以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。以下の説明において、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は互いに垂直な方向であり、X軸方向およびY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向である。また、下方とは鉛直方向下方(Z軸負方向)を意味し、上方とは鉛直方向上方(Z軸正方向)を意味する。さらに、Y軸負方向を前方、Y軸正方向を後方とも呼ぶ。
図1は、一実施形態に係る基板処理システムを示す上面図である。図2は、一実施形態に係る基板処理システムを示す前面図である。基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、第1処理ステーション3と、第2処理ステーション4と、制御装置9とを備える。搬入出ステーション2と、第1処理ステーション3と、第2処理ステーション4とは、この順で、X軸方向正側からX軸方向負側に配置される。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部21と、搬送部26と、受渡部28とを備える。キャリア載置部21には、複数のキャリアCがY軸方向に一列に並んで載置される。複数のキャリアCのそれぞれは、複数枚の基板10を水平に収容する。基板10は、例えばシリコンウェハなどの半導体基板である。基板10は、互いに対向する第1主表面11と第2主表面12とを有する(図4(a)参照)。
搬送部26は、キャリア載置部21の隣に配置され、キャリア載置部21のX軸方向負側に配置される。また、搬送部26は、受渡部28の隣に配置され、受渡部28のX軸方向正側に配置される。搬送部26の内部には、搬送装置27が設けられる。搬送装置27は、基板10を保持する保持機構を備える。保持機構は、水平方向(X軸方向およびY軸方向の両方向)および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能である。搬送装置27は、キャリア載置部21に載置されたキャリアCと、受渡部28との間で基板10を搬送する。
受渡部28は、搬送部26のX軸方向負側であって、第1処理ステーション3のX軸方向正側に配置される。受渡部28は、第1トランジション装置29を備える。第1トランジション装置29は、基板10を一時的に収容する。受渡部28における第1トランジション装置29の、配置や個数は、任意に選択可能である。尚、搬入出ステーション2は受渡部28を備えなくてもよく、この場合、受渡部28の第1トランジション装置29は第1処理ステーション3の処理ブロック31に配置され、処理ブロック31は搬送部26の隣に配置される。
第1処理ステーション3は、処理ブロック31と、搬送部36とを備える。処理ブロック31は、第2トランジション装置32と、洗浄装置34と、エッチング装置35とを備える。第2トランジション装置32は、基板10を一時的に収容する。洗浄装置34は、基板10を洗浄する。エッチング装置35は、基板10の第1主表面11をエッチングする。
第2トランジション装置32と洗浄装置34とは、第2処理ステーション4の搬送装置47Aと基板10を受け渡すべく、第2処理ステーション4の搬送部46Aの隣に配置され、搬送部46AのX軸方向正側に配置される。第2トランジション装置32と洗浄装置34とは、処理ブロック31の設置面積を低減すべく、Z軸方向に積層される。
なお、処理ブロック31において、第2トランジション装置32、洗浄装置34、およびエッチング装置35の、配置や個数は、任意に選択可能である。
搬送部36は、搬入出ステーション2の第1トランジション装置29の隣に配置され、第1トランジション装置29のX軸方向負側に配置される。また、搬送部36は、処理ブロック31の隣に配置され、処理ブロック31のY軸方向正側に配置される。搬送部36の内部には、搬送装置37が設けられる。搬送装置37は、基板10を保持する保持機構を備える。保持機構は、水平方向(X軸方向およびY軸方向の両方向)および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能である。搬送装置37は、搬入出ステーション2の第1トランジション装置29、および第1処理ステーション3の処理ブロック31に対し基板10を搬送する。
第2処理ステーション4は、処理ブロック40と、搬送ブロック45とを備える。処理ブロック40は、2つの加工装置41A、41Bを備える。2つの加工装置41A、41Bは、X軸方向に並んで配置される。加工装置41Aと加工装置41Bとは、基板10の第1主表面11を研削する。なお、第2処理ステーション4における加工装置の数は、2つには限定されず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、第2処理ステーション4における加工装置の配置は、図1に示す配置には限定されない。
搬送ブロック45は、第1処理ステーション3の処理ブロック31の隣に配置され、処理ブロック31のX軸方向負側に配置される。また、搬送ブロック45は、第2処理ステーション4の処理ブロック40の隣に配置され、処理ブロック40のY軸方向負側に配置される。
搬送ブロック45は、2つの搬送部46A、46Bを備える。2つの搬送部46A、46Bは、X軸方向に並んで配置される。なお、第2処理ステーション4における搬送部の数は、2つには限定されず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。複数の加工装置に共通の搬送部が設けられてもよく、複数の加工装置の隣に1つの搬送部が設けられてもよい。
搬送部46Aは、第1処理ステーション3の処理ブロック31の隣に配置され、処理ブロック31のX軸方向負側に配置される。また、搬送部46Aは、加工装置41Aの隣に配置され、加工装置41AのY軸方向負側に配置される。搬送部46Aの内部には、搬送装置47Aが設けられる。搬送装置47Aは、基板10を保持する保持機構を備える。保持機構は、水平方向(X軸方向およびY軸方向の両方向)および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能である。搬送装置47Aは、第1処理ステーション3の処理ブロック31、加工装置41Aおよび受渡部48に対し基板10を搬送する。受渡部48は、搬送部46Aと搬送部46Bとの境界部に配置され、基板10を一時的に収容するトランジション装置を有する。
一方、搬送部46Bは、搬送部46Aの隣に配置され、搬送部46AのX軸方向負側に配置される。また、搬送部46Bは、加工装置41Bの隣に配置され、加工装置41BのY軸方向負側に配置される。搬送部46Bの内部には、搬送装置47Bが設けられる。搬送装置47Bは、基板10を保持する保持機構を備える。保持機構は、水平方向(X軸方向およびY軸方向の両方向)および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能である。搬送装置47Bは、受渡部48および加工装置41Bに対し基板10を搬送する。
第2処理ステーション4の搬送ブロック45の内部の気圧に比べて第1処理ステーションの搬送部36の内部の気圧が高くなるように、搬送部36の天井部にはFFU(Fan Filter Unit)が設けられてもよい。FFUは、搬送部36の内部にダウンフローを形成する。第2処理ステーション4から第1処理ステーション3への気流の侵入を制限できる。
第2処理ステーション4と第1処理ステーション3との境界には、基板10の出入口を開閉するシャッター5が設置されてもよい。シャッター5は、例えば、第1処理ステーション3の処理ブロック31と、第2処理ステーション4の搬送ブロック45との境界に設置される。シャッター5は、搬送装置47Aが搬送部46Aから処理ブロック31に入る直前に出入口を開放し、搬送装置47Aが処理ブロック31から搬送部46Aに出た直後に出入口を閉塞する。第2処理ステーション4から第1処理ステーション3への気流の侵入を制限でき、第2処理ステーション4の処理ブロック40で発生したパーティクルが、搬送部46Aを介して第1処理ステーション3の処理ブロック31に進入するのを抑制できる。
制御装置9は、例えばコンピュータで構成され、CPU(Central Processing Unit)91と、メモリなどの記憶媒体92とを備える。記憶媒体92には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御装置9は、記憶媒体92に記憶されたプログラムをCPU91に実行させることにより、基板処理システム1の動作を制御する。また、制御装置9は、入力インターフェース93と、出力インターフェース94とを備える。制御装置9は、入力インターフェース93で外部からの信号を受信し、出力インターフェース94で外部に信号を送信する。
かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されていたものであって、その記憶媒体から制御装置9の記憶媒体92にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、例えば、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどが挙げられる。なお、プログラムは、インターネットを介してサーバからダウンロードされ、制御装置9の記憶媒体92にインストールされてもよい。
