JP2008130442A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池スタックへの反応ガス供給を制御するインジェクタの異常判定精度を高める。
【解決手段】燃料電池システム10は、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタック20と、燃料電池スタック20への反応ガス供給を制御するインジェクタ34と、複数回の異常判定のそれぞれにおいてインジェクタ34の異常が推定されることを条件として、インジェクタ34の異常判定を確定するコントローラ70とを備える。複数回の異常判定のそれぞれにおいてインジェクタ34の異常が推定されることを条件としてインジェクタ34の異常判定を確定することにより、異常判定精度を高めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池スタックへの反応ガス供給を制御する開閉弁を有する燃料電池システムに関する。
近年、環境問題に対する取り組みの一環として、低公害車の開発が進められており、その中の一つに燃料電池システムを車載電源とする燃料電池車両がある。燃料電池システムは、電解質膜の一方の面にアノード極を配置し、他方の面にカソード極を配置してなる膜−電極接合体に反応ガスを供給することで電気化学反応を起こし、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換システムである。なかでも、固体高分子膜を電解質として用いる固体高分子電解質型燃料電池システムは、低コストでコンパクト化が容易であり、しかも高出力密度を有することから、車載電力源としての用途が期待されている。
燃料電池スタックに供給される燃料ガスの流量及び圧力を高精度に制御するための手段として、例えば、特開2005−302563号公報に示すように、応答性に優れたインジェクタを用いる構成が知られている。同文献には、インジェクタを開弁したときにインジェクタから流れるガスの流量がゼロであるか否かを検出することによって、閉故障の有無を検出する手法についても言及されている。
特開2005−302563号公報
しかし、弁体と弁座との間のシール不良によりシール径が拡大するような構造を有するインジェクタでは、インジェクタを開弁するために必要な開弁力がシール径の拡大に伴い増大するので、かかるシール不良を起こすと、通常の開弁力では開弁できない場合が生じ得る。
このような場合に、1回だけの異常判定の結果に基づいてインジェクタの異常判定を確定するような判定アルゴリズムを採用してしまうと、実際には故障してないにもかかわらず誤判定してしまうので、1回だけの異常判定の結果に基づいてインジェクタの異常判定を確定するのは望ましくない。
そこで、本発明は、燃料電池スタックへの反応ガス供給を制御する開閉弁の異常判定精度を高めることを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係わる燃料電池システムは、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックへの反応ガス供給を制御する開閉弁と、複数回の異常判定のそれぞれにおいて開閉弁の異常が推定されることを条件として開閉弁の異常判定を確定する判定手段とを備える。
複数回の異常判定のそれぞれにおいて開閉弁の異常が推定されることを条件として開閉弁の異常判定を確定することにより、異常判定精度を高めることができる。
判定手段は、異常が生じたものと推定される開閉弁を強制的に復旧させることを試みても、なお復旧しないことを条件として開閉弁の異常判定を確定してもよい。
開閉弁の異常として、閉故障、半開故障、及び全開故障を挙げることができる。閉故障とは、弁が全閉のまま保持される故障を示し、半開故障とは、弁が半開のまま保持される故障を示し、全開故障とは、弁が全開のまま保持される故障を示す。
開閉弁として、例えば、インジェクタが好適である。インジェクタは、応答性に優れているので、燃料電池スタックへの高精度な反応ガス供給制御を実現できる。
本発明によれば、複数回の異常判定のそれぞれにおいて開閉弁の異常が推定されることを条件として、開閉弁の異常判定を確定するので、異常判定精度を高めることができる。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は燃料電池車両の車載電源システムとして機能する燃料電池システム10のシステム構成を示す。
燃料電池システム10は、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて発電する燃料電池スタック20と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池スタック20に供給する燃料ガス配管系30と、酸化ガスとしての空気を燃料電池スタック20に供給する酸化ガス配管系40と、電力の充放電を制御する電力系60と、システム全体を統括制御するコントローラ70と、を備えている。
