JP7222818B2 - 電池パック - Google Patents

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Description

本発明は、硫化物系固体電解質を用いた電池セルを、電池ケース内に収容した電池パックに関する。
近年、環境保護の観点から電動モータで駆動する電気自動車又はハイブリッド車などの開発が盛んに進められている。この電気自動車又はハイブリッド車などには、駆動用電動モータの電源となるための、複数の電池セルが直列又は並列に接続された電池パックが搭載されている。
また、この電池セルには、鉛蓄電池やニッケル水素電池などに比べて、高容量かつ高出力が可能なリチウムイオン二次電池が主として用いられている。そして、リチウムイオン二次電池の中でも、可燃性の有機溶媒からなる電解液を用いないことから、安全性の高い全固体型リチウムイオン二次電池が注目を集めている。この全固体型リチウムイオン二次電池では、有機溶媒を用いた電解液の代わりに、例えば硫化物系固体電解質が好適に用いられる。
しかしながら、この硫化物系固体電解質を有する全固体型リチウムイオン二次電池では、電池外から流入した空気が硫化物系固体電解質と接触すると、空気中の水分により硫化水素ガス(HS)が発生することがある。硫化水素ガスは、電極を腐食させるとともに、毒性が高いため人体への影響も懸念される。
そこで、発生した硫化水素ガスを吸着する必要があり、例えば特許文献1では、全固体型リチウムイオン二次電池とともに多孔質吸着材を容器(電池ケース)に収容するとともに、容器内に、硫化水素の分子より大きい分子、例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素などの気体を充填して加圧している。
特開2013-65451号公報
上記特許文献1では、多孔質吸着材に備えられた細孔の大きさの平均が、硫化水素の分子径よりも大きく、容器内に充填された気体の分子径よりも小さいことから、発生した硫化水素ガスを選択的に細孔内に捕獲する吸着機構となっている。しかしながら、多孔質吸着材は、気体が充填された容器内で露出しているとともに、容器内に充填された気体は加圧された状態である。また、多孔質吸着材に備えられた細孔の大きさの平均が、容器内に充填された気体の分子径よりも小さいとはいえ、細孔の孔径にも分布があることから、一部の細孔において、容器内に充填された気体の分子径よりも大きい場合もあるため、多孔質吸着材の細孔が、充填された窒素などの気体により閉塞され、硫化水素ガスの吸着性能が経時的に劣化するおそれがあった。また、多孔質吸着材の種類も、充填される気体の分子径により制限されるという問題があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、硫化水素ガスに対する吸着性能の経時的な劣化を防ぐとともに、多孔質吸着材の種類の制限がない電池パックを提供することを目的とする。
本発明の目的は、電池パックに係る下記(1)により達成される。
(1) 硫化物系固体電解質を用いた電池セルを、電池ケース内に収容した電池パックであって、
前記電池ケースが、前記電池セル及び硫化水素センサーを収容する電池セル収容部と、
硫化水素ガスを吸着可能な吸着材が、包装材で気密に包囲されてなる吸着材収容部と、
を有するとともに、
前記硫化水素センサーが前記硫化水素ガスを検知した際、前記包装材を熱収縮させることにより、前記吸着材収容部内の前記吸着材を開放して、前記吸着材と、前記電池セル収容部内に存在する気体とを接触可能にする開放機構を有する、電池パック。
また、電池パックに係る本発明の好ましい実施形態は、下記(2)~(13)のいずれかであることを特徴とする。
(2) 前記包装材と接触した状態で配置される金属体を有し、
前記開放機構は、前記金属体を加熱する加熱機構を有する、上記(1)に記載の電池パック。
(3) 前記金属体は金属メッシュである、上記(2)に記載の電池パック。
(4) 前記包装材は、熱収縮性フィルムからなる、上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の電池パック。
(5) 前記熱収縮性フィルムは、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン及びポリプロピレンから選択される少なくとも一種から構成される、上記(4)に記載の電池パック。
