JP2011256919A - 車両用動力伝達装置のトランスアクスルケース - Google Patents

車両用動力伝達装置のトランスアクスルケース Download PDF

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浩士 武川
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Abstract

【課題】車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースを構成する円形状のカバーで発生する一次振動モードおよび二次振動モードで発生する音を抑制することができるカバーを提供する。
【解決手段】カバー15cの軸支持部76と締結部74との間で周方向に連なる周方向壁80が、ケース外部側へ膨らむ円弧状断面に形成されている。このようにすれば、カバー15cの剛性が高められ、カバー15cの一次振動モードおよび二次振動モードが発生する共振周波数を高めることができる。特に、周方向壁80が円弧状断面に形成されることで、二次振動モードが発生する共振周波数が大幅に高められ、音として問題になる振動モードを一次振動モードのみに減らすことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースに係り、特に、トランスアクスルケースの振動による発音を抑制することができるケースの構造に関するものである。
車両用動力伝達装置の回転部材や歯車機構等を収容するトランスアクスルケースにおいて、軸心方向の一方の端部が開口する円筒状のケースと、そのケースの一方の開口部を塞ぐように締結される円形状のカバーとを備えるものが知られている。上記のように構成されるトランスアクスルケースにおいて、前記円形状のカバーは、壁面の面積が大きく、また、その壁の剛性が比較的低いため、共振振動を起こして発音しやすい構造となっている。図9に、従来形状のカバー200の断面の斜視図を一例として示す。図9に示すように、従来のカバー200では、例えばその外周部202と内周部204との間の壁206が、略直線上に形成されている。
ところで、発音が問題となるのは、一般に5kHz以下の周波数範囲とされている。図9に示したカバーでは、5kHz以下の周波数範囲において、カバー200の一次振動モードだけでなく、二次振動モードが発生する。なお、一次振動モードとは、図10の破線で示すように、カバー200の内周部204が振動の腹となる振動モードであり、二次振動モードとは、図11の破線で示すように、壁面206が振動の腹となる振動モードである。
このような振動モードの発生に起因する音を抑制するため、従来では、カバーの肉厚を増加させたり、ケース壁面にリブを設けるなどしてカバーの剛性を高くする手段がとられていた。或いは、マスダンパやダイナミックダンパを設けてカバーの振動特性を変更する手段がとられていた。例えば特許文献1においては、ケース11にダイナミックダンパとして機能する固着体12を設けることで、ケース振動を低減する技術が開示されている。
特開2002−242985号公報
しかしながら、特許文献1に記載のケース11では、ケース内周側が振動モードの腹となる一次振動モードの振動が抑制されるものの、二次振動モードが発生した場合には、その振動が低減されない。すなわち、固着体12は一次振動モードのみに機能するダイナミックダンパであるため、他の高次(二次以上)の振動モードには効果が生じない問題があった。また、ケース11に固着体12を設けることで、質量増加やコスト増加を招いてしまう問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースを構成する円板状のカバーで発生する一次振動モードおよび二次振動モードで発生する音を抑制することができるカバーを提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)軸心方向の一方の端部が開口する円筒状のケースと、そのケースの一方の開口を塞ぐように締結される円形状のカバーとを、有する車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースであって、(b)前記カバーは、その車両用動力伝達装置内部に収容されている所定の回転軸を支持するためにそのカバーの内周部に形成されている軸支持部と、前記ケースと締結するためにそのカバーの外周部に形成されている締結部とを備え、(c)前記カバーの軸支持部と締結部との間で周方向に連なる周方向壁が、半径方向の中間部がケース外部側へ膨らむ円弧状断面に形成されていることを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースにおいて、前記所定の回転軸は、前記ケース内に収容されている電動機の回転軸であり、前記カバーの周方向壁が円弧状断面に形成されることによってその内側に形成される環状の空間に、その電動機のコイルエンドが収容されることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2の車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースにおいて、前記周方向壁は、前記カバーの周方向の一部に形成されていることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2の車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースにおいて、前記カバーに形成されている周方向壁には、補強用のリブが放射状に設けられていることを特徴とする。
請求項1にかかる発明の車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースによれば、前記カバーの軸支持部と締結部との間で周方向に連なる周方向壁が、半径方向の中間部がケース外部側へ膨らむ円弧状断面に形成されている。このようにすれば、カバーの剛性が高められ、カバーの一次振動モードおよび二次振動モードが発生する共振周波数を高めることができる。特に、周方向壁が円弧状断面に形成されることで、二次振動モードが発生する共振周波数が大幅に高められ、音として問題になる振動モードを一次振動モードのみに減らすことができる。したがって、一次振動モード以外のカバーの発音対策が不要となるため、一次振動モード以外の発音対策によるコストをなくすことができる。
また、請求項2にかかる発明の車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースによれば、前記カバーの周方向壁が円弧状断面に形成されることによってその内側に形成される環状の空間に、電動機のコイルエンドが収容されるため、カバーの二次振動モードの共振周波数を大幅に高めることができると共に、前記環状の空間が有効に活用されてトランスアクスルケースの軸心方向への大型化を抑制することができる。
また、請求項3にかかる発明の車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースによれば、前記周方向壁は、前記カバーの周方向の一部に形成されている場合であっても、カバーの二次振動モードの共振周波数を大幅に高めることができる。また、前記カバーの円弧状断面が形成されない壁に、例えば車両用動力伝達装置のマウント部等を設けるなどして、カバーを有用に活用することができる。
また、請求項4にかかる発明の車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースによれば、前記カバーに形成されている周方向壁には、補強用のリブが放射状に設けられているため、カバーの壁の剛性がさらに高められ、さらに一次振動モードが発生する共振周波数を高周波数化することができる。
本発明が適用されたハイブリッド形式の車両用動力伝達装置の骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースのカバーの構造を説明するための部分断面図である。 トランスアクスルケースのカバーのケース壁の形状に対する一次振動モードおよび二次振動モードの共振周波数を示す図である。 図2のカバーを簡略的に示した図である。 本発明の他の実施例であるカバーの形状を示す正面図である。 図5のカバーを、切断線Aで切断した断面図である。 本発明のさらに他の実施例であるカバーの形状を示す正面図である。 図7のカバーを、切断線Bで切断した断面図である。 従来形状のカバーの断面を一例として示す斜視図である。 図9のカバーにおいて一次振動モードが発生したときのカバーの振動状態を示す図である。 図9のカバーにおいて二次振動モードが発生したときのカバーの振動状態を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用されたハイブリッド形式の車両用動力伝達装置10の骨子図である。