JP6597027B2 - 電池、及び電池素子を収容するための包装材料 - Google Patents

電池、及び電池素子を収容するための包装材料 Download PDF

Info

Publication number
JP6597027B2
JP6597027B2 JP2015150858A JP2015150858A JP6597027B2 JP 6597027 B2 JP6597027 B2 JP 6597027B2 JP 2015150858 A JP2015150858 A JP 2015150858A JP 2015150858 A JP2015150858 A JP 2015150858A JP 6597027 B2 JP6597027 B2 JP 6597027B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
packaging material
layer
battery
gas
water vapor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015150858A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017033706A (ja
Inventor
正和 神取
洋一 望月
力也 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2015150858A priority Critical patent/JP6597027B2/ja
Publication of JP2017033706A publication Critical patent/JP2017033706A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6597027B2 publication Critical patent/JP6597027B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Description

本発明は、一定の水蒸気バリア性を維持しつつ、金属層を含まないことでより高い絶縁性を有する電池、及び当該電池の電池素子を収容するための包装材料に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質等の電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、このよう包装材料としては、金属製の包装材料が多用されていた。
一方、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る包装材料として、例えば特許文献1に記載するように、基材層/金属層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の包装材料が提案されている。このようなフィルム状の包装材料において、金属層は、主に包装材料の水蒸気バリア性を高めることを目的として設けられている。具体的には、空気中の水分が電池の内部に到達し、電解液と反応してフッ化水素酸が発生することを、金属層により抑制している。
特許第3505905号公報
例えば、図1に示される電池1において、包装材料2に密閉収容される電池素子には、正極及び負極に接続された金属端子6が設けられており、当該金属端子6は、包装材料2の周縁部20より外側に突出するように設けられている。金属端子6が突出した状態で電池素子を包装材料2で密閉する際には、対向させて配置された表側の包装材料2と裏側の包装材料2の周縁部20に高い熱と圧力を加えて、包装材料2,2同士を熱融着させて周縁部20の領域にシール部を形成することにより密封している。
ここで、電池素子を密閉する際の高い熱と圧力とによって、包装材料2の周縁部20が薄肉化しやすく、金属層(主にアルミ箔層)を有する包装材料2においては、包装材料2が薄肉化することにより、金属端子6と包装材料2の金属層とが接触して短絡しやすくなるという問題があり、金属端子6を絶縁フィルム6aで覆う等して絶縁性を向上させている。
さらに、近年、電池容量を増やすため、包装材料に対するさらなる薄型化が求められている。このため、より金属端子と包装材料の金属層とが接触して短絡しやすくなるという問題がある。
このような状況下、金属層を含まない包装材料を使用することでより高い絶縁性を有しつつ、金属層を含まない包装材料を使用することにより懸念される水蒸気バリア性の低下を補完し、一定の水蒸気バリア性を維持し得る電池、及び当該電池に用いる包装材料を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、内側包材とこれを内包する外側包材とを備える包装材料を用いた電池において、内側包材及び外側包材に共に金属層を用いずに、内側包材と外側包材との間に気体を含む気体保持層を設けることにより、電池に対して、一定の水蒸気バリア性を維持しつつ、より高い絶縁性を付与できることを見出した。より具体的には、正極、負極、及び電解質を含む電池素子と、前記電池素子を収容する包装材料とを備える電池において、包装材料が内側包材と外側包材とを備えており、内側包材と外側包材との間の少なくとも一部に気体を含む気体保持層が設けられており、内側包材及び外側包材が金属層を含まない電池は、一定の水蒸気バリア性を維持しつつ、より高い絶縁性を有することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 正極、負極、及び電解質を含む電池素子と、
前記電池素子を収容する包装材料と、
を備える電池であって、
前記包装材料は、内側包材と、外側包材とを備えており、
前記内側包材と前記外側包材との間の少なくとも一部には、気体を含む気体保持層が設けられており、
前記内側包材及び前記外側包材が金属層を含まない、電池。
項2. 前記外側包材が、内側から順に、熱接着性樹脂層と水蒸気バリア層とを備える積層構造を有する、項1に記載の電池。
