JPWO2019225363A1 - 感光性転写材料、樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法 - Google Patents

感光性転写材料、樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

仮支持体と、感光性樹脂層とを有し、上記感光性樹脂層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体A、光酸発生剤、及び、フッ素原子を有する構成単位を含む重合体Fを含み、上記重合体Fにおけるフッ素原子の含有量が、上記重合体Fの全質量に対し、20質量%以上50質量%以下であり、上記重合体Fが、f1又はf2のいずれかを満たす感光性転写材料、並びに、上記感光性転写材料を用いた樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法。f1:上記重合体FのI/O値が、0.45以上である。f2:上記重合体FのI/O値が、0.45未満であり、かつ上記重合体Fが、酸基又は塩基性基を有する構成単位を含む。

Description

本開示は、感光性転写材料、樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法に関する。
静電容量型入力装置などのタッチパネルを備えた表示装置(有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置及び液晶表示装置など)では、視認部のセンサーに相当する電極パターン、周辺配線部分及び取り出し配線部分の配線などの導電層パターンがタッチパネル内部に設けられている。
一般的にパターン化した層の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少ないといったことから、感光性転写材料を用いて任意の基板上に設けた感光性樹脂組成物の層に対して、所望のパターンを有するマスクを介して露光した後に現像する方法が広く使用されている。
また、従来の感光性転写材料としては、特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1には、仮支持体と、下記一般式Aで表される構成単位及び酸基を有する構成単位を含み、かつ、ガラス転移温度が90℃以下である重合体、並びに光酸発生剤を含むポジ型感光性樹脂層と、を有する感光性転写材料が開示されている。
Figure 2019225363
一般式A中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR31及びR32のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよい。R34は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又はアリーレン基を表す。
また、従来の感光性樹脂組成物としては、特許文献2に記載されたものが知られている。
特許文献2には、(A)単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、(C)炭素数5以上のアルキル基を有するアルカリ可溶性化合物、(D)溶剤を含有することを特徴とする液浸露光用ポジ型レジスト組成物が開示されている。
特許文献1:特開2017−156735号公報
特許文献2:特開2006−48029号公報
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、面状に優れ、かつ得られるパターンのディンプル抑制性に優れる感光性転写材料を提供することである。
また、本発明の他の一実施形態が解決しようとする課題は、上記感光性転写材料を用いた樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 仮支持体と、感光性樹脂層とを有し、上記感光性樹脂層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体A、光酸発生剤、及び、フッ素原子を有する構成単位を含む重合体Fを含み、上記重合体Fにおけるフッ素原子の含有量が、上記重合体Fの全質量に対し、20質量%以上50質量%以下であり、上記重合体Fが、下記f1又はf2のいずれかを満たす感光性転写材料。
f1:上記重合体FのI/O値が、0.45以上である。
f2:上記重合体FのI/O値が、0.45未満であり、かつ上記重合体Fが、酸基又は塩基性基を有する構成単位を含む。
<2> 上記重合体Fが、ヒドロキシ基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、アミド構造、ラクトン構造、チオエステル結合、ウレア結合、チオウレア結合、ウレタン結合、及び、シアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に有する構成単位を含む<1>に記載の感光性転写材料。
<3> 上記重合体Fが、上記f2を満たす<1>又は<2>に記載の感光性転写材料。
<4> 上記重合体Fが、上記酸基を有する構成単位として、カルボキシ基を有する構成単位を含む<3>に記載の感光性転写材料。
<5> 上記重合体Fの含有量が、上記感光性樹脂層の全質量に対し、0.01質量%以上1質量%以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<6> 上記重合体Fのガラス転移温度が、50℃以下である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<7> 上記重合体Aの酸価が、0.5mmol/g以下である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<8> 上記重合体AのI/O値が、0.65以下である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<9> 上記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位が、下記式Aで表される構成単位である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
Figure 2019225363
式A中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR31及びR32のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は2価の連結基を表す。
<10> 上記光酸発生剤が、スルホン酸を発生する光酸発生剤である<1>〜<9>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<11> <1>〜<10>のいずれか1つに記載の感光性転写材料における上記感光性樹脂層側の最外層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像してパターンを形成する工程と、をこの順に含む樹脂パターンの製造方法。
<12> <1>〜<10>のいずれか1つに記載の感光性転写材料における上記感光性樹脂層側の最外層を、導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像してパターンを形成する工程と、上記パターンが配置されていない領域における導電層をエッチング処理する工程と、をこの順に含む回路配線の製造方法。
<13> 上記導電性層が、銅を含む層である<12>に記載の回路配線の製造方法。
<14> <1>〜<10>のいずれか1つに記載の感光性転写材料における上記感光性樹脂層側の最外層を、導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像してパターンを形成する工程と、上記パターンが配置されていない領域における導電層をエッチング処理する工程と、をこの順に含むタッチパネルの製造方法。
本発明の一実施形態によれば、面状に優れ、かつ得られるパターンのディンプル抑制性に優れる感光性転写材料を提供することができる。
また、本発明の他の一実施形態によれば、上記感光性転写材料を用いた樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法を提供することができる。
本開示に係る感光性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。 パターンAを示す概略図である。 パターンBを示す概略図である。
以下、本開示の内容について説明する。なお、添付の図面を参照しながら説明するが、符号は省略する場合がある。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表す。
更に、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も含む。また、露光に用いられる光としては、一般的に、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線(活性エネルギー線)が挙げられる。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶媒THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
(感光性転写材料)
本開示に係る感光性転写材料は、仮支持体と、感光性樹脂層とを有し、上記感光性樹脂層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体A、光酸発生剤、及び、フッ素原子を有する構成単位を含む重合体Fを含み、上記重合体Fにおけるフッ素原子の含有量が、上記重合体Fの全質量に対し、20質量%以上50質量%以下であり、上記重合体Fが、下記f1又はf2のいずれかを満たす。
f1:上記重合体FのI/O値が、0.45以上である。
f2:上記重合体FのI/O値が、0.45未満であり、かつ上記重合体Fが、酸基又は塩基性基を有する構成単位を含む。
また、本開示に係る感光性転写材料は、ポジ型感光性転写材料である。
従来の感光性材料では、得られるパターン側壁にディンプルと呼ばれる小さな窪みが生じることがあった。本発明者らは、ディンプルを改良するためには、界面活性剤を親水的にすることが重要であることを見出した。
しかしながら、単に親水的な界面活性剤を用いた場合、得られる塗布膜の面状が悪くなることもわかった。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記構成の感光性転写材料とすることにより、面状に優れ、かつ得られるパターンのディンプル抑制性に優れることを見出した。
詳細な上記効果の発現機構は不明であるが、本発明者らは以下のように推定している。
感光性転写材料は、基板への転写前と転写後とで、感光性樹脂層の上下が反転するため、感光性樹脂層の表面に存在する界面活性剤は、基板界面に存在することになると考えられる。このとき、表面が変化した転写後の感光性樹脂層において、上記界面活性剤は、膜中に拡散していくことになると推定している。
上記感光性樹脂層において、上記重合体Fが、上記f1又はf2のいずれかを満たすことにより、感光性樹脂層中において、上記重合体Fが光酸発生剤及び露光により発生した酸に配位し、光酸発生剤及び発生した酸が十分に分散され、発生した酸による局所的な親水部の形成が抑制され、アルカリ溶解速度が異なる箇所の形成が抑制されるので、ディンプルの発生を抑制できたものと推定している。また、上記重合体Fにおけるフッ素原子の含有量が、上記重合体Fの全質量に対し、20質量%以上50質量%以下であることにより、得られる塗布膜の面状が良化したものと推定している。
以下、本開示に係る感光性転写材料について、詳細に説明する。
図1は、本開示に係る感光性転写材料の層構成の一例を概略的に示している。図1に示す感光性転写材料100は、仮支持体10と、感光性樹脂層12と、カバーフィルム14とがこの順に積層されている。
感光性樹脂層12は、上記感光性樹脂層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体A、光酸発生剤、及び、フッ素原子を有する構成単位を含む重合体Fを含み、上記重合体Fにおけるフッ素原子の含有量が、上記重合体Fの全質量に対し、20質量%以上50質量%以下であり、上記重合体Fが、上記f1又はf2のいずれかを満たす。
以下、本開示に係る感光性転写材料の構成材料等について説明する。
<仮支持体>
仮支持体は、感光性樹脂層を支持し、剥離可能な支持体である。
本開示に用いられる仮支持体は、感光性樹脂層をパターン露光する際に仮支持体を介して感光性樹脂層を露光し得る観点から光透過性を有することが好ましい。
本開示において、光透過性を有するとは、パターン露光に使用する光の主波長の透過率が50%以上であることを意味し、パターン露光に使用する光の主波長の透過率は、露光感度向上の観点から、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透過率の測定方法としては、大塚電子(株)製MCPD Seriesを用いて測定する方法が挙げられる。
仮支持体としては、ガラス基板、樹脂フィルム、紙等が挙げられ、強度及び可撓性等の観点から、樹脂フィルムが特に好ましい。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。中でも、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚みは、特に限定されず、5μm〜200μmの範囲が好ましく、取扱い易さ、汎用性などの点で、10μm〜150μmの範囲がより好ましい。
仮支持体の厚みは、支持体としての強度、配線形成用基板との貼り合わせに求められる可撓性、最初の露光工程で要求される光透過性などの観点から、材質に応じて選択すればよい。
仮支持体の好ましい態様については、例えば、特開2014−85643号公報の段落0017〜段落0018に記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
<感光性樹脂層>
本開示に係る感光性転写材料は、仮支持体と、感光性樹脂層とを少なくとも有し、上記感光性樹脂層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体A、光酸発生剤、及び、フッ素原子を有する構成単位を含む重合体Fを含み、上記重合体Fにおけるフッ素原子の含有量が、上記重合体Fの全質量に対し、20質量%以上50質量%以下であり、上記重合体Fが、下記f1又はf2のいずれかを満たす。
f1:上記重合体FのI/O値が、0.45以上である。
f2:上記重合体FのI/O値が、0.45未満であり、かつ上記重合体Fが、酸基又は塩基性基を有する構成単位を含む。
上記感光性樹脂層は、化学増幅ポジ型感光性樹脂層であることが好ましい。
後述するオニウム塩やオキシムスルホネート化合物等の光酸発生剤は、活性光線に感応して生成される酸が、酸分解性で保護された酸基を有するバインダー中の保護された酸基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られる。
一方、活性光線に感応する光酸発生剤としてキノンジアジド化合物(NQD)を用いた場合、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下であり、化学増幅型には該当しない。
<<フッ素原子を有する構成単位を含む重合体F>>
上記感光性樹脂層は、フッ素原子を有する構成単位を含む重合体Fを含み、上記重合体Fにおけるフッ素原子の含有量が、上記重合体Fの全質量に対し、20質量%以上50質量%以下であり、上記重合体Fが、下記f1又はf2のいずれかを満たす。
f1:上記重合体FのI/O値が、0.45以上である。
f2:上記重合体FのI/O値が、0.45未満であり、かつ上記重合体Fが、酸基又は塩基性基を有する構成単位を含む。
重合体Fは、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する構成単位を有する重合体であることがより好ましい。
−重合体Fにおけるフッ素原子の含有量−
上記重合体Fにおけるフッ素原子の含有量が、上記重合体Fの全質量に対し、20質量%以上50質量%以下である。
また、上記重合体Fにおけるフッ素原子の含有量が、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、20質量%以上45質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
本開示における上記重合体Fにおけるフッ素原子の含有量は、重合体F全体に対する質量基準のフッ素原子の含有量であり、重合体Fの化学構造の解析又は元素分析を行い、(重合体Fにおけるフッ素原子の全質量)/(重合体Fの全質量)より算出することができる。
−重合体FのI/O値、f1及びf2−
上記重合体FのI/O値は、特に制限はないが、上記重合体FのI/O値が0.45未満である場合、上記重合体Fは、後述する酸基又は塩基性基を有する構成単位を含む。
本開示におけるI/O値は、有機概念図に基づく無機性値Iを有機性値Oで除したI/O値である。
上記I/O値については、有機概念図(甲田善生 著、三共出版(1984));KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725項(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111項(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82項(1981年);などの文献に詳細な説明がある。I/O値の概念は、化合物の性質を、共有結合性を表す有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、全ての有機化合物を有機軸、無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけて示すものである。
上記重合体FのI/O値は、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点から、0.20以上であることが好ましく、0.30以上であることがより好ましく、0.30以上1.50以下であることが更に好ましい。
また、上記重合体Fは、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、酸基又は塩基性基を有する構成単位を含むことが好ましく、上記f2を満たすことがより好ましい。
また、上記重合体FのI/O値Iと上記重合体AのI/O値Iとの比(I/I)は、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、0.4〜3であることが好ましく、0.5〜2.5であることがより好ましく、0.5〜1.2であることが更に好ましく、0.5以上1.0未満であることが特に好ましい。
更に、上記重合体Fが酸基又は塩基性基を有する構成単位を含む場合、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、上記重合体FのI/O値よりも上記重合体AのI/O値が大きいことが好ましい。
−重合体Fのガラス転移温度(Tg)−
上記重合体Fのガラス転移温度(Tg)は、パターン形成性、転写性、及び、得られるパターンの面状の観点から、90℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、−30℃以上50℃以下であることが更に好ましく、−10℃以上20℃以下であることが特に好ましい。また、上記範囲であると、カバーフィルムを用いる場合、カバーフィルムの密着不良、または、カバーフィルムを剥離する際の剥離不良が抑制される。
また、重合体Fのガラス転移温度は、パターン形成性、転写性、及び、得られるパターンの面状の観点から、重合体Aのガラス転移温度よりも低いことが好ましく、重合体Aのガラス転移温度よりも10℃〜100℃低いことがより好ましく、重合体Aのガラス転移温度よりも40℃〜90℃低いことが更に好ましく、重合体Aのガラス転移温度よりも60℃〜80℃低いことが特に好ましい。
本開示における重合体のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定することができる。
具体的な測定方法は、JIS K 7121(1987年)に記載の方法に順じて行う。本明細書におけるガラス転移温度は、補外ガラス転移開始温度(以下、Tigと称することがある。)を用いる。
ガラス転移温度の測定方法をより具体的に説明する。
ガラス転移温度を求める場合、予想される重合体のTgより約50℃低い温度にて装置が安定するまで保持した後、加熱速度:20℃/分で、ガラス転移が終了した温度よりも約30℃高い温度まで加熱し、DTA曲線又はDSC曲線を描かせる。
補外ガラス転移開始温度(Tig)、すなわち、本明細書におけるガラス転移温度Tgは、DTA曲線又はDSC曲線における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度として求める。
