JP2015179618A - 外装ケース、外装ケース用ラミネートフィルム、及び、電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】電池モジュールの内部で異常が発生した場合であっても、電池モジュールの外装ケースを開放又は破壊することなく内部状況を確認できる電池モジュールを提供する。【解決手段】電池モジュール10は、電池セル14と、電池セル14を収容する外装ケース30とを備えている。電池セル14は、水蒸気バリア性を有する金属箔層24と熱融着性樹脂層27とを含むラミネートフィルムからなる外装材20で電池要素12を包含して構成される。外装ケース30は、水蒸気バリア性を有する蒸着薄膜層32及び熱融着性樹脂層34を含んで構成される。この電池モジュール10では、外装ケース30が透明又は半透明である。【選択図】図1
Description
本発明は、外装ケース、外装ケース用ラミネートフィルム、及び、電池モジュールに関し、特に透明性を有する外装ケース、外装ケース用ラミネートフィルム、及び、かかる外装ケースを備える電池モジュールに関する。
近年、電気を動力源とする電気自動車や、エンジン及びモーターを組み合わせたハイブリッド電気自動車が実用化されてきている。これら自動車の動力源である電気を供給するための電池として、ニッケル−水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池が用いられている。このような二次電池が自動車に搭載される場合、高電圧及び高容量を得る必要があるため、多数の二次電池を直列または並列に接続して使用しており、その多数の二次電池を外装ケース内に収納し、電池モジュールとしている。このような電池モジュールでは、例えば、二次電池に異常があった際にモジュール内にガスが発生する場合があるが、このようなガスを外部に放出できる機構を備えた電池モジュールが種々提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
ところで、従来の電池モジュールでは外装ケースが金属缶などで構成されており、内部に配置されている二次電池に何らかの原因で異常が発生し二次電池として機能しない場合であっても、外部からはその異常の状態(例えばガスが発生したり、又は二次電池が膨張したり等)を目視によって確認することができなかった。このため、二次電池で異常が発生した場合(又は発生したと推測できる場合)、その原因等を確認するため、電池モジュールとして密閉された外装ケースを開放又は破壊する必要があった。
また、次世代の二次電池の有力候補にあげられている硫化物系全固体電池では、電極に硫黄を使用しており、この硫黄が二次電池内に浸入した水分と反応すると硫化水素を発生させる場合がある。二次電池の電極に硫黄を使用する場合、硫化水素の発生防止と発生した硫化水素の外部流出防止とを図らなければならないが、発生ガスが硫化水素の場合、外装ケースを破壊等して確認することも流出防止の観点から困難であり、従来の電池モジュール構成では、硫化水素の発生といった異常状態を確認することすら難しい。
そこで、上記課題を鑑みて、本発明は、電池モジュールの内部で異常が発生した場合であっても、電池モジュールの外装ケースを開放又は破壊することなく内部状況を確認できる外装ケース、外装ケース用ラミネートフィルム、及び、電池モジュールを提供することを目的とする。
(1)本発明は、その一側面として、水蒸気バリア性を有するラミネートフィルムからなる外装材によって電池要素を包含して構成される電池セルを収容するための外装ケースに関する。この外装ケースは、水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア層と、水蒸気バリア層に積層される熱融着性樹脂層とを備え、水蒸気バリア層と熱融着性樹脂層とを少なくとも含んで構成される積層体フィルムが透明又は半透明であることを特徴としている。
上述した外装ケースでは、外装ケースを構成する積層体フィルムが透明又は半透明である。このため、何らかの原因で電池モジュールの内部に異常が発生したとしても、外装ケースを開放又は破壊することなく、電池モジュール内の異常の状況(電池の膨張やガスの発生等)を目視によって確認することができる。また、この外装ケースでは、外装ケースを構成する積層体フィルムが水蒸気バリア層を備えているため、電池モジュール内部への水分(水蒸気)の浸入を抑制することもできる。その結果、硫化物系全固体電池の場合等において、硫化水素の発生を予防することができる。また、この水蒸気バリア層の存在により、外装ケース内部で発生したガス(例えば硫化水素等)の外部流出も抑制することができる。
(2)上記の外装ケースにおいて、積層体フィルムのJIS K7136に準じて測定されるヘーズ値が80%以下であることが好ましい。ヘーズ値が80%を超えた場合でも中の状態をある程度、視認することはできるが、例えば、硫化水素が発生した際に着色する金属塩を内部に配置した場合、ヘーズ値が80%以下であれば、より確実に金属塩の色の変化(呈色)の識別を行うことができる。なお、ここで用いる「ヘーズ値」は、JIS K7136に準じて測定されるフィルムの透明性に関する指標であり、以下の式(1)で示す濁度を示し、ヘーズメータ等によって測定することが可能である。
ヘーズ値(%)=Td/Tt × 100 ・・・ (1)
(Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率)
なお、積層体フィルムのヘーズ値は30%以下であることがより好ましく、この場合、外装ケース内の二次電池(電池セル)の状態をより確実に視認することが可能となる。
ヘーズ値(%)=Td/Tt × 100 ・・・ (1)
(Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率)
なお、積層体フィルムのヘーズ値は30%以下であることがより好ましく、この場合、外装ケース内の二次電池(電池セル)の状態をより確実に視認することが可能となる。
(3)上記の外装ケースにおいて、外装ケースの水蒸気バリア層が無機酸化物からなることが好ましい。この場合、例えば酸化アルミニウムや酸化珪素といった無機酸化物を水蒸気バリア層とすることになり、外装ケース内への水分の浸入をより一層抑制することができる。なお、水蒸気バリア層として無機酸化物を用いた場合であっても、外装ケース内の状況を視認することはできるため、水分の浸入抑制と内部状況の確認(透明性)とを両立することが可能である。
(4)上記の外装ケースに、硫化水素ガス吸着フィルム若しくは硫化物ガス吸着シート、又は活性炭が取り付けられていてもよい。二次電池(電池セル)として硫化物系全固体電池を適用した場合、仮に外装ケース内に硫化水素等が発生したとしても、硫化水素ガス吸着フィルム若しくは硫化物ガス吸着シート、又は活性炭により、発生した硫化水素を吸着できるため、電池モジュールの外部への硫化水素の流出を防止することができる。
