JPWO2020157890A1 - ビールテイスト飲料 - Google Patents
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Abstract
アンセリンとイソα酸とを含み、前記アンセリンの含有量が280〜600ppmである、ビールテイスト飲料。本発明によれば、イソα酸を有しつつも、風味の良い飲料を提供できる。
Description
本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
ビールテイスト飲料において、適度な苦味や香りを付与する目的でホップやホップ抽出物を配合することがあるが、ホップに含まれる苦味成分であるイソα酸は口内に残りやすい苦味(後苦味)を呈することが知られており、商品設計上の課題となることがあった。この課題に対して、マスキング剤としてネオテームを配合することで、イソα酸の後苦味をマスキングする試みもなされている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1で使用されるネオテームは、それ自体が強い甘味を有することから、飲料の味や香りに影響を与えてしまうことがあり、商品設計に制限がある。そのため、イソα酸を含有したビールテイスト飲料の味や香りを大きく変えることなく、後苦味を低減する方法が求められる。
本発明の課題は、イソα酸を含有しつつも後苦味の少ないビールテイスト飲料を提供することである。
本発明は、アンセリンとイソα酸とを含み、前記アンセリンの含有量が280〜600ppmである、ビールテイスト飲料に関する。
本発明によれば、イソα酸を含有しつつも後苦味の少ないビールテイスト飲料を提供することができる。
本発明の発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、アンセリンを特定量含有することで後苦味の少ないビールテイスト飲料が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明のビールテイスト飲料は、アンセリンとイソα酸とを含む。
アンセリンは、(β−アラニル−1−メチル−L−ヒスチジン)は、β−アラニンと1−メチル−L−ヒスチジンとが結合したイミダゾールジペプチドであり、抗疲労効果、活性酸素消去能、血圧降下作用、抗炎症作用、尿酸値降下作用などの様々な機能があることが知られている。本発明のビールテイスト飲料におけるアンセリンは、動物や魚の筋肉等からの抽出物を配合してもよいし、市販のアンセリン製剤を配合してもよい。アンセリンの抽出手段としては公知の技術であれば何ら限定されず用いることができ、必要に応じて精製することもできる。また、上記の1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。商業的に入手できるアンセリン製剤としては、例えば、L-アンセリン硝酸塩(富士フイルム和光純薬株式会社)やマリンアクティブ(焼津水産化学工業株式会社)などが挙げられる。抽出物やアンセリン製剤を用いる場合には、必要に応じてデキストリンなどの賦形剤を配合してもよいが、これらに含まれる賦形剤がビールテイスト飲料の風味に影響を及ぼさないようにすることが好ましい。
本発明のビールテイスト飲料におけるアンセリンの含有量は、イソα酸に由来する後苦味を少なくする観点から、280ppm以上であり、より好ましくは290ppm以上であり、さらに好ましくは300ppm以上である。また、アンセリンは無味であるものの、アミノ酸の一種であってコクや厚みの増加に寄与すると想定されるため、ビールテイスト飲料の味のバランスをとる観点から、600ppm以下であり、好ましくは550ppm以下であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。本明細書において、本発明のビールテイスト飲料におけるアンセリンの含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定する。
本発明のビールテイスト飲料は、イソα酸を含有する。イソα酸は、ビール製造に使われる原料であるホップに由来する苦味成分であり、α酸がイソ化した成分である。イソα酸の苦味が、飲料のビールテイスト感の付与に貢献する。本発明のビールテイスト飲料におけるイソα酸は、原料としてのホップに由来するものでもよいし、ホップからの抽出物を配合してもよいし、市販のイソα酸製剤を配合してもよい。ホップの抽出手段としては公知の技術であれば何ら限定されず用いることができ、必要に応じて精製することもできる。また、上記の1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。イソα酸製剤としては、例えば、Isohop(BARTH-HAAS GROUP)などが挙げられる。
本発明のビールテイスト飲料におけるイソα酸の含有量は、ビールらしい苦味付与の観点から、好ましくは5ppm以上であり、より好ましくは10ppm以上であり、また、過度な苦味がつかないようにする観点から、好ましくは40ppm以下であり、より好ましくは30ppm以下であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。本明細書において、本発明のビールテイスト飲料におけるイソα酸の含有量は、EBC(EuropeanBreweryConvention)が発行している分析法の規定「Analytica−EBC」のMethod7.7に従って測定する。
