JP6995873B2 - 回路基板の製造方法及びタッチパネルの製造方法 - Google Patents
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Description
このような、パターン化した回路配線の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少ないといった理由から、ドライフィルムレジストを感光性転写材料として用いることが検討されている。
具体的には、ドライフィルムレジストを用いて、基板上に感光性組成物層(感光性組成物の層)を形成し、上記感光性組成物層を、パターンを有するマスクを介する等によりパターン露光し、露光後の感光性組成物層を現像してレジストパターンを得、その後基板に対してエッチング処理を行うことにより、回路配線を形成する方法が広く使用されている。
<1> 導電層上にポジ型感光性組成物層を形成する工程、上記ポジ型感光性組成物層をパターン露光する工程、上記パターン露光されたポジ型感光性組成物層を現像する工程、上記現像されたポジ型感光性組成物層をマスクとして用い、導電層をエッチングする工程、上記現像されたポジ型感光性組成物層を全面露光する工程、及び、上記全面露光されたポジ型感光性組成物層を除去する工程、をこの順に含む回路基板の製造方法。
<2> 上記ポジ型感光性組成物層を全面露光する工程と、上記全面露光されたポジ型感光性組成物層を除去する工程の間に、上記全面露光されたポジ型感光性組成物層を加熱する工程を含む<1>に記載の回路基板の製造方法。
<3> 上記ポジ型感光性組成物層を除去する工程において、水を30質量%以上含有する除去液を用いる<1>又は<2>に記載の回路基板の製造方法。
<4> 上記ポジ型感光性組成物層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を有する重合体と、光酸発生剤とを含有する<1>~<3>のいずれか1つに記載の回路基板の製造方法。
<5> 上記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位が、下記式A1~式A3のいずれかにより表される構成単位である<4>に記載の回路基板の製造方法。
式A2中、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR21及びR22のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R23はアルキル基又はアリール基を表し、R21又はR22と、R23とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R24はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はシクロアルキル基を表し、mは0~3の整数を表す。
式A3中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR31及びR32のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は水素原子又はメチル基を表し、X0は単結合又は二価の連結基を表す。
<7> 上記導電層が、金属層、及び、導電性金属酸化物層よりなる群から選ばれた少なくとも1種の層である<1>~<6>のいずれか1つに記載の回路基板の製造方法。
<8> 上記導電層が、銅層である<1>~<7>のいずれか1つに記載の回路基板の製造方法。
<9> 上記ポジ型感光性組成物層を形成する工程において、仮支持体と、ポジ型感光性組成物層とを有する感光性転写材料を用いる<1>~<8>のいずれか1つに記載の回路基板の製造方法。
<10> 上記仮支持体が、樹脂フィルムである<9>に記載の回路基板の製造方法。
<11> 上記仮支持体が、シクロオレフィンポリマーを含む<9>又は<10>に記載の回路基板の製造方法。
<12> <1>~<11>のいずれか1つに記載の回路基板の製造方法を含む、タッチパネルの製造方法。
また、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表す。
更に、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「全固形分」とは、組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また、「固形分」とは、上述のように、溶剤を除いた成分であり、例えば、25℃において固体であっても、液体であってもよい。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶媒THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
本開示に係る回路基板の製造方法は、導電層上にポジ型感光性組成物層を形成する工程、上記ポジ型感光性組成物層をパターン露光する工程、上記パターン露光されたポジ型感光性組成物層を現像する工程、上記現像されたポジ型感光性組成物層をマスクとして用い、導電層をエッチングする工程、上記現像されたポジ型感光性組成物層を全面露光する工程、及び、上記全面露光されたポジ型感光性組成物層を除去する工程、をこの順に含む。
除去液を長時間使用した場合、詳細は不明であるが、空気中の二酸化炭素の溶解による炭酸塩の増加、ポジ型感光性組成物層中の成分の混入等の要因により、徐々に除去性が劣化すると推定している。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、本開示に係る回路基板の製造方法において、エッチングする工程の後に、エッチングマスクとして使用したポジ型感光性組成物層を全面露光することにより、除去液への溶解性及び除去液の浸透性が向上し、除去液を長時間使用した場合においても除去性に優れると推定している。
更に、上記ポジ型感光性組成物層を全面露光する工程と、上記全面露光されたポジ型感光性組成物層を除去する工程の間に、上記全面露光されたポジ型感光性組成物層を加熱する工程(加熱工程)を含むことにより、除去液を長時間使用した場合においてのエッチングマスクの除去性が更に優れることを見出した。加熱工程を含むことにより、ポジ型感光性組成物層における露光による反応を促進することができ、露光量が不足して反応阻害が生じ得る導電層基板近傍においても反応が促進され、除去液への溶解性及び除去液の浸透性が向上し、エッチングマスクの除去性が更に優れるものと推定している。
除去液によりポジ型感光性組成物層(エッチングマスク)に含まれるポリマーを溶解させるためには、除去液中において、ポリマー間の電荷反発(斥力)を利用して、水溶液中に拡散させる必要があるが、除去液中の塩濃度が上昇すると、ポリマー表面における電気二重層の厚さが小さくなり、ポリマー同士の斥力が小さくなることにより、ポリマーが十分拡散できなくなり、除去性が低下すると推定している。
除去前の全面露光によってポジ型樹脂組成物層の溶解性を向上させ、特に酸分解性基の分解により酸基を発生させ、ポリマーの酸価を上昇させることより、ポリマー間に働く斥力を増大させることができ、除去液を長時間使用した場合においても除去性により優れると推定している。
回路基板の製造方法の第1の実施態様は、
基板における導電層上にポジ型感光性組成物層を形成する工程(形成工程)、
上記ポジ型感光性組成物層をパターン露光する工程(露光工程)、
上記パターン露光されたポジ型感光性組成物層を現像する工程(現像工程)、
上記現像されたポジ型感光性組成物層をマスクとして用い、導電層をエッチングする工程(エッチング工程)、
上記現像されたポジ型感光性組成物層を全面露光する工程(全面露光工程)、及び、
上記全面露光されたポジ型感光性組成物層を除去する工程(除去工程)、
をこの順に含む。
回路基板の製造方法の第1の実施態様における基板は、ガラス、シリコン、フィルムなどの基材自体が基板であってもよく、ガラス、シリコン、フィルムなどの基材上に、必要により導電層などの任意の層が設けられた基板であってもよい。
回路基板の製造方法の第1の実施態様によれば、基板表面に微細パターンを形成することができる。
基材、及び、互いに構成材料が異なる第1導電層及び第2導電層を含む複数の導電層とを有し、上記基材の表面上に、上記基材の表面から遠い順に、最表面層である上記第1導電層及び上記第2導電層が積層されている基板上にポジ型感光性組成物層を形成する工程と、
上記ポジ型感光性組成物層をパターン露光する第1露光工程と、
上記パターン露光されたポジ型感光性組成物層を現像して第1パターンを形成する第1現像工程と、
上記第1パターンが配置されていない領域における上記複数の導電層のうち少なくとも上記第1導電層及び上記第2導電層をエッチング処理する第1エッチング工程と、
上記第1エッチング工程後の上記第1パターンを上記第1パターンとは異なるパターンでパターン露光する第2露光工程と、
上記第2露光工程後の上記第1パターンを現像して第2パターンを形成する第2現像工程と、
上記第2パターンが配置されていない領域における上記複数の導電層のうち少なくとも上記第1導電層をエッチング処理する第2エッチング工程と、
上記第2パターンを全面露光する工程、及び、
上記第2パターンを除去する工程、
をこの順に含む。上記第2の実施形態としては、国際公開第2006/190405号を参考にすることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本開示に係る回路基板の製造方法は、導電層上にポジ型感光性組成物層(単に、「感光性組成物層」ともいう。)を形成する工程(形成工程)を含む。
導電層上にポジ型感光性組成物層を形成する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、塗布により導電層上にポジ型感光性組成物層を形成する方法、及び、感光性転写材料を用い、ポジ型感光性組成物層を転写することにより、導電層上にポジ型感光性組成物層を形成する方法等が挙げられる。
塗布方法は特に限定されず、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布などの公知の方法で塗布することができる。
中でも、簡便性及び工程数の抑制の観点から、感光性転写材料を用い、ポジ型感光性組成物層を転写することにより、導電層上にポジ型感光性組成物層を形成する方法が好ましく挙げられる。
また、上記感光性転写材料は、仮支持体上に感光性組成物層を有するものであることが好ましい。
仮支持体を基準として感光性組成物層側の最外層は、感光性組成物層であってもよいし、感光性組成物層上に形成されたその他の層であってもよい。
本開示におけるポジ型感光性組成物層、及び、本開示において用いられる感光性転写材料の詳細については後述する。
まず、貼り合わせ工程では、基材22と、互いに構成材料が異なる第1導電層24及び第2導電層26を含む複数の導電層とを有し、基材22の表面上に、基材22の表面から遠い順に、最表面層である第1導電層24と第2導電層26とが積層されている基板(回路配線形成用基板)20に対し、本開示に係る感光性転写材料100の感光性組成物層12を第1導電層24に接触させて貼り合わせる。なお、このような回路配線形成用基板と感光性転写材料との貼り合わせを「転写」又は「ラミネート」と称する場合がある。
また、転写材料を用いた感光性組成物層を形成は、導電層のパターンが形成された基材上から転写することもできる。
感光性転写材料の第1導電層上への貼り合わせ(転写)は、感光性転写材料の感光性組成物層側を第1導電層の上に重ね、ロール等による加圧及び加熱することに行われることが好ましい。貼り合わせには、ラミネータ、真空ラミネータ、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネータを使用することができる。
回路配線形成用基板の基材が樹脂フィルムである場合は、ロールツーロールでの貼り合わせも行うこともできる。
上記導電層は、基材上に有することが好ましい。
基材上に複数の導電層が積層された基板は、基材がガラス基材又はフィルム基材であることが好ましく、フィルム基材であることがより好ましく、樹脂フィルムであることが更に好ましい。本開示に係る回路基板の製造方法は、タッチパネル用の回路基板である場合、基材がシート状樹脂組成物であることが特に好ましい。
また、基材は透明であることが好ましい。
基材の屈折率は、1.50~1.52であることが好ましい。
基材は、ガラス基材等の透光性基材で構成されていてもよく、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、上述の透明基材としては、特開2010-86684号公報、特開2010-152809号公報及び特開2010-257492号公報に用いられている材料を好ましく用いることができる。
