JP5524036B2 - ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、液晶表示装置、及び、有機el表示装置 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、液晶表示装置、及び、有機el表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、液晶表示装置、及び、有機EL表示装置に関する。
有機EL表示装置や液晶表示装置などには、パターン形成された層間絶縁膜が設けられている。この層間絶縁膜の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なく、しかも十分な平坦性が得られるといったことから、感光性樹脂組成物が広く使用されている。表示装置における層間絶縁膜には、絶縁性、耐溶剤性、耐熱性、及び、酸化インジウムスズ(ITO)スパッタ適性に優れるといった硬化膜の物性に加えて、高い透明性が望まれている。このため、透明性に優れたアクリル系樹脂を膜形成成分として用いることが試みられている。
このような感光性樹脂組成物として、例えば、特許文献1には、ラジカル重合性(フッ素化)炭化水素、不飽和カルボン酸、及びカルボキシ基と反応し架橋を形成しうる官能基を有するラジカル重合性化合物に由来する構造単位を含む共重合体と、感放射線性酸発生剤とを含む組成物が提案されている。
特許文献2には、アセタール構造及び/又はケタール構造、エポキシ構造を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が2000以上である高分子量体と、特定の感放射性酸発生剤とを含む組成物が提案されている。
特許文献3には、アセタール構造及び/又はケタール構造、カルボン酸のt−ブチル構造を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が2000以上である高分子量体と、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物とを含む組成物が提案されている。
特許文献4には、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂と、感放射線性酸発生剤とを含む組成物が提案されている
また、特許文献5には、特定の酸解離性基を有する構成単位と、カルボキシル基と反応して共有結合を形成し得る官能基を有する構成単位とを含有し、アルカリ不溶性若しくはアルカリ難溶性であり、且つ、当該酸解離性基が解離したときにアルカリ可溶性となる樹脂、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、を少なくとも含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物が記載されている。
一方、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバコネクタの光学系材料として3〜100μm程度のレンズ径を有するマイクロレンズ、又はそれらのマイクロレンズを規則的に配列したマイクロレンズアレイが使用されている。
マイクロレンズ又はマイクロレンズアレイの形成には、レンズに相当するレジストパターンを形成した後、加熱処理することによってメルトフローさせ、そのままレンズとして利用する方法や、メルトフローさせたレンズパターンをマスクにしてドライエッチングにより下地にレンズ形状を転写させる方法等が知られている。前記レンズパターンの形成には、感光性樹脂組成物が幅広く使用されている(例えば、特許文献6及び7参照。)。
特開2005−248129号公報 特開平10−26829号公報 特開2004−264623号公報 特開2007−65488号公報 特開2009−98616号公報 特開平6−18702号公報 特開平6−136239号公報
感光性樹脂組成物により、層間絶縁膜等に適用される硬化膜を形成するに際しては、高感度であることの他にも、現像時における残渣の発生が抑制されること、及び形成された硬化膜表面が平滑であることが要求される。
しかしながら、従前の感光性樹脂組成物は、感度、残渣の抑制、硬化膜表面の平滑性について、その総てを満足するものではなく、更なる改良が望まれているのが現状である。
本発明は、上記従来における状況に鑑みなされたものであり、以下の課題を解決するものである。
即ち、本発明の課題は、高い感度を有し、現像時における残渣の発生が抑制され、且つ、平滑性に優れた表面を有する硬化膜を形成しうるポジ型感光性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の別の課題は、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を形成する方法、及び該硬化膜の形成方法により形成された硬化膜、該硬化膜を用いた層間絶縁膜を提供することにあり、並びに、該硬化膜を具備した液晶表示装置及び有機EL表示装置提供することにある。
前記課題は以下の手段で解決される。
<1> 樹脂(A)及び感放射線酸発生剤(B)を含み、前記樹脂(A)が、有機概念図に基づく無機性値(I)を有機性値(O)で除したI/O値が0.6以上0.8以下であり、酸価が5mgKOH/g以上110mgKOH/g以下であり、且つ、酸分解性基で保護された酸基、酸基、及び架橋性基を有する樹脂であるポジ型感光性樹脂組成物。
<2> 前記(A)樹脂が、I/O値が0.6以上0.8以下であり、且つ酸価が20mgKOH/g以上70mgKOH/g以下の樹脂である前記<1>に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<3> 前記酸基が、カルボキシル基又はフェノール性水酸基である前記<1>又は<2>に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<4> 前記酸分解性基で保護された酸基が、酸の作用によりカルボキシ基又はフェノール性水酸基を生じる基である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<5> 前記酸基がカルボキシ基であり、且つ、前記酸分解性基で保護された酸基が酸の作用によりカルボキシ基を生じる基である前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<6> 前記架橋基が、エポキシ基又はオキセタニル基である前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<7> 前記樹脂(A)が、酸分解性基で保護された酸基を含有するラジカル重合性化合物、不飽和カルボン酸、及びエポキシ基又はオキセタニル基を含有するラジカル重合性化合物に由来する構造単位を含む共重合体である前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<8> 前記エポキシ基又はオキセタニル基を含有するラジカル重合性化合物が、オキセタニル基を含有するラジカル重合性化合物である前記<7>に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<9> 前記樹脂(A)が、更に、水酸基含有不飽和カルボン酸エステル、脂環構造含有不飽和カルボン酸エステル、スチレン、及びN置換マレイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位を含む共重合体である前記<7>又は<8>に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<10> 前記感放射線酸発生剤(B)が、オキシムスルホネート基を有する化合物である前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<11> 前記感放射線酸発生剤(B)が、下記一般式(OS−3)で表される化合物である前記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
一般式(OS−3)中、Rは、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、複数存在するRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はハロゲン原子を表し、複数存在しうるRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、又はアルコキシスルホニル基を表し、XはO又はSを表し、nは1又は2を表し、mは0〜6の整数を表す。
<12> ポジ型感光性樹脂組成物の全固形分に対し、前記樹脂(A)を60質量%〜95質量%の範囲で含み、且つ、前記感放射線酸発生剤(B)を0.1質量%〜10質量%の範囲で含む前記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<13> 更に、架橋剤を含む前記<1>〜<11>に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<14> ポジ型感光性樹脂組成物の全固形分に対し、前記樹脂(A)を40質量%〜70質量%の範囲で含み、前記感放射線酸発生剤(B)を0.1質量〜10質量%の範囲で含み、且つ前記架橋剤を3質量〜40質量%の範囲で含む前記<13>に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<15> 前記<1>〜<13>のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を、光及び熱の少なくとも一方を付与して硬化させた硬化膜。
<16> (1)前記<1>〜<13>のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程、
(2)塗布されたポジ型感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶媒除去工程、
(3)溶剤を除去されたポジ型感光性樹脂組成物を活性放射線で露光する露光工程、
(4)露光されたポジ型感光性樹脂組成物を水性現像液で現像する現像工程、及び、
(5)現像されたポジ型感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程、
を含む硬化膜の形成方法。
<17> 前記露光工程における露光後に、加熱処理を行わずに、前記現像工程を行う前記<15>に記載の硬化膜の製造方法。
<18> 前記<16>又は<17>に記載の硬化膜の形成方法により形成された硬化膜。
<19> 層間絶縁膜である前記<15>又は<18>に記載の硬化膜。
<20> 前記<15>又は<18>に記載の硬化膜を具備する液晶表示装置。
<21> 前記<15>又は<18>に記載の硬化膜を具備する有機EL表示装置。
本発明によれば、高い感度を有し、現像時における残渣の発生が抑制され、且つ、平滑性に優れた表面を有する硬化膜を形成しうるポジ型感光性樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を形成する方法、及び該硬化膜の形成方法により形成された硬化膜、該硬化膜を用いた層間絶縁膜を提供することにあり、並びに、該硬化膜を具備した液晶表示装置及び有機EL表示装置提供することができる。
本発明の感光性樹脂組成物を用いた有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。 本発明の感光性樹脂組成物を用いた液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。
<ポジ型感光性樹脂組成物>
以下、本発明のポジ型感光性樹脂組成物(以下、適宜「感光性樹脂組成物」と称する。)について詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂(A)及び感放射線酸発生剤(B)(以下、適宜「酸発生剤」と称する。)を含み、前記樹脂(A)が、有機概念図に基づく無機性値(I)を有機性値(O)で除したI/O値が0.6以上0.8以下であり、酸価が5mgKOH/g以上110mgKOH/g以下であり、且つ、酸分解性基で保護された酸基、酸基、及び架橋性基を有する樹脂(以下、適宜「特定樹脂」と称する。)であることを特徴とする。
本発明の感光性樹脂組成物は、特定樹脂及び酸発生剤を含有することにより、感度に優れたものとなる。また、本発明の感光樹脂組成物は、現像時における残渣の発生が抑制され、且つ、平滑性に優れた表面を有する硬化膜を形成しうる。
ここで、本発明において「残渣」とは、感光性樹脂組成物を用いてパターン状の硬化膜を形成した際において、該パターン状の硬化膜端部の周縁に存在する残膜を意味する。
また、硬化膜表面の平滑性は、硬化膜表面の表面粗さ(Ra)をその指標とするものであり、以下では「表面あれ」とも称する場合がある。なお、本明細書における硬化膜表面の表面粗さ(Ra)は、触針式表面粗さ計「P10」(Tencor社製)により測定した値である。
本発明の感光性樹脂組成物により得られる硬化膜は、液晶表示装置や有機EL表示装置が備える層間絶縁膜、平坦化膜などとして好適に用いることができる。
液晶表示装置や有機EL表示装置が備える絶縁膜が平滑性に劣る場合、該絶縁膜上に積層するITO電極の電気抵抗が上昇したり、該絶縁膜上に積層した液晶層中の液晶配向が乱れるといった弊害が発生することがある。この点、本発明の感光性樹脂組成物により得られる硬化膜は、表面の平滑性に優れる(表面あれが無い)ことから、かかる弊害の発生が効果的に抑制される。
また、本発明の感光性組成物は、現像時の残渣の発生についても抑制されることから、良好な形状のパターン状の硬化膜形成が可能となる。このことは、例えば、コンタクトホール等を形成する場合において特に有用である。
本発明の感光性樹脂組成物は、化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物(化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物)であることが好ましい。
以下、本発明の感光性樹脂組成物を構成する特徴的な成分である特定樹脂及び酸発生剤について説明する。
なお、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本発明に使用する共重合体が含有する構造単位を導入する方法は、重合法でもよく、高分子反応法でもよい。重合法では、所定の官能基を含有するモノマーを予め合成した後に、これらのモノマーを共重合する。高分子反応法では、重合反応を行った後に、得られた共重合体の構造単位に含まれる反応性基を利用して必要な官能基を構造単位中に導入する。ここで、官能基としては、カルボキシ基又はフェノール性水酸基等の酸基を保護すると同時に強酸の存在下で分解しこれらを遊離するための保護基、エポキシ基又はオキセタニル基などの架橋性基、また、フェノール性水酸基やカルボキシ基のようなアルカリ可溶性基(酸基)等が例示できる。
(特定樹脂)
本発明の感光性樹脂組成物が含有する特定樹脂は、有機概念図に基づく無機性値(I)を有機性値(O)で除したI/O値が0.6以上0.8以下であり、酸価が5mgKOH/g以上110mgKOH/g以下であり、且つ、酸分解性基で保護された酸基、酸基、及び架橋性基を有する樹脂である。
特定樹脂は、感光性樹脂組成物中に、1種のみ含有されていてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明者らは、感光性樹脂組成物に含有される樹脂が示すI/O値及び酸価の関係と、該樹脂が有する特定の部分構造とに着目し、特定の範囲内のI/O値及び酸価を示し、且つ、酸分解性基で保護された酸基、酸基、及び架橋性基を有する樹脂である特定樹脂の含有が、感光性樹脂組成物の高感度化、現像時における残渣の発生抑制、及び形成された硬化膜表面における平滑性の総てを達成しうることを見出したものである。
特定樹脂は、I/O値が0.6以上0.8以下であり、且つ酸価が5mgKOH/g以上110mgKOH/g以下のものであり、I/O値が0.6以上0.8以下であり、且つ酸価が20mgKOH/g以上70mgKOH/g以下のものが好ましい。
ここで、I/O値とは、無機性値/有機性値とも称される各種有機化合物の極性を有機概念的に取り扱った値であり、各官能基にパラメータを設定する官能基寄与法の一つである。
前記I/O値については、有機概念図(甲田善生 著、三共出版(1984));KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725項(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111項(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82項(1981年);などの文献に詳細な説明がある。
I/O値の概念は、化合物の性質を、共有結合性を表す有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、全ての有機化合物を有機軸、無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけて示すものである。
前記無機性値とは、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近でとると約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて各種置換基あるいは各種結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性値となる。例えば、−COOH基の無機性値は150であり、2重結合の無機性値は2である。したがって、ある種の有機化合物の無機性値とは、化合物が有している各種置換基や結合等の無機性値の総和を意味する。
また、前記有機性値とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準にして定めたものである。即ち、直鎖飽和炭化水素化合物の炭素数5〜10付近で炭素1個が加わることによる沸点上昇の平均値は20℃であるから、これを基準に炭素原子1個の有機性値を20と定め、これを基礎として各種置換基や結合等の沸点への影響力を数値化した値が有機性値となる。例えば、ニトロ基(−NO)の有機性値は70である。
I/O値は、0に近いほど非極性(疎水性、有機性が大きい)の有機化合物であることを示し、値が大きいほど極性(親水性、無機性が大きい)の有機化合物であることを示す。
以下、I/O値の計算方法の一例を示す。
メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン共重合体(共重合モル比:2/5/3)のI/O値は、以下に示す方法により該共重合体の無機性値及び有機性値を計算し、下記式より求めることができる。
I/O値=(共重合体の無機性値)/(共重合体の有機性値)
前記共重合体の無機性値は、(メタクリル酸の無機性値)×(メタクリル酸のモル比)と、(メタクリル酸メチルの無機性値)×(メタクリル酸メチルのモル比)と、(スチレンの無機性値)×(スチレンのモル比)との合計を求めることにより算出される。
メタクリル酸はカルボキシ基を1個有し、メタクリル酸メチルはエステル基を1個有し、スチレンは芳香環を1個有するため、前記メタクリル酸の無機性値は、150(カルボキシル基の無機性値)×1(カルボキシ基の個数)=150、前記メタクリル酸メチルの無機性値は、60(エステル基の無機性値)×1(エステル基の個数)=60、前記スチレンの無機性値は、15(芳香環の無機性値)×1(芳香環の個数)=15である。
よって、前記共重合体の無機性値は、150×2(メタクリル酸のモル比)+60×5(メタクリル酸メチルのモル比)+15×3(スチレンのモル比)より645である。
前記共重合体の有機性値は、(メタクリル酸の有機性値)×(メタクリル酸のモル比)と、(メタクリル酸メチルの有機性値)×(メタクリル酸メチルのモル比)と、(スチレンの有機性値)×(スチレンのモル比)との合計を求めることにより算出される。
メタクリル酸は炭素原子4個を有し、メタクリル酸メチルは炭素原子5個を有し、スチレンは炭素原子8個を有するため、前記メタクリル酸の有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×4(炭素原子数)=80、前記メタクリル酸メチルの有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×5(炭素原子数)=100、前記スチレンの有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×8(炭素原子数)=160である。
よって、前記共重合体の有機性値は、80×2(メタクリル酸のモル比)+100×5(メタクリル酸メチルのモル比)+160×3(スチレンのモル比)より1140である。
以上から、前記メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン共重合体のI/O値は、645(該共重合体の無機性値)/1140(該共重合体の有機性値)=0.566である。 このようにI/O値と樹脂を構成するモノマーとその組成比には密接な関係がある。
本明細書におけるI/O値は、前述した計算方法により計算した値である。
また、本明細書における酸価は、特定樹脂を溶媒に溶かして、0.1N NaOH溶液により滴定して得られた値である。
感光性樹脂組成物が特定樹脂を1種含有する場合には、当該1種の特定樹脂が示すI/O値及び酸価を、特定樹脂のI/O値及び酸価とする。また、感光性樹脂組成物が特定樹脂を2種以上含有する場合には、それぞれの特定樹脂のI/O値および酸価に質量分率をかけて、合算した値とする。
特定樹脂が示すI/O値を制御する方法としては、例えば、ヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基などの無機性値の大きい基の樹脂中の割合を増やすことでI/O値を上げることができ、ジシクロペンタニル基やドデシル基などの有機性値の大きい基の樹脂中の割合を増やすことでI/O値を下げることができる。
特定樹脂の酸価を制御する方法としては、例えば、カルボキシ基、フェノール性水酸基などの酸基の樹脂中の割合を増やすことで酸価を上げられ、酸基の樹脂中の割合を減らすことで酸価を下げることができる。
以下に、特定樹脂が有する部分構造である、酸分解性基で保護された酸基、酸基、及び架橋性基について詳細に説明する。
〔酸分解性基で保護された酸基〕
特定樹脂は、酸分解性基で保護された酸基を有する。
特定樹脂が有する酸分解性基で保護された酸基は、酸によりカルボキシ基を生成する下記一般式(Ia)で表される部分構造及び酸によりフェノール性水酸基を生成する下記一般式(Ib)で表される部分構造の少なくとも一方を有する構造単位(a1)(以下、適宜「構造単位(a1)」と称する。)、及び、酸によりカルボキシ基を生成する下記一般式(IIa)で表される部分構造及び酸によりフェノール性水酸基を生成する下記一般式(IIb)で表される部分構造の少なくとも一方を有する構造単位(a2)(以下、適宜「構造単位(a2)」と称する。)により、特定樹脂中に含まれることが好ましい。
