JP6893550B2 - 感光性転写材料、及び回路配線の製造方法 - Google Patents
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Description
一般的にパターン化した層の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少ないといったことから、感光性転写材料を用いて任意の基板上に設けた感光性樹脂組成物の層に対して、所望のパターンを有するマスクを介して露光した後に現像する方法が広く使用されている。
本発明の他の一実施形態が解決しようとする課題は、ポジ型の感光性転写材料を用いた回路配線の製造方法を提供することである。
<1> 仮支持体;及び、カルボキシ基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位(a−1)又はフェノール性水酸基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位(a−2)を有する重合体を含む重合体成分と、光酸発生剤とを含有する感光性樹脂組成物層;を有し、重合体成分が、フェノール性水酸基を有する構成単位(b−1)及びアルコール性水酸基を有する構成単位(b−2)の少なくとも一方を有し、重合体成分の全構成単位に占める構成単位(b−1)の割合と構成単位(b−2)の割合との合計が1モル%以上18モル%以下である、感光性転写材料。ただし、重合体成分が構成単位(a−1)を有する重合体を含まない場合、構成単位(b−1)の割合を合計に含めない。
<2> 重合体成分の酸価が60mgKOH/g以下である、<1>に記載の感光性転写材料。
<3> 重合体成分のガラス転移温度が90℃以下である、<1>又は<2>に記載の感光性転写材料。
<4> 重合体成分のガラス転移温度が60℃以下である、<1>又は<2>に記載の感光性転写材料。
<5> 構成単位(a−1)が、下記式A1で表される構成単位である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
式A1中、R31及びR32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R31及びR32の少なくとも一方がアルキル基又はアリール基であり、R33はアルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32とR33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は水素原子又はメチル基を表し、X0は単結合又はアリーレン基を表す。
<6> 構成単位(a−2)が、下記式A3で表される構成単位である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
式A3中、R51及びR52はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R51及びR52の少なくとも一方がアルキル基又はアリール基であり、R53はアルキル基又はアリール基を表し、R51又はR52とR53とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R54は水素原子又はメチル基を表し、X1は単結合又は二価の連結基を表し、R62は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。
<7> 構成単位(b−1)が、下記式B1で表される構成単位である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
式B1中、R70は水素原子又はメチル基を表し、R71は単結合又は二価の連結基を表し、R72はそれぞれ独立にハロゲン原子又はアルキル基を表し、aは1〜5の整数を表し、bは0〜4の整数を表し、a+bは5以下である。
<8> 構成単位(b−2)が、下記式B2で表される構成単位である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
式B2中、R80は水素原子又はメチル基を表し、R81は単結合又はアリーレン基を表し、R82はアルキレン基を表す。
<9> 重合体成分が、更に、環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を有する、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<10> 基板に対し、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の感光性転写材料の感光性樹脂組成物層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、貼り合わせる工程後の感光性転写材料の感光性樹脂組成物層をパターンに露光する工程と、露光する工程後の感光性樹脂組成物層を現像してパターンを形成する工程と、パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、をこの順に含む、回路配線の製造方法。
本発明の他の一実施形態によれば、ポジ型の感光性転写材料を用いた回路配線の製造方法を提供することができる。
本開示に係る感光性転写材料は、仮支持体と、重合体成分及び光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物層と、を有する。本開示において「重合体成分」とは、感光性樹脂組成物層に含まれる重合体全体を意味する。本実施形態の感光性樹脂組成物層は、ポジ型の感光性樹脂組成物層であり、「ポジ型感光性樹脂組成物層」ということがある。
以下、上記重合体を「重合体A」ということがあり、酸基をアセタールの形で保護している保護基を「アセタール型保護基」ということがある。
ただし、重合体成分が構成単位(a−1)を有する重合体を含まない場合、構成単位(b−1)の割合を上記合計に含めない。換言すると、重合体成分が構成単位(a−1)を有する重合体を含まず、構成単位(a−2)を有する重合体を含む場合、重合体成分は必ず構成単位(b−2)を有し、全構成単位に占める構成単位(b−2)の割合が1モル%以上18モル%以下である。重合体成分が構成単位(a−1)を有する重合体を含まない場合、重合体成分は構成単位(b−1)を有してもよく、有しなくてもよいが、現像液に対する未露光部の溶解性を低く抑える観点からは、重合体成分は構成単位(b−1)を有しないことが好ましい。
以下、重合体成分の全構成単位に占める構成単位(b−1)の割合を、「Mb−1」ということがある。Mb−1の単位は「モル%」である。
以下、重合体成分の全構成単位に占める構成単位(b−2)の割合を、「Mb−2」ということがある。Mb−2の単位は「モル%」である。
また、露光工程においては、一定速度で基材を搬送しながらマスクを介して露光することは技術的に確立できておらず、部分的に基材の搬送を停止する装置を組み込むなど、複雑な装置を必要とする。そこで、転写、露光、及び、現像の各工程はそれぞれ独立に配置され、各工程の前後で巻き出し、及び、巻き取りを組み込んだ工程が現在技術の範囲では理想的と本発明者らは推定している。
しかしながら、こういった転写、露光、及び、現像の各工程を含む方法において、化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物を用いた層を画像形成させると、得られるパターンの変形が生じる場合があることを本発明者らは見出した。化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物以外の従来のレジストを用いた場合には、上記現象は見られなかった。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、この現象が化学増幅ポジ型樹脂組成物を用いた場合に特徴的な現象であることを見出し、上記構成の感光性転写材料とすることにより、得られるパターン形状の変形が少なくなることを見出した。