燃料電池スタック20は、例えば、多数のセルを直列に積層してなる固体高分子電解質型セルスタックである。セルは、イオン交換膜からなる電解質膜の一方の面にカソード極を有し、他方の面にアノード極を有し、更にカソード極及びアノード極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。一方のセパレータの燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、このガス供給により燃料電池スタック20は発電する。
燃料ガス配管系30は、燃料ガス供給源31と、燃料ガス供給源31から燃料電池スタック20のアノード極に供給される燃料ガス(水素ガス)が流れる燃料ガス供給流路35と、燃料電池スタック20から排出される燃料オフガス(水素オフガス)を燃料ガス供給流路35に還流せしめるための循環流路36と、循環流路36内の燃料オフガスを燃料ガス供給流路35に圧送する循環ポンプ37と、循環流路36に分岐接続される排気流路39とを有している。
燃料ガス供給源31は、例えば、高圧水素タンクや水素吸蔵合金などで構成され、例えば、35MPa又は70MPaの水素ガスを貯留する。遮断弁32を開くと、燃料ガス供給源31から燃料ガス供給流路35に水素ガスが流出する。水素ガスは、レギュレータ33やインジェクタ34により、例えば、200kPa程度まで減圧されて、燃料電池スタック20に供給される。
尚、燃料ガス供給源31は、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、から構成してもよい。
レギュレータ33は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置である。本実施形態においては、一次圧を減圧する機械式の減圧弁をレギュレータ33として採用している。機械式の減圧弁の構成としては、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする公知の構成を採用することができる。
インジェクタ34の上流側にレギュレータ33を配置することにより、インジェクタ33の上流側圧力を効果的に低減させることができる。このため、インジェクタ34の機械的構造(弁体、筺体、流路、駆動装置等)の設計自由度を高めることができる。また、インジェクタ34の上流側圧力を低減させることができるので、インジェクタ34の上流側圧力と下流側圧力との差圧の増大に起因してインジェクタ34の弁体が移動し難くなることを抑制することができる。そのため、インジェクタ34の下流側圧力の可変調圧幅を広げることができるとともに、インジェクタ34の応答性の低下を抑制することができる。
インジェクタ34は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることにより、ガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式開閉弁である。インジェクタ34は、燃料ガス供給流路35を開放又は閉鎖するための弁体と、弁体駆動用のソレノイドコイルと、弁体に一体化されてなるアーマチャと、ソレノイドコイルを収容するステータとを有し、ソレノイドコイルへの通電により、アーマチャがステータに吸引されて弁体が所定の開弁位置又は閉弁位置に移動するように構成されている。
本実施形態においては、ソレノイドコイルに給電されるパルス励磁電流のオン/オフにより、インジェクタ34の噴射孔の開口面積を2段階に切り替えることができるようになっている。コントローラ70から出力される噴射指令によってインジェクタ34のガス噴射時間及びガス噴射時期が制御されることにより、燃料ガスの流量及び圧力が高精度に制御される。インジェクタ34は、弁(弁体及び弁座)を電磁駆動力で直接開閉駆動するものであり、その駆動周期が高応答の領域まで制御可能であるため、高い応答性を有する。
インジェクタ34は、その下流に要求されるガス流量を供給するために、インジェクタ34のガス流路に設けられた弁体の開口面積(開度)及び開放時間の少なくとも一方を変更することにより、下流側(燃料電池スタック20側)に供給されるガス流量(又は水素モル濃度)を調整する。
尚、インジェクタ34の弁体の開閉によりガス流量が調整されるとともにインジェクタ34下流に供給されるガス圧力がインジェクタ34上流のガス圧力より減圧されるため、インジェクタ34を調圧弁(減圧弁又はレギュレータ)と解釈することもできる。また、本実施形態では、ガス要求に応じて所定の圧力範囲の中で要求圧力に一致するようにインジェクタ34の上流ガス圧の調圧量(減圧量)を変化させることが可能な可変調圧弁と解釈することもできる。インジェクタ34は、燃料ガス供給流路35の上流側のガス状態(ガス流量、水素モル濃度、ガス圧力)を調整して下流側に供給する可変ガス供給装置として機能する。