一般式(Ia)〜(IIb)中、Rはアルキル基又はシクロアルキル基を表し、Rはアルキル基を表す。Rは第三級アルキル基、2−テトラヒドロピラニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基を表し、Rは第三級アルキル基、tert−ブトキシカルボニル基、2−テトラヒドロピラニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基を表す。Ar及びArは、アリール基を表し、波線部分は他の構造との結合箇所を表す。
特定樹脂が有する酸分解性基で保護された酸基としては、前記構造単位(a1)及び構造単位(a2)のいずれか一方を少なくとも1種含むことが好ましく、構造単位(a1)及び構造単位(a2)の両方を含んでいてもよい。
これらのうち、一般式(Ia)で表される部分構造又は一般式(Ib)で表される部分構造が好ましく、更に一般式(Ia)で表される部分構造が好ましい。
本発明において、特定樹脂は、アルカリ不溶性であり、かつ、酸分解性基が分解したときにアルカリ可溶性となる樹脂であることが好ましい。
ここで、本発明において「アルカリ可溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒以上であることをいい、「アルカリ不溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒未満であることをいう。
本発明における特定樹脂のアルカリ溶解速度は0.005μm/秒未満であることがより好ましい。また、特定樹脂の酸分解性基が分解したときには、アルカリ溶解速度は0.05μm/秒以上であることが好ましい。
本発明における特定樹脂は、アクリル系重合体であることが好ましい。
本発明における「アクリル系重合体」は、付加重合型の樹脂であり、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構造単位を含む重合体であり、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構造単位以外の構造単位、例えば、スチレン類に由来する構造単位やビニル化合物に由来する構造単位等を有していてもよい。
特定樹脂は、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構造単位を、重合体における全構造単位に対し、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構造単位のみからなる重合体であることが特に好ましい。
なお、「(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構造単位」を「アクリル系構造単位」ともいう。また、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸及びアクリル酸を総称するものである。
<<構造単位(a1)>>
酸によりカルボキシ基を生成する一般式(Ia)で表される部分構造、及び酸によりフェノール性水酸基を生成する一般式(Ib)で表される部分単位の少なくとも一方を有する構造単位(a1)について、さらに詳細に説明する。
一般式(Ia)及び一般式(Ib)中、Rはアルキル基又はシクロアルキル基を表す。Rにおけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。
におけるアルキル基の好ましい炭素数としては、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜7であることが更に好ましい。
におけるシクロアルキル基の好ましい炭素数としては、3〜20であることが好ましく、3〜10であることがより好ましく、5〜7であることが更に好ましい。
なお、これら炭素数は、置換基を有する場合、置換基の炭素数も含まれる。
におけるアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
におけるシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
また、Rにおけるアルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
前記アルキル基及びシクロアルキル基における置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基等が例示でき、これらの置換基は、上記置換基で更に置換されていてもよい。
また、Rにおけるアルキル基又はシクロアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数が3〜10のシクロアルキル基、又は、炭素数が7〜11のアラルキル基が好ましく、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が3〜6のシクロアルキル基、又は、ベンジル基がより好ましく、エチル基又はシクロヘキシル基であることが更に好ましく、エチル基であることが特に好ましい。
一般式(Ia)及び一般式(Ib)中、Rはアルキル基を表す。Rにおけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。
におけるアルキル基の好ましい炭素数としては、1〜20であり、1〜10であることがより好ましく、1〜7であることが更に好ましい。なお、これら炭素数は、置換基を有する場合、置換基の炭素数も含まれる。
また、Rにおけるアルキル基としては、メチル基が特に好ましい。
一般式(Ib)中、Arは二価の芳香族基を表し、Arにおける二価の芳香族基としては、特に制限はなく、フェニレン基、置換フェニレン基、ナフチレン基、及び、置換ナフチレン基等が例示でき、フェニレン基、又は、置換フェニレン基であることが好ましく、フェニレン基であることがより好ましく、1,4−フェニレン基であることが更に好ましい。
また、Arにおける二価の芳香族基は、芳香環上に置換基を有していてもよく、置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基等が例示でき、これらの置換基は、上記置換基で更に置換されていてもよい。
構造単位(a1)では、カルボキシ基又はフェノール性水酸基が保護された構造である前記一般式(Ia)及び一般式(Ib)で表される部分構造の少なくとも一方を含有することが好ましい。
カルボキシ基が保護されることにより、前記一般式(Ia)で表される部分構造を含む構造単位(a1)を形成しうるカルボン酸モノマーとしては、カルボキシ基が保護されることにより構造単位(a1)となり得るカルボン酸モノマーであれば用いることができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−メチル−p−カルボキシスチレン等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸を挙げることができる。また、構造単位(a1)としては、これらカルボキシ基が保護されたカルボン酸由来の構造単位を好ましいものとして挙げることができる。
フェノール性水酸基が保護されることにより、前記一般式(Ib)で表される部分構造を含む構造単位(a1)形成しうるフェノール性水酸基を有するモノマーとしては、フェノール性水酸基が保護されることにより構造単位(a1)となり得るものであれば用いることができ、例えば、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類、特開2008−40183号公報の段落〔0011〕〜〔0016〕に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落〔0007〕〜〔0010〕に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物等を好ましいものとして挙げることができる。
これらの中でも、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、特開2008−40183号公報の段落〔0011〕〜〔0016〕に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落〔0007〕〜〔0010〕に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物がより好ましい。
構造単位(a1)として特に好ましいものは、下記一般式(III)で表される構造単位である。
一般式(III)中、Rはアルキル基又はシクロアルキル基を表し、Rの好ましい態様は、一般式(Ia)及び一般式(Ib)におけるRの好ましい態様と同じである。
また、一般式(III)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
一般式(III)で表される構造単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の好ましい具体例としては、例えば、1−エトキシエチルメタクリレート、1−エトキシエチルアクリレート、1−メトキシエチルメタクリレート、1−メトキシエチルアクリレート、1−n−ブトキシエチルメタクリレート、1−n−ブトキシエチルアクリレート、1−イソブトキシエチルメタクリレート、1−イソブトキシエチルアクリレート、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチルメタクリレート、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチルアクリレート、1−n−プロポキシエチルメタクリレート、1−n−プロポキシエチルアクリレート、1−シクロヘキシルオキシエチルメタクリレート、1−シクロヘキシルオキシエチルアクリレート、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチルメタクリレート、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチルアクリレート、1−ベンジルオキシエチルメタクリレート、1−ベンジルオキシエチルアクリレートなどを挙げることができ、特に好ましいものとしては、1−エトキシエチルメタクリレート及び1−エトキシエチルアクリレートである。これらのモノマーは、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
構造単位(a1)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、下記に示すように(メタ)アクリル酸を酸触媒の存在下でビニルエーテル化合物と反応させることにより合成することができる。
ここで、R及びRは、それぞれ、一般式(III)におけるR及びRと同義である。
また、構造単位(a1)は、保護されるカルボキシ基又はフェノール性水酸基含有モノマーを後述する構造単位(a2)〜(a5)やその前駆体と重合した後に、カルボキシ基又はフェノール性水酸基をビニルエーテル化合物と反応させることによっても形成することができる。なお、このようにして形成される好ましい構造単位の具体例は、上記ラジカル重合性単量体の好ましい具体例由来の構造単位と同様である。
構造単位(a1)の好ましい具体例としては、下記の構造単位が例示できる。
特定樹脂を構成する全構造単位中、構造単位(a1)の含有量は、10〜80モル%が好ましく、15〜70モル%が更に好ましく、20〜60モル%が特に好ましい。構造単位(a1)を上記の割合で含有させることにより、高感度でかつ露光ラチチュードが広い感光性樹脂組成物が得られる。
<<構造単位(a2)>>
酸によりカルボキシ基を生成する下記一般式(IIa)で表される部分構造及び酸によりフェノール性水酸基を生成する下記一般式(IIb)で表される部分構造部分単位の少なくとも一方を有する構造単位(a2)について、さらに詳細に説明する。
一般式(IIa)及び一般式(IIb)中、Rは第三級アルキル基、2−テトラヒドロピラニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基を表し、Rは第三級アルキル基、tert−ブトキシカルボニル基、2−テトラヒドロピラニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基を表し、Arは二価の芳香族基を表し、波線部分は他の構造との結合箇所を表す。
及びRにおける第三級アルキル基としては、炭素数が4〜20のものが好ましく、炭素数が4〜14のものがより好ましく、炭素数が4〜8のものが更に好ましい。
における第三級アルキル基、2−テトラヒドロピラニル基、及び2−テトラヒドロフラニル基、Rにおける第三級アルキル基、tert−ブトキシカルボニル基、2−テトラヒドロピラニル基、及び2−テトラヒドロフラニル基、Arにおける二価の芳香族基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基等が例示できる。これらの置換基は、上記置換基で更に置換されていてもよい。
また、R及びRにおける第三級アルキル基としては、以下に示す一般式(V)で表される基よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
−C(R1011) (V)
一般式(V)中、R、R10及びR11はそれぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を表し、また、R、R10及びR11のいずれか2つが互いに結合してそれらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
一般式(V)におけるR、R10及びR11の炭素数1〜12のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基(2,3−ジメチル−2−ブチル基)、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
、R10及びR11の炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。
炭素数7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
また、R、R10及びR11は互いに結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成することができる。RとR10、RとR11、又は、R10とR11がそれぞれ結合した場合の環構造としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロフラニル基、アダマンチル基、及び、テトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
また、一般式(IIa)におけるRは、炭素数4〜12の第三級アルキル基、2−テトラヒドロピラニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基であることが好ましく、炭素数4〜8の第三級アルキル基、2−テトラヒドロピラニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基であることがより好ましく、t−ブチル基又は2−テトラヒドロピラニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基であることが更に好ましく、t−ブチル基又は2−テトラヒドロフラニル基が特に好ましい。
また、一般式(IIb)におけるRは、炭素数4〜12の第三級アルキル基、2−テトラヒドロピラニル基、tert−ブトキシカルボニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基であることが好ましく、炭素数4〜12の第三級アルキル基、2−テトラヒドロピラニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基であることがより好ましく、t−ブチル基、2−テトラヒドロピラニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基であることが更に好ましく、2−テトラヒドロピラニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基が特に好ましい。
一般式(IIb)中、Arは、二価の芳香族基を表し、芳香環上に−OCH(OR)(R)を有している。
一般式(IIb)におけるArの好ましい態様は、前記一般式(IIa)におけるArの好ましい態様と同様である。
本発明における構造単位(a2)では、前記一般式(IIa)で表される保護されたカルボキシ基、及び/又は、前記一般式(IIb)で表される保護されたフェノール性水酸基を含有する。
カルボキシ基が保護されることにより、前記一般式(IIa)で表される部分構造を有する構造単位(a2)を形成することができるカルボン酸モノマーとしては、カルボキシ基が保護されることにより構造単位(a2)となり得るものであれば用いることができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−メチル−p−カルボキシスチレン等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸を挙げることができる。また、構造単位(a2)としては、これらカルボキシ基が保護されたカルボン酸由来の構造単位を好ましいものとして挙げることができる。
フェノール性水酸基が保護されることにより、前記一般式(IIb)で表される部分構造を有する構造単位(a2)を形成することができるフェノール性水酸基を有するモノマーとしては、フェノール性水酸基が保護されることにより構造単位(a2)となり得るものであれば用いることができる。例えば、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類、特開2008−40183号公報の段落0011〜0016に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落0007〜0010に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物等を好ましいものとして挙げることができる。
これらの中でも、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、特開2008−40183号公報の段落〔0011〕〜〔0016〕に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落〔0007〕〜〔0010〕に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物がより好ましい。
構造単位(a2)として特に好ましいものは、下記一般式(IV)で表される構造単位である。
一般式(IV)中、Rは第三級アルキル基、2−テトラヒドロピラニル基、又は2−テトラヒドロフラニル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。
なお、一般式(IV)中、Rの好ましい態様は、一般式(IIa)におけるRの好ましい態様と同様である。
一般式(IV)で表される構造単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の好ましい具体例としては、例えば、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル、アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、メタクリル酸1−メチルシクロヘキシル、アクリル酸1−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル、アクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル等を挙げることができ、特にメタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル、アクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イルが好ましい。これらのラジカル重合性単量体に由来する構造単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせることができる。
構造単位(a2)の好ましい具体例としては、下記の構造単位が例示できる。
特定樹脂を構成する全構造単位中、構造単位(a2)の含有量は、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%が更に好ましく、10〜40モル%が特に好ましい。構造単位(a2)を上記の割合で含有させることにより、高感度でかつ露光ラチチュードが広い感光性樹脂組成物が得られる。
<架橋性基>
特定樹脂は、架橋性基を含む。
架橋性基としては、前述した酸基と反応して共有結合を形成するもの、架橋性基同士で熱や光の作用により共有結合を形成するものであればいずれでもよい。
酸基と反応して共有結合を形成するものとしてはエポキシ基又はオキセタニル基を有する構造単位(a3)が好ましく、架橋性基同士で熱や光の作用により共有結合を形成するものとしては炭素―炭素二重結合が好ましい。これらの架橋性基の中でも、酸基と反応して共有結合を形成するものが好ましい。
架橋性基は、特に、エポキシ基又はオキセタニル基を有する構造単位(a3)(以下、適宜「構造単位(a3)」と称する。)として、特定樹脂に含まれることが好ましい。
構造単位(a3)としては、エポキシ基とオキセタニル基の両方の基を含んでもよい。
前記エポキシ基又はオキセタニル基を有する構造単位(a3)としては、脂環式エポキシ基又はオキセタニル基を有する構造単位であることが好ましく、オキセタニル基を有する構造単位であることがより好ましい。
脂環式エポキシ基は、脂肪族環とエポキシ環とが縮合環を形成している基であり、具体的には例えば、3,4−エポキシシクロヘキシル基、2,3−エポキシシクロヘキシル基、2,3−エポキシシクロペンチル基等が好ましく挙げられる。
オキセタニル基を有する基としては、オキセタン環を有していれば、特に制限はないが、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル基が好ましく例示できる。
エポキシ基又はオキセタニル基を有する構造単位は、1つの構造単位中にエポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1つ有していればよく、1つ以上のエポキシ基と1つ以上のオキセタニル基とを含んでもよく、2つ以上のエポキシ基、又は、2つ以上のオキセタニル基を有していてもよく、特に限定されないが、エポキシ基とオキセタニル基とを合計1〜3つ有することが好ましく、エポキシ基とオキセタニル基とを合計1又は2つ有することがより好ましく、エポキシ基とオキセタニル基とを1つ有することが更に好ましい。
エポキシ基を有する構造単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落〔0031〕〜〔0035〕に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられる。
オキセタニル基を有する構造単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落〔0011〕〜〔0016〕に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができる。
