JP2006073297A - 燃料電池の保管方法及び燃料電池発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃料電池を長時間にわたって運転しないときでも、簡単な構成で、電極触媒が酸化により劣化することがない燃料電池の保管方法及び燃料電池発電装置を提供する。
【解決手段】 水素と酸素との電気化学的反応により発電する燃料電池1aと、脱酸素剤2とを非通気性のカバー3内に収容する工程(ST1)と、燃料電池1aと脱酸素剤2とが収容されたカバー3を密封する工程(ST2)とを備える燃料電池の保管方法。及び、水素と酸素との電気化学的反応により発電する燃料電池1aと、燃料電池1aを密閉的に収容する非通気性のカバー3と、カバー3内に燃料電池1aと共に収容された脱酸素剤2とを備える燃料電池発電装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 水素と酸素との電気化学的反応により発電する燃料電池1aと、脱酸素剤2とを非通気性のカバー3内に収容する工程(ST1)と、燃料電池1aと脱酸素剤2とが収容されたカバー3を密封する工程(ST2)とを備える燃料電池の保管方法。及び、水素と酸素との電気化学的反応により発電する燃料電池1aと、燃料電池1aを密閉的に収容する非通気性のカバー3と、カバー3内に燃料電池1aと共に収容された脱酸素剤2とを備える燃料電池発電装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は燃料電池の保管方法及び燃料電池発電装置に関し、特に燃料電池を長時間にわたって運転しないときでも電極触媒が酸化により劣化することがない燃料電池の保管方法及び劣化しないように保管可能な燃料電池発電装置に関するものである。
燃料電池は、燃料極に水素に富む燃料ガスを導入し、空気極に酸素を含有する酸化剤ガスを導入して、燃料ガス中の水素と酸化剤ガス中の酸素との電気化学的反応により発電する装置である。燃料電池は、一般的に、電解質を燃料極と空気極とで挟み、これをさらにセパレータで挟んで構成された単層のセルを複数積層して構成されている。また、燃料極及び空気極の電極には、それぞれ電気化学的反応を促進させるための触媒が付着している。発電を停止するには燃料電池への燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を止める。
ところが、燃料電池への燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を停止しても、両電極の触媒に吸着した水素や酸素がそのまま電池内に残留し、残留した水素や酸素の解離反応により両電極間には電解質に対する電位が維持される。それに加え、燃料電池は一般的に気密性が低いため空気中の酸素の侵入を避け難く、燃料電池利用者の長期不在や燃料電池製造工場における試運転後の出荷前の保管時など長時間にわたって燃料電池を停止又は保管していると空気中の酸素が侵入し、これにより電極触媒が酸化により劣化してしまう。
この電極触媒の酸化による劣化を防止するため、従来は、燃料電池の運転を停止するときに、窒素等の不活性ガスによりパージして電極触媒に吸着された燃料ガス及び酸化剤ガスを除去していた(例えば特許文献1参照)。
他方、酸化による劣化が進行しないうちに燃料電池を運転すると空気極の電極が還元されることを利用して、一定時間毎に運転して電極触媒を還元させ、電極触媒の酸化による劣化を防止することも考えられる。
特開平9−45351号公報(段落0003、0004)
しかし、不活性ガスによりパージするためにはボンベ等の付帯設備が必要になり付帯設備の設置スペース及びコストが増大する。他方、一定期間毎に燃料電池を運転するのは煩わしく、かつ、必要のないときに燃料電池を運転させて発電を行うのは不合理である。
本発明は上述の課題に鑑み、燃料電池を長時間にわたって運転しないときでも、簡単な構成で、電極触媒が酸化により劣化することがない燃料電池の保管方法及び劣化しないように保管可能な燃料電池発電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る燃料電池の保管方法は、例えば図1に示すように、水素と酸素との電気化学的反応により発電する燃料電池1aと、脱酸素剤2とを非通気性のカバー3内に収容する工程(ST1)と;燃料電池1aと脱酸素剤2とが収容されたカバー3を密封する工程(ST2)とを備える。ここで、「非通気性」とは、典型的には、20℃の雰囲気における通気量が1000mL/(m2・day・atm)以下、好ましくは500mL/(m2・day・atm)以下、より好ましくは200mL/(m2・day・atm)以下のものである。
このように構成すると、燃料電池と脱酸素剤とが収容されたカバーを密封するので、燃料電池の電極が酸素に晒され続けることがなく電極触媒が酸化により劣化することがない。