詳細な発現機構は不明であるが、得られるパターン形状の変形が、化学増幅ポジ型樹脂組成物を使用した場合に特異的にみられることから、発生した酸によるアセタール型保護基の脱離反応とその後の脱離したアセタール型保護基由来の化合物の拡散とに由来する現象であると本発明者らは推定している。感光性樹脂組成物層が、フェノール性水酸基又はアルコール性水酸基を含有していると、脱離したアセタール型保護基由来の化合物をフェノール性水酸基又はアルコール性水酸基が捕捉するので、脱離したアセタール型保護基由来の化合物の近隣画素への拡散が相対的に減少し、上記拡散に伴う体積変化による膜中の内部応力の発生が抑制され、得られるパターン形状の変形が抑制されると本発明者らは推定している。
一方、Mb−1とMb−2との合計が18モル%を超えると、現像液に対して未露光部が溶解しやすくなる。現像液に対する未露光部の溶解性を低く抑える観点から、Mb−1とMb−2との合計は、18モル%以下であり、15モル%以下がより好ましい。
重合体成分が、少なくとも、
カルボキシ基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位(a−1)と、フェノール性水酸基を有する構成単位(b−1)及びアルコール性水酸基を有する構成単位(b−2)の少なくとも一方とを有する重合体A−Iを含む。
重合体成分が、少なくとも、
フェノール性水酸基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位(a−2)と、アルコール性水酸基を有する構成単位(b−2)とを有する重合体A−IIを含む。
重合体成分が、少なくとも、
カルボキシ基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位(a−1)を有し、フェノール性水酸基を有する構成単位(b−1)及びアルコール性水酸基を有する構成単位(b−2)を有しない重合体A−IIIと、
フェノール性水酸基を有する構成単位(b−1)を有する重合体B−Iと、を含む。
重合体成分が、少なくとも、
カルボキシ基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位(a−1)を有し、フェノール性水酸基を有する構成単位(b−1)及びアルコール性水酸基を有する構成単位(b−2)を有しない重合体A−IIIと、
アルコール性水酸基を有する構成単位(b−2)を有する重合体B−IIと、を含む。
重合体成分が、少なくとも、
フェノール性水酸基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位(a−2)を有し、アルコール性水酸基を有する構成単位(b−2)を有しない重合体A−IVと、
アルコール性水酸基を有する構成単位(b−2)を有する重合体B−IIと、を含む。
第1実施形態〜第5実施形態のいずれにおいても、重合体成分の全構成単位に占める構成単位(b−1)の割合と構成単位(b−2)の割合との合計が1モル%以上18モル%以下である。ただし、重合体成分が構成単位(a−1)を有する重合体を含まない場合、構成単位(b−1)の割合を上記合計に含めない。
仮支持体は、感光性樹脂組成物層を支持し、感光性樹脂組成物層から剥離可能な支持体である。
光透過性を有するとは、パターン露光に使用する光の主波長の透過率が50%以上であることを意味し、パターン露光に使用する光の主波長の透過率は、露光感度向上の観点から、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透過率の測定方法としては、大塚電子(株)製MCPD Seriesを用いて測定する方法が挙げられる。
感光性樹脂組成物層は、重合体成分と、光酸発生剤とを含有する。本開示に係る感光性転写材料が備える感光性樹脂組成物層は、ポジ型感光性樹脂組成物層であり、化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物層であることが好ましい。
後述するオニウム塩やオキシムスルホネート化合物等の光酸発生剤は、活性光線に感応して生成される酸が、重合体成分中の保護された酸基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られる。
一方、活性光線に感応する光酸発生剤としてキノンジアジド化合物を用いた場合、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下であり、化学増幅型には該当しない。
重合体Bのうち構成単位(b−1)を有する重合体Bは、ビニルフェノール類の付加重合体又はノボラック型フェノール樹脂であることが好ましい。
以下、重合体成分に含まれる重合体を構成する構成単位を詳細に説明する。
構成単位(a−1)としては、パターン形成時の感度及び解像度に優れる観点と、パターン形状の変形を抑制する観点とから、下記式A1で表される構成単位A1が好ましい。重合体Aが有する構成単位A1は、1種であっても、2種以上であってもよい。
式A1中、R33は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
R31〜R33におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
式A1中、R31又はR32とR33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R31又はR32とR33とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
式A1中、X0は単結合又はアリーレン基を表し、単結合が好ましい。アリーレン基としてはフェニレン基が好ましく、アリーレン基は置換基を有していてもよい。
式A2中、R34は水素原子が好ましい。
式A2中、R35〜R41は、水素原子が好ましい。
構成単位(a−2)としては、パターン形成時の感度及び解像度に優れる観点と、パターン形状の変形を抑制する観点とから、下記式A3で表される構成単位A3が好ましい。重合体Aが有する構成単位A3は、1種であっても、2種以上であってもよい。
式A3中、R53は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
R51〜R53におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
式A3中、R51又はR52とR53とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R51又はR52とR53とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
式A3中、X1は単結合又は二価の連結基を表し、単結合又はアルキレン基、−C(=O)O−、−C(=O)NRN−、−O−又はこれらの組み合わせが好ましく、単結合がより好ましい。アルキレン基は、直鎖状でも分岐を有していても環状構造を有していてもよく、置換基を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。X1が−C(=O)O−を含む場合、−C(=O)O−に含まれる炭素原子と、R54が結合した炭素原子とが直接結合する態様が好ましい。X1が−C(=O)NRN−を含む場合、−C(=O)NRN−に含まれる炭素原子と、R54が結合した炭素原子とが直接結合する態様が好ましい。RNはアルキル基又は水素原子を表し、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
式A3中、R51〜R53を含む基と、X1とは、互いにパラ位でベンゼン環に結合することが好ましい。