エポキシ基又はオキセタニル基を有する構造単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の例としては、メタクリル酸エステル構造を含有するモノマー、アクリル酸エステル構造を含有するモノマーであることが好ましい。
これらのラジカル重合性単量体の中で、更に好ましいものとしては、特許第4168443号公報の段落〔0034〕〜〔0035〕に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物及び特開2001−330953号公報の段落〔0011〕〜〔0016〕に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、特に好ましいものとしては特開2001−330953号公報の段落〔0011〕〜〔0016〕に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。これらの中でも好ましいものは、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、及び、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルであり、最も好ましいものはアクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、及び、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルである。これらの構造単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
構造単位(a3)の好ましい具体例としては、下記の構造単位が例示できる。
特定樹脂を構成する全構造単位中、エポキシ基又はオキセタニル基を有する構造単位(a3)の含有率は、10〜80モル%が好ましく、15〜70モル%が更に好ましく、20〜65モル%が特に好ましい。エポキシ基又はオキセタニル基を有する構造単位を上記の割合で含有させることにより、感光性樹脂組成物により形成された硬化膜の物性が良好となる。
〔酸基〕
特定樹脂は、特定樹脂をアルカリ可溶性にしない範囲で、酸基を含む。
特定樹脂が含む酸基は、カルボキシ基、カルボン酸無水物残基及びフェノール性水酸基から選ばれる1種以上の酸基を有する構造単位(a4)(以下、適宜「構造単位(a4)」と称する。)により、特定樹脂中に含まれることが好ましい。構造単位(a4)としては、カルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基を有する構造単位であることがより好ましい。
カルボキシ基を有する構造単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸等の不飽和カルボン酸を好ましいものとして挙げることができる。
また、カルボン酸無水物残基を有する構造単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等を好ましいものとして挙げることができる。
フェノール性水酸基を有する構造単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類、特開2008−40183号公報の段落〔0011〕〜〔0016〕に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落〔0007〕〜〔0010〕に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物等を好ましいものとして挙げることができる。
これらの中でも、メタクリル酸、アクリル酸、特開2008−40183号公報の段落〔0011〕〜〔0016〕に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落〔0007〕〜〔0010〕に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物が更に好ましく、特開2008−40183号公報の段落〔0011〕〜〔0016〕に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落〔0007〕〜〔0010〕に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物が特に好ましい。これらの構造単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
構造単位(a4)の好ましい具体例としては、下記の構造単位が例示できる。
特定樹脂を構成する全構造単位中、カルボキシ基、カルボン酸無水物残基及びフェノール性水酸基から選ばれる1種以上の基を有する構造単位(a4)含有率は、2〜35モル%が好ましく、5〜20モル%が更に好ましく、8〜12モル%が特に好ましい。特定樹脂が構造単位(a4)を上記の割合で含有することにより、高感度が得られ、現像性が良好となる。
<その他の構造単位(a5)>
特定樹脂は、本発明の効果を妨げない範囲で、その他の構造単位(a5)(以下、適宜「構造単位(a5)」と称する。)を含有してもよい。
構造単位(a5)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、特開2004−264623号公報の段落〔0021〕〜〔0024〕に記載の化合物を挙げることができる(ただし、前記した構造単位(a1)〜(a4)を除く。)。
構造単位(a5)の好ましい例としては、水酸基含有不飽和カルボン酸エステル、脂環構造含有不飽和カルボン酸エステル、スチレン、及びN置換マレイミドの群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位が挙げられる。
これらの中でも、電気特性向上の観点で(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシルのような脂環構造含有の(メタ)アクリル酸エステル類、又はスチレンのような疎水性のモノマーが好ましい。感度の観点で(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、N置換マレイミドが好ましい。これらの中でも、脂環構造含有の(メタ)アクリル酸エステル類がより好ましい。
これらの(a5)成分は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
特定樹脂を構成する全構造単位中、構造単位(a5)を含有させる場合における構造単位(a5)の含有率は、1〜50モル%が好ましく、5〜40モル%が更に好ましく、5〜30モル%が特に好ましい。
特定樹脂を構成する構造単位の組み合わせの特定な好適な例としては、酸分解性基で保護された酸基を含有するラジカル重合性化合物に由来する構造単位、不飽和カルボン酸に由来する構造単位、及びエポキシ基又はオキセタニル基を含有するラジカル重合性化合物に由来する構造単位を含む組み合わせが挙げられる。
本発明における特定樹脂の重量平均分子量は、1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜50,000であることがより好ましく、5,000〜15,000であることがさらに好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量であることが好ましい。
また、特定樹脂の合成法については様々な方法が知られているが、一例を挙げると、少なくとも構造単位(a1)、構造単位(a2)、及び構造単位(a3)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体混合物を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。
また、特定樹脂としては、不飽和多価カルボン酸無水物類を共重合させた前駆共重合体中の酸無水物基に、ビニルエーテル化合物又はビニルチオエーテル化合物を、酸触媒の不存在下、室温〜100℃程度の温度で付加させることにより得られる共重合体も好ましい。
このような特定樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル/無水マレイン酸/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体にエチルビニルエーテルを酸無水物基に対して1倍モル付加させた共重合体、(メタ)アクリル酸グリシジル/無水マレイン酸/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体にイソブチルビニルエーテルを酸無水物基に対して1倍モル付加させた共重合体、が挙げられる。
以下、本発明で用いられる特定樹脂として好ましいものを、特定樹脂A〜Uとして例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、下記に例示した各特定樹脂の重量平均分子量は、5,000〜15,000の範囲である。
特定樹脂A:MAA/MAEVE/OXE−30/HEMAの共重合体(モル比:10/40/30/20、I/O値:0.660、酸価:36.63mgKOH/g)
特定樹脂B:MAA/MAEVE/OXE−30/HEMAの共重合体(モル比:6/40/34/20、I/O値:0.623、酸価:21.43mgKOH/g)
特定樹脂C:MAA/MAEVE/OXE−30/HEMAの共重合体(モル比:19/40/30/11、I/O値:0.670、酸価:71.45mgKOH/g)
特定樹脂D:MAA/MAEVE/OXE−30/HEMAの共重合体(モル比:3/40/30/27、I/O値:0.653、酸価:10.77mgKOH/g)
特定樹脂E:MAA/MAEVE/OXE−30/HEMAの共重合体(モル比:22/40/30/8、I/O値:0.673、酸価:83.47mgKOH/g)
特定樹脂F:MAA/MAEVE/OXE−30/HEMAの共重合体(モル比:27/40/30/3、I/O値:0.679、酸価:103.98mgKOH/g)
特定樹脂G:MAA/MAEVE/OXE−30/HEMAの共重合体(モル比:9/33/21/37、I/O値:0.792、酸価:34.40mgKOH/g)
特定樹脂H:MAA/MAEVE/OXE−30/HEMA/St/CMIの共重合体(モル比:10/30/20/20/10/10、I/O値:0.657、酸価:38.10mgKOH/g)
特定樹脂I:MAA/StOEVE/OXE−30/HEMAの共重合体(モル比:10/35/30/25、I/O値:0.625、酸価:35.54mgKOH/g)
特定樹脂J:MAA/MAEVE/OXE−30/MMA/DCPM(モル比:17/18/10/18/5、I/O値:0.612、酸価:67.56mgKOH/g)
特定樹脂K:MAA/MAEVE/OXE−30/MMAの共重合体(モル比:17/33/25/25、I/O値:0.615、酸価:69.16mgKOH/g)
特定樹脂L:MAA/MAEVE/GMA/HEMAの共重合体(モル比:10/40/4/10、I/O値:0.693、酸価:39.58mgKOH/g)
特定樹脂M:MAA/MAEVE/HEMAの共重合体(モル比:25/50/25)とMAEVE/HEMA/GMAの共重合体(モル比:33.3/16.7/50)との4/6(質量比)での混合物(I/O値:0.757、酸価:39.92mgKOH/g)
特定樹脂N:MAA/MAEVE/HEMAの共重合体(モル比:25/50/25)とMAEVE/HEMA/OXE−30の共重合体(モル比:33.3/16.7/50)との4/6(質量比)での混合物(I/O値:0.660、酸価:36.63mgKOH/g)
特定樹脂O:MAA/HEMA/MAEVE/OXE−30の共重合体(モル比:20/25/30/25、I/O値:0.792、酸価:78.33mgKOH/g)
特定樹脂P:MAA/HEMA/MAEVE/OXE−30の共重合体(モル比:22/23/30/25、I/O値:0.795、酸価:86.70mgKOH/g)
特定樹脂Q:MAA/MAEVE/OXE−30の共重合体(モル比:23/40/37、I/O値:0.614、酸価:85.33mgKOH/g)
特定樹脂R:MAA/MAEVE/OXE−30の共重合体(モル比:29/10/61、I/O値:0.622、酸価:106.24mgKOH/g)
特定樹脂S:MAA/HEMA/MAEVE/OXE−30の共重合体(モル比:27/18/25/30、I/O値:0.791、酸価:107.08mgKOH/g)
特定樹脂T:MAA/MATHF/OXE−30/HEMAの共重合体(モル比:10/40/30/20、I/O値:0.686、酸価:36.82mgKOH/g)
特定樹脂U:MAA/MATHF/OXE−30/HEMAの共重合体(モル比:10/40/25/25、I/O値:0.730、酸価:37.49mgKOH/g)
なお、上記した各特定樹脂の合成例については後述する。また、各特定樹脂を構成する単量体の略号の詳細は以下の通りである。
MAA :メタクリル酸
MAEVE :1−エトキシエチルメタクリレート
OXE−30:3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート
HEMA :ヒドロキシエチルメタクリレート
EtMA :エチルメタクリレート
HMA :ヘキシルメタクリレート
GMA :グリシジルメタクリレート
St :スチレン
CMI :N−シクロヘキシルマレイミド
StOEVE:4−(1−エトキシエチルオキシ)スチレン
DCPM :ジシクロペンタニルメタクリレート
MMA :メチルメタクリレート
MATHF :2−テトラヒドロフラニルメタクリレート
本発明の感光性樹脂組成物中の特定樹脂の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、20〜99質量%であることが好ましく、40〜97質量%であることがより好ましく、60〜95質量%であることが更に好ましい。含有量がこの範囲であると、現像した際のパターン形成性が良好となる。なお、感光性樹脂組成物の固形分量とは、溶剤などの揮発性成分を除いた量を表す。
なお、本発明の感光性樹脂組成物中では、本発明の効果を妨げない範囲で特定樹脂以外の樹脂を併用してもよい。ただし、特定樹脂以外の樹脂の含有量は、現像性の観点から特定樹脂の含有量より少ない方が好ましい。
(感放射線酸発生剤(B))
本発明の感光性樹脂組成物は、感放射線酸発生剤(酸発生剤)を含有する。
本発明で使用される酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない酸発生剤についても、後述する増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
本発明で使用される酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する酸発生剤がより好ましい。
酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩やヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、高感度である観点から、オキシムスルホネート化合物を用いることが好ましい。
これら酸発生剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
これらの酸発生剤の具体例としては、以下が例示できる。
トリクロロメチル−s−トリアジン類として、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、又は、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等。
ジアリールヨードニウム塩類として、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、フェニル−4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、又は、フェニル−4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート等。
トリアリールスルホニウム塩類として、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、又は、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート等。
第四級アンモニウム塩類として、テトラメチルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等。
ジアゾメタン誘導体として、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン等;
イミドスルホネート誘導体として、トリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エン−ジカルボキシイミド、スクシンイミドトリフルオロメチルス
ルホネート、フタルイミドトリフルオロメチルスルホネート、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホネート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドプロパンスルホネート等。
本発明の感光性樹脂組成物は、酸発生剤(B)として、下記構造(1)で表されるオキシムスルホネート基を少なくとも1つ有するオキシムスルホネート化合物を含むことが好ましい。

上記構造(1)で表されるオキシムスルホネート基の少なくとも1つを有するオキシムスルホネート化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
1A−C(R2A)=N−O−SO−R3A (2)
一般式(2)中、R1Aは、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、2−フリル基、2−チエニル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又はシアノ基を表し、R1Aが、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基又はアントラ二ル基である場合、これらの基は、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基及びニトロ基からなる群から選ばれた置換基によって置換されていてもよい。R2Aは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基又はWで置換されていてもよいアントラニル基、ジアルキルアミノ基、モルホリノ基、又はシアノ基を表す。R2AとR1Aとは互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよく、該5員環又は6員環は1個又は2個の任意の置換基を有してもよいベンゼン環と結合していてもよい。R3Aは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基又はWで置換されていてもよいアントラニル基を表す。Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表す。
1Aで表される炭素原子数1〜6のアルキル基は、直鎖又は分岐鎖アルキル基であってよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、n−ヘキシル基、又は2−エチルブチル基が挙げられる。
1Aで表される炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基としては、例えば、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、又は2−ブロモプロピル基が挙げられる。
1Aで表される炭素原子数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基又はエトキシ基が挙げられる。
1Aが、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基又はアントラニル基を表す場合、これらの基は、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、等)、水酸基、炭素原子数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)、炭素原子数1〜4のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基)及びニトロ基からなる群から選ばれた置換基によって置換されていてもよい。
2Aで表される炭素原子数1〜10のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、s−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
2Aで表される炭素原子数1〜10のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−アミルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
2Aで表される炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−アミル基等が挙げられる。
2Aで表される炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基の具体例としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロ−n−プロポキシ基、パーフルオロ−n−ブトキシ基、パーフルオロ−n−アミルオキシ基等が挙げられる。
2Aで表されるWで置換されていてもよいフェニル基の具体例としては、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチルフェニル基、p−(n−プロピル)フェニル基、p−(i−プロピル)フェニル基、p−(n−ブチル)フェニル基、p−(i−ブチル)フェニル基、p−(s−ブチル)フェニル基、p−(t−ブチル)フェニル基、p−(n−アミル)フェニル基、p−(i−アミル)フェニル基、p−(t−アミル)フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−
メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−エトキシフェニル基、m−エトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基、p−(n−プロポキシ)フェニル基、p−(i−プロポキシ)フェニル基、p−(n−ブトキシ)フェニル基、p−(i−ブトキシ)フェニル基、p−(s−ブトキシ)フェニル基、p−(t−ブトキシ)フェニル基、p−(n−アミルオキシ)フェニル基、p−(i−アミルオキシ)フェニル基、p−(t−アミル
オキシ)フェニル基、p−クロルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−フルオロフェニル基、2,4−ジクロルフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4,6−ジクロルフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタブロモフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p−ビフェニリル基等が挙げられる。
