JP2014092208A - 波動歯車装置及び伝達比可変装置 - Google Patents

波動歯車装置及び伝達比可変装置 Download PDF

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Abstract

【課題】振動や作動音の低減を図ることのできる波動歯車装置及び伝達比可変装置を提供する。
【解決手段】波動歯車装置16は、同軸に並置される一対のサーキュラスプライン41,42と、各サーキュラスプライン41,42の内側において該各サーキュラスプライン41,42と同軸配置される筒状のフレクスプライン43と、フレクスプライン43の内側に配置される波動発生器44とを備える。波動発生器44は、フレクスプライン43を楕円形に撓ませて該フレクスプライン43の外歯43aを各サーキュラスプライン41,42の内歯41a,42aに部分的に噛み合わせるとともに、フレクスプライン43と各サーキュラスプライン41,42との噛み合い箇所を回転させるように構成される。そして、フレクスプライン43の筒状部51の軸方向一端部に、径方向内側に延出される円環状の補強部52を形成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、フラット型の波動歯車装置及び伝達比可変装置に関する。
従来、筒状のサーキュラスプラインと、その内側においてサーキュラスプラインと同軸配置される筒状のフレクスプラインと、フレクスプラインを非円形に撓ませてその外歯をサーキュラスプラインの内歯に部分的に噛み合わせるとともに、その非円形形状を回転させる波動発生器とを備えた波動歯車装置がある。このような波動歯車装置には、同軸に並置された一対のサーキュラスプライン及び円筒状のフレクスプラインを有する所謂フラット型のもの(例えば、特許文献1参照)と、サーキュラスプラインに噛合される筒状部及びその一端に設けられた底部とからなるカップ状のフレクスプラインを有する所謂カップ型のもの(例えば、特許文献2参照)がある。
こうした波動歯車装置は、小さな外形で高い減速比を確保することが可能という特徴を有することから、近年、多種多様な用途に用いられるようになっている。例えば、特許文献3には、波動歯車装置を差動機構として用いることにより、ステアリング操作に基づく入力軸の回転に、モータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する伝達比可変装置が開示されている。ここで、上記カップ型の波動歯車装置では、トルク伝達時にフレクスプラインの底部に応力が加わり易く、同底部が破断した場合には、入力軸から出力軸にトルクが伝達され難くなるといった事態も想定し得る。そのため、多くの場合、伝達比可変装置には、こうした問題のないフラット型の波動歯車装置が用いられている。
特開2009−156461号公報 特開2010−14215号公報 特開2009−184572号公報
ところで、上記特許文献3の伝達比可変装置では、一方のサーキュラスプラインが入力軸と一体回転可能に設けられるとともに、他方のサーキュラスプラインが出力軸と一体回転可能に設けられている。従って、運転者のステアリング操作に伴う入力軸の回転は、同入力軸に連結されたサーキュラスプライン、及びフレクスプラインを介して出力軸に連結されたサーキュラスプラインに伝達される。
そのため、図7に示すように、各サーキュラスプライン71,72からフレクスプライン73に作用する噛み合い荷重f1,f2は、互いに逆方向に作用するため、トルク伝達時においてフレクスプライン73には捩れが生じることになる。その結果、各サーキュラスプライン71,72とフレクスプライン73との噛み合い状態が不安定になることで、波動歯車装置(波動発生器)の作動に伴う振動や音が増大する虞があり、この点においてなお改善の余地があった。
