JPWO2020084990A1 - 動力伝達装置のハウジング部材 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1では、二重壁構造の合わせ面を有するハウジング部材が開示されている。
駆動源と接続する動力伝達装置のハウジング部材であって、
前記駆動源側の合わせ面は、隣合う締結領域を周方向に沿って一つの壁で結ぶ一重壁構造と、隣合う締結領域を周方向に沿って二つの壁で結ぶ二重壁構造と、を含み、
前記駆動源側の合わせ面の上半分の領域においては、前記二重壁構造の占める面積が前記一重壁構造の占める面積よりも大きくなるように設定され、
前記駆動源側の合わせ面の下半分の領域においては、前記二重壁構造の占める面積が前記一重壁構造の占める面積よりも小さくなるように設定されている構成の動力伝達装置のハウジング部材とした。
図2は、無段変速機1を説明する図であり、変速機ケース2と、トルクコンバータ7と、ドライブプレート8と、シリンダーブロック6と、をそれぞれ回転軸X1方向に離間させた状態を示した図である。
ここで、図面中の上下方向とは、重力方向に対して上、下を意味するものとして説明する。図面中の前後方向とは、車両の搭乗者から見て前、後を意味するものとして説明する。図面中の左右方向とは、車両の搭乗者から見て左、右を意味するものとして説明する。
図1に示すように、無段変速機1の変速機ケース2は、コンバータハウジング3と、ケース4と、サイドカバー5と、から構成される。コンバータハウジング3には、トルクコンバータ7とドライブプレート8が収容されている(図2参照)。ケース4には、変速機構(図示せず)が収容されている。
図2に示すように、トルクコンバータ7は、フロントカバー71とポンプインペラ72の重ね合わせ方向を回転軸X1に沿わせた状態で、インプットシャフト11に連結している。フロントカバー71とポンプインペラ72は、回転軸X1回りに相対回転可能に設けられている。
ポンプインペラ72は、回転軸X1方向におけるケース4側に配置されている。ポンプインペラ72は、インプットシャフト11に外挿されている。
ギア部81は、トルクコンバータ7の外径よりも大径の外径を有している。ギア部81は、後記するスタータモータ9のギア部91と噛合している(図5参照)。
トルクコンバータ7及びドライブプレート8は、コンバータハウジング3に収容されている。
図3は、コンバータハウジング3を説明する図である。(a)は、図1におけるA−A断面図である。なお、ドライブプレート8を仮想線で記載してある。(b)は、図3(a)におけるコンバータハウジング3のC−C断面図である。
図4は、コンバータハウジング3を説明する図であり、図1におけるB−B断面図である。なお、オイルパンは省略してある。
貫通孔35aは、空間S1と空間S2とを連通している。貫通孔35aには、インプットシャフト11がケース4側から挿入されており、このインプットシャフト11は、空間S1側において、トルクコンバータ7と連結している(図2参照)。
コンバータハウジング3における環状壁31で囲まれた領域は、シリンダーブロック6側に開口している。環状壁31は、中間壁部35から離れるにつれて開口径が大きくなる、先広がり形状をなしている(図3(b)参照)。
空間S1のうち、膨出壁部315と中間壁部35とで囲まれた領域は、後記するスタータモータ9が収容されるスタータモータ収容空間S10となっている。
(a)エンジンENGとコンバータハウジング3との接合部位に応力が集中する事実。
(b)接合部位の剛性が低いと、振動音が大きくなる事実。
(c)接合部位において、振動音を低減するための寄与が高い領域と、寄与の低い領域とがある事実。
(d)振動音を低減するための寄与が高い領域は、上下方向における接合部位の回転軸X1より上側の領域311である事実。
(e)上記(d)と比して、上下方向における回転軸X1より下側の領域312は、振動音低減に対する寄与が低い事実。
以上の事実より、振動音低減のために重点的に剛性を上げるべき領域は、上下方向の上側の領域311ということになると考えた。
なお、膨出壁部315には、フランジ部32は形成されておらず、環状壁31がそのまま延びている。膨出壁部315の先端面が、シリンダーブロック6とのあわせ面315aとなっている。
また、フランジ部32は、ボルト孔32b周りを除いて、複数の肉抜き穴325が形成されている。肉抜き穴325は、あわせ面32aに開口している。
図3(b)に示すように、回転軸X1の径方向における膨出壁部315及び一般壁313の厚みW3は、アウタ壁321の厚みW1とインナ壁322の厚みW2とを合わせた厚みよりも小さくなるように設定されている(W3<W1+W2)。
図3(a)に示すように、一重壁構造では、周方向で隣り合うボルト孔32b、32bは、膨出壁部315または一般壁313で結ばれている。
振動音を低減するための寄与が低い領域である下側の領域312には、フランジ部32を設けず、環状壁31と同一の厚みを有する一般壁313とした一重壁構造としている。これにより、さらに軽量化を図ることができる。
また、膨出壁部315は、上側の領域311に設けられているが、スタータモータ9の取り付け位置要件及び車両搭載性の観点から、一重壁構造としている(図3(a)参照)。
図3(b)及び図4に示すように、ケース4側の空間S2は、中間壁部35を環状壁36で囲んで形成される凹部内の領域である。環状壁36は、中間壁部35に設けられており、回転軸X1方向において、シリンダーブロック6から離れる方向に延びている。
よって、接触面積が大きくなるので、シール性が確保される。これにより、オイルがフランジ部37とケース4のフランジ部42との境界面から漏出することを防止している。