2Aで表されるWで置換されていてもよいナフチル基の具体例としては、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基等が挙げられる。
2Aで表されるWで置換されていてもよいアントラニル基の具体例としては、2−メチル−1−アントラニル基、3−メチル−1−アントラニル基、4−メチル−1−アントラニル基、5−メチル−1−アントラニル基、6−メチル−1−アントラニル基、7−メチル−1−アントラニル基、8−メチル−1−アントラニル基、9−メチル−1−アントラニル基、10−メチル−1−アントラニル基、1−メチル−2−アントラニル基、3−メチル−2−アントラニル基、4−メチル−2−アントラニル基、5−メチル−2−アントラニル基、6−メチル−2−アントラニル基、7−メチル−2−アントラニル基、8−メチル−2−アントラニル基、9−メチル−2−アントラニル基、10−メチル−2−アントラニル基等が挙げられる。
2Aで表されるジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
3Aで表される炭素原子数1〜10のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、s−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
3Aで表される炭素原子数1〜10のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−アミルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
3Aで表される炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−アミル基等が挙げられる。
3Aで表される炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基の具体例としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロ−n−プロポキシ基、パーフルオロ−n−ブトキシ基、パーフルオロ−n−アミルオキシ基等が挙げられる。
3Aで表されるWで置換されていてもよいフェニル基の具体例としては、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチルフェニル基、p−(n−プロピル)フェニル基、p−(i−プロピル)フェニル基、p−(n−ブチル)フェニル基、p−(i−ブチル)フェニル基、p−(s−ブチル)フェニル基、p−(t−ブチル)フェニル基、p−(n−アミル)フェニル基、p−(i−アミル)フェニル基、p−(t−アミル)フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−
メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−エトキシフェニル基、m−エトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基、p−(n−プロポキシ)フェニル基、p−(i−プロポキシ)フェニル基、p−(n−ブトキシ)フェニル基、p−(i−ブトキシ)フェニル基、p−(s−ブトキシ)フェニル基、p−(t−ブトキシ)フェニル基、p−(n−アミルオキシ)フェニル基、p−(i−アミルオキシ)フェニル基、p−(t−アミル
オキシ)フェニル基、p−クロルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−フルオロフェニル基、2,4−ジクロルフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4,6−ジクロルフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタブロモフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p−ビフェニリル基等が挙げられる。
3Aで表されるWで置換されていてもよいナフチル基の具体例としては、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基等が挙げられる。
3Aで表されるWで置換されていてもよいアントラニル基の具体例としては、2−メチル−1−アントラニル基、3−メチル−1−アントラニル基、4−メチル−1−アントラニル基、5−メチル−1−アントラニル基、6−メチル−1−アントラニル基、7−メチル−1−アントラニル基、8−メチル−1−アントラニル基、9−メチル−1−アントラニル基、10−メチル−1−アントラニル基、1−メチル−2−アントラニル基、3−メチル−2−アントラニル基、4−メチル−2−アントラニル基、5−メチル−2−アントラニル基、6−メチル−2−アントラニル基、7−メチル−2−アントラニル基、8−メチル−2−アントラニル基、9−メチル−2−アントラニル基、10−メチル−2−アントラニル基等が挙げられる。
Wで表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、及び炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシの具体例としては、R2A又はR3Aで表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、及び炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基の具体例として挙げたものと同様のものが挙げられる。
2AとR1Aとは互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよい。
2AとR1Aとが互いに結合して5員環又は6員環を形成する場合、該5員環又は6員環としては、炭素環式基及び複素環式環基が挙げられ、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラン、ピリジン、ピラジン、モルホリン、ピペリジン又はピペラジン環であってよい。該5員環又は6員環は、任意の置換基を有してもよいベンゼン環と結合していてもよく、その例としては、テトラヒドロナフタレン、ジヒドロアントラセン、インデン、クロマン、フルオレン、キサンテン又はチオキサンテン環系が挙げられる。該5員環又は6員環は、カルボニル基を含んでもよく、その例としては、シクロヘキサジエノン、ナフタレノン及びアントロン環系が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物の好適な態様の一つは、下記一般式(2−1)で表される化合物である。該一般式(2−1)で表される化合物は、一般式(2)におけるR2AとR1Aとが結合して5員環を形成している化合物である。
一般式(2−1)中、R3Aは、一般式(2)におけるR3Aと同義であり、Xは、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、tは、0〜3の整数を表し、tが2又は3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。
Xで表されるアルキル基としては、炭素原子数1〜4の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。
Xで表されるアルコキシ基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状アルコキシ基が好ましい。
Xで表されるハロゲン原子としては、塩素原子又はフッ素原子が好ましい。
tとしては、0又は1が好ましい。
一般式(2−1)中、tが1であり、Xがメチル基であり、Xの置換位置がオルト位であり、R3Aが炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、又は、p−トルイル基である化合物が特に好ましい。
一般式(2−1)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記化合物(i)、化合物(ii)、化合物(iii)、化合物(iv)等が挙げられ、これらの化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用することもできる。化合物(i)〜(iv)は、市販品として、入手することができる。
また、他の種類の特定の酸発生剤と組み合わせて使用することもできる。
一般式(2)で表される酸発生剤の好ましい態様の一つとしては、
1Aが、炭素原子数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、4−ビフェニル基、ナフチル基又はアントラニル基を表し;
2Aが、シアノ基を表し;
3Aが、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基又はWで置換されていてもよいアントラニル基を表し、Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表すものである。
一般式(2)で表される化合物としては、下記一般式(2−2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(2−2)中、R4Aは、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基を表し、lは0〜5の整数を表す。R3Aは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基又はWで置換されていてもよいアントラニル基を表し、Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表す。
一般式(2−2)におけるR3Aとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基又はペンタフルオロフェニル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基又はp−トリル基であることが特に好ましい。
4Aで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
4Aで表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
4Aで表される炭素原子数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
lとしては、0〜2が好ましく、0〜1が特に好ましい。
一般式(2)で表される酸発生剤のうち、一般式(2−2)で表される酸発生剤に包含される化合物の好ましい態様としては、一般式(2)中、R1Aが、フェニル基又は4−メトキシフェニル基を表し、R2Aがシアノ基を表し、R3Aが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基又は4−トリル基を表す態様である。
以下、一般式(2)で表される酸発生剤のうち、一般式(2−2)で表される酸発生剤に包含される化合物の特に好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
α−(メチルスルホニルオキシイミノ)ベンジル シアニド(R1A=フェニル基、R2A=−CN基、R3A=メチル基)
α−(エチルスルホニルオキシイミノ)ベンジル シアニド(R1A=フェニル基、R2A=−CN基、R3A=エチル基)
α−(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)ベンジル シアニド(R1A=フェニル基、R2A=−CN基、R3A=n−プロピル基)
α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)ベンジル シアニド(R1A=フェニル基、R2A=−CN基、R3A=n−ブチル基)
α−(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)ベンジル シアニド(R1A=フェニル基、R2A=−CN基、R3A=4−トリル基)
α−〔(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R1A=4−メトキシフェニル基、R2A=−CN基、R3A=メチル基)
α−〔(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R1A=4−メトキシフェニル基、R2A=−CN基、R3A=エチル基)
α−〔(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R1A=4−メトキシフェニル基、R2A=−CN基、R3A=n−プロピル基)
α−〔(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R1A=4−メトキシフェニル基、R2A=−CN基、R3A=n−ブチル基)
α−〔(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R1A=4−メトキシフェニル基、R2A=−CN基、R3A=4−トリル基)
前記構造(1)で表されるオキシムスルホネート基を少なくとも1つを有するオキシムスルホネート化合物の好適な他の態様としては、下記一般式(OS−3)、一般式(OS−4)、及び、一般式(OS−5)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物が挙げられる。これらの化合物の中でも、一般式(OS−3)で表される化合物がより好ましい。
一般式(OS−3)〜一般式(OS−5)中、R1は、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、複数存在するR2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はハロゲン原子を表し、複数存在しうるR6は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、又はアルコキシスルホニル基を表し、XはO又はSを表し、nは1又は2を表し、mは0〜6の整数を表す。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
1で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアミノカルボニル基などが挙げられる。
1で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、及びベンジル基などが挙げられる。
また、一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
1で表されるアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、及びアルコキシスルホニル基などが挙げられる。
1で表されるアリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、及びp−フェノキシフェニル基などが挙げられる。
また、一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるヘテロアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数4〜30のヘテロアリール基が好ましい。
1で表されるヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、及びアルコキシスルホニル基などが挙げられる。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるヘテロアリール基は、少なくとも1つの複素芳香環を含むものであればよく、例えば、複素芳香環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
1で表されるヘテロアリール基としては、置換基を有していてもよい、チオフェン環、ピロール環、チアゾール環、イミダゾール環、フラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環、及び、ベンゾイミダゾール環よりなる群から選ばれた環から1つの水素原子を除いた基などが挙げられる。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R2は、水素原子、アルキル基、又はアリール基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、化合物中に2以上存在するR2のうち、1つ又は2つがアルキル基、アリール基又はハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基又はハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R2で表されるアルキル基又はアリール基は、置換基を有していてもよい。
2で表されるアルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基としては、前記R1で表されるアルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基と同様の基が例示できる。
2で表されるアルキル基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、置換基を有してもよい総炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
2で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基、アリル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、メトキシメチル基、及びベンジル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、又はn−ヘキシル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、又はn−ヘキシル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
2で表されるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
2で表されるアリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メトキシフェニル基、又はp−フェノキシフェニル基などが挙げられる。
2で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子などが挙げられる。
これらの中でも、塩素原子、又は臭素原子が好ましい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、XはO又はSを表し、Oであることが好ましい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)において、Xを環員として含む環は、5員環又は6員環である。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、nは1又は2を表し、XがOである場合、nは1であることが好ましく、また、XがSである場合、nは2であることが好ましい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキル基及びアルキルオキシ基は、置換基を有していてもよい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
6で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアミノカルボニル基などが挙げられる。
6で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、及びベンジル基などが挙げられる。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキルオキシ基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜30のアルキルオキシ基であることが好ましい。
6で表されるアルキルオキシ基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアミノカルボニル基などが挙げられる。
6で表されるアルキルオキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシエチルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、又はエトキシエチルオキシ基などが挙げられる。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアミノスルホニル基としては、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、メチルフェニルアミノスルホニル基、及びアミノスルホニル基などが挙げられる。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルコキシスルホニル基としては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロピルオキシスルホニル基、及びブチルオキシスルホニル基などが挙げられる。
また、一般式(OS−3)〜(OS−5)中、mは0〜6の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、前記一般式(OS−3)で表される化合物は、下記一般式(OS−6)、(OS−10)又は(OS−11)で表される化合物であることが特に好ましく、前記一般式(OS−4)で表される化合物は、下記一般式(OS−7)で表される化合物であることが特に好ましく、前記一般式(OS−5)で表される化合物は、下記一般式(OS−8)又は(OS−9)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(OS−6)〜(OS−11)中、R1は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R7は、水素原子又は臭素原子を表し、R8は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基又はクロロフェニル基を表し、R9は、水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はメトキシ基を表し、R10は水素原子又はメチル基を表す。
一般式(OS−6)〜(OS−11)におけるR1は、前記一般式(OS−3)〜(OS−5)におけるR1と同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(OS−6)におけるR7は、水素原子又は臭素原子を表し、水素原子であることが好ましい。