(5)上記の外装ケースに、硫化水素と反応した際に着色する金属塩が取り付けられていてもよい。二次電池(電池セル)として硫化物系全固体電池を適用した場合、仮に外装ケース内に硫化水素等が発生したとしても、金属塩の色が着色により変化することにより外部からすぐに視認及び把握することができ、発生した硫化水素に対して適切な処置を取ることが可能となる。
(6)また、本発明は、別の側面として、水蒸気バリア性を有するラミネートフィルムからなる外装材によって電池要素を包含して構成される電池セルを収容する外装ケースを形成するための積層体フィルムである外装ケース用ラミネートフィルムに関する。この外装ケース用ラミネートフィルムは、水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア層と、水蒸気バリア層に積層される熱融着性樹脂層とを備え、水蒸気バリア層と熱融着性樹脂層とを少なくとも含んで構成される積層体フィルムが透明又は半透明であることを特徴としている。
このような構成の外装ケース用ラミネートフィルムを用いることにより、上記の外装ケースの場合と同様、何らかの原因で電池モジュールの内部に異常が発生したとしても、上記ラミネートフィルムから構成される外装ケースを開放又は破壊することなく、電池モジュール内の異常の状況(電池の膨張等)を目視によって確認することができる。また、この外装ケース用のフィルムは水蒸気バリア層を備えているため、電池モジュール内部への水分の浸入を抑制することもできる。その結果、硫化物系全固体電池の場合における硫化水素の発生や電池内部への水蒸気の浸入等を予防することができる。
(7)また、本発明は、更に別の側面として、電池モジュールに関する。この電池モジュールは、水蒸気バリア性を有する第1の水蒸気バリア層及び当該第1の水蒸気バリア層に積層される第1の熱融着性樹脂層を含むラミネートフィルムからなる外装材で電池要素を包含して構成される電池セルと、水蒸気バリア性を有する第2の水蒸気バリア層及び第2の水蒸気バリア層に積層される第2の熱融着性樹脂層とを含んで構成され、電池セルを収容する外装ケースとを備え、外装ケースが透明又は半透明であることを特徴としている。
上述した電池モジュールでは、外装ケースが透明又は半透明である。このため、何等かの原因で電池モジュールの内部に異常が発生したとしても、外装ケースを開放又は破壊することなく、電池モジュール内の異常の状況(電池の膨張等)を視覚によって確認することができる。また、この外装ケースでは、外装ケースを構成する積層体フィルムが水蒸気バリア層を備えているため、電池モジュール内部への水分の浸入を抑制することもできる。その結果、硫化物系全固体電池の場合等において、硫化水素の発生を予防することができる。また、この外装ケースの水蒸気バリア層の存在により、外装ケース内部で発生したガス(硫化水素等)の外部流出も抑制することができる。
(8)上記電池モジュールでは、外装ケースのJIS K7136に準じて測定されるヘーズ値が80%以下であることが好ましい。ヘーズ値が80%を超えた場合でも中の状態をある程度、視認することはできるが、例えば、硫化水素が発生した際に着色する金属塩を内部に配置した場合、ヘーズ値が80%以下であれば、より確実に金属塩の色の変化の識別を行うことができる。なお、外装ケースのヘーズ値は30%以下であることがより好ましく、この場合、外装ケース内の二次電池(電池セル)の状態をより確実に視認することが可能となる。
(9)上記電池モジュールでは、外装ケースの第2の水蒸気バリア層が無機酸化物からなることが好ましい。この場合、例えば酸化アルミニウムや酸化珪素といった無機酸化物を第2の水蒸気バリア層とすることになり、外装ケース内への水分の浸入をより一層抑制することができる。なお、水蒸気バリア層として無機酸化物を用いた場合であっても、外装ケース内の状況を視認することはできるため、水分の浸入抑制と内部状況の確認とを両立することが可能である。
(10)上記電池モジュールでは、硫化水素ガス吸着フィルム若しくは硫化物ガス吸着シート、又は、活性炭を更に備えてもよい。二次電池(電池セル)として硫化物系全固体電池を適用した場合、仮に電池モジュールの外装ケース内に硫化水素等が発生したとしても、硫化水素ガス吸着フィルム若しくは硫化物ガス吸着シート、又は活性炭により、発生した硫化水素が吸着されるため、電池モジュール外部への硫化水素の流出を防止することができる。
(11)上記電池モジュールは、硫化水素と反応した際に着色する金属塩を更に備えてもよい。この場合、二次電池(電池セル)として硫化物系全固体電池を適用した場合、仮に外装ケース内に硫化水素等が発生したとしても、金属塩の色が着色により変化することにより外部から瞬時に視認及び把握することができ、発生した硫化水素に対して適切な処置を取ることが可能となる。
本発明によれば、電池モジュールの内部で異常が発生した場合であっても、電池モジュールの外装ケースを開放又は破壊することなく内部状況を確認することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る電池モジュールの実施形態について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いる場合があり、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電池モジュールを模式的に示す正面図である。電池モジュール10は、例えば硫化物系全固体電池の電池モジュールであり、図1に示すように、電池要素12及び電池要素12を包含する外装材20からなる電池セル14と、電池セル14内部の電池要素12で発生する可能性のあるガス(例えば硫化水素)を吸収する吸着剤16と、仮にガスが発生した場合にそのガスと反応して変色する金属塩18と、電池セル14,吸着剤16及び金属塩18を包含する外装ケース30とを備えて構成される。
電池モジュール10内には、例えば4つの電池セル14が配置されているが、各電池セル14は、複数の電池セルが積み重ねられた電池セル集合体であってもよい。電池モジュール10の外装ケース30は、詳細を後述するように、透明度の高いラミネートフィルムから構成されているため、電池セル14、吸着剤16及び金属塩18が外部から視認可能となっている。なお、電池モジュール10がリチウムイオン電池の場合、吸着剤16や金属塩18を配置せずに電池セル14が内部に配置される構成でもよく、この場合も、外装ケース30が透明度の高いフィルムから構成されているため、電池セル14の状態を外部から視認可能となっている。
[電池セル14]