(6) 前記包装材は、該包装材における他の部位よりも強度が低い軟弱部を有する、上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の電池パック。
(7) 前記軟弱部は、該包装材における他の部位よりも厚さの薄い薄肉部である、上記(6)に記載の電池パック。
(8) 前記包装材の少なくとも一方の面が、金属膜で覆われている、上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の電池パック。
(9) 前記金属膜はアルミニウム蒸着膜である、上記(8)に記載の電池パック。
(10) 前記吸着材収容部は、前記電池セルよりも鉛直方向下側に配置される、上記(1)~(9)のいずれか1つに記載の電池パック。
(11) 前記吸着材収容部内は、真空状態又は減圧状態である、上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の電池パック。
(12) 前記硫化水素センサーは、外部へ報知するための報知手段に接続されており、
前記硫化水素センサーが前記硫化水素ガスを検知した際、前記外部への報知を行う、上記(1)~(11)のいずれか1つに記載の電池パック。
(13) 前記吸着材は、活性炭、ゼオライト、金属ケイ酸塩、シリカゲル、並びに、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、銅及び銀から選択される少なくとも一種の金属、該金属の酸化物及び該金属の水酸化物からなる群から選択される少なくとも一種である、上記(1)~(12)のいずれか1つに記載の電池パック。
本発明に係る電池パックによれば、硫化水素ガスに対する吸着性能の経時的な劣化を防ぎ、硫化水素ガスが発生した際に十分な吸着性能を発揮することができる。また、硫化水素ガスを吸着可能な吸着材であれば、多孔質吸着材の種類の制限もない。
図1は、本発明に係る電池パックの実施形態を模式的に示す図である。 図2は、包装材、及び包装材と接触した状態で配置された金属メッシュを、金属メッシュ側から見た場合の模式図である。 図3は、包装材が熱収縮によって破断した後の状態における電池パックを模式的に示す図である。
図1は、本発明に係る電池パックの実施形態を模式的に示す図である。本実施形態に係る電池パック1は、硫化物系固体電解質を用いた電池セル10を、電池ケース20内に収容したものである。また、電池ケース20は、電池セル10及び硫化水素センサー50を収容する電池セル収容部20Aと、硫化水素ガスを吸着可能な吸着材30が、包装材25で気密に包囲されてなる吸着材収容部20Bとを有する。
硫化物系固体電解質を用いた電池セル10は、図示は省略するが、正極と負極とで硫化物系固体電解質を挟み、セル全体を例えばシール部材で気密に包囲したものであり、電池ケース20に収容される。そして、外的要因などにより、電池ケース20、さらには電池セル10が損傷し、それに伴ってシール部材が破断して空気中などに含まれる水分が硫化物系固体電解質と接触すると、硫化水素ガスが発生する場合がある。
そこで、発生した硫化水素ガスを吸着するために、本実施形態に係る電池パック1は、電池ケース20内に、硫化水素ガスを吸着可能な吸着材30を備えている。さらに、電池パック1は、電池ケース20内に、硫化水素センサー50が硫化水素ガスを検知した際、包装材25を熱収縮させることにより、吸着材収容部20B内の吸着材30を開放して、吸着材30と、電池セル収容部20A内に存在する気体とを接触可能にする開放機構60を備えている。
ここで、本発明に係る電池パック1が、上記開放機構60を備える理由を以下に説明する。
上述の通り、特許文献1では、多孔質吸着材に備えられた細孔の大きさの平均が、硫化水素の分子径よりも大きく、容器内に充填された気体の分子径よりも小さいことから、発生した硫化水素ガスを選択的に細孔内に捕獲する吸着機構となっているものの、一部の細孔においては、容器内に充填された気体の分子径よりも大きい場合もあるため、多孔質吸着材の細孔が、充填された窒素などの気体により閉塞され、硫化水素ガスの吸着性能が経時的に劣化するおそれがあった。また、多孔質吸着材の種類も、充填される気体の分子径により制限されるという問題があった。
