JP7336454B2 - 多元共重合体、ゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品 - Google Patents

多元共重合体、ゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品 Download PDF

Info

Publication number
JP7336454B2
JP7336454B2 JP2020548261A JP2020548261A JP7336454B2 JP 7336454 B2 JP7336454 B2 JP 7336454B2 JP 2020548261 A JP2020548261 A JP 2020548261A JP 2020548261 A JP2020548261 A JP 2020548261A JP 7336454 B2 JP7336454 B2 JP 7336454B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
units
copolymer
conjugated diene
rubber
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020548261A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020066480A1 (ja
Inventor
文 堀田
重永 高野
祥子 犬束
善広 森下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Publication of JPWO2020066480A1 publication Critical patent/JPWO2020066480A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7336454B2 publication Critical patent/JP7336454B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0016Compositions of the tread
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0025Compositions of the sidewalls
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/02Ethene
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C2001/0033Compositions of the sidewall inserts, e.g. for runflat
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C2001/005Compositions of the bead portions, e.g. clinch or chafer rubber or cushion rubber
    • B60C2001/0058Compositions of the bead apexes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F212/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F212/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F212/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
    • C08F212/06Hydrocarbons
    • C08F212/08Styrene
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、多元共重合体、ゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品に関する。
一般に、タイヤ、コンベヤベルト、ゴムクローラ、ホース、また防振装置、免震装置に用いられる防振ゴム、免震ゴム等のゴム製品には、耐久性が求められており、かかる要求を満足させるため、高耐久性を有するゴム材料が用いられている。
高耐久性を有するゴム材料としては、例えば、特許文献1には、共役ジエン化合物と、非共役オレフィンとの共重合体であって、共役ジエン部分のシス1,4-結合含量、非共役オレフィンの含有量が所定範囲にある共重合体が、良好な耐亀裂性成長性、耐候性に優れていることが記載されている。
国際公開第2012/014455号パンフレット
ところで、近年、上記の各種ゴム製品に対する要求性能は益々厳しいものとなっており、とりわけ破壊特性(特には、引張強さ(Tb))等の耐久性について、より厳しい性能が求められるようになっている。しかし、上記特許文献1に記載される多元共重合体では、十分に対応できない場合があり、破壊特性等の耐久性の点では更なる改良が要望されている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、高耐久性を発現し得る多元共重合体、該多元共重合体を含むゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、下記の構成を有する発明により、上記課題を解決できることを見出した。
1.共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位と、を含有し、該共役ジエン単位のビニル結合量が3%以上である多元共重合体。
2.上記1に記載の多元共重合体を含むゴム成分を含有するゴム組成物。
3.上記1に記載の多元共重合体を含む樹脂組成物。
4.上記2に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
5.上記3に記載の樹脂組成物を用いた樹脂製品。
本発明によれば、高耐久性を発現し得る多元共重合体、該多元共重合体を含むゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と称することがある。)について詳説する。なお、以下の説明において、数値範囲の記載に関する「以上」、「以下」、「~」にかかる上限及び下限の数値は任意に組み合わせできる数値であり、実施例における数値を該上限及び下限とすることができる。
〔多元共重合体〕
本実施形態の多元共重合体は、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位と、を含有し、該共役ジエン単位のビニル結合量が3%以上である、というものである。従来の共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位とを含有する共重合体は、破壊特性等の耐久性の点で改良の余地があったところ、本実施形態の多元共重合体ではさらに芳香族ビニル単位を採用することにより耐久性の向上、さらには副次的に作業性の向上を図ることができ、また共役ジエン単位のビニル結合量を3%以上とすることにより、耐久性の向上を図ることができ、結果として極めて高い耐久性が得られることとなった。以下、本実施形態の多元共重合体について詳説する。
本実施形態で用いられる多元共重合体は、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位と、を含有するものである。本実施形態においては、共役ジエン単位、非共役オレフィン単位及び芳香族ビニル単位のみからなっていてもよいし、さらに他の単量体単位を含有していてもよい。本実施形態で用いられる多元共重合体に含まれる各単位について、共役ジエン単位は多元共重合体の加硫を可能とし、またゴムとしての伸びや強度を向上させ、非共役オレフィン単位は、大きく歪んだ際に、該非共役オレフィン単位に由来する結晶成分が崩壊して、エネルギーを散逸することで破壊特性等の耐久性を向上させ、芳香族ビニル単位は多元共重合体の作業性を向上させるという特性を有している。本実施形態で用いられる多元共重合体は、これらの単位を組み合わせたものとすることで、ゴム組成物に用いた場合に、破壊特性等の耐久性について、特に優れた性能を発揮するものとなる。
共役ジエン単位は、単量体としての共役ジエン化合物に由来する構成単位である。ここで、共役ジエン化合物とは、共役系のジエン化合物を意味する。
共役ジエン化合物は、炭素数が4~8であることが好ましく、かかる共役ジエン化合物として、具体的には、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。共役ジエン化合物は、一種単独であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。多元共重合体の単量体としての共役ジエン化合物は、得られる多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐久性を効果的に向上させる観点から、1,3-ブタジエン及びイソプレンから選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、1,3-ブタジエン及びイソプレンから選ばれる少なくとも一種のみからなることがより好ましく、イソプレンのみからなることがさらに好ましい。また、イソプレンを用いることにより、共役ジエン単位のビニル結合量を3%以上としやすくなる。別の言い方をすると、多元共重合体における共役ジエン単位は、1,3-ブタジエン単位及びイソプレン単位から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、1,3-ブタジエン単位及びイソプレン単位から選ばれる少なくとも一種のみからなることがより好ましく、イソプレン単位のみからなることがさらに好ましい。また、このような共役ジエン単位であると、他の単位との組み合わせにより、多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐久性が向上しやすくなり、イソプレン単位を有することで共役ジエン単位の結合量を3%以上としやすくなる。