図5は、シリンダーブロック6を説明する図であり、図2におけるトルクコンバータ7側から見た図である。なお、本図では、ドライブプレート8とスタータモータ9を仮想線で記載してある。
また、図5に示すように、周壁部61のうち下側の領域612には、厚肉部62は有しておらず、周壁部61がそのまま延びた一般壁613となっている。一般壁613の先端面が、コンバータハウジング3の一般壁313とのあわせ面613aとなっている。
また、カバー部材616は、コンバータハウジング3の膨出壁部315とのあわせ面616aを有する(図1参照)。
周壁部61の切欠部615に収容されたスタータモータ9は、モータ部90とギア部91とを備えている。ギア部91は、モータ部90から回転軸X1方向におけるコンバータハウジング3側にオフセットした位置に設けられている(図5中の紙面手前側)。ギア部91は、回転軸X1に平行な回転軸Xs回りに回転する。
(1)エンジンENGのシリンダーブロック6(駆動源)と接続する無段変速機1(動力伝達装置)のコンバータハウジング3(ハウジング部材)であって、
環状壁31の先端面(駆動源側の合わせ面)は、隣合うボルト孔32b(締結領域)を回転軸X1周りの周方向に沿って一つの一般壁313で結ぶ一重壁構造と、隣合うボルト孔32b(締結領域)を回転軸X1周りの周方向に沿ってアウタ壁321とインナ壁322(二つの壁)で結ぶ二重壁構造と、を含む。
環状壁31のうち、回転軸X1を通る水平線Lhよりも上側の領域311(上半分の領域)においては、二重壁構造の占める角度範囲θ1(面積)が、一重壁構造の占める角度範囲θ2(面積)よりも大きくなるように設定されている。
環状壁31のうち、回転軸X1を通る水平線Lhよりも下側の領域312(下半分の領域)においては、二重壁構造の占める角度範囲θ1(面積)が、一重壁構造の占める角度範囲θ2(面積)よりも小さくなるように設定されている。
(2)一重壁構造の一般壁313の径方向における厚さW3は、二重壁構造のアウタ壁321とインナ壁322の径方向における厚さの合計(W1+W2)よりも小さくなるように設定されている。
(3)環状壁31における下側の領域312には、二重壁構造を設けない。
(4)一般壁313のあわせ面313a(駆動源側の合わせ面の下半分の領域)に、クーラと接続されるウォーターホース(ホース)を支持する支持突起部39を局所的に設ける。
そこで、上記のように構成することで、コンバータハウジング3の重量増大を、必要最小限に抑えることができる。
(5)支持突起部39内に、肉抜き孔326(間隙)が形成されている。
(6)環状壁36側におけるフランジ部37のあわせ面37a(駆動源側と反対側の合わせ面)は、全周が一重壁構造で構成されている。
ここで、フランジ部37のあわせ面37aを二重壁構造とすると、シール性が弱くなってしまう。そこで、よりシール性の高い上記の構成とすることで、流体を閉じ込めるようにしている。
(7)環状壁36側におけるフランジ部37のあわせ面37aの一重壁構造における径方向の厚さW4は、環状壁31側における一般壁313の合わせ面313aの一重壁構造における径方向の厚さW3よりも厚くなるように設定されている。
換言すれば、本願発明は、複数のギアから構成されるギア列であって、少なくとも1つのギアがギア列の収容ケース内のオイルを掻き上げ得るように構成された装置にも適用可能である。このような装置としては、入力された回転を減速して出力する減速装置が例示される。
Claims (7)
- 駆動源と接続する動力伝達装置のハウジング部材であって、
前記駆動源側の合わせ面は、隣合う締結領域を周方向に沿って一つの壁で結ぶ一重壁構造と、隣合う締結領域を周方向に沿って二つの壁で結ぶ二重壁構造と、を含み、
前記駆動源側の合わせ面の上半分の領域においては、前記二重壁構造の占める面積が前記一重壁構造の占める面積よりも大きくなるように設定され、
前記駆動源側の合わせ面の下半分の領域においては、前記二重壁構造の占める面積が前記一重壁構造の占める面積よりも小さくなるように設定されている、動力伝達装置のハウジング部材。 - 請求項1に記載の動力伝達装置のハウジング部材において、
前記一重壁構造の前記一つの壁の径方向における厚さは、前記二重壁構造の前記二つの壁の径方向における厚さの合計よりも小さくなるように設定されている、動力伝達装置のハウジング部材。 - 請求項1又は2に記載の動力伝達装置のハウジング部材において、
前記下半分の領域においては、前記二重壁構造を設けない、動力伝達装置のハウジング部材。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の動力伝達装置のハウジング部材において、
前記駆動源側の合わせ面の前記下半分の領域に、クーラと接続されるホースを支持する支持突起部を局所的に設けた、動力伝達装置のハウジング部材。 - 請求項4に記載の動力伝達装置のハウジング部材において、
前記支持突起部内に、間隙が形成されている、動力伝達装置のハウジング部材。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の動力伝達装置のハウジング部材において、
前記駆動源側と反対側の合わせ面は、全周が前記一重壁構造で構成されている、動力伝達装置のハウジング部材。 - 請求項6に記載の動力伝達装置のハウジング部材において、
前記駆動源側と反対側の合わせ面の前記一重壁構造における径方向の壁の厚さは、前記駆動源側の合わせ面の前記一重壁構造における径方向の壁の厚さよりも厚くなるように設定されている、動力伝達装置のハウジング部材。
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