JP5514284B2 - マイクロレンズアレイ露光機用組成物を用いた樹脂パターンの製造方法 - Google Patents

マイクロレンズアレイ露光機用組成物を用いた樹脂パターンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロレンズアレイ露光機用組成物を用いた樹脂パターンの製造方法に関する。特に、薄膜トランジスタ(TFT)基板を製造するための樹脂パターンの製造方法に関する。
近年、スマートフォンの普及により、パネル高精細化の波が押し寄せている。高精細化は基板上に、例えば、特許文献1または特許文献2に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物や、特許文献3に記載のエッチングレジスト用感光性樹脂組成物を塗布し、フォトマスクの像を結像レンズにより縮小投影して露光するステッパ露光装置を使用することにより対処することができるが、例えば1m角以上の大面積の基板に対して露光を行う場合には、使用するレンズ口径が基板の大きさに対応して大きくなり高価なものとなるという問題がある。この問題に対しては、特許文献4に記載のマイクロレンズアレイ(MLA)露光装置を用いることで、大面積の被露光体における非周期性のパターンを高解像度で作製できることが記述されている。
特開2004−264623号公報 特開平5−165214号公報 特開平9−325473号公報 特開2011−118155号公報
しかし、本願発明者が検討したところ、MLA露光装置で露光したときに、パターン形成に用いる組成物の種類によっては、感度および解像度に優れた樹脂パターンが製造できない場合があることが分かった。
本願発明は、かかるMLA露光特有の問題を解決することを目的としたものであって、感度および解像度に優れた樹脂パターンの製造方法を提供するものである。
上記課題のもと、発明者が検討した結果、特定の組成を含む組成物を用いると、MLA露光を行っても、ホール内または露光ライン間に残渣が残らず、感度および解像度にも優れたパターンを形成しうることがわかった。特に、従来から広く用いられているMPA露光装置を用いて露光する場合、本発明で用いる組成物を用いても残渣が著しい場合があったが、MLA露光装置を用いると残渣が顕著になくなることは驚くべきことである。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>〜<18>により、上記課題は解決された。
<1>(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂、(B)オキシムスルホネート系光酸発生剤、および(C)溶剤、を含有する組成物を基板上に塗布する工程、(3)マイクロレンズアレイ露光機で前記組成物に活性光線を照射し露光する工程、および(4)水性現像液で現像する工程、を含む樹脂パターンの製造方法。
<2>前記(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂が、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の構造単位および/または酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の構造単位(a1)を含有する重合体を含む、<1>に記載の樹脂パターンの製造方法。
<3>前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の構造単位および/または酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基が、アセタールで保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の構造単位および/またはアセタールで保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の構造単位である、<1>または<2>に記載の樹脂パターンの製造方法。
<4>前記(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂が、下記一般式(a1−1)で表される構造単位および/または下記一般式(V)で表される構造単位を有する、<1>〜<3>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法。
(一般式(a1−1)中、R121は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、L1はカルボニル基またはフェニレン基を表し、R122〜R128はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
(一般式(V)中、Ra1〜Ra6は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20の置換基を有していてもよいアルキル基、または、置換基を有していてもよいアリール基であり、互いに結合して環を形成していてもよい。Ra7は水素原子またはメチル基であり、Ra8はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基である。n1は0〜4の整数である。)
<5>前記(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂が、架橋基を有するモノマー由来の構造単位(a2)を含有する、<2>〜<4>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法。
<6>前記(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂が、下記一般式(a1−1)で表される構造単位を繰り返し単位と、架橋基を有するモノマー由来の構造単位(a2)とを含有する重合体を含有する、<1>〜<3>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法。
(一般式(a1−1)中、R121は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、L1はカルボニル基またはフェニレン基を表し、R122〜R128はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
<7>(D)塩基性化合物をさらに含有する、<1>〜<6>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法。
<8>(D)塩基性化合物が、下記一般式(a)で表される化合物である、<7>に記載の樹脂パターンの製造方法。
一般式(a)
(一般式(a)中、R2は炭素数が1〜6の置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐のアルキル基または炭素数3〜10の置換基を有していてもよい環状のアルキル基を表す。Xは酸素原子または硫黄原子を表す。Y1は酸素原子または−NH−基を表す。p1は1〜3の整数を表す。)
<9>(B)オキシムスルホネート系光酸発生剤が、下記一般式(B2)または(B3)で表されるオキシムスルホネート系酸発生剤である、<1>〜<8>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法。
一般式(B2)
(式(B2)中、R42は、アルキル基またはアリール基を表し、Xは、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表し、m4は、0〜3の整数を表し、m4が2または3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。)
一般式(B3)
(式(B3)中、R43は、アルキル基またはアリール基を表し、X1は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、n4は0〜5の整数を表す。)
<10>前記組成物が層間絶縁膜用組成物である、<1>〜<9>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法。
<11>前記組成物がエッチングレジスト用組成物である、<1>〜<9>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法。
<12>前記組成物が、さらに、増感剤、エポキシ樹脂、密着改良剤、塩基性化合物および界面活性剤の少なくとも1種を含む、<1>〜<11>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法。
<13>前記(4)水性現像液で現像する工程の後に、ポストベークする工程をさらに含む、<1>〜<12>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法。
<14><1>〜<12>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法を含み、前記(4)水性現像液で現像する工程の後に、(5)形成された樹脂パターンをマスクとして前記基板をエッチングする工程、および、(6)前記樹脂パターンを剥離する工程、を含むパターン基板の製造方法。
<15>前記(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂が、前記一般式(V)で表される構造単位を繰り返し単位として有する、<14>に記載のパターン基板の製造方法。
<16><1>〜<13>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法を含む層間絶縁膜の製造方法。
<17><1>〜<13>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法、<14>または<15>に記載のパターン基板の製造方法、または、<16>に記載の層間絶縁膜の製造方法を含む、薄膜トランジスタ基板の製造方法。
<18><1>〜<13>のいずれかに記載の樹脂パターンの製造方法、<14>または<15>に記載のパターン基板の製造方法、または、<16>に記載の層間絶縁膜の製造方法を含む、表示装置の製造方法。
本発明により、MLA露光を行っても、感度および解像度にも優れた樹脂パターンの作製が可能になった。
有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。本明細書において、アルキル基等の「基」は、特に述べない限り、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
[樹脂パターンの製造方法]
本発明の樹脂パターンの製造方法は、
(1)(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂、(B)オキシムスルホネート系光酸発生剤、および(C)溶剤、を含有する組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布された前記組成物から前記溶剤を除去する工程、
(3)マイクロレンズアレイ露光機で前記組成物に活性光線を照射し露光する工程、および
(4)水性現像液で現像する工程を含む。
本願発明者が検討したところ、公知の感光性樹脂組成物を、MLA露光装置で露光すると、ホール内に残渣が残りやすいことが分かった。後述する本発明の樹脂パターンの製造方法の第1の態様によれば、MLA露光装置で露光しても、ホール内の残渣を解消すると共に、感度および解像度を良好にすることができる。
また、本願発明者が検討したところ、公知の感光性樹脂組成物の中には、MLA露光装置で露光すると、露光ライン間に残渣が残りやすいことが分かった。後述する本発明の樹脂パターンの製造方法の第2の態様によれば、MLA露光装置で露光しても、露光ライン間の残渣を解消すると共に、感度および解像度を良好にすることができる。
以下、本発明の樹脂パターンの製造方法の好ましい態様について、第1の態様および第2の態様の順で説明する。
[樹脂パターンの製造方法の第1の態様]
本発明の樹脂パターンの製造方法は、例えば、上記(1)〜(4)の工程に加えて、(4)水性現像液で現像する工程の後に、(5)ポストベークする工程をさらに含むことが好ましい。また、第1の態様は、層間絶縁膜の製造方法に適用することが好ましい。
(1)組成物を基板上に塗布する工程
(1)の塗布工程では、組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。以下、組成物について説明した後、(1)の塗布工程以降の工程について説明する。
[組成物]
本発明で用いる組成物は、(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂、(B)オキシムスルホネート系光酸発生剤、および(C)溶剤を含有することを特徴とする。
本発明で用いる組成物は、ポジ型であることが好ましく、化学増幅型のポジ型であることがより好ましい。
以下、本発明で用いる組成物について各成分の好ましい態様を順に説明する。
<(A)成分>
本発明で用いる組成物は、(A)成分として、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の構造単位または酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の構造単位(a1)および架橋基を有するモノマー由来の構造単位(a2)を含有する重合体を含有する。
すなわち、本発明で用いる組成物が含有することが好ましい(A)重合体は、
(a1)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位または酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位(以下、「モノマー由来の繰り返し単位(a1)」ともいう。)と、
(a2)架橋基を有するモノマー由来の繰り返し単位(以下、「モノマー由来の繰り返し単位(a2)」ともいう。)と、
を含有する重合体である。
(A)成分は、前記モノマー由来の繰り返し単位(a1)およびモノマー由来の繰り返し単位(a2)以外にも、その他のモノマー由来の繰り返し単位(a3)を含有していてもよい。
(A)重合体は、アルカリ不溶性であることが好ましく、かつ、モノマー由来の繰り返し単位(a1)が有する酸分解性基が分解したときにアルカリ可溶性となる樹脂であることが好ましい。ここで、酸分解性基とは酸の存在下で分解することが可能な官能基を意味する。すなわち、カルボキシル基が酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位は、酸により保護基が分解することによって、カルボキシル基を生成可能であり、また、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位は、酸により保護基が分解することによって、フェノール性水酸基を生成可能である。ここで、本発明において「アルカリ可溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒以上であることをいい、「アルカリ不溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒未満であることをいう。
前記(A)重合体は、後述するカルボキシル基、カルボン酸無水物由来の構造および/またはフェノール性水酸基を有するその他のモノマー由来の繰り返し単位等を有していてもよい。但し、酸性基の導入をする場合は、前記(A)重合体全体をアルカリ不溶性に保つ範囲で、導入することが好ましい。
(A)重合体は、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来するモノマー由来の繰り返し単位を含む重合体であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来するモノマー由来の繰り返し単位以外のモノマー由来の繰り返し単位、例えば、スチレンに由来するモノマー由来の繰り返し単位や、ビニル化合物に由来するモノマー由来の繰り返し単位等を有していてもよい。
前記(A)重合体は、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来するモノマー由来の繰り返し単位を、重合体における全モノマー由来の繰り返し単位に対し、50モル%以上含有することが好ましく、90モル%以上含有することがより好ましく、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来するモノマー由来の繰り返し単位のみからなる重合体であることが特に好ましい。
なお、「(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来するモノマー由来の繰り返し単位」を「アクリル系モノマー由来の繰り返し単位」ともいう。また、「(メタ)アクリル酸」は、「メタクリル酸および/またはアクリル酸」を意味するものとする。
以下、モノマー由来の繰り返し単位(a1)、モノマー由来の繰り返し単位(a2)、それぞれについて説明する。
<<(a1)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位、または、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位>>
(A)成分は、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位、または、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位を有する。(A)成分がモノマー由来の繰り返し単位(a1)を有することにより、極めて高感度な組成物とすることができる。
以下、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1)と、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−2)について、順にそれぞれ説明する。
<<<(a1−1)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位>>>
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1)は、カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位の該カルボキシル基が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位である。
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1)に用いることができる前記カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位としては、特に制限はなく公知のモノマー由来の繰り返し単位を用いることができる。例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1−1)や、エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1−2)が挙げられる。
以下、前記カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位として用いられる(a1−1−1)分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー由来の繰り返し単位と、(a1−1−2)エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有するモノマー由来の繰り返し単位について、それぞれ順に説明する。
<<<<(a1−1−1)分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー由来の繰り返し単位>>>>
前記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1−1)として本発明で用いられる不飽和カルボン酸としては以下に挙げるようなものが用いられる。すなわち、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、けい皮酸などが挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。また、カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位を得るために用いられる不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよい。具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、多価カルボン酸のモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などが挙げられる。さらに、不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。また、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等も用いることができる。
中でも、現像性の観点から、前記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1−1)を形成するためには、アクリル酸、メタクリル酸、または不飽和多価カルボン酸の無水物等を用いることが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸を用いることがより好ましい。
前記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1−1)は、1種単独で構成されていてもよいし、2種以上で構成されていてもよい。
<<<<(a1−1−2)エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有するモノマー由来の繰り返し単位>>>>
エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1−2)は、エチレン性不飽和基を有するモノマー由来の繰り返し単位中に存在する水酸基と酸無水物とを反応させて得られたモノマーに由来する単位であることが好ましい。
前記酸無水物としては、公知のものが使用でき、具体的には、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物などの酸無水物が挙げられる。これらの中では、現像性の観点から、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、または無水コハク酸、が好ましい。
前記酸無水物の水酸基に対する反応率は、現像性の観点から、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
<<<<モノマー由来の繰り返し単位(a1−1)に用いることができる酸分解性基>>>>
