JP2020050180A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性、低燃費性、耐候性、及び耐変色性に優れる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】サイドウォール部が、最外層と内層とを有する空気入りタイヤであって、最外層が、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する多元共重合体を含むゴム成分を含有するゴム組成物の加硫ゴムから構成され、内層が、ジエン系ゴムを含むゴム成分を含有するゴム組成物の加硫ゴムから構成されると共に、内層の損失弾性率(E’’)が、1.2MPa以下である空気入りタイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤのサイドウォール部に適用するサイドゴム用のゴム組成物には、天然ゴム(NR)とポリブタジエンゴム(BR)とをブレンドしたゴム成分が使用されている。例えば、特開2005−272571号公報(特許文献1)には、天然ゴム(NR)及び/又はポリイソプレンゴム(IR)と、特定のポリブタジエンゴム(BR)とからなるゴムに対して、特定のカーボンブラック及びシリカと、加硫促進剤及び硫黄とを、特定の配合比で配合してなる重荷重タイヤ用サイドトレッドゴム組成物が開示されている。
特開2005−272571号公報
昨今、タイヤの低燃費性の向上が求められている。また、サイドウォール部は、縁石等から衝撃を受けることがあるため、タイヤのサイドゴムには、十分な耐久性を有することも求められる。更に、サイドウォール部は、タイヤが車両に装着された際に、露出し、視認され易い部位であるため、外観性を向上させることも求められており、これらの特性を並立する技術が求められている。
本発明は、耐久性、低燃費性、耐候性、及び耐変色性に優れる空気入りタイヤを提供することを目的とし、該目的を解決することを課題とする。
<1> サイドウォール部が、最外層と内層とを有する空気入りタイヤであって、前記最外層が、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する多元共重合体を含むゴム成分を含有するゴム組成物の加硫ゴムから構成され、前記内層が、ジエン系ゴムを含むゴム成分を含有するゴム組成物の加硫ゴムから構成されると共に、前記内層の損失弾性率(E’’)が、1.2MPa以下である空気入りタイヤ。
<2> 前記最外層の前記ゴム成分中の前記多元共重合体の含有量が、30質量%以上である<1>に記載の空気入りタイヤ。
<3> タイヤ最大幅部分の該幅方向における、前記最外層の層厚D1と、前記内層全層の層厚D2とが、D1/(D1+D2)≦0.3を満たす<1>または<2>に記載の空気入りタイヤ。
<4> 前記最外層の層厚D1が、0.3mm以上である<3>に記載の空気入りタイヤ。
<5> 前記内層の損失弾性率(E’’)が、0.7MPa以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<6> 前記内層のゴム組成物は、前記ジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、充填剤を5〜60質量部含有する<1>〜<5>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<7> 前記最外層のゴム組成物及び前記内層のゴム組成物中の老化防止剤の含有量は、それぞれ、前記ゴム成分100質量部に対して1質量部以下である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<8> 前記多元共重合体は、前記共役ジエン単位の含有量が1〜50mol%で、前記非共役オレフィン単位の含有量が40〜97mol%で、且つ、前記芳香族ビニル単位の含有量が2〜35mol%である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<9> 前記多元共重合体は、0〜120℃における示差走査熱量計(DSC)で測定した吸熱ピークエネルギーが10〜150J/gである<1>〜<8>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<10> 前記多元共重合体は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が30〜130℃である<1>〜<9>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<11> 前記多元共重合体は、示差走査熱量計(DSC)で測定したガラス転移温度が0℃以下である<1>〜<10>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<12> 前記多元共重合体は、結晶化度が0.5〜50%である<1>〜<11>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<13> 前記非共役オレフィン単位が非環状の非共役オレフィン単位である<1>〜<12>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<14> 前記非環状の非共役オレフィン単位がエチレン単位のみからなる<13>に記載の空気入りタイヤ。
<15> 前記芳香族ビニル単位がスチレン単位を含む<1>〜<14>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<16> 前記共役ジエン単位が1,3−ブタジエン単位及びイソプレン単位からなる群より選択される少なくとも1つを含む<1>〜<15>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<17> 車両へのタイヤ装着時に、前記最外層が露出する面に位置する<1>〜<16>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、耐久性、低燃費性、耐候性、及び耐変色性に優れる空気入りタイヤを提供することができる。
<空気入りタイヤ>
本発明の空気入りタイヤは、サイドウォール部が、最外層と内層とを有する。
最外層は、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する多元共重合体を含むゴム成分を含有するゴム組成物の加硫ゴムから構成される。また、内層は、ジエン系ゴムを含むゴム成分を含有するゴム組成物の加硫ゴムから構成されると共に、損失弾性率(E’’)が、1.2MPa以下である。
以下、空気入りタイヤを、単に、タイヤと称することがある。
タイヤのサイドウォール部は、タイヤの側壁となり、タイヤの構造を支えるため、元々剛性が求められる上に、縁石等に接触したり、日光を受け易い部位であるため、耐亀裂性等の耐久性、耐紫外線、耐オゾン性等の耐候性が求められている。しかし、サイドウォール部の剛性を上げるために充填剤を多く用いると、低ロス性が損なわれ、燃費が上がり易くなった。また、耐候性を向上するために老化防止剤を用いると、老化防止剤がタイヤ表面に染み出し、変色することがあった。
これに対し、本発明のタイヤは、上記構成であることで、耐久性、低燃費性、耐候性、及び耐変色性に優れる。かかる理由は定かではないが、次の理由によるものと推察される。
本発明の空気入りタイヤは、最外層と内層とを有する2層構造以上のサイドウォール部を備えており、最外層と内層とで機能を分担することができる。
