本発明の第1の態様においては、保管システムが提供される。上記の保管システムは、例えば、電力供給装置を保管する。上記の電力供給装置は、例えば、作業機械に電力を供給する。上記の電力供給装置は、例えば、作業機械に着脱可能に構成される。上記の電力供給装置は、例えば、燃料電池を備える。上記の電力供給装置は、例えば、電力供給装置の内部に配され、燃料電池に酸化剤を供給する酸化剤供給路を備える。上記の電力供給措置は、例えば、(i)電力供給装置の外部に配された配管、及び、(ii)酸化剤供給路を接続する酸化剤用接続部を備える。上記の保管システムは、例えば、作業機械から取り外された電力供給装置を保管する保管部を備える。上記の保管システムは、例えば、燃料電池及び酸化剤供給路をパージするためのパージガスを貯蔵するパージガス貯蔵部を備える。上記の保管システムは、例えば、電力供給装置の外部に配された配管であって、その一端が、電力供給装置の酸化剤用接続部に接続され、且つ、その他端が、パージガス貯蔵部に接続に接続されるパージガス配管を備える。上記の保管システムは、例えば、電力供給装置に供給されるパージガスの流量を調整するパージガス流量調整部を備える。
上記の保管システムにおいて、保管部は、作業機械において少なくとも一度使用された電力供給装置を、電力供給装置が作業機械から取り外された状態で保管してよい。上記の保管システムにおいて、電力供給装置は、電力供給装置の内部に配され、電力を利用して、酸化剤供給路を介して、燃料電池に酸化剤を供給する第1酸化剤供給部を備えてよい。上記の保管システムは、第1酸化剤供給部に電力を供給する電源を備えてよい。
上記の保管システムにおいて、保管部は、第1酸化剤供給部を備える第1の電力供給装置を保管する第1保管部を備えてよい。上記の保管システムにおいて、保管部は、第1酸化剤供給部を備えない第2の電力供給装置を保管する第2保管部を備えてよい。上記の保管システムは、電力供給装置の外部に配され、酸化剤用接続部及び酸化剤供給路を介して、第2の電力供給装置の燃料電池に酸化剤を供給する第2酸化剤供給部を備えてよい。
上記の保管システムにおいて、保管部は、電力供給装置を密封して収容する収容部を有してよい。上記の保管システムは、電力供給装置の外部に配された配管であって、その一端が、電力供給装置の酸化剤用接続部に接続され、酸化剤供給路に酸化剤を供給する酸化剤配管を備えてよい。上記の保管システムにおいて、酸化剤配管と、収容部との接続部分は封止されていてよい。
上記の保管システムは、電力供給装置の外部に配された配管であって、その一端が、電力供給装置の酸化剤用接続部に接続され、酸化剤供給路に酸化剤を供給する酸化剤配管を備えてよい。上記の保管システムにおいて、酸化剤用接続部は、酸化剤供給路と、パージガス配管及び酸化剤配管とを接続してよい。上記の保管システムにおいて、酸化剤用接続部は、酸化剤供給路及びパージガス配管の連通状態を調整する第1調整部を有してよい。上記の保管システムにおいて、酸化剤用接続部は、酸化剤供給路及び酸化剤配管の連通状態を調整する第2調整部を有してよい。
上記の保管システムは、保管部に保管された電力供給装置の状態を管理する管理部を備えてよい。上記の保管システムにおいて、管理部は、保管部の周辺環境の状態を示す情報を取得する環境情報取得部を有してよい。上記の保管システムにおいて、管理部は、環境情報取得部が取得した情報に基づいて、保管部に保管された電力供給装置の価値を評価する価値評価部を有してよい。
上記の保管システムにおいて、管理部は、価値評価部が評価した電力供給装置の価値に基づいて、電力供給装置の保管態様を決定する保管態様決定部を有してよい。上記の保管システムにおいて、保管態様決定部は、価値評価部による電力要求装置の価値の評価が予め定められた基準よりも低い場合、保管部に保管されている電力供給装置を稼働して電力を発生させることを決定してよい。
上記の保管システムにおいて、保管部は、複数の電力供給装置を保管してよい。上記の保管システムにおいて、価値評価部は、複数の電力供給装置のそれぞれの価値を評価してよい。上記の保管システムにおいて、保管態様決定部は、複数の電力供給装置のうち、価値評価部による評価が予め定められた条件を満足する電力供給装置について、当該電力供給装置を稼働して電力を発生させることを決定してよい。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
[燃料電池管理システムの概要]
図1は、燃料電池管理システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、燃料電池管理システムは、保管装置120と、管理サーバ140とを備える。本実施形態において、保管装置120は、1以上の保管容器122と、保管環境調整部124とを備える。
本実施形態においては、車両20に搭載された電源システム40が、着脱式の燃料電池ユニット42を有し、燃料電池管理システム100が、電源システム40から取り外された燃料電池ユニット42を保管する場合を例として、燃料電池管理システム100の詳細が説明される。本実施形態において、燃料電池管理システム100は、保管期間中における燃料電池ユニット42の劣化の進行が抑制されるように、燃料電池ユニット42の保管状態を調整する。
本実施形態において、車両20、保管装置120及び管理サーバ140のそれぞれは、通信ネットワーク10を介して、互いに情報を送受することができる。本実施形態において、通信ネットワーク10は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。
通信ネットワーク10は、無線パケット通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線などを含んでもよい。通信ネットワーク10は、携帯電話回線網などの移動体通信網を含んでもよい。通信ネットワーク10は、無線MAN(例えば、WiMAX(登録商標)である。)、無線LAN(例えば、WiFi(登録商標)である。)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの無線データ通信網を含んでもよい。通信ネットワーク10は、車車間通信、路車間通信などのV2X用の通信回線を含んでもよい。
本実施形態において、車両20は、人及び物品の少なくとも一方を運搬する作業(運搬作業と称される場合がある。)を実施する。車両20は、運転者の操作により運搬作業を実施してもよく、自動運転により運搬作業を実施してもよい。なお、車両20により実施される作業は運搬作業に限定されない。車両20は、電力を利用して、運搬作業に代えて又は運搬作業と伴に、任意の作業を実施してよい。
車両20としては、自動車、自動二輪車、電車などが例示される。自動二輪車としては、(i)バイク、(ii)三輪バイク、(iii)セグウェイ(登録商標)、動力ユニット付きキックボード(登録商標)、動力ユニット付きスケートボードのような、動力ユニットを有する立ち乗り二輪車又は三輪車などが例示される。車両20の詳細は後述される。
本実施形態において、電源システム40は、車両20の各部に電力を供給する。電源システム40は、車両20が移動するための電力を供給してよい。本実施形態において、電源システム40は、燃料電池ユニット42が発生させた電力を、車両20に供給する。単一の電源システム40が、単一の燃料電池ユニット42を有してもよく、単一の電源システム40が、複数の燃料電池ユニット42を有してもよい。電源システム40の詳細は後述される。
本実施形態において、燃料電池ユニット42は、車両20に搭載された電源システム40に対して着脱自在に構成されている。一実施形態において、特定の電源システム40から取り外された燃料電池ユニット42は、保管装置120で保管された後、当該特定の電源システム40に取り付けられる。他の実施形態において、特定の電源システム40から取り外された燃料電池ユニット42は、保管装置120で保管された後、他の電源システム40に取り付けられる。他の実施形態において、特定の電源システム40から燃料電池ユニット42が取り外された後、保管装置120に保管されている他の燃料電池ユニット42が、当該特定の電源システム40に取り付けられる。燃料電池ユニット42の詳細は後述される。
本実施形態において、保管装置120は、1以上の電源システム40のそれぞれから取り外された1以上の燃料電池ユニット42を保管する。保管装置120は、電源システム40において少なくとも一度使用された燃料電池ユニット42を、燃料電池ユニット42が電源システム40から取り外された状態で保管してよい。
本実施形態において、1以上の保管容器122は、電源システム40から取り外された燃料電池ユニット42を保管する。単一の保管容器122が、単一の燃料電池ユニット42を収容してもよく、単一の保管容器122が、複数の燃料電池ユニット42を収容してもよい。保管容器122は、燃料電池ユニット42を密封して収容してもよい。
保管容器122の材料として、非通気性の材料が使用されてよい。これにより、保管容器122は、燃料電池ユニット42を密封して収容することができる。非通気性の材料としては、例えば、20℃の雰囲気における通気量が1000 mL/(m2・day・atm)以下、好ましくは500 mL/(m2・day・atm)以下、より好ましくは200 mL/(m2・day・atm)以下の材料が用いられる。非通気性の材料としては、(i)ポリ塩化ビニリデン、(ii)OPPフィルムにポリ塩化ビニリデンをコートした材料(KOPと称される場合がある)、(iii)ポリエステルフィルムにポリ塩化ビニリデンをコートした材料(KPETと称される場合がある)、(iv)ナイロンにポリ塩化ビニリデンをコートした材料(KONと称される場合がある)などが例示される。
これにより、保管容器122の内部の環境(雰囲気と称される場合もある。)が、保管容器122の外部の環境とは異なる状態に維持され得る。例えば、保管容器122の内部の酸素濃度が、保管容器122の外部の酸素濃度よりも小さな状態に維持される。保管容器122の内部の環境が調整されることで、燃料電池ユニット42の保管状態が管理され得る。保管容器122の詳細は後述される。
本実施形態において、保管環境調整部124は、燃料電池ユニット42の保管環境を調整する。例えば、保管環境調整部124は、1以上の保管容器122のそれぞれの内部の環境を調整する。より具体的には、保管環境調整部124は、1以上の保管容器122のそれぞれの内部の温度、湿度、酸素濃度、水素濃度及び微粒子濃度の少なくとも1つを調整する。これにより、燃料電池ユニット42の劣化の進行が抑制され得る。保管環境調整部124の詳細は後述される。
本実施形態において、管理サーバ140は、1以上の燃料電池ユニット42を管理する。一実施形態において、管理サーバ140は、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの状態を管理する。燃料電池ユニット42の状態としては、燃料電池ユニット42の稼働状態、燃料電池ユニット42の保管状態などが例示される。他の実施形態において、管理サーバ140は、保管装置120の動作を管理する。これにより、管理サーバ140は、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの保管状態を管理することができる。管理サーバ140の詳細は後述される。