項3. 前記内側包材が、内側から順に、熱接着性樹脂層と水蒸気バリア層とを備える積層構造を有する、項1または2に記載の電池。
項4. 前記気体保持層に水分吸収剤が配置されている、項1〜3のいずれかに記載の電池。
項5. 前記内側包材及び前記外側包材の少なくとも一方の前記気体保持層側の表面上に、水分吸着層が形成されている、項1〜4のいずれかに記載の電池。
項6. 前記内側包材及び前記外側包材の少なくとも一方が、水分吸収剤を含む、項1〜5のいずれかに記載の電池。
項7. 前記気体保持層が、前記内側包材と前記外側包材との間に配置された間隙により形成されている、項1〜6のいずれかに記載の電池。
項8. 前記内側包材全体が、前記外側包材によって形成された空間内に位置している、項7に記載の電池。
項9. 前記包装材料の周縁部において、前記内側包材と前記外側包材とが、前記間隙を介さずに互いに積層されている、項7に記載の電池。
項10. 前記気体保持層が、気体を含む多孔体により形成されている、項1〜9のいずれかに記載の電池。
項11. 前記包装材料の周縁部に防湿テープが付着されている、項1〜10のいずれかに記載の電池。
項12. 正極、負極、及び電解質を含む電池素子を収容するための包装材料であって、
前記包装材料は、内側包材と、外側包材とを備えており、
前記内側包材と前記外側包材との間の少なくとも一部には、気体保持層が設けられ、
前記内側包材及び前記外側包材が金属層を含まない、包装材料。
項13. 前記気体保持層が、気体を含む多孔体により構成されている、項12に記載の包装材料。
本発明によれば、一定の水蒸気バリア性を維持しつつ、より高い絶縁性を有する電池を提供することができる。また、本発明によれば、電池に対して、一定の水蒸気バリア性を維持しつつ、より高い絶縁性を付与し得る包装材料を提供することができる。
本発明の電池の一例の略図的平面図である。 本発明の電池の一例の略図的断面図である。 本発明の電池の一例の略図的断面図である。 本発明の電池の一例の略図的断面図である。 本発明の電池の一例の略図的断面図である。 本発明の包装材料における内側包材の積層構造の一例を示す略図的断面図である。 本発明の包装材料における外側包材の積層構造の一例を示す略図的断面図である。
本発明の電池は、正極、負極、及び電解質を含む電池素子と、当該電池素子を収容する包装材料とを備える電池であって、包装材料が、内側包材と、外側包材とを備えており、内側包材と外側包材との間の少なくとも一部には、気体を含む気体保持層が設けられており、内側包材及び外側包材が金属層を含まないことを特徴とする。以下、本発明の電池及び当該電池に用いる包装材料について詳述する。
1.電池
本発明の電池は、電池素子と、当該電池素子を収容する包装材料とを備える。電池素子は、正極、負極、及び電解質を含む。また、包装材料は、内側包材と、当該内側包材を内包する外側包材とを備えている。すなわち、例えば、図2〜5に示されるように、本発明の電池1において、包装材料2は、内側包材2aと、外側包材2bとの二重構造を有し、内側包材2aに電池素子3が密封収容されている。なお、図2〜5は、それぞれ、図1の略図的平面図で示される本発明の電池1の一例についての線A−A’における略図的断面図である。図2〜5において、図1に示されている絶縁性フィルム6aは描画を省略している。
図2〜5に示されるように、内側包材2aは、エンボス加工などにより成形された2枚の樹脂シートにより形成されており、いわゆるエンボスタイプの包材である。なお、本発明において、内側包材2aは、1枚の樹脂シートを袋状にし、周縁部を熱融着して電池素子を密封収容する、いわゆるパウチタイプの包材であってもよい。内側包材2aにおいて、当該2枚の樹脂シートの凹部が対抗するようにして形成された空間内に電池素子3が配置され、内側包材2aの周縁部20aを熱融着することにより、内側包材2a内に電池素子3が密封されている。
また、外側包材2bは、エンボス加工などにより成形された2枚の樹脂シートにより形成されており、いわゆるエンボスタイプの包材である。なお、本発明において、外側包材2bは、1枚の樹脂シートを袋状にし、周縁部を熱融着する、いわゆるパウチタイプの包材であってもよい。外側包材2bにおいて、当該2枚の樹脂シートの凹部が対抗するようにして形成された空間内に内側包材2aが配置され、外側包材2bの周縁部20bが熱融着されている。
本発明の電池1においては、図2または図3に示されるように、内側包材2a全体が、外側包材2bによって形成された空間内に位置するようにして、外側包材2bの周縁部20bが熱融着されていてもよいし、図4または図5に示されるように、外側包材2bの周縁部20bと内側包材2aの周縁部20aとが積層されるように熱融着されていてもよい。なお、図4では、包装材料2の周縁部20において、内側包材2a同士が互いに熱融着されており、外側包材2bは内側包材2aに熱融着されている。また、図5では、包装材料2の周縁部20において、内側包材2a同士が互いに熱融着されており、外側包材2bは気体保持層4を形成する多孔体に熱融着されている。
図2〜図4においては、気体保持層4が、内側包材2aと外側包材2bとの間に配置された間隙により形成されている。ただし、図4においては、包装材料2の周縁部20において、内側包材2aと外側包材2bとが、間隙を介さずに互いに積層されている。また、図5においては、気体保持層4が、気体を含む多孔体により形成されている。
電池素子3は、少なくとも、正極、負極、及び電解質を含んでいる。正極は、正極活物質及び正極集電体からなり、負極は、負極活物質及び負極集電体からなる。正極及び負極は、それぞれ、金属端子6と電気的に接続されている。金属端子6は、図2〜5に示されるように、包装材料2の外部に突出している。図2及び図3においては、金属端子6は、内側包材2a及び外側包材2bの両方に熱融着されており、図4及び図5においては、金属端子6は、内側包材2aのみに熱融着されている。