本発明のビールテイスト飲料は、アンセリンを添加する以外は、イソα酸を含む公知のビールテイスト飲料と同様にして製造することができる。ここで、ビールテイスト飲料は、アルコールを含有するビールテイスト飲料であっても、ノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。アンセリンがアミノ酸の一種であってコクや厚みの増加に寄与すると想定されるため、爽快さなど味のバランスをとる観点から、必要に応じて含有エキス濃度を調整することが好ましく、ビールテイスト飲料のエキス濃度を示すオリジナルエキス濃度は、好ましくは10.0°P以下であり、より好ましくは8.0°P以下である。オリジナルエキス濃度はビールテイスト飲料のコクや味の濃淡に影響し、ビールの濃度の指標となるものであり、アルコライザー(アントンパール社)を用いて測定する。以下にそれぞれの場合における製造方法を例示するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
本発明にかかるビールテイスト飲料の一態様として、アルコールを含有するビールテイスト飲料が挙げられるが、アンセリンをビールテイスト飲料の製造工程中に添加する以外は、一般的なイソα酸を含むビールテイスト飲料と同様にして製造できる。また、このときのアルコールとはエタノールを指し、エタノール含量としては容量比で1%〜5%が好ましいが、特に限定されるものではない。さらに、該ビールテイスト飲料に含まれるアルコール分の由来としては、醗酵、非醗酵に限定されるものではない。以下に、一般的なビールテイスト飲料の製造工程を示す。一般的なビールテイスト飲料は麦芽を原料として使用するものとしないものとがあり、以下のように製造することができる。
麦芽を原料として使用して製造されるアルコールを含有するビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。醗酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた醗酵液を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてアンセリンの添加は、充填までのどの工程で行ってもよい。
麦芽を原料として使用せずに製造されるアルコールを含有するビールテイスト飲料は、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。この糖化液の代替として、麦芽以外の原料を用いたエキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。醗酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた醗酵液を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてアンセリンの添加は、充填までのどの工程で行ってもよい。
非醗酵かつアルコールを含有するビールテイスト飲料は、麦芽を使用する、しないに限らず、原料用アルコールなどを加えることにより最終製品のアルコール分を調整したものでもよい。原料用アルコールの添加は、糖化工程から充填工程までのどの工程で行ってもよい。前記各工程においてアンセリンの添加は、充填までのどの工程で行ってもよい。
本発明にかかるビールテイスト飲料の一態様として、ノンアルコールビールテイスト飲料が挙げられるが、アンセリンをビールテイスト飲料の製造工程中に添加する以外は、一般的なイソα酸を含むノンアルコールビールテイスト飲料と同様にして製造できる。以下に、一般的な非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料の製造工程を下記に示す。酵母による発酵工程を有さないことにより、ノンアルコールビール等のノンアルコールビールテイスト飲料を容易に製造することができる。一般的な非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料は麦芽を原料として使用するものとしないものとがあり以下のように製造することができる。
麦芽を原料として使用して製造されるノンアルコールビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。煮沸後、得られた麦汁を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてアンセリンの添加は、充填までのどの工程で行ってもよい。
麦芽を原料として使用しないノンアルコールビールテイスト飲料を製造する場合には、まず、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。煮沸後の液糖溶液に対して、炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてアンセリンの添加は、充填までのどの工程で行ってもよい。
本明細書における「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつ炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、ビール風味の炭酸飲料を全て包含する。このうち、「ノンアルコールビールテイスト飲料」とは、アルコール度数が1%未満のビールテイスト飲料であり、好ましくは、アルコールを実質的に含まない。ここで、アルコールを実質的に含まない態様の飲料は、検出できない程度の極微量のアルコールを含有する飲料を除くものではない。アルコール度数が四捨五入により0.0%となる飲料、中でも、アルコール度数が四捨五入により0.00%となる飲料は、ノンアルコールビールテイスト飲料に包含される。本発明のビールテイスト飲料の種類としては、例えば、ノンアルコールのビールテイスト飲料、ビールテイストの清涼飲料などが含まれる。なお、ここでの「アルコール度数(アルコール含有量)」はエタノールの含有量を意味し、脂肪族アルコールは含まれない。