基材としてフィルム基材を用いる場合は、光学的に歪みが小さい基材、及び、透明度が高い基材を用いることがより好ましく、樹脂フィルムが更に好ましい。具体的な素材には、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーを挙げることができる。
基材上に形成されている複数の導電層としては、一般的な回路配線又はタッチパネル配線に用いられる任意の導電層を挙げることができる。
導電層としては、導電性及び細線形成性の観点から、金属層、及び、導電性金属酸化物層よりなる群から選ばれた少なくとも1種の層であることが好ましく挙げられ、金属層であることがより好ましく挙げられ、銅層であることが特に好ましく挙げられる。
また、基材上に導電層を1層有していても、2層以上有していてもよい。2層以上の場合は、異なる材質の導電層を有することが好ましい。
導電層の材料としては、金属及び導電性金属酸化物などを挙げることができる。
金属としては、Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等を挙げることができる。
導電性金属酸化物としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、SiO2等を挙げることができる。なお、本開示における「導電性」とは、体積抵抗率が1×106Ωcm未満であることをいい、体積抵抗率が1×104Ωcm未満であることが好ましい。
また、中でも、
導電層としては、静電容量型タッチパネルに用いられる視認部のセンサーに相当する電極パターン又は周辺取り出し部の配線であることが好ましい。
基材の表面に導電層を有する基板である。導電層をパターンニングすることで回路配線を形成する。本開示では、PETなどの樹脂フィルムに導電性金属酸化物や金属などの複数の導電層が設けられたものであることが好ましい。
本開示に係る回路基板の製造方法は、上記ポジ型感光性組成物層をパターン露光する工程(露光工程)を含む。
上記第1の実施態様においては露光工程が、上記第2の実施態様においては第1露光工程が行われる。露光工程(第1露光工程)の一例を、図1(b)に概略的に示した。
露光工程(第1露光工程)では、貼り合わせ工程後の感光性転写材料の仮支持体10を介して感光性組成物層12をパターン露光する。
本開示においてパターンの詳細な配置及び具体的サイズは特に限定されない。本開示に係る回路基板の製造方法により製造される回路配線を有する入力装置を備えた表示装置(例えばタッチパネル)の表示品質を高め、また、取り出し配線の占める面積をできるだけ小さくしたいことから、パターンの少なくとも一部(特にタッチパネルの電極パターン及び取り出し配線の部分)は100μm以下の細線であることが好ましく、70μm以下の細線であることが更に好ましい。
ここで、露光に使用する光源としては、感光性組成物層の露光された箇所が現像液に溶解しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
露光量としては、5mJ/cm2~200mJ/cm2であることが好ましく、10mJ/cm2~100mJ/cm2であることがより好ましい。
本開示に係る回路基板の製造方法は、上記パターン露光されたポジ型感光性組成物層を現像する工程(現像工程)を含む。
上記第1の実施態様においては現像工程が、上記第2の実施態様においては第1現像工程が行われる。現像工程(第1現像工程)の一例を、図1(c)に概略的に示した。
現像工程(第1現像工程)では、露光工程(第1露光工程)後の感光性組成物層12から仮支持体10を剥離した後、露光工程(第1露光工程)後の感光性組成物層12を現像して第1パターン14Aを形成する。
パターン露光された感光性組成物層の現像は、現像液を用いて行うことができる。
現像液としては、感光性組成物層の露光部分を除去することができれば特に制限はなく、例えば、特開平5-72724号公報に記載の現像液など、公知の現像液を使用することができる。なお、現像液は感光性組成物層の露光部が溶解型の現像挙動をする現像液が好ましい。例えば、pKa=7~13の化合物を0.05mol/L(リットル)~5mol/Lの濃度で含むアルカリ水溶液系の現像液が好ましい。現像液は、更に、水と混和性を有する有機溶剤、界面活性剤等を含有してもよい。本開示において好適に用いられる現像液としては、例えば、国際公開第2015/093271号の段落0194に記載の現像液が挙げられる。
ポストベークの加熱は8.1kPa~121.6kPaの環境下で行うことが好ましく、506.6kPa以上の環境下で行うことがより好ましい。一方、1114.6kPa以下の環境下で行うことがより好ましく、101.3kPa以下の環境下で行うことが特に好ましい。
ポストベークの温度は、80℃~250℃であることが好ましく、110℃~170℃であることがより好ましく、130℃~150℃であることが特に好ましい。
ポストベークの時間は、1分~30分であることが好ましく、2分~10分であることがより好ましく、2分~4分であることが特に好ましい。
ポストベークは、空気環境下で行っても、窒素置換環境下で行ってもよい。
本開示に係る回路基板の製造方法は、上記現像されたポジ型感光性組成物層をマスクとして用い、導電層をエッチングする工程(エッチング工程)を含む。
上記第1の実施態様においてはエッチング工程が、上記第2の実施態様においては第1エッチング工程が行われる。エッチング工程(第1エッチング工程)の一例を、図1(d)に概略的に示した。
エッチング工程(第1エッチング工程)では、第1パターン14Aが配置されていない領域における複数の導電層のうち少なくとも第1導電層24及び第2導電層26をエッチング処理する。エッチングにより、同じパターンを有する第1導電層24A及び第2導電層26Aが形成される。
酸性タイプのエッチング液としては、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸等の酸性成分単独の水溶液、酸性成分と塩化第二鉄、フッ化アンモニウム、過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。酸性成分は、複数の酸性成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
アルカリ性タイプのエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのような有機アミンの塩等のアルカリ成分単独の水溶液、アルカリ成分と過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
洗浄工程で用いる洗浄液としては、純水、又は、純水に溶解可能な有機溶剤、又は、界面活性剤を混合させた水溶液を用いることができる。基板表面に残存する液滴による剥離ムラの抑制や除去性向上の観点から、洗浄液として、純水に溶解可能な有機溶剤、又は、界面活性剤を混合させた水溶液を用いることが好ましく、純水に溶解可能な有機溶剤、及び、界面活性剤の両方を混合させた水溶液を用いることがより好ましい。
上記水溶性の有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、2-アセトキシ-2-フェニルエタノール、3-メトキシ-3-メチルエタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、2-ブトキシエトキシエタノール等のアルコキシアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、などが挙げられる。
このうち、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、2-アセトキシ-2-フェニルエタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドが好ましい。
上記アニオン系界面活性剤の例としては、カルボン酸塩類、スルホン酸塩類、硫酸エステル塩類、リン酸エステル塩類等を挙げることができる。
上記カチオン系界面活性剤の例としては、アミン塩類、及び、第四級アンモニウム塩類を挙げることができる。
上記両性界面活性剤の例としては、ベタイン型類を挙げることができる。
上記ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、アルキルベンゼンポリアルキレングリコール類、ポリオキシアルキレングリコール類、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。
また、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)、サーフィノール(日信化学工業(株)製)及び、SH-8400(東レ・ダウコーニング(株)製)等の各シリーズを挙げることができる。
水と混合させる界面活性剤の含有量は、水溶液の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、0.001質量%~5質量%であることがより好ましく、0.01質量%~3質量%であることが更に好ましい。
上記第2の実施態様においては第2露光工程が行われる。第2露光工程の一例を、図1(e)に概略的に示した。
第1エッチング工程後、第1エッチング工程後の第1パターン14Aを第1パターンとは異なるパターンでパターン露光する。
第2露光工程におけるパターン露光は、第1露光工程で用いたマスク30とはパターンが異なるマスク40を用いること以外は第1露光工程におけるパターン露光と同じ方法を適用することができる。
上記第2の実施態様においては第2現像工程が行われる。第2現像工程の一例を、図1(f)に概略的に示した。
第2現像工程では、第2露光工程後の第1パターン14Aを現像して第2パターン14Bを形成する。
現像により、第1パターンのうち第2露光工程において露光された部分が除去される。
なお、第2現像工程では、第1現像工程における現像と同じ方法を適用することができる。
上記第2の実施態様においては第2露光工程が行われる。第2エッチング工程の一例を、図1(g)に概略的に示した。
第2エッチング工程では、第2パターン14Bが配置されていない領域における複数の導電層のうち少なくとも第1導電層24Aをエッチング処理する。
第2エッチング工程では、所望のパターンに応じて、第1エッチング工程よりも少ない導電層を選択的にエッチングすることが好ましい。例えば、図1に示すように、感光性組成物層が配置されていない領域において第1導電層24Bのみを選択的にエッチングするエッチング液を用いてエッチングを行うことで、第1導電層を第2導電層のパターンとは異なるパターンにすることができる。
第2エッチング工程の終了後、少なくとも2種類のパターンの導電層24B,26Aを含む回路配線が形成される。
本開示に係る回路基板の製造方法は、上記エッチング工程の後、かつ後述する除去工程の前に、上記現像されたポジ型感光性組成物層を全面露光する工程(全面露光工程)を含む。
本開示において、「現像されたポジ型感光性組成物層を全面露光する」とは、現像により残像するポジ型感光性組成物層の全てを露光すればよく、ポジ型感光性組成物層のない部分については、露光してもしなくともよいが、簡便性の観点から、例えば、基板のポジ型感光性組成物層を有する側の面の全面を露光することが好ましい。
また、上記全面露光工程においては、除去性の観点から、上記露光工程と同じ波長の光を含む光源を用いることが好ましい。
上記全面露光工程における露光量としては、除去性の観点から、5mJ/cm2~1,000mJ/cm2であることが好ましく、10mJ/cm2~800mJ/cm2であることがより好ましく、100mJ/cm2~500mJ/cm2であることが特に好ましい。
更に、上記全面露光工程における露光量としては、除去性の観点から、上記露光工程における露光量以上であることが好ましく、上記露光工程における露光量よりも多いことがより好ましい。
また、上記全面露光工程における露光照度は、5mW/cm2~25,000mW/cm2が好ましく、20mW/cm2~20,000mW/cm2がより好ましく、30mW/cm2~15,000mW/cm2が特に好ましい。実際においては、照度を高く設定することによって全面露光に要する時間が短縮されるため、プロセスに要する時間等の観点から、最適な露光照度を選択することができる。
上記全面露光前、全面露光中又はその両方において基材を加熱する工程における加熱温度としては、30℃~100℃が好ましく、30℃~60℃であることがより好ましい。
上記全面露光前、全面露光中又はその両方において基材を加熱する工程における加熱する時間については、全面露光プロセスに要する時間等を考慮して適宜選定できるが、1秒~600秒加熱されていることが好ましく、5秒~60秒加熱されていることが特に好ましい。
