JP5642578B2 - 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機EL表示装置および液晶表示装置に関する。さらに詳しくは、液晶表示装置、有機EL表示装置、集積回路素子、固体撮像素子などの電子部品の平坦化膜、保護膜や層間絶縁膜の形成に好適な、ポジ型感光性樹脂組成物およびそれを用いた硬化膜の製造方法に関する。
有機EL表示装置や液晶表示装置などには、パターン形成された層間絶縁膜が設けられている。この層間絶縁膜の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なく、しかも十分な平坦性が得られるといったことから、感光性樹脂組成物が広く使用されている。
上記のような感光性樹脂組成物を用いてパターン形成された層間絶縁膜や平坦化膜には、耐溶剤性に優れ、信頼性の高い硬化膜であることが求められる。
また近年は有機EL表示装置や液晶表示装置を高精細な表示特性とするため、感光性樹脂組成物の高解像性が求められており、特に硬化膜形成時における露光および現像工程後のポストベーク工程での高温での加熱を経た後にも解像性が失われないこと(いわゆる熱フロー抑制)が求められている。また、製造コストの低減の観点から、さらに感度も高く、感光性樹脂組成物調液後の保存安定性にも優れる感光性樹脂組成物が求められている。
従来、硬度、透明性が良好な保護膜を提供するための感光性樹脂組成物として、例えば、特許文献1には、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物、エポキシ基を有するラジカル重合性化合物、他のラジカル重合性化合物の共重合体であるアルカリ水溶液に可溶な樹脂および感放射線性酸生成化合物を有する感光性樹脂組成物が提案されている。
上記に加え、感光性樹脂組成物としての保存安定性、感度などを向上させた感光性樹脂組成物を用いた例としては、例えば、アセタール構造またはケタール構造を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物、エポキシ基を有するラジカル重合性化合物、および他のラジカル重合性化合物の共重合体である樹脂と、放射線の照射によりpKaが4.0以下の酸を発生する化合物と、を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて層間絶縁膜やマイクロレンズを形成する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
一方、高精度のレジストパターンを得ることが求められる半導体パターニング用のポジ型フォトレジスト用途で、現像後の矩形なパターン形状を得られ、解像性なども向上できる感光性樹脂組成物として、特定のエステル構造により保護されたp−ヒドロキシスチレン樹脂と、光酸発生剤と、溶解促進剤としてヘキサメトキシメチルメラミンを含有する感光性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3の実施態様ではp−ヒドロキシスチレン樹脂は架橋性基を有するモノマー単位を含まれていないものであった。
また半導体パターニング用のポジ型フォトレジスト用途で、感度などを高く維持しつつ、解像性を向上できる感光性樹脂組成物として、特定のアセタール構造により保護されたp−ヒドロキシスチレン樹脂と、光酸発生剤と、ヘキサメトキシメチルメラミンを含有する感光性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4の実施態様でもp−ヒドロキシスチレン樹脂は架橋性基を有するモノマー単位を含んでいないものであった。
特開平5−165214号公報 特開2004−264623号公報 特開平11−167205号公報 特開2004−4669号公報
本発明者がこれらの文献に記載の感光性樹脂組成物の性能を検討したところ、いずれも保存安定性、感度、耐溶剤性およびポストベーク後の解像性の全てを同時に満足するものではなかった。すなわち、保存安定性と高感度を有し、形成された硬化膜の高い信頼性(耐溶剤性)を確保しつつ、ポストベークによる熱フローを抑制して高解像性の硬化膜を作成できる感光性樹脂組成物は未だ見つかっていないのが現状である。
本発明が解決しようとする課題は、保存安定性、感度、耐溶剤性および現像工程後のポストベーク工程を経た後の解像性に優れた感光性樹脂組成物を提供することである。また他の課題は、この感光性樹脂組成物により形成された硬化膜と、この硬化膜を層間絶縁膜として具備する、信頼性と生産性の高い、有機EL表示装置、および液晶表示装置を提供することである。
本発明者が上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の保護基で保護された酸性基と架橋基を有する樹脂に対して、光酸発生剤と特定の構造を有するメチロール系架橋剤を添加した感光性樹脂組成物が上記課題を同時に全て解決できることを見出し、本発明の完成に至った。すなわち、本発明は以下の構成である。
[1] (A’)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位または酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(a1)を含有する重合体、(A’’)架橋基を有するモノマー単位(a2)を含有する重合体、(B)光酸発生剤、(C)下記一般式(c1)で表される部分構造を分子内に少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤、および、(D)溶剤、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
Figure 0005642578
(一般式(c1)中、R1は炭素数1〜5の分岐していてもよいアルキル基を表す。)
[2] 前記モノマー単位(a1)を含有する重合体(A’)と、前記モノマー単位(a2)を含有する重合体(A’’)が、同一の共重合体(A)であることを特徴とする[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3] 化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物である[1または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4] 前記(C)メチロール系架橋剤が、窒素原子を含む複素環骨格および尿素骨格のうち少なくとも1つを有するメチロール系架橋剤である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
[5] 前記(C)メチロール系架橋剤が、下記一般式(c2)で表されるトリアジン環を少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 0005642578
(一般式(c2)中、R2、R3およびR4はそれぞれ独立にN−(R5)R6または置換基を有してもよいフェニル基を表す。前記R5およびR6は水素原子または前記一般式(c1)で表される基を表し、前記R5およびR6の少なくとも一方は前記一般式(c1)で表される基である。)
[6] 前記(C)メチロール系架橋剤が、下記一般式(c3)で表されるメチロールメラミン化合物である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 0005642578
(一般式(c3)中、R7〜R12はそれぞれ独立に水素原子または前記一般式(c1)で表される基を表す。)
[7] 前記(B)光酸発生剤が、下記一般式(b1)で表されるオキシムスルホネート構造を含む化合物である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 0005642578
(一般式(b1)中、R21は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。)
[8] 前記(B)光酸発生剤が、下記一般式(OS−3)、下記一般式(OS−4)または下記一般式(OS−5)で表される化合物である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 0005642578
(一般式(OS−3)〜一般式(OS−5)中、R22、R25およびR28はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R23、R26およびR29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表し、X1〜X3はそれぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、n1〜n3はそれぞれ独立に1または2を表し、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜6の整数を表す。)
[9] 前記(B)光酸発生剤が、下記一般式(b2)で表される化合物である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 0005642578
(一般式(b2)中、R31は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、X11はアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、m11は0〜3の整数を表す。m11が2または3であるとき複数のX11は同一であっても異なっていてもよい。)
[10] (F)エポキシ樹脂をさらに含有する、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
[11] 前記(A)共重合体中の前記架橋基を有するモノマー単位(a2)が、オキシラニル基およびオキセタニル基のうち少なくとも1つを含む、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
[12] (1)[1]〜[11]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に適用する適用工程、(2)適用された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、(3)活性放射線で露光する露光工程、(4)水性現像液で現像する現像工程、および、(5)熱硬化するポストベーク工程、を含むことを特徴とする硬化膜の製造方法。
[13] 前記現像工程後、ポストベーク工程前に、全面露光する工程を含む、[12]に記載の硬化膜の形成方法。
[14] [12]または[13]に記載の形成方法により製造された硬化膜。
[15] 層間絶縁膜である、[14]に記載の硬化膜。
[16] [14]または[15]に記載の硬化膜を具備する、有機EL表示装置。
[17] [14]または[15]に記載の硬化膜を具備する、液晶表示装置。
本発明によれば、保存安定性、感度、耐溶剤性および現像工程後のポストベーク工程を経た後の解像性に優れた感光性樹脂組成物を提供することができる。
有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A’)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位または酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(a1)を含有する重合体、(A’’)架橋基を有するモノマー単位(a2)を含有する重合体、(B)光酸発生剤、(C)下記一般式(c1)で表される部分構造を分子内に少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤、および、(D)溶剤、を含有することを特徴とする。
Figure 0005642578
(一般式(c1)中、R1は炭素数1〜5の分岐していてもよいアルキル基を表す。)
本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物である。また、本発明の感光性樹脂組成物は、化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物(化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物)であることが好ましい。
以下、本発明の感光性樹脂組成物について各成分の好ましい態様を順に説明する。
<(A)成分>
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分として、(A’)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位または酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(a1)を含有する重合体と、(A’’)架橋基を有するモノマー単位(a2)を含有する重合体を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記モノマー単位(a1)を含有する重合体(A’)と前記モノマー単位(a2)を含有する重合体(A’’)が互いに異なる重合体として2成分含まれていても、前記モノマー単位(a1)を含有する重合体(A’)と前記モノマー単位(a2)を含有する重合体(A’’)が同一の共重合体(A)であってもよい。なお、本明細書中、特に断りなく「成分A」という場合は、前記重合体(A’)ならびに重合体(A’’)、および、共重合体(A)の両者を含む。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記モノマー単位(a1)を含有する重合体(A’)と、前記モノマー単位(a2)を含有する重合体(A’’)が、同一の共重合体(A)であることが好ましい。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物が含有することが好ましい(A)共重合体は、
(a1)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位または酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(以下、「モノマー単位(a1)」ともいう。)と、
(a2)架橋基を有するモノマー単位(a2)(以下、「モノマー単位(a2)」ともいう。)と、
を含有する共重合体である。
(A)成分は、前記モノマー単位(a1)およびモノマー単位(a2)以外にも、その他のモノマー単位(a3)を含有していてもよい。
(A)共重合体はアルカリ不溶性であることが好ましく、かつ、モノマー単位(a1)が有する酸分解性基が分解したときにアルカリ可溶性となる樹脂であることが好ましい。ここで、酸分解性基とは酸の存在下で分解することが可能な官能基を意味する。すなわち、カルボキシル基が酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位は、酸により保護基が分解することによって、カルボキシル基を生成可能であり、また、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位は、酸により保護基が分解することによって、フェノール性水酸基を生成可能である。ここで、本発明において「アルカリ可溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒以上であることをいい、「アルカリ不溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒未満であることをいう。
前記(A)共重合体は、後述するカルボキシル基、カルボン酸無水物由来の構造および/またはフェノール性水酸基を有するその他のモノマー単位等を有していてもよい。但し、酸性基の導入をする場合は、前記(A)共重合体全体をアルカリ不溶性に保つ範囲で、導入することが好ましい。
(A)共重合体は、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来するモノマー単位を含む重合体であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来するモノマー単位以外のモノマー単位、例えば、スチレンに由来するモノマー単位や、ビニル化合物に由来するモノマー単位等を有していてもよい。
前記(A)共重合体は、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来するモノマー単位を、重合体における全モノマー単位に対し、50モル%以上含有することが好ましく、90モル%以上含有することがより好ましく、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来するモノマー単位のみからなる重合体であることが特に好ましい。
なお、「(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来するモノマー単位」を「アクリル系モノマー単位」ともいう。また、「(メタ)アクリル酸」は、「メタクリル酸および/またはアクリル酸」を意味するものとする。
以下、モノマー単位(a1)、モノマー単位(a2)、それぞれについて説明する。
<<(a1)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位、または、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位>>
(A)成分は、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位、または、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位を有する。(A)成分がモノマー単位(a1)を有することにより、極めて高感度な感光性樹脂組成物とすることができる。
以下、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位(a1−1)と、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(a1−2)について、順にそれぞれ説明する。
<<<(a1−1)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位>>>
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位(a1−1)は、カルボキシル基を有するモノマー単位の該カルボキシル基が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位である。
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位(a1−1)に用いることができる前記カルボキシル基を有するモノマー単位としては、特に制限はなく公知のモノマー単位を用いることができる。例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー単位(a1−1−1)や、エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有するモノマー単位(a1−1−2)が挙げられる。
以下、前記カルボキシル基を有するモノマー単位として用いられる(a1−1−1)分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー単位と、(a1−1−2)エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有するモノマー単位について、それぞれ順に説明する。
