JP6186989B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
制御手段は、燃料電池への酸化剤ガス流量に対応する燃料電池の電気エネルギーにおける出力電圧及び出力電流の相関関係に基づき、燃料電池に送られる酸化剤ガスの流量に対応する電気エネルギーに対する目標出力電圧に対応する出力電流を算出し、算出した出力電流及び目標出力電圧で燃料電池に電気エネルギーを出力させてもよい。
制御手段は、目標出力電圧を設定する際に、燃料電池に供給する目標酸化剤ガス流量を設定し、目標酸化剤ガス流量に対応する電気エネルギーにおける出力電圧及び出力電流の相関関係に基づき、目標出力電圧を、出力電流を伴う出力電圧から設定してもよい。
酸化剤ガス流量検出手段は、酸化剤ガスポンプの回転数を検知して、燃料電池への酸化剤ガス流量を検出してもよい。
実施の形態
まず、この発明の実施の形態に係る燃料電池システム101及びその周辺の概略的な構成を説明する。なお、本実施の形態では、燃料電池システム101は、車両、特にフォークリフト1に搭載されるものとして説明する。
そして、走行モータ2、荷役モータ3及び補機7は、燃料電池システム101が備える燃料電池10(図2参照)が生成する電力を使用して動作する。なお、燃料電池10は、多数の高分子型の単セルが積層されたスタック構造を有しており、各セルにおいて供給される水素及び酸素を電気化学反応させることによって、高い出力の電力(電気エネルギー)を生成することができる。
コンプレッサ12は、モータ12aを一体に備え、このモータ12aによって駆動される電動式の構成を有している。コンプレッサ12からは空気供給管16が延び、空気供給管16は、燃料電池10のカソード側に接続している。これにより、燃料電池10の各セルのカソードには、コンプレッサ12によって圧縮された空気が供給される。
ここで、水素ガス及び空気はそれぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスを構成している。さらに、水素ガスタンク11は燃料ガス供給源を構成し、コンプレッサ12は酸化剤ガス供給源を構成し、燃料電池ECU13は制御手段を構成している。
なお、気液分離器21は、水素を含むガス中の燃料電池10内の反応で生成した水(反応生成水)を分離するものである。
そして、排気管18の途中には、希釈器20及びマフラー22が上流から下流に向かって設けられている。なお、希釈器20へは気液分離器21から図示しないバルブを有する管路が延びており、気液分離器21からのアノード側の排気は、カソード側から排気管18に排出される空気を多く含む排気によって希釈されて、外部に排出される。
ここで、回転数センサ12cは、酸化剤ガス流量検出手段を構成している。
燃料電池システム101は、燃料電池10の他に、燃料電池10が生成した電力を昇圧又は降圧するコンバータ(DC−DCコンバータ)31と、燃料電池10が生成した電力を蓄電するための蓄電装置(Liイオンキャパシタ等)32と、インバータ12b及び19bと、燃料電池システム101を稼動させるための燃料電池補機33と、燃料電池ECU13とを備えている。
燃料電池10のアノード及びカソードは、DC−DCコンバータ31に電気的に接続され、燃料電池10が生成した電力がDC−DCコンバータ31に供給されるようになっている。
さらに、DC−DCコンバータ31、蓄電装置32、インバータ12b及び19b、燃料電池補機33、並びに、車両負荷35は、相互に電気的に接続されている。蓄電装置32、インバータ12b及び19b、燃料電池補機33、並びに、車両負荷35には、DC−DCコンバータ31によって昇圧又は降圧された電力が供給されるようになっている。そして、DC−DCコンバータ31は、その動作の制御を受けるように、燃料電池ECU13に電気的に接続されている。
さらに、車両コントローラ30は、燃料電池ECU13との間で指令及び情報を送信及び受信するように構成されている。
また、燃料電池ECU13は、燃料電池補機33の動作を制御し、インバータ12b及び19bの動作を制御するように構成されている。
図1〜図3をあわせて参照すると、フォークリフト1を駆動する走行モータ2、荷役モータ3又は補機7などの車両負荷35を稼動させるために燃料電池10による発電が必要である場合、燃料電池システム101の燃料電池ECU13は、燃料電池10を以下のように通常運転させる。
よって、燃料電池10の通常運転停止状態とは、上述の2つの制御のいずれかが行われている状態のことである。
燃料電池ECU13は、フォークリフト1の図示しない操作部から車両負荷35を稼動させるために燃料電池10の通常運転を開始する指令を受けると、燃料電池10の状態が通常運転停止状態にあるかを判定する。なお、燃料電池ECU13は、通常運転停止状態を、燃料電池10の出力電圧、車両負荷35の状態、水素循環ポンプ19の回転数、水素供給制御弁14aの開閉状態等から、判定する。