最外層が特定の多元共重合体を用いて構成されることで、最外層は耐久性に優れるため、サイドウォール部の変形を抑制してタイヤの発熱を抑制することができる上に、内層の損失弾性率(E’’)を1.2MPa以下として、更に低発熱化(低ヒステリシスロス化)することで、タイヤの転がり抵抗を低減して、タイヤの低燃費性を向上することができると考えられる。また、上記多元共重合体を用いて構成された最外層は、多元共重合体が、ジエン系ゴムに比べて不飽和結合量が少ないため、耐候性にも優れる。そのため、老化防止剤の使用量を抑制することができることから、タイヤから老化防止剤が染み出ることによる変色を防止することができると考えられる。
以上より、本発明のタイヤは、耐久性、低燃費性、耐候性、及び耐変色性を同時に満たすことができ、各性能に優れると考えられる。
〔サイドウォール部〕
サイドウォール部は、最外層と内層とを有し、内層は損失弾性率(E’’)が、1.2MPa以下である。
内層は、1層であってもよいし、2層以上の多層構造であってもよい。内層が多層構造である場合、損失弾性率(E’’)は、内層全層の損失弾性率(E’’)として測定される値を意味する。内層の損失弾性率(E’’)が、1.2MPa以下であることで、タイヤは低燃費性に優れる。また、最外層が多元共重合体を用いて構成されることで、最外層が耐久性に優れるため、内層に充填剤を含有させて剛性を持たせる必要がなく、損失弾性率を小さくすることができる。内層の損失弾性率(E’’)は0.7MPa以下であることが好ましい。
なお、損失弾性率(E’’)は、実施例に記載の方法で測定することができる。
最外層が多元共重合体を用いて構成されることで、最外層が耐久性に優れるため、最外層は薄膜化することができる。
具体的には、タイヤ最大幅部分の該幅方向における、最外層の層厚D1と、内層全層の層厚D2とが、D1/(D1+D2)≦0.3を満たすように最外層を薄くすることができる。なお、最外層の層厚を「最外層ゲージ」、内層全層の層厚を「内層ゲージ」と称することがある。D1/(D1+D2)は0.2以下であることが好ましい。
最外層の薄膜化により、最外層に加わる応力集中を低減することができることから、サイドウォール部は、耐クラック性にも優れる。
最外層の層厚D1は、タイヤの耐久性、耐候性及び耐変色性の観点から、0.1mm以上あることが好ましく、0.3mm以上であることがより好ましい。
なお、層厚D1の上限は規定されるものではないが、1.0mm以下であることが好ましい。
最外層は、車両へのタイヤ装着時に、最外層が露出する面に位置することが好ましい。
タイヤを車両に装着するときに、サイドウォール部の最外層が露出する面に位置することで、本発明の耐久性、低燃費性、耐候性、及び耐変色性の効果を発現し易い。最外層が露出する面に位置すると、最外層は直射日光を浴び易く、オゾン、紫外線等に暴露され易く、縁石との接触等により損傷を受け易い状況にある。しかし、本発明における最外層は多元共重合体を用いて構成されているため、タイヤはオゾン、紫外線等によって劣化しにくく、その結果、老化防止剤の使用量を抑制することができるため、老化防止剤による変色も防止することができる。またサイドウォール部が縁石等に衝突しても、最外層は亀裂しにくく、亀裂しても亀裂が進展しにくいため、タイヤの耐久性に優れる。また、
次に、最外層を構成するゴム組成物(以下、最外層用ゴム組成物と称することがある)と、内層を構成するゴム組成物(以下、内層用ゴム組成物と称することがある)について説明する。
<ゴム組成物>
最外層を構成するゴム組成物(最外層用ゴム組成物)は、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する多元共重合体を含むゴム成分(以下、最外層用ゴム成分と称することがある)を含有する。
内層を構成するゴム組成物(内層用ゴム組成物)は、ジエン系ゴムを含むゴム成分(以下、内層用ゴム成分と称することがある)を含有する。なお、内層が2層以上の多層構造である場合、少なくとも1層の内層が、内層用ゴム組成物の加硫ゴムで構成されていればよく、全層が内層用ゴム組成物の加硫ゴムで構成されていることが好ましい。また、内層が多層構造である場合、内層用ゴム組成物の組成(成分の種類及び含有量)は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(多元共重合体)
最外層用ゴム成分に含まれる多元共重合体(以下、本発明の多元重合体と称することがある)は、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する。
多元共重合体が非共役オレフィン単位を含むことで、タイヤのサイドウォール部が大きく歪んだ際に、非共役オレフィン単位に由来する結晶成分が崩壊し、融解エネルギーによって、多元共重合体は、エネルギーを散逸することができる。その結果、最外層用ゴム組成物の加硫ゴムは、優れた破亀裂性、破亀裂進展性等の耐久性を実現することができる。
本発明の多元共重合体は、少なくとも共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有するが、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位のみからなっていてもよいし、さらに他の単量体単位を含有していてもよい。
共役ジエン単位は、単量体としての共役ジエン化合物に由来する構成単位である。
共役ジエン単位を含むことで、多元共重合体は加硫することができ、また、最外層用ゴム組成物の加硫ゴムは伸び及び強度を発現する。
ここで、共役ジエン化合物とは、共役系のジエン化合物を指す。共役ジエン化合物は、炭素数が4〜8であることが好ましい。かかる共役ジエン化合物として、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。共役ジエン化合物は、一種単独であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。
多元共重合体の単量体としての共役ジエン化合物は、サイドゴム及びタイヤの耐久性を効果的に向上させる観点から、1,3−ブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、1,3−ブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1つのみからなることがより好ましく、1,3−ブタジエンのみからなることがさらに好ましい。
別の言い方をすると、多元共重合体における共役ジエン単位は、1,3−ブタジエン単位及びイソプレン単位からなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、1,3−ブタジエン単位及びイソプレン単位からなる群より選択される少なくとも1つのみからなることがより好ましく、1,3−ブタジエン単位のみからなることがさらに好ましい。
多元共重合体は、共役ジエン単位の含有量が、1mol%以上であることが好ましく、3mol%以上であることがより好ましく、また、50mol%以下であることが好ましく、40mol%以下であることがより好ましく、30mol%以下であることがさらに好ましく、25mol%以下であることがよりさらに好ましく、15mol%以下であることがより一層好ましい。共役ジエン単位の含有量が、多元共重合体全体の1mol%以上であると、伸びに優れる加硫ゴムが得られるので好ましく、また、50mol%以下であると、サイドゴム及びタイヤの耐候性に優れる。