<<<<(a1−1−1)分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー単位>>>>
前記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー単位(a1−1−1)として本発明で用いられる不飽和カルボン酸としては以下に挙げるようなものが用いられる。すなわち、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、けい皮酸などが挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。また、カルボキシル基を有するモノマー単位を得るために用いられる不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよい。具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、多価カルボン酸のモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などが挙げられる。さらに、不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。また、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等も用いることができる。
中でも、現像性の観点から、前記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー単位(a1−1−1)を形成するためには、アクリル酸、メタクリル酸、または不飽和多価カルボン酸の無水物等を用いることが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸を用いることがより好ましい。
前記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー単位(a1−1−1)は、1種単独で構成されていてもよいし、2種以上で構成されていてもよい。
<<<<(a1−1−2)エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有するモノマー単位>>>>
エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有するモノマー単位(a1−1−2)は、エチレン性不飽和基を有するモノマー単位中に存在する水酸基と酸無水物とを反応させて得られたモノマーに由来する単位であることが好ましい。
前記酸無水物としては、公知のものが使用でき、具体的には、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物などの酸無水物が挙げられる。これらの中では、現像性の観点から、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、または無水コハク酸、が好ましい。
前記酸無水物の水酸基に対する反応率は、現像性の観点から、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
<<<<モノマー単位(a1−1)に用いることができる酸分解性基>>>>
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位(a1−1)に用いることができる前記酸分解性基としては、これまでKrF用ポジ型レジスト、ArF用ポジ型レジストにおける酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。従来、酸分解性基としては、酸により比較的分解し易い基(例えば、テトラヒドロピラニル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解し難い基(例えば、t−ブチルエステル基、t−ブチルカーボネート基等のt−ブチル系官能基)が知られている。
これらの酸分解性基の中でもカルボキシル基がアセタールまたはケタールで保護された保護カルボキシル基、または、カルボキシル基がケタールで保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位であることが、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状、コンタクトホールの形成性、感光性樹脂組成物の保存安定性の観点から好ましい。さらに酸分解性基の中でもカルボキシル基が下記一般式(a1−1)で表されるアセタールまたはケタールで保護された保護カルボキシル基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、カルボキシル基が下記一般式(a1−1)で表されるアセタールまたはケタールで保護された保護カルボキシル基である場合、保護カルボキシル基の全体としては、−(C=O)−O−CR101102(OR103)の構造となっている。
一般式(a1−1)
Figure 0005642578
(式(a1−1)中、R101およびR102は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、但し、R101とR102とが共に水素原子の場合を除く。R103は、アルキル基を表す。R101またはR102と、R103とが連結して環状エーテルを形成してもよい。)
前記一般式(a1−1)中、R101〜R103は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、該アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。ここで、R101およびR102の双方が水素原子を表すことはなく、R101およびR102の少なくとも一方はアルキル基を表す。
前記一般式(a1−1)において、R101、R102およびR103がアルキル基を表す場合、該アルキル基は直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることがさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基(2,3−ジメチル−2−ブチル基)、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
前記環状アルキル基としては、炭素数3〜12であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数4〜6であることがさらに好ましい。前記環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
前記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基が例示できる。置換基としてハロゲン原子を有する場合、R101、R102、R103はハロアルキル基となり、置換基としてアリール基を有する場合、R101、R102、R103はアラルキル基となる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、これらの中でもフッ素原子または塩素原子が好ましい。
また、前記アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜12であり、具体的には、フェニル基、α−メチルフェニル基、ナフチル基等が例示でき、アリール基で置換されたアルキル基全体、すなわち、アラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が例示できる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4であり、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。
また、前記アルキル基がシクロアルキル基である場合、該シクロアルキル基は置換基として炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有していてもよく、アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である場合には、置換基として炭素数3〜12のシクロアルキル基を有していてもよい。
これらの置換基は、上記置換基でさらに置換されていてもよい。
前記一般式(a1−1)において、R101、R102およびR103がアリール基を表す場合、該アリール基は炭素数6〜12であることが好ましく、炭素数6〜10であることがより好ましい。該アリール基は置換基を有していてもよく、該置換基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく例示できる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、シリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が例示できる。
また、R101、R102およびR103は互いに結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成することができる。R101とR102、R101とR103またはR102とR103が結合した場合の環構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロフラニル基、アダマンチル基およびテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
なお、前記一般式(a1−1)において、R101およびR102のいずれか一方が、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
前記一般式(a1−1)で表される保護カルボキシル基を有するモノマー単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、下記に示すように(メタ)アクリル酸を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。
Figure 0005642578
上記スキーム中、R111は、水素原子またはアルキル基を表し、該アルキル基は、前記一般式(a1−1)において、R101〜R103として示したアルキル基と同様である。R111としては、水素原子またはメチル基が好ましい。
112およびR113は、−CH(R112)(R113)として、前記一般式(a1−1)におけるR102と同義であり、R114は前記一般式(a−1)におけるR101と同義であり、R115は前記一般式(a1−1)におけるR103と同義であり、また、これらは好ましい範囲も同様である。
上記の合成は(メタ)アクリル酸をその他のモノマーと予め共重合させておき、その後に酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させてもよい。
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位(a1−1)は下記一般式の構造単位が好ましい
Figure 0005642578
(式中、R121は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、L1はカルボニル基またはフェニレン基を表し、R122〜R128はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位(a1−1)の好ましい具体例としては、下記のモノマー単位が例示できる。なお、Rは水素原子またはメチル基を表す。
Figure 0005642578
<<<(a1−2)酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位>>>
前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(a1−2)は、フェノール性水酸基を有するモノマー単位が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位である。
<<<<(a1−2−1)フェノール性水酸基を有するモノマー単位>>>>
前記フェノール性水酸基を有するモノマー単位としては、ヒドロキシスチレン系モノマー単位やノボラック系の樹脂におけるモノマー単位が挙げられるが、これらの中ではα−メチルヒドロキシスチレンに由来するモノマー単位が、透明性の観点から好ましい。フェノール性水酸基を有するモノマー単位の中でも、下記一般式(a1−2)で表されるモノマー単位が透明性、感度の観点から好ましい。
一般式(a1−2)
Figure 0005642578
(一般式(a1−2)中、R220は水素原子またはメチル基を表し、R221は単結合または二価の連結基を表し、R222はハロゲン原子または炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し、aは1〜5の整数を表し、bは0〜4の整数を表し、a+bは5以下である。なお、R222が2以上存在する場合、これらのR222は相互に異なっていてもよいし同じでもよい。)
前記一般式(a1−2)中、R220は水素原子またはメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。
また、R221は単結合または二価の連結基を示す。単結合である場合には、感度を向上させることができ、さらに硬化膜の透明性を向上させることができるので好ましい。R221の二価の連結基としてはアルキレン基が例示でき、R221がアルキレン基である具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。中でも、R221が単結合、メチレン基、エチレン基であることが好ましい。また、前記二価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。
また、aは1〜5の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、aは1または2であることが好ましく、aが1であることがより好ましい。
また、ベンゼン環における水酸基の結合位置は、R221と結合している炭素原子を基準(1位)としたとき、4位に結合していることが好ましい。
222はハロゲン原子または炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基である。具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも製造が容易であるという点から、塩素原子、臭素原子、メチル基またはエチル基であることが好ましい。
また、bは0または1〜4の整数を表す。
フェノール性水酸基を有するモノマー単位の中でも、上記一般式(a1−2)中、R221がアルキレン基でない場合には、下記一般式(a1−2’)で表されるモノマー単位が、透明性および感度の観点から、さらに好ましい。R221の連結基としては、アルキレン基以外に、(共重合体の主鎖の側から)アルキレンオキシカルボニル基等が好ましく例示できる。
一般式(a1−2’)
Figure 0005642578
(一般式(a1−2’)中、R230は、前記一般式(a1−2)におけるR220と同義であり、R232は式(a1−2)におけるR222と同義であり、a1およびb1は前記一般式(a1−2)におけるaおよびbとそれぞれ同義である。また、好ましい範囲も同様である。)
前記一般式(a1−2’)中、R233は、二価の連結基を表し、アルキレン基が好ましく例示できる。該アルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のいずれでもよく、炭素数2〜6であることが好ましく、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。また、二価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。これらの中でも、R233としては、エチレン基、プロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基であることが、感度の観点から好ましい。
<<<<モノマー単位(a1−2)に用いることができる酸分解性基>>>>
前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(a1−2)に用いることができる前記酸分解性基としては、前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位(a1−1)に用いることができる前記酸分解性基と同様に、公知のものを使用でき、特に限定されない。酸分解性基の中でもアセタールで保護された保護フェノール性水酸基、または、フェノール性水酸基がケタールで保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位であることが、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状、感光性樹脂組成物の保存安定性、コンタクトホールの形成性の観点から好ましい。さらに、酸分解性基の中でもフェノール性水酸基が前記一般式(a1−1)で表されるアセタールまたはケタールで保護された保護フェノール性水酸基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、フェノール性水酸基が前記一般式(a1−1)で表されるアセタールまたはケタールで保護された保護フェノール性水酸基である場合、保護フェノール性水酸基の全体としては、−Ar−O−CR101102(OR103)の構造となっている。なお、Arはアリーレン基を表す。
フェノール性水酸基のアセタールエステル構造の好ましい例は、R101=R102=R103=メチル基やR101=R102=メチル基でR103=ベンジル基の組み合わせが例示できる。
また、フェノール性水酸基がアセタールまたはケタールで保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、ヒドロキシスチレンの1−アルコキシアルキル保護体、ヒドロキシスチレンのテトラヒドロピラニル保護体、α−メチル−ヒドロキシスチレンの1−アルコキシアルキル保護体、α−メチル−ヒドロキシスチレンのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(1−メタクリロイルオキシメチル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(1−メタクリロイルオキシメチル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(2−メタクリロイルオキシエチル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(2−メタクリロイルオキシエチル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体などが挙げられる。