本発明の電池1においては、内側包材2aと外側包材2bとの間の少なくとも一部に、気体を含む気体保持層4が設けられている。このため、本発明の電池1においては、内側包材2a及び外側包材2bが共に金属により形成された金属層を含まないにもかかわらず、優れた水蒸気バリア性を有する。具体的には、内側包材2a及び外側包材2bに用いられる樹脂は、一般に、金属層を形成する樹脂よりも高い水分透過率を有する。このため、内側包材2a及び外側包材2bが金属層を含まない場合、金属層を含む場合に比して、水分が透過しやすいといえる。しかしながら、本発明の電池1においては、内側包材2aと外側包材2bとの間の少なくとも一部に気体保持層4が設けられていることにより、外側包材2bの最外層側から浸透してきた水分は、気体を含む気体保持層4中に保持される。よって、気体保持層4に到達した水分が、さらに内側包材2aを浸透して電池素子3にまで達することが効果的に抑制されている。
なお、本発明において、水蒸気バリア性とは、電池の外部に存在する水蒸気が電池の内部に浸透することを抑制する特性をいう。より具体的には、本発明の電池1の水蒸気バリア性は、40℃で100%RH環境下における電池1の外部から電池素子3への水蒸気透過度が、0.1g/m2day以下であることが好ましい。なお、水蒸気透過度は、電池素子の電解質に含まれる水分をカールフィッシャー水分測定装置で測定することにより算出することができる。
さらに、本発明の電池1においては、包装材料2を構成する内側包材2a及び外側包材2bが金属層を含まないため、優れた絶縁性を有する。具体的には、上述のとおり、金属層を有する包装材料においては、包装材料のさらなる薄型化により、熱融着により電池素子を密閉する際の高い熱と圧力とによって、包装材料の周縁部がより薄肉化し、電池素子の金属端子と包装材料の金属層とが接触して短絡しやすくなるという問題がある。これに対して、本発明の電池1においては、内側包材2a及び外側包材2bが共に金属層を含まないため、このような問題を生じず、絶縁性がより一層高められている。さらに、包装材料2の周縁部20を熱融着した後の折り曲げによりピンホールやクラックなどが生じた場合にも、内側包材2a及び外側包材2bが金属層を含まないため、内側包材2a及び外側包材2bの内部で短絡が生じることがない。
気体保持層4に含まれる気体としては、特に制限されないが、水蒸気バリア性及び絶縁性をより向上させる観点からは、好ましくは、大気中の空気や、窒素、アルゴンなどの不活性ガスなどが挙げられる。当該気体は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。なお、包装材料2の形成時において気体保持層4に含まれる気体は、絶乾状態であることが好ましい。本発明において、絶乾状態とは、100〜110℃の温度で蒸発する水が存在しなくなるまで乾燥した状態をいう。
本発明の電池1においては、例えば図2に示されるように、気体保持層4に水分を吸収する水分吸収剤5aが配置されていてもよい。これにより、電池1の水蒸気バリア性をより高め得る。水分吸収剤5aとしては、特に制限されないが、例えば、シリカゲル、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、クレイ、アクリル系吸湿剤などが挙げられる。水分吸収剤5aは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の電池1においては、内側包材2a及び外側包材2bの少なくとも一方の気体保持層4側の表面上に、水分吸着剤により構成された水分吸着層5bが形成されていてもよい。これにより、電池1の水蒸気バリア性をより高め得る。水分吸着層5bは、水分吸着剤が層状に形成されたものである。例えば、図3に示される電池1においては、内側包材2aの気体保持層4側の表面上に水分吸収層5bが形成されている。水分吸着層5bを構成する水分吸着剤としては、特に制限されないが、例えば、上記の水分吸収剤と同じものが例示できる。水分吸着剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。水分吸着層5bは、単層であってもよいし、多層であってもよい。また、水分吸着層5bの厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは1〜10μm程度が挙げられる。
本発明の電池1においては、内側包材2a及び外側包材2bの少なくとも一方が、水分吸収剤を含んでいてもよい。すなわち、内側包材2a及び外側包材2bの少なくとも一方を構成する樹脂中に水分吸収剤が練り込まれていてもよい。内側包材2a及び外側包材2bの少なくとも一方が水分吸収剤を含む場合、水分吸収剤が含まれる樹脂層中における含有量としては、1〜20質量%程度が挙げられる。なお、後述の通り、内側包材2a及び外側包材2bの少なくとも一方が水分吸収剤を含む場合、内側包材2a及び外側包材2bの少なくとも一方の気体保持層4側の表面に位置する樹脂層に水分吸収剤が含まれることが好ましい。具体的には、内側包材2aであれば、後述する水蒸気バリア層2a3(例えば、耐熱性樹脂層または無機酸化物層)に水分吸収剤が含まれることが好ましく、外側包材2bであれば、熱接着性樹脂層2b1に水分吸収剤が含まれることが好ましい。
気体保持層4は、内側包材2aと外側包材2bの間の少なくとも一部において気体を保持していればよい。気体保持層4は、例えば図2〜4に示されるように、内側包材2aと外側包材2bとの間に配置された間隙に存在する気体により構成されていてもよいし、例えば図5に示されるように気体を含む多孔体により構成されていてもよい。気体保持層4が当該多孔体により構成されていることにより、気体のみにより構成されている場合に比して、包装材料2の形態維持性が高められる。よって、例えば、図5に示されるように、包装材料2の周縁部20において、内側包材2aと外側包材2bとが、気体保持層4を介して互いに積層されている構造の電池1を容易に形成することができる。多孔体としては、気体を保持できる多数の孔を有するものであれば特に制限されず、例えば、不織布、ガラスウール、ナノチューブなどが挙げられる。なお、本発明の電池1の絶縁性を高める観点からは、多孔体は、導電性の低い材料により構成されていることが好ましい。