また、共役ジエン単位の含有量は、多元共重合体全体の1〜50mol%の範囲が好ましく、3〜40mol%の範囲がさらに好ましい。
非共役オレフィン単位は、単量体としての非共役オレフィン化合物に由来する構成単位である。
サイドウォール部が大きく歪んだ際に、非共役オレフィン単位に由来する結晶成分が崩壊することによって、多元重合体からエネルギーが散逸される。
ここで、非共役オレフィン化合物とは、脂肪族不飽和炭化水素で、炭素−炭素二重結合を1個以上有する化合物を指す。非共役オレフィン化合物は、炭素数が2〜10であることが好ましい。かかる非共役オレフィン化合物として、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等のα−オレフィン、ピバリン酸ビニル、1−フェニルチオエテン、N−ビニルピロリドン等のヘテロ原子置換アルケン化合物等が挙げられる。非共役オレフィン化合物は、一種単独であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。
多元共重合体の単量体としての非共役オレフィン化合物は、サイドゴム及びタイヤの耐候性をより向上させる観点から、非環状の非共役オレフィン化合物であることが好ましく、また、非環状の非共役オレフィン化合物は、α−オレフィンであることがより好ましく、エチレンを含むα−オレフィンであることがさらに好ましく、エチレンのみからなることが特に好ましい。
別の言い方をすると、多元共重合体における非共役オレフィン単位は、非環状の非共役オレフィン単位であることが好ましく、また、当該非環状の非共役オレフィン単位は、α−オレフィン単位であることがより好ましく、エチレン単位を含むα−オレフィン単位であることがさらに好ましく、エチレン単位のみからなることが特に好ましい。
多元共重合体は、非共役オレフィン単位の含有量が、40mol%以上であることが好ましく、45mol%以上であることがさらに好ましく、55mol%以上であることがより一層好ましく、60mol%以上であることが特に好ましく、また、97mol%以下であることが好ましく、95mol%以下であることがさらに好ましく、90mol%以下であることがより一層好ましい。
非共役オレフィン単位の含有量が、多元共重合体全体の40mol%以上であると、結果として共役ジエン単位又は芳香族ビニル単位の含有量が減少して、サイドゴム及びタイヤの耐候性と耐久性が向上する。また、非共役オレフィン単位の含有量が97mol%以下であると、結果として共役ジエン単位又は芳香族ビニル単位の含有量が増加し、サイドゴム及びタイヤの高温での耐久性(特には、破断伸び(Eb))が向上する。また、非共役オレフィン単位の含有量は、多元共重合体全体の40〜97mol%の範囲が好ましく、45〜95mol%の範囲がより好ましく、55〜90mol%の範囲がより一層好ましい。
芳香族ビニル単位は、単量体としての芳香族ビニル化合物に由来する構成単位である。
多元重合体が芳香族ビニル単位を含有することで、非共役オレフィン単位由来の過度の結晶化が抑制され、多元共重合体の剛性を向上しつつも、得られる加硫ゴムの弾性を損ねにくい。
ここで、芳香族ビニル化合物とは、少なくともビニル基で置換された芳香族化合物を指し、共役ジエン化合物には包含されないものとする。芳香族ビニル化合物は、炭素数が8〜10であることが好ましい。かかる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等が挙げられる。芳香族ビニル化合物は、一種単独であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。
多元共重合体の単量体としての芳香族ビニル化合物は、サイドゴム及びタイヤの耐候性を向上させる観点から、スチレンを含むことが好ましく、スチレンのみからなることがより好ましい。別の言い方をすると、多元共重合体における芳香族ビニル単位は、スチレン単位を含むことが好ましく、スチレン単位のみからなることがより好ましい。
なお、芳香族ビニル単位における芳香族環は、隣接する単位と結合しない限り、多元共重合体の主鎖には含まれない。
多元共重合体は、芳香族ビニル単位の含有量が、2mol%以上であることが好ましく、3mol%以上であることがさらに好ましく、また、35mol%以下であることが好ましく、30mol%以下であることがさらに好ましく、25mol%以下であることがより一層好ましい。芳香族ビニル単位の含有量が2mol%以上であると、サイドゴム及びタイヤの高温における耐久性が向上する。また、芳香族ビニル単位の含有量が35mol%以下であると、共役ジエン単位及び非共役オレフィン単位による効果が顕著になる。また、芳香族ビニル単位の含有量は、多元共重合体全体の2〜35mol%の範囲が好ましく、3〜30mol%の範囲がより好ましく、3〜25mol%の範囲がより一層好ましい。
多元共重合体の単量体の種類の数としては、多元共重合体が共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する限り、特に制限はない。多元共重合体は、共役ジエン単位、非共役オレフィン単位、及び芳香族ビニル単位以外の、その他の構成単位を有していてもよいが、その他の構成単位の含有量は、所望の効果を得る観点から、多元共重合体全体の30mol%以下であることが好ましく、20mol%以下であることがより好ましく、10mol%以下であることがさらに好ましく、含有しないこと、即ち、含有量が0mol%であることが特に好ましい。
前記多元共重合体は、サイドゴム及びタイヤの耐摩耗性、耐候性及び多元共重合体の結晶性を好ましいものとする観点から、単量体として、一種のみの共役ジエン化合物、一種のみの非共役オレフィン化合物、及び一種の芳香族ビニル化合物を少なくとも用いて重合してなる重合体であることが好ましい。
別の言い方をすると、多元共重合体は、一種のみの共役ジエン単位、一種のみの非共役オレフィン単位、及び一種のみの芳香族ビニル単位を含有する多元共重合体であることが好ましく、一種のみの共役ジエン単位、一種のみの非共役オレフィン単位、及び一種のみの芳香族ビニル単位のみからなる三元共重合体であることがより好ましく、1,3−ブタジエン単位、エチレン単位、及びスチレン単位のみからなる三元共重合体であることがさらに好ましい。ここで、「一種のみの共役ジエン単位」には、異なる結合様式の共役ジエン単位が包含される。
最外層用ゴム組成物において、多元共重合体は、共役ジエン単位の含有量が1〜50mol%で、非共役オレフィン単位の含有量が40〜97mol%で、且つ、前記芳香族ビニル単位の含有量が2〜35mol%であることが好ましい。この場合、サイドゴム及びタイヤの耐久性及び耐候性がさらに向上する。
多元共重合体は、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が10,000〜10,000,000であることが好ましく、100,000〜9,000,000であることがより好ましく、150,000〜8,000,000であることがさらに好ましい。多元共重合体のMwが10,000以上であることにより、サイドゴム及びタイヤの機械的強度を十分に確保することができ、また、Mwが10,000,000以下であることにより、最外層用ゴム組成物の作業性を損ねにくい。
