JP2013196889A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】インジェクタ等の個体特性が異なったとしても、燃料ガス噴射時の調圧値の変動等に対して、燃料ガスの噴射量を適正に且つ精度良く制御することが可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明による燃料電池システムは、燃料ガス供給装置としての例えば複数のインジェクタから燃料電池に燃料ガスを噴射供給するように構成されており、コントローラによって、インジェクタの開閉が制御される。その制御において、コントローラは、図3の(A)にラインL1で示すインジェクタの上流における燃料ガスの圧力Pの推移を推定し、また、圧力Pがオーバーシュートした後の最小値Pminを予め学習する。そして、その圧力Pの推移の推定結果に基づいて、インジェクタの噴射時間を算出し、必要量の燃料ガスを適正に精度よく燃料電池へ噴射させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムとして、電解質膜を挟んで配置され、それぞれが触媒を有する燃料極及び酸化剤極を有する燃料電池を備えるものが知られている。一般に、駆動用のエネルギー源としてそのような燃料電池システムを搭載した車両においては、高圧水素ガスタンク等の燃料ガス供給源から燃料電池へ燃料ガスを送出するための燃料ガス供給流路が設けられ、その燃料ガス供給流路には、例えば燃料電池側に所望の流量及び圧力の燃料ガスを供給するインジェクタ等の燃料ガス供給装置が設けられている。
かかる燃料電池システムとして、本出願人は、燃料電池に通じる燃料ガス供給流路に燃料ガスを噴射供給するためのインジェクタを設けたものを、例えば特許文献1等に提案している。この燃料電池システムには、燃料電池の運転状態に基づいて所定の制御値演算関数を用いて制御値を算出し、且つ、その制御値に基づいてインジェクタの駆動を制御する制御手段と、インジェクタの制御値演算関数を学習する学習手段とが設けられている。このインジェクタは、所定の駆動周期で駆動して燃料電池側へ燃料ガスを供給し、その際、インジェクタの駆動周期毎に且つ所定の条件を満たしたときに、上記の制御値演算関数を学習するように構成されている。
特開2009−135029号公報
上記特許文献1に記載された従来の燃料電池システムは、インジェクタによって既に実施された燃料ガス供給時の噴射量に基づいて、次回の又は実運転時におけるインジェクタによる燃料ガスの噴射量を、随時、フェードバック制御する機能を有している。
しかし、インジェクタや燃料ガス供給流路に設けられた減圧弁の個体間の特性のばらつきによっては、燃料ガス噴射時の調圧値が大きく変動することがあり、また、インジェクタによる燃料ガスの噴射後には、燃料ガス圧力のオーバーシュートが不可避的に生じてしまう。そのような場合には、上記従来の燃料電池システムを用いても、燃料ガスの噴射量の制御性能は、未だ十分なものでなかった。特に、インジェクタを複数用いて燃料ガスを燃料電池に供給するように構成された燃料電池システムにおいては、燃料ガス噴射時の調圧値に誤差が生じ易い傾向にある。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、インジェクタ等の燃料ガス供給装置の個体特性が異なったとしても、燃料ガス噴射時の調圧値の変動や燃料ガス圧力のオーバーシュートに対して、燃料ガスの噴射量を適正に精度良く制御することが可能な燃料電池システムを提供すること目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に接続された燃料ガス供給流路と、燃料ガス燃料ガス供給流路に設けられており且つ燃料電池に燃料ガスを供給する開閉可能な燃料ガス供給装置と、燃料ガス供給装置に接続されており且つ燃料ガス供給装置の開閉を制御する制御部とを備えており、その制御部が、以下に示す(a)〜(e);すなわち、(a)燃料ガス供給流路における燃料ガス供給装置の上流側において、燃料ガス供給装置が燃料ガスを噴射した後の圧力の推移を推定すること、(b)上記上流側において、燃料ガス供給装置が燃料ガスを噴射した後の圧力の最小値を学習すること、(c)上記上流側において、燃料ガス供給装置が燃料ガスを噴射しているとき(燃料ガス供給装置が開放されているとき)の圧力の推移を推定すること、(d)上記上流側において、上記(b)から上記(c)へ至るまでの圧力の推移を推定すること、及び、(e)推定された圧力の推移に基づいて、燃料ガス供給装置が燃料ガスを噴射する時間を算出すること、を実行するものであることを特徴とする。
