JP2011209719A - 感光性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法、有機el表示装置、及び、液晶表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法、有機el表示装置、及び、液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】解像性に優れ、かつ、加熱処理(ポストベーク工程)前後のコンタクトホール径の寸法安定性に優れた硬化膜を得ることができる感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(成分A)酸分解性基で保護されたカルボキシ基及び/又は酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基を有する構成単位(1)と、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(2)と、を含有する共重合体、(成分B)光酸発生剤、(成分C)下記式(I)で表される熱酸発生剤、並びに、(成分D)溶剤、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
Figure 2011209719

【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法、有機EL表示装置、及び、液晶表示装置に関する。
有機EL表示装置や、液晶表示装置などには、パターン形成された層間絶縁膜が設けられている。この層間絶縁膜の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なく、しかも十分な平坦性が得られるといったことから、感光性樹脂組成物が広く使用されている。
上記のような感光性樹脂組成物を用いてパターン形成された層間絶縁膜や平坦化膜には、透明性に加えて、耐溶剤性に優れるといった、信頼性の高い硬化膜であることが求められる。
そのような感光性樹脂組成物として、例えば、特許文献1には、(A)(a)不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物、(b)エポキシ基を有するラジカル重合性化合物、及び(c)他のラジカル重合性化合物の共重合体であるアルカリ水溶液に可溶な樹脂、及び(B)感放射線性酸生成化合物を有する感光性樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献2には、保存安定性、感度、形成された硬化膜の高い信頼性(透明性、耐溶剤性)が確保できる感光性樹脂組成物としては、例えば、アセタール構造又はケタール構造を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物、エポキシ基を有するラジカル重合性化合物、及び他のラジカル重合性化合物の共重合体である樹脂と、放射線の照射によりpKaが4.0以下の酸を発生する化合物と、を含有する感放射線性樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献3には、特定の酸解離性基を有する構成単位、カルボキシル基と反応して共有結合を形成し得る構成単位との共重合体である樹脂、及び、オキシムスルホネート基を有する光酸発生剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献4には、架橋剤、酸発生剤、並びにそれ自体はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸の作用により解裂しうる保護基を有し、該保護基が解裂した後はアルカリ水溶液に可溶性になる樹脂を含有することを特徴とするポジ型化学増幅型レジスト組成物が記載されている。
また、特許文献5には、フォトレジスト樹脂、光酸発生剤及び有機溶媒でなるフォトレジスト組成物において、前記フォトレジスト組成物が熱硬化剤を更に含むことを特徴とするフォトレジスト組成物が記載されている。
特開平5−165214号公報 特開2004−264623号公報 特開2009−98616号公報 特開2004−4669号公報 特開2001−188341号公報
感光性樹脂組成物を用いて、絶縁膜等のパターン形成をする場合においては、通常、感光性樹脂組成物の露光後に加熱処理(ポストベーク工程)を実施するが、従来の感光性樹脂組成物を高解像度化(例えば、特許文献4参照。)すると、加熱処理(ポストベーク工程)前後のコンタクトホール径の寸法安定性が悪く、パネルの生産性の悪化させる原因となることが分かった。また加熱処理(ポストベーク工程)前後のコンタクトホール径の寸法安定性を確保するため、特定の熱酸発生剤(例えば、特許文献5参照。)を添加すると、コンタクトホール径の寸法安定性は改良されるが、解像性が不足することが分かった。
本発明の目的は、解像性に優れ、かつ、加熱処理(ポストベーク工程)前後のコンタクトホール径の寸法安定性に優れた硬化膜を得ることができる感光性樹脂組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、本発明の感光性樹脂組成物により形成された硬化膜を具備する有機EL表示装置及び液晶表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<8>、<9>、<10>、<12>又は<13>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<7>及び<11>と共に以下に記載する。
<1>(成分A)酸分解性基で保護されたカルボキシ基及び/又は酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基を有する構成単位(1)と、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(2)と、を含有する共重合体、(成分B)光酸発生剤、(成分C)下記式(I)で表される熱酸発生剤、並びに、(成分D)溶剤、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物、
Figure 2011209719
(式(I)中、AはL価の連結基を表し、R1はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜10のハロゲン化アルコキシ基、Vで置換されていてもよいフェニル基、Vで置換されていてもよいナフチル基又はVで置換されていてもよいアントラニル基を表し、Vはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表し、R2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、又は、炭素数7〜25のアラルキル基を表し、Lは2〜4の整数を表す。)
<2>前記成分Cが、下記式(II)で表される化合物である、上記<1>に記載の感光性樹脂組成物、
Figure 2011209719
(式(II)中、AはL価の連結基を表し、R3はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基又はVで置換されていてもよいフェニル基を表し、Vはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、Lは2〜4の整数を表す。)
<3>前記成分Bが、オキシムスルホネート化合物又はオキシム硫酸エステル化合物である、上記<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物、
<4>前記成分Bが、下記式(OS−3)、式(OS−4)、及び、式(OS−5)で表される化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物である、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
Figure 2011209719
(式(OS−3)〜式(OS−5)中、R1はアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、複数存在するR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表し、複数存在するR6はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基又はアルコキシスルホニル基を表し、XはO又はSを表し、nは1又は2を表し、mは0〜6の整数を表す。)
<5>前記成分Bが、下記式(III)で表される化合物である、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
1A−C(R2A)=N−O−SO2−R3A (III)
(式(III)中、R1Aは、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、2−フリル基、2−チエニル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又はシアノ基を表し、R1Aがフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基又はアントラニル基である場合、これらの基は、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基及びニトロ基よりなる群から選ばれた置換基によって置換されていてもよく、R2Aは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基、Wで置換されていてもよいアントラニル基、ジアルキルアミノ基、モルホリノ基又はシアノ基を表し、R2AとR1Aとは互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよく、該5員環又は6員環は1個又は2個の任意の置換基を有してもよいベンゼン環と連結していてもよく、R3Aは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基又はWで置換されていてもよいアントラニル基を表し、Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表す。)
