JP6502284B2 - 感光性転写材料及び回路配線の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は感光性転写材料及び回路配線の製造方法に関する。
静電容量型入力装置などのタッチパネルを備えた表示装置(有機EL表示装置及び液晶表示装置など)では、視認部のセンサーに相当する電極パターン、周辺配線部分及び取り出し配線部分の配線などの導電層パターンがタッチパネル内部に設けられている。
一般的にパターン化した層の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少ないといったことから、感光性転写材料を用いて任意の基板上に設けた感光性樹脂組成物の層に対して、所望のパターンを有するマスクを介して露光し、部分的に硬化した後に現像する方法が広く使用されている。
例えば、特許文献1には、支持体と、感光性樹脂組成物層とを有し、感光性樹脂組成物層が、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位a1を有する重合体を含む重合体成分及び光酸発生剤を含み、感光性樹脂組成物がエチレン性架橋構造を有さない感光性転写材料及びそれを用いたパターン形成方法が開示されている。
また、特許文献2には、酸発生剤と、ラクトン又はスルトンを含む基を有し、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂と、ポジ型感光性樹脂組成物が開示され、ポジ型感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法が開示されている。特許文献2には、膜厚を大きくしても、良好な矩形の断面形状を有するパターンを形成しうることが記載されている。
国際公開第2015/093271号 特開2015−194715号公報
タッチパネル用回路配線においては、視認部のセンサーに相当する電極パターンと周辺取り出し部(周辺配線部分と取り出し配線部分)の配線が交差しておらず、ブリッジ等による3次元接続が必要ない。そのため、タッチパネル用回路配線の製造方法の技術分野では、従来の感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法の如く、所望のパターンごとにレジスト形成せず、1回のレジスト形成で複数種類のパターンの導電層を含む回路配線を形成して工程を省略することが期待されている。
また、生産性の向上等の観点から、パターン形成される回路配線の解像度を落とさずに、回路配線を形成するための基板(以下、「回路配線形成用基板」と称する場合がある。)と感光性転写材料を、例えばロールツーロール(Roll to Roll)で高速で搬送しながら低温で貼り合わせて、露光、現像等を行うことが望ましい。
特許文献1に開示されている感光性転写材料では、低温かつ高速で回路配線形成用基板に貼り合わせると、密着が十分でなく仮支持体を剥離する際に感光性樹脂層も一緒に剥離してしまったり、回路配線の製造工程の途中で感光性樹脂組成物層の一部が意図せずに剥離してしまったりする場合があった。
特許文献2に記載される感光性樹脂組成物は、塗布法により厚膜層を形成する組成物であり、用いられる感光性樹脂組成物の構成を考慮すれば、転写材料に適用した場合には、パターン形成時において感度や解像度が十分ではないことが懸念される。
本発明は、回路配線形成用基板に対して低温かつ高速(例えば、貼り合わせに使用するロール温度が130℃以下であり、搬送速度が1m/min以上)で貼り合わせても良好な密着性を有し、回路配線を高解像度で形成することができる感光性転写材料及び回路配線の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、感光性転写材料が、仮支持体上に、特定の構造と物性とを有する重合体、及び光酸発生剤を含むポジ型感光性樹脂層を有することで、上記目的を解決することができることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の実施形態を含む。
<1> 仮支持体と、
下記一般式Aで表される構成単位及び酸基を有する構成単位を含み、かつ、ガラス転移温度が90℃以下である重合体、並びに光酸発生剤を含むポジ型感光性樹脂層と、
を有する感光性転写材料。
一般式A中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR31及びR32のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよい。R34は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又はアリーレン基を表す。
<2> 重合体のガラス転移温度は、−20℃以上である<1>に記載の感光性転写材料。
<3> 重合体は、重合体の全固形分に対し、一般式Aで表される構成単位を20質量%以上含む<1>又は<2>に記載の感光性転写材料。
<4> 重合体は、重合体の全固形分に対し、酸基を有する構成単位を0.1質量%〜20質量%含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<5> 一般式Aで表される構成単位の全量に対し、一般式AにおいてR34が水素原子である構成単位が20質量%以上である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<6> 重合体は、重量平均分子量Mwが60,000以下である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<7> 仮支持体が、光透過性を有する<1>〜<6>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<8>(A)基板に対し、<7>に記載の感光性転写材料のポジ型感光性樹脂層を基板に接触させて貼り合わせる貼り合わせ工程、
(B)貼り合わせ工程後の感光性転写材料のポジ型感光性樹脂層をパターン露光する露光工程、
(C)露光工程後のポジ型感光性樹脂層を現像してパターンを形成する現像工程、
(D)パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理するエッチング工程、をこの順に含む、回路配線の製造方法。
<9>(a)基材と、互いに構成材料が異なる第1導電層及び第2導電層を含む複数の導電層とを有し、基材の表面上に、基材の表面から遠い順に、最表面層である第1導電層と第2導電層とが積層されている基板に対し、<7>に記載の感光性転写材料のポジ型感光性樹脂層を第1導電層に接触させて貼り合わせる貼り合わせ工程、
(b)貼り合わせ工程後の感光性転写材料の仮支持体を介してポジ型感光性樹脂層をパターン露光する第1露光工程、
(c)第1露光工程後のポジ型感光性樹脂層から仮支持体を剥離した後、第1露光工程後のポジ型感光性樹脂層を現像して第1パターンを形成する第1現像工程、
(d)第1パターンが配置されていない領域における複数の導電層のうち少なくとも第1導電層及び第2導電層をエッチング処理する第1エッチング工程、
(e)第1エッチング工程後の第1パターンを第1パターンとは異なるパターンでパターン露光する第2露光工程、
(f)第2露光工程後の第1パターンを現像して第2パターンを形成する第2現像工程、及び、
(g)第2パターンが配置されていない領域における複数の導電層のうち少なくとも第1導電層をエッチング処理する第2エッチング工程、
をこの順に含む、回路配線の製造方法。
<10> 第1エッチング工程の後、第2露光工程の前に、第1パターン上に、光透過性を有する保護フィルムを貼り付ける工程をさらに有し、
第2露光工程において、保護フィルムを介して第1パターンをパターン露光し、
第2露光工程後、第1パターンから保護フィルムを剥離した後、第2エッチング工程を行う<9>に記載の回路配線の製造方法。
本発明によれば、回路配線形成用基板に対して低温かつ高速(例えば、貼り合わせに使用するロール温度が130℃以下であり、搬送速度が1m/min以上)で貼り合わせても良好な密着性を有し、回路配線を高解像度で形成することができる感光性転写材料及び回路配線の製造方法が提供される。
本実施形態の感光性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。 本実施形態の感光性転写材料を用いたタッチパネル用回路配線の製造方法の一例を示す概略図である。 本実施形態の回路配線の製造方法によって製造することができるタッチパネル用回路配線の一例の概略図である。 本実施形態の回路配線の製造方法によって製造することができるタッチパネル用回路配線の一例の概略図である。 本実施形態の製造方法により形成された回路配線を有する入力装置の一例の構成を示す概略図である。 第一の電極パターンのパッド部分及び接続部分並びに第二の電極パターンの配置の一例を示す概略構成図である。 第一の電極パターンのパッド部分及び接続部分並びに第二の電極パターンの配置の一例を示す概略構成図である。 パターンAを示す概略図である。 パターンBを示す概略図である。 パターンCを示す概略図である。
以下、本発明の感光性転写材料及び回路配線の製造方法について説明する。なお、添付の図面を参照しながら説明するが、符号は省略する場合がある。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表す。
さらに、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
[感光性転写材料]
本実施形態の感光性転写材料は、仮支持体と、下記一般式Aで表される構成単位及び酸基を有する構成単位を含み、かつ、ガラス転移温度(以下、Tgと称することがある)が90℃以下である重合体、並びに光酸発生剤を含むポジ型感光性樹脂層と、を有する。
一般式A中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR31及びR32のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよい。R34は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又はアリーレン基を表す。
一般式Aにおける*は、隣接する構成単位との連結位置を示す。
図1は、本実施形態の感光性転写材料の層構成の一例を概略的に示している。図1に示す感光性転写材料100は、仮支持体12と、ポジ型感光性樹脂層14と、カバーフィルム16とがこの順に積層されている。ポジ型感光性樹脂層14は、一般式Aで表される構成単位及び酸基を有する構成単位を含み、かつガラス転移温度が90℃以下である重合体と、光酸発生剤とを含む。
以下、本実施形態の感光性転写材料の構成材料等について説明する。なお、本発明における上記構成について本明細書では以下のように称する場合がある。
一般式Aで表される構成単位を「構成単位(a)」と称し、酸基を有する構成単位を「構成単位(b)」と称する場合がある。
一般式Aで表される構成単位及び酸基を有する構成単位を有し、かつガラス転移温度が90℃以下である重合体を「特定重合体」と称する場合がある。
ポジ型感光性樹脂層を「感光性樹脂層」と称する場合がある。
〔仮支持体〕
仮支持体12は、ポジ型感光性樹脂層を支持し、ポジ型感光性樹脂層から剥離可能な支持体である。本実施形態で用いる仮支持体12は、ポジ型感光性樹脂層をパターン露光する際に仮支持体を介してポジ型感光性樹脂層を露光し得る観点から光透過性を有することが好ましい。
光透過性を有するとは、パターン露光の主波長の透過率が50%以上であることを意味し、パターン露光の主波長の透過率は、感度向上の観点から、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
仮支持体としては、ガラス基板、樹脂フィルム、紙等が挙げられ、強度及び可撓性等の観点から、樹脂フィルムが特に好ましい。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられ、なかでも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚みは特に限定されず、5μm〜200μmの範囲が一般的であり、取扱い易さ、汎用性などの点で、特に10μm〜150μmの範囲が好ましい。
仮支持体は、支持体としての強度、回路配線形成用基板との貼り合わせに求められる可撓性、最初の露光工程で要求される光透過性などの観点から、材質に応じて選択すればよい。
仮支持体の好ましい態様については、例えば、特開2014−85643号公報の段落[0017]〜段落[0018]に記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
〔ポジ型感光性樹脂層〕
本実施形態の感光性転写材料100は、仮支持体12上に配置されたポジ型感光性樹脂層14を有する。本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層14は、一般式Aで表される構成単位(a)と酸基を有する構成単位(b)とを有し、かつガラス転移温度が90℃以下である重合体(特定重合体)、及び光酸発生剤を含む。
<重合体成分>
〔特定重合体〕
本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層は、重合体成分として、一般式Aで表される構成単位(a)と酸基を有する構成単位(b)とを有し、かつガラス転移温度が90℃以下である特定重合体を含む。
ポジ型感光性樹脂層に含まれる特定重合体は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
(構成単位(a))
一般式Aで表される構成単位(a)は、酸分解性基で保護されたカルボキシ基を含む構成単位であり、酸分解性基で保護されたカルボキシ基を含む構成単位として好適な、一般式Aで表される構成単位(a)を含むことで、特定共重合体は、パターン形成時の感度および解像度が良好となる。
一般式A中、R31又はR32がアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。R31又はR32がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R31及びR32は、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
一般式A中、R33は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、1〜6のアルキル基がより好ましい。R33におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
一般式A中、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
一般式A中、Xは単結合又はアリーレン基を表し、単結合が好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。
一般式A中、R34は水素原子又はメチル基を表し、特定重合体のTgをより低くし得るという観点から、水素原子であることが好ましい。
より具体的には、重合体に含まれる構成単位(a)の全量に対し、一般式AにおけるR34が水素原子である構成単位は20質量%以上であることが好ましい。
なお、構成単位(a)中の、一般式AにおけるR34が水素原子である構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、13C−核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
一般式Aで表される構成単位(a)の中でも、下記一般式A1で表される構成単位が、パターン形成時の感度をさらに高める観点からより好ましい。
一般式A1中、R34は水素原子又はメチル基を表し、R35〜R41はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
一般式A1中、R34は水素原子が好ましい。
一般式A1中、R35〜R41は、水素原子が好ましい。
一般式Aで示される、酸分解性基で保護されたカルボン酸基を有する構成単位(a)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、R34は水素原子又はメチル基を表す。一般式Aにおける−C(R31)(R32)−O−R33が、酸分解性基に該当する。