上述のとおり、本発明の電池1において、包装材料2における内側包材2aと外側包材2bとの詳細な位置関係としては、例えば図5に示されるように、包装材料2の周縁部20において、内側包材2aと外側包材2bとが、気体保持層4を介して互いに積層された構造;図4に示されるように、包装材料2の周縁部20において、内側包材2aと外側包材2bとが、気体保持層4(間隙)を介さずに互いに積層された構造;図2または図3に示されるように、内側包材2a全体が、外側包材2bによって形成された空間内に位置している構造などが挙げられる。これらの中でも、水蒸気バリア性、及び絶縁性に優れ、生産性にも優れる観点からは、例えば図5に示されるような包装材料2の周縁部20において、内側包材2aと外側包材2bとが、気体保持層4を介して互いに積層された構造が好ましい。
本発明の電池1の水蒸気バリア性をより高める観点からは、包装材料2の周縁部20に防湿テープ7が付着されていることが好ましい。特に、図4または図5に示されるように、内側包材2aの端部20aが包装材料2の端部2に位置しており、内側包材2aの熱融着部(端面)が外部に露出している場合、内側包材2a同士が密着している界面または内側包材2aと金属タブ6との界面を通じて水分が電池素子3に透過しやすい。このため、包装材料2の周縁部20に防湿テープ7が付着されていることが好ましい。防湿テープ7としては、水分透過性の低いテープであれば特に制限されず、公知のものが使用できる。防湿テープ7としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂層、アルミニウム箔などの金属層、及び粘着層が積層されたものが挙げられる。
(内側包材2a)
内側包材2aは、上述のとおり、樹脂シートにより形成されており、複数の層が積層された積層体により形成されていることが好ましい。具体的には、内側包材2aは、内側(電池素子3側)から順に、熱接着性樹脂層、必要に応じて設けられる接着剤層、及び水蒸気バリア層が積層された積層構造を有することが好ましい。また、後述の通り、水蒸気バリア層、耐熱性樹脂層及び無機酸化物層の少なくとも一方により形成されていることが好ましい。内側包材2aを構成する積層体の層構成の具体例としては、内側から順に、熱接着性樹脂層/耐熱性樹脂層が積層された積層構造;熱接着性樹脂層/無機酸化物層が積層された積層構造;熱接着性樹脂層/接着剤層/耐熱性樹脂層が積層された積層構造;熱接着性樹脂層/接着剤層/無機酸化物層が積層された積層構造;熱接着性樹脂層/接着剤層/耐熱性樹脂層/無機酸化物層が積層された積層構造などが挙げられる。内側包材2aの好ましい積層構造の一例として、図6に熱接着性樹脂層/接着剤層/水蒸気バリア層が積層された積層構造の略図的断面図を示す。図6に示される内側包材2aの層構成においては、内側から順に、熱接着性樹脂層2a1、接着剤層2a2、水蒸気バリア層2a3が積層されている。
内側包材2aにおいて、熱接着性樹脂層2a1は、最内層に該当し、電池の組み立て時に内側包材2a同士が熱溶着して電池素子3を密封する層である。
熱接着性樹脂層2a1に使用される樹脂成分については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、不飽和カルボン酸でグラフト変性した酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂及び酸変性ポリオレフィン樹脂において、ポリオレフィンとしては、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられ、より好ましくは線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンのブレンド樹脂などが挙げられる。ポリプロピレン樹脂は、ランダムプロピレン、ホモプロピレン、ブロックプロピレンなどの各タイプに分けることができる。
また、上記各タイプのポリプロピレンンには、低結晶性のエチレンーブテン共重合体、低結晶性のプロピレンーブテン共重合体、エチレンとブテンとプロピレンの3成分共重合体からなるターポリマー、シリカ、ゼオライト、アクリル樹脂ビーズ等のアンチブロッキング剤(AB剤)、脂肪酸アマイド系のスリップ剤等を添加してもよい。
熱接着性樹脂2a1は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
熱接着性樹脂層2a1の厚さとしては、適宜選定することができるが、包装材料2を薄型化しつつ、成形性、水蒸気バリア性、及び絶縁性を高める観点からは、好ましくは1〜20μm程度が挙げられる。
内側包材2aにおいて、接着剤層2a2は、熱接着性樹脂層2a1と後述の水蒸気バリア層2a3との密着性を高めるために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着剤層2a2は、熱接着性樹脂層2a1と後述の水蒸気バリア層2a3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着剤層2a2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着剤層2a2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着剤層2a2の形成に使用できる接着剤成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの接着剤成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着剤成分の中でも、好ましくはポリウレタン系接着剤が挙げられる。
接着剤層2a2の厚さについては、適宜選定することができるが、包装材料2を薄型化しつつ、成形性、水蒸気バリア性、及び絶縁性を高める観点からは、好ましくは1〜10μm程度が挙げられる。