本発明にかかるビールテイスト飲料のアルコール度数は、飲料中のアルコール分の含有量(v/v%)を意味し、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。アルコール度が1.0%未満の低濃度の場合は、市販のアルコール測定装置や、ガスクロマトグラフィーを用いても良い。
本発明にかかるビールテイスト飲料に、酒感を付与する観点から、脂肪族アルコールを添加してもよい。脂肪族アルコールとしては、公知のものであれば特に制限されないが、炭素数4〜5の脂肪族アルコールが好ましい。本発明において、好ましい脂肪族アルコールとしては、炭素数4のものとして、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール等が、炭素数5のものとして、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール等が挙げられる。これらは1種又は2種以上の組み合せで用いることができる。炭素数4〜5の脂肪族アルコールの含有量は好ましくは0.0002〜0.0007質量%であり、より好ましくは0.0003〜0.0006質量%である。本明細書において、脂肪族アルコールの含有量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフ法を用いて測定することができる。
(カロリー)
本発明にかかるビールテイスト飲料のうち、ノンアルコールビールテイスト飲料については、近年の低カロリー嗜好に合わせて、低カロリーであることが望ましい。従って、本発明にかかるビールテイスト飲料のカロリー数は、好ましくは20kcal/100mL未満である。
本発明にかかるビールテイスト飲料のうち、ノンアルコールビールテイスト飲料については、近年の低カロリー嗜好に合わせて、低カロリーであることが望ましい。従って、本発明にかかるビールテイスト飲料のカロリー数は、好ましくは20kcal/100mL未満である。
本発明にかかるビールテイスト飲料に含まれるカロリー数は、基本的に健康増進法に関連して公表されている「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に従って算出する。すなわち、原則として、定量した各種栄養成分の量に、それぞれの成分のエネルギー換算係数(タンパク質:4kcal/g、脂質:9kcal/g、糖質:4kcal/g、食物繊維:2kcal/g、アルコール:7kcal/g、有機酸:3kcal/g)を乗じたものの総和として算出することができる。詳細は、「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」を参照されたい。
本発明にかかるビールテイスト飲料に含まれる各栄養成分量の具体的な測定手法は、健康増進法「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に記載の各種分析法に従えばよい。または、財団法人 日本食品分析センターに依頼すれば、このような熱量及び/又は各栄養成分量を知ることができる。
(糖質)
本発明にかかるビールテイスト飲料に含まれる糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、アルコール分及び水分を除いたものをいう。また、食品中の糖質の量は、当該食品の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量を控除することにより算定される。この場合に、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定する。具体的には、タンパク質の量は窒素定量換算法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法またはレーゼゴットリーブ法で測定し、食物繊維の量は高速液体クロマトグラフ法またはプロスキー法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法または硫酸添加灰化法で測定し、水分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧過熱乾燥法、常圧加熱乾燥法またはプラスチックフィルム法で測定する。
本発明にかかるビールテイスト飲料に含まれる糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、アルコール分及び水分を除いたものをいう。また、食品中の糖質の量は、当該食品の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量を控除することにより算定される。この場合に、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定する。具体的には、タンパク質の量は窒素定量換算法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法またはレーゼゴットリーブ法で測定し、食物繊維の量は高速液体クロマトグラフ法またはプロスキー法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法または硫酸添加灰化法で測定し、水分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧過熱乾燥法、常圧加熱乾燥法またはプラスチックフィルム法で測定する。