これらの中で、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(1−メタクリロイルオキシメチル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(1−メタクリロイルオキシメチル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(2−メタクリロイルオキシエチル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(2−メタクリロイルオキシエチル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体が透明性の観点から好ましい。
フェノール性水酸基のアセタール保護基およびケタール保護基の具体例としては、1−アルコキシアルキル基が挙げられ、例えば、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチル基、1−ベンジルオキシエチル基などを挙げることができ、これらは単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(a1−2)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、フェノール性水酸基を有する化合物を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。上記の合成はフェノール性水酸基を有するモノマーをその他のモノマーと予め共重合させておき、その後に酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させてもよい。
前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(a1−2)の好ましい具体例としては、下記のモノマー単位が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005642578
<<<その他のモノマー単位(a1)の好ましい態様>>>
前記重合体(A’)と重合体(A’’)の合計または共重合体(A)(好ましくは前記(A)共重合体)を構成するモノマー単位中、モノマー単位(a1)の含有率は、感度の観点から、重合体を全体として、3〜70モル%が好ましく、5〜60モル%がより好ましい。また、特に前記モノマー単位(a1)に用いることができる前記酸分解性基がカルボキシル基がアセタールで保護された保護カルボキシル基、または、カルボキシル基がケタールで保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位である場合、モノマー単位(a1)を含む重合体を構成するモノマー単位中のモノマー単位(a1)の含有率は、10〜50モル%がさらに好ましい。
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位(a1−1)は、前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(a1−2)に比べると、現像が速いという特徴がある。よって、速く現像したい場合には酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位(a1−1)が好ましい。逆に現像を遅くしたい場合には酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(a1−2)を用いることが好ましい。
<<(a2)架橋基を有するモノマー単位>>
(A)成分は、架橋基を有するモノマー単位(a2)を有する。前記架橋基は、加熱処理で硬化反応を起こす基であれば特に限定はされない。好ましい架橋基を有するモノマー単位の態様としては、オキシラニル基、オキセタニル基およびエチレン性不飽和基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含むモノマー単位が挙げられる。すなわち、3員環および/または4員環の環状エーテル基、並びに、エチレン性不飽和基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含むモノマー単位が挙げられる。その中でも、本発明の感光性樹脂組成物は、前記(A)成分が、オキシラニル基およびオキセタニル基のうち少なくとも1つを含むモノマー単位を含むことがより好ましく、オキセタニル基を含むモノマー単位を含むことが特に好ましい。より詳細には、以下のものが挙げられる。
<<<(a2−1)オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー単位>>>
前記(A)共重合体は、オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー単位(モノマー単位(a2−1))を含有することが好ましい。前記3員環の環状エーテル基はオキシラニル基とも呼ばれ、4員環の環状エーテル基はオキセタニル基とも呼ばれる。前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー単位(a2−1)としては、脂環オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー単位であることが好ましく、オキセタニル基を有するモノマー単位であることがより好ましい。
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー単位(a2−1)は、1つのモノマー単位中にオキシラニル基またはオキセタニル基を少なくとも1つ有していればよく、1つ以上のオキシラニル基および1つ以上オキセタニル基、2つ以上のオキシラニル基、または、2つ以上のオキセタニル基を有していてもよく、特に限定されないが、オキシラニル基および/またはオキセタニル基を合計1〜3つ有することが好ましく、オキシラニル基および/またはオキセタニル基を合計1または2つ有することがより好ましく、オキシラニル基またはオキセタニル基を1つ有することがさらに好ましい。
オキシラニル基を有するモノマー単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落0031〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられる。
オキセタニル基を有するモノマー単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができる。
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー単位(a2−1)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、メタクリル酸エステル構造を含有するモノマー、アクリル酸エステル構造を含有するモノマーであることが好ましい。
これらのモノマーの中で、さらに好ましいものとしては、特許第4168443号公報の段落0034〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物および特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、特に好ましいものとしては特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。これらの中でも好ましいものは、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、および、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルであり、最も好ましいものはアクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、および、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルである。これらのモノマー単位は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー単位(a2−1)が、下記式(a2−1−1)および式(a2−1−2)よりなる群から選択された構造を有することが好ましい。
Figure 0005642578
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー単位(a2−1)が、上記式(a2−1−1)で表される3つの構造のいずれかを有するとは、式(a2−1−1)で表される構造から水素原子を1つ以上除いた基を有することを意味する。
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー単位(a2−1)は、3,4−エポキシシクロヘキシル基、2,3−エポキシシクロヘキシル基、2,3−エポキシシクロペンチル基を有することがさらに好ましい。
Figure 0005642578
(一般式(a2−1−2)中、R1bおよびR6bはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、R2b、R3b、R4b、R5b、R7b、R8b、R9b、R10bはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、または、アリール基を表す。)
前記一般式(a2−1−2)中、R1bおよびR6bはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基(以下、「低級アルキル基」ともいう。)であることがより好ましい。
2b、R3b、R4b、R5b、R7b、R8b、R9b、R10bはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、または、アリール基を表す。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示でき、フッ素原子および塩素原子がより好ましく、フッ素原子がさらに好ましい。
前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、また、置換基を有していてもよい。直鎖状および分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜8であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることがさらに好ましい。前記環状アルキル基としては、炭素数3〜10であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数5〜7であることがさらに好ましい。なお、直鎖状および分岐鎖状のアルキル基は、環状アルキル基で置換されていてもよく、環状アルキル基は直鎖状および/または分岐鎖状アルキル基で置換されていてもよい。
前記アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜10のアリール基であることがさらに好ましい。
前記アルキル基、アリール基は、さらに置換基を有していてもよく、アルキル基の有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、が例示でき、アリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基が例示できる。
これらの中でも、R2b、R3b、R4b、R5b、R7b、R8b、R9b、R10bはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、または、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがより好ましい。
上記一般式(a2−1−2)で表される構造を有する基としては、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル基が好ましく例示できる。
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー単位(a2−1)の好ましい具体例としては、下記のモノマー単位が例示できる。なお、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
Figure 0005642578
本発明において、硬化感度の観点からは、オキシラニル基および/またはオキセタニル基の中でも、オキセタニル基が好ましい。また、本発明において、透過率(透明性)の観点からは、脂環オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましい。以上より、本発明においては、オキシラニル基および/またはオキセタニル基としては、脂環オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましく、オキセタニル基が特に好ましい。
<<<(a2−2)エチレン性不飽和基を有するモノマー単位>>>
前記架橋基を有するモノマー単位(a2)の1つとして、エチレン性不飽和基を有するモノマー単位(a2−2)が挙げられる(以下、「モノマー単位(a2−2)」ともいう。)。前記エチレン性不飽和基を有するモノマー単位(a2−2)としては、側鎖にエチレン性不飽和基を有するモノマー単位が好ましく、末端にエチレン性不飽和基を有し、炭素数3〜16の側鎖を有するモノマー単位がより好ましく、下記一般式(a2−2−1)で表される側鎖を有するモノマー単位がさらに好ましい。
一般式(a2−2−1)
Figure 0005642578
(一般式(a2−2−1)中、R301は炭素数1〜13の二価の連結基を表し、R302は水素原子またはメチル基を表し、*は架橋基を有するモノマー単位(a2)の主鎖に連結する部位を表す。)
301は、炭素数1〜13の二価の連結基であって、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリーレン基またはこれらを組み合せた基を含み、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合等の結合を含んでいてもよい。また、二価の連結基は、任意の位置にヒドロキシ基、カルボキシル基等の置換基を有していてもよい。R301の具体例としては、下記の二価の連結基が挙げられる。
Figure 0005642578
前記一般式(a2−2−1)で表される側鎖の中でも、前記R301で表される2価の連結基を含めて脂肪族の側鎖が好ましい。前記一般式(a2−2−1)で表される連結基を有する側鎖の中でも、前記R301で表される2価の連結基を介して連結する−CH(R302)=CH2で表される末端がメタクリロイル基である側鎖であること、すなわち前記R302がメチル基であることがより好ましい。
また、前記一般式(a2−2−1)で表される側鎖に含まれるエチレン性不飽和基は、前記重合体(A’)と重合体(A’’)の合計または共重合体(A)(好ましくは前記(A)共重合体)に対して150〜2,000gに対して1モル含まれることが好ましく、200〜1,300gに対して1モル含まれることがより好ましい。
本発明において、前記エチレン性不飽和基を有するモノマー単位(a2−2)は、下記一般式(a2−2−2)で表されるモノマー単位であることが好ましい。
一般式(a2−2−2)
Figure 0005642578
(一般式(a2−2−2)中、R311は、前記一般式(a2−2−1)におけるR301と同義であり好ましい範囲も同様である。R312、R313はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。)
前記一般式(a2−2−1)で表される側鎖を有するモノマー単位(a2−2)を得る方法は、特に限定されないが、例えば、あらかじめラジカル重合等の重合方法によって、特定官能基を有する重合体を生成し、その特定官能基と反応する基および末端にエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、特定化合物と称する)とを反応させることによって前記一般式(a2−2−1)で表される側鎖を有するモノマー単位(a2−2)を有する共重合体とすることができる。
ここで、前記特定官能基としては、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、活性水素を有するアミノ基、フェノール性水酸基、イソシアネート基等が挙げられる。特定官能基を有する重合体を合成するための特定官能基を有するモノマーについては後述する。
前記特定官能基と前記特定化合物が有する特定官能基と反応する基との組み合わせとしては、カルボキシル基とエポキシ基との組み合わせ、カルボキシル基とオキセタニル基との組み合わせ、ヒドロキシ基とイソシアネート基との組み合わせ、フェノール性水酸基とエポキシ基との組み合わせ、カルボキシル基とイソシアネート基との組み合わせ、アミノ基とイソシアネート基との組み合わせ、ヒドロキシ基と酸クロリドとの組み合わせ等が挙げられる。
また、前記特定化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、イソシアナートエチルメタクリレート、イソシアナートエチルアクリレート、メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられる。
好ましい前記特定官能基と前記特定化合物の組み合わせとしては、前記特定官能基であるカルボキシル基と前記特定化合物であるグリシジルメタクリレートとの組み合わせ、および、前記特定官能基であるヒドロキシ基と前記特定化合物であるイソシアネートエチルメタクリレートとの組み合わせが挙げられる。
以下に、前記特定官能基を有する重合体を得るために必要な、前記特定官能基を有するモノマーの具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
前記カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノ(2−(アクリロイルオキシ)エチル)フタレート、モノ(2−(メタクリロイルオキシ)エチル)フタレート、N−(カルボキシフェニル)マレイミド、N−(カルボキシフェニル)メタクリルアミド、N−(カルボキシフェニル)アクリルアミド等が挙げられる。
前記エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、3−エテニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,7−オクタジエンモノエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート等が挙げられる。
前記ヒドロキシ基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、カプロラクトン2−(アクリロイルオキシ)エチルエステル、カプロラクトン2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート、5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン等が挙げられる。
前記活性水素を有するアミノ基を有するモノマーとしては、2−アミノエチルアクリレート、2−アミノメチルメタクリレート等が挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシスチレン、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)マレイミド等が挙げられる。
さらに、前記イソシアネート基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロイルエチルイソシアネート、メタクリロイルエチルイソシアネート、m−テトラメチルキシレンイソシアネート、等が挙げられる。