燃料ガス供給流路35には、インジェクタ34の上流側圧力(一次圧力)を検出するための一次側圧力センサ81、インジェクタ34の上流側温度を検出するための一次側温度センサ83、インジェクタ34の下流側圧力(二次圧力)を検出するための二次側圧力センサ82がそれぞれ取り付けられている。
循環流路36には、排気弁38を介して、排気流路39が接続されている。排気弁38は、コントローラ70からの指令によって作動することにより、循環流路36内の不純物を含む燃料オフガスと水分を外部に排出する。排気弁38の開弁により、循環流路36内の燃料オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環供給される燃料オフガス中の水素濃度が上がる。
希釈器50には、排気弁38及び排気流路39を介して排出される燃料オフガスと、排出流路45を流れる酸化オフガスとが流入し、燃料オフガスを希釈する。希釈化された燃料オフガスの排出音は、マフラー(消音器)51によって消音され、テールパイプ52を流れて車外に排気される。
酸化ガス配管系40は、燃料電池スタック20のカソード極に供給される酸化ガスが流れる酸化ガス供給流路44と、燃料電池スタック20から排出される酸化オフガスが流れる排出流路45とを有している。
酸化ガス供給流路44には、フィルタ41を介して酸化ガスを取り込むエアコンプレッサ42と、エアコンプレッサ42により圧送される酸化ガスを加湿するための加湿器43とが設けられている。排出流路45には、酸化ガス供給圧を調整するための背圧調整弁46と、加湿器43とが設けられている。
加湿器43は、多数本の水蒸気透過膜(中空糸膜)から成る水蒸気透過膜束(中空糸膜束)を収容している。水蒸気透過膜の内部には、電池反応により生じた水分を多量に含む高湿潤の酸化オフガス(ウェットガス)が流れる一方で、水上透過膜の外部には、大気から取り込まれた低湿潤の酸化ガス(ドライガス)が流れる。酸化ガスと酸化オフガスとの間で水蒸気透過膜を隔てて水分交換が行われることにより、酸化ガスを加湿することができる。
電力系60は、DC/DCコンバータ61、バッテリ62、トラクションインバータ63、トラクションモータ64、及び電流センサ84を有している。
DC/DCコンバータ61は、直流の電圧変換器であり、バッテリ62からの直流電圧を昇圧してトラクションインバータ63に出力する機能と、燃料電池スタック20又はトラクションモータ64からの直流電圧を降圧してバッテリ62に充電する機能と、を有する。DC/DCコンバータ61のこれらの機能により、バッテリ62の充放電が制御される。また、DC/DCコンバータ61による電圧変換制御により、燃料電池スタック20の運転ポイント(出力電圧、出力電流)が制御される。
バッテリ62は、電力の蓄電及び放電が可能な蓄電装置であり、ブレーキ回生時の回生エネルギー貯蔵源、燃料電池車両の加速又は減速に伴う負荷変動時のエネルギーバッファとして機能する。バッテリ62としては、例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウム二次電池等の二次電池が好適である。
トラクションインバータ63は、直流電流を三相交流に変換し、トラクションモータ64に供給する。トラクションモータ64は、例えば、三相交流モータであり、燃料電池車両の動力源を構成する。
電流センサ84は、燃料電池スタック20の出力電流(掃引電流)を検出する。
コントローラ70は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インタフェースを備えるコンピュータシステムであり、燃料電池システム10の各部を制御する。例えば、コントローラ70は、イグニッションスイッチ(図示せず)から出力される起動信号を受信すると、燃料電池システム10の運転を開始し、アクセルセンサ(図示せず)から出力されるアクセル開度信号や、車速センサ(図示せず)から出力される車速信号などを基に、システム全体の要求電力を求める。システム全体の要求電力は、車両走行電力と補機電力との合計値である。
補機電力には、例えば、車載補機類(加湿器、エアコンプレッサ、水素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費される電力、車両走行に必要な装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、及び懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内に配設される装置(空調装置、照明器具、及びオーディオ等)で消費される電力などが含まれる。