本開示に係る回路基板の製造方法は、上記全面露光工程中、露光工程後、又は、その両方、かつ後述する除去工程の前に、上記全面露光されたポジ型感光性組成物層を加熱する工程(加熱工程)を含んでいてもよい。加熱工程を含むことにより、より光酸発生剤の反応速度、及び、発生酸とポジ型感光性組成物との反応速度を向上することができ、結果、除去性能が向上する。
加熱工程に用いる加熱装置としては、特に制限はなく、公知の加熱装置を用いることができる。具体的には、IRヒーター、温風エア乾燥、ホットブロワー、コンベクションオーブン等を用いることができる。
上記加熱工程における加熱温度としては、除去性の観点から、30℃~100℃であることが好ましく、30℃~80℃であることがより好ましく、30℃~60℃であることが特に好ましい。
上記加熱工程における加熱時間としては、除去性の観点から、1秒~600秒であることが好ましく、1秒~120秒であることがより好ましく、5秒~60秒であることが特に好ましい。なお、本開示における加熱時間とは設定温度に基板が到達してからの時間を指し、昇温中の時間は含まない。
本開示に係る回路基板の製造方法は、上記全面露光されたポジ型感光性組成物層を除去する工程(除去工程)を含む。上記除去工程における除去には、例えば、ポジ型感光性組成物層の除去液への溶解及び分散が含まれる。
除去工程の一例を、図1(h)に概略的に示した。
第2エッチング工程の終了後、第1導電層24B上の一部には第2パターン14Bが残存している。残存する全ての感光性組成物層である第2パターン14Bを除去すればよい。
感光性組成物層の除去方法としては、好ましくは30℃~80℃、より好ましくは50℃~80℃にて撹拌中の除去液に感光性組成物層などを有する基材を1分~30分間浸漬する方法が挙げられる。
また、除去液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ成分、又は、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、第4級アンモニウム塩化合物等の有機アルカリ成分を含有するものであることが好ましい。
中でも、除去性の観点から、有機アルカリ成分を含有するものがより好ましく、アミン化合物を含有することが特に好ましい。
アルカリ成分の含有量は、その塩基性の強さや溶解性等の点から、適宜選択すればよいが、除去性の観点から、除去液の全質量に対し、0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.1質量%~10質量%であることがより好ましい。
除去液は、除去性の観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、公知の界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤の含有量は、除去性の観点から、除去液の全質量に対し、0.1質量%~10質量%であることが好ましい。
更に、除去液は、水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン等が好ましく挙げられる。
上記除去工程においては、除去液を使用し、スプレー法、シャワー法、パドル法等により除去する方法が好ましく挙げられる。
本開示に係る回路基板の製造方法は、ロールツーロール方式により行われることが好ましい。
ロールツーロール方式とは、基板として、巻取り及び巻き出しが可能な基板を用い、回路基板の製造方法に含まれるいずれかの工程の前に、基材又は形成工程により形成された上記構造体を巻き出す巻き出し工程を、いずれかの工程の後に基材又は上記構造体を巻き取る巻き取り工程を含み、少なくともいずれかの工程(好ましくは、全ての工程又は加熱工程以外の全ての工程)を、基材又は上記構造体を搬送しながら行う方式をいう。
巻き出し工程における巻き出し方法、及び、巻取り工程における巻取り方法としては、特に制限されず、ロールツーロールの製造方法において公知の方法を用いればよい。
また、上述の形成工程の前に、樹脂フィルム等のフィルム上に金属等の導電層を作製し、巻き取ることにより作製されるロール状基板を巻き出す工程を含み、巻き出された上記ロール状基板における導電層上に感光性組成物層を形成することが好ましい。
上記第2の実施態様において、第1エッチング工程の後、第2露光工程の前に、第1パターン上に、光透過性を有する保護フィルム(不図示)を貼り付ける工程を更に有してもよい。
この場合、第2露光工程において、保護フィルムを介して第1パターンをパターン露光し、第2露光工程後、第1パターンから保護フィルムを除去した後、第2現像工程を行うことが好ましい。
本開示に係る回路基板の製造方法は、基材上の複数の導電層の一部又は全ての可視光線反射率を低下させる処理をする工程を含むことが可能である。
可視光線反射率を低下させる処理としては、酸化処理などを挙げることができる。例えば、銅を酸化処理して酸化銅とすることで、黒化することにより、可視光線反射率を低下させることができる。
可視光線反射率を低下させる処理の好ましい態様については、特開2014-150118号公報の段落0017~段落0025、並びに、特開2013-206315号公報の段落0041、段落0042、段落0048及び段落0058に記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
本開示に係る回路基板の製造方法は、形成した回路配線上に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程を含むことも好ましい。
このような構成により、上述の第二の電極パターンを、第一の電極パターンと絶縁しつつ、形成することができる。
絶縁膜を形成する工程については、特に制限はなく、公知の永久膜を形成する方法を挙げることができる。また、絶縁性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの絶縁膜を形成してもよい。
絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程については、特に制限はない。導電性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの新たな導電層を形成してもよい。
本開示において用いられるポジ型感光性組成物層は、特に制限はなく、公知のポジ型感光性組成物層を用いることができる。また、上記感光性組成物層は、感度、解像度及び除去性の観点から、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を有する重合体と、光酸発生剤とを含む化学増幅ポジ型感光性組成物層であることが好ましい。
後述するオニウム塩やオキシムスルホネート化合物等の光酸発生剤は、活性放射線(活性光線)に感応して生成される酸が、上記重合体中の保護された酸基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られる。
一方、活性放射線に感応する光酸発生剤としてキノンジアジド化合物を用いた場合、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下であり、化学増幅型には該当しない。
上記感光性組成物層は、酸分解性で保護された酸基を有する構成単位(「構成単位A」ともいう。)を有する重合体(単に「重合体A1」ともいう。)を含むことが好ましい。
また、上記感光性組成物層は、構成単位Aを有する重合体A1に加え、他の重合体を含んでいてもよい。本開示においては、構成単位Aを有する重合体A1及び他の重合体をあわせて、「重合体成分」ともいう。
なお、重合体成分には、後述する界面活性剤は含まれないものとする。
したがって、重合体成分及び界面活性剤以外の樹脂成分が感光性組成物層に含まれない場合には、感光性組成物層における樹脂成分とは、重合体成分のことである。
上記重合体A1は、露光により生じる触媒量の酸性物質の作用により、重合体A1中の酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位Aが脱保護反応を受け酸基となる。この酸基により、現像液への溶解が可能となる。
更に、重合体A1は、酸基を有する構成単位を更に有することが好ましい。
また、重合体A1は、パターン形状、現像液への溶解性及び転写性の観点から、非粒子形状の重合体(「バインダーポリマー」ともいう。)であることが好ましい。
以下に構成単位Aの好ましい態様について説明する。
また、上記重合体成分に含まれる全ての重合体がそれぞれ、後述する酸基を有する構成単位を少なくとも有する重合体であることが好ましい。
また、上記感光性組成物は、更に、これら以外の重合体を含んでいてもよい。本開示における上記重合体成分は、特に述べない限り、必要に応じて添加される他の重合体を含めたものを意味するものとする。なお、後述する架橋剤及び分散剤に該当する化合物は、高分子化合物であっても、上記重合体成分に含まないものとする。
上記感光性組成物層に含まれる重合体A1は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
上記重合体成分は、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位Aを少なくとも有する重合体A1を含むことが好ましい。上記重合体成分が構成単位Aを有する重合体を含むことにより、極めて高感度な化学増幅ポジ型の感光性組成物層とすることができる。
本開示における「酸分解性基で保護された酸基」は、酸基及び酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。具体的な酸基としては、カルボキシ基、及び、フェノール性水酸基が好ましく挙げられる。また、酸分解性で保護された酸基としては、酸により比較的分解し易い基(例えば、式A3により表される基で保護されたエステル基、テトラヒドロピラニルエステル基、又は、テトラヒドロフラニルエステル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解し難い基(例えば、tert-ブチルエステル基等の第三級アルキル基、tert-ブチルカーボネート基等の第三級アルキルカーボネート基)を用いることができる。
これらの中でも、上記酸分解性基としては、アセタールの形で保護された構造を有する基であることが好ましい。
また、酸分解性基としては、得られる回路配線における線幅のバラツキが抑制される観点から、分子量が300以下の酸分解性基であることが好ましい。
式A2中、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR21及びR22のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R23はアルキル基又はアリール基を表し、R21又はR22と、R23とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R24はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はシクロアルキル基を表し、mは0~3の整数を表す。
式A3中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR31及びR32のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は水素原子又はメチル基を表し、X0は単結合又はアリーレン基を表し、Yは-S-、又は-O-を表す。
式A1中、R11又はR12がアルキル基の場合、炭素数は1~10のアルキル基が好ましい。R11又はR12がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R11及びR12は、それぞれ、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
式A1中、R13は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、炭素数1~6のアルキル基がより好ましい。
また、R11~R13におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
式A1中、R11又はR12と、R13とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R11又はR12と、R13とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