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1)に用いることができる前記酸分解性基としては、これまでKrF用ポジ型レジスト、ArF用ポジ型レジストにおける酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。従来、酸分解性基としては、酸により比較的分解し易い基(例えば、テトラヒドロピラニル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解し難い基(例えば、t−ブチルエステル基、t−ブチルカーボネート基等のt−ブチル系官能基)が知られている。
これらの酸分解性基の中でもカルボキシル基がアセタールまたはケタールで保護された保護カルボキシル基、または、カルボキシル基がケタールで保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位であることが、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状、コンタクトホールの形成性、組成物の保存安定性の観点から好ましい。さらに酸分解性基の中でもカルボキシル基が下記一般式(a1−1)で表されるアセタールまたはケタールで保護された保護カルボキシル基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、カルボキシル基が下記一般式(a1−1)で表されるアセタールまたはケタールで保護された保護カルボキシル基である場合、保護カルボキシル基の全体としては、−(C=O)−O−CR101102(OR103)の構造となっている。
一般式(a1−1)
(式(a1−1)中、R101およびR102は、それぞれ水素原子またはアルキル基を表し、但し、R101とR102とが共に水素原子の場合を除く。R103は、アルキル基を表す。R101またはR102と、R103とが連結して環状エーテルを形成してもよい。)
前記一般式(a1−1)中、R101〜R103は、それぞれ水素原子またはアルキル基を表し、該アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。ここで、R101およびR102の双方が水素原子を表すことはなく、R101およびR102の少なくとも一方はアルキル基を表す。
前記一般式(a1−1)において、R101、R102およびR103がアルキル基を表す場合、該アルキル基は直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることがさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基(2,3−ジメチル−2−ブチル基)、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
前記環状アルキル基としては、炭素数3〜12であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数4〜6であることがさらに好ましい。前記環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
前記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基が例示できる。置換基としてハロゲン原子を有する場合、R101、R102、R103はハロアルキル基となり、置換基としてアリール基を有する場合、R101、R102、R103はアラルキル基となる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、これらの中でもフッ素原子または塩素原子が好ましい。
また、前記アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜12であり、具体的には、フェニル基、α−メチルフェニル基、ナフチル基等が例示でき、アリール基で置換されたアルキル基全体、すなわち、アラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が例示できる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4であり、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。
また、前記アルキル基がシクロアルキル基である場合、該シクロアルキル基は置換基として炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有していてもよく、アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である場合には、置換基として炭素数3〜12のシクロアルキル基を有していてもよい。
これらの置換基は、上記置換基でさらに置換されていてもよい。
前記一般式(a1−1)において、R101、R102およびR103がアリール基を表す場合、該アリール基は炭素数6〜12であることが好ましく、炭素数6〜10であることがより好ましい。該アリール基は置換基を有していてもよく、該置換基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく例示できる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、シリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が例示できる。
また、R101、R102およびR103は互いに結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成することができる。R101とR102、R101とR103またはR102とR103が結合した場合の環構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロフラニル基、アダマンチル基およびテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
なお、前記一般式(a1−1)において、R101およびR102のいずれか一方が、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
前記一般式(a1−1)で表される保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、下記に示すように(メタ)アクリル酸を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。
上記スキーム中、R111は、水素原子またはアルキル基を表し、該アルキル基は、前記一般式(a1−1)において、R101〜R103として示したアルキル基と同様である。R111としては、水素原子またはメチル基が好ましい。
112およびR113は、−CH(R112)(R113)として、前記一般式(a1−1)におけるR102と同義であり、R114は前記一般式(a−1)におけるR101と同義であり、R115は前記一般式(a1−1)におけるR103と同義であり、また、これらは好ましい範囲も同様である。
上記の合成は(メタ)アクリル酸をその他のモノマーと予め共重合させておき、その後に酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させてもよい。
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1)は下記一般式の構造単位が好ましい。
(式中、R121は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、L1はカルボニル基またはフェニレン基を表し、R122〜R128はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1)の好ましい具体例としては、下記のモノマー由来の繰り返し単位が例示できる。なお、Rは水素原子またはメチル基を表す。
<<<(a1−2)酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位>>>
前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−2)は、フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位である。
<<<<(a1−2−1)フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位>>>>
前記フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位としては、ヒドロキシスチレン系モノマー由来の繰り返し単位やノボラック系の樹脂におけるモノマー由来の繰り返し単位が挙げられるが、これらの中ではα−メチルヒドロキシスチレンに由来するモノマー由来の繰り返し単位が、透明性の観点から好ましい。フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位の中でも、下記一般式(a1−2)で表されるモノマー由来の繰り返し単位が透明性、感度の観点から好ましい。
一般式(a1−2)
(一般式(a1−2)中、R220は水素原子またはメチル基を表し、R221は単結合または二価の連結基を表し、R222はハロゲン原子または炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し、aは1〜5の整数を表し、bは0〜4の整数を表し、a+bは5以下である。なお、R222が2以上存在する場合、これらのR222は相互に異なっていてもよいし同じでもよい。)
前記一般式(a1−2)中、R220は水素原子またはメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。
また、R221は単結合または二価の連結基を示す。単結合である場合には、感度を向上させることができ、さらに硬化膜の透明性を向上させることができるので好ましい。R221の二価の連結基としてはアルキレン基が例示でき、R221がアルキレン基である具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。中でも、R221が単結合、メチレン基、エチレン基であることが好ましい。また、前記二価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。
また、aは1〜5の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、aは1または2であることが好ましく、aが1であることがより好ましい。
また、ベンゼン環における水酸基の結合位置は、R221と結合している炭素原子を基準(1位)としたとき、4位に結合していることが好ましい。
222はハロゲン原子または炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基である。具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも製造が容易であるという点から、塩素原子、臭素原子、メチル基またはエチル基であることが好ましい。
また、bは0または1〜4の整数を表す。
フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位の中でも、上記一般式(a1−2)中、R221がアルキレン基でない場合には、下記一般式(a1−2’)で表されるモノマー由来の繰り返し単位が、透明性および感度の観点から、さらに好ましい。R221の連結基としては、アルキレン基以外に、(重合体の主鎖の側から)アルキレンオキシカルボニル基等が好ましく例示できる。
一般式(a1−2’)
(一般式(a1−2’)中、R230は、前記一般式(a1−2)におけるR220と同義であり、R232は式(a1−2)におけるR222と同義であり、a1およびb1は前記一般式(a1−2)におけるaおよびbとそれぞれ同義である。また、好ましい範囲も同様である。)
前記一般式(a1−2’)中、R233は、二価の連結基を表し、アルキレン基が好ましく例示できる。該アルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のいずれでもよく、炭素数2〜6であることが好ましく、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。また、二価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。これらの中でも、R233としては、エチレン基、プロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基であることが、感度の観点から好ましい。
<<<<モノマー由来の繰り返し単位(a1−2)に用いることができる酸分解性基>>>>
前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−2)に用いることができる前記酸分解性基としては、前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1)に用いることができる前記酸分解性基と同様に、公知のものを使用でき、特に限定されない。酸分解性基の中でもアセタールで保護された保護フェノール性水酸基、または、フェノール性水酸基がケタールで保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位であることが、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状、組成物の保存安定性、コンタクトホールの形成性の観点から好ましい。さらに、酸分解性基の中でもフェノール性水酸基が前記一般式(a1−1)で表されるアセタールまたはケタールで保護された保護フェノール性水酸基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、フェノール性水酸基が前記一般式(a1−1)で表されるアセタールまたはケタールで保護された保護フェノール性水酸基である場合、保護フェノール性水酸基の全体としては、−Ar−O−CR101102(OR103)の構造となっている。なお、Arはアリーレン基を表す。
フェノール性水酸基のアセタールエステル構造の好ましい例は、R101=R102=R103=メチル基やR101=R102=メチル基でR103=ベンジル基の組み合わせが例示できる。
また、フェノール性水酸基がアセタールまたはケタールで保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、ヒドロキシスチレンの1−アルコキシアルキル保護体、ヒドロキシスチレンのテトラヒドロピラニル保護体、α−メチル−ヒドロキシスチレンの1−アルコキシアルキル保護体、α−メチル−ヒドロキシスチレンのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(1−メタクリロイルオキシメチル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(1−メタクリロイルオキシメチル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(2−メタクリロイルオキシエチル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(2−メタクリロイルオキシエチル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体などが挙げられる。
これらの中で、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(1−メタクリロイルオキシメチル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(1−メタクリロイルオキシメチル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(2−メタクリロイルオキシエチル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(2−メタクリロイルオキシエチル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体が透明性の観点から好ましい。
フェノール性水酸基のアセタール保護基およびケタール保護基の具体例としては、1−アルコキシアルキル基が挙げられ、例えば、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチル基、1−ベンジルオキシエチル基などを挙げることができ、これらは単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−2)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、フェノール性水酸基を有する化合物を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。上記の合成はフェノール性水酸基を有するモノマーをその他のモノマーと予め共重合させておき、その後に酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させてもよい。
前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−2)の好ましい具体例としては、下記のモノマー由来の繰り返し単位が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<<<その他のモノマー由来の繰り返し単位(a1)の好ましい態様>>>
前記重合体(A’)と重合体(A’’)の合計または重合体(A)(好ましくは前記(A)重合体)を構成するモノマー由来の繰り返し単位中、モノマー由来の繰り返し単位(a1)の含有率は、感度の観点から、重合体を全体として、3〜70モル%が好ましく、5〜60モル%がより好ましい。また、特に前記モノマー由来の繰り返し単位(a1)に用いることができる前記酸分解性基がカルボキシル基がアセタールで保護された保護カルボキシル基、または、カルボキシル基がケタールで保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位である場合、モノマー由来の繰り返し単位(a1)を含む重合体を構成するモノマー由来の繰り返し単位中のモノマー由来の繰り返し単位(a1)の含有率は、10〜50モル%がさらに好ましい。
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1)は、前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−2)に比べると、現像が速いという特徴がある。よって、速く現像したい場合には酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−1)が好ましい。逆に現像を遅くしたい場合には酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1−2)を用いることが好ましい。
<<(a2)架橋基を有するモノマー由来の繰り返し単位>>
(A)成分は、架橋基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2)を有することが好ましい。前記架橋基は、加熱処理で硬化反応を起こす基であれば特に限定はされない。好ましい架橋基を有するモノマー由来の繰り返し単位の態様としては、オキシラニル基、オキセタニル基およびエチレン性不飽和基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含むモノマー由来の繰り返し単位が挙げられる。すなわち、3員環および/または4員環の環状エーテル基、並びに、エチレン性不飽和基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含むモノマー由来の繰り返し単位が挙げられる。その中でも、本発明で用いる組成物は、前記(A)成分が、オキシラニル基およびオキセタニル基のうち少なくとも1つを含むモノマー由来の繰り返し単位を含むことがより好ましく、オキセタニル基を含むモノマー由来の繰り返し単位を含むことが特に好ましい。より詳細には、以下のものが挙げられる。
<<<(a2−1)オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位>>>
前記(A)重合体は、オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(モノマー由来の繰り返し単位(a2−1))を含有することが好ましい。前記3員環の環状エーテル基はオキシラニル基とも呼ばれ、4員環の環状エーテル基はオキセタニル基とも呼ばれる。前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−1)としては、脂環オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位であることが好ましく、オキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位であることがより好ましい。
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−1)は、1つのモノマー由来の繰り返し単位中にオキシラニル基またはオキセタニル基を少なくとも1つ有していればよく、1つ以上のオキシラニル基および1つ以上オキセタニル基、2つ以上のオキシラニル基、または、2つ以上のオキセタニル基を有していてもよく、特に限定されないが、オキシラニル基および/またはオキセタニル基を合計1〜3つ有することが好ましく、オキシラニル基および/またはオキセタニル基を合計1または2つ有することがより好ましく、オキシラニル基またはオキセタニル基を1つ有することがさらに好ましい。
オキシラニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落0031〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられる。
オキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができる。
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−1)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、メタクリル酸エステル構造を含有するモノマー、アクリル酸エステル構造を含有するモノマーであることが好ましい。