電池モジュール10に内包される電池セル14は、例えば図2に示されるように、電池要素12と、電池要素12から電流を外部に取り出すための2つの金属端子13と、電池要素12を気密状態で包含する外装材20と含んで構成される。外装材20は、水蒸気バリア性を有するラミネートフィルムから構成されており、例えば図3に示すように、基材層21の一方の面(図示下面)側に、基材接着剤層22、腐食防止処理層23、金属箔層24、腐食防止処理層25、接着剤層26及び熱融着性樹脂層27が順次積層された積層体フィルムである。外装材20では、基材層21が最外層であり、熱融着性樹脂層27が最内層である。すなわち、外装材20は、基材層21を電池セル14の外部側、熱融着性樹脂層27を電池セル14の内部側となるように2つのラミネートフィルムを熱融着することにより、内部に電池要素12を包含した構成となる。このような外装材20(ラミネートフィルム)は、公知のドライラミネート法、押出しサンドラミネート法、共押出しラミネート法などによって製造することができるが、特に限定されるものではない。
電池モジュール10に内包される電池セル14は、例えば図2に示されるように、電池要素12と、電池要素12から電流を外部に取り出すための2つの金属端子13と、電池要素12を気密状態で包含する外装材20と含んで構成される。外装材20は、水蒸気バリア性を有するラミネートフィルムから構成されており、例えば図3に示すように、基材層21の一方の面(図示下面)側に、基材接着剤層22、腐食防止処理層23、金属箔層24、腐食防止処理層25、接着剤層26及び熱融着性樹脂層27が順次積層された積層体フィルムである。外装材20では、基材層21が最外層であり、熱融着性樹脂層27が最内層である。すなわち、外装材20は、基材層21を電池セル14の外部側、熱融着性樹脂層27を電池セル14の内部側となるように2つのラミネートフィルムを熱融着することにより、内部に電池要素12を包含した構成となる。このような外装材20(ラミネートフィルム)は、公知のドライラミネート法、押出しサンドラミネート法、共押出しラミネート法などによって製造することができるが、特に限定されるものではない。
[外装材20]
続いて、外装材20を構成する各層について図3を参照しながら説明する。
続いて、外装材20を構成する各層について図3を参照しながら説明する。
基材層21は、エンボス成型時の金属箔層24の破断防止や金属箔層24と他の金属との接触を防止する絶縁性などの役割を担う層であり、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂又はポリオレフィン樹脂等の延伸又は未延伸フィルム等を用いることができる。基材層21としては、成型性、耐熱性、耐突き刺し性及び絶縁性を向上させる観点から、2軸延伸ポリアミドや2軸延伸ポリエステルを用いることが好ましい。また、基材層21は、1枚のフィルムである単一フィルムであってもよいし、2枚以上のフィルムを貼り合わせた複合フィルムであってもよい。基材層21は、基材接着剤層22及び腐食防止処理層23を介して、金属箔層24に強固に接着される。基材接着剤層22としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどを主剤とし、芳香族系や脂肪族系のイソシアネートを硬化剤とした2液硬化型接着剤を使用することができる。
金属箔層24は、水分(水蒸気)の電池セル14内への浸入を防止するための水蒸気バリア層であり、高い水蒸気バリア性を有する。また、金属箔層24は、加工の際に深絞り成形をすることがあるため、延伸性なども備えている。金属箔層24としては、アルミニウム、ステンレス鋼、又は銅等の各種金属箔を使用することができるが、重量(比重)、防湿性及びコストの面から、例えばアルミニウム箔を用いることが好ましい。アルミニウム箔としては、公知の軟質アルミニウム箔が使用でき、耐ピンホール性、及び成形時の延展性の点から、鉄を含むアルミニウム箔が好ましい。金属箔層24の厚さは、バリア性、耐ピンホール性、及び加工性の観点から、10μm以上100μm以下が好ましく、15μm以上80μm以下がより好ましい。
腐食防止処理層25は、金属箔層24の熱融着性樹脂層27側に形成される。なお、腐食防止処理層23を、金属箔層24の基材層21側に形成してもよい。腐食防止処理層23,25は、例えばリチウムイオン二次電池では、電解質と水分の反応により発生するフッ酸や電解液付着などによる金属箔層24の表面の腐食を防止するための層であり、例えば、クロム酸塩、リン酸塩、フッ化物と各種熱硬化性の樹脂からなる腐食防止処理剤であるクロメート処理、希土類元素の酸化物である酸化セリウム、リン酸塩と各種熱硬化性樹脂からなる腐食防止処理剤であるセリアゾル処理などを使用して形成することができる。
熱融着性樹脂層27は、腐食防止処理層25上に接着剤層26を介して形成される。接着剤層26としては、熱融着性樹脂層27を形成する接着成分によって、熱ラミネート構成とドライラミネート構成との二つに大きく分けられる。熱ラミネート構成に適用される接着剤としては、酸変性ポリオレフィンを挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度、中密度、高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体、ホモ、ブロックやランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体、等が挙げられる。酸変性ポリオレフィンとしては、例えばポリオレフィンが不飽和カルボン酸や、その酸無水物、及び誘導体により酸変性されたものなどが挙げられる。不飽和カルボン酸やその酸無水物、及び誘導体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、及びこれらの酸無水物、モノ及びジエステル、アミド、イミドなどが挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特に無水マレイン酸が好ましい。不飽和カルボン酸や、その酸無水物、及び誘導体はポリオレフィンに対し、共重合していればよく、その形式としては、ブロック共重合、ランダム共重合、グラフト共重合などが挙げられる。これら不飽和カルボン酸や、その酸無水物、及び誘導体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ドライラミネート構成に適用される接着剤としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンなどを主剤とし、芳香族系や脂肪族系のイソシアネートを硬化剤とした2液硬化型接着剤を使用することができる。上記接着剤は主剤のOH基(又はCOOH基)に対する硬化剤のNCO基のモル比(NCO/OH(又はCOOH基))は、1以上10以下が好ましく、2以上5以下がより好ましい。
接着剤層26の厚さは、熱ラミネート構成の場合、8μm以上30μm以下が好ましく、10μm以上20μm以下がより好ましい。接着剤層26の厚さが8μm以上であれば、十分な接着強度が得られやすく、30μm以下であれば、シール端面から電池内部に透過する水分量を低減しやすい。また、接着剤層26の厚さは、ドライラミネート構成の場合、1μm以上5μm以下であることが好ましい。膜厚が1μm未満では、密着力が低下するため、ラミネート強度が得られない。一方、膜厚が5μmを超える場合では、膜が厚くなることで、膜割れが発生しやすくなる。接着剤層26の膜厚が1μm以上5μm以下の範囲内にあることで、熱融着性樹脂層27と金属箔層24とを強固に密着させることができる。