式A1中、X1は単結合又は二価の連結基を表し、単結合又はアルキレン基、-C(=O)O-、-C(=O)NRN-、-O-又はこれらの組み合わせが好ましく、単結合がより好ましい。アルキレン基は、直鎖状でも分岐を有していても環状構造を有していてもよく、置換基を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1~10が好ましく、1~4がより好ましい。XBが-C(=O)O-を含む場合、-C(=O)O-に含まれる炭素原子と、RB4が結合した炭素原子とが直接結合する態様が好ましい。X1が-C(=O)NRN-を含む場合、-C(=O)NRN-に含まれる炭素原子と、R14が結合した炭素原子とが直接結合する態様が好ましい。RNはアルキル基又は水素原子を表し、炭素数1~4のアルキル基又は水素原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
式A1中、R11~R13を含む基と、X1とは、互いにパラ位で結合することが好ましい。
式A1中、R15は置換基を表し、アルキル基又はハロゲン原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~4がより好ましい。
式A1中、nは0~4の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
より具体的には、重合体A1に含まれる構成単位Aの全含有量に対し、式A1におけるR14が水素原子である構成単位は20質量%以上であることが好ましい。
なお、構成単位A中の、式A1におけるR14が水素原子である構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C-核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
式A1-2中、RB4は水素原子が好ましい。
式A1-2中、RB5~RB11は、水素原子が好ましい。
式A1-2、RB12は置換基を表し、アルキル基又はハロゲン原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~4がより好ましい。
式A1-2中、nは0~4の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
式A2中、R21及びR22がアルキル基の場合、炭素数1~10のアルキル基が好ましい。R21及びR22がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R11及びR12は、それぞれ、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、少なくとも一方が水素原子であることがより好ましい。
上記一般式A2中、R23はアルキル基又はアリール基を表し、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、1~6のアルキル基がより好ましい。
R11又はR12と、R13とが連結して環状エーテルを形成してもよい。
式A2中、R24はそれぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数1~10のアルコキシ基であることが好ましい。R24は、R24と同様の基により更に置換されていてもよい。
式A2中、mは1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
式A3中、R31又はR32がアルキル基の場合、炭素数は1~10のアルキル基が好ましい。R31又はR32がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R31及びR32は、それぞれ、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
式A3中、R33は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、炭素数1~6のアルキル基がより好ましい。
また、R31~R33におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
式A3中、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
式A3中、X0は単結合又はアリーレン基を表し、単結合が好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。
式A3中、Yは、-S-、又は-O-を表し、露光感度の観点から、-O-が好ましい。
式A3中、R34は水素原子又はメチル基を表し、重合体A1のTgをより低くし得るという観点から、水素原子であることが好ましい。
より具体的には、重合体A1に含まれる式A3で表される構成単位の全量に対し、式A3におけるR34が水素原子である構成単位は20質量%以上であることが好ましい。
なお、式A3で表される構成単位中の、式A1におけるR34が水素原子である構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C-核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
式A3-3中、R34は水素原子が好ましい。
式A3-3中、R35~R41は、水素原子が好ましい。
重合体A1における構成単位Aの含有量は、重合体A1の全質量に対して、20質量%以上であることが好ましく、20質量%~90質量%であることがより好ましく、30質量%~70質量%であることが更に好ましい。
重合体A1における構成単位Aの含有量(含有割合:質量比)は、13C-NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
また、全ての重合体成分を構成単位(モノマー単位)に分解したうえで、構成単位Aの割合は、重合体成分の全質量に対して、5質量%~80質量%であることが好ましく、10質量%~80質量%であることがより好ましく、30質量%~70質量%であることが特に好ましい。
上記重合体A1は、酸基を有する構成単位Bを含むことが好ましい。
構成単位Bは、保護基、例えば、酸分解性基で保護されていない酸基、すなわち、保護基を有さない酸基を有する構成単位である。重合体A1が構成単位Bを含むことで、パターン形成時の感度が良好となり、パターン露光後の現像工程においてアルカリ性の現像液に溶けやすくなり、現像時間の短縮化を図ることができる。
本明細書における酸基とは、pKaが12以下のプロトン解離性基を意味する。酸基は、通常、酸基を形成しうるモノマーを用いて、酸基を有する構成単位(構成単位B)として、重合体に組み込まれる。感度向上の観点から、酸基のpKaは、10以下が好ましく、6以下がより好ましい。また、酸基のpKaは、-5以上であることが好ましい。
重合体A1への酸基を有する構成単位の導入は、酸基を有するモノマーを共重合させること又は酸無水物構造を有するモノマーを共重合させ酸無水物を加水分解することで行うことができる。
構成単位Bである、酸基を有する構成単位は、スチレン化合物に由来する構成単位若しくはビニル化合物に由来する構成単位に対して酸基が置換した構成単位、又は、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位であることがより好ましい。具体的には、カルボキシ基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4-カルボキシスチレン等が挙げられ、フェノール性水酸基を有するモノマーとしてはp-ヒドロキシスチレン、4-ヒドロキシフェニルメタクリレート等が挙げられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
構成単位Bを形成しうる酸基を有するモノマーは既述の例に限定されない。
重合体A1は、重合体A1の全質量に対し、酸基を有する構成単位(構成単位B)を0.1質量%~20質量%含むことが好ましく、0.5質量%~15質量%含むことがより好ましく、1質量%~10質量%含むことが更に好ましい。上記範囲であると、パターン形成性がより良好となる。
重合体A1における構成単位Bの含有量(含有割合:質量比)は、13C-NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
重合体A1は、既述の構成単位A及び構成単位B以外の、他の構成単位(以下、構成単位Cと称することがある。)を、本開示に係る感光性転写材料の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。
構成単位Cを形成するモノマーとしては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、脂肪族環式骨格を有する基、その他の不飽和化合物を挙げることができる。
構成単位Cを用いて、種類及び含有量の少なくともいずれかを調整することで、重合体A1の諸特性を調整することができる。特に、構成単位Cを適切に使用することで、重合体A1のTgを容易に調整することができる。
ガラス転移温度を120℃以下とすることで、重合体A1を含有するポジ型感光性組成物層は、転写性、仮支持体からの除去性を良好なレベルに維持しつつ、パターン形成時の解像度及び感度がより良好となる。
重合体A1は、構成単位Cを1種のみ含んでもよく、2種以上含んでいてもよい。
中でも、重合体A1は、構成単位Bとして、カルボン酸基を有する構成単位を含み、更に、カルボン酸エステル基を含む構成単位Cを共重合成分として含むことが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸由来の構成単位Bと、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル又は(メタ)アクリル酸n-ブチル由来の構成単位(c)とを含む重合体がより好ましい。
以下、本開示における重合体A1の好ましい例を挙げるが、本開示は以下の例示に限定されない。なお、下記例示化合物における構成単位の比率、重量平均分子量は、好ましい物性を得るために適宜選択される。
本開示において用いられる重合体成分は、除去性の観点から、有機概念図に基づく無機性値Iを有機性値Oで除したI/O値の平均値が、0.55以上0.65以下であることが好ましく、0.57以上0.63以下であることがより好ましい。
また、本開示において用いられる特定重合体のI/O値は、上記I/O値の平均値が上記範囲に含まれるよう、適宜設定すればよいが、0.55以上0.65以下であることが好ましく、0.57以上0.63以下であることがより好ましい。
上記I/O値については、有機概念図(甲田善生 著、三共出版(1984));KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1~16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719~725項(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97~111項(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79~82項(1981年);などの文献に詳細な説明がある。I/O値の概念は、化合物の性質を、共有結合性を表す有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、全ての有機化合物を有機軸、無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけて示すものである。
Am = A1×M1+ A2×M2 + A3×M3
なお、重合体成分が1種のみの重合体を単独で含有する場合、含まれる1種のみの重合体のI/O値が、重合体成分におけるI/O値の平均値となる。
本開示における重合体A1のガラス転移温度(Tg)は、転写性の観点、及び、上述の加熱工程における加熱温度を調節する観点から、90℃以下であることが好ましく、20℃以上60℃以下であることがより好ましく、30℃以上50℃以下であることが更に好ましい。
FOX式について
重合体に含まれる第1の構成単位の単独重合体のTgをTg1、第1の構成単位の共重合体における質量分率をW1とし、第2の構成単位の単独重合体のTgをTg2とし、第2の構成単位の共重合体における質量分率をW2としたときに、第1の構成単位と第2の構成単位とを含む共重合体のTg0(K)は、以下の式にしたがって推定することが可能である。
FOX式:1/Tg0=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)
既述のFOX式を用いて、共重合体に含まれる各構成単位の種類と質量分率を調整して、所望のTgを有する共重合体を得ることができる。
また、重合体の重量平均分子量を調整することにより、重合体のTgを調整することも可能である。
重合体A1の酸価は、現像性及び転写性の観点から、0mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることがより好ましい。