また、本発明においては、前記特定官能基を有する重合体を得る際に、前述の特定官能基を有するモノマーと(a1)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位、または、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位となるモノマーとを併用する。さらに、後述の(a1)および(a2)以外のその他のモノマー単位(a3)となるモノマーを併用することができる。
本発明に用いる前記特定官能基を有する重合体を得る方法は特に限定されないが、例えば、特定官能基を有するモノマー、それ以外のモノマーおよび所望により重合開始剤等を共存させた溶剤中において、50〜110℃の温度下で重合反応させることにより得られる。その際、用いられる溶剤は、特定官能基を有する重合体を構成するモノマーおよび特定官能基を有する重合体を溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、後述する(D)溶剤に記載する溶剤が挙げられる。このようにして得られる特定官能基を有する重合体は、通常、溶剤に溶解した溶液の状態である。
次いで、得られた特定官能基を有する重合体と特定化合物とを反応させて、側鎖の末端にエチレン性不飽和基を有するモノマー単位(a2−2)を得ることができる。その際、通常は、特定官能基を有する重合体の溶液を反応に供する。例えば、カルボキシル基を有するアクリル重合体の溶液に、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等の触媒存在下、80℃〜150℃の温度でグリシジルメタクリレートを反応させることにより、モノマー単位(a2−2)を得ることができる。
また、モノマー単位(a2−2)を形成するために、上述のような高分子反応を用いる他に、アリルメタクリレート、アリルアクリレート等をラジカル重合性単量体として用いてもよい。これらのモノマー単位は、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<<<モノマー単位(a2)の好ましい態様>>>
前記重合体(A’)と重合体(A’’)の合計または共重合体(A)(好ましくは前記(A)共重合体)を構成するモノマー単位中、モノマー単位(a2)の含有量は、形成された膜の各種耐性と透明性の観点から、5〜60モル%が好ましく、10〜55モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。上記の数値の範囲内であると、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の透明性およびITOスパッタ耐性が良好となる。
<<(a3)その他のモノマー単位>>
本発明において、(A)成分は、前記モノマー単位(a1)および(a2)を除く、その他のモノマー単位(a3)を有していてもよい。その他のモノマー単位(a3)となるモノマーとしては、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物類、マレイミド化合物類、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、その他の不飽和化合物を挙げることができる。
具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリルなどによる構成単位を挙げることができる。この他、特開2004−264623号公報の段落0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる。
中でも、(最終)加熱処理でモノマー単位(a2)や別添加の架橋剤(本発明においては、前記(C)メチロール系架橋剤や、(F)エポキシ樹脂)と反応する基を有するその他のモノマー単位(a3)が、膜強度の観点で好ましい。前記(最終)加熱処理でモノマー単位(a2)や別添加の架橋剤と反応する基を有するその他のモノマー単位(a3)は、アセタールまたはケタール以外で保護されたカルボキシル基を有するモノマー単位、あるいは、アセタールまたはケタール以外で保護されたフェノール性水酸基を有するモノマー単位であることが好ましい。さらに、アセタールまたはケタール以外で保護されたカルボキシル基を有するモノマー単位であることが好ましい。具体的には(メタ)アクリル酸第三級アルキルエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸tert−ブチルおよび(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルがより好ましく、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、すなわちHEMAが特に好ましい。前記(最終)加熱処理でモノマー単位(a2)や別添加の架橋剤と反応する基を有するその他のモノマー単位(a3)の、前記重合体(A’)と重合体(A’’)の合計または共重合体(A)に対する割合は、1〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、10〜30モル%であることが特に好ましい。
また、前記(A)共重合体は、保護されていないカルボキシル基を有するモノマー単位、または、保護されていないフェノール性水酸基を有するモノマー単位を前記重合体(A’)と重合体(A’’)の合計または共重合体(A)に対して1〜50モル%含有することが感度の点で好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、10〜30モル%であることが特に好ましい。前記保護されていないカルボキシル基を有するモノマー単位、または、保護されていないカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するモノマー単位としては、公知の酸性基を有するモノマーを挙げることができ、損おなかでも(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
前記その他のモノマー単位(a3)となるモノマーは、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。本発明では、前記(a3)モノマー単位として、アセタールまたはケタール以外で保護されたカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するモノマー単位と、保護されていないカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するモノマー単位を共に含むことが好ましい。
<<(A)共重合体の分子量>>
(A)共重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは2,000〜50,000の範囲である。上記の数値の範囲内であると、感度とITO適性とが良好である。
<<(A)共重合体の製造方法>>
また、(A)成分の合成法についても、様々な方法が知られているが、一例を挙げると、少なくとも前記(a1)および前記(a2)で表されるモノマー単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体混合物を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。
<(B)光酸発生剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)光酸発生剤を含有する。本発明で使用される光酸発生剤(「(B)成分」ともいう。)としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。本発明で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましい。
光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩やヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、および、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、絶縁性の観点から、オキシムスルホネート化合物を用いることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
これらの具体例としては、以下が例示できる。
トリクロロメチル−s−トリアジン類として、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジンまたは2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等;
ジアリールヨードニウム塩類として、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート等;
トリアリールスルホニウム塩類として、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートまたは4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム4−メトキシフェニルスルホナート(実施例で用いたB−9)等;
第四級アンモニウム塩類として、テトラメチルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等;
ジアゾメタン誘導体として、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン等;
イミドスルホネート誘導体として、トリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エンジカルボキシイミド、スクシンイミドトリフルオロメチルスルホネート、フタルイミドトリフルオロメチルスルホネート、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホネート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドプロパンスルホネート等;
オキシムスルホネート化合物として、以下に示す化合物。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましく例示できる。
一般式(B1)
Figure 0005642578
(一般式(B1)中、R21は、アルキル基またはアリール基を表す。)
いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基またはナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、低級アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子で置換されてもよい。
前記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する上記化合物は、下記一般式(B2)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
Figure 0005642578
(式(B2)中、R42は、アルキル基またはアリール基を表し、Xは、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表し、m4は、0〜3の整数を表し、m4が2または3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。)
Xとしてのアルキル基は、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。
Xとしてのアルコキシ基は、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルコキシ基が好ましい。
Xとしてのハロゲン原子は、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
m4は、0または1が好ましい。
前記一般式(B2)中、m4が1であり、Xがメチル基であり、Xの置換位置がオルト位であり、R42が炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、またはp−トルイル基である化合物が特に好ましい。
前記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記一般式(B3)で表されるオキシムスルホネート化合物であることもより好ましい。
Figure 0005642578
(式(B3)中、R43は式(b1)におけるR42と同義であり、X1は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、n4は0〜5の整数を表す。)
前記一般式(B3)におけるR43としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基が好ましく、n−オクチル基が特に好ましい。
1としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
n4としては、0〜2が好ましく、0〜1が特に好ましい。
前記一般式(B3)で表される化合物の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−〔(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリルを挙げることができる。
好ましいオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記化合物(i)〜(viii)等が挙げられ、1種単独で使用、または、2種類以上を併用することができる。化合物(i)〜(viii)は、市販品として、入手することができる。また、他の種類の(B)光酸発生剤と組み合わせて使用することもできる。
Figure 0005642578
前記前記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記一般式(OS−1)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 0005642578
前記一般式(OS−1)中、R101は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。R102は、アルキル基、又は、アリール基を表す。
101は−O−、−S−、−NH−、−NR105−、−CH2−、−CR106H−、又は、−CR105107−を表し、R105〜R107はアルキル基、又は、アリール基を表す。
121〜R124は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基、又は、アリール基を表す。R121〜R124のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
121〜R124としては、水素原子、ハロゲン原子、及び、アルキル基が好ましく、また、R121〜R124のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R121〜R124がいずれも水素原子である態様が感度の観点から好ましい。
既述の官能基は、いずれも、更に置換基を有していてもよい。
前記一般式(OS−1)で表される化合物は、下記一般式(OS−2)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0005642578
前記一般式(OS−2)中、R101、R102、R121〜R124は、それぞれ式(OS−1)におけるのと同義であり、好ましい例もまた同様である。
これらの中でも、前記一般式(OS−1)及び前記一般式(OS−2)におけるR101がシアノ基、又は、アリール基である態様がより好ましく、前記一般式(OS−2)で表され、R101がシアノ基、フェニル基又はナフチル基である態様が最も好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムやベンゾチアゾール環の立体構造(E,Z等)のついてはそれぞれ、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
以下に、本発明に好適に用いうる前記一般式(OS−1)で表される化合物の具体例(例示化合物b−1〜b−34)を示すが、本発明はこれに限定されない。なお、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Bnはベンジル基を表し、Tsはトシル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
上記化合物の中でも、感度と安定性との両立の観点から、b−9、b−16、b−31、b−33が好ましい。
本発明では、前記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記一般式(OS−3)、下記一般式(OS−4)または下記一般式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
Figure 0005642578
(一般式(OS−3)〜一般式(OS−5)中、R22、R25およびR28はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R23、R26およびR29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表し、X1〜X3はそれぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、n1〜n3はそれぞれ独立に1または2を表し、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜6の整数を表す。)
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
22、R25およびR28におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、ベンジル基が好ましい。
22、R25およびR28におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
また、前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
22、R25およびR28におけるアリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。
22、R25およびR28におけるアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
また、前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R1におけるヘテロアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数4〜30のヘテロアリール基が好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるヘテロアリール基は、少なくとも1つの環が複素芳香環であればよく、例えば、複素芳香環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
