JP6830398B2 - 感光性転写材料用重合体溶液の製造方法、感光性転写材料用組成物の製造方法、感光性転写材料の製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネルの製造方法、感光性転写材料用重合体溶液の製造に用いられる組成物、感光性転写材料用重合体溶液、感光性転写材料用組成物及び感光性転写材料 - Google Patents

感光性転写材料用重合体溶液の製造方法、感光性転写材料用組成物の製造方法、感光性転写材料の製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネルの製造方法、感光性転写材料用重合体溶液の製造に用いられる組成物、感光性転写材料用重合体溶液、感光性転写材料用組成物及び感光性転写材料 Download PDF

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Description

本開示は、感光性転写材料用重合体溶液の製造方法、感光性転写材料用組成物の製造方法、感光性転写材料の製造方法、回路配線の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法に関する。
静電容量型入力装置などのタッチパネルを備えた表示装置(有機EL表示装置及び液晶表示装置など)では、視認部のセンサーに相当する電極パターン、周辺配線部分及び取り出し配線部分の配線などの導電層パターンがタッチパネル内部に設けられている。
一般的にパターン化した層の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少ないといったことから、感光性転写材料を用いて任意の基板上に設けた感光性樹脂組成物の層に対して、所望のパターンを有するマスクを介して露光した後に現像する方法が広く使用されている。
このような感光性樹脂組成物の層は、例えば、酸分解性基で保護された酸基を有する少なくとも1種の単量体に由来する構成単位を含有する高分子化合物を含んで形成される。
特許文献1には、(A)アルキルビニルエーテルでブロックされたアルカリ可溶性基を有するモノマー単位を有するビニル系重合体と、(B)活性エネルギー線により熱を発生する光熱変換物質と、(C)熱により酸を発生する酸発生剤と、を含むことを特徴とする回路基板用ポジ型レジスト組成物が記載されている。
特開2007−163767号公報
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、解像性に優れたパターンが得られる感光性転写材料用重合体溶液の製造方法を提供することである。
また、本発明の別の実施形態が解決しようとする課題は、解像性に優れたパターンが得られる感光性転写材料用組成物の製造方法、感光性転写材料の製造方法、これを用いた回路配線の製造方法、又は、これを用いたタッチパネルの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 重合開始剤と、重合溶媒を含み、かつ、20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である重合溶媒成分と、酸分解性基で保護された酸基を有する少なくとも1種の単量体を含む単量体成分と、を含む組成物における重合反応を行う工程を有する、感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
<2> 上記重合溶媒成分の20℃における蒸気圧が、1kPa以上10kPa以下である、<1>に記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
<3> 上記重合溶媒成分が、エステル基、エーテル基及びカルボニル基から選ばれる、少なくとも1つの基を有し、かつ炭素数が4〜6である重合溶媒を含む、<1>又は<2>に記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
<4> 上記重合溶媒成分が、ヒドロキシ基を含む重合溶媒を含有しないか、又は、上記重合溶媒成分の全質量に対する、ヒドロキシ基を含む重合溶媒の含有量が、0質量%を超え5質量%未満である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
<5> 上記単量体成分が、酸基を有する単量体を含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
<6> 上記酸分解性基で保護された酸基を含む単量体が、酸分解性基で保護されたカルボキシ基を含む単量体である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法によって製造された感光性転写材料用重合体溶液、光酸発生剤、及び20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である希釈溶媒を混合する工程を含む、感光性転写材料用組成物の製造方法。
<8> 得られる感光性転写材料用組成物に含まれる重合体成分の全質量に対する、酸基を有する構成単位の含有量が、0.5質量%〜10質量%である、<7>に記載の感光性転写材料用組成物の製造方法。
<9> 得られる感光性転写材料用組成物に含まれる重合体成分の有機概念図に基づく無機性値Iを有機性値Oで除したI/O値の平均値が、0.52以上である、<7>又は<8>に記載の感光性転写材料用組成物の製造方法。
<10> 得られる感光性転写材料用組成物に含まれる全重合体成分のガラス転移温度の平均値が、90℃以下である、<7>〜<9>のいずれか1つに記載の感光性転写材料用組成物の製造方法。
<11> 得られる感光性転写材料用組成物に含まれる、重合体成分の重量平均分子量が、60,000以下である、<7>〜<10>のいずれか1つに記載の感光性転写材料用組成物の製造方法。
<12> <7>〜<11>のいずれか1つに記載の感光性転写材料用組成物の製造方法により得られた感光性転写材料用組成物を用いて、仮支持体上に感光性層を形成する工程を有する感光性転写材料の製造方法。
<13> <12>に記載の感光性転写材料の製造方法により得られた感光性転写材料の上記感光性層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記貼り合わせる工程後の上記感光性転写材料の感光性層をパターン露光する工程と、上記露光する工程後の感光性層を現像してパターンを形成する工程と、上記パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、をこの順に含む、回路配線の製造方法。
<14> <12>に記載の感光性転写材料の製造方法により得られた感光性転写材料の上記感光性層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記貼り合わせる工程後の上記感光性転写材料の上記感光性層をパターン露光する工程と、上記露光する工程後の感光性層を現像してパターンを形成する工程と、上記パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、をこの順に含む、タッチパネルの製造方法。
本発明の一実施形態によれば、解像性に優れたパターンが得られる感光性転写材料用重合体溶液の製造方法を提供することができる。
また、本発明の別の実施形態によれば、解像性に優れたパターンが得られる感光性転写材料の製造方法、これを用いた回路配線の製造方法、又は、これを用いたタッチパネルの製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る感光性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る感光性転写材料を用いたタッチパネル用回路配線の製造方法の一例を示す概略図である。 パターンAを示す概略図である。 パターンBを示す概略図である。
以下、本実施形態の内容について説明する。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表す。
更に、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本実施形態において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本実施形態において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(感光性転写材料用重合体溶液の製造方法)
本実施形態に係る感光性転写材料用重合体溶液の製造方法は、重合開始剤と、重合溶媒を含み、かつ、20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である重合溶媒成分と、酸分解性基で保護された酸基を有する少なくとも1種の単量体を含む単量体成分と、を含む組成物における重合反応を行う工程(以下、単に「重合工程」ともいう。)を有する。
従来、回路配線の形成等におけるレジストパターンの形成のために、例えば特許文献1に記載された感光性転写材料等が利用されているが、得られるレジストパターンの解像性が低いという問題点があった。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本実施形態に係る感光性転写材料用重合体溶液の製造方法により得られた感光性転写材料用重合体溶液(以下、単に重合体溶液ともいう)を用いて形成された感光性転写材料を用いることにより、得られるレジストパターンの解像性が向上することを見出した。
詳細なメカニズムは不明であるが、下記のように推測している。
感光性転写材料における感光性層は、例えば酸分解性基で保護された酸基を有する重合体を含む組成物を基材(仮支持体)に塗布することにより形成される。
ここで、上記重合体は、重合体の重合時に用いられた重合溶媒成分の溶液(重合溶媒成分溶液)として製造されるが、生産効率やコスト面の観点から、得られた重合体を精製することは一般的ではない。そのため、上記組成物は、重合溶媒成分を除去せずに、上記重合体の重合溶媒成分溶液と、その他の成分とを混合して製造され、上記組成物には、上記重合溶媒成分が含まれる場合がある。
また、上記感光性層は、例えば、基材に組成物を塗布することにより形成されるが、その製造時には広い塗布幅の基材を高速で搬送しながら塗布を行うことが好ましいため、面内の各成分が不均一(以下、「面内の不均一性」ともいう。)になりやすく、かつ、基材として変形しやすいフィルムを用いるため、高温かつ長時間乾燥させることが困難である。
そのため、重合溶媒成分として20℃における蒸気圧が16kPaを超える溶媒を使用した場合に得られる上記感光性層においては、重合溶媒成分の乾燥が速く、乾燥の制御が困難であり、面内の不均一性が増大すると考えられる。上記面内の不均一性の増大が、露光の際の光の透過を乱すことにより、解像性が低下すると推測される。
また、重合溶媒成分として20℃における蒸気圧が1kPa未満の溶媒を使用した場合に得られる上記感光性層においては、重合溶媒成分が上述の乾燥により除去されにくく、感光性層に重合溶媒成分が残留溶媒として含まれると考えられる。この残留溶媒により、酸分解性基で保護された酸基の脱保護により生成する脱保護生成物が拡散されることが、解像性の低下の原因であると推測される。
本実施形態に係る感光性転写材料用重合体溶液の製造方法によれば、20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である重合溶媒成分を含む重合体溶液が得られるため、感光性層における乾燥時の面内の不均一性が低減され、かつ、重合溶媒成分が残留しにくいため、上述の脱保護生成物の拡散が抑制され、解像性に優れたパターンが得られると考えられる。
以下、本実施形態に係る感光性転写材料用重合体溶液の製造方法について、詳細に説明する。
<重合工程>
重合工程は、重合開始剤と、重合溶媒を含み、かつ、20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である重合溶媒成分と、酸分解性基で保護された酸基を有する少なくとも1種の単量体(「モノマー」ともいう。)を含む単量体成分と、を含む組成物における重合反応を行う工程である。
重合反応としては、単量体成分に含まれる単量体同士が重合する反応であればよいが、単量体同士の付加重合反応であることが好ましく、ラジカル重合反応であることがより好ましい。ラジカル重合反応を行うために、重合開始剤がラジカル重合開始剤であり、かつ、単量体がラジカル重合性化合物であることが好ましい。
重合方法としては特に限定されず、公知の方法を用いればよいが、例えば重合開始剤が熱重合開始剤である場合には、単量体成分と、重合溶媒成分と、重合開始剤とを混合して加熱することにより、単量体成分に含まれる単量体を重合することができる。
以下、重合工程において用いられる各成分の詳細について記載する。
〔重合溶媒成分〕
重合溶媒成分は、少なくとも1種の重合溶媒を含む。
解像性向上の観点から、重合溶媒としては、エステル基、エーテル基及びカルボニル基よりなる群から選ばれた少なくとも1つの基を有する溶媒が好ましい。
以下、溶媒名の後の括弧内の数値は、後述する方法により測定された20℃における蒸気圧(kPa)を表す。
エステル基を有する溶媒としては、酢酸エチル(8.7)、酢酸プロピル(2.5)、酢酸イソブチル(2.0)、酢酸sec−ブチル(1.3)、酢酸イソプロピル(6.4)等が挙げられる。
エーテル基を有する溶媒としては、ジイソプロピルエーテル(16.0)、1,4−ジオキサン(3.9)、1,2−ジメトキシエタン(6.7)、1,3−ジオキソラン(7.5)、プロピレングリコールジメチルエーテル(7.6)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(1.2)等が挙げられる。
カルボニル基を有する溶媒としては、メチルn−ブチルケトン(1.3)、メチルエチルケトン(9.5)、メチルイソブチルケトン(2.1)、ジエチルケトン(2.0)、メチルn−プロピルケトン(3.6)、メチルイソプロピルケトン(5.5)等が挙げられる。
また、重合溶媒成分はその他の溶媒を含有してもよい。その他の溶媒としては、トルエン(2.9)、アセトニトリル(9.9)、イソプロパノール(4.3)、2−ブタノール(1.6)、イソブチルアルコール(1.2)等が挙げられる。
上記溶媒の中でも、解像性の観点から、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルn−ブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はトルエンを含むことが好ましく、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、メチルn−ブチルケトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトンを含むことがより好ましい。
重合溶媒成分に含まれる溶媒は、20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下であることが好ましい。
後述する重合溶媒成分の20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である限りにおいて、重合溶媒成分は、20℃における蒸気圧が1kPa未満であるか、16kPaを超える溶媒を含有してもよいが、解像性の向上の観点から、20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である溶媒の合計含有量が、重合体成分の全質量に対し、95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが好ましく、100質量%であることが更に好ましい。
本実施形態において、溶媒の蒸気圧とは、第5版実験化学講座6「温度・熱、圧力」丸善、331_364頁に記載の静止法により測定される。
重合溶媒成分は、得られるパターンの解像性の観点から、ヒドロキシ基を含む重合溶媒を含有しないか、又は、上記重合溶媒成分の全質量に対する、ヒドロキシ基を含む重合溶媒の含有量が、0質量%を超え5質量%未満であることが好ましく、ヒドロキシ基を含む重合溶媒を含有しないか、又は、上記含有量が、0質量%を超え2質量%未満であることがより好ましく、ヒドロキシ基を含む重合溶媒を含有しないか、又は、上記含有量が、0質量%を超え1質量%未満であることが更に好ましく、ヒドロキシ基を含む重合溶媒を含有しないことが特に好ましい。