本発明にかかるビールテイスト飲料は、近年の低糖質嗜好に合わせて、低糖質であることが望ましい。従って、本発明にかかるビールテイスト飲料の糖質の含有量は、好ましくは2.5g/100mL未満である。また、下限は特に設定されない。
(酸味料)
本発明にかかるビールテイスト飲料において使用される酸味料としては、クエン酸、乳酸、リン酸、及びリンゴ酸からなる群より選ばれる1種以上の酸を用いることが好ましい。また、本発明においては、前記酸以外の酸として、コハク酸、酒石酸、フマル酸および氷酢酸等も用いることができる。これらは食品に添加することが認められているものであれば制限なく用いることができる。本発明においては、まろやかな酸味を適切に付与する観点から乳酸と、やや刺激感のある酸味を適切に付与する観点からリン酸との組み合わせを用いることが好ましい。
本発明にかかるビールテイスト飲料において使用される酸味料としては、クエン酸、乳酸、リン酸、及びリンゴ酸からなる群より選ばれる1種以上の酸を用いることが好ましい。また、本発明においては、前記酸以外の酸として、コハク酸、酒石酸、フマル酸および氷酢酸等も用いることができる。これらは食品に添加することが認められているものであれば制限なく用いることができる。本発明においては、まろやかな酸味を適切に付与する観点から乳酸と、やや刺激感のある酸味を適切に付与する観点からリン酸との組み合わせを用いることが好ましい。
酸味料の含有量は、本発明にかかるビールテイスト飲料中、クエン酸換算で、ビールテイスト感の付与の観点から、200ppm以上が好ましく、550ppm以上がより好ましく、700ppm以上がさらに好ましく、また、酸味の観点から、15000ppm以下が好ましく、5500ppm以下がより好ましく、2000ppm以下がさらに好ましい。従って、本発明において、酸味料の含有量は、クエン酸換算で、200ppm〜15000ppm、好ましくは550ppm〜5500ppm、より好ましくは700ppm〜1500ppmなどの好適範囲が挙げられる。なお、本明細書において、クエン酸換算量とは、クエン酸の酸味度を基準として各酸味料の酸味度から換算される量のことであり、例えば、乳酸100ppmに相当するクエン酸換算量は120ppm、リン酸100ppmに相当するクエン酸換算量は200ppm、リンゴ酸100ppmに相当するクエン酸換算量は125ppmとして換算する。
ビールテイスト飲料中の酸味料の含有量については、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により分析して算出されたものを指す。
(ホップ)
本発明にかかるビールテイスト飲料においては、原料の一部にホップを用いることができる。香味がビールに類似する傾向にあることから、原料の一部にホップを用いることが望ましい。ホップを使用する際には、ビール等の製造に使用される通常のペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキスを、所望の香味に応じて適宜選択して使用することができる。また、イソ化ホップ、還元ホップなどのホップ加工品を用いてもよい。本発明にかかるビールテイスト飲料に使用されるホップには、これらのものが包含される。また、ホップの添加量は特に限定されないが、典型的には、飲料全量に対して0.0001〜1重量%程度である。
本発明にかかるビールテイスト飲料においては、原料の一部にホップを用いることができる。香味がビールに類似する傾向にあることから、原料の一部にホップを用いることが望ましい。ホップを使用する際には、ビール等の製造に使用される通常のペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキスを、所望の香味に応じて適宜選択して使用することができる。また、イソ化ホップ、還元ホップなどのホップ加工品を用いてもよい。本発明にかかるビールテイスト飲料に使用されるホップには、これらのものが包含される。また、ホップの添加量は特に限定されないが、典型的には、飲料全量に対して0.0001〜1重量%程度である。
(その他の原料)
本発明にかかるビールテイスト飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、その他の原料を用いてもよい。例えば、甘味料(高甘味度甘味料を含む)、苦味料、香料、酵母エキス、カラメル色素などの着色料、大豆サポニンやキラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーンや大豆などの植物タンパク質およびペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、食物繊維やアミノ酸などの調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤を、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて用いることができる。