熱融着性樹脂層27は、2枚の外装材20の熱融着性樹脂層27同士を向かい合わせにし、その中に電池要素12を内包して熱融着性樹脂層27の融解温度以上でヒートシールすることにより、電池要素12を密閉するための融着層である。熱融着性樹脂層27としては、例えばポリオレフィン樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度、中密度、高密度のポリエチレン、ホモ、ブロック又はランダムポリプロピレンなどが挙げられる。熱融着性樹脂層27は、耐熱性の観点から、使用するポリオレフィン樹脂はポリエチレンよりも、ポリプロピレンが好ましい。
[外装ケース30]
次に、電池モジュール10を構成する外装ケース30について説明する。外装ケース30は、透明又は半透明の外装ケース用ラミネートフィルムに対して成形加工やヒートシールを行うことにより形成される。外装ケース用ラミネートフィルムが透明又は半透明であることから、外装ケース30も同様に透明又は半透明である。外装ケース30の透明度は、例えば、JIS K7136に準じて測定されるヘーズ値が80%以下であることが好ましい。ヘーズ値が80%を超えた場合でも中の状態をある程度、視認することはできるが、例えば、硫化水素が発生した際に着色する金属塩18を内部に配置した場合、ヘーズ値が80%以下であれば、より確実に金属塩18の色の変化の識別を行うことができる。他のガスの場合でも同様である。なお、ここで用いる「ヘーズ値」は、JIS K7136に準じて測定されるフィルムの透明性に関する指標であり、以下の式(1)で示す濁度を示し、ヘーズメータ等によって測定することが可能である。
ヘーズ値(%)=Td/Tt × 100 ・・・ (1)
(Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率)
なお、外装ケース30(及び外装ケース用ラミネートフィルム)のヘーズ値は30%以下であることがより好ましく、この場合、外装ケース30内の電池セル14の状態をより確実に視認することが可能となる。
次に、電池モジュール10を構成する外装ケース30について説明する。外装ケース30は、透明又は半透明の外装ケース用ラミネートフィルムに対して成形加工やヒートシールを行うことにより形成される。外装ケース用ラミネートフィルムが透明又は半透明であることから、外装ケース30も同様に透明又は半透明である。外装ケース30の透明度は、例えば、JIS K7136に準じて測定されるヘーズ値が80%以下であることが好ましい。ヘーズ値が80%を超えた場合でも中の状態をある程度、視認することはできるが、例えば、硫化水素が発生した際に着色する金属塩18を内部に配置した場合、ヘーズ値が80%以下であれば、より確実に金属塩18の色の変化の識別を行うことができる。他のガスの場合でも同様である。なお、ここで用いる「ヘーズ値」は、JIS K7136に準じて測定されるフィルムの透明性に関する指標であり、以下の式(1)で示す濁度を示し、ヘーズメータ等によって測定することが可能である。
ヘーズ値(%)=Td/Tt × 100 ・・・ (1)
(Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率)
なお、外装ケース30(及び外装ケース用ラミネートフィルム)のヘーズ値は30%以下であることがより好ましく、この場合、外装ケース30内の電池セル14の状態をより確実に視認することが可能となる。
このような特性を有する外装ケース30は、図4に示すように、基材層31の一方の面に、蒸着薄膜層32、接着剤層33及び熱融着性樹脂層34を順次積層した積層体である。外装ケース30において、基材層31は最外層となるように配置され、熱融着性樹脂層34は最内層となるように配置される。すなわち、外装ケース30は、基材層31を電池モジュール10の外部側となるようにし、熱融着性樹脂層34を電池モジュール10の内部側となるように使用される。基材層31の外側部の表面には、所望の特性に応じてコーティング層を追加してもよい。
基材層31は、電池セル14を外部環境から保護するための層であり、例えば、ポリエステル系フィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド系フィルム(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリスチレン系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエーテルスルホン系フィルム、アクリル系フィルム、セルロース系フィルム(トリアセチルセルロース又はジアセチルセルロース等)等から構成される。基材層31としては、特に限定されないが、熱収縮率が低いフィルムを用いることが好ましく、その中でも耐薬液性に優れたフィルムを用いることが好ましい。実際的には、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド類、ポリエーテルスルホンなどのそれ自体も高いガスバリア性を有する材料を用いることが好ましい。なお、フィルムの厚さは特に限定されないが、6μm以上50μm以下が好ましく、10μm以上40μm以下がより好ましい。基材層31には、バリア性を損なわない範囲でコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの各種前処理、昜接着層やアンカーコート層などの各種コート層を設けてもよい。
蒸着薄膜層32は、水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア層であり、例えば、バリア性の高い材料として、酸化アルミニウム(AlOX)、酸化珪素(SiOX)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化マグネシウム(MgO)又はインジウム−スズ酸化物(ITO)などを用いることができる。蒸着薄膜層32としては、バリア性能、及び、上述した透明度の確保の観点から、無機酸化物である酸化アルミニウム又は酸化珪素を用いることが好ましい。なお、無機酸化物である酸化アルミニウム又は酸化珪素は、コスト面でも優れている。また、バリア性の向上や耐キズ性の向上の目的で、蒸着薄膜層32上にガスバリア性層を更に塗工してもよい。なお、蒸着薄膜層32の一方又は両方の面に腐食防止処理層23,25と同様の腐食防止処理層を設けてもよい。
