JPWO2020026384A1 - エレベータ装置 - Google Patents

エレベータ装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020026384A1
JPWO2020026384A1 JP2020533972A JP2020533972A JPWO2020026384A1 JP WO2020026384 A1 JPWO2020026384 A1 JP WO2020026384A1 JP 2020533972 A JP2020533972 A JP 2020533972A JP 2020533972 A JP2020533972 A JP 2020533972A JP WO2020026384 A1 JPWO2020026384 A1 JP WO2020026384A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
building
elevator
floor
response acceleration
car
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020533972A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7080326B2 (ja
Inventor
大樹 福井
大樹 福井
健 宮川
健 宮川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2020026384A1 publication Critical patent/JPWO2020026384A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7080326B2 publication Critical patent/JP7080326B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B5/00Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators
    • B66B5/02Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators responsive to abnormal operating conditions

Landscapes

  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Abstract

エレベータ装置は、制御装置を有している。制御装置は、地震発生時に、少なくとも1つのエレベータ機器である監視対象機器に発生した機器応答加速度に基づいて、自動診断運転及び管制運転の少なくともいずれか一方の可否を判定する。

Description

この発明は、エレベータ装置に関し、特に地震発生時の制御に関するものである。
従来、地震に対するエレベータ機器の強度は、次式に基づいて設計される。
e=ai×m
i=ag×βi
但し、aeは、エレベータ機器に発生する加速度である。また、aiは、エレベータ機器があるi階の建物応答加速度である。また、mは、建物とエレベータ機器との応答倍率、即ち共振倍率である。また、agは、建物に入力される地震加速度である。また、βiは、建物のi階の加速度応答倍率である。
上式において、加速度応答倍率は階によって変わるため、必要な機器強度も階によって変わる。しかし、エレベータ機器、特にかご及び釣合おもりは、地震発生時にどの階に位置しているか分からない。このため、かご及び釣合おもりの強度設計は、階応答加速度が最大となる階に位置している場合を想定して実施されている。
また、地震感知器は、昇降路、又は建物内の他の場所に設置されている。そして、地震時には、地震感知器の出力が基準値を超えたかどうかで、自動診断運転の可否が判定されている。自動診断運転は、地震後にエレベータの通常運転を再開させることができるかどうかを、自動的に診断する運転である。
このため、地震感知器の出力が基準値を超えた場合、かごの位置によっては、強度限界までに余裕があるにも拘わらず、自動診断運転が不可であると判定されることがある。これにより、エレベータの通常運転の再開までに時間がかかってしまう。
これに対して、従来のエレベータの地震管制運転からの復旧方法では、複数の特定エレベータから、地震感知器の出力データである評価データを、管理部署に伝送する。また、従来の復旧方法では、各特定エレベータ又は各地震感知器の設置条件に基づいて、対応する評価データを評価しなおし、各特定エレベータが設置された場所における震度レベルを推定する。そして、従来の復旧方法では、推定した震度レベルに基づいて、一般エレベータの復旧運転の可否を判定する(例えば、特許文献1参照)。
特許第2596452号公報
上記のような従来の地震管制運転からの復旧方法では、震度レベルに基づいて復旧運転の可否を判定するので、かごの位置による強度の余裕を活用することはできず、強度限界までに余裕があるにも拘わらず、自動診断運転が不可であると判定されることがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、地震発生時に、より効率的な運転方法を選択することができるエレベータ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータ装置は、地震発生時に、少なくとも1つのエレベータ機器である監視対象機器に発生した機器応答加速度に基づいて、自動診断運転及び管制運転の少なくともいずれか一方の可否を判定する制御装置を備えている。
また、この発明に係るエレベータ装置は、地震発生時に、建物に設定されている地震感知器からの信号に基づいて、自動診断運転及び管制運転の少なくともいずれか一方である地震対応運転の可否を判定するとともに、昇降路を昇降する昇降体の位置に応じて、地震対応運転の可否の判定基準を変更する制御装置を備えている。
この発明のエレベータ装置によれば、地震発生時に、より効率的な運転方法を選択することができる。
この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。 図1のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。 図2の制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2の制御装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2によるエレベータ装置を示す構成図である。 図5のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3によるエレベータ装置の要部を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4によるエレベータ装置の要部を示すブロック図である。 この発明の実施の形態5によるエレベータ装置を示す構成図である。 図9のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。 図10の加速度推定部における階応答加速度の設定状態の一例を示すグラフである。 高層ビルにおける階数と階応答加速度との関係の一例を示すグラフである。 この発明の実施の形態6によるエレベータ装置を示す構成図である。 図13の建物揺れ推定装置による階応答加速度の推定方法を示すグラフである。 図13のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。 この発明の実施の形態7によるエレベータ装置を示す構成図である。 図16のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。 この発明の実施の形態8によるエレベータ装置を示す構成図である。 図18のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。 この発明の実施の形態9によるエレベータ装置を示す構成図である。 地震に対するかごの応答加速度と、かごの位置との関係の一例を示すグラフである。 地震に対する釣合おもりの応答加速度と、釣合おもりの位置との関係の一例を示すグラフである。 図21と図22とを重ね合わせたグラフである。 図23に基づいて計算した倍率を示すグラフである。 様々な入力地震波に対するかご及び釣合おもりの応答加速度と、かご及び釣合おもりの位置との関係を示すグラフである。 図20のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。 図26の判定部の判定動作を説明する説明図である。 図26の制御装置の動作を示すフローチャートである。 図21のかごの応答加速度を上下逆転した釣合おもりの応答加速度を、かごの応答加速度に重ね合わせたグラフである。 図29に基づいて計算した倍率を示すグラフである。 3点を直線近似して得た倍率を示すグラフである。 60m以下の建物の一般的な応答加速度を示すグラフである。 60mを超える高層建物の一般的な応答加速度を示すグラフである。 図32の応答加速度を直線で近似して示すグラフである。 図26の判定部の他の判定動作を示すフローチャートである。 図35の判定動作で用いる倍率を示すグラフである。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。図において、建物1には、昇降路2及び機械室3が設けられている。機械室3は、昇降路2の上部に設けられている。