なお、このような問題は、波動歯車装置を伝達比可変装置の差動装置として用いた場合に限らず、サーキュラスプラインとの間で作用する噛み合い荷重によりフレクスプラインに捩れが生じるような他の用途に用いた場合においても同様に生じ得る。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、振動や作動音の低減を図ることのできる波動歯車装置及び伝達比可変装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、同軸に並置され、互いに歯数の異なる一対のサーキュラスプラインと、前記各サーキュラスプラインの内側において該各サーキュラスプラインと同軸配置され、前記サーキュラスプラインの一方と同じ歯数である筒状のフレクスプラインと、前記フレクスプラインの内側に配置される波動発生器と、を備え、前記波動発生器は、前記フレクスプラインを非円形に撓ませて該フレクスプラインの外歯を前記各サーキュラスプラインの内歯に部分的に噛み合わせるとともに、前記フレクスプラインと前記各サーキュラスプラインとの噛み合い箇所を該各サーキュラスプラインの周方向に移動させるように構成された波動歯車装置において、前記フレクスプラインにおける前記外歯が形成された筒状部の軸方向端部には、径方向に延出される環状の補強部が設けられたことを要旨とする。
上記構成によれば、フレクスプラインの筒状部の軸方向端部には、径方向に延びる環状の補強部が形成されるため、筒状部に外力が作用しても同筒状部はねじれ変形し難くなる。従って、例えば筒状部に各サーキュラスプラインから互いに逆向きの噛み合い荷重が作用しても、筒状部が捩れることが抑制される。これにより、フレクスプラインと各サーキュラスプラインとの噛み合い状態が不安定になることを抑制でき、波動歯車装置の作動に伴う振動や作動音の低減を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の波動歯車装置において、前記筒状部と前記補強部との接続部分には、間隙部が形成されたことを要旨とする。
フレクスプラインの筒状部は、内側に波動発生器を配置することで、その外歯が各サーキュラスプラインの内歯と部分的に噛合するように撓むことができなければならないことから、その可撓性を確保すべく、ある程度の軸方向長さが必要となる。その結果、フレクスプラインが軸方向に大型化することで、波動歯車装置が大型化する虞がある。この点、上記構成によれば、筒状部と補強部との接続部分に間隙部が形成されるため、筒状部の軸方向長さを短くしても、その可撓性を確保することが可能になり、波動歯車装置の大型化を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の波動歯車装置において、前記各サーキュラスプラインのいずれか一方に固定されるとともに、前記補強部と該サーキュラスプラインの軸方向において対向する対向部材を備え、前記対向部材には、前記軸方向に突出して前記補強部の内周側に挿入される凸部が形成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、対向部材に形成された凸部が補強部の内周縁に当接することで、例えば各サーキュラスプラインとの間で作用する噛み合い荷重等により、フレクスプラインの軸線が各サーキュラスプラインの軸線に対して傾斜した状態となることを抑制できる。これにより、フレクスプラインと各サーキュラスプラインとの噛み合い状態が不安定になることを効果的に抑制でき、波動歯車装置の作動に伴う振動や作動音の低減を効果的に図ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の波動歯車装置において、前記凸部は、前記補強部の内周縁を回転可能に支持することを要旨とする。
上記構成によれば、凸部が補強部の内周縁を回転可能に支持するため、例えば凸部と補強部との間に隙間がある場合に比べ、フレクスプラインの軸線が各サーキュラスプラインの軸線に対して傾斜した状態となることを確実に抑制できるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の波動歯車装置を差動機構として用いることにより、入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する伝達比可変装置であることを要旨とする。
上記構成によれば、波動歯車装置の作動に伴う振動や作動音の低減を図ることができるため、静粛性の優れた伝達比可変装置を提供することができる。
本発明によれば、振動や作動音の低減を図ることのできる波動歯車装置及び伝達比可変装置を提供することができる。
