JP7258005B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。詳しくは、脱酸素剤と、炭酸水素ナトリウムと、水分吸着剤とを備える非水電解質二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
二次電池が異常発熱を起こした際、正極等から酸素ガスが発生し得るため、従来、異常発熱が発生した際の安全性を向上させ得る工夫がなされている。例えば、特許文献1には、非水電解質二次電池が異常発熱を起こした際に、電池ケース内部で発生し得る酸素ガス濃度を下げるために、不燃性ガスを発生させるガス発生剤を電池ケース内に配置することが開示されている。また、特許文献2には、非水電解質二次電池が異常発熱を起こした際に、該二次電池の外部へ放出される酸素ガス濃度を下げるために、複数の電池を収容する電池収容容器内に不燃性ガスを発生させるガス発生剤を配置することが開示されており、特許文献3には複数の二次電池を収容する筐体内に脱酸素剤を配置することが開示されている。
特開2002-319436号公報 特開2001-332237号公報 特開2020-87827号公報
ところで、特許文献3では、筐体内を低酸素状態に維持することはできるが、異常発熱時に筐体内に収容される二次電池それぞれの内部の酸素ガス濃度が上昇するという課題がある。より安全性の高い二次電池とするには、二次電池それぞれの内部における酸素ガス濃度の増加が抑制されることが望ましい。
そこで、本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、異常発熱が生じた際に、電池ケースの内部の酸素ガス濃度を低下させ得る非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、ここで開示される非水電解質二次電池は、正極および負極を備える電極体と、非水電解質と、該電極体と該非水電解質とを密閉収容可能な電池ケースと、を備えており、上記電池ケースは、該電池ケースの内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するガス放出弁を備えており、上記電池ケースの内部には、脱酸素剤と、炭酸水素ナトリウムと、水分吸着剤と、が収容されている。さらに、上記非水電解質二次電池の使用時の上下方向において、上記脱酸素剤は、上記電池ケースの高さの下半分の領域に配置されており、上記炭酸水素ナトリウムは、上記電池ケースの高さの上半分の領域に配置されており、上記水分吸着剤は、上記炭酸水素ナトリウムの近傍に配置されている。
かかる構成によれば、非水電解質二次電池に異常発熱が生じた場合に、脱酸素剤および炭酸水素ナトリウムから発生する二酸化炭素ガスにより、電池ケース内部の酸素ガス濃度の増加を抑制することができ、より安全に電池ケースの内圧を開放することができ得る。また、異常発熱時に、炭酸水素ナトリウムから発生する二酸化炭素によって、電池ケースの内圧を上昇させ、より早くガス放出弁を開放することができ得る。
また、ここで開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記ガス放出弁は、上記非水電解質二次電池の使用時の上下方向において、上記電池ケースの上面に備えられている。
かかる構成によれば、異常発熱時に、二酸化炭素ガスによって酸素ガス濃度が低下した状態のガスを電池ケースの内部から放出することができ得る。
また、ここで開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記炭酸水素ナトリウムは、前記ガス放出弁の近傍に配置されている。
かかる構成によれば、異常発熱時に、炭酸水素ナトリウムから発生する二酸化炭素ガスによって、ガス放出弁から放出されるガスの酸素濃度をより一層低下させることができ得る。
また、ここで開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記水分吸着剤は、絶縁性シートに含まれた状態で配置されている。
かかる構成によると、より確実に水分吸着剤の絶縁性を確保することができ得る。
また、ここで開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記炭酸水素ナトリウムは、上記水分吸着剤を含んだ絶縁性シートに挟まれて保持されている。
かかる構成により、炭酸水素ナトリウムが水に溶解することを防止し、異常発熱時以外に炭酸水素ナトリウムが分解することを防止し得る。
また、ここで開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記脱酸素剤は、上記非水電解質二次電池の使用時の上下方向において、上記電池ケースの下面上に配置されている。