蒸着薄膜層32は、バリア性能や透明度確保の観点から、例えば10nm以上300nm以下の厚みであることが好ましく、20nm以上200nm以下の厚みであることがより好ましい。厚みが10nm未満では薄膜の連続性に問題があり、一方、300nmを超えるとカールやクラックが発生しやすくバリア性に悪影響を与え、かつ可撓性が低下してしまう場合がある。蒸着薄膜層32の成膜は、バリア性能や膜均一性の観点から真空成膜を用いることが好ましく、その成膜手段として、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)などの公知の方法を用いることができる。その中でも、成膜速度が早く生産性が高いことから真空蒸着法を用いることが好ましく、特に電子ビーム加熱による成膜手段を用いることが好ましい。なお、蒸着薄膜層32は水蒸気バリア性を有しており、電池モジュール10の内部で発生したガス(例えば硫化水素)等を外部に放出してしまうことを防止する機能(ガスバリア性)も奏している。
接着剤層33は、熱融着性樹脂層34と蒸着薄膜層32とを接着するための層であり、いわゆる周知のドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法などの公知の方法によって熱融着性樹脂層34と蒸着薄膜層32とを貼り合わせることができる。接着剤としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンなどを主剤とし、芳香族系や脂肪族系のイソシアネートを硬化剤とした2液硬化型接着剤を使用することができる。上記接着剤では主剤のOH基(又はCOOH基)に対する硬化剤のNCO基のモル比(NCO/OH(又はCOOH基))は、1以上10以下であることが好ましく、2以上5以下であることがより好ましい。接着剤層33の膜厚は、例えば1μm以上5μm以下であることが好ましい。膜厚が1μm未満では、密着力が低下するため、ラミネート強度が得られない。一方、膜厚が5μmを越える場合では、膜が厚くなることで、膜割れが発生しやすくなる。
熱融着性樹脂層34は、蒸着薄膜層32上に接着剤層33を介して形成される。接着剤層33上に熱融着性樹脂層34が積層されることで、2枚の外装ケース用ラミネートフィルムの熱融着性樹脂層34同士を向かい合わせにし、1つ又は複数の電池セル14を内包して熱融着性樹脂層34の融解温度以上でヒートシールすることにより、密閉することができる。熱融着性樹脂層34としては、ポリオレフィン樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度、中密度、高密度のポリエチレン、ホモ、ブロック又はランダムポリプロピレンなどが挙げられる。また、前記のものにアクリル酸やメタクリル酸などの極性分子を共重合した共重合体、架橋ポリオレフィンなどのポリマーなどが挙げられ、分散、共重合などを実施した樹脂を採用することができる。これらポリオレフィン樹脂は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
熱融着性樹脂層34は、耐熱性の観点から、使用するポリオレフィン樹脂はポリエチレンよりもポリプロピレンが好ましい。熱融着性樹脂層34は、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、造核剤、顔料、染料等の各種添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上述した層構成を有する外装ケース30に用いられるラミネートフィルム(積層体フィルム)は、例えば、以下の方法(1),(2)により製造される。
(1)基材層31に真空成膜にて蒸着薄膜層32を成膜する。
(2)そして、蒸着薄膜層32上に、接着剤層33を介して熱融着性樹脂層34を、ドライラミネート法を使用して貼り合せ、外装ケース用ラミネートフィルムを作製する。
(1)基材層31に真空成膜にて蒸着薄膜層32を成膜する。
(2)そして、蒸着薄膜層32上に、接着剤層33を介して熱融着性樹脂層34を、ドライラミネート法を使用して貼り合せ、外装ケース用ラミネートフィルムを作製する。
[吸着剤16]
次に、図1に戻り、外装ケース30に内包される吸着剤16について説明する。吸着剤16は、例えば、硫化水素を吸着する物質を含むシート又はフィルムであり、硫化水素ガス吸着フィルム又は硫化物ガス吸着シートとして構成される。吸着剤16は活性炭であってもよい。外装ケース30に収容される電池セル14内の電池要素12は、複数の部材から構成されており、例えば硫化物系全固体電池の電池モジュールの場合、その一部の材料に硫化物が使用される。材料に硫化物が使われた場合、水の浸入により硫化水素が発生し、外装ケース30から外部に漏れ出す恐れがあるため、外装ケース30内に硫化水素を吸着する吸着剤16を設けている。吸着剤16は、形状自由度の観点からシート状又はフィルム状の物が好ましい。硫化水素を吸着する物質としては、銅、亜鉛、マンガン、鉄、白金族元素の内の少なくとも一つの金属、またはその金属酸化物、又は活性炭、又はアルカリ金属、アルカリ土類金属、銅、亜鉛、マンガン、鉄、銀の内の少なくとも一つのイオン交換サイトを有するゼオライト等があり、これらの内の何れかを用いることができる。
次に、図1に戻り、外装ケース30に内包される吸着剤16について説明する。吸着剤16は、例えば、硫化水素を吸着する物質を含むシート又はフィルムであり、硫化水素ガス吸着フィルム又は硫化物ガス吸着シートとして構成される。吸着剤16は活性炭であってもよい。外装ケース30に収容される電池セル14内の電池要素12は、複数の部材から構成されており、例えば硫化物系全固体電池の電池モジュールの場合、その一部の材料に硫化物が使用される。材料に硫化物が使われた場合、水の浸入により硫化水素が発生し、外装ケース30から外部に漏れ出す恐れがあるため、外装ケース30内に硫化水素を吸着する吸着剤16を設けている。吸着剤16は、形状自由度の観点からシート状又はフィルム状の物が好ましい。硫化水素を吸着する物質としては、銅、亜鉛、マンガン、鉄、白金族元素の内の少なくとも一つの金属、またはその金属酸化物、又は活性炭、又はアルカリ金属、アルカリ土類金属、銅、亜鉛、マンガン、鉄、銀の内の少なくとも一つのイオン交換サイトを有するゼオライト等があり、これらの内の何れかを用いることができる。
本実施形態では、吸着剤16として、担体、好ましくは多孔質担体などに担持させた硫化水素吸着剤を用いてもよいが、担持体が好ましく、特に多孔質担体に担持させたものが好ましい。担体の種類は広い範囲から選択でき、例えばシリカゲル、シリカアルミナ、アルミナなどで例示される通常の触媒担体を挙げることができるが、これらの中でもシリカアルミナ又はアルミナが好ましい。吸着剤16の内包時の形状は特に限定されないが、例えば水又は溶媒などに上述した吸着物質を溶解または懸濁させて液状にし、それをフィルム又はシートに浸漬するか、あるいはこれらの液を担体表面に散布したのち乾燥させたものとしてもよい。また、ペレットなどに成形した硫化物吸着物質をハニカムシート等に担持させてもよい。また、内包時の大きさや内包場所は特に限定されず、用途に合わせた大きさに加工してもよい。