内側包材2aにおいて、水蒸気バリア層2a3は、熱接着性樹脂層2a1及び接着剤層2a2よりも外側に位置し、内側包材2aに耐熱性及び水蒸気バリア性を付与する層である。水蒸気バリア層2a3は、1g/m2・day(40℃、100%RH)以下の水蒸気バリア性を備える材料により構成されている層である。水蒸気バリア層2a3は、耐熱性樹脂層及び無機酸化物層の少なくとも一方により形成されていることが好ましい。本発明の電池1においては、電池1の使用時に電池素子3が発熱し、内側包材2aの最内層に配された熱接着性樹脂層2a1の一部が溶融した場合にも、耐熱性樹脂層及び無機酸化物層は容易に溶融しない。このため、内側包材2aの溶融した熱接着性樹脂層2a1の一部に電解質が浸透した場合にも、耐熱性樹脂層及び無機酸化物層の少なくとも一方が、内側包材2aの外側に電解質が漏れ出すことを抑制することができる。さらに、耐熱性樹脂層及び無機酸化物層は、それぞれ、耐熱性が高いことに加えて、水蒸気透過度が低いため、内側包材2aの外側から内側包材2aの内部に浸透しようとする水分を遮断し、内側包材2aの内側に収納された電解質と水分の反応によるフッ化水素酸の生成を抑制することができる。
耐熱性樹脂層を形成する樹脂成分としては、耐熱性及び水蒸気バリア性に優れるものであれば特に制限されないが、好ましくはポリエチレンナフタレート、液晶ポリマー、フッ素樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、耐熱性に優れることに加えて、水蒸気透過度が低いという特徴を有する。さらに、これらの樹脂は所定の強度を有するため、包装材料2の耐突刺し性及び耐衝撃性を向上させることができる。
無機酸化物層を形成する無機酸化物としては、耐熱性及び水蒸気バリア性に優れ、蒸着法などにより層を形成できるものであれば特に制限されない。
内側包材2aが、水蒸気バリア層2a3として耐熱性樹脂層及び無機酸化物層の両方を有する場合、各層の積層を容易にする観点から、耐熱性樹脂層の外側に無機酸化物層が形成されていることが好ましい。
耐熱性樹脂層及び無機酸化物層は、それぞれ、単層であってもよいし、多層であってもよい。
内側包材2aにおいて、水蒸気バリア層2a3の厚さとしては、適宜選定することができるが、包装材料2を薄型化しつつ、成形性、水蒸気バリア性、及び絶縁性をより向上させる観点からは、好ましくは1〜20μm程度が挙げられる。耐熱性樹脂層の厚さとしては、好ましくは1〜20μm程度が挙げられる。また、無機酸化物層の厚さとしては、好ましくは1〜10μm程度が挙げられる。
内側包材2a全体の厚さとしては、適宜選定することができるが、包装材料2を薄型化しつつ、成形性、水蒸気バリア性、及び絶縁性をより向上させる観点からは、好ましくは5〜60μm程度が挙げられる。
(外側包材2b)
外側包材2bは、上述のとおり、樹脂シートにより形成されており、複数の層が積層された積層体により形成されていることが好ましい。具体的には、外側包材2bは、内側(電池素子3側)から順に、熱接着性樹脂層、必要に応じて設けられる接着性樹脂層、及び水蒸気バリア層が積層された積層構造を有することが好ましい。また、後述の通り、水蒸気バリア層は、耐熱性樹脂層及び無機酸化物層の少なくとも一方により形成されていることが好ましい。外側包材2bを構成する積層体の層構成の具体例としては、内側から順に、熱接着性樹脂層/耐熱性樹脂層が積層された積層構造;熱接着性樹脂層/無機酸化物層が積層された積層構造;熱接着性樹脂層/接着剤層/耐熱性樹脂層が積層された積層構造;熱接着性樹脂層/接着剤層/無機酸化物層が積層された積層構造;熱接着性樹脂層/接着剤層/耐熱性樹脂層/無機酸化物層が積層された積層構造などが挙げられる。外側包材2bの好ましい積層構造の一例として、図6に熱接着性樹脂層/接着剤層/水蒸気バリア層が積層された積層構造の略図的断面図を示す。図6に示される外側包材2bの層構成において、内側から順に、熱接着性樹脂層2b1、接着剤層2b2、水蒸気バリア層2b3が積層されている。
外側包材2bは、上記の内側包材2aと同様の積層構造を有することが好ましい。さらに、部材数を減らして、より生産性を高める観点からは、外側包材2bと内側包材2aとは、同じ樹脂シートにより構成されていることが好ましい。
外側包材2bにおいて、熱接着性樹脂層2b1は、最内層に該当し、内側包材2aを収容する層である。なお、図2または図3に示されるように、内側包材2a全体が、外側包材2bによって形成された空間内に位置していてもよいし、図4または図5に示されるように、外側包材2bの周縁部20bと内側包材2aの周縁部20aとが積層されるように熱溶着されており、内側包材2aの端面が外側包材2bによって収容されていなくてもよい。
熱接着性樹脂層2b1に使用される樹脂成分については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、不飽和カルボン酸でグラフト変性した酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂及び酸変性ポリオレフィン樹脂において、ポリオレフィンとしては、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられ、より好ましくは線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンのブレンド樹脂などが挙げられる。ポリプロピレン樹脂は、ランダムプロピレン、ホモプロピレン、ブロックプロピレンなどの各タイプに分けることができる。
また、上記各タイプのポリプロピレンンには、低結晶性のエチレンーブテン共重合体、低結晶性のプロピレンーブテン共重合体、エチレンとブテンとプロピレンの3成分共重合体からなるターポリマー、シリカ、ゼオライト、アクリル樹脂ビーズ等のアンチブロッキング剤(AB剤)、脂肪酸アマイド系のスリップ剤等を添加してもよい。
外側包材2bにおいて、熱接着性樹脂2b1は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