一般式(OS−6)〜(OS−11)におけるR8は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基、又はクロロフェニル基を表し、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、又はフェニル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
一般式(OS−8)及び式(OS−9)におけるR9は、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、又はメトキシ基を表し、水素原子であることが好ましい。
一般式(OS−8)〜(OS−11)におけるR10は、水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムの立体構造(E,Z)については、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
前記一般式(OS−3)〜一般式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記例示化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。

前記構造(1)で表されるオキシムスルホネート基を少なくとも1つを有するオキシムスルホネート化合物の好適な他の態様としては、下記一般式(OS−1)で表される化合物が挙げられる。
一般式(OS−1)中、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。R2は、アルキル基、又は、アリール基を表す。
一般式(OS−1)中、Xは、−O−、−S−、−NH−、−NR5−、−CH2−、−CR6H−、又は、−CR67−を表し、R5〜R7は、それぞれ独立に、アルキル基、又は、アリール基を表す。
一般式(OS−1)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基、又は、アリール基を表す。R21〜R24のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
21〜R24としては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、及び、アルキル基が好ましく、また、R21〜R24のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R21〜R24がいずれも水素原子である態様が感度の観点から好ましい。
既述の官能基は、いずれも、更に置換基を有していてもよい。
一般式(OS−1)で表される化合物は、下記一般式(OS−2)で表される化合物であることがより好ましい。
一般式(OS−2)中、R1、R2、R21〜R24は、それぞれ独立に、前記一般式(OS−1)におけるR1、R2、R21〜R24と同義であり、好ましい例もまた同様である。
これらの中でも、 一般式(OS−1)及び 一般式(OS−2)におけるR1がシアノ基、又は、アリール基である態様がより好ましく、 一般式(OS−2)で表され、R1がシアノ基、フェニル基又はナフチル基である態様が最も好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムやベンゾチアゾール環の立体構造(E,Z等)についてはそれぞれ、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
以下に、本発明に好適に用いうる一般式(OS−1)で表される化合物の具体例(例示化合物b−1〜b−34)を示すが、本発明はこれに限定されない。なお、具体例中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Bnはベンジル基を表し、Phはフェニル基を表す。
上記化合物の中でも、感度と安定性との両立の観点から、b−9、b−16、b−31、b−33が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、活性光線に感応する酸発生剤として1,2−キノンジアジド化合物を含まないことが好ましい。その理由は、1,2−キノンジアジド化合物は、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は1以下であり、オキシムスルホネート化合物に比べて感度が低いためである。
これに対してオキシムスルホネート化合物は、活性光線に感応して生成する酸が保護された酸性基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られるものと推測される。
本発明の感光性樹脂組成物において、酸発生剤は、特定樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部使用することが好ましく、0.5〜10質量部使用することがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、活性光線に感応する酸発生剤として、1,2−キノンジアジド化合物は含まないことが好ましい。その理由は、1,2−キノンジアジド化合物は、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下であり、オキシムスルホネート化合物の如き本発明に好適な酸発生剤に比べて、感度が低いためである。これに対し、オキシムスルホネート化合物の如き本発明に好適な酸発生剤は、活性光線に感応して生成する酸が、保護された酸性基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られるものと推測される。
(その他の成分)
本発明の感光性樹脂組成物には、その他の成分を含有することが好ましい。
その他の成分としては、感度の観点から増感剤、及び現像促進剤をそれぞれ含有することが好ましく、また、塗布性の観点から溶剤を含有することが好ましく、膜物性の観点から架橋剤を含有することが好ましい。
更に、本発明の感光性樹脂組成物は、基板密着性の観点から密着改良剤を含有することが好ましく、液保存安定性の観点から塩基性化合物を含有することが好ましく、塗布性の観点からフッ素系界面活性剤及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することが好ましい。
さらに、必要に応じて、本発明の感光性樹脂組成物には、酸化防止剤、可塑剤、及び、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、酸増殖剤、紫外線吸収剤、増粘剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤などの、公知の添加剤を加えることができる。
以下、本発明の感光性樹脂組成物に含むことができるその他の成分を説明する。
<増感剤>
本発明の感光性樹脂組成物において、前述の酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために増感剤を添加することが好ましい。増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[l]ベンゾピラノ[6、7、8−ij]キノリジン−11−ノン)。これら増感剤の中でも、活性光線又は放射線を吸収して電子励起状態となり、酸発生剤への電子移動作用を有する増感剤が好ましく、特に多環芳香族類、アクリドン類、クマリン類、ベーススチリル類が好ましく、多環芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でもアントラセン誘導体が最も好ましい
増感剤は、市販のものを用いてもよいし、公知の合成方法により合成してもよい。
増感剤の添加量は、感度、透明性の両立の観点から、酸発生剤100質量部に対して、20〜300質量部が好ましく、30〜200質量部が特に好ましい。
<溶剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、溶剤を含有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、必須成分である特定樹脂及び酸発生剤、並びに好ましい成分である各種添加剤の任意成分を、溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、例えば、(1)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;(2)エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;(3)エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(4)プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;(5)プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(6)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(7)ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;(8)ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(9)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;(10)ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル等のジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(11)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(12)乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチル、乳酸n−アミル、乳酸イソアミル等の乳酸エステル類;(13)酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸n−ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;(14)ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸エチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオンメチル、3−メトキシプロピオンエチル、3−エトキシプロピオンメチル、3−エトキシプロピオンエチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
(15)メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;(16)N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;(17)γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。
また、これらの溶剤に更に必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。
上記した溶剤のうち、特に好ましくはジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
これら溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類とを併用することが更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は、特定樹脂100質量部当たり、50〜3,000質量部であることが好ましく、100〜2,000質量部であることがより好ましく、150〜1,500質量部であることが更に好ましい。
(現像促進剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、現像促進剤を含有することが好ましい。
現像促進剤としては、現像促進効果のある任意の化合物を使用できるが、カルボキシ基、フェノール性水酸基、及びアルキレンオキシ基の群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する化合物であることが好ましく、カルボキシ基又はフェノール性水酸基を有する化合物がより好ましく、フェノール性水酸基を有する化合物が最も好ましい。
また、現像促進剤の分子量としては、100〜2000が好ましく、150〜1500が更に好ましく、最適には150〜1000である。
現像促進剤の例として、アルキレンオキシ基を有するものとしては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル、ポリエチレングリコールグリセリルエステル、ポリプロピレングリコールグリセリルエステル、ポリプロピレングリコールジグリセリルエステル、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコール−ビスフェノールAエーテル、ポリプロピレングリコール−ビスフェノールAエーテル、ポリオキシエチレンのアルキルエーテル、ポリオキシエチレンのアルキルエステル、及び特開平9−222724号公報に記載の化合物等を挙げることができる。
カルボキシ基を有するものとしては、特開2000−66406号公報、特開平9−6001号公報、特開平10−20501号公報、特開平11−338150号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
フェノール性水酸基を有するものとしては、特開2005−346024号公報、特開平10−133366号公報、特開平9−194415号公報、特開平9−222724号公報、特開平11−171810号公報、特開2007−121766号公報、特開平9−297396号公報、特開2003−43679号公報等に記載の化合物を挙げる事ができる。これらの中でも、ベンゼン環数が2〜10個のフェノール化合物が好適であり、ベンゼン環数が2〜5個のフェノール化合物が更に好適である。特に好ましいものとしては、特開平10−133366号公報に溶解促進剤として開示されているフェノール性化合物を挙げることができる。
現像促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物における(M)現像促進剤の添加量は、感度と残膜率の観点から、特定樹脂を100質量部としたとき、0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部であることが最も好ましい。
(架橋剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じ、架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤を添加することにより、本発明の感光性樹脂組成物により得られる硬化膜をより強固な膜とすることができる。
架橋剤としては、例えば、以下に述べる分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有架橋剤、又は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を添加することができる。
これらの架橋剤の中で、特に好ましいものは、分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物である。
−分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物−
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON
N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同 EP−4085S、同 EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同 PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)等である。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同 EP−4003S、同 EP−4010S、同 EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)等が挙げられる。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中で好ましいものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することができる。
分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物の本発明の感光性樹脂組成物への添加量は、特定樹脂の総量を100質量部としたとき、1〜50質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましい。
−アルコキシメチル基含有架橋剤−
アルコキシメチル基含有架橋剤としては、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリル及びアルコキシメチル化尿素等が好ましい。これらは、それぞれメチロール化メラミン、メチロール化ベンゾグアナミン、メチロール化グリコールウリル、又は、メチロール化尿素のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができるが、アウトガスの発生量の観点から、特にメトキシメチル基が好ましい。
これらの架橋性化合物のうち、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリルが好ましい架橋性化合物として挙げられ、透明性の観点から、アルコキシメチル化グリコールウリルが特に好ましい。
これらアルコキシメチル基含有架橋剤は、市販品として入手可能であり、例えば、サイメル300、301、303、370、325、327、701、266、267、238、1141、272、202、1156、1158、1123、1170、1174、UFR65、300(以上、三井サイアナミッド(株)製)、ニカラックMX−750、−032、−706、−708、−40、−31、−270、−280、−290、ニカラックMS−11、ニカラックMW−30HM、−100LM、−390、(以上、(株)三和ケミカル製)などを好ましく使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物にアルコキシメチル基含有架橋剤を用いる場合のアルコキシメチル基含有架橋剤の添加量は、特定樹脂100質量部に対して、0.05〜50質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。この範囲で添加することにより、現像時の好ましいアルカリ溶解性と、硬化後の膜の優れた耐溶剤性が得られる。
−少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物−
少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物を好適に用いることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物における少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の使用割合は、特定樹脂100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましい。このような割合で少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有させることにより、本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の耐熱性及び表面硬度等を向上させることができる。少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を加える場合には、後述の熱ラジカル発生剤を添加することが好ましい。
(密着改良剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、密着改良剤を含有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いることができる密着改良剤は、基板となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。本発明で使用される密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。
これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、及びγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが更に好ましい。
これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらは基板との密着性の向上に有効であるとともに、基板とのテーパ角の調整にも有効である。
本発明の感光性樹脂組成物における密着改良剤の含有量は、特定樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
(塩基性化合物)
本発明の感光性樹脂組成物は、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、及びカルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、複素環式アミンを2種併用することが更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における塩基性化合物の含有量は、特定樹脂100質量部に対して、0.001〜1質量部であることが好ましく、0.002〜0.2質量部であることがより好ましい。
(界面活性剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。
また、界面活性剤としては、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
界面活性剤としては、下記に示す繰り返し単位Aと繰り返し単位Bとを含む共重合体(3)を好ましい例として挙げることができる。該共重合体の重量平均分子量(Mw)は1000以上10000以下であり、1500以上5000以下が好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の値である。
共重合体(3)中、R21及びR23はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R22は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R24は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、nは1以上10以下の整数を表す。