特定共重合体に含まれる構成単位(a)は1種であっても2種以上であってもよい。
特定重合体における一般式Aで示される構成単位(a)の含有量は、20質量%以上であることが好ましく、20質量%〜90質量%がより好ましく、30質量%〜70質量%がさらに好ましい。
特定重合体における構成単位(a)の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
また、全ての重合体成分を構成単位(モノマーユニット)に分解したうえで、酸基が酸分解性基で保護された保護カルボキシ基を有する構成単位(a)の割合は、5質量%〜80質量%以下であることが好ましく、10質量%〜80質量%であることがより好ましく、30質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
(構成単位(b))
本実施形態の特定重合体は、酸基を有する構成単位(b)を含む。構成単位(b)は、酸分解性基で保護されていない酸基、即ち、酸分解性基を有さない酸基を含む構成単位である。特定重合体が構成単位(b)を含むことで、特定共重合体は、パターン形成時の感度が良好となり、パターン露光後の現像工程においてアルカリ性の現像液に溶けやすくなり、現像時間の短縮化を図ることができる。
本明細書における酸基とは、pKaが12以下のプロトン解離性基を意味する。酸基は、通常、酸基を形成しうるモノマーを用いて、酸基を含む構成単位〔構成単位(b)〕として、特定重合体に組み込まれる。感度向上の観点から、酸基のpKaは、10以下が好ましく、6以下がより好ましい。酸基のpKaは、−5以上であることが好ましい。
特定重合体が、既述の保護基で保護された特定構造を有する構成単位(a)と、保護機で保護されていない酸基を有する構成単位(b)とを共重合成分として含み、ガラス転移温度を90℃以下とすることで、特定重合体を含有するポジ型感光性樹脂層は、転写性、仮支持体からの剥離性を良好なレベルに維持しつつ、パターン形成時の解像度、感度がより良好となる。
特定重合体が有する酸基としては、カルボン酸基由来の酸基、スルホンアミド基に由来の酸基、ホスホン酸基に由来の酸基、スルホン酸基に由来の酸基、フェノール性水酸基に由来する酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基等が例示される。なかでも、カルボン酸基由来の酸基及びフェノール性水酸基に由来の酸基から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
特定共重合体への酸基を有する構成単位の導入は、酸基を有するモノマーを共重合させることで行なうことができる。
構成単位(b)である酸基を含む構成単位は、スチレンに由来する構成単位又はビニル化合物に由来する構成単位に対して酸基が置換した構成単位であること、及び、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位であることがより好ましい。
特定重合体が含む構成単位(b)としては、カルボン酸基を有する構成単位、及びフェノール性水酸基を有する構成単位が、パターン形成時の感度がより良好となるという観点から好ましい。
構成単位(b)を形成しうる酸基を有するモノマーは既述の例に限定されない。
特定重合体に含まれる構成単位(b)は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
特定重合体は、特定重合体の全固形分に対し、酸基を有する構成単位〔構成単位(b)〕を0.1質量%〜20質量%含むことが好ましい。
特定重合体における構成単位(b)の含有量は、特定重合体の全固形分に対し、0.5質量%〜15質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%がさらに好ましい。
構成単位(b)の含有量が上記範囲において、パターン形成性がより良好となる。
特定重合体における構成単位(b)の含有量(含有割合:質量比)は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
(その他の構成単位)
特定重合体は、既述の構成単位(a)及び構成単位(b)以外の、他の構成単位(以下、構成単位(c)と称することがある)を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。
構成単位(c)となるモノマーとしては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、脂肪族環式骨格を有する基、その他の不飽和化合物を挙げることができる。
その他の構成単位(c)を用いて、種類および含有量の少なくともいずれかを調整することで、特定重合体の諸特性を調整することができる。特に、構成単位(c)を適切に使用することで、特定重合体のTgを90℃以下に容易に調整することができる。
その他の構成単位(c)は、特定重合体に1種のみ含んでもよく、2種以上含んでいてもよい。
その他の構成単位(c)は、具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートなどによる構成単位を挙げることができる。その他、特開2004−264623号公報の段落[0021]〜段落[0024]に記載の化合物を挙げることができる。
また、その他の構成単位(c)として、芳香族を有する基、スチレン類、及び、脂肪族環式骨格を有する基が、得られる転写材料の電気特性を向上させる観点で好ましい。具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
特定重合体に含まれうる構成単位(c)として、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、密着性の観点で好ましい。中でも炭素数4〜12個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、密着性の観点でより好ましい。具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。
(構成単位の含有量)
特定重合体を構成する構成単位中、構成単位(c)の含有量は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。下限値としては、0質量%でもよいが、例えば、1質量%以上、さらには、5質量%以上としてもよい。
特定重合体中の構成単位(c)の共重合割合は、1質量%〜70質量%が好ましく、5質量%〜60質量%がより好ましく、10質量%〜50質量%がさらに好ましい。
上記の数値範囲内であることが、解像度、密着性をより向上させる観点から好ましい。
構成単位(c)として、酸基のエステルを含む構成単位を有することも、現像液に対する溶解性及び、ポジ型感光性樹脂層の物理物性を最適化する観点から好ましい。
なかでも、特定重合体は、構成単位(b)として、カルボン酸基を含む構成単位を含み、さらに、カルボン酸エステル基を含む構成単位(c)を共重合成分として含むことが好ましく、たとえば、(メタ)アクリル酸由来の構成単位(b)と、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル又は(メタ)アクリル酸n−ブチル由来の構成単位(c)とを共重合成分として含む特定重合体がより好ましい。
以下、本実施形態に用いうる特定重合体の好ましい例を挙げるが、本実施形態は以下の例示に限定されない。なお、下記例示化合物における構成単位の比率、重量平均分子量は、好ましい物性を得るために適宜選択される。

(特定重合体のガラス転移温度:Tg)
本実施形態における特定重合体のガラス転移温度(Tg)は、90℃以下である。Tgが、90℃以下であることで、特定重合体を含むポジ型感光性樹脂層を有する感光性転写材料は、低温かつ高速で貼り合わせても高い密着性を有する。Tgは、60℃以下であることがより好ましく、40℃以下であることがさらに好ましい。
特定重合体のTgの下限値には特に制限はないが、−20℃以上が好ましく、−10℃以上がより好ましい。特定重合体のTgが−20℃以上であることで、良好なパターン形成性が維持され、また、例えば、カバーフィルムを用いる場合、カバーフィルムを剥離する際の剥離性低下が抑制される。
重合体のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定することができる。
具体的な測定方法は、JIS K 7121(1987年)又はJIS K 6240(2011年)に記載の方法に順じて行なった。本明細書におけるガラス転移温度は、補外ガラス転移開始温度(以下、Tigと称することがある)を用いている。
ガラス転移温度の測定方法をより具体的に説明する。
ガラス転移温度を求める場合、予想される重合体のTgより約 50℃低い温度にて装置が安定するまで保持した後、加熱速度:20℃/分で、ガラス転移が終了した温度よりも約30℃高い温度まで加熱し,DTA曲線又はDSC曲線を描かせる。
補外ガラス転移開始温度(Tig)、即ち、本明細書におけるガラス転移温度Tgは、DTA曲線又はDSC曲線における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度として求める。
特定重合体(共重合体)のTgを、既述の好ましい範囲に調整する方法としては、例えば、目的とする特定重合体の各構成単位の単独重合体のTgと各構成単位の質量比より、FOX式を指針にして、目的とする特定重合体のTgを制御することが可能である。
FOX式について
共重合体である特定重合体に含まれる第1の構成単位の単独重合体のTgをTg1、第1の構成単位の共重合体における質量分率をW1とし、第2の構成単位の単独重合体のTgをTg2とし、第2の構成単位の共重合体における質量分率をW2としたときに、第1の構成単位と第2の構成単位とを含む共重合体のTg0(K)は、以下の式にしたがって推定することが可能である。
FOX式:1/Tg0=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)
既述のFOX式を用いて、共重合体に含まれる各構成単位の種類と質量分率を調整して、所望のTgを有する共重合体を得ることができる。
また、特定重合体重量平均分子量を調整することにより、特定重合体のTgを調整することも可能である。
(特定重合体の分子量:Mw)
ポジ型感光性樹脂層に含まれる特定重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、60000以下であることが好ましい。ポジ型感光性樹脂層に含まれる特定重合体の重量平均分子量が60000以下であることで、ポジ型感光性樹脂層の溶融粘度を低く抑え、回路配線形成用基板と貼り合わせる際において低温(例えば130℃以下)での貼り合わせを実現することができる。なお、特定重合体の重量平均分子量が小さ過ぎると、仮支持体上にポジ型感光性樹脂層を成膜した際に柔らかくなり過ぎ、処理工程で傷がつきやすくなるほか、過剰なタック性によりカバーフィルムの剥離が行い難くなる可能性がある。
かかる観点から、ポジ型感光性樹脂層に含まれる特定重合体の重量平均分子量は、好ましくは2000〜60000、より好ましくは3000〜50000の範囲である。
なお、ポジ型感光性樹脂層に含まれる特定重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定することができ、測定装置としては、様々な市販の装置を用いることができ、装置の内容、及び測定技術は同当業
者に公知である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量の測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8220GPC(東ソー(株))を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super HZM−M(4.6mmID×15cm、東ソー(株))、Super HZ4000(4.6mmID×15cm、東ソー(株))、Super HZ3000(4.6mmID×15cm、東ソー(株))、Super HZ2000(4.6mmID×15cm、東ソー(株))をそれぞれ1本用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いることができる。
また、測定条件としては、試料濃度を0.2質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行うことができる。
検量線は、東ソー(株)の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、の7サンプルのいずれかを用いて作製できる。
特定重合体の数平均分子量と重量平均分子量の比(分散度)は1.0〜5.0が好ましく1.05〜3.5がより好ましい。
(特定重合体の製造方法)
特定重合体の製造方法(合成法)は特に限定されないが、一例を挙げると、一般式Aで示される構成単位(a)を形成するための重合性単量体、酸基を有する構成単位(b)を形成するための重合性単量体、さらに必要に応じて、その他の構成単位(c)を形成するための重合性単量体を含む有機溶剤中、重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応で合成することもできる。
本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層は、回路配線形成用基板に対して低温かつ高速で貼り合わせた場合でも良好な密着性を発現させる観点から、ポジ型感光性樹脂層の全固形分に対し、特定重合体を50質量%〜99.9質量%の割合で含むことが好ましく、70質量%〜98質量%の割合で含むことがより好ましい。
〔他の重合体〕
本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層は、重合体成分として、既述の特定重合体に加え、本発明の効果を損なわない範囲において、一般式Aで示される構成単位(a)を含まない重合体(「他の重合体」と称する場合がある。)をさらに含んでいてもよい。ポジ型感光性樹脂層が他の重合体を含む場合、他の重合体の配合量は、全重合体成分中、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
ポジ型感光性樹脂層は、特定重合体に加え、他の重合体を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
他の重合体として、例えばポリヒドロキシスチレンを用いることができ、市販されている、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、SMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC−3000、ARUFON UC−3510、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920、ARUFON UC−3080(以上、東亞合成(株)製)、Joncryl 690、Joncryl 678、Joncryl 67、Joncryl 586(以上、BASF社製)等を用いることもできる。
<光酸発生剤>
本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層は、光酸発生剤を含有する。本実施形態で使用される光酸発生剤としては、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等の放射線を照射することにより酸を発生することができる化合物である。
本実施形態で使用される光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300nm〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。放射線の照射により発生される酸のpKaの値は好ましくは、4.0以下であり、さらに好ましくは3.0以下である。下限値は特に定めないが、例えば、−10.0以上とすることができる。
光酸発生剤としては、イオン性光酸発生剤と、非イオン性光酸発生剤を挙げることができる。
非イオン性光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、感度、解像度、および密着性の観点から、光酸発生剤がオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。トリクロロメチル−s−トリアジン類、及びジアゾメタン誘導体の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落[0083]〜段落[0088]に記載の化合物が例示できる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましい。