車両20は、作業機械の一例であってよい。運搬作業は、作業の一例であってよい。電源システム40は、作業機械の一例であってよい。燃料電池ユニット42は、電力供給装置の一例であってよい。燃料電池管理システム100は、保管システムの一例であってよい。保管装置120は、保管システムの一例であってよい。保管容器122は、保管部及び収容部の一例であってよい。管理サーバ140は、管理部の一例であってよい。
[燃料電池管理システム100の各部の具体的な構成]
燃料電池管理システム100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエア及びソフトウエアにより実現されてもよい。燃料電池管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。燃料電池管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、仮想マシン上又はクラウドシステム上で実現されてもよい。燃料電池管理システム100の各部は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術又は分散型ネットワークを利用して、情報を格納してもよい。
燃料電池管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。例えば、パーソナルコンピュータ又は携帯端末が、燃料電池管理システム100の各部のユーザインタフェースとして利用される。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどが例示される。
燃料電池管理システム100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の情報処理装置は、例えば、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。
上記の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、プログラムを格納してよい。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されてよい。上記のプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該プログラムによって規定された動作を実行させる。
プログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、燃料電池管理システム100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。プログラムが実行されることにより、コンピュータが、燃料電池管理システム100の各部の少なくとも一部として機能してもよい。
コンピュータを燃料電池管理システム100の各部の少なくとも一部として機能させるプログラムは、燃料電池管理システム100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、データ処理装置、入力装置、出力装置、記憶装置等に働きかけて、コンピュータを燃料電池管理システム100の各部として機能させたり、コンピュータに燃料電池管理システム100の各部における情報処理方法を実行させたりする。
プログラムに記述された情報処理は、当該プログラムがコンピュータに読込まれることにより、当該プログラムに関連するソフトウエアと、燃料電池管理システム100の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、上記の具体的手段が、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、当該使用目的に応じた燃料電池管理システム100が構築される。
[車両20の概要]
図2は、車両20のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、車両20は、電源システム40と、車両駆動部222と、車両制御部224と、通信部226とを備える。本実施形態において、電源システム40は、燃料電池システム242と、蓄電部244と、電力変換部246と、電力制御部248とを有する。車両20の各部は、例えば、互いに情報を送受するよう構成される。
本実施形態において、車両駆動部222は、車両駆動部222は、電源システム40が供給する電力を利用して、車両20の各部を駆動する。車両駆動部222は、車両20を駆動するためのモータであってよい。車両駆動部222は、車両20の室内空間の空気環境を調整するための空調設備であってもよい。
本実施形態において、車両制御部224は、車両20を制御する。車両制御部224は、車両駆動部222を制御してもよい。例えば、車両制御部224は、車両駆動部222に配された各種のセンサから、車両駆動部222の状態を示す情報を取得する。車両制御部224は、車両駆動部222の動作を制御してよい。車両制御部224は、車両駆動部222への電力供給を制御してよい。
本実施形態において、車両制御部224は、電源システム40を制御してもよい。例えば、電源システム40に配された各種のセンサから、電源システム40の状態を示す情報を取得する。車両制御部224は、電源システム40の動作を制御してよい。例えば、電源システム40が複数の運転モードを有する場合、車両制御部224は、電源システム40の運転モードを制御する。運転モードは、例えば、(i)出力電力の大きさ、(ii)出力命令に対する追従性又は応答性、(iii)燃費又は発電効率、及び、(iv)劣化の抑制からなる群から選択される1又は複数の特性を、選択されていない他の特性よりも優先させるための運転条件と対応付けられる。
本実施形態において、通信部226は、外部の情報処理装置との間で情報を送受する。例えば、通信部226は、保管装置120及び管理サーバ140の少なくとも一方との間で情報を送受する。通信部226は、車両制御部224から受け取った情報を、保管装置120及び管理サーバ140の少なくとも一方に送信してよい。通信部226は、保管装置120及び管理サーバ140の少なくとも一方から受信した情報を、車両制御部224に出力してよい。通信部226は、1又は複数の通信方式に対応してよい。
本実施形態において、燃料電池システム242は、燃料電池ユニット42を備える。燃料電池システム242は、燃料電池ユニット42が発生させた電力を車両20に供給してよい。例えば、燃料電池システム242は、燃料電池ユニット42が発生させた電力を車両駆動部222に供給する。燃料電池システム242の詳細は後述される。
本実施形態において、蓄電部244は、電力を蓄積する。蓄電部244は、蓄積された電力を車両20に供給してよい。例えば、蓄電部244は、蓄積された電力を車両駆動部222に供給する。
本実施形態において、電力変換部246は、電力を変換する。電力変換部246は、直流を交流に変換してもよく、交流を直流に変換してもよく、入力された直流電圧を別の直流電圧に変換してもよい。電力変換部246は、双方向DC−DCコンバータを含んでよい。
電力変換部246は、電力の流通状態を切り替えてよい。電力変換部246は、入力された電力の供給先を切り替えてよい。電力変換部246は、燃料電池システム242が発生させた電力を、車両駆動部222に供給してよい。電力変換部246は、燃料電池システム242が発生させた電力を、蓄電部244に供給してもよい。電力変換部246は、蓄電部244が蓄積した電力を、燃料電池システム242に供給してもよい。電力変換部246は、蓄電部244が蓄積した電力を、車両駆動部222に供給してよい。電力変換部246は、車両駆動部222からの回生電力を、蓄電部244に供給してよい。
本実施形態において、電力制御部248は、電力変換部246を制御する。電力制御部248は、電力変換部246を制御して、電力を変換してよい。電力制御部248は、電力変換部246を制御して、電力供給の開始又は停止のタイミングを制御してもよい。電力制御部248は、電力変換部246を制御して、入力された電力の供給先を制御してもよい。
車両駆動部222は、作業機械の一例であってよい。燃料電池システム242は、電力供給装置の一例であってよい。
本実施形態において、車両20が運輸作業を実施する場合を例として、作業を実施する作業機械の詳細が説明された。しかしながら、作業機械は、車両20に限定されない。作業機械の他の例としては、運輸機器、輸送機器、清掃機器、空調機器、照明機器、ロボットなどが例示される。運輸機器としては、移動体、重機、農作業機、除雪機、エレベータ、エスカレータなどが例示される。
移動体としては、車両、船舶、飛行体などが例示される。船舶としては、船、ホバークラフト、水上バイク、潜水艦、潜水艇、水中スクータなどを例示することができる。飛行体としては、飛行機、飛行船又は風船、気球、ヘリコプター、ドローンなどを例示することができる。輸送機器としては、ポンプ、ブロワ、噴霧器、洗浄機などが例示される。清掃機器としては、掃除機、洗濯機などが例示される。
[車両20の各部の具体的な構成]
車両20の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエア及びソフトウエアにより実現されてもよい。車両20の各部は、その少なくとも一部が、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。車両20の各部は、その少なくとも一部が、仮想マシン上又はクラウドシステム上で実現されてもよい。例えば、上記のサーバ、仮想マシン又はクラウドシステム上で実現される人工知能が、車両20の各部における情報処理の一部を実行してもよい。車両20の各部は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術又は分散型ネットワークを利用して、情報を格納してもよい。
車両20の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。例えば、パーソナルコンピュータ又は携帯端末が、燃料電池管理システム100の各部のユーザインタフェースとして利用される。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどが例示される。
車両20を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の情報処理装置は、例えば、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。
上記の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、プログラムを格納してよい。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されてよい。上記のプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該プログラムによって規定された動作を実行させる。
プログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、車両20の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。プログラムが実行されることにより、コンピュータが、車両20の各部の少なくとも一部として機能してもよい。