車両用操舵装置の概略構成図。 本実施形態の伝達比可変装置の断面図。 本実施形態の波動歯車装置近傍の拡大断面図。 フレクスプラインの平面図。 フレクスプラインがサーキュラスプラインに対して傾斜した状態を示す模式図。 別の波動歯車装置近傍の拡大断面図。 各サーキュラスプラインからフレクスプラインに作用する噛み合い荷重を示す模式図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用操舵装置1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラックハウジング5内に往復動可能に挿通されたラック軸6に噛合されている。これにより、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸6の往復直線運動に変換される。なお、ステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このラック軸6の往復直線運動により転舵輪11の舵角、すなわち車両の進行方向が変更されるようになっている。
また、車両用操舵装置1は、ステアリング2の舵角(操舵角)に対する転舵輪11の舵角(タイヤ角)の比率、すなわち伝達比(ギヤ比)を可変させる伝達比可変装置12を備えている。
伝達比可変装置12は、ステアリングシャフト3を構成するインターミディエイトシャフト9に設けられている。具体的には、インターミディエイトシャフト9は、ステアリング2側に位置する入力軸としての第1シャフト14とラック軸6側に位置する出力軸としての第2シャフト15とからなる。そして、伝達比可変装置12は、これら第1シャフト14及び第2シャフト15を連結する差動機構としての波動歯車装置16と、該波動歯車装置16を駆動するモータ17とを備えている。これにより、伝達比可変装置12は、ステアリング操作に伴う第1シャフト14の回転に、モータ17の駆動に基づく回転を上乗せして第2シャフト15に伝達することで、ステアリング2と転舵輪11との間の伝達比を可変させるようになっている。
詳述すると、図2に示すように、伝達比可変装置12は、略円筒状のハウジング21と、同ハウジング21の上端側(図2における上側)の開口部21aを閉塞する連結カバー22とを備えている。連結カバー22は、円板状の天板部22aと、天板部22aからハウジング21側(図2における下側)に延出されて同ハウジング21に開口部21aに嵌合固定される大径筒部22bと、天板部22aからハウジング21と反対側に延出された小径筒部22cとからなる。そして、第1シャフト14の一端は、小径筒部22c内に固定されるジョイント24を介して連結カバー22に連結されている。従って、ハウジング21は、第1シャフト14と一体回転可能に連結されている。
ハウジング21内には、モータ17がハウジング21と同軸となるようにして収容されている。具体的には、上端側が開口した略有底円筒状のケーシング25が同ハウジング21内に固定されるとともに、下端側が開口した略有底円筒状のケーシング26が同連結カバー22内に固定されている。そして、モータ17のステータ27は、ケーシング25の内周面に固定される一方、モータ17のロータ28は、ステータ27(ハウジング21)と同軸となるように、各ケーシング25,26の内周面に設けられたボール軸受31,32を介して、ハウジング21に対して相対回転可能に支持されている。そして、ロータ28には、モータシャフト33が、ケーシング25から第2シャフト15側(図2における下側)に突出した状態で、同ロータ28と一体回転可能に設けられている。
なお、連結カバー22には、スパイラルケーブル装置34が設けられている。そして、このスパイラルケーブル装置34により、所定の回転範囲(許容回転範囲)において、モータ17と同モータ17の作動を制御するECU(図示略)とが電気的に接続されるようになっている。