多元共重合体中の共役ジエン単位の含有量は、好ましくは1mol%以上、より好ましくは3mol%以上であり、また上限として好ましくは50mol%以下、より好ましくは40mol%以下、さらに好ましくは30mol%以下、よりさらに好ましくは15mol%以下、特に好ましくは10mol%以下、より特に好ましくは5mol%以下である。共役ジエン単位の含有量が1mol%以上であると伸びに優れるゴム組成物等が得られ、50mol%以下であると耐候性が向上し、また他の単位との組み合わせにより、多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐久性が向上しやすくなる。また、共役ジエン単位の含有量は、多元共重合体全体の1~50mol%の範囲が好ましく、3~40mol%の範囲がより好ましく、3~30mol%の範囲がさらに好ましい。
非共役オレフィン単位は、単量体としての非共役オレフィン化合物に由来する構成単位である。ここで、非共役オレフィン化合物とは、脂肪族不飽和炭化水素で、炭素-炭素二重結合を1個以上有する化合物を意味する。
非共役オレフィン化合物は、炭素数が2~10であることが好ましいく、具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン等のα-オレフィン、ピバリン酸ビニル、1-フェニルチオエテン、N-ビニルピロリドン等のヘテロ原子置換アルケン化合物等が挙げられる。非共役オレフィン化合物は、一種単独であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。
多元共重合体の単量体としての非共役オレフィン化合物は、得られる多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐候性をより向上させる観点から、非環状の非共役オレフィン化合物であることが好ましく、また該非環状の非共役オレフィン化合物は、α-オレフィンであることがより好ましく、エチレンを含むα-オレフィンであることがさらに好ましく、エチレンのみからなることが特に好ましい。別の言い方をすると、多元共重合体における非共役オレフィン単位は、非環状の非共役オレフィン単位であることが好ましく、また、該非環状の非共役オレフィン単位は、α-オレフィン単位であることがより好ましく、エチレン単位を含むα-オレフィン単位であることがさらに好ましく、エチレン単位のみからなることが特に好ましい。また、このような非共役オレフィン単位であると、他の単位との組み合わせにより、多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐久性が向上しやすくなる。
多元共重合体の非共役オレフィン単位の含有量は、好ましくは40mol%以上、より好ましくは45mol%以上、さらに好ましくは55mol%以上、よりさらに好ましくは60mol%以上であり、また上限として好ましくは98mol%以下、より好ましくは95mol%以下、さらに好ましくは90mol%以下である。非共役オレフィン単位の含有量が、多元共重合体全体の40mol%以上であると、結果として共役ジエン単位又は芳香族ビニル単位の含有量が減少して、多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐候性が向上し、破壊特性(特には、引張強さ(Tb))が向上し、非共役オレフィン単位の含有量が98mol%以下であると、結果として共役ジエン単位又は芳香族ビニル単位の含有量が増加し、多元共重合体を用いたゴム組成物等の高温での破壊特性(特には、引張強さ(Tb))が向上し、また他の単位との組み合わせにより、多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐久性が向上しやすくなる。また、非共役オレフィン単位の含有量は、多元共重合体全体の40~98mol%の範囲が好ましく、45~95mol%の範囲がより好ましく、55~90mol%の範囲がさらに好ましい。
芳香族ビニル単位は、単量体としての芳香族ビニル化合物に由来する構成単位であり、多元共重合体の作業性を向上させる。ここで、芳香族ビニル化合物とは、少なくともビニル基で置換された芳香族化合物を意味し、共役ジエン化合物には包含されないものとする。
芳香族ビニル化合物は、炭素数が8~10であることが好ましい。かかる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレン等が挙げられる。芳香族ビニル化合物は、一種単独であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。多元共重合体の単量体としての芳香族ビニル化合物は、得られる多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐候性を向上させる観点から、スチレンを含むことが好ましく、スチレンのみからなることがより好ましい。別の言い方をすると、多元共重合体における芳香族ビニル単位は、スチレン単位を含むことが好ましく、スチレン単位のみからなることがより好ましい。また、このような芳香族ビニル単位であると、他の単位との組み合わせにより、多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐久性が向上しやすくなる。
なお、芳香族ビニル単位における芳香族環は、隣接する単位と結合しない限り、多元共重合体の主鎖には含まれない。
多元共重合体の芳香族ビニル単位の含有量は、好ましくは1mol%以上、より好ましくは3mol%以上であり、また上限として好ましくは35mol%以下、より好ましくは30mol%以下、さらに好ましくは25mol%以下、よりさらに好ましくは15mol%以下、特に好ましくは10mol%以下である。芳香族ビニル単位の含有量が1mol%以上であると、多元共重合体を用いたゴム組成物等の高温における破壊特性等の耐久性が向上し、芳香族ビニル単位の含有量が35mol%以下であると、共役ジエン単位及び非共役オレフィン単位による効果が顕著になり、また他の単位との組み合わせにより、多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐久性が向上しやすくなる。また、芳香族ビニル単位の含有量は、多元共重合体全体の1~35mol%の範囲が好ましく、3~30mol%の範囲がより好ましく、3~25mol%の範囲がさらに好ましい。
多元共重合体の単量体の種類の数としては、多元共重合体が共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する限り、特に制限はない。多元共重合体は、共役ジエン単位、非共役オレフィン単位、及び芳香族ビニル単位以外の、その他の構成単位を有していてもよいが、所望の効果を得る観点から、多元共重合体全体に対するその他の構成単位の含有量は、好ましくは30mol%以下、より好ましくは20mol%以下、さらに好ましくは10mol%以下、特に好ましくは含有しないこと、すなわち、0mol%である。
本実施形態の多元共重合体は、該多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐久性を向上させ、また耐摩耗性、耐候性及び結晶性を好ましいものとする観点から、単量体として、一種のみの共役ジエン化合物、一種のみの非共役オレフィン化合物、及び一種の芳香族ビニル化合物を少なくとも用いて重合してなる重合体であることが好ましい。別の言い方をすると、多元共重合体は、一種のみの共役ジエン単位、一種のみの非共役オレフィン単位、及び一種のみの芳香族ビニル単位を含有する多元共重合体であることが好ましく、一種のみの共役ジエン単位、一種のみの非共役オレフィン単位、及び一種のみの芳香族ビニル単位のみからなる三元共重合体であることがより好ましく、イソプレン単位、エチレン単位、及びスチレン単位のみからなる三元共重合体であることがさらに好ましい。ここで、「一種のみの共役ジエン単位」には、異なる結合様式の共役ジエン単位が包含される。
多元共重合体は、共役ジエン単位の含有量が1~50mol%であり、非共役オレフィン単位の含有量が40~98mol%であり、かつ芳香族ビニル単位の含有量が1~35mol%であることが好ましい。この場合、多元共重合体を用いたゴム組成物等の破壊特性等の耐久性、耐候性が向上し、また、タイヤに適用することで、タイヤの破壊特性等の耐久性を向上させることができる。
本実施形態の多元共重合体は、共役ジエン単位のビニル結合量が3%以上であることを要する。ビニル結合量が3%未満であると、本実施形態の多元共重合体は、高耐久性を発現するものとはならない。耐久性を向上させる観点から、共役ジエン単位のビニル結合量は、好ましくは7%以上、より好ましくは9%以上、さらに好ましくは10%以上である。また、上限としては特に制限はないが、通常65%以下であり、好ましくは60%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは20%以下である。
ここで、共役ジエン単位のビニル結合量は、赤外法(モレロ法)により求める。
ビニル結合は、通常1,2-結合となるが、3,4-結合を含んでいてもよく、本明細書においてビニル結合量は、3,4-結合を含む場合は、1,2-結合と3,4-結合との合計量である。また、ビニル結合における1,2-結合と3,4-結合との割合は、1,2-結合/3,4-結合として、好ましくは100~50/0~50、より好ましくは100~80/0~20、さらに好ましくは100/0、すなわち全量が1,2-結合であることがさらに好ましい。