式A3中、R62は置換基を表し、アルキル基又はハロゲン原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。
式A3中、nは0〜4の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
式A4中、R54は水素原子が好ましい。
式A4中、R55〜R61は、水素原子が好ましい。
式A4中、R62は置換基を表し、アルキル基又はハロゲン原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。
式A4中、nは0〜4の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
構成単位(b−1)としては、例えば、ヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレン誘導体に由来する構成単位、ノボラック型フェノール樹脂における構成単位が挙げられる。
R72はハロゲン原子又はアルキル基を表し、アルキル基としては炭素数1〜4の直鎖又は分岐を有するアルキル基が好ましい。R72は、製造が容易である観点から、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
bは0〜4の整数を表し、製造が容易である観点から、bは0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
構成単位(b−2)としては、パターン形状の変形抑制の観点から、下記式B2で表される構成単位B2が好ましい。重合体A又は重合体Bが有する構成単位B2は、1種であっても、2種以上であってもよい。
重合体A及び重合体Bは付加重合体である場合、解像度及び密着性の観点から、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルの少なくともいずれかを重合成分に含むことが好ましい。したがって、重合体成分は、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位の少なくともいずれかを有することが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数4〜12(より好ましくは炭素数4〜8)の直鎖状又は分岐状又は環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、炭素数4〜12(より好ましくは炭素数4〜8)の環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましく、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが更に好ましい。
上記構成単位の種類及び含有量を調整することで、重合体成分の諸特性を調整すること、例えばガラス転移温度を90℃以下に調整することができる。
重合体成分の全構成単位に占める上記構成単位の割合は、10モル%以上70モル%以下が好ましく、20モル%以上60モル%以下がより好ましく、30モル%以上50モル%以下が更に好ましい。
重合体成分は、酸価が60mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が60mgKOH/g以下であることで、感光性樹脂組成物層が高い密着性を有し、転写性により優れる。酸価は、40mgKOH/g以下がより好ましく、20mgKOH/g以下が更に好ましい。酸価の下限値は、0mgKOH/g以上が好ましく、5mgKOH/g以上がより好ましく、10mgKOH/g以上が更に好ましい。
重合体成分の酸価とは、重合体成分に含まれる各重合体の酸価を測定し、各重合体の質量百分率で重みづけした平均値(即ち、加重平均)である。ただし、重合体成分に含まれる各重合体を種類ごとに分離できない場合、又は重合体成分に含まれる重合体が1種である場合は、重合体成分全体から試料を得て酸価を測定して求める。
重合体の酸価は、JIS K0070(1992年)に従って中和滴定法により測定される。
重合体成分のガラス転移温度は、重合体成分全体から試料を得てガラス転移温度を測定して求める。重合体成分に含まれる各重合体が判明している場合は、各重合体のガラス転移温度を測定し、各重合体の質量百分率で重みづけした下記式で算出される値として求めてもよい。
ガラス転移温度の測定方法を具体的に説明する。
ガラス転移温度を求める場合、予想されるTgより約50℃低い温度にて装置が安定するまで保持した後、加熱速度20℃/分で、ガラス転移が終了した温度よりも約30℃高い温度まで加熱し、示差熱分析(differential thermal analysis:DTA)曲線又は示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry:DSC)曲線を描かせる。補外ガラス転移開始温度(Tig)は、DTA曲線又はDSC曲線における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度として求める。
FOX式について
第1の構成単位の単独重合体のTgをTg1、第1の構成単位の重合体成分における質量分率をW1とし、第2の構成単位の単独重合体のTgをTg2とし、第2の構成単位の重合体成分における質量分率をW2としたときに、重合体成分のTg0(K)は、以下のFOX式にしたがって推定することが可能である。
FOX式:1/Tg0=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)
ほかに、重合体成分の重量平均分子量を調整することにより、重合体成分のTgを調整することも可能である。
第2実施形態においては、感光性樹脂組成物層は、基板に対して良好な密着性を発現させる観点から、重合体A−IIの量が、感光性樹脂組成物層の全質量に対して、50質量%〜99.9質量%であることが好ましく、70質量%〜98質量%であることがより好ましい。
第3実施形態においては、感光性樹脂組成物層は、基板に対して良好な密着性を発現させる観点から、重合体A−IIIと重合体B−Iとの合計量が、感光性樹脂組成物層の全質量に対して、50質量%〜99.9質量%であることが好ましく、70質量%〜98質量%であることがより好ましい。
第4実施形態においては、感光性樹脂組成物層は、基板に対して良好な密着性を発現させる観点から、重合体A−IIIと重合体B−IIとの合計量が、感光性樹脂組成物層の全質量に対して、50質量%〜99.9質量%であることが好ましく、70質量%〜98質量%であることがより好ましい。
第5実施形態においては、感光性樹脂組成物層は、基板に対して良好な密着性を発現させる観点から、重合体A−IVと重合体B−IIとの合計量が、感光性樹脂組成物層の全質量に対して、50質量%〜99.9質量%であることが好ましく、70質量%〜98質量%であることがより好ましい。
感光性樹脂組成物層は、光酸発生剤を含有する。本開示で使用される光酸発生剤としては、紫外線、遠紫外線、X線、及び、荷電粒子線等の活性光線を照射することにより酸を発生することができる化合物が挙げられる。
本開示で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤が特に好ましい。pKaの下限値は特に定めないが、例えば、−10.0以上であることが好ましい。
光酸発生剤としては、感度及び解像度の観点から、後述するオニウム塩化合物、及び、後述するオキシムスルホネート化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、オキシムスルホネート化合物を含むことがより好ましい。
R21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)、又は、ハロゲン原子で置換されてもよい。