そして、コントローラ70は、燃料電池スタック20とバッテリ62の出力電力の配分を決定し、燃料電池スタック20の発電量が目標電力に一致するように、エアコンプレッサ42の回転数やインジェクタ34の弁開度を調整し、燃料電池スタック20への反応ガス供給量を調整するとともに、DC/DCコンバータ61を制御して燃料電池スタック20の出力電圧を調整することにより燃料電池スタック20の運転ポイント(出力電圧、出力電流)を制御する。更に、コントローラ70は、アクセル開度に応じた目標車速が得られるように例えば、スイッチング指令として、U相、V相、及びW相の各交流電圧指令値をトラクションインバータ63に出力し、トラクションモータ64の出力トルク、及び回転数を制御する。
図2はインジェクタ制御に係わる機能ブロックを示している。
コントローラ70は、燃料電池スタック20の運転状態(電流センサ84で検出した燃料電池スタック20の出力電流)に基づいて、燃料電池スタック20で消費される燃料ガスの量(以下、「燃料消費量」という)を算出する(燃料消費量算出機能:B1)。本実施形態においては、燃料電池スタック20の出力電流値と燃料消費量との関係を表す特定の演算式を用いて、コントローラ70の演算周期毎に燃料消費量を算出して更新することとしている。
コントローラ70は、燃料電池スタック20の運転状態(電流センサ84で検出した燃料電池スタック20の発電時の電流値)に基づいて、インジェクタ34下流位置における燃料ガスの目標圧力値(燃料電池スタック20への目標ガス供給圧)を算出する(目標圧力値算出機能:B2)。本実施形態においては、燃料電池スタック20の電流値と目標圧力値との関係を表す特定のマップを用いて、コントローラ70の演算周期毎に、二次側圧力センサ82が配置された位置(圧力調整が要求される位置である圧力調整位置)における目標圧力値を算出して更新することとしている。
コントローラ70は、算出した目標圧力値と、二次側圧力センサ82で検出したインジェクタ34下流位置(圧力調整位置)の圧力値(検出圧力値)との偏差に基づいてフィードバック補正流量を算出する(フィードバック補正流量算出機能:B3)。フィードバック補正流量は、目標圧力値と検出圧力値との偏差を低減させるために燃料消費量に加算される燃料ガス流量(圧力差低減補正流量)である。本実施形態においては、PI型フィードバック制御則を用いて、コントローラ70の演算周期毎にフィードバック補正流量を算出して更新することとしている。
具体的には、コントローラ70は、目標圧力値と検出圧力値との偏差(e)に比例ゲイン(KP)を乗じることにより比例型フィードバック補正流量(比例項:P=KP×e)を算出するとともに、偏差の時間積分値(∫(e)dt)に積分ゲイン(KI)を乗じることにより積分型フィードバック補正流量(積分項:I=KI×∫(e)dt)を算出し、これらを加算した値を含むフィードバック補正流量を算出している。
コントローラ70は、前回算出した目標圧力値と、今回算出した目標圧力値との偏差に対応するフィードフォワード補正流量を算出する(フィードフォワード補正流量算出機能:B4)。フィードフォワード補正流量は、目標圧力値の変動に起因する燃料ガス流量の変動分(圧力差対応補正流量)である。本実施形態においては、目標圧力値の偏差とフィードフォワード補正流量との関係を表す特定の演算式を用いて、コントローラ70の演算周期毎にフィードフォワード補正流量を算出して更新することとしている。
コントローラ70は、インジェクタ34の上流側のガス状態(一次側圧力センサ81で検出した燃料ガスの圧力、及び一次側温度センサ83で検出した燃料ガスの温度)に基づいてインジェクタ34の上流側の静的流量を算出する(静的流量算出機能:B5)。本実施形態においては、インジェクタ34の上流側の燃料ガスの圧力及び温度と静的流量との関係を表す特定の演算式を用いて、コントローラ70の演算周期毎に静的流量を算出して更新することとしている。
コントローラ70は、インジェクタ34の上流側ガス状態(燃料ガスの圧力及び温度)及び印加電圧に基づいて、インジェクタ34の無効噴射時間を算出する(無効噴射時間算出機能:B6)。ここで、無効噴射時間とは、インジェクタ34がコントローラ70から制御信号を受けてから実際に噴射を開始するまでに要する時間を意味する。本実施形態においては、インジェクタ34の上流側の燃料ガスの圧力及び温度と印加電圧と無効噴射時間との関係を表す特定のマップを用いて、コントローラ70の演算周期毎に無効噴射時間を算出して更新することとしている。
コントローラ70は、燃料消費量と、フィードバック補正流量と、フィードフォワード補正流量とを加算することにより、インジェクタ34の噴射流量を算出する(噴射流量算出機能:B7)。そして、コントローラ70は、インジェクタ34の噴射流量を静的流量で除した値にインジェクタ34の駆動周期を乗じることにより、インジェクタ34の基本噴射時間を算出するとともに、この基本噴射時間と無効噴射時間とを加算してインジェクタ34の総噴射時間を算出する(総噴射時間算出機能:B8)。ここで、駆動周期とは、インジェクタ34の噴射孔の開閉状態を表す段状(オン/オフ)波形の周期を意味する。本実施形態においては、コントローラ70により駆動周期を一定の値に設定している。