このように構成された燃料電池システムにおいては、燃料ガス供給流路に設けられた例えばインジェクタ等の燃料ガス供給装置から、必要に応じて連続的に又は断続的に、燃料ガスが燃料電池へ供給される。その際、制御部が、上記(a)〜(e)を実行することにより、当該燃料ガス供給装置から燃料ガスが噴射供給されるときの燃料ガス圧力の最小値が適宜(例えば、燃料ガス源の圧力や温度に応じて)学習され、且つ、その圧力の最小値を含めて、燃料ガス供給装置が燃料ガスを噴射供給するときの燃料ガス圧力の推移(変化、挙動)が推定される。そして、制御部により、その推定された燃料ガス圧力の推移に基づいて、当該燃料ガス供給装置から燃料電池へ供給するべき燃料ガスの噴射量を適正に得るための燃料ガスの噴射時間(燃料ガス供給装置の開放時間)が算出される。なお、噴射時間の算出には、初期設定された噴射時間を補正することが含まれる。
したがって、本発明によれば、インジェクタ等の燃料ガス供給装置の個体特性が異なったとしても、燃料ガス噴射時の調圧値の変動や燃料ガス圧力のオーバーシュートに対する圧力の調整(調圧)を個別に且つ確実に実施することができるので、燃料ガスの噴射量を適正に精度良く制御することが可能な燃料電池システムを提供することができる。
本発明による燃料電池システムの好適な一実施形態の概略構成図である。 図1に示す燃料電池システムの一部を示す概略構成図である。 (A)は、インジェクタの上流側の燃料ガスの圧力の推移の一例を模式的に示すグラフであり、(B)は、インジェクタに対する制御信号の状態を(A)に対応して示すグラフである。 高圧水素タンクにおける燃料ガスの圧力及び温度に対する燃料ガスの圧力の最小値のマップの一例である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
(第1実施形態)
図1は、本発明による燃料電池システムの好適な一実施形態を示す概略構成図である。また、図2は、図1に示す燃料電池システムの一部を示す概略構成図であり、後述する燃料電池システムFSにおいて、高圧水素タンクFTからインジェクタIJ(燃料ガス供給装置)を経由して燃料電池FCに至る燃料ガス供給流路の一部における構成を示す概略図である。本実施形態における燃料電池システムFSは、燃料電池自動車(FCHV)、電気自動車、ハイブリッド自動車に搭載されるものであり、そのような燃料電池車両の車載電源システムとして機能する。
燃料電池システムFSは、燃料電池系FCSと、酸化ガス供給系ASSと、燃料ガス供給系FSSと、冷却系CSとを備えている。これらのうち、燃料電池系FCSは、燃料電池FCを含み、燃料電池FCと各系とを繋ぐ部分であり、反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)の供給を受けて発電する系である。また、酸化ガス供給系ASSは、酸化ガスとしての空気を燃料電池FCに供給するための系である。さらに、燃料ガス供給系FSSは、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池FCに供給するための系である。またさらに、冷却系CSは、燃料電池FCを冷却するための系である。
次に、燃料電池系FCSについて説明する。燃料電池系FCSに含まれる燃料電池FCは、多数のセル(アノード、カソード、及び電解質を備える単一の電池(発電体))を直列に積層してなる固体高分子電解質形のセルスタックとして構成されている。この燃料電池FCの通常の運転時には、アノードにおいて式(1)で表される酸化反応が生じ、且つ、カソードにおいて式(2)で表される還元反応が生じる。その結果、燃料電池FC全体として、式(3)で表される起電反応が生じる。