図3は、一実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。図4は、研削開始時、研削終了時、および洗浄終了時のそれぞれの基板の状態の一例を示す図である。詳細には、図4(a)は研削開始時の基板の状態の一例を示し、図4(b)は研削終了時の基板の状態の一例を示し、図4(c)は洗浄終了時の基板の状態の一例を示す。図5は、エッチング開始時、およびキャリア収納時のそれぞれの基板の状態の一例を示す図である。詳細には、図5(a)はエッチング開始時の基板の状態の一例を示し、図5(b)はキャリア収納時の基板の状態の一例を示す。図3〜図5に示す処理は、制御装置9による制御下で実施される。
基板処理方法は、キャリア載置部21に載置されたキャリアCから基板10を取り出す工程S101を有する。搬送装置27が、キャリアCから基板10を取り出す。キャリアCは、基板10の第1主表面11を上に向けて、基板10を収容する。基板10は、搬送装置27によってキャリア載置部21から第1トランジション装置29に搬送され、次いで搬送装置37によって第1トランジション装置29から第2トランジション装置32に搬送される。その後、基板10は、搬送装置47Aによって第2トランジション装置32から加工装置41Aに搬送される。
基板処理方法は、加工装置41Aによって基板10の第1主表面11を研削する工程S102を有する。加工装置41Aは、図4(a)および図4(b)に示すように、チャックテーブル53Aを有する。チャックテーブル53Aは、基板10の第1主表面11を上に向けて、基板10の第2主表面12を下方から保持する。加工装置41Aは、チャックテーブル53Aと共に基板10を回転させると共に、チャックテーブル53Aの上方に配置された研削工具17を回転させながら下降させ、基板10の第1主表面11を研削する。研削の終了時に、基板10の第1主表面11には、研削工具17との接触によってダメージ層13が形成される。その後、基板10は、搬送装置47Aによって、加工装置41Aから洗浄装置34に搬送される。なお、基板10は、加工装置41Aから洗浄装置34に搬送される途中で、第2トランジション装置32を経由してもよい。第2トランジション装置32から洗浄装置34への基板10の搬送には、搬送装置37が用いられるが、搬送装置47Aも使用可能である。
基板処理方法は、洗浄装置34によって基板10を洗浄する工程S103を有する。洗浄装置34は、図4(c)に示すように、チャック341と、下面用ブラシ342と、上面用ブラシ343とを有する。チャック341は、基板10の第1主表面11を上に向けて、基板10の外周部を保持する。下面用ブラシ342は、基板10の第2主表面12をスクラブ洗浄する。一方、上面用ブラシ343は、基板10の第1主表面11をスクラブ洗浄する。
下面用ブラシ342および上面用ブラシ343として、本実施形態ではディスクブラシが用いられるが、ロールブラシが用いられてもよい。また、ブラシの代わりにスポンジなどが用いられてもよい。いずれにしろ、基板10の第1主表面11などに付着した研削屑を除去できる。洗浄された基板10は、搬送装置37によって、洗浄装置34からエッチング装置35に搬送される。
基板処理方法は、エッチング装置35によって基板10をエッチングする工程S104を有する。エッチング装置35は、図5(a)に示すように、チャック351と、上面用ノズル352と、下面用ノズル353とを有する。チャック351は、基板10の研削された第1主表面11を上に向けて、基板10の外周部を保持する。
上面用ノズル352は、基板10の第1主表面11に、ダメージ層13を除去するエッチング液L1を供給する。エッチング液L1としては、例えば酸性またはアルカリ性の薬液が用いられる。エッチング液L1は、チャック351と共に回転する基板10の遠心力によって、基板10の第1主表面11全体に濡れ広がる。
一方、下面用ノズル353は、基板10の第2主表面12に、エッチング液L1の回り込みを制限するガード液L2を供給する。ガード液L2としては、例えばDIW(Deionized Water)などが用いられる。ガード液L2は、チャック351と共に回転する基板10の遠心力によって、基板10の第2主表面12全体に濡れ広がる。ダメージ層13が除去された基板10は、乾燥後、搬送装置37によってエッチング装置35から第1トランジション装置29に搬送され、続いて搬送装置27によって第1トランジション装置29からキャリア載置部21に搬送される。
基板処理方法は、第1主表面11の研削およびエッチングが施された乾燥後の基板10(図5(b)参照)を、キャリア載置部21に載置されたキャリアCに収容する工程S105を有する。基板10は、搬送装置27によって、キャリアCに収容される。
なお、基板10の研削(工程S102)には、加工装置41Aの代わりに、加工装置41Bが用いられてもよく、複数の加工装置41A、41Bが用いられてもよい。複数の加工装置41A、41Bが、1つの基板10を順番に加工してもよい。例えば、一の加工装置41Aが粒径の大きい砥粒で基板10の第1主表面11を研削した後、別の一の加工装置41Bが粒径の小さい砥粒で基板10の第1主表面11を研削してもよい。あるいは、一の加工装置41Aが基板10の第1主表面11を研削した後、基板10が上下反転され、続いて別の一の加工装置41Bが基板10の第2主表面12を研削してもよい。複数の加工装置41A、41Bの間の基板10の搬送には、搬送装置47A、47Bおよび受渡部48が用いられる。
複数の加工装置41A、41Bは、同様に構成される。そこで、以下、図6等を参照して1つの加工装置41Aの構成について説明し、他の1つの加工装置41Bの構成について説明を省略する。
図6は、一実施形態に係る加工装置を示す上面図である。加工装置41Aは、回転テーブル51と、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dと、2つの可動部60A、60Bと、2つの昇降部70A、70Bと、2つの進退部75A、75Bと、2つの洗浄部80A、80Bとを備える。
回転テーブル51は、鉛直な回転中心線52を中心に回転させられる。回転テーブル51は、例えば、上方視で時計回りに180°回転された後、反時計回りに180°回転される。回転テーブル51に固定される配線および配管の配置が元の配置に戻るので、配線および配管の取り回しが容易である。
4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、回転テーブル51と共に、回転テーブル51の回転中心線52を中心に回転する。4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、それぞれ、基板10を下方から水平に保持する基板保持面を有する。基板保持面は、基板10よりも大きな直径を有し、基板10の下面全体を吸着する。4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、いずれも、本実施形態では基板10の第1主表面11を上に向けて基板10を下方から保持するが、基板10の第2主表面12を上に向けて基板10を下方から保持してもよい。
4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、それぞれの鉛直な回転中心線を中心に回転自在に、回転テーブル51に取り付けられる。回転テーブル51の回転が停止された状態で、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが回転可能である。
4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、回転テーブル51の回転中心線52の周りに、等間隔(90°間隔)で配置される。回転テーブル51の回転中心線52の周りには、図7に示すように、第1受渡位置A0と、第2受渡位置A1と、第1加工位置A2と、第2加工位置A3とが配置される。
図7は、図6に示す4つのチャックテーブルの位置変化の一例を示す上面図である。図7(a)は、図7(b)に示す回転テーブルが反時計回りに180°回転した時の4つのチャックテーブルの位置の一例を示す上面図である。図7(b)は、図7(a)に示す回転テーブルが時計回りに180°回転した時の4つのチャックテーブルの位置の一例を示す上面図である。
回転テーブル51の回転中心線52の周りには、第1受渡位置A0、第2受渡位置A1、第1加工位置A2および第2加工位置A3が、この順で、反時計回りに配置される。なお、配置の順番は逆でもよく、時計回りに、第1受渡位置A0、第2受渡位置A1、第1加工位置A2および第2加工位置A3がこの順で配置されてもよい。
一対のチャックテーブル53A、53Cは、回転中心線52を挟んで対称に配置され、それぞれ、第1受渡位置A0と、第1加工位置A2との間で移動する。また、残り一対のチャックテーブル53B、53Dは、回転中心線52を挟んで対称に配置され、それぞれ、第2受渡位置A1と、第2加工位置A3との間を移動する。