コンピュータを車両20の各部の少なくとも一部として機能させるプログラムは、車両20の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、データ処理装置、入力装置、出力装置、記憶装置等に働きかけて、コンピュータを車両20の各部として機能させたり、コンピュータに車両20の各部における情報処理方法を実行させたりする。
プログラムに記述された情報処理は、当該プログラムがコンピュータに読込まれることにより、当該プログラムに関連するソフトウエアと、車両20の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、上記の具体的手段が、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、当該使用目的に応じた車両20が構築される。
図3は、燃料電池システム242の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、燃料電池システム242は、燃料電池ユニット42と、燃料供給ユニット312と、酸化剤供給ユニット314と、温度調整媒体供給ユニット316とを備える。本実施形態において、燃料電池ユニット42は、通信コネクタ322と、電力コネクタ324と、発電用ユーティリティコネクタ326とを備える。本実施形態において、燃料電池ユニット42は、FC制御部330と、発電部340と、1以上のセンサ342と、1以上の配管344と、補機用バッテリ350とを備える。本実施形態において、FC制御部330は、メモリ332を有してよい。
本実施形態において、燃料電池ユニット42は、燃料供給ユニット312から供給された燃料と、酸化剤供給ユニット314から供給された燃料とを利用して、電力を発生させる。燃料電池ユニット42の温度は、温度調整媒体供給ユニット316から供給される温度調整媒体によって調整される。燃料電池ユニット42が発生させた電力は、例えば、電力変換部246を介して、車両20の各部に供給される。本実施形態において、燃料電池ユニット42は、燃料供給ユニット312、酸化剤供給ユニット314及び温度調整媒体供給ユニット316の少なくとも1つの動作を制御してもよい。燃料電池ユニット42は、電力制御部248からの命令に従って動作してもよい。
本実施形態において、燃料電池ユニット42は、少なくとも、FC制御部330と、発電部340と、配管344と、各種の配線とが、パッケージ化されたユニットであってよい。燃料電池ユニット42は、少なくとも、FC制御部330と、発電部340と、補機用バッテリ350と、配管及び配線とが、パッケージ化されたユニットであってよい。燃料電池ユニット42の構成部品は、単一の筐体に収容されていてもよく、複数の筐体に分割して収容されていてもよい。
本実施形態において、燃料電池ユニット42は、例えば、燃料電池システム242に配されたユーティリティ配管及び電力ケーブルと接続されることで、燃料電池システム242に取り付けられる。燃料電池ユニット42は、燃料電池システム242に配されたユーティリティ配管、電力ケーブル及び通信ケーブルと接続されることで、燃料電池システム242に取り付けられてもよい。これにより、燃料電池ユニット42が、車両20に搭載される。
一実施形態において、燃料電池ユニット42は、車両20の一般利用者が容易に取り外すことができないように、燃料電池システム242に取り付けられる。燃料電池ユニット42は、例えば、燃料電池システム242の所定の位置に固定される。
他の実施形態において、燃料電池ユニット42は、燃料電池システム242に着脱自在に取り付けられる。これにより、車両20の一般利用者であっても、燃料電池ユニット42を燃料電池システム242から取り外すことができる。車両20の一般利用者は、例えば、車両20から取り外された燃料電池ユニット42を他の作業機械に取り付けて、燃料電池ユニット42が発生させた電力で、当該他の作業機械を作動させることができる。
なお、燃料電池ユニット42が、車両20の一般利用者が容易に取り外すことができないように、燃料電池システム242に取り付けられている場合であっても、車両20又は電源システム40の製造者、販売者などであれば、ユニットとしての一体性を大きく損なうことなく、燃料電池ユニット42を燃料電池システム242から取り外すことができる場合がある。例えば、車両20又は電源システム40の製造者、販売者などであれば、燃料電池ユニット42を分解することなく、燃料電池ユニット42を燃料電池システム242から取り外すことができる場合がある。このような実施形態も、燃料電池ユニット42が、燃料電池システム242に着脱自在に取り付けられた実施形態の一例であってよい。
燃料電池ユニット42が燃料電池システム242から取り外された状態で大気中に放置されると、燃料電池ユニット42の劣化の進行が促進される可能性がある。特に、燃料電池ユニット42が発電に使用された後、燃料電池システム242から取り外されると、酸化剤としての空気が燃料電池ユニット42の内部に残存する。燃料電池ユニット42の内部に残存した空気は、燃料電池ユニット42の燃料電池スタックを劣化させ得る。
そこで、本実施形態によれば、燃料電池システム242から取り外された燃料電池ユニット42は、保管装置120に保管される。保管装置120は、燃料電池ユニット42の劣化の進行を抑制する態様で、燃料電池ユニット42を保管する。例えば、保管装置120は、燃料電池ユニット42内の残存空気をパージガスで置換する。保管装置120は、適切なタイミングで、燃料電池ユニット42を稼働させてもよい。例えば、保管装置120は、適切なタイミングで、燃料電池ユニット42をアイドル発電モード又は劣化抑制モードで稼働させる。これにより、例えば、燃料電池スタック内の湿度が適切に保たれる。その結果、燃料電池ユニット42の劣化の進行が抑制され得る。
本実施形態において、燃料供給ユニット312は、燃料電池ユニット42に、発電用の燃料を供給する。発電用の燃料は、水素であってもよく、水素を含む化合物であってもよい。燃料供給ユニット312は、燃料の流量を測定するセンサ(図示されていない。)と、燃料の流量を調整する流量調整部(図示されていない。)とを備えてよい。燃料供給ユニット312は、燃料電池ユニット42からの命令に従って動作してよい。
燃料供給ユニット312は、電力を利用して、配管344を介して、発電部340に燃料を供給してよい。燃料供給ユニット312は、電源システム40の内部に配されてよい。一実施形態において、燃料電池システム242が電源システム40に取り付けられている場合、燃料供給ユニット312は、蓄電部244、発電部340、及び、補機用バッテリ350の少なくとも1つから供給される電力を利用して、発電部340に燃料を供給する。他の実施形態において、燃料電池システム242が保管装置120に保管されている場合、燃料供給ユニット312は、保管装置120から供給される電力を利用して、発電部340に燃料を供給してよい。他の実施形態において、燃料電池システム242が保管装置120に保管されている場合、燃料供給ユニット312は、保管装置120から供給される電力と、発電部340、及び、補機用バッテリ350の少なくとも一方から供給される電力とを利用して、発電部340に燃料を供給してよい。
本実施形態において、酸化剤供給ユニット314は、燃料電池ユニット42に、発電用の酸化剤を供給する。発電用の酸化剤は、酸素であってもよく、空気であってもよい。酸化剤供給ユニット314は、酸化剤の流量を測定するセンサ(図示されていない。)と、酸化剤の流量を調整する流量調整部(図示されていない。)とを備えてよい。酸化剤供給ユニット314は、燃料電池ユニット42からの命令に従って動作してよい。
酸化剤供給ユニット314は、電力を利用して、配管344を介して、発電部340に酸化剤を供給してよい。酸化剤供給ユニット314は、電源システム40の内部に配されてよい。一実施形態において、燃料電池システム242が電源システム40に取り付けられている場合、酸化剤供給ユニット314は、蓄電部244、発電部340、及び、補機用バッテリ350の少なくとも1つから供給される電力を利用して、発電部340に酸化剤を供給する。他の実施形態において、燃料電池システム242が保管装置120に保管されている場合、酸化剤供給ユニット314は、保管装置120から供給される電力を利用して、発電部340に酸化剤を供給してよい。他の実施形態において、燃料電池システム242が保管装置120に保管されている場合、酸化剤供給ユニット314は、保管装置120から供給される電力と、発電部340、及び、補機用バッテリ350の少なくとも一方から供給される電力とを利用して、発電部340に酸化剤を供給してよい。
酸化剤供給ユニット314は、燃料電池システム242の外部から、酸化剤となる空気を吸引するためのポンプ又はブロワ(図示されていない。)を有してよい。酸化剤供給ユニット314は、車両20に配された給気配管(図示されていない。)と接続されていてもよい。
本実施形態において、温度調整媒体供給ユニット316は、燃料電池ユニット42に、燃料電池ユニット42の発電スタックの温度を調整するための温度調整媒体を供給する。温度調整媒体としては、水、エチレングリコール、ロング・ライフ・クーラント(LLCと称される場合がある。)などが例示される。温度調整媒体供給ユニット316は、温度調整媒体の流量を測定するセンサ(図示されていない。)と、温度調整媒体の流量を調整する流量調整部(図示されていない。)とを備えてよい。温度調整媒体供給ユニット316は、燃料電池ユニット42からの命令に従って動作してよい。温度調整媒体供給ユニット316は、温度調整媒体の温度を調整するための熱交換器(図示されていない。)を備えてもよい。熱交換器としては、ラジエータが例示される。
温度調整媒体供給ユニット316は、電力を利用して、配管344を介して、発電部340に温度調整媒体を供給してよい。温度調整媒体供給ユニット316は、電源システム40の内部に配されてよい。一実施形態において、燃料電池システム242が電源システム40に取り付けられている場合、温度調整媒体供給ユニット316は、蓄電部244、発電部340、及び、補機用バッテリ350の少なくとも1つから供給される電力を利用して、発電部340に温度調整媒体を供給する。他の実施形態において、燃料電池システム242が保管装置120に保管されている場合、温度調整媒体供給ユニット316は、保管装置120から供給される電力を利用して、発電部340に温度調整媒体を供給してよい。他の実施形態において、燃料電池システム242が保管装置120に保管されている場合、温度調整媒体供給ユニット316は、保管装置120から供給される電力と、発電部340、及び、補機用バッテリ350の少なくとも一方から供給される電力とを利用して、発電部340に温度調整媒体を供給してよい。
[燃料電池ユニット42の各部の概要]
本実施形態において、通信コネクタ322は、燃料電池ユニット42に配された通信ケーブル又は通信機器と、燃料電池システム242に配された通信ケーブル又は通信機器とを接続する。燃料電池ユニット42に配された通信ケーブル又は通信機器と、燃料電池システム242に配された通信ケーブル又は通信機器とは、有線接続されてもよく、無線接続されてもよい。
通信コネクタ322は、無線通信機器を有してよい。燃料電池ユニット42は、無線通信機器を介して、燃料電池システム242に配された通信機器、電力制御部248又は車両制御部224との間で情報を送受してもよい。燃料電池ユニット42は、無線通信機器を介して、保管装置120との間で情報を送受してもよい。