A=56.11×Vs×0.1×f/w
A:酸価(mgKOH/g)
Vs:滴定に要した0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液の力価
w:測定サンプルの質量(g)(固形分換算)
重合体A1の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、60,000以下であることが好ましい。重合体A1の重量平均分子量が60,000以下であることで、感光性組成物層の溶融粘度を低く抑え、上記基板と貼り合わせる際において低温(例えば130℃以下)での貼り合わせを実現することができる。
また、重合体A1の重量平均分子量は、2,000~60,000であることが好ましく、3,000~50,000であることがより好ましい。
なお、重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定することができ、測定装置としては、様々な市販の装置を用いることができ、装置の内容、及び、測定技術は同当業者に公知である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量の測定は、測定装置として、HLC(登録商標)-8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super HZM-M(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ4000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ3000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ2000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)をそれぞれ1本、直列に連結したものを用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いることができる。
また、測定条件としては、試料濃度を0.2質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μL、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行うことができる。
検量線は、東ソー(株)製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F-40」、「F-20」、「F-4」、「F-1」、「A-5000」、「A-2500」及び「A-1000」の7サンプルのいずれかを用いて作製できる。
重合体A1の製造方法(合成法)は特に限定されないが、一例を挙げると、式Aで表される構成単位Aを形成するための重合性単量体、酸基を有する構成単位Bを形成するための重合性単量体、更に必要に応じて、その他の構成単位Cを形成するための重合性単量体を含む有機溶剤中、重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応で合成することもできる。
また、上記感光性組成物層は、上記基板に対して良好な密着性を発現させる観点から、感光性組成物層の全固形分に対し、上記重合体A1を50質量%~99.9質量%の割合で含むことが好ましく、70質量%~98質量%の割合で含むことがより好ましい。
上記感光性組成物層は、重合体成分として、重合体A1に加え、本開示に係る感光性転写材料の効果を損なわない範囲において、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含まない重合体(「他の重合体」と称する場合がある。)を更に含んでいてもよい。上記感光性組成物層が他の重合体を含む場合、他の重合体の配合量は、全重合体成分中、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
他の重合体として、例えばポリヒドロキシスチレンを用いることができ、市販されている、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、及び、SMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC-3000、ARUFON UC-3510、ARUFON UC-3900、ARUFON UC-3910、ARUFON UC-3920、及び、ARUFON UC-3080(以上、東亞合成(株)製)、並びに、Joncryl 690、Joncryl 678、Joncryl 67、及び、Joncryl 586(以上、BASF社製)等を用いることもできる。
上記感光性組成物層は、光酸発生剤を含むことが好ましい。
本開示で使用される光酸発生剤としては、紫外線、遠紫外線、X線、及び、荷電粒子線等の放射線を照射することにより酸を発生することができる化合物である。
本開示で使用される光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300nm~450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造は制限されない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
本開示で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤が特に好ましい。pKaの下限値は特に定めないが、例えば、-10.0以上であることが好ましい。
また、光酸発生剤としては、感度及び解像度の観点から、後述するオニウム塩化合物、及び、後述するオキシムスルホネート化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、オキシムスルホネート化合物を含むことがより好ましい。
R21のアルキル基としては、炭素数1~10の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6~11のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、シクロアルキル基(7,7-ジメチル-2-オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)、又は、ハロゲン原子で置換されてもよい。
R21のアリール基としては、炭素数6~18のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、炭素数1~4のアルキル基、アルコキシ基及びハロゲン原子よりなる群から選ばれた1つ以上の基で置換されてもよい。
上記感光性組成物層における光酸発生剤の含有量は、感度、解像度の観点から、上記感光性組成物層の全質量に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、0.5質量%~5質量%であることがより好ましい。
上記感光性組成物層は、溶剤を含んでいてもよい。
また、上記感光性組成物層を形成する感光性組成物は、上記感光性組成物層を容易に形成するため、一旦溶剤を含有させて感光性組成物の粘度を調節し、溶剤を含む感光性組成物を塗布及び乾燥して、上記感光性組成物層を好適に形成することができる。
本開示に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができる。溶剤としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、及び、ラクトン類等が例示できる。また、溶剤の具体例としては特開2011-221494号公報の段落0174~段落0178に記載の溶剤も挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
溶剤は、1種のみ用いてもよく、2種以上を使用してもよい。
本開示に用いることができる溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種を併用することがより好ましい。溶剤を2種以上使用する場合には、例えば、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類とジアルキルエーテル類との併用、ジアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類との併用、又は、エステル類とブチレングリコールアルキルエーテルアセテート類との併用が好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル-n-ブチルエーテル(沸点155℃)、及び、プロピレングリコールメチル-n-プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3-エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3-メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、及び、1,3-ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸t-ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル等が挙げられる。
エーテル類としては、ジイソプロピルエーテル、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、1,3-ジオキソラン、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
ケトン類としては、メチルn-ブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルn-プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン等が挙げられる。
また、その他の溶剤としては、トルエン、アセトニトリル、イソプロパノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール等が挙げられる。
また、上記感光性組成物層における溶剤の含有量は、上記感光性組成物層の全質量に対し、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。
本開示における上記感光性組成物層は、重合体A1及び光酸発生剤に加え、必要に応じて公知の添加剤を含むことができる。
上記感光性組成物層は、可塑性を改良する目的で、可塑剤を含有してもよい。
上記可塑剤は、重合体A1よりも重量平均分子量が小さいことが好ましい。
可塑剤の重量平均分子量は、可塑性付与の観点から500以上10,000未満が好ましく、700以上5,000未満がより好ましく、800以上4,000未満が更に好ましい。
可塑剤は、重合体A1と相溶して可塑性を発現する化合物であれば特に限定されないが、可塑性付与の観点から、可塑剤は、分子中にアルキレンオキシ基を有することが好ましい。可塑剤に含まれるアルキレンオキシ基は下記構造を有することが好ましい。
上記感光性組成物層は、可塑剤を1種のみを含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
上記感光性組成物層は、増感剤を更に含むことができる。
増感剤は、活性光線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、及び、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。
増感剤を含有させることで、露光感度を向上させることができる。
アントラセン誘導体としては、アントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジクロロアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9-ヒドロキシメチルアントラセン、9-ブロモアントラセン、9-クロロアントラセン、9,10-ジブロモアントラセン、2-エチルアントラセン、又は、9,10-ジメトキシアントラセンが好ましい。
上記感光性組成物層は、塩基性化合物を更に含むことが好ましい。
塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられる塩基性化合物の中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、及び、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011-221494号公報の段落0204~段落0207に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N-ジメチルアニリン、及び、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2-メチルピリジン、4-メチルピリジン、2-エチルピリジン、4-エチルピリジン、2-フェニルピリジン、4-フェニルピリジン、N-メチル-4-フェニルピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2-フェニルベンズイミダゾール、2,4,5-トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8-オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4-メチルモルホリン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン、及び、1,8-ジアザビシクロ[5.3.0]-7-ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムヒドロキシド、及び、テトラ-n-ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ-n-ブチルアンモニウムアセテート、及び、テトラ-n-ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
塩基性化合物の含有量は、上記感光性組成物層の全質量に対して、0.001質量%~5質量%であることが好ましく、0.005質量%~3質量%であることがより好ましい。
本開示における感光性組成物層は、ヘテロ環状化合物を含むことができる。
本開示におけるヘテロ環状化合物には、特に制限はない。例えば、以下に述べる分子内にエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有ヘテロ環状化合物、その他、各種環状エーテル、環状エステル(ラクトン)などの含酸素モノマー、環状アミン、オキサゾリンといった含窒素モノマー、更には珪素、硫黄、リンなどのd電子をもつヘテロ環モノマー等を添加することができる。
その他の市販品として、ADEKA RESIN EP-4000S、同EP-4003S、同EP-4010S、同EP-4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC-2000、NC-3000、NC-7300、XD-1000、EPPN-501、EPPN-502(以上、(株)ADEKA製)、デナコールEX-611、EX-612、EX-614、EX-614B、EX-622、EX-512、EX-521、EX-411、EX-421、EX-313、EX-314、EX-321、EX-211、EX-212、EX-810、EX-811、EX-850、EX-851、EX-821、EX-830、EX-832、EX-841、EX-911、EX-941、EX-920、EX-931、EX-212L、EX-214L、EX-216L、EX-321L、EX-850L、DLC-201、DLC-203、DLC-204、DLC-205、DLC-206、DLC-301、DLC-402、EX-111,EX-121、EX-141、EX-145、EX-146、EX-147、EX-171、EX-192(以上ナガセケムテック製)、YH-300、YH-301、YH-302、YH-315、YH-324、YH-325(以上、新日鐵住金化学(株)製)セロキサイド2021P、2081、2000、3000、EHPE3150、エポリードGT400、セルビナースB0134、B0177((株)ダイセル製)などが挙げられる。
分子内にエポキシ基を有する化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記感光性組成物層は、アルコキシシラン化合物を含有してもよい。アルコキシシラン化合物としては、トリアルコキシシラン化合物が好ましく挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、例えば、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ-グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ-クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ-グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ-メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ-グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが更に好ましく、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記感光性組成物層は、膜厚均一性の観点から界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系(非イオン系)、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)、及び、SH-8400(東レ・ダウコーニング(株)製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記式I-1で表される構成単位SA及び構成単位SBを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
界面活性剤の添加量は、上記感光性組成物層の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、0.001質量%~10質量%であることがより好ましく、0.01質量%~3質量%であることが更に好ましい。
本開示における感光性組成物層には、金属酸化物粒子、酸化防止剤、分散剤、酸増殖剤、現像促進剤、導電性繊維、着色剤、熱ラジカル重合開始剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、架橋剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を更に加えることができる。
その他の成分の好ましい態様については特開2014-85643号公報の段落0165~段落0184にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
各成分、及び、溶剤を任意の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性組成物層を形成するための感光性組成物を調製することができる。例えば、各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、得られた溶液を所定の割合で混合して組成物を調製することもできる。以上の如くして調製した組成物は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
本開示に用いられる感光性組成物における固形成分(例えば、重合体成分、光酸発生剤、塩基性化合物、及び、界面活性剤)は、感光性組成物層の膜厚均一性、面状ムラ等を向上させるために、上述した溶剤に溶解して調整することが好ましい。
塗布方法は特に限定されず、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布などの公知の方法で塗布することができる。
なお、仮支持体上に後述のその他の層を形成した上に、感光性組成物層を塗布することもできる。
以下、本開示に用いられるポジ型感光性転写材料(以下、単に「感光性転写材料」ともいう。)について、詳細に説明する。
ポジ型感光性組成物層14は、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を有する重合体と、光酸発生剤とを含有する。
以下、本開示に用いられる感光性転写材料の構成材料等について説明する。なお、本開示における上記構成について本明細書では以下のように称する場合がある。
仮支持体は、ポジ型感光性組成物層を支持し、ポジ型感光性組成物層から剥離可能な支持体である。
本開示に用いられる仮支持体は、感光性組成物層をパターン露光する際に仮支持体を介して感光性組成物層を露光し得る観点から、光透過性を有することが好ましい。
光透過性を有するとは、パターン露光に使用する光の主波長の透過率が50%以上であることを意味し、パターン露光に使用する光の主波長の透過率は、露光感度向上の観点から、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透過率の測定方法としては、大塚電子(株)製MCPD Seriesを用いて測定する方法が挙げられる。
仮支持体としては、ガラス基板、樹脂フィルム、紙等が挙げられ、強度及び可撓性等の観点から、樹脂フィルムが特に好ましい。樹脂フィルムとしては、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。中でも、光学特性及び低透湿性の観点から、シクロオレフィンポリマーを含むフィルムが好ましく、シクロオレフィンポリマーフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚みは、支持体としての強度、回路配線形成用基板との貼り合わせに求められる可撓性、最初の露光工程で要求される光透過性などの観点から、材質に応じて選択すればよい。
本開示に用いられる感光性転写材料は、上記感光性組成物層以外の層(以下、「その他の層」と称することがある)を有していてもよい。その他の層としては、コントラストエンハンスメント層、中間層、カバーフィルム、熱可塑性樹脂層等を挙げることができる。
本開示に用いられる感光性転写材料は、上記感光性組成物層に加え、コントラストエンハンスメント層を有することができる。
コントラストエンハンスメント層(Contrast Enhancement Layer;CEL)は、露光前には露光波長に対する吸収が大きいが、露光されるに伴って次第に吸収が小さくなる、すなわち、光の透過率が高くなる材料(光消色性色素成分と称する)を含有する層である。光消色性色素成分としては、ジアゾニウム塩、スチルバゾリウム塩、アリールニトロソ塩類等が知られている。被膜形成成分としては、フェノール系樹脂等が用いられる。
その他、コントラストエンハンスメント層としては、特開平6-97065号公報の段落0004~段落0051、特開平6-332167号公報の段落0012~段落0055、フォトポリマーハンドブック,フォトポリマー懇話会編,工業調査会(1989)、フォトポリマー・テクノロジー,山岡、永松編,(株)日刊工業新聞社(1988)に記載の材料を用いることができる。
上記感光性組成物層の上に、複数層を塗布する目的、及び塗布後の保存の際における成分の混合を防止する目的で、中間層を設けることができる。
中間層としては、特開2005-259138号公報の段落0084~0087に記載の中間層を用いることができる。中間層としては、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましい。
中間層に用いられる材料としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂、及びこれらの共重合体などの樹脂が挙げられる。中でも特に好ましいのはポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
本開示に用いられる感光性転写材料は、転写性の観点から、上記仮支持体と上記感光性組成物層との間に、熱可塑性樹脂層を有していてもよい。
また、本開示に係る感光性転写材料は、上記感光性組成物層を保護する目的でカバーフィルムを有していてもよい。
熱可塑性樹脂層の好ましい態様については特開2014-85643号公報の段落0189~段落0193、他の層の好ましい態様については特開2014-85643号公報の段落0194~段落0196にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
中でも、転写性の観点から、熱可塑性樹脂層が、アクリル樹脂及びスチレン/アクリル共重合体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