式(B1)中、R21は、アルキル基又はアリール基を表す。*は他の原子又は他の基との結合部位を表す。
式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)、ハロゲン原子で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜18のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、低級アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子で置換されてもよい。
式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記式(B2)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。

式(B2)中、R42は、アルキル基又はアリール基を表し、X10は、アルキル基、アルコキシ基、又は、ハロゲン原子を表し、m4は、0〜3の整数を表し、m4が2又は3であるとき、複数のX10は同一でも異なっていてもよい。
10としてのアルキル基は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。X10としてのアルコキシ基は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルコキシ基が好ましい。
10としてのハロゲン原子は、塩素原子又はフッ素原子が好ましい。m4は、0又は1が好ましい。式(B2)中、m4が1であり、X10がメチル基であり、X10の置換位置がオルト位であり、R42が炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、又はp−トルイル基である化合物が特に好ましい。
式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記式(B3)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。

式(B3)中、R43は式(B2)におけるR42と同義であり、X11は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基を表し、n4は0〜5の整数を表す。
式(B3)におけるR43としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基又はペンタフルオロフェニル基が好ましく、n−オクチル基が特に好ましい。
としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
n4としては、0〜2が好ましく、0〜1が特に好ましい。
式(B3)で表される化合物の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−〔(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリルを挙げることができる。
好ましいオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記化合物(i)〜(viii)等が挙げられ、1種単独で使用、又は、2種類以上を併用することができる。化合物(i)〜(viii)は、市販品として、入手することができる。また、他の種類の光酸発生剤と組み合わせて使用することもできる。

式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記式(OS−1)で表される化合物であることも好ましい。
式(OS−1)

式(OS−1)中、R411は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。R412は、アルキル基、又は、アリール基を表す。
401は−O−、−S−、−NH−、−NR415−、−CH−、−CR416H−、又は、−CR415417−を表し、R415〜R417はアルキル基、又は、アリール基を表す。
421〜R424は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基、又は、アリール基を表す。R421
424のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
421〜R424としては、水素原子、ハロゲン原子、及び、アルキル基が好ましく、また、R421〜R424のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R421〜R424がいずれも水素原子である態様が感度の観点から好ましい。
既述の官能基は、いずれも、さらに置換基を有していてもよい。
本実施形態に好適に用いうる式(OS−1)で表される化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落[0128]〜段落[0132]に記載の化合物(例示化合物b−1〜b−34)が挙げられるが、本実施形態はこれらに限定されない。
本発明では、式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記式(OS−3)、下記式(OS−4)又は下記式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。

式(OS−3)〜式(OS−5)中、R22、R25及びR28はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R23、R26及びR29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表し、R24、R27及びR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基又はアルコキシスルホニル基を表し、X〜Xはそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子を表し、n〜nはそれぞれ独立に1又は2を表し、m〜mはそれぞれ独立に0〜6の整数を表す。
式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25及びR28におけるアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25及びR28におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
また、式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25及びR28におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
また、式(OS−3)〜(OS−5)中、Rにおけるヘテロアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数4〜30のヘテロアリール基が好ましい。
式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25及びR28におけるヘテロアリール基は、少なくとも1つの環が複素芳香環であればよく、例えば、複素芳香環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
式(OS−3)〜(OS−5)中、R23、R26及びR29は、水素原子、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。
式(OS−3)〜(OS−5)中、化合物中に2以上存在するR23、R26及びR29のうち、1つ又は2つがアルキル基、アリール基又はハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基又はハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
23、R26及びR29におけるアルキル基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、置換基を有してもよい総炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
23、R26及びR29におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
式(OS−3)〜(OS−5)中、X〜Xはそれぞれ独立にO又はSを表し、Oであることが好ましい。
式(OS−3)〜(OS−5)において、X〜Xを環員として含む環は、5員環又は6員環である。
式(OS−3)〜(OS−5)中、n〜nはそれぞれ独立に1又は2を表し、X〜XがOである場合、n〜nはそれぞれ独立に1であることが好ましく、また、X〜XがSである場合、n〜nはそれぞれ独立に2であることが好ましい。
式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27及びR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基又はアルコキシスルホニル基を表す。その中でも、R24、R27及びR30はそれぞれ独立にアルキル基又はアルキルオキシ基であることが好ましい。
24、R27及びR30におけるアルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基及びアルコキシスルホニル基は、置換基を有していてもよい。
式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27及びR30におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27及びR30におけるアルキルオキシ基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜30のアルキルオキシ基であることが好ましい。
また、式(OS−3)〜(OS−5)中、m〜mはそれぞれ独立に0〜6の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、式(OS−3)〜(OS−5)のそれぞれの置換基について、特開2011−221494号公報の段落[0092]〜段落[0109]に記載の(OS−3)〜(OS−5)の置換基の好ましい範囲も同様に好ましい。
また、式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記式(OS−6)〜(OS−11)のいずれかで表されるオキシムスルホネート化合物であることが特に好ましい。
式(OS−6)〜(OS−11)中、R301〜R306はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R307は、水素原子又は臭素原子を表し、R308〜R310、R313、R316及びR318はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基又はクロロフェニル基を表し、R311及びR314はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はメトキシ基を表し、R312、R315、R317及びR319はそれぞれ独立には水素原子又はメチル基を表す。
式(OS−6)〜(OS−11)における好ましい範囲は、特開2011−221494号公報の段落[0110]〜段落[0112]に記載される(OS−6)〜(OS−11)の好ましい範囲と同様である。
式(OS−3)〜式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落[0114]〜段落[0120]に記載の化合物が挙げられるが、本実施形態は、これらに限定されない。
イオン性光酸発生剤の例として、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、第四級アンモニウム塩類等を挙げることができる。これらのうち、トリアリールスルホニウム塩類及びジアリールヨードニウム塩類が好ましい。
イオン性光酸発生剤として使用されるトリアリールスルホニウム塩類は下記式(1)で表される。
式(1)中、R505、R506及びR507は、それぞれ、置換基を有していてもよい、
アルキル基又は芳香族基を表し、アルキル基の場合、互いに連結し環を形成してもよい;Xは共役塩基を表す。
505、R506及びR507におけるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、置換基を有していてもよい。そのようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、などが挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、又はターシャリーブチル基が好ましい。また、R505、R506及びR507のうち、2つ以上がアルキル基の場合、その2つ以上のアルキル基が互いに連結し環を形成していることが好ましく、そのような環形態としては硫黄原子を含んだ形で5員環(チアシクロペンタン)、及び、6員環(チアシクロヘキサン)が好ましい。
505、R506及びR507における芳香族基としては、炭素数6〜30の芳香族基が好ましく、置換基を有していてもよい。そのような芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ターシャリーブチルフェニル基、4−フェニルチオフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、又は4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基が挙げられる。
また、式(1)で表されるイオン性光酸発生剤は、R505〜R507のいずれかで結合し、2量体等の多量体を形成してもよい。例えば、4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基は2量体の一例であり、4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基における対アニオンは、Xと同様である。
505、R506及びR507におけるアルキル基及び芳香族基が有していてもよい置換基としては、芳香族基が好ましく、具体的にはフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基が特に好ましい。これらの置換基は、置換基でさらに置換されていてもよい。
における共役塩基としては、アルキルスルホン酸の共役塩基、アリールスルホン酸の共役塩基、BY (Yはハロゲン原子を表す。以下についても同様である。)、PY 、AsY 、SbY 、又は、下記式(3)若しくは式(4)で表される一価のアニオンが好ましく、アルキルスルホン酸の共役塩基、アリールスルホン酸の共役塩基、PY 、又は、式(3)で表される1価のアニオンが特に好ましい。
アルキルスルホン酸及びアリールスルホン酸の共役塩基としては、炭素数1〜7のアルキルスルホン酸の共役塩基が好ましく、更に炭素数1〜4のアルキルスルホン酸の共役塩基がより好ましく、酸の形で表記すると例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、n−プロパンスルホン酸、及びヘプタンスルホン酸が特に好ましい。
アリールスルホン酸の共役塩基としては、酸の形で表記すると例えば、ベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸が挙げられる。
におけるBY 、PY 、AsY 、SbY 中のYは、フッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
式(3)及び式(4)中、R521、R522及びR523はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフッ素原子を有するアルキル基、又は、R521とR522とが互いに炭素原子数2〜6のアルキレン基若しくは炭素原子数2〜6のフッ素原子を有するアルキレン基で結合した環を表す。
式(3)及び式(4)中、R521、R522及びR523における炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ターシャリーブチル基、シクロヘキシル基、オクチル基等を挙げることができる。また、炭素原子数1〜10のフッ素原子を有するアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ドデカフルオロペンチル基、パーフルオロオクチル基等を挙げることができる。これらのうち、R521、R522及びR523は、炭素原子数1〜10のフッ素原子を有するアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜6のフッ素原子を有するアルキル基が特に好ましい。
式(3)及び式(4)中、R521とR522とが互いに結合して環を形成する場合の炭素原子数2〜6のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等を挙げることができる。また、炭素原子数2〜6のフッ素原子を有するアルキレン基としては、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピレン基、オクタフルオロブチレン基、デカフルオロペンチレン基、ウンデカフルオロヘキシレン基等を挙げることができる。これらのうち、R521とR522とが互いに結合して環を形成する場合は、炭素原子数2〜6のフッ素原子を有するアルキレン基で結合することが好ましく、特に炭素原子数2〜4のフッ素原子を有するアルキレン基で結合することが好ましい。
また、式(1)で表されるイオン性光酸発生剤としては、下記式(5)で表される光酸発生剤であることが好ましい。
式中、R510、R511、R512及びR513はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい、アルキル基又は芳香族基を表し、Ar及びArはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい二価の芳香族基を表し、X1−及びX2−はそれぞれ独立に、共役塩基を表す。
510、R511、R512及びR513におけるアルキル基及び芳香族基は、式(1)のR505、R506及びR507が表すアルキル基及び芳香族基と同義であり、好ましい態様も同様である。また、有していてもよい置換基も同様である。
1−及びX2−における共役塩基は、式(1)のXが表す共役塩基と同義であり、
好ましい態様も同様である。
Ar及びArにおける二価の芳香族基としては、フェニレン基又はナフチレン基であることが好ましく、フェニレン基が特に好ましい。
イオン性光酸発生剤として使用されるトリアリールスルホニウム塩類の具体例としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート又は4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート等が挙げられる。
市販されている化合物としては、TPS−102,103,105,106,109,300,1000、MDS−103,105,109,205、209、BDS−109、DTS−103,105、MNPS−109、HDS−109,(以上、みどり化学社製)、GSID−26−1、Cyracure UVI−6976(以上、BASF社製)が挙げられる。
イオン性光酸発生剤として使用されるジアリールヨードニウム塩類は下記式(2)の式で表される。
式(2)中、R508及びR509はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、Xは共役塩基を表す。
式(2)中、R508及びR509における芳香族基は、式(1)のR505、R506及びR507が表す芳香族基と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(2)中、X1−における共役塩基は、式(1)のXが表す共役塩基と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、式(2)で表される光酸発生剤は、R508〜R509で結合し、2量体等の多量体を形成してもよい。例えば、4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基は2量体の一例であり、4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基における対アニオンは、Xと同様である。
イオン性光酸発生剤として使用されるジアリールヨードニウム塩類の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
市販されている化合物としては、DPI−105,106,109,201、BI−105,MPI−105,106,109、BBI−102,103,105,106,109,110,201,300、301(以上、みどり化学社製)が挙げられる。
イオン性光酸発生剤として使用される第四級アンモニウム塩類の具体例としては、テトラメチルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられる。
具体例の他、光酸発生剤の具体例としては、以下のような化合物が挙げられるが、本実施形態で用いる光酸発生剤はこれらの化合物に限定されない。
ポジ型感光性樹脂層において、光酸発生剤は、感度、解像度の観点からポジ型感光性樹脂層中の全固形分100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部使用することが好ましく、0.5質量部〜5質量部使用することがより好ましい。2種以上を併用することもできる。
〔溶剤〕
ポジ型感光性樹脂層を形成するためのポジ型感光性樹脂組成物(以下、「感光性樹脂組成物」と称する場合がある。)は、ポジ型感光性樹脂層を形成するための成分を溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
ポジ型感光性樹脂層を形成するためのポジ型感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができる。溶剤としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。また、ポジ型感光性樹脂層を形成するためのポジ型感光性樹脂組成物に使用される溶剤の具体例としては特開2011−221494号公報の段落[0174]〜段落[0178]に記載の溶剤も挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、既述の溶剤に、さらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。
溶剤は、1種のみ用いてもよく、2種以上を使用してもよい。
本実施形態に用いることができる溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種を併用することがより好ましい。溶剤を2種以上使用する場合には、例えば、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類とジアルキルエーテル類、ジアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類、あるいは、エステル類とブチレングリコールアルキルエーテルアセテート類とを併用することが好ましい。
また、溶剤としては、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤、又は、これらの混合物であることが好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
ポジ型感光性樹脂層を形成するためのポジ型感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部当たり、50質量部〜1900質量部であることが好ましく、100質量部〜900質量部であることがさらに好ましい。
<その他の添加剤>
本実施形態の転写材料におけるポジ型感光性樹脂層は、特定重合体及び光酸発生剤に加え、必要に応じて公知の添加剤を含むことができる。
〔可塑剤〕
ポジ型感光性樹脂層は、可塑性を改良する目的で、可塑剤を含有してもよい。なお、本実施形態のポジ型感光性樹脂層は、既述の特定重合体を含むことで可塑性に優れるため、可塑剤の含有は必須ではない。
ポジ型感光性樹脂層に含みうる可塑剤は、特定重合体よりも重量平均分子量が小さいことが好ましい。
可塑剤の重量平均分子量は、可塑性付与の観点から500以上10000未満が好ましく、700以上5000未満がより好ましく、800以上4000未満がより更に好ましい。
可塑剤は、特定重合体と相溶して可塑性を発現する化合物であれば特に限定されないが、可塑性付与の観点から、可塑剤は、分子中にアルキレンオキシ基を有することが好ましい。可塑剤に含まれるアルキレンオキシ基は下記構造を有することが好ましい。