重合体のTgを、既述の好ましい範囲に調整する方法としては、例えば、目的とする重合体の各構成単位の単独重合体のTgと各構成単位の質量比より、FOX式を指針にして、目的とする重合体のTgを制御することが可能である。
FOX式について
重合体に含まれる第1の構成単位の単独重合体のTgをTg1、第1の構成単位の共重合体における質量分率をW1とし、第2の構成単位の単独重合体のTgをTg2とし、第2の構成単位の共重合体における質量分率をW2としたときに、第1の構成単位と第2の構成単位とを含む共重合体のTg0(K)は、以下の式にしたがって推定することが可能である。
FOX式:1/Tg0=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)
既述のFOX式を用いて、共重合体に含まれる各構成単位の種類と質量分率を調整して、所望のTgを有する共重合体を得ることができる。
また、重合体の重量平均分子量を調整することにより、重合体のTgを調整することも可能である。
−重合体Fの重量平均分子量(Mw)−
重合体Fの重量平均分子量(Mw)は、2,000以上であることが好ましく、2,000〜100,000であることがより好ましく、2,000〜20,000であることが更に好ましい。
なお、重合体F及び重合体Aの重量平均分子量及び数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定することができ、測定装置としては、様々な市販の装置を用いることができ、装置の内容、及び、測定技術は当業者に公知である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量の測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super HZM−M(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ4000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ3000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ2000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)をそれぞれ1本、直列に連結したものを用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いることができる。
また、測定条件としては、試料濃度を0.2質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行うことができる。
検量線は、東ソー(株)製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」及び「A−1000」の7サンプルのいずれかのサンプルを少なくとも2つ以上用いて作製できる。
重合体Fの数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn、分散度)は、1.0〜5.0が好ましく、1.05〜3.5がより好ましい。
−フッ素原子を有する構成単位−
上記重合体Fは、フッ素原子を有する構成単位を含む。
上記フッ素原子を有する構成単位におけるフッ素原子の数は、上記フッ素原子の含有量を満たす数であればよいが、塗布時の面状の観点から、5以上50以下であることが好ましく、7以上30以下であることがより好ましく、7以上20以下であることが更に好ましい。
上記フッ素原子を有する構成単位は、塗布時の面状の観点から、フッ素原子をパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアリール基として有することが好ましく、パーフルオロアルキル基として有することがより好ましい。言い換えると、上記フッ素原子を有する構成単位は、塗布時の面状の観点から、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアリール基を有することが好ましく、パーフルオロアルキル基を有することがより好ましい。
上記パーフルオロアルキル基の炭素数は、塗布時の面状の観点から、4以上30以下であることが好ましく、6以上24以下であることがより好ましく、9以上15以下であることが特に好ましい。
上記フッ素原子を有する構成単位は、塗布時の面状の観点から、下記式F−1で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2019225363
式F−1中、Rf1は、水素原子又はメチル基を表し、Xf1は、単結合、−COO−、−OCO−、又は、アリーレン基を表し、Lf1は、単結合、アルキレン基、又は、アルキレン基、−COO−、−OCO−及びアリーレン基よりなる群から選ばれた基を2種以上結合した基を表し、Rfは、パーフルオロアルキル基を表す。
式F−1におけるXf1は、入手性及び合成適性の観点から、単結合、又は、−COO−であることが好ましく、−COO−であることがより好ましい。
式F−1におけるLf1は、入手性及び合成適性の観点から、アルキレン基、又は、−COO−、−OCO−及びアリーレン基よりなる群から選ばれた基を2種以上結合した基であることが好ましく、アルキレン基、又は、−COO−及び−OCO−よりなる群から選ばれた基を2種以上結合した基であることがより好ましく、アルキレン基であることが特に好ましい。
上記アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環構造を有していてもよい。また、上記アルキレン基は、炭素数2〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基、エチレン基であることが特に好ましい。
式F−1におけるRfは、塗布時の面状の観点から、炭素数4〜30のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜24のパーフルオロアルキル基であることがより好ましく、炭素数9〜15のパーフルオロアルキル基であることが特に好ましい。
上記パーフルオロアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環構造を有していてもよいが、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び塗布時の面状の観点から、直鎖又は分岐パーフルオロアルキル基であることが好ましく、直鎖パーフルオロアルキル基であることがより好ましい。
重合体Fは、フッ素原子を有する構成単位を1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
フッ素原子を有する構成単位は、後述する酸基又は塩基性基を有する構成単位及び親水性基を有する構成単位とは異なる構成単位であることが好ましい。また、酸基又は塩基性基を有する構成単位及び親水性基を有する構成単位は、フッ素原子を有しないことが好ましい。
上記重合体Fは、塗布時の面状の観点から、フッ素原子を有する構成単位を、重合体Fの全質量に対し、20質量%以上99質量%以下含むことが好ましく、30質量%以上99質量%以下含むことがより好ましく、30質量%以上95質量%以下含むことが更に好ましく、35質量%以上70質量%以下含むことが特に好ましい。
重合体Fにおけるフッ素原子を有する構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定又は19F−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
−酸基又は塩基性基を有する構成単位−
上記重合体Fは、そのI/O値が0.45未満である場合、酸基又は塩基性基を有する構成単位を含む。
また、上記重合体Fは、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点から、酸基又は塩基性基を有する構成単位を含むことが好ましい。
本明細書における酸基とは、pKaが11以下のプロトン解離性基を意味する。酸基は、例えば、酸基を形成しうるモノマーを用いて、酸基を有する構成単位として、重合体に組み込まれる。感度向上の観点から、酸基のpKaは、10以下が好ましく、6以下がより好ましい。また、酸基のpKaは、−5以上であることが好ましい。
上記酸基としては、カルボキシ基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、及び、スルホニルイミド基等が例示される。中でも、カルボキシ基及びフェノール性水酸基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸基が好ましい。
重合体への酸基を有する構成単位の導入は、酸基を有するモノマーを共重合させることで行うことができる。
酸基を有する構成単位は、スチレンに由来する構成単位若しくはビニル化合物に由来する構成単位に対して酸基が置換した構成単位、又は、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位であることがより好ましい。
酸基を有する構成単位としては、パターン形成性、並びに、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点から、カルボキシ基を有する構成単位、又は、フェノール性水酸基を有する構成単位が好ましく、カルボキシ基を有する構成単位がより好ましい。
酸基を有する構成単位を形成しうる酸基を有するモノマーは既述の例に限定されない。
重合体Fに含まれる酸基を有する構成単位は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
上記重合体Fは、パターン形成性、並びに、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点から、重合体Fの全質量に対し、酸基を有する構成単位を0.1質量%〜20質量%含むことが好ましく、0.5質量%〜15質量%含むことがより好ましく、1質量%〜10質量%含むことが更に好ましい。
重合体Fにおける酸基を有する構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
塩基性基としては、パターン形成性、及び、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点から、窒素原子を有する基であることが好ましく、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基、又は、含窒素複素芳香環基であることがより好ましく、脂肪族アミノ基、又は、含窒素複素芳香環基であることが更に好ましく、脂肪族アミノ基が特に好ましい。
脂肪族アミノ基としては、第一級アミノ基、第二級アミノ基、又は、第三級アミノ基のいずれであってもよいが、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、第二級アミノ基、又は、第三級アミノ基であることが好ましく、第三級アミノ基であることがより好ましい。
第三級アミノ基としては、ジアルキルアミノ基、又は、N−アルキルモルフォリノ基が好ましい。
塩基性基を有する構成単位は、(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位であることが好ましい。
重合体Fに含まれる塩基性基を有する構成単位は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
上記重合体Fは、パターン形成性、並びに、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点から、重合体Fの全質量に対し、塩基性基を有する構成単位を0.1質量%〜50質量%含むことが好ましく、1質量%〜40質量%含むことがより好ましく、5質量%〜30質量%含むことが更に好ましい。
重合体Fにおける塩基性基を有する構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
上記酸基又は塩基性基を有する構成単位は、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点から、下記式F−2で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2019225363
式F−2中、Rf2は、水素原子又はメチル基を表し、Xf2は、単結合、−COO−、−OCO−、又は、アリーレン基を表し、Lf2は、単結合、アルキレン基、又は、アルキレン基、−COO−、−OCO−及びアリーレン基よりなる群から選ばれた基を2種以上結合した基を表し、Rは、酸基又は塩基性基を表す。
式F−2におけるXf2は、入手性及び合成適性の観点から、単結合、又は、−COO−であることが好ましい。
式F−2におけるLf2は、入手性及び合成適性の観点から、単結合、アルキレン基、又は、アルキレン基、−COO−及び−OCO−よりなる群から選ばれた基を2種以上結合した基であることが好ましく、単結合、又は、アルキレン基であることがより好ましい。
上記アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環構造を有していてもよい。また、上記アルキレン基は、炭素数2〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基であることがより好ましく、エチレン基又はプロピレン基であることが特に好ましい。
式F−2におけるRpは、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点から、カルボキシ基、又は、窒素原子を有する基であることが好ましく、カルボキシ基、又は、第三級アミノ基を有する基であることがより好ましく、カルボキシ基、ジアルキルアミノ基、又は、N−アルキルモルフォリノ基であることが特に好ましい。
また、上記酸基又は塩基性基を有する構成単位は、酸基及び塩基性基以外に、後述する親水性基を更に有していてもよい。
更に、上記酸基又は塩基性基を有する構成単位は、後述する親水性基を有する構成単位とは異なる構成単位である。
−親水性基を有する構成単位−
上記重合体Fは、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点から、親水性基を有する構成単位を含むことが好ましく、親水性基を側鎖に有する構成単位を含むことがより好ましい。
また、本開示において、「主鎖」とは樹脂を構成する高分子化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖を表し、「側鎖」とは主鎖から枝分かれしている炭素鎖を表す。
親水性基としては、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、ヒドロキシ基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、アミド構造、ラクトン構造、エステル結合、チオエステル結合、ウレア結合、チオウレア結合、ウレタン結合、及び、シアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造が好ましく、ヒドロキシ基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、アミド構造、ラクトン構造、チオエステル結合、ウレア結合、チオウレア結合、ウレタン結合、及び、シアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造がより好ましく、ヒドロキシ基、エーテル結合、アミド構造、ラクトン構造、ウレア結合、ウレタン結合、及び、シアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造が更に好ましく、ヒドロキシ基、鎖状エーテル構造又は環状エーテル基であることが特に好ましい。
言い換えると、上記重合体Fは、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び塗布時の面状の観点から、ヒドロキシ基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、アミド構造、ラクトン構造、エステル結合、チオエステル結合、ウレア結合、チオウレア結合、ウレタン結合、及び、シアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を有する構成単位を含むことが好ましく、ヒドロキシ基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、アミド構造、ラクトン構造、チオエステル結合、ウレア結合、チオウレア結合、ウレタン結合、及び、シアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造がより好ましく、ヒドロキシ基、エーテル結合、アミド構造、ラクトン構造、ウレア結合、ウレタン結合、及び、シアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を有する構成単位を含むことが更に好ましく、ヒドロキシ基又は環状エーテル基を有する構成単位を含むことが特に好ましい。
上記環状エーテル基は、4員環〜6員環の環状エーテル環を有する基であることが好ましく、5員環又は6員環の環状エーテル環を有する基であることがより好ましく、5員環の環状エーテル環を有する基であることが特に好ましい。
中でも、上記環状エーテル基としては、テトラヒドロフラニル基、又は、テトラヒドロピラニル基が好ましく、テトラヒドロフラニル基がより好ましい。
また、上記カルボニル基及びエーテル結合は、エステル結合を形成していないカルボニル基及びエーテル結合であることを意味している。
上記親水性を有する構成単位は、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び塗布時の面状の観点から、下記式F−3で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2019225363
式F−3中、Rf3は、水素原子又はメチル基を表し、Xf3は、単結合、−COO−、−OCO−、−CONR−、又は、アリーレン基を表し、Lf3は、単結合、アルキレン基、又は、アルキレン基、−COO−、−OCO−、−O−及びアリーレン基よりなる群から選ばれた基を2種以上結合した基を表し、Raqは、親水性基を表し、Rは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
式F−3におけるXf3は、入手性及び合成適性の観点から、−COO−又は−CONRa−であることが好ましく、−COO−であることがより好ましい。
式F−3におけるLf3は、入手性、合成適性及び面状の観点から、アルキレン基、又は、−COO−、−OCO−、−O−及びアリーレン基よりなる群から選ばれた基であることが好ましく、アルキレン基、又は、−COO−及び−OCO−よりなる群から選ばれた基であることがより好ましく、アルキレン基であることが特に好ましい。
上記アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環構造を有していてもよい。また、上記アルキレン基は、炭素数1〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基又はエチレン基であることが特に好ましい。
式F−3におけるRaqは、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の面状の観点から、ヒドロキシ基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、アミド構造、ラクトン構造、エステル結合、チオエステル結合、ウレア結合、チオウレア結合、ウレタン結合、及び、シアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造が好ましく、ヒドロキシ基、環状エーテル基、ポリアルキレンオキシ基、アルキレンオキシ基又は、シアノ基であることが好ましく、ヒドロキシ基、アルキレンオキシ基又は環状エーテル基であることがより好ましい。
重合体Fは、親水性基を有する構成単位を1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
上記重合体Fが親水性基を有する構成単位を含む場合、上記重合体Fは、パターン形成性、転写性、並びに、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び塗布時の面状の観点から、親水性基を有する構成単位を、重合体Fの全質量に対し、0質量%を超え70質量%以下含むことが好ましく、5質量%以上70質量%以下含むことがより好ましく、10質量%以上65質量%以下含むことが更に好ましく、20質量%以上60質量%以下含むことが特に好ましい。
重合体Fにおける親水性基を有する構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
−酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位−