多元共重合体は、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が10,000〜10,000,000であることが好ましく、50,000〜9,000,000であることがより好ましく、100,000〜8,000,000であることがさらに好ましい。多元共重合体のMnが10,000以上であることにより、サイドゴム及びタイヤの機械的強度を十分に確保することができ、また、Mnが10,000,000以下であることにより、最外層用ゴム組成物の作業性を損ねにくい。
多元共重合体は、分子量分布[Mw/Mn(重量平均分子量/数平均分子量)]が1.00〜4.00であることが好ましく、1.50〜3.50であることがより好ましく、1.80〜3.00であることがさらに好ましい。多元共重合体の分子量分布が4.00以下であれば、多元共重合体の物性に十分な均質性をもたらすことができる。
なお、多元共重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標準物質として求める。
多元共重合体は、0〜120℃における示差走査熱量計(DSC)で測定した吸熱ピークエネルギーが10〜150J/gであることが好ましく、30〜120J/gであることがさらに好ましい。多元共重合体の吸熱ピークエネルギーが10J/g以上であれば、多元共重合体の結晶性が高くなり、サイドゴムとタイヤの耐摩耗性と耐久性をさらに向上することができる。また、多元共重合体の吸熱ピークエネルギーが150J/g以下であれば、最外層用ゴム組成物の作業性が向上する。
ここで、吸熱ピークエネルギーは、実施例に記載の方法で測定した値である。
多元共重合体は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が30〜130℃であることが好ましく、30〜110℃であることがさらに好ましい。多元共重合体の融点が30℃以上であれば、多元共重合体の結晶性が高くなり、サイドゴムとタイヤの耐摩耗性と耐久性をさらに向上させることができる。また、多元共重合体の融点が130℃以下であれば、最外層用ゴム組成物の作業性が向上する。
ここで、融点は、実施例に記載の方法で測定した値である。
多元共重合体は、示差走査熱量計(DSC)で測定したガラス転移温度(Tg)が0℃以下であることが好ましく、−100〜−10℃であることがさらに好ましい。多元共重合体のガラス転移温度が0℃以下であれば、最外層用ゴム組成物の作業性が向上する。
ここで、ガラス転移温度は、実施例に記載の方法で測定した値である。
多元共重合体は、結晶化度が0.5〜50%であることが好ましく、3〜45%であることがさらに好ましく、5〜45%であることがより一層好ましい。多元共重合体の結晶化度が0.5%以上であれば、非共役オレフィン単位に起因する多元共重合体の結晶性を十分に確保して、サイドゴム及びタイヤの耐久性をさらに向上することができる。また、多元共重合体の結晶化度が50%以下であれば、最外層用ゴム組成物の混練の際の作業性が向上する。更に、最外層用ゴム組成物の粘着性が上がり、タッキネスが向上するため、最外層用ゴム組成物から作製したゴム部材同士を貼り付け易く、タイヤ等のゴム物品を成形する際の作業性も向上する。
ここで、結晶化度は、実施例に記載の方法で測定した値である。
多元共重合体は、主鎖が非環状構造のみからなることが好ましい。これにより、サイドゴムとタイヤの耐摩耗性と耐久性をさらに向上させることができる。
なお、多元共重合体の主鎖が環状構造を有するか否かの確認には、NMRが主要な測定手段として用いられる。具体的には、主鎖に存在する環状構造に由来するピーク(例えば、三員環〜五員環については、10〜24ppmに現れるピーク)が観測されない場合、その多元共重合体の主鎖は、非環状構造のみからなることを示す。
多元共重合体は、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを単量体として用いる重合工程を経て製造でき、さらに、必要に応じ、カップリング工程、洗浄工程、及びその他の工程を経てもよい。
ここで、多元共重合体の製造においては、重合触媒の存在下で、共役ジエン化合物を添加せずに非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物のみを添加し、これらをまず重合させることが好ましい。特に後述の触媒組成物を使用する場合には、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物より共役ジエン化合物の方が、反応性が高いことから、共役ジエン化合物の存在下で非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物のいずれか一方または両方を重合させにくい。また、先に共役ジエン化合物を重合させ、後に非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物を付加的に重合させることも、触媒の特性上困難となり易い。
重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、かかる溶媒としては、重合反応において不活性なものであればよく、例えば、トルエン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン等が挙げられる。
重合工程は、一段階で行ってもよく、二段階以上の多段階で行ってもよい。
一段階の重合工程とは、重合させる全ての種類の単量体、即ち、共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物、芳香族ビニル化合物、及びその他の単量体、好ましくは、共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物、及び芳香族ビニル化合物を一斉に反応させて重合させる工程である。
また、多段階の重合工程とは、1種類又は2種類の単量体の一部又は全部を最初に反応させて重合体を形成し(第1重合段階)、次いで、第1重合段階で添加しなかった種類の単量体、第1重合段階で添加した単量体の残部等を添加して重合させる1以上の段階(第2重合段階〜最終重合段階)を行って重合させる工程である。特に、多元共重合体の製造では、重合工程を多段階で行うことが好ましい。
重合工程において、重合反応は、不活性ガス、好ましくは窒素ガス又はアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。重合反応の重合温度は、特に制限されないが、例えば、−100℃〜200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。また、上記重合反応の圧力は、共役ジエン化合物を十分に重合反応系中に取り込むため、0.1〜10.0MPaの範囲が好ましい。
また、重合反応の反応時間も特に制限がなく、例えば、1秒〜10日の範囲が好ましいが、重合触媒の種類、重合温度等の条件によって適宜選択することができる。
また、共役ジエン化合物の重合工程においては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の重合停止剤を用いて、重合を停止させてもよい。
重合工程は、多段階で行うことが好ましい。より好ましくは、少なくとも芳香族ビニル化合物を含む第1単量体原料と、重合触媒とを混合して重合混合物を得る第1工程と、前記重合混合物に対し、共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む第2単量体原料を導入する第2工程とを実施することが好ましい。さらに、第1単量体原料が共役ジエン化合物を含まず、且つ第2単量体原料が共役ジエン化合物を含むことがより好ましい。