繰り返し単位B中におけるLは、下記一般式(4)で表されるアルキレン基であることが好ましい。
一般式(4)中、R25は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。
また、pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤としては、例えば、特開昭62-36663号、特開昭61-226746号、特開昭61-226745号、特開昭62-170950号、特開昭63-34540号、特開平7-230165号、特開平8-62834号、特開平9-54432号、特開平9-5988号、特開2001-330953号等の各公報記載の界面活性剤を挙げることができ、市販の界面活性剤を用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(以上、新秋田
化成(株)製)、フロラードFC430、431(以上、住友スリーエム(株)製)、メガファックF171
、F173、F176、F189、R08(以上、DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(以上、旭硝子(株)製)、PolyFoxシリーズ(OMNOVA
社製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として
用いることができる。
これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、フッ素系界面活性剤とシリコン系界面活性剤とを併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における界面活性剤の合計の添加量は、特定樹脂100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜1質量部であることが更に好ましい。
(酸化防止剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1098(BASF(株)製)が挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜6質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の感光性樹脂組成物に添加してもよい。
(可塑剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、可塑剤を含有してもよい。
(I)可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジメチルグリセリンフタレート、酒石酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリアセチルグリセリンなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物における可塑剤の含有量は、特定樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
(熱ラジカル発生剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、熱ラジカル発生剤を含んでいてもよく、前述の少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物のようなエチレン性不飽和化合物を含有する場合、熱ラジカル発生剤を含有することが好ましい。
本発明における熱ラジカル発生剤としては、公知の熱ラジカル発生剤を用いることができる。
熱ラジカル発生剤は、熱のエネルギーによってラジカルを発生し、重合性化合物の重合反応を開始又は促進させる化合物である。熱ラジカル発生剤を添加することによって、得られた硬化膜がより強靭になり、耐熱性、耐溶剤性が向上する場合がある。
好ましい熱ラジカル発生剤としては、芳香族ケトン類、オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アゾ系化合物、ビベンジル化合物等が挙げられる。
熱ラジカル発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物における熱ラジカル発生剤の含有量は、膜物性向上の観点から、特定樹脂を100質量部としたとき、0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部であることが最も好ましい。
(熱酸発生剤)
本発明では、低温硬化での膜物性等を改良するために、熱酸発生剤を使用してもよい。
本発明の熱酸発生剤とは、熱により酸が発生する化合物であり、通常、熱分解点が130℃〜250℃、好ましくは150℃〜220℃の範囲の化合物であり、例えば、加熱によりスルホン酸、カルボン酸、ジスルホニルイミドなどの低求核性の酸を発生する化合物である。
発生酸としてはpKaが2以下と強い、スルホン酸や電子吸引基の置換したアルキル〜はアリールカルボン酸、同じく電子吸引基の置換したジスルホニルイミドなどが好ましい。電子吸引基としてはF原子などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基を挙げることができる。
また、本発明においては露光光の照射によって実質的に酸を発生せず、熱によって酸を発生するスルホン酸エステルを使用することも好ましい。
露光光の照射によって実質的に酸を発生していないことは、化合物の露光前後でのIRスペクトル、NMRスペクトル測定により、スペクトルに変化がないことで判定することができる。
スルホン酸エステルの分子量は、一般的には230〜1000、好ましくは230〜800である。
本発明で使用可能なスルホン酸エステルは、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いてもよい。スルホン酸エステルは、例えば、塩基性条件下、スルホニルクロリド又はスルホン酸無水物を対応する多価アルコールと反応させることにより合成することができる。
スルホン酸エステルの感光性樹脂組成物への含有量は、特定樹脂を100質量部としたとき、0.5〜20質量部が好ましく、特に好ましくは1〜15質量部である。
(酸増殖剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、感度向上を目的に、酸増殖剤を用いることができる。本発明において用いる酸増殖剤は、酸触媒反応によって更に酸を発生して反応系内の酸濃度を上昇させることができる化合物であり、酸が存在しない状態では安定に存在する化合物である。このような化合物は、1回の反応で1つ以上の酸が増えるため、反応の進行に伴って加速的に反応が進むが、発生した酸自体が自己分解を誘起するため、ここで発生する酸の強度は、酸解離定数、pKaとして3以下であるのが好ましく、特に2以下であるのが好ましい。
酸増殖剤の具体例としては、特開平10−1508号公報〔0203〕〜〔0223〕、特開平10−282642号公報〔0016〕〜〔0055〕、及び特表平9−512498号公報第39頁12行目〜第47頁2行目に記載の化合物を挙げることができる。
本発明で用いることができる酸増殖剤としては、酸発生剤から発生した酸によって分解し、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フェニルホスホン酸などのpKaが3以下の酸を発生させる化合物を挙げることができる。
酸増殖剤の感光性樹脂組成物への含有量は、酸発生剤100質量部に対して、10〜1000質量部とするのが、露光部と未露光部の溶解コントラストの観点から好ましく、20〜500質量部とするのが更に好ましい。
<硬化膜の形成方法>
次に、本発明の硬化膜の形成方法を説明する。
本発明の硬化膜の形成方法は、以下の(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とする。
(1)本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
(3)塗布された感光性樹脂組成物を活性光線により露光する露光工程
(4)露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程
(5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程
本発明の硬化膜の形成方法においては、前記露光工程における露光後に、加熱処理を行わずに、前記(4)の現像工程を行ってもよい。
また、前記ポストベーク工程前に、さらに(6)現像された感光性樹脂組成物を全面露光する工程を含んでいてもよい。
以下に各工程を順に説明する。
(1)の塗布工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とする。
(2)の溶剤除去工程では、塗布された上記の膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させる。
(3)の露光工程では、得られた塗膜に波長300nm以上450nm以下の活性光線を照射する。この工程では、酸発生剤(B)が分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、特定樹脂中に含まれる構造単位(a1)、構造単位(a2)中の酸分解性基が分解されて、カルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基が生成する。
酸触媒の生成した領域において、上記の分解反応を加速させるために、必要に応じて、PEB(Post Exposure Bake:露光後加熱処理)を行ってもよい。PEBにより、酸分解性基からのカルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基の生成を促進させることができる。
本発明における構造単位(a1)及び構造単位(a2)中の酸分解性基は、酸分解の活性化エネルギーが低く、露光による酸発生剤由来の酸により容易に分解し、カルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基を生じるため、必ずしもPEBを行う必要はない。従って、(3)の露光工程の後、PEBを行うことなく、(4)の現像工程にて現像を行うことにより、ポジ画像を形成することもできる。
なお、比較的低温でPEBを行うことにより、架橋反応を起こすことなく、酸分解性基の分解を促進することもできる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上90℃以下が特に好ましい。
(4)の現像工程では、遊離したカルボキシ基を有する特定樹脂を、アルカリ性現像液を用いて現像する。アルカリ性現像液に溶解しやすいカルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基を有する感光性樹脂組成物を含む露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成する。
(5)のポストベーク工程において、得られたポジ画像を加熱することにより、構造単位(a1)及び構造単位(a2)中の酸分解性基を熱分解しカルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基を生成させ、構造単位(a3)中のエポキシ基及び/又はオキセタニル基と架橋させることにより、硬化膜を形成することができる。この加熱は、150℃以上の高温に加熱することが好ましく、180〜250℃に加熱することがより好ましく、200〜250℃に加熱することが特に好ましい。加熱時間は、加熱温度などにより適宜設定できるが、10分〜90分の範囲内とすることが好ましい。
さらに、ポストベーク工程の前に(6)現像された感光性樹脂組成物を全面露光する工程を含むことが好ましく、現像された感光性樹脂組成物のパターンに活性光線、好ましくは紫外線を、全面照射する工程を加えると、活性光線の照射により発生する酸により架橋反応を促進することができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法を具体的に説明する。
〔感光性樹脂組成物の調製方法〕
特定樹脂及び酸発生剤の必須成分に、必要によって溶剤を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物を調製する。例えば、特定樹脂又は酸発生剤を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して感光性樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した感光性樹脂組成物の溶液は、孔径0.1μmのフィルタ等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物の好適な態様の一例は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、特定樹脂を60〜95質量%の範囲で含み、且つ、酸発生剤を0.1〜10質量%の範囲で含むで含む態様である。
また、本発明の感光性樹脂組成物の好適な態様の他の例は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、特定樹脂を40質量%〜70質量%の範囲で含み、酸発生剤を0.1〜10質量%の範囲で含み、且つ架橋剤を3質量〜40質量%の範囲で含む態様である。
<塗布工程及び溶剤除去工程>
感光性樹脂組成物を、所定の基板に塗布し、減圧及び/又は加熱(プリベーク)により溶媒を除去することにより、所望の乾燥塗膜を形成することができる。前記の基板としては、例えば液晶表示装置の製造においては、偏光板、さらに必要に応じてブラックマトリックス層、カラーフィルタ層を設け、さらに透明導電回路層を設けたガラス板などが例示できる。基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の方法を用いることができる。中でもスリットコート法が大型基板に適するという観点で好ましい。ここで大型基板とは、各辺が1m以上の大きさの基板をいう。
また、(2)溶剤除去工程の加熱条件は、未露光部における特定樹脂中の構造単位(a1)及び/又は構造単位(a2)において酸分解性基が分解して、且つ、特定樹脂をアルカリ現像液に可溶性としない範囲であり、各成分の種類や配合比によっても異なるが、好ましくは70〜120℃で30秒〜300秒間程度である。
<露光工程>
(3)露光工程では、感光性樹脂組成物の乾燥塗膜を設けた基板に所定のパターンの活性光線を照射する。露光はマスクを介して行ってもよいし、所定のパターンを直接描画してもよい。波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。露光工程の後、必要に応じてPEBを行う。
活性光線による露光には、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、LED光源、ケミカルランプ、レーザ発生装置などを用いることができる。
水銀灯を用いる場合にはg線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長を有する活性光線が好ましく使用できる。水銀灯はレーザに比べると、大面積の露光に適するという点で好ましい。
レーザを用いる場合には固体(YAG)レーザでは343nm、355nmが用いられ、エキシマレーザでは351nm(XeF)が用いられ、さらに半導体レーザでは375
nm、405nmが用いられる。この中でも安定性、コスト等の点から355nm、405nmがより好ましい。レーザは1回あるいは複数回に分けて、塗膜に照射することができる。
レーザの1パルス当たりのエネルギー密度は0.1mJ/cm以上10000mJ/cm以下であることが好ましい。塗膜を十分に硬化させるには、0.3mJ/cm以上がより好ましく、0.5mJ/cm以上が最も好ましく、アブレーション現象により塗膜を分解させないようにするには、1000mJ/cm以下がより好ましく、100mJ/cm以下が最も好ましい。
また、パルス幅は、0.1nsec以上30000nsec以下であることが好ましい。アブレーション現象により色塗膜を分解させないようにするには、0.5nsec以上がより好ましく、1nsec以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、1000nsec以下がより好ましく、50nsec以下が最も好ましい。
さらに、レーザの周波数は、1Hz以上50000Hz以下が好ましく、10Hz以上1000Hz以下がより好ましい。
さらに、レーザの周波数は、露光処理時間を短くするには、10Hz以上がより好ましく、100Hz以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、10000Hz以下がより好ましく、1000Hz以下が最も好ましい。
レーザは水銀灯と比べると、焦点を絞ることが容易であり、露光工程でのパターン形成のマスクが不要でコストダウンできるという点で好ましい。
本発明に使用可能な露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto(ブイテクノロジー株式会社製)やAEGIS(ブイテクノロジー株式会社製)やDF2200G(大日本スクリーン株式会社製)などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
また、必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整することもできる。
<現像工程>
(4)現像工程では、塩基性現像液を用いて露光部領域を除去して画像パターンを形成する。現像液に用いる塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は通常30〜180秒間であり、また、現像の手法は液盛り法、ディップ法、シャワー法等のいずれでもよい。現像後は、流水洗浄を10〜90秒間行い、所望のパターンを形成させることができる。
<ポストベーク工程(架橋工程)>
現像により得られた未露光領域に対応するパターンについて、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば180〜250℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5分間〜60分間、オーブンならば30分間〜90分間、加熱処理をすることにより、特定樹脂中の酸分解性基を分解して、カルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基を発生させ、特定樹脂中のエポキシ基及び/又はオキセタニル基である架橋性基と反応して、架橋させることにより、耐熱性、硬度等に優れた保護膜や層間絶縁膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより透明性を向上させることもできる。
なお、加熱処理に先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により再露光した後、ポストベークすること(再露光/ポストベーク)により未露光部分に存在する酸発生剤(B)から酸を発生させ、架橋を促進する触媒として機能させることが好ましい。
すなわち、本発明における硬化膜の形成方法は、現像工程とポストベーク工程の間に、活性光線により再露光する前記(6)工程を含むことが好ましい。
再露光工程における露光は、前記露光工程と同様の手段により行えばよいが、前記再露光工程では、基板の本発明の感光性樹脂組成物により膜が形成された側に対し、全面露光を行うことが好ましい。再露光工程の好ましい露光量としては、100〜1,000mJ/cmである。
本発明の感光性樹脂組成物により、高い感度を有し、現像時における残渣の発生が抑制され、且つ、平滑性に優れた表面を有する硬化膜が得られ、該硬化膜は層間絶縁膜として有用である。また、本発明の感光性樹脂組成物を用いてなる層間絶縁膜は、高い透明性を有し、良好な形状のパターン形状を形成でき、また、その表面の平滑性にも優れるので、有機EL表示装置や液晶表示装置の用途に有用である。
本発明の感光性組成物を適用しうる有機EL表示装置や液晶表示装置としては、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜を平坦化膜や層間絶縁膜として用いること以外は、特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
図1は、本発明の感光性樹脂組成物を用いた有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSiから成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルタ22が設けられている。
次に、実施例により本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
実施例及び比較例に用いた特定樹脂A〜U、比較用樹脂R1〜11、及び酸発生剤B5〜B8について、合成例を以下に示す。
なお、以下の特定樹脂A〜Uの合成例において用いている各化合物の略号は、それぞれ以下の化合物を表す。
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業社製)
MAEVE:1−エトキシエチルメタクリレート(和光純薬工業社製)
OXE−30:3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート(大阪有機化学工業社製)
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート(和光純薬社製)
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製)
EtMA:エチルメタクリレート(和光純薬工業社製)
HMA:ヘキシルメタクリレート(和光純薬工業社製)
GMA:グリシジルメタクリレート(和光純薬工業社製)
St:スチレン(和光純薬工業社製)
CMI:N−シクロヘキシルマレイミド(和光純薬工業社製)
StOEVE:4−(1−エトキシエチルオキシ)スチレン(合成品)
DCPM:ジシクロペンタニルメタクリレート(FA−511A、日立化成社製)
MMA:メチルメタクリレート(和光純薬工業社製)
PGMEA:メトキシプロピルアセテート(昭和電工社製)
HS−EDM:ハイソルブEDM(東邦化学工業社製)
MATHF:2−テトラヒドロフラニルメタクリレート(合成品)
尚、MAEVE、StOEVEは、以下に示すMATHFの合成と同様な方法で合成した。
<メタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル(MATHF)の合成>
メタクリル酸(86g、1mol)を15℃に冷却しておき、カンファースルホン酸(4.6g,0.02mol)添加した。その溶液に、2−ジヒドロフラン(71g、1mol、1.0当量)を滴下した。1時間撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)54〜56℃/3.5mmHg留分のメタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル(MATHF)125gを無色油状物として得た(収率80%)。