多元共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000~10,000,000、より好ましくは100,000~9,000,000、さらに好ましくは130,000~8,000,000である。多元共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、好ましくは10,000~10,000,000、より好ましくは50,000~9,000,000、さらに好ましくは70,000~8,000,000である。また、多元共重合体の分子量分布[Mw/Mn(重量平均分子量/数平均分子量)]は、好ましくは1.00~4.00、より好ましくは1.50~3.50、さらに好ましくは1.60~3.00である。
多元共重合体のMw、Mnの下限が上記範囲内であると、ゴム組成物等の機械的強度、破壊特性等の耐久性を向上させることができ、また、上限が上記範囲内であると、高い作業性を保持することができる。また、多元共重合体の分子量分布が4.00以下であれば、多元共重合体の物性に十分な均質性をもたらすことができる。
ここで、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標準物質として求める。これらの詳細な測定方法としては、例えば実施例に記載の方法によればよい。
多元共重合体の示差走査熱量計(DSC)で測定したガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0℃以下、より好ましくは-10℃以下であり、また下限として好ましくは-100℃以上である。多元共重合体のガラス転移温度が0℃以下であれば、ゴム組成物等の耐久性が向上し、かつ作業性が向上する。
ここで、ガラス転移温度の詳細な測定方法としては、例えば実施例に記載の方法によればよい。
多元共重合体の0~120℃における示差走査熱量計(DSC)で測定した吸熱ピークエネルギーは、好ましくは5~150J/g、より好ましくは20~120J/gである。多元共重合体の吸熱ピークエネルギーが5J/g以上であれば、多元共重合体の結晶性が高くなり、多元共重合体を用いたゴム組成物等の耐摩耗性がさらに向上し、架橋後の耐久性をさらに向上させることができる。また、多元共重合体の吸熱ピークエネルギーが150J/g以下であれば、ゴム組成物等の作業性が向上する。
ここで、吸熱ピークエネルギーは、具体的には、示差走査熱量計(DSC、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、「DSCQ2000」)を用い、JIS K 7121-1987に準拠して、10℃/分の昇温速度で、-150℃から150℃まで昇温し、その時(1st run)の0~120℃における吸熱ピークエネルギーとする。
多元共重合体の示差走査熱量計(DSC)で測定した融点は、好ましくは30~130℃、より好ましくは30~110℃である。多元共重合体の融点が30℃以上であれば、多元共重合体の結晶性が高くなり、ゴム組成物等の耐摩耗性がさらに向上し、架橋後の耐久性をさらに向上させることができる。また、多元共重合体の融点が130℃以下であれば、ゴム組成物の作業性が向上する。
ここで、融点は、具体的には、示差走査熱量計(DSC、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、「DSCQ2000」)を用い、JIS K 7121-1987に準拠して、測定した融点とする。
多元共重合体の結晶化度は、好ましくは0.5~50%、より好ましくは3~45%、さらに好ましくは5~45%である。多元共重合体の結晶化度が0.5%以上であれば、非共役オレフィン単位に起因する結晶性を十分に確保して、ゴム組成物等の破壊特性等の耐久性をさらに向上させることができる。また、多元共重合体の結晶化度が50%以下であれば、ゴム組成物等の混練の際の作業性が向上し、また、多元共重合体を配合したゴム組成物等のタッキネスが向上するため、例えば、ゴム組成物から作製したゴム部材同士を貼り付け、タイヤ等のゴム物品を成形する際の作業性も向上する。
ここで、結晶化度は、多元共重合体について10℃/分の昇温速度で、-150℃~150℃まで昇温し、吸熱ピークエネルギー(ΔH1)を測定し、これと同様の方法により、100%結晶成分のポリエチレンの結晶融解エネルギー(ΔH0)を測定し、100%結晶成分のポリエチレンの結晶融解エネルギー(ΔH0)に対する多元共重合体の吸熱ピークエネルギー(ΔH1)の比率(ΔH1/ΔH0)より、エチレン単位(非共役オレフィン単位)に由来する結晶化度(%)として算出したものとする。多元共重合体の吸熱ピークエネルギー及びポリエチレンの結晶融解エネルギーは、示差走査熱量計(DSC、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、「DSCQ2000」)を用いて測定したものとする。
多元共重合体は、主鎖が非環状構造のみからなることが好ましい。これにより、ゴム組成物等の耐摩耗性を向上させることができ、架橋後の耐久性を向上させることができる。
多元共重合体の主鎖が環状構造を有するか否かの確認には、NMRが主要な測定手段として用いられる。具体的には、主鎖に存在する環状構造に由来するピーク(例えば、三員環~五員環については、10~24ppmに現れるピーク)が観測されない場合、その多元共重合体の主鎖は、非環状構造のみからなることを示す。
多元共重合体は、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを単量体として用いる重合工程を経て製造でき、さらに、必要に応じ、カップリング工程、洗浄工程、その他の工程を経てもよい。
ここで、多元共重合体の製造においては、重合触媒の存在下で、共役ジエン化合物を添加せずに非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物のみを添加し、これらをまず重合させることが好ましい。特に後述の触媒組成物を使用する場合には、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物より共役ジエン化合物の方が反応性が高いことから、共役ジエン化合物の存在下で非共役オレフィン化合物及び/又は芳香族ビニル化合物を重合させることが困難となりやすい。また、先に共役ジエン化合物を重合させ、後に非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物を付加的に重合させることも、触媒の特性上困難となりやすい。
重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、かかる溶媒としては、重合反応において不活性なものであればよく、例えば、トルエン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン等が挙げられる。
重合工程は、一段階で行ってもよく、二段階以上の多段階で行ってもよい。
一段階の重合工程とは、重合させる全ての種類の単量体、すなわち、共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物、芳香族ビニル化合物、及びその他の単量体、好ましくは、共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物、及び芳香族ビニル化合物を一斉に反応させて重合させる工程である。また、二段階以上の多段階の重合工程とは、一種類又は二種類の単量体の一部又は全部を最初に反応させて重合体を形成し(第1重合段階)、次いで、残る種類の単量体や前記一種類又は二種類の単量体の残部を添加して重合させる1以上の段階(第2重合段階~最終重合段階)を行って重合させる工程である。特に、多元共重合体の製造では、重合工程を多段階で行うことが好ましい
重合工程において、重合反応は、不活性ガス、好ましくは窒素ガスやアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。上記重合反応の重合温度は、特に制限されないが、例えば、-100℃~200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。また、上記重合反応の圧力は、共役ジエン化合物を十分に重合反応系中に取り込むため、0.1~10.0MPaの範囲が好ましい。また、上記重合反応の反応時間も特に制限がなく、例えば、1秒~10日の範囲が好ましいが、重合触媒の種類、重合温度等の条件によって適宜選択することができる。
また、共役ジエン化合物の重合工程においては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の重合停止剤を用いて、重合を停止させてもよい。
重合工程は、多段階で行うことが好ましい。より好ましくは、少なくとも芳香族ビニル化合物を含む第1単量体原料と、重合触媒とを混合して重合混合物を得る第1工程と、該重合混合物に対し、共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物から選ばれる少なくとも一種を含む第2単量体原料を導入する第2工程とを実施することが好ましい。さらに、上記第1単量体原料が共役ジエン化合物を含まず、かつ上記第2単量体原料が共役ジエン化合物を含むことがより好ましい。
第1工程で用いる第1単量体原料は、芳香族ビニル化合物とともに、非共役オレフィン化合物を含有してもよい。また、第1単量体原料は、使用する芳香族ビニル化合物の全量を含有してもよく、一部のみを含有してもよい。また、非共役オレフィン化合物は、第1単量体原料及び第2単量体原料の少なくともいずれかに含有される。
第1工程は、反応器内で、不活性ガス、好ましくは窒素ガス又はアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。第1工程における温度(反応温度)は、特に制限はないが、例えば、-100℃~200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。また、第1工程における圧力は、特に制限はないが、芳香族ビニル化合物を十分に重合反応系中に取り込むため、0.1~10.0MPaの範囲が好ましい。また、第1工程に費やす時間(反応時間)は、重合触媒の種類、反応温度等の条件によって適宜選択することができるが、例えば、反応温度を25~80℃とした場合には、5分~500分の範囲が好ましい。