第1工程で用いる第1単量体原料は、芳香族ビニル化合物とともに、非共役オレフィン化合物を含有してもよい。また、第1単量体原料は、使用する芳香族ビニル化合物の全量を含有してもよく、一部のみを含有してもよい。また、非共役オレフィン化合物は、第1単量体原料及び第2単量体原料の少なくともいずれかに含有される。
第1工程は、反応器内で、不活性ガス、好ましくは窒素ガス又はアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。第1工程における温度(反応温度)は、特に制限はないが、例えば、−100℃〜200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。また、第1工程における圧力は、特に制限はないが、芳香族ビニル化合物を十分に重合反応系中に取り込むため、0.1〜10.0MPaの範囲が好ましい。また、第1工程に費やす時間(反応時間)は、重合触媒の種類、反応温度等の条件によって適宜選択することができるが、例えば、反応温度を25〜80℃とした場合には、5分〜500分の範囲が好ましい。
第1工程において、重合混合物を得るための重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、かかる溶媒としては、重合反応において不活性なものであればよく、例えば、トルエン、シクロヘキサノン、ノルマルヘキサン等が挙げられる。
第2工程で用いる第2単量体原料は、共役ジエン化合物のみ、又は、共役ジエン化合物及び非共役オレフィン化合物、又は、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物、又は、共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物であることが好ましい。
なお、第2単量体原料が、共役ジエン化合物以外に非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物よりなる群から選択される少なくとも1つを含む場合には、予めこれらの単量体原料を溶媒等と共に混合した後に重合混合物に導入してもよく、各単量体原料を単独の状態から導入してもよい。また、各単量体原料は、同時に添加してもよく、逐次添加してもよい。
第2工程において、重合混合物に対して第2単量体原料を導入する方法としては、特に制限はないが、各単量体原料の流量を制御して、重合混合物に対して連続的に添加すること(所謂、ミータリング)が好ましい。ここで、重合反応系の条件下で気体である単量体原料(例えば、室温、常圧の条件下における非共役オレフィン化合物としてのエチレン等)を用いる場合には、所定の圧力で重合反応系に導入することができる。
第2工程は、反応器内で、不活性ガス、好ましくは窒素ガス又はアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。第2工程における温度(反応温度)は、特に制限はないが、例えば、−100℃〜200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。なお、反応温度を上げると、共役ジエン単位におけるシス−1,4結合の選択性が低下することがある。また、第2工程における圧力は、特に制限はないが、共役ジエン化合物等の単量体を十分に重合反応系に取り込むため、0.1〜10.0MPaの範囲が好ましい。また、第2工程に費やす時間(反応時間)は、重合触媒の種類、反応温度等の条件によって適宜選択することができるが、例えば、0.1時間〜10日の範囲が好ましい。
また、第2工程においては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の重合停止剤を用いて、重合反応を停止させてもよい。
ここで、上記の共役ジエン化合物、非共役オレフィン化合物、芳香族ビニル化合物の重合工程は、触媒成分として、下記(A)〜(F)成分の1種以上の存在下で、各種単量体を重合させる工程を含むことが好ましい。なお、重合工程には、下記(A)〜(F)成分を1種以上用いることが好ましいが、下記(A)〜(F)成分の2種以上を組み合わせて、触媒組成物として用いることがさらに好ましい。
(A)成分:希土類元素化合物又は該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物
(B)成分:有機金属化合物
(C)成分:アルミノキサン
(D)成分:イオン性化合物
(E)成分:ハロゲン化合物
(F)成分:置換又は無置換のシクロペンタジエン(シクロペンタジエニル基を有する化合物)、置換又は無置換のインデン(インデニル基を有する化合物)、及び、置換又は無置換のフルオレン(フルオレニル基を有する化合物)から選択されるシクロペンタジエン骨格含有化合物
上記(A)〜(F)成分については、例えば、国際公開第2018/092733等を参照することによって、重合工程に用いることができる。
カップリング工程は、重合工程において得られた多元共重合体の高分子鎖の少なくとも一部(例えば、末端)を変性する反応(カップリング反応)を行う工程である。
カップリング工程において、重合反応が100%に達した際にカップリング反応を行うことが好ましい。
カップリング反応に用いるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)等のスズ含有化合物;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)が、反応効率と低ゲル生成の点で、好ましい。
なお、カップリング反応を行うことにより、多元重合体の数平均分子量(Mn)を増加することができる。
洗浄工程は、重合工程において得られた多元共重合体を洗浄する工程である。
なお、洗浄に用いる媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられるが、重合触媒としてルイス酸由来の触媒を使用する際は、特にこれらの溶媒に対して酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸等)を加えて使用することができる。添加する酸の量は溶媒に対して15mol%以下が好ましい。添加量が15mol%以下であることで、酸が多元共重合体中に残存しにくく、最外層用ゴム組成物の混練及び加硫時の反応に悪影響を及ぼしにくい。
この洗浄工程により、多元共重合体中の触媒残渣量を好適に低下させることができる。
また、最外層用ゴム成分中の、多元共重合体の含有率は、特に限定はされないが、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることがより更に好ましく、100質量%であってもよい。最外層用ゴム成分中の、多元共重合体の含有率が10質量%以上であれば、多元共重合体による作用が十分に発揮され、サイドゴム及びタイヤの耐摩耗性と耐候性をさらに向上できるとともに、最外層用ゴム組成物がシリカを含む場合、シリカが多元共重合体以外のゴム成分の相(例えば、天然ゴム相等)に局在化することを抑えることができる結果、サイドゴム及びタイヤの弾性率及び耐久性をより向上できる。
(ジエン系ゴム)
内層用ゴム成分は、少なくともジエン系ゴムを含む。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)及び合成ジエン系ゴムが挙げられる。
合成ジエン系ゴムは、具体的には、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。