<6>前記構成単位(2)が、オキセタニル基を有する構成単位である、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<7>架橋剤を更に含有する、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<8>上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物に、光及び熱を付与して形成された硬化膜、
<9>(1)上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程、(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、(3)塗布された感光性樹脂組成物を活性光線により露光する露光工程、(4)露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程、及び、(5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程、を含む硬化膜の形成方法、
<10>上記<9>に記載の方法により形成された硬化膜、
<11>層間絶縁膜である、上記<8>又は<10>に記載の硬化膜、
<12>上記<8>、<10>又は<11>に記載の硬化膜を具備する有機EL表示装置、
<13>上記<8>、<10>又は<11>に記載の硬化膜を具備する液晶表示装置。
本発明によれば、解像性に優れ、かつ、加熱処理(ポストベーク工程)前後のコンタクトホール径の寸法安定性に優れた硬化膜を得ることができる感光性樹脂組成物を提供することができた。
また、本発明によれば、本発明の感光性樹脂組成物により形成された硬化膜を具備する有機EL表示装置及び液晶表示装置を提供することができた。
有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。
以下、本発明の感光性樹脂組成物について詳細に説明する。
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分A)酸分解性基で保護されたカルボキシ基及び/又は酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基を有する構成単位(1)と、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(2)と、を含有する共重合体、(成分B)光酸発生剤、(成分C)下記式(I)で表される熱酸発生剤、並びに、(成分D)溶剤、を含有することを特徴とする。
以下、前記(成分A)等で示される各成分をそれぞれ、「成分A」等ともいう。
Figure 2011209719
(式(I)中、AはL価の連結基を表し、R1はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜10のハロゲン化アルコキシ基、Vで置換されていてもよいフェニル基、Vで置換されていてもよいナフチル基又はVで置換されていてもよいアントラニル基を表し、Vはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表し、R2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、又は、炭素数7〜25のアラルキル基を表し、Lは2〜4の整数を表す。)
本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物として好適に用いることができる。また、本発明の感光性樹脂組成物は、化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物(化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物)であることがより好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、解像性に優れ、かつ、加熱処理(ポストベーク工程)前後のコンタクトホール径の寸法安定性に優れた硬化膜を得ることができるだけでなく、保存安定性及び感度に優れ、また、透明性及び耐溶剤性に優れた硬化膜をえることができる感光性樹脂組成物である。
一方、特許文献1〜5に記載された発明のような従来の組成物では、現在のところ、高解像度かつ加熱処理(ポストベーク工程)前後のコンタクトホール径の寸法安定性良好な感光性樹脂組成物は得られておらず、ましてや、高感度と保存安定性とを有し、かつ、形成された硬化膜の高い信頼性(透明性、耐溶剤性)を確保しつつも、高解像度かつ加熱処理(ポストベーク工程)前後のコンタクトホール径の寸法安定性良好な感光性樹脂組成物は得られていない。
本発明の硬化膜は、本発明の感光性樹脂組成物に光及び熱を付与して形成された硬化膜であることが好ましい。
また、本発明の硬化膜は、後述する本発明の硬化膜の形成方法により形成された硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化膜は、層間絶縁膜として好適に用いることができる。
層間絶縁膜を形成するための感光性樹脂組成物には、高感度であること、かつ保存安定性の良いことが要求されると共に、該感光性樹脂組成物から形成される硬化膜には、高い信頼性(透明性、耐溶剤性等)が要求される。更に、層間絶縁膜には、コンタクトホール形成などの観点から、高解像度であると共に、加熱処理(ポストベーク工程)前後でコンタクトホール径の寸法が変化しないことが望ましい。
<成分A>
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分A)酸分解性基で保護されたカルボキシ基及び/又は酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基を有する構成単位(1)と、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(2)と、を含有する共重合体を含有する。
成分Aは、アルカリ不溶性であり、かつ、分子内に有する酸分解性基が分解したときにアルカリ可溶性となる樹脂であることが好ましい。
ここで、本発明において「酸分解性基」とは、酸の存在下で分解することにより、該酸分解性基により保護されたカルボキシ基又はフェノール性水酸基を生成することが可能な官能基を意味する。
本発明において、成分Aが「アルカリ可溶性」であるとは、酸分解性基が分解された後の成分Aを含む溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成された塗膜(厚さ3μm)が示す、23℃における0.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒以上であることを意味する。該アルカリ可溶性は、前記溶解速度が0.005μm/秒以上であることが好ましい。
また、本発明において、成分Aが「アルカリ不溶性」であるとは、成分Aを含む溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成された塗膜(厚さ3μm)が示す、23℃における0.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒未満であることを意味する。該アルカリ不溶性は、前記溶解速度が0.005μm/秒未満であることが好ましい。
成分Aは、その全体がアルカリ不溶性に保たれる限り、酸性基の導入が排除されるものではない。成分Aに酸性基が導入される場合の例としては、例えば、後述する構成単位(3a)等を有する場合が挙げられる。
成分Aは、アクリル系重合体であることが好ましい。
本発明における「アクリル系重合体」は、付加重合型の樹脂であり、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位を含む重合体であり、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレン類に由来する構成単位やビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。
成分Aは、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位を、重合体における全構成単位に対し、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位のみからなる重合体であることが特に好ましい。
なお、「(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位」を「アクリル系構成単位」ともいう。また、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を意味するものとする。
以下、成分Aを構成する構成単位について詳細に説明する。