そこで、本発明者らは、吸着材30を包装材25で気密に包囲することで、吸着材30外に存在する窒素ガスや酸素ガスなどの気体の侵入を防ぐとともに、電池セル10から硫化水素ガスが発生した際には、硫化水素センサー50で硫化水素ガスを検知し、当該検知に基づき、包装材25を熱収縮させることにより、吸着材30を包装材25から開放して、電池セル10から発生した硫化水素ガスと接触可能にする開放機構60を採用することを考えた。そして、このような開放機構60によれば、硫化水素ガスが発生していないときにおいて、電池ケース20内に存在する窒素ガスや酸素ガスが包装材25を透過して、吸着材30の細孔を閉塞してしまうことを抑制できること、また、電池セル10から硫化水素ガスが発生した際には、吸着材30と硫化水素ガスとを接触可能にすることで、効果的に硫化水素ガスを吸着できることを見出した。
以下、電池パック1の各構成要素につき詳細に説明する。
(電池ケース)
電池ケース20は、硫化物系固体電解質を用いた電池セル10及び硫化水素センサー50を収容する電池セル収容部20Aと、硫化水素ガスを吸着可能な吸着材30が、包装材25で気密に包囲されてなる吸着材収容部20Bとを有する。
(電池セル収容部)
電池セル収容部20Aは、電池ケース20内における、硫化物系固体電解質を用いた電池セル10及び硫化水素センサー50が収容された部分である。
硫化物系固体電解質を用いた電池セル10は、正極と負極とで硫化物系固体電解質を挟み、セル全体を例えばシール部材で気密に包囲したものであり、電池ケース20に収容されて自動車などの使用機器に装着される。上述の通り、硫化物系固体電解質を用いた電池セル10は、外的要因などにより、電池セル10が破損して空気中などに含まれる水分が硫化物系固体電解質と接触することで、硫化水素ガスの発生源となり得る。なお、図1に示すように、電池セル10は、高容量化などを目的として複数の電池セル10を直列又は並列に接続した状態で(接続の状態は図示を省略する。)、電池ケース20に収容されることが多いが、必要に応じて電池セル10を単体で使用するものであってもよい。
硫化水素センサー50は、電池セル収容部20Aにおいて、電池セル10から発生した硫化水素ガスを検知する役割を果たす。なお、硫化水素センサー50は、硫化水素ガスを検知できるものであれば特に制限はなく、電解センサー、薄膜センサー、セラミックセンサー、有機材料センサー、電解材料センサー、熱電対センサー等、公知のものを使用することができる。
なお、電池セル収容部20Aは、気密であってもよいが、空気が流入するように外部に通じていてもよい。外部に通じていることにより、電池セル10を空冷することができる。また、本実施形態において、電池セル10は重量物であるため、例えば、通気性を有するメッシュ状の台座40に載置されている。さらに、台座40には、電池セル10に近接して硫化水素センサー50が載置されている。
(吸着材収容部)
吸着材収容部20Bは、電池ケース20内における、硫化水素ガスを吸着可能な吸着材30が、包装材25で気密に包囲されてなる部分である。
硫化水素ガスを吸着可能な吸着材30は、硫化水素ガスを吸着できる材料であれば制限はなく、活性炭、ゼオライト、金属ケイ酸塩、シリカゲル、並びに、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、銅及び銀等の金属、これら金属の酸化物、これら金属の水酸化物等を挙げることができる、また、これらを単独で使用してもよく、あるいは混合して使用してもよい。
活性炭としては、特に種類が限定されるものではなく、例えば、ヤシガラ、石炭、木炭等を主原料としたものが挙げられる。
金属ケイ酸塩としては、例えば、特許第6164900号公報に記載の、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属ケイ酸塩であることが好ましい。
ゼオライトとしては、特に種類に限定されるものではなく、例えば、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM-5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA及びゼオライトL等が挙げられる。
