JPWO2020158882A1 - セラミックス焼結体及びその製造方法、並びにノズル部材 - Google Patents

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Abstract

窒化ホウ素と窒化ケイ素とを含むセラミックス焼結体であって、窒化ホウ素と窒化ケイ素の合計含有量が80〜90質量%であり、窒化ホウ素と窒化ケイ素の合計に対する窒化ホウ素の質量比率が35〜45質量%であり、リーブ硬度が400〜570HLである、セラミックス焼結体を提供する。

Description

本開示は、セラミックス焼結体及びその製造方法、並びにノズル部材に関する。
ハイブリッドカー及びエアコン等の省エネルギー化を促進するため技術開発が進められている。これらの一端を担う材料としてアモルファス合金が挙げられる。このアモルファス合金は、磁気ヘッド、トランス、コイル等における軟磁性コアの材料として用いられている。
軟磁性コアの材料として用いられるアモルファス合金は、例えば以下の単ロール法で製造される。熱伝導率の高い合金で構成される冷却ロールの外周面に溶融金属が吐出される。この吐出には、スリットが形成されたノズル部材が用いられる。吐出された溶融金属は、ロールの外周面において急冷され薄帯状に成形される。
溶融金属を急冷して得られるアモルファス合金を効率的に製造するためには、冷却ロールに一定量の溶融金属を長時間連続して供給することが必要である。そのため、一定量の溶融金属が、溶融金属を供給するノズル部材から冷却ロールへと安定的に供給され続ける必要がある。溶融金属を供給するノズル部材は、合金薄帯の品質維持のために、定期的に消耗品として交換される。
溶融金属を供給する部材のうち特に吐出孔となるスリットを有するノズル部材は、溶融金属の吐出に長時間耐えうる材料で構成される必要がある。このため、耐食性、耐摩耗性、耐熱衝撃性に優れた材料として、窒化ホウ素、窒化ケイ素、及び酸化ジルコニウム等の材料からなる複合材が使用されている。
例えば、特許文献1では、窒化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及び/又は窒化アルミニウム、及び酸化ホウ素を含有する焼結体から構成される溶融金属鋳造ノズルが提案されている。
特許文献2では、窒化ケイ素が50〜70質量%、窒化ホウ素が10〜30質量%、酸化アルミニウムが5〜25質量%からなる混合物100重量部に酸化マグネシウム及び/又は酸化イットリウムからなる焼結助剤を3〜10重量部添加したノズルが提案されている。
特許文献3では、窒化ケイ素及び窒化ホウ素からなる主成分と、焼結助剤の反応物である副成分とから構成されるセラミックスであって、曲げ強度が200MPa以上、及び25〜300℃での線熱膨張係数が4×10−6/℃以下である快削性セラミックスが提案されている。
特開平03−264156号公報 特開平03−133554号公報 特開2002−356374号公報
窒化ホウ素等の難焼結性の材料を含有するセラミックスの焼結には、特許文献2のように熱間プレスがよく用いられる。しかし、窒化ホウ素のような鱗片状の粒子をホットプレス焼結すると、鱗片状粒子が配向することで異方性が生じる。このため、方向により焼結体の物性が大きく異なることが懸念される。また、円盤状や角板状といった単純な形状の部材しか作ることができず、後加工が複雑となるため高コストになってしまうことも懸念される。そのため、常圧焼成でも十分に焼結が進行するような素材であることが求められる。
しかしながら、溶融金属を供給するノズル部材等、過酷な条件下で用いられても、十分な耐熱衝撃性及び耐摩耗性を維持できるセラミックス焼結体は極めて限られる。また、ノズル等の複雑な形状に加工する場合には、常圧焼成で十分に焼結できることのみならず、焼結体自体が加工性にも優れることが必要である。
そこで、本開示では、加工性、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れるセラミックス焼結体及びその製造方法を提供する。また、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れるノズル部材を提供する。
本開示の一側面に係るセラミックス焼結体は、窒化ホウ素と窒化ケイ素とを含むセラミックス焼結体であって、窒化ホウ素と窒化ケイ素の合計含有量が80〜90質量%であり、窒化ホウ素と窒化ケイ素の合計に対する窒化ホウ素の質量比率が35〜45質量%であり、リーブ硬度が400〜570HLである。このセラミックス焼結体は、加工性、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れる。