〔酸分解性基で保護されたカルボキシ基及び/又は酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基を有する構成単位(1)〕
成分Aは、酸分解性基で保護されたカルボキシ基及び/又は酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基を有する構成単位(1)(以下、適宜「構成単位(1)」ともいう。)を有することにより、極めて高感度な感光性樹脂組成物とすることができる。酸基としては、カルボキシ基、及び、フェノール性水酸基が挙げられる。
(1−1)カルボキシ基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位
(1−1)カルボキシ基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位としては、後述の(1−1−1)、(1−1−2)に記載の構成単位に含まれるカルボキシ基が酸分解性基によって保護された残基を有する構成単位であることが好ましい。
(1−1−1)カルボキシ基を有する構成単位
カルボキシ基を有する構成単位としては、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの、分子中に少なくとも1個のカルボキシ基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位が挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、けい皮酸などが挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよく、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、多価カルボン酸のモノ(2−(メタ)アクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)などが挙げられる。さらに、不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等も用いることができる。中でも、現像性の観点から、カルボキシ基を有する構成単位を形成するためには、(メタ)アクリル酸又は不飽和多価カルボン酸の無水物等を用いることが好ましく、(メタ)アクリル酸を用いることがより好ましい。
カルボキシ基を有する構成単位(1−1−1)は、1種単独で構成されていてもよいし、2種以上で構成されていてもよい。
(1−1−2)エチレン性不飽和基と酸無水物残基とを共に有する構成単位
エチレン性不飽和基と酸無水物残基とを共に有する構成単位(1−1−2)は、エチレン性不飽和基を有する構成単位中に存在する水酸基と、酸無水物と、を反応させて得られたモノマーに由来する単位であることが好ましい。
酸無水物としては、公知のものが使用でき、具体的には、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物などの酸無水物が挙げられる。これらの中では、現像性の観点から、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水コハク酸、が好ましい。
酸無水物の水酸基に対する反応率は、現像性の観点から、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
(1−1)カルボキシ基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位
カルボキシ基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位とは、好ましくは前記(1−1−1)、前記(1−1−2)に記載の構成単位に含まれるカルボキシ基が酸分解性基によって保護された残基を有する構成単位である。
酸分解性基としては、KrF用ポジ型レジスト、ArF用ポジ型レジストにおける酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。酸分解性基としては、酸により比較的分解し易い基(例えば、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基等のアセタール系官能基)や、酸により比較的分解し難い基(例えば、t−ブチルエステル基、t−ブチルカーボネート基等のt−ブチル系官能基)が知られている。構成単位(1−1)としては、カルボキシ基がアセタールで保護された残基、又は、カルボキシ基がケタールで保護された残基を有する構成単位が、感度やパターン形状、コンタクトホールの形成性の観点から好ましい。
さらに酸分解性基の中でもカルボキシ基が式(A1)で表されるアセタール又はケタールで保護された残基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、カルボキシ基が式(A1)で表されるアセタール又はケタールで保護された残基である場合、残基の全体としては、−C(=O)−O−CR12(OR3)の構造となっている。
Figure 2011209719
(式(A1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表し、少なくともR1及びR2のいずれか一方が前記アルキル基、又は、アリール基であり、R3は、アルキル基、又は、アリール基を表し、R1又はR2とR3とが連結して環状エーテルを形成してもよい。)
1、R2及びR3における、該アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることが更に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基(2,3−ジメチル−2−ブチル基)、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
環状アルキル基としては、炭素数3〜12であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数4〜6であることが更に好ましい。環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。中でも、単環状のものが好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい。
前記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基が例示できる。置換基としてハロゲン原子を有する場合、R1、R2、R3はハロアルキル基となり、置換基としてアリール基を有する場合、R1、R2、R3はアラルキル基となる。アラルキル基としては、ベンジル基が好ましい。
1、R2及びR3における該アリール基としては、炭素数6〜12であることが好ましく、炭素数6〜10であることがより好ましい。該アリール基は置換基を有していてもよく、該置換基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく例示できる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が例示でき、フェニル基が好ましい。
また、R1、R2及びR3は互いに結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成することができる。R1とR2、R1とR3又はR2とR3が結合した場合の環構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロフラニル基、アダマンチル基及びテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
なお、式(A1)において、R1及びR2のいずれか一方が、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
式(A1)で表される残基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、例えば特開2009−098616号公報の段落0025〜0026に記載の方法等、公知の方法で合成したものを用いてもよい。
カルボキシ基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位(1−1)としては、式(A2)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2011209719
(式(A2)中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR1及びR2のいずれか一方が前記アルキル基又はアリール基であり、R3は、アルキル基又はアリール基を表し、R1又はR2とR3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R4は、水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又はアリーレン基を表す。)
式(A2)中、R1〜R3は、式(A1)におけるR1〜R3と同様であり、好ましい範囲も同様である。
式(A2)中、R1及びR2は、水素原子、又は、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子、又は、メチル基が好ましい。R3は、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数6以下のアルキル基、又は、炭素数7〜10のアラルキル基が好ましく、エチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基がより好ましい。R1又はR2とR3とが連結した環状エーテルとしては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基が好ましい。R4は、メチル基が好ましい。Xは単結合又はフェニレン基が好ましい。