昇降路2内には、かご4及び釣合おもり5が設けられている。また、昇降路2内には、一対のかごガイドレール6及び一対の釣合おもりガイドレール7が設置されている。かご4は、一対のかごガイドレール6に沿って昇降路2内を昇降する。釣合おもり5は、一対の釣合おもりガイドレール7に沿って昇降路2内を昇降する。
機械室3には、巻上機8が設置されている。巻上機8は、駆動シーブ9、図示しないモータ、及び図示しないブレーキを有している。モータは、駆動シーブ9を回転させる。ブレーキは、駆動シーブ9の静止状態を保持、又は駆動シーブ9の回転を制動する。
機械室3には、そらせ車10が設けられている。そらせ車10は、駆動シーブ9に対して間隔をおいて配置されている。
駆動シーブ9及びそらせ車10には、懸架体11が巻き掛けられている。懸架体11としては、複数本のロープ又は複数本のベルトが用いられている。
かご4は、駆動シーブ9の一側で、懸架体11により吊り下げられている。釣合おもり5は、駆動シーブ9の他側で、懸架体11により吊り下げられている。かご4及び釣合おもり5は、駆動シーブ9を回転させることにより、昇降路2内を昇降する。
機械室3には、制御装置12が設置されている。制御装置12は、巻上機8を制御することにより、かご4の運行を制御する。
かご4、釣合おもり5、及び機械室3に設置された機器は、エレベータ機器である。これらのエレベータ機器には、地震発生時に、それぞれ機器応答加速度が発生する。
かご4には、かごセンサ13が設けられている。釣合おもり5には、釣合おもりセンサ14が設けられている。機械室3の床部には、機械室センサ15が設けられている。かごセンサ13、釣合おもりセンサ14、及び機械室センサ15としては、それぞれ加速度センサが用いられている。
かごセンサ13は、地震発生時に、かご4に発生する機器応答加速度に応じた信号を発生する。釣合おもりセンサ14は、地震発生時に、釣合おもり5に発生する機器応答加速度に応じた信号を発生する。実施の形態1の監視対象機器は、かご4及び釣合おもり5である。
機械室センサ15は、地震発生時に、機械室3の床部に発生する応答加速度に応じた信号を発生する。
図2は、図1のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。制御装置12は、機能ブロックとして、運行制御部16、加速度検出部17、判定部18、管制運転制御部19、及び診断運転制御部20を有している。運行制御部16は、かご4の運行を制御する。
加速度検出部17は、地震発生時に、かごセンサ13からの信号に基づいて、かご4に発生した機器応答加速度を検出する。また、加速度検出部17は、地震発生時に、釣合おもりセンサ14からの信号に基づいて、釣合おもり5に発生した機器応答加速度を検出する。また、加速度検出部17は、地震発生時に、機械室センサ15からの信号に基づいて、機械室3に発生した応答加速度を検出する。
判定部18は、地震発生時に、かご4に発生した機器応答加速度と、釣合おもり5に発生した機器応答加速度と、機械室3に発生した応答加速度とに基づいて、自動診断運転及び管制運転の可否を判定する。
制御装置12には、判定部18での判定基準となる複数の閾値が設定されている。閾値には、自動診断運転に関する3つの閾値と、管制運転に関する3つの閾値とが含まれている。自動診断運転に関する3つの閾値には、かご4の閾値、釣合おもり5の閾値、及び機械室3の閾値が含まれている。管制運転に関する3つの閾値には、かご4の閾値、釣合おもり5の閾値、及び機械室3の閾値が含まれている。
判定部18は、かご4の機器応答加速度、釣合おもり5の機器応答加速度、及び機械室3の応答加速度の全てが、対応する自動診断運転の閾値以下である場合に、自動診断運転が可能であると判定する。また、判定部18は、かご4の機器応答加速度、釣合おもり5の機器応答加速度、及び機械室3の応答加速度のいずれか1つ以上が、対応する自動診断運転の閾値よりも高い場合に、自動診断運転が不可であると判定する。
判定部18は、かご4の機器応答加速度、釣合おもり5の機器応答加速度、及び機械室3の応答加速度の全てが、対応する管制運転の閾値以下である場合に、管制運転が可能であると判定する。また、判定部18は、かご4の機器応答加速度、釣合おもり5の機器応答加速度、及び機械室3の応答加速度のいずれか1つ以上が、対応する管制運転の閾値よりも高い場合に、管制運転が不可であると判定する。
管制運転制御部19は、地震発生時に、判定部18により管制運転が可能であると判定されると、管制運転を実施する。管制運転は、地震発生時に、かご4を最寄り階に安全に停止させ、戸開させる運転である。
診断運転制御部20は、地震発生後、判定部18により自動診断運転が可能であると判定されると、自動診断運転を実施する。自動診断運転は、地震後にエレベータの通常運転を再開させることができるかどうかを、自動的に診断する運転である。自動診断運転及び管制運転は、地震対応運転である。
制御装置12は、自動診断運転が不可であると判定された場合、エレベータ装置を運転休止のままとする。
図3は、図2の制御装置12の構成の一例を示すブロック図である。制御装置12は、通信装置101、プロセッサ102、及びメモリ103を有している。制御装置12の機能は、図3に示すコンピュータにより実現される。メモリ103には、制御装置12の機能を実行するプログラムと、判定部18での判定基準となる複数の閾値とが格納されている。プロセッサ102は、メモリ103に格納されたプログラムに従って演算処理を実行する。
図4は、図2の制御装置12の動作を示すフローチャートである。制御装置12は、設定震度以上の震度が検出されると、図4の動作を開始する。図4の動作が開始されると、制御装置12は、まずステップS1において、監視対象機器の機器応答加速度を検出する。
続いて、制御装置12は、ステップS2において、管制運転の可否を判定する。
ステップS2において管制運転が不可と判定された場合、制御装置12は、ステップS3においてかご4を急停止させる。かご4が停止中である場合、制御装置12は、かご4を停止させたままとする。この後、制御装置12は、ステップS4において、管制運転が実施されなかった旨を、管理室に報知する。
ステップS2において管制運転が可能と判定された場合、制御装置12は、ステップS5において、管制運転を実施する。
この後、制御装置12は、ステップS6において、地震が継続しているかどうかを判定する。即ち、制御装置12は、建物1の内部又は外部に設けられた地震感知器等からの信号に基づいて、地震の揺れが継続しているかどうかを判定し、揺れが収まるまで待機する。
地震の揺れが収まると、制御装置12は、ステップS7において、自動診断運転の可否を判定する。
ステップS7において自動診断運転が不可と判定された場合、制御装置12は、ステップS4において、自動診断運転が実施されなかった旨を、管理室に報知する。
ステップS7において自動診断運転が可能と判定された場合、制御装置12は、ステップS8において、自動診断運転を実施し、処理を終了する。なお、自動診断運転実施後の動作の説明は、省略する。
このようなエレベータ装置では、制御装置12は、監視対象機器に発生した機器応答加速度に基づいて、自動診断運転及び管制運転の可否を判定する。このため、地震発生時のエレベータ機器の状態をより正確に判定し、地震発生時に、より効率的な運転方法を選択することができる。
また、制御装置12は、かごセンサ13及び釣合おもりセンサ14からの信号に基づいて、対応する機器応答加速度を検出する。このため、より正確な機器応答加速度を検出することができる。
また、制御装置12は、機械室センサ15からの信号に基づいて、機械室3に発生した応答加速度を検出する。このため、巻上機8、制御装置12等に発生した機器応答加速度をより正確に推定することができる。
なお、実施の形態1では、かごセンサ13及び釣合おもりセンサ14を用いたが、いずれか一方のみであってもよい。
また、監視対象機器は、かご4及び釣合おもり5に限定されるものではなく、かごガイドレール6、釣合おもりガイドレール7、巻上機8等であってもよい。
実施の形態2.