本実施形態において、電力コネクタ324は、燃料電池ユニット42に配された電力ケーブルと、燃料電池システム242に配された電力ケーブルとを電気的に接続する。燃料電池ユニット42に配された電力ケーブル、及び、燃料電池システム242に配された電力ケーブルは、有線接続されてもよく、無線接続されてもよい。
電力コネクタ324は、無線給電機器を有してよい。燃料電池ユニット42は、無線給電機器を介して、電力変換部246又は車両駆動部222と電気的に接続されてもよい。これにより、燃料電池システム242と、燃料電池ユニット42との間で、電力の授受が可能になる。その結果、電力変換部246と、燃料電池ユニット42との間で、電力の授受が可能となり、車両駆動部222又は蓄電部244と、燃料電池ユニット42との間で、電力の授受が可能になる。燃料電池ユニット42は、無線給電機器を介して、保管装置120と電気的に接続されてもよい。
本実施形態において、発電用ユーティリティコネクタ326は、燃料電池ユニット42に配されたユーティリティ配管と、燃料電池システム242に配されたユーティリティ配管とを接続する。これにより、燃料電池システム242と、燃料電池ユニット42との間で、燃料電池ユニット42の運転に利用されるユーティリティの授受が可能になる。その結果、車両20又は燃料電池システム242と、燃料電池ユニット42との間で、ユーティリティの授受が可能になる。
例えば、燃料供給ユニット312と、燃料電池ユニット42との間で燃料の授受が可能になる。酸化剤供給ユニット314と、燃料電池ユニット42との間で酸化剤の授受が可能になる。温度調整媒体供給ユニット316と、燃料電池ユニット42との間で、温度調整媒体又は熱の授受が可能になる。また、燃料電池ユニット42と、車両20又は燃料電池システム242との間で、燃料電池ユニット42における発電に伴い発生した排水及び排ガスの送受が可能になる。
本実施形態において、FC制御部330は、燃料電池ユニット42を制御する。例えば、FC制御部330は、燃料電池ユニット42の発電を制御する。FC制御部330は、燃料電池ユニット42の出力電圧、出力電流、出力電力、及び、出力レートの少なくとも1つを制御してよい。FC制御部330は、発電部340の出力電圧、出力電流、出力電力、及び、出力レートの少なくとも1つを制御してよい。FC制御部330は、補機用バッテリ350の出力電圧、出力電流、出力電力、及び、出力レートの少なくとも1つを制御してよい。FC制御部330は、燃料供給ユニット312、酸化剤供給ユニット314及び温度調整媒体供給ユニット316の少なくとも1つの動作を制御することで、燃料電池ユニット42の発電を制御してよい。FC制御部330は、電力制御部248からの命令に従って動作してよい。
一実施形態において、FC制御部330は、燃料電池ユニット42の各部の稼働状態を示す情報を、例えば電力制御部248を介して管理サーバ140に送信する。稼働状態としては、出力電力、出力電圧、出力電流、出力レートなどが例示される。FC制御部330は、燃料電池ユニット42の各部の稼働状態を示す情報を、時刻を示す情報と対応付けて、管理サーバ140に送信してもよい。
FC制御部330は、燃料電池ユニット42が車両20又は電源システム40に搭載されている期間において、燃料電池ユニット42の各部の稼働状態を示す情報を、管理サーバ140に送信してよい。FC制御部330は、燃料電池ユニット42が保管装置120保管されている期間において、燃料電池ユニット42の各部の稼働状態を示す情報を、管理サーバ140に送信してよい。
他の実施形態において、FC制御部330は、燃料電池ユニット42の各部の稼働状態を示す情報を、メモリ332に格納する。稼働状態としては、出力電力、出力電圧、出力電流、出力レートなどが例示される。FC制御部330は、燃料電池ユニット42の各部の稼働状態を示す情報を、時刻を示す情報と対応付けて、メモリ332に格納してよい。
FC制御部330は、燃料電池ユニット42が車両20又は電源システム40に搭載されている期間において、燃料電池ユニット42の各部の稼働状態を示す情報を、メモリ332に格納してよい。FC制御部330は、燃料電池ユニット42が保管装置120保管されている期間において、燃料電池ユニット42の各部の稼働状態を示す情報を、メモリ332に格納してよい。これにより、例えば、燃料電池ユニット42が、管理サーバ140と通信することができない期間中に稼働した場合であっても、管理サーバ140は、燃料電池ユニット42の各部の稼働状態を示す情報を、事後的に取得することができる。
例えば、燃料電池ユニット42が保管装置120保管されている期間中、燃料電池ユニット42が管理サーバ140と通信することができなかった場合であっても、燃料電池ユニット42が保管装置120から取り出されて車両20に搭載された後、車両制御部224が、燃料電池ユニット42のメモリ332に格納された情報を読み取り、当該情報を管理サーバ140に送信する。これにより、管理サーバ140は、燃料電池ユニット42の各部の稼働状態を示す情報を、事後的に取得することができる。
本実施形態において、FC制御部330は、1以上のセンサ342のそれぞれから、各センサの検出結果を示す情報を取得する。一実施形態において、FC制御部330は、各センサの検出結果を示す情報を、例えば電力制御部248を介して管理サーバ140に送信する。FC制御部330は、各センサの検出結果を示す情報を、時刻を示す情報と対応付けて、管理サーバ140に送信してもよい。FC制御部330は、燃料電池ユニット42が車両20又は電源システム40に搭載されている期間において、各センサの検出結果を示す情報を、管理サーバ140に送信してよい。FC制御部330は、燃料電池ユニット42が保管装置120保管されている期間において、各センサの検出結果を示す情報を、管理サーバ140に送信してよい。
他の実施形態において、FC制御部330は、各センサの検出結果を示す情報を、メモリ332に格納する。FC制御部330は、各センサの検出結果を示す情報を、時刻を示す情報と対応付けて、メモリ332に格納してもよい。FC制御部330は、燃料電池ユニット42が車両20又は電源システム40に搭載されている期間において、各センサの検出結果を示す情報を、メモリ332に格納してよい。FC制御部330は、燃料電池ユニット42が保管装置120保管されている期間において、各センサの検出結果を示す情報を、メモリ332に格納してよい。
これにより、例えば、燃料電池ユニット42が、管理サーバ140と通信することができない期間中に、燃料電池ユニット42の周辺環境の状態が変動した場合であっても、管理サーバ140は、当該周縁環境の状態の変動を示す情報を、事後的に取得することができる。周辺環境の状態としては、温度、湿度、酸素濃度、水素濃度、微粒子濃度などが例示される。
例えば、燃料電池ユニット42が保管装置120保管されている期間中、燃料電池ユニット42が管理サーバ140と通信することができなかった場合であっても、燃料電池ユニット42が保管装置120から取り出されて車両20に搭載された後、車両制御部224が、燃料電池ユニット42のメモリ332に格納された情報を読み取り、当該情報を管理サーバ140に送信する。これにより、管理サーバ140は、燃料電池ユニット42の周辺環境の状態の変動を示す情報を、事後的に取得することができる。
本実施形態において、メモリ332は、燃料電池ユニット42に関する各種の情報を格納する。例えば、メモリ332は、燃料電池ユニット42の識別情報を格納する、メモリ332は、FC制御部330から取得した情報を格納してよい。メモリ332は、保管装置120から取得した情報を格納してもよい。
例えば、メモリ332は、燃料電池ユニット42が搭載された車両20、電源システム40及び燃料電池システム242の少なくとも1つの識別情報をFC制御部330から取得し、当該情報を格納する。メモリ332は、燃料電池ユニット42が搭載された車両20、電源システム40及び燃料電池システム242の少なくとも1つの識別情報と、燃料電池ユニット42が車両20、電源システム40及び燃料電池システム242の少なくとも1つに搭載された時刻を示す情報とを対応付けて格納してもよい。
例えば、メモリ332は、燃料電池ユニット42が保管された保管装置120の識別情報を、FC制御部330又は保管装置120から取得し、当該情報を格納する。メモリ332は、燃料電池ユニット42が保管された保管装置120の識別情報と、燃料電池ユニット42が保管装置120に保管された時刻を示す情報とを対応付けて格納してもよい。
メモリ332は、FC制御部330及び保管装置120の少なくとも一方から、燃料電池ユニット42の稼働履歴を示す情報を取得し、当該情報を格納してよい。メモリ332は、発電部340及び補機用バッテリ350の少なくとも一方の稼働履歴を示す情報を格納してもよい。稼働履歴は、時刻を示す情報と、当該時刻における稼働状態を示す情報とが対応づけられたレコードの集合であってよい。稼働状態としては、出力電力、出力電圧、出力電流、出力レートなどが例示される。
メモリ332は、FC制御部330及び保管装置120の少なくとも一方から、燃料電池ユニット42の周辺環境の状態の変動履歴を示す情報を取得し、当該情報を格納してよい。メモリ332は、発電部340及び補機用バッテリ350の少なくとも一方の周辺環境の状態の変動履歴を示す情報を格納してもよい。変動履歴は、時刻を示す情報と、当該時刻における周辺環境の状態を示す情報とが対応づけられたレコードの集合であってよい。周辺環境の状態としては、温度、湿度、酸素濃度、水素濃度、微粒子濃度などが例示される。
本実施形態において、発電部340は、電気を発生させる。発電部340は、燃料電池を備えてよい。燃料電池は、燃料供給ユニット312から供給された燃料と、酸化剤供給ユニット314から供給された酸化剤とを反応させて、電気を発生させる。発電部340は、電力コネクタ324と電気的に接続されていてよい。発電部340は、補機用バッテリ350と電気的に接続されていてよい。発電部340は、発生した電気の一部を補機用バッテリ350に供給してよい。
上述のとおり、発電部340を起動するためには、酸化剤及び燃料を発電部に供給する燃料供給ユニット312及び酸化剤供給ユニット314を起動するための電力が必要となる。特に、酸化剤供給ユニット314は、酸化剤としての空気を発電部340に圧送するためのファンを備えることが多い。しかしながら、上記のファンの消費電力量は比較的大きい。そのため、発電部340の起動に備えて、酸化剤供給ユニット314を作動させるための電力が確保されていることが望ましい。
本実施形態において、1以上のセンサ342の少なくとも一部は、発電部340及び補機用バッテリ350の少なくとも一方の稼働状態を検出する。1以上のセンサ342の少なくとも一部は、発電部340及び補機用バッテリ350の少なくとも一方の周辺環境の状態を検出する。1以上のセンサ342のそれぞれは、検出結果を示す情報を、FC制御部330に出力してよい。
本実施形態において、1以上の配管344は、発電用ユーティリティコネクタ326と、発電部340との間で各種の流体を流通させる。1以上の配管344の詳細は後述される。