コントローラ70は、以上の手順を経て算出したインジェクタ34の総噴射時間を実現するための噴射指令をインジェクタ34に出力することにより、インジェクタ34のガス噴射時間及びガス噴射時期を制御して、燃料電池スタック20に供給される燃料ガスの流量及び圧力を調整する。
図3はインジェクタ34へ出力される噴射指令と、インジェクタ34の二次圧力との関係を示している。同図において、実線は目標圧力値を示し、破線は閉故障判定の基準となる閾値圧力Pthを示し、一点鎖線はインジェクタ34に閉故障が生じているときの二次圧力を示し、二点鎖線はインジェクタ34が正常に作動するときの二次圧力を示す。
噴射指令によって指定される総噴射時間τは、突入期間τ1と、突入期間τ1に後続する保持期間τ2とを含み、上述の総噴射時間算出機能B8によって算出される。突入時間τ1は、インジェクタ34の弁体を弁座から所定の開弁位置まで隔離し、開弁動作を完了させることを目的としてインジェクタ34のソレノイドコイルに突入電流を通電する期間である。突入期間τ1は、上述の無効噴射時間にほぼ等しい。保持期間τ2は、インジェクタ34の開弁状態を保持することを目的としてインジェクタ34のソレノイドコイルに保持電流を通電する期間である。保持期間τ2は、上述の基本噴射時間に等しい。
ここで、突入電流は、インジェクタ34のソレノイドコイルにデューティ比100%の駆動電圧を印加することによりソレノイドコイルに流れる電流をいう。一方、保持電流はインジェクタ34の開弁状態を保持するためにインジェクタ34のソレノイドコイルに流れる必要最小限の電流であり、ソレノイドコイルに印加される駆動電圧を所定のディーティ比(デューティ比100%未満)でPWM制御することにより得られる。
インジェクタ34が正常に作動している場合には、インジェクタ34の二次圧力は、インジェクタ34が開弁することにより、燃料ガス供給流路35の圧力損失を受けて一時的に昇圧する一方、インジェクタ34が閉弁することにより、燃料ガス供給流路45を伝播する反射波の影響により低下する。このように、インジェクタ34の開閉に伴い、その二次圧力は、目標値付近で周期的に脈動する。
一方、インジェクタ34に閉故障が生じている場合には、インジェクタ34に噴射指令を与えても応答しない(開弁しない)ので、その二次圧力は、時間経過とともに次第に降下していく。コントローラ70は、インジェクタ34の二次圧力が閾値圧力以上であるか否かの判定を複数回実施し、二次圧力が閾値圧力未満であることが複数回の判定のそれぞれにおいて確認されると、突入期間τ1をΔτだけ増加し、インジェクタ34の開弁を試みる。突入期間τ1を増加することによって、開弁力を増大させても、なおインジェクタ34が開弁しない場合には、異常判定を確定させ、電池運転を停止する。
図4は本実施形態に係わる異常判定ルーチンを示している。
この異常判定ルーチンは、一定周期(例えば3秒間隔)で呼び出され、コントローラ70によって実行される。
コントローラ70は、インジェクタ34の二次圧力Pが閾値圧力Pth以上であるか否かを判定する(ステップ401)。閾値圧力Pthとしては、インジェクタ34が正常に開閉動作しているならば、通常生じ得ないものと推定される圧力値(閉故障が推定される圧力値)に設定するのが望ましい。
二次圧力Pが閾値圧力Pth以上であるならば(ステップ401;YES)、コントローラ70は、再びステップ401の判定処理に戻る。
二次圧力Pが閾値圧力Pth未満であるならば(ステップ401;NO)、コントローラ70は、カウント値Nを1だけインクリメントする(ステップ402)。ここで、カウント値Nは、ステップ401において二次圧力Pが閾値圧力Pthを下回ったものと判定された回数をカウントするためのものであり、初期値=0に設定されている。
そして、コントローラ70は、カウント値Nが閾値Nthに一致するか否かを判定する(ステップ403)。閾値Nthは、異常判定(ステップ401)を繰り返し実行する回数の上限値を定めるものであり、2以上の整数であればよく、例えば、3〜4の範囲が好適である。
カウント値Nが閾値Nth未満であるならば(ステップ403;NO)、コントローラ70は、再びステップ401の判定処理に戻る。
カウント値Nが閾値Nthに一致するならば(ステップ403;YES)、コントローラ70は、カウント値Nを0にリセットし(ステップ404)、突入期間τ1をΔτだけ増加させて強制的にインジェクタ34の開弁を試みる(ステップ405)。ここで、Δτの上限値は、保持期間τ2である。