上記式中、Rは炭素数2〜8のアルキル基であり、nは1〜50の整数を表す。*は他の原子との結合部位を表す。
なお、例えば、上記アルキレンオキシ基を有する化合物(「化合物X」とする)であっても、化合物X、特定重合体及び光酸発生剤を混合して得たポジ型感光性樹脂組成物が、化合物Xを含まずに形成したポジ型感光性樹脂組成物に比べて可塑性が向上しない場合は、本実施形態における可塑剤には該当しない。例えば、任意に添加される界面活性剤は、一般にポジ型感光性樹脂組成物に可塑性をもたらす量で使用されることはないため、本明細書における可塑剤には該当しない。
本実施形態で用いることができる可塑剤としては、例えば、下記構造を有する化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

ポジ型感光性樹脂層における可塑剤の含有量は、可塑剤を使用する場合には、密着性の観点から、ポジ型感光性樹脂層中の全固形分100質量部に対して、1質量部〜50質量部であることが好ましく、2質量部〜20質量部であることがより好ましい。
ポジ型感光性樹脂層が可塑剤を含む場合、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
〔増感剤〕
本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層は、さらに増感剤を含むことができる。
増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。
増感剤を含有させることで、露光感度を向上させることができる。
増感剤としては、アントラセン誘導体、アクリドン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベーススチリル誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体が好ましく、アントラセン誘導体がより好ましい。
アントラセン誘導体としては、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ブロモアントラセン、9−クロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、2−エチルアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセンが好ましい。
本実施形態に用いうる増感剤としては、国際公開2015/093271号の段落[0139]〜段落[0141]に記載の化合物を挙げることができる。
ポジ型感光性樹脂層における増感剤の含有量は、全固形分100質量部に対して、0質量部〜10質量部であることが好ましく、0.1質量部〜10質量部であることがより好ましい。
〔塩基性化合物〕
本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層は、さらに塩基性化合物を含むことが好ましい。塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられる塩基性化合物の中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落[0204]〜段落[0207]に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
具体的には、脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本実施形態に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ポジ型感光性樹脂層における塩基性化合物の含有量は、ポジ型感光性樹脂層中の全固形分100質量部に対して、0.001質量部〜5質量部であることが好ましく、0.005質量部〜3質量部であることがより好ましい。
〔ヘテロ環状化合物〕
本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層は、ヘテロ環状化合物を含有する化合物を含むことができる。
本実施形態におけるヘテロ環状化合物には、特に制限はない。例えば、以下に述べる分子内にエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有ヘテロ環状化合物、そのほか、各種環状エーテル、環状エステル(ラクトン)などの含酸素モノマー、環状アミン、オキサゾリンといった含窒素モノマー、さらには珪素、硫黄、リンなどのd電子をもつヘテロ環モノマー等を添加することができる。
ポジ型感光性樹脂層中におけるヘテロ環状化合物の添加量は、ヘテロ環状化合物を転嫁する場合にはポジ型感光性樹脂層の全固形分100質量部に対し、0.01質量部〜50質量部であることが好ましく、0.1質量部〜10質量部であることがより好ましく、1質量部〜5質量部であることがさらに好ましい。この範囲で添加することが、密着性、エッチング耐性の観点で好ましい。ヘテロ環状化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用することもできる。2種以上を併用する場合、上記好ましい含有量は、2種以上のヘテロ環状化合物の総含有量を指す。
分子内にエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
分子内にエポキシ基を有する化合物は市販品として入手できる。例えば、JER828、JER1007、JER1
57S70(三菱化学社製)、JER157S65((株)三菱ケミカルホールディングス製)など、特開2011−221494号公報の段落[0189]に記載の市販品などが挙げられる。
その他の市販品として、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、デナコールEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402、EX−111,EX−121、EX−141、EX−145、EX−146、EX−147、EX−171、EX−192(以上、ナガセケムテック製)、YH−300、YH−301、YH−302、YH−315、YH−324、YH−325(以上、新日鐵住金化学製)セロキサイド2021P、2081、2000、3000、EHPE3150、エポリードGT400、セルビナースB0134、B0177(以上、(株)ダイセル)などが挙げられる。
分子内にエポキシ基を有する化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
分子内にエポキシ基を有する化合物のなかでも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ、脂肪族エポキシ樹脂がより好ましく挙げられ、脂肪族エポキシ樹脂が特に好ましく挙げられる。
分子内にオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−201、OXT−211、OXT−212、OXT−213、OXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
分子内にオキセタニル基を有する化合物の中でも、本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層は、ヘテロ環状化合物がエポキシ基を有する化合物であることが、エッチング耐性及び線幅安定性の観点から好ましい。
また、分子内にアルコキシシラン構造とヘテロ環状構造の両方を有する化合物も好適に用いることができる。たとえば、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシランが挙げられる。なかでも、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましい。
分子内にアルコキシシラン構造とヘテロ環状構造とを有する化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔界面活性剤〕
本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層は、膜厚均一性の観点から界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)、SH−8400(東レ・ダウコーニングシリコーン)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記式(I−1)で表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
式(I−1)
式(I−1)中、R401及びR403はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R402は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R404は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表す。
Lは、下記式(I−2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式(I−2)におけるR405は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
式(I−2)
共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
その他、特許第4502784号公報の段落[0017]、特開2009−237362号公報の段落[0060]〜段落[0071]に記載の界面活性剤も用いることができる。
界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポジ型感光性樹脂層における界面活性剤の添加量は、ポジ型感光性樹脂層中の全固形分100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.001質量部〜10質量部であることがより好ましく、0.01質量部〜3質量部であることがさらに好ましい。
〔放射線吸収剤〕
本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層は、放射線吸収剤を含むことができる。放射線吸収剤としては、紫外線吸収剤が好ましく、特に紫外線吸収により吸光度が減少する、いわゆるフォトブリーチ性を示す放射線吸収剤が好ましく用いられる。具体的には、ナフトキノンジアジド誘導体、ニトロン又はジアゾニウム塩等の光消色性材料(例えば、特公昭62−40697号公報、M.Sasano et al.,SPIE Symp. Proc.,631,321(1986)に記載の化合物)が挙げられる。
既述の材料は、放射線吸収剤によって感光性樹脂層内の光強度分布を平均化させる目的で用いられ、いわゆる内添型CEL(Contrast Enhancement Lithography)効果をもたらすことでパターンの矩形化、エッジラフネスの改善効果が得られる(半導体プロセス材料とケミカルス、坂本正典監修、シーエムシー出版(2006)参照)。
〔その他の成分〕
本実施形態におけるポジ型感光性樹脂層には、さらに金属酸化物粒子、ヘテロ環状化合物以外の架橋剤、アルコキシシラン化合物、酸化防止剤、分散剤、酸増殖剤、現像促進剤、導電性繊維、着色剤、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を加えることができる。
その他の成分の好ましい態様については特開2014−85643号公報の段落[0165]〜段落[0184]にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
<ポジ型感光性樹脂層の厚み>
ポジ型感光性樹脂層の厚みは、0.5μm〜20μmが好ましい。ポジ型感光性樹脂層の厚みが20μm以下であるとパターンの解像度が良好であり、0.5μm以上であるとパターン直線性の観点から好ましい。
ポジ型感光性樹脂層の厚みとしては、0.8μm〜15μmが更に好ましく、1.0μm〜10μmが特に好ましい。
<ポジ型感光性樹脂層の形成方法>
各成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解してポジ型感光性樹脂層を形成するためのポジ型感光性樹脂組成物を調製することができる。例えば、各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、得られた溶液を所定の割合で混合して組成物を調製することもできる。以上の如くして調製した組成物は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