第1工程において、重合混合物を得るための重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、かかる溶媒としては、重合反応において不活性なものであればよく、例えば、トルエン、シクロヘキサノン、ノルマルヘキサン等が挙げられる。
第2工程で用いる第2単量体原料は、共役ジエン化合物のみ、又は共役ジエン化合物及び非共役オレフィン化合物、又は共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物、又は共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物であることが好ましい。
第2単量体原料が、共役ジエン化合物以外に非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物から選ばれる少なくとも1つを含む場合には、予めこれらの単量体原料を溶媒等とともに混合した後に重合混合物に導入してもよく、各単量体原料を単独の状態から導入してもよい。また、各単量体原料は、同時に添加してもよく、逐次添加してもよい。第2工程において、重合混合物に対して第2単量体原料を導入する方法としては、特に制限はないが、各単量体原料の流量を制御して、重合混合物に対して連続的に添加すること(所謂、ミータリング)が好ましい。ここで、重合反応系の条件下で気体である単量体原料(例えば、室温、常圧の条件下における非共役オレフィン化合物としてのエチレン等)を用いる場合には、所定の圧力で重合反応系に導入することができる。
第2工程は、反応器内で、不活性ガス、好ましくは窒素ガス又はアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。第2工程における温度(反応温度)は、特に制限はないが、例えば、-100℃~200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。なお、反応温度を上げると、共役ジエン単位におけるシス-1,4結合の選択性が低下することがある。また、第2工程における圧力は、特に制限はないが、共役ジエン化合物等の単量体を十分に重合反応系に取り込むため、0.1~10.0MPaの範囲が好ましい。また、第2工程に費やす時間(反応時間)は、重合触媒の種類、反応温度等の条件によって適宜選択することができるが、例えば、0.1時間~10日の範囲が好ましい。
また、第2工程においては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の重合停止剤を用いて、重合反応を停止させてもよい。
上記の共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物、芳香族ビニル化合物の重合工程は、触媒成分として、下記(A)~(F)成分から選ばれる少なくとも一種の触媒成分の存在下で、各種単量体を重合させる工程を含むことが好ましい。なお、重合工程には、下記(A)~(F)成分を一種以上用いることが好ましく、下記(A)~(F)成分の二種以上を組み合わせて、触媒組成物として用いることがさらに好ましい。本実施形態においては、下記(A)~(F)成分については、例えば、WO2018/092733等を参照することによって、重合工程において用いることができる。
(A)成分:希土類元素化合物又は該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物
(B)成分:有機金属化合物
(C)成分:アルミノキサン
(D)成分:イオン性化合物
(E)成分:ハロゲン化合物
(F)成分:置換又は無置換のシクロペンタジエン(シクロペンタジエニル基を有する化合物)、置換又は無置換のインデン(インデニル基を有する化合物)、及び、置換又は無置換のフルオレン(フルオレニル基を有する化合物)から選択されるシクロペンタジエン骨格含有化合物
カップリング工程は、重合工程において得られた多元共重合体の高分子鎖の少なくとも一部(例えば、末端)を変性する反応(カップリング反応)を行う工程である。
カップリング工程において、重合反応が100%に達した際にカップリング反応を行うことが好ましい。
カップリング反応に用いるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビス(マレイン酸-1-オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)等のスズ含有化合物;4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、などが挙げられる。これらは、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ビス(マレイン酸-1-オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)が、反応効率と低ゲル生成の点で、好ましい。
なお、カップリング反応を行うことにより、数平均分子量(Mn)の増加を行うことができる。
洗浄工程は、重合工程において得られた多元共重合体を洗浄する工程である。
洗浄に用いる媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられ、重合触媒としてルイス酸由来の触媒を使用する際は、特にこれらの溶媒に対して酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸等)を加えて使用することができる。添加する酸の量は溶媒に対して15mol%以下が好ましい。15mol%以下であると、、酸が多元共重合体中に残存してしまうことによる混練及び加硫時の反応への悪影響を防止することができる。
この洗浄工程により、多元共重合体中の触媒残渣量を好適に低下させることができる。
本実施形態の多元共重合体は、高耐久性を発現することから、後述するゴム組成物、樹脂組成物に好適に用いられる。とりわけ、本実施形態の多元共重合体を用いたゴム組成物は、高耐久性を有することから、タイヤの他、コンベヤベルト、ゴムクローラ、ホース、また防振装置、免震装置に用いられる防振ゴム、免震ゴム等のゴム製品に好適に用いられる。
〔ゴム組成物〕
本実施形態のゴム組成物は、上記の本実施形態の多元共重合体を含むゴム成分を含有するものである。
(ゴム成分)
本実施形態のゴム組成物に含有されるゴム成分は、上記の本実施形態の多元共重合体を含むものである。ゴム成分において、上記の本実施形態の多元共重合体と他のゴム成分とを組み合わせて用いることができ、他のゴム成分としては、例えばRSS及びTSRの他、高純度天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、水酸基化天然ゴム、水素添加天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴム等の天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-非共役ジエンゴム(EPDM)、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の他のゴム成分を含んでいてもよい。これらのゴム成分は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ブタジエンゴム(BR)としては、耐摩耗性の向上を考慮して、ハイシスポリブタジエンゴムを含むことができる。ハイシスポリブタジエンゴムとは、FT-IRによる測定において、1,3-ブタジエン単位中のシス-1,4結合含有量が90%以上99%以下のハイシスポリブタジエンゴムのことである。ハイシスポリブタジエンゴムの1,3-ブタジエン単位中のシス-1,4結合含有量は、好ましくは95%以上99%以下である。
ハイシスポリブタジエンゴムの製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造すればよく、例えば、ネオジム系触媒を用いてブタジエンを重合する方法が挙げられる。
ハイシスポリブタジエンゴムは市販されており、例えば、「BR01」、「T700」(以上、JSR(株)製)、「ウベポールBR150L」(宇部興産(株)製)等が挙げられる。
ゴム成分中の本実施形態の多元共重合体の含有量は、耐久性の発現効果を確実に得る観点から、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%、すなわち全量が多元共重合体であることがよりさらに好ましい。
(充填剤)
本実施形態のゴム組成物は、更に充填剤を含むことが好ましい。充填剤を含むことにより、耐久性、補強性等が向上する。充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム等が挙げられる。充填剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。充填剤としては、多元共重合体への分散性の向上の観点から、シリカ及びカーボンブラックから選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に制限されず、例えば、SAF、ISAF、HAF、FF、FEF、GPF、SRF、CF、FT、MTグレードのカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックは、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、カーボンブラックとしては、SAF、ISAF、HAFグレードのカーボンブラックが好ましい。
シリカとしては、特に制限されず、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。シリカは、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、シリカとしては、湿式シリカが好ましい。