かかる構成によると、脱酸素剤がより安定に保持され、電池ケース内部の酸素ガスをより効率よく吸収し得る。
また、ここで開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記脱酸素剤として鉄系脱酸素剤を含む。
かかる構成によると、電池ケース内部の酸素ガスをより素早く吸収することができ得る。
一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式分解図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において数値範囲をA~B(ここでA,Bは任意の数値)と記載している場合は、一般的な解釈と同様であり、A以上B以下を意味するものである。
本明細書において、「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等のいわゆる蓄電池(すなわち化学電池)の他、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(すなわち物理電池)を包含する。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される非水電解質二次電池をいう。以下、ここで開示される非水電解質二次電池の一例としてリチウムイオン二次電池100を例に詳細に説明する。
なお、以下の説明において、図面中の符号X、Yはそれぞれ、リチウムイオン二次電池100の幅方向、高さ方向を表す。また、本明細書において、リチウムイオン二次電池100の使用時の上下方向を上記高さ方向(符号Y方向)として、詳しくは、上方向を符号U、下方向(重力方向)を符号Dで表す。ただし、上方向、下方向は説明の便宜上の方向に過ぎず、リチウムイオン二次電池100の使用時の設置形態を限定するものではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、電池ケース30の内部に、扁平形状の電極体(捲回電極体)20と、非水電解質(図示せず)とが収容されることで構築される角型の密閉型電池である。さらに、電池ケース30の内部には、脱酸素剤92と、炭酸水素ナトリウム94と、水分吸着剤(例えば、水分吸着剤シート96)とが収容されている。脱酸素剤92は、リチウムイオン二次電池100の使用時の上下方向において、電池ケース30の高さの下半分の領域に配置されており、炭酸水素ナトリウム94は、かかる上下方向において、電池ケース30の高さの上半分の領域に配置されており、水分吸着剤(例えば、水分吸着剤シート96)は炭酸水素ナトリウム94の近傍に配置されている。かかる配置により、異常発熱時に脱酸素剤92は正極50等から発生し得る酸素ガスを効率よく吸収し得る。また、炭酸水素ナトリウム94は異常発熱時に分解することで二酸化炭素ガスを発生させ、重力により該二酸化炭素ガスが下方向に移動し、電池ケース30の内部の酸素ガス濃度をより均一に低下させることができ得る。これにより、異常発熱時に電池ケース30の内部の酸素ガス濃度の上昇を抑制することができるため、より安全性の高い非水電解質二次電池(ここではリチウムイオン二次電池100)を提供することができる
電池ケース30は六面箱型形状であって、開口部を備えたケース本体32と、該開口部を塞ぐ蓋体34とを備え得る。ケース本体32は、矩形状の底壁と、矩形状の4つの側壁を備えている。また、電池ケース30には、内圧が所定レベル(概ね0.1MPa~1.0MPa、例えば0.3MPa~0.5MPa)に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉のガス放出弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液(非水電解質)を注液するための注液口(図示せず)が設けられている。さらに、電池ケース30には、外部接続用の正極端子42および負極端子44が備えられている。電池ケース30の材質は、高強度であり軽量で熱伝導性が良い金属製材料が好ましく、このような金属材料として、例えば、アルミニウムやスチール等が挙げられる。
ガス放出弁36の位置は特に限定されるものではないが、リチウムイオン二次電池100の使用時の上下方向(図1中のY方向)おいて、電池ケース30の上面(ここでは蓋体34)に備えられることが好ましい。かかる構成により、異常発熱時に、炭酸水素ナトリウム94から発生する二酸化炭素ガスが重力によって酸素ガス濃度を低下させた後の電池ケース30の内部のガスを外部へと放出することができ得る。