−重合溶媒成分の20℃における蒸気圧−
重合溶媒成分は、20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下であり、1kPa以上10kPa以下が好ましく、2kPa以上6kPa以下がより好ましい。
重合溶媒成分が、1種類の重合溶媒のみを含有する場合、重合溶媒成分の20℃における蒸気圧は、含まれる重合溶媒の20℃における蒸気圧と同一である。
重合溶媒成分が2種以上の重合溶媒を含有する場合、重合溶媒成分の20℃における蒸気圧は、(各重合溶媒の20℃における蒸気圧)×(各成分のモル分率)の和で表すことができる。例えば、各重合溶媒の20℃における蒸気圧がPa(kPa)、Pb(kPa)、Pc(kPa)で表わされる重合溶媒A、B、Cがそれぞれna、nb、ncのモル分率で含まれている重合溶媒成分の蒸気圧Pm(kPa)は下記式(ラウールの式)により算出される。
Pm=(Pa×na)+(Pb×nb)+(Pc×nc)
〔酸分解性基で保護された酸基を有する少なくとも1種の単量体を含む単量体成分〕
−単量体a1−
上記単量体成分は、酸分解性基で保護された酸基を有する少なくとも1種の単量体a1を含む。上記単量体成分が単量体a1を含むことにより、得られる感光性転写材料における感光性層を、極めて高感度な化学増幅ポジ型の感光性樹脂組成物層とすることができる。
単量体a1としては、重合性単量体であれば特に限定されないが、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
また、単量体a1は、エチレン性不飽和基を有することが好ましく、反応性の観点から、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
本実施形態における「酸分解性基で保護された酸基」は、酸基及び酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。具体的な酸基としては、カルボキシ基、及び、フェノール性水酸基が好ましく挙げられ、カルボキシ基がより好ましい。すなわち、単量体a1は、酸分解性基で保護されたカルボキシ基を含む単量体であることが好ましい。また、酸分解性で保護された酸基としては、酸により比較的分解し易い基(例えば、式A1で表される基で保護されたエステル基、テトラヒドロピラニルエステル基、又は、テトラヒドロフラニルエステル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解し難い基(例えば、tert−ブチルエステル基等の第三級アルキル基、tert−ブチルカーボネート基等の第三級アルキルカーボネート基)を用いることができる。
これらの中でも、上記酸分解性基としては、アセタールの形で保護された構造を有する基であることが好ましい。
上記単量体a1としては、得られる感光性転写材料におけるパターン形成時の感度、及び、得られるパターンの解像度の観点から、下記式Aで表される単量体(a)が好ましい。
式A中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR31及びR32のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は二価の連結基を表す。
式A中、R31又はR32がアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。R31又はR32がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R31及びR32は、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
式A中、R33は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。R33におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
式A中、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
式A中、Xは単結合又は二価の連結基を表し、単結合又はアリーレン基が好ましく、単結合がより好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。
式A中、R34は水素原子又はメチル基を表し、得られる重合体のTgをより低くし得るという観点から、水素原子であることが好ましい。
より具体的には、単量体成分に含まれる単量体(a)の全含有量に対し、式AにおけるR34が水素原子である単量体は20質量%以上であることが好ましい。
なお、単量体(a)中の、式AにおけるR34が水素原子である単量体の含有量(含有割合:質量比)は、13C−核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
式Aで表される単量体(a)の中でも、下記式A1で表される単量体が、得られる感光性転写材料におけるパターン形成時の感度を更に高める観点からより好ましい。
式A1中、R34は水素原子又はメチル基を表し、R35〜R41はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
式A1中、R34は水素原子が好ましい。
式A1中、R35〜R41は、水素原子が好ましい。
式Aで表される単量体(a)の好ましい具体例としては、下記の単量体が例示できる。なお、R34は水素原子又はメチル基を表す。
また、上記単量体a1としては、得られる重合体溶液の保存安定性の観点から、下記式Bで表される単量体(b)が好ましい。
式B中、RB1及びRB2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともRB1及びRB2のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、RB3はアルキル基又はアリール基を表し、RB1又はRB2と、RB3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、RB4は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は二価の連結基を表し、RB12は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。
式B中、RB1又はRB2がアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。RB1又はRB2がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。RB1及びRB2は、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
式B中、RB3は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。RB3におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
式B中、RB1又はRB2と、RB3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、RB1又はRB2と、RB3とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
式B中、Xは単結合又は二価の連結基を表し、単結合又はアルキレン基、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、−O−又はこれらの組み合わせが好ましく、単結合または−C(=O)O−がより好ましい。アルキレン基は、直鎖状でも分岐を有していても環状構造を有していてもよく、置換基を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。Xが−C(=O)O−を含む場合、−C(=O)O−に含まれる炭素原子と、RB4が結合した炭素原子とが直接結合する態様が好ましい。Xが−C(=O)NR−を含む場合、−C(=O)NR−に含まれる炭素原子と、RB4が結合した炭素原子とが直接結合する態様が好ましい。Rはアルキル基又は水素原子を表し、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
式B中、RB1〜RB3を含む基と、Xとは、互いにパラ位で結合することが好ましい。
式B中、RB12は置換基を表し、アルキル基又はハロゲン原子が好ましい。アルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。
式B中、nは0〜4の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
式B中、RB4は水素原子又はメチル基を表し、得られる重合体のTgをより低くし得るという観点から、水素原子であることが好ましい。
より具体的には、単量体成分に含まれる単量体(b)の全含有量に対し、式BにおけるRB4が水素原子である単量体は20質量%以上であることが好ましい。
なお、単量体(b)中の、式BにおけるRB4が水素原子である単量体の含有量(含有割合:質量比)は、13C−核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
式Bで表される単量体(b)の中でも、下記式B1で表される単量体が、パターン形成時の感度を更に高める観点からより好ましい。
式B1中、RB4は水素原子又はメチル基を表し、RB5〜RB11はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、RB12は置換基を表し、Xは単結合又は二価の連結基を表し、nは0〜4の整数を表す。
式B1中、Xは上記式B中のXと同義であり、好ましい態様も同様である。
式B1中、RB4は水素原子が好ましい。
式B1中、RB5〜RB11は、水素原子が好ましい。
式B1中、RB12は置換基を表し、アルキル基又はハロゲン原子が好ましい。アルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。
式B1中、nは0〜4の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
式Bで表される単量体(b)の好ましい具体例としては、下記の単量体が例示できる。なお、RB4は水素原子又はメチル基を表す。
単量体成分に含まれる単量体a1は、1種であっても、2種以上であってもよい。
単量体成分における単量体a1の含有量は、得られる感光性転写材料のパターンの解像性に優れる観点から、単量体成分の全質量に対して、10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、12質量%以上55質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上50質量%以下であることが更に好ましい。
単量体成分における単量体a1の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
また、単量体成分における上記式Aで表される単量体の含有量は、パターン形成時の感度、及び、得られるパターンの解像度の観点から、単量体成分の全質量に対して、10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、12質量%以55質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上50質量%以下であることが更に好ましい。
<<単量体a2>>
本実施形態において用いられる単量体成分は、酸基を有する単量体a2を更に含むことが好ましい。単量体a2は、アセタールの形で保護されていない酸基、即ち、アセタールの形の基を有しない酸基を含む単量体である。単量体成分が単量体a2を含むことにより、得られる感光性転写材料におけるパターン形成時の感度が良好となり、パターン露光後の現像工程においてアルカリ性の現像液に溶けやすくなり、現像時間の短縮化を図ることができる。
本明細書における酸基とは、pKaが12以下のプロトン解離性基を意味する。感度向上の観点から、酸基のpKaは、10以下が好ましく、6以下がより好ましい。酸基のpKaは、−5以上であることが好ましい。
単量体a2が有する酸基としては、カルボキシ基に由来の酸基、スルホンアミド基に由来の酸基、スルホニルイミド基に由来の酸基、ホスホン酸基に由来の酸基、スルホン酸基に由来の酸基、フェノール性水酸基に由来する酸基、等が例示される。なかでも、カルボキシ基に由来の酸基及びフェノール性水酸基に由来の酸基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、カルボキシ基がより好ましい。
単量体成分が単量体a2を含むことにより、得られる重合体に酸基が導入される。
単量体a2は、酸基により置換されたスチレン化合物、ビニル化合物、又は、(メタ)アクリル酸が好ましい。
単量体a2としては、カルボキシ基を有する単量体、及びフェノール性水酸基を有する単量体が、得られる感光性転写材料におけるパターン形成時の感度がより良好となるという観点から好ましい。
単量体a2は既述の例に限定されない。
単量体成分に含まれる単量体a2は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
酸基を有する単量体(単量体a2)の含有量は、得られる感光性転写材料におけるパターン形成性の観点から、単量体成分の全質量に対し、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%が更に好ましい。
単量体成分における単量体a2の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
−単量体a3−
上記単量体成分は、既述の酸基がアセタールの形で保護された基を有する単量体及び酸基を有する単量体以外の、他の単量体(「単量体a3」と称することがある。)を含んでいてもよい。
他の単量体としては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、脂肪族環式骨格を有する基、その他の不飽和化合物を挙げることができる。
他の単量体を用いて、種類及び含有量の少なくともいずれかを調整することで、得られる重合体の諸特性を調整することができる。特に、他の単量体を適切に使用することで、得られる重合体のTgを90℃以下に容易に調整することができる。
単量体成分は、他の単量体成分を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでいてもよい。
他の単量体は、具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、又は、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。その他、特開2004−264623号公報の段落0021〜段落0024に記載の化合物を挙げることができる。
また、他の単量体として、芳香環を有する基、又は、脂肪族環式骨格を有する基が、得られる転写材料の電気特性を向上させる観点で好ましい。具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、及び、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。中でも、他の単量体としては、メタ)アクリル酸シクロヘキシルが好ましく挙げられる。
また、他の単量体として、ラミネート適性及び解像度の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アクリル酸アルキルエステルがより好ましく、炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルが特に好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、及び、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。
更に、上記単量体成分は、他の単量体として、下記式2で表される単量体を有することが好ましい。
式2中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはアルキル基を表す。