カルボキシ基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位(1−1)としては、下記式(5)で表される構成単位が更に好ましい。
Figure 2011209719
(式(5)中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、L1はカルボニル基又はフェニレン基を表し、R21〜R27はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
構成単位(1−1)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2011209719
構成単位(1−1)としては、カルボキシ基が式(A3)で表される第3級アルキル基で保護された残基であってもよい。アセタール又はケタールで保護された残基に比べると、感度は劣るが、保存安定性に優れるという点で好ましい。なお、カルボキシ基が式(A3)で表される第3級アルキル基で保護された残基である場合、残基の全体としては、−C(=O)−O−CR123の構造である。
Figure 2011209719
式(A3)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表し、R1、R2及びR3のいずれか2つが互いに結合して環を形成していてもよい。式(A3)のR1〜R3における、アルキル基、アリール基の具体例は、式(A1)におけるアルキル基、アリール基の具体例と同様である。
式(A3)において、好ましい例としては、R1=R2=R3=メチル基の組み合わせや、R1=R2=メチル基でR3=ベンジル基の組み合わせが例示できる。
(1−2)フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位
(1−2)フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位としては、(1−2−1)フェノール性水酸基を有する構成単位を、酸分解性基によって保護した残基を有する構成単位が好ましい。
(1−2−1)フェノール性水酸基を有する構成単位
フェノール性水酸基を有する構成単位としては、ヒドロキシスチレン系構成単位やノボラック系の樹脂における構成単位が挙げられるが、これらの中ではα−メチルヒドロキシスチレンに由来する構成単位が透明性の観点から好ましい。フェノール性水酸基を有する構成単位の中でも、式(A4)で表される構成単位が透明性、感度の観点から好ましい。
Figure 2011209719
(式(A4)中、R20は水素原子又はメチル基を表し、R21は単結合又は二価の連結基を表し、R22はそれぞれ独立にハロゲン原子又はアルキル基を表し、aは1〜5の整数を表し、bは0〜4の整数を表し、a+bは5以下である。)
20はメチル基であることが好ましい。
21の二価の連結基としては炭素原子が主鎖に結合するエステル結合(−COO−)、アルキレン基が例示でき、直鎖又は分岐を有する炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。−COO−である場合には、感度を向上させることができ、さらに硬化膜の透明性を向上させることができるので好ましい。中でも、R21が単結合、エステル結合であることが好ましい。また、前記二価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。
また、aは1〜5の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、aは1又は2であることが好ましく、aが1であることがより好ましい。
また、ベンゼン環における水酸基の結合位置は、R21と結合している炭素原子を基準(1位)としたとき、4位に結合していることが好ましい。
22はフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基である。中でも製造が容易であることから、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
(1−2)フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位
フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位は、(1−2−1)フェノール性水酸基を有する構成単位のフェノール性水酸基が、酸分解性基によって保護された残基を有する構成単位である。
酸分解性基としては、前述したように、公知のものを使用でき、特に限定されない。
フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された残基中でもフェノール性水酸基がアセタール又はケタールで保護された残基を有する構成単位であることが、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状、感光性樹脂組成物の保存安定性、コンタクトホールの形成性の観点から好ましい。さらに、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された残基の中でもフェノール性水酸基が式(A1)で表されるアセタール又はケタールで保護された残基であることが、感度の観点からより好ましい。この場合、残基の全体としては、−Ar−O−CR12(OR3)の構造となっている。なお、Arはアリーレン基を表す。
フェノール性水酸基のアセタールエステル構造の好ましい例としては、R1=R2=R3=メチル基やR1=R2=メチル基でR3=ベンジル基の組み合わせが例示できる。
また、フェノール性水酸基がアセタール又はケタールで保護された残基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、ヒドロキシスチレンの1−アルコキシアルキル保護体、ヒドロキシスチレンのテトラヒドロピラニル保護体、α−メチル−ヒドロキシスチレンの1−アルコキシアルキル保護体、α−メチル−ヒドロキシスチレンのテトラヒドロピラニル保護体、α−メチル−ヒドロキシスチレンのテトラヒドロフラニル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロフラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(1−メタクリロイルオキシメチル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(1−メタクリロイルオキシメチル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(1−メタクリロイルオキシメチル)エステルのテトラヒドロフラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(2−メタクリロイルオキシエチル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(2−メタクリロイルオキシエチル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(2−メタクリロイルオキシエチル)エステルのテトラヒドロフラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルのテトラヒドロフラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステルの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステルのテトラヒドロピラニル保護体、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステルのテトラヒドロフラニル保護体などが挙げられる。これらの中で、α−メチル−ヒドロキシスチレンの1−アルコキシアルキル保護体が好ましい。
フェノール性水酸基のアセタール保護基及びケタール保護基の具体例としては、1−アルコキシアルキル基が挙げられ、例えば、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−(2−クロルエトキシ)エチル基、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチル基、1−ベンジルオキシエチル基などを挙げることができ、中でも1−エトキシエチル基が好ましい。これらは単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
構成単位(1−2)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、フェノール性水酸基を有する化合物を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。上記の合成はフェノール性水酸基を有するモノマーをその他のモノマーと予め共重合させておき、その後に酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させてもよい。
構成単位(1−2)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2011209719