これらのモノマーの中で、さらに好ましいものとしては、特許第4168443号公報の段落0034〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物および特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、特に好ましいものとしては特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。これらの中でも好ましいものは、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、および、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルであり、最も好ましいものはアクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、および、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルである。これらのモノマー由来の繰り返し単位は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−1)が、下記式(a2−1−1)および式(a2−1−2)よりなる群から選択された構造を有することが好ましい。
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−1)が、上記式(a2−1−1)で表される3つの構造のいずれかを有するとは、式(a2−1−1)で表される構造から水素原子を1つ以上除いた基を有することを意味する。
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−1)は、3,4−エポキシシクロヘキシル基、2,3−エポキシシクロヘキシル基、2,3−エポキシシクロペンチル基を有することがさらに好ましい。
(一般式(a2−1−2)中、R1bおよびR6bはそれぞれ水素原子またはアルキル基を表し、R2b、R3b、R4b、R5b、R7b、R8b、R9b、R10bはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、または、アリール基を表す。)
前記一般式(a2−1−2)中、R1bおよびR6bはそれぞれ水素原子またはアルキル基を表し、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基(以下、「低級アルキル基」ともいう。)であることがより好ましい。
2b、R3b、R4b、R5b、R7b、R8b、R9b、R10bはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、または、アリール基を表す。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示でき、フッ素原子および塩素原子がより好ましく、フッ素原子がさらに好ましい。
前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、また、置換基を有していてもよい。直鎖状および分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜8であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることがさらに好ましい。前記環状アルキル基としては、炭素数3〜10であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数5〜7であることがさらに好ましい。なお、直鎖状および分岐鎖状のアルキル基は、環状アルキル基で置換されていてもよく、環状アルキル基は直鎖状および/または分岐鎖状アルキル基で置換されていてもよい。
前記アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜10のアリール基であることがさらに好ましい。
前記アルキル基、アリール基は、さらに置換基を有していてもよく、アルキル基の有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、が例示でき、アリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基が例示できる。
これらの中でも、R2b、R3b、R4b、R5b、R7b、R8b、R9b、R10bはそれぞれ水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、または、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがより好ましい。
上記一般式(a2−1−2)で表される構造を有する基としては、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル基が好ましく例示できる。
前記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−1)の好ましい具体例としては、下記のモノマー由来の繰り返し単位が例示できる。なお、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
本発明において、硬化感度の観点からは、オキシラニル基および/またはオキセタニル基の中でも、オキセタニル基が好ましい。また、本発明において、透過率(透明性)の観点からは、脂環オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましい。以上より、本発明においては、オキシラニル基および/またはオキセタニル基としては、脂環オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましく、オキセタニル基が特に好ましい。
<<<(a2−2)エチレン性不飽和基を有するモノマー由来の繰り返し単位>>>
前記架橋基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2)の1つとして、エチレン性不飽和基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−2)が挙げられる(以下、「モノマー由来の繰り返し単位(a2−2)」ともいう。)。前記エチレン性不飽和基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−2)としては、側鎖にエチレン性不飽和基を有するモノマー由来の繰り返し単位が好ましく、末端にエチレン性不飽和基を有し、炭素数3〜16の側鎖を有するモノマー由来の繰り返し単位がより好ましく、下記一般式(a2−2−1)で表される側鎖を有するモノマー由来の繰り返し単位がさらに好ましい。
一般式(a2−2−1)
(一般式(a2−2−1)中、R301は炭素数1〜13の二価の連結基を表し、R302は水素原子またはメチル基を表し、*は架橋基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2)の主鎖に連結する部位を表す。)
301は、炭素数1〜13の二価の連結基であって、アルケニル基、アリーレン基またはこれらを組み合せた基を含み、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合等の結合を含んでいてもよい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれのアルケニル基であってもよい。また、二価の連結基は、任意の位置にヒドロキシ基、カルボキシル基等の置換基を有していてもよい。R301の具体例としては、下記の二価の連結基が挙げられる。
前記一般式(a2−2−1)で表される側鎖の中でも、前記R301で表される2価の連結基を含めて脂肪族の側鎖が好ましい。前記一般式(a2−2−1)で表される連結基を有する側鎖の中でも、前記R301で表される2価の連結基を介して連結する−CH(R302)=CH2で表される末端がメタクリロイル基である側鎖であること、すなわち前記R302がメチル基であることがより好ましい。
また、前記一般式(a2−2−1)で表される側鎖に含まれるエチレン性不飽和基は、前記重合体(A’)と重合体(A’’)の合計または重合体(A)(好ましくは前記(A)重合体)に対して150〜2,000gに対して1モル含まれることが好ましく、200〜1,300gに対して1モル含まれることがより好ましい。
本発明において、前記エチレン性不飽和基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−2)は、下記一般式(a2−2−2)で表されるモノマー由来の繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(a2−2−2)
(一般式(a2−2−2)中、R311は、前記一般式(a2−2−1)におけるR301と同義であり好ましい範囲も同様である。R312、R313はそれぞれ、水素原子またはメチル基を表す。)
前記一般式(a2−2−1)で表される側鎖を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−2)を得る方法は、特に限定されないが、例えば、あらかじめラジカル重合等の重合方法によって、特定官能基を有する重合体を生成し、その特定官能基と反応する基および末端にエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、特定化合物と称する)とを反応させることによって前記一般式(a2−2−1)で表される側鎖を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−2)を有する重合体とすることができる。
ここで、前記特定官能基としては、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、活性水素を有するアミノ基、フェノール性水酸基、イソシアネート基等が挙げられる。特定官能基を有する重合体を合成するための特定官能基を有するモノマーについては後述する。
前記特定官能基と前記特定化合物が有する特定官能基と反応する基との組み合わせとしては、カルボキシル基とエポキシ基との組み合わせ、カルボキシル基とオキセタニル基との組み合わせ、ヒドロキシ基とイソシアネート基との組み合わせ、フェノール性水酸基とエポキシ基との組み合わせ、カルボキシル基とイソシアネート基との組み合わせ、アミノ基とイソシアネート基との組み合わせ、ヒドロキシ基と酸クロリドとの組み合わせ等が挙げられる。
また、前記特定化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、イソシアナートエチルメタクリレート、イソシアナートエチルアクリレート、メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられる。
好ましい前記特定官能基と前記特定化合物の組み合わせとしては、前記特定官能基であるカルボキシル基と前記特定化合物であるグリシジルメタクリレートとの組み合わせ、および、前記特定官能基であるヒドロキシ基と前記特定化合物であるイソシアネートエチルメタクリレートとの組み合わせが挙げられる。
以下に、前記特定官能基を有する重合体を得るために必要な、前記特定官能基を有するモノマーの具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
前記カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノ(2−(アクリロイルオキシ)エチル)フタレート、モノ(2−(メタクリロイルオキシ)エチル)フタレート、N−(カルボキシフェニル)マレイミド、N−(カルボキシフェニル)メタクリルアミド、N−(カルボキシフェニル)アクリルアミド等が挙げられる。
前記エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、3−エテニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,7−オクタジエンモノエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート等が挙げられる。
前記ヒドロキシ基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、カプロラクトン2−(アクリロイルオキシ)エチルエステル、カプロラクトン2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート、5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン等が挙げられる。
前記活性水素を有するアミノ基を有するモノマーとしては、2−アミノエチルアクリレート、2−アミノメチルメタクリレート等が挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシスチレン、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)マレイミド等が挙げられる。
さらに、前記イソシアネート基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロイルエチルイソシアネート、メタクリロイルエチルイソシアネート、m−テトラメチルキシレンイソシアネート、等が挙げられる。
また、本発明においては、前記特定官能基を有する重合体を得る際に、前述の特定官能基を有するモノマーと(a1)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位、または、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位となるモノマーとを併用する。さらに、後述の(a1)および(a2)以外のその他のモノマー由来の繰り返し単位(a3)となるモノマーを併用することができる。
本発明に用いる前記特定官能基を有する重合体を得る方法は特に限定されないが、例えば、特定官能基を有するモノマー、それ以外のモノマーおよび所望により重合開始剤等を共存させた溶剤中において、50〜110℃の温度下で重合反応させることにより得られる。その際、用いられる溶剤は、特定官能基を有する重合体を構成するモノマーおよび特定官能基を有する重合体を溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、後述する(C)溶剤に記載する溶剤が挙げられる。このようにして得られる特定官能基を有する重合体は、通常、溶剤に溶解した溶液の状態である。
次いで、得られた特定官能基を有する重合体と特定化合物とを反応させて、側鎖の末端にエチレン性不飽和基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a2−2)を得ることができる。その際、通常は、特定官能基を有する重合体の溶液を反応に供する。例えば、カルボキシル基を有するアクリル重合体の溶液に、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等の触媒存在下、80℃〜150℃の温度でグリシジルメタクリレートを反応させることにより、モノマー由来の繰り返し単位(a2−2)を得ることができる。
また、モノマー由来の繰り返し単位(a2−2)を形成するために、上述のような高分子反応を用いる他に、アリルメタクリレート、アリルアクリレート等をラジカル重合性単量体として用いてもよい。これらのモノマー由来の繰り返し単位は、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<<<モノマー由来の繰り返し単位(a2)の好ましい態様>>>
前記重合体(A’)と重合体(A’’)の合計または重合体(A)(好ましくは前記(A)重合体)を構成するモノマー由来の繰り返し単位中、モノマー由来の繰り返し単位(a2)の含有量は、形成された膜の各種耐性と透明性の観点から、5〜60モル%が好ましく、10〜55モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。上記の数値の範囲内であると、組成物から得られる硬化膜の透明性およびITOスパッタ耐性が良好となる。
<<(a3)その他のモノマー由来の繰り返し単位>>
本発明において、(A)成分は、前記モノマー由来の繰り返し単位(a1)および(a2)を除く、その他のモノマー由来の繰り返し単位(a3)を有していてもよい。その他のモノマー由来の繰り返し単位(a3)となるモノマーとしては、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物類、マレイミド化合物類、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、その他の不飽和化合物を挙げることができる。
具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリルなどによる構成単位を挙げることができる。この他、特開2004−264623号公報の段落0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる。
中でも、(最終)加熱処理でモノマー由来の繰り返し単位(a2)や別添加の架橋剤(本発明においては、前記(C)メチロール系架橋剤や、(F)エポキシ樹脂)と反応する基を有するその他のモノマー由来の繰り返し単位(a3)が、膜強度の観点で好ましい。前記(最終)加熱処理でモノマー由来の繰り返し単位(a2)や別添加の架橋剤と反応する基を有するその他のモノマー由来の繰り返し単位(a3)は、アセタールまたはケタール以外で保護されたカルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位、あるいは、アセタールまたはケタール以外で保護されたフェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位であることが好ましい。さらに、アセタールまたはケタール以外で保護されたカルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位であることが好ましい。具体的には(メタ)アクリル酸第三級アルキルエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸tert−ブチルおよび(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルがより好ましく、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、すなわちHEMAが特に好ましい。前記(最終)加熱処理でモノマー由来の繰り返し単位(a2)や別添加の架橋剤と反応する基を有するその他のモノマー由来の繰り返し単位(a3)の、前記重合体(A’)と重合体(A’’)の合計または重合体(A)に対する割合は、1〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、10〜30モル%であることが特に好ましい。
また、前記(A)重合体は、保護されていないカルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位、または、保護されていないフェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位を前記重合体(A’)と重合体(A’’)の合計または重合体(A)に対して1〜50モル%含有することが感度の点で好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、10〜30モル%であることが特に好ましい。前記保護されていないカルボキシル基を有するモノマー由来の繰り返し単位、または、保護されていないカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位としては、公知の酸性基を有するモノマーを挙げることができ、損おなかでも(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
前記その他のモノマー由来の繰り返し単位(a3)となるモノマーは、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。本発明では、前記(a3)モノマー由来の繰り返し単位として、アセタールまたはケタール以外で保護されたカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位と、保護されていないカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位を共に含むことが好ましい。
また、本発明で用いる(A)重合体は、2種類以上混合して使用してもよい。(A)重合体の使用量は、本発明で用いる組成物の全重量(溶媒を除く)を基準として、好ましくは40〜99重量%であり、より好ましくは60〜98重量%であり、さらに好ましくは80〜98重量%である。
<<(A)重合体の分子量>>
(A)重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは2,000〜50,000の範囲である。上記の数値の範囲内であると、感度とITO適性とが良好である。
<<(A)重合体の製造方法>>
また、(A)成分の合成法についても、様々な方法が知られているが、一例を挙げると、少なくとも前記(a1)および前記(a2)で表されるモノマー由来の繰り返し単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体混合物を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。
<(B)光酸発生剤>
本発明で用いる組成物は、(B)オキシムスルホネート系光酸発生剤を含有する。本発明で使用される光酸発生剤(「(B)成分」ともいう。)としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。本発明で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましい。
(B)オキシムスルホネート系光酸発生剤としては、下記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましく例示できる。
一般式(B1)
(一般式(B1)中、R21は、アルキル基またはアリール基を表す。)
いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、環状のアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基またはナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、低級アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子で置換されてもよい。
前記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する上記化合物は、下記一般式(B2)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
(式(B2)中、R42は、アルキル基またはアリール基を表し、Xは、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表し、m4は、0〜3の整数を表し、m4が2または3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。)