次に、図5は、この発明の実施の形態2によるエレベータ装置を示す構成図である。実施の形態2の制御装置12は、建物1の揺れに関する情報である建物揺れ情報と、監視対象機器の位置情報とに基づいて、地震発生時に監視対象機器に発生した機器応答加速度を推定する。
また、実施の形態2では、建物1の各階に地震感知器21が設置されている。各地震感知器21としては、加速度センサが用いられている。また、地震感知器21は、かご4が停止しない階を含めて、かご4が昇降する範囲内の全階に設置されている。制御装置12は、各地震感知器21からの信号を建物揺れ情報として使用する。
実施の形態2の監視対象機器には、かご4及び釣合おもり5が含まれている。かご4及び釣合おもり5は、昇降路2を昇降する昇降体である。制御装置12は、かご4の機器応答加速度を推定するために、かご4の位置情報を用いる。また、制御装置12は、釣合おもり5の機器応答加速度を推定するために、釣合おもり5の位置情報を用いる。
図6は、図5のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。制御装置12は、機能ブロックとして、運行制御部16、加速度推定部22、判定部18、管制運転制御部19、及び診断運転制御部20を有している。即ち、実施の形態2の制御装置12は、実施の形態1の加速度検出部17の代わりに、加速度推定部22を有している。
加速度推定部22は、地震発生時に、各地震感知器21からの信号と、かご4の位置情報と、釣合おもり5の位置情報とに基づいて、かご4及び釣合おもり5に発生した機器応答加速度を推定する。
かご4の位置情報は、運行制御部16から受けることができる。また、釣合おもり5の位置情報は、かご4の位置から計算することができる。
加速度推定部22は、地震発生時に、かご4が位置している階の地震感知器21からの信号に基づいて、かご4に発生した機器応答加速度を推定する。また、加速度推定部22は、地震発生時に、釣合おもり5が位置している階の地震感知器21からの信号に基づいて、釣合おもり5に発生した機器応答加速度を推定する。
判定部18は、実施の形態1の機器応答加速度の検出値の代わりに、機器応答加速度の推定値を用いて、管制運転及び自動診断運転の可否を判定する。即ち、実施の形態2の制御装置12は、図4のステップS1において、機器応答加速度を推定する。他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
このようなエレベータ装置では、かご4及び釣合おもり5にセンサを直接搭載しなくても、建物揺れ情報と監視対象機器の位置情報とを用いて、地震発生時のエレベータ機器の状態をより正確に判定することができる。これにより、地震発生時に、より効率的な運転方法を選択することができる。
また、制御装置12は、各地震感知器21からの信号を建物揺れ情報として使用するので、建物1の揺れをより正確に検出することができる。
また、制御装置12は、機器応答加速度を推定するために、かご4及び釣合おもり5の位置情報を用いるので、かご4及び釣合おもり5の機器応答加速度をより正確に推定することができる。
実施の形態3.
次に、図7は、この発明の実施の形態3によるエレベータ装置の要部を示すブロック図である。実施の形態3の制御装置12は、機能ブロックとして、運行制御部16、加速度推定部22、機器応答倍率記憶部23、判定部18、管制運転制御部19、及び診断運転制御部20を有している。機器応答倍率記憶部23は、監視対象機器毎の機器応答倍率の値をメモリ103に記憶する。
機器応答倍率は、建物1の階と監視対象機器の固有振動数とに応じて設定されている。また、機器応答倍率については、例えば、文献「建築基準法及び同法関連法令 昇降機技術基準の解説 2016年度版」にも示されている。
また、制御装置12は、監視対象機器の機器応答加速度を推定するために、機器応答倍率の値を用いる。
ここで、かご4及び釣合おもり5等の監視対象機器の地震による揺れは、実際には、地震による建物1の揺れとは異なる。その要因としては、図示しないかごガイド装置によるかご4の揺れの低減、かご4の揺れを受けるかごガイドレール6の変形、釣合おもり5の揺れを受ける釣合おもりガイドレール7の変形等が挙げられる。
これに対して、機器応答倍率の値を用いることで、地震に対する建物応答を、地震に対するエレベータ応答に、より正確に変換することができる。
制御装置12は、監視対象機器がかご4である場合、かご4の位置に最も近い階の地震感知器21からの信号と、かご4の位置に最も近い階におけるかご4の機器応答倍率とに基づいて、かご4の機器応答加速度を推定する。
また、制御装置12は、監視対象機器が釣合おもり5である場合、かご4と同様にして、釣合おもり5の機器応答加速度を推定する。
また、制御装置12は、監視対象機器が建物1に対して固定されているエレベータ機器である場合、監視対象機器の位置に最も近い階の地震感知器21からの信号と、監視対象機器の機器応答倍率とに基づいて、機器応答加速度を推定する。他の構成及び動作は、実施の形態2と同様である。
このようなエレベータ装置では、監視対象機器の機器応答加速度を推定するために、機器応答倍率の値を用いるので、機器応答加速度をより正確に推定することができる。
なお、加速度推定部22は、全ての階の地震感知器21からの信号と、全ての階の機器応答倍率とから、全ての階の機器応答加速度を求め、判定部18に送ってもよい。この場合、判定部18は、監視対象機器の位置に対応する機器応答加速度を選択して、対応する閾値と比較すればよい。
実施の形態4.