カルボキシ基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位は、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位に比べると、現像が速い。よって、速く現像したい場合にはカルボキシ基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位が好ましい。逆に現像を遅くしたい場合にはフェノール性水酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位を用いることが好ましい。
成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(1)を形成するモノマー単位の含有率は、感度の観点から、成分Aの共重合体を全体として、20〜60モル%が好ましく、30〜50モル%がより好ましい。
〔エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(2)〕
成分Aは、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(2)(以下、適宜「構成単位(2)」ともいう。)を含有する。
構成単位(2)は、1つの構成単位中にエポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1つ有していればよく、1つ以上のエポキシ基及び1つ以上オキセタニル基、2つ以上のエポキシ基、又は、2つ以上のオキセタニル基を有していてもよく、特に限定されないが、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を合計1〜3つ有することが好ましく、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を合計1又は2つ有することがより好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基を1つ有することが更に好ましい。
構成単位(2)としては、脂環エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位であることが好ましく、感度、保存安定性の観点から、オキセタニル基を有する構成単位であることがより好ましい。
また、成分Aにおける構成単位(1)と構成単位(2)との組み合わせとしては、構成単位(1)が酸分解性基で保護されたカルボキシ基を有する構成単位であり、構成単位(2)がオキセタニル基を有する構成単位である組み合わせが好ましい。
脂環エポキシ基は、脂肪族環とエポキシ環とが縮合環を形成している基であり、具体的には例えば、3,4−エポキシシクロヘキシル基、2,3−エポキシシクロヘキシル基、2,3−エポキシシクロペンチル基等が好ましく挙げられる。
オキセタニル基を有する基としては、オキセタン環を有していれば、特に制限はないが、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル基が好ましく例示できる。
エポキシ基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落0031〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられる。
オキセタニル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができる。
エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の例としては、メタクリル酸エステル構造を含有するモノマー、アクリル酸エステル構造を含有するモノマーであることが好ましい。
これらのモノマーの中で、更に好ましいものとしては、特許第4168443号公報の段落0034〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物及び特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、特に好ましいものとしては特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。これらの中でも好ましいものは、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、及び、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルであり、最も好ましいものはアクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、及び、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルである。これらの構成単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
構成単位(a3)の好ましい具体例としては、下記(a3−1)〜(a3−6)で表される構成単位が例示できる。
Figure 2011209719
成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(2)を形成するモノマー単位の含有率は、10〜80モル%が好ましく、15〜70モル%が更に好ましく、20〜65モル%が特に好ましい。上記の割合で有することにより、硬化膜の物性が良好となる。
成分Aにおける構成単位(1)を形成するモノマー単位と構成単位(2)を形成するモノマー単位との含有比は、モル比で、構成単位(1):構成単位(2)=100:(10〜200)であることが好ましく、100:(10〜150)であることがより好ましく、100:(50〜150)であることが更に好ましい。
〔その他の構成単位(3)〕
成分Aは、本発明の効果を妨げない範囲で、その他の構成単位(3)を有していてもよく、該構成単位(3)としては、カルボキシ基、カルボン酸無水物残基及び/又はフェノール性水酸基を有する構成単位(3a)、前記構成単位(1)〜(2)、(3a)以外の構成単位(3b)が挙げられる。
<カルボキシ基、カルボン酸無水物残基及び/又はフェノール性水酸基を有する構成単位(3a)>
成分Aは、アルカリ可溶性にならない範囲で、カルボキシ基、カルボン酸無水物残基及び/又はフェノール性水酸基を有する構成単位(3a)(以下、適宜「構成単位(3a)」ともいう。)を含有することが好ましく、カルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基を有する構成単位を含有することがより好ましい。
カルボキシ基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸を好ましいものとして挙げることができる。
また、カルボン酸無水物残基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等を好ましいものとして挙げることができる。
フェノール性水酸基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類、特開2008−40183号公報の段落0011〜0016に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落0007〜0010に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物等を好ましいものとして挙げることができる。
これらの中でも、成分Aに構成単位(3a)を導入するためのラジカル重合性単量体としては、メタクリル酸、アクリル酸、特開2008−40183号公報の段落0011〜0016に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落0007〜0010に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物が更に好ましく、特開2008−40183号公報の段落0011〜0016に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落0007〜0010に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物が特に好ましい。これらの構成単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
構成単位(3a)の好ましい具体例としては、下記(a4−1)〜(a4−11)で表される構成単位が例示できる。
Figure 2011209719
成分Aが構成単位(3a)を有する場合、成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(3a)を形成するモノマー単位の含有率は、1〜25モル%が好ましく、2〜25モル%が更に好ましく、3〜20モル%が特に好ましい。上記の割合で有することにより、高感度が得られ、また、現像性も良好となる。
<前記構成単位(1)〜(2)、(3a)以外の構成単位(3b)>
成分Aは、本発明の効果を妨げない範囲で、前記構成単位(1)〜(2)及び(3a)以外の構成単位(3b)(以下、適宜「構成単位(3b)」ともいう。)を含有してもよい。
構成単位(3b)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、特開2004−264623号公報の段落0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる(ただし、前記構成単位(1)〜(2)及び(3a)を形成する単量体を除く。)。