本実施形態において、補機用バッテリ350は、燃料供給ユニット312、酸化剤供給ユニット314及び温度調整媒体供給ユニット316の少なくとも1つを起動するための電力を蓄積する。補機用バッテリ350は、酸化剤供給ユニット314を起動するための電力を蓄積してもよい。補機用バッテリ350は、電力コネクタ324と電気的に接続されていてよい。補機用バッテリ350は、電力変換部246から供給された電力を蓄積してよい。補機用バッテリ350は、発電部340と電気的に接続されていてよい。補機用バッテリ350は、発電部340から供給された電力を蓄積してよい。
なお、燃料供給ユニット312、酸化剤供給ユニット314及び温度調整媒体供給ユニット316の少なくとも1つは、燃料電池ユニット42の起動時に、蓄電部244から供給された電力を利用して作動するように構成されていてもよい。燃料供給ユニット312、酸化剤供給ユニット314及び温度調整媒体供給ユニット316の少なくとも1つは、燃料電池ユニット42の起動時に、蓄電部244から供給された電力と、燃料電池ユニット42が発電した電力とを利用して作動するように構成されていてもよい。
燃料供給ユニット312、酸化剤供給ユニット314及び温度調整媒体供給ユニット316の少なくとも1つは、燃料電池ユニット42の起動時に、補機用バッテリ350残容量が予め定められた数値範囲の範囲外である場合、蓄電部244から供給された電力を利用して作動するように構成されていてもよい。
「数値範囲」は、上限及び下限の両方が定められている場合に限定されない。「数値範囲」は、上限だけが定められていてもよく、下限だけが定められていてもよい。
酸化剤供給ユニット314は、発電部340の発電量が予め定められた条件を満足するようになった後、発電部340が発生させた電力を利用して作動してよい。例えば、発電部340の発電量が予め定められた閾値よりも小さい場合、酸化剤供給ユニット314は、補機用バッテリ350又は蓄電部244から供給された電力を利用して、発電部340に酸化剤を供給する。発電部340の発電量が上記の閾値よりも大きい場合、酸化剤供給ユニット314は、発電部340が発生させた電力を利用して、発電部340に酸化剤を供給する。
酸化剤供給ユニット314が、補機用バッテリ350又は蓄電部244から供給された電力を利用している場合の酸化剤の供給量は、酸化剤供給ユニット314が、発電部340が発生させた電力を利用している場合の酸化剤の供給量よりも小さくてよい。酸化剤供給ユニット314が、発電部340が発生させた電力を利用している場合、酸化剤の供給量は、発電部340が発生させる電力の大きさに応じて変動してよい。酸化剤の供給量は、発電部340が発生させる電力の大きさに応じて連続的に変動してもよく、段階的に変動してもよい。
なお、本実施形態においては、燃料電池ユニット42が、燃料供給ユニット312、酸化剤供給ユニット314及び温度調整媒体供給ユニット316を含まない場合を例として、燃料電池ユニット42の詳細が説明された。しかしながら、燃料電池ユニット42は本実施形態に限定されない。本実施形態において、燃料電池ユニット42は、燃料供給ユニット312、酸化剤供給ユニット314及び温度調整媒体供給ユニット316の少なくとも1つを含んでよい。
本実施形態においては、燃料電池ユニット42がパッケージ化されたユニットである場合を例として、電源システム40の詳細が説明された。しかしながら、電源システム40は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、燃料電池システム242がパッケージ化されたユニットであってもよい。さらに他の実施形態において、電源システム40がパッケージ化されたユニットであってもよい。
この場合において、一実施形態によれば、保管装置120に備えられた複数の保管容器122のうち、一の保管容器122に収容される燃料電池ユニット42のユニット構成と、他の保管容器122に収容される燃料電池ユニット42のユニット構成とが異なる。また、他の実施形態によれば、単一の保管装置120に、ユニット構成の異なる複数の燃料電池ユニット42が収容される。
例えば、一方の燃料電池ユニット42は、燃料供給ユニット312、酸化剤供給ユニット314及び温度調整媒体供給ユニット316の少なくとも1つを含み、他方の燃料電池ユニット42は、燃料供給ユニット312、酸化剤供給ユニット314及び温度調整媒体供給ユニット316を含まない。例えば、一方の燃料電池ユニット42は、酸化剤供給ユニット314を含み、他方の燃料電池ユニット42は、酸化剤供給ユニット314を含まない。
本実施形態においては、燃料電池ユニット42が、燃料電池システム242に対して着脱自在に構成される場合を例として、電源システム40の詳細が説明された。しかしながら、電源システム40は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、燃料電池システム242が、電源システム40に対して着脱自在に構成されてよい。さらに他の実施形態において、電源システム40が、車両20に対して着脱自在に構成されてよい。
酸化剤供給ユニット314は、第1酸化剤供給部の一例であってよい。発電部340は、燃料電池の一例であってよい。配管344は、酸化剤供給路の一例であってよい。発電用ユーティリティコネクタ326は、酸化剤用接続部の一例であってよい。複数の保管容器122は、第1保管部及び第2保管部の一例であってよい。
図4は、発電用ユーティリティコネクタ326の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、発電用ユーティリティコネクタ326は、本体420と、プラグ436と、プラグ446と、プラグ456と、プラグ466と、プラグ476と、プラグ486とを備える。
本実施形態において、本体420は、適度な剛性を有するものであればよく、その詳細は特に限定されない。なお、本実施形態においては、単一の本体420に、プラグ436、プラグ446、プラグ456、プラグ466、プラグ476及びプラグ486が配される場合を例として、本体420の詳細が説明される。しかしながら、本体420は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、発電用ユーティリティコネクタ326が、複数の本体420を有し、プラグ436、プラグ446、プラグ456、プラグ466、プラグ476及びプラグ486が、複数の本体420に分散して配されてもよい。
本実施形態において、プラグ436は、本体420の一方の面に形成された凹部438の内部に配される。これにより、プラグ436の破損が抑制される。
本実施形態において、プラグ436は、燃料電池ユニット42の内部に配された配管434と、燃料電池ユニット42の外部に配された燃料用の配管とを接続する。本実施形態において、配管434は、燃料電池ユニット42の内部に配され、発電部340に燃料を供給する。これにより、例えば、燃料電池ユニット42が電源システム40に取り付けられた状態において、酸化剤供給ユニット314は、発電部340に燃料を供給することができる。
本実施形態において、プラグ446は、本体420の一方の面に形成された凹部448の内部に配される。これにより、プラグ446の破損が抑制される。
本実施形態において、プラグ446は、燃料電池ユニット42の内部に配された配管444と、燃料電池ユニット42の外部に配された酸化剤の配管とを接続する。本実施形態において、配管444は、燃料電池ユニット42の内部に配され、発電部340に酸化剤を供給する。これにより、例えば、燃料電池ユニット42が電源システム40に取り付けられた状態において、燃料供給ユニット312は、発電部340に酸化剤を供給することができる。
本実施形態において、プラグ456は、本体420の一方の面に形成された凹部458の内部に配される。これにより、プラグ456の破損が抑制される。
本実施形態において、プラグ456は、燃料電池ユニット42の内部に配された配管454と、燃料電池ユニット42の外部に配された温度調整媒体の供給用の配管とを接続する。本実施形態において、配管454は、燃料電池ユニット42の内部に配され、発電部340に温度調整媒体を供給する。これにより、例えば、燃料電池ユニット42が電源システム40に取り付けられた状態において、温度調整媒体供給ユニット316は、発電部340に温度調整媒体を供給することができる。
本実施形態において、プラグ466は、本体420の一方の面に形成された凹部468の内部に配される。これにより、プラグ466の破損が抑制される。
本実施形態において、プラグ466は、燃料電池ユニット42の内部に配された配管464と、燃料電池ユニット42の外部に配された温度調整媒体の回収用の配管とを接続する。本実施形態において、配管464は、燃料電池ユニット42の内部に配され、熱交換後の温度調整媒体を排出する。これにより、例えば、燃料電池ユニット42が電源システム40に取り付けられた状態において、温度調整媒体供給ユニット316は、発電部340から温度調整媒体を回収することができる。
本実施形態において、プラグ476は、本体420の一方の面に形成された凹部478の内部に配される。これにより、プラグ476の破損が抑制される。
本実施形態において、プラグ476は、燃料電池ユニット42の内部に配された配管474と、燃料電池ユニット42の外部に配された排ガス用の配管とを接続する。本実施形態において、配管464は、燃料電池ユニット42の内部に配され、発電部340からの排ガスを排出する。これにより、例えば、燃料電池ユニット42が電源システム40に取り付けられた状態において、発電部340は、排ガスを燃料電池ユニット42の外部に排出することができる。
本実施形態において、プラグ486は、本体420の一方の面に形成された凹部488の内部に配される。これにより、プラグ486の破損が抑制される。
本実施形態において、プラグ486は、燃料電池ユニット42の内部に配された配管484と、燃料電池ユニット42の外部に配された排水用の配管とを接続する。本実施形態において、配管464は、燃料電池ユニット42の内部に配され、発電部340からの排水を排出する。これにより、例えば、燃料電池ユニット42が電源システム40に取り付けられた状態において、発電部340は、排水を燃料電池ユニット42の外部に排出することができる。
配管444は、酸化剤供給路の一例であってよい。プラグ446は、酸化剤用接続部の一例であってよい。
なお、本実施形態においては、発電用ユーティリティコネクタ326が、プラグ436、プラグ446、プラグ456、プラグ466、プラグ476、及び、プラグ486を備える場合を例として、発電用ユーティリティコネクタ326の詳細が説明された。しかしながら、発電用ユーティリティコネクタ326は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、プラグ436、プラグ446、プラグ456、プラグ466、プラグ476、及び、プラグ486の少なくとも1つは、ソケットであってもよく、他の種類の配管継手であってもよい。
図5は、保管装置120の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、保管装置120は、1以上の保管容器122と、保管環境調整部124とを備える。本実施形態において、保管環境調整部124は、1以上の支持部510と、通信部522と、水素ボンベ532と、コンプレッサ534と、窒素ボンベ542と、温度調整部544と、湿度調整部546と、貯水槽552と、凝縮器554と、制御部560と、電源570とを有する。本実施形態において、電源570は、蓄電部574と、電力変換部576とを含んでよい。