次に、図8は、この発明の実施の形態4によるエレベータ装置の要部を示すブロック図である。実施の形態4の制御装置12は、機能ブロックとして、運行制御部16、加速度推定部22、機器振動モデル記憶部24、判定部18、管制運転制御部19、及び診断運転制御部20を有している。機器振動モデル記憶部24は、監視対象機器毎の振動モデルをメモリ103に記憶する。
また、制御装置12は、建物揺れ情報を入力として、監視対象機器の振動モデルを用いて、機器応答加速度を推定する。
また、制御装置12は、監視対象機器がかご4である場合、かご4の位置に最も近い階の地震感知器21からの信号を入力として、かご4の振動モデルを用いて、かご4の機器応答加速度を推定する。
また、制御装置12は、監視対象機器が釣合おもり5である場合、かご4と同様にして、釣合おもり5の機器応答加速度を推定する。
また、制御装置12は、監視対象機器が建物1に対して固定されているエレベータ機器である場合、監視対象機器の位置に最も近い階の地震感知器21からの信号を入力して、監視対象機器の振動モデルを用いて、機器応答加速度を推定する。他の構成及び動作は、実施の形態2と同様である。
このようなエレベータ装置では、監視対象機器の機器応答加速度を推定するために、振動モデルを用いるので、機器応答加速度をより正確に推定することができる。
なお、実施の形態2〜4では、全ての階の地震感知器21からの信号を加速度推定部22に入力している。しかし、加速度推定部22は、かご4の位置及び釣合おもり5の位置を取得した後、必要な階の地震感知器21からの信号のみを選択的に取得してもよい。これにより、制御装置12が取り扱う情報の量を減らすことができる。
実施の形態5.
次に、図9は、この発明の実施の形態5によるエレベータ装置を示す構成図である。実施の形態5では、建物1の全ての階ではなく、一部の階に地震感知器21が設置されている。制御装置12は、地震感知器21からの信号に基づいて、地震感知器21が設置されている階の地震に対する応答加速度である階応答加速度を求める。また、制御装置12は、階応答加速度を建物揺れ情報として使用する。
地震感知器21が設置されている階に監視対象機器が位置している場合、制御装置12は、対応する地震感知器21により検出された加速度を、階応答加速度として検出する。
地震感知器21が設置されている階に監視対象機器が設置されていない場合、制御装置12は、監視対象機器が設置されている階の階応答加速度を、検出された階応答加速度から推定する。
また、建物1は、上下方向に複数のゾーン、ここではゾーン1〜3に分割されている。各ゾーン1〜3は、地震感知器21が設置された1つの階を含んでいる。
図10は、図9のエレベータ装置の要部を示すブロック図であり、地震感知器21の数以外は図6と同様である。制御装置12は、地震感知器21からの信号を建物揺れ情報として使用する。
但し、実施の形態5の加速度推定部22は、図11に示すように、各ゾーン1〜3内では同じ建物揺れが発生すると仮定する。これにより、加速度推定部22は、地震感知器21が設置されていない階の階応答加速度を推定する。他の構成及び動作は、実施の形態2と同様である。
このようなエレベータ装置では、地震感知器21が一部の階のみに設置されている場合でも、地震感知器21からの信号と監視対象機器の位置情報とを用いて、地震発生時のエレベータ機器の状態をより正確に判定することができる。これにより、地震発生時に、より効率的な運転方法を選択することができる。
特に、建物1が高層ビルである場合、全ての階に地震感知器21を設置するのは難しいため、実施の形態5の構成は有効である。
なお、60m以上の高層ビルでは、地震に対する建物の応答、即ち階応答加速度は、建物を設計する際に予め計算されている。図12は、高層ビルにおける階応答加速度と階数との関係の一例を示すグラフである。図12において、四角形は、地震感知器21の設置箇所を示している。
図12に示すような計算結果に基づいて、各ゾーン内で最も階応答加速度が大きい階に地震感知器21を設置することが好適である。これにより、建物1及びエレベータ機器に生じる最大の揺れを、より確実に検出することができる。
また、図9では、各ゾーン1〜3の最下階に地震感知器21が設置されている。しかし、各ゾーン1〜3内での地震感知器21の設置階は、最下階に限定されない。
また、図9では、各ゾーン1〜3内に1個の地震感知器21が設置されている。しかし、検出精度向上のため、各ゾーン1〜3内に2個以上の地震感知器21を設置してもよい。
また、ゾーンの数は、2つ又は4つ以上であってもよい。
また、図10では、地震感知器21の出力が加速度推定部22に直接入力されている。しかし、加速度推定部22は、実施の形態3と同様に、機器応答倍率の値を用いて、機器応答加速度を推定してもよい。また、加速度推定部22は、実施の形態4と同様に、監視対象機器の振動モデルを用いて、機器応答加速度を推定してもよい。
実施の形態6.
次に、図13は、この発明の実施の形態6によるエレベータ装置を示す構成図である。実施の形態6では、建物1の2以上の階、ここでは3つの階に、地震感知器21が設置されている。また、機械室3には、制御装置本体12Aが設置されている。制御装置本体12Aは、実施の形態3の制御装置12と同様のものである。
建物1の最下階には、建物揺れ推定部25が設置されている。建物揺れ推定部25は、制御装置本体12Aとは別体で構成されている。また、建物揺れ推定部25は、例えばコンピュータにより構成されている。
実施の形態6の制御装置12は、制御装置本体12Aと建物揺れ推定部25とを有している。
また、建物揺れ推定部25は、地震発生時に、地震感知器21からの信号に基づいて、監視対象機器が設置されている階の階応答加速度を求める。
地震感知器21が設置されている階に監視対象機器が設置されていない場合、制御装置12は、監視対象機器が設置されている階の階応答加速度を、検出された階応答加速度から推定する。
図14は、図13の建物揺れ推定部25による階応答加速度の推定方法を示すグラフである。図14において、四角形は、地震感知器21の設置箇所を示している。実施の形態6では、建物揺れ推定部25は、地震感知器21で検出された階応答加速度の値の間を、直線で補間する。
図15は、図13のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。各地震感知器21からの信号は、建物揺れ推定部25に入力される。建物揺れ推定部25は、図14に示すような推定方法を用いて、建物1の全ての階の階応答加速度を求める。
全ての階の階応答加速度の情報は、加速度推定部22に入力される。他の構成及び動作は、実施の形態3と同様である。
このようなエレベータ装置では、建物1に2個以上設定されている地震感知器21からの信号に基づいて、建物揺れ推定部25により、全ての階の階応答加速度が推定される。
このため、地震感知器21が一部の階のみに設置されている場合でも、地震感知器21からの信号と監視対象機器の位置情報とを用いて、地震発生時のエレベータ機器の状態をより正確に判定することができる。これにより、地震発生時に、より効率的な運転方法を選択することができる。
なお、実施の形態6では、全ての階の階応答加速度を建物揺れ推定部25から加速度推定部22に入力した。しかし、監視対象機器がかご4及び釣合おもり5である場合、かご4及び釣合おもり5の位置情報を建物揺れ推定部25に入力し、位置情報に対応する階の階応答加速度のみを、加速度推定部22に入力してもよい。
この場合、かご4の位置情報は、制御装置12から取得しても、他の位置センサから取得してもよい。また、釣合おもり5の位置情報は、かご4の位置情報から建物揺れ推定部25で演算しても、他の位置センサから取得してもよい。
また、監視対象機器が昇降体ではない場合、監視対象機器の位置情報を建物揺れ推定部25に予め設定しておき、必要な階応答加速度のみを、加速度推定部22に入力してもよい。
また、加速度推定部22は、全ての階の階応答加速度と、全ての階の機器応答倍率とから、全ての階の機器応答加速度を求め、判定部18に送ってもよい。この場合、判定部18は、監視対象機器の位置に対応する機器応答加速度を選択して、対応する閾値と比較すればよい。
また、実施の形態6では、加速度推定部22は、機器応答倍率を使用して、機器応答加速度を推定した。しかし、加速度推定部22は、実施の形態4と同様に、監視対象機器の振動モデルを用いて、機器応答加速度を推定してもよい。
実施の形態7.