例えば、熱可塑性樹脂層及び中間層を有する本開示に係る感光性転写材料を作製する場合には、仮支持体上に、熱可塑性の有機高分子と添加剤とを溶解した溶解液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥させて熱可塑性樹脂層を設けた後、得られた熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤に樹脂及び添加剤を加えて調製した調製液(中間層用塗布液)を塗布し、乾燥させて中間層を積層する。形成した中間層上に、更に、中間層を溶解しない溶剤を用いて調製した感光性組成物を塗布し、乾燥させて感光性組成物層を積層することによって、本開示に係る感光性転写材料を好適に作製することができる。
本開示に係る回路基板の製造方法により製造される回路基板を備えた装置として、入力装置が挙げられる。
本開示における入力装置は、静電容量型タッチパネルであることが好ましい。
本開示における表示装置は、本開示における入力装置を備えることが好ましい。
また、本開示における表示装置は、有機EL表示装置、及び、液晶表示装置等の画像表示装置であることが好ましい。
本開示に係るタッチパネルは、本開示に係る回路基板の製造方法により製造された回路基板を少なくとも有するタッチパネルである。また、本開示に係るタッチパネルは、透明基板と、電極と、絶縁層又は保護層とを少なくとも有することが好ましい。
本開示に係るタッチパネル表示装置は、本開示に係る回路基板の製造方法により製造された回路基板を少なくとも有するタッチパネル表示装置であり、本開示に係るタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。
本開示に係るタッチパネル又はタッチパネル表示装置の製造方法は、本開示に係る回路基板の製造方法を含むことが好ましい。
本開示に係るタッチパネル又はタッチパネル表示装置の製造方法は、感光性転写材料の製造方法により得られた感光性転写材料の上記感光性組成物層を上記基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記貼り合わせる工程後の上記感光性転写材料の上記感光性組成物層をパターン露光する工程と、上記露光する工程後の感光性組成物層を現像してパターンを形成する工程と、上記パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、を含むことが好ましい。各工程の詳細は、上述の回路基板の製造方法における各工程の詳細と同義であり、好ましい態様も同様である。
本開示に係るタッチパネル及び本開示に係るタッチパネル表示装置のおける検出方法としては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式、及び、光学方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
タッチパネル型としては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012-517051号公報の図5、図6、図7、図8に記載のもの)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2013-168125号公報の図19に記載のもの、特開2012-89102号公報の図1や図5に記載のもの)、OGS(One Glass Solution)型、TOL(Touch-on-Lens)型(例えば、特開2013-54727号公報の図2に記載のもの)、その他の構成(例えば、特開2013-164871号公報の図6に記載のもの)、各種アウトセル型(いわゆる、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1、G1Fなど)を挙げることができる。
本開示に係るタッチパネル及び本開示に係るタッチパネル表示装置としては、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日、(株)テクノタイムズ社発行)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T-11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
以下の合成例において、以下の略語はそれぞれ以下の化合物を表す。
ATHF:2-テトラヒドロフラニルアクリレート(合成品)
AA:アクリル酸(東京化成工業(株)製)
MAA:メタクリル酸(東京化成工業(株)製)
EA:アクリル酸エチル(東京化成工業(株)製)
MMA:メタクリル酸メチル(東京化成工業(株)製)
CHA:アクリル酸シクロヘキシル(東京化成工業(株)製)
MATHF:2-テトラヒドロフラニルメタクリレート(合成品)
ATHP:2-テトラヒドロピラニルアクリレート(新中村化学工業(株)製)
MAEVE:1-エトキシエチルメタクリレート(合成品)
PMPMA:メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル(富士フイルム和光純薬(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工(株)製)
V-601:ジメチル 2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製)
3つ口フラスコにアクリル酸(72.1g、1.0mol)、ヘキサン(72.1g)を加え20℃に冷却した。カンファースルホン酸(7.0mg、0.03mmol)、2-ジヒドロフラン(77.9g、1.0mol)を滴下した後に、20℃±2℃で1.5時間撹拌した後、35℃まで昇温して2時間撹拌した。ヌッチェにキョーワード200(ろ過材、水酸化アルミニウム粉末、協和化学工業(株)製)、キョーワード1000(ろ過材、ハイドロタルサイト系粉末、協和化学工業(株)製)の順に敷き詰めた後、反応液をろ過することでろ過液を得た。得られたろ過液にヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ、1.2mg)を加えた後、40℃で減圧濃縮することで、アクリル酸テトラヒドロフラン-2-イル(ATHF)140.8gを無色油状物として得た(収率99.0%)。
アクリル酸をメタクリル酸に変更した以外は、ATHFの合成と同様にして合成した。
特開2007-163772号公報の段落0139に記載の方法に従って合成した。
3つ口フラスコにPGMEA(75.0g)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。ATHF(40.0g)、AA(2.0g)、アクリル酸エチル(EA、20.0g)、メタクリル酸メチル(MMA、22.0g)、アクリル酸シクロヘキシル(CHA、16.0g)、V-601(4.0g)、PGMEA(75.0g)を加えた溶液を、90℃±2℃に維持した3つ口フラスコ溶液中に2時間かけて滴下した。滴下終了後,90℃±2℃にて2時間撹拌することで、重合体A-1(固形分濃度40.0%)を得た。
モノマーの種類等を下記表2に示す通りに変更し、その他の条件については、重合体A1と同様の方法で合成した。重合体Aの固形分濃度は40質量%とした。表2における各モノマーの使用量の単位は、質量%である。
特開2014-85643号公報の段落0232に記載の方法に従って重合体A-11を得た。
特開2014-85643号公報の段落0234に記載の方法に従って重合体A-12を得た。
B-1:下記に示す構造(特開2013-47765号公報の段落0227に記載の化合物、段落0227に記載の方法に従って合成した。)
C-1:下記に示す構造の化合物
D-1:下記に示す構造の化合物
TS-200TF(東洋合成工業(株)製、下記構造の化合物)
実施例1及び比較例1では、下記表3に示す固形分比となるように、重合体成分、光酸発生剤、塩基性化合物、及び、界面活性剤をPGMEAに固形分濃度10質量%になるように溶解混合し、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、感光性組成物を得た。
この感光性組成物を、仮支持体となる厚さ30μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PET(A)とする。)の上に、スリット状ノズルを用いて乾燥膜厚が3.0μm、塗布幅が1.0mとなるように塗布した。その後、80℃の乾燥ゾーンを40秒間かけて通過させ、最後にカバーフィルムとしてポリエチレンフィルム(トレデガー社製、OSM-N)を圧着して感光性転写材料1を作製した。
なお、PET(A)の全光ヘイズは0.19%であった。フィルムヘイズはスガ試験機(株)製ヘイズメーターHZ-2を用い、JIS-K-7136に準拠してベース小片の全光ヘイズ値(%)を測定した。
100μm厚PET基材上に、ITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜したPET基板を使用した。
作製した感光性転写材料を、ロール温度120℃、線圧0.8MPa、線速度1.0m/min.のラミネート条件でITO次いで銅の順で成膜されたPET基板にラミネートし、試料を作製した。
仮支持体を剥離せずに線幅3μm~20μmのラインアンドスペースパターンマスク(Duty比 1:1)を介して超高圧水銀灯で露光後、1時間引き置いた後に仮支持体を剥離して現像した。現像は25℃の1.0%炭酸ナトリウム水溶液を用い、シャワー現像で30秒行った。上記方法にて20μmのラインアンドスペースパターンを形成したとき、スペース部の残渣を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し評価し、完全に残渣がなくなる露光量を求めた。露光量が200mJ/cm2未満が実用可能レベルである。
5:80mJ/cm2未満
4:80mJ/cm2以上150mJ/cm2未満
3:150mJ/cm2以上200mJ/cm2未満
2:200mJ/cm2以上300mJ/cm2未満
1:300mJ/cm2以上
作製した感光性転写材料を、ロール温度120℃、線圧0.8MPa、線速度1.0m/min.のラミネート条件でITO次いで銅の順で成膜されたPET基板にラミネートし、試料を作製した。
仮支持体を剥離せずに線幅3μm~20μmのラインアンドスペースパターン(Duty比 1:1)マスクを介して超高圧水銀灯で露光後、1時間引き置いた後に仮支持体を剥離して現像した。現像は25℃の1.0%炭酸ナトリウム水溶液を用い、シャワー現像で30秒行った。このように得られたラインアンドスペースパターンで、最も高解像度であったパターンを到達解像度とした。また到達解像度を判断する際、パターンの側壁部に大きな荒れが生じている場合には、解像できていないとした。
5:6μm未満
4.5:8μm未満、6μm以上
4:10μm未満、8μm以上
3:15μm未満、10μm以上
2:20μm未満、15μm以上
1:20μm以上
作製した感光性転写材料を、ロール温度120℃、線圧0.8MPa、線速度1.0m/min.のラミネート条件でITO次いで銅の順で成膜されたPET基板にラミネートし、試料を作製した。
仮支持体を剥離せずに線幅3μm~20μmのラインアンドスペースパターン(Duty比 1:1)マスクを介して超高圧水銀灯で露光後、1時間放置した後に仮支持体を剥離して現像した。現像は25℃の1.0%炭酸ナトリウム水溶液を用い、シャワー現像で30秒行った。次いで25℃の銅エッチング液(関東化学(株)製Cu-02)を用いて銅層をディップ法にて60秒間エッチングした後、25℃のITOエッチング液(関東化学(株)製ITO-02)を用いてITO層をディップ法にて60秒間エッチングした。上記解像性評価で解像しなかった(評価が1であった)材料についても、銅及びITOエッチング液で同様の操作を行った。
残った感光性組成物層を、除去液を用いて除去した。除去は50℃の水系除去液(Henkel(株)製BONDERITE C-AK P123の水希釈液:有機塩基10%、水90%)、及び、ミカサ(株)製 ED-1200を用いて、シャワー除去を行った。このとき、1日の装置稼働時間を6時間として、除去液の使用開始日(0日)、又は、使用開始日から3日、7日、14日後、21日後若しくは28日後にそれぞれ同様の実験を行った。
除去前に全面露光を行う場合は、パターンマスクを介さず超高圧水銀灯を用い表3に記載の剥離前露光量で露光し、露光後に10秒間引き置いた後、上記の除去試験を行った。
感光性組成物層を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、銅層上の感光性組成物層が完全に除去可能な時間を求めた。除去性を判断する際、除去時間が70秒未満であることが実用レベルであり、除去時間は短いほうが好ましい。
4:除去時間が20秒以下
3:除去時間が20秒以上70秒未満
2:除去時間が70秒以上300秒未満
1:除去不可