なお、吸着速度向上の観点からは、吸着材30として、活性炭、ゼオライト、シリカゲルのいずれかを用いることが好ましい。また、吸着力向上の観点からは、吸着材30として、金属ケイ酸塩、又は、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、銅及び銀から選択される少なくとも一種の金属、該金属の酸化物及び該金属の水酸化物からなる群から選択される少なくとも一種のいずれかを用いることが好ましい。
また、吸着材30は、粉末状でもよく、そのまま後述する包装材25に収容してもよい。また、吸着材30の粉末を適当なバインダーで結着してシート状に加工してもよく、あるいは、適当な支持体の片面又は両面に吸着材30の粉末を層状に一体化してもよく、これらシートや支持体と一体化したものを包装材25で気密に包囲する形態であってもよい。
なお、吸着材30が粉末状である場合の粉末の平均粒子径は、微小なほど単位質量当たりの表面積が大きくなることから好ましく、具体的には、0.5~100μmであることが好ましく、0.5~10μmであることがより好ましい。
バインダーとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリブタジエン等を用いることができる。中でも、硫化水素ガスの透過性が特に高いことから、スチレンブタジエンゴム(SBR)を用いることがより好ましい。バインダーの使用量としては、吸着材30とバインダーとの合計量に対して0.5~5質量%が好ましい。
支持体としては、吸着材30の粉末を支持できるものであれば、特に限定されるものではなく、樹脂などの有機系材料、金属やガラスなどの無機系材料を含めて様々なものを用いることができる。なお、吸着材30と支持体との界面にも硫化水素ガスが到達しやすいように、支持体には多数の微細な貫通孔が形成されていてもよい。
続いて、包装材25は、熱収縮させることで包装材25に穴を開けることが可能な材料であれば特に制限されないが、熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム)を用いることが好ましい。熱収縮性フィルムを用いることで、包装材25は、熱収縮により破断しやすくなり、加熱温度の低い段階で容易に包装材25に穴を開けることができ、硫化水素ガス発生の初期段階で、吸着材30による吸着を開始することが可能となる。
図2は、包装材25、及び包装材25と接触した状態で配置された金属体(金属メッシュ)26を、金属体26側から見た場合の模式図である。図2に示すように、包装材25に、包装材25における他の部位よりも強度が低い軟弱部28を形成することにより、熱収縮の際に軟弱部28を起点として熱収縮性フィルムが破断されやすくなるため好ましい。
軟弱部28としては、例えば、包装材25における他の部位よりも厚さの薄い薄肉部とすることができる。また、図2に示すように、包装材25にミシン目27を設けることにより、軟弱部28とすることもできる。ただし、包装材25の気密性を確保する観点から、ミシン目27は貫通孔を有さない程度にする必要がある。ミシン目27は、包装材25の任意の場所に形成することができるが、包装材25の平面部位における中央部以外(包装材25の外周部付近)に設けることが好ましい。これにより、図3に示すように、熱収縮の際、包装材25の中心部に向かって勢いよく包装材25を熱収縮させることができ、吸着材収容部20Bの開口面積を十分に確保やすくなる。なお、ミシン目は、線状の他、適度な間隔でドット状に形成されていてもよい。
熱収縮性フィルムの具体的な材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができ、これらのうち少なくとも一種を選択して用いることができる。
包装材25の厚さは特に制限されるものではなく、一般的な紙やシート、フィルムと同程度で構わず、例えば0.05mm~0.25mmが適当である。ただし、窒素ガスや酸素ガスの透過を効果的に抑制するための観点より、包装材25の厚さは0.08mm以上であることが好ましく、0.10mm以上であることがより好ましい。また、水蒸気ガスや硫化水素ガスの透過を効果的に発揮させるための観点より、包装材25の厚さは0.20mm以下であることが好ましく、0.15mm以下であることがより好ましい。