第1受渡位置A0は、一対のチャックテーブル53A、53Cに対する基板10の受渡が行われる位置である。第1受渡位置A0は、搬送装置47Aからチャックテーブル53A、53Cへの基板10の受渡が行われる位置と、チャックテーブル53A、53Cから搬送装置47Aへの基板10の受渡が行われる位置とを兼ねる。
第1加工位置A2は、一対のチャックテーブル53A、53Cに保持されている基板10が研削工具17によって加工される位置である。第1加工位置A2では、可動部60Bに装着された研削工具17が、基板10の上面を加工する。基板10の上面は、本実施形態では第1主表面11であるが、第2主表面12であってもよい。第1加工位置A2と、第1受渡位置A0とは、回転中心線52を挟んで対称に配置される。
一対のチャックテーブル53A、53Cは、回転中心線52を挟んで対称に配置され、それぞれ、第1受渡位置A0と、第1加工位置A2との間で移動する。一対のチャックテーブル53A、53Cのうち、いずれか1つが第1受渡位置A0に位置する時、残りの1つが第1加工位置A2に位置する。従って、一の基板10の加工と、他の一の基板10の受渡とを同時に実施でき、研削工具17の稼働率を向上できるので、単位時間当たりの基板10の加工枚数を増加できる。
なお、第1受渡位置A0は、基板10を洗浄部80Aによって洗浄する位置を兼ねてよい。洗浄部80Aは、第1加工位置A2で加工された基板10がチャックテーブル53A、53Cから取り外される前に、基板10の上面を洗浄する。その洗浄方法は、例えばスプレー洗浄である。この場合、基板10の加工と、加工後の基板10の洗浄とを同時に実施できる。
また、第1受渡位置A0は、チャックテーブル53A、53Cの基板保持面を洗浄部80Aによって洗浄する位置を兼ねてよい。洗浄部80Aは、第1加工位置A2で加工された基板10がチャックテーブル53A、53Cから取り外された後、露出した基板保持面を洗浄する。その洗浄方法は、例えばスプレー洗浄、スクラブ洗浄のいずれでもよく、両方でもよい。この場合、基板10の加工と、露出した基板保持面の洗浄とを同時に実施できる。
第2受渡位置A1は、一対のチャックテーブル53B、53Dに対する基板10の受渡が行われる位置である。第2受渡位置A1は、搬送装置47Aからチャックテーブル53B、53Dへの基板10の受渡が行われる位置と、チャックテーブル53B、53Dから搬送装置47Aへの基板10の受渡が行われる位置とを兼ねる。
第2加工位置A3は、一対のチャックテーブル53B、53Dに保持されている基板10が研削工具17によって加工される位置である。第2加工位置A3では、可動部60Aに装着された研削工具17が、基板10の上面を加工する。基板10の上面は、本実施形態では第1主表面11であるが、第2主表面12であってもよい。第2加工位置A3と、第2受渡位置A1とは、回転中心線52を挟んで対称に配置される。
一対のチャックテーブル53B、53Dは、回転中心線52を挟んで対称に配置され、それぞれ、第2受渡位置A1と、第2加工位置A3との間で移動する。一対のチャックテーブル53B、53Dのうち、いずれか1つが第2受渡位置A1に位置する時、残りの1つが第2加工位置A3に位置する。従って、一の基板10の加工と、他の一の基板10の受渡とを同時に実施でき、研削工具17の稼働率を向上できるので、単位時間当たりの基板10の加工枚数を増加できる。
なお、第2受渡位置A1は、基板10を洗浄部80Bによって洗浄する位置を兼ねてよい。洗浄部80Bは、第2加工位置A3で加工された基板10がチャックテーブル53B、53Dから取り外される前に、基板10の上面を洗浄する。その洗浄方法は、例えばスプレー洗浄である。この場合、基板10の加工と、加工後の基板10の洗浄とを同時に実施できる。
また、第2受渡位置A1は、チャックテーブル53B、53Dの基板保持面を洗浄部80Bによって洗浄する位置を兼ねてよい。洗浄部80Bは、第2加工位置A3で加工された基板10がチャックテーブル53B、53Dから取り外された後、露出した基板保持面を洗浄する。その洗浄方法は、例えばスプレー洗浄、スクラブ洗浄のいずれでもよく、両方でもよい。この場合、基板10の加工と、露出した基板保持面の洗浄とを同時に実施できる。
図7に示すように、上方視で、第1受渡位置A0および第2受渡位置A1は、第1加工位置A2および第2加工位置A3に比べて、前方(Y軸方向負側)に配置され、加工装置41Aの基板10が搬入出される搬入出口42A(図1および図6参照)の近くに配置される。搬送装置47Aは加工装置41Aの前方から加工装置41Aに対する基板10の搬入出を行うので、搬送装置47Aが第1受渡位置A0および第2受渡位置A1にアクセスしやすい。従って、基板10の受渡を円滑に行うことができる。
搬入出口42Aは、加工装置41Aの搬送部46Aに面する壁、つまり、加工装置41Aの前面の開口部である。加工装置41Aの搬送部46Aに面する壁は、Y軸方向に対し垂直である。搬入出口42Aには、搬入出口42Aを開閉するシャッター7が設けられてもよい。シャッター7は、搬送装置47Aが搬送部46Aから加工装置41Aに入る直前に搬入出口42Aを開放し、搬送装置47Aが加工装置41Aから搬送部46Aに出た直後に搬入出口42Aを閉塞する。基板10が搬入出口42Aを通る時に、シャッター7が搬入出口42Aを開放する。一方、加工装置41Aが基板10の加工を行う時に、シャッター7が搬入出口42Aを閉塞する。加工装置41Aの内部で発生した加工屑が搬送部46Aに流出することを抑制できる。
図8は、図7に示す4つのチャックテーブルの位置変化を利用した処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、2つのチャックテーブル53A、53Bで保持される基板10の処理である。図8に示す処理の開始時に、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、例えば図7(a)に示す位置にある。図8に示す処理は、制御装置9による制御下で実施される。
基板処理方法は、加工装置41Aに2つの基板10を搬入する工程S201を有する。この工程S201では、第1受渡位置A0および第2受渡位置A1において、搬送装置47Aからチャックテーブル53A、53Bへの基板10の受渡が実施される。なお、この工程S201と並行して、第1加工位置A2および第2加工位置A3では、チャックテーブル53C、53Dに保持されている2つの基板10の研削が実施される。
基板処理方法は、回転テーブル51を回転させる工程S202を有する。図7(a)に示す回転テーブル51が時計回りに180°回転され、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが図7(a)に示す位置から図7(b)に示す位置に移動する。
基板処理方法は、第1加工位置A2および第2加工位置A3においてチャックテーブル53A、53Bに保持されている2つの基板10を研削する工程S203を有する。この工程S203と並行して、第1受渡位置A0および第2受渡位置A1では、チャックテーブル53C、53Dに保持されている2つの基板10の洗浄と、チャックテーブル53C、53Dから搬送装置47Aへの基板10の受渡とが実施される。加えて、第1受渡位置A0および第2受渡位置A1では、チャックテーブル53C、53Dの洗浄と、搬送装置47Aからチャックテーブル53C、53Dへの基板10の受渡とが実施される。
基板処理方法は、回転テーブル51を再び回転させる工程S204を有する。図7(b)に示す回転テーブル51が反時計回りに180°回転され、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが図7(b)に示す位置から図7(a)に示す位置に移動する。
基板処理方法は、第1受渡位置A0および第2受渡位置A1においてチャックテーブル53A、53Bに保持されている2つの基板10を洗浄する工程S205を有する。また、基板処理方法は、第1受渡位置A0および第2受渡位置A1においてチャックテーブル53A、53Bから搬送装置47Aへの基板10の受渡を実施し、加工装置41Aから2つの基板10を搬出する工程S206を有する。さらに、基板処理方法は、第1受渡位置A0および第2受渡位置A1においてチャックテーブル53A、53Bを洗浄する工程S207を有する。
なお、これらの工程S205〜S207と並行して、第1加工位置A2および第2加工位置A3では、チャックテーブル53C、53Dに保持されている2つの基板10の研削が実施される。
その後、図8に示す処理が終了する。なお、制御装置9は、図8に示す処理を繰り返し実行してよい。
図9は、図6に示す4つのチャックテーブルの位置変化の別の一例を示す上面図である。図9(a)は、図9(d)に示す回転テーブルが時計回りに90°回転した時の4つのチャックテーブルの位置の一例を示す上面図である。図9(b)は、図9(a)に示す回転テーブルが時計回りに90°回転した時の4つのチャックテーブルの位置の一例を示す上面図である。図9(c)は、図9(b)に示す回転テーブルが時計回りに90°回転した時の4つのチャックテーブルの位置の一例を示す上面図である。図9(d)は、図9(c)に示す回転テーブルが反時計回りに270°回転した時の4つのチャックテーブルの位置の一例を示す上面図である。