電極体(捲回電極体)20は、図1および図2に示されるように、長尺シート状の正極50と、長尺シート状の負極60とが、2枚の長尺シート状のセパレータ70を介して積層され、捲回軸を中心として捲回されている。正極50は、正極集電体52と、該正極集電体52の片面または両面の長手側方向に形成された正極活物質層54とを備えている。正極集電体52の捲回軸方向(即ち、上記長手側方向に直交するシート幅方向)の片側の縁部には、該縁部に沿って帯状に正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分(即ち、正極集電体露出部52a)が設けられている。また、負極60は、負極集電体62と、該負極集電体62の片面または両面の長手側方向に形成された負極活物質層64とを備えている。負極集電体62の上記捲回軸方向の片側の反対側の縁部には、該縁部に沿って帯状に負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分(即ち、負極集電体露出部62a)が設けられている。正極集電体露出部52aと負極集電体露出部62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。正極集電板42aは、外部接続用の正極端子42と電気的に接続されており、電池ケース30の内部と外部との導通を実現している。同様に、負極集電板44aは、外部接続用の負極端子44と電気的に接続されており、電池ケース30の内部と外部との導通を実現している。
正極50を構成する正極集電体52としては、例えば、アルミニウム箔が挙げられる。正極活物質層54が備える正極活物質としては、例えば層状構造やスピネル構造等のリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5,LiCrMnO、LiFePO等)が挙げられる。また、正極活物質層54は、導電材、バインダ等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
正極活物質層54は、正極活物質と必要に応じて用いられる材料(導電材、バインダ等)とを適当な溶媒(例えばN-メチル-2-ピロリドン:NMP)に分散させ、ペースト状(またはスラリー状)の組成物を調製し、該組成物の適当量を正極集電体52の表面に塗工し、乾燥することによって形成することができる。
負極60を構成する負極集電体62としては、例えば、銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、負極活物質を備えており、例えば、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。また、負極活物質層64は、バインダ、増粘剤等をさらに含んでいてもよい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
負極活物質層64は、負極活物質と必要に応じて用いられる材料(バインダ等)とを適当な溶媒(例えばイオン交換水)に分散させ、ペースト状(またはスラリー状)の組成物を調製し、該組成物の適当量を負極集電体62の表面に塗工し、乾燥することによって形成することができる。
セパレータ70としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様の各種微多孔質シートを用いることができ、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートが挙げられる。かかる微多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。また、セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)を備えていてもよい。
非水電解質は従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には非水溶媒中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。あるいは、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)のようなフッ素化カーボネート等のフッ素系溶媒を好ましく用いることができる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、特に限定されるものではないが、0.7mol/L以上1.3mol/L以下程度が好ましい。
なお、上記非水電解質は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した非水溶媒、支持塩以外の成分を含んでいてもよく、例えば、ガス発生剤、被膜形成剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