2→2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e-→H2O …(2)
2+(1/2)O2→H2O …(3)
さらに、燃料電池系FCSには、燃料電池FCと燃料ガス供給系FSSとを繋ぐ領域に、インジェクタIJと、水素ポンプHPと、排気排水弁EVbが設けられている。
また、インジェクタIJよりも燃料ガス供給系FSS側(燃料ガス供給流路における上流側であり、燃料ガス供給装置としてのインジェクタIJの上流側)には、圧力センサPbが設けられている。一方、インジェクタIJよりも燃料電池FC側(燃料ガス供給流路における下流側であり、燃料ガス供給装置としてのインジェクタIJa,IJb,IJcの下流側)には、圧力センサPcが設けられている。
燃料ガス供給系FSSから供給される燃料ガスは、インジェクタIJ(燃料ガス供給装置)に供給される。このインジェクタIJは、燃料電池FCへの燃料ガス供給量を制御する電磁弁であって、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタIJa,IJb,IJcは、燃料ガス等の気体燃料を噴射する噴射孔を有する弁座と、その気体燃料を噴射孔まで供給案内するノズルボディと、このノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に格納保持され噴射孔を開閉する弁体とを備えている。
インジェクタIJの弁体は、電磁駆動装置であるソレノイドにより駆動され、エンジンコントロールユニットECUを有するコントローラ(制御部)から出力される制御信号によってインジェクタIJのガス噴射時間及びガス噴射時期(時刻)を制御することが可能なように構成されている。また、インジェクタIJは、その下流に要求されるガス流量を供給するために、インジェクタIJのガス流路に設けられた弁体の開口面積(開度)及び開放時間の少なくとも一方を変更することにより、下流側に供給されるガス流量(又は水素モル濃度)を調整する。
インジェクタIJから燃料電池FCに供給された燃料ガスは、燃料電池FCの内部で起電反応に供された後、オフガスとして燃料電池FCから排出される。こうして燃料電池FCから排出された燃料オフガスは、必要に応じて、一旦、例えば一時貯留部(図示せず)に溜められる。それから、燃料オフガスの一部は、水素ポンプHPによって還流され、インジェクタIJから供給される燃料ガスと共に燃料電池FCに再供給される。また、燃料オフガスの他の一部は、排気排水弁EVbの作動によって、酸化オフガスと共にマフラーMFを通して排出される。
より具体的には、排気排水弁EVbは、エンジンコントロールユニットECUを含むコントローラからの指令に基づいて作動することにより、循環流路内の不純物を含む燃料オフガスと水分とを外部に排出するための弁である。排気排水弁EVbの開弁により、循環流路内の燃料オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環系内を循環する燃料オフガス中の水素濃度を上げることができる。また、排気排水弁EVbを介して排出される燃料オフガスは、酸化オフガス流路を流れる酸化オフガスと混合され、マフラーMFを経由して系外に排出される。
続いて、燃料ガス供給系FSSについて説明する。燃料ガス供給系FSSは、高圧水素タンクFTと、遮断弁EVaと、レギュレータDVとを有している。高圧水素タンクFTは、高圧(例えば、35MPa〜70MPa)の水素ガスを貯蔵するものである。高圧水素タンクFTには、通常、適宜の温度センサ(図示せず)が設けられている。
また、高圧水素タンクFTには、水素ガスを充填するための受入口(充填口)が設けられており、その受入口から延びるガス配管には、高圧水素タンクFT側から順に、遮断弁EVa、圧力センサPa、及びレギュレータDVが設けられている。遮断弁EVaは、高圧水素タンクFTから燃料電池FCに向かう水素ガスの供給を遮断又は許容するための電磁弁である。