<合成例1:特定樹脂Aの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(35.7g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(1.72g)、MAEVE(12.65g)、OXE−30(11.05g)、HEMA(5.20g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(35.7g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Aを得た。(酸価=36.63、I/O値=0.660)重量平均分子量は6600であった。
<合成例2:特定樹脂Bの合成)>
3つ口フラスコにPGMEA(35.7g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(1.03g)、MAEVE(12.65g)、OXE−30(12.52g)、HEMA(5.20g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をPGMEA(35.7g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Bを得た。(酸価=21.43、I/O値=0.623)重量平均分子量は7100であった。
<合成例3:特定樹脂Cの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(34.25g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(3.27g)、MAEVE(12.65g)、OXE−30(12.52g)、HEMA(2.86g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(34.25g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Cを得た。(酸価=71.45、I/O値=0.670)重量平均分子量は6900であった。
<合成例4:特定樹脂Dの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(36.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(0.51g)、MAEVE(12.65g)、OXE−30(11.05g)、HEMA(7.03g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(36.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Dを得た。(酸価=10.77、I/O値=0.653)重量平均分子量は7000であった。
<合成例5:特定樹脂Eの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(34.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(3.78g)、MAEVE(12.65g)、OXE−30(11.05g)、HEMA(2.68g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(34.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Eを得た。(酸価=83.47、I/O値=0.673)重量平均分子量は6800であった。
<合成例6:特定樹脂Fの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(33.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(4.64g)、MAEVE(12.65g)、OXE−30(11.05g)、HEMA(0.78g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(33.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Fを得た。(酸価=103.98、I/O値=0.679)重量平均分子量は8400であった。
<合成例7:特定樹脂Gの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(34.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(1.54g)、MAEVE(10.44g)、OXE−30(7.73g)、HEMA(9.63g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(34.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Gを得た。(酸価=34.40、I/O値=0.792)重量平均分子量は7200であった。
<合成例8:特定樹脂Hの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(34.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(1.72g)、MAEVE(9.49g)、OXE−30(7.36g)、HEMA(5.20g)、St(2.08g)、CMI(3.58g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(34.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Hを得た。(酸価=38.10、I/O値=0.657)重量平均分子量は6800であった。
<合成例9:特定樹脂Iの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(36.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(1.72g)、StOEVE(11.53g)、OXE−30(9.21g)、HEMA(9.11g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(36.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Iを得た。(酸価=35.54、I/O値=0.625)重量平均分子量は9200であった。
<合成例10:特定樹脂Jの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(32.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(2.97g)、MAEVE(15.81g)、OXE−30(3.68g)、MMA(3.60g)、DCPM(2.20g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(32.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Jを得た。(酸価=67.56、I/O値=0.612)重量平均分子量は8800であった。
<合成例11:特定樹脂Kの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(32.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(2.92g)、MAEVE(10.44g)、OXE−30(9.21g)、MMA(5.00g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(32.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Kを得た。(酸価=69.16、I/O値=0.615)重量平均分子量は6900であった。
<合成例12:特定樹脂Lの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(32.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(1.72g)、MAEVE(12.65g)、GMA(11.37g)、HEMA(2.60g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(32.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Lを得た。(酸価=39.58、I/O値=0.693)重量平均分子量は7600であった。
<合成例13:特定樹脂Mの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(31.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(4.30g)、MAEVE(15.81g)、HEMA(6.50g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(31.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それによりn1を得た。重量平均分子量は6500であった。
また3つ口フラスコにHS−DEM(33.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液に、MAEVE(10.54g)、HEMA(4.33g)、GMA(14.21g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(33.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それによりn2を得た。重量平均分子量は6700であった。n1/n2=4/6(質量比)で混合することにより、特定樹脂Mを得た。(酸価=39.92、I/O値=0.757)
<合成例14:特定樹脂Nの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(31.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(4.30g)、MAEVE(15.81g)、HEMA(6.50g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(31.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それによりo1を得た。重量平均分子量は7200であった。
また3つ口フラスコにHS−DEM(38.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液に、MAEVE(10.54g)、HEMA(4.33g)、OXE−30(18.42g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(38.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それによりo2を得た。重量平均分子量は6800であった。o1/o2=4/6(質量比)で混合することにより、特定樹脂Nを得た。(酸価=36.63、I/O値=0.660)
<合成例15:特定樹脂Oの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(32.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(3.44g)、HEMA(6.50g)、MAEVE(9.49g)、OXE−30(9.21g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(32.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Oを得た。(酸価=78.33、I/O値=0.792)重量平均分子量は8100であった。
<合成例16:特定樹脂Pの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(33.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(3.78g)、HEMA(5.98g)、MAEVE(9.49g)、OXE−30(9.21g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(33.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Pを得た。(酸価=86.70、I/O値=0.795)重量平均分子量は6900であった。
<合成例17:特定樹脂Qの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(35.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(3.96g)、MAEVE(12.65g)、OXE−30(13.63g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(35.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Qを得た。(酸価=85.33、I/O値=0.614)重量平均分子量は6500であった。
<合成例18:特定樹脂Rの合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(33.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(4.99g)、MAEVE(3.16g)、OXE−30(22.47g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(33.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Rを得た。(酸価=106.24、I/O値=0.622)重量平均分子量は6900であった。
<合成例19:特定樹脂Sの合成)>
3つ口フラスコにHS−DEM(32.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(4.65g)、HEMA(4.69g)、MAEVE(7.91g)、OXE−30(11.65g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(32.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Sを得た。(酸価=107.08、I/O値=0.791)重量平均分子量は6500であった。
<合成例20:特定樹脂Tの合成)>
3つ口フラスコにPGMEA(12.4g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(0.603g)、HEMA(1.821g)、MATHF(4.373g)、OXE−30(3.868g)、V−65(1.217g、モノマーに対して7mol%)をPGMEA(12.4g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Tを得た。(酸価=36.82、I/O値=0.686)重量平均分子量は6500であった。
<合成例21:特定樹脂Uの合成)>
3つ口フラスコにPGMEA(12.2g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(0.603g)、HEMA(2.277g)、MATHF(4.373g)、OXE−30(3.224g)、V−65(1.217g、モノマーに対して7mol%)をPGMEA(12.2g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより特定樹脂Uを得た。(酸価=37.49、I/O値=0.730)重量平均分子量は6500であった。
<合成例22:B5の合成>
1−1.合成中間体B5−Aの合成
2−アミノベンゼンチオール:31.3g(東京化成工業(株)製)をトルエン:100mL(和光純薬工業(株)製)に室温(25℃)下で溶解させた。次に、得られた溶液に、フェニルアセチルクロリド:40.6g(東京化成工業(株)製)を滴下し、室温下1時間、次いで100℃で2時間撹拌し反応させた。得られた反応液に水500mLを入れ析出した塩を溶解させ、トルエン油分を抽出、抽出液をロータリエバポレーターで濃縮させ、合成中間体B5−Aを得た。
1−2.B5の合成
前記のようにして得られた合成中間体B5−A 2.25gをテトラヒドロフラン:10mL(和光純薬工業(株)製)に混合させた後、氷浴につけ反応液を5℃以下に冷却した。次に、反応液に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド:4.37g(25%メタノール溶液、Alfa Acer社製)を滴下し、氷浴下0.5時間撹拌して反応させた。さらに、亜硝酸イソペンチル:7.03gを内温20℃以下に保ちながら滴下し、滴下終了後に反応液を室温まで昇温後、一時間撹拌した。
次いで、反応液を5℃以下に冷却し後、p−トルエンスルホニルクロリド(1.9g)(東京化成工業(株)製)を投入し、10℃以下を保ちながら1時間撹拌した。その後水80mLを投入し、0℃で1時間撹拌した。得られた析出物を濾過した後、イソプロピルアルコール(IPA)60mLを投入し、50℃に加熱して1時間撹拌し、熱時濾過、乾燥させることで、(B5:下記構造)1.8gを得た。
得られたB5の1H−NMRスペクトル(300MHz、重DMSO((D3C)2S=O))は、δ=8.2〜8.17(m,1H),8.03〜8.00(m,1H),7.95〜7.9(m,2H),7.6〜7.45(m,9H),2.45(s,3H)であった。
上記の1H−NMR測定結果より、得られたB5は1種単独の幾何異性体であることが推定される。
<合成例23:B6の合成>
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4N HCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機層に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2NHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(18mL)の懸濁溶液に、酢酸(7.3g)、50%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、10時間加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶をろ過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶をろ過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥して、B6(下記構造)2.3gを得た。
なお、B6の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
<合成例24:B7の合成>
B6の合成において、p−トルエンスルホニルクロリドの代わりにベンゼンスルホニルクロリドを用いた以外は、B6と同様にしてB7(下記構造)を合成した。
なお、B7の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.1(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.7−7.5(m,4H),7.4(dd,1H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),1.7(d,3H)であった。
<合成例25:B8の合成>
2−ナフトール(20g)をN,N−ジメチルアセトアミド(150mL)に溶解させ、炭酸カリウム(28.7g)、2−ブロモオクタン酸エチル(52.2g)を添加して100℃で2時間反応させた。反応液に、水(300mL)、酢酸エチル(200mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、48%水酸化ナトリウム水溶液(23g)、エタノール(50mL)、水(50mL)を添加し、2時間反応させた。反応液を1N HCl水溶液(500mL)にあけ、析出した結晶をろ過、水洗してカルボン酸粗体を得た後、ポリリン酸30gを添加して170℃で30分反応させた。反応液を水(300mL)にあけ、酢酸エチル(300mL)を添加して分液し、有機層を濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ケトン化合物(10g)を得た。
得られたケトン化合物(10.0g)、メタノール(100mL)の懸濁溶液に、酢酸ナトリウム(30.6g)、塩酸ヒドロキシルアミン(25.9g)、硫酸マグネシウム(4.5g)を添加し、24時間加熱還流した。放冷後、水(150mL)、酢酸エチル(150mL)添加して分液し、有機層を水80mLで4回分液し、濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製してオキシム化合物(5.8g)を得た。
得られたオキシム(3.1g)に対し、B6と同様にスルホネート化を行い、B8(下記構造)3.2gを得た。
なお、B8の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.5(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(dd,1H),2.4(s,3H),2.2(ddt,1H),1.9(ddt,1H),1.4〜1.2(m,8H),0.8(t,3H)であった。
<比較合成例1:比較用樹脂R1の合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(31.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(1.72g)、EtMA(9.13g)、OXE−30(10.05g)、HEMA(5.20g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(31.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより比較用樹脂R1を得た。(酸価=41.39、I/O値=0.679)重量平均分子量は6600であった。
<比較合成例2:比較用樹脂R2の合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(34.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(1.72g)、HMA(10.22g)、MAEVE(12.65g)、HEMA(5.20g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(34.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより比較用樹脂R2を得た。(酸価=37.60、I/O値=0.622)重量平均分子量は7100であった。