次に、図16は、この発明の実施の形態7によるエレベータ装置を示す構成図である。また、図17は、図16のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。実施の形態7では、建物1の1つの階のみに地震感知器21が設置されている。
建物揺れ推定部25は、機能ブロックとして、建物振動モデル記憶部26を有している。建物振動モデル記憶部26は、建物1の振動モデルを、建物揺れ推定部25のメモリに記憶する。
また、建物揺れ推定部25は、地震感知器21からの信号に基づいて、全ての階の階応答加速度を求める。このとき、地震感知器21は、1つの階にしか設置されていないが、建物揺れ推定部25は、地震感知器21からの信号を入力として、建物1の振動モデルを用いて、全ての階の階応答加速度を求める。そして、階応答加速度の情報は、制御装置本体12Aに出力される。
加速度推定部22は、地震発生時に、入力された階応答加速度と、監視対象機器の位置情報とに基づいて、監視対象機器に発生した機器応答加速度を推定する。他の構成及び動作は、実施の形態6と同様である。
このようなエレベータ装置では、建物1の振動モデルを用いて、各階の階応答加速度を推定する。このため、最低1個の地震感知器21からの信号により、各階の階応答加速度を推定することができる。
なお、実施の形態7の建物揺れ推定部25は、2個以上の地震感知器21からの信号を用いてもよい。
また、実施の形態7では、全ての階の階応答加速度を建物揺れ推定部25から加速度推定部22に入力した。しかし、監視対象機器がかご4及び釣合おもり5である場合、かご4及び釣合おもり5の位置情報を建物揺れ推定部25に入力し、位置情報に対応する階の階応答加速度のみを、加速度推定部22に入力してもよい。
この場合、かご4の位置情報は、制御装置12から取得しても、他の位置センサから取得してもよい。また、釣合おもり5の位置情報は、かご4の位置情報から建物揺れ推定部25で演算しても、他の位置センサから取得してもよい。
また、監視対象機器が昇降体ではない場合、監視対象機器の位置情報を建物揺れ推定部25に予め設定しておき、必要な階応答加速度のみを、加速度推定部22に入力してもよい。
実施の形態8.
次に、図18は、この発明の実施の形態8によるエレベータ装置を示す構成図である。また、図19は、図18のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。実施の形態8では、第1の昇降体であるかご4に、かごセンサ13が設けられている。しかし、第2の昇降体である釣合おもり5には、釣合おもりセンサ14が設けられていない。また、機械室3に、機械室センサ15が設けられている。
建物揺れ推定部25は、実施の形態7と同様に、地震感知器21からの信号を入力として、建物1の振動モデルを用いて、全ての階の階応答加速度を求める。かごセンサ13及び機械室センサ15からの信号は、制御装置本体12Aに入力される。
加速度推定部22は、かごセンサ13からの信号に基づいて、監視対象機器であるかご4の機器応答加速度を検出する。また、加速度推定部22は、機械室センサ15からの信号に基づいて、機械室3に設置された監視対象機器の機器応答加速度を推定する。
また、加速度推定部22は、建物揺れ推定部25からの建物揺れ情報と、釣合おもり5の位置情報とに基づいて、監視対象機器である釣合おもり5の機器応答加速度を推定する。他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
このような構成によっても、地震発生時のエレベータ機器の状態をより正確に判定し、地震発生時に、より効率的な運転方法を選択することができる。
通常、釣合おもり5には配線がないが、かご4及び機械室3には配線が既に設置されている。このため、かご4にはかごセンサ13を設け、かご4の機器応答加速度を直接検出する。また、機械室3には機械室センサ15を設け、機械室3に設置された監視対象機器の機器応答加速度を、より正確に推定する。
一方、釣合おもり5は、実施の形態7と同様の方法により、機器応答加速度を推定する。これにより、釣合おもり5に新たな配線を設置する必要がなく、コストの増加を抑えることができる。
なお、実施の形態8では、実施の形態7と同様の方法で釣合おもり5の機器応答加速度を推定したが、実施の形態2〜6の方法により推定してもよい。
また、釣合おもり5に釣合おもりセンサ14を設け、かご4にかごセンサ13を設けないことも可能である。即ち、釣合おもり5が第1の昇降体であり、かご4が第2の昇降体であってもよい。
また、実施の形態6〜8の建物揺れ推定部25の設置場所は、特に限定されない。
また、実施の形態6〜8の建物揺れ推定部25は、制御装置12と一体化してもよい。即ち、建物揺れ推定部25の機能を制御装置12に持たせてもよい。
実施の形態9.