これらの中でも、構成単位(3b)を得るためのラジカル重合性単量体としては、電気特性向上の観点で(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシルのような脂環構造含有の(メタ)アクリル酸エステル類が好ましい。透明性の観点で(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。感度の観点で(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。また、エッチング耐性の観点からは、スチレンやα−メチルスチレンなどのスチレン類が好ましい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルがより好ましい。
構成単位(3b)は、1種単独又は2種類以上を組み合わせることができる。
成分Aが構成単位(3b)を有する場合、成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(3b)を形成するモノマー単位の含有率は、1〜50モル%が好ましく、5〜40モル%が更に好ましく、5〜30モル%が特に好ましい。
成分Aの重量平均分子量は、1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜50,000であることがより好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量である。
成分Aが有する各構成単位を導入する方法としては、重合法でもよく、高分子反応法でもよく、これらの2方法を併用してもよい。
重合法を用いる場合であれば、所定の官能基を含有するモノマーを予め合成した後に、これらのモノマーを共重合する。即ち、構成単位(1)、構成単位(2)、及び必要に応じて構成単位(3a)、(3b)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体混合物を、有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。
例えば、酸分解性基で保護されたカルボキシ基又は酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基を有するエチレン性不飽和化合物、及び、エポキシ基又はオキセタニル基を有するエチレン性不飽和化合物を混合して付加重合して、目的とする成分Aを得ることができる。
高分子反応法を用いる場合であれば、所定の種類のモノマーを用いて重合反応を行った後に、得られた共重合体の構成単位に含まれる反応性基を利用して、必要な官能基を構成単位中に導入する。ここで、導入される官能基としては、フェノール性水酸基又はカルボキシ基を保護すると同時に強酸の存在下で分解しこれらを遊離するための保護基、エポキシ基又はオキセタニル基などの架橋性基、フェノール性水酸基やカルボキシ基のようなアルカリ可溶性基(酸性基)等が例示できる。
例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを共重合した共重合体に、エピクロルヒドリンを反応させてエポキシ基を導入することが例示できる。このように、反応性基を有するエチレン性不飽和化合物を共重合した後に、側鎖に残る反応性基を活用して、高分子反応によって、式酸分解性基で保護されたカルボキシ基、酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基や架橋性基のような官能基を側鎖に導入することができる。
以下、本発明で用いられる成分Aとして、好ましいものを例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、下記に例示した成分Aの重量平均分子量は、2,000〜50,000である。( )内に組成比をモル%で示す。
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸グリシジル共重合体(50/50)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸共重合体(50/40/10)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/10/20)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/スチレン共重合体(40/8/35/12/5)
メタクリル酸1−シクロヘキシルオキシエチル/メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/スチレン共重合体(40/8/35/12/5)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(20/20/30/10/20)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(20/20/30/10/20)
メタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/10/20)
メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル/メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/スチレン共重合体(35/10/30/15/10)
メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/スチレン共重合体(35/12/28/15/10)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル/メタクリル酸共重合体(45/40/15)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/10/20)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル/4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エステル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/10/20)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル共重合体(50/50)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸共重合体(50/40/10)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/10/20)
メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/10/20)
メタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/10/20)
メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル/メタクリル酸/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/スチレン共重合体(35/10/30/15/10)
メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/スチレン共重合体(35/12/28/15/10)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/10/20)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体共重合体(20/20/30/10/20)
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(20/20/30/10/20)
メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸共重合体(50/35/15)
メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(35/30/10/25)
メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル/メタクリル酸共重合体(50/40/10)
メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/10/20)
メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸共重合体(50/40/10)
メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/10/20)
メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/α−メチル−パラヒドロキシスチレン/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(30/30/20/20)
メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/15/15)
4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステルの1−エトキシエチルエーテル/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/30/10/20)