また、請求項2に記載の発明に係る燃料電池の保管方法は、例えば図1に示すように、請求項1に記載の燃料電池の保管方法において、密封されたカバー3の中の酸素濃度を確認する工程(ST3)を備える。
このように構成すると、密封されたカバーの中の酸素濃度を確認することができ、電極触媒の酸化による劣化の抑止効果を確認することができる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明に係る燃料電池発電装置は、例えば図2に示すように、水素と酸素との電気化学的反応により発電する燃料電池1aと;燃料電池1aを密閉的に収容する非通気性のカバー3と;カバー3内に燃料電池1aと共に収容された脱酸素剤2とを備える。
このように構成すると、カバー内に燃料電池と共に収容された脱酸素剤を備えるので、燃料電池の電極が酸素に晒され続けることがなく電極触媒が酸化により劣化することがない。
また、請求項4に記載の発明に係る燃料電池発電装置は、例えば図2に示すように、請求項3に記載の燃料電池発電装置10において、カバー3の中の酸素濃度を確認する酸素濃度確認手段5を備える。
このように構成すると、カバーの中の酸素濃度を確認する酸素濃度確認手段を備えるので、カバーの中の酸素濃度を確認することができ、電極触媒の酸化による劣化の抑止効果を確認することができる。
また、請求項5に記載の発明に係る燃料電池発電装置は、例えば図2に示すように、請求項3又は請求項4に記載の燃料電池発電装置10において、燃料電池1aを載置する非通気性の底材6を備え;底材6にはカバー3と密閉的に接続可能な縁部6aが形成されている。
このように構成すると、非通気性の底材にカバーと密閉的に接続可能な縁部が形成されているので、燃料電池発電装置を据付けた後でも容易にカバー内に燃料電池と脱酸素剤とを収容して密封することができる。
本発明によれば、燃料電池と脱酸素剤とが収容されたカバーを密封するので、燃料電池の電極が酸素に晒され続けることがなく電極触媒が酸化により劣化することがない。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
まず、図1を参照して本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の保管方法について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の保管方法を説明する模式図であり、(a)、(b)、(c)の順に工程が進んで行く。本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の保管方法は、燃料電池システム1と脱酸素剤2と酸素濃度が確認可能な酸素検知剤5とを非通気性のカバー3に収容し(ST1)、その後カバー3を密封し(ST2)、密封されたカバー3内の酸素濃度を酸素検知剤5の色の変化により確認する(ST3)。
まず、図1を参照して本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の保管方法について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の保管方法を説明する模式図であり、(a)、(b)、(c)の順に工程が進んで行く。本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の保管方法は、燃料電池システム1と脱酸素剤2と酸素濃度が確認可能な酸素検知剤5とを非通気性のカバー3に収容し(ST1)、その後カバー3を密封し(ST2)、密封されたカバー3内の酸素濃度を酸素検知剤5の色の変化により確認する(ST3)。
燃料電池システム1は、燃料電池1aと、酸化剤ガスを燃料電池1aに送るブロワを収容したチャンバー1bと、燃料電池1a及びチャンバー1bを積載する台盤1cとを備えている。燃料電池1aを構成する一つのセルは、電解質を挟むように燃料極と空気極が配置され、さらにこれを挟むように一対のセパレータが配置されて形成されている。燃料極側に配置されるセパレータには燃料ガスの流路が形成されており、空気極側に配置されるセパレータには酸化剤ガスの流路が形成されている。燃料極及び空気極の電極には、電気化学的反応を促進させるそれぞれ異なる種類の触媒が付着している。燃料電池1aは、上記のように形成されたセルが複数積層されて構成されている。燃料電池1aは、外気に晒されている状況においては、複数積層されたセルの接合部から空気が侵入してくる場合がある。
燃料電池1aは、各セルの燃料極に水素を接触させると共に空気極に酸素を接触させると電気化学的反応により発電し、熱及び水が発生する。燃料極に接触させる水素は燃料ガスに含まれている。燃料ガスとして純水素を用いる場合の燃料ガス中の水素含有率は、当然100%である。燃料ガスをメタノールや都市ガス、灯油等の原料燃料を改質して生成する場合は燃料ガス中の水素含有率は典型的には40%以上、75%程度である。他方、空気極に接触させる酸素は酸化剤ガスに含まれている。酸化剤ガスは典型的には空気である。燃料電池1aは、長時間(典型的には200時間程度)大気中に放置すると、燃料極電極触媒及び空気極電極触媒が大気中の酸素に起因する酸化作用により劣化し、次に運転する時に初期の性能が得られなくなってしまう。特に空気極電極触媒への影響が大きい。