本実施形態のゴム組成物における充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して30~100質量部であることが好ましい。上記含有量が30質量部以上であることにより、耐久性及び耐摩耗性をより向上させることができ、100質量部以下であることにより、低ロス性及び高弾性率を良好に保持することができる。
本実施形態のゴム組成物は、充填剤としてシリカを用いる場合は、該シリカの配合効果を向上させる観点から、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス-トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド、ビス-トリエトキシシリルプロピルジスルフィド等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、その含有量は、特に制限されるものではないが、充填剤のシリカの含有量に対して、好ましくは1~12質量%、より好ましくは3~10質量%である。シランカップリング剤の含有量が充填剤のシリカの含有量に対して1質量%以上であることで、充填剤の分散性の向上効果が得られやすくなり、12質量%以下であることで、シランカップリング剤の配合過多を抑制し、効率的に添加効果が得られるので、経済的なメリットもある。
(その他の成分)
本実施形態のゴム組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、架橋剤(硫黄等の加硫剤を含む)、架橋促進剤(加硫促進剤)、架橋促進助剤(加硫促進助剤)、老化防止剤、亜鉛華(ZnO)、軟化剤、ワックス類、酸化防止剤、発泡剤、可塑剤、滑剤、粘着付与剤、石油系樹脂、紫外線吸収剤、分散剤、相溶化剤、均質化剤等の成分を、適宜含有することができる。
本実施形態のゴム組成物は、高耐久性を有していることから、後述するタイヤの他、コンベヤベルト、ゴムクローラ、ホース、また防振装置、免震装置に用いられる防振ゴム、免震ゴム等のゴム製品に好適に用いられる。
(ゴム組成物の製造)
本実施形態のゴム組成物は、上記の各成分を、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を使用して混練りすることによって製造することができる。ここで、配合及び混練に際しては、全ての成分を一度に配合して混練してもよく、2段階又は3段階等の多段階に分けて各成分を配合して混練してもよい。なお、混練に際しては、ロール、インターナルミキサー、バンバリーローター等の混練機を用いることができる。さらに、ゴム組成物をシート状や帯状等に成形する際には、押出成形機、プレス機等の公知の成形機を用いることができる。
また、本実施形態のゴム組成物は、架橋して製造してもよい。架橋条件としては特に制限されず、通常は140~180℃の温度、及び5~120分間の時間を採用することができる。
〔樹脂組成物及び樹脂製品〕
本実施形態の樹脂組成物は、上記の本実施形態の多元共重合体を含むものである。多元共重合体と、他の樹脂成分と、を組み合わせることにより、該他の樹脂成分が元来有する耐久性、耐衝撃性等の諸性能が向上する。また、本実施形態の樹脂製品は、本実施形態の樹脂組成物を用いたものである。
多元共重合体と組み合わせる樹脂成分としては、特に制限はなく種々の樹脂成分を採用することができ、樹脂製品に所望される性能に応じて適宜選択すればよい。このような樹脂成分としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン等の単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等の共重合体、及びこれらのアイオノマー樹脂等のポリオレフィン樹脂、ビニルアルコール単独重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸樹脂及びそのエステル樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂等のポリアミド樹脂、ポリエチレングリコール樹脂、カルボキシビニル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ビニルピロリドン単独重合体、ビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体等のポリビニルピロリドン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、メルカプトメタノール、水素化スチレン-ブタジエン、シンジオタクチックポリブタジエン、トランスポリイソプレン、トランスポリブタジエン等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物において、全樹脂成分に対する多元共重合体の含有量は、組み合わせる他の樹脂、所望の性状等により適宜調整すればよく、通常1~99質量%程度であり、好ましくは5~90質量%である。
また、本実施形態の樹脂組成物は、所望の性能に応じて、各種添加剤を含むことができる。各種添加剤としては、通常樹脂組成物に含まれる添加剤を特に制限なく用いることができ、例えば紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤、酸化防止剤、上記ゴム組成物に含まれ得る充填剤として例示した充填剤、軟化剤、着色剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤等が挙げられる。
〔タイヤ〕
本実施形態のタイヤは、上記の本実施形態のゴム組成物を用いたものである。かかるタイヤは、本実施形態のゴム組成物を用いるものであるため、高耐久性を有するものとなる。
タイヤにおける本実施形態のゴム組成物の適用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、サイド補強ゴム及びビードフィラー等が挙げられる。本実施形態のゴム組成物の高耐久性を有するという優れた効果を有効活用する観点から、適用部位としてはトレッドが好ましく、特にスタッドレスタイヤのトレッドが好ましい。
本実施形態のタイヤを製造する方法としては、慣用の方法を用いることができる。例えば、タイヤ成形用ドラム上に未加硫の本実施形態のゴム組成物及び/又はコードからなるカーカス層、ベルト層、トレッド層等の通常タイヤ製造に用いられる部材を順次貼り重ね、ドラムを抜き去ってグリーンタイヤとする。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って加熱加硫することにより、所望のタイヤ(例えば、空気入りタイヤ)を製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(多元共重合体の分析)
多元共重合体についての、共役ジエン単位のビニル結合量、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、共役ジエン単位(イソプレン単位)、非共役オレフィン単位(エチレン単位)、芳香族ビニル単位(スチレン単位)の含有量、ガラス転移温度(Tg)を測定する場合、以下の測定方法により行った。
(1)共役ジエン単位のビニル結合量
赤外法(モレロ法)により求めた。
(2)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー社製HLC-8121GPC/HT、カラム:東ソー社製GMHHR-H(S)HT×2本、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、測定温度は40℃である。
(3)共役ジエン単位、非共役オレフィン単位、芳香族ビニル単位の含有量
共重合体中の共役ジエン単位(イソプレン単位又はブタジエン単位)、非共役オレフィン単位(エチレン単位)、芳香族ビニル単位(スチレン単位)の含有量(mol%)を、H-NMRスペクトル(100℃、d-テトラクロロエタン標準:6ppm)の各ピークの積分比より求めた。
(4)ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(DSC、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、「DSCQ2000」)を用い、JIS K 7121-1987に準拠して、共重合体のガラス転移温度(Tg)を測定した。
(5)引張強さの測定
JIS K6251:2004に規定の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に準じ、JIS7号ダンベル形状の厚み2mmのサンプルを用い、23℃にて、引張り速度200mm/minの条件で、引張強さ(Tb(MPa))を測定した。
(実施例1:多元共重合体1の製造)
十分に乾燥した2000mLの耐圧ステンレス反応器に、芳香族ビニル化合物としてスチレン40g、イソプレン16gを含むトルエン溶液70gと、トルエン670gを加えた。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に((1-ベンジルジメチルシリル-3-メチル)インデニル)ビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体、([1-Benzyldimethyl-3-MethylSi]Gd[N(SiHMe)0.075mmol、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[PhCB(C]0.075mmol、及びトリイソブチルアルミニウム0.6mmolを仕込み、トルエン30mLを加えて触媒溶液とした。得られた触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、75℃に加温した。
次いで、エチレンを圧力1.5MPaでその耐圧ステンレス反応器に投入し、75℃で計4時間共重合を行った。