上記重合体Fは、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び塗布時の面状の観点から、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含むことが好ましい。
酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位としては、後述する重合体Aにおける酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位と同様のものを適用できる。
上記重合体Fにおける、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位の含有量は、重合体Fの全質量に対し、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。下限値としては、0質量%でもよいが、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。上記範囲であると、解像度及び密着性がより向上する。
重合体Fにおけるその他の構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
−その他の構成単位−
重合体Fは、既述の、フッ素原子を有する構成単位、酸基又は塩基性基を有する構成単位、親水性基を有する構成単位、及び、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位以外の、その他の構成単位を、本開示に係る感光性転写材料の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。
その他の構成単位を形成するモノマーとしては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、その他の不飽和化合物を挙げることができる。
その他の構成単位を用いて、種類及び含有量の少なくともいずれかを調整することで、重合体の諸特性を調整することができる。特に、その他の構成単位を適切に使用することで、重合体のTgを容易に調整することができる。
その他の構成単位は、具体的には、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどを重合して形成される構成単位を挙げることができる。その他、特開2004−264623号公報の段落0021〜段落0024に記載の化合物を挙げることができる。
また、その他の構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点で好ましい。中でも、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが密着性の観点でより好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、及び、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。
上記重合体Fは、その他の構成単位を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでいてもよい。
上記重合体Fにおけるその他の構成単位の含有量は、重合体Fの全質量に対し、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。下限値としては、0質量%でもよいが、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。上記範囲であると、解像度及び密着性がより向上する。
重合体Fにおけるその他の構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
転写性及びパターン形成性の観点から、上記重合体Fにおけるその他の構成単位としては、カルボン酸エステル構造を有する構成単位であることが好ましく、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位であることがより好ましい。
また、転写性及びパターン形成性の観点から、上記重合体Fにおけるその他の構成単位としては、下記式F−4で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2019225363
式F−4中、Rf4は、水素原子又はメチル基を表し、Xf4は、単結合、−COO−、−OCO−、又は、アリーレン基を表し、Lf4は、単結合、アルキレン基、又は、アルキレン基、−COO−、−OCO−及びアリーレン基よりなる群から選ばれた基を2種以上結合した基を表し、Ralは、直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、又は、アリール基を表す。
式F−4におけるXf4は、入手性及び合成適性の観点から、単結合、又は、−COO−であることが好ましく、−COO−であることがより好ましい。
式F−4におけるLf4は、入手性及び合成適性の観点から、単結合であることが好ましい。
式F−4におけるRalは、転写性及びパターン形成性の観点から、直鎖、分岐又は環状アルキル基であることが好ましく、直鎖又は環状アルキル基であることがより好ましい。
また、式F−4におけるRalの炭素数は、転写性及びパターン形成性の観点から、1〜30であることが好ましく、8〜20であることがより好ましく、10〜20であることが特に好ましい。
式F−4におけるRalとして具体的には、転写性及びパターン形成性の観点から、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ジシクロペンタニル基、及び、ベンジル基が好ましく挙げられ、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、及び、ジシクロペンタニル基がより好ましく挙げられ、n−ドデシル基、及び、ジシクロペンタニル基が特に好ましく挙げられる。
上記重合体Fは、その他の構成単位を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでいてもよい。
上記重合体Fが上記式F−4で表される構成単位を含む場合には、転写性及びパターン形成性の観点から、上記式F−4で表される構成単位を、重合体Fの全質量に対し、1質量%〜70質量%含むことが好ましく、10質量%〜60質量%含むことがより好ましく、20質量%〜50質量%含むことが更に好ましく、25質量%〜50質量%含むことが特に好ましい。
上記重合体Fは、フッ素原子を有する構成単位を含んでいればよいが、転写性、パターン形成性、並びに、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、フッ素原子を有する構成単位、及び、親水性基を有する構成単位を含むことが好ましく、フッ素原子を有する構成単位、親水性基を有する構成単位、及び、酸基又は塩基性基を有する構成単位を含むことがより好ましい。
また、上記重合体Fが含む形態としては、転写性、パターン形成性、並びに、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、上記式F−1で表される構成単位、及び、上記F−3で表される構成単位を含む形態、及び、上記式F−1で表される構成単位、上記F−3で表される構成単位、及び、上記式F−2又は式F−4で表される構成単位を含む形態が挙げられる。
更に、上記重合体Fは、転写性、パターン形成性、並びに、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、下記式F−5で表される重合体であることが好ましい。
Figure 2019225363
式F−5中、Rf1〜Rf4はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Xf1〜Xf4はそれぞれ独立に、単結合、−COO−、−OCO−、又は、アリーレン基を表し、Lf1〜Lf4はそれぞれ独立に、単結合、アルキレン基、又は、アルキレン基、−COO−、−OCO−及びアリーレン基よりなる群から選ばれた基を2種以上結合した基を表し、Rfは、パーフルオロアルキル基を表し、Rは、酸基又は塩基性基を表し、Raqは、親水性基を表し、Ralは、直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、又は、アリール基を表し、r1〜r4は各構成単位の質量比を表し、r1+r2+r3+r4の合計は100であり、r1は、30〜99を表し、r2〜r4はそれぞれ独立に、0〜70を表し、r2〜r4のうち少なくとも1つは、1以上である。
上記式F−5におけるRf1〜Rf4、Xf1〜Xf4、Lf1〜Lf4、Rf、R、Raq、及び、Ralは、上記式F−1〜式F−4におけるRf1〜Rf4、Xf1〜Xf4、Lf1〜Lf4、Rf、R、Raq、及び、Ralとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
r1は、面状の観点から、30〜95であることが好ましく、35〜70であることがより好ましい。
r2は、パターン形成性、並びに、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点から、0〜50であることが好ましく、0〜40であることがより好ましく、0〜30であることが更に好ましい。また、重合体Fが、酸基又は塩基性基を有する構成単位を含む場合、r2は、パターン形成性、並びに、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、1〜50であることが好ましく、5〜40であることがより好ましく、10〜30であることが更に好ましい。
r3は、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制の観点から、0〜70であることが好ましく、0〜60であることがより好ましい。また、重合体Fが、親水性基を有する構成単位を含む場合、r3は、転写性、パターン形成性、並びに、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、5〜70であることが好ましく、10〜65であることがより好ましく、20〜60であることが更に好ましい。
r4は、転写性及びパターン形成性の観点から、0〜60であることが好ましく、0〜50であることがより好ましい。また、重合体Fが、上記式F−4で表される構成単位を含む場合、r4は、パターン形成性、並びに、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、1〜70であることが好ましく、10〜60であることがより好ましく、20〜50であることが更に好ましく、25〜50であることが特に好ましい。
また、r2が0である場合は、面状の観点から、r1が30〜95であり、r3が5〜70であり、r4が0〜65であることが好ましい。
更に、r2が1〜70である場合は、面状の観点から、r1が30〜99であり、r3が0〜69であり、r4が0〜69であることが好ましい。
−重合体Fの製造方法−
重合体Fの製造方法(合成法)は特に限定されないが、一例を挙げると、フッ素原子を有する構成単位を形成するための重合性単量体、更に必要に応じて、酸基又は塩基性基を有する構成単位を形成するための重合性単量体、及び、親水性基を有する構成単位を形成するための重合性単量体等を含む有機溶剤中、重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応により他の重合体から合成することもできる。
上記感光性樹脂層は、上記重合体Fを1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
上記感光性樹脂層は、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、感光性樹脂層の全質量に対し、上記重合体Fを0.005質量%〜5質量%の割合で含むことが好ましく、0.01質量%〜1質量%の割合で含むことがより好ましく、0.05質量%〜0.5質量%の割合で含むことが特に好ましい。
また、上記感光性樹脂層における後述する重合体Aの含有量Mと上記重合体Fの含有量Mとの質量比(M/M)は、得られるパターンにおけるディンプルの発生抑制及び面状の観点から、10〜10,000であることが好ましく、50〜5,000であることがより好ましく、100〜3,000であることが特に好ましい。
<<酸分解性で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体A>>
上記感光性樹脂層は、酸分解性で保護された酸基を有する構成単位(「構成単位A」ともいう。)を含む重合体Aを含む。
重合体Aにおけるフッ素原子の含有量は、前記重合体Aの全質量に対し、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、フッ素原子を含まないことが特に好ましい。
また、重合体Aは、フッ素原子を有する構成単位を含まないことが好ましい。
更に、上記感光性樹脂層は、上記重合体F及び上記重合体Aに加え、他の重合体を含んでいてもよい。
上記重合体Aは、露光により生じる触媒量の酸性物質の作用により、重合体A中の酸分解性で保護された酸基を有する構成単位Aが脱保護反応を受け酸基となる。この酸基により、硬化反応が可能となる。
以下に、重合体Aの好ましい態様について説明する。
重合体Aは、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する構成単位を有する重合体であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレンに由来する構成単位や、ビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。
上記感光性樹脂層は、パターン形状の変形抑制、現像液への溶解性及び転写性の観点から、重合体Aとして、上記構成単位Aとして下記式Aで表される構成単位を有する重合体を含むことが好ましく、重合体Aとして、上記構成単位Aとして下記式Aで表される構成単位を有し、かつガラス転移温度が90℃以下である重合体Aを含むことが好ましく、重合体Aとして、上記構成単位Aとして下記式Aで表される構成単位、及び、後述する酸基を有する構成単位を有し、かつガラス転移温度が90℃以下である重合体Aを含むことが更に好ましい。
上記感光性樹脂層に含まれる重合体Aは、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
−重合体Aの酸価−
上記重合体Aの酸価は、感光性転写材料の保存安定性の観点から、1.5mmol/g以下であることが好ましく、1.0mmol/g以下であることがより好ましく、0.5mmol/g以下であることが特に好ましい。なお、酸価の下限値は、0mmol/gである。
本明細書において、酸価は、JIS K0070(1992年)に記載の方法に従って、測定された値を意味する。
−重合体Aのガラス転移温度−
本開示における重合体Aのガラス転移温度(Tg)は、90℃以下であることが好ましい。Tgが90℃以下であることで、上記感光性樹脂層は高い密着性を有し、転写性により優れる。
上記重合体AのTgは、60℃以下であることがより好ましく、40℃以下であることが更に好ましい。
また、上記重合体AのTgの下限値には特に制限はないが、−20℃以上が好ましく、−10℃以上がより好ましい。重合体AのTgが−20℃以上であることで、良好なパターン形成性が維持され、また、例えば、カバーフィルムを用いる場合、カバーフィルムの密着不良、または、カバーフィルムを剥離する際の剥離不良が抑制される。
−重合体AのI/O値−
上記重合体AのI/O値は、感光性転写材料の保存安定性の観点から、1.00以下であることが好ましく、0.80以下であることがより好ましく、0.65以下であることが特に好ましい。また、上記重合体AのI/O値の下限値は、形成性の観点から、0.30以上であることが好ましく、0.40以上であることがより好ましく、0.50以上であることが特に好ましい。
−重合体Aの重量平均分子量(Mw)−
重合体Aの重量平均分子量(Mw)は、60,000以下であることが好ましい。重合体Aの重量平均分子量が60,000以下であることで、感光性樹脂層の溶融粘度を低く抑え、上記基板と貼り合わせる際において低温(例えば130℃以下)での貼り合わせを実現することができる。
また、重合体Aの重量平均分子量は、2,000〜60,000であることがより好ましく、3,000〜50,000であることが更に好ましい。
重合体Aの数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn、分散度)は、1.0〜5.0が好ましく、1.05〜3.5がより好ましい。
−酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位−
上記重合体Aは、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を少なくとも含む。
上記感光性樹脂層は、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を有する重合体Aを含むことにより、極めて高感度な化学増幅ポジ型の感光性樹脂層とすることができる。
本開示における「酸分解性基で保護された酸基」は、酸基及び酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。具体的な酸基としては、カルボキシ基、及び、フェノール性水酸基が好ましく挙げられる。また、酸分解性基で保護された酸基としては、酸により比較的分解し易い基(例えば、式Aで表される基で保護されたエステル基、テトラヒドロピラニルエステル基、又は、テトラヒドロフラニルエステル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解し難い基(例えば、tert−ブチルエステル基等の第三級アルキル基、tert−ブチルカーボネート基等の第三級アルキルカーボネート基)を用いることができる。
これらの中でも、上記酸分解性基としては、感度及び解像性の観点から、アセタールの形で保護された構造を有する基であることが好ましい。
上記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位は、感度及び解像性の観点から、下記式Aで表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2019225363
式A中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR31及びR32のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は2価の連結基を表す。
式A中、R31又はR32がアルキル基の場合、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。R31又はR32がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R31及びR32は、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
式A中、R33は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
また、R31〜R33におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
式A中、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
式A中、Xは単結合又はアリーレン基を表し、単結合が好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。
上記式Aで表される構成単位は、酸分解性基で保護されたカルボキシ基を有する構成単位である。重合体Aが式Aで表される構成単位を含むことで、パターン形成時の感度に優れ、また、解像度より優れる。
式A中、R34は水素原子又はメチル基を表し、重合体AのTgをより低くし得るという観点から、水素原子であることが好ましい。
より具体的には、重合体Aに含まれる式Aで表される構成単位の全量に対し、式AにおけるR34が水素原子である構成単位は20質量%以上であることが好ましい。
なお、上記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位中の、式AにおけるR34が水素原子である構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
式Aで表される構成単位の中でも、下記式A2で表される構成単位が、パターン形成時の感度を更に高める観点からより好ましい。
Figure 2019225363
式A2中、R34は水素原子又はメチル基を表し、R35〜R41はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
式A2中、R34は水素原子が好ましい。
式A2中、R35〜R41は、水素原子が好ましい。