Xとしてのアルキル基は、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。
Xとしてのアルコキシ基は、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルコキシ基が好ましい。
Xとしてのハロゲン原子は、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
m4は、0または1が好ましい。
前記一般式(B2)中、m4が1であり、Xがメチル基であり、Xの置換位置がオルト位であり、R42が炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、またはp−トルイル基である化合物が特に好ましい。
前記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記一般式(B3)で表されるオキシムスルホネート化合物であることもより好ましい。
(式(B3)中、R43はアルキル基またはアリール基を表し、X1は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、n4は0〜5の整数を表す。)
前記一般式(B3)におけるR43としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基が好ましく、n−オクチル基が特に好ましい。
1としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
n4としては、0〜2が好ましく、0〜1が特に好ましい。
前記一般式(B3)で表される化合物の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−〔(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリルを挙げることができる。
好ましいオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記化合物(i)〜(viii)等が挙げられ、1種単独で使用、または、2種類以上を併用することができる。化合物(i)〜(viii)は、市販品として、入手することができる。また、他の種類の(B)光酸発生剤と組み合わせて使用することもできる。
前記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記一般式(OS−1)で表される化合物であることも好ましい。
前記一般式(OS−1)中、R101は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。R102は、アルキル基、又は、アリール基を表す。
101は−O−、−S−、−NH−、−NR105−、−CH2−、−CR106H−、又は、−CR105107−を表し、R105〜R107はアルキル基、又は、アリール基を表す。
121〜R124は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基、又は、アリール基を表す。R121〜R124のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
121〜R124としては、水素原子、ハロゲン原子、及び、アルキル基が好ましく、また、R121〜R124のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R121〜R124がいずれも水素原子である態様が感度の観点から好ましい。
既述の官能基は、いずれも、更に置換基を有していてもよい。
前記一般式(OS−1)で表される化合物は、下記一般式(OS−2)で表される化合物であることがより好ましい。
前記一般式(OS−2)中、R101、R102、R121〜R124は、それぞれ式(OS−1)におけるのと同義であり、好ましい例もまた同様である。
これらの中でも、前記一般式(OS−1)及び前記一般式(OS−2)におけるR101がシアノ基、又は、アリール基である態様がより好ましく、前記一般式(OS−2)で表され、R101がシアノ基、フェニル基又はナフチル基である態様が最も好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムやベンゾチアゾール環の立体構造(E,Z等)のついてはそれぞれ、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
以下に、本発明に好適に用いうる前記一般式(OS−1)で表される化合物の具体例(例示化合物b−1〜b−34)を示すが、本発明はこれに限定されない。なお、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Bnはベンジル基を表し、Tsはトシル基を表し、Phはフェニル基を表す。
上記化合物の中でも、感度と安定性との両立の観点から、b−9、b−16、b−31、b−33が好ましい。
本発明では、前記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記一般式(OS−3)、下記一般式(OS−4)または下記一般式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
(一般式(OS−3)〜一般式(OS−5)中、R22、R25およびR28はそれぞれアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R23、R26およびR29はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、R24、R27およびR30はそれぞれハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表し、X1〜X3はそれぞれ酸素原子または硫黄原子を表し、n1〜n3はそれぞれ1または2を表し、m1〜m3はそれぞれ0〜6の整数を表す。)
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
22、R25およびR28におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、ベンジル基が好ましい。
22、R25およびR28におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
また、前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
22、R25およびR28におけるアリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。
22、R25およびR28におけるアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
また、前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R1におけるヘテロアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数4〜30のヘテロアリール基が好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるヘテロアリール基は、少なくとも1つの環が複素芳香環であればよく、例えば、複素芳香環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
22、R25およびR28におけるヘテロアリール基としては、置換基を有していてもよい、チオフェン環、ピロール環、チアゾール環、イミダゾール環、フラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環、および、ベンゾイミダゾール環よりなる群から選ばれた環から1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
22、R25およびR28におけるヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R23、R26およびR29は、水素原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、化合物中に2以上存在するR23、R26およびR29のうち、1つ又は2つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R23、R26およびR29におけるアルキル基またはアリール基は、置換基を有していてもよい。ここで、R23、R26およびR29におけるアルキル基またはアリール基が有していてもよい置換基としては、前記R22、R25およびR28におけるアルキル基またはアリール基が有していてもよい置換基と同様の基が例示できる。
23、R26およびR29におけるアルキル基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、置換基を有してもよい総炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
23、R26およびR29におけるアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基、アリル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基が更に好ましく、メチル基が好ましい。
23、R26およびR29におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
23、R26およびR29におけるアリール基として具体的には、フェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。
23、R26およびR29におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
これらの中でも、塩素原子、臭素原子が好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、X1〜X3はそれぞれOまたはSを表し、Oであることが好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)において、X1〜X3を環員として含む環は、5員環または6員環である。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、n1〜n3はそれぞれ1または2を表し、X1〜X3がOである場合、n1〜n3はそれぞれ1であることが好ましく、また、X1〜X3がSである場合、n1〜n3はそれぞれ2であることが好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30はそれぞれハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表す。その中でも、R24、R27およびR30はそれぞれアルキル基またはアルキルオキシ基であることが好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基およびアルコキシスルホニル基は、置換基を有していてもよい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、ベンジル基が好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルキルオキシ基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜30のアルキルオキシ基であることが好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキルオキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシエチルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、または、エトキシエチルオキシ基が好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキルオキシ基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアミノスルホニル基としては、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、メチルフェニルアミノスルホニル基、アミノスルホニル基が挙げられる。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルコキシスルホニル基としては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロピルオキシスルホニル基、ブチルオキシスルホニル基が挙げられる。
また、前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、m1〜m3はそれぞれ0〜6の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、前記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記一般式(OS−6)〜(OS−11)のいずれかで表されるオキシムスルホネート化合物であることが特に好ましい。
(式(OS−6)〜(OS−11)中、R301〜R306はアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R307は、水素原子または臭素原子を表し、R308〜R310、R313、R316およびR318はそれぞれ水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基またはクロロフェニル基を表し、R311およびR314はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基を表し、R312、R315、R317およびR319はそれぞれ水素原子またはメチル基を表す。)
前記一般式(OS−6)〜(OS−11)におけるR301〜R306は、前記一般式(OS−3)〜(OS−5)におけるR22、R25およびR28と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(OS−6)におけるR307は、水素原子または臭素原子を表し、水素原子であることが好ましい。
前記一般式(OS−6)〜(OS−11)におけるR308〜R310、R313、R316およびR318はそれぞれ、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基またはクロロフェニル基を表し、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子またはフェニル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
前記一般式(OS−8)および前記一般式(OS−9)におけるR311およびR314はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基を表し、水素原子であることが好ましい。
前記一般式(OS−8)〜(OS−11)におけるR312、R315、R317およびR319は、水素原子またはメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムの立体構造(E,Z)については、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
前記一般式(OS−3)〜前記一般式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記例示化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明で用いる組成物において、(B)光酸発生剤は、組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)重合体)100質量部に対して、0.1〜10質量部使用することが好ましく、0.5〜10質量部使用することがより好ましい。
<(C)溶剤>
本発明で用いる組成物は、(C)溶剤を含有する。本発明で用いる組成物は、必須成分である上記(A)、(B)成分、および後述するような任意の成分を(C)溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明で用いる組成物に使用される(C)溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。
本発明で用いる組成物に使用される(C)溶剤としては、例えば、
(1)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
(2)エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;
(3)エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
(4)プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
(5)プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(6)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
(7)ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;
(8)ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
(9)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
(10)ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル等のジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(11)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
(12)乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチル、乳酸n−アミル、乳酸イソアミル等の乳酸エステル類;
(13)酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸n−ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;
(14)ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸エチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
(15)メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;
(16)N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;
(17)γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。
また、これらの溶剤にさらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。これら溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、または、2種を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類又はジアルキルエーテル類、ジアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類、あるいは、エステル類とブチレングリコールアルキルエーテルアセテート類とを併用することがさらに好ましい。
また、成分(C)としては、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤、又は、これらの混合物であることが好ましく、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上200℃以下の溶剤、又は、これらの混合物であることがより好ましく、沸点130℃以上160℃未満の溶剤と沸点160℃以上200℃以下の溶剤との混合物であることが更に好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
本発明で用いる組成物における(C)溶剤の含有量は、組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)重合体)100質量部当たり、50〜3,000質量部であることが好ましく、100〜2,000質量部であることがより好ましく、150〜1,500質量部であることがさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明で用いる組成物には、上記に加えて、必要に応じて、増感剤、エポキシ樹脂、密着改良剤、塩基性化合物、界面活性剤を好ましく加えることができる。さらに本発明で用いる組成物には、可塑剤、熱ラジカル発生剤、酸化防止剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、および、有機または無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を加えることができる。
増感剤
本発明で用いる組成物は、(B)光酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましい。増感剤は、活性光線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nmの波長域のいずれかに吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
これら増感剤の中でも、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類が好ましく、多核芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でもアントラセン誘導体が最も好ましい。
エポキシ樹脂
本発明で用いる組成物は、必要に応じ、架橋剤として、エポキシ樹脂を含有していてもよい。前記エポキシ樹脂としては、例えば、以下に述べる分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物を添加することができる。エポキシ樹脂を添加することにより、熱硬化時により強固な硬化膜とすることができるため、耐溶剤性が向上する。エポキシ樹脂としては以下のものを添加することができる。
<分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物>