22、R25およびR28におけるヘテロアリール基としては、置換基を有していてもよい、チオフェン環、ピロール環、チアゾール環、イミダゾール環、フラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環、および、ベンゾイミダゾール環よりなる群から選ばれた環から1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
22、R25およびR28におけるヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R23、R26およびR29は、水素原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、化合物中に2以上存在するR23、R26およびR29のうち、1つ又は2つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R23、R26およびR29におけるアルキル基またはアリール基は、置換基を有していてもよい。ここで、R23、R26およびR29におけるアルキル基またはアリール基が有していてもよい置換基としては、前記R22、R25およびR28におけるアルキル基またはアリール基が有していてもよい置換基と同様の基が例示できる。
23、R26およびR29におけるアルキル基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、置換基を有してもよい総炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
23、R26およびR29におけるアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基、アリル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基が更に好ましく、メチル基が好ましい。
23、R26およびR29におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
23、R26およびR29におけるアリール基として具体的には、フェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。
23、R26およびR29におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
これらの中でも、塩素原子、臭素原子が好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、X1〜X3はそれぞれ独立にOまたはSを表し、Oであることが好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)において、X1〜X3を環員として含む環は、5員環または6員環である。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、n1〜n3はそれぞれ独立に1または2を表し、X1〜X3がOである場合、n1〜n3はそれぞれ独立に1であることが好ましく、また、X1〜X3がSである場合、n1〜n3はそれぞれ独立に2であることが好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表す。その中でも、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にアルキル基またはアルキルオキシ基であることが好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基およびアルコキシスルホニル基は、置換基を有していてもよい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、ベンジル基が好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルキルオキシ基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜30のアルキルオキシ基であることが好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキルオキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシエチルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、または、エトキシエチルオキシ基が好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキルオキシ基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアミノスルホニル基としては、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、メチルフェニルアミノスルホニル基、アミノスルホニル基が挙げられる。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルコキシスルホニル基としては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロピルオキシスルホニル基、ブチルオキシスルホニル基が挙げられる。
また、前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜6の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、前記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記一般式(OS−6)〜(OS−11)のいずれかで表されるオキシムスルホネート化合物であることが特に好ましい。
Figure 0005642578
(式(OS−6)〜(OS−11)中、R301〜R306はアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R307は、水素原子または臭素原子を表し、R308〜R310、R313、R316およびR318はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基またはクロロフェニル基を表し、R311およびR314はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基を表し、R312、R315、R317およびR319はそれぞれ独立には水素原子またはメチル基を表す。)
前記一般式(OS−6)〜(OS−11)におけるR301〜R306は、前記一般式(OS−3)〜(OS−5)におけるR22、R25およびR28と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(OS−6)におけるR307は、水素原子または臭素原子を表し、水素原子であることが好ましい。
前記一般式(OS−6)〜(OS−11)におけるR308〜R310、R313、R316およびR318はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基またはクロロフェニル基を表し、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子またはフェニル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
前記一般式(OS−8)および前記一般式(OS−9)におけるR311およびR314はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基を表し、水素原子であることが好ましい。
前記一般式(OS−8)〜(OS−11)におけるR312、R315、R317およびR319は、水素原子またはメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムの立体構造(E,Z)については、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
前記前記一般式(OS−3)〜前記一般式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記例示化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578

Figure 0005642578
Figure 0005642578
本発明の感光性樹脂組成物において、(B)光酸発生剤は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)共重合体)100質量部に対して、0.1〜10質量部使用することが好ましく、0.5〜10質量部使用することがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、活性光線に感応する光酸発生剤として1,2−キノンジアジド化合物を含んでいてもよい。1,2−キノンジアジド化合物は、逐次型光化学反応によりカルボキシル基を生成するが、その量子収率は必ず1以下である。
<(C)メチロール系架橋剤>
本発明の感光性樹脂組成物は下記一般式(c1)で表される部分構造を分子内に少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤を含有する。なお、本明細書中、(C)メチロール系架橋剤には、架橋反応性が乏しく一般に広く溶媒として用いられる化合物(例えばメトキシ酢酸メチルなどの後述する(D)溶媒に記載されている化合物)は含まれない。
Figure 0005642578
(一般式(c1)中、R1は炭素数1〜5の分岐していてもよいアルキル基を表す。)
前記一般式(c1)中、R1は炭素数1〜4の直鎖アルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
上記メチロール系架橋剤としては、たとえばメラミン系、ベンゾグアナミン系、尿素樹脂系化合物が挙げられる。前記(C)メチロール系架橋剤はアルコキシアルキル化メラミン樹脂、アルコキシアルキル化ベンゾグアナミン樹脂およびアルコキシアルキル化尿素樹脂などのアルコキシアルキル化アミノ樹脂を形成することができるモノマー(前駆体)であることが好ましい。
前記アルコキシアルキル化アミノ樹脂の具体例としては、メトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂、ブトキシメチル化メラミン樹脂、メトキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、エトキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、プロポキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、メトキシメチル化尿素樹脂、エトキシメチル化尿素樹脂、プロポキシメチル化尿素樹脂、ブトキシメチル化尿素樹脂などが挙げられる。
本発明では、前記(C)メチロール系架橋剤が、窒素原子を含む複素環骨格および尿素骨格のうち少なくとも1つを有するメチロール系架橋剤であることが好ましい。
窒素原子を含む複素環骨格としては特に制限はないが、5員環または6員環の窒素原子を含む複素環骨格が好ましく、5員環または6員環の窒素原子を含む芳香族複素環、あるいは、尿素骨格を構成する窒素原子の置換基が互いに連結してなる5員環または6員環の飽和複素環であることがより好ましい。
前記5員環または6員環の窒素原子を含む芳香族複素環の中では、6員環の窒素原子を含む芳香族複素環であることが特に好ましく、トリアジン環を含む骨格であることがより特に好ましい。
前記尿素骨格を構成する窒素原子の置換基が互いに連結してなる5員環または6員環の飽和複素環の中では、窒素原子2つと炭素原子3つで構成される5員環の飽和複素環、または窒素原子2つと炭素原子3つで構成される5員環の飽和複素環の縮合環であることが特に好ましく、窒素原子2つと炭素原子3つで構成される5員環の飽和複素環2つの縮合環であることがより特に好ましい。
前記一般式(c1)で表される部分構造は、前記(C)メチロール系架橋剤の分子内に2〜8個含まれていることが好ましく、4〜8個含まれていることがより好ましく、5または6個含まれていることが特に好ましく、6個含まれていることがより特に好ましい。
前記(C)メチロール系架橋剤は、窒素原子を含む複素環骨格および尿素骨格のうち少なくとも1つを有し、かつ、前記一般式(c1)で表される部分構造が前記窒素原子を含む複素環骨格および/または尿素骨格に、連結基を介さずに直接結合していることが好ましい。
前記(C)メチロール系架橋剤としては、下記一般式(c2)で表されるトリアジン環を少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤であるであることがより好ましい。
Figure 0005642578
(一般式(c2)中、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、N−(R5)R6または置換基を有してもよいフェニル基を表す。R5およびR6は水素原子または前記一般式(c1)で表される基を表し、前記R5およびR6の少なくとも一方は前記一般式(c1)で表される基である。)
前記一般式(c2)において、R2、R3およびR4のうち少なくとも2つがN−(R5)R6であることが好ましく、3つともN−(R5)R6であることがより好ましい。
前記R2、R3およびR4が置換基を有してもよいフェニル基である場合、該置換基としては特に制限はないが、無置換のフェニル基であることが好ましい。
5およびR6は、2つとも前記一般式(c1)で表される基であることが好ましい。
前記(C)メチロール架橋剤としては、下記一般式(c3)で表されるメチロールメラミン化合物であることがさらに好ましい。
Figure 0005642578
(一般式(c3)中、R7〜R12はそれぞれ独立に水素原子または前記一般式(c1)で表される基を表す。)
7〜R12のうち、5または6個が前記一般式(c1)で表される基であることが好ましく、6個とも前記一般式(c1)で表される基であることがより好ましい。
前記(C)メチロール架橋剤として本発明に用いることができる好ましい具体的化合物を以下に挙げる。但し、本発明は以下の具体的化合物によって限定されるものではない。
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
上記のアルコキシメチル化メラミン樹脂、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂およびアルコキシメチル化尿素樹脂の中で、解像性の観点からアルコキシメチル化メラミン樹脂およびアルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂が好ましく、アルコキシメチル化メラミン樹脂が最も好ましい。
これらは縮合物として2量化、3量化した化合物となっていてもよい。また、場合によりそれ以上縮合が進んでいてもよい。本発明では、前記(C)メチロール系架橋剤の単量体を少なくとも含むことが好ましい。
これらのメチロール系架橋剤は、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
前記(C)メチロール系架橋剤の含有量は、解像性と感度を両立する観点から、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)共重合体)に対して通常0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜8質量%であり、特に好ましくは0.2〜5質量%である。
<(D)溶剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)溶剤を含有する。本発明の感光性樹脂組成物は、必須成分である上記(A)〜(D)成分、好ましい成分である後述の(E)〜(I)成分、さらに後述の任意の成分を(D)溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される(D)溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される(D)溶剤としては、例えば、
(ア)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
(イ)エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;
(ウ)エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
(エ)プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
(オ)プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(カ)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
(キ)ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;
(ク)ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
(ケ)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
(コ)ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル等のジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(サ)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
(シ)乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチル、乳酸n−アミル、乳酸イソアミル等の乳酸エステル類;
(ス)酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸n−ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;
(セ)ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸エチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
(ソ)メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;
(タ)N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;
(チ)γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。
また、これらの溶剤にさらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。これら溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、または、2種を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類又はジアルキルエーテル類、ジアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類、あるいは、エステル類とブチレングリコールアルキルエーテルアセテート類とを併用することがさらに好ましい。