ジエン系ゴムは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。また、ジエン系ゴムは変性されていてもよい。
内層用ゴム成分は、内層の損失弾性率(E’’)を1.2MPa以下とする観点から、以上の中でも、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、及びポリブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、天然ゴム及びポリブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、天然ゴム及びポリブタジエンゴムを含むことが更に好ましい。
内層用ゴム成分中のジエン系ゴムの含有量は、内層の損失弾性率(E’’)を1.2MPa以下とする観点から、40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であってもよい。
内層用ゴム成分が、天然ゴムとポリブタジエンゴムとを含む場合、内層用ゴム成分中の天然ゴムの質量nとポリブタジエンゴムの質量bとの比(n/b)は、10/90〜90/10であることが好ましく、30/70〜70/30であることがより好ましく、40/60〜60/40であることが更に好ましく、45/55〜55/45であってもよい。
最外層用ゴム成分は、多元共重合体の他に、更に、ジエン系ゴムを含んでいてもよいし、非ジエン系ゴムを含んでいてもよい。
内層用ゴム成分も、ジエン系ゴムの他に、更に、非ジエン系ゴムを含んでいてもよい。
非ジエン系ゴムとしては、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM(EPMとも称する))、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマーとの共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー等が挙げられる。
内層用ゴム成分は、ジエン系ゴム以外のゴム成分を更に含んでいてもよいが、内層の損失弾性率(E’’)を1.2MPa以下とする観点から、内層用ゴム成分中の非ジエン系ゴム及び本発明の多元共重合体の含有量は少ないことが好ましく、具体的には、内層用ゴム成分中の非ジエン系ゴム及び多元共重合体の含有量は1質量%以下であることが好ましく、0質量%であることがより好ましい。
〔充填剤〕
最外層用ゴム組成物及び内層用ゴム組成物は、充填剤を含有していてもよい。
最外層用ゴム組成物から得られるサイドゴムは、弾性率が高く、耐久性に優れるため、内層に耐久性を持たせなくてもよく、内層用ゴム組成物中の充填剤の含有量を少なくすることができる。具体的には、内層のゴム組成物(内層用ゴム組成物)中の充填剤の含有量を、ゴム成分100質量部に対して、5〜60質量部とすることができる。内層用ゴム組成物中の充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下であることが更に好ましく、20質量部以下であることがより更に好ましく、15質量部以下であってもよい。
既述のように、最外層用ゴム組成物から得られるサイドゴムは、弾性率が高く、耐久性に優れるため、最外層用ゴム組成物中の充填剤の含有量も少なくすることができる。具体的には、最外層のゴム組成物(最外層用ゴム組成物)中の充填剤の含有量を、ゴム成分100質量部に対して、5〜60質量部とすることができる。最外層用ゴム組成物中の充填剤の含有量は、タイヤの低燃費性を向上しつつ、耐久性及び耐候性を向上する観点から、ゴム成分100質量部に対して、10〜50質量部であることが好ましく、15〜45質量部以下であることがより好ましい。
充填剤は、特に制限されず、例えば、ゴム組成物を補強する補強性充填剤が用いられる。補強性充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック等が挙げられ、シリカ及びカーボンブラックのいずれか一方を単独で用いてもよいし、シリカ及びカーボンブラックの両方を用いてもよい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。カーボンブラックは、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFグレードのものが好ましく、HAF、ISAF、SAFグレードのものがより好ましい。
(シリカ)
シリカは特に限定されず、一般グレードのシリカ、シランカップリング剤などで表面処理を施した特殊シリカなど、用途に応じて使用することができる。シリカは、例えば、湿式シリカを用いることが好ましい。
〔老化防止剤〕
最外層用ゴム組成物及び内層用ゴム組成物は、老化防止剤を含有していてもよい。
老化防止剤としては、例えば、アミン−ケトン系化合物、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、フェノール系化合物、硫黄系化合物及びリン系化合物等が挙げられる。
最外層用ゴム組成物から得られるサイドゴムは、耐久性及び耐候性に優れるため、最外層用ゴム組成物及び内層用ゴム組成物中の老化防止剤を少なくすることができる。その結果、老化防止剤の染み出しに起因するタイヤの変色が防止され、耐変色性に優れる。具体的には、最外層のゴム組成物(最外層用ゴム組成物)の老化防止剤の含有量及び内層のゴム組成物(内層用ゴム組成物)中の老化防止剤の含有量は、それぞれ独立に、ゴム成分100質量部に対して1質量部以下とすることができる。各ゴム組成物中の老化防止剤の含有量の下限は特に制限されないが、ゴム成分100質量部に対して0質量部でもよいし、0質量部を超えていてもよい。
〔加硫剤〕
最外層用ゴム組成物及び内層用ゴム組成物は、それぞれ、加硫剤を含有することが好ましい。
加硫剤は、特に制限はなく、通常、硫黄を用い、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等を挙げることができる。
最外層用ゴム組成物及び内層用ゴム組成物中の加硫剤の含有量は、各々独立に、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。この含有量が0.1質量部以上であることでゴム組成物の加硫を充分に進行させることができ、10質量部以下をとすることで、加硫ゴムの耐老化性を抑制することができる。
各ゴム組成物中の加硫剤の含有量はゴム成分100質量部に対して、各々独立に、0.5〜8質量部であることがより好ましく、1〜6質量部であることが更に好ましい。
本発明のゴム組成物は、上記成分とともに、必要に応じて、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、軟化剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して含有していてもよい。
最外層用ゴム組成物は、多元共重合体、加硫剤等の各成分を配合して、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練機を用いて混練することによって、製造することができる。最外層用ゴム組成物の製造で配合する各成分は、最外層用ゴム組成物中の各成分の含有量として示した量を配合量として配合することが好ましい。
各成分の混練は、全一段階で行ってもよいし、二段階以上に分けて行ってもよい。