R21のアリール基としては、炭素数6〜18のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基及びハロゲン原子よりなる群から選ばれた1つ以上の基で置換されてもよい。
感光性樹脂組成物層における光酸発生剤の含有量は、感度、解像度の観点から、感光性樹脂組成物層の全質量に対して、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがより好ましい。
感光性樹脂組成物層は、溶剤を含んでいてもよい。
感光性樹脂組成物層を形成する感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物層を容易に形成するため、一旦溶剤を含有させて感光性樹脂組成物の粘度を調節し、溶剤を含む感光性樹脂組成物を塗布及び乾燥して、感光性樹脂組成物層を好適に形成することができる。
感光性樹脂組成物層における溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物層の全質量に対し、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。
本開示における感光性樹脂組成物層は、重合体成分及び光酸発生剤に加え、必要に応じて公知の添加剤を含むことができる。
感光性樹脂組成物層は、可塑性を改良する目的で、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤は、重合体成分を構成する重合体よりも重量平均分子量が小さいことが好ましい。可塑剤の重量平均分子量は、可塑性付与の観点から500以上10,000未満が好ましく、700以上5,000未満がより好ましく、800以上4,000未満が更に好ましい。
可塑剤は、重合体成分と相溶して可塑性を発現する化合物であれば特に限定されないが、可塑性付与の観点から、可塑剤は、分子中にアルキレンオキシ基を有することが好ましい。可塑剤に含まれるアルキレンオキシ基は下記構造を有することが好ましい。
感光性樹脂組成物層は、増感剤を更に含むことができる。
増感剤は、活性光線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、及び、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。
増感剤を含有させることで、露光感度を向上させることができる。
アントラセン誘導体としては、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ブロモアントラセン、9−クロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、2−エチルアントラセン、又は、9,10−ジメトキシアントラセンが好ましい。
感光性樹脂組成物層は、塩基性化合物を更に含むことが好ましい。
塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられる塩基性化合物の中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、及び、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0204〜段落0207に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、及び、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、及び、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、及び、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、及び、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本開示における感光性樹脂組成物層は、ヘテロ環状化合物を含むことができる。
本開示におけるヘテロ環状化合物には、特に制限はない。例えば、以下に述べる分子内にエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有ヘテロ環状化合物、その他、各種環状エーテル、環状エステル(ラクトン)などの含酸素モノマー、環状アミン、オキサゾリンといった含窒素モノマー、更には珪素、硫黄、リンなどのd電子をもつヘテロ環モノマー等を添加することができる。
その他の市販品として、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、デナコールEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402、EX−111、EX−121、EX−141、EX−145、EX−146、EX−147、EX−171、EX−192(以上ナガセケムテック製)、YH−300、YH−301、YH−302、YH−315、YH−324、YH−325(以上、新日鐵住金化学(株)製)セロキサイド2021P、2081、2000、3000、EHPE3150、エポリードGT400、セルビナースB0134、B0177((株)ダイセル製)などが挙げられる。
分子内にエポキシ基を有する化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂組成物層は、アルコキシシラン化合物を含有してもよい。アルコキシシラン化合物としては、トリアルコキシシラン化合物が好ましく挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが更に好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
感光性樹脂組成物層は、膜厚均一性の観点から界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系(非イオン系)、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(登録商標、DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(登録商標、旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)、及び、SH−8400(東レ・ダウコーニング(株)製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記式I−1で表される構成単位(I−a)及び構成単位(I−b)を有し、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
Lは、下記式(I−2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式(I−2)におけるR405は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の観点から、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。
本開示における感光性樹脂組成物層には、金属酸化物粒子、酸化防止剤、分散剤、酸増殖剤、現像促進剤、導電性繊維、着色剤、熱ラジカル重合開始剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、架橋剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を更に加えることができる。
その他の成分の好ましい態様については特開2014−85643号公報の段落0165〜段落0184にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