また、成分Dとしては、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤、又は、これらの混合物であることが好ましく、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上200℃以下の溶剤、又は、これらの混合物であることがより好ましく、沸点130℃以上160℃未満の溶剤と沸点160℃以上200℃以下の溶剤との混合物であることが更に好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物における(D)溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)共重合体)100質量部当たり、50〜3,000質量部であることが好ましく、100〜2,000質量部であることがより好ましく、150〜1,500質量部であることがさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分以外に加えて、必要に応じて、(B’)増感剤、(F)エポキシ樹脂、(G)密着改良剤、(H)塩基性化合物、(I)界面活性剤を好ましく加えることができる。さらに本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、可塑剤、熱ラジカル発生剤、酸化防止剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、および、有機または無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を加えることができる。
(B’)増感剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)光酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましい。増感剤は、活性光線または放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nmの波長域のいずれかに吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
これら増感剤の中でも、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類が好ましく、多核芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でもアントラセン誘導体が最も好ましい。
(F)エポキシ樹脂
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じ、前記(C)メチロール系架橋剤以外のその他の架橋剤として、(F)エポキシ樹脂を含有していてもよい。前記(F)エポキシ樹脂としては、例えば、以下に述べる分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物を添加することができる。(F)エポキシ樹脂を添加することにより、熱硬化時により強固な硬化膜とすることができるため、耐溶剤性が向上する。(F)エポキシ樹脂としては以下のものを添加することができる。
<分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物>
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)、等が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S65、JER157S70(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等が、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同 EP−4085S、同 EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同 PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同 EP−4003S、同 EP−4010S、同 EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)等が挙げられる。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中で好ましいものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が好ましく、フェノールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。
(G)密着改良剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(G)密着改良剤を含有してもよい。本発明の感光性樹脂組成物に用いることができる(G)密着改良剤は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。本発明で使用される(G)密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがさらに好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがよりさらに好ましい。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらは基板との密着性の向上に有効であるとともに、基板とのテーパー角の調整にも有効である。
本発明の感光性樹脂組成物における(G)密着改良剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)共重合体)100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
(H)塩基性化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、(H)塩基性化合物を含有してもよい。(H)塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、複素環式アミンを2種併用することがさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における(H)塩基性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)共重合体)100質量部に対して、0.001〜1質量部であることが好ましく、0.005〜0.2質量部であることがより好ましい。
(I)界面活性剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(I)界面活性剤を含有してもよい。(I)界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、または、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記一般式(1)で表される構成単位Aおよび構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
一般式(1)
Figure 0005642578
(式(1)中、R401およびR403はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、R402は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R404は水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、pおよびqは重合比を表す重量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表す。)
前記Lは、下記一般式(2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。一般式(2)におけるR405は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2または3のアルキル基がより好ましい。pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
一般式(2)
Figure 0005642578
前記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これらの界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物における(I)界面活性剤の添加量は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは、固形分、より好ましくは前記(A)共重合体)100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜1質量部であることがさらに好ましい。
酸化防止剤
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1098(チバジャパン(株)製)が挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜6質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の感光性樹脂組成物に添加してもよい。
[硬化膜の製造方法]
次に、本発明の硬化膜の製造方法を説明する。
本発明の硬化膜の製造方法は、以下の(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とする。
(1)本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に適用する適用工程;
(2)適用されたポジ型感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程;
(3)活性光線により露光する露光工程;
(4)水性現像液により現像する現像工程;
(5)熱硬化するポストベーク工程。
以下に各工程を順に説明する。
(1)の適用工程では、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に適用して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。
(2)の溶剤除去工程では、適用された上記の膜から、減圧(バキューム)および/または加熱により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させる。
(3)の露光工程では、得られた塗膜に波長300nm以上450nm以下の活性光線を照射する。この工程では、(B)光酸発生剤が分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、(A)共重合体中に含まれる酸分解性基が加水分解されて、カルボキシル基またはフェノール性水酸基が生成する。
酸触媒の生成した領域において、上記の加水分解反応を加速させるために、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行う。PEBにより、酸分解性基からのカルボキシル基またはフェノール性水酸基の生成を促進させることができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。
本発明における式(a1−1)で表されるモノマー単位中の酸分解性基は、酸分解の活性化エネルギーが低く、露光による酸発生剤由来の酸により容易に分解し、カルボキシル基またはフェノール性水酸基を生じるため、必ずしもPEBを行うことなく、現像によりポジ画像を形成することもできるが、本発明の硬化膜の製造方法では、本発明の感光性樹脂組成物を用いて(5)のポストベーク工程を行うことで、得られた硬化膜は熱フローを少なくすることができる。そのため、本発明の硬化膜の製造方法で得られた硬化膜は、例えばレジストとして基板に用いた場合に基板ごと本発明の硬化膜を加熱したとしても、パターンの解像性がほとんど悪化しない。なお、本明細書中、「熱フロー」とは、露光および現像工程によって形成されたパターン硬化膜の断面形状が、その硬化膜を加熱(好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃〜240℃)したときに変形し、寸法、テーパー角などが劣化することを言う。
(4)の現像工程では、遊離したカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する共重合体を、アルカリ性現像液を用いて現像する。アルカリ性現像液に溶解しやすいカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する樹脂組成物を含む露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成する。
(5)のポストベーク工程において、得られたポジ画像を加熱することにより、モノマー単位(a1)中の酸分解性基を熱分解しカルボキシル基またはフェノール性水酸基を生成させ、モノマー単位(a2)の架橋基、および前記(C)前記一般式(c1)で表される部分構造を分子内に少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤と架橋させることにより、硬化膜を形成することができる。本発明の感光性樹脂組成物は、前記(C)前記一般式(c1)で表される部分構造を分子内に少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤を含み、保存安定性、感度、耐溶剤性および現像工程後のポストベーク工程を経た後の解像性に優れる。本発明の硬化膜の製造方法は、このような本発明の感光性樹脂組成物を用いることで、(5)のポストベーク工程において、モノマー単位(a2)の架橋基のみで架橋を行う場合よりも、より架橋性が高めることができる。この加熱は、150℃以上の高温に加熱することが好ましく、180〜250℃に加熱することがより好ましく、200〜240℃に加熱することが特に好ましい。加熱時間は、加熱温度などにより適宜設定できるが、10〜90分の範囲内とすることが好ましい。
ポストベーク工程の前に活性光線、好ましくは紫外線を現像パターンに全面照射する工程を加えると、活性光線照射により発生する酸により架橋反応を促進することができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法を具体的に説明する。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
(A)〜(D)の必須成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物を調製する。例えば、(A)〜(C)成分を、それぞれ予め(D)溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物溶液は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
<適用工程および溶剤除去工程>
感光性樹脂組成物を、所定の基板に適用し、減圧および/または加熱(プリベーク)により溶剤を除去することにより、所望の乾燥塗膜を形成することができる。前記の基板としては、例えば液晶表示素子の製造においては、偏光板、さらに必要に応じてブラックマトリックス層、カラーフィルター層を設け、さらに透明導電回路層を設けたガラス板などが例示できる。感光性樹脂組成物を基板へ適用する方法としては特に制限はないが、その中でも、本発明では基板へ感光性樹脂組成物を塗布することが好ましい。基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の方法を用いることができる。中でもスリットコート法が大型基板に適するという観点で好ましい。大型基板で製造すると生産性が高く好ましい。ここで大型基板とは、各辺が1m以上の大きさの基板をいう。
また、(2)溶剤除去工程の加熱条件は、未露光部における(A)成分中のモノマー単位(a1)において酸分解性基が分解して、(A)成分をアルカリ現像液に可溶性としない範囲であり、各成分の種類や配合比によっても異なるが、好ましくは80〜130℃で30〜120秒間程度である。
<露光工程および現像工程(パターン形成方法)>
露光工程では、塗膜を設けた基板に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射する。露光工程の後、必要に応じて加熱処理(PEB)を行った後、現像工程では、アルカリ性現像液を用いて露光部領域を除去して画像パターンを形成する。
活性光線による露光には、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜180秒間であり、また、現像の手法は液盛り法、ディップ法等の何れでもよい。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、所望のパターンを形成させることができる。
<ポストベーク工程(架橋工程)>
現像により得られた未露光領域に対応するパターンについて、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば180〜250℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜60分間、オーブンならば30〜90分間、加熱処理をすることにより、(A)成分における酸分解性基を分解して、カルボキシル基またはフェノール性水酸基を発生させ、モノマー単位(a2)中の架橋性基、および前記(C)前記一般式(c1)で表される部分構造を分子内に少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤と反応させて架橋させることにより、耐熱性、硬度等に優れた保護膜や層間絶縁膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより透明性を向上させることもできる。
なお、加熱処理に先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により再露光した後、ポストベークすること(再露光/ポストベーク)により未露光部分に存在する(B)成分から酸を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能させることが好ましい。
すなわち、本発明の硬化膜の形成方法は、現像工程とポストベーク工程の間に、活性光線により再露光する再露光工程を含むことが好ましい。再露光工程における露光は、前記露光工程と同様の手段により行えばよいが、前記再露光工程では、基板の本発明の感光性樹脂組成物により膜が形成された側に対し、全面露光を行うことが好ましい。
再露光工程の好ましい露光量としては、100〜1,000mJ/cm2である。
[硬化膜]
本発明の硬化膜は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化膜である。
本発明の硬化膜は、層間絶縁膜として好適に用いることができる。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の形成方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物により、絶縁性に優れ、高温でベークされた場合においても高い透明性を有する層間絶縁膜が得られる。本発明の感光性樹脂組成物を用いてなる層間絶縁膜は、高い透明性を有し、硬化膜物性に優れるため、有機EL表示装置や液晶表示装置の用途に有用である。