上記セラミックス焼結体は、互いに直交する2つの方向に向かってそれぞれ測定されるリーブ硬度をH及びHとしたときに(但し、H≧H)、下記式(1)を満たしてよい。このようにリーブ硬度の異方性を低減することによって、加工性、耐熱衝撃性及び耐摩耗性のばらつきを低減することができる。また、温度変化の際にセラミックス焼結体の内部に発生する熱応力の不均一性が低減され、耐熱衝撃性が一層向上する。
/H<1.2 (1)
上記セラミックス焼結体の相対密度は60〜73%であってよい。これによって、十分な強度と優れた加工性を高い水準で両立することができる。
本開示の一側面に係るセラミックス焼結体の製造方法は、窒化ホウ素粉末、窒化ケイ素粉末、及び焼結助剤を含む混合物を調製する工程と、混合物を成形して成形体を得る工程と、成形体を不活性雰囲気中で常圧焼成してセラミックス焼結体を得る工程と、を有し、混合物における、窒化ホウ素粉末と窒化ケイ素粉末の合計含有量が80〜90質量%であり、且つ、窒化ホウ素粉末と窒化ケイ素粉末の合計に対する窒化ホウ素の質量比率が35〜45質量%であり、セラミックス焼結体のリーブ硬度が400〜570HLである。この製造方法で製造されるセラミックス焼結体は、加工性、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れる。
上記製造方法における窒化ホウ素粉末の全酸素量は1.0質量%以上であり、窒化ケイ素粉末の平均粒径D50は1.6μm以下であってよい。このような粉末を用いることによって、液相焼結が促進されるとともに粗大粒子の生成が抑制され、常圧焼成でも高い強度を有するセラミックス焼結体を得ることができる。
本開示の一側面に係るノズル部材は、溶融金属を通過させるスリットを有し、上述のいずれかのセラミックス焼結体で構成される。このノズル部材は、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れる。
本開示によれば、加工性、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れるセラミックス焼結体及びその製造方法が提供される。また、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れるノズル部材が提供される。
図1は、一実施形態に係るセラミックス焼結体の斜視図である。 図2は、アモルファス合金の製造装置の一例を模式的に示す図である。 図3は、一実施形態に係るノズル部材の斜視図である。 図4は、実施例におけるリーブ硬度、曲げ強度及び線膨張率のそれぞれの評価方向と、成形体の加圧方向との関係を示す図である。 図5は、実施例で反応性の評価に用いたセラミックス焼結体の断面図である。
以下、場合により図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、一実施形態に係るセラミックス焼結体の斜視図である。セラミックス焼結体10は、窒化ホウ素と窒化ケイ素と焼結助剤とを含む。窒化ホウ素と窒化ケイ素の合計に対する窒化ホウ素の質量比率は35〜45質量%である。セラミックス焼結体10の曲げ強度を十分に高くする観点から、当該質量比率の上限は43質量%であってよい。セラミックス焼結体10の加工性を一層向上する観点から、当該質量比率の下限は37質量%であってよい。
セラミックス焼結体10は、窒化ホウ素及び窒化ケイ素の他に、焼結助剤に由来する副成分を含んでいてもよい。副成分しては、通常の焼結助剤が挙げられる。例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のアルカリ土類酸化物、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム等の希土類酸化物、及び、スピネル等の複合酸化物が挙げられる。また、セラミックス焼結体10を製造する際に焼結助剤と酸化物との反応によって生成するガラス質の粒界相を含んでいてもよい。
セラミックス焼結体10における窒化ホウ素と窒化ケイ素の合計含有量は、80〜90質量%である。セラミックス焼結体10の曲げ強度を一層高くする観点から、上記合計含有量は80〜85質量%であってもよい。セラミックス焼結体10における窒化ホウ素と窒化ケイ素の合計含有量は、X線回折によって求めることができる。
セラミックス焼結体10の相対密度は、十分な曲げ強度と優れた加工性を高い水準で両立する観点から、60〜73%であってよく、63〜71%であってよい。相対密度は、アルキメデス法によって測定することができる。