この車両用動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)、すなわち回転軸が車両の幅方向と略平行に配置される横置のもので、燃料の燃焼によって作動する内燃機関などのエンジン12と、第1電動機MG1と、シングルピニオン型の遊星歯車機構14と、第2電動機MG2とを、トランスアクスルケース15内に備えている。ここで、トランスアクスルケース15は、主に第1電動機MG1を収容するハウジング15a、主に遊星歯車装置14および第2電動機MG2を収容するケース15b、およびケース15bの一方の開口を塞ぐためのカバー15cがボルト等によって一体的に締結されることで構成される。
遊星歯車機構14は、機械的にエンジン12からの動力を第1電動機MG1と車輪側出力軸とに動力を分配するためのものでエンジン12に連結されたキャリヤCAと、第1電動機MG1のロータ16に連結されたサンギヤSと、第2電動機MG2のロータ18および出力部材としてのスプロケット20に連結されたリングギヤRとを備えており、主としてエンジン12から伝達された動力を第1電動機MG1およびスプロケット20に分配する。
第1電動機MG1は、主としてジェネレータとして用いられ、エンジン12により遊星歯車機構14を介して回転駆動されることにより発生した電気エネルギをバッテリー等の蓄電装置に充電する一方、第2電動機MG2は、主として駆動モータとして用いられ、単独で、或いはエンジン12と共に車両の動力源として用いられるもので、大トルクを必要とする第2電動機MG2は第1電動機MG1よりも大型である。なお、第1電動機MG1は、エンジン始動時や高速走行時等において、駆動モータとしても用いられ、第2電動機MG2は、車両の減速時等において、ジェネレータとしても用いられる。ここで、エンジン12の出力は、回転変動やトルク変動を抑制するためのフライホイール22とダンパ装置24とを介して遊星歯車機構14に伝達される。
スプロケット20は、減速機構26を構成している第1中間軸28に設けられたドリブンスプロケット30にチェーン32を介して連結されている。減速機構26は、上記第1中間軸28と平行な第2中間軸34とを備えており、互いに噛み合わされた減速ギヤ対36、38によって減速すると共に、第2中間軸34に設けられた出力歯車40から傘歯車式の差動歯車装置42に動力を伝達する。出力歯車40は、差動歯車装置42の入力部材である大径のリングギヤ44と噛み合わされており、そのリングギヤ44がさらに減速回転させられると共に、一対の出力軸46、48を経て左右の駆動輪に動力が分配される。
図2は、図1の車両用動力伝達装置10のトランスアクスルケース15のカバー15cの構造を説明するための部分断面図である。図2に示すように、トランスアクスルケース15内には、第2電動機MG2が軸心Cまわりに回転可能に設けられている。第2電動機MG2は、トランスアクスルケース15にボルト50によって回転不能に固定されている複数枚の積層鋼板から構成される円筒状のステータ52と、ステータ52に対して軸心方向に突き出すように配置されているコイルの束であるコイルエンド54と、ステータ52の内周側に回転可能に配置されている複数枚の積層鋼板から構成される円筒状のロータ56と、ロータ56の内周部に連結されて軸心Cまわりに回転可能に支持されているロータシャフト58とを、備えている。
ロータシャフト58は、トランスアクスルケース15(カバー15c)に軸受60を介して回転可能に支持されており、その軸心方向の端部には、オイルポンプ62が設けられている。オイルポンプ62は、エンジン12によって駆動される回転軸59の端部に嵌め付けられているドライブロータ64と、トランスアクスルケース15のカバー15c側に嵌め付けられているドリブンロータ66と、とを備えており、回転軸59の回転に従って駆動させられる。また、軸心方向において軸受60と第2電動機MG2(ロータシャフト58)との間には、第2電動機MG2の回転速度を検出するためのレゾルバ70が設けられている。なお、第2電動機MG2が本発明の電動機に対応しており、ロータシャフト58が本発明の所定の回転軸、および電動機の回転軸に対応している。