式Aで表される、酸分解性基で保護されたカルボキシ基を有する構成単位の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、R34は水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2019225363
また、上記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位としては、パターン形状の変形抑制の観点から、下記式A3で表される構成単位が好ましい。
Figure 2019225363
式A3中、RB1及びRB2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともRB1及びRB2のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、RB3はアルキル基又はアリール基を表し、RB1又はRB2と、RB3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、RB4は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は二価の連結基を表し、RB12は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。
式A3中、RB1又はRB2がアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。RB1又はRB2がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。RB1及びRB2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
式A3中、RB3は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
また、RB1〜RB3におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
式A3中、RB1又はRB2と、RB3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、RB1又はRB2と、RB3とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
式A3中、Xは単結合又は二価の連結基を表し、単結合又はアルキレン基、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、−O−又はこれらの組み合わせが好ましく、単結合がより好ましい。アルキレン基は、直鎖状でも分岐を有していても環状構造を有していてもよく、置換基を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。Xが−C(=O)O−を含む場合、−C(=O)O−に含まれる炭素原子と、RB4が結合した炭素原子とが直接結合する態様が好ましい。Xが−C(=O)NR−を含む場合、−C(=O)NR−に含まれる炭素原子と、RB4が結合した炭素原子とが直接結合する態様が好ましい。Rはアルキル基又は水素原子を表し、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
式A3中、RB1〜RB3を含む基と、Xとは、互いにパラ位で結合することが好ましい。
式A3中、RB12は置換基を表し、アルキル基又はハロゲン原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。
式A3中、nは0〜4の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
式A3中、RB4は水素原子又はメチル基を表し、重合体のTgをより低くし得るという観点から、水素原子であることが好ましい。
より具体的には、重合体に含まれる上記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位の全含有量に対し、式A3におけるRB4が水素原子である構成単位は20質量%以上であることが好ましい。
なお、上記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位中の、式A3におけるRB4が水素原子である構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
式A3で表される構成単位の中でも、パターン形状の変形抑制の観点から、下記式A4で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2019225363
式A4中、RB4は水素原子又はメチル基を表し、RB5〜RB11はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、RB12は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。
式A4中、RB4は水素原子が好ましい。
式A4中、RB5〜RB11は、水素原子が好ましい。
式A4中、RB12は置換基を表し、アルキル基又はハロゲン原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。
式A4中、nは0〜4の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
式A4で表される構成単位A4の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、RB4は水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2019225363
上記重合体Aに含まれる上記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位は、1種であっても、2種以上であってもよい。
上記重合体Aにおける上記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位の含有量は、重合体Aの全質量に対して、10質量%以上であることが好ましく、10質量%〜90質量%であることがより好ましく、20質量%〜70質量%であることが更に好ましい。
上記重合体Aにおける上記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
上記重合体Aは、現像性及び解像性の観点から、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位以外の構成単位(例えば、酸基を有する構成単位、塩基性基を有する構成単位、及び、その他の構成単位)を更に有することが好ましい。
−酸基を有する構成単位−
上記重合体Aは、現像性及び解像性の観点から、酸基を有する構成単位を含むことが好ましい。
酸基を有する構成単位は、保護基、例えば、酸分解性基で保護されていない酸基、すなわち、保護基を有さない酸基を有する構成単位である。重合体Aが酸基を有する構成単位を有する重合体を含むことで、パターン形成時の感度が良好となり、パターン露光後の現像工程においてアルカリ性の現像液に溶けやすくなり、現像時間の短縮化を図ることができる。
酸基を有する構成単位としては、上記重合体Fにおける酸基を有する構成単位が好ましく挙げられる。
上記重合体Aに含まれる酸基を有する構成単位は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
上記重合体Aは、重合体Aの全質量に対し、酸基を有する構成単位を0.1質量%〜20質量%含むことが好ましく、0.5質量%〜15質量%含むことがより好ましく、1質量%〜10質量%含むことが更に好ましい。上記範囲であると、パターン形成性がより良好となる。
上記重合体Aにおける酸基を有する構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
−pKaHが3以上の基を有する構成単位−
重合体Aは、pKaHが3以上の基を有する構成単位を更に含むことができる。重合体Aは、pKaHが3以上の基を有する構成単位をさらに含むことで、光酸発生剤より発生する酸の余分な拡散を抑制し、現像時の樹脂パターンの裾引きに由来する解像性の低下を抑えることができる。また、重合体Aは、pKaHが3以上の基を有する構成単位をさらに含むことで、感光性転写材料を露光後、ある程度時間が経過した後に現像を行った場合であっても、得られる樹脂パターンの線幅の細り等を抑制できる(以下、「引き置き時間依存抑制性」と称することがある。)。
本開示において、「pKaH」とは、共役酸のpKaをいう。
本開示において、「pKaHが3以上の基」とは、その基の共役酸のpKaが3以上である基をいう。例えば、「−NH」のpKaHの値は、「−NH 」のpKaの値である。ここで、「pKaH」の値は、ACD/ChemSketch(ACD/Labs 8.00 Release Product Version 8.08)により求めた計算値である。具体的には、特定の官能基を有する構成単位の化学構造から、上記ACD/ChemSketchを用いて計算し、特定の官能基のpKaHの値を算出する。
pKaHが3以上の基は、解像性及び引き置き時間依存抑制性の観点から、pKaHが4以上の基であることが好ましく、pKaHが5以上の基であることがより好ましく、pKaHが5以上15以下の基であることがさらに好ましく、pKaHが6以上10以下の基であることが特に好ましい。言い換えると、重合体Aは、pKaHが4以上の基を有する構成単位を含むことが好ましく、pKaHが5以上の基を有する構成単位を含むことがより好ましく、pKaHが5以上15以下の基を有する構成単位を含むことがさらに好ましく、pKaHが6以上10以下の基を有する構成単位を少なくとも有する重合体Aを含むことが特に好ましい。
塩基性基を有する構成単位としては、特開2015−187634号の0140段落、特開2011−039266号の0068段落〜0070段落に記載のものが挙げられる。
pKaHが3以上の基としては、解像性及び引き置き時間依存抑制性の観点から、窒素原子を有する基であることが好ましく、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基、又は含窒素複素芳香環基であることがより好ましく、脂肪族アミノ基、又は含窒素複素芳香環基であることがさらに好ましく、脂肪族アミノ基が特に好ましい。
脂肪族アミノ基としては、第一級アミノ基、第二級アミノ基、及び第三級アミノ基のいずれであってもよいが、解像性及び引き置き時間依存抑制性の観点から、第二級アミノ基、又は第三級アミノ基であることが好ましい。
芳香族アミノ基としては、アニリノ基、モノアルキルアニリノ基、又はジアルキルアニリノ基であることが好ましく、モノアルキルアニリノ基、又はジアルキルアニリノ基であることがより好ましい。
含窒素複素芳香環基における含窒素複素芳香環としては、ピリジン環、イミダゾール環、又はトリアゾール環であることが好ましく、ピリジン環、又はイミダゾール環であることがより好ましく、ピリジン環であることが特に好ましい。
また、上記含窒素複素芳香環基は、含窒素複素芳香環上に更に置換基を有していてもよい。上記置換基としては、特に制限はないが、アルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
また、pKaHが3以上の基としては、解像性及び引き置き時間依存抑制性の観点からアルキルアミン構造を有する基であることが特に好ましい。
上記アルキルアミン構造としては、例えば、ジアルキルアミン、トリアルキルアミンが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、1,2,2,6,6−ペンタアルキル−4−ピぺリジル基、2,2,6,6−テトラアルキル−4−ピぺリジル基等が挙げられる。
上記アルキルアミン構造を有する構成単位を形成するモノマーとしては、以下のものが好ましく挙げられる。
pKaHが3以上の基を有する構成単位は、解像性及び引き置き時間依存抑制性の観点から、下記式I又は式IIで表される構成単位であることが好ましく、下記式Iで表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 2019225363
式I及び式II中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Zは単結合、メチレン基、アリーレン基、−O−、−C(=O)−NH−又は−C(=O)−O−を表し、Rは単結合、又は、エーテル結合、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合、エステル結合及びカーボネート結合よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又は、エーテル結合、チオエーテル結合、ヒドロキシ基、ホルミル基、アセトキシ基、シアノ基、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合、エステル結合、カーボネート結合、及び芳香族基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基を表し、RとR、RとR、又は、RとRはそれぞれ結合して環を形成していてもよく、Qは、窒素原子を有する芳香族基又は含窒素複素芳香族基を表す。
式IにおけるZは、解像性、引き置き時間依存抑制性及び合成容易性の観点から、単結合、アリーレン基、−C(=O)−NH−又は−C(=O)−O−であることが好ましく、アリーレン基又は−C(=O)−O−であることがより好ましく、−C(=O)−NH−又は−C(=O)−O−であることが特に好ましい。
式IIにおけるZは、解像性、引き置き時間依存抑制性及び合成容易性の観点から、単結合、アリーレン基又は−C(=O)−O−であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
式IにおけるRは、解像性、引き置き時間依存抑制性及び合成容易性の観点から、エーテル結合、ウレタン結合及びウレア結合よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基であることが好ましく、エーテル結合、ウレタン結合及びウレア結合よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数2〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基であることが特に好ましい。
式IIにおけるRは、解像性、引き置き時間依存抑制性及び合成容易性の観点から、単結合であることが好ましい。
式IにおけるR及びRは、解像性、引き置き時間依存抑制性及び合成容易性の観点から、それぞれ独立して、水素原子、又は、エーテル結合を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基であることが好ましく、水素原子、又は、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基であることがより好ましい。
また、式Iにおいて、解像性及び引き置き時間依存抑制性の観点から、式IにおけるRとRとRとが結合し、含窒素脂肪族環を形成している態様が好ましく、ピペリジン環を形成している態様がより好ましい。
式IIにおけるQは、解像性、引き置き時間依存抑制性及び合成容易性の観点から、含窒素複素芳香族基であることが好ましく、ピリジル基、メチルピリジル基、イミダゾイル基、メチルイミダゾイル基、又は、トリアゾリル基であることがより好ましく、ピリジル基であることが更に好ましく、4−ピリジル基であることが特に好ましい。
pKaHが3以上の基を有する構成単位を形成するモノマーとしては、具体的には、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
メタクリル酸1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、メタクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、アクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸N−(3−ジメチルアミノ)プロピル、アクリル酸N−(3−ジメチルアミノ)プロピル、メタクリル酸N−(3−ジエチルアミノ)プロピル、アクリル酸N−(3−ジエチルアミノ)プロピル、メタクリル酸2−(ジイソプロピルアミノ)エチル、メタクリル酸2−モルホリノエチル、アクリル酸2−モルホリノエチル、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、アリルアミン、4−アミノスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、1−ビニル−1,2,4−トリアゾール
上記重合体Aに含まれるpKaHが3以上の基を有する構成単位は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
上記重合体Aは、解像性の観点から、重合体Aの全質量に対し、pKaHが3以上の基を有する構成単位を0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上8質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることが更に好ましく、0.4質量%以上4質量%以下であることが特に好ましく、0.6質量%以上2質量%以下であることが最も好ましい。
上記重合体AにおけるpKaHが3以上の基を有する構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
−その他の構成単位−
重合体は、既述の、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位、酸基を有する構成単位、及び、塩基性基を有する構成単位以外の、その他の構成単位を、本開示に係る感光性転写材料の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。
その他の構成単位を形成するモノマーとしては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、脂肪族環式骨格を有する基、その他の不飽和化合物を挙げることができる。
その他の構成単位を用いて、種類及び含有量の少なくともいずれかを調整することで、重合体の諸特性を調整することができる。特に、その他の構成単位を適切に使用することで、重合体のTgを90℃以下に容易に調整することができる。
重合体は、その他の構成単位を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでいてもよい。
その他の構成単位は、具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、又は、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートなどを重合して形成される構成単位を挙げることができる。その他、特開2004−264623号公報の段落0021〜段落0024に記載の化合物を挙げることができる。
また、その他の構成単位としては、芳香環を有する構成単位、又は、脂肪族環式骨格を有する構成単位が、得られる転写材料の電気特性を向上させる観点で好ましい。これら構成単位を形成するモノマーとして、具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及び、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、シクロヘキシル(メタ)アクリレート由来の構成単位が好ましく挙げられる。
また、その他の構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、密着性の観点で好ましい。中でも、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが密着性の観点でより好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、及び、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。
その他の構成単位の含有量は、重合体Aの全質量に対し、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。下限値としては、0質量%でもよいが、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。上記範囲であると、解像度及び密着性がより向上する。
以下、本開示における重合体Aの好ましい例を挙げるが、本開示は以下の例示に限定されない。なお、下記例示化合物における構成単位の比率、重量平均分子量は、好ましい物性を得るために適宜選択される。
Figure 2019225363
<<重合体Aの製造方法>>
重合体Aの製造方法(合成法)は特に限定されないが、一例を挙げると、式Aで表される構成単位を形成するための重合性単量体、更に必要に応じて、酸基を有する構成単位を形成するための重合性単量体、その他の構成単位を形成するための重合性単量体を含む有機溶剤中、重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応で合成することもできる。