[有機EL表示装置、液晶表示装置]
本発明の有機EL表示装置および液晶表示装置は、本発明の硬化膜を具備することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置や液晶表示装置としては、前記本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物および本発明の硬化膜は、前記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、カラーフィルターの保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルター上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図1は、有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化層4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルター22が設けられている。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
以下の合成例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業製)
GMA:グリシジルメタクリレート(和光純薬工業製)
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業製)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(和光純薬工業製)
EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(東邦化学工業製、ハイソルブEDM)
<重合体A−1の合成>
共重合体(A)である重合体A−1を以下のごとく合成した。
エチルビニルエーテル144.2部(2モル当量)にフェノチアジン0.5部を添加し、反応系中を10℃以下に冷却しながらメタクリル酸86.1部(1モル当量)を滴下後、室温(25℃)で4時間撹拌した。p−トルエンスルホン酸ピリジニウム5.0部を添加後、室温で2時間撹拌し、一夜室温放置した。反応液に炭酸水素ナトリウム5部および硫酸ナトリウム5部を添加し、室温で1時間撹拌し、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)43〜45℃/7mmHg留分のメタクリル酸1−エトキシエチル(MAEVE)134.0部を無色油状物として得た。
得られたメタクリル酸1−エトキシエチル(63.28部(0.4モル当量))、GMA(42.65部(0.3モル当量))、MAA(8.61部(0.1モル当量))、HEMA(26.03部(0.2モル当量))およびEDM(110.8部)の混合溶液を窒素気流下、70℃に加熱した。この混合溶液を撹拌しながら、ラジカル重合開始剤V−65(商品名、和光純薬工業(株)製、4部)およびEDM(100.0部)の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下が終了してから、70℃で4時間反応させることにより、重合体A−1のEDM溶液(固形分濃度:40%)を得た。
得られた重合体A−1のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、15,000であった。
<重合体A−2〜A−9の合成>
使用した各モノマーおよびその使用量を、下記表1に記載のものに変更した以外は、重合体A−1の合成と同様にして、共重合体(A)である重合体A−2〜A−10をそれぞれ合成した。
Figure 0005642578
表1中の略号は以下の通りである。
MAEVE:メタクリル酸1−エトキシエチル
GMA:グリシジルメタクリレート
OXE−30:メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(大阪有機化学工業(株)製)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
M100:メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(ダイセル化学工業(株)製)
MAA:メタクリル酸
CHOEMA:メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル
MATHF:メタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル
Ph−1:4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル
P−Ph−1:4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルの1−エトキシエチルエーテル
St:スチレン
<CHOEMAの合成>
前記重合体A−1の合成におけるMAEVEの合成法と同様の方法でCHOEMAの合成を行った。
<MATHFの合成>
メタクリル酸(86g、1mol)を15℃に冷却しておき、カンファースルホン酸(4.6g,0.02mol)添加した。その溶液に、2−ジヒドロフラン(71g、1mol、1.0当量)を滴下した。1時間撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)54〜56℃/3.5mmHg留分のメタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル(MATHF)125gを無色油状物として得た(収率80%)。
また、Ph−1(4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル)は、以下に示す方法により合成した。
<Ph−1の合成>
4−ヒドロキシ安息香酸(3−ヒドロキシプロピル)エステル23gのアセトニトリル100ml溶液に、撹拌下、N−メチルピロリドン20mlを加え、更にメタクリル酸クロリド16gを加えた。35°Cで8時間、撹拌しながら反応させた後、反応混合物を氷水にあけ、析出した結晶を濾取し、酢酸エチル/n−ヘキサンから再結晶し、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルを得た。
<P−Ph−1の合成>
P−Ph−1は、Ph−1を1−エトキシエチルエーテルにて保護することにより得た。Ph−1の1−エトキシエチルエーテル保護は、前記合成例1に記載される方法と同様の方法で実施した。
[実施例1]
下記組成Aとなるように各成分を溶解混合し、口径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、実施例1の感光性樹脂組成物を得た。
<組成A>
・共重合体(A):重合体A−1のポリエチレングリコールメチルエーテルアセテート〔以下、PGMEAと略記する。溶剤(D)成分〕溶液 共重合体(A)固形分で100.0部
・光酸発生剤(B):下記に示すB−1 2.0部
・増感剤(B’):下記に示すN−1 2.0部
・メチロール系架橋剤(C):下記に示すC−1 2.0部
・エポキシ樹脂(F):下記に示すF−1 2.0部
・密着改良剤(G):下記に示すG−1 0.5部
・塩基性化合物(H):下記に示すH−1 0.1部
・塩基性化合物(H):下記に示すH−2 0.01部
・界面活性剤(I):下記に示すI−1 0.02部
[実施例2〜46、比較例1]
実施例1において用いた各化合物を、表2に記載の化合物に変更した以外は、実施例1と同様の添加量にて溶解混合し、実施例2〜46および比較例1の感光性樹脂組成物を調製した。なお表2では記載を省略してあるが、実施例2〜46および比較例1では溶剤(D)としてのPGMEA、密着改良剤G−1、塩基性化合物H−1、塩基性化合物H−2および界面活性剤I−1を、実施例1と同じ添加量で添加した。
実施例1〜46、比較例1に用いた各化合物を示す略号の詳細は、以下の通りである。
B−1:CGI−1397(商品名、下記に示す構造、チバスペシャルティ・ケミカルズ社製)
B−2:PAI−101(商品名、下記に示す構造、チバスペシャルティ・ケミカルズ社製)
B−3:下記に示す構造(合成例を後述する。)
B−4:下記に示す構造(合成例を後述する。)
B−5:下記に示す構造(合成例を後述する。)
B−6:下記に示す構造(合成例を後述する。)
B−7:下記に示す構造(合成例を後述する。)
B−8:下記に示す構造(合成例を後述する。)
B−9:TPS−1000(商品名、下記に示す構造、みどり化学社製)
N−1:DBA(商品名、9,10−ジブトキシアントラセン、下記に示す構造、川崎化成工業製)
C−1:ニカラックMW−100LM(商品名、下記に示す構造、三和ケミカル社製)
C−2:ニカラックMX−750LM(商品名、下記に示す構造、三和ケミカル社製)
C−3:ニカラックBX−4000(商品名、下記に示す構造、三和ケミカル社製)
C−4:ニカラックMX−270(商品名、下記に示す構造、三和ケミカル社製)
F−1:JER157S65(商品名、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)
G−1:KBM−403(商品名、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、下記に示す構造、信越化学工業(株)製)
H−1:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
H−2:トリフェニルイミダゾール
I−1:下記構造式で示されるパーフルオロアルキル基含有ノニオン性界面活性剤
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
Figure 0005642578
<B−3の合成>
B−3として示した化合物(α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル)は、以下のように合成した。
α−(ヒドロキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリルの合成
フェニルアセトニトリル5.85g(東京化成社製)をテトラヒドロフラン:50ml(和光純薬社製)に混合させ、氷浴につけ反応液を5℃以下に冷却した。次に、SM−28(ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液、和光純薬社製)11.6gを滴下し、氷浴下30分間攪拌し反応させた。次に、亜硝酸イソペンチル7.03g(東京化成社製)を内温20度以下に保ちながら滴下し、滴下終了後に反応液を室温化1時間反応させた。得られた反応液を、水酸化ナトリウム1gを溶解させた水150mLに投入し完溶させ、次いで酢酸エチル100mlを添加して分液し、目的物を有する水層約180mlを得た。さらに再度酢酸エチル100mlを添加し、濃塩酸で水層をpH3以下の酸性とし、生成物を抽出、濃縮した。得られた粗結晶をヘキサンで洗浄すると、α−(ヒドロキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル4.6gが収率63%で得られた。
(2)α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル(化合物B−3)の合成
α−(ヒドロキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル11.5gをテトラヒドロフラン:100ml(和光純薬社製)に溶解させ、氷浴につけ反応液を5℃以下に冷却した。次にメタンスルホニルクロリド9.9g(和光純薬社製)を滴下し、次いでトリエチルアミン9.55g(和光純薬社製)を内温20度以下に保ちながら滴下し、氷浴下1時間攪拌し反応させた。
得られた反応液を、水500mLに滴下し、室温下で一時間攪拌した。得られた粉末状の析出物を濾過、乾燥させると、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル(化合物B−5)16gが収率90%で得られた。この化合物のH−NMRスペクトルは、生成物がオキシム構造異性体(syn/anti)の混合物であることを示し、その存在比はsyn:anti=25/75であった。
<B−4の合成>
特表2002−528451号公報の段落番号[0108]に記載の方法に従って、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)フェニルアセトニトリル(化合物B−4)を合成した。
<B−5の合成>
1−1.合成中間体B−5Aの合成
2−アミノベンゼンチオール:31.3g(東京化成工業(株)製)をトルエン:100mL(和光純薬工業(株)製)に室温(25℃)下溶解させた。次に、得られた溶液に、フェニルアセチルクロリド:40.6g(東京化成工業(株)製)を滴下し、室温下1時間、次いで100℃で2時間撹拌し反応させた。得られた反応液に水500mLを入れ析出した塩を溶解させ、トルエン油分を抽出、抽出液をロータリエバポレーターで濃縮させ、合成中間体B−5Aを得た。
1−2.B−5の合成
前記のようにして得られた合成中間体B−5A 2.25gをテトラヒドロフラン:10mL(和光純薬工業(株)製)に混合させた後、氷浴につけ反応液を5℃以下に冷却した。次に、反応液に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド:4.37g(25質量%メタノール溶液、Alfa Acer社製)を滴下し、氷浴下0.5時間撹拌し反応させた。さらに、亜硝酸イソペンチル:7.03gを内温20℃以下に保ちながら滴下し、滴下終了後に反応液を室温まで昇温後、一時間撹拌した。
ついで、反応液を5℃以下に冷却し後、p−トルエンスルホニルクロリド(1.9g)(東京化成工業(株)製)を投入し、10℃以下を保ちながら1時間撹拌した。その後水80mLを投入し、0℃で1時間撹拌した。得られた析出物を濾過した後、イソプロピルアルコール(IPA)60mLを投入し、50℃に加熱して1時間撹拌し、熱時濾過、乾燥させることで、B−5(前述の構造)1.8gを得た。
得られたB−5の1H−NMRスペクトル(300MHz、重DMSO((D3C)2S=O))は、δ=8.2〜8.17(m,1H),8.03〜8.00(m,1H),7.95〜7.9(m,2H),7.6〜7.45(m,9H),2.45(s,3H)であった。
上記の1H−NMR測定結果より、得られたB−5は、1種単独の幾何異性体であることが推定される。
<B−6の合成>
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4NHCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機層に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2NHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(30mL)の懸濁溶液に酢酸(7.3g)、50質量%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶をろ過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶をろ過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してB−6(前述の構造)2.3gを得た。
なお、B−6の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
<B−7の合成>
2−ナフトール(20g)をN,N−ジメチルアセトアミド(150mL)に溶解させ、炭酸カリウム(28.7g)、2−ブロモオクタン酸エチル(52.2g)を添加して100℃で2時間反応させた。反応液に水(300mL)、酢酸エチル(200mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液(23g)、エタノール(50mL)、水(50mL)を添加し、2時間反応させた。反応液を1N HCl水溶液(500mL)にあけ、析出した結晶をろ過、水洗してカルボン酸粗体を得た後、ポリリン酸30gを添加して170℃で30分反応させた。反応液を水(300mL)にあけ、酢酸エチル(300mL)を添加して分液し、有機層を濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ケトン化合物(10g)を得た。
得られたケトン化合物(10.0g)、メタノール(100mL)の懸濁溶液に酢酸ナトリウム(30.6g)、塩酸ヒドロキシルアミン(25.9g)、硫酸マグネシウム(4.5g)を添加し、24時間加熱還流した。放冷後、水(150mL)、酢酸エチル(150mL)添加して分液し、有機層を水80mLで4回分液し、濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製してオキシム化合物(5.8g)を得た。
得られたオキシム(3.1g)に対し、B−6と同様にスルホネート化を行い、B−7(前述の構造)3.2gを得た。
なお、B−7の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.5(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(dd,1H),2.4(s,3H),2.2(ddt,1H),1.9(ddt,1H),1.4〜1.2(m,8H),0.8(t,3H)であった。
<B−8の合成>
B−6におけるp−トルエンスルホニルクロリドの代わりにベンゼンスルホニルクロリドを用いた以外は、B−6と同様にして、B−8(前述の構造)を合成した。
なお、B−8の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.1(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.7−7.5(m,4H),7.4(dd,1H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),1.7(d,3H)であった。
[比較例2:1,2−キノンジアジド化合物を使用した例]
比較例2の感光性樹脂組成物としては、特開平5−165214号公報の実施例1に記載される組成物を調製した。
[比較例3:オニウム塩系光酸発生剤を使用した例]
比較例3の感光性樹脂組成物としては、特開2004−264623号公報の実施例1に記載された組成物を、以下のように調製した。
−比較例3の感光性樹脂組成物の調製−
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200部を仕込んだ。引き続き1−(シクロヘキシルオキシ)エチルメタクリレート40部、スチレン5部、メタクリル酸グリシジル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部およびα−メチルスチレンダイマー3部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体を含む重合体溶液を得た。得られた共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は11,000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、31.6%であった。