吸着剤16は、例えば図6の(b)及び(c)に示すように、吸着剤16b,16cを電池セル14(外装材20)の外側(上面又は下面)に貼り付けてもよく、図6の(a)に示すように、吸着剤16aが電池セル14(外装材20)を覆うように包んでもよく、又は外装ケース30の内側に貼り付けてもよい。なお、吸着剤16として、後述する金属塩6それ自体を粉末状のまま、又はペレットなどに成形して硫化水素を吸着するための吸着剤16として共用するようにしてもよい。
[金属塩]
金属塩18は、硫化水素等の不要なガスの発生を検知するための検知部材であり、例えば、酢酸鉛又は硫酸銅である。酢酸鉛又は硫酸銅から成る金属塩18は、硫化水素と反応すると変色するため、この反応を利用することで、外装材20から仮に硫化水素が漏れ出ている場合には、その漏出を色変化により検知することができる。
金属塩18は、硫化水素等の不要なガスの発生を検知するための検知部材であり、例えば、酢酸鉛又は硫酸銅である。酢酸鉛又は硫酸銅から成る金属塩18は、硫化水素と反応すると変色するため、この反応を利用することで、外装材20から仮に硫化水素が漏れ出ている場合には、その漏出を色変化により検知することができる。
金属塩18としては、その他、例えば、無機酸及び有機酸の銅、パラジウム、銀、亜鉛、ニッケル、アルミニウム、鉄、スズ、クロム、マンガン、カドミウム、又はその混合物の塩を用いることができる。無機酸の塩としては、オキソ酸の塩およびハロゲン化物があげられる。オキソ酸の塩としては、例えば炭酸、ケイ酸、硝酸、硫酸、ヒ酸、ホウ酸、塩素酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸などの塩があげられ、ハロゲン化物としては、例えば塩化物、臭化物、ヨウ化物などがあげられる。有機酸の塩としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸などの脂肪族モノカルボン酸や、シュウ酸、アジビン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、乳酸や酒石酸のようなオキシ酸、安息香酸、トルイル酸などの芳香族酸やナフテン酸のような構造を特定し難い酸など種々の塩があげられる。金属塩18は、硫化水素に反応して変色する塩であれば、特に上に挙げた無機酸、及び有機酸の塩に限定されるものではない。
金属塩18は、それ自体を粉末状のまま、又はペレットなどに成型して検知剤としてもよく、また担体、好ましくは多孔質担体などに担持させて検知剤としてもよい。金属塩18は、担持体が好ましく、特に、多孔質担体に担持させたものが好ましい。担体の種類は広い範囲から選択でき、例えばシリカゲル、シリカアルミナ、アルミナなどで例示される通常の触媒担体があげられるが、これらのうちでもシリカアルミナ、アルミナが好ましい。担体の色は、通常、淡色のものが用いられるが、中でも白色又は無色のものが好適に用いられる。担体を用いる場合の変色成分である金属塩18の担持方法は特に限定されないが、例えば、水又は溶媒などに金属塩18を溶解または懸濁させた液に担体を浸漬するか、あるいはこれらの液を担体表面に散布したのち乾燥させてもよく、ペレットなどに成形したものをハニカムシート等に担持させてもよい。
以上、本実施形態に係る電池モジュール10によれば、外装ケース30が透明又は半透明であるため、何らかの原因で電池モジュール10の内部(電池セル14等)に異常が発生したとしても、外装ケース30を開放又は破壊することなく、電池モジュール10内の異常の状況(例えば電池の膨張や硫化水素の漏出)を目視によって確認することができる。また、この外装ケース30では、外装ケース30を構成する積層体のラミネートフィルムが水蒸気バリア層である蒸着薄膜層32を備えているため、電池モジュール10内部への水分の浸入を抑制することもできる。その結果、硫化物系全固体電池の場合等において、硫化水素の発生を予防することができる。なお、この蒸着薄膜層32の存在により、外装ケース30内部で発生したガス(硫化水素等)の外部流出も抑制することができる。
また、電池モジュール10では、外装ケース30の蒸着薄膜層32(水蒸気バリア層)が無機酸化物からなっている。このため、外装ケース30の透明度を維持しつつ、外装ケース30内への水分の浸入を抑制することができる。
また、電池モジュール10は、硫化水素等のガスを吸着する吸着剤16を備えている。このため、二次電池(電池セル14)として硫化物系全固体電池を適用した場合に、仮に電池モジュール10の外装ケース30内に硫化水素等が発生したとしても、吸着剤16である硫化水素ガス吸着フィルム等により、発生した硫化水素を吸着することができるため、電池モジュール10の外部への硫化水素の流出を防止することができる。なお、電池モジュール10は、硫化水素と反応した際に着色する金属塩を更に備えている。このため、仮に外装ケース30内に硫化水素等が発生したとしても、金属塩の色が着色により変化することにより外部から瞬時に視認及び把握することができ、発生した硫化水素に対して適切な処置を取ることが可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な実施形態に適用できる。例えば、上記実施形態では、4つの電池セル14にそれぞれ吸着剤16を取り付けると共に2つの金属塩18(検知剤)を外装ケース30内に配置した電池モジュール10であったが、例えば、図5の(a)〜(c)に示すような形態でもよい。図5の(a)に示す電池モジュール10aでは、1つの電池セル14に1つの吸着剤16と1つの金属塩18を配置し、外装ケース30aで包含する態様となっている。また、図5の(b)に示す電池モジュール10bでは、図5の(a)に示した電池モジュール10aを2つ上下に配置し、それら電池モジュール10aを更に外装ケース30bで二重に包含している。また、図5の(c)に示す電池モジュール10cでは、2つの電池セル14及び吸着剤16と1つの金属塩(検知剤)18を外装ケース30cで包含した電池モジュールを2つ横に配置し、それらを更に外装ケース30dで二重に包含している。図5の(b)及び(c)に示すように、外装ケースを二重に包含する形態とすることで、電池内部への水分の透過をより一層防止することができる。
また、検知剤である金属塩18の配置箇所は、外部から視認できる箇所であれば、何れの場所でもよいが、例えば、車に配置される電池モジュールの場合、座席の下に電池モジュールが配置され、座席を移動又は取り外して上から確認する場合には、図7に示すように、電池モジュール10dの上部に金属塩18を配置することが好ましい。一方、車体の下側から電池モジュールを確認するような配置構成の場合、電池モジュールの下側に金属塩18を配置することが好ましい。このように設置環境に合せて金属塩18を配置することにより、金属塩の視認性をより一層向上させることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まずは、以下の外装材と外装ケース用のラミネートフィルムとを準備した。なお、ここで用いる外装材は、ドライラミネート法により製作したラミネートフィルムを使用した。外装ケース用ラミネートフィルムも同様に作製した。