セラミックス焼結体10のリーブ硬度は、400〜570HLである。セラミックス焼結体10のリーブ硬度(リバウンド硬度)は、市販のリーブ式硬度計を用いて測定することができる。測定は、定盤上で行う。十分な繰り返し精度を得る観点から、測定用の試験片の平面度は30μm、且つ、平行度は30μm以下に調整する。
セラミックス焼結体10のリーブ硬度の下限は、耐摩耗性を一層向上して長寿命とする観点から、420HLであってよく、440HLであってもよい。セラミックス焼結体10のリーブ硬度の上限は、快削性向上の観点から555HLであってよく、520HLであってもよい。
セラミックス焼結体が異方性を有する場合、測定方向によってリーブ硬度が異なることがある。例えば、成形時の加圧方向に対して平行方向に測定されるリーブ硬度、すなわち、加圧方向に向かって測定されるリーブ硬度をHとする。一方、加圧方向に対して垂直方向に測定されるリーブ硬度、すなわち加圧方向に垂直な方向に向かって測定されるリーブ硬度をHとする。この場合、通常はH>Hとなる。このように異方性を有するセラミックス焼結体の場合、リーブ硬度は、いずれの方向から測定しても上記範囲を満足する。
セラミックス焼結体の異方性を低減する観点から、互いに直交する2つの方向に向かってそれぞれ測定されるH及びH(但し、H≧H)は、下記式(1)を満たしてよい。このようにセラミックス焼結体の異方性を低減することによって、加工性、耐熱衝撃性及び耐摩耗性のばらつきを低減することができる。また、温度変化の際にセラミックス焼結体の内部に発生する熱応力の不均一性が低減され、耐熱衝撃性が一層向上する。
/H<1.2 (1)
加圧方向が不明のセラミックス焼結体の場合、図1のXYZ軸の各軸方向に向かってリーブ硬度をそれぞれ測定すればよい。軸方向によってリーブ硬度が異なる場合、最も大きいリーブ硬度をH、最も小さいリーブ硬度をHとすればよい。軸方向によってリーブ硬度が異ならない場合、セラミックス焼結体は等方性であり、H=Hとなる。なお、セラミックス焼結体が円柱形状である場合には、角柱形状に切り出してXYZ軸の各軸方向に向かってリーブ硬度を測定すればよい。
セラミックス焼結体10の曲げ強度は、JIS R1601:2008に準拠して市販の抗折強度計を用いて測定される3点曲げ強さである。曲げ強度は、信頼性向上の観点から、100MPa以上であってよく、110MPa以上であってもよい。曲げ強度は、セラミックス焼結体10の製造を容易にする観点から、250MPa以下であってよく、220MPa以下であってもよい。
セラミックス焼結体が異方性を有する場合、曲げ強度も測定方向によって異なることがある。セラミックス焼結体は、成形時の加圧方向に対して平行方向に荷重をかけたときの曲げ強度をS、加圧方向に対して垂直方向に荷重をかけたときの曲げ強度をSとすると、通常はS>Sとなる。このように異方性を有するセラミックス焼結体の曲げ強度は、いずれの方向に荷重をかけて測定しても上記範囲を満足することが好ましい。
セラミックス焼結体の異方性を低減する観点から、互いに直交する2つの方向に荷重をかけてそれぞれ測定されるS及びS(但し、S≧S)は、下記式(2)を満たしてよい。このようにセラミックス焼結体の曲げ強度の異方性を低減することによって、信頼性を一層高くすることができる。
/S<1.2 (2)
加圧方向が不明のセラミックス焼結体の場合、図1のXYZ軸の各軸方向に対して平行方向に荷重をかけたときの曲げ強度をそれぞれ測定すればよい。荷重の方向によって曲げ強度が異なる場合、最も大きい曲げ強度をS、最も小さい曲げ強度をSとすればよい。荷重の方向によって曲げ強度が異ならない場合、セラミックス焼結体は等方性であり、S=Sとなる。なお、セラミックス焼結体が円柱形状である場合には、角柱形状に切り出してXYZ軸の各軸方向に対して平行方向に荷重をかけて曲げ強度を測定すればよい。
セラミックス焼結体10の線膨張率は、JIS R1618:2002に準拠して測定される。線膨張率は、室温(20℃)から1200℃まで温度を変化させたときの試験片の長さの変化から求められる。セラミックス焼結体10の線膨張率は、耐熱衝撃性を一層高くする観点から、4ppm/K以下であってよく、3ppm/K以下であってよい。セラミックス焼結体10の下限は、製造の容易性の観点から1ppm/Kであってよい。
セラミックス焼結体が異方性を有する場合、線膨張率も測定方向によって異なることがある。例えば、成形時の加圧方向に対して平行方向に沿った長さ変化を測定したときの線膨張率をEとする。一方、加圧方向に対して垂直方向に沿った長さ変化を測定したときの線膨張率をEとする。この場合、通常はE>Eとなる。このように異方性を有するセラミックス焼結体の線膨張率は、いずれの方向から測定しても上記範囲を満足することが好ましい。
セラミックス焼結体の異方性を低減する観点から、互いに直交する2つの方向に向かってそれぞれ測定されるE及びE(但し、E≧E)は、下記式(3)を満たしてよい。このようにセラミックス焼結体の異方性を低減することによって、温度変化の際にセラミックス焼結体の内部に発生する熱応力の不均一性が低減され、耐熱衝撃性が一層向上する。
/E<1.2 (3)
加圧方向が不明のセラミックス焼結体の場合、図1のXYZ軸の各軸方向に沿った長さ変化を測定したときの線膨張率をそれぞれ測定すればよい。軸方向によって線膨張率が異なる場合、最も大きい線膨張率をE、最も小さい線膨張率をEとすればよい。軸方向によって線膨張率が異ならない場合、E=Eとなる。なお、セラミックス焼結体が円柱形状である場合には、角柱形状に切り出してXYZ軸の各軸方向に沿った長さ変化を測定したときの線膨張率をそれぞれ測定すればよい。
セラミックス焼結体10は、加工性、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れる。加工性に優れることから乾式加工で種々の形状に加工することができる。また、横引き加工によって孔の形状を調節することができる。したがって、例えば、溶融金属を供給するノズル部材用として好適に用いることができる。
セラミックス焼結体10の製造方法の一実施形態を以下に説明する。本実施形態の製造方法は、窒化ホウ素粉末、窒化ケイ素粉末、及び焼結助剤を含む混合物を調製する工程と、混合物を成形して成形体を得る工程と、成形体を不活性雰囲気中で常圧焼成してセラミックス焼結体を得る工程と、を有する。
混合物における、窒化ホウ素粉末と窒化ケイ素粉末の合計に対する窒化ホウ素の質量比率は35〜45質量%である。得られるセラミックス焼結体の曲げ強度を高くする観点から、当該質量比率の上限は43質量%であってよい。得られるセラミックス焼結体の加工性を一層向上しつつ線膨張率を十分に低減する観点から、当該質量比率の下限は37質量%であってよい。
混合物における窒化ホウ素粉末と窒化ケイ素粉末の合計含有量は80〜90質量%である。これによって焼結助剤の含有量を適度な範囲に調整することができる。得られるセラミックス焼結体の曲げ強度を一層高くする観点から、上記合計含有量は80〜85質量%であってもよい。混合物における焼結助剤の含有量は、10〜20質量%であってよく、15〜20質量%であってもよい。焼結助剤の含有量が上記下限値以上であることによって、難焼結性である窒化ホウ素を含んでいても焼結が促進され、高い密度を有するセラミックス焼結体を得ることができる。また、窒化ケイ素の液相焼結が促進されることによっても密度が向上する。焼結助剤の含有量が上記上限値以下であることによって、得られるセラミックス焼結体の線膨張率が十分に小さくなり、耐熱衝撃性が向上する。
窒化ホウ素粉末及び窒化ケイ素粉末は、粉末表面に酸化物層を有していてよい。このような酸化物層は、焼成の際に焼結助剤と反応してガラス質の粒界相を形成してよい。
窒化ケイ素粉末は、結晶化していてよい。一方、結晶化した六方晶系(h−BN)の窒化ホウ素粉末を用いると、窒化ホウ素粒子の鱗片形状によって、セラミックス焼結体に異方性が生じやすくなる。このため、窒化ホウ素粉末は、結晶化していないアモルファスの窒化ホウ素粉末であってよい。窒化ホウ素粉末がアモルファスである場合、以下の要領で求められる黒鉛化指数(GI)が5.0以上であることが好ましい。
黒鉛化指数(GI:Graphitization Index)は、X線回折図の(100)面、(101)面及び(102)面の積分強度比、すなわち面積比を次式によって算出して求める(J.Thomas,et.al,J.Am.Chem.Soc.84,4619(1962))。
GI=[面積{(100)+(101)}]/[面積(102)]
窒化ホウ素粒子は、完全に結晶化すると、GIは1.60になるとされている。ただし、高結晶性でかつ粒子が十分に成長した鱗片形状の六方晶窒化ホウ素粉末の場合、粒子が配向しやすいためGIはさらに小さくなる。すなわち、GIは鱗片形状の六方晶窒化ホウ素粉末の結晶性の指標であり、この値が小さいほど結晶性が高くなる。GIが5.0以上である窒化ホウ素粉末は、窒化ホウ素の一次粒子の結晶性が低い。このため、このような窒化ホウ素粉末を用いるセラミックス焼結体の異方性を低減することができる。GIは結晶化温度によって制御することができる。
GIの測定は、例えば、「D8 ADVANCE Super Speed」(ブルカー・エイエックスエス社製)を用いて測定できる。測定の前処理として、必要に応じて窒化ホウ素粉末を、メノウ乳鉢等を用いて粉砕する。そして、窒化ホウ素粉末をプレス成型し成型体を作製する。X線は、成型体の面内方向の平面の法線に対して、互いに対称となるように照射する。測定のX線源にはCuKα線を用い、管電圧は45kV、管電流は360mAである。