そして、燃料電池ECU13には、空気流量F1、F2及びF3のほか各空気流量に対応する相関曲線がマップとして記憶されている。
このとき、燃料電池ECU13は、回転数センサ12cから受信する回転数情報から、コンプレッサ12によって燃料電池10に供給されている実際の空気流量を算出し、算出した空気流量から実際の空気流量を目標空気流量F1とするようにコンプレッサ12の回転数を制御する。また、燃料電池ECU13は、圧力センサ14bから受信する圧力情報から、燃料電池10に供給されている実際の水素ガス流量を算出し、算出した水素ガス流量から実際の水素ガス流量を目標空気流量F1に対応する水素ガス流量とするように水素供給制御弁14aの開放度及び水素循環ポンプ19の回転数を制御する。
燃料電池ECU13は、上述のような制御を行うことによって、通常運転停止状態での燃料電池10から車両負荷35への出力開始の際、コンプレッサ12が十分に回転して目標回転数に達し、燃料電池10に十分な空気が供給されるようになるまで、実際の空気流量に応じた燃料電池10の電気エネルギーの出力を確保しつつ、燃料電池10の電圧を一定に維持して安定化させる。
また、燃料電池10に十分な空気が供給されるようになるまで、DC−DCコンバータ31を作動させずに燃料電池10から電流を引き出さずにいると、電流を引き出す時点までに燃料電池10が高電位になり、燃料電池10のセルの耐久性が低下する。
本願の燃料電池システム101は、上述のような問題も回避することができる。
また、実施の形態の燃料電池システム101では、水素循環ポンプ19は、水素循環管15に設けられていたが、これに限定されるものでない。水素循環管15が設けられない場合、水素循環ポンプ19は、水素供給管14に設けられてもよい。
また、実施の形態では、燃料電池システム101は、フォークリフト等の車両に搭載されるとしていたが、これに限定されるものでなく、燃料電池と、DC−DCコンバータ31のような燃料電池から出力される電気エネルギーの電圧及び電流を制御可能な装置とを備える全てのシステムに搭載することができる。
Claims (6)
- 燃料ガス供給源から供給される燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて電気エネルギーを生成する燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池に酸化剤ガスを送る酸化剤ガスポンプと、
前記燃料電池が生成する電気エネルギーを制御して出力する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記燃料ガス供給源からの燃料ガスの供給が停止した状態の前記燃料電池に対して、通常運転させるための電気エネルギーの出力を開始させる際、
前記燃料電池から出力する電気エネルギーに対して目標出力電圧を設定し、
前記燃料電池に対して、出力電圧を前記目標出力電圧に維持させつつ、前記燃料電池に送られる酸化剤ガスの流量に対応する電気エネルギーを出力させる燃料電池システム。 - 前記燃料電池に送られる酸化剤ガスの流量を検出する酸化剤ガス流量検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記酸化剤ガス流量検出手段による検出値を使用する請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記制御手段は、
前記燃料電池への酸化剤ガス流量に対応する前記燃料電池の電気エネルギーにおける出力電圧及び出力電流の相関関係に基づき、
前記燃料電池に送られる酸化剤ガスの流量に対応する電気エネルギーに対する前記目標出力電圧に対応する出力電流を算出し、
前記算出した出力電流及び前記目標出力電圧で前記燃料電池に電気エネルギーを出力させる請求項1または2に記載の燃料電池システム。 - 前記制御手段は、前記目標出力電圧を設定する際に、前記燃料電池に供給する目標酸化剤ガス流量を設定し、
前記目標酸化剤ガス流量に対応する電気エネルギーにおける出力電圧及び出力電流の相関関係に基づき、前記目標出力電圧を、出力電流を伴う出力電圧から設定する請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。 - 前記制御手段は、前記燃料電池に送られる酸化剤ガスの流量が前記目標酸化剤ガス流量以上になると、目標出力電流を設定し、設定した前記目標出力電流で前記燃料電池に電気エネルギーを出力させる請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記酸化剤ガス流量検出手段は、前記酸化剤ガスポンプの回転数を検知して、前記燃料電池への酸化剤ガス流量を検出する請求項2に記載の燃料電池システム。
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