脱酸素剤2は、密封されたカバー3内の酸素を吸収する薬剤である。脱酸素剤2は、自身が酸化されることによって空気中の酸素を吸収する。脱酸素剤2としては、無機系のものと有機系のものとがあり、典型的には、鉄粉や水酸化鉄を含むもの、活性炭を含むもの等を用いることができる。脱酸素剤2は、密封されたカバー3内の酸素を吸収することができる個数がカバー3に入れられる。
カバー3は、密封したときに内部を無酸素状態に維持することができる非通気性の材料で作られている。ここでいう「非通気性」とは、既述のように、典型的には、20℃の雰囲気における通気量が1000mL/(m2・day・atm)以下、好ましくは500mL/(m2・day・atm)以下、より好ましくは200mL/(m2・day・atm)以下のものをいうこととする。カバー3の材質は、典型的には、OPPフィルムにポリ塩化ビニリデンをコートしたもの(KOP)やポリエステルフィルムにポリ塩化ビニリデンをコートしたもの(KPET)、ナイロンにポリ塩化ビニリデンをコートしたもの(KON)等のラミネートフィルムが用いられる。カバー3は、典型的には袋状の包材であり、矩形のシート状の上記フィルムを重ね、一辺を残して加熱溶着等により隙間なく接合されて生成される。カバー3の大きさは、燃料電池システム1を収容できる十分な大きさを有しつつ、カバー3内の酸素量を少なくする観点から、できるだけ小さくすることが好ましい。また、カバー3は、外側から酸素検知剤5の色の変化の確認を容易にするために透明であることが好ましい。なお、カバー3は、袋状の包材に限らず、成形された容器でもよい。
カバー3は、加熱溶着4Aにより密封される。また、クリップや密封ファスナーで密封するように構成してもよい。また、カバー3が成形された容器の場合は、収容する容体と蓋との隙間にゴムを挟んで密封することが好ましい。
酸素濃度確認手段としての酸素検知剤5は、カバー3内の酸素濃度を色の変化で確認可能な薬剤である。酸素検知剤5は、典型的には酸化還元指示色素と還元剤とを含む組成物からなっている。還元剤には、消色速度、安定性、人体への影響の観点から、D−グルコース等の還元性糖類を用いるのが好適である。酸素検知剤5は、典型的には、タブレット状の薬剤で、酸素濃度が高い(典型的には0.5%以上)場合と酸素濃度が低い(典型的には0.1%以下)場合とで色が変化する。例えば酸素濃度が高い場合は青紫色を示し、酸素濃度がそれより低くなるに連れて赤紫色に変化して、酸素濃度が低くなるとピンク色に変化する。
本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の保管方法は、典型的には、脱酸素剤2、カバー3、酸素検知剤5を用いて以下のように行われる。
(1)燃料電池システム1のうち、カバー3を損傷するおそれのある場所をポリウレタンシート等で覆って養生する。
(2)燃料電池システム1を収容可能な大きさのカバー3を用意する。カバー3は袋状である。
(3)燃料電池システム1をカバー3内に収容する。
(4)カバー3及び燃料電池システム1の容積からカバー3内の酸素量を計算する。計算で求められた量の酸素を除去するに足りる脱酸素剤2をカバー3に収容する。また、酸素検知剤5を外から見やすいようにカバー3内に収容する。(以上までST1)
(5)カバー3の開口部を、一部を残して加熱溶着などの密封手段で接合する。
(6)カバー3の残された開口部からカバー3内にある余分な空気を排出する。窒素などの不活性ガスを使用できる場合は、カバー3の開口部を2ヶ所設けておき、一方から不活性ガスを導入し、他方から空気を排出する。
(7)すばやく、残っているカバー3の開口部を溶着する。(以上までST2)
(8)可能であれば、燃料電池システム1等が収容されたカバー3を密封後1週間程度経過したら酸素検知剤5の色の変化により、カバー3内の酸素濃度を確認するとよい。(以上までST3)
(1)燃料電池システム1のうち、カバー3を損傷するおそれのある場所をポリウレタンシート等で覆って養生する。
(2)燃料電池システム1を収容可能な大きさのカバー3を用意する。カバー3は袋状である。
(3)燃料電池システム1をカバー3内に収容する。
(4)カバー3及び燃料電池システム1の容積からカバー3内の酸素量を計算する。計算で求められた量の酸素を除去するに足りる脱酸素剤2をカバー3に収容する。また、酸素検知剤5を外から見やすいようにカバー3内に収容する。(以上までST1)
(5)カバー3の開口部を、一部を残して加熱溶着などの密封手段で接合する。