100ミクロン厚PET基材上に、第2層の導電層としてITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に第1層の導電層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成基板とした。
銅層上に実施例1で得た感光性転写材料1をラミネートした(ロール温度120℃、線圧0.8MPa、線速度1.0m/min.)。仮支持体を剥離せずに一方向に導電層パッドが連結された構成を持つ図3に示すパターンAを設けたフォトマスクを用いてコンタクトパターン露光した。その後仮支持体を剥離し、現像、水洗を行ってパターンAを得た。次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu-02)を用いて銅層をエッチングした後、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO-02)を用いてITO層をエッチングすることで、銅とITOとが共にパターンAで描画された基板を得た。
次いで、アライメントを合わせた状態で図4に示すパターンBの開口部を設けたフォトマスクを用いてパターン露光し、現像、水洗を行った。
その後、Cu-02を用いて銅層をエッチングし、残った感光性組成物層を、超高圧水銀灯により全面露光(300mJ/cm2)し、露光後に10秒間引き置いた後、除去液(Henkel(株)製BONDERITE C-AK P123)を用いて除去し、回路基板を得た。
得られた回路基板を、顕微鏡で観察したところ、剥がれや欠けなどは無く、きれいなパターンであった。
100ミクロン厚PET基材上に、第2層の導電層としてITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に第1層の導電層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成基板とした。
銅層上に実施例1で得た感光性転写材料1をラミネートした(ロール温度120℃、線圧0.8MPa、線速度1.0m/min.)。
仮支持体を剥離せずに一方向に導電層パッドが連結された構成を持つ図3に示すパターンAを設けたフォトマスクを用いてパターン露光した。その後仮支持体を剥離し、現像、水洗を行ってパターンAを得た。次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu-02)を用いて銅層をエッチングした後、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO-02)を用いてITO層をエッチングすることで、銅とITOが共にパターンAで描画された基板を得た。
次いで、残存しているレジスト上に保護層としてPET(A)をラミネートした。この状態で、アライメントを合わせた状態で図4に示すパターンBの開口部を設けたフォトマスクを用いてパターン露光し、PET(A)を剥離した後に現像、水洗を行った。
その後、Cu-02を用いて銅配線をエッチングし、残った感光性組成物層を、超高圧水銀灯により全面露光(300mJ/cm2)し、露光後に10秒間引き置いた後、除去液(Henkel(株)製BONDERITE C-AK P123)を用いて除去し、回路基板を得た。
得られた回路基板を、顕微鏡で観察したところ、剥がれや欠けなどは無く、きれいなパターンであった。
実施例1で得た感光性転写材料1について、段落0222に記載の方法で基板のパターニングを行った。感光性組成物の除去に当たり、剥離前の全面露光後にIRヒーターを用いて基板温度60℃で5秒間、加熱しての引き置きを行った以外は、実施例1と同様の方法により除去性評価を行った。評価結果を表4に示す。
加熱工程における基板温度25℃に変更して、引き置きを行った以外は、実施例2と同様の方法により除去性評価を行った。評価結果を表4に示す。
また、表4に示すように、実施例2の回路基板の製造方法は、除去液を長時間、例えば、21日間又は28日間使用した場合においても除去性に優れる。
100ミクロン厚PET基材上に、第2層の導電層としてITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に第1層の導電層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成基板とした。
銅層上に実施例1で得た感光性転写材料1をラミネートした(ロール温度120℃、線圧0.8MPa、線速度1.0m/min.)。
仮支持体を剥離せずに一方向に導電層パッドが連結された構成を持つ図3に示すパターンAを設けたフォトマスクを用いてパターン露光した。その後仮支持体を剥離し、現像、水洗を行ってパターンAを得た。次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu-02)を用いて銅層をエッチング、水洗を行ってパターンAで描画された銅配線を得た。さらに銅エッチング後の基板を、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO-02)を用いてITO層をエッチングし、最後にリンス液(界面活性剤の0.1重量パーセント水溶液、界面活性剤:メガファックF-444(DIC(株)製))で洗浄することで、銅とITOが共にパターンAで描画された基板を得た。
この基板を超高圧水銀灯により全面露光(300mJ/cm2)し、露光後にIRヒーターを用いて基板温度60℃で5秒間、加熱しての引き置き後、実施例1と同様の方法により感光性樹脂層の除去性能評価を行った。除去液には(Henkel(株)製BONDERITE C-AK P123)を用いた。本実施例のプロセスにおいても、下記表5に示されるとおり、良好な除去性能を得ることができた。
100ミクロン厚PET基材上に、第2層の導電層としてITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に第1層の導電層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成基板とした。
銅層上に実施例1で得た感光性転写材料1をラミネートした(ロール温度120℃、線圧0.8MPa、線速度1.0m/min.)。
仮支持体を剥離せずに一方向に導電層パッドが連結された構成を持つ図3に示すパターンAを設けたフォトマスクを用いてパターン露光した。その後仮支持体を剥離し、現像、水洗を行ってパターンAを得た。次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu-02)を用いて銅層をエッチング、水洗を行ってパターンAで描画された銅配線を得た。更に銅エッチング後の基板を、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO-02)を用いてITO層をエッチングし、下記組成のリンス液1を用いて洗浄したのち、エアブローにて水分を完全に飛ばすことで、銅とITOが共にパターンAで描画された基板を得た。
この基板を超高圧水銀灯により全面露光(300mJ/cm2)し、露光後にIRヒーターを用いて基板温度60℃で5秒間、加熱しての引き置き後、感光性樹脂層の除去性能評価を行った。除去液には(Henkel(株)製BONDERITE C-AK P123)を用いた。評価結果を表6及び表7に示す。
・イオン交換水:9,990部
・ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(富士フイルム和光純薬(株)製):5部
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(160エチレンオキサイド(E.O.))(30プロピレンオキサイド(P.O.))(富士フイルム和光純薬(株)製):5部
ITOエッチング後のリンス液を、下記のリンス液2に代えた以外は、実施例5と同様にして感光性樹脂層の除去性能評価を行った。評価結果を表6及び表7に示す。
・イオン交換水:9,985部
・ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル:5部
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(160E.O.)(30P.O.):5部
・3-メトキシ-3-メチルブタノール:5部
下記表8に示す感光性組成物の組成とした以外は、実施例1と同様の方法で、感光性転写材料を調製した。感度評価及び解像度評価は、実施例1と同様の方法で行い、除去性の評価については、剥離前露光量及び加熱工程における加熱時間、並びに、加熱温度を変更した以外は、実施例2と同様の方法で行った。評価結果を表8に示す。
Claims (11)
- 導電層上にポジ型感光性組成物層を形成する工程、
前記ポジ型感光性組成物層をパターン露光する工程、
前記パターン露光されたポジ型感光性組成物層を現像する工程、
前記現像されたポジ型感光性組成物層をマスクとして用い、導電層をエッチングする工程、
前記現像されたポジ型感光性組成物層を全面露光する工程、及び、
前記全面露光されたポジ型感光性組成物層を除去する工程、をこの順に含み、
前記ポジ型感光性組成物層を全面露光する工程と、前記全面露光されたポジ型感光性組成物層を除去する工程との間に、前記全面露光されたポジ型感光性組成物層を加熱する工程を含む、
回路基板の製造方法。 - 前記ポジ型感光性組成物層を除去する工程において、水を30質量%以上含有する除去液を用いる請求項1に記載の回路基板の製造方法。
- 前記ポジ型感光性組成物層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を有する重合体と、光酸発生剤とを含有する請求項1又は請求項2に記載の回路基板の製造方法。
- 前記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位が、下記式A1~式A3のいずれかにより表される構成単位である請求項3に記載の回路基板の製造方法。
式A1中、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR11及びR12のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R13はアルキル基又はアリール基を表し、R11又はR12と、R13とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R14は水素原子又はメチル基を表し、X1は単結合又は二価の連結基を表し、R15は置換基を表し、nは0~4の整数を表す。
式A2中、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR21及びR22のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R23はアルキル基又はアリール基を表し、R21又はR22と、R23とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R24はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はシクロアルキル基を表し、mは0~3の整数を表す。
式A3中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR31及びR32のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は水素原子又はメチル基を表し、X0は単結合又は二価の連結基を表す。 - 前記酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位が、前記式A3により表される構成単位である請求項4に記載の回路基板の製造方法。
- 前記導電層が、金属層、及び、導電性金属酸化物層よりなる群から選ばれた少なくとも1種の層である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
- 前記導電層が、銅層である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
- 前記ポジ型感光性組成物層を形成する工程において、仮支持体と、ポジ型感光性組成物層とを有する感光性転写材料を用いる請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
- 前記仮支持体が、樹脂フィルムである請求項8に記載の回路基板の製造方法。
- 前記仮支持体が、シクロオレフィンポリマーを含む請求項8又は請求項9に記載の回路基板の製造方法。
- 請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法を含む、タッチパネルの製造方法。
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