同様に、内層用ゴム組成物は、ジエン系ゴム、充填剤、加硫剤等の各成分を配合して、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練機を用いて混練することによって、製造することができる。内層用ゴム組成物の製造で配合する各成分は、内層用ゴム組成物中の各成分の含有量として示した量を配合量として配合することが好ましい。
各成分の混練は、全一段階で行ってもよいし、二段階以上に分けて行ってもよい。
〔加硫ゴム〕
最外層は、最外層用ゴム組成物の加硫ゴムから構成され、内層は、内層用ゴム組成物の加硫ゴムから構成される。
各加硫ゴムは、最外層用ゴム組成物又は内層用ゴム組成物を、例えば、140〜200℃の加硫温度で加硫することにより得られる。また、加硫時間としては、例えば、5〜60分が挙げられる。
サイドウォール部の製造は、特に制限されるものではないが、例えば、最外層用ゴム組成物と内層用ゴム組成物とをそれぞれ混練の上、共押し出しして、最外層と内層との未加硫積層体を得て、未加硫積層体を加硫することで得られる。
一般に、タイヤは、各種成分を含有させたゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが製造される。
空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の空気、酸素分圧を調整した空気等の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
<ゴム組成物の調製及びタイヤの作製>
〔ゴム組成物の調製〕
表1及び2の配合に従って、サイドウォール部(最外層及び内層)に用いる各成分を配合して混練し、最外層用ゴム組成物及び内層用ゴム組成物を得る。
これらのゴム組成物を用いて共押出により、表2に示す寸法のサイドウォール部(外層、内層)を作製し、これを用いてタイヤ(205/65R15 94H)を試作する。表2中、最外層ゲージと、内層ゲージは、タイヤ最大幅部分における当該幅方向の最外層と内層の厚さである。なお、比較例1〜3は内層用ゴム組成物を調製せず、最外層用ゴム組成物により単層のサイドウォール部を作製し、タイヤ(205/65R15 94H)を試作する。
表1〜2中の成分の詳細は次のとおりである。
(1)ゴム成分
・NR:天然ゴム、TSR20
・BR:シス−1,4−ポリブタジエン、JSR(株)製、商品名「BR01」
・三元共重合体:下記製造方法により製造した多元共重合体
・EPDM:EPDMゴム、JSR(株)製、商品名「EP35」
(2)充填剤:カーボンブラック、旭カーボン(株)製、商品名「カーボン N220」
(3)老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製「ノクラック 6C」
(4)ステアリン酸:新日本理化(株)製「ステアリン酸50S」
(5)亜鉛華:ハクスイテック社製「3号亜鉛華」
(6)加硫剤:硫黄、鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
(7)加硫促進剤:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラーCZ」
〔三元共重合体の製造方法〕
十分に乾燥した1000mLの耐圧ステンレス反応器に、スチレン160gと、トルエン600mLを加えた。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にモノ(ビス(1,3−tert−ブチルジメチルシリル)インデニル)ビス(ビス(ジメチルシリル)アミドガドリニウム錯体{1,3−[(t−Bu)MeSi]Gd[N(SiHMe}0.25mmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[MeNHPhB(C]0.275mmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド1.1mmolを仕込み、トルエン40mLに溶解させて触媒溶液とした。
該触媒溶液を、前記耐圧ステンレス反応器に加え、70℃に加温した。
次いで、エチレンを圧力1.5MPaで、該耐圧ステンレス反応器に投入し、さらに1,3−ブタジエン20gを含むトルエン溶液80mLを8時間かけて該耐圧ステンレス反応器に投入し、70℃で計8.5時間共重合を行った。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mlを、該耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、三元共重合体を得た。
得られた三元共重合体は、数平均分子量(Mn)が163,000であり、重量平均分子量(Mw)が399,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.4であった。また、三元共重合体は、ブタジエン単位の含有量が8mol%であり、エチレン単位の含有量が85mol%であり、スチレン単位の含有量が7mol%であった。更に、三元共重合体は、融点(T)が63℃、吸熱ピークエネルギーが43.1J/g、ガラス転移温度(Tg)が−28℃、結晶化度が14.7%であった。
三元共重合体の13C−NMRスペクトルチャートにおいて、10〜24ppmにピークが観測されなかったことから、合成した三元共重合体は、主鎖が非環状構造のみからなることを確認した。
これらの物性は、下記の方法で測定した。
〔三元共重合体の物性測定方法〕
(1)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー社製HLC−8121GPC/HT、カラム:東ソー社製GMHHR−H(S)HT×2本、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、測定温度は40℃である。
(2)ブタジエン単位、エチレン単位、スチレン単位の含有量
共重合体中のブタジエン単位、エチレン単位、スチレン単位の含有量(mol%)を、H−NMRスペクトル(100℃、d−テトラクロロエタン標準:6ppm)の各ピークの積分比より求めた。
(3)融点(T
示差走査熱量計(DSC、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、「DSCQ2000」)を用い、JIS K 7121−1987に準拠して、共重合体の融点を測定した。
(4)吸熱ピークエネルギー
示差走査熱量計(DSC、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、「DSCQ2000」)を用い、JIS K 7121−1987に準拠して、10℃/分の昇温速度で−150℃から150℃まで昇温し、その時(1st run)の0〜120℃における吸熱ピークエネルギーを測定した。
(5)ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(DSC、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、「DSCQ2000」)を用い、JIS K 7121−1987に準拠して、共重合体のガラス転移温度(Tg)を測定した。
(6)結晶化度
100%結晶成分のポリエチレンの結晶融解エネルギーと、得られた共重合体の融解ピークエネルギーを測定し、ポリエチレンと共重合体とのエネルギー比率から、結晶化度を算出した。なお、融解ピークエネルギーは、示差走査熱量計(DSC、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、「DSCQ2000」)で測定した。