感光性樹脂組成物を仮支持体に塗布し、乾燥させることで、仮支持体上にポジ型感光性樹脂層を有する本実施形態の感光性転写材料を得ることができる。塗布方法は特に限定されず、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布などの公知の方法で塗布することができる。
なお、仮支持体上に後述のその他の層を有する仮支持体とその他の層との積層体上に、感光性樹脂組成物層を塗布することもできる。
<その他の層>
本実施形態の感光性転写材料は、ポジ型感光性樹脂層以外の層(以下、「その他の層」と称することがある)を有していてもよい。その他の層としては、コントラストエンハンスメント層、中間層、カバーフィルム、熱可塑性樹脂層等を挙げることができる。
<コントラストエンハンスメント層>
本実施形態の感光性転写材料は、ポジ型感光性樹脂層に加え、コントラストエンハンスメント層を有することができる。
コントラストエンハンスメント層(Contrast Enhancement Layer;CEL)は、露光前には露光波長に対する吸収が大きいが、露光されるに伴って次第に吸収が小さくなる、すなわち、光の透過率が高くなる材料(光消色性色素成分と称する)を含有する層である。光消色性色素成分としては、ジアゾニウム塩、スチルバゾリウム塩、アリールニトロソ塩類等が知られている。被膜形成成分としては、フェノール系樹脂等が用いられる。
その他、コントラストエンハンスメント層としては、特開平6−97065号公報の段落[0004]〜段落[0051]、特開平6−332167号公報の段落[0012]〜段落[0055]、フォトポリマーハンドブック,フォトポリマー懇話会編,工業調査会(1989)、フォトポリマー・テクノロジー,山岡、永松編,日刊工業新聞社(1988)に記載の材料を用いることができる。
(中間層)
ポジ型感光性樹脂層の上に、中間層を形成し、中間層の上に、コントラストエンハンスメント層(以下、「CEL」、又は「CE層」という場合がある。)を形成することもできる。中間層は、CELとポジ型感光性樹脂層とのミキシングを防止するために設けられる。
<熱可塑性樹脂層、カバーフィルム等>
本実施形態の感光性転写材料は、例えば、仮支持体と、熱可塑性樹脂層と、ポジ型感光性樹脂層とをこの順で有することもできる。さらにポジ型感光性樹脂層を保護する目的でカバーフィルムを有していてもよい。
熱可塑性樹脂層の好ましい態様については特開2014−85643号公報の段落[0189]〜段落[0193]、他の層の好ましい態様については特開2014−85643号公報の段落[0194]〜段落[0196]にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態の感光性転写材料が、熱可塑性樹脂層等のその他の層を有する場合、特開2006−259138号公報の段落[0094]〜段落[0098]に記載の感光性転写材料の作製方法に準じて作製することができる。
例えば、熱可塑性樹脂層及び中間層を有する本実施形態の感光性転写材料を作製する場合には、仮支持体上に、熱可塑性の有機高分子と添加剤とを溶解した溶解液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥させて熱可塑性樹脂層を設けた後、得られた熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤に樹脂及び添加剤を加えて調製した調製液(中間層用塗布液)を塗布し、乾燥させて中間層を積層する。形成した中間層上に、さらに、中間層を溶解しない溶剤を用いて調製したポジ型感光性樹脂層用塗布液を塗布し、乾燥させてポジ型感光性樹脂層を積層することによって、本実施形態の感光性転写材料を好適に作製することができる。
[回路配線の製造方法]
本実施形態の感光性転写材料を用いた、回路配線の製造方法の第1の実施態様について説明する。
回路配線の製造方法の第1の実施態様は、
(A)基板に対し、既述の仮支持体が光透過性を有する本実施形態の感光性転写材料のポジ型感光性樹脂層を基板に接触させて貼り合わせる貼り合わせ工程、
(B)貼り合わせ工程後の感光性転写材料のポジ型感光性樹脂層をパターン露光する露光工程、
(C)露光工程後のポジ型感光性樹脂層を現像してパターンを形成する現像工程、および
(D)パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理するエッチング工程、をこの順に含む。回路配線の製造方法である。
回路配線の製造方法の第1の実施態様における基板は、ガラス、シリコン、フィルムなどの基材自体が基板であってもよく、ガラス、シリコン、フィルムなどの基材上に、必要により導電層などの任意の層が設けられた基板であってもよい。
回路配線の製造方法の第1の実施態様によれば、基板表面に微細パターンを形成することができる。
回路配線の製造方法の第2の実施形態は、
(a)基材と、互いに構成材料が異なる第1導電層及び第2導電層を含む複数の導電層とを有し、基材の表面上に、基材の表面から遠い順に、最表面層である第1導電層と第2導電層とが積層されている基板に対し、前述した本実施形態の感光性転写材料のポジ型感光性樹脂層を第1導電層に接触させて貼り合わせる貼り合わせ工程、
(b)貼り合わせ工程後の感光性転写材料の仮支持体を介してポジ型感光性樹脂層をパターン露光する第1露光工程、
(c)第1露光工程後のポジ型感光性樹脂層から仮支持体を剥離した後、第1露光工程後のポジ型感光性樹脂層を現像して第1パターンを形成する第1現像工程、
(d)第1パターンが配置されていない領域における複数の導電層のうち少なくとも第1導電層及び第2導電層をエッチング処理する第1エッチング工程、
(e)第1エッチング工程後の第1パターンを第1パターンとは異なるパターンでパターン露光する第2露光工程、
(f)第2露光工程後の第1パターンを現像して第2パターンを形成する第2現像工程、及び、
(g)第2パターンが配置されていない領域における複数の導電層のうち少なくとも第1導電層をエッチング処理する第2エッチング工程、をこの順に含んでいることが好ましい。
従来、感光性樹脂組成物は感光システムの違いから、活性光線を照射した部分が像として残るネガ型と、活性光線を照射していない部分を像として残すポジ型とに分けられる。ポジ型では活性光線を照射することにより、例えば活性光線を照射されて酸を発生する感光剤などを用いて露光部の溶解性を高めるため、パターン露光時点では露光部及び未露光部がいずれも硬化せず、得られたパターン形状が不良であった場合には全面露光などによって基板を再利用(リワーク)できる。そのため、いわゆるリワーク性に優れる観点からは、ポジ型が好ましい。また、残存した感光性樹脂層を再度露光して異なるパターンを作製する、という技術はポジ型感光性樹脂層でなければ実現できない。
回路配線の製造方法の第2の実施形態によれば、回路配線形成用基板に低温かつ高速で感光性転写材料を貼り合わせても、高い密着性を確保できる。また、本実施形態の回路配線の製造方法は、1回の本実施形態の回路配線の製造方法における貼り合わせ(ラミネート)により複数種類のパターンの導電層を含む回路配線を形成できるため、製造効率に優れ、また、複数種類のパターンの導電層の位置合わせが必要ないため、入力装置用途、特にタッチパネル用途として好適である。
以下、回路配線の製造方法の第2の実施形態における好ましい態様について詳細に説明する。
本発明の実施態様の一つである、タッチパネル用回路配線の製造方法の一例を、図2に概略的に示した。ここでは、基材22と、基材22の一方の表面から遠い順に第1導電層24と第2導電層26とを有する回路形成用基板20を用いて2種類のパターンの導電層を有する回路配線基板を製造する場合について説明する。
本実施形態の感光性転写材料におけるポジ型感光性樹脂層をエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いて静電容量型入力装置の導電層パターンを得る場合について説明する。
なお、静電容量型入力装置は、基材(前面板又はフィルム基材)と、基材の非接触側に、少なくとも下記(2)〜(5)の要素を有し、(2)、(3)及び(5)のうち少なくとも1つを本実施形態の回路配線の製造方法で形成されることが好ましい。
(2)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の電極パターン
(3)第一の電極パターンと電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の電極パターン
(4)第一の電極パターンと第二の電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層
(5)第一の電極パターン及び第二の電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、第一の電極パターン及び第二の電極パターンとは別の導電性要素
以下、各工程の詳細について説明する。
(a)貼り合わせ工程
まず、貼り合わせ工程では、基材22と、互いに構成材料が異なる第1導電層24及び第2導電層26を含む複数の導電層とを有し、基材22の表面上に、基材22の表面から遠い順に、最表面層である第1導電層24と第2導電層26とが積層されている基板(回路配線形成用基板)20に対し、前述した本実施形態の感光性転写材料100のポジ型感光性樹脂層14を第1導電層24に接触させて貼り合わせる。なお、このような回路配線形成用基板と感光性転写材料との貼り合わせを「転写」又は「ラミネート」と称する場合がある。
図1に示したように感光性転写材料100のポジ型感光性樹脂層14上にカバーフィルム16を有する場合は、感光性転写材料100(ポジ型感光性樹脂層14)からカバーフィルム16を除去した後、感光性転写材料100のポジ型感光性樹脂層14を第1導電層24に接触させて貼り合わせる。
感光性転写材料の第1導電層上への貼り合わせ(転写)は、感光性転写材料のポジ型感光性樹脂層側を第1導電層の上に重ね、ロール等による加圧及び加熱することに行われることが好ましい。貼り合わせには、ラミネータ、真空ラミネータ、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネータを使用することができる。
回路配線形成用基板の基材が樹脂フィルムである場合は、ロールツーロールでの貼り合わせも行うこともできる。
(基材)
基材上に複数の導電層が積層された基板は、基材がガラス基材又はフィルム基材であることが好ましく、フィルム基材であることがより好ましい。本実施形態の回路配線の製造方法は、タッチパネル用の回路配線である場合、基材がシート状樹脂組成物であることが特に好ましい。
また、基材は透明であることが好ましい。
基材の屈折率は、1.5〜1.52であることが好ましい。
基材は、ガラス基材等の透光性基材で構成されていてもよく、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、前述の透明基材としては、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報及び特開2010−257492号公報に用いられている材料を好ましく用いることができる。
基材としてフィルム基材を用いる場合は、光学的に歪みがない基材、及び、透明度が高い基材を用いることがより好ましく、具体的な素材には、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーをあげることができる。
(導電層)
基材上に形成されている複数の導電層としては、一般的な回路配線又はタッチパネル配線に用いられる任意の導電層を挙げることができる。
導電層の材料としては、金属及び金属酸化物などを挙げることができる。
金属酸化物としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、SiO等を挙げることができる。金属としては、Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等を挙げることができる。
本実施形態の回路配線の製造方法は、複数の導電層のうち少なくとも一つの導電層が金属酸化物を含むことが好ましい。
導電層としては、後述の静電容量型入力装置に用いられる第一の電極パターン、第二の電極パターン、別の導電性要素であることが好ましい。
その他の導電層の好ましい態様については、静電容量型入力装置の説明において後述する。
(回路配線形成用基板)
基材の表面に導電層を有する基板である。導電層をパターンニングすることで回路配線とする。本例では、PETなどのフィルム基材に金属酸化物や金属などの複数の導電層が設けられたものであることが好ましい。
(b)第1露光工程
第1露光工程では、貼り合わせ工程後の感光性転写材料の仮支持体12を介してポジ型感光性樹脂層14をパターン露光する。