本発明にかかるビールテイスト飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、その他の原料を用いてもよい。例えば、甘味料(高甘味度甘味料を含む)、苦味料、香料、酵母エキス、カラメル色素などの着色料、大豆サポニンやキラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーンや大豆などの植物タンパク質およびペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、食物繊維やアミノ酸などの調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤を、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて用いることができる。
かくして本発明にかかるビールテイスト飲料が得られる。本発明にかかるビールテイスト飲料のpHは、飲料の風味を良好にする観点から、3.0〜5.0であり、3.0〜4.5が好ましく、さらに好ましくは3.0〜4.0である。
(容器詰飲料)
本発明にかかるビールテイスト飲料は、容器詰めとすることができる。容器の形態は何ら制限されず、ビン、缶、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、容器入り飲料とすることができる。
本発明にかかるビールテイスト飲料は、容器詰めとすることができる。容器の形態は何ら制限されず、ビン、缶、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、容器入り飲料とすることができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
<ビールテイスト飲料の調製>
実施例1〜2、比較例1
イソα酸を23.4ppm含有する市販のアルコール入りビールテイスト飲料(オリジナルエキス12.5°P)に表1に記載した量のアンセリン(L−アンセリン硝酸塩、アンセリン純度78.1%、冨士フィルム和光純薬株式会社製)を添加して、ビールテイスト飲料を調製した。
実施例1〜2、比較例1
イソα酸を23.4ppm含有する市販のアルコール入りビールテイスト飲料(オリジナルエキス12.5°P)に表1に記載した量のアンセリン(L−アンセリン硝酸塩、アンセリン純度78.1%、冨士フィルム和光純薬株式会社製)を添加して、ビールテイスト飲料を調製した。
実施例3〜4、比較例2
イソα酸を17.7ppm含有する市販のアルコール入りビールテイスト飲料(オリジナルエキス7.2°P)に表2に記載した量のアンセリン(L−アンセリン硝酸塩、アンセリン純度78.1%、冨士フィルム和光純薬株式会社製)を添加して、ビールテイスト飲料を調製した。
イソα酸を17.7ppm含有する市販のアルコール入りビールテイスト飲料(オリジナルエキス7.2°P)に表2に記載した量のアンセリン(L−アンセリン硝酸塩、アンセリン純度78.1%、冨士フィルム和光純薬株式会社製)を添加して、ビールテイスト飲料を調製した。
実施例5〜6、比較例3
イソα酸を15.9ppm含有する市販のノンアルコールビールテイスト飲料に、表3に記載した量のアンセリン(L−アンセリン硝酸塩、アンセリン純度78.1%、冨士フィルム和光純薬株式会社製)を添加して、ビールテイスト飲料を調製した。
イソα酸を15.9ppm含有する市販のノンアルコールビールテイスト飲料に、表3に記載した量のアンセリン(L−アンセリン硝酸塩、アンセリン純度78.1%、冨士フィルム和光純薬株式会社製)を添加して、ビールテイスト飲料を調製した。
得られたビールテイスト飲料について、専門パネリスト5名により後苦味について以下の評価基準をもとに実施し、評価点の平均点を算出した。結果を表1〜3に示す。
(後苦味の評価)
1:感じられない。
2:わずかに感じられる。
3:ある程度感じられる。
4:明確に感じられる。
5:強く感じられる。
(後苦味の評価)
1:感じられない。
2:わずかに感じられる。
3:ある程度感じられる。
4:明確に感じられる。
5:強く感じられる。
表1〜3に示すように、アンセリンを300ppm以上添加した実施例1〜6のビールテイスト飲料は、アンセリンを添加しない比較例1〜3のビールテイスト飲料に比べて後苦味が低減されることが示された。また、実施例1〜6のビールテイスト飲料は、いずれもアンセリンの添加により添加前のビールテイスト飲料の味や香りを大きく変えることはなかったが、オリジナルエキスを12.5°Pとしたビールテイスト飲料にアンセリンを添加した実施例1、2の飲料よりも、オリジナルエキス7.2°Pとしたビールテイスト飲料やノンアルコールビールテイスト飲料にアンセリンを添加した実施例3〜6の方が味のバランスに優れる傾向にあった。
本発明によれば、イソα酸を有しつつも、風味の良い飲料を提供できる。
Claims (3)
- アンセリンとイソα酸とを含み、前記アンセリンの含有量が280〜600ppmである、ビールテイスト飲料。
- オリジナルエキス濃度が8.0°P以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
- ノンアルコールビールテイスト飲料である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2019/003314 WO2020157890A1 (ja) | 2019-01-31 | 2019-01-31 | ビールテイスト飲料 |
Publications (1)
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