上記感光性樹脂層は、上記基板に対して良好な密着性を発現させる観点から、感光性樹脂層の全質量に対し、上記重合体Aを50質量%〜99.9質量%の割合で含むことが好ましく、70質量%〜98質量%の割合で含むことがより好ましい。
<<他の重合体>>
上記感光性樹脂層は、重合体F及び重合体Aに加え、本開示に係る感光性転写材料の効果を損なわない範囲において、重合体F及び重合体A以外の重合体(「他の重合体」と称する場合がある。)を更に含んでいてもよい。上記感光性樹脂層が他の重合体を含む場合、他の重合体の含有量は、上記感光性樹脂層における重合体F、重合体A及び他の重合体の総含有量に対し、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
上記感光性樹脂層は、重合体F及び重合体Aに加え、他の重合体を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
他の重合体として、例えばポリヒドロキシスチレンを用いることができ、市販されている、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、及び、SMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC−3000、ARUFON UC−3510、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920、及び、ARUFON UC−3080(以上、東亞合成(株)製)、並びに、Joncryl 690、Joncryl 678、Joncryl 67、及び、Joncryl 586(以上、BASF社製)等を用いることもできる。
<<光酸発生剤>>
上記感光性樹脂層は、光酸発生剤を含有する。
本開示で使用される光酸発生剤としては、紫外線、遠紫外線、X線、及び、荷電粒子線等の活性光線を照射することにより酸を発生することができる化合物である。
本開示で使用される光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300nm〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造は制限されない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
本開示で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤が特に好ましい。pKaの下限値は特に定めないが、例えば、−10.0以上であることが好ましい。
光酸発生剤としては、イオン性光酸発生剤と、非イオン性光酸発生剤とを挙げることができる。
また、光酸発生剤としては、感度及び解像度の観点から、後述するオニウム塩化合物、及び、後述するオキシムスルホネート化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、オキシムスルホネート化合物を含むことがより好ましい。
更に、光酸発生剤は、感度及び解像度の観点から、オキシムスルホネート化合物等の、スルホン酸を発生する光酸発生剤であることが好ましい。
非イオン性光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、感度、解像度、及び、密着性の観点から、光酸発生剤がオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。トリクロロメチル−s−トリアジン類、及び、ジアゾメタン誘導体の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0083〜段落0088に記載の化合物が例示できる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を有する化合物が好ましい。
Figure 2019225363
式(B1)中、R21は、アルキル基又はアリール基を表し、*は他の原子又は他の基との結合部位を表す。
式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を有する化合物は、いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐構造を有していても、環構造を有していてもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)、又は、ハロゲン原子で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜18のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基及びハロゲン原子よりなる群から選ばれた1つ以上の基で置換されてもよい。
式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を有する化合物は、特開2014−85643号公報の段落0078〜0111に記載のオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
イオン性光酸発生剤の例として、ジアリールヨードニウム塩類及びトリアリールスルホニウム塩類等のオニウム塩化合物、第四級アンモニウム塩類等を挙げることができる。これらのうち、オニウム塩化合物が好ましく、トリアリールスルホニウム塩類及びジアリールヨードニウム塩類が特に好ましい。
イオン性光酸発生剤としては特開2014−85643号公報の段落0114〜0133に記載のイオン性光酸発生剤も好ましく用いることができる。
光酸発生剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記感光性樹脂層における光酸発生剤の含有量は、感度、解像度の観点から、上記感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがより好ましい。
<<塩基性化合物>>
上記感光性樹脂層は、塩基性化合物を更に含んでいてもよい。
本開示における塩基性化合物の分子量は、2,000未満であることが好ましく、1,000未満であることがより好ましい。
塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられる塩基性化合物の中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、及び、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0204〜段落0207に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
具体的には、脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、及び、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、及び、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、及び、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、及び、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、及び、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
上記塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
上記感光性樹脂層における塩基性化合物を含有する場合、上記感光性樹脂層における塩基性化合物の含有量は、上記感光性樹脂層の全質量に対して、0.001質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上2質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上1質量%以下であることが更に好ましい。
<<その他の添加剤>>
本開示における上記感光性樹脂層は、上記成分以外にも、必要に応じて公知の添加剤を含むことができる。
−重合禁止剤−
上記感光性樹脂層は、重合禁止剤を少なくとも1種含有してもよい。
重合禁止剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0018に記載された熱重合防止剤を用いることができる。
中でも、フェノチアジン、フェノキサジン又は4−メトキシフェノールを好適に用いることができる。
上記感光性樹脂層が重合禁止剤を含有する場合、重合禁止剤の含有量は、上記感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%〜3質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましく、0.01質量%〜0.8質量%が更に好ましい。
−溶剤−
上記感光性樹脂層は、溶剤を含んでいてもよい。
また、上記感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物は、上記感光性樹脂層を容易に形成するため、一旦溶剤を含有させて感光性樹脂組成物の粘度を調節し、溶剤を含む感光性樹脂組成物を塗布及び乾燥して、上記感光性樹脂層を好適に形成することができる。
本開示に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができる。溶剤としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、及び、ラクトン類等が例示できる。また、溶剤の具体例としては特開2011−221494号公報の段落0174〜段落0178に記載の溶剤も挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、既述の溶剤に、更に必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、又は、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。
溶剤は、1種のみ用いてもよく、2種以上を使用してもよい。
本開示に用いることができる溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種を併用することがより好ましい。溶剤を2種以上使用する場合には、例えば、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類とジアルキルエーテル類との併用、ジアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類との併用、又は、エステル類とブチレングリコールアルキルエーテルアセテート類との併用が好ましい。
また、溶剤としては、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤、又は、これらの混合物であることが好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、及び、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、及び、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
感光性樹脂組成物を塗布する際における溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部あたり、50質量部〜1,900質量部であることが好ましく、100質量部〜900質量部であることがより好ましい。
また、上記感光性樹脂層における溶剤の含有量は、上記感光性樹脂層の全質量に対し、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。
−可塑剤−
上記感光性樹脂層は、可塑性を改良する目的で、可塑剤を含有してもよい。
上記可塑剤は、重合体Aよりも重量平均分子量が小さいことが好ましい。
可塑剤の重量平均分子量は、可塑性付与の観点から500以上10,000未満が好ましく、700以上5,000未満がより好ましく、800以上4,000未満が更に好ましい。
可塑剤は、重合体Aと相溶して可塑性を発現する化合物であれば特に限定されないが、可塑性付与の観点から、可塑剤は、分子中にアルキレンオキシ基を有することが好ましい。可塑剤に含まれるアルキレンオキシ基は下記構造を有することが好ましい。
Figure 2019225363
上記式中、Rは炭素数2〜8のアルキル基であり、nは1〜50の整数を表し、*は他の原子との結合部位を表す。
なお、例えば、上記構造のアルキレンオキシ基を有する化合物(「化合物X」とする。)であっても、化合物X、重合体A及び光酸発生剤を混合して得た化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物が、化合物Xを含まずに形成した化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物に比べて可塑性が向上しない場合は、本開示における可塑剤には該当しない。例えば、任意に添加される界面活性剤は、一般に感光性樹脂組成物に可塑性をもたらす量で使用されることはないため、本明細書における可塑剤には該当しない。
上記可塑剤としては、例えば、下記構造を有する化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2019225363
可塑剤の含有量は、密着性の観点から、上記感光性樹脂層の全質量に対して、1質量%〜50質量%であることが好ましく、2質量%〜20質量%であることがより好ましい。
上記感光性樹脂層は、可塑剤を1種のみを含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
−増感剤−
上記感光性樹脂層は、増感剤を更に含むことができる。
増感剤は、活性光線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、及び、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。
増感剤を含有させることで、露光感度を向上させることができる。
増感剤としては、アントラセン誘導体、アクリドン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベーススチリル誘導体、及び、ジスチリルベンゼン誘導体よりなる群からえらばれた化合物が好ましく、アントラセン誘導体がより好ましい。
アントラセン誘導体としては、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ブロモアントラセン、9−クロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、2−エチルアントラセン、又は、9,10−ジメトキシアントラセンが好ましい。
上記増感剤としては、国際公開第2015/093271号の段落0139〜段落0141に記載の化合物を挙げることができる。
増感剤の含有量は、上記感光性樹脂層の全質量に対して、0質量%〜10質量%であることが好ましく、0.1質量%〜10質量%であることがより好ましい。
−ヘテロ環状化合物−
本開示における感光性樹脂層は、ヘテロ環状化合物を含むことができる。
本開示におけるヘテロ環状化合物には、特に制限はない。例えば、以下に述べる分子内にエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有ヘテロ環状化合物、その他、各種環状エーテル、環状エステル(ラクトン)などの含酸素モノマー、更には珪素、硫黄、リンなどのd電子をもつヘテロ環モノマー等を添加することができる。
感光性樹脂層中におけるヘテロ環状化合物の添加量は、ヘテロ環状化合物を添加する場合には、上記感光性樹脂層の全質量に対し、0.01質量%〜50質量%であることが好ましく、0.1質量%〜10質量%であることがより好ましく、1質量%〜5質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、密着性及びエッチング耐性の観点で好ましい。ヘテロ環状化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
分子内にエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
分子内にエポキシ基を有する化合物は市販品として入手できる。例えば、JER828、JER1007、JER157S70(三菱化学(株)製)、JER157S65((株)三菱ケミカルホールディングス製)など、特開2011−221494号公報の段落0189に記載の市販品などが挙げられる。
その他の市販品として、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、デナコールEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402、EX−111,EX−121、EX−141、EX−145、EX−146、EX−147、EX−171、EX−192(以上ナガセケムテック製)、YH−300、YH−301、YH−302、YH−315、YH−324、YH−325(以上、新日鐵住金化学(株)製)セロキサイド2021P、2081、2000、3000、EHPE3150、エポリードGT400、セルビナースB0134、B0177((株)ダイセル製)などが挙げられる。
分子内にエポキシ基を有する化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
分子内にエポキシ基を有する化合物の中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂がより好ましく挙げられ、脂肪族エポキシ樹脂が特に好ましく挙げられる。
分子内にオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−201、OXT−211、OXT−212、OXT−213、OXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
本開示における感光性樹脂層においては、ヘテロ環状化合物がエポキシ基を有する化合物であることが、エッチング耐性及び線幅安定性の観点から好ましい。
−アルコキシシラン化合物−
上記感光性樹脂層は、アルコキシシラン化合物を含有してもよい。アルコキシシラン化合物としては、トリアルコキシシラン化合物が好ましく挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが更に好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
−その他の成分−
本開示における感光性樹脂層には、金属酸化物粒子、酸化防止剤、分散剤、酸増殖剤、現像促進剤、導電性繊維、着色剤、熱ラジカル重合開始剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、架橋剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を更に加えることができる。
その他の成分の好ましい態様については特開2014−85643号公報の段落0165〜段落0184にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
<<感光性樹脂層の平均膜厚>>
上記感光性樹脂層の平均膜厚は、転写性(ラミネート性)の観点から、1.0μm以上が好ましく、2.0μm以上がより好ましい。また、上記感光性樹脂層の平均膜厚は、製造適性の観点から、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましい。
<<感光性樹脂層の形成方法>>
各成分、及び、溶剤を任意の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂層を形成するための感光性樹脂組成物を調製することができる。例えば、各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、得られた溶液を所定の割合で混合して組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
感光性樹脂組成物を仮支持体又は後述する中間層上に塗布し、乾燥させることで、仮支持体上に感光性樹脂層を有する本開示に係る感光性転写材料を得ることができる。
塗布方法は特に限定されず、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布などの公知の方法で塗布することができる。
なお、中間層上に後述のその他の層を形成した上に、感光性樹脂層を塗布することもできる。
<中間層>