また、包装材25は、吸着材30を収容した状態で、その端部(四隅)をホットシールするなどして密封、すなわち気密に密封している。なお、密封の際、包装材25の内部に窒素ガスや酸素ガスが入り込まないよう、例えば、包装材25の内部を真空又は真空に近い状態にした状態(すなわち、真空状態又は減圧状態)で吸着材30を収容することが好ましい。このようにすることで、後述する開放機構60により、吸着材30と電池セル収容部20A内に存在する気体とを接触可能にする前から、包装材25内に存在しうる窒素ガスや酸素ガスなどの気体を極力減らすことができ、包装材25内の気体が、吸着材30の細孔を閉塞してしまうことを抑制できるため、吸着材30がより高い硫化水素ガスの吸着効果を得ることができる。なお、「真空状態」とは気圧がゼロの状態を示し、「減圧状態」とは大気圧に比べて気圧が低い状態を示す。
上記のようにして構成された、吸着材収容部20Bは、電池セル10から硫化水素ガスが発生していない状態では、包装材25の内部に窒素ガスや酸素ガスが入り込めず、例え吸着材30の細孔が窒素ガスや酸素ガスの分子径よりも大きい場合であっても、吸着材30の細孔が閉塞されることがないため、硫化水素ガスの吸着性能が経時的に劣化せず、吸着材30の製造時に近い状態で維持されている。
なお、吸着材収容部20Bは、図1に示すように、電池セル10よりも鉛直方向下側に配置されることが好ましい。硫化水素ガスは空気よりも重いため、吸着材収容部20Bが硫化水素ガスの発生源である電池セル10よりも下方に配置されることで、吸着材30が効果的に硫化水素ガスを吸着することができる。
なお、図示は省略するが、包装材25の少なくとも一方の面が、金属膜で覆われていることが好ましい。包装材25の材質が熱収縮性フィルムなどの樹脂材料にあっては、吸着材30を包装材25で気密に包囲されているとしても、長期間に至る場合には、窒素ガスや酸素ガスが樹脂材料を透過する可能性がある。そこで、金属膜のような実質的に気体を透過させない材料で、包装材25の少なくとも一方の面を覆うことにより、窒素ガスや酸素ガスの透過をより効果的に抑制することができる。金属膜の被覆は、包装材25の表面又は裏面のいずれか一方でもよいが、窒素ガスや酸素ガスの透過を効果的に抑制するには両面に被覆されていることが好ましい。
包装材25に被覆される金属膜は、包装材25の熱収縮の際、包装材25とともに破断する必要がある。金属膜の厚さが厚すぎると上記作用を阻害するおそれがあるため、金属膜の厚さは0.10μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましい。また、金属膜としては、比較的容易に樹脂材料に被覆可能であることから、アルミニウム蒸着膜であることが好ましい。
(開放機構)
開放機構60は、硫化水素センサー50が硫化水素ガスを検知した際、包装材25を熱収縮させることにより、吸着材収容部20B内の吸着材30を開放して、吸着材30と、電池セル収容部20A内に存在する気体(硫化水素、空気など)とを接触可能にする役割を果たす。そして、図1に示すように、この開放機構60は、硫化水素センサー50に接続されており、硫化水素センサー50における硫化水素ガスの検知に連動して、吸着材収容部20B内の吸着材30を開放するための所定の動作を行う。
具体的に、図1や図2に示すように、電池パック1は、包装材25と接触した状態で配置される金属体26を有しているとともに、開放機構60は、金属体26を加熱する加熱機構を有する。そして、加熱機構である開放機構60は、金属体26と熱的に接続されている。金属体としては、包装材25の全面を覆うように接触するものでなければ、必ずしもメッシュ状のものでなくても構わないが、包装材25が熱収縮により破断した後に、吸着材収容部20Bの開口部を十分に取るためには、金属体は金属メッシュであることが好ましい。また、開放機構60である加熱機構の具体例としては、ヒーターを挙げることができる。
そして、電池セル10から発生した硫化水素ガスが硫化水素センサー50で検知された場合、開放機構60である加熱機構は、硫化水素センサー50での検知に連動して発熱を開始することで、金属体26が加熱される。さらに、加熱された金属体26と接触する包装材25が熱収縮することにより(図3を参照)、包装材25に穴が開けられるため、発生した硫化水素ガスは、吸着材収容部20B内に流入することが可能となる。