本実施形態において、1以上の支持部510のそれぞれは、1以上の保管容器122のそれぞれを支持する。支持部510による保管容器122の支持態様は特に限定されない。保管容器122及び支持部510の接触部分は、適切な封止剤又は封止材料により封止されてよい。これにより、保管容器122及び支持部510は、電源システム40から取り外された燃料電池ユニット42を密封して収容することができる。
なお、本実施形態においては、単一の支持部510が、単一の保管容器122を支持する場合を例として、支持部510の詳細が説明される。しかしながら、支持部510は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、単一の支持部510が、複数の保管容器122を支持してもよい。支持部510の詳細は後述される。
本実施形態において、通信部522は、外部の情報処理装置との間で情報を送受する。例えば、通信部522は、車両20及び管理サーバ140の少なくとも一方との間で情報を送受する。通信部522は、制御部560から受け取った情報を、車両20及び管理サーバ140の少なくとも一方に送信してよい。通信部522は、車両20及び管理サーバ140の少なくとも一方から受信した情報を、制御部560に出力してよい。通信部522は、1又は複数の通信方式に対応してよい。
通信部522は、保管容器122の内部に収容されている燃料電池ユニット42との間で情報を送受してよい。通信部522は、燃料電池ユニット42の通信コネクタ322と有線接続されてもよく、無線接続されてもよい。
本実施形態において、水素ボンベ532は、水素を貯蔵する。水素ボンベ532は、支持部510を介して、電源システム40から取り外されて保管容器122に保管されている燃料電池ユニット42の発電部340に、燃料としての水素を供給する。
本実施形態において、コンプレッサ534は、任意の圧力の圧縮空気を発生させる。コンプレッサ534は、支持部510を介して、電源システム40から取り外されて保管容器122に保管されている燃料電池ユニット42の発電部340に、酸化剤としての空気を供給する。
本実施形態において、窒素ボンベ542は、窒素ガスを貯蔵する。窒素ガスは、発電部340の内部に残存する空気又は水素と置換されるパージガスとして利用される。窒素ガスは、配管434の内部に残存する水素と置換されるパージガスとして利用される。窒素ガスは、配管444の内部に残存する空気と置換されるパージガスとして利用される。窒素ボンベ542は、例えば、支持部510を介して、電源システム40から取り外されて保管容器122に保管されている燃料電池ユニット42の発電部340に、パージガスとしての窒素を供給する。
窒素ガスは、保管容器122の内部の環境の調整に利用されてもよい。具体的には、窒素ガスは、保管容器122の内部に残存する空気又は水素と置換されるパージガスとして利用される。窒素ボンベ542は、例えば、支持部510を介して、1以上の保管容器122の少なくとも1つの内部に、パージガスとしての窒素を供給する。窒素ボンベ542から排出された窒素は、保管容器122に供給される前に、温度及び湿度の少なくとも一方が調整されてよい。
本実施形態において、温度調整部544は、1以上の保管容器122のそれぞれに供給される窒素の温度を調整する。温度調整部544は、1以上の保管容器122のそれぞれに供給される窒素の温度を、それぞれ独立に調整してよい。
本実施形態において、温度調整部544は、例えば、支持部510を介して、電源システム40から取り外されて保管容器122に保管されている燃料電池ユニット42の発電部340に、発電部340の温度を調整するための温度調整媒体を供給してよい。また、温度調整部544は、熱交換器(図示されていない。)などを利用して、上記の温度調整媒体の温度を調整してよい。
本実施形態において、湿度調整部546は、1以上の保管容器122のそれぞれに供給される窒素の湿度を調整する。温度調整部544は、1以上の保管容器122のそれぞれに供給される窒素の湿度を、それぞれ独立に調整してよい。
湿度調整部546は、貯水槽552に貯留された水を利用して、窒素の湿度を調整してよい。一実施形態において、湿度調整部546は、貯水槽552から一定量の水を受け取る。湿度調整部546は、上記の水を加熱して、水蒸気を発生させる。湿度調整部546は、発生した水蒸気と、窒素ボンベ542から保管容器122に供給される窒素とを混合する。これにより、保管容器122に供給される窒素の湿度が調整され得る。他の実施形態において、湿度調整部546は、窒素ボンベ542から保管容器122に供給される窒素の少なくとも一部を、貯水槽552に貯留されている水の中を通過させる。これにより、保管容器122に供給される窒素の湿度が調整され得る。
本実施形態において、貯水槽552は、発電部340から排出された水を貯留する。一実施形態において、貯水槽552は、発電部340から排出された排水を貯留する。他の実施形態において、貯水槽552は、発電部340から排出された排ガス中に含まれる水の一部を貯留する。具体的には、発電部340から排出された排ガスが凝縮器554を通過する間に、排ガス中に含まれる水蒸気及び飛沫状の水の一部が凝縮して、液体の水が発生する。貯水槽552は、凝縮器554において得られた水を貯留する。
本実施形態において、制御部560は、保管環境調整部124の各部の動作を制御する。これにより、保管装置120が保管している燃料電池ユニット42の内部環境及びが調整される。また、1以上の保管容器122のそれぞれの内部環境が調整される。
具体的には、制御部560は、水素ボンベ532から、保管容器122が保管している1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれに水素を供給するタイミングを制御してよい。制御部560は、上記の水素の供給量を制御してよい。
制御部560は、コンプレッサ534から、保管容器122が保管している1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれに空気を供給するタイミングを制御してよい。制御部560は、上記の空気の供給量を制御してよい。
制御部560は、窒素ボンベ542から、保管容器122が保管している1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれに窒素を供給するタイミングを制御してよい。制御部560は、上記の窒素の供給量を制御してよい。制御部560は、間欠的に窒素を供給してもよく、連続的に窒素を供給してもよい。
例えば、制御部560は、定期的に、燃料電池ユニット42に窒素を供給して、燃料電池ユニット42の酸化剤供給路及び燃料供給路の少なくとも一方の内部に残存する酸素をパージする。制御部560は、定期的に、燃料電池ユニット42に、通常のパージよりも大きな流量で窒素を供給して、燃料電池ユニット42の内部に蓄積したゴミをフラッシングしてもよい。制御部560は、窒素の温度及び湿度の少なくとも一方を制御してよい。
制御部560は、窒素ボンベ542から、1以上の保管容器122のそれぞれの内部に窒素を供給するタイミングを制御してよい。制御部560は、上記の窒素の供給量を制御してよい。制御部560は、間欠的に窒素を供給してもよく、連続的に窒素を供給してもよい。制御部560は、窒素の温度及び湿度の少なくとも一方を制御してよい。
制御部560は、温度調整部544が温度調整媒体を循環させるタイミングを制御してよい。制御部560は、上記の温度調整媒体の循環量を制御してよい。制御部560は、上記の温度調整媒体の供給温度を制御してよい。
本実施形態において、制御部560は、保管装置120が保管している1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの動作を制御してよい。一実施形態において、制御部560は、特定のタイミングにおいて、保管装置120が保管している1以上の燃料電池ユニット42の少なくとも1つを稼働させることを決定する。制御部560は、少なくとも1つの燃料電池ユニット42のそれぞれの発電量を決定してよい。制御部560は、少なくとも1つの燃料電池ユニット42のそれぞれの発電モードを決定してよい。
例えば、制御部560は、燃料電池ユニット42をアイドル発電モードで稼働させることを決定する。制御部560は、燃料電池ユニット42を劣化抑制モードで稼働させることを決定してもよい。劣化抑制モードにおいて、燃料電池ユニット42は、例えば、アイドル発電モードと比較して、燃料電池スタックの劣化が抑制される運転条件で発電する。
制御部560は、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれを定期的に稼働させることを決定してよい。制御部560は、特定の燃料電池ユニット42を稼働させるか否か、当該特定の燃料電池ユニット42の発電量、及び、当該特定の燃料電池ユニット42の発電モードの少なくとも1つを、当該特定の燃料電池ユニット42の内部環境及び周辺環境の少なくとも一方の状態に基づいて決定してもよい。
本実施形態において、電源570は、保管環境調整部124の各部に電力を供給する。電源570は、保管装置120が保管している1以上の燃料電池ユニット42の少なくとも1つに電力を供給してもよい。例えば、電源570は、燃料電池ユニット42の起動時に、燃料電池ユニット42に電力を供給する。
本実施形態において、蓄電部574は、電力を蓄積する。一実施形態において、蓄電部574は、外部電源(例えば、電力系統である。)から受領した電力を蓄積する。他の実施形態において、蓄電部574は、保管装置120が保管している1以上の燃料電池ユニット42の少なくとも1つが発生させた電力を蓄積する。
本実施形態において、電力変換部576は、電力を変換する。電力変換部576は、電力変換部246と同様の構成を有してよい。
本実施形態によれば、保管容器122及び支持部510が、電源システム40から取り外された燃料電池ユニット42を密封して収容する。また、保管容器122の内部の環境は、保管容器122の外部の環境とは異なる状態に維持され得る。これにより、保管容器122の内部に保管されている燃料電池ユニット42の劣化の進行が抑制され得る。さらに、本実施形態によれば、燃料電池ユニット42が保管容器122の内部に収容された状態で、燃料電池ユニット42の内部にパージガスが注入されたり、燃料電池ユニット42が微量の電気を発生させたりする。これにより、燃料電池ユニット42の劣化の進行がさらに抑制され得る。
水素ボンベ532は、燃料貯蔵部の一例であってよい。コンプレッサ534は、第2酸化剤供給部の一例であってよい。窒素ボンベ542は、パージガス貯蔵部の一例であってよい。電源570は、電源の一例であってよい。水素は、燃料の一例であってよい。空気は、酸化剤の一例であってよい。窒素は、パージガスの一例であってよい。
図6は、支持部510の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、支持部510は、本体600と、1以上の給気ノズル622と、1以上の排気ノズル623と、1以上のセンサ626とを備える。本実施形態において、支持部510は、本体600の一方の面の側に、ソケット632と、ソケット642と、ソケット652と、ソケット662と、ソケット672と、ソケット682とを備える。