本開示に係る感光性転写材料は、転写した感光性樹脂層を露光後経時した場合におけるパターン形状維持性の観点から、上記仮支持体と上記感光性樹脂層との間に、中間層を有することが好ましい。また、上記中間層は、バインダーを含むことが好ましい。
<<バインダー>>
バインダーは、水溶性又はアルカリ可溶性のバインダーであることが好ましく、水溶性又はアルカリ可溶性のポリマーであることがより好ましい。
なお、本開示において、「水溶性」とは、25℃においてpH7.0の水への溶解度が0.1質量%以上であることを意味し、「アルカリ可溶性」とは、25℃においてpH8.5以上のアルカリ水溶液水への溶解度が0.1質量%以上であることを意味する。
また、上記「水溶性又はアルカリ可溶性であり」とは、水溶性か、アルカリ可溶性のいずれかであっても、水溶性かつアルカリ可溶性であってもよい。
バインダーとしては、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,又はm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂、ピロガロールアセトン樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、変性セルロース樹脂、ヒドロキシ基を有するアクリル樹脂(例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重合体)、デンプン類、グリコーゲン類、キチン類、アガロース類、カラギーナン類、プルラン類、アラビアガム、ソヤガム、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、バインダーとしては、中間層と感光性樹脂層との密着性及びパターン形成性の観点から、ノボラック樹脂、変性セルロース樹脂及びヒドロキシ基を有するアクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましく、変性セルロース樹脂及びヒドロキシ基を有するアクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることがより好ましい。
また、変性セルロース樹脂としては、中間層と感光性樹脂層との密着性及びパターン形成性の観点から、ヒドロキシアルキル化セルロースが好ましい。
ヒドロキシアルキル化セルロースとしては、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリヒドロキシエチル化セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グリオキザール化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等が好ましく挙げられる。
中でも、中間層と感光性樹脂層との密着性及びパターン形成性の観点から、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであることがより好ましい。
バインダーの重量平均分子量は、中間層と感光性樹脂層との密着性、パターン形成性、露光後の現像液への溶解性及び転写性の観点から、1,000以上であることが好ましく、2,000〜100,000であることが好ましく、10,000〜50,000であることがより好ましい。
上記中間層は、バインダーを1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
中間層中のバインダーの含有量は、中間層と感光性樹脂層との密着性、パターン形成性、露光後の現像液への溶解性及び転写性の観点から、中間層の全質量に対し、10質量%以上100質量%以下であることが好ましく、20質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上100質量%以下であることが更に好ましく、65質量%以上85質量%以下であることが特に好ましい。
<<粒子>>
上記中間層は、中間層と感光性樹脂層との密着性の観点から、粒子を含有することが好ましい。
上記粒子としては、中間層と感光性樹脂層との密着性の観点から、金属酸化物粒子、又は、有機粒子であることが好ましく、Si、Ti及びZrよりなる群から選択される元素の酸化物粒子、又は、有機粒子であることがより好ましい。
なお、本開示における金属酸化物粒子の金属には、B、Si、Ge、As、Sb、Te等の半金属も含まれるものとする。
金属酸化物粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む酸化物粒子が好ましく、シリカ、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、又は、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、シリカ、酸化チタン、チタン複合酸化物、又は、酸化ジルコニウムが更に好ましく、シリカ、酸化チタン、又は、酸化ジルコニウムが特に好ましい。
有機粒子としては、有機樹脂粒子が好ましく挙げられる。
有機樹脂粒子としては例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル酸系モノマーの単独重合体及び共重合体、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールのようなビニル系ポリマー及びビニル化合物の共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミドのような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレン共重合体のようなゴム系熱可塑性ポリマー、エポキシ化合物のような光重合性若しくは熱重合性化合物を重合、架橋させたポリマー、メラミン化合物等を挙げることができる。
これらの中でも、有機粒子としては、アクリル樹脂粒子が好ましく挙げられ、ポリメチルメタクリレート粒子がより好ましく挙げられる。
また、これら粒子は、分散安定性付与のために表面を有機材料や無機材料で処理することもできる。上記粒子は、表面が親水性の粒子であることが好ましい。例えば、表面が疎水性の粒子の表面を親水化処理する等が挙げられる。
上記粒子の算術平均粒子径は、中間層と感光層との密着性の観点から、400nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることが更に好ましく、10nm〜200nmであることが特に好ましい。
本開示における粒子の算術平均粒子径の測定方法は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、最大径を径とする。
上記中間層における上記粒子の体積分率(中間層における粒子が占める体積割合)は、中間層と感光層との密着性の観点から、中間層の全体積に対し、5%〜90%であることが好ましく、10%〜80%であることがより好ましく、15%〜70%であることが更に好ましく、20%〜60%であることが特に好ましい。
<<その他の添加剤>>
本開示における上記中間層は、バインダーに加え、必要に応じて公知の添加剤を含むことができる。
その他の添加剤としては、上記感光性樹脂層に用いられるその他の添加剤が好適に挙げられる。
<<中間層の平均膜厚>>
上記中間層の平均膜厚は、中間層と感光性樹脂層との密着性、及び、パターン形成性の観点から、0.3μm〜10μmが好ましく、0.3μm〜5μmがより好ましく、0.3μm〜2μmが特に好ましい。
本開示における各層の平均膜厚の測定方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。また、平均値は10点以上測定し算出することが好ましい。
具体的には例えば、表面形状測定や、断面の光学顕微鏡又は電子顕微鏡観察等が挙げられる。また、表面形状測定には、ブルカー社製Dektakシリーズを好適に使用することができる。また、断面観察には、走査型電子顕微鏡(SEM)を好適に用いることができる。
また、上記中間層の厚みは、上記感光性樹脂層の厚みより薄いことが好ましい。
<<中間層の形成方法>>
中間層の形成方法は、特に制限はないが、各成分、及び、溶剤(好ましくは、水系溶剤)を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して中間層を形成するための中間層形成用組成物を調製することができる。例えば、各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、得られた溶液を所定の割合で混合して組成物を調製することもできる。以上の如くして調製した組成物は、孔径5μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
水系溶剤としては、水や、アルコール類等の水溶性溶剤が挙げられる。
中間層形成用組成物を仮支持体に塗布し、乾燥させることで、仮支持体上に中間層を容易に形成することができる。
塗布方法は特に限定されず、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布などの公知の方法で塗布することができる。
なお、仮支持体上に後述のその他の層(例えば、熱可塑性樹脂層等)を形成した上に、中間層を塗布することもできる。
上記中間層は、2層以上の層を有していてもよい。中間層が2層以上の層を有する場合、水溶性又はアルカリ可溶性のバインダーをそれぞれの層に含有することが好ましい。また、中間層が2層以上の層を有する場合、粒子は複数の層に含有されていてもよいが、中間層と感光性樹脂層との密着性、及び、仮支持体と中間層との密着性の観点から、感光性樹脂層と接する層に含有されていることが好ましい。
<その他の層>
本開示に係る感光性転写材料は、上記仮支持体、中間層及び感光性樹脂層以外の層(以下、「その他の層」と称することがある)を有していてもよい。その他の層としては、コントラストエンハンスメント層、カバーフィルム、熱可塑性樹脂層等を挙げることができる。
−熱可塑性樹脂層、カバーフィルム等−
本開示に係る感光性転写材料は、転写性の観点から、上記仮支持体と上記感光性樹脂層又は上記中間層との間に、熱可塑性樹脂層を更に有することが好ましい。
また、本開示に係る感光性転写材料は、上記感光性樹脂層を保護する目的でカバーフィルムを有していてもよい。
熱可塑性樹脂層の好ましい態様については特開2014−85643号公報の段落0189〜段落0193、他の層の好ましい態様については特開2014−85643号公報の段落0194〜段落0196にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
中でも、転写性の観点から、熱可塑性樹脂層が、アクリル樹脂及びスチレン/アクリル共重合体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
本開示に係る感光性転写材料が、熱可塑性樹脂層等のその他の層を有する場合、特開2006−259138号公報の段落0094〜段落0098に記載の感光性転写材料の作製方法に準じて作製することができる。
例えば、熱可塑性樹脂層を有する本開示に係る感光性転写材料を作製する場合には、仮支持体上に、熱可塑性の有機高分子と添加剤とを溶解した溶解液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥させて熱可塑性樹脂層を設けた後、得られた熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤に樹脂及び添加剤を加えて調製した調製液(中間層組成物)を塗布し、乾燥させて中間層を積層する。形成した中間層上に、更に、中間層を溶解しない溶剤を用いて調製した感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥させて感光性樹脂層を積層することによって、本開示に係る感光性転写材料を好適に作製することができる。
−コントラストエンハンスメント層−
本開示に係る感光性転写材料は、上記感光性樹脂層に加え、コントラストエンハンスメント層を有することができる。
コントラストエンハンスメント層(Contrast Enhancement Layer;CEL)は、露光前には露光波長に対する吸収が大きいが、露光されるに伴って次第に吸収が小さくなる、すなわち、光の透過率が高くなる材料(光消色性色素成分と称する)を含有する層である。光消色性色素成分としては、ジアゾニウム塩、スチルバゾリウム塩、アリールニトロソ塩類等が知られている。被膜形成成分としては、フェノール系樹脂等が用いられる。
その他、コントラストエンハンスメント層としては、特開平6−97065号公報の段落0004〜段落0051、特開平6−332167号公報の段落0012〜段落0055、フォトポリマーハンドブック,フォトポリマー懇話会編,工業調査会(1989)、フォトポリマー・テクノロジー,山岡、永松編,(株)日刊工業新聞社(1988)に記載の材料を用いることができる。
(樹脂パターンの製造方法、及び、回路配線の製造方法)
本開示に係る樹脂パターンの製造方法は、本開示に係る感光性転写材料を用いた樹脂パターンの製造方法であれば、特に制限はないが、本開示に係る感光性転写材料における上記感光性樹脂層側の最外層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像してパターンを形成する工程と、をこの順に含み、上記基板に貼り合わせる工程の後、かつ上記パターンを形成する工程の前に、上記仮支持体を剥離する工程を含むことが好ましい。
また、本開示に係る回路配線の製造方法は、本開示に係る感光性転写材料を用いた回路配線の製造方法であれば、特に制限はないが、本開示に係る感光性転写材料における上記感光性樹脂層側の最外層を、導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像してパターンを形成する工程と、上記パターンが配置されていない領域における導電層をエッチング処理する工程と、をこの順に含み、上記基板に貼り合わせる工程の後、かつ上記パターンを形成する工程の前に、上記仮支持体を剥離する工程を含むことが好ましい。
また、上記基板は、導電層を有する基板であることが好ましく、表面に導電層を有する基板であることがより好ましい。
従来、感光性樹脂組成物は感光システムの違いから、活性光線を照射した部分が像として残るネガ型と、活性光線を照射していない部分を像として残すポジ型とに分けられる。ポジ型では活性光線を照射することにより、例えば活性光線を照射されて酸を発生する感光剤などを用いて露光部の溶解性を高めるため、パターン露光時点では露光部及び未露光部がいずれも硬化せず、得られたパターン形状が不良であった場合には全面露光などによって基板を再利用(リワーク)できる。そのため、いわゆるリワーク性に優れる観点からは、ポジ型が好ましい。また、残存した感光性樹脂層を再度露光して異なるパターンを作製する、という技術は感光性樹脂層でなければ実現できないため、本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法において、露光を2回以上行う態様が好ましく挙げられる。
<貼り合わせ工程>
本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、本開示に係る感光性転写材料における上記感光性樹脂層側の最外層を、基板、好ましくは導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程(貼り合わせ工程)を含むことが好ましい。
上記貼り合わせ工程においては、例えば、仮支持体、中間層及び感光性樹脂層(更に、カバーフィルムを有していてもよい。)を有する感光性転写材料である場合、転写する側の最外層は、感光性樹脂層であるが、感光性樹脂層上に更にその他の層が形成され、最外層がその他の層であってもよい。
上記貼り合わせ工程では、表面に導電層を備える基板に上記感光性転写材料における上記感光性樹脂層側の最外層を接触させて貼り合わせることが好ましい。
また、上記貼り合わせ工程においては、上記導電層と、上記感光性樹脂層側の最外層が接触するように圧着させることが好ましい。上記態様であると、露光及び現像後のパターン形成された感光性樹脂層を、導電層をエッチングする際のエッチングレジストとして好適に用いることができる。
上記基板と上記感光性転写材料とを圧着する方法としては、特に制限はなく、公知の転写方法、及び、ラミネート方法を用いることができる。
具体的には例えば、上記感光性転写材料の上記感光性樹脂層側を基板の上に重ね、ロール等による加圧、又は、加圧及び加熱することに行われることが好ましい。貼り合わせには、ラミネータ、真空ラミネータ、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネータを使用することができる。
上記貼り合わせ工程における圧着圧力及び温度は、特に制限はなく、貼り合せる基板の表面の材質、例えば、導電層の材質、感光性樹脂層の材質、搬送速度、並びに、使用する圧着機等に応じ、適宜設定することができる。また、感光性転写材料の感光性樹脂層上にカバーフィルムを有する場合は、感光性樹脂層からカバーフィルムを除去した後、圧着すればよい。
上記基材が樹脂フィルムである場合、ロールツーロールでの圧着を行ってもよい。
本開示に用いられる基板は、導電層を有する基板であることが好ましく、基材の表面に導電層を有する基板であることがより好ましい。導電層をパターンニングすることで配線を形成する。また、本開示においては、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルム基材に金属酸化物や金属などの複数の導電層が設けられたものであることが好ましい。
また、本開示に用いられる基板は、本開示における効果をより発揮する観点から、銅を含む基板であることが好ましい。また、本開示における効果をより発揮する観点から、上記導電層は、銅を含む層であることが好ましい。
また、上記基板は、支持体上に複数の導電層が積層された基板であることが好ましい。
支持体上に複数の導電層が積層された基板は、支持体がガラス基材又はフィルム基材であることが好ましく、フィルム基材であることがより好ましい。本開示に係る回路配線の製造方法は、タッチパネル用回路配線である場合、支持体がシート状樹脂組成物であることが特に好ましい。
また、支持体は透明であることが好ましい。
支持体の屈折率は、1.50〜1.52であることが好ましい。
支持体は、ガラス基材等の透光性基材で構成されていてもよく、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、上述の透明基材としては、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報及び特開2010−257492号公報に用いられている材料を好ましく用いることができる。
基材としてフィルム基材を用いる場合は、光学的に歪みがない基材、及び、透明度が高い基材を用いることがより好ましく、具体的な素材には、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーをあげることができる。
上記導電層としては、一般的な配線又はタッチパネル配線に用いられる任意の導電層を挙げることができる。
導電層の材料としては、金属及び金属酸化物などを挙げることができる。
金属酸化物としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、SiO等を挙げることができる。金属としては、Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等を挙げることができる。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、上記複数の導電層のうち少なくとも一つの導電層が金属酸化物を含むことが好ましい。
導電層としては、静電容量型タッチパネルに用いられる視認部のセンサーに相当する電極パターン又は周辺取り出し部の配線であることが好ましい。
<露光工程>
本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、上記貼り合わせる工程後、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程(露光工程)を含むことが好ましい。
上記露光工程では、上記感光性樹脂層に、所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射することが好ましい。この工程では、光酸発生剤が分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、塗膜成分中に含まれる酸分解性基が加水分解されて、酸基、例えば、カルボキシ基又はフェノール性水酸基が生成する。
本開示において、パターンの詳細な配置及び具体的サイズは、特に限定されない。本開示において製造される回路基板を有する入力装置を備えた表示装置(例えば、タッチパネル)の表示品質を高め、また、取り出し配線の占める面積をできるだけ小さくしたいことから、パターンの少なくとも一部(特にタッチパネルの電極パターン及び取り出し配線の部分)は、100μm以下の細線であることが好ましく、70μm以下の細線であることがより好ましい。