次いで、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)(NS-5)5質量%含有するイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、多元共重合体1を得た。
得られた多元共重合体1について、上記の方法により、共役ジエン単位のビニル結合量、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、共役ジエン単位(イソプレン単位)、非共役オレフィン単位(エチレン単位)、芳香族ビニル単位(スチレン単位)の含有量及びガラス転移温度(Tg)を、測定した。結果を表1に示す。多元共重合体1において、ビニル結合は全て1,2-結合であり、ビニル結合量は1,2-結合量と同じであった。
また、得られた多元共重合体1について、13C-NMRスペクトルを測定したところ、10~24ppmにピークが観測されなかったことから、多元共重合体1は、主鎖が非環状構造のみからなることが確認された。
得られた多元共重合体1を用いて、以下の表2に示される配合処方でゴム組成物を調製し、160℃で30分間加硫して得た加硫ゴムに対して、上記の方法により引張強さ(Tb)を測定した。測定結果を表1に示す。また、表1中、測定値とともに、比較例2の測定値を100として、指数を表示した。指数が大きいほど、耐久性が高いことを示す。
(実施例2:多元共重合体2の製造)
十分に乾燥した2000mLの耐圧ステンレス反応器に、芳香族ビニル化合物としてスチレン74g、イソプレン21gを含むトルエン溶液100gと、トルエン500gを加えた。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に((1-ベンジルジメチルシリル-3-メチル)インデニル)ビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体、([1-Benzyldimethyl-3-MethylSi]Gd[N(SiHMe)0.075mmol、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[PhCB(C]0.075mmol、及びトリイソブチルアルミニウム0.3mmolを仕込み、トルエン30mLを加えて触媒溶液とした。得られた触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、75℃に加温した。
次いで、エチレンを圧力1.5MPaでその耐圧ステンレス反応器に投入し、75℃で計4時間共重合を行った。
次いで、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)(NS-5)5質量%含有するイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、多元共重合体2を得た。
得られた多元共重合体2について、上記の方法により、共役ジエン単位のビニル結合量、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、共役ジエン単位(イソプレン単位)、非共役オレフィン単位(エチレン単位)、芳香族ビニル単位(スチレン単位)の含有量及びガラス転移温度(Tg)を、測定した。結果を表1に示す。また、多元共重合体2において、ビニル結合は全て1,2-結合であり、ビニル結合量は1,2-結合量と同じであった。
また、得られた多元共重合体2について、13C-NMRスペクトルを測定したところ、10~24ppmにピークが観測されなかったことから、多元共重合体2は、主鎖が非環状構造のみからなることが確認された。
得られた多元共重合体2を用いて、以下の表2に示される配合処方でゴム組成物を調製し、160℃で30分間加硫して得た加硫ゴムに対して、上記の方法により引張強さ(Tb)を測定した。測定結果を表1に示す。また、表1中、測定値とともに、比較例2の測定値を100として、指数を表示した。
(比較例1:多元共重合体3の製造)
十分に乾燥した2000mLの耐圧ステンレス反応器に、芳香族ビニル化合物としてスチレン100g、1,3-ブタジエン16gを含むトルエン溶液65gと、トルエン500gを加えた。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にモノ(ビス(1,3-tert-ブチルジメチルシリル)インデニル)ビス(ビス)ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体(1,3-[(tert-Bu)MeSi]Gd[N(SiHMe])0.075mmol、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[PhCB(C]0.075mmol、及びトリイソブチルアルミニウム1.9mmolを仕込み、トルエン34mLを加えて触媒溶液とした。得られた触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、75℃に加温した。
次いで、エチレンを圧力1.5MPaでその耐圧ステンレス反応器に投入し、75℃で計4時間共重合を行った。
次いで、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)(NS-5)5質量%含有するイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、多元共重合体3を得た。
得られた多元共重合体3について、上記の方法により、共役ジエン単位のビニル結合量、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、共役ジエン単位(イソプレン単位)、非共役オレフィン単位(エチレン単位)、芳香族ビニル単位(スチレン単位)の含有量及びガラス転移温度(Tg)を、測定した。結果を表1に示す。
得られた多元共重合体3を用いて、以下の表2に示される配合処方でゴム組成物を調製し、160℃で30分間加硫して得た加硫ゴムに対して、上記の方法により引張強さ(Tb)を測定した。測定結果を表1に示す。また、表1中、測定値とともに、比較例2の測定値を100として、指数を表示した。
(比較例2:多元共重合体4の製造)
十分に乾燥した2000mLの耐圧ステンレス反応器に、芳香族ビニル化合物としてスチレン200g、1,3-ブタジエン15gを含むトルエン溶液60gと、トルエン300gを加えた。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にモノ(ビス(1,3-tert-ブチルジメチルシリル)インデニル)ビス(ビス)ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体(1,3-[(tert-Bu)MeSi]Gd[N(SiHMe])0.250mmol、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[PhCB(C]0.250mmol、及びトリイソブチルアルミニウム1.4mmolを仕込み、トルエン95mLを加えて触媒溶液とした。得られた触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、75℃に加温した。
次いで、エチレンを圧力1.5MPaでその耐圧ステンレス反応器に投入し、75℃で計6時間共重合を行った。
次いで、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)(NS-5)5質量%含有するイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、多元共重合体4を得た。
得られた多元共重合体4について、上記の方法により、共役ジエン単位のビニル結合量、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、共役ジエン単位(イソプレン単位)、非共役オレフィン単位(エチレン単位)、芳香族ビニル単位(スチレン単位)の含有量及びガラス転移温度(Tg)を、測定した。結果を表1に示す。
得られた多元共重合体4を用いて、以下の表2に示される配合処方でゴム組成物を調製し、160℃で30分間加硫して得た加硫ゴムに対して、上記の方法により引張強さ(Tb)を測定した。測定結果を表1に示す。また、表1中、測定値とともに、比較例2の測定値を100として、指数を表示した。
Figure 0007336454000001
Figure 0007336454000002
表2で使用した各成分は、以下の通りである。
・多元共重合体:各実施例及び比較例で得られた多元共重合体1~4である。
・老化防止剤RD:2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体
・老化防止剤6PPD:N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン
・加硫促進剤DPG:1,3-ジフェニルグアニジン
・加硫促進剤DM:ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド
・加硫促進剤NS:N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド
表1より、本実施形態の多元共重合体は、高耐久性を発現するものであることが確認された。一方、共役ジエン単位が3%未満である比較例1及び2の共重合体は、引張強さが低く、高耐久性を発現するものとはいえないものであった。
本発明によれば、高耐久性を発現し得る多元共重合体、該多元共重合体を含むゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品を提供することができる。また、本実施形態のゴム組成物は、高い耐久性を有することから、タイヤだけでなく、コンベヤベルト、ゴムクローラ、ホース、また防振装置、免震装置に用いられる防振ゴム、免震ゴム等のゴム製品にも好適に用いられる。