レギュレータDVは、燃料ガスの燃料電池FCに対する供給圧力を調整する調整弁である。レギュレータDVは、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置であり、例えば、一次圧を減圧する機械式の減圧弁等から構成される。機械式の減圧弁は、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする構成を有する。このように、インジェクタIJの上流側にレギュレータDVを配置することにより、インジェクタIJの上流側圧力を効果的に低減させることができる。かかる構成により、燃料ガスは、レギュレータDVやインジェクタIJによって、例えば、200kPa程度まで減圧されてから、燃料電池FCに供給される。
さらに、酸化ガス供給系ASSについて説明する。酸化ガス供給系ASSは、エアコンプレッサACPを備えており、燃料電池FCのカソードに供給される酸化ガスとしての空気が流れる酸化ガス流路AS1と、燃料電池FCから排出される酸化オフガスが流れる酸化オフガス流路AS2とを有している。エアコンプレッサACPの前段(上流側)には、必要に応じてエアクリーナ(図示せず)を設置してもよく、そのエアクリーナには、
温度センサ、吸引される大気圧を測定するための大気圧センサ、空気流量を測定するためのエアフローメータ等を設けてもよい。
さらに、冷却系CSについて説明する。冷却系CSは、ファンを有するメインラジエータRと、ウォーターポンプWPと、冷却液往路CS1と、冷却液復路CS2とを有している。また、メインラジエータRに加えて、必要に応じて、補助的なサブラジエータを設けてもよい。それらのメインラジエータR及びサブラジエータは、燃料電池FCを冷却するための冷却液を放熱して冷却するためのものである。
ウォーターポンプWPは、冷却液を燃料電池FCとメインラジエータRとの間で循環させるためのポンプであり、メインラジエータRと燃料電池FCとを繋ぐ流路である冷却液往路CS1に設けられている。このウォーターポンプWPが作動することにより、冷却液がメインラジエータRから燃料電池FCへと冷却液往路CS1を通って流れるようにされている。また、冷却液復路CS2は、燃料電池FCとメインラジエータRとを繋ぐ流路である。さらに、冷却液往路CS1と冷却液復路CS2は、バイパス配管で接続されており、冷却液往路CS1とそのバイパス配管との分岐部分には、三方弁TVが設けられている。
また、上述したエンジンコントロールユニットECUを有し、且つ、燃料電池システムFSの統合的な制御手段であるコントローラ(制御部)は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インタフェースを備えるコンピュータシステムであり、燃料電池システムFSの各部を制御するものである。例えば、コントローラは、イグニッションスイッチから出力される起動信号IGを受信すると、燃料電池システムFSの運転を開始する。その後、コントローラは、アクセルセンサから出力されるアクセル開度信号ACCや、車速センサから出力される車速信号VC等に基づいて、燃料電池システムFS全体の要求電力(システム要求電力)を求める。燃料電池システムFS全体の要求電力は、車両走行電力と補機電力との合計値である。
ここで、補機電力には、車載補機類(加湿器、エアコンプレッサ、水素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費される電力、車両走行に必要な装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、及び懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内に配設される装置(空調装置、照明器具、及びオーディオ等)で消費される電力等が含まれる。