回転テーブル51の回転中心線52の周りには、第1受渡位置A0、第1加工位置A2、第2加工位置A3および第2受渡位置A1が、この順で、時計回りに配置される。なお、配置の順番は逆でもよく、反時計回りに、第1受渡位置A0、第1加工位置A2、第2加工位置A3および第2受渡位置A1がこの順で配置されてもよい。4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、それぞれ、第1受渡位置A0、第1加工位置A2、第2加工位置A3および第2受渡位置A1にこの順で移動する。
第1受渡位置A0は、搬送装置47Aからチャックテーブル53A、53B、53C、53Dへの基板10の受渡が行われる位置である。4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、いずれも、本実施形態では基板10の第1主表面11を上に向けて基板10を下方から保持するが、基板10の第2主表面12を上に向けて基板10を下方から保持してもよい。
第1加工位置A2は、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dに保持されている基板10が研削工具17によって1次加工される位置である。第1加工位置A2では、可動部60Aに装着された研削工具17が、基板10の上面を1次加工する。基板10の上面は、本実施形態では第1主表面11であるが、第2主表面12であってもよい。
第2加工位置A3は、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dに保持されている基板10が研削工具17によって2次加工される位置である。第2加工位置A3では、可動部60Bに装着された研削工具17が、基板10の上面を2次加工する。2次加工では、1次加工と同じ面(例えば第1主表面11)を加工する。
1次加工用の研削工具17と、2次加工用の研削工具17とは、同じ平均粒径の砥粒を有してもよいし、異なる平均粒径の砥粒を有してもよい。後者の場合、2次加工用の研削工具17は、1次加工用の研削工具17に比べて、小さい平均粒径の砥粒を有してよい。
第2受渡位置A1は、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dから搬送装置47Aへの基板10の受渡が行われる位置である。
なお、第2受渡位置A1は、基板10を洗浄部80Bによって洗浄する位置を兼ねてよい。洗浄部80Bは、第2加工位置A3で加工された基板10がチャックテーブル53A、53B、53C、53Dから取り外される前に、基板10の上面を洗浄する。その洗浄方法は、例えばスプレー洗浄である。この場合、基板10の加工と、加工後の基板10の洗浄とを同時に実施できる。
また、第2受渡位置A1は、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dの基板保持面を洗浄部80Bによって洗浄する位置を兼ねてよい。洗浄部80Bは、第2加工位置A3で加工された基板10がチャックテーブル53A、53B、53C、53Dから取り外された後、露出した基板保持面を洗浄する。その洗浄方法は、例えばスプレー洗浄、スクラブ洗浄のいずれでもよく、両方でもよい。この場合、基板10の加工と、露出した基板保持面の洗浄とを同時に実施できる。
なお、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dの基板保持面の洗浄は、第2受渡位置A1の代わりに、第1受渡位置A0において実施されてもよく、洗浄部80Aによって実施されてもよい。
図9に示すように、上方視で、第1受渡位置A0および第2受渡位置A1は、第1加工位置A2および第2加工位置A3に比べて、前方(Y軸方向負側)に配置され、加工装置41Aの基板10が搬入出される搬入出口42A(図1および図6参照)の近くに配置される。搬送装置47Aは加工装置41Aの前方から加工装置41Aに対する基板10の搬入出を行うので、搬送装置47Aが第1受渡位置A0および第2受渡位置A1にアクセスしやすい。従って、基板10の受渡を円滑に行うことができる。
図10は、図9に示す4つのチャックテーブルの位置変化を利用した処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、1つのチャックテーブル53Aで保持される基板10の処理である。図10に示す処理の開始時に、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、図9(a)に示す位置にある。図10に示す処理は、制御装置9による制御下で実施される。
基板処理方法は、加工装置41Aに基板10を搬入する工程S301を有する。この工程S301では、第1受渡位置A0において、搬送装置47Aからチャックテーブル53Aへの基板10の受渡が実施される。なお、この工程S301と並行して、第1加工位置A2では、チャックテーブル53Dに保持されている基板10の1次研削が実施される。また、この工程S301と並行して、第2加工位置A3では、チャックテーブル53Cに保持されている基板10の2次研削が実施される。さらに、この工程S301と並行して、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Bに保持されている基板10の洗浄と、チャックテーブル53Bから搬送装置47Aへの基板10の受渡とが実施される。加えて、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Bの洗浄が実施されてよい。
基板処理方法は、回転テーブル51を回転させる工程S302を有する。図9(a)に示す回転テーブル51が時計回りに90°回転され、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが図9(a)に示す位置から図9(b)に示す位置に移動する。
基板処理方法は、第1加工位置A2においてチャックテーブル53Aに保持されている基板10を1次研削する工程S303を有する。なお、この工程S303と並行して、第2加工位置A3では、チャックテーブル53Dに保持されている基板10の2次研削が実施される。また、この工程S303と並行して、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Cに保持されている基板10の洗浄と、チャックテーブル53Cから搬送装置47Aへの基板10の受渡とが実施される。加えて、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Cの洗浄が実施されてよい。さらに、この工程S303と並行して、第1受渡位置A0では、搬送装置47Aからチャックテーブル53Bへの基板10の受渡が実施される。
基板処理方法は、回転テーブル51を回転させる工程S304を有する。図9(b)に示す回転テーブル51が時計回りに90°回転され、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが図9(b)に示す位置から図9(c)に示す位置に移動する。
基板処理方法は、第2加工位置A3においてチャックテーブル53Aに保持されている基板10を2次研削する工程S305を有する。なお、この工程S305と並行して、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Dに保持されている基板10の洗浄と、チャックテーブル53Dから搬送装置47Aへの基板10の受渡とが実施される。加えて、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Dの洗浄が実施されてよい。また、この工程S305と並行して、第1受渡位置A0では、搬送装置47Aからチャックテーブル53Cへの基板10の受渡が実施される。さらに、この工程S305と並行して、第1加工位置A2では、チャックテーブル53Bに保持されている基板10の1次研削が実施される。
基板処理方法は、回転テーブル51を回転させる工程S306を有する。図9(c)に示す回転テーブル51が反時計回りに270°回転され、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが図9(c)に示す位置から図9(d)に示す位置に移動する。
基板処理方法は、第2受渡位置A1においてチャックテーブル53Aに保持されている基板10を洗浄する工程S307を有する。また、基板処理方法は、第2受渡位置A1においてチャックテーブル53Aから搬送装置47Aへの基板10の受渡を実施し、加工装置41Aから基板10を搬出する工程S308を有する。さらに、基板処理方法は、第2受渡位置A1においてチャックテーブル53Aを洗浄する工程S309を有する。
なお、これらの工程S307〜S309と並行して、第1受渡位置A0では、搬送装置47Aからチャックテーブル53Dへの基板10の受渡が実施される。また、これらの工程S307〜S309と並行して、第1加工位置A2では、チャックテーブル53Cに保持されている基板10の1次研削が実施される。さらに、これらの工程S307〜S309と並行して、第2加工位置A3では、チャックテーブル53Bに保持されている基板10の2次研削が実施される。
