計(UV)などにより測定
できる。本発明における「主体とする」という言葉は例
えば「ビニル芳香族化合物単量体単位を主体とする」の
場合、ビニル芳香族単量体の1種または2種以上からな
る場合、もしくはこれらとリビングアニオン重合する他
の単量体が共重合されている場合も含まれる。これら共
重合可能な他の単量体としては、共役ジエン化合物単量
体、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等メ
タクリル酸エステル、シクロヘキサジエン、カプロラク
トン等をあげることができる。共重合の形態としては、
ランダム、交互、テーパー等いかなる形態でも良い、上
記ブロック共重合体におけるビニル芳香族炭化水素化合
物単量体単位を主体とする重合体ブロックの数は、少な
くとも2個以上であることが好ましく、複数個ある重合
体ブロックAはそれぞれその組成、分子量などが 異な
っても構わない。
【0014】重合体ブロックBに用いる共役ジエン化合
物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−
シクロヘキサジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−
ジメチル−1,3ブタジエン等のうち1種または2種以
上が選ばれ、中でも、ブタジエン、イソプレン及びこれ
らの組み合わせが好ましい。なかでも軟質性の点から、
ブタジエンが好ましい。
【0015】本発明に使用される成分(B)水素添加ス
チレン系ブロック共重合体は、水素添加前の共役ジエン
単量体単位を主体とする重合体ブロックがブタジエン単
量体単位を主体とする重合体ブロックの場合1、2結合
量の平均は62モル%以上99モル%未満であることが
好ましく、65モル%以上99モル%未満であることが
さらに好ましく、70モル%以上99モル%以下である
ことがとりわけ好ましい。62モル%未満の場合、応力
白化性、曇り度が劣る。イソプレン単量体単位を主体と
する重合体ブロックの場合、3,4結合量が10モル%
以上75モル%未満であることが好ましく、さらに好ま
しくは20モル%以上60モル%以下であり、とりわけ
好ましくは25モル%以上50モル%以下が特に好まし
い。20モル%以下であると、応力白化性、曇り度の点
で劣る。ミクロ構造は核磁気共鳴装置(NMR)により
測定できる。「共役ジエン単量体単位を主体とする」と
いう言葉には、共役ジエンとリビングアニオン重合する
他の単量体が共重合されている場合も含まれる。これら
共重合可能な他の単量体としては、ビニル芳香族化合物
単量体、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート
等のメタクリル酸エステル、シクロヘキサジエン、カプ
ロラクトン等をあげることできる。共重合の形態として
は、ランダム、交互、テーパー等いかなる形態でも良
く、複数個ある重合体ブロックBはそれぞれその組成、
分子量などが異なっても構わない。他モノマーと共重合
する場合は、また、本明細書中で使用される「主体とす
る」という言葉は該当単量体単位が重合体ブロックにお
いて、少なくとも50モル%を越え、好ましくは70モ
ル%以上を占めることを意味する。
【0016】本発明の水素添加水素添加される前の重合
体ブロックB中のオレフィン性不飽和二重結合のうち9
0%以上が水素添加されたものである。90%未満であ
ると、熱、光などにより劣化をおこし熱可塑性が低下す
る。また、ブロックA中のビニル芳香族化合物のベンゼ
ン環の不飽和二重結合は、ビニル芳香族化合物全体にお
いて20%までは水素添加されていても良い。これらの
水素添加率は核磁気共鳴装置(NMR)によって測定で
きる。
【0017】また、水素添加スチレン系ブロック共重合
体のJIS K7210に準拠し温度230℃、荷重
2.16Kgの条件で求めたメルトフローレート値(M
FR)は1.0g/10分以上15g/10分未満の範
囲にあることが望ましく、1.5g/10分以上10g
/10分以下であることがさらに望ましい。1.0g/
10分未満であると組成物の流動性が悪化し望ましくな
く、15g/10分以上であるとフィルムブロッキング
性が悪化するため望ましくない。本発明において水素添
加ブロック共重合体の構造は、例えば線状、分岐状、放
射状、櫛形状などいかなる形態をとっても構わないが、
少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素化合物単量体単
位を主体とする重合体ブロックAを有することが好まし
く、さらには、少なくとも2個の水素添加された共役ジ
エン単量体単位を主体とする重合体ブロックBから構成
されることが好ましく、さらに末端にあるブロックの少
なくとも1個が重合体ブロックBであることが好まし
い。好ましい構造としてはA−B−A−B、B−A−B
−A−B、(B−A−B)n−Xがあげられるが(ここ
でnは2以上の整数、Xはカップリング剤残基を示
す)、軟質性、応力白化、曇り度、フィルムブロッキン
グ性の点から組成物A−B−A−Bが特に好ましい。カ
ップリングにより本発明の水素添加ブロック共重合体を