(6)カバー3の残された開口部からカバー3内にある余分な空気を排出する。窒素などの不活性ガスを使用できる場合は、カバー3の開口部を2ヶ所設けておき、一方から不活性ガスを導入し、他方から空気を排出する。
(7)すばやく、残っているカバー3の開口部を溶着する。(以上までST2)
(8)可能であれば、燃料電池システム1等が収容されたカバー3を密封後1週間程度経過したら酸素検知剤5の色の変化により、カバー3内の酸素濃度を確認するとよい。(以上までST3)
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の保管方法は、脱酸素剤2が密封されたカバー3内の酸素を吸収するため、燃料電池1aの電極が酸素に晒され続けることがなく、電極触媒が酸化により劣化することがない。本実施の形態は、典型的には、燃料電池製造工場における試運転後の出荷前の保管時などに用いられる。
次に、図2を参照して本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池発電装置10の構成について説明する。燃料電池発電装置10は、燃料電池システム1と、脱酸素剤2と、カバー3と、酸素検知剤5と、底板6とを備えている。なお、燃料電池システム1及び脱酸素剤2、酸素検知剤5は、既に説明した、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の保管方法で用いたものと同じであり重複した説明は省略する。
カバー3は、非通気性の材料で作られており、材質は、既に説明した本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の保管方法で用いたものと同じである。また、第1の実施の形態と同様に、カバー3は、透明であることが好ましい。その一方で、密封する態様が、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の保管方法で用いたものと異なる。本実施の形態では、カバー3同士が溶着等によって密封されるのではなく、カバー3は、底材6の縁部6aと密閉的に接続可能に構成されている。ここで「密閉的に接続」とは、具体例は後述するが、典型的には、底材6と接続したカバー3の内部を通気しにくい状態にすることである。密閉的な接続部分は、カバー3自体の通気の程度を表した「非通気性」よりも空気を通してしまうこともあるが、接続部分はカバー3自体のような「面」ではなく「線」であるため、カバー3自体に比べて通気遮断性がいくらか劣っても影響は少ない。なお、本実施の形態では、カバー3は、成形された容器を用いているが、袋状の包材であってもよい。
底材6は、燃料電池システム1を積載する、非通気性の基盤である。底材6には、燃料電池1aに接続された配管8A〜8Dが貫通している。配管8Aは、燃料電池1aに燃料ガスを供給する流路である。配管8Bは、燃料電池1aから燃料ガスのオフガスを排出する流路である。なお、オフガスとは燃料電池1aでの電気化学的反応に使われなかったガスである。配管8Cは、燃料電池1aに酸化剤ガスを供給する流路である。配管8Dは、燃料電池1aから酸化剤ガスのオフガスを排出する流路である。底材6における配管8A〜8Dの貫通部は密閉処理が施されている。配管8A〜8Dの貫通部の密閉処理は、典型的にはコーキングである。なお、本実施の形態では、燃料電池システム1の台盤1cが底材6を兼ねている。
また、底材6には、カバー3と密閉的に接続可能な縁部6aが形成されている。ここで、図3を参照して、カバー3と縁部6aとが密閉的に接続されている状況を説明する。図3は、カバー3と縁部6aとの密閉的な接続状況の断面を部分的に示した図である。縁部6aにはカバー3を差し込むことができる空間が形成されており、その空間には2つに分割されたゴム6bが挿入されている。この2つのゴム6bの間にカバー3の端部が差し込まれると、各ゴムには、その弾力性により、カバー3と縁部6aとを押し付ける方向に力が加わる。このようにして、縁部6aは、カバー3と密閉的に接続されるように構成されている。このとき、カバー3と底材6とで囲まれた空間を通気しにくい空間とすることができるように構成されている。
また、図4に示すように、カバー3と縁部6aとが密封ファスナー4Bによって密閉的に接続されるように構成してもよい。図4は、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池発電装置10の変形例を説明する模式的斜視図である。本変形例では、カバー3は、袋状の包材を用いている。また、縁部6aにはカバー3と同じ材質の接続片3aが隙間なく取り付けられており、接続片3aとカバー3とが密封ファスナーで着脱可能なように構成されている。
また、縁部6aの表面をなめらかに加工して、その面にカバー3を密着させ、さらに粘着テープ等で押さえることにより密封するように構成してもよい。この場合、表面のなめらかな縁部6aの塵埃を除去した上で、これにカバー3を密着させることが好ましい。
引き続き図2を参照して、燃料電池発電装置10の作用について説明する。