(7)主鎖構造の確認
合成した共重合体について、13C−NMRスペクトルを測定した。
<加硫ゴム特性>
〔損失弾性率(E’’)の測定方法〕
(株)上島製作所製、全自動粘弾性アナライザ「VR−7100」を用いて、初期歪600マイクロメートル、周波数52Hz、24℃、測定歪1%で測定し、最外層と内層の損失弾性率(E’’)を算出する。
<評価>
(1)低燃費性
各試作タイヤを、空気圧200kPa、速度80km/h、荷重4.8kNで、ドラム上でフリー回転させ、転がり抵抗を測定する。転がり抵抗値を、次式に従って指数化する。指数を表2に示す。指数値が小さい程、転がり抵抗が小さく、低燃費性が良好であることを示す。なお、100以下を合格とする。
転がり抵抗指数=(対象タイヤの転がり抵抗/比較例1のタイヤの転がり抵抗)×100
(2)耐亀裂進展性
各試作タイヤのタイヤ最大幅部分のサイドウォール部から、当該幅方向に厚みを有する試験片を切り出す。最外層側表面の中心部に微小な穴を空けて初期亀裂とする。試験片に対して、2.0MPa、周波数6Hz、雰囲気温度80℃の条件で、長辺方向に繰り返し応力を加える。繰り返し応力を加えてから、試験片が破断するまでの回数を測定する。破断までの測定試験を、試験片ごとに4度実施して平均値を算出し、比較例1の平均値を3とした場合の指数として、各試験片が破断するまでの回数の平均値を1〜5で指数化する。耐亀裂進展性指数が小さい程、耐亀裂進展性に優れることを示す。評価結果を表2に示す。なお、3以下を合格とする。
(3)耐候性
耐亀裂進展性の評価と同様にして試験片を切り出し、JIS K 6259−1(2015年)「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐オゾン性の求め方−第1部:静的オゾン劣化試験及び動的オゾン劣化試験」に従って、耐オゾン性を測定する。
各試験片の最外層側表面をアセトン洗浄した直後に、30%の動的伸張を与えながら、40℃、オゾン濃度50pphmの恒温槽中に48時間放置する処理を施し、当該処理がなされた試験片を撮影する。
得られた画像から、試料全体に対する亀裂の面積の割合を算出し、比較例1を3として1〜5で指数化する。指数値が小さいほど耐候性(耐オゾン性)が高い。結果を表2に示す。なお、2以下を合格とする。
(4)耐変色性
試作タイヤを、ドラム上で空気圧200kPa、速度60km/h、荷重4.8kNで、ドラム上でフリー回転させて、5万キロ走行させる。走行後のサイドウォール部の変色を目視で観察する。下記基準で評価を行う。結果を表2に示す。なお、2以下を合格とする。
1:変色の発生なし
2:わずかに茶色に見える
3:非常に茶色に見える
表2からわかるように、実施例のタイヤは、低燃費性、耐亀裂進展性、耐候性及び耐変色性のいずれも、合格基準を満たしている。これに対し、比較例1〜4の試作タイヤは低燃費性に優れるものの、耐亀裂進展性、耐候性、及び耐変色性のいずれか1つ以上に優れない。一方、比較例5の試作タイヤは、耐亀裂進展性、耐候性、及び耐変色性に優れるものの、低燃費性に優れない。

Claims (17)

  1. サイドウォール部が、最外層と内層とを有する空気入りタイヤであって、
    前記最外層が、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する多元共重合体を含むゴム成分を含有するゴム組成物の加硫ゴムから構成され、
    前記内層が、ジエン系ゴムを含むゴム成分を含有するゴム組成物の加硫ゴムから構成されると共に、前記内層の損失弾性率(E’’)が、1.2MPa以下である空気入りタイヤ。
  2. 前記最外層の前記ゴム成分中の前記多元共重合体の含有量が、30質量%以上である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ最大幅部分の該幅方向における、前記最外層の層厚D1と、前記内層全層の層厚D2とが、D1/(D1+D2)≦0.3を満たす請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記最外層の層厚D1が、0.3mm以上である請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記内層の損失弾性率(E’’)が、0.7MPa以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記内層のゴム組成物は、前記ジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、充填剤を5〜60質量部含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記最外層のゴム組成物及び前記内層のゴム組成物中の老化防止剤の含有量は、それぞれ、前記ゴム成分100質量部に対して1質量部以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記多元共重合体は、前記共役ジエン単位の含有量が1〜50mol%で、前記非共役オレフィン単位の含有量が40〜97mol%で、且つ、前記芳香族ビニル単位の含有量が2〜35mol%である請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記多元共重合体は、0〜120℃における示差走査熱量計(DSC)で測定した吸熱ピークエネルギーが10〜150J/gである請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記多元共重合体は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が30〜130℃である請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記多元共重合体は、示差走査熱量計(DSC)で測定したガラス転移温度が0℃以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記多元共重合体は、結晶化度が0.5〜50%である請求項1〜11のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記非共役オレフィン単位が非環状の非共役オレフィン単位である請求項1〜12のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記非環状の非共役オレフィン単位がエチレン単位のみからなる請求項13に記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記芳香族ビニル単位がスチレン単位を含む請求項1〜14のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  16. 前記共役ジエン単位が1,3−ブタジエン単位及びイソプレン単位からなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項1〜15のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  17. 車両へのタイヤ装着時に、前記最外層が露出する面に位置する請求項1〜16のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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