各成分及び溶剤を任意の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物層を形成するための感光性樹脂組成物を調製することができる。例えば、各成分をそれぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、得られた溶液を所定の割合で混合して組成物を調製することもできる。以上の如くして調製した組成物は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
本開示に係る感光性転写材料は、感光性樹脂組成物層以外の層(「その他の層」ということがある。)を有していてもよい。その他の層としては、熱可塑性樹脂層、コントラストエンハンスメント層、中間層、カバーフィルム等を挙げることができる。
本開示に係る回路配線の製造方法は、本開示に係る感光性転写材料を用いた製造方法であれば、特に制限はないが、基板に対し、本開示に係る感光性転写材料の感光性樹脂組成物層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、貼り合わせる工程後の感光性転写材料の感光性樹脂組成物層をパターン露光する工程と、露光する工程後の感光性樹脂組成物層を現像してパターンを形成する工程と、パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、をこの順に含むことが好ましい。
本開示に係る回路配線の製造方法は、基板に対し、本開示に係る感光性転写材料の感光性樹脂組成物層を基板に接触させて貼り合わせる工程(貼り合わせ工程)を含むことが好ましい。
貼り合わせ工程では、導電性層を備える基材に感光性転写材料を接触させて貼り合わせることが好ましい。
また、貼り合わせ工程においては、導電性層と、感光性樹脂組成物層とが接触するように圧着させることが好ましい。上記態様であると、露光及び現像後のパターン形成された感光性樹脂組成物層を、導電性層をエッチングする際のエッチングレジストとして好適に用いることができる。
基材と感光性転写材料とを圧着する方法としては、特に制限はなく、公知の転写方法、及び、ラミネート方法を用いることができる。
具体的には例えば、感光性転写材料の感光性樹脂組成物層側を導電性層の上に重ね、ロール等による加圧、又は、加圧及び加熱することに行われることが好ましい。貼り合わせには、ラミネータ、真空ラミネータ、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネータを使用することができる。
貼り合わせ工程における圧着圧力及び温度は、特に制限はなく、導電性層及び感光性樹脂組成物層の材質、搬送速度、並びに、使用する圧着機等に応じ、適宜設定することができる。また、感光性転写材料の感光性樹脂組成物層上にカバーフィルムを有する場合は、感光性樹脂組成物層からカバーフィルムを除去した後、圧着すればよい。
基材が樹脂フィルムである場合、ロールツーロールでの圧着を行ってもよい。
基材上に複数の導電性層が積層された基板は、基材がガラス基材又はフィルム基材であることが好ましく、フィルム基材であることがより好ましい。本開示に係る回路配線の製造方法は、タッチパネル用の回路配線である場合、基材がシート状樹脂組成物であることが特に好ましい。
また、基材は透明であることが好ましい。
基材の屈折率は、1.50〜1.52であることが好ましい。
基材は、ガラス基材等の透光性基材で構成されていてもよく、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、前述の透明基材としては、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報及び特開2010−257492号公報に用いられている材料を好ましく用いることができる。
基材としてフィルム基材を用いる場合は、光学的に歪みがない基材、及び、透明度が高い基材を用いることがより好ましく、具体的な素材には、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーを挙げることができる。
基材上に形成されている複数の導電性層としては、一般的な回路配線又はタッチパネル配線に用いられる任意の導電性層を挙げることができる。
導電性層の材料としては、金属及び金属酸化物などを挙げることができる。
金属酸化物としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、SiO2等を挙げることができる。金属としては、Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等を挙げることができる。
導電性層としては、静電容量型タッチパネルに用いられる視認部のセンサーに相当する電極パターン又は周辺取り出し部の配線であることが好ましい。
基材の表面に導電性層を有する基板である。導電性層をパターンニングすることで回路配線とする。本例では、PETなどのフィルム基材に金属酸化物や金属などの複数の導電性層が設けられたものであることが好ましい。
本開示に係る回路配線の製造方法は、貼り合わせる工程後の感光性転写材料の感光性樹脂組成物層をパターン露光する工程(露光工程)を含むことが好ましい。
露光工程では、塗膜を設けた基板に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射することが好ましい。この工程では、光酸発生剤が分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、塗膜成分中に含まれる酸分解性基が加水分解されて、酸基、例えば、カルボキシ基又はフェノール性水酸基が生成する。
本開示において、パターンの詳細な配置及び具体的サイズは、特に限定されない。本開示において製造される回路基板を有する入力装置を備えた表示装置(例えば、タッチパネル)の表示品質を高め、また、取り出し配線の占める面積をできるだけ小さくしたいことから、パターンの少なくとも一部(特にタッチパネルの電極パターン及び取り出し配線の部分)は、100μm以下の細線であることが好ましく、70μm以下の細線であることがより好ましい。
また、露光工程における露光は、マスクを介した露光でもよいし、レーザー等を用いたデジタル露光でもよいが、露光用マスクを介した露光であることが好ましい。
本開示のパターン付き基材の製造方法は、貼り合わせ工程と露光工程との間に、感光性転写材料と露光用マスクとを接触させる工程を含むことが好ましい。上記態様であると、得られるパターンの解像度により優れる。
活性光線による露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、発光ダイオード(LED)光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レーザー露光など各種方式の露光機を用いることができる。
露光量は、使用する感光性樹脂組成物層に応じ、適宜選択すればよいが、5mJ/cm2〜200mJ/cm2であることが好ましく、10mJ/cm2〜100mJ/cm2であることがより好ましい。
また、露光後にパターンの矩形性、直線性を向上させる目的で、現像前に熱処理を行うことも好ましい。いわゆるPEB(Post Exposure Bake)と呼ばれる工程により、露光時に感光性樹脂組成物層中で生じた定在波によるパターンエッジの荒れを低減することが可能である。
本開示に係る回路配線の製造方法は、露光する工程後の感光性樹脂組成物層を現像してパターンを形成する工程(現像工程)を含むことが好ましい。現像工程における露光された感光性樹脂組成物層の現像は、現像液を用いて行うことができる。
本開示に係る回路配線の製造方法は、パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程(エッチング工程)を含むことが好ましい。