<比較合成例3:比較用樹脂R3の合成>
特許第4207604号明細書に合成例2として記載される樹脂を合成し、比較用樹脂R3とした。(酸価=0、I/O値=0.653)。重量平均分子量は8000であった。
<比較合成例4:比較用樹脂R4の合成>
特開2009−986216号公報に合成例A−7として記載される樹脂を合成し、比較用樹脂R4とした。(酸価33.89、I/O値=0.542)。重量平均分子量は6500であった。
<比較合成例5:比較用樹脂R5の合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(32.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(5.16g)、MAEVE(12.65g)、OXE−30(10.21g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(32.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより比較用樹脂R5を得た。(酸価=116.59、I/O値=0.682)重量平均分子量は6700であった。
<比較合成例6:比較用樹脂R6の合成>
特許第3693199号明細書に合成例3として記載される樹脂を合成し、比較用樹脂R6とした。(酸価130.35、I/O値=0.643)重量平均分子量は8000であった。
<比較合成例7:比較用樹脂R7の合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(36.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(3.44g)、MAEVE(12.66g)、OXE−30(14.74g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(36.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより比較用樹脂R7を得た。(酸価=72.78、I/O値=0.588)重量平均分子量は6800であった。
<比較合成例8:比較用樹脂R8の合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(34.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(5.34g)、MAEVE(0.32g)、OXE−30(25.06g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(34.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより比較用樹脂R8を得た。(酸価=113.28、I/O値=0.626)重量平均分子量は7400であった。
<比較合成例9:比較用樹脂R9の合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(32.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(5.16g)、HEMA(4.69g)、MAEVE(7.90g)、OXE−30(9.95g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(32.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより比較用樹脂R9を得た。(酸価=121.50、I/O値=0.827)重量平均分子量は7200であった。
<比較合成例10:比較用樹脂R10の合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(33.0g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(3.79g)、HEMA(7.80g)、MAEVE(5.69g)、OXE−30(11.05g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(33.0g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それによりバインダーR10を得た。(酸価=87.10、I/O値=0.838)重量平均分子量は6600であった。
<比較合成例11:比較用樹脂R11の合成>
3つ口フラスコにHS−DEM(33.5g)を入れ、窒素雰囲気下において70℃に昇温した。その溶液にMAA(1.72g)、MAEVE(9.49g)、OXE−30(7.37g)、HEMA(10.41g)、V−65(3.47g、モノマーに対して7mol%)をHS−EDM(33.5g)に溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後4時間攪拌し、反応を終了させた。それにより比較用樹脂R11を得た。(酸価=38.71、I/O値=0.826)重量平均分子量は7300であった。
[実施例1〜33、比較例1〜11]
表1又は表2に示す各成分を混合して均一な溶液とした後、0.2μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いてろ過して、実施例1〜33、比較例1〜11の感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。なお、表1又は表2で示した特定樹脂又は比較用樹脂の使用量は、それぞれの樹脂の合成で得られた樹脂溶液の質量部である。
なお、表1又は表2中の略号は以下の通りである。
B1:CGI1397(下記構造、チバジャパン(株)製)
B2:CGI1325(下記構造、チバジャパン(株)製)
B3:PAI−1001(下記構造、みどり化学(株)製)
B4:PAI−1003(下記構造、みどり化学(株)製)
B5:ベンゾチアゾール酸発生剤(下記構造、前記合成例22により合成)
B6:ナフトフラノンオキシム酸発生剤1(下記構造、前記合成例23により合成)
B7:ナフトフラノンオキシム酸発生剤2(下記構造、前記合成例24により合成)
B8:ナフトフラノンオキシム酸発生剤3(下記構造、前記合成例25により合成)
C1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
C2:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
D1:アデカスタブAO−60(下記構造、(株)ADEKA製)
E1:JER−157S70(多官能ノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量200〜220g/eq)、ジャパンエポキシレジン(株)製)
F1:KBM−403(下記構造、信越化学工業(株)製)
G1:4−ジメチルアミノピリジン
G2:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
H1:メガファックR−08(パーフルオロアルキル基含有ノニオン性界面活性剤、DIC(株)製)
H2:下記構造式(W−3)で示されるパーフルオロアルキル基含有ノニオン性界面活性剤
I1:DBA(9,10−ジブトキシアントラセン、下記構造、川崎化成工業(株)製)
I2:DEA(9,10−ジエトキシアントラセン、下記構造、川崎化成工業(株)製)


B5、B6、及びB8中、Tsはトシル基を表す。
(2)感度の評価
シリコン酸化膜を有するシリコンウエハ上に、各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、95℃で90秒間ホットプレート上においてプリベークして、膜厚3μmの塗膜を形成した。
次に、i線ステッパー(キャノン(株)製FPA−3000i5+)を用いて、所定のマスクを介して露光した。露光後、0.4%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により23℃で80秒間液盛り法で現像した後、超純水で1分間リンスした。これらの操作により10μmのラインアンドスペースを1:1で解像する時の最適露光量を感度とした。感度は、100mJ/cmより低露光量の場合に、高感度であるといえる。
(3)未露光部残膜率の評価
感度の評価と同様に形成した塗膜の現像後における未露光部の膜厚を、触針式の膜厚計にて測定し、同様に測定した初期膜厚に対する残存膜厚の比率を残膜率として評価した。すなわち、「未露光部残膜率=現像後の膜厚(未露光部)÷現像前の膜厚(未露光部)×100」である。未露光部残膜率が85%以上が実用範囲であり、良好であるといえる。
(4)透明性の評価
ガラス基板「コーニング1737(コーニング社製)」上に感光性樹脂組成物溶液をスリット塗布した後、95℃で90秒間ホットプレート上においてプリベークして膜厚3μmの塗膜を形成した。得られた塗膜にキャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が200mJ/cm(照度:20mW/cm)となるように露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃で1時間加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜をオーブンにて230℃で2時間更に加熱した後、光線透過率を分光光度計「150−20型ダブルビーム((株)日立製作所製)」を用いて400〜800nmの範囲の波長で測定した。そのときの400nmの透過率の評価を、透明性の評価とした。この値が90%以上であれば、耐熱透明性が良好であるといえる。
(5)比誘電率の評価
ベアウエハ(N型低抵抗)(SUMCO社製)上に、感光性樹脂組成物溶液をスリット塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプリベークして膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。得られた感光性樹脂組成物を、キャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が300mJ/cm(照度:20mW/cm)となるように露光し、この基板をオーブンにて220℃で1時間加熱することにより、硬化膜を得た。
この硬化膜について、CVmap92A(Four Dimensions Inc.社製)を用い、測定周波数1MHzで比誘電率を測定した。結果を表3示す。この値が3.9以下のとき、硬化膜の比誘電率は良好であるといえる。
(6)残渣の評価
感度の評価と同様にして、各感光性樹脂組成物溶液をスリット塗布した後、95℃で90秒間ホットプレート上においてプリベークして、膜厚3μmの塗膜を形成した
得られた塗膜を、10μmのコンタクトホールを形成するためのマスクを介して、円状に最適露光量でパターン露光し、感度の評価と同様にして、現像後、リンスした。得られた円状のパターン(硬化膜)の端部の残渣について、光学顕微鏡を用いて、硬化膜が形成されている場所から完全に膜が無くなった場所までの距離を観察した。評価基準は以下の通りである。
A:1.0μm未満
B:1.0μm以上〜3.0μm未満
C:3.0μm以上
(7)表面あれの評価
耐熱透明性の評価と同様にして硬化膜を形成した。
得られたポストベーク後の硬化膜について、接触膜厚計(Tencor社製 触針式表面粗さ計 P10)用い、その表面のRaを測定し、以下の評価基準により評価した。
A: 5.0nm未満
B: 5.0nm以上10nm未満
C: 10nm以上
得られた評価結果をまとめて表3に示す。なお、表3において、比較例の一部で「−」とあるのは、未露光部の残膜率が小さく、パターン成形ができなかったことを示す。
表3から、特定樹脂を含有する各実施例の感光性樹脂組成物は、各比較例の感光性樹脂組成物との対比において、いずれも感度が高く、残渣の発生が抑制され、形成された硬化膜の表面あれも生じておらず、更に、透明性及び耐熱透明性に優れ、比誘電率の評価においても良好な結果が得られていることが分る。
[実施例34]
シリコン酸化膜を有するシリコンウエハ上に実施例4で用いた感光性樹脂組成物溶液をスリット塗布した後、95℃で90秒間ホットプレート上においてプリベークして膜厚3μmの塗膜を形成した。
次に、塗膜から150μmの間隔を介して、所定のフォトマスクをセットし、波長355nmのレーザを、露光量15mJ/cmで照射した。尚、レーザ装置は、株式会社ブイテクノロジー社製の「AEGIS」を使用し(波長355nm、パルス幅6nsec)、露光量はOPHIR社製の「PE10B-V2」を用いて測定した。露光後、0.4%
のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により23℃で80秒間液盛り法で現像した後、超純水で1分間リンスした。これらの操作により10μmのラインアンドスペースを1:1で解像することができた。
[実施例35]
薄膜トランジスター(TFT)を用いた有機EL表示装置を以下の方法で作製した(図1参照)。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSiから成る絶縁膜3を形成した。次に、この絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)を絶縁膜3上に形成した。この配線2は、TFT1間又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上へ平坦化層4を形成した。絶縁膜3上への平坦化膜4の形成は、実施例12の感光性樹脂組成物を基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(90℃×2分)した後、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を15mJ/cm(照度20mW/cm)照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、230℃で60分間の加熱処理を行った。該感光性樹脂組成物を塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、焼成の後に得られた硬化膜には、しわやクラックの発生は認められなかった。さらに、配線2の平均段差は500nm、作製した平坦化膜4の膜厚は2,000nmであった。
次に、得られた平坦化膜4上に、ボトムエミッション型の有機EL素子を形成した。まず、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5を、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成した。その後、レジストを塗布、プリベークし、所望のパターンのマスクを介して露光し、現像した。このレジストパターンをマスクとして、ITOエッチャント用いたウエットエッチングによりパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(モノエタノールアミンとジメチルスルホキシド(DMSO)との混合液)を用いて該レジストパターンを剥離した。こうして得られた第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
次に、第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8を形成した。絶縁膜8には、実施例7の感光性樹脂組成物を用い、前記と同様の方法で形成した。この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、真空蒸着装置内で所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設けた。次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成した。得られた上記基板を蒸着機から取り出し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。
以上のようにして、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続してなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られた。駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い有機EL表示装置であることが分かった。
[実施例36]
特許第3321003号公報の図1及び図2に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、層間絶縁膜として硬化膜17を以下のようにして形成し、実施例36の液晶表示装置を得た。
すなわち、実施例12の感光性樹脂組成物を用い、実施例35における有機EL表示装置の平坦化膜4の形成方法と同様の方法で、層間絶縁膜として硬化膜17を形成した。
得られた液晶表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い液晶表示装置であることが分かった。
1:TFT(薄膜トランジスター)
2:配線
3:絶縁膜
4:平坦化膜
5:第一電極
6:ガラス基板
7:コンタクトホール
8:絶縁膜
10:液晶表示装置
12:バックライトユニット
14,15:ガラス基板
16:TFT
17:硬化膜
18:コンタクトホール
19:ITO透明電極
20:液晶
22:カラーフィルタ

Claims (21)

  1. 樹脂(A)及び感放射線酸発生剤(B)を含み、前記樹脂(A)が、有機概念図に基づく無機性値(I)を有機性値(O)で除したI/O値が0.6以上0.8以下であり、酸価が5mgKOH/g以上110mgKOH/g以下であり、且つ、酸分解性基で保護された酸基、酸基、及び架橋性基を有する樹脂であるポジ型感光性樹脂組成物。
  2. 前記(A)樹脂が、I/O値が0.6以上0.8以下であり、且つ酸価が20mgKOH/g以上70mgKOH/g以下の樹脂である請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記酸基が、カルボキシル基又はフェノール性水酸基である請求項1又は請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 前記酸分解性基で保護された酸基が、酸の作用によりカルボキシ基又はフェノール性水酸基を生じる基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. 前記酸基がカルボキシ基であり、且つ、前記酸分解性基で保護された酸基が酸の作用によりカルボキシ基を生じる基である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  6. 前記架橋基が、エポキシ基又はオキセタニル基である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  7. 前記樹脂(A)が、酸分解性基で保護された酸基を含有するラジカル重合性化合物、不飽和カルボン酸、及びエポキシ基又はオキセタニル基を含有するラジカル重合性化合物に由来する構造単位を含む共重合体である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  8. 前記エポキシ基又はオキセタニル基を含有するラジカル重合性化合物が、オキセタニル基を含有するラジカル重合性化合物である請求項7に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  9. 前記樹脂(A)が、更に、水酸基含有不飽和カルボン酸エステル、脂環構造含有不飽和カルボン酸エステル、スチレン、N置換マレイミドの群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位を含む共重合体である請求項7又は請求項8に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  10. 前記感放射線酸発生剤(B)が、オキシムスルホネート基を有する化合物である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  11. 前記感放射線酸発生剤(B)が、下記一般式(OS−3)で表される化合物である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。

    (一般式(OS−3)中、Rは、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、複数存在するRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はハロゲン原子を表し、複数存在しうるRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、又はアルコキシスルホニル基を表し、XはO又はSを表し、nは1又は2を表し、mは0〜6の整数を表す。)
  12. ポジ型感光性樹脂組成物の全固形分に対し、前記樹脂(A)を60質量%〜95質量%の範囲で含み、且つ、前記感放射線酸発生剤(B)を0.1質量%〜10質量%の範囲で含む請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  13. 更に、架橋剤を含む請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  14. ポジ型感光性樹脂組成物の全固形分に対し、前記樹脂(A)を40質量%〜70質量%の範囲で含み、前記感放射線酸発生剤(B)を0.1質量〜10質量%の範囲で含み、且つ前記架橋剤を3質量〜40質量%の範囲で含む請求項13に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  15. 請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を、光及び熱の少なくとも一方を付与して硬化させた硬化膜。
  16. (1)請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程、
    (2)塗布されたポジ型感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶媒除去工程、
    (3)溶剤を除去されたポジ型感光性樹脂組成物を活性放射線で露光する露光工程、
    (4)露光されたポジ型感光性樹脂組成物を水性現像液で現像する現像工程、及び、
    (5)現像されたポジ型感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程、
    を含む硬化膜の形成方法。
  17. 前記露光工程における露光後に、加熱処理を行わずに、前記現像工程を行う請求項16に記載の硬化膜の製造方法。
  18. 請求項16又は請求項17に記載の硬化膜の形成方法により形成された硬化膜。
  19. 層間絶縁膜である請求項15又は請求項18に記載の硬化膜。
  20. 請求項15又は請求項18に記載の硬化膜を具備する液晶表示装置。
  21. 請求項15又は請求項18に記載の硬化膜を具備する有機EL表示装置。
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