外側包材2bにおいて、熱接着性樹脂層2b1の厚さとしては、適宜選定することができるが、包装材料2を薄型化しつつ、成形性、水蒸気バリア性、及び絶縁性をより向上させる観点からは、好ましくは1〜20μm程度が挙げられる。
外側包材2bにおいて、必要に応じて設けられる接着剤層2b2は、熱接着性樹脂層2b1と後述の水蒸気バリア層2b3との密着性を高めるために、これらの間に設けられる層である。
外側包材2bにおいて、接着剤層2b2は、熱接着性樹脂層2b1と後述の水蒸気バリア層2b3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着剤層2b2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着剤層b2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着剤層2b2の形成に使用できる接着剤成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの接着剤成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着剤成分の中でも、好ましくはポリウレタン系接着剤が挙げられる。
接着剤層2b2の厚さについては、適宜選定することができるが、包装材料2を薄型化しつつ、成形性、水蒸気バリア性、及び絶縁性をより向上させる観点からは、例えば1〜10μm程度が挙げられる。
外側包材2bにおいて、水蒸気バリア層2b3は、熱接着性樹脂層2b1及び接着剤層2b2よりも外側に位置し、外側包材2bに耐熱性及び水蒸気バリア性を付与する層である。本発明の電池1においては、外側包材2bに水蒸気バリア層2a3が含まれていることにより、外側包材2bの外側から外側包材2bの内部に浸透しようとする水分を遮断することができる。このため、外側包材2bから内側包材2aへと水分が浸透し、電解質と水分とが反応することを抑制することができる。さらに、電池1の使用時に電池素子3が発熱し、万一、電解質が内側包材2aを透過した場合にも、外側包材2bに形成された水蒸気バリア層2b3によって、外側包材2bの外側に電解質が漏れ出すことを抑制することができる。
水蒸気バリア層2b3は、1g/m2・day(40℃、100%RH)以下の水蒸気バリア性を備える材料により構成されている層である。水蒸気バリア層2b3は、耐熱性樹脂層及び無機酸化物層の少なくとも一方により形成されていることが好ましい。
耐熱性樹脂層を形成する樹脂成分としては、耐熱性及び水蒸気バリア性に優れるものであれば特に制限されないが、成形性、水蒸気バリア性、及び絶縁性をより向上させる観点からは、好ましくはポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー、フッ素樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、耐熱性に優れることに加えて、水蒸気透過度が低いという特徴を有する。さらに、これらの樹脂は所定の強度を有するため、包装材料2の耐突刺し性及び耐衝撃性を向上させることができる。
無機酸化物層を形成する無機酸化物としては、耐熱性及び水蒸気バリア性に優れ、蒸着法などにより層を形成できるものであれば特に制限されない。
外側包材2bが、耐熱性樹脂層2b3及び無機酸化物層の両方を有する場合、各層の積層を容易にする観点から、耐熱性樹脂層2b3の外側に無機酸化物層が形成されていることが好ましい。
外側包材2bにおいて、耐熱性樹脂層2b3及び無機酸化物層は、それぞれ、単層であってもよいし、多層であってもよい。
外側包材2bにおいて、水蒸気バリア層2b3の厚さとしては、適宜選定することができるが、包装材料2を薄型化しつつ、成形性、水蒸気バリア性、及び絶縁性をより向上させる観点からは、好ましくは1〜20μm程度が挙げられる。耐熱性樹脂層の厚さとしては、好ましくは1〜20μm程度が挙げられる。また、無機酸化物層の厚さとしては、好ましくは1〜10μm程度が挙げられる。
外側包材2b全体の厚さとしては、適宜選定することができるが、包装材料2を薄型化しつつ、成形性、水蒸気バリア性、及び絶縁性をより向上させる観点からは、好ましくは5〜60μm程度が挙げられる。
本発明の電池1は、包装材料2の内側に電池素子3を収容し、包装材料の周縁部20を熱融着させる密封することにより製造することができる。具体的には、上記の内側包材2aの内側に電池素子3を収容し、内側包材2aの周縁部20aを熱融着させることにより、内側包材2aの内部に電池素子3を密封する。次に、電池素子3を密封した内側包材2aを外側包材2bの内部に収容し、外側包材2bの周縁部20bを熱融着させる。このとき、内側包材2aと外側包材2bとの間の少なくとも一部に、気体を含む気体保持層4が形成されるように、外側包材2bの周縁部20bを熱融着させる。
気体保持層4が上記の多孔体により形成されている場合には、内側包材2aと外側包材2bとの間に多孔体を配した状態で、外側包材2bの内部に内側包材2aを密封すればよい。また、気体保持層4に水蒸気吸収剤が配置されている場合には、内側包材2aと外側包材2bとの間に水蒸気吸収剤を配置した状態で、内側包材2aと外側包材2bとの間の少なくとも一部に、気体を含む気体保持層4が形成されるようにして、外側包材2bとの間に間隔をおいて密封する。さらに、内側包材2aまたは外側包材2bが水分吸着層を有する場合、それぞれ、内側包材2aまたは外側包材2bに水分吸着層を設けてから、電池素子及び内側包材の収容を行えばよい。
本発明の電池1の水蒸気バリア性をより高めるために、包装材料2の周縁部20を上記の防湿テープ7で覆う場合、外側包材2bに内側包材2bを密封した後に行うことができる。