そして、コントローラは、燃料電池FCと、図示しない駆動系に備わる二次電池とのそれぞれの出力電力の配分を決定する。コントローラは、燃料電池FCの発電量が目標電力に一致するように、酸化ガス供給系ASS及び燃料ガス供給系FSSを制御するとともに、燃料電池FCからの出力電圧の昇圧を制御して、燃料電池FCの運転ポイント(出力端子電圧、出力電流)を制御する。また、コントローラは、アクセル開度に応じた目標トルクが得られるように、駆動系の駆動モータの出力トルク、及び回転数を制御する。さらに、コントローラは、冷却系CSを制御して燃料電池FCが適切な温度になるように制御する。
またさらに、本実施形態において、コントローラは、以下に示す演算制御を実行する。すなわち;
(a)燃料ガス供給系FSSから燃料電池系FCSの燃料ガス供給流路におけるインジェクタIJの上流側の圧力センサPbの位置において、そのインジェクタIJが燃料ガスを燃料電池FC側に噴射した後の圧力Pの推移(変化)を推定すること、
(b)圧力センサPbの位置において、インジェクタIJが燃料ガスを噴射した後の圧力Pの最小値Pminを学習すること、
(c)圧力センサPbの位置において、インジェクタIJが燃料ガスを噴射しているとき(つまり、インジェクタIJが開放されているとき)の圧力Pの推移(変化)を推定すること、
(d)圧力センサPbの位置において、上記(b)から上記(c)へ至るまでの圧力Pの推移(変化)を推定すること、及び
(e)上記推定された圧力Pの推移に基づいて、インジェクタIJが燃料ガスを噴射する(噴射するべき)時間を算出すること。
ここで、コントローラが実行する上記の過程について、図3(A)及び(B)を更に参照して以下に説明する。図3(A)は、インジェクタIJの上流側の圧力センサPbの位置における圧力P(調圧値)の時間推移(経時変化;実線のラインL1)の一例を模式的に示すグラフである。また、図3(B)は、インジェクタIJに対する制御信号(開弁信号)の状態(実線のラインL2)を図3(A)に対応して示すグラフである。なお、インジェクタIJによる燃料ガスの噴射は、コントローラによって制御されている。また、インジェクタIJによる燃料ガスの噴射は、例えば、所定の時間間隔で断続的に実施され、その場合、図3(A)及び(B)に示す状態が、断続的に連続して繰り返される。
これらの図3(A)及び(B)に示す如く、インジェクタIJには、それらが閉止されている状態(時刻t1以前)において、高圧水素タンクFTから所定の初期圧力P1(供給圧)が印加されている。この状態から、時刻t1において、インジェクタIJが開放(開弁)されると、インジェクタIJから、燃料電池FC側に燃料ガスが噴射される。
このとき、燃料ガスの圧力Pは、初期圧力P1から徐々に低下していき、時刻t1から時刻t2,t3にかけて、インジェクタIJが燃料ガスを噴射している定常的な状態として、例えば初期設定された調圧値P2をオーバーシュートして更に低下する。それから、燃料ガスの圧力Pは、時刻t3において、最小値Pminとなり、それから時刻t4にかけて、調圧値P2に近づくように上昇し、やがて、時刻t4において調圧値P2に復帰する。インジェクタIJは、その状態から、調圧値P2を保持して燃料ガスを噴射し、所定の時間が経過した後、時刻t5において、コントローラからの制御信号によってその噴射を停止(インジェクタIJを閉止)すると、燃料ガスの圧力Pは、再び初期圧力P1へと戻る。
コントローラは、図3(A)に示すかかる燃料ガスの圧力Pの挙動の少なくとも一部を、インジェクタIJに対して予め学習しておく。例えば、想定される高圧水素タンクFTの燃料ガス圧力(例えば圧力センサPaによる計測値)及び想定される高圧水素タンクFTにおける燃料ガスの温度(例えば温度センサによる計測値)に対して、図3(A)に示すラインL1と調圧値P2との交点Mを求め、さらに、オーバーシュート後の圧力Pの最小値Pminを学習してマップ化し、それを記憶しておく。ここで、図4に、高圧水素タンクFTにおける燃料ガスの圧力及び温度に対する燃料ガスの圧力Pの最小値Pminのマップの一例を示す。