基板処理方法は、回転テーブル51を回転させる工程S310を有する。図9(d)に示す回転テーブル51が時計回りに90°回転され、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが図9(d)に示す位置から図9(a)に示す位置に移動する。
その後、図10に示す処理が終了する。なお、制御装置9は、図10に示す処理を繰り返し実行してよい。
本実施形態の加工装置41Aによれば、図7および図9に示すように、1つの回転テーブル51の回転中心線52の周りに2つの受渡位置A0、A1と2つの加工位置A2、A3とが配置される。従って、1つの受渡位置と1つの加工位置とが回転中心線の周りに配置される回転テーブルを2つ用いる場合に比べて、回転テーブルの使用数が少ない。それゆえ、加工装置41Aの設置面積を低減でき、ひいては基板処理システム1の設置面積を低減できる。
図11は、図6に示す2つの可動部と、2つの昇降部と、2つの進退部との位置関係の一例を示す後面図である。2つの可動部60A、60Bは、それぞれ、基板10を研削する研削工具17が交換可能に装着されるものである。2つの可動部60A、60Bは、同様に構成される。そこで、以下、1つの可動部60Aの構成について説明し、他の1つの可動部60Bの構成について説明を省略する。
研削工具17は、例えば、円盤状のホイール18と、リング状に配列される複数の砥石19とを含む。複数の砥石19は、例えばホイール18の下面の外周部に固定される。砥石19が摩耗し、砥石19の厚みが予め設定された交換厚みよりも小さくなると、研削工具17が交換される。研削工具17の交換は、定期的に行われてもよい。なお、砥石19は、ホイール18の下面全体に円盤状に固定されてもよい。
可動部60Aは、例えば、研削工具17が交換可能に装着されるフランジ61と、フランジ61が下端部に設けられるスピンドル軸62と、スピンドル軸62を回転自在に支持する軸受63と、スピンドル軸62を回転させるスピンドルモータ65とを有する。
スピンドルモータ65は、スピンドル軸62を回転させることにより、フランジ61に装着される研削工具17を回転させる。スピンドルモータ65は、スピンドル軸62が連結される回転子と、内部に回転磁界を形成する固定子と、固定子が固定されるハウジングとを有する。ハウジングは、昇降部70Aの一対のZ軸スライダ72に固定される。
スピンドルモータ65としては、高いトルクを得るべく、例えば誘導モータが用いられる。誘導モータは、固定子の巻線に交流電流を供給することにより回転磁界を形成し、その回転磁界によって回転子を回転させる。固定子の巻線に供給される交流電流の周波数に応じた回転数で研削工具17が回転させられる。
2つの昇降部70A、70Bは、2つの可動部60A、60Bを独立に鉛直方向に昇降させるものである。昇降部70Aは可動部60Aを鉛直方向に昇降させ、昇降部70Bは可動部60Bを鉛直方向に昇降させる。2つの昇降部70A、70Bは、同様に構成される。そこで、以下、1つの昇降部70Aの構成について説明し、他の1つの昇降部70Bの構成について説明を省略する。
昇降部70Aは、可動部60Aを昇降させることにより、可動部60Aに装着された研削工具17を、チャックテーブル53Dに対し接離させる。昇降部70Aは、Z軸方向に延びる一対のZ軸ガイド71と、一対のZ軸ガイド71に沿って昇降する一対のZ軸スライダ72と、一対のZ軸スライダ72を昇降させるZ軸モータ73とを有する。一対のZ軸スライダ72には、可動部60Aが固定される。Z軸モータ73は、回転運動するものでもよいし、直線運動するものでもよい。Z軸モータ73が回転運動する場合、Z軸モータ73の回転運動を一対のZ軸スライダ72の直線運動に変換するボールねじ74を、昇降部70Aが有する。
昇降部70Aは、可動部60Aを下降させることにより、可動部60Aをチャックテーブル53Dに接近させる。この間、可動部60Aに装着された研削工具17が回転させられる。研削工具17は、回転しながら下降し、基板10に接触させられ、基板10を研削する。その後、昇降部70Aは、可動部60Aを上昇させることにより、可動部60Aを回転テーブル51から離間させる。
図6に示すように、加工装置41Aは、上方視で、矩形状の外形を有し、前後方向(例えばY軸方向)に平行な二辺を有する。また、図11に示すように、加工装置41Aの真後ろから見て、可動部60Aに装着された研削工具17の全体が昇降部70Aから露出する。つまり、加工装置41Aの真後ろから見て、昇降部70Aが可動部60Aに装着された研削工具17を隠さない。昇降部70Aに妨げられることなく、加工装置41Aの後方から研削工具17の交換が可能である。それゆえ、研削工具17の交換が容易であり、メンテナンス性が良い。
図11に示すように、加工装置41Aの真後ろから見て、昇降部70Aは、可動部60Aの横(例えばX軸方向負側)に配置されてよい。なお、昇降部70Aは、可動部60Aの前方または斜め前方に配置されてもよい。いずれにしろ、加工装置41Aの真後ろから見て、可動部60Aに装着された研削工具17の全体が昇降部70Aから露出すればよい。
なお、加工装置41Aの真後ろから見て可動部60Aに装着された研削工具17の全体が昇降部70Aから露出しない場合であっても、加工装置41Aの斜め後ろから見て可動部60Aに装着された研削工具17の全体が昇降部70Aから露出すればよい。昇降部70Aに妨げられることなく、加工装置41Aの後方から研削工具17の交換が可能である。
上方視で矩形状の加工装置41Aの後方から研削工具17の交換が可能であるので、加工装置41Aの残りの三方(前方、左方および右方)が他の装置、または建物の壁などで塞がれていてもよい。加工装置41Aの残りの三方のいずれにも、研削工具17を交換する作業員の作業スペースが不要であるので、基板処理システム1の設置面積を低減でき、基板処理システム1の小型化が可能である。なお、研削工具17の交換は、作業員の代わりに、ロボットが行ってもよい。
上方視で矩形状の加工装置41Aの後方から研削工具17の交換が可能であるので、後方視で、複数の加工装置41A、41Bが横方向(例えばX軸方向)に並んで配置されてよい。複数の加工装置41A、41Bが異なる基板10を同時に加工でき、単位時間当たりの基板10の加工枚数を向上できる。
2つの進退部75A、75Bは、2つの可動部60A、60Bを独立に前後方向に進退させるものである。進退部75Aは可動部60Aを前後方向に進退させ、昇降部70Bは可動部60Bを前後方向に昇降させる。2つの進退部75A、75Bは、同様に構成される。そこで、以下、1つの進退部75Aの構成について説明し、他の1つの進退部75Bの構成について説明を省略する。
進退部75Aは、可動部60Aを前後方向に進退させる。進退部75Aは、Y軸方向に延びる一対のY軸ガイド76と、一対のY軸ガイド76に沿って進退するY軸スライダ77と、Y軸スライダ77を進退させるY軸モータ78とを有する。Y軸スライダ77には、昇降部70Aが固定される。Y軸モータ78は、回転運動するものでもよいし、直線運動するものでもよい。Y軸モータ78が回転運動する場合、Y軸モータ78の回転運動をY軸スライダ77の直線運動に変換するボールねじ79(図6参照)を、進退部75Aが有する。
進退部75Aは、可動部60Aを前後方向に進退させることにより、リング状に配列される複数の砥石19の円軌道の位置合わせを行う。この位置合わせは、例えば、研削工具17が交換された時に行われ、円軌道の大きさが変化した時に行われる。円軌道は、基板10の中心を通るように位置合わせされる。可動部60Aが進退可能であるため、円軌道の大きさの異なる複数種類の研削工具17が使用可能である。
図11に示すように、加工装置41Aの真後ろから見て、可動部60Aに装着された研削工具17の全体が進退部75Aから露出する。つまり、加工装置41Aの真後ろから見て、進退部75Aが可動部60Aに装着された研削工具17を隠さない。進退部75Aに妨げられることなく、加工装置41Aの後方から研削工具17の交換が可能である。それゆえ、研削工具17の交換が容易であり、メンテナンス性が良い。
図11に示すように、加工装置41Aの真後ろから見て、進退部75Aは、可動部60Aの横(例えばX軸方向負側)に配置されてよい。なお、進退部75Aは、可動部60Aの前方または斜め前方に配置されてもよい。いずれにしろ、加工装置41Aの真後ろから見て、可動部60Aに装着された研削工具17の全体が進退部75Aから露出すればよい。
なお、加工装置41Aの真後ろから見て可動部60Aに装着された研削工具17の全体が進退部75Aから露出しない場合であっても、加工装置41Aの斜め後ろから見て可動部60Aに装着された研削工具17の全体が進退部75Aから露出すればよい。進退部75Aに妨げられることなく、加工装置41Aの後方から研削工具17の交換が可能である。
なお、本実施形態の加工装置41Aは円軌道の大きさの異なる複数種類の研削工具17を使用可能とすべく進退部75A、75Bを有するが、本開示の技術はこれに限定されない。研削工具17の円軌道の大きさが1つに決まっている場合、加工装置41Aは進退部75A、75Bを有しなくてよい。進退部75A、75Bが無い場合、加工装置41AのX軸方向寸法を小さくできる。