トランスアクスルケース15は、軸心方向においてオイルポンプ62側の端部が開口する円筒状のケース15bに、そのケース15bの開口を塞ぐように円形状のカバー15cがボルト72によって締結されることで形成されている。カバー15cは、ケース15bと締結するためにその外周部に形成されている締結部74と、第2電動機MG2の回転軸として機能するロータシャフト58を軸受60を介して回転可能に支持するためにその内周部に形成されている軸支持部76とを備えている。また、締結部74と軸支持部76との間で周方向に連なる周方向壁80が、図2に示すように、半径方向の中間部がケース外部側に膨らむ円弧状断面を有する曲面で周方向に連なって円還状に形成されている。具体的には、周方向壁80は、軸心方向に膨らんだ状態の円弧を軸心Cまわりに回転させることで得られる曲面状に形成されている。なお、前記円弧状断面は、真円の半分の円弧を軸心Cまわりに回転させることで得られる形状に限定されず、楕円の半分の円弧を軸心Cまわりに回転させることで得られる形状であっても構わない。
また、周方向周方向壁80が円弧状断面を有する円還状に形成されるに従って、トランスアクスルケース15の内部には、本発明の環状の空間に対応する環状空間82が形成される。本実施例では、この環状空間82に第2電動機MG2のコイルエンド54の一部が収容されているため、車両用動力伝達装置10が軸心方向へコンパクト化されている。
図3は、トランスアクスルケース15のカバー15cの周方向壁80を、以下に示す形状とした場合に得られる、一次振動モードおよび二次振動モードの共振周波数を示している。なお、図3に示す一次振動モードおよび二次振動モードの共振周波数は、それぞれシミュレーションによって得られた計算結果である。
図3において、縦軸が、シミュレーションのモデルとなった各カバーの壁(周方向壁)の断面形状を斜視図で示しており、横軸が、そのモデルに対応する一次振動モードおよび二次振動モードの共振周波数を示している。図3に示すように、本シミュレーションでは、異なる壁形状を有する5つのカバーに関する共振周波数が算出された。具体的には、図3において一番上に示すカバーは、その壁が平面状(ストレート)に形成されたモデル(以下、ストレートモデルと記載)であり、2番目のカバーは、その壁が平面状に形成されると共に、その壁において段付部が形成されているモデル(以下、段付ストレートモデルと記載)であり、3番目のカバーは、その壁が楕円状に形成されているモデル(以下、楕円モデルと記載)であり、4番目のカバーは、その壁が波型に形成されているモデル(以下、波型モデルと記載)であり、一番下に(5番目)示すカバーは、本実施例のカバー15cに対応する壁が円弧状断面に形成されているモデル(以下、円弧状断面モデルと記載)である。
図3に示すように、ストレートモデルでは、一次振動モードおよび二次振動モード共に共振周波数が小さく、一次振動モードおよび二次振動モード共に発音が問題となる。すなわち、ストレートモデルについては、一次振動モードおよび二次振動モード共に発音対策が必要となる。また、段付ストレートモデルでは、ストレートモデルに比べて一次振動モードの共振周波数が幾分高くなっているが、二次振動モードについては共振周波数が殆ど変化していない。
また、楕円モデルでは、ストレートモデルおよび段付ストレートモデルと比較すると、壁が曲面化されることで壁の剛性が高くなるに従い、一次振動モードの共振周波数が高くなるだけでなく、二次振動モードの共振周波数も同様に高くなっている。さらに、波型モデルについても同様に、ストレートモデルおよび段付ストレートモデルと比較すると、壁が曲面化されることで壁の剛性が高くなるに従い、一次振動モードの共振周波数が高くなるだけでなく、二次振動モードの共振周波数が高くなっている。
本実施例のカバー15cに対応する円弧状断面モデルでは、楕円モデルおよび波型モデルと比較して、一次振動モードの共振周波数は殆ど変わらないものの、二次振動モードの共振周波数が大幅に向上している。具体的には、二次振動モードの共振周波数が7kHz程度まで向上している。一般に、車両において音として問題となる周波数は、5kHz以下程度の範囲とされており、本実施例の円弧状断面モデルでは、共振周波数が5kHzを大幅に越えることから、二次振動モードの発音対策が不要となる。すなわち、一次振動モードの発音対策のみを実施するだけで、発音が抑制されることとなる。