一方、波動歯車装置16は、上記モータ17の軸方向における第2シャフト15側に並置されている。詳述すると、波動歯車装置16は、同軸に並置されたステイサーキュラスプライン41及びドライブサーキュラスプライン42と、これら各サーキュラスプライン41,42と部分的に噛み合うように同軸配置された筒状のフレクスプライン43と、モータ駆動によりフレクスプライン43の噛合部を回転させる波動発生器44とを備えてなる。すなわち、波動歯車装置16は、同軸に並置され、互いに歯数の異なる一対のサーキュラスプラインと、各サーキュラスプラインの内側において該各サーキュラスプラインと同軸配置され、前記サーキュラスプラインの一方と同じ歯数である筒状のフレクスプラインとを有する所謂フラット型の波動歯車装置として構成されている。なお、波動歯車装置16を構成する各サーキュラスプライン41,42、フレクスプライン43及び波動発生器44間には、グリス(潤滑剤)が塗布されている。
図2及び図3に示すように、各サーキュラスプライン41,42はそれぞれ円筒状に形成されるとともに、波動発生器44を介してモータシャフト33と同軸に並設されている。これら各サーキュラスプライン41,42の内周面には多数の内歯41a,42aがそれぞれ形成されており、互いに異なる歯数が設定されている。第1シャフト14(モータ17)側に配置されたステイサーキュラスプライン41は、ハウジング21の内周に同ハウジング21と一体回転可能に固定されている。つまり、ステイサーキュラスプライン41は、第1シャフト14と一体回転するようになっている。なお、ステイサーキュラスプライン41のモータ17側には、平たい円環状のエンドプレート45が嵌合固定されており、グリスがモータ17側に漏れ出すことを防止している。
一方、第2シャフト15側に配置されたドライブサーキュラスプライン42は、中間部材46を介して第2シャフト15と一体回転可能に連結されている。具体的には、中間部材46は、円板状に形成されるとともに、ドライブサーキュラスプライン42の内周に固定されている。そして、中間部材46の略中央に形成された凹部46aに第2シャフト15が嵌合固定されることで、ドライブサーキュラスプライン42と第2シャフト15とが一体回転するように構成されている。
フレクスプライン43は、薄肉円筒状に形成されることにより柔軟性を有して構成される、すなわち弾性変形可能とされるとともに、その外周面には各サーキュラスプライン41,42の内歯に噛合する多数の外歯43aが形成されている。フレクスプライン43は、波動発生器44により略楕円状に撓められた状態で各サーキュラスプライン41,42の内側に配置されている。これにより、フレクスプライン43は、その外歯43aが該各サーキュラスプライン41,42の内歯41a,42aとそれぞれ部分的に噛合される。なお、本実施形態では、ステイサーキュラスプライン41の歯数は、フレクスプライン43の歯数と同数に設定されるとともに、ドライブサーキュラスプライン42の歯数は、ステイサーキュラスプライン41(フレクスプライン43)の歯数よりも少なく設定されている。
波動発生器44は、ケーシング25から突出したモータシャフト33の一端とスプライン嵌合される楕円状のカム44a、及び当該カム44aに外嵌される薄肉のボール軸受44bを備え、モータ17と同軸となるようにフレクスプライン43の内側に配置されている。このボール軸受44bの内輪はカム44aの外周面に固定され、同じく外輪はボールを介して弾性変形する構成とされている。そして、モータシャフト33とともにこのカム44aが回転することにより、ボール軸受44bの外輪が弾性変形し、その径方向に凸となる部分が周方向に沿って移動する。このようにモータ17の駆動によりカム44aが回転することでフレクスプライン43の略楕円形状、すなわちフレクスプライン43と各サーキュラスプライン41,42との噛み合い箇所(噛合部)を該各サーキュラスプライン41,42の周方向に沿って移動させるようになっている。
そして、このように第1シャフト14及び第2シャフト15、並びにモータシャフト33に対してそれぞれ連結された波動歯車装置16をモータ駆動することにより、ステアリング2と転舵輪11との間の伝達比(ギヤ比)を変更することが可能とされている。
詳しくは、ステアリング操作に伴う第1シャフト14の回転は、該第1シャフト14に連結されたステイサーキュラスプライン41からフレクスプライン43を介してドライブサーキュラスプライン42に伝達され、これにより第2シャフト15へと伝達される。また、波動発生器44がモータ17によって駆動され、フレクスプライン43の楕円形状、すなわち各サーキュラスプライン41,42との噛合部が回転することにより、各サーキュラスプライン41,42間の歯数差に基づく回転差が、モータ駆動に基づく回転として上記ステアリング操作に基づく回転に上乗せされて第2シャフト15へと伝達される。これにより、第1シャフト14と第2シャフト15との間の回転伝達比、すなわちステアリング2と転舵輪11との間の伝達比を変更することが可能となっている。