そして、コントローラ70は、カウント値Mを1だけインクリメントする(ステップ406)。ここで、カウント値Mは、ステップ405を実行した回数をカウントするためのものであり、初期値=0に設定されている。
コントローラ70は、カウント値Mが閾値Mthに一致するか否かを判定する(ステップ407)。閾値Mthは、強制開弁処理(ステップ405)を繰り返し実行する回数の上限値を定めるものであり、例えば、2〜3の範囲が好適である。
カウント値Mが閾値Mthに一致するならば(ステップ407;YES)、インジェクタ34が正常な状態に復旧する可能性は低いので、コントローラ70は、インジェクタ34の異常判定を確定し、電池運転を停止する(ステップ409)。
カウント値Mが閾値Mth未満であるならば(ステップ407;NO)、コントローラ70は、二次圧力Pが閾値圧力Pth以上であるか否かを判定する(ステップ408)。
二次圧力Pが閾値圧力Pth以上であるならば(ステップ408;YES)、インジェクタ34が正常な状態に復旧したものと推定できるので、コントローラ70は、ステップ401の判定処理に戻る。
一方、二次圧力Pが閾値圧力Pth未満であるならば(ステップ408;NO)、インジェクタ34が正常な状態に復旧する可能性は低いので、コントローラ70は、インジェクタ34の異常判定を確定し、電池運転を停止する(ステップ409)。
本実施形態によれば、複数回の判定処理のそれぞれにおいてインジェクタ34の閉故障が推定されたことを条件として、異常判定を確定しているので、異常判定精度を高めることができる。また、突入期間τ1を増大させることによって開弁力を増大しても、なおインジェクタ34が開弁しないことを条件として、異常判定を確定しているので、異常判定精度を高めることができる。
発明の実施形態を通じて説明された実施例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施形態の記載の記載に限定されるものではない。
例えば、上記の説明では、インジェクタ34の閉故障を例に異常判定のアルゴリズムを例示したが、インジェクタ34の開故障(弁開度が全開又は半開のままに固定されてしまう故障)についても同様に、複数回の判定処理のそれぞれにおいてインジェクタ34の開故障が推定されたことを条件として、異常判定を確定するという判定アルゴリズムを採用してもよい。この場合、全開故障判定用の閾値圧力Pthと、半開故障判定用の閾値圧力Pthとをそれぞれ別途設定すればよい。
また上述の実施形態では、燃料電池システム10を車載電源システムとして用いる利用形態を例示したが、燃料電池システム10の利用形態はこの例に限られるものではない。例えば、燃料電池システム10を燃料電池車両以外の移動体(ロボット、船舶、航空機等)の電力源として搭載してもよい。また、本実施形態に係わる燃料電池システム10を住宅やビル等の発電設備(定置用発電システム)として用いてもよい。
本実施形態に係わる燃料電池システムのシステム構成図である。 本実施形態に係わるインジェクタ制御に係わる機能ブロック図である。 噴射指令とインジェクタ二次圧力との関係を示す説明図である。 本実施形態に係わる異常判定ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
10…燃料電池システム 20…燃料電池スタック 30…燃料ガス配管系 31…燃料ガス供給源 32…遮断弁 33…レギュレータ 34…インジェクタ 35…燃料ガス供給流路 40…酸化ガス配管系 41…フィルタ 42…エアコンプレッサ 43…加湿器 44…酸化ガス供給流路 60…電力系 61…DC/DCコンバータ 62…バッテリ 63…トラクションインバータ 64…トラクションモータ 70…コントローラ

Claims (4)

  1. 反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックへの反応ガス供給を制御する開閉弁と、
    複数回の異常判定のそれぞれにおいて前記開閉弁の異常が推定されることを条件として前記開閉弁の異常判定を確定する判定手段と、
    を備える燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記判定手段は、異常が生じたものと推定される前記開閉弁を強制的に復旧させることを試みても、なお復旧しないことを条件として前記開閉弁の異常判定を確定する、燃料電池システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システムであって、
    前記開閉弁の異常は閉故障である、燃料電池システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記開閉弁はインジェクタである、燃料電池システム。
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