図12は、可動部と昇降部との位置関係の変形例を示す上面図である。図13は、図12の矢印A方向および図12の矢印B方向から見た可動部と昇降部との位置関係の一例を示す図である。詳細には、図13(a)は図12の矢印A方向から見た可動部と昇降部との位置関係の一例を示し、図13(b)は図12の矢印B方向から見た可動部と昇降部との位置関係の一例を示す。
本変形例の昇降部70Cは、回転テーブル51をまたぐ門型フレーム701を有する。門型フレーム701は、X軸方向に間隔をおいて配置される一対の支柱702、703と、一対の支柱702、703の上端部同士を連結する横梁704とを有する。
昇降部70Cは、門型フレーム701に固定される一対のZ軸ガイド71と、一対のZ軸ガイド71に沿って昇降する一対のZ軸スライダ72との組合せを2組有する。一対のZ軸スライダ72には可動部60Aが固定され、残り一対のZ軸スライダ72には可動部60Bが固定される。
一対のZ軸スライダ72は、図12に示すように、スピンドルモータ65の回転中心線65Zを挟んで対称に配置される。その結果、図13(b)に示すように、スピンドルモータ65等の荷重をスピンドルモータ65の回転中心線65Zの近傍で支持できる。それゆえ、一対のZ軸ガイド71の撓み変形を抑制できるので、チャックテーブル53Dに対する研削工具17の傾きを抑制できる。
図13(a)に示すように、加工装置41Aの斜め後ろから見て、昇降部70Cは、可動部60Aの横方向両側と、可動部60Aの前側とに配置される。加工装置41Aの斜め後ろから見て可動部60Aに装着された研削工具17の全体が昇降部70Cから露出する。昇降部70Cに妨げられることなく、加工装置41Aの後方から研削工具17の交換が可能である。
ところで、上記実施形態の基板処理システム1は、搬送装置27と、搬送装置37と、搬送装置47A、47Bとを有する。搬送装置47A、47Bが特許請求の範囲に記載の第1搬送装置に対応し、搬送装置27が特許請求の範囲に記載の第2搬送装置に対応し、搬送装置37が特許請求の範囲に記載の第3搬送装置に対応する。
一方、下記変形例の基板処理システム1は、搬送装置27と、搬送装置47A、47Bとを有するが、搬送装置37を有しない。搬送装置27が搬送装置37の役割(洗浄装置34からエッチング装置35への基板10の搬送)を果たすので、搬送装置27の稼働率を向上でき、また、基板処理システム1の設置面積を縮小できる。以下、上記実施形態と、下記変形例の相違点について主に説明する。
図14は、基板処理システムの変形例を示す上面図である。図15は、基板処理システムの変形例を示す前面図である。本変形例の搬入出ステーション2は、キャリア載置部21と搬送部26とを備えるが、図1に示す受渡部28を備えない。受渡部28の代わりに、第1処理ステーション3が、搬送部26の隣に配置される。この場合、受渡部28の第1トランジション装置29は、第1処理ステーション3の処理ブロック31に配置される。
第1処理ステーション3は、処理ブロック31を備えるが、図1に示す搬送部36を備えない。処理ブロック31は、第1トランジション装置29と、洗浄装置34と、エッチング装置35とを備える。
第1トランジション装置29、洗浄装置34およびエッチング装置35は、それぞれ、搬送装置27と基板10を受け渡すべく、搬送部26の隣に配置され、搬送部26のX軸方向負側に配置される。
また、第1トランジション装置29と洗浄装置34とは、搬送装置47Aと基板10を受け渡すべく、搬送部46Aの隣に配置され、搬送部46AのX軸方向正側に配置される。第1トランジション装置29と洗浄装置34とは、Z軸方向に積層される。
基板10は、搬送装置27によって、キャリア載置部21に載置されたキャリアCから取り出され、第1トランジション装置29に搬送される。次いで、基板10は、搬送装置47Aによって、第1トランジション装置29から加工装置41Aに搬送される。
基板10は、加工装置41Aで加工された後、搬送装置47Aによって加工装置41Aから洗浄装置34に搬送される。なお、基板10は、加工装置41Aから洗浄装置34に搬送される途中で、第1トランジション装置29を経由してもよい。第1トランジション装置29から洗浄装置34への基板10の搬送には、搬送装置27が用いられるが、搬送装置47Aも使用可能である。
基板10は、洗浄装置34で洗浄された後、搬送装置27によって洗浄装置34からエッチング装置35に搬送される。搬送装置27が搬送装置37の役割(洗浄装置34からエッチング装置35への基板10の搬送)を果たすので、搬送装置27の稼働率を向上でき、また、基板処理システム1の設置面積を縮小できる。
基板10は、エッチング装置35でエッチングされた後、搬送装置27によってエッチング装置35からキャリア載置部21に搬送され、キャリア載置部21に載置されたキャリアCに収容される。なお、基板10は、エッチング装置35からキャリア載置部21に搬送される途中で、第1トランジション装置29を経由してもよい。
なお、基板10の研削には、加工装置41Aの代わりに、加工装置41Bが用いられてもよく、複数の加工装置41A、41Bが用いられてもよい。複数の加工装置41A、41Bが、1つの基板10を順番に加工してもよい。例えば、一の加工装置41Aが粒径の大きい砥粒で基板10の第1主表面11を研削した後、別の一の加工装置41Bが粒径の小さい砥粒で基板10の第1主表面11を研削してもよい。あるいは、一の加工装置41Aが基板10の第1主表面11を研削した後、基板10が上下反転され、続いて別の一の加工装置41Bが基板10の第2主表面12を研削してもよい。複数の加工装置41A、41Bの間の基板10の搬送には、搬送装置47A、47Bおよび受渡部48が用いられる。
ところで、上記実施形態の加工装置41A、41Bは、それぞれ、基板10の片面を研削する。それゆえ、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、いずれも、基板10の第1主表面11のみを上に向けて基板10を下方から支持する。なお、上記の通り、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、いずれも、基板10の第2主表面12のみを上に向けて基板10を下方から支持してもよい。
一方、下記変形例の加工装置41Cは、基板10の両面を研削する。4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、いずれも、最初は基板10の第1主表面11を上に向けて基板10を下方から支持し、途中から基板10の第2主表面12を上に向けて基板10を下方から支持する。
図16は、加工装置の変形例を示す上面図である。本変形例の加工装置41Cは、上記実施形態の加工装置41A、41Bのいずれとも置換可能である。以下、本変形例の加工装置41Cと上記実施形態の加工装置41A、41Bとの相違点について主に説明する。
加工装置41Cは、回転テーブル51と、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dと、2つの可動部60A、60Bと、2つの昇降部70A、70Bと、2つの洗浄部80A、80Bとを備える。なお、加工装置41Cは、図6等に示す2つの進退部75A、75Bを備えないが、2つの進退部75A、75Bを備えてもよい。
加工装置41Cは、基板10を上下反転させる内部反転機81と、第2受渡位置A1に位置するチャックテーブル53A、53B、53C、53Dと内部反転機81との間で基板10を搬送する内部搬送機85とをさらに備える。内部反転機81は、例えば、基板10が一時的に載置される載置台82と、基板10を保持する保持機構83とを有する。保持機構83は、水平方向(X軸方向およびY軸方向の両方向)および鉛直方向への移動ならびに水平軸を中心とする回転が可能である。内部搬送機85は、例えば、基板10を保持する保持機構86を有する。保持機構86は、鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能である。
図17は、図16に示す4つのチャックテーブルの位置変化の一例を示す上面図である。図17(a)は、図17(d)に示す回転テーブルが時計回りに270°回転した時の4つのチャックテーブルの位置の一例を示す上面図である。図17(b)は、図17(a)に示す回転テーブルが反時計回りに90°回転した時の4つのチャックテーブルの位置の一例を示す上面図である。図17(c)は、図17(b)に示す回転テーブルが反時計回りに90°回転した時の4つのチャックテーブルの位置の一例を示す上面図である。図17(d)は、図17(c)に示す回転テーブルが反時計回りに90°回転した時の4つのチャックテーブルの位置の一例を示す上面図である。
回転テーブル51の回転中心線52の周りには、第1受渡位置A0、第1加工位置A2、第2受渡位置A1および第2加工位置A3が、この順で、反時計回りに配置される。なお、配置の順番は逆でもよく、時計回りに、第1受渡位置A0、第1加工位置A2、第2受渡位置A1および第2加工位置A3がこの順で配置されてもよい。4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、それぞれ、第1受渡位置A0、第1加工位置A2、第2受渡位置A1および第2加工位置A3にこの順で移動する。