ここで、円弧状断面モデルの壁と楕円モデルの壁とを比較すると、その外周部の形状は、それぞれ曲面状に形成されて共通しているが、内周部の形状は、楕円モデルが略平面状に形成されている一方、円弧状断面モデルでは、曲面状に形成されている点で相違している。上記形状の変化によって二次振動モードの共振周波数が相違する。また、円弧状断面モデルの壁と波型モデルの壁とを比較すると、波型モデルでは、図3の波型モデルの斜視断面図に示すように、その壁において変曲点を有している。一方、円弧状断面モデルでは、その壁に変曲点が存在しない。なお、変曲点とは、カバーの壁の曲面が凸から凹に変化する点であり、図3の波形モデルの斜視断面に示すように、変曲点を境界に壁が凸から凹に変化している。これより、円弧状断面モデルでは、壁において前記変曲点を持たないことによって、二次振動モードの共振周波数が大幅に向上することがシミュレーションによって確認された。
上記壁が変曲点を持たない形状(円弧状断面の形状)は、図2で示したカバー15cにおいても同様であり、軸支持部76と締結部74との間の周方向壁80には変曲点が存在しない。したがって、図2に示すカバー15cにおいても二次振動モードの共振周波数が例えば5kHz以上に大幅に向上するため、二次振動モードの発音対策が不要となる。
図2のカバー15cを簡略的に示すと、図4の実線に示すようになる。図4において、円弧状断面の周方向壁80の頂部Dと締結部74との軸心方向の距離H(高さH)が大きくなるに従って剛性が増加するため、図3の楕円モデルと同様に、一次振動モードの共振周波数が高くなる。高さHが大きくなると、一次振動モードの共振周波数が高くなる反面、トランスアクスルケース15が軸心方向に長くなるが、カバー15cでは、軸支持部76(内周側)が軸心方向において第2電動機MG2側に形成されるため、カバー15cの内周側では、トランスアクスルケース15の軸心方向への増加が、例えば図4の破線に示すような楕円モデルと比較して抑制される。すなわち、省スペース化となる。
上述のように、本実施例によれば、カバー15cの軸支持部76と締結部74との間で周方向に連なる周方向壁80が、半径方向の中間部がケース外部側へ膨らむ円弧状断面に形成されている。このようにすれば、カバー15cが殻構造とされその剛性が高められ、カバー15cの一次振動モードおよび二次振動モードが発生する共振周波数を高めることができる。特に、周方向壁80が円弧状断面に形成されることで、二次振動モードが発生する共振周波数が大幅に高められ、音として問題になる振動モードを一次振動モードのみに減らすことができる。したがって、一次振動モード以外のカバー15cの発音対策が不要となるため、一次振動モード以外の発音対策によるコストをなくすことができる。
また、本実施例によれば、カバー15cの周方向壁80が円弧状断面に形成されることによって形成される環状空間82に、その動機のコイルエンド54が収容されるため、カバー15cの二次振動モードの共振周波数を大幅に高めることができると共に、前記環状空間82が有効に活用されてトランスアクスルケース15の軸心方向への大型化が抑制される。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図5は、本発明の他の実施例であるカバー100の正面図であり、図6は、図5のカバー100を、切断線Aで切断した断面図である。図5に示すカバー100の壁において、破線で囲まれてハッチングが施されている周方向の一部の領域が円弧状断面を有する周方向壁102に形成されており、カバー100の全周が円弧状断面に形成されていない。図6に示すように、図5のハッチングされている領域では、その周方向壁102の断面(図6の軸心Cに対して右側)が円弧状断面に形成されている一方、ハッチングされていない領域の壁では、その断面(図6の軸心Cに対して左側)が円弧状断面に形成されていない。具体的には、カバー100には、車両用動力伝達装置10をマウントするマウント部104やレゾルバ70の端子を取り出す端子取り出し部106が設けられているため、これらマウント部104および端子取り出し部106では、壁が円弧状断面に形成されない。
上記のように構成されるカバー100であっても、カバーの周方向の一部が円弧状断面を有する周方向壁102に形成されることで、カバー100の二次振動モードの共振周波数を大幅に向上させることができる。すなわち、カバー100の壁の一部が円弧状断面に形成される場合であっても、前述した実施例と同様の効果を得ることができる。
上述のように、本実施例によれば、カバー100の周方向の一部が円弧状断面を有する周方向壁102に形成されている場合であっても、前述の実施例と同様に、二次振動モードの共振周波数を大幅に高めることができる。また、カバー100の円弧状断面が形成されない壁に例えば車両用動力伝達装置10のマウント部104や端子取り出し部106を設けるなどして、カバー100を有用に活用することができる。