本実施形態において、本体600は、適度な剛性を有するものであればよく、その詳細は特に限定されない。本体600と、給気ノズル622、排気ノズル623、ソケット632、ソケット642、ソケット652、ソケット662、ソケット672、及び、ソケット682のそれぞれとの接続部分は、適切な封止剤又は封止材料により封止されてよい。これにより、保管容器122及び支持部510は、燃料電池ユニット42の各種の配管及び配線と、保管装置120の対応する配管及び配線とが接続された状態で、燃料電池ユニット42を密封して収容することができる。
なお、本実施形態においては、単一の本体600に、給気ノズル622、排気ノズル623、ソケット632、ソケット642、ソケット652、ソケット662、ソケット672、及び、ソケット682が配される場合を例として、本体600の詳細が説明される。しかしながら、本体600は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、支持部510が、複数の本体600を有し、給気ノズル622、排気ノズル623、ソケット632、ソケット642、ソケット652、ソケット662、ソケット672、及び、ソケット682が、複数の本体600に分散して配されてもよい。
本実施形態によれば、本体600の外縁部において、保管容器122の底部と接触する領域の一部に、凹部610が形成される。凹部610には、封止部材612が配される。封止部材612は、例えば、Oリングであってよい。これにより、保管容器122及び支持部510は、電源システム40から取り外された燃料電池ユニット42を密封して収容することができる。なお、各ソケットと、本体600とが接触する領域にも、適切な封止部材が配されてよい。また、本体600の内部に配された各配管の周囲にも、適切な封止部材が配されてよい。
本実施形態において、1以上の給気ノズル622のそれぞれは、保管容器122の内部に窒素を供給する。上記の窒素は、温度、湿度、酸素濃度、水素濃度及び微粒子濃度の少なくとも1つが所定の範囲に調整されていてよい。1以上の給気ノズル622のそれぞれは、配管620を介して、窒素ボンベ542と接続されてよい。1以上の給気ノズル622のそれぞれと、窒素ボンベ542との間に、流量調整弁621が配されてよい。流量調整弁621は、制御部560からの命令に基づいて動作してよい。本実施形態において、1以上の排気ノズル623は、配管624を介して、保管容器122の内部の気体を、保管容器122の外部に排出する。
本実施形態において、1以上のセンサ626は、保管容器122の内部環境の状態を検出する。内部環境の状態としては、温度、湿度、酸素濃度、水素濃度、微粒子濃度などが例示される。1以上のセンサ626の検出結果を示す情報は、信号ケーブル627を介して、制御部560に出力される。
本実施形態において、ソケット632は、燃料電池ユニット42が保管容器122に保管されるときに、プラグ436と接続される。ソケット632は、配管630を介して、水素ボンベ532と接続されてよい。これにより、配管630及びソケット632を介して、水素ボンベ532から発電部340に水素が供給される。配管630の一端はソケット632と接続され、他端は水素ボンベ532と接続される。ソケット632及び水素ボンベ532の間に、流量調整弁631が配されてよい。流量調整弁631は、配管434及び配管630の連通状態を調整することで、発電部340に供給される水素の流量を調整してよい。流量調整弁631は、制御部560からの命令に基づいて動作してよい。
本実施形態において、ソケット632は、配管690を介して、窒素ボンベ542と接続される。これにより、配管690及びソケット632を介して、窒素ボンベ542から発電部340に窒素が供給される。配管690の一端は、例えば、配管630の一部に接続される。配管690の他端は、窒素ボンベ542と接続される。配管690及び配管630の接続部と、窒素ボンベ542との間に、逆止弁692及び流量調整弁694が配されてよい。流量調整弁694は、配管434及び配管690の連通状態を調整することで、発電部340に供給される窒素の流量を調整してよい。流量調整弁694は、制御部560からの命令に基づいて動作してよい。
本実施形態において、ソケット642は、燃料電池ユニット42が保管容器122に保管されるときに、プラグ446と接続される。ソケット642は、配管640を介して、コンプレッサ534と接続されてよい。これにより、配管640及びソケット642を介して、コンプレッサ534から発電部340に空気が供給される。配管640の一端にはソケット642が配され、他端にはコンプレッサ534が配される。ソケット642及びコンプレッサ534の間に、流量調整弁641が配されてよい。流量調整弁641は、配管444及び配管640の連通状態を調整することで、発電部340に供給される空気の流量を調整してよい。流量調整弁641は、制御部560からの命令に基づいて動作してよい。
本実施形態において、ソケット642は、配管690を介して、窒素ボンベ542と接続される。これにより、配管690及びソケット642を介して、窒素ボンベ542から発電部340に窒素が供給される。配管690の一端は、例えば、配管640の一部に接続される。配管690の他端は、窒素ボンベ542と接続される。配管690及び配管640の接続部と、窒素ボンベ542との間に、逆止弁696及び流量調整弁698が配されてよい。流量調整弁698は、配管444及び配管690の連通状態を調整することで、発電部340に供給される窒素の流量を調整してよい。流量調整弁698は、制御部560からの命令に基づいて動作してよい。
本実施形態において、ソケット652は、配管650を介して、温度調整部544と接続される。これにより、配管650及びソケット652を介して、発電部340に温度調整媒体が供給される。
本実施形態において、ソケット662は、配管664を介して、温度調整部544と接続される。これにより、ソケット662及び配管664を介して、発電部340から温度調整媒体が排出される。
本実施形態において、ソケット672は、配管674を介して、凝縮器554と接続される。これにより、ソケット672及び配管674を介して、発電部340から排気ガスが排出される。
本実施形態において、ソケット682は、配管684を介して、貯水槽552と接続される。これにより、ソケット682及び配管684を介して、発電部340から排水が排出される。
本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、支持部510が電力ケーブル用の接続部材、及び、通信ケーブル用の接続部材を有しない場合を例として、支持部510の詳細が説明された。しかしながら、支持部510は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、支持部510は、電力ケーブル用の接続部材、及び、通信ケーブル用の接続部材の少なくとも一方を有してよい。
例えば、支持部510は、保管環境調整部124の電源570と、燃料電池ユニット42の電力コネクタ324とを電気的に接続するための接続部材を有する。例えば、支持部510は、電力コネクタ324に結合可能なソケットと、当該ソケット及び電源570を電気的に接続する電力ケーブルとを有する。なお、上述されたとおり、電力コネクタ324は無線給電機器を有し得る。この場合、保管環境調整部124が無線給電機器を有していれば、支持部510は、上記の接続部材を有していなくてもよい。
例えば、支持部510は、保管環境調整部124の通信部522と、燃料電池ユニット42の通信コネクタ322との間の通信を確立するための接続部材を有する。例えば、支持部510は、通信コネクタ322に結合可能なソケットと、当該ソケット及び通信部522とを接続する通信ケーブルとを有する。なお、上述のとおり、通信コネクタ322は無線通信機器を有し得る。この場合、支持部510は、上記の接続部材を有していなくてもよい。
配管640は、酸化剤配管の一例であってよい。流量調整弁641は、第2調整部の一例であってよい。ソケット642は、酸化剤配管の一例であってよい。配管690は、パージガス配管の一例であってよい。流量調整弁694は、パージガス流量調整部の一例であってよい。流量調整弁698は、パージガス流量調整部及び第1調整部の一例であってよい。
図7は、管理サーバ140のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、管理サーバ140は、履歴情報取得部720と、残価算出部730と、保管状態管理部740と、電池情報格納部750とを備える。
本実施形態において、履歴情報取得部720は、燃料電池ユニット42に関する各種の履歴情報を取得する。履歴情報取得部720は、取得された履歴情報を、電池情報格納部750に格納してよい。
一実施形態において、履歴情報取得部720は、車両20の通信部226を介して、燃料電池ユニット42が電源システム40に取り付けられている期間における、燃料電池ユニット42の稼働履歴を示す情報を取得する。履歴情報取得部720は、車両20の通信部226を介して、燃料電池ユニット42が電源システム40に取り付けられている期間における、燃料電池ユニット42の周辺環境の状態の変動履歴を示す情報を取得する。
他の実施形態において、履歴情報取得部720は、保管装置120の通信部522を介して、燃料電池ユニット42が保管装置120に保管されている期間における、燃料電池ユニット42の稼働履歴を示す情報を取得する。履歴情報取得部720は、保管装置120の通信部522を介して、燃料電池ユニット42が保管装置120に保管されている期間における、燃料電池ユニット42の周辺環境の状態の変動履歴を示す情報を取得する。
さらに他の実施形態において、履歴情報取得部720は、保管装置120に保管されていた燃料電池ユニット42が電源システム40に取り付けられた後、車両20の通信部226を介して、燃料電池ユニット42が保管装置120に保管されていた期間における、燃料電池ユニット42の稼働履歴を示す情報を取得する。履歴情報取得部720は、保管装置120に保管されていた燃料電池ユニット42が電源システム40に取り付けられた後、車両20の通信部226を介して、燃料電池ユニット42が保管装置120に保管されていた期間における、燃料電池ユニット42の周辺環境の状態の変動履歴を示す情報を取得する。
本実施形態において、残価算出部730は、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの価値を評価する。残価算出部730は、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの価値に関する評価結果(残価と称される場合がある。)を、電池情報格納部750に格納してよい。
一実施形態において、残価算出部730は、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれについて、現在の発電性能を示す情報を取得する。1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの発電性能を示す情報は、例えば、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれを、発電性能を評価するための評価モードで稼働させることにより取得され得る。残価算出部730は、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの発電性能に基づいて、各燃料電池ユニットの残価を算出してもよい。残価算出部730は、例えば、燃料電池ユニット42の発電性能を示す1以上の変数を説明変数とし、燃料電池ユニット42の残価を目的変数とするテーブル、関数又はモデルを用いて、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの残価を算出する。