次に、図20は、この発明の実施の形態9によるエレベータ装置を示す構成図である。実施の形態9の制御装置31は、地震発生時に、地震感知器21からの信号に基づいて、管制運転及び自動診断運転の可否を判定する。また、制御装置31は、昇降体であるかご4の位置、及び昇降体である釣合おもり5の位置に応じて、管制運転及び自動診断運転の可否の判定基準を変更する。
また、制御装置31は、管制運転及び自動診断運転の可否の判定に用いる値に乗ずる倍率を、かご4の位置及び釣合おもり5の位置に応じて変更する。
ここで、地震が発生した際の建物1の揺れは、階によって異なるため、エレベータ機器の揺れも機器がある階によって異なる。このため、地震発生時のかご4の揺れ、即ち応答加速度も、例えば図21で示すように、地震発生時にかご4が位置している階によって異なる。
しかし、かご4がどの階に位置しているときに地震が発生するかは分からないため、かご4の強度は、最大の揺れに合わせて設計されている。ここでは、強度設計で使用されている、かご4が壊れない応答加速度を許容値と仮定する。例えば、図21では、最下階での応答加速度が許容値となる。
このように、かご4が許容できる応答加速度は一定の値であるのに対して、実際のかご4の揺れ方は、かご4が位置している階に依存する。このため、地震が発生したときのかご4の位置によって、かご4が耐えられる地震の大きさが変わることになる。
例えば、図21では、かご4が最下階に位置している場合に比べて、かご4が中間階に位置している場合に、より大きな地震に対して、かご4は強度的に耐えることができる。
このことは、釣合おもり5でも同様となる。そこで、図21で示すかご4の応答加速度と、図22で示す釣合おもり5の応答加速度とを重ね合わせると、図23となる。図23に示すように、かご4が中間階に位置している場合、かご4及び釣合おもり5の両方の応答加速度が小さくなるため、かご4及び釣合おもり5は、より大きな地震にも耐えることができる。
以上から、図23の最大応答加速度を最小応答加速度で除算すると、図24のように階によって変化する倍率が計算できる。図24では、かご4が地表と同じ高さに位置しているときよりも、中間階に位置しているときに、倍率が高くなっている。
但し、地震発生時の建物1の揺れは、実際には、入力される地震波の種類及び大きさによって異なる。そのため、かご4及び釣合おもり5の揺れも、実際には、地震波によって異なり、図21及び図22に示す揺れになるとは限らない。
そこで、実際の設計では、図25に示すように、様々な入力地震波に対するかご4及び釣合おもり5の応答加速度を計算する。そして、計算結果の最大値を、かご4及び釣合おもり5の応答加速度とし、この応答加速度から倍率を計算する。
なお、倍率は、エレベータ装置を据え付ける際に、建物1及びエレベータ装置に合わせて予め計算しておくものとする。
図26は、図20のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。制御装置31は、機能ブロックとして、運行制御部16、倍率記憶部32、判定部33、管制運転制御部19、及び診断運転制御部20を有している。運行制御部16、管制運転制御部19、及び診断運転制御部20は、実施の形態1と同様である。
倍率記憶部32は、上記のように計算した倍率を、制御装置31のメモリ103に記憶する。判定部33は、地震感知器21からの信号と、かご4の位置と、倍率とに基づいて、管制運転及び自動診断運転の可否を判定する。
図27は、図26の判定部33の判定動作を説明する説明図である。判定部には、管制運転に関する許容値と、自動診断運転に関する許容値とが設定されている。判定部33は、地震発生時に、かご4の位置に応じた倍率を選択する。
また、判定部33は、地震発生時に、管制運転に関する許容値に、選択した倍率を乗算して、管制運転の可否に関する第1の閾値を得る。また、判定部33は、地震発生時に、自動診断運転に関する許容値に、選択した倍率を乗算して、自動診断運転の可否に関する第2の閾値を得る。
例えば、倍率が図24に示すように変化している場合、かご4が地表と同じ高さに位置している場合の閾値と、かご4が中間階に位置している場合の閾値とは異なっている。具体的には、かご4が地表と同じ高さに位置している場合の閾値よりも、かご4が中間階に位置している場合の閾値の方が高い。
また、判定部33は、地震感知器21からの出力値と第1の閾値とを比較し、出力値が第1の閾値以下である場合に、管制運転が可能であると判定する。また、判定部33は、出力値が第1の閾値を超えている場合に、管制運転が不可であると判定する。
また、判定部33は、地震感知器21からの出力値と第2の閾値とを比較し、出力値が第2の閾値以下である場合に、自動診断運転が可能であると判定する。また、判定部33は、出力値が第2の閾値を超えている場合に、自動診断運転が不可であると判定する。
図28は、図26の制御装置31の動作を示すフローチャートである。制御装置31は、設定震度以上の震度が検出されると、図28の動作を開始する。図28の動作が開始されると、制御装置31は、まずステップS11において、かご4の位置を検出する。
続いて、制御装置31は、ステップS12において、かご4の位置に対応する倍率を選択する。そして、制御装置31は、ステップS2において、管制運転の可否を判定する。
ステップS2において管制運転が不可と判定された場合、制御装置31は、ステップS3においてかご4を急停止させる。この後、制御装置31は、ステップS4において、管制運転が実施されなかった旨を、管理室に報知する。
ステップS2において管制運転が可能と判定された場合、制御装置31は、ステップS5において、管制運転を実施する。
この後、制御装置31は、ステップS6において、地震が継続しているかどうかを判定する。即ち、制御装置31は、地震感知器21からの信号に基づいて、地震の揺れが継続しているかどうかを判定し、揺れが収まるまで待機する。
地震の揺れが収まると、制御装置31は、ステップS7において、自動診断運転の可否を判定する。
ステップS7において自動診断運転が不可と判定された場合、制御装置31は、ステップS4において、自動診断運転が実施されなかった旨を、管理室に報知する。
ステップS7において自動診断運転が可能と判定された場合、制御装置31は、ステップS8において、自動診断運転を実施し、処理を終了する。なお、自動診断運転実施後の動作の説明は、省略する。また、他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
このようなエレベータ装置では、制御装置31は、かご4の位置に応じて、管制運転の可否に関する第1の閾値と、自動診断運転の可否に関する第2の閾値とを変更する。このため、地震発生時に、より効率的なエレベータ装置の運転方法を選択することができる。
また、かご4が地表と同じ高さに位置している場合の閾値と、かご4が中間階に位置している場合の閾値とは異なっている。このため、地震発生時に、より効率的なエレベータ装置の運転方法を選択することができる。
また、制御装置31は、異なる複数の入力地震波に対して計算された、各階におけるかご4及び釣合おもり5の複数の応答加速度のうち、各階の最大値に基づいて、閾値を設定する。このため、あらゆる地震に対して、より効率的なエレベータ装置の運転方法を選択することができる。
なお、上記の例では、かご4の応答加速度と釣合おもり5の応答加速度とをそれぞれ別々に計算した。しかし、一般的なエレベータ装置では、かご4と釣合おもり5とは、ちょうど逆転した位置関係となる。そこで、図21で示すようなかご4の応答加速度を上下逆転し、釣合おもり5の応答加速度として利用する。
そして、この釣合おもり5の応答加速度を、図29に示すように、かご4の応答加速度と重ね合わせることで、かご4及び釣合おもり5の応答加速度する。この応答加速度に基づいて、図30に示すように倍率を算出することができる。
図30に示す倍率は、中間階を中心に、高さ方向に対称な形状となる。