得る場合、カップリング前の成分は水素添加ブロック共
重合体中に50重量%未満含むことができる。50重量
%を越えると組成物のフィルムブロッキング性を悪化さ
せる。また、各ブロック境界がランダム共重合をしてい
る場合、その組成が徐々に変わっていくテーパー構造も
含まれる。
【0018】水素添加スチレン系ブロック共重合体は例
えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−14
979号公報、特公昭49−36957号公報などに記
載された方法で本発明の範囲になるように製造すること
ができる。これらは炭化水素溶剤中でアニオン重合開始
剤として有機リチウム化合物等を用い、ビニル化剤とし
てジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソー
ル、ジオキサン等のエーテル化合物、トリエチルアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミ
ン等の第3級アミン、必要に応じカップリング剤として
エポキシ化ダイズ油、四塩化ケイ素、ジメチルジクロル
シラン、安息香酸エチル、安息香酸フェニル等の多官能
性化合物を用い、ビニル芳香族単量体と共役ジエン単量
体をブロック共重合する方法であり、直鎖状、分岐状、
あるいは放射状の構造を有するブロック共重合体として
得られる。
【0019】上記のブロック共重合体を、公知の方法、
例えば、特公昭42−87045号公報に記載の方法で
水素添加することにより、本発明の水素添加スチレン系
ブロック共重合体は得られる。本発明で用いる水素添加
ブロック共重合体は、不飽和カルボン酸またはその誘導
体との付加反応により変性させ、官能基を含有したもの
を1部、または全部含んでいてもかまわない。
【0020】本発明の水素添加スチレンブロック共重合
体は必要に応じて好ましくはそのペレットに、ペレット
ブロッキングの防止を目的としてペレットブロッキング
防止剤を配合する事が好ましい。ペレットブロッキング
防止剤としてはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、エチレンビスステア
リルアミド、タルク、アモルファスシリカ等があげられ
る。好ましい量としては水素添加ブロック共重合体ペレ
ットにたいして1000ppm〜5000ppmである。さら
に好ましい量としては水素添加ブロック共重合体ペレッ
トに たいして1500ppm〜4000ppmである。10
00ppm未満であると条件によってはペレットブロッキ
ングがおき、5000ppmをこえると成形したシートま
たはフィルム表面からブロッキング剤がブリ−ドアウト
し外観を著しく損なうため好ましくない。ペレットブロ
ッキング防止剤はペレット表面に付着した状態が効果が
高いが、ペレット内部にある程度含むこともできる。
【0021】本発明の樹脂組成物は、その各成分の組成
比に応じて通常の高分子物質の混合に供される装置によ
って調整できる。それら混合装置としては、例えばバン
バリーミキサー、ラボプラストミル、単軸押出機、2軸
押出機、等の混練装置があげられ、押出機による溶融混
合法が生産性、良混練性の点から好ましい。また本発明
の樹脂組成物は押出機を用いてシート、フィルム、また
は射出成型器を用いて射出成型品にすることができる。
【0022】本発明の組成物は無機充填剤、安定剤、滑
剤、着色剤、シリコンオイル、難燃剤等を添加する事が
出来る。無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、
タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、
けい酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン、カーボンブ
ラック等が挙げられる。安定剤としてはヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤、ヒンダードアミ
ン系光安定剤、 ベンゾトリアゾール系UV吸収剤等が
挙げられる。滑剤としてはステアリン酸、 ステアリン
酸エステル、ステアリン酸の金属塩等が挙げられる。
【0023】以下実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの例のみによって何ら制限される
ものではない。
【0024】
【発明の実施の形態】−ブロック共重合体の測定法−ブロック共重合体中のスチレン含量 UV測定により算出した。ポリブタジエンブロックのビニル結合含量 重水素化クロロホルムを溶媒に用い、270MHz、1
H−NMRスペクトル測定し求めた。ポリブタジエンブロックの水添率 重水素化クロロホルムを溶媒に用い、270MHz、1
H−NMRスペクトルより算出した。ポリスチレン中のブロックポリスチレンの量 (ビニル芳
香族炭化水素化合物単量体を主体とする重合体ブロック
のビニル芳香族単量体の連鎖数が5以上である割合) 重水素化クロロホルムを溶媒に用い、270MHz、1
H−NMRスペクトル測定し、下記の方法により算出し
た。
【0025】ポリスチレン中のブロックポリスチレンの