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)、等が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S65、JER157S70(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等が、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同 EP−4085S、同 EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同 PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同 EP−4003S、同 EP−4010S、同 EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)等が挙げられる。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中で好ましいものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が好ましく、フェノールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。
密着改良剤
本発明で用いる組成物は、密着改良剤を含有してもよい。本発明で用いる組成物に用いることができる密着改良剤は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。本発明で使用される密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがさらに好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがよりさらに好ましい。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらは基板との密着性の向上に有効であるとともに、基板とのテーパー角の調整にも有効である。
本発明で用いる組成物における密着改良剤の含有量は、組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)重合体)100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
塩基性化合物
本発明で用いる組成物は、塩基性化合物を含有してもよい。塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
また、本発明で用いる組成物は、特に、下記一般式(a)で表される化合物、下記一般式(b)で表される化合物および下記一般式(c)で表される化合物の少なくとも1種が好ましく、一般式(a)で表される化合物がより好ましい。一般式(a)で表される化合物を採用することにより、本発明の効果が顕著に発揮される。
一般式(a)
(一般式(a)中、R2は炭素数が1〜6の置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐のアルキル基または炭素数3〜10の置換基を有していてもよい環状のアルキル基を表す。Xは酸素原子または硫黄原子を表す。Y1は酸素原子または−NH−基を表す。p1は1〜3の整数を表す。)
一般式(b)
(一般式(b)中、R8、R9、R10は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜6の置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または、炭素数3〜10の置換基を有していてもよい環状のアルキル基を表す。)
一般式(c)
一般式(a)で表される化合物は、露光マージンの観点から前記Xが硫黄原子であり、下記一般式(c)で表されるチオ尿素化合物であること、すなわちチオ尿素結合で表される部分構造を有することが好ましい。
(一般式(c)中、R3は炭素数が1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基または炭素数3〜10の環状のアルキル基を表す。Y2は酸素原子または−NH−基を表す。p2は1〜3の整数を表す。)
(C)塩基性化合物は、さらに下記一般式(e)で表されるチオ尿素化合物であること、すなわちモルフォリノ基を含有することがより好ましい。
(一般式(e)中、R4は炭素数が1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基または炭素数3〜10の環状のアルキル基を表す。p3は1〜3の整数を表す。)
前記一般式(a)、(d)、(e)で表される化合物のR2〜R4における炭素数が1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、直鎖の炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記一般式(a)、(d)、(e)で表される化合物のR2〜R4における炭素数3〜10の環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などの炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5〜10のシクロアルキル基がより好ましく、シクロヘキシル基が特に好ましい。
前記一般式(a)で表される塩基性化合物の具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、複素環式アミンを2種併用することがさらに好ましい。
本発明で用いる組成物における塩基性化合物の含有量は、組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)重合体)100質量部に対して、0.001〜1質量部であることが好ましく、0.005〜0.2質量部であることがより好ましい。
界面活性剤
本発明で用いる組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、または、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記一般式(1)で表される構成単位Aおよび構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である重合体を好ましい例として挙げることができる。
一般式(1)
(式(1)中、R401およびR403はそれぞれ、水素原子またはメチル基を表し、R402は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R404は水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、pおよびqは重合比を表す重量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表す。)
前記Lは、下記一般式(2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。一般式(2)におけるR405は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2または3のアルキル基がより好ましい。pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
一般式(2)
前記重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これらの界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明で用いる組成物における界面活性剤の添加量は、組成物中の全樹脂成分(好ましくは、固形分、より好ましくは前記(A)重合体)100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜1質量部であることがさらに好ましい。
酸化防止剤
本発明で用いる組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1098(チバジャパン(株)製)が挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.1〜6質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明で用いる組成物に添加してもよい。
組成物の調製方法
上述した組成物の(A)、(B)の必須成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して本発明に用いる組成物を調製する。例えば、(A)、(B)成分を、それぞれ予め(C)溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物溶液は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
(2)塗布された組成物から溶剤を除去する工程
(2)の溶剤を除去する工程では、塗布された上記の膜から、減圧(バキューム)および/または加熱により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させる。
本発明に用いる組成物を、所定の基板に塗布し、減圧および/または加熱(プリベーク)により溶剤を除去することにより、所望の乾燥塗膜を形成することができる。前記の基板としては、例えば液晶表示素子の製造においては、偏光板、さらに必要に応じてブラックマトリックス層、カラーフィルタ層を設け、さらに透明導電回路層を設けたガラス板などが例示できる。組成物を基板へ塗布する方法としては特に制限はないが、その中でも、本発明では基板へ組成物を塗布することが好ましい。基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の方法を用いることができる。中でもスリットコート法が大型基板に適するという観点で好ましい。大型基板で製造すると生産性が高く好ましい。ここで大型基板とは、各辺が1m以上の大きさの基板をいう。
また、(2)溶剤除去工程の加熱条件は、未露光部における(A)成分中のモノマー由来の繰り返し単位(a1)において酸分解性基が分解して、(A)成分をアルカリ性現像液に可溶性としない範囲であり、各成分の種類や配合比によっても異なるが、好ましくは80〜130℃で30〜120秒間程度である。
本発明では、露光工程の前にプリベークを行ってもよい。プリベークを行うことにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。プリベークは、70〜120℃で行うことが好ましく、80〜110℃で行うことがより好ましい。また、プリベークは、0.5〜5分行うことが好ましく、1〜3分行うことがより好ましい。
(3)マイクロレンズアレイ露光機で組成物に活性光線を照射し露光する工程
露光工程では、塗膜を設けた基板に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射する。露光工程の後、必要に応じて加熱処理(PEB)を行った後、現像工程では、アルカリ性現像液を用いて露光部領域を除去して画像パターンを形成する。
露光工程では、得られた塗膜に活性光線を照射する。この工程では、(B)光酸発生剤が分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂中に含まれる酸分解性基が加水分解されて、カルボキシル基またはフェノール性水酸基が生成する。
露光時間としては、1〜100秒が好ましく、5〜60秒がより好ましい。このような条件で露光することにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
露光方式としては、本発明では、MLA露光が採用される。MLA露光方式とは、マイクロレンズを格子状に並べた光学系を採用する露光方式であり、スマートフォンやタブレットPC等において、超高精細ディスプレイ製造に対応することができる露光装置である。マイクロレンズの直径は、1〜1000μmが好ましく、10〜500μmがより好ましい。マイクロレンズは、凸型が好ましい。各レンズは、10〜300μmのピッチで並べられることが好ましい。投影倍率は、通常、1:1であることが好ましい。
具体的な露光装置としては、特開2011−118155号公報に記載のものが挙げられ、特開2011−118155号公報の内容は本明細書に組み込まれる。すなわち、ステージ上に保持された被露光体の面に露光される露光パターンと同一形状のマスクパターンを形成したフォトマスクと、前記フォトマスクと前記ステージとの間に配設され、前記フォトマスクに形成されたマスクパターンの等倍正立像を前記被露光体表面に結像可能に前記フォトマスクの法線方向に複数の凸レンズを配置して構成した単位レンズ群を前記フォトマスク及び前記ステージ上に保持された被露光体の面に平行な面内に複数配列したレンズ組立体と、前記レンズ組立体を前記フォトマスク及び前記ステージ上の被露光体の面に平行な面内を移動させる移動手段と、を備えたことを特徴とする露光装置を採用することができる。また、株式会社ブイ・テクノロジーから販売されているMLA露光装置なども好ましく採用できる。
活性光線による露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができる。活性光線は、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
酸触媒の生成した領域において、上記の加水分解反応を加速させるために、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行う。PEBにより、酸分解性基からのカルボキシル基またはフェノール性水酸基の生成を促進させることができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。PEBの時間は、0.5〜5分が好ましく、1〜3分がより好ましい。このような条件でPEBを行うことにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
本発明における上述した式(a1−1)で表されるモノマー由来の繰り返し単位中の酸分解性基は、酸分解の活性化エネルギーが低く、露光による酸発生剤由来の酸により容易に分解し、カルボキシル基またはフェノール性水酸基を生じるため、必ずしもPEBを行うことなく、現像によりポジ画像を形成することもできるが、本発明の製造方法では、本発明で用いる組成物を用いて(5)のポストベーク工程を行うことで、得られた硬化膜は熱フローを少なくすることができる。そのため、本発明の硬化膜の製造方法で得られた硬化膜は、例えばレジストとして基板に用いた場合に基板ごと本発明の硬化膜を加熱したとしても、パターンの解像性がほとんど悪化しない。なお、本明細書中、「熱フロー」とは、露光および現像工程によって形成されたパターン硬化膜の断面形状が、その硬化膜を加熱(好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃〜240℃)したときに変形し、寸法、テーパー角などが劣化することを言う。
(4)水性現像液で現像する工程
(4)の現像工程では、遊離したカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する重合体を、水性現像液で現像する。水性現像液は、アルカリ性現像液が好ましい。アルカリ性現像液に溶解しやすいカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する樹脂組成物を含む露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成する。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜180秒間であり、また、現像の手法は液盛り法、ディップ法等の何れでもよい。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、所望のパターンを形成させることができる。
現像液の温度は、20〜30℃が好ましく、20〜25℃がより好ましい。
現像は、シャワー現像またはパドル現像で行ってもよい。このときの、シャワーのノズル圧力は0.01〜0.2MPaが好ましい。
本発明では、現像工程の後、リンス処理を行うことも好ましい。リンス処理は、リンス液(好ましくは純水)で行うことが好ましい。リンス処理も、シャワーで行ってもよく、この場合のノズルの圧力は0.01〜0.2MPaが好ましい。リンス処理の温度は、20〜30℃が好ましく、20〜25℃がより好ましい。リンス処理の時間は、10〜180秒が好ましく、10〜60秒がより好ましい。リンス処理を行うことにより、残渣がより効果的に除去され、本発明の効果がより効果的に発揮される。
(5)ポストベーク工程
(5)のポストベーク工程において、得られたポジ画像を加熱することにより、モノマー由来の繰り返し単位(a1)中の酸分解性基を熱分解しカルボキシル基またはフェノール性水酸基を生成させ、モノマー由来の繰り返し単位(a2)の架橋基、および前記一般式(c1)で表される部分構造を分子内に少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤と架橋させることにより、硬化膜を形成することができる。
本発明で用いる組成物は、前記一般式(c1)で表される部分構造を分子内に少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤を含み、保存安定性、感度、耐溶剤性および現像工程後のポストベーク工程を経た後の解像性に優れる。本発明の硬化膜の製造方法は、このような本発明で用いる組成物を用いることで、(5)のポストベーク工程において、モノマー由来の繰り返し単位(a2)の架橋基のみで架橋を行う場合よりも、より架橋性が高めることができる。
この加熱は、150℃以上の高温に加熱することが好ましく、180〜250℃に加熱することがより好ましく、200〜240℃に加熱することが特に好ましい。加熱時間は、加熱温度などにより適宜設定できるが、10〜90分の範囲内とすることが好ましい。
ポストベーク工程の前に活性光線、好ましくは紫外線を現像パターンに全面照射する工程を加えると、活性光線照射により発生する酸により架橋反応を促進することができる。
現像により得られた未露光領域に対応するパターンについて、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば180〜250℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜60分間、オーブンならば30〜90分間、加熱処理をすることにより、(A)成分における酸分解性基を分解して、カルボキシル基またはフェノール性水酸基を発生させ、モノマー由来の繰り返し単位(a2)中の架橋性基、および前記一般式(c1)で表される部分構造を分子内に少なくとも1つ有するメチロール系架橋剤と反応させて架橋させることにより、耐熱性、硬度等に優れた保護膜や層間絶縁膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより透明性を向上させることもできる。
なお、加熱処理に先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により再露光した後、ポストベークすること(再露光/ポストベーク)により未露光部分に存在する(B)成分から酸を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能させることが好ましい。
すなわち、本発明の硬化膜の形成方法は、現像工程とポストベーク工程の間に、活性光線により再露光する再露光工程を含むことが好ましい。再露光工程における露光は、前記露光工程と同様の手段により行えばよいが、前記再露光工程では、基板の本発明で用いる組成物により膜が形成された側に対し、全面露光を行うことが好ましい。
再露光工程の好ましい露光量としては、100〜1,000mJ/cm2である。
[硬化膜]
本発明における硬化膜(層間絶縁膜)は、上記層間絶縁膜の製造方法によって、形成することができる。本発明で用いる組成物により、絶縁性に優れ、高温でベークされた場合においても高い透明性を有する層間絶縁膜が得られる。本発明の層間絶縁膜は、高い透明性を有し、硬化膜物性に優れるため、表示装置(特に、有機EL表示装置や液晶表示装置)の用途に有用である。
[樹脂パターンの製造方法の第2の態様]
次に、本発明の樹脂パターンの製造方法の第2の態様について説明する。
本発明の樹脂パターンの製造方法は、例えば、上述した樹脂パターンの製造方法の(1)〜(4)の工程を含み、前記(4)水性現像液で現像する工程の後に、(5)形成された樹脂パターンをマスクとして前記基板をエッチングする工程、および、(6)前記樹脂パターンを剥離する工程をさらに含むパターン基板の製造方法に適用することが好ましい。
すなわち、以下の(1)〜(6)の工程を含むことを特徴とする。
(1)本発明で用いる組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布された組成物から溶剤を除去する工程、
(3)MLA露光機を用い活性光線を照射し露光する工程、
(4)水性現像液で現像する工程、
(5)形成された樹脂パターンをマスクとして前記基板をエッチングする工程、および、
(6)前記樹脂パターンを剥離する工程。
以下に各工程を順に説明する。
(1)の塗布工程では、本発明のポジ型組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。以下、組成物について説明した後、(1)の塗布工程以降の工程について説明する。
[組成物]
本発明のマイクロレンズアレイ露光用組成物は、(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂、(B)オキシムスルホネート系光酸発生剤、(C)溶剤および(D)塩基性化合物を含有し、かつ、マイクロレンズアレイ露光機用を用いて露光する場合に用いるエッチングレジスト用途の組成物であることが好ましい。特に、本発明で用いる組成物は、ポジ型レジストに好ましく用いられる。
以下これらの成分について、説明する。
(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂
本発明で用いる(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂とは、アルカリに対して不溶性または難溶性であることが好ましく、また、酸の作用によって、保護された基が分解したときにアルカリ可溶性となる樹脂であることが好ましい。ここで、本発明において「アルカリ溶解性」および「アルカリ不溶性」とは、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様において説明した(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂における用語と同義である。
本発明では、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂は、好ましくは、カルボキシ基が酸分解性基で保護された残基を有する繰り返し単位、または、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された残基を有する繰り返し単位を含む樹脂であることが好ましく、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された残基を有する繰り返し単位を含む樹脂であることがさらに好ましい。