エッチング工程では、現像工程により感光性樹脂組成物層から形成されたパターンを、エッチングレジストとして使用し、基板のエッチング処理を行う。
基板のエッチングは、特開2010−152155号公報の段落0048〜段落0054等に記載の方法、公知のプラズマエッチング等のドライエッチングによる方法など、公知の方法でエッチングを適用することができる。
例えば、エッチングの方法としては、一般的に行われている、エッチング液に浸漬するウェットエッチング法が挙げられる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、エッチングの対象に合わせて酸性タイプ又はアルカリ性タイプのエッチング液を適宜選択すればよい。
アルカリ性タイプのエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン、又は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのような有機アミンの塩等のアルカリ成分単独の水溶液、アルカリ成分と過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
本開示の回路配線の製造方法は、エッチング工程の後に、感光性樹脂組成物層を剥離液を用いて剥離する工程(剥離工程)を含むことが好ましい。エッチング工程の終了後、パターン形成された感光性樹脂組成物層が残存している。感光性樹脂組成物層が不要であれば、残存する全ての感光性樹脂組成物層を除去すればよい。
本開示における露光工程、現像工程及びその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落0035〜段落0051に記載の方法を、本開示においても好適に用いることができる。
本開示に係る回路配線の製造方法は、基材、例えば、基材が有する導電性層の一部又は全ての可視光線反射率を低下させる処理をする工程を含むことが可能である。
可視光線反射率を低下させる処理としては、酸化処理などを挙げることができる。例えば、銅を酸化処理して酸化銅とすることで、黒化することにより、可視光線反射率を低下させることができる。可視光線反射率を低下させる処理の好ましい態様については、特開2014−150118号公報の段落0017〜段落0025、並びに、特開2013−206315号公報の段落0041、段落0042、段落0048及び段落0058に記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
本開示の回路配線の製造方法は、基板上、例えば、形成した回路配線(エッチングされた導電性層)上に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上に新たな導電性層を形成する工程とを含むことも好ましい。
絶縁膜を形成する工程については、特に制限はなく、公知の永久膜を形成する方法を挙げることができる。また、絶縁性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの絶縁膜を形成してもよい。
絶縁膜上に新たな導電性層を形成する工程については、特に制限はない。導電性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの新たな導電性層を形成してもよい。
本開示に係る回路配線は、本開示に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線である。
本開示に係る回路基板は、本開示に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線を有する基板である。
本開示に係る回路基板の用途は限定されないが、例えば、タッチパネル用回路基板であることが好ましい。
本開示に係る回路配線の製造方法により製造される回路配線を備えた装置として、入力装置が挙げられる。
本開示に係る入力装置は、本開示に係る回路配線の製造方法により製造される回路配線を少なくとも有する入力装置であればよく、静電容量型タッチパネルであることが好ましい。
本開示に係る表示装置は、本開示に係る入力装置を備えることが好ましい。本開示に係る表示装置は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、及び、液晶表示装置等の画像表示装置であることが好ましい。
本開示に係るタッチパネルは、本開示に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線を少なくとも有するタッチパネルである。本開示に係るタッチパネルは、透明基板と、電極と、絶縁層又は保護層とを少なくとも有することが好ましい。
本開示に係るタッチパネル表示装置は、本開示に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線を少なくとも有するタッチパネル表示装置であり、本開示に係るタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。
本開示に係るタッチパネル及び本開示に係るタッチパネル表示装置のおける検出方法としては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式、及び、光学方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
ATHF:2−テトラヒドロフラニルアクリレート(合成品)
MATHF:2−テトラヒドロフラニルメタクリレート(合成品)
MAEVE:1−エトキシエチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)
PHSTHF:4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)スチレン(合成品)
PHSEVE:1−エトキシエチルオキシスチレン(合成品)
PHS:パラヒドロキシスチレン(合成品)
CrNv:クレゾールノボラック(構造は下記に示される重合体B−3)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)
HPMA:ヒドロキシプロピルメタクリレート(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルメタクリレート混合物)(東京化成工業(株)製)
AA:アクリル酸(東京化成工業(株)製)
CHA:アクリル酸シクロヘキシル(東京化成工業(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工(株)製)
V−601:ジメチル 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製)
3つ口フラスコにアクリル酸(72.1部、1.0モル当量)、ヘキサン(72.1部)を加え20℃に冷却した。カンファースルホン酸(0.0070部、0.03ミリモル当量)、2−ジヒドロフラン(70.1部、1.0モル当量)を滴下した後に、20℃±2℃で1.5時間撹拌した後、35℃まで昇温して2時間撹拌した。ヌッチェにキョーワード200(水酸化アルミニウム吸着剤、協和化学工業(株)製)、キョーワード1000(ハイドロタルサイト系吸着剤、協和化学工業(株)製)の順に敷き詰めた後、反応液をろ過することでろ過液を得た。得られたろ過液にヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ、0.0012部)を加えた後、40℃で減圧濃縮することで、アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(ATHF)140.8部を無色油状物として得た(収率99.0%)。