内側包材2a及び外側包材2bを構成する上記の積層体は、それぞれ、公知の積層方法により形成することができる。積層体の形成方法としては、熱接着性樹脂層と耐熱性樹脂層とを共押出しすることにより積層する方法、熱接着性樹脂層と耐熱性樹脂層とを上記の接着剤層を形成する接着剤を用いてドライラミネーションする方法が挙げられる。また、無機酸化物層の形成は、熱接着性樹脂層、接着剤層、または耐熱性樹脂層の上に無機酸化物層を形成する無機酸化物を蒸着させる方法を採用することができる。なお、各層の接着性をより高めることなどを目的として、各層を積層させた後に、積層体を熱ロール接触式、熱風式、近又は遠赤外線式等の加熱処理に供してもよい。このような加熱処理の条件としては、例えば150〜250℃で1〜5分間が挙げられる。
本発明において、包装材料2の積層体を構成する各層には、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
2.包装材料
本発明の包装材料は、正極、負極、及び電解質を含む電池素子を収容するための包装材料として使用される。具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の包装材料に収容し、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子を外側に突出させた状態で、包装材料の周縁部を熱融着して密封させることによって、本発明の包装材料を使用した電池が提供される。
本発明の包装材料は、本発明の電池1に用いられる上記の包装材料2と同様の構成を有する。すなわち、本発明の包装材料2は、上記の内側包材2aと当該内側包材2aを内包する上記の外側包材2bとを備えている。内側包材2aと外側包材2bとの間の少なくとも一部には、気体保持層4が設けられ、内側包材2a及び外側包材2bは金属層を含まないことを特徴とする。このため、本発明の包装材料2によれば、上記のとおり、電池1に対して、優れた成形性及び水蒸気バリア性に加えて、より高い絶縁性を付与することができる。
本発明の包装材料2において、気体保持層4が気体により構成されている場合、上記のとおり、包装材料2は、電子1の製造過程において、内側包材2aを外側包材2bで収容することによって製造される。一方、気体保持層4が気体を含む上記の多孔体により構成されている場合、包装材料2は、内側包材2aと外側包材2bとの間に多孔体が設けられた状態で包装材料2として流通させることもできる。
本発明の包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシタ等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
1…電池
2…包装材料
2a…内側包材
2b…外側包材
2a1,2b1…熱接着性樹脂層
2a2,2b2…接着剤層
2a3,2b3…水蒸気バリア層
3…電池素子
4…気体保持層
5a…水分吸着剤
5b…水分吸着層
6…金属端子
6a…絶縁フィルム
7…防湿テープ
20…包装材料の周縁部
20a…内側包材の周縁部
20b…外側包材の周縁部

Claims (13)

  1. 正極、負極、及び電解質を含む電池素子と、
    前記電池素子を収容する包装材料と、
    を備える電池であって、
    前記包装材料は、内側包材と、外側包材とを備えており、
    前記包装材料は、金属層を含んでおらず、
    前記内側包材と前記外側包材との間の少なくとも一部には、気体を含む気体保持層が設けられており、
    前記内側包材及び前記外側包材が金属層を含まない、電池。
  2. 前記外側包材が、内側から順に、熱接着性樹脂層と水蒸気バリア層とを備える積層構造を有する、請求項1に記載の電池。
  3. 前記内側包材が、内側から順に、熱接着性樹脂層と水蒸気バリア層とを備える積層構造を有する、請求項1または2に記載の電池。
  4. 前記気体保持層に水分吸収剤が配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の電池。
  5. 前記内側包材及び前記外側包材の少なくとも一方の前記気体保持層側の表面上に、水分吸着層が形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の電池。
  6. 前記内側包材及び前記外側包材の少なくとも一方が、水分吸収剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の電池。
  7. 前記気体保持層が、前記内側包材と前記外側包材との間に配置された間隙により形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の電池。
  8. 前記内側包材全体が、前記外側包材によって形成された空間内に位置している、請求項7に記載の電池。
  9. 前記包装材料の周縁部において、前記内側包材と前記外側包材とが、前記間隙を介さずに互いに積層されている、請求項7に記載の電池。
  10. 前記気体保持層が、気体を含む多孔体により形成されている、請求項1〜9のいずれかに記載の電池。
  11. 前記包装材料の周縁部に防湿テープが付着されている、請求項1〜10のいずれかに記載の電池。
  12. 正極、負極、及び電解質を含む電池素子を収容するための包装材料であって、
    前記包装材料は、内側包材と、外側包材とを備えており、
    前記包装材料は、金属層を含んでおらず、
    前記内側包材と前記外側包材との間の少なくとも一部には、気体保持層が設けられ、
    前記内側包材及び前記外側包材が金属層を含まない、包装材料。
  13. 前記気体保持層が、気体を含む多孔体により構成されている、請求項12に記載の包装材料。
JP2015150858A 2015-07-30 2015-07-30 電池、及び電池素子を収容するための包装材料 Active JP6597027B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015150858A JP6597027B2 (ja) 2015-07-30 2015-07-30 電池、及び電池素子を収容するための包装材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015150858A JP6597027B2 (ja) 2015-07-30 2015-07-30 電池、及び電池素子を収容するための包装材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017033706A JP2017033706A (ja) 2017-02-09