本発明では、(A)樹脂を構成する繰り返し単位は、芳香環を含む繰り返し単位を含むことが好ましく、ベンゼン環を含む繰り返し単位を含むことがより好ましい。また、(A)樹脂は主鎖が炭素−炭素結合であり、側鎖にベンゼン環を含むことがより好ましい。
本発明で用いる(A)樹脂の第一の好ましい態様は、保護されたヒドロキシスチレンの繰り返し単位と、ヒドロキシスチレンのモノマー単位を含む樹脂である。具体的には、特開2003−162051号公報の段落番号0098〜0120、特開2003−066611号公報の段落番号0074〜0115に記載の樹脂等を採用することができる。
上記樹脂は、好ましくは、下記一般式(I)で表される繰り返し単位と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含む樹脂である。
一般式(I)
(一般式(I)中、Rは、それぞれ、カルボキシ基が酸分解性基で保護された残基、または、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された残基である。Ra7は水素原子またはメチル基であり、Ra8はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基である。n1は0〜4の整数である。)
上記式において、OR基はパラ位置に結合していることが好ましい。
一般式(II)
(一般式(II)中、Ra9は水素原子またはメチル基であり、Ra10はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基である。n2は0〜4の整数である。)
上記式において、OH基はパラ位置に結合していることが好ましい。
下記一般式(I)で表される繰り返し単位と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含む樹脂は、好ましくは、下記一般式(III)で表される繰り返し単位および一般式(IV)で示される繰り返し構造単位を含む樹脂である。これにより、本発明の効果がより顕著になる。
前記一般式(III)中、Lは、水素原子、置換されていてもよい、直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、または置換されていてもよいアラルキル基を表す。Zは、置換されていてもよい、直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、または置換されていてもよいアラルキル基を表す。またZとLが結合して5または6員環を形成してもよい。
前記一般式(III)におけるLおよびZのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などの炭素数1〜20個の直鎖、分岐あるいは環状のものが挙げられる。
前記一般式(III)におけるLおよびZのアルキル基が有しうる好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、チオフェンカルボニルオキシ基、チオフェンメチルカルボニルオキシ基、ピロリドン残基等のヘテロ環残基などが挙げられ、好ましくは、炭素数12以下である。
前記一般式(III)におけるLおよびZの置換基を有するアルキル基として、例えばシクロヘキシルエチル基、アルキルカルボニルオキシメチル基、アルキルカルボニルオキシエチル基、アリールカルボニルオキシエチル基、アラルキルカルボニルオキシエチル基、アルキルオキシメチル基、アリールオキシメチル基、アラルキルオキシメチル基、アルキルオキシエチル基、アリールオキシエチル基、アラルキルオキシエチル基、アルキルチオメチル基、アリールチオメチル基、アラルキルチオメチル基、アルキルチオエチル基、アリールチオエチル基、アラルキルチオエチル基等が挙げられる。
これらの前記一般式(III)におけるLおよびZの置換基を有するアルキル基が含む置換基がアルキル基である場合におけるアルキル基は特に限定されないが、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよく、更に前述のアルキル基、アルコキシ基等の置換基を有してもよい。上記アルキルカルボニルオキシエチル基の例としては、シクロヘキシルカルボニルオキシエチル基、t−ブチルシクロヘキシルカルボニルオキシエチル基、n−ブチルシクロヘキシルカルボニルオキシエチル基等を挙げることができる。
前記一般式(III)におけるLおよびZの置換基を有するアルキル基が含む置換基がアリール基である場合におけるアリール基も特に限定されないが、一般的にフェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基のような炭素数6〜14のものが挙げられ、更に前述のアルキル基、アルコキシ基等の置換基を有してもよい。上記アリールオキシエチル基の例としては、フェニルオキシエチル基、シクロヘキシルフェニルオキシエチル基等を挙げることができる。アラルキルも特に限定されないが、ベンジル基などを挙げることができる。上記アラルキルカルボニルオキシエチル基の例としては、ベンジルカルボニルオキシエチル基等を挙げることができる。
前記一般式(III)におけるLおよびZのアラルキル基としては、例えば、置換または未置換のベンジル基、置換または未置換のフェネチル基などの炭素数7〜15個のものを挙げることができる。アラルキル基ヘの好ましい置換基としてはアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基等が挙げられ、置換基を有するアラルキル基としては、例えば、アルコキシベンジル基、ヒドロキシベンジル基、フェニルチオフェネチル基等を挙げることができる。LまたはZとしてのアラルキル基が有しうる置換基の炭素数の範囲は、好ましくは12以下である。
上記のように前記一般式(III)におけるLおよびZが置換アルキル基または置換アラルキル基である場合、置換アルキル基や置換アラルキル基は末端にフェニル基やシクロヘキシル基のような嵩高い基を導入することが好ましい。
前記一般式(III)におけるLとZが互いに結合して形成する5または6員環としては、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロフラン環等が挙げられる。
一般式(III)で表される繰り返し単位および一般式(IV)で示される繰り返し構造単位におけるベンゼン環の置換基はパラ位置に結合していることが好ましい。
下記一般式(I)で表される繰り返し単位と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含む樹脂の特に好ましい実施態様は、下記一般式(V)で表される繰り返し単位と、一般式(VI)で表される繰り返し単位を有する樹脂である。
一般式(V)
(一般式(V)中、Ra1〜Ra6は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20の置換基を有していてもよいアルキル基、または、置換基を有していてもよいアリール基であり、互いに結合して環を形成していてもよい。Ra7は水素原子またはメチル基であり、Ra8はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基である。n1は0〜4の整数である。)
Ra1〜Ra6におけるアルキル基としては、それぞれ、置換基を有していてもよい炭素原子数が1〜20の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基を挙げることができ、炭素原子数1〜12の直鎖状、炭素原子数3〜12の分岐状、または、炭素原子数5〜10の環状のアルキル基が好ましくい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。
Ra1〜Ra6におけるアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
Ra1〜Ra6は、それぞれ、水素原子、炭素原子数1〜12の直鎖状、炭素原子数3〜12の分岐状、または、炭素原子数5〜10の環状のアルキル基、もしくはフェニル基が好ましく、水素原子、炭素原子数1〜12までの直鎖状のアルキル基、または、フェニル基がより好ましく、水素原子、メチル基、フェニル基がさらに好ましい。
Ra1、Ra2、Ra3、Ra5は、水素原子であることが好ましく、さらに、Ra1、R
2、Ra3、Ra5は、水素原子であって、Ra4およびRa6が、それぞれ、上記の基で
あることがより好ましい。
Ra7は水素原子またはメチル基であり、水素原子が好ましい。
Ra8はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基であり、塩素原子、臭
素原子、水酸基またはメチル基が好ましい。
n1は0〜4の整数であり、n1は0が好ましい。
一般式(VI)
(一般式(VI)中、Ra9は水素原子またはメチル基であり、Ra10はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基である。n1は0〜4の整数である。)
Ra9は水素原子またはメチル基であり、水素原子が好ましい。
Ra10はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基であり、塩素原子、臭素原子、水酸基またはメチル基が好ましい。
n2は0〜4の整数であり、0が好ましい。
本発明において、一般式(I)(好ましくは、一般式(III)または一般式(V))で表される繰り返し単位の含有量としては、全繰り返し単位に対して5〜90モル%が好ましく、より好ましくは10〜75モル%であり、さらに好ましくは10〜45モル%である。また、一般式(II)(好ましくは、一般式(IV)または一般式(V))で表される繰り返し単位の含有量としては、全繰り返し単位に対して5〜95モル%が好ましく、より好ましくは10〜85モル%である。
本発明で用いる(A)樹脂は、一般式(I)で表される繰り返し単位と一般式(II)で表される繰り返し単位の合計が全繰り返し単位の95モル%以上であることが好ましい。また、本発明で用いる樹脂は、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が2.0より大きい(A)樹脂が好ましい。さらに好ましくは、2.01〜7.00であり、2.01〜5.00であることがよりさらに好ましく、2.01〜4.00であることが特に好ましい。多分散度を7.00以下とすることにより、解像力向上する傾向にあり、また、レジストパターンがテーパー形状になってしまうのをより効果的に抑制できる。また、2.00以下では解像性が低下したり、現像残渣が発生してしまう。ここで、重量平均分子量、ならび、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
以下に、第一の実施形態で好ましく用いられる樹脂の具体例としては、後述する本願実施例で示すものの他、下記の樹脂が例示される。本発明はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
上記具体例において、Meはメチル基、Etはエチル基、n−Buはn−ブチル基、iso−Buはイソブチル基、t−Buはt−ブチル基を表す。
本発明で用いる(A−1)樹脂の第二の好ましい態様は、水酸基の一部または全部を酸の作用により脱離可能な基で保護して得られるノボラック樹脂が挙げられる。中でもアセタール又はケタール構造により水酸基の一部または全部を保護されたノボラック樹脂が好ましく、エトキシエチル基で保護されたノボラック樹脂がさらに好ましい。このようなノボラック樹脂としては、特開2003−98671号公報の段落番号0007〜0018の記載を参酌できる。ノボラック樹脂において、保護された基を有する繰り返し単位は、全繰り返し単位に対して5〜90モル%が好ましく、より好ましくは10〜75モル%であり、さらに好ましくは10〜45モル%である。
前記(A)樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000〜300,000の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは5,000〜100,000であり、最も好ましくは、5,000〜60,000である。5,000以上とすることにより、未露光部の現像による膜減りを抑制でき、300,000以下とすることにより樹脂自体のアルカリに対する溶解速度が遅くなり感度が低下してしまうのをより効果的に抑制できる。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
また、本発明で用いる(A)樹脂は、2種類以上混合して使用してもよい。(A)樹脂の使用量は、組成物の全重量(溶媒を除く)を基準として、好ましくは40〜99重量%であり、より好ましくは60〜98重量%であり、さらに好ましくは80〜98重量%である。
本発明で用いる組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶解した後、通常例えば孔径0.05μm〜0.2μm程度のフィルターで濾過することによって溶液として調整される。ここで使用される溶媒としては、例えばエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、トルエン、キシレン、酢酸シクロヘキシル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどが挙げられる。これらの溶剤は単独もしくは組み合わせて用いられる。溶媒の選択は、本発明のポジ型フォトレジスト組成物に対する溶解性や基板への塗布性、保存安定性等に影響するため重要である。また、溶媒に含まれる水分はレジスト諸性能に影響するため少ない方が好ましい。
さらに本発明で用いる組成物は、メタル等の金属不純物やハロゲンイオンなどの不純物成分を100ppb以下に低減しておくことが好ましい。これらの不純物が多く存在すると、半導体デバイスを製造する上で動作不良、欠陥、収率低下を招いたりするので好ましくない。
(B)光酸発生剤
本発明で用いる組成物は、オキシムスルホネート系酸発生剤を含む。本発明で用いられるオキシムスルホネート系酸発生剤は、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様で記載したオキシムスルホネート系酸発生剤と同義であり、好ましい範囲も同様である。
(C)溶剤
本発明で用いる組成物は、(C)溶剤を含有する。本発明で用いる組成物は、必須成分である(A)樹脂、(B)光酸発生剤および(D)塩基性化合物に加え、任意成分を(D)溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明で用いる組成物に使用される(C)溶剤としては、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様で記載した溶剤と同義であり、好ましい範囲も同様である。
(D)塩基性化合物
本発明で用いる組成物は、(D)塩基性化合物を含有することが好ましい。本発明で用いられる塩基性化合物は、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様で記載した塩基性化合物と同義である。
本発明において、(D)塩基性化合物の添加量は、感度、解像性および露光マージンのすべてを満たす観点から、組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)成分)を基準として、通常0.001〜20重量%の範囲で用いられ、好ましくは0.005〜10重量%、最も好ましくは0.01〜5重量%の範囲で使用される。
<その他の成分>
本発明のポジ型組成物には、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分以外に加えて、必要に応じて、(N)増感剤、(G)密着改良剤、(I)界面活性剤を好ましく加えることができる。さらに、本発明のポジ型組成物には、可塑剤、熱ラジカル発生剤、酸化防止剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、および、有機または無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を加えることができる。
(N)増感剤
本発明で用いる組成物は、(B)光酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましい。本発明で用いられる増感剤は、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様で記載した増感剤と同義である。
本発明で用いる組成物における(N)増感剤の含有量は、組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)樹脂)100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
(G)密着改良剤
本発明で用いる組成物は、(G)密着改良剤を含有してもよい。本発明で用いる組成物に用いることができる(G)密着改良剤は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。本発明で使用される(G)密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがさらに好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがよりさらに好ましい。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらは基板との密着性の向上に有効であるとともに、基板とのテーパー角の調整にも有効である。
本発明で用いる組成物における(G)密着改良剤の含有量は、組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは前記(A)樹脂)100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
(I)界面活性剤
本発明で用いる組成物は、(I)界面活性剤を含有してもよい。(I)界面活性剤としては、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様で記載した界面活性剤と同義であり、好ましい範囲も同様である。
酸化防止剤
本発明で用いる組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様で記載した酸化防止剤と同義であり、好ましい範囲も同様である。
組成物の調製方法
上述した組成物の(A)〜(D)の必須成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して本発明に用いる組成物を調製する。例えば、(A)〜(C)成分を、それぞれ予め(D)溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物溶液は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
(2)塗布された組成物から溶剤を除去する工程
(2)の溶剤除去工程では、本発明に用いる組成物を、所定の基板に塗布し、減圧および/または加熱(プリベーク)により溶剤を除去することにより、所望の乾燥塗膜を形成することができる。前記の基板、組成物を基板へ塗布する方法、基板への塗布方法は、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様と同様であり、好ましい範囲も同様である。また、(2)溶剤除去工程の加熱条件は、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様と同様であり、好ましい範囲も同様である。
(3)マイクロレンズアレイ露光機で組成物に活性光線を照射し露光する工程
(3)の露光工程では、得られた塗膜に波長300nm以上450nm以下の活性光線を照射する。この工程では、(B)光酸発生剤が分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、(A)成分中に含まれる保護された基が加水分解される。
露光工程では、塗膜を設けた基板に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射する。露光工程の後、必要に応じて加熱処理(PEB)を行った後、現像工程では、アルカリ性現像液を用いて露光部領域を除去して画像パターンを形成する。
本発明では、MLA露光方式を行う。MLA露光方式は、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様と同様であり、好ましい範囲も同様である。
酸触媒の生成した領域において、上記の加水分解反応を加速させるために、必要に応じて、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様と同様に、露光後加熱処理(ポストベーク)を行うことができる。PEBにより、酸分解性基からのカルボキシル基またはフェノール性水酸基の生成を促進させることができる。本発明の樹脂パターンの製造方法では、前記現像工程後、エッチング工程前に、前記レジストパターンをポストベークして熱硬化させる工程を含むことが好ましい。
本発明の樹脂パターンの製造方法では比較的低温でPEBを行うことにより、架橋反応を起こすことなく、酸分解性基の加水分解を促進することが好ましい。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。加熱時間は、加熱温度などにより適宜設定できるが、1〜60分の範囲内とすることが好ましい。
(4)水性現像液で現像する工程
(4)の現像工程では、遊離したフェノール性水酸基を有するポリマーを、アルカリ性現像液を用いて現像する。アルカリ性現像液に溶解しやすいフェノール性水酸基を有する樹脂組成物を含む露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成する。
本発明の樹脂パターンの製造方法では、(4)の現像工程から後述のエッチング工程までの間にポストベーク工程を含むことが好ましく、前記現像工程後、エッチング工程前に、前記レジストパターンを100〜160℃でポストベークする工程を含むことがより好ましい。(4)の現像工程後のポストベーク工程において、得られたポジ画像を加熱することにより、エッチング寸法安定性向上の効果が得られる。
前記現像工程後、エッチング工程前のポストベーク工程は、120〜150℃であることがより好ましい。比較的低温でPEBを行うことにより、レジストパターンを熱フローさせずにエッチング寸法安定性を向上させる効果が得られる。
加熱時間は、加熱温度などにより適宜設定できるが、1〜60分の範囲内とすることが好ましい。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様と同様であり、好ましい範囲も同様である。
現像液のpH、現像時間、温度等は、上述した樹脂パターンの製造方法の第1の態様と同様であり、好ましい範囲も同様である。