3つ口フラスコにメタクリル酸(86.1部、1.0モル当量)、ヘキサン(86.1部)を加え20℃に冷却した。カンファースルホン酸(0.0070部、0.03ミリモル当量)、2−ジヒドロフラン(70.1部、1.0モル当量)を滴下した後に、20℃±2℃で1.5時間撹拌した後、35℃まで昇温して2時間撹拌した。ヌッチェにキョーワード200、キョーワード1000の順に敷き詰めた後、反応液をろ過することでろ過液を得た。得られたろ過液にMEHQ(0.0012部)を加えた後、40℃で減圧濃縮することで、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(MATHF)156.2部を無色油状物として得た(収率98.0%)。
3つ口フラスコに酢酸4−ビニルフェニル(25.0部、0.154モル当量)、酢酸エチル(34.2部)を加え5℃に冷却した。28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(59.5部)を滴下した後に2時間撹拌した。酢酸エチル(100部)、水(200部)、塩化アンモニウム(33.0部)を加え、分液操作を行って有機層を抽出した。得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、40℃で減圧濃縮することで、パラヒドロキシスチレン(PHS)17.0部を黄色油状物として得た(収率91.9%)。
3つ口フラスコにパラヒドロキシスチレン(120.0部、1.0モル当量)、ヘキサン(86.1部)を加え20℃に冷却した。カンファースルホン酸(0.0070部、0.03ミリモル当量)、2−ジヒドロフラン(70.1部、1.0モル当量)を滴下した後に、20℃±2℃で1.5時間撹拌した後、35℃まで昇温して2時間撹拌した。ヌッチェにキョーワード200、キョーワード1000の順に敷き詰めた後、反応液をろ過することでろ過液を得た。得られたろ過液にMEHQ(0.0012部)を加えた後、40℃で減圧濃縮することで、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)スチレン(PHSTHF)186.3部を無色油状物として得た(収率98.0%)。
3つ口フラスコにパラヒドロキシスチレン(120.0部、1.0モル当量)、ヘキサン(86.1部)を加え20℃に冷却した。カンファースルホン酸(0.0070部、0.03ミリモル当量)、エチルビニルエーテル(72.1部、1.0モル当量)を滴下した後に、20℃±2℃で1.5時間撹拌した後、35℃まで昇温して2時間撹拌した。ヌッチェにキョーワード200、キョーワード1000の順に敷き詰めた後、反応液をろ過することでろ過液を得た。得られたろ過液にMEHQ(0.0012部)を加えた後、40℃で減圧濃縮することで、1−エトキシエチルオキシスチレン(PHSEVE)188.2部を無色油状物として得た(収率98.0%)。
3つ口フラスコにPGMEA(75.0部)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。ATHF(39.02部)、HEMA(4.47部)、AA(1.48部)、CHA(55.03部)、V−601(4.1部)、PGMEA(75.0部)を混合した溶液を、90℃±2℃に維持した3つ口フラスコ溶液中に2時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃±2℃にて2時間撹拌することで、重合体A−1(固形分濃度40.0質量%)を得た。
モノマーの種類等を表1に示す通りに変更し、その他の条件については、重合体A−1と同様の方法で合成した。重合体の固形分濃度は40質量%とした。表1の構成単位(モノマーを重合してなるモノマー単位)の含有量の単位は、mol%である。
重合体B−2:ポリパラヒドロキシスチレン、マルカリンカーM S−1(丸善石油化学(株)製)、固形分濃度40質量%のPGMEA溶液。
光酸発生剤C−1:下記に示す構造の化合物(BASF社製、Irgacure PAG−103)
増感剤E−1:下記に示す構造の化合物(川崎化成工業社製、アントラキュアー(登録商標)UVS−1331)、下記構造において「Bu」は、n−ブチル基を表す。
界面活性剤F−1:下記に示す構造の化合物
塩基性化合物D−1:下記に示す構造の化合物(東京化成工業(株)製、CMTU)
[感光性樹脂組成物の調製]
以下の組成で調合し、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過することで、感光性樹脂組成物を得た。
PGMEA 424.5部
重合体A−1 237.0部
光酸発生剤C−1 5.0部
界面活性剤F−1 0.1部
塩基性化合物D−1 0.1部
仮支持体となる厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PET(A)」ともいう。)の上に、感光性樹脂組成物を、スリット状ノズルを用いて乾燥膜厚が3.0μmとなるように塗布した。その後、100℃のコンベクションオーブンで2分間乾燥させ、最後にカバーフィルムとしてポリエチレンフィルム(トレデガー社製、OSM−N)を圧着して感光性転写材料を作製した。
表1に記載のとおり、重合体A−1を重合体A−2〜A−10のいずれかに変更し、光酸発生剤C−1〜C−3のいずれかを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2〜10、12及び13の感光性転写材料を作製した。
感光性樹脂組成物の組成を下記に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例11の感光性転写材料を作製した。
PGMEA 432.0部
重合体A−8 224.5部
光酸発生剤C−4 5.0部
増感剤E−1 5.0部
界面活性剤F−1 0.1部
塩基性化合物D−1 0.1部
感光性樹脂組成物の組成を下記に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例14の感光性転写材料を作製した。
PGMEA 424.5部
重合体A−11 189.6部
重合体B−1 47.4部
光酸発生剤C−1 5.0部
界面活性剤F−1 0.1部
塩基性化合物D−1 0.1部
感光性樹脂組成物の組成を下記に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例15の感光性転写材料を作製した。
PGMEA 424.5部
重合体A−11 213.3部
重合体B−2 23.7部
光酸発生剤C−1 5.0部
界面活性剤F−1 0.1部
塩基性化合物D−1 0.1部
光酸発生剤C−1を光酸発生剤C−3に変更した以外は実施例15と同様にして、実施例16の感光性転写材料を作製した。
重合体B−2を重合体B−3に変更した以外は実施例15と同様にして、実施例17の感光性転写材料を作製した。
重合体A−11を重合体A−18に変更した以外は実施例14と同様にして、実施例18の感光性転写材料を作製した。
重合体A−1を表1に記載のとおり重合体A−11〜A−17のいずれかに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1〜7の感光性転写材料を作製した。
感光性樹脂組成物の組成を下記に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例8の感光性転写材料を作製した。
PGMEA 424.5部
重合体A−11 142.2部
重合体B−1 94.8部
光酸発生剤C−1 5.0部
界面活性剤F−1 0.1部
塩基性化合物D−1 0.1部
感光性樹脂組成物の組成を下記に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例9の感光性転写材料を作製した。
PGMEA 424.5部
重合体A−11 189.6部
重合体B−2 47.4部
光酸発生剤C−1 5.0部