なお、別の方法として、ニクロム線などの電熱線をメッシュ状に組んだ金属体26を包装材25と接触させるとともに、開放機構60として、上記電熱線に接続されたスイッチとすることもできる。この場合、電池セル10から発生した硫化水素ガスが硫化水素センサー50で検知された場合、開放機構60であるスイッチをONにすることにより、電熱線の加熱を行うことで、上記と同様、加熱された電熱線と接触する包装材25が熱収縮することにより、包装材25に穴を開けることもできる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
なお、上記の基本構成に加えて、硫化水素センサー50は、外部へ報知するための報知手段(図示は省略)に接続されており、硫化水素センサー50が、硫化水素ガスを検知した際、外部への報知を行うような構成であってもよい。上記報知手段を有することにより、硫化水素ガスの発生を外部に報知することにより、電池パック1から避難することができる。
1 電池パック
10 電池セル
20 電池ケース
20A 電池セル収容部
20B 吸着材収容部
25 包装材(熱収縮性フィルム)
26 金属体(金属メッシュ)
27 ミシン目
28 軟弱部(薄肉部)
30 吸着材
40 台座
50 硫化水素センサー
60 開放機構(加熱機構)

Claims (13)

  1. 硫化物系固体電解質を用いた電池セルを、電池ケース内に収容した電池パックであって、
    前記電池ケースが、前記電池セル及び硫化水素センサーを収容する電池セル収容部と、
    硫化水素ガスを吸着可能な吸着材が、包装材で気密に包囲されてなる吸着材収容部と、
    を有するとともに、
    前記硫化水素センサーが前記硫化水素ガスを検知した際、前記包装材を熱収縮させることにより、前記吸着材収容部内の前記吸着材を開放して、前記吸着材と、前記電池セル収容部内に存在する気体とを接触可能にする開放機構を有する、電池パック。
  2. 前記包装材と接触した状態で配置される金属体を有し、
    前記開放機構は、前記金属体を加熱する加熱機構を有する、請求項1に記載の電池パック。
  3. 前記金属体は金属メッシュである、請求項2に記載の電池パック。
  4. 前記包装材は、熱収縮性フィルムからなる、請求項1~3のいずれか1項に記載の電池パック。
  5. 前記熱収縮性フィルムは、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン及びポリプロピレンから選択される少なくとも一種から構成される、請求項4に記載の電池パック。
  6. 前記包装材は、該包装材における他の部位よりも強度が低い軟弱部を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の電池パック。
  7. 前記軟弱部は、該包装材における他の部位よりも厚さの薄い薄肉部である、請求項6に記載の電池パック。
  8. 前記包装材の少なくとも一方の面が、金属膜で覆われている、請求項1~7のいずれか1項に記載の電池パック。
  9. 前記金属膜はアルミニウム蒸着膜である、請求項8に記載の電池パック。
  10. 前記吸着材収容部は、前記電池セルよりも鉛直方向下側に配置される、請求項1~9のいずれか1項に記載の電池パック。
  11. 前記吸着材収容部内は、真空状態又は減圧状態である、請求項1~10のいずれか1項に記載の電池パック。
  12. 前記硫化水素センサーは、外部へ報知するための報知手段に接続されており、
    前記硫化水素センサーが前記硫化水素ガスを検知した際、前記外部への報知を行う、請求項1~11のいずれか1項に記載の電池パック。
  13. 前記吸着材は、活性炭、ゼオライト、金属ケイ酸塩、シリカゲル、並びに、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、銅及び銀から選択される少なくとも一種の金属、該金属の酸化物及び該金属の水酸化物からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1~12のいずれか1項に記載の電池パック。
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