なお、図2に示すように、伝達比可変装置12には、モータ17の軸方向における第1シャフト側(図2における上側)に、モータシャフト33(ロータ28)とハウジング21との相対回転を必要に応じて規制することで、その伝達比を機械的に固定するロック機構48が設けられている。
(フレクスプラインの捩れ抑制構造)
次に、フレクスプラインの捩れを抑制するための構造について説明する。
上述のように、各サーキュラスプライン41,42とフレクスプライン43との噛み合いにより各サーキュラスプライン41,42からフレクスプライン43に作用する噛み合い荷重は互いに逆方向に作用するため、フレクスプライン43には捩れが生じることになる(図7参照)。その結果、各サーキュラスプライン41,42の内歯41a,42aとフレクスプライン43の外歯43aとの噛み合い状態が不安定になることで、波動歯車装置16(波動発生器44)の作動に伴う振動や作動音が増大する虞がある。
この点を踏まえ、図3に示すように、フレクスプライン43における外歯43aが形成された筒状部51の軸方向一端部(図3における上端部)には、径方向内側に延出される円環状の補強部52が形成されている。
詳述すると、筒状部51の軸方向長さは、外歯43aよりも長く形成されている。また、図3及び図4に示すように、筒状部51と補強部52との接続部分には、フレクスプライン43の内外を連通する複数の間隙部53が、フレクスプライン43の周方向に等角度間隔で形成されている。各間隙部53は、筒状部51の上端と補強部52の外周縁とを含む領域に亘って形成されており、軸方向視で略円弧状に形成されている。なお、本実施形態のフレクスプライン43は、高張力鋼のニッケル・クロム・モリブデン鋼(例えばSNCM439(JIS規格))等の材料により構成されており、筒状部51と補強部52とは一体形成されている。そして、フレクスプライン43の筒状部51は、その内周に波動発生器44が配置されることで、同波動発生器44が構成する楕円形の長軸方向の幅が、軸方向他端部側(図3における下側)に向かうにつれて拡開するように弾性変形可能に構成されている。これにより、フレクスプライン43の外歯43aが各サーキュラスプライン41,42の内歯41a,42aと部分的に噛み合うようになっている。
また、ドライブサーキュラスプライン42に固定されたエンドプレート45は、軸方向において補強部52と対向しており、同エンドプレート45には、ドライブサーキュラスプライン42の軸方向に突出して補強部52の内周側に挿入される凸部54が形成されている。すなわち、本実施形態では、エンドプレート45が対向部材に相当する。そして、凸部54は、円環状に形成されるとともに、補強部52の内周縁52aに摺接している。これにより、補強部52(フレクスプライン43)は、ドライブサーキュラスプライン42に対して回転可能に支持されている。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)波動歯車装置16は、同軸に並置される一対のサーキュラスプライン41,42と、各サーキュラスプライン41,42の内側において該各サーキュラスプライン41,42と同軸配置される筒状のフレクスプライン43と、フレクスプライン43の内側に配置される波動発生器44とを備えた。波動発生器44は、フレクスプライン43を楕円形に撓ませて該フレクスプライン43の外歯43aを各サーキュラスプライン41,42の内歯41a,42aに部分的に噛み合わせるとともに、フレクスプライン43と各サーキュラスプライン41,42との噛み合い箇所を回転させるように構成された。そして、フレクスプライン43の筒状部51の軸方向一端部に、径方向内側に延出される円環状の補強部52を形成した。