[外装材]
外装材1Aとして、以下の各層を順に積層して積層体フィルムである外装材フィルムを作製した。括弧内は層厚である。
基材層 :ポリアミドフィルム(25μm)
基材接着剤層 :ウレタン樹脂系接着剤(3μm)
金属箔層 :アルミニウム箔(40μm)
腐食防止処理層 :腐食防止処理膜(50nm)
接着剤層 :ポリオレフィン系樹脂接着剤(3μm)
熱融着性樹脂層 :ポリプロピレンフィルム(80μm)。
外装材1Aとして、以下の各層を順に積層して積層体フィルムである外装材フィルムを作製した。括弧内は層厚である。
基材層 :ポリアミドフィルム(25μm)
基材接着剤層 :ウレタン樹脂系接着剤(3μm)
金属箔層 :アルミニウム箔(40μm)
腐食防止処理層 :腐食防止処理膜(50nm)
接着剤層 :ポリオレフィン系樹脂接着剤(3μm)
熱融着性樹脂層 :ポリプロピレンフィルム(80μm)。
外装材1Bとして、以下の各層を順に積層して積層体フィルムである外装材フィルムを作製した。括弧内は層厚である。
基材層 :PET(25μm)
金属箔層 :アルミナ蒸着膜(60nm)
基材接着剤層 :PVA(1μm)
腐食防止処理層 :ポリオレフィン系樹脂接着剤(3μm)
熱融着性樹脂層 :ポリプロピレンフィルム(80μm)。
基材層 :PET(25μm)
金属箔層 :アルミナ蒸着膜(60nm)
基材接着剤層 :PVA(1μm)
腐食防止処理層 :ポリオレフィン系樹脂接着剤(3μm)
熱融着性樹脂層 :ポリプロピレンフィルム(80μm)。
[外装ケース用ラミネートフィルム]
外装ケース用ラミネートフィルム3Cとして、以下の各層を順に積層して積層体フィルムである外装ケース用フィルムを作製した。括弧内は膜厚である。また、このフィルム3Cのヘーズ値は、例えば、25%であった。
基材層 :PET(25μm)
蒸着薄膜層 :アルミナ蒸着膜(60nm)
接着剤層 :PVA(1μm)
腐食防止処理層 :ポリオレフィン系樹脂接着剤(3μm)
熱融着性樹脂層 :ポリプロピレンフィルム(80μm)
外装ケース用ラミネートフィルム3Cとして、以下の各層を順に積層して積層体フィルムである外装ケース用フィルムを作製した。括弧内は膜厚である。また、このフィルム3Cのヘーズ値は、例えば、25%であった。
基材層 :PET(25μm)
蒸着薄膜層 :アルミナ蒸着膜(60nm)
接着剤層 :PVA(1μm)
腐食防止処理層 :ポリオレフィン系樹脂接着剤(3μm)
熱融着性樹脂層 :ポリプロピレンフィルム(80μm)
外装ケース用ラミネートフィルム3Dとして、以下の各層を順に積層して積層体フィルムである外装ケース用フィルムを作製した。括弧内は膜厚である。なお、このフィルム3Dは、アルミニウム箔等を含んで構成されているため、透明性がない。
基材層 :ポリアミドフィルム(15μm)
基材接着剤層 :ウレタン樹脂系接着剤(3μm)
金属箔層 :アルミニウム箔(40μm)
腐食防止処理層 :腐食防止処理膜(50nm)
接着剤層 :ポリオレフィン系樹脂接着剤(3μm)
熱融着性樹脂層 :ポリプロピレンフィルム(80μm)
基材層 :ポリアミドフィルム(15μm)
基材接着剤層 :ウレタン樹脂系接着剤(3μm)
金属箔層 :アルミニウム箔(40μm)
腐食防止処理層 :腐食防止処理膜(50nm)
接着剤層 :ポリオレフィン系樹脂接着剤(3μm)
熱融着性樹脂層 :ポリプロピレンフィルム(80μm)
[金属塩])
金属塩6Eとして、硫酸銅のペレットを用意した。
金属塩6Eとして、硫酸銅のペレットを用意した。
[実施例1]
外装材1Aを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールをし、電池セル2Fを作製した。その後、300×120mmサイズでカットした外装ケース3Cに、電池セル2Fと金属塩6Eを内包してヒートシールして、電池モジュールを作製した。
外装材1Aを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールをし、電池セル2Fを作製した。その後、300×120mmサイズでカットした外装ケース3Cに、電池セル2Fと金属塩6Eを内包してヒートシールして、電池モジュールを作製した。
[実施例2]
外装材1Bを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールをし、電池セル2Gを作製した。その後、300×120mmサイズでカットした外装ケース3Cに、電池セル2Gと金属塩6Eを内包してヒートシールして、電池モジュールを作製した。
外装材1Bを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールをし、電池セル2Gを作製した。その後、300×120mmサイズでカットした外装ケース3Cに、電池セル2Gと金属塩6Eを内包してヒートシールして、電池モジュールを作製した。
[比較例1]
外装材1Aを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールして、電池セル2Hを作製した。比較例1では、電池セル2Hを外装ケースで更に包含しなかった。
外装材1Aを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールして、電池セル2Hを作製した。比較例1では、電池セル2Hを外装ケースで更に包含しなかった。
[比較例2]
外装材1Bを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールして、電池セル2Iを作製した。比較例2では、電池セル2Iを外装ケースで更に包含しなかった。
外装材1Bを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールして、電池セル2Iを作製した。比較例2では、電池セル2Iを外装ケースで更に包含しなかった。
[比較例3]
外装材1Aを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールをし、電池セル2Jを作製した。その後、300×120mmサイズでカットした外装ケース3Dに、電池セル2Jと金属塩6Eを内包してヒートシールして、電池モジュールを作製した。
外装材1Aを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールをし、電池セル2Jを作製した。その後、300×120mmサイズでカットした外装ケース3Dに、電池セル2Jと金属塩6Eを内包してヒートシールして、電池モジュールを作製した。
[比較例4]