式2におけるRは、ラミネート適性及び解像度の観点から、水素原子であることが好ましい。
式2におけるRは、ラミネート適性及び解像度の観点から、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数4〜12のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数5〜9のアルキル基であることが特に好ましい。
また、Rにおけるアルキル基は、直鎖であってもよいし、分岐を有していても、環構造を有していてもよい。
単量体a3の含有量は、上記単量体成分の全質量に対し、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下が更に好ましい。下限値としては、0質量%でもよいが、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましい。
また、上記式2で表される単量体の含有量は、ラミネート適性及び解像度の観点から、上記単量体成分の全質量に対し、10質量%〜85質量%が好ましく、15質量%〜80質量%がより好ましく、20質量%〜75質量%が更に好ましい。
本実施形態における単量体成分の好ましい組合せの例としては、実施例で使用されているA−1〜A−22等が挙げられるが、これらに限定されないことは言うまでもない。
〔重合開始剤〕
重合開始剤としては、特に制限なく公知の重合開始剤が使用可能であり、光重合開始剤及び熱重合開始剤のいずれも使用することができるが、簡便な装置で架橋が形成できることから、熱重合開始剤が好ましい。以下、好ましい重合開始剤であるラジカル重合開始剤について詳述するが、本実施形態はこれらの記述により制限を受けるものではない。
本実施形態において好ましい重合開始剤としては、特に限定されないが、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物等が挙げられる。
上記(a)〜(k)としては、例えば、特開2008−63554号公報の段落0074〜0118に挙げられている化合物を好ましく用いることができる。
(l)アゾ系化合物
重合開始剤として好ましい(l)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等を挙げることができる。
アゾ系化合物は、溶媒の混入が少なく、製造時の取り扱いが容易である点から好ましく使用される。
重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、単量体成分の全質量に対して、0.01〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましく、1〜15%であることが更に好ましい。
〔その他の成分〕
重合反応において、増感剤、触媒等のその他の成分を更に使用してもよいが、後述の精製工程を行わないことが好ましいという点からは、その他の成分を使用しないことが好ましい。
<その他の工程>
本実施形態に係る感光性転写材料用重合体溶液の製造方法は、得られた重合体を精製する精製工程を含んでもよいが、精製工程を含まないことが好ましい。
精製工程の一例としては、貧溶媒を用いて得られた重合体を再沈させ、ろ過等の操作を行った後に再度溶媒を用いて溶解する態様が挙げられる。
このような再沈操作を含まないことにより、有機溶媒の使用量が低減されるため、大量生産適性に優れ、環境負荷が低減される。
特に、得られる感光性転写材料のラミネート性を向上させるため、重合反応により得られた重合体のガラス転移温度(Tg)が90℃以下とした場合には、重合体が柔らかいため容易に固化することができず、再沈操作が困難であるため、行わないことが好ましい。
精製工程の別の一例としては、例えば重合体溶液を高温とすることにより重合溶媒成分を除去する濃縮操作を行う態様が挙げられる。
上記濃縮操作を行わないことにより、高温下で生じる、単量体a1に由来する酸基を保護している酸分解性基の分解が抑制されるため好ましい。
また、上記再沈操作、又は、上記濃縮操作といった精製工程を含まないことにより、作業時間が短縮され、時間面及びコスト面における生産効率が向上する。
上記のように、本実施形態の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法により得られた重合体溶液は、精製工程を経ずに後述の感光性転写材料用組成物の製造方法に使用されることが好ましい。
(感光性転写材料用組成物の製造方法)
本実施形態に係る感光性転写材料用組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)の製造方法は、感光性転写材料用重合体溶液の製造方法によって製造された感光性転写材料用重合体溶液、光酸発生剤、及び20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である希釈溶媒を混合する工程(以下、「混合工程」ともいう。)を含む。
以下、感光性転写材料用重合体溶液に含まれる重合体を、「特定重合体」ともいう。
<混合工程>
混合工程においては、感光性転写材料用組成物に含まれる各成分を混合する。
混合する方法としては、特に限定されず、公知の方法により混合すればよい。例えば、上記各成分を撹拌及び溶解することにより、感光性転写材料用組成物を調整することができる。
混合工程においては、使用する各成分を一度に混合してもよいし、例えば、各成分を、それぞれ予め希釈溶媒等の溶媒に溶解させた溶液とした後、得られた溶液を所定の割合で混合してもよい。
以下、本実施形態に係る感光性転写材料用重合体溶液の製造方法において用いられる各成分の詳細について説明する。
〔感光性転写材料用重合体溶液〕
感光性転写材料用重合体溶液は、上述の本実施形態に係る感光性転写材料用重合体溶液の製造方法により得られた溶液である。
上述の通り、感光性転写材料用重合体溶液を、精製を行わずに使用することにより、大量生産適性に優れる、環境負荷が低減される、単量体a1に由来する酸基を保護している酸分解性基の分解が抑制される、時間面及びコスト面における生産効率が向上する、等の効果が得られる。
また、感光性転写材料用重合体溶液は、感光性転写材料の基板に対する密着性に優れる観点から、含まれる特定重合体の含有量が、感光性転写材料用重合体溶液の全固形分に対し、50質量%〜99.9質量%となる量を使用することが好ましく、70質量%〜98質量%となる量を使用することがより好ましい。
本実施形態において、固形分とは、組成物全体から溶媒を除いた成分の総合計質量をいう。
〔20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である希釈溶媒〕
混合工程においては、20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である希釈溶媒(以下、単に「希釈溶媒」ともいう。)が用いられる。
希釈溶媒の20℃における蒸気圧は、1kPa以上10kPa以下が好ましく、2kPa以上6kPa以下がより好ましい。
上記希釈溶媒としては、20℃における蒸気圧が上記範囲内であれば、特に限定されず、含まれる各成分の混合性、溶解性等を考慮して選択すればよい。
上記希釈溶媒としては、例えば、上述の20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である重合溶媒と同様の溶媒が挙げられる。
上記溶媒の中でも、混合工程において用いられる他の成分の溶解性の観点からは、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸tertブチル、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルn−ブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン又はトルエンを含むことが好ましく、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン又はを含むことがより好ましい。
特に希釈溶媒としては、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸tertブチル、メチルエチルケトン及びシクロペンチルメチルエーテルよりなる群から選ばれた少なくとも1つであることが好ましく、重合溶媒として、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸tertブチル、よりなる群から選ばれた、少なくとも1つと組み合わせることがより好ましい。
希釈溶媒としては、用いられる感光性転写材料用重合体溶液に含まれる重合溶媒と同一の溶媒を用いてもよいし、異なる溶媒を用いてもよい。
また、希釈溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
混合工程において用いられる希釈溶媒と、後述するその他の溶媒の合計質量に対し、希釈溶媒の使用量は、95質量%以上が好ましく、98質量%以上が好ましく、99質量%以上がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
〔光酸発生剤〕
光酸発生剤とは、紫外線、遠紫外線、X線、及び、荷電粒子線等の活性放射線を照射することにより酸を発生することができる化合物である。
本実施形態で使用される光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300nm〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
本実施形態において使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤が特に好ましい。pKaの下限値は特に定めないが、例えば、−10.0以上であることが好ましい。
光酸発生剤としては、イオン性光酸発生剤と、非イオン性光酸発生剤とを挙げることができる。
また、光酸発生剤としては、感度及び解像度の観点から、後述するオニウム塩化合物、及び、後述するオキシムスルホネート化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、オキシムスルホネート化合物を含むことがより好ましい。
非イオン性光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、感度、解像度、及び、密着性の観点から、光酸発生剤がオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。トリクロロメチル−s−トリアジン類、及び、ジアゾメタン誘導体の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0083〜段落0088に記載の化合物が例示できる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましい。
式(B1)中、R21は、アルキル基又はアリール基を表し、*は他の原子又は他の基との結合部位を表す。
式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐構造を有していても、環構造を有していてもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)、又は、ハロゲン原子で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜18のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基及びハロゲン原子よりなる群から選ばれた1つ以上の基で置換されてもよい。
式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、特開2014−85643号公報の段落0078〜段落0111に記載のオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
イオン性光酸発生剤の例として、ジアリールヨードニウム塩類及びトリアリールスルホニウム塩類等のオニウム塩化合物、第四級アンモニウム塩類等を挙げることができる。これらのうち、オニウム塩化合物が好ましく、トリアリールスルホニウム塩類及びジアリールヨードニウム塩類が特に好ましい。
イオン性光酸発生剤としては特開2014−85643号公報の段落0114〜0133に記載のイオン性光酸発生剤も好ましく用いることができる。
光酸発生剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
混合工程における光酸発生剤の使用量は、感度及び解像度の観点から、得られる組成物の全固形分に対して、0.5質量%〜20質量%となる量を使用することが好ましく、1質量%〜15質量%となる量を使用することがより好ましく、1質量%〜10質量%となる量を使用することが更に好ましい。
−他の重合体−
混合工程において、上記特定重合体に加え、酸基がアセタールの形で保護された基を有する単量体a1に由来する構成単位を含まない重合体(「他の重合体」と称する場合がある。)を更に使用してもよい。
本実施形態において、「重合体成分」とは、特に述べない限り、組成物に含まれる上述の特定重合体に加え、必要に応じて添加される他の重合体を含めたものを意味するものとする。なお、後述する可塑剤、ヘテロ環状化合物及び界面活性剤に該当する化合物は、高分子化合物であっても、上記重合体成分に含まないものとする。
他の重合体の配合量は、全重合体成分中、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
他の重合体は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
混合工程において、他の重合体は、他の重合体の溶液として使用してもよいが、その場合使用される溶媒成分としては、上述の重合溶媒成分と同義であり、好ましい態様も同様である。
本実施形態に係る重合体成分は、他の重合体として、酸基を有する重合体を更に含むことが好ましい。
酸基としては、カルボキシ基が好ましく挙げられる。
酸基を有する重合体としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、線状の酸基を有する重合体(線状有機ポリマー)を用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶媒に対する現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシ基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシ基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシスチレン等が挙げられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボキシ基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
酸基を有する重合体は、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
酸基を有する重合体を使用する場合、酸基を有する重合体の使用量は、特に制限はないが、得られる組成物の全固形分に対して、1質量%〜70質量%であることが好ましく、2質量%〜50質量%であることがより好ましく、5質量%〜30質量%であることが更に好ましい。
また、他の重合体として、例えばポリヒドロキシスチレンを用いることができ、市販されている、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、及び、SMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC−3000、ARUFON UC−3510、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920、及び、ARUFON UC−3080(以上、東亞合成(株)製)、並びに、Joncryl 690、Joncryl 678、Joncryl 67、及び、Joncryl 586(以上、BASF社製)等を用いることもできる。
−重合体成分のI/O値の平均値−
本実施形態において用いられる重合体成分は、得られる感光性転写材料における露光感度の観点から、有機概念図に基づく無機性値Iを有機性値Oで除したI/O値の平均値が、0.52以上であることが好ましく、0.55以上0.70以下であることが好ましく、0.57以上0.68以下であることが更に好ましい。