界面活性剤F−1 0.1部
塩基性化合物D−1 0.1部
重合体B−2を重合体B−3に変更した以外は比較例9と同様にして、比較例10の感光性転写材料を作製した。
厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に厚さ500nmでスパッタ法にて銅層を作製した銅層付きPET基板を使用し、以下の評価を行った。
作製した感光性転写材料を50cm角にカットし、カバーフィルムを剥がして、ロール温度90℃、線圧0.6MPa、線速度3.6m/minのラミネート条件で銅層付きPET基板にラミネートした。感光性樹脂組成物層が銅層に密着する面積を測定し、感光性樹脂組成物層が密着した面積/カットした転写材料の面積により密着した面積割合(%)を求めた。
5:95%以上
4:90%以上95%未満
3:85%以上90%未満
2:80%以上85%未満
1:80%未満
作製した感光性転写材料を、線圧0.6MPa、線速度(ラミネート速度)3.6m/minのラミネート条件で銅層付きPET基板にラミネートした。ロール温度90℃で転写性評価が4以下の場合、転写性評価が5判定になるまでロール温度を上げて試料を作製した。
仮支持体を剥離せずに線幅3μm〜20μmのラインアンドスペースパターン(Duty比 1:1)マスクを介して超高圧水銀灯で露光後、23℃で6時間引き置いた後に仮支持体を剥離して現像した。現像は28℃の1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、シャワー現像で40秒間行った。上記方法にて10μmのラインアンドスペースパターンを形成し、ライン幅とスペース幅の比が1:1になる露光量を求め、その露光量における、5μmのラインアンドスペースパターンの先端の変形量を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、画素変形の評価を行った。3以上が実用可能レベルである。
5:画素の変形が観察されない。
4:画素の変形が0.5μm未満である。
3:画素の変形が0.5μm以上1.0μm未満である。
2:画素の変形が1.0μm以上3.0μm未満である。
1:画素の変形が3.0μm以上であるか、又は、画素が残っていない。
作製した感光性転写材料を、線圧0.6MPa、線速度(ラミネート速度)3.6m/minのラミネート条件で銅層付きPET基板にラミネートした。ロール温度90℃で転写性評価が4以下の場合、転写性評価が5判定になるまでロール温度を上げて試料を作製した。
仮支持体を剥離し、28℃の1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、40秒間の現像時間でシャワー現像を行った。現像前の膜厚に対する現像後の膜厚の比率を求め、残膜率の評価を行った。残膜率が高いほど、現像液に対して未露光部が溶解しにくいことを意味する。
5:98%以上
4:90%以上98%未満
3:80%以上90%未満
2:50%以上80%未満
1:50%未満
100μm厚のPET基材上に、第2層の導電性層として酸化インジウムスズ(ITO)をスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に第1層の導電性層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成基板とした。
銅層上に実施例1で得た感光性転写材料をラミネートした(線圧0.8MPa、線速度3.0m/min、ロール温度90℃)。仮支持体を剥離せずに一方向に導電性層パッドが連結された構成を持つ図2に示すパターン(以下、「パターンA」という。)を設けたフォトマスクを用いてコンタクトパターン露光した。図2に示すパターンAは、実線部SL及びグレー部Gが遮光部であり、点線部DLはアライメント合わせの枠を仮想的に示したものである。
その後、仮支持体を剥離し、現像及び水洗を行ってパターンAを得た。次いで、銅エッチング液(関東化学(株)製Cu−02)を用いて銅層をエッチングした後、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO−02)を用いてITO層をエッチングすることで、銅(実線部SL)とITO(グレー部G)とが共にパターンAで描画された基板を得た。
その後、Cu−02を用いて銅層をエッチングし、残った感光性樹脂組成物層を剥離液(関東化学(株)製KP−301)を用いて剥離し、回路配線基板を得た。
これにより、回路配線基板を得た。顕微鏡で観察したところ、剥がれや欠けなどは無く、きれいなパターンであった。
Claims (12)
- 仮支持体;及び、
カルボキシ基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位(a−1)又はフェノール性水酸基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位(a−2)を有する重合体を含む重合体成分と、光酸発生剤とを含有する化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物層;を有し、
前記重合体成分が、フェノール性水酸基を有する構成単位(b−1)及びアルコール性水酸基を有する構成単位(b−2)の少なくとも一方を有し、且つ架橋性基を有する構成単位を有さず、
前記重合体成分の全構成単位に占める前記構成単位(b−1)の割合と前記構成単位(b−2)の割合との合計が5モル%以上18モル%以下である、感光性転写材料。
ただし、前記重合体成分が前記構成単位(a−1)を有する重合体を含まない場合、前記構成単位(b−1)の割合を前記合計に含めない。 - 前記重合体成分が、更に、環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を有する、請求項1に記載の感光性転写材料。
- 前記環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位が、炭素数4以上8以下の環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位である、請求項2に記載の感光性転写材料。
- 前記重合体成分の酸価が60mgKOH/g以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
- 前記重合体成分のガラス転移温度が90℃以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
- 前記重合体成分のガラス転移温度が60℃以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
- 前記重合体成分のガラス転移温度が40℃以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
- 基板に対し、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の感光性転写材料の前記化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物層を前記基板に接触させて貼り合わせる工程と、
前記貼り合わせる工程後の前記感光性転写材料の前記化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物層をパターンに露光する工程と、
前記露光する工程後の前記化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物層を現像してパターンを形成する工程と、
前記パターンが配置されていない領域における前記基板をエッチング処理する工程と、
をこの順に含む、回路配線の製造方法。
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