(5)エッチング工程
本発明の樹脂パターンの製造方法は、前記(5)形成された樹脂パターンをマスクとして前記基板をエッチングする工程を含む。
前記樹脂パターンをマスクとして前記基板をエッチングする方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
<基板>
本発明の樹脂パターンの製造方法に用いられる基板は特に制限はないが、例えばクロム膜、モリブデン膜、モリブデン合金膜、タンタル膜、タンタル合金膜、酸化錫をドープした酸化インジウム(ITO)膜や酸化錫膜、Ni、Cu、Fe、Alなどのメタル基板;石英、ガラス、窒化珪素膜、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーン膜、SOG、半導体素子製造用のシリコンウェハ、液晶素子製造用のガラス角基板などのシリコン基板;紙、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、有機EL表示装置に用いられるその他のポリマー基板などのポリマー基板;セラミック材料などを用いることができる。その中でも本発明では、ITO基板、モリブデン基板またはシリコン基板であることが好ましく、ITO基板であることがより好ましい。
基板の形状は、板状でもよいし、ロール状でもよい。
(6)レジストパターンを剥離する工程
本発明の樹脂パターンの製造方法は、前記(6)樹脂パターンを剥離する工程を含む。前記樹脂パターンを剥離方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
[パターン]
本発明のパターンは、本発明で用いる組成物を硬化して得られたレジストパターンをマスクとして用いて、前記基板をエッチングして得られたパターンである。本発明におけるパターンは、ITOパターン、モリブデンパターンまたはシリコンパターンとして好ましく用いることができ、ITOパターンとしてより好ましく用いることができる。
本発明で用いる組成物は感度、解像性および露光マージンに優れるため、矩形性に優れたレジストパターンが得られる。本発明におけるパターンは、前記レジストパターンを用いる本発明の樹脂パターンの製造方法で得られるため、微細加工することができ、表示装置(特に、有機EL表示装置や液晶表示装置)を高精細な表示特性とすることができる。
[表示装置]
本発明における表示装置は、上述した本発明の樹脂パターンの製造方法の第1の態様で得られた層間絶縁膜または上述した本発明の樹脂パターンの製造方法の第2の態様で得られたパターンを具備することを特徴とする。
本発明における表示装置としては、前記本発明で用いる組成物を用いて形成される平坦化膜、層間絶縁またはパターンを有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
また、本発明で用いる組成物および本発明における硬化膜は、前記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、カラーフィルタの保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルタ上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図1は、有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化層4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルタ22が設けられている。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
以下、第1の実施例、第2の実施例の順に説明する。
[第1の実施例]
以下の合成例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業製)
GMA:グリシジルメタクリレート(和光純薬工業製)
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業製)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(和光純薬工業製)
EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(東邦化学工業製、ハイソルブEDM)
M100:メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(ダイセル化学工業(株)製)
<MATHFの合成>
メタクリル酸(86g、1mol)を15℃に冷却しておき、カンファースルホン酸(4.6g,0.02mol)添加した。その溶液に、2−ジヒドロフラン(71g、1mol、1.0当量)を滴下した。1時間撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)54〜56℃/3.5mmHg留分のメタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル(MATHF)125gを無色油状物として得た(収率80%)。
<MAEVE1の合成>
エチルビニルエーテル144.2部(2モル当量)にフェノチアジン0.5部を添加し、反応系中を10℃以下に冷却しながらメタクリル酸86.1部(1モル当量)を滴下後、室温(25℃)で4時間撹拌した。p−トルエンスルホン酸ピリジニウム5.0部を添加後、室温で2時間撹拌し、一夜室温放置した。反応液に炭酸水素ナトリウム5部および硫酸ナトリウム5部を添加し、室温で1時間撹拌し、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)43〜45℃/7mmHg留分のメタクリル酸1−エトキシエチル(MAEVE)134.0部を無色油状物として得た。
得られたメタクリル酸1−エトキシエチル(63.28部(0.4モル当量))、GMA(42.65部(0.3モル当量))、MAA(8.61部(0.1モル当量))、HEMA(26.03部(0.2モル当量))およびEDM(110.8部)の混合溶液を窒素気流下、70℃に加熱した。この混合溶液を撹拌しながら、ラジカル重合開始剤V−65(商品名、和光純薬工業(株)製、4部)およびEDM(100.0部)の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下が終了してから、70℃で4時間反応させることにより、重合体MAEVE1のEDM溶液(固形分濃度:40%)を得た。
得られた重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、15,000であった。
上記合成例に従い、以下の重合体を合成した。
MATHF1
MAEVE2
MATHF2
MATHF3
ノボラック特開2003−98671号公報の実施例1に記載の方法で合成した。
他の材料については、以下のものを採用した。
(B)酸発生剤
(B−1−1)CGI−1397(商品名、下記に示す構造、チバスペシャルティ・ケミカルズ社製)
(B−1−2)下記化合物
B−1−2の合成
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4NHCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機層に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2NHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(30mL)の懸濁溶液に酢酸(7.3g)、50重量%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶をろ過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶をろ過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してB−2(2.3g)を得た。
なお、B−4の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
(B−1−3)下記オニウム塩(みどり化学社製、TPS−1000)
(B−1−4)下記キノンジアジド
ナフトキノンジアジド化合物の合成
Trisp−PA(本州化学製)42.45g、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド61.80g、アセトン300mlを三口フラスコに仕込み、室温下トリエチルアミン24.44gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間攪拌した後、反応液を大量の水に攪拌しながら注いだ。沈殿したナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを吸引ろ過により集め、40℃で24時間真空乾燥し下記ナフトキノンジアジド化合物を得た。
エポキシ樹脂:JER157S65(三菱化学(株)製)
下記共重合体1
<共重合体1の合成>
フラスコ内を窒素置換した後、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル9.0gを溶解したジエチレングリコールジメチルエーテル溶液459.0gを仕込んだ。引き続きスチレン22.5g、メタクリル酸15.0g、ジシクロペンタニルメタクリレート51.5gおよびメタクリル酸グリシジル90.0gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持した後、90℃で1時間加熱させて重合を終結させた。その後、反応生成溶液を多量の水に滴下し反応物を凝固させた。この凝固物を水洗後、テトラヒドロフラン200gに再溶解し、多量の水で再度、凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を60℃で48時間真空乾燥し、目的とする共重合体1を得た。
セロキサイド2021P(ダイセル化学工業製)
密着改良剤:KBM−403、信越化学工業製
増感剤:
DBA(9,10−ジブトキシアントラセン、川崎化成工業製)
DETX(カヤキュア−DETX 日本化薬製)
塩基性化合物:
DBN(製造元:東京化成株式会社製、品番:D131)
CMTU(製造元:東洋化成工業製、品番:CMTU)
TPI(東京化成株式会社製、T0999)
界面活性剤:下記構造式で示されるパーフルオロアルキル基含有ノニオン性界面活性剤
表1の記載に従い、下記組成となるように各成分を溶解混合し、口径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、絶縁膜材料用組成物を得た。
<組成>
・(A)樹脂のポリエチレングリコールメチルエーテルアセテート〔以下、PGMEAと略記する。溶剤(C)成分〕溶液 (A)樹脂固形分で 100.0部
・(B)光酸発生剤 2.0部
・エポキシ樹脂 2.0部
・密着改良剤 0.5部
・塩基性化合物
・塩基性化合物(1) 0.1部
・塩基性化合物(2) 0.02部
・界面活性剤 0.02部
・感光剤(キノンジアジド化合物)を添加する場合は 15.0部
<感度>
洗浄、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理したガラス基板に、組成物を3.0μmの膜厚となるように塗布した。
続いて、超高圧水銀灯を有するMLA(Micro Lens Array)型露光機(Vテクノロジー(株)製、マイクロレンズは4個の石英部材からなり、130μm直径、150μmピッチ)を用いて、投影倍率は1:1、MLAチップはサンプル基材とフォトマスクの間に位置させ、スキャン露光させた。フォトマスクで10μmの円形ホールパターンを有する石英露光マスクと、該マスクと感光性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板と、を略平行にした状態で、露光波長(ghi線)にて露光した。比較例のうち、MPA露光方式のものにおいては、超高圧水銀灯を有するミラープロジェクションアライナー型露光機(キャノン(株)製 MPA−5500CF)を用いて同条件で露光した。 次に、TMAH系現像液(0.5%テトラメチルアンモニウムハイドライド)を用いて23℃で60秒間、コーン型ノズル圧力0.18MPaでシャワー現像し、パターン像を形成した。引き続いて、リンス処理(純水)を用いて23℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.18MPaにてシャワーで吹きかけ、形成されたパターン像の周辺の残渣除去を行ない、ラインアンドスペースパターンを形成した(パターニング工程)。
次に、ホールパターンが設けられた基板を、300mJ/cm2で露光(後露光)したのち、230℃下で30分間加熱処理を行なう(熱処理工程)ことにより、ガラス基板上に層間絶縁膜を作製した。
レジストのホール直径がちょうど10μmとなる露光量を最適露光量として感度を評価した。
1点:200mJ/cm2以上の露光量を必要
2点:100mJ/cm2以上200mJ/cm2未満の露光量が必要
3点:50mJ/cm2以上100mJ/cm2未満の露光量が必要
4点:30mJ/cm2以上50mJ/cm2未満の露光量が必要
5点:30mJ/cm2未満の露光量で可能
<解像力>
洗浄、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理したガラス基板に、組成物を3.0μmの膜厚となるように塗布した。
続いて、超高圧水銀灯を有するMLA(Micro Lens Array)型露光機(Vテクノロジー(株)製、マイクロレンズは4個の石英部材からなり、130μm直径、150μmピッチ)を用いて、投影倍率は1:1、MLAチップはサンプル基材とフォトマスクの間に位置させ、スキャン露光させた。フォトマスクで1μmから10μmまで0.5μm置きに円形ホールパターンを有する石英露光マスクと、該マスクと感光性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板と、を略平行にした状態で、露光波長(ghi線)にて露光量34mJ/cm2で露光した。比較例のうち、MPA露光方式のものにおいては、超高圧水銀灯を有するミラープロジェクションアライナー型露光機(キャノン(株)製 MPA−5500CF)を用いて同条件で露光した。
次に、TMAH系現像液(0.5%テトラメチルアンモニウムハイドライド)を用いて23℃で60秒間、コーン型ノズル圧力0.18MPaでシャワー現像し、パターン像を形成した。引き続いて、リンス処理(純水)を用いて23℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.18MPaにてシャワーで吹きかけ、形成されたパターン像の周辺の残渣除去を行ない、ラインアンドスペースパターンを形成した(パターニング工程)。
次に、ホールパターンが設けられた基板を、300mJ/cm2で露光(後露光)したのち、230℃下で30分間加熱処理を行なう(熱処理工程)ことにより、ガラス基板上に層間絶縁膜を作製した。
ホールパターンのうち解像しうる最も小さなパターンのホール径を解像度とした。
1点:4.5μmが解像しない
2点:4.5μmが解像するが3.5μmは解像しない
3点:3.5μmが解像するが3.0μmは解像しない
4点:3.0μmが解像するが2.5μmは解像しない
5点:2.5μm以下が解像する。
<残渣>
洗浄、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理したガラス基板に、組成物を3.0μmの膜厚となるように塗布した。
続いて、超高圧水銀灯を有するMLA(Micro Lens Array)型露光機(Vテクノロジー(株)製、マイクロレンズは4個の石英部材からなり、130μm直径、150μmピッチ)を用いて、投影倍率は1:1、MLAチップはサンプル基材とフォトマスクの間に位置させ、スキャン露光させた。フォトマスクで10μmの円形ホールパターンを有する石英露光マスクと、該マスクと感光性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板と、を略平行にした状態で、露光波長(ghi線)にて露光量34mJ/cm2で露光した。比較例のうち、MPA露光方式のものにおいては、超高圧水銀灯を有するミラープロジェクションアライナー型露光機(キャノン(株)製 MPA−5500CF)を用いて同条件で露光した。
次に、TMAH系現像液(0.5%テトラメチルアンモニウムハイドライド)を用いて23℃で60秒間、コーン型ノズル圧力0.18MPaでシャワー現像し、パターン像を形成した。引き続いて、リンス処理(純水)を用いて23℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.18MPaにてシャワーで吹きかけ、形成されたパターン像の周辺の残渣除去を行ない、ラインアンドスペースパターンを形成した(パターニング工程)。
次に、ホールパターンが設けられた基板を、300mJ/cm2で露光(後露光)したのち、230℃下で30分間加熱処理を行なう(熱処理工程)ことにより、ガラス基板上に層間絶縁膜を作製した。10μm径のホール部分を走査型電子顕微鏡(SEM)にて10000倍の倍率で観察し、残渣の有無を調べた。
1点:大量に残渣が発生
2点:ホールの中央付近に残渣有り
3点:ホールの周辺の層間絶縁膜との境界部分に残渣有り
4点:ホールの周辺の層間絶縁膜との境界部分にわずかに残渣有り
5点:残渣は観察されない
<総合性能>
上記感度、解像力及び残渣の結果を踏まえ、以下の通り総合的に評価した。
総合性能 感度、解像力、残渣の評価得点を合計し、下記の基準により総合性能評価を行った。
1点:合計点が1〜5点
2点:合計点が6〜9点
3点:合計点が10〜11点
4点:合計点が12〜13点
5点:合計点が14点以上
以下に示す実施例1−1〜1−9および実施例1−11〜1−13は参考例である。
(実施例1−14)
実施例1−1の組成物を使用し、基板をガラス基板からシリコンウェハに変更した以外は、実施例1−1の組成物に対して行った。結果、実施例1−1と同様の結果が得られた。なお実施例1−14は参考例である。
(実施例1−15)
薄膜トランジスタ(TFT)を用いた有機EL表示装置を以下の方法で作製した(図1参照)。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34からなる絶縁膜3を形成した。次に、この絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)を絶縁膜3上に形成した。この配線2は、TFT1間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。なお実施例1−15は参考例である。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上へ平坦化層4を形成した。絶縁膜3上への平坦化膜4の形成は、実施例1の組成物を基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(90℃×2分)した後、マスク上からMLA露光機を用いてi線(365nm)を45mJ/cm2(照度20mW/cm2)照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、230℃で60分間の加熱処理を行った。該組成物を塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、焼成の後に得られた硬化膜には、しわやクラックの発生は認められなかった。さらに、配線2の平均段差は500nm、作製した平坦化膜4の膜厚は2,000nmであった。
次に、得られた平坦化膜4上に、ボトムエミッション型の有機EL素子を形成した。まず、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5を、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成した。その後、レジストを塗布、プリベークし、所望のパターンのマスクを介してMLA露光機で露光し、現像した。このレジストパターンをマスクとして、ITOエッチャント用いたウエットエッチングによりパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(モノエタノールアミンとジメチルスルホキシド(DMSO)との混合液)を用いて該レジストパターンを剥離した。こうして得られた第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
次に、第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8を形成した。絶縁膜には、実施例1−1の組成物を用い、前記と同様の方法で絶縁膜8を形成した。この絶縁膜を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、真空蒸着装置内で所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設けた。次いで、基板上方の全面にAlからなる第二電極を形成した。得られた上記基板を蒸着機から取り出し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。
以上のようにして、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続してなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られた。駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い有機EL表示装置であることがわかった。
(実施例1−16)
特許第3321003号公報の図1および図2に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、層間絶縁膜として硬化膜17を以下のようにして形成し、実施例1−16の液晶表示装置を得た。
すなわち、実施例1−1の組成物を用い、上記実施例1−15における有機EL表示装置の平坦化膜4の形成方法と同様の方法で、層間絶縁膜として硬化膜17を形成した。なお実施例1−16は参考例である。
得られた液晶表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い液晶表示装置であることがわかった。
[第2の実施例]
(合成例−1)
p−アセトキシスチレン32.4g(0.2モル)を酢酸ブチル120mlに溶解し、窒素気流および攪拌下、80℃にてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.033gを2.5時間置きに3回添加し、最後に更に5時間攪拌を続けることにより、重合反応を行った。反応液をヘキサン1200mlに投入し、白色の樹脂を析出させた。得られた樹脂を乾燥後、メタノール150mlに溶解した。これに水酸化ナトリウム7.7g(0.19モル)/水50mlの水溶液を添加し、3時間加熱還流することにより加水分解させた。その後、水200mlを加えて希釈し、塩酸にて中和し白色の樹脂を析出させた。この樹脂を濾別し、水洗・乾燥させた。更にテトラヒドロフラン200mlに溶解し、5リットルの超純水中に激しく攪拌しながら滴下、再沈を行った。この再沈操作を3回繰り返した。得られた樹脂を真空乾燥器中で120℃、12時間乾燥し、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)アルカリ可溶性樹脂(R−1)を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は12,000であった。