外装材1Bを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールをし、電池セル2Kを作製した。その後、300×120mmサイズでカットした外装ケース3Dに、電池セル2Kと金属塩6Eを内包してヒートシールして、電池モジュールを作製した。
外装材1Bを240×70mmサイズでカットし、長辺の中央部を折り返し、長辺の2辺を幅3mm幅でヒートシールし、その後、残った短辺から含有水分量を20ppm以下に抑えたエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を重量比で1:1:1にした電解液3mgを注入し、残った1辺を3mm幅でヒートシールをし、電池セル2Kを作製した。その後、300×120mmサイズでカットした外装ケース3Dに、電池セル2Kと金属塩6Eを内包してヒートシールして、電池モジュールを作製した。
[評価1:水分透過性の評価]
続いて、上述した実施例1〜2、比較例1〜4で作成した電池モジュールを、60℃−95%RHの環境下に1週間保管し、その後、電解液中の水分量をカールフィッシャー試験機で測定した。実施例1,2及び比較例3,4の電池モジュールの測定結果は、概ね165ppm前後であった。一方、比較例1,2の電池モジュールの測定結果は200ppmであり、実施例1等に比べて、120%の水分量となってしまった。評価結果を表1に示す。
○:実施例1の水分量に比較して120%未満
×:実施例1の水分量に比較して120%以上
続いて、上述した実施例1〜2、比較例1〜4で作成した電池モジュールを、60℃−95%RHの環境下に1週間保管し、その後、電解液中の水分量をカールフィッシャー試験機で測定した。実施例1,2及び比較例3,4の電池モジュールの測定結果は、概ね165ppm前後であった。一方、比較例1,2の電池モジュールの測定結果は200ppmであり、実施例1等に比べて、120%の水分量となってしまった。評価結果を表1に示す。
○:実施例1の水分量に比較して120%未満
×:実施例1の水分量に比較して120%以上
[評価2:識別性の評価]
実施例1,2及び比較例3,4で内包した金属塩の色を、それぞれの外装ケースの外から確認し、金属塩の色を識別できるか否かを目視評価した。以下の評価基準と判定で行ない、結果を表1に示した。
○:電池モジュールに内層された金属塩の色が識別できる
×:電池モジュールに内層された金属塩の色が識別できない
−:未実施
実施例1,2及び比較例3,4で内包した金属塩の色を、それぞれの外装ケースの外から確認し、金属塩の色を識別できるか否かを目視評価した。以下の評価基準と判定で行ない、結果を表1に示した。
○:電池モジュールに内層された金属塩の色が識別できる
×:電池モジュールに内層された金属塩の色が識別できない
−:未実施
評価1では、電解液中の水分含有量を実施例1を基準に相対評価を行ったが、実施例2及び比較例3,4では判定基準(165ppm)の120%未満となった。一方、比較例1と比較例2では、電池セルH,Iが外装ケースに覆われなかったことに起因して、水蒸気バリア性を満たせずに120%以上(200ppm程度)の水分含有量となった。また、評価2の内容物の視認性では、実施例1,2では、内部(金属塩)を目視で識別することが可能であったが、比較例3,4では、内部を目視で確認することが不可能であった。
以上の結果から、実施例1,2では、電池セルを外装ケースに内包することでより水蒸気バリア性を向上させることができた。また、実施例1,2では、外装ケース内に内包される金属塩の識別を外部から容易に行うことができた。
10,10a〜10d…電池モジュール、12…電池要素、14…電池セル、16,16a〜16c…吸着剤、18…金属塩、20…外装材、24…金属箔層、27…熱融着性樹脂層、30,30a〜30d…外装ケース、32…蒸着薄膜層、34…熱融着性樹脂層。
Claims (11)
- 水蒸気バリア性を有するラミネートフィルムからなる外装材によって電池要素を包含して構成される電池セルを収容するための外装ケースであって、
水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア層と、前記水蒸気バリア層に積層される熱融着性樹脂層とを備え、
前記水蒸気バリア層と前記熱融着性樹脂層とを少なくとも含んで構成される積層体フィルムが透明又は半透明であることを特徴とする外装ケース。 - 前記積層体フィルムのJIS K7136に準じて測定されるヘーズ値が80%以下であることを特徴とする請求項1に記載の外装ケース。
- 前記外装ケースの前記水蒸気バリア層が無機酸化物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の外装ケース。
- 前記外装ケースに、硫化水素ガス吸着フィルム若しくは硫化物ガス吸着シート、又は活性炭が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の外装ケース。
- 前記外装ケースに、硫化水素と反応した際に着色する金属塩が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の外装ケース。
- 水蒸気バリア性を有するラミネートフィルムからなる外装材によって電池要素を包含して構成される電池セルを収容する外装ケースを形成するための積層体フィルムであって、水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア層と、前記水蒸気バリア層に積層される熱融着性樹脂層とを備え、前記水蒸気バリア層と前記熱融着性樹脂層とを少なくとも含んで構成される積層体フィルムが透明又は半透明であることを特徴とする外装ケース用ラミネートフィルム。
- 水蒸気バリア性を有する第1の水蒸気バリア層及び当該第1の水蒸気バリア層に積層される第1の熱融着性樹脂層を含むラミネートフィルムからなる外装材で電池要素を包含して構成される電池セルと、
水蒸気バリア性を有する第2の水蒸気バリア層及び当該第2の水蒸気バリア層に積層される第2の熱融着性樹脂層を含んで構成され、前記電池セルを収容する外装ケースとを備え、
前記外装ケースが透明又は半透明であることを特徴とする電池モジュール。 - 前記外装ケースのJIS K7136に準じて測定されるヘーズ値が80%以下であることを特徴とする請求項7に記載の電池モジュール。
- 前記外装ケースの前記第2の水蒸気バリア層が無機酸化物からなることを特徴とする請求項7又は8に記載の電池モジュール。
- 硫化水素ガス吸着フィルム若しくは硫化物ガス吸着シート、又は、活性炭を更に備えることを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載の電池モジュール。
- 硫化水素と反応した際に着色する金属塩を更に備えることを特徴とする請求項7〜10の何れか一項に記載の電池モジュール。
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