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Aを1種単独又は2種類以上を組み合わせて含有することができる。
本発明の感光性樹脂組成物中における成分Aの含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、20〜99重量%であることが好ましく、40〜97重量%であることがより好ましく、60〜95重量%であることが更に好ましい。成分Aの含有量がこの範囲であると、現像した際のパターン形成性が良好となる。なお、感光性樹脂組成物の固形分量とは、溶剤などの揮発性成分を除いた量を表す。
なお、本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、成分A以外の樹脂を併用してもよい。ただし、成分A以外の樹脂の含有量は、現像性の観点から成分Aの含有量より少ない方が好ましい。
(成分B)光酸発生剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分B)光酸発生剤を含有する。
本発明で使用される光酸発生剤としては、好ましくは波長300nm以上、より好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
本発明で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましい。
光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩やヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、オキシム硫酸エステル化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、高感度である観点から、オキシムスルホネート化合物を用いることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
これらの具体例としては、以下が例示できる。
トリクロロメチル−s−トリアジン類として、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、又は、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等;
ヨードニウム塩類として、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、フェニル−4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、又は、フェニル−4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート等;
スルホニウム塩類として、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、又は、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート等;
第四級アンモニウム塩類として、テトラメチルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等;
ジアゾメタン誘導体として、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン等;
イミドスルホネート誘導体として、トリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−ジカルボキシイミド、スクシンイミドトリフルオロメチルスルホネート、フタルイミドトリフルオロメチルスルホネート、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホネート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドプロパンスルホネート等;
オキシムスルホネート化合物として、後述する化合物;
オキシム硫酸エステル化合物として、後述する化合物。
また、成分Bは、感度の観点から、オキシムスルホネート化合物又はオキシム硫酸エステル化合物であることが好ましく、オキシムスルホネート化合物であることがより好ましい。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート残基を有する化合物としては、式(4)で表されるオキシムスルホネート残基を含有する化合物が好ましく例示できる。
Figure 2011209719
式(4)中、R5は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。いずれの基も置換されてもよく、R5におけるアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でも環状でもよい。許容される置換基は、以下に説明する。
5のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が好ましい。
5のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
5のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R5のアリール基は、低級アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されてもよい。
また、R5で表されるヘテロアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数4〜30のヘテロアリール基が好ましい。
5で表されるヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
5で表されるヘテロアリール基は、少なくとも1つの複素芳香環であればよく、例えば、複素芳香環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
5で表されるヘテロアリール基としては、置換基を有していてもよい、チオフェン環、ピロール環、チアゾール環、イミダゾール環、フラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環、及び、ベンゾイミダゾール環よりなる群から選ばれた環から1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
また、前記オキシムスルホネート化合物としては、下記式(OS−3)、式(OS−4)、又は、式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
Figure 2011209719
(式(OS−3)〜(OS−5)中、R1はアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、複数存在するR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表し、複数存在するR6はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基又はアルコキシスルホニル基を表し、XはO又はSを表し、nは1又は2を表し、mは0〜6の整数を表す。)
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
1で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、ベンジル基などが挙げられる。
また、前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
1で表されるアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
1で表されるアリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。
また、前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるヘテロアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数4〜30のヘテロアリール基が好ましい。
1で表されるヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるヘテロアリール基は、少なくとも1つの複素芳香環であればよく、例えば、複素芳香環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
1で表されるヘテロアリール基としては、置換基を有していてもよい、チオフェン環、ピロール環、チアゾール環、イミダゾール環、フラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環、及び、ベンゾイミダゾール環よりなる群から選ばれた環から1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R2は、水素原子、アルキル基、又はアリール基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、化合物中に2以上存在するR2のうち、1つ又は2つがアルキル基、アリール基又はハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基又はハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R2で表されるアルキル基又はアリール基は、置換基を有していてもよい。