焼結助剤との反応サイトの減少を抑制して液相焼結を促進する観点、及び、セラミックス焼結体の線膨張率低減の観点から、窒化ホウ素粉末の全酸素量の下限は1.0質量%であってよく、1.2質量%であってもよい。窒化ホウ素粉末の全酸素量の上限は、入手の容易性の観点から3.0質量%であってよく、2.6質量%であってもよい。同様の観点から、窒化ケイ素粉末の全酸素量は、0.1〜2.5質量%であってよく、0.5〜1.5質量%であってもよい。窒化ホウ素粉末及び窒化ケイ素粉末の全酸素量は、堀場製作所社製のO/N同時分析機(商品名:EMGA−620W/C)を用い測定することができる。
窒化ケイ素粉末の平均粒径D50の上限は異常粒成長を十分に抑制してセラミックス焼結体の強度を十分に高くする観点から、1.6μmであってよく、1.2μmであってもよく、1.0μmであってもよい。上記平均粒径D50の下限は、粉末の凝集を抑制する観点から、0.6μmであってよい。セラミックス焼結体の強度向上の観点、及び、ノズル部材として用いたときの溶融金属との反応を抑制する観点から、窒化ケイ素粉末のFeの含有量は、0.15質量%以下であってよく、0.05質量%以下であってもよい。
混合物の調製は乾式粉砕及び乾式混合によって行ってよい。ただし、この場合、原料粉末の凝集によって得られるセラミックス焼結体の組織が不均一になりやすい。このため、ボールミル等を用いて湿式粉砕及び湿式混合を行うことが好ましい。また、ビーズミル等の高い分散力を有する装置を用いてよい。湿式粉砕及び湿式混合に用いる液媒は有機溶媒であってよく、例えば、アルコール類であってもよい。成形性をさらに向上するために、有機バインダーを固形分に対して3質量%以下の割合で配合し、スプレードライヤーにより造粒を行ってもよい。
得られた混合物を、所定の形状に加圧成形する。成形は、異方性が低減されたセラミックス焼結体を得る観点から、例えば冷間静水圧加圧装置(CIP)を用いて行ってよい。混合物の嵩密度が高く成形性が低い場合は、CIP前に金型成形を行ってもよい。成形形状は特に限定されず、例えば角柱形状又は円柱形状であってよい。
得られた成形体を、不活性雰囲気中、常圧(大気圧)で焼成する。焼成温度は、例えば1650〜1850℃であってよく、1700〜1800℃であってもよい。上記下限値以上で焼成することによって、焼結が進行しやすくなり、セラミックス焼結体を十分に緻密化することができる。上記上限値以下で焼成することによって、窒化ケイ素の分解を抑制することができる。上述の焼成温度に保持する時間は、1〜10時間であってよく、2〜8時間であってもよい。なお、造粒を行った混合物を用いる場合には、上述の焼成前に400〜600℃の温度範囲に加熱して脱脂を行ってよい。
このようにして、セラミックス焼結体10を得ることができる。上述のとおり、セラミックス焼結体10のリーブ硬度は400〜570HLである。上記製造方法を、常圧成形で行うことによって、加工性、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れる、種々の形状のセラミックス焼結体を簡便に製造することができる。
図2は、アモルファス合金の製造装置の一例を模式的に示す図である。セラミックス焼結体10は、図2に示す合金溶湯(溶融金属)を通過させるノズル部材12(ノズル)として用いてもよい。製造装置100は、溶炉20と、タンディッシュ30と、タンディッシュ30の先端に取り付けられたノズル部材12と、鋳造ロール40と、鋳造制御部50と、巻取り部60と、を備える。溶炉20において、例えば1300〜1400℃の温度を有する合金溶湯80は、タンディッシュ30に注がれる。
図3は、一実施形態に係るノズル部材12の斜視図である。ノズル部材12には、中央部に貫通穴からなるスリット14が形成されている。合金溶湯80は、ノズル部材12に形成されたスリット14を通過して、図2に示すように鋳造ロール40の円周面上に供給される。合金溶湯80は、鋳造ロール40の表面で急冷され合金薄帯82となる。その後、合金薄帯82は鋳造制御部50を通過して巻取り部60においてロールに巻き取られる。このようにして、アモルファス合金の薄帯が製造される。
ノズル部材12は、セラミックス焼結体10で構成されるため、耐食性、耐摩耗性及び耐熱衝撃性に優れる。このため、ノズル部材12の高寿命化を図ることが可能となり、アモルファス合金の効率的且つ安定的な製造を行うことができる。また、セラミックス焼結体10は常圧焼成で製造することができるため、アモルファス合金の製造コストも低減することができる。さらに、セラミックス焼結体10は、加工性にも優れるため、スリット14の形成が容易となり、加工コストも低減することができる。