また、本実施形態において用いられる特定重合体のI/O値は、上記I/O値の平均値が上記範囲に含まれるよう、適宜設定すればよいが、0.52以上であることが好ましく、0.55以上0.70以下であることが好ましく、0.57以上0.68以下であることが更に好ましい。
上記I/O値については、有機概念図(甲田善生 著、三共出版(1984));KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1〜16頁(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725頁(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111頁(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82頁(1981年);などの文献に詳細な説明がある。I/O値の概念は、化合物の性質を、共有結合性を表す有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、全ての有機化合物を有機軸、無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけて示すものである。
重合体成分が2種以上の重合体を含有する場合のI/O値については、以下のように考えることができる。例えば、重合体成分が3種の重合体(重合体1〜重合体3)を含有する場合、重合体1のI/O値をA1、質量分率をM1、重合体2のI/O値をA2、質量分率をM2、重合体3のI/O値をA3、質量分率をM3、としたときに、混合成分のI/O値 Amは下記のように推定可能である。
Am = A1×M1+ A2×M2 + A3×M3
なお、重合体成分が1種のみの重合体を単独で含有する場合、含まれる1種のみの重合体のI/O値が、重合体成分におけるI/O値の平均値となる。
−重合体成分のガラス転移温度の平均値−
本実施形態において用いられる重合体成分のガラス転移温度(Tg)の平均値は、得られる感光性転写材料におけるラミネート適性の観点から、90℃以下であり、−20℃〜90℃であることが好ましく、20℃〜90℃であることがより好ましく、20℃〜60℃であることが更に好ましく、25℃〜45℃であることが特に好ましい。
また、本実施形態において用いられる特定重合体のTgは、上記Tgの平均値が上記範囲に含まれるよう、適宜設定すればよいが、0℃以上90℃以下であることが好ましく、20℃以上70℃以下であることがより好ましく、20℃以上50℃以下であることが更に好ましい。
本実施形態における重合体等の樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定する。
具体的な測定方法は、JIS K 7121(1987年)又はJIS K 6240(2011年)に記載の方法に順じて行う。本明細書におけるガラス転移温度は、補外ガラス転移開始温度(以下、Tigと称することがある)を用いている。
ガラス転移温度の測定方法をより具体的に説明する。
ガラス転移温度を求める場合、予想される重合体のTgより約50℃低い温度にて装置が安定するまで保持した後、加熱速度:20℃/分で、ガラス転移が終了した温度よりも約30℃高い温度まで加熱し、示差熱分析(DTA)曲線又はDSC曲線を描かせる。
補外ガラス転移開始温度(Tig)、すなわち、本明細書におけるガラス転移温度Tgは、DTA曲線又はDSC曲線における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度として求める。
重合体のTgを、既述の好ましい範囲に調整する方法としては、例えば、目的とする重合体の各構成単位の単独重合体のTgと各構成単位の質量比より、FOX式を指針にして、目的とする重合体のTgを制御することが可能である。
FOX式について
例えば、2元共重合体の場合、重合体に含まれる第1の構成単位の単独重合体のTgをTg1(K)、第1の構成単位の共重合体における質量分率をW1とし、第2の構成単位の単独重合体のTgをTg2(K)とし、第2の構成単位の共重合体における質量分率をW2としたときに、第1の構成単位と第2の構成単位とを含む共重合体のTg0(K)は、以下の式にしたがって推定することが可能である。
FOX式:1/Tg0=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)
また、3元以上のn元共重合体の場合は、重合体に含まれる第nの構成単位の単独重合体のTgをTgn(K)、第nの構成単位の共重合体における質量分率をWnとしたときに、上記と同様、以下の式にしたがって推定することが可能である。
FOX式:1/Tg0=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+(W3/Tg3)・・・+(Wn/Tgn)
既述のFOX式を用いて、共重合体に含まれる各構成単位の種類と質量分率を調整して、所望のTgを有する共重合体を得ることができる。
また、重合体の重量平均分子量を調整することにより、重合体のTgを調整することも可能である。
重合体成分が2種以上の重合体を含有する場合のガラス転移温度については、以下のように考えることができる。例えば、重合体成分が3種の重合体(重合体1〜重合体3)を含有する場合、重合体1のガラス転移温度をTg1(K)、質量分率をM1、重合体2のガラス転移温度をTg2(K)、質量分率をM2、重合体3のガラス転移温度をTg3(K)、質量分率をM3、としたときに、混合成分のガラス転移温度の平均値Tgm(K)は下記のように推定可能である。
1/Tgm = (M1/Tg1)+(M2/Tg2)+(M3/Tg3)
なお、重合体成分が1種のみの重合体を単独で含有する場合、含まれる1種のみの重合体のTgが、重合体成分におけるTgの平均値となる。
−重合体成分の重量平均分子量−
重合体成分の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)で、60,000以下であることが好ましい。上記重合体の重量平均分子量が60,000以下であることにより、感光性転写材料における感光性層の溶融粘度を低く抑え、基板と貼り合わせる際において低温(例えば130℃以下)での貼り合わせを実現することができる。
また、上記重合体成分の重量平均分子量は、2,000〜60,000であることが好ましく、3,000〜50,000であることがより好ましい。
本実施形態において用いられる特定重合体の重量平均分子量は、上記重合体成分の重量平均分子量が上記範囲に含まれるよう、適宜設定すればよいが、6,000以上40,000以下であることが好ましく、10,000以上30,000以下であることが更に好ましい。
なお、本実施形態における重合体等の樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定される。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量の測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super HZM−M(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ4000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ3000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ2000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)をそれぞれ1本、直列に連結したものを用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いることができる。
また、測定条件としては、試料濃度を0.2質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行うことができる。
検量線は、東ソー(株)製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」及び「A−1000」の7サンプルのいずれかを用いて作製できる。
上記特定重合体成分の数平均分子量と重量平均分子量との比(分散度)は、1.0〜5.0が好ましく、1.05〜3.5がより好ましい。
−重合体成分の酸基の量−
重合体成分の全質量に対する酸基を有する構成単位の含有量は、パターン形成性の観点から、重合体成分の全質量に対して0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下が更に好ましい。
上記酸基を有する構成単位の含有量とは、重合体成分の全質量に対する、重合体成分に含まれるすべての重合体を構成単位(モノマーユニット)に分解した場合の、酸基を有する構成単位の含有質量の割合である。
本実施形態における組成物は、ラミネート適性の観点から、組成物の全固形分に対し、上記重合体成分を50質量%〜99.9質量%の割合で含むことが好ましく、70質量%〜98質量%の割合で含むことがより好ましい。
また、得られる感光性転写材料における基板に対する良好な密着性を発現させる観点から、感光性層の全固形分に対し、上記特定重合体を50質量%〜99.9質量%の割合で含むことが好ましく、70質量%〜98質量%の割合で含むことがより好ましい。
〔その他の溶媒〕
混合工程においては、上述の希釈溶媒以外の、その他の溶媒を使用してもよい。
本実施形態における組成物は、その他の溶媒を使用しないか、又は、その他の溶媒の使用量が、組成物に含まれる溶媒の全質量に対して0質量%を超え5質量%以下となる量を使用することが好ましく、その他の溶媒を使用しないか、又は、その他の溶媒の使用量が、組成物に含まれる溶媒の全質量に対して0質量%を超え2質量%以下となる量を使用することがより好ましく、その他の溶媒を使用しないか、又は、その他の溶媒の使用量が、組成物に含まれる溶媒の全質量に対して0質量%を超え1質量%以下となる量を使用することが更に好ましく、その他の溶媒を使用しないことが特に好ましい。
その他の溶媒としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、及び、ラクトン類等であって、上述の希釈溶媒に該当しないものが例示できる。また、溶媒の具体例としては特開2011−221494号公報の段落0174〜段落0178に記載の溶媒であって、上述の希釈溶媒に該当しないものも挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
混合工程においてその他の溶媒を用いる場合、上述のラウールの式により求められる、組成物に含まれる溶媒成分の20℃における蒸気圧が、1kPa以上16kPa以下であることが好ましく、1kPa以上10kPa以下がより好ましく、2kPa以上6kPa以下が更に好ましい。
〔その他の添加剤〕
混合工程においては、必要に応じて、更にその他の添加剤を用いてもよい。
−可塑剤−
混合工程においては、得られる感光性転写材料における感光性層の可塑性を改良する目的で、可塑剤を使用してもよい。
上記可塑剤は、上記特定重合体よりも重量平均分子量が小さいことが好ましい。
可塑剤の重量平均分子量は、可塑性付与の観点から500以上10,000未満が好ましく、700以上5,000未満がより好ましく、800以上4,000未満がより更に好ましい。
可塑剤は、上記特定重合体と相溶して可塑性を発現する化合物であれば特に限定されないが、可塑性付与の観点から、可塑剤は、分子中にアルキレンオキシ基を有することが好ましい。可塑剤に含まれるアルキレンオキシ基は下記構造を有することが好ましい。
上記式中、Rは炭素数2〜8のアルキレン基であり、nは1〜50の整数を表し、*は他の原子との結合部位を表す。
なお、例えば、上記アルキレンオキシ基を有する化合物(「化合物X」とする。)であっても、化合物X、上記特定重合体及び光酸発生剤を混合した組成物を用いて得た感光性層が、化合物Xを含まずに形成した感光性層に比べて可塑性が向上しない場合は、本実施形態における可塑剤には該当しない。例えば、任意に添加される界面活性剤は、一般に感光性層に可塑性をもたらす量で使用されることはないため、本明細書における可塑剤には該当しない。
上記可塑剤としては、例えば、下記構造を有する化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

可塑剤の使用量は、可塑剤を使用する場合には、ラミネート適性の観点から、得られる組成物の全固形分に対して、1質量%〜50質量%であることが好ましく、2質量%〜20質量%となる量であることがより好ましい。
上記感光性層は、可塑剤を1種のみを含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
−増感剤−
混合工程において、増感剤を更に用いることができる。
増感剤は、活性放射線(活性光線)を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、及び、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。
増感剤を使用することで、得られる感光性転写材料における露光感度を向上させることができる。
増感剤としては、アントラセン誘導体、アクリドン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベーススチリル誘導体、及び、ジスチリルベンゼン誘導体よりなる群からえらばれた化合物が好ましく、アントラセン誘導体がより好ましい。
アントラセン誘導体としては、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ブロモアントラセン、9−クロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、2−エチルアントラセン、又は、9,10−ジメトキシアントラセンが好ましい。
上記増感剤としては、国際公開第2015/093271号の段落0139〜段落0141に記載の化合物を挙げることができる。
増感剤の使用量は、組成物の全固形分に対し、0質量%〜10質量%となる量であることが好ましく、0.1質量%〜10質量%となる量であることがより好ましい。
−塩基性化合物−
混合工程においては、塩基性化合物を更に使用することが好ましい。
塩基性化合物としては、レジストで用いられる塩基性化合物の中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、及び、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0204〜段落0207に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
具体的には、脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、及び、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、及び、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、及び、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、及び、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、及び、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
上記塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
塩基性化合物の使用量は、得られる組成物の全固形分に対して、0.001質量%〜5質量%となる量であることが好ましく、0.005質量%〜3質量%となる量であることがより好ましい。
−ヘテロ環状化合物−
混合工程において、ヘテロ環状化合物を含有する化合物を用いることができる。
本実施形態におけるヘテロ環状化合物には、特に制限はない。例えば、以下に述べる分子内にエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有ヘテロ環状化合物、その他、各種環状エーテル、環状エステル(ラクトン)などの含酸素モノマー、環状アミン、オキサゾリンといった含窒素モノマー、更には珪素、硫黄、リンなどのd電子をもつヘテロ環モノマー等を添加することができる。