燃料電池1aは、燃料ガスを配管8Aを介して導入すると共に酸化剤ガスを配管8Cを介して導入し、燃料ガス中の水素と酸化剤ガス中の酸素との電気化学的反応により発電する。発生した電力は、不図示の電力負荷にて消費される。燃料電池1aでの発電を停止するときは、燃料電池1aへの燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を停止する。
燃料電池1aは、燃料ガスを配管8Aを介して導入すると共に酸化剤ガスを配管8Cを介して導入し、燃料ガス中の水素と酸化剤ガス中の酸素との電気化学的反応により発電する。発生した電力は、不図示の電力負荷にて消費される。燃料電池1aでの発電を停止するときは、燃料電池1aへの燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を停止する。
長期間にわたって燃料電池1aの運転を行わない場合は、カバー3を装着したときにその中の酸素を除去するのに十分な量の脱酸素材2を底材6上に投入する。また、脱酸素剤2と共に酸素検知剤5を適当な個数投入する。脱酸素剤2及び酸素検知剤5を投入後、底材6の縁部6aとカバー3とを密閉的に接続して燃料電池システム1を密封する。なお、底材6の配管8A〜8Dの貫通部は密閉処理が施されているため、貫通部を介して通気することはない。また、配管8A〜8Dが底材6を貫通しているので、底材6の縁部6aとカバー3との密閉的な接続を容易にしている。
燃料電池システム1、脱酸素剤2及び酸素検知剤5をカバー3及び底材6で形成される空間に密封すると、空間内の酸素が脱酸素剤2に吸収されるため空間内の酸素濃度が低くなる。空間内の酸素濃度は酸素検知剤5の色の変化により確認することができる。空間は非通気性のカバー3及び底材6で囲まれているため、外部から新たに空気(酸素)が侵入してくることがほとんどない。このように、空間内の酸素が脱酸素剤2に吸収されることにより、燃料電池1aに向かって拡散することがないので、燃料電池1aの電極触媒は酸化による劣化から保護される。
以上の説明では、燃料電池1aに接続される配管8A〜8Dは、底材6を貫通しているものとして説明したが(段落0030)、縁部6aの面積を大きくして縁部6aを貫通するように構成してもよい。このように構成すると、底材6の下部から配管8A〜8Dが突出しないので燃料電池発電装置10の据付が容易になる。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池発電装置10は、脱酸素剤2が密封されたカバー3内の酸素を吸収するため、燃料電池1aの電極が酸素に晒され続けることがなく、電極触媒が酸化により劣化することがない。本実施の形態は、典型的には、燃料電池利用者の長期不在等により長時間にわたって燃料電池を停止する時などに用いられる。
1a 燃料電池
2 脱酸素剤
3 カバー
5 酸素検知剤
6 底材
6a 縁部
10 燃料電池発電装置
2 脱酸素剤
3 カバー
5 酸素検知剤
6 底材
6a 縁部
10 燃料電池発電装置
Claims (5)
- 水素と酸素との電気化学的反応により発電する燃料電池と、脱酸素剤とを非通気性のカバー内に収容する工程と;
前記燃料電池と脱酸素剤とが収容されたカバーを密封する工程とを備える;
燃料電池の保管方法。 - 前記密封されたカバーの中の酸素濃度を確認する工程を備える;
請求項1に記載の燃料電池の保管方法。 - 水素と酸素との電気化学的反応により発電する燃料電池と;
前記燃料電池を密閉的に収容する非通気性のカバーと;
前記カバー内に前記燃料電池と共に収容された脱酸素剤とを備える;
燃料電池発電装置。 - 前記カバーの中の酸素濃度を確認する酸素濃度確認手段を備える;
請求項3に記載の燃料電池発電装置。 - 前記燃料電池を載置する非通気性の底材を備え;
前記底材には前記カバーと密閉的に接続可能な縁部が形成されている;
請求項3又は請求項4に記載の燃料電池発電装置。
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WO2020136768A1 (ja) | 2018-12-26 | 2020-07-02 | 本田技研工業株式会社 | 保管システム |
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2004
- 2004-09-01 JP JP2004253943A patent/JP2006073297A/ja not_active Withdrawn
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JP2022188269A (ja) * | 2018-12-26 | 2022-12-20 | 本田技研工業株式会社 | 管理装置及び保管システム |
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