セラミックス焼結体10は加工性に優れるため、乾式加工で加工することができる。湿式加工でも加工することは可能であるが、加工時のクーラント等に含まれる油分及び有機・無機酸塩が、セラミックス焼結体10の表面に付着したり、内部の気孔に侵入したりする傾向にある。洗浄等では、これらの成分を完全に除去することは困難である。このような成分がセラミックス焼結体の表面又は内部に残存していると、ノズル部材12等に使用した場合に溶融金属と反応したり、不純物として混入したりすることが懸念される。このため乾式加工でも加工が可能なセラミックス焼結体10は、不純物の混入が低減できる点で種々の用途に好ましく用いることができる。
以上、幾つかの実施形態を説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、ノズル部材12は、図2に示すような製造装置に限定されず、溶融金属を供給するノズル部材として種々の製造装置に用いることができる。
実施例及び比較例を参照して本開示の内容をより詳細に説明するが、本開示は下記の実施例に限定されるものではない。
[セラミックス焼結体の作製]
(実施例1〜3)
アモルファスの窒化ホウ素粉末(全酸素量:1.10質量%、GI:5.0以上)と、窒化ケイ素粉末(平均粒径D50:0.73μm、Fe含有量:0.02質量%、全酸素量:0.82質量%)とを、表1に示す質量比率(BN/(BN+SN))となるように配合した(BN:窒化ホウ素、SN:窒化ケイ素)。
窒化ケイ素粉末の平均粒径D50は、以下の手順で測定した。ヘキサメタリン酸ナトリウムの20質量%水溶液2mlと純水200mlとを混合して調製した混合溶媒中に、窒化ケイ素粉末の測定サンプル60mgを投入した。そして、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製、商品名:US−300)で3分間混合及び分散を行った。その後、マイクロトラック(日機装株式会社製、商品名:MT3300EXII)を用いて平均粒径D50を計測した。マイクロトラックの循環器の溶媒には純水を使用した。この純水を使用して、測定サンプルにおける窒化ケイ素粉末の濃度を調節した。平均粒径D50の計測結果は表1に示すとおりであった。
窒化ケイ素粉末のFeの含有量は以下の手順で分析した。窒化ケイ素粉末を、アルミニウム製のリングを使用してブリケット成形して測定試料を調製した。蛍光X線(XRF)分析装置(株式会社リガク製、商品名:PrimusII)を用いて測定試料のFeの含有量を測定した。結果は表1に示すとおりであった。
窒化ホウ素粉末、窒化ケイ素粉末及び焼結助剤を、これらの合計に対する焼結助剤の配合量が20質量%となるように配合して配合物を得た。焼結助剤の内訳は、酸化アルミニウムを4.9質量%、及び酸化イットリウムを15.1質量%とした。
メタノールを液体媒体として、配合物の湿式ボールミル混合を行ってスラリーを作製した。得られたスラリーを真空乾燥機で乾燥して溶媒を除去した後、ボールミルで解砕した。その後、目開き150μmの篩を用いて篩分けを行った。篩下の混合粉末を100MPaでCIPにより加圧成形して成形体を得た。得られた成形体を窒素雰囲気中、1800℃で4時間の常圧焼成を行って、円柱形状のセラミックス焼結体(直径:350mm,高さ:40mm)を得た。セラミックス焼結体における窒化物成分と焼結助剤成分の含有割合は、原料の配合割合と同じであった。
(実施例4,5)
窒化ホウ素粉末、窒化ケイ素粉末及び焼結助剤の合計に対する焼結助剤の配合量を表1に示すとおり変更したこと、及び、全酸素量が1.46質量%のアモルファスの窒化ホウ素粉末を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてセラミックス焼結体を得た。
(実施例6〜10)
表1に示す全酸素量を有する窒化ホウ素粉末を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてセラミックス焼結体を得た。
(実施例11)
窒化物粉末と焼結助剤の合計に対する焼結助剤の配合量を表1に示すとおり変更したこと、及び、表1に示す全酸素量を有するアモルファスの窒化ホウ素粉末(GI:5.0以上)を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてセラミックス焼結体を得た。焼結助剤の内訳は、酸化アルミニウムを3.0質量%、酸化イットリウムを9.6質量%、及び酸化マグネシウムを2.4質量%とした。
(実施例12〜14)
表1に示す平均粒径D50、全酸素量及びFe含有量を有する窒化ケイ素粉末を用いたこと以外は、実施例10と同様にしてセラミックス焼結体を得た。
(比較例1〜3)
窒化ホウ素粉末と窒化ケイ素粉末の配合比率を、表1に示す質量比率としたこと以外は、実施例1と同様にしてセラミックス焼結体を得た。