ヘテロ環状化合物の使用量は、得られる組成物の全固形分に対し、0.01質量%〜50質量%となる量であることが好ましく、0.1質量%〜10質量%となる量がより好ましく、1質量%〜5質量%となる量が更に好ましい。上記範囲であると、密着性及びエッチング耐性の観点で好ましい。ヘテロ環状化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用することもできる。2種以上を併用する場合、上記好ましい使用量は、2種以上のヘテロ環状化合物の総使用量を指す。
分子内にエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
分子内にエポキシ基を有する化合物は市販品として入手できる。例えば、JER828、JER1007、JER157S70(三菱化学(株)製)、JER157S65((株)三菱ケミカルホールディングス製)など、特開2011−221494号公報の段落0189に記載の市販品などが挙げられる。
その他の市販品として、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、デナコールEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402、EX−111,EX−121、EX−141、EX−145、EX−146、EX−147、EX−171、EX−192(以上、ナガセケムテックス(株)製)、YH−300、YH−301、YH−302、YH−315、YH−324、YH−325(以上、新日鐵住金化学(株)製)、セロキサイド2021P、2081、2000、3000、EHPE3150、エポリードGT400、セルビナースB0134、B0177((株)ダイセル製)などが挙げられる。
分子内にエポキシ基を有する化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
分子内にエポキシ基を有する化合物の中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂がより好ましく挙げられ、脂肪族エポキシ樹脂が特に好ましく挙げられる。
分子内にオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−201、OXT−211、OXT−212、OXT−213、OXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
本実施形態における混合工程は、ヘテロ環状化合物として、エポキシ基を有する化合物を用いることが、得られる感光性転写材料のエッチング耐性及び線幅安定性の観点から好ましい。
−アルコキシシラン化合物−
上記混合工程においては、アルコキシシラン化合物を使用してもよい。アルコキシシラン化合物としては、トリアルコキシシラン化合物が好ましく挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが更に好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
−界面活性剤−
混合工程においては、膜厚均一性の観点から、界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)、及び、SH−8400(東レ・ダウコーニングシリコーン)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記式I−1で表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
式(I−1)中、R401及びR403はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R402は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R404は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表し、*は他の構造との結合位置を表す。
Lは、下記式(I−2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式(I−2)におけるR405は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
その他、特許第4502784号公報の段落0017、特開2009−237362号公報の段落0060〜段落0071に記載の界面活性剤も用いることができる。
界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は、得られる組成物の全固形分に対して、10質量%以下となる量であることが好ましく、0.001質量%〜10質量%となる量であることがより好ましく、0.01質量%〜3質量%となる量であることが更に好ましい。
−その他の成分−
混合工程においては、酸化防止剤、酸増殖剤、現像促進剤、着色剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、架橋剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を更に使用することができる。
その他の成分の好ましい態様については、特開2014−85643号公報の段落0165〜段落0184にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
<その他の工程>
本実施形態に係る感光性転写材料用組成物の製造方法は、その他の工程を含んでもよい。
その他の工程としては、例えば、ろ過工程が挙げられる。
ろ過工程においては、混合工程において混合された各成分を、例えば孔径0.2μmのフィルタ等を用いてろ過し、組成物とすることができる。
(感光性転写材料の製造方法)
本実施形態に係る感光性転写材料の製造方法は、本実施形態に係る感光性転写材料用組成物の製造方法により得られた感光性転写材料用組成物を用いて、仮支持体上に感光性層を形成する工程(以下、「感光性層形成工程」ともいう。)を有する。
<感光性層形成工程>
感光性層形成工程においては、特に限定されないが、例えば、本実施形態に係る感光性転写材料用組成物の製造方法により得られた感光性転写材料用組成物を、後述する仮支持体に塗布し、乾燥させることで、仮支持体上に感光性層を有する感光性転写材料を得ることができる。
塗布方法は特に限定されず、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布などの公知の方法で塗布することができる。
塗布幅としては、特に限定されないが、例えば0.5m〜10mなど、比較的塗布幅が広い場合に、本実施形態による解像性の向上という効果が得られやすい。
なお、仮支持体上に後述のその他の層を有する仮支持体とその他の層との積層体上に、感光性層を塗布することもできる。
本実施形態に係る感光性転写材料の製造方法は、仮支持体として、その他の層を有する仮支持体を用いてもよいし、後述するその他の層を形成する工程を更に含んでもよい。
乾燥方法については特に限定されず、公知の乾燥方法が使用されるが、例えば、組成物が塗布された仮支持体を、高温乾燥装置内で搬送する方法等が挙げられる。
ここで、上記乾燥を低温(例えば、50℃〜120℃であり、60℃〜100℃がより好ましい。)で行うか、乾燥時間を短時間(例えば、10秒〜5分間であり、20秒〜80秒がより好ましい)で行う場合に、本実施形態による解像性の向上という効果が得られやすい。また、上記低温かつ短時間の乾燥によれば、上記解像性の向上という効果が更に得られやすい。
図1は、本実施形態の感光性転写材料製造方法により製造される感光性転写材料の層構成の一例を概略的に示している。図1に示す感光性転写材料100は、仮支持体12と、感光性層14と、カバーフィルム16とがこの順に積層されている。感光性層14は、上述の本実施形態に係る感光性転写材料用組成物の製造により得られた組成物を用いて形成された層である。
また、本実施形態における感光性層は、ポジ型感光性層であり、化学増幅ポジ型感光性層であることが好ましい。
上述したオニウム塩やオキシムスルホネート化合物等の光酸発生剤は、活性放射線(活性光線)に感応して生成される酸が、上記特定重合体中の保護された酸基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られる。
一方、活性放射線に感応する光酸発生剤としてキノンジアジド化合物を用いた場合、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下であり、化学増幅型には該当しない。
〔仮支持体〕
仮支持体は、感光性層を支持し、感光性層から剥離可能な支持体である。
本実施形態において用いられる仮支持体は、感光性層をパターン露光する際に仮支持体を介して感光性層を露光し得る観点から光透過性を有することが好ましい。
光透過性を有するとは、パターン露光に使用する光の主波長の透過率が50%以上であることを意味し、パターン露光に使用する光の主波長の透過率は、感度向上の観点から、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透過率の測定方法としては、大塚電子(株)製MCPD Seriesを用いて測定する方法が挙げられる。
仮支持体としては、ガラス基板、樹脂フィルム、紙等が挙げられ、強度及び可撓性等の観点から、樹脂フィルムが特に好ましい。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。中でも、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚みは、特に限定されず、5μm〜200μmの範囲が好ましく、取扱い易さ、汎用性などの点で、8μm〜150μmの範囲がより好ましく、8μm〜40μmの範囲が最も好ましい。
仮支持体は、支持体としての強度、回路配線形成用基板との貼り合わせに求められる可撓性、最初の露光工程で要求される光透過性などの観点から、材質に応じて選択すればよい。
仮支持体の好ましい態様については、例えば、特開2014−85643号公報の段落0017〜段落0018に記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
〔その他の層〕
得られる感光性転写材料は、上記感光性層以外の層(以下、「その他の層」と称することがある)を有していてもよい。その他の層としては、コントラストエンハンスメント層、中間層、カバーフィルム、熱可塑性等を挙げることができる。
−コントラストエンハンスメント層−
得られる感光性転写材料は、上記感光性層に加え、コントラストエンハンスメント層を有することができる。
コントラストエンハンスメント層(Contrast Enhancement Layer;CEL)は、露光前には露光波長に対する吸収が大きいが、露光されるに伴って次第に吸収が小さくなる、すなわち、光の透過率が高くなる材料(光消色性色素成分と称する)を含有する層である。光消色性色素成分としては、ジアゾニウム塩、スチルバゾリウム塩、アリールニトロソ塩類等が知られている。被膜形成成分としては、フェノール系樹脂等が用いられる。
その他、コントラストエンハンスメント層としては、特開平6−97065号公報の段落0004〜段落0051、特開平6−332167号公報の段落0012〜段落0055、フォトポリマーハンドブック,フォトポリマー懇話会編,工業調査会(1989)、フォトポリマー・テクノロジー,山岡、永松編,(株)日刊工業新聞社(1988)に記載の材料を用いることができる。
−中間層−
上記感光性層の上に、中間層を形成し、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を防止する目的で、中間層を設けることができる。
中間層としては、特開2005−259138号公報の段落[0084]〜[0087]に記載の中間層を用いることができる。中間層としては、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましい。
中間層に用いられる材料としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂、及びこれらの共重合体などの樹脂が挙げられる。中でも特に好ましいのはポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組合せである。
−熱可塑性樹脂層、カバーフィルム等−
得られる感光性転写材料は、例えば、仮支持体と、熱可塑性樹脂層と、感光性層とをこの順で有することもできる。更に、感光性層を保護する目的でカバーフィルムを有していてもよい。
熱可塑性樹脂層の好ましい態様については特開2014−85643号公報の段落0189〜段落0193、他の層の好ましい態様については特開2014−85643号公報の段落0194〜段落0196にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
<その他の層を形成する工程>
本実施形態に係る感光性転写材料の製造方法は、上述のその他の層を形成する工程を含んでもよい。
具体的には、特開2006−259138号公報の段落0094〜段落0098に記載の感光性転写材料の作製方法に準じてその他の層を形成することができる。
例えば、熱可塑性樹脂層及び中間層を有する感光性転写材料を製造する場合には、仮支持体上に、熱可塑性の有機高分子と添加剤とを溶解した溶解液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥させて熱可塑性樹脂層を設けた後、得られた熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶媒に樹脂及び添加剤を加えて調製した調製液(中間層用塗布液)を塗布し、乾燥させて中間層を積層する。形成した中間層上に、更に、中間層を溶解しない溶媒を用いて調製した、本実施形態に係る感光性転写材料用組成物の製造方法により得られた感光性転写材料用組成物を塗布し、乾燥させて感光性層を積層することによって、感光性転写材料を好適に作製することができる。
(回路配線の製造方法)
本実施形態に係る感光性転写材料の製造方法により得られる感光性転写材料を用いた、回路配線の製造方法の第1の実施態様について説明する。
回路配線の製造方法の第1の実施態様は、
基板に対し、本実施形態に係る感光性転写材料の製造方法により得られた感光性転写材料の上記感光性層を基板に接触させて貼り合わせる工程(貼り合わせ工程)と、
上記貼り合わせる工程後の上記感光性転写材料の上記感光性層をパターン露光する工程(露光工程)と、
上記露光する工程後の感光性層を現像してパターンを形成する工程(現像工程)と、
上記パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程(エッチング工程)と、をこの順に含む。
回路配線の製造方法の第1の実施態様における基板は、ガラス、シリコン、フィルムなどの基材自体が基板であってもよく、ガラス、シリコン、フィルムなどの基材上に、必要により導電層などの任意の層が設けられた基板であってもよい。
回路配線の製造方法の第1の実施態様によれば、基板表面に微細パターンを形成することができる。
回路配線の製造方法の第2の実施形態は、
基材、及び、互いに構成材料が異なる第1導電層及び第2導電層を含む複数の導電層とを有し、上記基材の表面上に、上記基材の表面から遠い順に、最表面層である上記第1導電層及び上記第2導電層が積層されている基板に対し、本実施形態に係る感光性転写材料の製造方法により得られた感光性転写材料の上記感光性層を上記第1導電層に接触させて貼り合わせる貼り合わせ工程と、
上記貼り合わせ工程後の上記感光性転写材料の上記仮支持体を介して上記感光性層をパターン露光する第1露光工程と、
上記第1露光工程後の感光性層から上記仮支持体を剥離した後、上記第1露光工程後の感光性層を現像して第1パターンを形成する第1現像工程と、
上記第1パターンが配置されていない領域における上記複数の導電層のうち少なくとも上記第1導電層及び上記第2導電層をエッチング処理する第1エッチング工程と、
上記第1エッチング工程後の上記第1パターンを上記第1パターンとは異なるパターンでパターン露光する第2露光工程と、