Claims (8)

  1. 共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位と、を含有し、該共役ジエン単位のビニル結合量が3%以上であり、
    前記共役ジエン単位が、イソプレン単位のみからなり、
    前記非共役オレフィン単位が、エチレン単位のみからなり、
    前記芳香族ビニル単位が、スチレン単位のみからなり、
    前記共役ジエン単位の含有量が1~30mol%であり、前記非共役オレフィン単位の含有量が40~98mol%であり、前記芳香族ビニル単位の含有量が1~35mol%である多元共重合体。
  2. 主鎖が非環状構造のみからなる請求項1に記載の多元共重合体。
  3. ガラス転移温度が0℃以下である請求項1又は2に記載の多元共重合体。
  4. 結晶化度が0.5~50%である請求項1~のいずれか1項に記載の多元共重合体。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載の多元共重合体を含むゴム成分を含有するゴム組成物。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の多元共重合体を含む樹脂組成物。
  7. 請求項に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
  8. 請求項に記載の樹脂組成物を用いた樹脂製品。
JP2020548261A 2018-09-25 2019-09-02 多元共重合体、ゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品 Active JP7336454B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018178803 2018-09-25
JP2018178803 2018-09-25
JP2019048265 2019-03-15
JP2019048265 2019-03-15
PCT/JP2019/034468 WO2020066480A1 (ja) 2018-09-25 2019-09-02 多元共重合体、ゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020066480A1 JPWO2020066480A1 (ja) 2021-08-30
JP7336454B2 true JP7336454B2 (ja) 2023-08-31