他の実施形態において、残価算出部730は、履歴情報取得部720が取得した履歴情報に基づいて、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの残価を算出してもよい。残価算出部730は、例えば、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの稼働履歴、及び、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの周辺環境の状態の変動履歴の少なくとも一方に基づいて、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの残価を算出してよい。残価算出部730は、例えば、燃料電池ユニット42に関する1種類以上の履歴情報を説明変数とし、燃料電池ユニット42の残価を目的変数とするテーブル、関数又はモデルを用いて、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの残価を算出する。
本実施形態において、保管状態管理部740は、保管装置120が保管している1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれの保管状態を管理する。例えば、保管状態管理部740は、残価算出部730が算出した燃料電池ユニット42の残価に基づいて、燃料電池ユニット42の保管態様を決定する。
一実施形態において、保管状態管理部740は、特定の燃料電池ユニット42の残価に基づいて、当該特定の燃料電池ユニット42の内部のパージ処理及びフラッシング処理の少なくとも一方を実施するか否か、当該特定の燃料電池ユニット42を保管する保管容器122の内部のパージ処理及びフラッシング処理の少なくとも一方を実施するか否か、上記のパージ処理及びフラッシング処理の頻度、並びに、上記のパージ処理及びフラッシング処理の強度の少なくとも1つを決定してよい。他の実施形態において、保管状態管理部740は、特定の燃料電池ユニット42の残価に基づいて、当該特定の燃料電池ユニット42を稼働させるか否か、当該特定の燃料電池ユニット42の発電量、及び、当該特定の燃料電池ユニット42の発電モードの少なくとも1つを決定してよい。保管状態管理部740は、特定の燃料電池ユニット42の残価に基づいて、当該特定の燃料電池ユニット42の稼働頻度を決定してもよい。
他の実施形態において、保管状態管理部740は、残価算出部730による燃料電池ユニット42の評価が予め定められた基準よりも低い場合、燃料電池ユニット42を稼働して電力を発生させることを決定する。保管状態管理部740は、上記の燃料電池ユニット42について、劣化の進行を抑制するための処理を実施しないことを決定してもよい。上記の燃料電池ユニット42が発生させた電力は、保管装置120、又は、保管装置120に保管されている他の燃料電池ユニット42により利用されてよい。
さらに他の実施形態において、保管状態管理部740は、保管装置120が保管している複数の燃料電池ユニット42のうち、残価算出部730による評価が予め定められた条件を満足する燃料電池ユニット42について、当該燃料電池ユニットを稼働して電力を発生させることを決定する。予め定められた条件は、最も評価が低いという条件であってよい。保管状態管理部740は、上記の燃料電池ユニット42について、劣化の進行を抑制するための処理を実施しないことを決定してもよい。上記の燃料電池ユニット42が発生させた電力は、保管装置120、又は、保管装置120に保管されている他の燃料電池ユニット42により利用されてよい。
本実施形態において、電池情報格納部750は、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれに関する各種の情報を格納する。例えば、電池情報格納部750は、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれについて、履歴情報取得部720が取得した各種の履歴情報を格納する。電池情報格納部750は、1以上の燃料電池ユニット42のそれぞれについて、残価算出部730が算出した残価を格納してもよい。
履歴情報取得部720は、環境情報取得部の一例であってよい。残価算出部730は、価値評価部の一例であってよい。保管状態管理部740は、保管態様決定部の一例であってよい。
図8は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ3000の一例を示す。車両20の一部は、コンピュータ3000により実現されてよい。例えば、車両制御部224、電力制御部248、及び、FC制御部330の少なくとも1つは、コンピュータ3000により実現される。保管装置120の一部は、コンピュータ3000により実現されてよい。例えば、制御部560は、コンピュータ3000により実現される。管理サーバ140の一部は、コンピュータ3000により実現されてよい。
コンピュータ3000にインストールされたプログラムは、コンピュータ3000に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該装置の1又は複数の「部」として機能させ、又は当該オペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ3000に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ3000に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU3012によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ3000は、CPU3012、RAM3014、グラフィックコントローラ3016、及びディスプレイデバイス3018を含み、それらはホストコントローラ3010によって相互に接続されている。コンピュータ3000はまた、通信インターフェース3022、ハードディスクドライブ3024、DVD−ROMドライブ3026、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ3020を介してホストコントローラ3010に接続されている。コンピュータはまた、ROM3030及びキーボード3042のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ3040を介して入出力コントローラ3020に接続されている。
CPU3012は、ROM3030及びRAM3014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ3016は、RAM3014内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU3012によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス3018上に表示されるようにする。
通信インターフェース3022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ3024は、コンピュータ3000内のCPU3012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD−ROMドライブ3026は、プログラム又はデータをDVD−ROM3001から読み取り、ハードディスクドライブ3024にRAM3014を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
ROM3030はその中に、アクティブ化時にコンピュータ3000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ3000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ3040はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ3020に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM3001又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ3024、RAM3014、又はROM3030にインストールされ、CPU3012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ3000に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ3000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ3000及び外部デバイス間で実行される場合、CPU3012は、RAM3014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース3022に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース3022は、CPU3012の制御の下、RAM3014、ハードディスクドライブ3024、DVD−ROM3001、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
また、CPU3012は、ハードディスクドライブ3024、DVD−ROMドライブ3026(DVD−ROM3001)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM3014に読み取られるようにし、RAM3014上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU3012は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU3012は、RAM3014から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM3014に対しライトバックする。また、CPU3012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU3012は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ3000上又はコンピュータ3000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それにより、上記のプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ3000に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。また、各構成要素は、名称が同一で、参照符号が異なる他の構成要素と同様の特徴を有してもよい。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。