上記第2露光工程後の上記第1パターンを現像して第2パターンを形成する第2現像工程と、
上記第2パターンが配置されていない領域における上記複数の導電層のうち少なくとも上記第1導電層をエッチング処理する第2エッチング工程と、をこの順に含む。上記第2の実施形態としては、国際公開第2006/190405号を参考にすることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態に係る回路配線の製造方法は、タッチパネル又はタッチパネル表示装置用の回路配線の製造方法として用いることができる。
以下、第2の実施形態を元に、各工程の詳細について説明する。
<貼り合わせ工程>
貼り合わせ工程の一例を、図2(a)に概略的に示した。
まず、貼り合わせ工程では、基材22と、互いに構成材料が異なる第1導電層24及び第2導電層26を含む複数の導電層とを有し、基材22の表面上に、基材22の表面から遠い順に、最表面層である第1導電層24と第2導電層26とが積層されている基板(回路配線形成用基板)20に対し、上述した感光性転写材料100のポジ型感光性層14を第1導電層24に接触させて貼り合わせる。なお、このような回路配線形成用基板と感光性転写材料との貼り合わせを「転写」又は「ラミネート」と称する場合がある。
図1に示したように感光性転写材料100のポジ型感光性層14上にカバーフィルム16を有する場合は、感光性転写材料100(ポジ型感光性層14)からカバーフィルム16を除去した後、感光性転写材料100のポジ型感光性層14を第1導電層24に接触させて貼り合わせる。
感光性転写材料の第1導電層上への貼り合わせ(転写)は、感光性転写材料のポジ型感光性層側を第1導電層の上に重ね、ロール等による加圧及び加熱することに行われることが好ましい。貼り合わせには、ラミネータ、真空ラミネータ、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネータを使用することができる。
回路配線形成用基板の基材が樹脂フィルムである場合は、ロールツーロールでの貼り合わせも行うこともできる。
〔基材〕
基材上に複数の導電層が積層された基板は、基材がガラス基材又はフィルム基材であることが好ましく、フィルム基材であることがより好ましい。本実施形態に係る回路配線の製造方法は、タッチパネル用の回路配線である場合、基材がシート状樹脂組成物であることが特に好ましい。
また、基材は透明であることが好ましい。
基材の屈折率は、1.50〜1.52であることが好ましい。
基材は、ガラス基材等の透光性基材で構成されていてもよく、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、前述の透明基材としては、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報及び特開2010−257492号公報に用いられている材料を好ましく用いることができる。
基材としてフィルム基材を用いる場合は、光学的に歪みがない基材、及び、透明度が高い基材を用いることがより好ましく、具体的な素材には、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーをあげることができる。
〔導電層〕
基材上に形成されている複数の導電層としては、一般的な回路配線又はタッチパネル配線に用いられる任意の導電層を挙げることができる。
導電層の材料としては、金属及び金属酸化物などを挙げることができる。
金属酸化物としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、SiO等を挙げることができる。金属としては、Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等を挙げることができる。
本実施形態に係る回路配線の製造方法は、複数の導電層のうち少なくとも一つの導電層が金属酸化物を含むことが好ましい。
導電層としては、静電容量型タッチパネルに用いられる視認部のセンサーに相当する電極パターン又は周辺取り出し部の配線であることが好ましい。
〔回路配線形成用基板〕
基材の表面に導電層を有する基板である。導電層をパターンニングすることで回路配線とする。本例では、PETなどのフィルム基材に金属酸化物や金属などの複数の導電層が設けられたものであることが好ましい。
<露光工程(第1露光工程)>
上記第1の実施態様においては露光工程が、上記第2の実施態様においては第1露光工程が行われる。露光工程(第1露光工程)の一例を、図2(b)に概略的に示した。
露光工程(第1露光工程)では、貼り合わせ工程後の感光性転写材料の仮支持体12を介してポジ型感光性層14をパターン露光する。
本実施形態における露光工程、現像工程、及びその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落0035〜段落0051に記載の方法を本実施形態においても好適に用いることができる。
例えば、第1導電層24の上に配置された感光性転写材料100の上方(第1導電層24と接する側とは反対側)に所定のパターンを有するマスク30を配置し、その後、マスク30を介してマスク上方から紫外線で露光する方法などが挙げられる。
本実施形態においてパターンの詳細な配置及び具体的サイズは特に限定されない。本実施形態により製造される回路配線を有する入力装置を備えた表示装置(例えばタッチパネル)の表示品質を高め、また、取り出し配線の占める面積をできるだけ小さくしたいことから、パターンの少なくとも一部(特にタッチパネルの電極パターン及び取り出し配線の部分)は100μm以下の細線であることが好ましく、70μm以下であることが更に好ましい。
ここで、露光に使用する光源としては、感光性転写材料の露光された箇所が現像液に溶解しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
露光量としては、通常5mJ/cm〜200mJ/cm程度であり、好ましくは10mJ/cm〜100mJ/cm程度である。
また、露光後にパターンの矩形性、直線性を向上させる目的で、現像前に熱処理を行うことも好ましい。いわゆるPEB(Post Exposure Bake)と呼ばれる工程により、露光時に感光性層中で生じた定在波によるパターンエッジの荒れを低減することが可能である。
なお、パターン露光は、仮支持体をポジ型感光性層から剥離してから行っても、仮支持体を剥離する前に、仮支持体を介して露光し、その後、仮支持体を剥離してもよい。感光性層とマスクの接触によるマスク汚染の防止や、マスクに付着した異物による露光への影響を避けるためには、仮支持体を剥離せずに露光することが好ましい。なお、パターン露光は、マスクを介した露光でもよいし、レーザー等を用いたデジタル露光でもよい。
<現像工程(第1現像工程)>
上記第1の実施態様においては現像工程が、上記第2の実施態様においては第1現像工程が行われる。現像工程(第1現像工程)の一例を、図2(c)に概略的に示した。
現像工程(第1現像工程)では、露光工程(第1露光工程)後のポジ型感光性層14から仮支持体12を剥離した後、露光工程(第1露光工程)後のポジ型感光性層14を現像して第1パターン14Aを形成する。
現像工程(第1現像工程)は、パターン露光されたポジ型感光性層を現像することによりパターン(第1パターン)を形成する工程である。
パターン露光されたポジ型感光性層の現像は、現像液を用いて行うことができる。
現像液としては、ポジ型感光性層の露光部分を除去することができれば特に制限はなく、例えば、特開平5−72724号公報に記載の現像液など、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液はポジ型感光性層の露光部が溶解型の現像挙動をする現像液が好ましい。例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05mol/L(リットル)〜5mol/Lの濃度で含むアルカリ水溶液系の現像液が好ましい。現像液は、さらに、水と混和性を有する有機溶媒、界面活性剤等を含有してもよい。本実施形態において好適に用いられる現像液としては、例えば、国際公開第2015/093271号の段落0194に記載の現像液が挙げられる。
現像方式としては、特に制限はなくパドル現像、シャワー現像、シャワー及びスピン現像、ディップ現像等のいずれでもよい。ここで、シャワー現像について説明すると、露光後のポジ型感光性層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、露光部分を除去することができる。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましい。
さらに、現像して得られたポジ型感光性層を含むパターンを加熱処理するポストベーク工程を有していてもよい。
ポストベークの加熱は8.1kPa〜121.6kPaの環境下で行うことが好ましく、506.6kPa以上の環境下で行うことがより好ましい。一方、1114.6kPa以下の環境下で行うことがより好ましく、101.3kPa以下の環境下で行うことが特に好ましい。
ポストベークの温度は、80℃〜250℃であることが好ましく、110℃〜170℃であることがより好ましく、130℃〜150℃であることが特に好ましい。
ポストベークの時間は、1分〜30分であることが好ましく、2分〜10分であることがより好ましく、2分〜4分であることが特に好ましい。
ポストベークは、空気環境下で行っても、窒素置換環境下で行ってもよい。
ポスト露光工程等、その他の工程を有していてもよい。
<エッチング工程(第1エッチング工程)>
上記第1の実施態様においてはエッチング工程が、上記第2の実施態様においては第1エッチング工程が行われる。エッチング工程(第1エッチング工程)の一例を、図2(d)に概略的に示した。
エッチング工程(第1エッチング工程)では、第1パターン14Aが配置されていない領域における複数の導電層のうち少なくとも第1導電層24及び第2導電層26をエッチング処理する。エッチングにより、同じパターンを有する第1導電層24A及び第2導電層26Aが形成される。
導電層のエッチングは、特開2010−152155公報の段落0048〜段落0054等に記載の方法、公知のプラズマエッチング等のドライエッチングによる方法など、公知の方法でエッチングを適用することができる。
例えば、エッチングの方法としては、一般的に行われている、エッチング液に浸漬するウェットエッチング法が挙げられる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、エッチングの対象に合わせて酸性タイプ又はアルカリ性タイプのエッチング液を適宜選択すればよい。
酸性タイプのエッチング液としては、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸等の酸性成分単独の水溶液、酸性成分と塩化第2鉄、フッ化アンモニウム、過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。酸性成分は、複数の酸性成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
アルカリ性タイプのエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのような有機アミンの塩等のアルカリ成分単独の水溶液、アルカリ成分と過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
エッチング液の温度は特に限定されないが、45℃以下であることが好ましい。本実施形態でエッチングマスク(エッチングパターン)として使用される第1パターンは、45℃以下の温度域における酸性及びアルカリ性のエッチング液に対して特に優れた耐性を発揮することが好ましい。したがって、エッチング工程中にポジ型感光性層が剥離することが防止され、ポジ型感光性層の存在しない部分が選択的にエッチングされることになる。
エッチング工程後、工程ラインの汚染を防ぐために、必要に応じて洗浄工程及び乾燥工程を行ってもよい。洗浄工程については、例えば常温で純水により10秒〜300秒間基板を洗浄して行い、乾燥工程については、例えばエアブローを使用し、エアブロー圧(0.1kg/cm〜5kg/cm程度)を適宜調整して乾燥を行えばよい。
<第2露光工程>
上記第2の実施態様においては第2露光工程が行われる。第2露光工程の一例を、図2(e)に概略的に示した。
第1エッチング工程後、第1エッチング工程後の第1パターン14Aを第1パターンとは異なるパターンでパターン露光する。
第2露光工程では、第1導電層上に残存する第1パターンに対し、後述する第2現像工程において少なくとも第1導電層の除去すべき部分に相当する箇所を露光する。
第2露光工程におけるパターン露光は、第1露光工程で用いたマスク30とはパターンが異なるマスク40を用いること以外は第1露光工程におけるパターン露光と同じ方法を適用することができる。
<第2現像工程>
上記第2の実施態様においては第2現像工程が行われる。第2現像工程の一例を、図2(f)に概略的に示した。
第2現像工程では、第2露光工程後の第1パターン14Aを現像して第2パターン14Bを形成する。
現像により、第1パターンのうち第2露光工程において露光された部分が除去される。
なお、第2現像工程では、第1現像工程における現像と同じ方法を適用することができる。
<第2エッチング工程>
上記第2の実施態様においては第2露光工程が行われる。第2エッチング工程の一例を、図2(g)に概略的に示した。
第2エッチング工程では、第2パターン14Bが配置されていない領域における複数の導電層のうち少なくとも第1導電層24Aをエッチング処理する。
第2エッチング工程におけるエッチングは、エッチングにより除去すべき導電層に応じたエッチング液を選択すること以外は第1エッチング工程におけるエッチングと同じ方法を適用することができる。
第2エッチング工程では、所望のパターンに応じて、第1エッチング工程よりも少ない導電層を選択的にエッチングすることが好ましい。例えば、図2に示すように、ポジ型感光性層が配置されていない領域において第1導電層24Bのみを選択的にエッチングするエッチング液を用いてエッチングを行うことで、第1導電層を第2導電層のパターンとは異なるパターンにすることができる。
第2エッチング工程の終了後、少なくとも2種類のパターンの導電層24B,26Aを含む回路配線が形成される。
<ポジ型感光性層除去工程>
ポジ型感光性層除去工程の一例を、図2(h)に概略的に示した。
第2エッチング工程の終了後、第1導電層24B上の一部には第2パターン14Bが残存している。ポジ型感光性層が不要であれば、残存する全てのポジ型感光性層14Bを除去すればよい。
残存するポジ型感光性層を除去する方法としては特に制限はないが、薬品処理により除去する方法を挙げることができる。
ポジ型感光性層の除去方法としては、例えば、30℃〜80℃、好ましくは50℃〜80℃にて攪拌中の剥離液にポジ型感光性層などを有する基材を1分〜30分間浸漬する方法が挙げられる。
剥離液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ成分、又は、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等の有機アルカリ成分を、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン又はこれらの混合溶液に溶解させた剥離液が挙げられる。剥離液を使用し、スプレー法、シャワー法、パドル法等により剥離してもよい。
本実施形態に係る回路配線の製造方法は、他の任意の工程を含んでもよい。例えば、以下のような工程が挙げられるが、これらの工程に限定されない。
<保護フィルムを貼り付ける工程>
上記第2の実施態様において、第1エッチング工程の後、第2露光工程の前に、第1パターン上に、光透過性を有する保護フィルム(不図示)を貼り付ける工程をさらに有してもよい。
この場合、第2露光工程において、保護フィルムを介して第1パターンをパターン露光し、第2露光工程後、第1パターンから保護フィルムを剥離した後、第2現像工程を行うことが好ましい。
<可視光線反射率を低下させる工程>
本実施形態に係る回路配線の製造方法は、基材上の複数の導電層の一部又は全ての可視光線反射率を低下させる処理をする工程を含むことが可能である。
可視光線反射率を低下させる処理としては、酸化処理などを挙げることができる。例えば、銅を酸化処理して酸化銅とすることで、黒化することにより、可視光線反射率を低下させることができる。