上記構成によれば、フレクスプライン43の筒状部51の軸方向一端部には、径方向に延びる環状の補強部52が形成されるため、筒状部51に外力が作用しても同筒状部51はねじれ変形し難くなる。従って、筒状部51に各サーキュラスプライン41,42から互いに逆向きの噛み合い荷重が作用しても、筒状部51が楕円形状に撓むことが可能な範囲で、同筒状部51が捩れることが抑制される。これにより、フレクスプライン43と各サーキュラスプライン41,42との噛み合い状態が不安定になることを抑制でき、波動歯車装置16の作動に伴う振動や作動音の低減を図ることができる。そして、静粛性の優れた伝達比可変装置12及び車両用操舵装置1を提供することができる。
(2)筒状部51と補強部52との接続部分に、間隙部53を形成した。ここで、フレクスプライン43の筒状部51は、内側に波動発生器44を配置することで、その外歯43aが各サーキュラスプライン41,42の内歯41a,42aと部分的に噛合するように撓むことができなければならないことから、その可撓性を確保すべく、ある程度の軸方向長さが必要となる。その結果、フレクスプライン43が軸方向に大型化することで、波動歯車装置16が大型化する虞がある。この点、上記構成によれば、筒状部51と補強部52との接続部分に間隙部53が形成されるため、筒状部51の軸方向長さを短くしても、その可撓性を確保することが可能になり、波動歯車装置16の大型化を抑制することができる。
(3)ステイサーキュラスプライン41に固定されたエンドプレート45に、同ステイサーキュラスプライン41の軸方向に突出して補強部52の内周側に挿入される凸部54を形成した。
上記構成によれば、凸部54が補強部52の内周縁52aに当接することで、各サーキュラスプライン41,42との間で作用する噛み合い荷重等により、例えば図5に二点鎖線で示すように、フレクスプライン43の軸線L3が各サーキュラスプライン41,42の軸線L1,L2に対して傾斜した状態となることを抑制できるようになる。これにより、フレクスプライン43と各サーキュラスプライン41,42との噛み合い状態が不安定になることを効果的に抑制でき、波動歯車装置16の作動に伴う振動や作動音の低減を効果的に図ることができる。
(4)凸部54は、補強部52の内周縁52aを回転可能に支持するようにしたため、例えば凸部54と補強部52との間に隙間がある場合に比べ、フレクスプライン43の軸線L3が各サーキュラスプライン41,42の軸線L1,L2に対して傾斜した状態となることを確実に抑制できるようになる。
ここで、波動発生器44は、フレクスプライン43の内側に挿入されるものであり、その構造上、波動発生器44外周面(ボール軸受44bの外輪)とフレクスプライン43の内周面との間には、僅かながら隙間が形成される。そのため、波動発生器44の作動中に、モータ17の回転に伴って同波動発生器44全体がフレクスプライン43の内周面上を転動することがある。一方、フレクスプライン43の外歯43aと各サーキュラスプライン41,42の内歯41a,42aとの間には、バックラッシュが存在するため、波動発生器44がフレクスプライン43の内周面を転動することで、フレクスプライン43が同バックラッシュの範囲内で相対回転することがある。この点、上記構成によれば、凸部54は、補強部52の内周縁52aを回転可能に支持するため、フレクスプライン43がエンドプレート45(ステイサーキュラスプライン41)に対して相対回転することが許容され、凸部54からフレクスプライン43に負荷が作用することを抑制できる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、補強部52を筒状部51におけるモータ17側の軸方向一端部に形成したが、これに限らず、図6に示すように、筒状部51における第2シャフト15側の軸方向他端部に形成してもよい。また、同図に示すように、対向部材としての中間部材46に補強部52の内周縁52aを回転可能に支持する凸部61を形成してもよい。
・上記実施形態では、エンドプレート45の凸部54が補強部52の内周縁52aに摺接することでフレクスプライン43を相対回転可能に支持するようにしたが、これに限らず、凸部54の外周と補強部52の内周縁52aとの間に軸受を介在させることで、フレクスプライン43を相対回転可能に支持するようしてもよい。ここで、上記図6に示す構成では、ドライブサーキュラスプライン42とフレクスプライン43との歯数が異なることから、モータ駆動時に、その歯数差に基づいてフレクスプライン43がドライブサーキュラスプライン42に対して相対回転する。従って、同構成では、軸受を設けることで波動歯車装置16の円滑な作動を確保でき、効果的である。