また、リチウムイオン二次電池100は、電池ケース30と、電極体20とを隔離するように、絶縁フィルム80を電池ケース30の内壁と電極体20との間に配置してもよい。絶縁フィルム80により、電池ケース30と電極体20との絶縁を確保することができる。絶縁フィルム80の形状は、かかる絶縁を実現可能であれば特に限定されるものではなく、例えば、開口部を備えた有底の袋状であってもよく、かかる開口部から電極体20をその内部に収容することができる。
絶縁フィルム80は、絶縁部材として機能し得る材料で構成されており、例えば、種々の熱可塑性樹脂、典型的にはポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等を用いることができる。また、絶縁フィルム80は、単層構造でもよく、二層以上の積層構造であってもよい。
脱酸素剤92は、電池ケース30の内部に存在し得る酸素ガスを吸収することができる。電池ケース30の内部には、電池ケース30の密閉時に含まれ得る酸素ガスや、長期使用に伴い外部から侵入し得る酸素ガスや、異常発熱時に正極50等から発生し得る酸素ガス等が存在し得る。酸素ガスは、電池ケース30の内部で主要なガスであり得る窒素ガスよりも比重が大きいため、リチウムイオン二次電池100の使用時の上下方向において、酸素ガスは電池ケース30の内部の下方部に溜まりやすくなる。そのため、脱酸素剤92は、電池ケース30の内部において、電池ケース30の高さの下半分の領域に配置されることが好ましく、例えば、電池ケース30の下面上に配置されることが好ましい。かかる配置により、脱酸素剤92をより安定した状態で配置することができ、さらに、電池ケース30の内部に存在し得る酸素ガスをより効率的に除去することができ得る。
脱酸素剤92の種類は特に限定されるものではなく、例えば、鉄系脱酸素剤(例えば、鉄粉)、有機系脱酸素剤(例えば、アスコルビン酸ナトリウム)等を使用することができる。なかでも、鉄系脱酸素剤を使用することが好ましい。鉄系脱酸素剤は酸化反応により酸素ガスと素早く化合物を形成し、高効率に酸素ガスを除去することができる。なお、鉄系脱酸素剤とは、鉄を有しており、かかる鉄が酸化される際に必要な酸素ガスを周囲の雰囲気から吸収する性質を利用した脱酸素剤のことを指し、有機系脱酸素剤とは、酸化分解を受ける有機物を有しており、かかる有機物が酸化分解を受ける際に酸素ガスを吸収する性質を利用した脱酸素剤を指す。
脱酸素剤92の量は、特に制限されるものではないが、例えば、以下の式(1)を具備する量を用いることが好ましい。
S>B+E・・・式(1)
(上記式(1)中において、Sは脱酸素剤92の酸素吸収量(mL)、Bは電池ケース30を密閉したときに存在する酸素ガス量[mL]、Eは時間経過に伴う電池ケース30の外部から内部へ侵入し得る酸素ガス量[mL]を示す。)
上記Sは、用いる脱酸素剤92の公称酸素吸収量を用いればよい。上記Bは、用いる電池ケース30の内部の体積と、電池ケース30を密閉する際に電、池ケース30の内部に密閉されるガスの組成から凡その酸素ガス量を算出すればよい。上記Eは所定の期間(例えば1カ月)で侵入する酸素ガス量を事前の実験により算出し、算出した値を基に、予測される電池使用期間(例えば20年以上)で侵入し得る酸素ガスの凡その量を求めればよい。なお、安全性の観点から、上記Sは、式(1)中の右辺の値よりも大きいことが好ましく、例えば、1.1倍以上であるとよい。かかる量となるように脱酸素剤92を配置することにより、異常発熱時に発生し得る酸素をより効率よく吸収することができ得る。
炭酸水素ナトリウム94は、異常発熱時に熱分解を起こし、二酸化炭素ガスを発生させることができる。これにより、電池ケース30の内圧を高めるのを促進できるため、異常発熱時に、より早くガス放出弁36を開放することができ得る。また、上記発生する二酸化炭素ガスにより、電池ケース30の内部の酸素ガス濃度を低下させることができる。これにより、ガス放出弁36から放出されるガスの酸素濃度が低下するため、より高い安全性を確保することができる。
炭酸水素ナトリウム94は、リチウムイオン二次電池100の使用時の上下方向において、電池ケース30の高さの上半分の領域に配置されることが好ましい。二酸化炭素ガスは、電池ケース30の内部で主要なガスであり得る窒素ガスよりも比重が大きい。そのため、かかる配置であれば、電池ケース30の内部において、異常発熱時に炭酸水素ナトリウム94から発生する二酸化炭素ガスは電池ケース30の内部の上方側から下方側へ移動するため、電池ケース30の内部全体の酸素ガス濃度を効率よく低下させることができ得る。
炭酸水素ナトリウム94は、電池ケース30が備えるガス放出弁36の近傍に配置されることがより好ましい。かかる配置により、ガス放出弁36が開放されたとき、電池ケース30の外部へ放出されるガスの二酸化炭素ガス濃度を高めることにより、酸素ガス濃度をより一層低下させることできるため、より高い安全性を確保することができる。