上記で合成した共重合体を含有する溶液を、共重合体100部(固形分)に相当する量、および、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート5部を、固形分濃度が30%となるようにジエチレングリコールメチルエチルエーテルに溶解させた後、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、比較例3の感光性樹脂組成物を得た。
[比較例4:特定のエステル構造により保護されたp−ヒドロキシスチレン樹脂を使用した例]
比較例4の感光性樹脂組成物としては、特開平11−167205号公報の実施例に記載された組成物を調製した。
[比較例5:特定のアセタール構造により保護されたp−ヒドロキシスチレン樹脂を使用した例]
比較例5の感光性樹脂組成物としては、特開2004−4669号公報の実施例1に記載された組成物を調製した。
以上により得られた実施例1〜46、および比較例1〜5の感光性樹脂組成物について、以下に示す各評価を行った。
<液経時安定性(液保存性)の評価>
調製直後の感光性樹脂組成物の粘度(初期粘度)と、30℃で1週間後および2週間保管後の感光性樹脂組成物の粘度(経時粘度)とを、E型粘度計(東機産業(株)製)にて測定した。評価基準は、経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として10%以上変化するものを「3」、粘度の変化が10%未満5%以上の場合を「2」、粘度の変化が5%未満の場合を「1」とした。「1」および「2」が実用上問題のないレベルである。結果を表2に示す。
<感度の評価>
ガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。
次に、得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用いて、所定のマスクを介して露光した。そして、露光後の感光性組成物層を、アルカリ現像液(0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスした。
これらの操作により10μmのラインアンドスペースを1:1で解像する時の最適i線露光量(Eopt)を感度とした。なお、評価基準は下記の通りである。「1」および「2」が実用上問題のないレベルである。結果を表2に示す。
1:40mJ/cm2未満
2:40mJ/cm2以上60mJ/cm2未満
3:60mJ/cm2以上80mJ/cm2未満
4:80mJ/cm2以上
<耐溶剤性の評価>
感度の評価と同様にしてガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に硬化膜を形成した。
得られた硬化膜の膜厚(T1)を測定した。そして、この硬化膜が形成された基板を7
0℃に温度制御されたジメチルスルホキシド中に20分間浸漬させた後、浸漬後の硬化膜の膜厚(t1)を測定し、浸漬による膜厚変化率{|t1−T1|/T1}×100〔%〕を算出した。結果を表2に示す。
膜厚変化率の値が3%未満(即ち、基準1〜3の結果が得られた場合)のとき、硬化膜の耐溶剤性は良好であるといえる。
1:1%未満
2:1%以上2%未満
3:2%以上3%未満
4:3%以上
<解像性の評価>
ガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上で溶剤を除去して膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。
引き続いて、得られた感光性樹脂組成物層を、0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として、23℃で60秒現像後に10μm角のコンタクトホールパターンが得られる露光量(照度:20mW/cm2、i線)で、10μm角のパターン開口部を有するマスクを介して、露光を行った。
露光後の基板を、0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として、23℃で60秒のパドル現像を行った。
パターニングされた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が300mJ/cm2(照度:20mW/cm2、i線)となるように露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃で1時間加熱して硬化膜を得た。
得られた硬化膜付きガラス基板を切削し、パターニングされたコンタクトホールを電界放出形走査電子顕微鏡S−4800(HITACHI社製)によって観察し、解像性の評価を行った。
評価基準は以下の通りである。結果を表2に示す。
5μm角のコンタクトホールが解像できた場合(即ち、基準1または2の結果が得られた場合)、解像性は良好であると言える。
1:4μm角のコンタクトホールが解像可能
2:4μm角のコンタクトホールは解像不能、5μm角のコンタクトホールは解像可能
3:5μm角のコンタクトホールは解像不能、7μm角のコンタクトホールは解像可能
4:7μm角のコンタクトホールは解像不能、10μm角のコンタクトホールは解像可能
5:10μm角のコンタクトホールは解像不能
Figure 0005642578
表2に示されるように、各実施例の感光性樹脂組成物は、各比較例の感光性樹脂組成物との対比において、液保存性、感度、耐溶剤性、解像性のいずれの評価についても優れた結果が得られたことがわかった。ここで、比較例2〜5は特許文献1〜4の実施例の追試を行ったものであり、比較例2および3は(C)メチロール系架橋剤を含まない構成であり、特に感度と解像性に劣ることがわかった。比較例4および5は前記(a2)で表されるモノマー単位を含む重合体を用いていない構成であり、特に耐溶剤性と解像性に劣ることがわかった。
[実施例47]
実施例47では、実施例1の感光性樹脂組成物を使用し、基板をガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))から、6inchシリコンウェハに変更した以外は、実施例1の感光性樹脂組成物に対して行った感度およびパターン形状の評価と同様にして、感度およびパターン形状の評価を行った。
結果を表3に示す。
[実施例48]
実施例48では、実施例1の感光性樹脂組成物を使用し、露光機を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機から、Nikon(株)製FX−803M(gh−Line ステッパ)に変更した以外は、実施例1の感光性樹脂組成物に対して行った感度およびパターン形状の評価と同様にして、感度およびパターン形状の評価を行った。
結果を表3に示す。
[実施例49]
実施例49では、実施例1の感光性樹脂組成物を使用し、露光機を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機から、355nmレーザー露光機に変更して355nmレーザー露光を行った以外は、実施例1の感光性樹脂組成物に対して行った感度およびパターン形状の評価と同様にして、感度およびパターン形状の評価を行った。
尚、355nmレーザー露光機としては、株式会社ブイテクノロジー社製の「AEGIS」を使用し(波長355nm、パルス幅6nsec)、露光量はOPHIR社製の「PE10B-V2」を用いて測定した。
結果を表3に示す。
[実施例50]
実施例50では、実施例1の感光性樹脂組成物を使用し、露光機を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機から、UV−LED光源露光機に変更した以外は、実施例1の感光性樹脂組成物に対して行った感度および解像性の評価と同様にして、感度およびパターン形状の評価を行った。
結果を表3に示す。
Figure 0005642578
表3に示されるように、実施例の感光性樹脂組成物は、基板、露光機の如何に拘らず、優れた感度を示し、且つ、形成されたパターンの形状にも優れていることがわかった。
[実施例51]
薄膜トランジスター(TFT)を用いた有機EL表示装置を以下の方法で作製した(図1参照)。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3を形成した。次に、この絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)を絶縁膜3上に形成した。この配線2は、TFT1間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上へ平坦化膜4を形成した。絶縁膜3上への平坦化膜4の形成は、実施例16の感光性樹脂組成物を基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(90℃×2分)した後、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を45mJ/cm2(照度20mW/cm2)照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、230℃で60分間の加熱処理を行った。
感光性樹脂組成物を塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、焼成の後に得られた硬化膜には、しわやクラックの発生は認められなかった。さらに、配線2の平均段差は500nm、作製した平坦化膜4の膜厚は2,000nmであった。
次に、得られた平坦化膜4上に、ボトムエミッション型の有機EL素子を形成した。まず、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5を、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成した。その後、レジストを塗布、プリベークし、所望のパターンのマスクを介して露光し、現像した。このレジストパターンをマスクとして、ITOエッチャント用いたウエットエッチングによりパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(リムーバ100、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用いて該レジストパターンを50℃で剥離した。こうして得られた第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
次に、第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8を形成した。絶縁膜8には、実施例23の感光性樹脂組成物を用い、前記と同様の方法で絶縁膜8を形成した。この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、真空蒸着装置内で所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設けた。次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成した。得られた上記基板を蒸着機から取り出し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。
以上のようにして、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続してなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られた。駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い有機EL表示装置であることが分かった。
[実施例52]
特許第3321003号公報の図1に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、層間絶縁膜として硬化膜17を以下のようにして形成し、実施例52の液晶表示装置を得た。
すなわち、実施例26の感光性樹脂組成物を用い、上記実施例51における有機EL表示装置の平坦化膜4の形成方法と同様の方法で、層間絶縁膜として硬化膜17を形成した。
得られた液晶表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い液晶表示装置であることが分かった。
[実施例53]
<透明性の評価>
前記実施例1〜46の感光性樹脂組成物を用いて、最終加熱処理を220℃で90分間に変更した以外は解像性の評価と同様にして、硬化膜を得た。
この硬化膜の光線透過率を、分光光度計(U−3000:(株)日立製作所製)を用いて、波長400〜800nmで測定した。その結果、いずれも光線透過率が95%以上であり、透明性が良好であることがわかった。
[実施例54]
実施例1の感光性樹脂組成物において、C−1の添加量を1.0部にした以外はすべて実施例1と同様にして、実施例54の感光性樹脂組成物を調製した。実施例1と同様の評価を実施したところ、すべての評価項目において、実施例1と同様の結果が得られた。
1:TFT(薄膜トランジスター)
2:配線
3:絶縁膜
4:平坦化膜
5:第一電極
6:ガラス基板
7:コンタクトホール
8:絶縁膜
10:液晶表示装置
12:バックライトユニット
14,15:ガラス基板
16:TFT
17:硬化膜
18:コンタクトホール
19:ITO透明電極
20:液晶
22:カラーフィルター

Claims (16)

  1. (A')酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー単位または酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー単位(a1)を含有する重合体、
    (A'')架橋基を有するモノマー単位(a2)を含有する重合体、
    (B)光酸発生剤、
    (C)下記一般式(c1)で表される部分構造を分子内に少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤、および、
    (D)溶剤、を含有することを特徴とする化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0005642578
    (一般式(c1)中、R1は炭素数1〜5の分岐していてもよいアルキル基を表す。)
  2. 前記モノマー単位(a1)を含有する重合体(A')と、前記モノマー単位(a2)を含有する重合体(A'')が、同一の共重合体(A)であることを特徴とする請求項1に記載の化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記(C)メチロール系架橋剤が、窒素原子を含む複素環骨格および尿素骨格のうち少なくとも1つを有するメチロール系架橋剤である、請求項1または2に記載の化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 前記(C)メチロール系架橋剤が、下記一般式(c2)で表されるトリアジン環を少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤である、請求項1または2に記載の化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0005642578
    (一般式(c2)中、R2、R3およびR4はそれぞれ独立にN−(R5)R6または置換基を有してもよいフェニル基を表す。前記R5およびR6は水素原子または前記一般式(c1)で表される基を表し、前記R5およびR6の少なくとも一方は前記一般式(c1)で表される基である。)
  5. 前記(C)メチロール系架橋剤が、下記一般式(c3)で表されるメチロールメラミン化合物である、請求項1または2に記載の化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0005642578
    (一般式(c3)中、R7〜R12はそれぞれ独立に水素原子または前記一般式(c1)で表される基を表す。)
  6. 前記(B)光酸発生剤が、下記一般式(b1)で表されるオキシムスルホネート構造を含む化合物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0005642578
    (一般式(b1)中、R21は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。)
  7. 前記(B)光酸発生剤が、下記一般式(OS−3)、下記一般式(OS−4)または下記一般式(OS−5)で表される化合物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0005642578
    (一般式(OS−3)〜一般式(OS−5)中、R22、R25およびR28はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R23、R26およびR29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表し、X1〜X3はそれぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、n1〜n3はそれぞれ独立に1または2を表し、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜6の整数を表す。)
  8. 前記(B)光酸発生剤が、下記一般式(b2)で表される化合物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0005642578
    (一般式(b2)中、R31は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、X11はアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、m11は0〜3の整数を表す。m11が2または3であるとき複数のX11は同一であっても異なっていてもよい。)
  9. (F)エポキシ樹脂をさらに含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物。
  10. 前記(A)共重合体中の前記架橋基を有するモノマー単位(a2)が、オキシラニル基およびオキセタニル基のうち少なくとも1つを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物。
  11. (1)請求項1〜10のいずれか一項に記載の化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物を基板上に適用する適用工程、
    (2)適用された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、
    (3)活性放射線で露光する露光工程、
    (4)水性現像液で現像する現像工程、および、
    (5)熱硬化するポストベーク工程、を含むことを特徴とする硬化膜の製造方法。
  12. 前記現像工程後、ポストベーク工程前に、全面露光する工程を含む、請求項11に記載の硬化膜の製造方法。
  13. 請求項11または12に記載の製造方法により製造された硬化膜。
  14. 層間絶縁膜である、請求項13に記載の硬化膜。
  15. 請求項13または14に記載の硬化膜を具備する、有機EL表示装置。
  16. 請求項13または14に記載の硬化膜を具備する、液晶表示装置。
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