可視光線反射率を低下させる処理の好ましい態様については、特開2014−150118号公報の段落0017〜段落0025、並びに、特開2013−206315号公報の段落0041、段落0042、段落0048及び段落0058に記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
<絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程>
本実施形態に係る回路配線の製造方法は、形成した回路配線上に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程を含むことも好ましい。
このような構成により、上述の第二の電極パターンを、第一の電極パターンと絶縁しつつ、形成することができる。
絶縁膜を形成する工程については、特に制限はなく、公知の永久膜を形成する方法を挙げることができる。また、絶縁性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの絶縁膜を形成してもよい。
絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程については、特に制限はない。導電性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの新たな導電層を形成してもよい。
また、図2を参照した説明では、2層の導電層を備えた回路配線形成用基板に対して2つの異なるパターンを有する回路配線を形成する場合について説明したが、本実施形態に係る回路配線の製造方法を適用する基板の導電層の数は2層に限定されず、導電層が3層以上積層された回路配線形成用基板を用い、前述した露光工程、現像工程、及びエッチング工程の組み合わせを3回以上行うことで、3層以上の導電層をそれぞれ異なる回路配線パターンに形成することもできる。
また、図2には示していないが、本実施形態に係る回路配線の製造方法は、基材が両方の表面にそれぞれ複数の導電層を有し、基材の両方の表面に形成された導電層に対して逐次又は同時に回路形成することも好ましい。このような構成により、基材の一方の表面に第一の導電パターン、もう一方の表面に第二の導電パターンを形成したタッチパネル用回路配線を形成することができる。また、このような構成のタッチパネル用回路配線を、ロールツーロールで基材の両面から形成することも好ましい。
(回路配線及び回路基板)
本実施形態に係る回路配線は、本実施形態に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線である。
本実施形態に係る回路基板は、本実施形態に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線を有する基板である。
本実施形態に係る回路基板の用途は限定されないが、例えば、タッチパネル用回路基板であることが好ましい。
(入力装置及び表示装置)
本実施形態に係る回路配線の製造方法により製造される回路配線を備えた装置として、入力装置が挙げられる。
本実施形態における入力装置は、静電容量型タッチパネルであることが好ましい。
本実施形態における表示装置は、本実施形態における入力装置を備えることが好ましい。本実施形態における表示装置は、有機EL表示装置、及び、液晶表示装置等の画像表示装置であることが好ましい。
(タッチパネル、及び、タッチパネル表示装置並びにこれらの製造方法)
本実施形態に係るタッチパネルは、本実施形態に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線を少なくとも有するタッチパネルである。また、本実施形態に係るタッチパネルは、透明基板と、電極と、絶縁層又は保護層とを少なくとも有することが好ましい。
本実施形態に係るタッチパネル表示装置は、本実施形態に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線を少なくとも有するタッチパネル表示装置であり、本実施形態に係るタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。
本実施形態に係るタッチパネル又はタッチパネル表示装置の製造方法は、本実施形態に係る回路配線の製造方法を含むことが好ましい。
本実施形態に係るタッチパネル又はタッチパネル表示装置の製造方法は、感光性転写材料の製造方法により得られた感光性転写材料の上記感光性層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記貼り合わせる工程後の上記感光性転写材料の上記感光性層をパターン露光する工程と、上記露光する工程後の感光性層を現像してパターンを形成する工程と、上記パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、をこの順に含むことが好ましい。各工程の詳細は、上述の回路配線の製造方法における各工程の詳細と同義であり、好ましい態様も同様である。
本実施形態に係るタッチパネル及び本実施形態に係るタッチパネル表示装置のおける検出方法としては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式、及び、光学方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
タッチパネル型としては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8に記載のもの)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2013−168125号公報の図19に記載のもの、特開2012−89102号公報の図1や図5に記載のもの)、OGS(One Glass Solution)型、TOL(Touch−on−Lens)型(例えば、特開2013−54727号公報の図2に記載のもの)、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6に記載のもの)、各種アウトセル型(いわゆる、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1、G1Fなど)を挙げることができる。
本実施形態のタッチパネル及び本実施形態のタッチパネル表示装置としては、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日、(株)テクノタイムズ社発行)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress
Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
以下に実施例を挙げて本実施形態の実施形態を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本実施形態の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本実施形態の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
(重合体成分の合成)
以下の合成例において、以下の略語はそれぞれ以下の化合物を表す。
ATHF:2−テトラヒドロフラニルアクリレート(合成品)
MATHF:2−テトラヒドロフラニルメタクリレート(合成品)
ATHP:テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルアクリレート(新中村化学工業(株)製)
MAEVE:1−エトキシエチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)
THFHS:4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)スチレン(合成品)
THFCS:4−(2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニル)スチレン(合成品)
AA:アクリル酸(東京化成工業(株)製)
MAA:メタクリル酸(東京化成工業(株)製)
EA:アクリル酸エチル(東京化成工業(株)製)
MMA:メタクリル酸メチル(東京化成工業(株)製)
CHA:アクリル酸シクロヘキシル(東京化成工業(株)製)
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル(東京化成工業(株)製)
BMA:アクリル酸n−ブチル(東京化成工業(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(KHネオケム(株)製)
メチルn-ブチルケトン(東京化成工業(株)製)
酢酸ブチル(東京化成工業(株)製)
MEK:メチルエチルケトン(東京化成工業(株)製)
酢酸プロピル(昭和電工(株)製)
酢酸イソブチル(東京化成工業(株)製)
酢酸エチル(東京化成工業(株)製)
MIBK:メチルイソブチルチルケトン(東京化成工業(株)製)
ジイソプロピルエーテル(東京化成工業(株)製)
トルエン(東京化成工業(株)製)
MFG:プロピレングリコールメチルエーテル(東京化成工業(株)製)
γブチロラクトン(東京化成工業(株)製)
シクロヘキサノン(東京化成工業(株)製)
MEDG:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(東京化成工業(株)製)
THF:テトラヒドロフラン(東京化成工業(株)製)
アセトン(東京化成工業(株)製)
MEHQ:4−メトキシフェノール(東京化成工業(株)製)
V−601:ジメチル 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製)
V−65:2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)
V−70:2,2’−アゾビス(4−メトキシ‐2、4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)
<MATHFの合成>
3つ口フラスコにメタクリル酸(86.1質量部、1.0モル当量)、ヘキサン(86.1質量部)を加え20℃に冷却した。カンファースルホン酸(0.00070質量部、0.03ミリモル当量)、2−ジヒドロフラン(70.1質量部、1.0モル当量)を滴下した後に、20℃±2℃の温度範囲で1.5時間撹拌した後、35℃まで昇温して2時間撹拌した。ヌッチェにキョーワード200、キョーワード1000(共に協和化学工業(株)製)の順に敷き詰めた後、反応液をろ過することでろ過液を得た。得られたろ過液にMEHQ(4−メトキシフェノール(東京化成工業(株)製)、0.0012質量部)を加えた後、40℃で減圧濃縮することで、メタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル(MATHF)156.2質量部を無色油状物として得た(収率98.0%)。
<ATHFの合成>
3つ口フラスコにアクリル酸(72.1質量部、1.0モル当量)、ヘキサン(72.1質量部)を加え20℃に冷却した。カンファースルホン酸(0.00070質量部、0.03ミリモル当量)、2−ジヒドロフラン(77.9質量部、1.0モル当量)を滴下した後に、20℃±2℃の温度範囲で1.5時間撹拌した後、35℃まで昇温して2時間撹拌した。ヌッチェにキョーワード200、キョーワード1000(共に協和化学工業(株)製)の順に敷き詰めた後、反応液をろ過することでろ過液を得た。得られたろ過液にMEHQ(0.0012質量部)を加えた後、40℃で減圧濃縮することで、アクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル(ATHF)140.8質量部を無色油状物として得た(収率99.0%)。
<THFHSの合成>
3つ口フラスコに4−ヒドロキシスチレン(120.2質量部、1.0モル当量)、ヘキサン(120.2質量部)を加え20℃に冷却した。カンファースルホン酸(0.00070質量部、0.03ミリモル当量)、2−ジヒドロフラン(70.1質量部、1.0モル当量)を滴下した後に、80℃まで昇温して5時間撹拌した。ヌッチェにキョーワード200、キョーワード1000(共に協和化学工業(株)製)の順に敷き詰めた後、反応液をろ過することでろ過液を得た。得られたろ過液にMEHQ(0.0019質量部)を加えた後、40℃で減圧濃縮することで、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)スチレン(THFHS)185.0質量部を無色油状物として得た(収率97.3%)。
<THFCSの合成>
3つ口フラスコに4−カルボキシスチレン(148.2質量部、1.0モル当量)、ヘキサン(148.2質量部)を加え20℃に冷却した。カンファースルホン酸(0.00070質量部、0.03ミリモル当量)、2−ジヒドロフラン(70.1質量部、1.0モル当量)を滴下した後に、20℃±2℃の温度範囲で1.5時間撹拌した後、35℃まで昇温して2時間撹拌した。ヌッチェにキョーワード200、キョーワード1000(共に協和化学工業(株)製)の順に敷き詰めた後、反応液をろ過することでろ過液を得た。得られたろ過液にMEHQ(0.0021質量部)を加えた後、40℃で減圧濃縮することで、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニル)スチレン(THFCS)212.3質量部を無色油状物として得た(収率97.3%)。
<重合体A−1の合成>
3つ口フラスコにメチルn−ブチルケトン(75.0質量部)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。MATHF(45.0質量部)、AA(2.0質量部)、EA(30.0質量部)、MMA(7.0質量部)、CHA(16.0質量部)、V−601(4.0質量部)、メチルn−ブチルケトン(75.0質量部)を加えた溶液を、90℃±2℃の温度範囲に維持した3つ口フラスコ溶液中に2時間かけて滴下した。滴下終了後,90℃±2℃の温度範囲にて2時間撹拌することで、重合体A−1を含む感光性転写材料用重合体溶液(固形分濃度40.0%)を得た。
<重合体A−2、4、5、8、10〜20、23〜27の合成例>
モノマーの種類及び使用量、並びに、溶媒の種類を下記表に示す通りに変更し、その他の条件については、A−1と同様の方法で合成した。重合体の固形分濃度は40質量%とした。
なお、表1中の数値は、各成分の含有量(質量部)を示しており、溶媒名の横の括弧に含まれた数値は、重合溶媒の全質量に対する、該当する溶媒の含有量(モル%)を示す。
<重合体A−3、6、7の合成例>
モノマーの種類及び使用量、並びに、溶媒の種類を下記表に示す通りに変更し、重合温度を75℃に変更し、さらに重合開始剤をV−65に変更し、他の条件については、A−1と同様の方法で合成した。重合体の固形分濃度は40質量%とした。
<重合体A−9、21、22の合成例>
モノマーの種類及び使用量、並びに、溶媒の種類を下記表に示す通りに変更し、重合温度を54℃に変更し、さらに重合開始剤をV−70に変更し、他の条件については、A−1と同様の方法で合成した。重合体の固形分濃度は40質量%とした。
表1中、「−」の記載は、該当するモノマーを使用していないことを示している。
また、表1中、I/O値、Tg、蒸気圧及びMwは上述の方法により測定した。
以下に、後述する感光性樹脂組成物(感光性転写材料用組成物)の調製に使用し、また、後述する表2に記載した各成分の詳細を示す。
<光酸発生剤>
B−1:下記に示す構造(特開2013−47765号公報の段落0227に記載の化合物であり、段落0227に記載の方法に従って合成した)

B−2:PAG−103(商品名、下記化合物、BASF社製)

B−3:下記に示す構造(特開2014−197155号公報の段落0210に記載の方法に従って合成した。なお、Tsは、p−トルエンスルホニル基を表す。)

B−4:GSID−26−1、トリアリールスルホニウム塩(BASF社製)

<界面活性剤>
C−1:下記に示す構造の化合物

<塩基性化合物>
D−1:下記に示す構造の化合物(CMTU)
D−2:2,4,5−トリフェニルイミダゾール(東京化成工業(株)製)
D−3:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(東京化成工業(株)製)

<増感剤>
DBA:9,10−ジブトキシアントラセン(川崎化成工業(株)製)