炭酸水素ナトリウム94の量は、特に限定されるものではなく、電池ケース30の内部の体積およびガス放出弁36の開放条件によって適宜変更可能であるが、安全性の観点から、炭酸水素ナトリウム94から発生する二酸化炭素ガスの体積によって、異常発熱時の電池ケース30の内部の酸素ガスの割合を、例えばA体積%以下(典型的には、15体積%以下)に抑制し得る量を配置することが好ましい。ガス放出弁36の開放条件が電池ケース30の内部の体積がx倍に膨張した場合であるとき、炭酸水素ナトリウム94から発生し得る二酸化炭素ガス量y(mL)は、以下の式(2)を具備することが好ましい。
y>V・x-V-V・x・(A/100)・・・式(2)
(上記式(2)中のVは電池ケース30の内部の初期体積[mL](即ち、電池ケース30が変形していない状態)を示す。なお、異常発熱前の電池ケース30の内部の酸素ガスの割合は0体積%であると仮定する。)
なお、式(2)を換言すると、
(炭酸水素ナトリウム94から発生する二酸化炭素ガスの体積[mL])>(ガス放出弁36開放条件時の電池ケース30の内部の体積[mL])-(電池ケース30の内部の初期体積[mL])-(ガス放出弁36開放条件時の電池ケース30の内部のA体積%分の体積[mL])
を示している。上記式(2)を具備することにより、異常発熱時に電池ケース30の内部全体における酸素ガスの割合がA体積%より高くなるのを抑制したまま、ガス放出弁36を開放することができ得る。これにより、より安全性の高いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
炭酸水素ナトリウム94は、粉末状態で配置されることが好ましい。炭酸水素ナトリウム94は水に溶解する(あるいは、水を含む)と、熱分解する温度が低くなる性質があるため、常温・常圧であっても徐々に分解が進行し得る。これにより、異常発熱が起きていない場合であっても、炭酸水素ナトリウム94から発生する二酸化炭素によって電池ケース30の内圧が高くなることでガス放出弁36が開放される虞がある。そのため、炭酸水素ナトリウム94を粉末状態で用いることにより、異常発熱時に適切に二酸化炭素ガスを発生させることができ得る。
水分吸着剤は、電池ケース30の内部に存在し得る水分を吸収することができる。かかる水分を吸収することにより、炭酸水素ナトリウム94が水に溶解する(あるいは、水を含む)ことを防止し得る。そのため、上記水分吸着剤は、炭酸水素ナトリウム94の近傍に配置されることが好ましい。水分吸着剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリカゲル、ゼオライト、多孔性ガラスなどを用いることができる。
上記水分吸着剤は、絶縁性シートに含まれた状態(水分吸着剤シート96)で配置されていることが好ましい。これにより、水分を吸収した水分吸着剤をより確実に絶縁することができ得る。かかる絶縁性シートは、絶縁部材として機能し得る材料で構成されていればよく、例えば、ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE)等を用いることができる。なお、特に限定されるものではないが、水分吸着剤シート96は、公知方法(例えば、粘着剤や接着剤等)により、例えば電池ケース30の内壁に固定されていればよい。
水分吸着剤シート96は、例えば、図1に示すように、炭酸水素ナトリウム94を挟んだ状態で配置することができる。かかる構成により、炭酸水素ナトリウム94と水分吸着剤シート96とがより近傍に配置されるため、炭酸水素ナトリウム94が水に溶解する(あるいは、水を含む)ことをより効率よく防止することができ得る。また、かかる構成により、炭酸水素ナトリウム94をより安定に配置することができる。
なお、水分吸着剤シート96の形状は特に限定されるものではない。例えば、予め袋型に成形したものを準備し、その内部に炭酸水素ナトリウム94を収容してもよく、また、2枚の水分吸着剤シートを対向させた状態で貼り合わせ(あるいは、溶着させ)、かかる水分吸着剤シートの間に炭酸水素ナトリウム94を挟んで保持してもよい。なお、炭酸水素ナトリウム94は、水分吸着剤シート96に密閉されると、異常発熱時においても、炭酸水素ナトリウム94から発生する二酸化炭素ガスが水分吸着剤シート96に密閉され、電池ケース30の内部に拡散しない虞があるため、炭酸水素ナトリウム94を挟む水分吸着剤シート96の少なくとも一部は開口していることが好ましい。
水分吸着剤の量は、特に限定されるものではないが、例えば、以下の式(3)を具備していることが好ましい。
W>(R・A・t・(h-h)K)/((C-C)・10-2)+K・D・・・式(3)