図7は、本発明の他の実施例であるカバー120の正面図であり、図8は、図7のカバー120を、切断線Bで切断した断面図である。図7のカバー120では、前述したカバー100において、円弧状断面に形成されている周方向壁124にさらにリブ122が設けられている。リブ122は、図7に示すように、円弧状断面に形成されている周方向壁124に放射状に5つ形成されており、このリブ122が設けられることで、周方向壁124の剛性が向上されている。また、リブ122は、カバー120の外周側だけでなく、カバー120の内周側にも同様に形成されている。図8の断面図で示すように、リブ122は、円弧状断面に形成されている周方向壁124に形成されており、ケース外側に形成されている外側リブ122aおよびケース内部に形成されている内側リブ122bから構成されている。これは、円弧状断面に形成されているトランスアクスルケース内部には、空間が形成されるため、その空間にも内側リブ122bが設けられることで、空間が無駄に形成されるのを防止するだけでなく、周方向壁124の剛性増加に従って一次振動モード時の発音が抑制される。
上記のように構成されるカバー120であっても、カバー120の二次振動モードの共振周波数が大幅に向上し、さらに、リブ122が追加されることによって一次振動モードによる発音が抑制される。
上述のように、本実施例によれば、カバー120の円弧状断面に形成されている壁124には、さらに放射状にリブ122が設けられているため、カバー120の周方向壁124の剛性がさらに高められ、一次振動モードが発生する共振周波数を高周波数化することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、カバー15cの軸支持部76は、電動機MG2のロータシャフト58を回転可能に支持するものであったが、本発明は、必ずしも電動機MG2のロータシャフト58を支持ものに限定されず、電動機MG2とは別の回転軸を支持する構成であっても構わない。
また、前述の実施例では、車両用動力伝達装置10は、ハイブリッド形式の動力伝達装置であったが、本発明は、必ずしもハイブリッド形式の動力伝達装置に限定されず、例えば電気自動車や通常の多段式の自動変速機を有する動力伝達装置等に適用されても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用動力伝達装置
15:トランスアクスルケース
15b:ケース
15c、100、120:カバー
54:コイルエンド
58:ロータシャフト(所定の回転軸、電動機の回転軸)
74:締結部
76:軸支持部
80、102、124:周方向壁
82:環状空間(環状の空間)
122:リブ
MG2:第2電動機(電動機)

Claims (4)

  1. 軸心方向の一方の端部が開口する円筒状のケースと、該ケースの一方の開口を塞ぐように締結される円形状のカバーとを、有する車両用動力伝達装置のトランスアクスルケースであって、
    前記カバーは、該車両用動力伝達装置内部に収容されている所定の回転軸を支持するために該カバーの内周部に形成されている軸支持部と、前記ケースと締結するために該カバーの外周部に形成されている締結部とを備え、
    前記カバーの軸支持部と締結部との間で周方向に連なる周方向壁が、半径方向の中間部がケース外部側へ膨らむ円弧状断面に形成されていることを特徴とする車両用動力伝達装置のトランスアクスルケース。
  2. 前記所定の回転軸は、前記ケース内に収容されている電動機の回転軸であり、
    前記カバーの周方向壁が円弧状断面に形成されることによってその内側に形成される環状の空間に、該電動機のコイルエンドが収容されることを特徴とする請求項1の車両用動力伝達装置のトランスアクスルケース。
  3. 前記周方向壁は、前記カバーの周方向の一部に形成されていることを特徴とする請求項1または2の車両用動力伝達装置のトランスアクスルケース。
  4. 前記カバーに形成されている周方向壁には、補強用のリブが放射状に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の車両用動力伝達装置のトランスアクスルケース。
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