また、上記露光工程における露光は、マスクを介した露光でもよいし、レーザー等を用いたデジタル露光でもよいが、露光用マスクを介した露光であることが好ましい。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、上記貼り合わせ工程と上記露光工程との間に、上記感光性転写材料と露光用マスクとを接触させる工程を含むことが好ましい。上記態様であると、得られるパターンの解像度により優れる。
活性光線としては、可視光、紫外光、及び、電子線が挙げられるが、可視光又は紫外光が好ましく、紫外線が特に好ましい。
活性光線による露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、発光ダイオード(LED)光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レーザー露光など各種方式の露光機を用いることができる。
露光量は、使用する感光性樹脂層に応じ、適宜選択すればよいが、5mJ/cm〜200mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm〜100mJ/cmであることがより好ましい。
また、露光後にパターンの矩形性、直線性を向上させる目的で、現像前に熱処理を行うことも好ましい。いわゆるPEB(Post Exposure Bake)と呼ばれる工程により、露光時に感光性樹脂層中で生じた定在波によるパターンエッジの荒れを低減することが可能である。
なお、パターン露光は、仮支持体を感光性樹脂層から剥離してから行っても、仮支持体を剥離する前に、仮支持体を介して露光し、その後、仮支持体を剥離してもよい。なお、パターン露光は、マスクを介した露光でもよいし、レーザー等を用いたデジタル露光でもよい。
<現像工程>
本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、上記露光する工程後、露光された上記感光性樹脂層を現像してパターンを形成する工程(現像工程)を含むことが好ましい。
また、上記感光性転写材料が中間層を有する場合、現像工程においては、露光された部分の中間層も、露光された感光性樹脂層とともに除去される。
更に、現像工程においては、未露光部の中間層も現像液に溶解あるいは分散する形で除去されてもよい。
上記現像工程における露光された上記感光性樹脂層の現像は、現像液を用いて行うことができる。
現像液としては、上記感光性樹脂層の露光部分を除去することができれば特に制限はなく、例えば、特開平5−72724号公報に記載の現像液など、公知の現像液を使用することができる。なお、現像液は上記感光性樹脂層の露光部分が溶解型の現像挙動をする現像液が好ましい。現像液としては、アルカリ水溶液が好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05mol/L(リットル)〜5mol/Lの濃度で含むアルカリ水溶液がより好ましい。現像液は、更に、水と混和性を有する有機溶剤、界面活性剤等を含有してもよい。本開示において好適に用いられる現像液としては、例えば、国際公開第2015/093271号の段落0194に記載の現像液が挙げられる。
現像方式としては、特に制限はなくパドル現像、シャワー現像、シャワー及びスピン現像、ディップ現像等のいずれでもよい。ここで、シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、露光部分を除去することができる。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましい。
また、露光から現像までの時間が長い態様であるほうが、本開示におけるパターン形状の変形を抑制する効果がより発揮される。露光後すぐ現像してもよいが、露光から現像までの時間が、露光から、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、更に好ましく6時間以上経過した後、現像を行う態様において、本開示におけるパターン形状の変形を抑制する効果がより発揮される。
また、本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、現像後、水等により洗浄する工程や、得られたパターンを有する基板を乾燥する工程等、公知の工程を含んでいてもよい。
更に、現像して得られたパターンを加熱処理するポストベーク工程を有していてもよい。
ポストベークの加熱は8.1kPa〜121.6kPaの環境下で行うことが好ましく、50.66kPa以上の環境下で行うことがより好ましい。一方、111.46kPa以下の環境下で行うことがより好ましく、101.3kPa以下の環境下で行うことが特に好ましい。
ポストベークの温度は、80℃〜250℃であることが好ましく、110℃〜170℃であることがより好ましく、130℃〜150℃であることが特に好ましい。
ポストベークの時間は、1分間〜30分間であることが好ましく、2分間〜10分間であることがより好ましく、2分間〜4分間であることが特に好ましい。
ポストベークは、空気環境下で行っても、窒素置換環境下で行ってもよい。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法における各工程時における上記支持体の搬送速度は、特に制限はないが、露光時を除いて、0.5m/min〜10m/minであることが好ましく、露光時を除いて、2.0m/min〜8.0m/minであることがより好ましい。
<剥離工程>
本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、上記基板に貼り合わせる工程の後、かつ上記パターンを形成する工程の前に、上記仮支持体を剥離する工程(剥離工程)を含むことが好ましい。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、上記感光性転写材料を用いるため、感光性転写材料を貼り合わせた後、かつ現像前のどのタイミングで仮支持体を剥離しても、感光性樹脂層との密着性に優れるため、一部剥がれ等の不良原因が生じることが抑制され、パターン形成を良好に行うことができる。
また、本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、パターン形成性及び解像度の観点から、上記基板に貼り合わせる工程の後、かつ上記感光性樹脂層をパターン露光する工程の前に、上記仮支持体を剥離する工程を含むことがより好ましい。更に、上記態様であると、マスクを接触させてパターン露光する場合に、感光性樹脂層とマスクとが直接触れないため、パターン形成性及び解像度により優れる。
上記剥離工程における仮支持体を剥離する方法は、特に制限はなく、公知の方法により剥離すればよい。
<エッチング工程>
本開示に係る回路配線の製造方法は、上記パターンが配置されていない領域における導電層をエッチング処理する工程(エッチング工程)を含むことが好ましい。
上記エッチング工程では、上記現像工程により上記感光性樹脂層から形成されたパターンを、エッチングレジストとして使用し、上記導電層のエッチング処理を行う。
上記導電層のエッチングは、特開2010−152155号公報の段落0048〜段落0054等に記載の方法、公知のプラズマエッチング等のドライエッチングによる方法など、公知の方法でエッチングを適用することができる。
例えば、エッチングの方法としては、一般的に行われている、エッチング液に浸漬するウェットエッチング法が挙げられる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、エッチングの対象に合わせて酸性タイプ又はアルカリ性タイプのエッチング液を適宜選択すればよい。
酸性タイプのエッチング液としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸、シュウ酸、又は、リン酸等の酸性成分単独の水溶液、酸性成分と塩化第2鉄、フッ化アンモニウム、又は、過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。酸性成分は、複数の酸性成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
アルカリ性タイプのエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン、又は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのような有機アミンの塩等のアルカリ成分単独の水溶液、アルカリ成分と過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
エッチング液の温度は特に限定されないが、45℃以下であることが好ましい。本開示において、エッチングマスク(エッチングパターン)として使用されるパターンは、45℃以下の温度域における酸性及びアルカリ性のエッチング液に対して特に優れた耐性を発揮することが好ましい。したがって、エッチング工程中に上記パターンが剥離することが防止され、上記パターンの存在しない部分が選択的にエッチングされることになる。
上記エッチング工程後、工程ラインの汚染を防ぐために、必要に応じて、エッチングされた上記基板を洗浄する工程(洗浄工程)、及び、エッチングされた上記基板を乾燥する工程(乾燥工程)を行ってもよい。洗浄工程については、例えば常温(10℃〜35℃)で純水により10秒〜300秒間基板を洗浄することが挙げられる。乾燥工程については、例えばエアブローを使用し、エアブロー圧(0.1kg/cm〜5kg/cm程度)を適宜調整して乾燥を行えばよい。
<エッチングレジスト剥離工程>
本開示に係る回路配線の製造方法は、上記エッチング工程の後に、上記感光性樹脂層を剥離液を用いて剥離する工程(エッチングレジスト剥離工程)を含むことが好ましい。
上記エッチング工程の終了後、パターン形成された上記感光性樹脂層が残存している。上記感光性樹脂層が不要であれば、残存する全ての上記感光性樹脂層を除去すればよい。
剥離液を用いて剥離する方法としては、例えば、好ましくは30℃〜80℃、より好ましくは50℃〜80℃にて撹拌中の剥離液に上記感光性樹脂層などを有する基材を5分〜30分間浸漬する方法が挙げられる。
剥離液としては、例えば、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の無機アルカリ成分、又は、第三級アミン若しくは第四級アンモニウム塩等の有機アルカリ成分を、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、又は、これらの混合溶液に溶解させた剥離液が挙げられる。剥離液を使用し、スプレー法、シャワー法、又は、パドル法等により剥離してもよい。
また、本開示に係る回路配線の製造方法は、必要に応じ、露光工程、現像工程及びエッチング工程を2回以上繰り返してもよい。
本開示における露光工程、現像工程及びその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落0035〜段落0051に記載の方法を、本開示においても好適に用いることができる。
本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、他の任意の工程を含んでもよい。例えば、以下のような工程が挙げられるが、これらの工程に限定されない。
<可視光線反射率を低下させる工程>
本開示に係る回路配線の製造方法は、導電層の表面、例えば、基板上に有する導電層の一部又は全ての表面の可視光線反射率を低下させる処理をする工程を含むことが可能である。
可視光線反射率を低下させる処理としては、酸化処理などを挙げることができる。例えば、銅を酸化処理して酸化銅とすることで、黒化することにより、可視光線反射率を低下させることができる。
可視光線反射率を低下させる処理の好ましい態様については、特開2014−150118号公報の段落0017〜段落0025、並びに、特開2013−206315号公報の段落0041、段落0042、段落0048及び段落0058に記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
<エッチングされた上記基板上に絶縁膜を形成する工程、及び、絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程>
本開示に係る回路配線の製造方法は、上記基板上、例えば、形成した配線(エッチングされた導電層)上に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程とを含むことも好ましい。
絶縁膜を形成する工程については、特に制限はなく、公知の永久膜を形成する方法を挙げることができる。また、絶縁性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの絶縁膜を形成してもよい。
絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程については、特に制限はない。導電性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの新たな導電層を形成してもよい。
また、本開示に係る回路配線の製造方法は、上記新たな導電層を、上記と同様な方法によりエッチングレジストを形成してエッチングしてもよいし、別途、公知の方法によりエッチングしてもよい。
本開示に係る回路配線の製造方法により得られる回路配線を有する基板は、上記基板上に1層のみの配線を有していても、2層以上の配線を有していてもよい。
また、本開示に係る回路配線の製造方法は、基板が両方の表面にそれぞれ複数の導電層を有し、基板の両方の表面に形成された導電層に対して逐次又は同時に回路形成することも好ましい。このような構成により、基板の一方の表面に第一の導電パターン(第一の配線)、もう一方の表面に第二の導電パターン(第二の配線)を形成した配線、好ましくはタッチパネル用配線を形成することができる。
(回路配線、及び、回路配線を有する基板)
本開示に係る回路配線は、本開示に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線である。
本開示に係る回路配線を有する基板は、本開示に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線を有する基板である。
本開示に係る回路配線を有する基板の用途は限定されないが、例えば、タッチパネル用回路配線基板であることが好ましい。
(入力装置及び表示装置)
本開示に係る回路配線の製造方法により製造される回路配線を備えた装置として、入力装置が挙げられる。
本開示に係る入力装置は、本開示に係る回路配線の製造方法により製造される回路配線を少なくとも有する入力装置であればよく、静電容量型タッチパネルであることが好ましい。
本開示に係る表示装置は、本開示に係る入力装置を備えることが好ましい。本開示に係る表示装置は、有機EL表示装置、及び、液晶表示装置等の画像表示装置であることが好ましい。
(タッチパネル、及び、タッチパネル表示装置)
本開示に係るタッチパネルは、本開示に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線を少なくとも有するタッチパネルである。また、本開示に係るタッチパネルは、透明基板と、電極と、絶縁層又は保護層とを少なくとも有することが好ましい。
本開示に係るタッチパネル表示装置は、本開示に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線を少なくとも有するタッチパネル表示装置であり、本開示に係るタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。
また、本開示に係るタッチパネルの製造方法は、本開示に係る感光性転写材料を用いたタッチパネルの製造方法であれば、特に制限はないが、本開示に係る感光性転写材料の上記感光性樹脂層側の最外層を、導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像してパターンを形成する工程と、上記パターンが配置されていない領域における導電層をエッチング処理する工程と、をこの順に含むことが好ましい。
本開示に係るタッチパネル及び本開示に係るタッチパネル表示装置のおける検出方法としては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式、及び、光学方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
タッチパネル型としては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8に記載のもの)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2013−168125号公報の図19に記載のもの、特開2012−89102号公報の図1や図5に記載のもの)、OGS(One Glass Solution)型、TOL(Touch−on−Lens)型(例えば、特開2013−54727号公報の図2に記載のもの)、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6に記載のもの)、各種アウトセル型(いわゆる、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1、G1Fなど)を挙げることができる。
本開示に係るタッチパネル及び本開示に係るタッチパネル表示装置としては、“最新タッチパネル技術”(2009年7月6日、(株)テクノタイムズ社発行)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”(2004年12月、シーエムシー出版)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の実施形態を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の実施形態の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。したがって、本発明の実施形態の範囲は以下に示す具体例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
また、重合体のI/O値、ガラス転移温度、重量平均分子量、フッ素原子の含有量、及び、酸価については、上述した方法により測定又は算出した。
以下において、以下の略語はそれぞれ以下の化合物を表す。
ATHF:2−テトラヒドロフラニルアクリレート(合成品)
MATHF:2−テトラヒドロフラニルメタクリレート(合成品)
TBA:tert−ブチルアクリレート(富士フイルム和光純薬(株)製)
AA:アクリル酸(富士フイルム和光純薬(株)製)
EA:アクリル酸エチル(富士フイルム和光純薬(株)製)
MMA:メタクリル酸メチル(富士フイルム和光純薬(株)製)
CHA:アクリル酸シクロヘキシル(富士フイルム和光純薬(株)製)
PMPMA:メタクリル酸1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(富士フイルム和光純薬(株)製)
DMAEMA:メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(富士フイルム和光純薬(株)製)
MEMA:メタクリル酸2−モルホリノエチル(東京化成工業(株)製)
13F−A:1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロオクチルアクリレート(東京化成工業(株)製)
8F−A:1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート(東京化成工業(株)製)
THF−A:テトラヒドロフルフリルアクリレート(東京化成工業(株)製)
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート(東京化成工業(株)製)
NDA:n−ドデシルアクリレート(東京化成工業(株)製)
DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート(東京化成工業(株)製)
MEEMA: メタクリル酸メトキシエチル(東京化成工業(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工(株)製)
V−601:ジメチル 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(富士フイルム和光純薬(株)製)
<ATHFの合成>
3つ口フラスコにアクリル酸(72.1質量部、1.0モル当量)、ヘキサン(72.1質量部)を加え20℃に冷却した。カンファースルホン酸(0.0070質量部、0.03ミリモル当量)、2−ジヒドロフラン(77.9質量部、1.0モル当量)を滴下した後に、20℃±2℃で1.5時間撹拌した後、35℃まで昇温して2時間撹拌した。ヌッチェにキョーワード200(ろ過材、水酸化アルミニウム粉末、協和化学工業(株)製)、キョーワード1000(ろ過材、ハイドロタルサイト系粉末、協和化学工業(株)製)の順に敷き詰めた後、反応液をろ過することでろ過液を得た。得られたろ過液にヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ、0.0012質量部)を加えた後、40℃で減圧濃縮することで、アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(ATHF)140.8質量部を無色油状物として得た(収率99.0%)。