本実施形態における露光工程、現像工程、及びその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落[0035]〜段落[0051]に記載の方法を本実施形態においても好適に用いることができる。
例えば、第1導電層24の上に配置された感光性転写材料100の上方(第1導電層24と接する側とは反対側)に所定のパターンを有するマスク30を配置し、その後、マスク30を介してマスク上方から紫外線で露光する方法などが挙げられる。
本実施形態においてパターンの詳細な配置及び具体的サイズは特に限定されない。本実施形態により製造される回路配線を有する入力装置を備えた表示装置(例えばタッチパネル)の表示品質を高め、また、取り出し配線の占める面積をできるだけ小さくしたいことから、パターンの少なくとも一部(特にタッチパネルの電極パターン及び取り出し配線の部分)は100μm以下の細線であることが好ましく、70μm以下であることが更に好ましい。
ここで、露光に使用する光源としては、感光性転写材料の露光された箇所が現像液に溶解しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
露光量としては、通常5mJ/cm〜200mJ/cm程度であり、好ましくは10mJ/cm〜100mJ/cm程度である。
また、露光後にパターンの矩形性、直線性を向上させる目的で、現像前に熱処理を行うことも好ましい。いわゆるPEB(Post Exposure Bake)と呼ばれる工程により、露光時に感光性樹脂層中で生じた定在波によるパターンエッジの荒れを低減することが可能である。
尚、パターン露光は、仮支持体をポジ型感光性樹脂層から剥離してから行っても、仮支持体を剥離する前に、仮支持体を介して露光し、その後、仮支持体を剥離してもよい。感光性樹脂層とマスクの接触によるマスク汚染の防止や、マスクに付着した異物による露光への影響を避けるためには、仮支持体を剥離せずに露光することが好ましい。なお、パターン露光は、マスクを介した露光でもよいし、レーザー等を用いたデジタル露光でもよい。
(c)第1現像工程
第1現像工程では、第1露光工程後のポジ型感光性樹脂層14から仮支持体12を剥離した後、第1露光工程後のポジ型感光性樹脂層14を現像して第1パターン14Aを形成する。
第1現像工程は、パターン露光されたポジ型感光性樹脂層を現像することにより第1パターンを形成する工程である。
パターン露光されたポジ型感光性樹脂層の現像は、現像液を用いて行うことができる。
現像液としては、ポジ型感光性樹脂層の露光部分を除去することができれば特に制限はなく、例えば、特開平5−72724号公報に記載の現像液など、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液はポジ型感光性樹脂層の露光部が溶解型の現像挙動をする現像液が好ましい。例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05mol/L(リットル)〜5mol/Lの濃度で含むアルカリ水溶液系の現像液が好ましい。現像液は、さらに、水と混和性を有する有機溶剤、界面活性剤等を含有してもよい。本実施形態において好適に用いられる現像液としては、例えば、国際公開第2015/093271号の段落[0194]に記載の現像液が挙げられる。
現像方式としては、特に制限はなくパドル現像、シャワー現像、シャワー及びスピン現像、ディップ現像等のいずれでもよい。ここで、シャワー現像について説明すると、露光後のポジ型感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、露光部分を除去することができる。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましい。
さらに、現像して得られたポジ型感光性樹脂層を含むパターンを加熱処理するポストベーク工程を有していてもよい。
ポストベークの加熱は8.1kPa〜121.6kPaの環境下で行うことが好ましく、506.6kPa以上の環境下で行うことがより好ましい。一方、1114.6kPa以下の環境下で行うことがより好ましく、101.3kPa以下の環境下で行うことが特に好ましい。
ポストベークの温度は、80℃〜250℃であることが好ましく、110℃〜170℃であることがより好ましく、130℃〜150℃であることが特に好ましい。
ポストベークの時間は、1分〜30分であることが好ましく、2分〜10分であることがより好ましく、2分〜4分であることが特に好ましい。
ポストベークは、空気環境下で行っても、窒素置換環境下で行ってもよい。
ポスト露光工程等、その他の工程を有していてもよい。
(d)第1エッチング工程
第1エッチング工程では、第1パターン14Aが配置されていない領域における複数の導電層のうち少なくとも第1導電層24及び第2導電層26をエッチング処理する。エッチングにより、同じパターンを有する第1導電層24A及び第2導電層26Aが形成される。
導電層のエッチングは、特開2010−152155公報の段落[0048]〜段落[0054]等に記載の方法など、公知の方法でエッチングを適用することができる。
例えば、エッチングの方法としては、一般的に行われている、エッチング液に浸漬するウェットエッチング法が挙げられる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、エッチングの対象に合わせて酸性タイプ又はアルカリ性タイプのエッチング液を適宜選択すればよい。
酸性タイプのエッチング液としては、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸等の酸性成分単独の水溶液、酸性成分と塩化第2鉄、フッ化アンモニウム、過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。酸性成分は、複数の酸性成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
アルカリ性タイプのエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのような有機アミンの塩等のアルカリ成分単独の水溶液、アルカリ成分と過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
エッチング液の温度は特に限定されないが、45℃以下であることが好ましい。本実施形態でエッチングマスク(エッチングパターン)として使用される第1パターンは、45℃以下の温度域における酸性及びアルカリ性のエッチング液に対して特に優れた耐性を発揮することが好ましい。したがって、エッチング工程中にポジ型感光性樹脂層が剥離することが防止され、ポジ型感光性樹脂層の存在しない部分が選択的にエッチングされることになる。
エッチング工程後、工程ラインの汚染を防ぐために、必要に応じて洗浄工程及び乾燥工程を行ってもよい。洗浄工程については、例えば常温で純水により10秒〜300秒間基板を洗浄して行い、乾燥工程については、例えばエアブローを使用し、エアブロー圧(0.1kg/cm〜5kg/cm程度)を適宜調整して乾燥を行えばよい。
(e)第2露光工程
第1エッチング工程後、第1エッチング工程後の第1パターン14Aを第1パターンとは異なるパターンでパターン露光する。
第2露光工程では、第1導電層上に残存する第1パターンに対し、後述する第2現像工程において少なくとも第1導電層の除去すべき部分に相当する箇所を露光する。
第2露光工程におけるパターン露光は、第1露光工程で用いたマスク30とはパターンが異なるマスク40を用いること以外は第1露光工程におけるパターン露光と同じ方法を適用することができる。
(f)第2現像工程
第2現像工程では、第2露光工程後の第1パターン14Aを現像して第2パターン14Bを形成する。
現像により、第1パターンのうち第2露光工程において露光された部分が除去される。
なお、第2現像工程では、第1現像工程における現像と同じ方法を適用することができる。
(g)第2エッチング工程
第2エッチング工程では、第2パターン14Bが配置されていない領域における複数の導電層のうち少なくとも第1導電層24Aをエッチング処理する。
第2エッチング工程におけるエッチングは、エッチングにより除去すべき導電層に応じたエッチング液を選択すること以外は第1エッチング工程におけるエッチングと同じ方法を適用することができる。
第2エッチング工程では、所望のパターンに応じて、第1エッチング工程よりも少ない導電層を選択的にエッチングすることが好ましい。例えば、図2に示すように、ポジ型感光性樹脂層が配置されていない領域において第1導電層24Bのみを選択的にエッチングするエッチング液を用いてエッチングを行うことで、第1導電層を第2導電層のパターンとは異なるパターンにすることができる。
第2エッチング工程の終了後、少なくとも2種類のパターンの導電層24B,26Aを含む回路配線が形成される。
(h)ポジ型感光性樹脂層除去工程
第2エッチング工程の終了後、第1導電層24B上の一部には第2パターン14Bが残存している。ポジ型感光性樹脂層が不要であれば、残存する全てのポジ型感光性樹脂層14Bを除去すればよい。
残存するポジ型感光性樹脂層を除去する方法としては特に制限はないが、薬品処理により除去する方法を挙げることができる。
ポジ型感光性樹脂層の除去方法としては、例えば、30℃〜80℃、好ましくは50℃〜80℃にて攪拌中の剥離液にポジ型感光性樹脂層などを有する基材を5分〜30分間浸漬する方法が挙げられる。
剥離液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ成分、又は、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等の有機アルカリ成分を、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、又はこれらの混合溶液に溶解させた剥離液が挙げられる。剥離液を使用し、スプレー法、シャワー法、パドル法等により剥離してもよい。
本実施形態の回路配線の製造方法は、他の任意の工程を含んでもよい。例えば、以下のような工程が挙げられるが、これらの工程に限定されない。
<保護フィルムを貼り付ける工程>
第1エッチング工程の後、第2露光工程の前に、第1パターン上に、光透過性を有する保護フィルム(不図示)を貼り付ける工程をさらに有してもよい。
この場合、第2露光工程において、保護フィルムを介して第1パターンをパターン露光し、第2露光工程後、第1パターンから保護フィルムを剥離した後、第2現像工程を行うことが好ましい。
<可視光線反射率を低下させる工程>
本実施形態の回路配線の製造方法は、基材上の複数の導電層の一部又は全ての可視光線反射率を低下させる処理をする工程を含むことが可能である。
可視光線反射率を低下させる処理としては、酸化処理などを挙げることができる。例えば、銅を酸化処理して酸化銅とすることで、黒化することにより、可視光線反射率を低下させることができる。
可視光線反射率を低下させる処理の好ましい態様については、特開2014−150118号公報の段落[0017]〜段落[0025]、並びに、特開2013−206315号公報の段落[0041]、段落[0042]、段落[0048]及び段落[0058]に記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
<絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程>
本実施形態の回路配線の製造方法は、形成した回路配線上に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程を含むことも好ましい。
このような構成により、後述の第二の電極パターンを、第一の電極パターンと絶縁しつつ、形成することができる。
絶縁膜を形成する工程については、特に制限はなく、公知の永久膜を形成する方法を挙げることができる。また、絶縁性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの絶縁膜を形成してもよい。
絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程については、特に制限はない。導電性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの新たな導電層を形成してもよい。
また、図2を参照した説明では、2層の導電層を備えた回路配線形成用基板に対して2つの異なるパターンを有する回路配線を形成する場合について説明したが、本実施形態の回路配線の製造方法を適用する基板の導電層の数は2層に限定されず、導電層が3層以上積層された回路配線形成用基板を用い、前述した露光工程、現像工程、及びエッチング工程の組み合わせを3回以上行うことで、3層以上の導電層をそれぞれ異なる回路配線パターンに形成することもできる。