JP6597027B2 true JP6597027B2 (ja) 2019-10-30

Family

ID=57989270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015150858A Active JP6597027B2 (ja) 2015-07-30 2015-07-30 電池、及び電池素子を収容するための包装材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6597027B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020017459A1 (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 マクセルホールディングス株式会社 電池ロールおよびその製造方法
JP7001279B2 (ja) * 2018-08-14 2022-01-19 ニューワン グローバル カンパニー,リミテッド 安全性が向上したパウチ型二次電池ケース
JP7276639B2 (ja) * 2021-04-07 2023-05-18 大日本印刷株式会社 蓄電デバイス用外装材、その製造方法、シーラントフィルム、及び蓄電デバイス
WO2022215739A1 (ja) * 2021-04-07 2022-10-13 大日本印刷株式会社 蓄電デバイス用樹脂フィルム及び蓄電デバイス

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000251854A (ja) * 1999-02-25 2000-09-14 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系二次電池
CN1879246A (zh) * 2003-11-05 2006-12-13 株式会社杰士汤浅 电池
JP4604500B2 (ja) * 2004-01-26 2011-01-05 株式会社Gsユアサ 電池
JP5092457B2 (ja) * 2006-03-02 2012-12-05 ソニー株式会社 電池素子外装材、これを用いた非水電解質二次電池及び電池パック
JP5205775B2 (ja) * 2007-03-09 2013-06-05 株式会社Gsユアサ 電池
JP5287104B2 (ja) * 2008-09-30 2013-09-11 大日本印刷株式会社 電気化学セル
JP6011212B2 (ja) * 2012-09-28 2016-10-19 株式会社Gsユアサ 油漬型電池及び油漬型電池用単電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017033706A (ja) 2017-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI581959B (zh) 電池用外裝材及鋰二次電池
JP5457040B2 (ja) 電気化学デバイスおよびその製造方法
EP2434564B1 (en) Rechargeable lithium battery in pouch form
JP6006104B2 (ja) タブリードの製造方法
KR101508416B1 (ko) 파우치형 이차전지
JP6121710B2 (ja) 電池用外装材及びリチウム二次電池
JP5347411B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP6597027B2 (ja) 電池、及び電池素子を収容するための包装材料
JP5169112B2 (ja) 扁平型電気化学セル金属端子部密封用接着性シート
JP5287104B2 (ja) 電気化学セル
JP2016506610A (ja) エネルギー密度が向上した二次電池
JP5369583B2 (ja) 電池外装用包装材
JP2008251342A (ja) リチウムイオン電池及びそれを備えた電池パック
JP2014026980A (ja) 電気化学デバイス
CN108370058B (zh) 用于密封二次电池的袋壳体的方法
JP6738171B2 (ja) 蓄電デバイス用外装材及び蓄電デバイス
KR20210021942A (ko) 축전 장치용 외장재 및 이것을 사용한 축전 장치
JP4972816B2 (ja) ポリマー電池用包装材料
JP2003272572A (ja) 電池用外装体と電池の包装方法
CN109564990B (zh) 电化学装置
JP5899880B2 (ja) 電気化学セル用包装材料及びそれを用いた電気化学セル
JP2001057203A (ja) ポリマー電池のタブ構造
JP2018092885A (ja) リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池の製造方法
KR101792605B1 (ko) 전극 탭-리드 결합부에 형성된 밀봉부재를 포함하는 이차전지
JP2000077042A (ja) リチウム2次電池のケ―ス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190604

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190916

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6597027

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150