(実施例1〜24、及び、比較例1〜7)
<感光性転写材料の調製>
実施例1〜24及び比較例1〜7では、下記表2に示す固形分比となるように、重合体成分、光酸発生剤、塩基性化合物、界面活性剤、及び、その他の成分をPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)に固形分濃度10質量%になるように溶解混合し、口径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタで濾過して、感光性樹脂組成物(感光性転写材料用組成物)を得た。
この感光性樹脂組成物を、仮支持体となる厚さ30μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PET(A)」とする)の上に、スリット状ノズルを用いて乾燥膜厚が4.0μmとなるように塗布した。その後、平均温度85℃の乾燥ゾーンを50秒間かけて通過させ、最後にカバーフィルムとしてポリエチレンフィルム(トレデガー社製、OSM−N)を圧着して感光性転写材料を作製した。
なお、PET(A)の全光ヘイズは0.19%であった。フィルムヘイズは、スガ試験機(株)製ヘイズメーターHZ−2を用い、JIS−K−7136に準拠してベース小片の全光ヘイズ値(%)を測定した。
<性能評価>
厚さ188μmのPETフィルム上に厚さ500nmでスパッタ法にて銅層を作製した銅層付きPET基板を使用した。
<ラミネート適性評価>
作製した感光性転写材料を50cm角にカットし、カバーフィルムを剥がして、ロール温度90℃、線圧0.8MPa、線速度3.0m/min.のラミネート条件で銅層付きPET基板にラミネートした。感光性層が銅層に泡や浮きがなく密着している面積を目視評価し、感光性層が密着した面積/カットした転写材料の面積(%)により密着した面積割合を求めた。面積(%)が大きいほどラミネート適性に優れるといえる。
〔評価基準〕
面積(%)が95%以上:5
面積(%)が90%以上、95%未満:4
面積(%)が85%以上、90%未満:3
面積(%)が80%以上、85%未満:2
面積(%)が80%未満:1
<感度(露光感度)評価>
作製した感光性転写材料を、線圧0.8MPa、線速度3.0m/min.のラミネート条件で銅層付きPET基板にラミネートした。なおロール温度90℃の場合のラミネート適性4以下の場合、ラミネート適性が5判定になるまでラミロール温度を上げて試料を作成した。ラミネート適性は上述の方法により評価した。
仮支持体を剥離せずに線幅3〜20μmのラインアンドスペースパターンマスク(Duty比 1:1)を介して超高圧水銀灯で感光性層を露光後、1時間放置した後に仮支持体を剥離して現像した。現像は22℃の0.9%炭酸ナトリウム水溶液を用い、シャワー現像で40秒行った。上記方法にて20μmのラインアンドスペースパターンを形成したとき、スペース部の残渣を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し評価し、完全に残渣がなくなる露光量を求めた。露光量が200mJ/cm以下が実用可能レベルである。露光量が小さいほど、露光感度に優れているといえる。
〔評価基準〕
80mJ/cm未満:5
80mJ/cm以上150mJ/cm未満:4
150mJ/cm以上200mJ/cm未満:3
200mJ/cm以上300mJ/cm未満:2
300mJ/cm以上:1
<解像性評価>
作製した感光性転写材料を、線圧0.8MPa、線速度3.0m/min.のラミネート条件で銅層付きPET基板にラミネートした。なおロール温度90℃で上述のラミネート適性の評価結果が4以下である場合、ラミネート適性の評価結果が5(面積(%)が95%以上)になるまでラミロール温度を上げて試料を作製した。
仮支持体を剥離せずに線幅3μm〜20μmのラインアンドスペースパターン(Duty比 1:1)マスクを介して超高圧水銀灯で感光性層を感度評価で求めた露光量で露光した後、1時間放置した後に仮支持体を剥離して現像した。現像は22℃の1.0%炭酸ナトリウム水溶液を用い、シャワー現像で40秒行った。このように得られたラインアンドスペースパターンで、最も線幅が小さいパターンを到達解像度とした。また到達解像度を判断する際、パターンを走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、パターンの側壁部に大きな荒れが生じている場合には、解像できていないとした。到達解像度が小さいほど、露光後に放置された場合であっても解像性に優れたパターンが得られるといえる。(東京化成工業(株)製)
〔評価基準〕
到達解像度が6μm未満:5
到達解像度が8μm未満、6μm以上:4.5
到達解像度が10μm未満、8μm以上:4
到達解像度が15μm未満、10μm以上:3
到達解像度が20μm未満、15μm以上:2
到達解像度が20μm以上:1
以下表2に結果を示す。
表2に示すように、本実施形態に係る感光性転写材料用重合体溶液の製造方法により得られた感光性転写材料用重合体溶液を用いることにより、解像性に優れたパターンが得られる感光性転写材料が得られた。
また、表2に示すように、本実施形態に係る感光性転写材料用組成物の製造方法により得られた感光性転写材料用組成物を用いることにより、解像性に優れたパターンが得られる感光性転写材料が得られた。
また、表2に示すように、感光性転写材料の製造方法によれば、解像性に優れたパターンが得られる感光性転写材料が得られた。
表2中、「−」の記載は、該当する化合物を含有していないことを示している。
また、表2中、I/O値、Tg、蒸気圧及びMwは上述の方法により測定した。
(実施例101)
100μm厚PET基材上に、第2層の導電性層として酸化インジウムスズ(ITO)をスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に第1層の導電性層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成基板とした。
銅層上に実施例1で得た感光性転写材料1をラミネートした(線圧0.8MPa、線速度3.0m/min、ロール温度90℃)。仮支持体を剥離せずに一方向に導電性層パッドが連結された構成を持つ図3に示すパターン(以下、「パターンA」とも称する。)を設けたフォトマスクを用いてコンタクトパターン露光した。
なお、図3に示すパターンAは、実線部SL及びグレー部Gが遮光部であり、点線部DLはアライメント合わせの枠を仮想的に示したものである。
その後仮支持体を剥離し、現像、水洗を行ってパターンAを得た。次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu−02)を用いて銅層をエッチングした後、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO−02)を用いてITO層をエッチングすることで、銅(実線部SL)とITO(グレー部G)とが共にパターンAで描画された基板を得た。
次いで、アライメントを合わせた状態で図4に示すパターン(以下、「パターンB」とも称する。)の開口部を設けたフォトマスクを用いてパターン露光し、現像、水洗を行った。
なお、図4に示すパターンBは、グレー部Gが遮光部であり、点線部DLはアライメント合わせの枠を仮想的に示したものである。
その後、Cu−02を用いて銅層をエッチングし、残った感光性層を剥離液(関東化学(株)製KP−301)を用いて剥離し、回路配線基板を得た。
これにより、回路配線基板を得た。顕微鏡で観察したところ、剥がれや欠けなどは無く、きれいなパターンであった。
(実施例102)
100μm厚PET基材上に、第2層の導電性層としてITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に第1層の導電性層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成基板とした。
銅層上に実施例1で得た感光性転写材料1をラミネートした(線圧0.6MPa、線速度3.6m/min、ロール温度90℃)。
仮支持体を剥離せずに一方向に導電性層パッドが連結された構成を持つ図3に示すパターンAを設けたフォトマスクを用いて感光性層をパターン露光した。その後仮支持体を剥離し、現像、水洗を行ってパターンAを得た。次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu−02)を用いて銅層をエッチングした後、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO−02)を用いてITO層をエッチングすることで、銅(実線部SL)とITO(グレー部G)とが共にパターンAで描画された基板を得た。
次いで、残存しているレジスト上に保護層としてPET(A)をラミネートした。この状態で、アライメントを合わせた状態で図4に示すパターンBの開口部を設けたフォトマスクを用いてパターン露光し、PET(A)を剥離した後に現像、水洗を行った。
その後、Cu−02を用いて銅配線をエッチングし、残った感光性層を剥離液(関東化学(株)製KP−301)を用いて剥離し、回路配線基板を得た。
顕微鏡で観察したところ、剥がれや欠けなどは無く、きれいなパターンであった。
12 仮支持体
14 感光性層
14A 第1パターン
14B 第2パターン
16 カバーフィルム
20 回路形成用基板
22 基材
24 第1導電層
24A 第1導電層(第1エッチング工程後)
24B 第1導電層(第2エッチング工程後)
26 第2導電層
26A 第2導電層(第1エッチング工程及び第2エッチング工程後)
30 マスク
40 マスク
100 感光性転写材料
SL 実線部
G グレー部
DL 点線部

Claims (18)

  1. 重合開始剤と、重合溶媒を含み、かつ、
    20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である重合溶媒成分と、
    酸分解性基で保護された酸基を有する少なくとも1種の単量体及び酸分解性基を有しない(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分と、
    を含む組成物における重合反応を行う工程を有する、
    感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
  2. 前記重合溶媒成分の20℃における蒸気圧が、1kPa以上10kPa以下である、請求項1に記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
  3. 前記重合溶媒成分が、エステル基、エーテル基及びカルボニル基から選ばれる、少なくとも1つの基を有し、かつ炭素数が4〜6である重合溶媒を含む、請求項1又は請求項2に記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
  4. 前記重合溶媒成分が、ヒドロキシ基を含む重合溶媒を含有しないか、又は、前記重合溶媒成分の全質量に対する、ヒドロキシ基を含む重合溶媒の含有量が、0質量%を超え5質量%未満である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
  5. 前記単量体成分が、酸基を有する単量体を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
  6. 前記酸分解性基で保護された酸基を含む単量体が、酸分解性基で保護されたカルボキシ基を含む単量体である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の感光性転写材料用重合体溶液の製造方法によって製造された感光性転写材料用重合体溶液、光酸発生剤、及び20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である希釈溶媒を混合する工程を含む、感光性転写材料用組成物の製造方法。
  8. 得られる感光性転写材料用組成物に含まれる重合体成分の全質量に対する、酸基を有する構成単位の含有量が、0.5質量%〜10質量%である、請求項7に記載の感光性転写材料用組成物の製造方法。
  9. 得られる感光性転写材料用組成物に含まれる重合体成分の有機概念図に基づく無機性値Iを有機性値Oで除したI/O値の平均値が、0.52以上である、請求項7又は請求項8に記載の感光性転写材料用組成物の製造方法。
  10. 得られる感光性転写材料用組成物に含まれる全重合体成分のガラス転移温度の平均値が、90℃以下である、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の感光性転写材料用組成物の製造方法。
  11. 得られる感光性転写材料用組成物に含まれる、重合体成分の重量平均分子量が、60,000以下である、請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の感光性転写材料用組成物の製造方法。
  12. 請求項7〜請求項11のいずれか1項に記載の感光性転写材料用組成物の製造方法により得られた感光性転写材料用組成物を用いて、仮支持体上に感光性層を形成する工程を有する感光性転写材料の製造方法。
  13. 請求項12に記載の感光性転写材料の製造方法により得られた感光性転写材料の前記感光性層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、
    前記貼り合わせる工程後の前記感光性転写材料の前記感光性層をパターン露光する工程と、
    前記露光する工程後の感光性層を現像してパターンを形成する工程と、
    前記パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、をこの順に含む、
    回路配線の製造方法。
  14. 請求項12に記載の感光性転写材料の製造方法により得られた感光性転写材料の前記感光性層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、
    前記貼り合わせる工程後の前記感光性転写材料の前記感光性層をパターン露光する工程と、
    前記露光する工程後の感光性層を現像してパターンを形成する工程と、
    前記パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、をこの順に含む、タッチパネルの製造方法。
  15. 重合開始剤と、重合溶媒を含み、かつ、
    20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である重合溶媒成分と、
    酸分解性基で保護された酸基を有する少なくとも1種の単量体及び酸分解性基を有しない(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分と、
    を含む、感光性転写材料用重合体溶液の製造に用いられる組成物。
  16. 重合開始剤と、重合溶媒を含み、かつ、
    20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である重合溶媒成分と、
    酸分解性基で保護された酸基を有する少なくとも1種の単量体及び酸分解性基を有しない(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、単量体成分として含む重合物と、
    を含む、感光性転写材料用重合体溶液。
  17. 請求項16に記載の感光性転写材料用重合体溶液と、光酸発生剤と、20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下である希釈溶媒と、を含む、感光性転写材料用組成物。
  18. 仮支持体と、
    請求項17に記載の感光性転写材料用組成物を用いて形成される感光性層と、
    を有する、感光性転写材料。
JP2017076184A 2017-04-06 2017-04-06 感光性転写材料用重合体溶液の製造方法、感光性転写材料用組成物の製造方法、感光性転写材料の製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネルの製造方法、感光性転写材料用重合体溶液の製造に用いられる組成物、感光性転写材料用重合体溶液、感光性転写材料用組成物及び感光性転写材料 Active JP6830398B2 (ja)

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