また、図2には示していないが、本実施形態の回路配線の製造方法は、基材が両方の表面にそれぞれ複数の導電層を有し、基材の両方の表面に形成された導電層に対して逐次又は同時に回路形成することも好ましい。このような構成により、基材の一方の表面に第一の導電パターン、もう一方の表面に第二の導電パターンを形成したタッチパネル用回路配線を形成することができる。また、このような構成のタッチパネル用回路配線を、ロールツーロールで基材の両面から形成することも好ましい。
[回路配線]
本実施形態の回路配線の製造方法により製造される回路配線の用途は限定されないが、例えば、タッチパネル用回路配線であることが好ましい。タッチパネル用回路配線の好ましい態様については、静電容量型入力装置の説明で後述する。
図3に、本実施形態の回路配線の製造方法により製造することができる回路配線の一実施態様の概略断面図を示す。本実施形態の回路配線では、回路基材1に第一の電極パターン3が形成され、第一の電極パターン3の上に別の導電性要素6が形成されている。図3に示したタッチパネル用回路配線は、第一の電極パターン3と別の導電性要素6が形成された導電層積層部と、第一の電極パターン3のみを有する導電部の2種類のパターンの導電部を含む回路配線となっている。
図3のようなタッチパネル用回路配線を、平面視において斜め上方向から見ると、図4の概略図に示す如き形態となる。図4に示したタッチパネル用回路配線の一例では、図4の点線部分は第一の電極パターン3と別の導電性要素が形成された導電層積層部であり、図4の四角形が連なった部分は第一の電極パターン3のみを有する導電部である。
本実施形態の回路配線の製造方法は、複数の異なる回路配線の製造を簡易に行うことができる。例えば、図3および図4に示されるような、導電性要素6と電極パターン3とを積層してなる導電性積層部と、電極パターン3のみからなる導電部と、を含む回路を簡易に形成することができる。
[入力装置及び表示装置]
本実施形態の回路配線の製造方法により製造される回路配線を備えた装置として、入力装置が挙げられる。本実施形態における入力装置は、静電容量型タッチパネルであることが好ましい。
本実施形態における表示装置は、本実施形態における入力装置を備える。本実施形態における表示装置は画像表示装置であることが好ましい。
<静電容量型入力装置、及び静電容量型入力装置を備える画像表示装置>
本実施形態における入力装置及び表示装置の好ましい態様である静電容量型入力装置、及びこの静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置は、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
まず、静電容量型入力装置の構成について説明する。図5は、静電容量型入力装置10の構成を示す断面図である。図5において静電容量型入力装置10は、基材1と、マスク層2と、第一の電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、別の導電性要素6と、透明保護層7と、から構成されている。
基材1は、ガラス基板等の透光性基板で構成されており、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、図5において、基材(前面層)1の各要素が設けられている側を非接触面と称する。静電容量型入力装置10においては、基材1の接触面(非接触面の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。
また、基材1の非接触面上にはマスク層2が設けられている。マスク層2は、タッチパネル前面板の非接触側に形成された表示領域周囲の額縁状のパターンであり、引回し配線等が、外観上、ガラス基板側から目視されないために形成される。
静電容量型入力装置10には、基材1の一部の領域を覆う位置にマスク層2が設けられていてもよい。更に、基材1には、一部に開口部を設けることができる。開口部には、押圧によるメカニカルなスイッチを設置することができる。
基材1の接触面には、複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の電極パターン3と、第一の電極パターン3と電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン4と、第一の電極パターン3と第二の透明電極パターン4を電気的に絶縁する絶縁層5とが形成されている。第一の電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、後述する別の導電性要素6とは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性の導電性金属酸化膜で作製することができる。金属膜としては、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO等の金属酸化膜などが挙げられる。金属膜の形成において、各要素の、膜厚は10nm〜200nmとすることができる。また、焼成により、アモルファスのITO膜を多結晶のITO膜とするため、電気的抵抗を低減することもできる。
また、第一の電極パターン3と、第二の透明電極パターン4とは、ポジ型感光性樹脂層をエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いて形成されてなることが好ましい。第二の透明電極パターンを形成するための第二の電極層の形成には、本実施形態で用いられるポジ型感光性樹脂層をはじめとしたレジストを用いるフォトリソグラフィのほか、公知の方法を用いることができる。その他、導電性繊維を用いた感光性樹脂組成物を有する感光性転写材料を用いて製造することもできる。ITO等によって第一の導電性パターン等を形成する場合には、特許第4506785号公報の段落[0014]〜段落[0016]等を参考にすることができる。
また、第一の電極パターン3及び第二の透明電極パターン4の少なくとも一方は、基材1の非接触面及びマスク層2の基材1とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置することができる。図5においては、第二の透明電極パターンが、基材1の非接触面及びマスク層2の基材1とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置されている図が示されている。
図6及び図7を用いて第一の電極パターン及び第二の電極パターン4について説明する。図6及び図7は、第一の電極パターン及び第二の電極パターンの一例を示す説明図でもある。図6及び図7に示す如く、第一の電極パターンは、パッド部分3aが接続部分3bを介して第一の方向に延在して形成されている。また、第二の電極パターン4は、第一の電極パターンと絶縁層5によって電気的に絶縁されており、第一の方向に交差する方向(図6及び図7における第二の方向:第二の電極パターンの延在方向)に延在して形成された複数のパッド部分によって構成されている。ここで、第一の電極パターン3を形成する場合、パッド部分3aと接続部分3bとを一体として作製してもよいし、接続部分3bのみを作製して、パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)してもよい。パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)する場合、図6及び図7に示す如く、接続部分3bの一部とパッド部分3aの一部とが連結され、且つ、絶縁層5によって第一の電極パターン3と第二の透明電極パターン4とが電気的に絶縁される状態にて各層が形成される。
図5において、マスク層2の基材1とは逆側の面側には別の導電性要素6が設置されている。別の導電性要素6は、第一の電極パターン3及び第二の透明電極パターン4の少なくとも一方に電気的に接続され、且つ、第一の電極パターン3及び第二の透明電極パターン4とは別の要素である。図5においては、別の導電性要素6が第二の透明電極パターン4に接続されている図が示されている。
また、図5においては、各構成要素の全てを覆う位置で透明保護層7が設置されている。透明保護層7は、各構成要素の一部のみを覆う位置にて形成されていてもよい。絶縁層5と透明保護層7とは、同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。絶縁層5と透明保護層7とを構成する材料としては、表面硬度及び耐熱性が良好な材料が好ましく、公知の感光性シロキサン樹脂材料、アクリル樹脂材料などが用いられ、これらは当業者に公知である。
絶縁層のパターニング方法も、フォトリソ方式のほか、インクジェット、スクリーンなど公知の方法を用いることが可能である。
静電容量型入力装置の製造方法においては、第一の電極パターン3、第二の透明電極パターン4及び別の導電性要素6のうち少なくとも1つは、ポジ型感光性樹脂層をエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いてエッチング処理して形成されてなることが好ましい。また、黒色のマスク層2と絶縁層5と、必要に応じて透明保護層7との少なくとも一要素も、仮支持体と熱可塑性樹脂層と光硬化性樹脂層とをこの順で有する感光性フィルムを用いて形成されることも好ましい。
第一の電極パターン3、第二の透明電極パターン4及び別の導電性要素6のうち少なくとも1つは、ポジ型感光性樹脂層をエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いてエッチング処理して形成されてなることが好ましい。
エッチング処理によって、第一の電極パターン3、第二の透明電極パターン4及び別の導電性要素6を形成する場合、まず黒色のマスク層2等が形成された基材1の非接触面上に、黒色のマスク層2が設けられた部分について少なくとも無機絶縁層を設け、基材1の非接触面上又は無機絶縁層上にITO等の透明電極層をスパッタリングによって形成する。次いで、透明電極層上に光硬化性樹脂層としてエッチング用光硬化性樹脂層を有するポジ型感光性樹脂層を用いて露光及び現像によってエッチングパターンを形成する。その後、透明電極層をエッチングして透明電極をパターニングし、エッチングパターンを除去することで、第一の電極パターン3等を形成することができる。
導電性光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて、第一の電極パターン3、第二の透明電極パターン4及び別の導電性要素6を形成する場合、基材1の表面上に、黒色のマスク層2が設けられた部分について少なくとも無機絶縁層を設け、基材1の非接触面上又は無機絶縁層上に導電性光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。
マスク層2、絶縁層5及び透明保護層7は、感光性フィルムを用いて光硬化性樹脂層を基材1に転写することで形成することができる。例えば、黒色のマスク層2を形成する場合には、光硬化性樹脂層として黒色光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて、基材1の表面に黒色光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。絶縁層5を形成する場合には、光硬化性樹脂層として絶縁性の光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて、第一又は第二の透明電極パターンが形成された基材1の表面に光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。透明保護層7を形成する場合には、光硬化性樹脂層として透明の光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて、各要素が形成された基材1の表面に光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されない。なお、後述するヘイズ値の値(%)を除き、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
[実施例1]
下記処方に従い、ポジ型感光性樹脂組成物1を作製した。
(ポジ型感光性樹脂組成物1:処方)
・特定重合体1(下記化合物、重量平均分子量15,000) 9.66部
(特定重合体1のTgを既述の方法にて測定したところ、−10℃であった。)
・光酸発生剤(下記化合物A−1) 0.25部
・界面活性剤(下記界面活性剤C) 0.01部
・添加剤(下記化合物D) 0.08部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〔溶剤〕 90.00部
下記構造において、各構成単位の数値は、当該構成単位の含有量(質量%)を表す。