割合は、スチレン中の長連鎖スチレンの存在割合より求
めた。長連鎖スチレンのオルト位フェニル基プロトンの
高磁場シフトすることを利用し、次式により算出した。
ここで求められるブロックスチレンは連鎖数5以上のス
チレンブロックである。(Rubber Chem.Technol.,54
(4)、685(1981)を参考にした) ブロックポリスチレン(%)=5/2 X B/(A+
B)X100 A;7.5〜6.85ppmの積分値(短連鎖フェニルプ
ロトン+長連鎖メタ、パラ位プロトン) B;6.85〜6.2ppmの積分値(長連鎖オルト位プ
ロトン)原子間力顕微鏡(AFM)による分散形態及び第1分散
相、第2分散相の数平均粒径の定量 得られた樹脂組成物のフィルムの断面をクライオミクロ
トームにて鏡面を調整したものの表面を測定した。なお
フィルムについては0.1μm以下と薄い為、ハイイン
パクトポリスチレンの成型体2枚でサンドイッチしエポ
キシ樹脂にて包埋し固定後鏡面を調整した。このサンプ
ルをデジタルインスルメンツ社製 NanoScopeR IIIのタ
ッピングモードで位相差像を観察した。
【0026】第1分散相の数平均粒径の定量 組成物の断面の黒い粒子の第1分散相を200個、画像
解析システムIP−1000(旭化成(株)製)にて2
値化処理し、数平均粒径を求めた。第2分散相の数平均長の定量 黒い粒子の第1分散相を200個の粒子について位相差
の一次元での走査像を得て、第2分散相の長径を測定し
平均し求めた。組成物断面の第2分散相中で観測されるポリスチレンド
メインの数の定量 組成物の断面において観測される黒い粒子の第1分散相
を100個選び、その100個の粒子について位相差の
2次元での位相差像を得て、第2分散相中のスチレンド
メインの数を測定し、平均し、3個以下である第2分散
相の割合を求める。 (I)各成分 (1) ポリプロピレン系樹脂 プロピレン単独重合体である日本ポリオレフィン株式会
社製PC600S(MFR 7g/10分)を用いた。プロ
ピレンランダム共重合体である日本ポリオレフィン株式
会社製FG464(MFR 7g/10分)を用いた。 (2) 水素添加スチレン系ブロック共重合体 n−ブチルリチウムを開始剤とし、シクロヘキサン溶媒
中で、テトラヒドロフランを1,2結合量調節剤とし
て、スチレンとブタジエンを(SEBS1〜3)、スチ
レンとイソプレンを(SEPS1〜2)アニオンブロッ
ク共重合することにより、スチレン−ブタジエン系ブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレン系ブロック共重合
体を重合した。次に得られたスチレン−ブタジエン系ブ
ロック共重合体およびスチレン−イソプレン系ブロック
共重合体を、ジ−p−トリスビス(1−シクロペンタジ
エニル)チタニウムとn−ブチルリチウムを水素添加触
媒として、水素圧5kg/cm2、温度50℃で水素添
加を行った。ポリマー構造は、モノマーの仕込量、順
序、分子量は触媒量、ブタジエン中の1,2結合量、イ
ソプレン中の3,4結合量は1,2結合量・3,4結合
調節剤量及び重合温度、水素添加率は水素添加時間を変
化させることによりコントロールした。各サンプルの構
造及び分析値を〔表1〕に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【実施例1〜3、比較例1〜2】水素添加スチレン系ブ
ロック共重合体の成分ペレットに2000ppmのステ
アリン酸カルシウムを表面に付着させた。ポリプロピレ
ン/水素添加スチレン系ブロック共重合体の成分ペレッ
トを〔表2〕に示した割合でドライブレンドし、得られ
た混合物を用いて230℃に設定された30mmTダイ
単軸押出機により成形を行い、測定用のフィルムを作成
した。厚さはスクリュー回転数、巻き取り速度を変える
ことにより約70μmの厚さに調製した。得られたフィ
ルムの室温で1週間保存後の物性測定結果を〔表2〕に
示した。〔図2〕に実施例1で得られた2次元の位相差
像と〔図3〕にその1次元の位相差像を示す。これは
〔図2〕のある断面(〔図2〕中の実線ライン)の位相
差のずれを左から右方向にスキャンすることによって得
られた。〔図2〕では成分(A)の連続相中に成分
(A)と成分(B)からなる第1分散相が数平均粒径7
0nmで観測され、どの粒子にも3個を超えるポリスチ
レンドメインは観測されなかった。〔図3〕では主に成
分(B)を構成するポリスチレンブロックからなるドメ
インが数平均長20nmの第2分散相を形成しているこ
とが観測される。
【0029】〔図4〕に比較例1で得られた2次元の位
相差像と〔図5〕にその1次元の位相差像を示す。これ
は〔図4〕のある断面(〔図4〕中の実線ライン)の位
相差のずれを左から右方向にスキャンすることによって
得られた。〔図4〕ではプロピレンの連続相中に、第1
分散相として、ポリプロピレンとSEBS3からなる相
が数平均粒径200nmを超える粒径サイズで分散して
いることがわかり、ポリスチレンドメインが3個を超え
て観察される。〔図5〕では数平均粒径250nmの第
1分散相中に数平均長150nmの第2分散相が観察さ
れる。