また、燃料ガスの圧力Pが最小値Pminから調圧値P2へ復帰するまでの圧力Pの時間変化割合(図3(A)における時刻t3から時刻t4までのラインL1の傾き)を、インジェクタIJ及びレギュレータDVの特性や性状(弁容積)に対して予め求めておいても好適である。
そして、コントローラは、実運転時におけるインジェクタIJから燃料電池FCへの燃料ガスの噴射前において、高圧水素タンクFTにおける燃料ガスの圧力及び温度から上述したマップを使用して、燃料ガスの圧力Pの最小値Pminを推算し、その最小値Pminに基づいて調圧値P2に復帰するまでの時間を推定する。
インジェクタIJから燃料電池FCへの燃料ガスの噴射量は、図4(A)に斜線で示すエリアの面積に対応する。よって、例えば、初期圧力P1と時刻t1から時刻t2までの時間、交点Mにおける圧力つまり調圧値P2と時刻t2から時刻t3までの時間、及び、時刻t3における最小値Pminと時刻t4から時刻t5までの時間から、時刻t1から時刻t4までの燃料ガスの総噴射量を推算することができる。そして、インジェクタIJの単位噴射における燃料ガスの要求噴射量と、時刻t1から時刻t4までの噴射量とから、その要求噴射量を得るために必要な調圧値P2における噴射時間(つまり、時刻t4から時刻t5までの時間)を算出することができる。
(第2実施形態)
また、上記(a)〜(e)を実行するコントローラにおける制御の別の態様として、以下のものが挙げられる。なお、第2実施形態の燃料電池システムの構成、及び、コントローラによる一般的な制御は、図1及び図2に示す第1実施形態におけるのと同等であるので、ここでの重複する説明は省略する。
本実施形態は、インジェクタIJからの燃料ガスの必要噴射量から設定される燃料ガスの噴射時間を補正して、適正な噴射時間を得るという観点において、第1実施形態と同様の技術思想に基づくものであり、第1実施形態と同等の燃料ガスの噴射制御を別の側面から言い換えたものとも言える。
ここでは、まず、図4(A)にラインL1で示す圧力Pの時間推移を、概念的に以下の3つの領域;
・領域1:時刻t1から時刻t3まで
・領域2:時刻t3から時刻t4まで
・領域3:時刻t4から時刻t5まで
に分けて推定する。
具体的には、領域1、領域2、及び領域3における時間間隔を、それぞれ、TMa、TMb、TMcとし、領域1、領域2、及び領域3における燃料ガスの平均圧力を、それぞれ、Pa_ave、Pb_ave、及び、Pc_aveとし、インジェクタIJから燃料ガスを噴射している間(時刻t1から時刻t5までの間:時間間隔をTMとする)の平均圧力Pt_aveを、下記式(4)に表す関係から推定する。
Pt_ave={(Pa_ave×Ta)+(Pb_ave×Tb)+(Pc_ave×Tc)}/TM …(4)
また、燃料ガスの圧力Pの調圧値P2を、下記式(5)で表される高圧レギュレータの力のつり合いの関係から求める。なお、同式中、Ka,Kb,Kcは、定数を示し、Qは、インジェクタIJを全開したときの燃料ガス流量を示し、Phは、高圧水素タンクFTの圧力を示す。
調圧値P2=(Ka×Q)/Ph+(Kb×Ph)+Kc …(5)
それから、ここでは、燃料ガスの圧力Pのオーバーシュート量として、調圧値P2−最小値Pmin(両者の差の絶対値)を、例えば、高圧水素タンクFTの圧力Ph、及び、燃料ガス流量Qの異なる複数の条件について、予め実測し、前述した第1実施形態における図4に示すマップの如くマップ化(データベース化)して、コントローラに記憶しておく。また、上記式(5)における定数Kcについても、各条件について実測又は推定して学習しておき、実運転時の実測値において、実際の調圧値P2と推定値との間に有意なずれが生じた場合には、その差分をこの定数Kcに含めるようにしてもよい。
さらに、領域3における燃料ガスの圧力Pの変化量は、例えば、下記式(6)で表される関係から推定することができる。なお、同式中、Ghは、圧力Pを測定する容積内の水素量を示し、Vは、圧力Pを測定する容積を示す。
(Gh−(Q×経過時間))/V …(6)