(上記式(3)中において、W:水分吸着剤の量[g]、R:透湿度[g/m・年]、A:電池ケース30の外形の表面積[m]、t:使用期間[年]、h:電池ケース30の外部の平均湿度[%]、h:電池ケース30の内部の平均湿度[%]、K:使用期間と電池外形素材による係数、C:使用開始時の水分吸着剤の吸湿率[%]、C:水分吸着剤の平衡吸湿率[%]、K:電池ケース30内部の材料の吸湿率によって定まる係数、D:電池ケース30内部の吸湿性のある材料の質量[g]を示す。)
かかる式(3)を具備することにより、電池ケース30の内部の湿度を十分に低下させることができるため、異常発熱時以外における炭酸水素ナトリウム94の分解を抑制することができ得る。
リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。例えば、車両に搭載されるモーター用の高出力動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、典型的には自動車、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、複数個が電気的に接続された組電池の形態で使用することもできる。
以上、一例として捲回電極体を備えたリチウムイオン二次電池について詳細に説明したが、これは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に記載した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、捲回電極体の代わりに、シート状の正極とシート状の負極とが、シート状のセパレータを介して積層された積層電極体を備えた二次電池であってもよい。また、電池ケース30は角型以外の形状(例えば円筒状等)であってもよい。また、リチウムイオン二次電池100は、電解質として固体電解質を使用する全固体電池や、ポリマー電解質を使用するポリマー電池であってもよい。
20 電極体
30 電池ケース
32 ケース本体
34 蓋体
36 ガス放出弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極
52 正極集電体
52a 正極集電体露出部
54 正極活物質層
60 負極
62 負極集電体
62a 負極集電体露出部
64 負極活物質層
70 セパレータ
80 絶縁フィルム
92 脱酸素剤
94 炭酸水素ナトリウム
96 水分吸着剤シート
100 リチウムイオン二次電池

Claims (7)

  1. 正極および負極を備える電極体と、非水電解質と、該電極体と該非水電解質とを密閉収容可能な電池ケースと、
    を備える非水電解質二次電池であって、
    前記電池ケースは、該電池ケースの内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するガス放出弁を備えており、
    前記電池ケースの内部には、脱酸素剤と、炭酸水素ナトリウムと、水分吸着剤と、が収容されており、
    ここで、前記二次電池の使用時の上下方向において、
    前記脱酸素剤は、前記電池ケースの高さの下半分の領域に配置されており、
    前記炭酸水素ナトリウムは、前記電池ケースの高さの上半分の領域に配置されており、
    前記水分吸着剤は、前記炭酸水素ナトリウムの近傍に配置されている、
    非水電解質二次電池。
  2. 前記ガス放出弁は、前記二次電池の使用時の上下方向において、前記電池ケースの上面に備えられている、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記炭酸水素ナトリウムは、前記ガス放出弁の近傍に配置されている、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記水分吸着剤は、絶縁性シートに含まれた状態で配置されている、請求項1~3の何れか一項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記炭酸水素ナトリウムは、前記水分吸着剤を含んだ絶縁性シートに挟まれて保持されている、請求項4に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記脱酸素剤は、前記二次電池の使用時の上下方向において、前記電池ケースの下面上に配置されている、請求項1~5何れか一項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記脱酸素剤として鉄系脱酸素剤を含む、請求項1~6の何れか一項に記載の非水電解質二次電池。
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