Family

ID=69951356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020548261A Active JP7336454B2 (ja) 2018-09-25 2019-09-02 多元共重合体、ゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP3858878A4 (ja)
JP (1) JP7336454B2 (ja)
CN (1) CN112714771A (ja)
WO (1) WO2020066480A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7260413B2 (ja) * 2019-06-21 2023-04-18 株式会社ブリヂストン 共重合体の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007048760A1 (en) 2005-10-24 2007-05-03 Total Petrochemicals Research Feluy Preparation of styrene-isoprene and of styrene isoprene ethylene copolymers
WO2017065301A1 (ja) 2015-10-16 2017-04-20 株式会社ブリヂストン 多元共重合体、ゴム組成物、架橋ゴム組成物、ゴム製品、及びタイヤ
WO2018092733A1 (ja) 2016-11-21 2018-05-24 株式会社ブリヂストン 多元共重合体、ゴム組成物、架橋ゴム組成物及びゴム製品

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5649117B2 (ja) * 2008-06-04 2015-01-07 株式会社ブリヂストン 芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体及びその製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ
CN103154059B (zh) * 2010-07-30 2014-12-24 株式会社普利司通 共轭二烯化合物与非共轭烯烃的共聚物、橡胶组合物、交联橡胶组合物和轮胎
CN108137745B (zh) * 2015-10-16 2021-03-09 株式会社普利司通 多元共聚物、橡胶组合物、交联橡胶组合物和橡胶制品
WO2017064859A1 (ja) * 2015-10-16 2017-04-20 株式会社ブリヂストン 多元共重合体、ゴム組成物、架橋ゴム組成物及びゴム物品
JP7097152B2 (ja) * 2015-10-16 2022-07-07 株式会社ブリヂストン 多元共重合体、ゴム組成物、架橋ゴム組成物及びゴム物品
WO2017064860A1 (ja) * 2015-10-16 2017-04-20 株式会社ブリヂストン 多元共重合体、ゴム組成物、架橋ゴム組成物及びゴム物品
FR3060007A1 (fr) * 2016-12-09 2018-06-15 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Terpolymeres d'ethylene, de 1,3-butadiene ou d'isoprene, et d'une alpha-monoolefine aromatique
US11021550B2 (en) * 2017-04-18 2021-06-01 Bridgestone Corporation Method for producing multicomponent copolymer, multicomponent copolymer, rubber composition, and tire

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007048760A1 (en) 2005-10-24 2007-05-03 Total Petrochemicals Research Feluy Preparation of styrene-isoprene and of styrene isoprene ethylene copolymers
WO2017065301A1 (ja) 2015-10-16 2017-04-20 株式会社ブリヂストン 多元共重合体、ゴム組成物、架橋ゴム組成物、ゴム製品、及びタイヤ
WO2018092733A1 (ja) 2016-11-21 2018-05-24 株式会社ブリヂストン 多元共重合体、ゴム組成物、架橋ゴム組成物及びゴム製品

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
LAUR, Eva et al.,Stereoselective copolymerization of styrene with terpenes catalyzed by an Ansa-lanthanidocene catalyst,Catalysts,2017年,7,361/1-361/12,DOI:10.3390/catal7120361
RODRIGUES, Anne-Sophie et al.,Stereocontrolled styrene-isoprene copolymerization and styrene-ethylene-isoprene terpolymerization with a single-component allyl ansa-neodymocene catalyst,Polymer,49,2008年,2039-2045,DOI:10.1016/j.polymer.2008.02.043

Also Published As

Publication number Publication date
EP3858878A4 (en) 2022-07-13
WO2020066480A1 (ja) 2020-04-02
EP3858878A1 (en) 2021-08-04
JPWO2020066480A1 (ja) 2021-08-30
CN112714771A (zh) 2021-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3138859B1 (en) Method for producing multi-component copolymer
JP7302968B2 (ja) 多元共重合体、ゴム組成物、架橋ゴム組成物及びゴム製品
TWI824674B (zh) 橡膠組合物及其製造方法以及輪胎製品
JP2015078365A (ja) トランスイソプレン−ブタジエンコポリマーを含有するゴムブレンド
WO2011030431A1 (ja) ランフラットタイヤ
US20240026057A1 (en) Crosslinking Rubber Composition, Rubber Composition for Tire, Molded Article for Tire Sidewall, Sheet, Method for Producing Tire Sidewall, and Tire Sidewall
JP7336454B2 (ja) 多元共重合体、ゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品
EP3613776B1 (en) Method for producing multi-copolymer, multi-copolymer, rubber composition, and tire
EP3613777A1 (en) Method for producing multi-copolymer, multi-copolymer, rubber composition, and tire
JPWO2009151103A1 (ja) ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
EP4023459A1 (en) Vulcanized rubber composition, production method for vulcanized rubber composition, and tire
EP3988327B1 (en) Crosslinking rubber composition, method for producing crosslinked rubber, and tread for tire
JP7386258B2 (ja) ゴム-金属複合体、タイヤ、及びゴム物品
JPWO2020054484A1 (ja) 変性多元共重合体、ゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品
JP2020063352A (ja) 空気入りタイヤ
JP2020050796A (ja) 空気入りタイヤ
JP2020050795A (ja) 空気入りタイヤ
JP2020094110A (ja) 重荷重用タイヤ用ゴム組成物及び重荷重用タイヤ
JP2020050180A (ja) 空気入りタイヤ
JP2020050200A (ja) 空気入りタイヤ
JP2020055941A (ja) ゴム組成物及びタイヤ
JP2021080337A (ja) ゴム組成物及びタイヤ
JP2022067814A (ja) 架橋用ゴム組成物、及びタイヤ用トレッド
US20230331894A1 (en) Molded Bale
EP4261234A1 (en) Hydrogenated diene polymer, bale, rubber composition, and tire

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230501

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7336454

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150