第1受渡位置A0は、搬送装置47Aからチャックテーブル53A、53B、53C、53Dへの基板10の受渡が行われる位置と、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dから搬送装置47Aへの基板10の受渡が行われる位置とを兼ねる。搬送装置47Aからチャックテーブル53A、53B、53C、53Dへの基板10の受渡は、基板10の第1主表面11を上に向けた状態で行われる。一方、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dから搬送装置47Aへの基板10の受渡は、基板10の第2主表面12を上に向けた状態で行われる。
第1加工位置A2は、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dに保持されている基板10が研削工具17によって加工される位置である。第1加工位置A2では、可動部60Bに装着された研削工具17が、基板10の上面を加工する。ここで、基板10の上面は、基板10の第1主表面11である。
第2受渡位置A1は、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dから内部搬送機85への基板10の受渡が行われる位置と、内部搬送機85からチャックテーブル53A、53B、53C、53Dへの基板10の受渡が行われる位置とを兼ねる。基板10は、第2受渡位置A1から搬出され、再び第2受渡位置A1に戻る途中で、上下反転される。従って、基板10の上面は、基板10の第1主表面11から、基板10の第2主表面12に変わる。
なお、第2受渡位置A1は、基板10を洗浄部80Aによって洗浄する位置を兼ねてよい。洗浄部80Aは、第1加工位置A2で加工された基板10がチャックテーブル53A、53B、53C、53Dから取り外される前に、基板10の上面を洗浄する。ここで、基板10の上面は、基板10の第1主表面11である。その洗浄方法は、例えばスプレー洗浄である。
また、第2受渡位置A1は、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dの基板保持面を洗浄部80Aによって洗浄する位置を兼ねてよい。洗浄部80Aは、第1加工位置A2で加工された基板10がチャックテーブル53A、53B、53C、53Dから取り外された後、露出した基板保持面を洗浄する。その洗浄方法は、例えばスプレー洗浄、スクラブ洗浄のいずれでもよく、両方でもよい。
内部搬送機85が第2受渡位置A1から内部反転機81に基板10を搬送し、内部反転機81が基板10を上下反転させ、内部搬送機85が内部反転機81から第2受渡位置A1に基板10を搬送する。基板10の上面は、基板10の第1主表面11から、基板10の第2主表面12に変わる。
第2加工位置A3は、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dに保持されている基板10が研削工具17によって加工される位置である。第2加工位置A3では、可動部60Aに装着された研削工具17が、基板10の上面を加工する。ここで、基板10の上面は、基板10の第2主表面12である。
なお、第1受渡位置A0は、基板10を洗浄部80Bによって洗浄する位置を兼ねてよい。洗浄部80Bは、第2加工位置A3で加工された基板10がチャックテーブル53A、53B、53C、53Dから取り外される前に、基板10の上面を洗浄する。ここで、基板10の上面は、基板10の第2主表面12である。その洗浄方法は、例えばスプレー洗浄である。
また、第1受渡位置A0は、チャックテーブル53A、53B、53C、53Dの基板保持面を洗浄部80Bによって洗浄する位置を兼ねてよい。洗浄部80Bは、第2加工位置A3で加工された基板10がチャックテーブル53A、53B、53C、53Dから取り外された後、露出した基板保持面を洗浄する。その洗浄方法は、例えばスプレー洗浄、スクラブ洗浄のいずれでもよく、両方でもよい。
図18は、図17に示す4つのチャックテーブルの位置変化を利用した処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す処理は、1つのチャックテーブル53Aで保持される基板10の処理である。図18に示す処理の開始時に、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dは、図17(a)に示す位置にある。図18に示す処理は、制御装置9による制御下で実施される。
基板処理方法は、加工装置41Cに基板10を搬入する工程S401を有する。この工程S401では、第1受渡位置A0において、搬送装置47Aからチャックテーブル53Aへの基板10の受渡が実施される。なお、この工程S401と並行して、第1加工位置A2では、チャックテーブル53Bに保持されている基板10の第1主表面11の研削が実施される。また、この工程S401と並行して、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Cに保持されている基板10の第1主表面11の洗浄と、チャックテーブル53Cから内部搬送機85への基板10の受渡とが実施される。加えて、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Cの洗浄と、内部搬送機85からチャックテーブル53Cへの基板10の受渡とが実施される。この間、内部搬送機85が基板10を内部反転機81に搬送し、内部反転機81が基板10を上下反転させる。さらに、この工程S401と並行して、第2加工位置A3では、チャックテーブル53Dに保持されている基板10の第2主表面12の研削が実施される。
基板処理方法は、回転テーブル51を回転させる工程S402を有する。図17(a)に示す回転テーブル51が反時計回りに90°回転され、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが図17(a)に示す位置から図17(b)に示す位置に移動する。
基板処理方法は、第1加工位置A2においてチャックテーブル53Aに保持されている基板10の第1主表面11を研削する工程S403を有する。なお、この工程S403と並行して、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Bに保持されている基板10の第1主表面11の洗浄と、チャックテーブル53Bから内部搬送機85への基板10の受渡とが実施される。加えて、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Bの洗浄と、内部搬送機85からチャックテーブル53Bへの基板10の受渡とが実施される。この間、内部搬送機85が基板10を内部反転機81に搬送し、内部反転機81が基板10を上下反転させる。また、この工程S403と並行して、第2加工位置A3では、チャックテーブル53Cに保持されている基板10の第2主表面12の研削が実施される。さらに、この工程S403と並行して、第1受渡位置A0では、チャックテーブル53Dに保持されている基板10の第2主表面12の洗浄と、チャックテーブル53Dから搬送装置47Aへの基板10の受渡とが実施される。加えて、第1受渡位置A0では、チャックテーブル53Dの洗浄と、搬送装置47Aからチャックテーブル53Dへの基板10の受渡が実施される。
基板処理方法は、回転テーブル51を回転させる工程S404を有する。図17(b)に示す回転テーブル51が反時計回りに90°回転され、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが図17(b)に示す位置から図17(c)に示す位置に移動する。
基板処理方法は、第2受渡位置A1においてチャックテーブル53Aに保持されている基板10の第1主表面11を洗浄する工程S405を有する。また、基板処理方法は、第2受渡位置A1においてチャックテーブル53Aから内部搬送機85への基板10の受渡を実施し、基板10を取り外す工程S406を有する。さらに、基板処理方法は、第2受渡位置A1においてチャックテーブル53Aを洗浄すると共に、チャックテーブル53Aから取り外した基板10を上下反転する工程S407を有する。さらにまた、基板処理方法は、第2受渡位置A1において内部搬送機85からチャックテーブル53Aへの基板10の受渡を実施し、チャックテーブル53Aに基板10を取り付ける工程S408を有する。
なお、これらの工程S405〜S408と並行して、第2加工位置A3では、チャックテーブル53Bに保持されている基板10の第2主表面12の研削が実施される。また、これらの工程S405〜S408と並行して、第1受渡位置A0では、チャックテーブル53Cに保持されている基板10の第2主表面12の洗浄と、チャックテーブル53Cから搬送装置47Aへの基板10の受渡とが実施される。加えて、第1受渡位置A0では、チャックテーブル53Cの洗浄と、搬送装置47Aからチャックテーブル53Cへの基板10の受渡が実施される。さらに、これらの工程S405〜S408と並行して、第1加工位置A2では、チャックテーブル53Dに保持されている基板10の第1主表面11の研削が実施される。