そして、領域1、領域2、及び領域3において推定された燃料ガスの圧力Pの推移から、上記式(4)を用いて、時刻t1から時刻t5までの間(時間間隔TM)における平均圧力Pt_aveを求め、さらに、下記式(7)で表される関係から、初期設定された噴射時間の補正値である補正後噴射時間を得る。なお、同式中、Tamは補正後噴射時間を示し、Tf0は初期設定された噴射時間を示し、Prefは噴射時間Tf0を設定したときの基準圧力を示す。
Tam=Tf0×(Pt_ave/Pref) …(7)
以上のように構成された燃料電池システムFSによれば、上述した第1実施形態及び第2実施形態のいずれにおいても、コントローラが、上記(a)〜(e)の制御を実行することにより、インジェクタIJから燃料ガスが噴射供給されるときの燃料ガス圧力の推移を精度よく推定することができる。そして、その結果に基づいて、コントローラにより、インジェクタIJ毎に、燃料電池FCへ供給するべき燃料ガスの噴射量を適正に得るための燃料ガスの噴射時間を算出し、その初期値を補正することができる。
したがって、用いるインジェクタIJ毎にその特性が異なったとしても、燃料ガス噴射時の調圧値P2の変動や燃料ガス圧力のオーバーシュートに対する圧力の調整(調圧)を、個別に且つ確実に実施することができる。これにより、燃料ガスの噴射量を適正に精度良く制御することが可能となる。また、これにより、インジェクタIJを複数備える燃料電池システムにおいても、燃料ガスの噴射制御性能を格段に向上させることができる。
なお、上述したとおり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、上述の如く、燃料電池システムFSにインジェクタIJを複数設けてもよく、この場合、コンロトーラは、各インジェクタIJの燃料ガスの噴射制御を個別に且つ独立して行うように構成されていると好適である。また、高圧水素タンクFTを複数台備えるように構成してもよい。
本発明は、上述した優れた作用効果を奏することにより、燃料電池全般、燃料電池を備える車両、機器、システム、設備等、及び、それらの製造に広く且つ有効に利用することができる。
ACP:エアコンプレッサ
ASS:酸化ガス供給系
AS1:酸化ガス流路
AS2:酸化オフガス流路
CS:冷却系
CS1:冷却液往路
CS2:冷却液復路
DV:レギュレータ
ECU:エンジンコントロールユニット(コントローラ、制御部)
EVa:遮断弁
EVb:排気排水弁
FC:燃料電池
FCS:燃料電池系
FS:燃料電池システム
FSS:燃料ガス供給系
FT:高圧水素タンク
HP:水素ポンプ
IJ:インジェクタ(燃料ガス供給装置)
MF:マフラー
Pa:圧力センサ
Pb:圧力センサ
Pc:圧力センサ
R:メインラジエータ
TV:三方弁
WP:ウォーターポンプ

Claims (1)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池に接続された燃料ガス供給流路と、
    前記燃料ガス燃料ガス供給流路に設けられており且つ前記燃料電池に燃料ガスを供給する開閉可能な燃料ガス供給装置と、
    前記燃料ガス供給装置に接続されており且つ前記燃料ガス供給装置の開閉を制御する制御部と、
    を備えており、
    前記制御部は、下記(a)〜(e);
    (a)前記燃料ガス供給流路における前記燃料ガス供給装置の上流側において、前記燃料ガス供給装置が前記燃料ガスを噴射した後の圧力の推移を推定すること、
    (b)前記上流側において、前記燃料ガス供給装置が前記燃料ガスを噴射した後の圧力の最小値を学習すること、
    (c)前記上流側において、前記燃料ガス供給装置が前記燃料ガスを噴射している時の圧力の推移を推定すること、
    (d)前記上流側において、前記(b)から前記(c)へ至るまでの圧力の推移を推定すること、
    (e)前記推定された圧力の推移に基づいて、前記燃料ガス供給装置が前記燃料ガスを噴射する時間を算出すること、
    を実行するものである、
    燃料電池システム。
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