また、凸部54が補強部52の内周縁52aに当接することにより、フレクスプライン43の軸線L3が各サーキュラスプライン41,42の軸線L1,L2に対して傾斜することを抑制できればよく、凸部54の外周と補強部52の内周縁52aとの間に隙間が形成されていてもよい。さらに、上記実施形態において、エンドプレート45に凸部54を形成しない構成としてもよい。
・上記実施形態では、凸部54を円環状に形成したが、これに限らず、例えば複数の柱状に形成された凸部をフレクスプライン43の周方向に間隔を空けて配置する構成としてもよい。
・上記実施形態では、間隙部53を筒状部51の上端と補強部52の外周縁とを含む領域に亘って形成するとともに、軸方向視で略円弧状に形成したが、これに限らず、間隙部53の形状及び数は問わない。また、筒状部51の内周に波動発生器44を配置することで、フレクスプライン43の外歯43aが各サーキュラスプライン41,42の内歯41a,42aと部分的に噛み合うように同筒状部51が弾性変形できれば、間隙部53を形成しなくともよい。
・上記実施形態では、ハウジング一体回転型の伝達比可変装置12に具体化したが、例えばハウジングをラックハウジングと一体にした所謂ラックハウジング一体型等、伝達比可変装置のハウジングがステアリング操作に伴って第1シャフト14と一体回転しないタイプの伝達比可変装置に具体化してもよい。
・上記実施形態では、本発明の伝達比可変装置を、車両用操舵装置1に適用したが、これ以外の用途に用いる伝達比可変装置に適用してもよい。また、本発明の波動歯車装置16を伝達比可変装置の差動機構以外の用途に用いてもよい。
1…車両用操舵装置、12…伝達比可変装置、14…第1シャフト、15…第2シャフト、16…波動歯車装置、41…ステイサーキュラスプライン、42…ドライブサーキュラスプライン、41a,42b…内歯、43…フレクスプライン、43a…外歯、44…波動発生器、44a…カム、44b…ボール軸受、45…エンドプレート、51…筒状部、52…補強部、52a…内周縁、53…間隙部、54,61…凸部。

Claims (5)

  1. 同軸に並置され、互いに歯数の異なる一対のサーキュラスプラインと、
    前記各サーキュラスプラインの内側において該各サーキュラスプラインと同軸配置され、前記サーキュラスプラインの一方と同じ歯数である筒状のフレクスプラインと、
    前記フレクスプラインの内側に配置される波動発生器と、を備え、
    前記波動発生器は、前記フレクスプラインを非円形に撓ませて該フレクスプラインの外歯を前記各サーキュラスプラインの内歯に部分的に噛み合わせるとともに、前記フレクスプラインと前記各サーキュラスプラインとの噛み合い箇所を該各サーキュラスプラインの周方向に移動させるように構成された波動歯車装置において、
    前記フレクスプラインにおける前記外歯が形成された筒状部の軸方向端部には、径方向に延出される環状の補強部が設けられたことを特徴とする波動歯車装置。
  2. 請求項1に記載の波動歯車装置において、
    前記筒状部と前記補強部との接続部分には、間隙部が形成されたことを特徴とする波動歯車装置。
  3. 請求項1又は2に記載の波動歯車装置において、
    前記各サーキュラスプラインのいずれか一方に固定されるとともに、前記補強部と該サーキュラスプラインの軸方向において対向する対向部材を備え、
    前記対向部材には、前記軸方向に突出して前記補強部の内周側に挿入される凸部が形成されたことを特徴とする波動歯車装置。
  4. 請求項3に記載の波動歯車装置において、
    前記凸部は、前記補強部の内周縁を回転可能に支持することを特徴とする波動歯車装置。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の波動歯車装置を差動機構として用いることにより、入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する伝達比可変装置。
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