基板処理方法は、回転テーブル51を回転させる工程S409を有する。図17(c)に示す回転テーブル51が反時計回りに90°回転され、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが図17(c)に示す位置から図17(d)に示す位置に移動する。
基板処理方法は、第2加工位置A3においてチャックテーブル53Aに保持されている基板10の第2主表面12を研削する工程S410を有する。なお、この工程S410と並行して、第1受渡位置A0では、チャックテーブル53Bに保持されている基板10の第2主表面12の洗浄と、チャックテーブル53Bから搬送装置47Aへの基板10の受渡とが実施される。加えて、第1受渡位置A0では、チャックテーブル53Bの洗浄と、搬送装置47Aからチャックテーブル53Bへの基板10の受渡が実施される。また、この工程S410と並行して、第1加工位置A2では、チャックテーブル53Cに保持されている基板10の第1主表面11の研削が実施される。さらに、この工程S410と並行して、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Dに保持されている基板10の第1主表面11の洗浄と、チャックテーブル53Dから内部搬送機85への基板10の受渡とが実施される。加えて、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Dの洗浄と、内部搬送機85からチャックテーブル53Dへの基板10の受渡とが実施される。この間、内部搬送機85が基板10を内部反転機81に搬送し、内部反転機81が基板10を上下反転させる。
基板処理方法は、回転テーブル51を回転させる工程S411を有する。図17(d)に示す回転テーブル51が時計回りに270°回転され、4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが図17(d)に示す位置から図17(a)に示す位置に移動する。
基板処理方法は、第1受渡位置A0においてチャックテーブル53Aに保持されている基板10の第2主表面12を洗浄する工程S412を有する。また、基板処理方法は、第1受渡位置A0においてチャックテーブル53Aから内部搬送機85への基板10の受渡を実施し、加工装置41Cから基板10を搬出する工程S413を有する。さらに、基板処理方法は、第1受渡位置A0においてチャックテーブル53Aを洗浄する工程S414を有する。
なお、これらの工程S412〜S414と並行して、第1加工位置A2では、チャックテーブル53Bに保持されている基板10の第1主表面11の研削が実施される。また、これらの工程S412〜S414と並行して、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Cに保持されている基板10の第1主表面11の洗浄と、チャックテーブル53Cから内部搬送機85への基板10の受渡とが実施される。加えて、第2受渡位置A1では、チャックテーブル53Cの洗浄と、内部搬送機85からチャックテーブル53Cへの基板10の受渡とが実施される。この間、内部搬送機85が基板10を内部反転機81に搬送し、内部反転機81が基板10を上下反転させる。さらに、これらの工程S412〜S414と並行して、第2加工位置A3では、チャックテーブル53Dに保持されている基板10の第2主表面12の研削が実施される。
その後、図18に示す処理が終了する。なお、制御装置9は、図18に示す処理を繰り返し実行してよい。
本変形例の加工装置41Cによれば、上記実施形態と同様に、1つの回転テーブル51の回転中心線52の周りに2つの受渡位置A0、A1と2つの加工位置A2、A3とが配置される(図17参照)。従って、1つの受渡位置と1つの加工位置とが回転中心線の周りに配置される回転テーブルを2つ用いる場合に比べて、回転テーブルの使用数が少ない。それゆえ、加工装置41Cの設置面積を低減でき、ひいては基板処理システム1の設置面積を低減できる。
以上、本開示に係る基板処理システムおよび基板処理方法の実施形態などについて説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
基板10は、シリコンウェハなどの半導体基板には限定されず、ガラス基板などであってもよい。基板10は互いに対向する第1主表面11と第2主表面12とを有し、第1主表面11が研削される時に、第2主表面12は予め別の基板または樹脂テープで保護されてもよい。
上記実施形態などでは、研削工具17が可動部60A、60Bに装着されるが、研磨工具が可動部60A、60Bに装着されてもよい。この場合、基板10を研削する工程S102の代わりに、基板10を研磨する工程が行われる。
図7に示すように4つのチャックテーブル53A、53B、53C、53Dが回転テーブル51の回転中心線52を中心に公転する場合に、基板10の第1主表面11と第2主表面12との両方を加工することも可能である。以下、一の回転テーブル51の上で、基板10の第1主表面11と第2主表面12の両方を研削する場合について説明する。
回転テーブル51は、図7に示すように、その回転中心線52の周りに、第1チャックテーブル53A、第2チャックテーブル53B、第1チャックテーブル53C、及び第2チャックテーブル53Dをこの順で等間隔に保持する。
一対の第1チャックテーブル53A、53Cは、回転テーブル51の回転中心線52を挟んで対称に配置される。一対の第1チャックテーブル53A、53Cは、いずれも、基板10の第1主表面11を上に向けて、基板10を下方から保持する。
同様に、一対の第2チャックテーブル53B、53Dは、回転テーブル51の回転中心線52を挟んで対称に配置される。一対の第2チャックテーブル53B、53Dは、いずれも、基板10の第2主表面12を上に向けて、基板10を下方から保持する。
図7(a)及び図7(b)に示すように、回転テーブル51の回転中心線52の周りに、第1受渡位置A0と、第2受渡位置A1と、第1加工位置A2と、第2加工位置A3とがこの順番で配置される。回転テーブル51が180°回転する度に、一対の第1チャックテーブル53A、53Cは第1受渡位置A0と第1加工位置A2とに交互に位置する。また、回転テーブル51が180°回転する度に、一対の第2チャックテーブル53B、53Dは第2受渡位置A1と第2加工位置A3とに交互に位置する。
第1加工位置A2は、一対の第1チャックテーブル53A、53Cに保持されている基板10が研削工具17によって加工される位置である。第1加工位置A2では、可動部60Bに装着された研削工具17が、基板10の上面である第1主表面11を加工する。
第2加工位置A3は、一対の第2チャックテーブル53B、53Dに保持されている基板10が研削工具17によって加工される位置である。第2加工位置A3では、可動部60Aに装着された研削工具17が、基板10の上面である第2主表面12を加工する。
以下、図7(a)及び図7(b)を参照して、一の基板10の搬入出と研削とについて説明する。ここでは、説明の簡略化のため、基板10の洗浄、チャックテーブルの洗浄については説明を省略する。
基板10は、先ず、例えば図7(a)に示す第1受渡位置A0で、搬送装置47Aから第1チャックテーブル53Aに受け渡され、基板10の第1主表面11を上に向けて第1チャックテーブル53Aに保持される。その後、回転テーブル51が図7(a)に示す状態から図7(b)に示す状態まで回転し、基板10が第1チャックテーブル53Aと共に第1受渡位置A0から第1加工位置A2に移動する。
次いで、基板10は、第1加工位置A2で可動部60Bに装着された研削工具17によって加工される。基板10の上面である第1主表面11が加工される。その後、回転テーブル51が図7(b)に示す状態から図7(a)に示す状態まで回転し、基板10が第1チャックテーブル53Aと共に第1加工位置A2から第1受渡位置A0に移動する。
その後、基板10は、第1受渡位置A0で、第1チャックテーブル53Aから搬送装置47Aに受け渡され、加工装置41Aの外部に搬出される。続いて、基板10は、加工装置41Aの外部にて上下反転され、搬送装置47Aによって再び加工装置41Aの内部に搬入される。
次いで、基板10は、例えば図7(a)に示す第2受渡位置A1で、搬送装置47Aから第2チャックテーブル53Dに受け渡され、基板10の第2主表面12を上に向けて第2チャックテーブル53Dに保持される。その後、回転テーブル51が図7(a)に示す状態から図7(b)に示す状態まで回転し、基板10が第2チャックテーブル53Dと共に第2受渡位置A1から第2加工位置A3に移動する。
次いで、基板10は、第2加工位置A3で可動部60Aに装着された研削工具17によって加工される。基板10の上面である第2主表面12が加工される。その後、回転テーブル51が図7(b)に示す状態から図7(a)に示す状態まで回転し、基板10が第2チャックテーブル53Dと共に第2加工位置A3から第2受渡位置A1に移動する。
その後、基板10は、第2受渡位置A1で、第2チャックテーブル53Dから搬送装置47Aに受け渡され、加工装置41Aの外部に搬出される。
本出願は、2018年8月23日に日本国特許庁に出願した特願2018−156675号に基づく優先権を主張するものであり、特願2018−156675号の全内容を本出願に援用する。