【0030】以下に物性測定の方法を示す。MFR :JIS K7210 L条件 に準拠した。ヤング率(軟質性の目安) :厚さ70μm、幅20m
m、長さ100mmの試験片を切り出し、引っ張り速度
2mm/minでヤング率(歪み0.5%〜1.0%の
範囲)を測定した。応力白化性 :厚さ0.4mmのシートに、荷重0.5k
g、高さ30cmの条件で径1/2インチのミサイルを
落下させ、落下前後の全光線透過率を測定した。 ΔT%=ミサイル落下前の全光線透過率T1(%)−落
下後の全光線透過率T2(%) ΔT%がより小さい値の場合応力白化性に優れる事を示
している。曇り度 :厚さ70μmのフィルムの曇り度をヘーズメー
タを用い測定した。フィルムブロッキング性 :厚さ70μm、幅43mm、
長さ180mmの試験片を切り出し、60℃、48時
間、荷重100g/cm2の条件でフィルムをブロッキ
ングさせ、引っ張り速度100mm/minの条件で引
っ張り試験を行い、180度剥離強度を求めた。180
度剥離強度が高いとフィルムブロッキング性がより悪い
ことを示している。
【0031】本発明の樹脂組成物が優れていることは
〔表2〕より明らかである。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は軟質性、応力白化
性、曇り度、フィルムブロッキング性のバランスに優れ
る。これらの効果により、自動車内装材料、自動車外装
材料、チューブ、各種容器、文具、シート、フィルム等
として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組成物の分散形態のイメージ図であ
る。
【図2】実施例1で得られた組成物の分散形態を示すタ
ッピングモードAFMの2次元の位相差像を示す図であ
る。
【図3】実施例1で得られた組成物の分散形態を示すタ
ッピングモードAFMの1次元の位相差像を示す図であ
る。
【図4】比較例1で得られた組成物の分散形態を示すタ
ッピングモードAFMの2次元の位相差像を示す図であ
る。
【図5】比較例1で得られた組成物の分散形態を示すタ
ッピングモードAFMの1次元の位相差像を示す図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(A);ポリプロピレン系樹脂 9
    8〜50重量部及び 成分(B);ビニル芳香族炭化水素化合物単量体を主体
    とする重合体ブロックと水素添加された共役ジエン化合
    物単量体単位を主体とする重合体ブロックから構成され
    る水素添加スチレン系ブロック共重合体 2〜50重量
    部からなる樹脂組成物であって、成分(A)が連続相を
    形成し、その連続相中に、成分(A)と成分(B)から
    なる第一分散相が存在し、さらにその第一分散相中に主
    に成分(B)を構成するビニル芳香族炭化水素化合物単
    量体を主体とする重合体ブロックからなるドメインが第
    2分散相を形成した分散形態を有し、タッピングAFM
    (原子間力顕微鏡)において観測した2次元における位
    相差像の第一分散相の粒径が数平均粒径で200nm以
    下であって、1次元の位相差像における第2分散相が平
    均長が100nm以下であり、組成物の断面において観
    測される第2分散相中のビニル芳香族炭化水素化合物単
    量体を主体とする重合体ブロックからなるドメインの数
    が3個下である割合が50%以上であることを特徴とす
    るポリプロピレン系樹脂組成物 。
  2. 【請求項2】 成分(B)の水素添加スチレン系ブロッ
    ク共重合体中のビニル芳香族炭化水素化合物単量体を主
    体とする重合体ブロックからなるブロックの数が、少な
    くとも2個以上であり、ビニル芳香族炭化水素化合物単
    量体を主体とする重合体ブロックのビニル芳香族単量体
    の連鎖数が5以上である割合が50%以上であることを
    特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成
    物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006194318A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリプロピレン樹脂組成物製パイプ
CN104725759A (zh) * 2015-04-16 2015-06-24 宁波伊德尔新材料有限公司 一种婴儿推车的三角形受力结构部件专用合金材料及其制备方法
EP2407512B2 (en) 2009-03-09 2020-02-26 Kuraray Co., Ltd. Tube and medical device using same
WO2023008424A1 (ja) * 2021-07-27 2023-02-02 旭化成株式会社 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、及び成形体

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