<MATHFの合成>
アクリル酸をメタクリル酸に変更した以外は、ATHFの合成と同様の等量比にして合成した。
<重合体A1の合成>
3つ口フラスコにPGMEA(75.0質量部)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。ATHF(27.0質量部)、AA(3.0質量部)、アクリル酸エチル(EA、10.0質量部)、アクリル酸シクロヘキシル(CHA、60.0質量部)、V−601(4.0質量部)、PGMEA(75.0質量部)を加えた溶液を、90℃±2℃に維持した3つ口フラスコ溶液中に2時間かけて滴下した。滴下終了後,90℃±2℃にて2時間撹拌することで、重合体A1(固形分濃度40.0%)を得た。
<重合体A2〜A5、A9及びA10の合成>
モノマーの種類等を下記表1に示す通りに変更し、その他の条件については、重合体A1と同様の方法で合成した。重合体Aの固形分濃度は40質量%とした。表1における各モノマーの使用量の単位は、質量%である。
Figure 2019225363
<光酸発生剤>
B−1:下記に示す構造の化合物(特開2013−47765号公報の段落0227に記載の化合物、段落0227に記載の方法に従って合成した。)
Figure 2019225363
B−2:PAG−103(商品名、BASF社製、下記化合物)
Figure 2019225363
B−3:下記に示す構造の化合物(特開2014−197155号公報の段落0210に記載の方法に従って合成した。)
Figure 2019225363
上記化合物中、Tsは、トシル基を表す。
B−4:GSID−26−1、トリアリールスルホニウム塩(BASF社製、下記化合物)
Figure 2019225363
<重合体C−1(重合体F)の合成>
3つ口フラスコにPGMEA(75.0質量部)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。13F−A(46.0質量部)、HEA(54.0質量部)、V−601(11.0質量部)、PGMEA(75.0質量部)を加えた溶液を、90℃±2℃に維持した3つ口フラスコ溶液中に2時間かけて滴下した。滴下終了後,90℃±2℃にて2時間撹拌することで、重合体C−1(固形分濃度40.0%)を得た。
<重合体C−2〜C−21(重合体F)の合成>
モノマーの種類等を下記表2に示す通りに変更し、その他の条件については、重合体C−1と同様の方法で合成した。重合体C−2〜C−21(重合体F)の固形分濃度は40質量%とした。表2における各モノマーの使用量の単位は、質量%である。
Figure 2019225363
重合体C−10:下記に示す構造の化合物(I/O値:0.41、Tg:−35℃、フッ素原子の含有量:11%、[]の右下の数値は、構成単位の質量比を表し、()の右下の数値は繰り返し数を表す。)
Figure 2019225363
重合体C−11:下記に示す構造の化合物(I/O値:0.29、Tg:15℃、フッ素原子の含有量:27%、[]の右下の数値は、構成単位の質量比を表す。)
Figure 2019225363
C−12:下記に示す構造の化合物(低分子化合物、分子量628)
Figure 2019225363
<塩基性化合物>
D−1:下記に示す構造の化合物
Figure 2019225363
D−2:トリオクチルアミン(東京化成工業(株)製)
(実施例1)
<感光性樹脂組成物1の作製>
以下の処方で感光性樹脂組成物1を作製した。
・重合体A1(重合体A):93.9部
・光酸発生剤(上記B−1):2.0部
・重合体C−1(重合体F):表3に記載の量
・塩基性化合物(上記D−2):0.3部
・PGMEA:900部
仮支持体となる厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PET(A)ともいう。)の上に、感光性樹脂組成物1を、スリット状ノズルを用いて乾燥膜厚が3.0μmとなるように塗布した。その後、100℃のコンベクションオーブンで2分間乾燥させ、最後にカバーフィルム(保護フィルム)としてポリエチレンフィルム(トレデガー社製、OSM−N)を圧着し、実施例1の感光性転写材料(ドライフィルムレジスト)を作製した。
(比較例1、3及び4)
使用する重合体A、光酸発生剤、重合体F及び塩基性化合物が表3の通りとなるように感光性樹脂組成物の組成を変更した以外は、実施例1と同様にして、感光性転写材料をそれぞれ作製した。
(実施例2)
<中間層用組成物1の作製>
以下の処方で中間層用組成物1を作製した。
・蒸留水:13.4部
・メタノール:75.6部
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5、信越化学工業(株)製):4.1部
仮支持体となる厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、中間層用組成物1を乾燥膜厚2.0μmとなるようにスリットコートし100℃のコンベクションオーブンで2分間乾燥させた。次に感光性樹脂組成物1を、この中間層上に、スリット状ノズルを用いて乾燥膜厚が3.0μmとなるように塗布した。その後、100℃のコンベクションオーブンで2分間乾燥させ、最後にカバーフィルム(保護フィルム)としてポリエチレンフィルム(トレデガー社製、OSM−N)を圧着し、実施例2の感光性転写材料(ドライフィルムレジスト)を作製した。
(実施例3及び4、並びに、比較例2)
使用する重合体A、光酸発生剤、重合体F及び塩基性化合物が表3の通りとなるように感光性樹脂組成物の組成を変更した以外は、実施例2と同様にして、感光性転写材料を作製した。
(実施例10)
以下の感光性樹脂組成物2と以下の中間層用組成物2とを用いた以外は、実施例2と同様にして、感光性転写材料を作製した。
<感光性樹脂組成物2の作製>
以下の組成で調合し、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過することで、感光性樹脂組成物2を得た。
・重合体A4(重合体A):93.9部
・光酸発生剤(上記B−1):2.0部
・重合体C−2(重合体F):0.1部
・PGMEA:900部
<中間層用組成物2の作製>
以下の処方で中間層用組成物2を作製した。
・蒸留水:13.4部
・メタノール:75.6部
・ヒドロキシメチルセルロース(商品名:HPC−SSL、日本曹達(株)製)
4.1部
・スノーテックスO(シリカ粒子、日産化学工業(株)製、算術平均粒子径12nm):68.5部
(実施例5、7、8、12、16、17、19、22及び24)
使用する重合体A、光酸発生剤、重合体F及び塩基性化合物が表3の通りとなるように感光性樹脂組成物の組成を変更した以外は、実施例1と同様にして、感光性転写材料を作製した。
(実施例6、9、11、13〜15、18、20、21及び23)
使用する重合体A、光酸発生剤、重合体F及び塩基性化合物、並びに、中間層用組成物が表3の通りとなるように各組成物の組成を変更した以外は、実施例2と同様にして、感光性転写材料を作製した。
<性能評価>
厚さ188μmのPETフィルム上に、厚さ500nmでスパッタ法にて銅層を作製した銅層付きポリエチレンテレフタレート(PET)基板を使用した。
−ディンプル抑制性評価−
作製した感光性転写材料からカバーフィルムを剥離し、ロール温度100℃、線圧0.6MPa、線速度(ラミネート速度)3.6m/minのラミネート条件で上記銅層付きPET基板にラミネートした。その後試料をオートクレーブで50℃、3時間、0.6MPaの条件で加圧した。
仮支持体を剥離せずに線幅10μmのラインアンドスペースパターン(Duty比 1:1)マスクを介して超高圧水銀灯で露光後、5時間引き置いて仮支持体を剥離して現像した。現像は25℃の1.0%炭酸ナトリウム水溶液を用い、シャワー現像で40秒行った。上記方法にて10μmのラインアンドスペースパターンを形成し、ライン幅とスペース幅の比が1:1になる露光量を求め、その露光量で試料をパターン形成した。このパターン1本に対して、両側の側壁部を走査型電子顕微鏡(SEM)で投影し、得られたSEM画像(倍率5,000倍、チルト20°)について、窪み(ディンプル)の個数をカウントした。パターン10本(計20視野)について、ディンプルの個数をカウントし、パターン1本に存在するディンプルの個数を平均値として、下記基準で評価した。3以上が実用可能レベルである。
5:0個
4:0個より多く2個以下
3:2個より多く4個以下
2:4個より多く8個以下
1:8個より多い
−面状評価−
作製した感光性転写材料を50cm角にカットし、カバーフィルムを剥がして、三波長形蛍光ランプ(FL20SSEDC/18LLN((株)東芝製))光源下で、感光性樹脂層を目視にて観察した。塗布ムラ及びハジキによる面状欠陥について、下記基準で評価した。A又はBが実用可能レベルである。
A:塗布ムラ及びハジキなし
B:塗布ムラなく、50cm×50cm四方の中に、ハジキが1個以上20個以下存在する
C:塗布ムラある、又は、50cm×50cm四方の中に、ハジキが20個より多く存在する
−保存安定性評価−
作製した感光性転写材料を室温23℃、湿度55%RHの環境下で1ヵ月間静置して保管した。保管後の感光性転写材料を用い、上記ディンプル抑制性評価で用いたプロセス及び露光量と同じ条件でパターン形成した。得られたパターンについて、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、倍率3,000倍、チルト0°の条件で線幅を測定し、10μmからの変化量を下記基準で評価した。A又はBが実用可能レベルである。
A:5%未満
B:5%以上15%未満
C:15%以上
各実施例及び各比較例における評価結果を、まとめて表3に示す。
Figure 2019225363
上記表3より、実施例1〜24の感光性転写材料は、比較例1〜4の感光性転写材料と比べ、得られるパターンのディンプル抑制性及び塗布時の面状に優れることがわかる。
また、上記表3より、実施例1〜24の感光性転写材料は、保存安定性(感光性転写材料の長時間保管後におけるパターン形成性)にも優れる。
(実施例101)
100μm厚PET基材上に、第2層の導電層としてITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に第1層の導電層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成用基板とした。
銅層上に実施例1で得た感光性転写材料をラミネートした(ラミロール温度120℃、線圧0.8MPa、線速度1.0m/min.)。ラミネートした支持体を仮支持体を剥離せずに一方向に導電層パッドが連結された構成を持つ図2に示すパターン(以下、「パターンA」とも称する。)を設けたフォトマスクを用いてコンタクトパターン露光した。
なお、図2に示すパターンAは、実線部SL及びグレー部Gが遮光部であり、点線部DLはアライメント合わせの枠を仮想的に示したものである。
その後仮支持体を剥離し、現像、水洗を行ってパターンAを得た。次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu−02)を用いて銅層をエッチングした後、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO−02)を用いてITO層をエッチングすることで、銅とITOが共にパターンAで描画された基板を得た。
次いで、アライメントを合わせた状態で図3に示すパターン(以下、「パターンB」とも称する。)の開口部を設けたフォトマスクを用いてパターン露光し、現像、水洗を行った。
なお、図3に示すパターンBは、グレー部Gが遮光部であり、点線部DLはアライメント合わせの枠を仮想的に示したものである。
その後、Cu−02を用いて銅層をエッチングし、残った感光性樹脂層を剥離液(関東化学(株)製KP−301)を用いて剥離し、回路配線基板を得た。
得られた回路配線基板を、顕微鏡で観察したところ、剥がれや欠けなどは無く、きれいなパターンであった。
(実施例102)
100μm厚PET基材上に、第2層の導電層としてITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に第1層の導電層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成基板とした。
銅層上に実施例1で得た感光性転写材料を巻き出してラミネートした(ロール温度120℃、線圧0.8MPa、線速度1.0m/min.)。ラミネートした支持体を仮支持体を剥離せずに一方向に導電層パッドが連結された構成を持つパターンAを設けたフォトマスクを用いてパターン露光した。その後仮支持体を剥離し、現像、水洗を行ってパターンAを得た。次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu−02)を用いて銅層をエッチングした後、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO−02)を用いてITO層をエッチングすることで、銅とITOが共にパターンAで描画された基板を得た。
次いで、残存しているレジスト上に保護層としてPET(A)をラミネートした。この状態で、アライメントを合わせた状態でパターンBの開口部を設けたフォトマスクを用いてパターン露光し、PET(A)を剥離した後に現像、水洗を行った。その後、Cu−02を用いて銅配線をエッチングし、残った感光性樹脂層を剥離液(関東化学(株)製KP−301)を用いて剥離し、回路配線基板を得た。
得られた回路配線基板を、顕微鏡で観察したところ、剥がれや欠けなどは無く、きれいなパターンであった。
(実施例103)
100μm厚シクロオレフィンポリマー(COP)基材上に、第2層の導電層としてITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に第1層の導電層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、導電パターン形成用の基板とした。
銅層上に実施例2で得た感光性転写材料を基板に貼り合わせて(ロール温度100℃、線圧0.8MPa、線速度3.0m/min.)、積層体とした。積層体を、仮支持体を剥離せずに一方向に導電層パッドが連結された構成を持つパターンAを設けたフォトマスクを用いてパターン露光した。その後仮支持体を剥離し、現像、水洗を行ってパターンAで描画された樹脂パターンを得た。次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu−02)を用いて銅層をエッチングした後、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO−02)を用いてITO層をエッチングし、剥離液(関東化学(株)製KP−301)を用いて剥離することで、銅とITOが共にパターンAで描画された基板を得た。
次いで、残存しているレジスト上に、実施例2で得られた感光性転写材料を貼り合わせた(ロール温度100℃、線圧0.8MPa、線速度3.0m/min.)。この状態で、アライメントを合わせた状態でパターンBの開口部を設けたフォトマスクを用いてパターン露光し、感光性転写材料の仮支持体を剥離した後に現像、水洗を行った。その後、Cu−02を用いて銅配線をエッチングし、残った感光性樹脂層を剥離液(関東化学(株)製KP−301)を用いて剥離し、導電パターンを有する回路配線基板を得た。
得られた回路配線基板を、顕微鏡で観察したところ、剥がれ、欠けなどは無く、きれいなパターンであった。
2018年5月22日に出願された日本国特許出願第2018−098332号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び、技術規格は、個々の文献、特許出願、及び、技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10:仮支持体、12:感光性樹脂層、14:カバーフィルム、100:感光性転写材料、SL:実線部、G:グレー部、DL:点線部

Claims (14)

  1. 仮支持体と、
    感光性樹脂層とを有し、
    前記感光性樹脂層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体A、光酸発生剤、及び、フッ素原子を有する構成単位を含む重合体Fを含み、
    前記重合体Fにおけるフッ素原子の含有量が、前記重合体Fの全質量に対し、20質量%以上50質量%以下であり、
    前記重合体Fが、下記f1又はf2のいずれかを満たす
    感光性転写材料。
    f1:前記重合体FのI/O値が、0.45以上である。
    f2:前記重合体FのI/O値が、0.45未満であり、かつ前記重合体Fが、酸基又は塩基性基を有する構成単位を含む。
  2. 前記重合体Fが、ヒドロキシ基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、アミド構造、ラクトン構造、チオエステル結合、ウレア結合、チオウレア結合、ウレタン結合、及び、シアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に有する構成単位を含む請求項1に記載の感光性転写材料。
  3. 前記重合体Fが、前記f2を満たす請求項1又は請求項2に記載の感光性転写材料。
  4. 前記重合体Fが、前記酸基を有する構成単位として、カルボキシ基を有する構成単位を含む請求項3に記載の感光性転写材料。
  5. 前記重合体Fの含有量が、前記感光性樹脂層の全質量に対し、0.01質量%以上1質量%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  6. 前記重合体Fのガラス転移温度が、50℃以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  7. 前記重合体Aの酸価が、0.5mmol/g以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  8. 前記重合体AのI/O値が、0.65以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  9. 前記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位が、下記式Aで表される構成単位である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
    Figure 2019225363

    式A中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR31及びR32のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は2価の連結基を表す。
  10. 前記光酸発生剤が、スルホン酸を発生する光酸発生剤である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の感光性転写材料における前記感光性樹脂層側の最外層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、
    前記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、
    露光された前記感光性樹脂層を現像してパターンを形成する工程と、をこの順に含む
    樹脂パターンの製造方法。
  12. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の感光性転写材料における前記感光性樹脂層側の最外層を、導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程と、
    前記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、
    露光された前記感光性樹脂層を現像してパターンを形成する工程と、
    前記パターンが配置されていない領域における導電層をエッチング処理する工程と、をこの順に含む
    回路配線の製造方法。
  13. 前記導電性層が、銅を含む層である請求項12に記載の回路配線の製造方法。
  14. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の感光性転写材料における前記感光性樹脂層側の最外層を、導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程と、
    前記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、
    露光された前記感光性樹脂層を現像してパターンを形成する工程と、
    前記パターンが配置されていない領域における導電層をエッチング処理する工程と、をこの順に含む
    タッチパネルの製造方法。
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