(比較例4,5)
窒化ホウ素粉末、窒化ケイ素粉末及び焼結助剤の合計に対する焼結助剤の配合量を表1に示すとおり変更したこと以外は、実施例2と同様にしてセラミックス焼結体を得た。
(比較例6)
表1に示す酸素含有量を有する窒化ホウ素粉末を用いたこと以外は、実施例3と同様にしてセラミックス焼結体を得た。
(比較例7)
窒化ホウ素粉末、窒化ケイ素粉末及び焼結助剤の合計に対する焼結助剤の配合量を表1に示すとおり変更したこと、表1に示す酸素含有量を有する窒化ホウ素粉末を用いたこと、及びホットプレスを用いて1750℃及び20MPaで4時間焼成を行ったこと以外は、実施例3と同様にしてセラミックス焼結体を得た。
(比較例8)
窒化ホウ素粉末、窒化ケイ素粉末及び焼結助剤の合計に対する焼結助剤の配合量を表1に示すとおり変更したこと、表1に示す酸素含有量を有する窒化ホウ素粉末を用いたこと、及びホットプレスを用いて1750℃及び20MPaで4時間焼成を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてセラミックス焼結体を得た。
Figure 2020158882
[セラミックス焼結体の評価]
<相対密度>
アルキメデス法によってセラミックス焼結体の相対密度を測定した。結果は表2に示すとおりであった。
<リーブ硬度>
各実施例及び各比較例のセラミックス焼結体を角柱形状に加工して測定用の試験片(平面度:30μm以下、平行度:30μm以下)を得た。市販のリーブ式硬度計(K&M Instruments.,Ltd製、装置名:KH−260plus&DL)を用いて試験片のリーブ硬度を測定した。図4に示すように、成形体を作製する際の加圧方向に向かって測定したときの硬度をH、及び、加圧方向に垂直な方向に向かって測定したときの硬度をHとした。測定結果は、表2に示すとおりであった。
<曲げ強度>
各実施例及び各比較例のセラミックス焼結体を所定形状に加工して測定用の試験片を準備した。市販の抗折強度計(株式会社島津製作所製、装置名:オートグラフ AG2000D)を用い、JIS R 1601:2008に準拠して3点曲げ強度を測定した。図4に示すように、成形体を作製する際の加圧方向に対して平行方向に荷重をかけたときの曲げ強度をS、及び、加圧方向に対して垂直方向に荷重をかけたときの曲げ強度をSとした。測定結果は、表2に示すとおりであった。
<線膨張率>
各実施例及び各比較例のセラミックス焼結体を所定形状に加工して測定用の試験片を準備した。市販の線膨張率測定装置(NETZSCH製、装置名:DIL 402)を用い、JIS R1618:2002に準拠して線膨張率を測定した。図4に示すように、成形体を作製する際の加圧方向に対して平行方向に沿った長さ変化を測定したときの線膨張率をE、及び、加圧方向に対して垂直方向に沿った長さ変化を測定したときの線膨張率をEとした。測定結果は、表3に示すとおりであった。
<反応性の評価>
図5は反応性の評価に用いた角柱形状のセラミックス焼結体の断面図である。図5に示すようにセラミックス焼結体10の中央部分に直径10mm×深さ10mmの凹部16を形成した。この凹部16にエプソンアトミックス株式会社製の磁性粉末(商品名:KUAMET6B2)を充填した。磁性粉末を充填したセラミックス焼結体をアルゴン雰囲気下、1300℃に加熱して1時間保持した。
冷却後、セラミックス焼結体10をエポキシ樹脂で包埋し、凹部16を通る面に沿って切断した。そして、磁性粉末と凹部16の内壁との接触部を含む切断面を、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、商品名:JSM−6010LA)を用いて観察した。観察の際、エネルギー分散型X線分光分析(SEM−EDS)による元素マッピングを行って、磁性粉末の合金元素がセラミックス焼結体10の内部に拡散しているか否かを判定した。拡散が検知できなかったものを「A」、検知できたものを「B」と評価した。評価結果は表3に示すとおりであった。
<加工性の評価>
各実施例及び各比較例のセラミックス焼結体を乾式加工で加工してノズル部材を作製した。具体的には、まず、セラミックス焼結体を角柱形状(184mm×35mm×32mm)に加工した。その後、加工したセラミックス焼結体に幅140mm及び厚み0.5mmのスリットを形成した。形成したスリットの幅の寸法公差に応じて以下の基準で加工性を評価した。
A:寸法公差が±0.05mm以下であった。
B:寸法公差が±0.05mmを超え且つ±0.10以下であった。
C:寸法公差が±0.10mmを超えていた。
<耐熱衝撃性及び耐摩耗性の評価>