また、かご4の揺れと釣合おもり5の揺れとがほぼ等しいと仮定すると、図30で示したように、倍率は上下対称の形状となる。よって、図31で示すように、3点の値をもとに直線近似することで、倍率とすることもできる。3点とは、最下階におけるかご4の応答加速度に対応する倍率と、折り返しとなる中間階におけるかご4の応答加速度に対応する倍率と、最上階におけるかご4の応答加速度に対応する倍率とである。
また、地震時の建物1の揺れは、通常、建物1の高さに応じて変化する。一般的には、60m以下の建物では、図32に示すように、最上階で最大加速度が発生する。一方、60mを超える高層建物では、図33に示すように、地上から最上階へ向かうほど、加速度が小さくなる。
図25では、詳細な建物揺れをもとに倍率を計算したが、特に建物1が60m以下である場合、建物揺れのデータを入手できない場合もある。この場合、建物1の高さに応じて設定された地震に対する建物1の応答加速度に基づいて、倍率を設定することもできる。即ち、建物1が60m以下である場合、図32に示した一般的な建物揺れのデータに基づいて、倍率を設定することもできる。
また、図32に示した建物揺れのデータを、図34に示すように、直線で近似することで、倍率を容易に計算することができる。
このように、詳細な建物揺れのデータがない場合でも、一般的な建物揺れのデータを用いて、汎用的な倍率を得ることができる。
なお、60mを超える高層建物について、図33に示した建物揺れのデータ、又は図33を直線で近似したデータに基づいて、倍率を設定してもよい。
また、図27では、許容値に倍率を乗じていたが、図35に示すように、かご4の位置に応じて地震感知器21からの信号、即ちセンサ出力に倍率を乗じても同様の効果が得られる。この場合の倍率は、図36に示すように、図27で示した倍率を左右反転した形状となる。
また、上記の例では、かご4の位置に応じて倍率を変更したが、釣合おもり5の位置に応じて倍率を変更してもよい。
また、上記の例では、地震対応運転の可否の判定に用いる値に倍率を乗じたが、地震対応運転の可否の判定基準をかご4の位置に応じて変更する方法は、倍率を乗ずる方法に限定されない。
また、実施の形態1〜9では、自動診断運転及び管制運転の可否を判定したが、どちらか一方のみの可否を判定してもよい。
また、地震対応運転の可否を判定する制御装置は、エレベータ装置の通常運転を制御する装置から切り離してもよい。
また、この発明は、同じ建物内に複数のエレベータ装置が設置されている場合にも適用できる。この場合、エレベータ装置毎に地震対応運転の可否を判定することで、地震発生時に、建物1全体として、より効率的なエレベータ装置の運転方法を選択することができる。
また、エレベータ装置全体のレイアウトは、図1等に示したレイアウトに限定されるものではない。例えば2:1ローピング方式のエレベータ装置にもこの発明は適用できる。
また、この発明は、種々のタイプのエレベータに適用できる。例えば、この発明は、機械室レスエレベータ、ダブルデッキエレベータ、又はワンシャフトマルチカー方式にも適用できる。ワンシャフトマルチカー方式は、上かごと、上かごの真下に配置された下かごとが、それぞれ独立して共通の昇降路を昇降する方式である。
1 建物、2 昇降路、4 かご(監視対象機器、第1の昇降体)、5 釣合おもり(監視対象機器、第2の昇降体)、12,31 制御装置、13 かごセンサ、14 釣合おもりセンサ、15 機械室センサ、21 地震感知器。

Claims (17)

  1. 地震発生時に、少なくとも1つのエレベータ機器である監視対象機器に発生した機器応答加速度に基づいて、自動診断運転及び管制運転の少なくともいずれか一方の可否を判定する制御装置
    を備えているエレベータ装置。
  2. 前記監視対象機器に設置されており、前記機器応答加速度に応じた信号を発生するセンサ
    をさらに備え、
    前記制御装置は、前記センサからの信号に基づいて、前記機器応答加速度を検出する請求項1記載のエレベータ装置。
  3. 前記制御装置は、前記監視対象機器が設置されている建物の揺れに関する情報である建物揺れ情報と、前記監視対象機器の位置情報とに基づいて、前記機器応答加速度を推定する請求項1記載のエレベータ装置。
  4. 前記制御装置は、前記建物揺れ情報として、前記建物に設置されている地震感知器からの信号を使用する請求項3記載のエレベータ装置。
  5. 前記制御装置は、前記機器応答加速度を推定するために、前記建物の階と前記監視対象機器の固有振動数とに応じて設定されている機器応答倍率の値を用いる請求項3又は請求項4に記載のエレベータ装置。
  6. 前記制御装置は、前記建物揺れ情報を入力として、前記監視対象機器の振動モデルを用いて、前記機器応答加速度を推定する請求項3又は請求項4に記載のエレベータ装置。
  7. 前記制御装置は、前記地震感知器からの信号に基づいて、前記地震感知器が設置されている階の地震に対する応答加速度である階応答加速度を求め、前記階応答加速度を前記建物揺れ情報として使用する請求項4記載のエレベータ装置。
  8. 前記制御装置は、前記地震感知器からの信号を入力として、前記建物の振動モデルを用いて、前記階応答加速度を求める請求項7記載のエレベータ装置。
  9. 前記監視対象機器は、昇降路を昇降する第1の昇降体と第2の昇降体とを含み、
    前記第1の昇降体には、前記第1の昇降体の前記機器応答加速度に応じた信号を発生するセンサが設けられており、
    前記制御装置は、
    前記センサからの信号に基づいて、前記第1の昇降体の前記機器応答加速度を検出し、
    前記監視対象機器が設置されている建物の揺れに関する情報である建物揺れ情報と、前記第2の昇降体の位置とに基づいて、前記第2の昇降体の前記機器応答加速度を推定する請求項1記載のエレベータ装置。
  10. 地震発生時に、建物に設定されている地震感知器からの信号に基づいて、自動診断運転及び管制運転の少なくともいずれか一方である地震対応運転の可否を判定するとともに、昇降路を昇降する昇降体の位置に応じて、前記地震対応運転の可否の判定基準を変更する制御装置
    を備えているエレベータ装置。
  11. 前記制御装置は、前記地震対応運転の可否の判定に用いる値に乗ずる倍率を、前記昇降体の位置に応じて変更する請求項10記載のエレベータ装置。
  12. 前記昇降体が地表と同じ高さに位置している場合の前記倍率と、前記昇降体が中間階に位置している場合の前記倍率とが異なっている請求項11記載のエレベータ装置。
  13. 前記倍率は、異なる複数の入力地震波に対して計算された、各階における前記昇降体の複数の応答加速度のうち、各階の最大値に基づいて設定される請求項11又は請求項12に記載のエレベータ装置。
  14. 前記昇降体は、かご及び釣合おもりを含み、
    各階における前記倍率は、地震に対する前記かごの応答加速度と前記釣合おもりの応答加速度との最大値を用いて設定される請求項11から請求項13までのいずれか1項に記載のエレベータ装置。
  15. 前記釣合おもりの応答加速度として、前記かごの応答加速度を高さ方向に反転したものが利用されている請求項14記載のエレベータ装置。
  16. 前記倍率は、前記昇降体が前記建物の最下階、中間階、及び最上階に位置しているときの前記倍率を直線で近似して設定される請求項11記載のエレベータ装置。
  17. 前記倍率は、前記建物の高さに応じて設定された地震に対する前記建物の応答加速度に基づいて設定される請求項11記載のエレベータ装置。
JP2020533972A 2018-08-01 2018-08-01 エレベータ装置 Active JP7080326B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2018/028905 WO2020026384A1 (ja) 2018-08-01 2018-08-01 エレベータ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020026384A1 true JPWO2020026384A1 (ja) 2021-01-07
JP7080326B2 JP7080326B2 (ja) 2022-06-03

Family