(合成例−2)重合体(A−1)の合成
上記合成例−1で得られたアルカリ可溶性樹脂(R−1)20gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)320gをフラスコ中で溶解し、減圧蒸留を行い、水とPGMEAを共沸留去した。含水が十分低くなったことを確認した後、エチルビニルエーテル24gおよびp−トルエンスルホン酸0.35gを加え、室温にて1時間撹拌した。そこへトリエチルアミンを0.28g加えて反応を止めた。反応液に酢酸エチルを添加、さらに水洗した後、減圧留去によって酢酸エチル、水、共沸分のPGMEAを留去し、酸分解性基で保護されたアルカリ可溶性樹脂である重合体(A−1)を得た。
重合体(A−1)の構造は、p−ヒドロキシスチレンの1−エトキシエチル基保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(PHS−EVE)である。
上記と同様の方法に従って、下記化合物を合成した。
重合体(A−2)
重合体(A−3)
重合体(A−4)
重合体(A−5)特開2003−98671号公報の実施例1と同様の方法で合成した。
重合体(A−6)
共重合体(A)である重合体A−6を以下のごとく合成した。
エチルビニルエーテル144.2部(2モル当量)にフェノチアジン0.5部を添加し、反応系中を10℃以下に冷却しながらメタクリル酸86.1部(1モル当量)を滴下後、室温(25℃)で4時間撹拌した。p−トルエンスルホン酸ピリジニウム5.0部を添加後、室温で2時間撹拌し、一夜室温放置した。反応液に炭酸水素ナトリウム5部および硫酸ナトリウム5部を添加し、室温で1時間撹拌し、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)43〜45℃/7mmHg留分のメタクリル酸1−エトキシエチル(MAEVE)134.0部を無色油状物として得た。
得られたメタクリル酸1−エトキシエチル(63.28部(0.4モル当量))、BzMA(52.83部(0.3モル当量))、MAA(8.61部(0.1モル当量))、HEMA(26.03部(0.2モル当量))およびEDM(110.8部)の混合溶液を窒素気流下、70℃に加熱した。この混合溶液を撹拌しながら、ラジカル重合開始剤V−65(商品名、和光純薬工業(株)製、4部)およびEDM(100.0部)の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下が終了してから、70℃で4時間反応させることにより、重合体A−1のEDM溶液(固形分濃度:40%)を得た。
得られた重合体A−1のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、15,000であった。
以上の合成例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業製)
BzMA:ベンジルメタクリレート(和光純薬工業製)
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業製)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(和光純薬工業製)
EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(東邦化学工業製、ハイソルブEDM)
重合体(A−7)上記(A−6)と同様にして合成した
その他の原料は以下のものを採用した。
酸発生剤(B−1−1):CGI−1397(商品名、チバスペシャルティ・ケミカルズ社製)
酸発生剤(B−1−3):オニウム塩(みどり化学社製、TPS−1000)
酸発生剤(B−2−1):特表2002−528451号公報の段落番号0108に記載の方法に従って合成した。
Ts部分はトシル基を表す。
酸発生剤(B−2−2):ナフトキノンジアジド(NQD)(ダイトーケミックス社製、DTEP−250)
塩基性化合物(CMTU):(東洋化成工業製、CMTU)
塩基性化合物(DBN):(東京化成株式会社製、D131)
塩基性化合物(TPI):(東京化成株式会社製、T0999)
増感剤:DBA(川崎化成工業製、9,10−ジブトキシアントラセン)
表1の記載に従い下記組成となるように各成分を溶解混合し、口径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、実施例および比較例の組成物を得た。
<組成>
・共重合体(A):重合体A−1のポリエチレングリコールメチルエーテルアセテート溶液 固形分で100.0部
・光酸発生剤(B) 2.0部
・塩基性化合物(C): 0.2部
・(I)界面活性剤:上記に示すI−1 0.02部
増感剤は、添加する場合は、1.0部配合した。
得られた実施例および比較例の組成物について、以下に示す各評価を行った。
<感度>
洗浄、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理したガラス基板に、組成物を1.3μmの膜厚となるように塗布した。
続いて、超高圧水銀灯を有するMLA(Micro Lens Array)型露光機(Vテクノロジー(株)製、マイクロレンズは4個の石英部材からなり、130μm直径、150μmピッチ)を用いて、投影倍率は1:1、MLAチップはサンプル基材とフォトマスクの間に位置させ、スキャン露光させた。フォトマスクで10μmのラインアンドスペースの直線画像パターンを有する石英露光マスクと、該マスクと感光性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板と、を略平行にした状態で、露光波長(ghi線)にて露光した。比較例のうち、MPA露光方式のものにおいては、超高圧水銀灯を有するミラープロジェクションアライナー型露光機(キャノン(株)製 MPA−5500CF)を用いて同条件で露光した。
次に、TMAH系現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムハイドライド)を用いて23℃で60秒間、パドル現像し、パターン像を形成した。引き続いて、リンス処理(純水)を用いて23℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.06MPaにてシャワーで吹きかけ、形成されたパターン像の周辺の残渣除去を行ない、ラインアンドスペースパターンを形成した(パターニング工程)。
10μmのラインアンドスペースパターンで形成した、レジストのスペース線幅がちょうど10μmとなる露光量を最適露光量として感度を評価した。
1点:100mJ/cm2以上の露光量が必要
2点:50mJ/cm2以上100mJ/cm2未満の露光量が必要
3点:20mJ/cm2以上50mJ/cm2未満の露光量が必要
4点:10mJ/cm2以上20mJ/cm2未満の露光量が必要
5点:10mJ/cm2未満の露光量で可能
<解像力>
洗浄、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理したガラス基板に、組成物を1.3μmの膜厚となるように塗布した。
続いて、超高圧水銀灯を有するMLA(Micro Lens Array)型露光機(Vテクノロジー(株)製、マイクロレンズは4個の石英部材からなり、130μm直径、150μmピッチ)を用いて、投影倍率は1:1、MLAチップはサンプル基材とフォトマスクの間に位置させ、スキャン露光させた。フォトマスクで1μmから10μmまで0.5μm置きにラインアンドスペースの直線画像パターンを有する石英露光マスクと、該マスクと感光性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板と、を略平行にした状態で、露光波長(ghi線)にて露光量34mJ/cm2で露光した。超高圧水
銀灯を有するミラープロジェクションアライナー型露光機(キャノン(株)製 MPA−5500CF)を用いて同条件で露光した。
次に、TMAH系現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムハイドライド)を用いて23℃で60秒間、パドル現像し、パターン像を形成した。引き続いて、リンス処理(純水)を用いて23℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.06MPaにてシャワーで吹きかけ、形成されたパターン像の周辺の残渣除去を行ない、ラインアンドスペースパターンを形成した(パターニング工程)。
ラインアンドスペースパターンのうち解像しうる最も小さなパターンの線幅を解像度とした。
1点:3.0μmが解像しない。
2点:3.0μmが解像するが2.5μm以下は解像しない。
3点:2.5μmが解像するが2.0μm以下は解像しない。
4点:2.0μmが解像するが1.5μm以下は解像しない。
5点:1.5μmが解像する。
<残渣>
洗浄、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理したガラス基板に、組成物を1.3μmの膜厚となるように塗布した。
続いて、超高圧水銀灯を有するMLA(Micro Lens Array)型露光機(Vテクノロジー(株)製、マイクロレンズは4個の石英部材からなり、130μm直径、150μmピッチ)を用いて、投影倍率は1:1、MLAチップはサンプル基材とフォトマスクの間に位置させ、スキャン露光させた。フォトマスクで5μmのラインアンドスペースの直線画像パターンを有する石英露光マスクと、該マスクと感光性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板と、を略平行にした状態で、露光波長(ghi線)にて露光量34mJ/cm2で露光した。超高圧水銀灯を有するミラープロジェクションアライナー型露光機(キャノン(株)製 MPA−5500CF)を用いて同条件で露光した。
次に、TMAH系現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムハイドライド)を用いて23℃で60秒間、パドル現像し、パターン像を形成した。引き続いて、リンス処理(純水)を用いて23℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.06MPaにてシャワーで吹きかけ、形成されたパターン像の周辺の残渣除去を行ない、ラインアンドスペースパターンを形成した(パターニング工程)。
走査型電子顕微鏡(SEM)にて10000倍の倍率で観察し、残渣の有無を調べた。
1点:大量に残渣が発生。
2点:スペースの中央付近に残渣有り。
3点:ラインとスペースの境界部分に残渣有り。
4点:ラインとスペースの境界部分にわずかに残渣有り。
5点:残渣は観察されない。
<総合性能>
上記感度、解像力及び残渣の結果を踏まえ、以下の通り総合的に評価した。
総合性能 感度、解像力、残渣の評価得点を合計し、下記の基準により総合性能評価を行った。
1点:合計点が1〜5点
2点:合計点が6〜9点
3点:合計点が10〜11点
4点:合計点が12〜13点
5点:合計点が14点以上
以下に示す実施例2−1〜2−5および実施例2−7〜2−9は参考例である。
上記表から明らかなとおり、本発明で用いる組成物は、MLA露光機で露光した場合は、感度、解像力および残渣に総合的に優れることが分かった(実施例2−1〜2−10)。特に、塩基性化合物として、一般式(a)で表される塩基性化合物を採用したときに、効果が顕著であることが分かった。
これに対し、本発明における組成物を用いても、MPA露光機で露光した場合は、これらの性能が劣っていることが分かった(比較例2−2、2−3)。
さらに、MLA露光機で露光しても、酸発生剤がオキシムスルホネートでない場合、これらの性能が劣っていることが分かった(比較例2−4)。
[実施例2−11]
(有機EL表示装置)
ITOパターンを具備する有機EL表示装置を以下の方法で作製した(図1参照)。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3を形成した。次に、この絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)を絶縁膜3上に形成した。この配線2は、TFT1間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上へ平坦化膜4を形成した。絶縁膜3上への平坦化膜4の形成は、特開2009−98616号公報の実施例1に記載の組成物を基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(90℃×2分)した後、MLA露光機を用い、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を45mJ/cm2(照度20mW/cm2)照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、230℃で60分間の加熱処理を行った。
組成物を塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、焼成の後に得られた硬化膜には、しわやクラックの発生は認められなかった。さらに、配線2の平均段差は500nm、作製した平坦化膜4の膜厚は2,000nmであった。
次に、得られた平坦化膜4上に、ボトムエミッション型の有機EL素子を形成した。まず、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5を、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成した。その後、実施例1の組成物をITO基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(90℃×2分)した後、MLA露光機により、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を20mJ/cm2(照度20mW/cm2)照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成した。その後、エッチング工程前に140℃で3分間のポストベーク加熱処理を行った。このレジストパターンをマスクとして、ITOエッチャント(3%シュウ酸水溶液)に40℃/1min浸漬させることで、ウエットエッチングによりITOのパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(MS2001、富士フイルムエレクトロ二クスマテリアルズ社製)に70℃/7min浸漬させて該レジストパターンを剥離した。こうして得られた第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
次に、第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8を形成した。絶縁膜8には、特開2009−98616号公報の実施例1に記載の組成物を用い、前記と同様の方法で絶縁膜8を形成した。この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、真空蒸着装置内で所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設けた。次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成した。得られた上記基板を蒸着機から取り出し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。
以上のようにして、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続してなるアクティブマトリックス型のITOパターンを具備する有機EL表示装置が得られた。駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い有機EL表示装置であることが分かった。
[実施例2−12]
(液晶表示装置)
ITOパターンを具備する液晶表示装置を以下の方法で作製した。
特許第3321003号公報の図1に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、層間絶縁膜として硬化膜17を以下のようにして形成し、実施例21の液晶表示装置を得た。
すなわち、上記実施例20における有機EL表示装置の平坦化膜4の形成方法と同様の方法で、層間絶縁膜として硬化膜17を形成した。
得られたITOパターンを具備する液晶表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い液晶表示装置であることが分かった。
1:TFT(薄膜トランジスタ)
2:配線
3:絶縁膜
4:平坦化膜
5:第一電極
6:ガラス基板
7:コンタクトホール
8:絶縁膜
10:液晶表示装置
12:バックライトユニット
14,15:ガラス基板
16:TFT
17:硬化膜
18:コンタクトホール
19:ITO透明電極
20:液晶
22:カラーフィルタ

Claims (13)

  1. (1)(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂、(B)オキシムスルホネート系光酸発生剤(C)溶剤、および(D)塩基性化合物を含有する組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布された前記組成物から前記溶剤を除去する工程、
    (3)マイクロレンズアレイ露光機で前記組成物に活性光線を照射し露光する工程、および
    (4)水性現像液で現像する工程、
    を含み、
    前記(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂が、下記一般式(a1−1)で表される構造単位および/または下記一般式(V)で表される構造単位を有し、
    前記(D)塩基性化合物が、下記一般式(a)で表される化合物である、樹脂パターンの製造方法。
    (一般式(a1−1)中、R 121 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、L 1 はカルボニル基またはフェニレン基を表し、R 122 〜R 128 はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
    (一般式(V)中、Ra 1 〜Ra 6 は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20の置換基を有していてもよいアルキル基、または、置換基を有していてもよいアリール基であり、互いに結合して環を形成していてもよい。Ra 7 は水素原子またはメチル基であり、Ra 8 はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基である。n1は0〜4の整数である。)
    一般式(a)
    (一般式(a)中、R 2 は炭素数が1〜6の置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐のアルキル基または炭素数3〜10の置換基を有していてもよい環状のアルキル基を表す。Xは酸素原子または硫黄原子を表す。Y 1 は酸素原子または−NH−基を表す。p1は1〜3の整数を表す。)
  2. 前記マイクロレンズアレイ露光機で前記組成物に活性光線を照射し露光する工程が、マスクを介して活性光線を照射し露光することを含む、請求項1に記載の樹脂パターンの製造方法。
  3. 前記(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂が、架橋基を有するモノマー由来の構造単位(a2)を含有する、請求項1または2に記載の樹脂パターンの製造方法。
  4. 前記(B)オキシムスルホネート系光酸発生剤が、下記一般式(B2)または(B3)で表されるオキシムスルホネート系酸発生剤である、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法。
    一般式(B2)
    (式(B2)中、R42は、アルキル基またはアリール基を表し、Xは、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表し、m4は、0〜3の整数を表し、m4が2または3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。)
    一般式(B3)
    (式(B3)中、R43は、アルキル基またはアリール基を表し、X1は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、n4は0〜5の整数を表す。)
  5. 前記組成物が層間絶縁膜用組成物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法。
  6. 前記組成物がエッチングレジスト用組成物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法。
  7. 前記組成物が、さらに、増感剤、エポキシ樹脂、密着改良剤および界面活性剤の少なくとも1種を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法。
  8. 前記(4)水性現像液で現像する工程の後に、ポストベークする工程をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法を含み、前記(4)水性現像液で現像する工程の後に、
    (5)形成された樹脂パターンをマスクとして前記基板をエッチングする工程、および、
    (6)前記樹脂パターンを剥離する工程、を含むパターン基板の製造方法。
  10. 前記(A)酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂が、前記一般式(V)で表される構造単位を有する、請求項に記載のパターン基板の製造方法。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法を含む層間絶縁膜の製造方法。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法、請求項または10に記載のパターン基板の製造方法、または、請求項11に記載の層間絶縁膜の製造方法を含む、薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法、請求項または10に記載のパターン基板の製造方法、または、請求項11に記載の層間絶縁膜の製造方法を含む、表示装置の製造方法。
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