加工性の評価と同様に、セラミックス焼結体を角柱形状(184mm×35mm×32mm)に加工した。加工したセラミックス焼結体に幅140mm及び厚み0.5mmのスリットを形成した。Fe−B−Si−C系のアモルファス溶湯を、スリットを連続的に通過させて、Fe−B−Si−C系アモルファス合金薄帯を作製した。合金薄帯の厚みが24μm±2μmの範囲外になるまでの溶湯出湯量を計測した。すなわち、溶湯出湯量が多いほど、セラミックス焼結体の耐摩耗性が優れていることになる。
溶湯出湯量が所定の目標値に到達するまで上記範囲内を維持でき、且つスリット内表面に目視で凹凸が検知できなった場合を「A」と評価した。また、溶湯出湯量が上記目標値に到達するまで上記範囲内を維持できたものの、スリット内表面に目視で凹凸が検知された場合を「B」と評価した。溶湯出湯量が上記目標値に到達する前に上記範囲外となった場合を「C」と評価した。溶湯の出湯を開始してから直ぐにセラミックス焼結体にクラックが発生した場合を「D」と評価した。評価結果は表3に示すとおりであった。なお、評価「C」の場合については、溶湯出湯量の目標値(100%)に対する割合を併せて示した。
Figure 2020158882
Figure 2020158882
比較例2は、寸法公差が大きかったため、耐熱衝撃性及び耐摩耗性の評価を行わなかった。また、実施例14と比較例1は、「耐熱衝撃性及び耐摩耗性の評価」の結果はともに「B」であったが、比較例1の方がスリット内表面の凹凸が大きかった。
各実施例のセラミックス焼結体は、加工性の評価がいずれも「A」であった。また、耐熱衝撃性及び耐摩耗性の評価は、「A」又は「B」であった。また、いずれも異方性が低かった。このように、実施例のセラミックス焼結体は、加工性、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れていることが確認された。実施例6〜9の結果から、窒化ホウ素粉末の全酸素量を増やすことによって相対密度、リーブ硬度及び曲げ強度が向上すること、及び線膨張率が小さくなることが確認された。実施例12〜14の結果から、窒化ケイ素粉末の平均粒径D50が大きくなると、相対密度が低下し、曲げ強度が低下することが確認された。
本開示によれば、加工性、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れるセラミックス焼結体及びその製造方法が提供される。また、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れるノズル部材が提供される。
10…セラミックス焼結体、12…ノズル部材、14…スリット、16…凹部、20…溶炉、30…タンディッシュ、40…鋳造ロール、50…鋳造制御部、60…巻取り部、80…合金溶湯、82…合金薄帯、100…製造装置。

Claims (6)

  1. 窒化ホウ素と窒化ケイ素とを含むセラミックス焼結体であって、
    前記窒化ホウ素と前記窒化ケイ素の合計含有量が80〜90質量%であり、
    前記窒化ホウ素と前記窒化ケイ素の合計に対する前記窒化ホウ素の質量比率が35〜45質量%であり、
    リーブ硬度が400〜570HLである、セラミックス焼結体。
  2. 互いに直交する2つの方向に向かってそれぞれ測定されるリーブ硬度をH及びHとしたときに(但し、H≧H)、下記式(1)を満たす、請求項1に記載のセラミックス焼結体。
    /H<1.2 (1)
  3. 相対密度が60〜73%である、請求項1又は2に記載のセラミックス焼結体。
  4. 窒化ホウ素粉末、窒化ケイ素粉末、及び焼結助剤を含む混合物を調製する工程と、
    前記混合物を成形して成形体を得る工程と、
    前記成形体を不活性雰囲気中で常圧焼成してセラミックス焼結体を得る工程と、を有するセラミックス焼結体の製造方法であって、
    前記混合物における前記窒化ホウ素粉末と前記窒化ケイ素粉末の合計含有量が80〜90質量%であり、且つ、前記窒化ホウ素粉末と前記窒化ケイ素粉末の合計に対する前記窒化ホウ素の質量比率が35〜45質量%であり、
    前記セラミックス焼結体のリーブ硬度が400〜570HLである、製造方法。
  5. 前記窒化ホウ素粉末の全酸素量が1.0質量%以上であり、
    前記窒化ケイ素粉末の平均粒径D50が1.6μm以下である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 溶融金属を通過させるスリットを有するノズル部材であって、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のセラミックス焼結体で構成されるノズル部材。
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