ID=69230600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020533972A Active JP7080326B2 (ja) 2018-08-01 2018-08-01 エレベータ装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7080326B2 (ja)
CN (1) CN112469656B (ja)
WO (1) WO2020026384A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7239026B1 (ja) 2022-01-17 2023-03-14 三菱電機株式会社 エレベータ装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009155042A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Toshiba Elevator Co Ltd 群管理エレベータ性能評価装置
JP2010215410A (ja) * 2009-02-20 2010-09-30 Mitsubishi Electric Corp エレベータのロープ揺れ検出装置及びそれを用いた地震自動復旧運転制御方法
JP2013216456A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータの制御装置
JP2013237547A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Hitachi Building Systems Co Ltd エレベータの制御装置
US20150246791A1 (en) * 2014-02-28 2015-09-03 Thyssenkrupp Elevator Ag Elevator System
JP2015174706A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 フジテック株式会社 エレベータ装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4867813B2 (ja) * 2007-06-20 2012-02-01 三菱電機株式会社 エレベータの地震時管制運転システム
JP4597174B2 (ja) * 2007-09-19 2010-12-15 株式会社日立製作所 エレベーター装置
CN101407294B (zh) * 2007-10-11 2010-09-29 株式会社日立制作所 电梯控制装置以及电梯安装施工方法
JP2009120337A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータ仮復旧運転システム
JP4675390B2 (ja) * 2008-03-18 2011-04-20 三菱電機株式会社 エレベータの地震復旧装置
JP5224933B2 (ja) * 2008-06-25 2013-07-03 株式会社日立製作所 エレベーターの復旧運転方法および装置
CN101811635B (zh) * 2009-02-20 2012-09-26 三菱电机株式会社 电梯的绳索摆动检测装置及地震自动恢复运转控制方法
JP6082358B2 (ja) * 2014-03-17 2017-02-15 株式会社日立ビルシステム 地震時復旧診断運転装置
JP2016069112A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 株式会社日立製作所 エレベーター装置およびエレベーター装置の地震時仮復旧運転装置
JP6717390B2 (ja) * 2017-01-17 2020-07-01 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 エレベーターの自動復旧システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009155042A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Toshiba Elevator Co Ltd 群管理エレベータ性能評価装置
JP2010215410A (ja) * 2009-02-20 2010-09-30 Mitsubishi Electric Corp エレベータのロープ揺れ検出装置及びそれを用いた地震自動復旧運転制御方法
JP2013216456A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータの制御装置
JP2013237547A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Hitachi Building Systems Co Ltd エレベータの制御装置
US20150246791A1 (en) * 2014-02-28 2015-09-03 Thyssenkrupp Elevator Ag Elevator System
JP2015174706A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 フジテック株式会社 エレベータ装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN112469656B (zh) 2022-05-10
WO2020026384A1 (ja) 2020-02-06
CN112469656A (zh) 2021-03-09
JP7080326B2 (ja) 2022-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4849397B2 (ja) エレベータの異常検出装置
JP6049902B2 (ja) エレベータ診断装置
JP4994633B2 (ja) エレベータの自動点検装置
JP6987255B2 (ja) エレベータ診断システム
JP2010006496A (ja) エレベーターの復旧運転方法および装置
JP4850477B2 (ja) エレベータ装置の自動点検方法及びエレベータ制御装置
JP5746438B2 (ja) エレベータの制御システム、及びエレベータの制御方法
JP5738948B2 (ja) エレベータ制御装置
JP2010052924A (ja) エレベータの制御装置
JP4859387B2 (ja) エレベーターの地震時運転装置
JP6480840B2 (ja) エレベータ及びエレベータの管制運転方法
JP7080326B2 (ja) エレベータ装置
JPH0637269B2 (ja) エレベ−タ−の管制運転装置
JP4828215B2 (ja) エレベータ制御装置
JP5535441B2 (ja) エレベータの管制運転装置
JP2008044701A (ja) エレベータの地震管制運転装置
WO2021144932A1 (ja) エレベーターの判定装置
JP4849395B2 (ja) エレベータの異常検出装置
JP2011051739A (ja) エレベータの制御装置
JP6975108B2 (ja) エレベーター診断システム、および、エレベーターの診断方法
JP6776955B2 (ja) 異常音の検出方法
WO2019077645A1 (ja) エレベータの制御装置及び制御方法
JP2021046304A (ja) エレベーター異常診断システム、エレベーター異常診断装置及びエレベーター異常診断方法
WO2020179062A1 (ja) エレベーター装置
JP2019043747A (ja) エレベーター地震時自動診断システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210914

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7080326

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150