化合物A−1

界面活性剤C:パーフルオロアルキル基含有ノニオン界面活性剤(F−554、DIC(株)製)

化合物D:下記構造の塩基性化合物(製造元:東洋化成工業社製、品番:CMTU)

作製したポジ型感光性樹脂組成物1を、仮支持体である厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下「PET(A)」と称する)の上に、スリット状ノズルを用いて乾燥膜厚が5.0μmとなる量で塗布した。
その後、100℃のコンベクションオーブンで2分間乾燥させ、最後にカバーフィルムとしてポリエチレンフィルム(トレデガー社製、OSM−N)を圧着して感光性転写材料1を作製した。
なお、PET(A)の全光ヘイズは0.19%であった。フィルムヘイズはスガ試験機(株)製ヘイズメーターHZ−2を用い、JIS−K−7136に準拠してベース小片の全光ヘイズ値(%)を測定した。
[実施例2]
特定重合体1を、下記特定重合体2に代えた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料2を作製した。
特定重合体2のTgを既述の方法にて測定したところ、20℃であった。既述のGPC法にて測定した重量平均分子量は15,000であった。

[実施例3]
特定重合体1を、下記特定重合体3に代えた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料3を作製した。
特定重合体3のTgを既述の方法にて測定したところ、40℃であった。既述のGPC法にて測定した重量平均分子量は15,000であった。
[実施例4]
特定重合体1を、下記特定重合体4に代えた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料4を作製した。
特定重合体4のTgを既述の方法にて測定したところ、50℃であった。既述のGPC法にて測定した重量平均分子量は15,000であった。
[実施例5]
特定重合体1を、下記特定重合体5に代えた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料5を作製した。
特定重合体5のTgを既述の方法にて測定したところ、56℃であった。既述のGPC法にて測定した重量平均分子量は15,000であった。
[実施例6]
特定重合体1を、特定重合体3に代えた以外は、実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物3を作製した。作製したポジ型感光性樹脂組成物3を、仮支持体である厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PET(B)と称する)の上に、スリット状ノズルを用いて乾燥膜厚が5.0μmとなる量で塗布した。
その後、100℃のコンベクションオーブンで2分間乾燥させ、最後にカバーフィルムとしてポリエチレンフィルム(トレデガー社製、OSM−N)を圧着して感光性転写材料6を作製した。
なお、PET(B)の全光ヘイズ値(%)を、実施例1におけるPET(A)と同様の方法で測定したところ、全光ヘイズ値は0.78%であった。
[比較例1]
特定重合体1を、下記比較重合体C1に代えた以外は、実施例1と同様にして比較例1の感光性転写材料C1を作製した。
比較重合体C1のTgを既述の方法にて測定したところ、100℃であった。既述のGPC法にて測定した重量平均分子量は15,000であった。
[評価]
厚さ188μmのPETフィルム上に厚さ500nmでスパッタリング法にて銅層を作製した基板を使用した。
<ラミネート適性評価>
作製した感光性転写材料1、2及びC1をそれぞれ50cm角にカットし、カバーフィルムを剥がして、ラミネートロール温度90℃、線圧0.6MPa、線速度(ラミネート速度)3.6m/minのラミネート条件で銅層付きPET基板にラミネートした。感光性樹脂層が銅層に密着する面積を目視評価し、「感光性樹脂層が密着した面積/カットした転写材料の面積」(%)により密着した面積割合を求めた。下記基準のA〜Cで評価した。
A:95%以上
B:80%以上95%未満
C:80%未満
<解像度評価>
作製した感光性転写材料1〜6及びC1を、線圧0.6MPa、線速度3.6m/minのラミネート条件で銅層付きPET基板にラミネートした。なおロール温度90℃でラミネート適性B以下の場合、ラミネート性が、既述の評価基準でA判定になるまでラミロール温度を上げて試料を作製した。
実施例1〜5およびC1の感光性転写材料では、仮支持体を剥離せずに、線幅3μm〜20μmのラインアンドスペースパターン(Duty比 1:1)マスクを介して超高圧水銀灯で露光後、仮支持体を剥離して現像した。現像は28℃の1.0%炭酸ナトリウム水溶液を用い、シャワー現像で30秒間行った。
実施例6の感光性転写材料では、仮支持体を感光層から剥離してから、実施例1と同様にしてマスクを介して露光し、現像を行なった。
得られたラインアンドスペースパターンで、最も高解像度であったパターンを到達解像度とし、以下の基準A〜Cで評価した。
A:7μm未満
B:7μm以上15μm未満
C:15μm以上
以下の表1に結果を示す。

実施例の感光性転写材料は、ラミネート適性、解像度評価のいずれも良好であった。他方、比較例1の感光性転写材料は、ラミネート適性に劣っていた。
[実施例7]
100ミクロン厚PET基材上に、第2導電層としてITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、成膜された第2導電層上に第1導電層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成用基板とした。
銅層上に、実施例1で得た感光性転写材料1を、カバーフィルムを剥がした後にラミネートした(線圧0.6MPa、線速度3.6m/min、ロール温度100℃)。
仮支持体を剥離せずに、一方向に導電層パッドが連結された構成を持つ図8に示したパターンAを設けたフォトマスクを用いてコンタクトパターン露光した(第1露光工程)。
図8に示したパターンAにおいては、実線部及びグレー部が遮光部であり、遮光部以外の部分が開口部であり、点線部はアライメント合わせの枠を仮想的に示している。また、実線部は70μm以下の細線とした。以降、他の実施例及び比較例でも同様の細線を形成した
その後、仮支持体を剥離し、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液2.38%を用いた現像を行い(第1現像工程)、第1現像工程後、水洗を行って第1のパターン(パターンAの遮光部領域の形状であるパターン)形状を有するポジ型感光性樹脂層を得た。
次いで銅エッチング液(関東化学(株)製、Cu−02)を用いて銅層(第1導電層)をエッチングした後、ITOエッチング液(関東化学(株)製、ITO−02)を用いてITO層(第2導電層)をエッチングすることで、銅層(第1導電層)とITO層(第2導電層)が共に第1のパターン(パターンAの遮光部領域の形状であるパターン)で描画された基板を得た(第1エッチング工程)。
次いで、アライメントを合わせた状態で図9に示したパターンBにおいても、実線部及びグレー部が遮光部を示す。図9に示したパターンBの形状に従って遮光部の開口部及び遮光部を設けたフォトマスクを用いてパターン露光し(第2露光工程)、TMAH水溶液2.38%を用いた現像を行い(第2現像工程)、第2現像工程後、水洗を行って第2のパターン(パターンAの遮光部及びパターンBの遮光部の重なる部分のパターン)形状を有するポジ型感光性樹脂層を得た。
図9に示したパターンBにおいても、既述のようにグレー部が遮光部を示し、遮光部以外の部分が開口部となり、点線部はアライメント合わせの枠を仮想的に示している。
その後、Cu−02を用いて銅層をエッチングし、残った感光性樹脂層を剥離液(関東化学(株)製KP−301)を用いて剥離し、回路配線基板を得た。
既述のようにして、図10に示すパターンCの回路配線基板を得た。図10中、実線でない領域(白領域およびグレー領域共に)はPET基板が露出している状態である。図10のグレー領域内の実線部分はITO配線が露出した状態になっている。それ以外の実線部分は周辺配線部分にあたり、ITO配線上に銅配線が積層されて同一の回路パターンを共有する構造を持った状態になっている。
その後、Cu−02を用いることで、第2のパターンとしたポジ型感光性樹脂層が配置されていない領域の第1導電層(銅層)のみをエッチングした(第2エッチング工程)。
さらに残った感光性樹脂層を剥離液(関東化学(株)製KP−301)を用いて剥離して回路配線基板を得た。
これにより、図10に示す配線パターンCを有する回路配線基板を得た。図10中、実線でない領域(白で示す開口部およびグレーで示す領域共に)はPET基板が露出している状態である。図10のグレー領域内の実線部分はITO配線(第2導電層)が露出した状態になっている。それ以外の実線部分は周辺配線部分にあたり、ITO配線上に銅配線(第1導電層)が積層されて同一の回路パターンを共有する構造になっている。
得られた回路配線基板の回路について顕微鏡で観察したところ、剥がれや欠けなどは無く、高精細のきれいなパターンであった。
[実施例8]
100ミクロン厚PET基材上に、第2導電層としてITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、製膜された第2導電層上に第1導電層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成用基板とした。
銅層上に感光性転写材料1をラミネートした(線圧0.6MPa、線速度3.6m/min、ロール温度100℃)。
仮支持体を剥離せずに一方向に導電層パッドが連結された構成を持つパターンAを設けたフォトマスクを用いてパターン露光した。露光後、仮支持体を剥離し、現像を行い、その後、水洗を行ってパターンAを得た。
次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu−02)を用いて銅層をエッチングした後、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO−02)を用いてITO層をエッチングすることで、銅とITOが共にパターンAで描画された基板を得た。
次いで、残存しているレジスト(ポジ型感光性樹脂層)上に、再度、保護フィルムとしてPET(A)をラミネートした。この状態で、アライメントを合わせた状態でパターンBの開口部を設けたフォトマスクを用いてパターン露光し、保護フィルムとしてのPET(A)を剥離した後に現像、水洗を行った。
その後、Cu−02を用いて銅配線をエッチングし、残った感光性樹脂層を剥離液(関東化学(株)製KP−301)を用いて剥離し、回路配線基板を得た。
これにより、パターンCの回路配線基板を得た。
得られた回路配線基板の回路について顕微鏡で観察したところ、剥がれや欠けなどは無く、高精細のきれいなパターンであった。
1 基材
2 マスク層
3 電極パターン
3a パッド部分
3b 接続部分
4 透明電極パターン
5 絶縁層
6 別の導電性要素
7 透明保護層
10 静電容量型入力装置
12 仮支持体
14 ポジ型感光性樹脂層
14A 第1パターン
14B 第2パターン
16 カバーフィルム
20 回路形成用基板
22 基材
24 第1導電層
24A 第1導電層(第1エッチング工程後)
24B 第1導電層(第2エッチング工程後)
26 第2導電層
26A 第2導電層(第1エッチング工程及び第2エッチング工程後)
30 マスク
40 マスク
100 感光性転写材料

Claims (10)

  1. 仮支持体と、
    下記一般式Aで表される構成単位及び酸基を有する構成単位を含み、かつ、ガラス転移温度が90℃以下である重合体、並びに光酸発生剤を含むポジ型感光性樹脂層と、
    を有する感光性転写材料。

    一般式A中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR31及びR32のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよい。R34は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又はアリーレン基を表す。
  2. 前記重合体のガラス転移温度は、−20℃以上である請求項1に記載の感光性転写材料。
  3. 前記重合体は、前記重合体の全固形分に対し、前記一般式Aで表される構成単位を20質量%以上含む請求項1又は請求項2に記載の感光性転写材料。
  4. 前記重合体は、前記重合体の全固形分に対し、前記酸基を有する構成単位を0.1質量%〜20質量%含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  5. 前記一般式Aで表される構成単位の全量に対し、前記一般式AにおいてR34が水素原子である構成単位が20質量%以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  6. 前記重合体は、重量平均分子量Mwが60,000以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  7. 前記仮支持体が、光透過性を有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  8. (A)基板に対し、請求項7に記載の感光性転写材料の前記ポジ型感光性樹脂層を前記基板に接触させて貼り合わせる貼り合わせ工程、
    (B)前記貼り合わせ工程後の前記感光性転写材料の前記ポジ型感光性樹脂層をパターン露光する露光工程、
    (C)前記露光工程後のポジ型感光性樹脂層を現像してパターンを形成する現像工程、
    (D)前記パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理するエッチング工程、をこの順に含む、回路配線の製造方法。
  9. (a)基材と、互いに構成材料が異なる第1導電層及び第2導電層を含む複数の導電層とを有し、前記基材の表面上に、前記基材の表面から遠い順に、最表面層である前記第1導電層と前記第2導電層とが積層されている基板に対し、請求項7に記載の感光性転写材料の前記ポジ型感光性樹脂層を前記第1導電層に接触させて貼り合わせる貼り合わせ工程、
    (b)前記貼り合わせ工程後の前記感光性転写材料の前記仮支持体を介して前記ポジ型感光性樹脂層をパターン露光する第1露光工程、
    (c)前記第1露光工程後のポジ型感光性樹脂層から前記仮支持体を剥離した後、前記第1露光工程後のポジ型感光性樹脂層を現像して第1パターンを形成する第1現像工程、
    (d)前記第1パターンが配置されていない領域における前記複数の導電層のうち少なくとも前記第1導電層及び前記第2導電層をエッチング処理する第1エッチング工程、
    (e)前記第1エッチング工程後の前記第1パターンを前記第1パターンとは異なるパターンでパターン露光する第2露光工程、
    (f)前記第2露光工程後の前記第1パターンを現像して第2パターンを形成する第2現像工程、及び、
    (g)前記第2パターンが配置されていない領域における前記複数の導電層のうち少なくとも前記第1導電層をエッチング処理する第2エッチング工程、をこの順に含む、回路配線の製造方法。
  10. 前記第1エッチング工程の後、前記第2露光工程の前に、前記第1パターン上に、光透過性を有する保護フィルムを貼り付ける工程をさらに有し、
    前記第2露光工程において、前記保護フィルムを介して前記第1パターンを前記パターン露光し、
    前記第2露光工程後、前記第1パターンから前記保護フィルムを剥離した後、前記第2エッチング工程を行う請求項9に記載の回路配線の製造方法。
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