2で表されるアルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基としては、前記R1におけるアルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基と同様の基が例示できる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R2で表されるアルキル基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、置換基を有してもよい総炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
2で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基、アリル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R2で表されるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
2で表されるアリール基としてフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。
2で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、塩素原子、臭素原子が好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、XはO又はSを表し、Oであることが好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)において、Xを環員として含む環は、5員環又は6員環である。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、nは1又は2を表し、XがOである場合、nは1であることが好ましく、また、XがSである場合、nは2であることが好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキル基及びアルキルオキシ基は、置換基を有していてもよい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
6で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、ベンジル基が好ましい。
前記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキルオキシ基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜30のアルキルオキシ基であることが好ましい。
6で表されるアルキルオキシ基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキルオキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシエチルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、又は、エトキシエチルオキシ基が好ましい。
6におけるアミノスルホニル基としては、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、メチルフェニルアミノスルホニル基、アミノスルホニル基が挙げられる。
6で表されるアルコキシスルホニル基としては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロピルオキシスルホニル基、ブチルオキシスルホニル基が挙げられる。
また、前記式(OS−3)〜(OS−5)中、mは0〜6の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、前記式(OS−3)で表される化合物は、下記式(OS−6)、式(OS−10)又は式(OS−11)で表される化合物であることが特に好ましく、前記式(OS−4)で表される化合物は、下記式(OS−7)で表される化合物であることが特に好ましく、前記式(OS−5)で表される化合物は、下記式(OS−8)又は式(OS−9)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 2011209719
(式(OS−6)〜(OS−11)中、R1はアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R7は、水素原子又は臭素原子を表し、R8は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基又はクロロフェニル基を表し、R9は水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はメトキシ基を表し、R10は水素原子又はメチル基を表す。)
前記式(OS−6)〜(OS−11)におけるR1は、前記式(OS−3)〜(OS−5)におけるR1と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記式(OS−6)におけるR7は、水素原子又は臭素原子を表し、水素原子であることが好ましい。
前記式(OS−6)〜(OS−11)におけるR8は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基又はクロロフェニル基を表し、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
前記式(OS−8)及び式(OS−9)におけるR9は、水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はメトキシ基を表し、水素原子であることが好ましい。
前記式(OS−8)〜(OS−11)におけるR10は、水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムの立体構造(E,Z)については、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記例示化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2011209719
Figure 2011209719
Figure 2011209719
Figure 2011209719
Figure 2011209719
Figure 2011209719
Figure 2011209719
前記オキシムスルホネート化合物の好適な他の態様としては、下記式(OS−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2011209719
前記式(OS−1)中、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。R2は、アルキル基又はアリール基を表す。
Xは−O−、−S−、−NH−、−NR5−、−CH2−、−CR6H−、又は−CR67−を表し、R5〜R7はアルキル基、又はアリール基を表す。
21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基、又はアリール基を表す。R21〜R24のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
21〜R24としては、水素原子、ハロゲン原子、及びアルキル基が好ましく、また、R21〜R24のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R21〜R24がいずれも水素原子である態様が感度の観点から好ましい。
前記した置換基は、いずれも、更に置換基を有していてもよい。
前記式(OS−1)で表される化合物は、下記式(OS−2)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2011209719
前記式(OS−2)中、R1、R2、R21〜R24は、それぞれ式(OS−1)におけるR1、R2、R21〜R24と同義であり、好ましい態様もまた同様である。
これらの中でも、式(OS−1)又は式(OS−2)におけるR1がシアノ基又はアリール基である態様がより好ましく、式(OS−2)で表され、かつR1がシアノ基、フェニル基又はナフチル基である態様が最も好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムやベンゾチアゾール環の立体構造(E,Z等)についてはそれぞれ、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
以下に、本発明に好適に用いうる式(OS−1)で表される化合物の具体例(例示化合物b−1〜b−34)を示すが、本発明はこれに限定されない。なお、具体例中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Bnはベンジル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 2011209719
Figure 2011209719
Figure 2011209719
Figure 2011209719
上記化合物の中でも、感度と安定性との両立の観点から、b−9、b−16、b−31、b−33が好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物としては、下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。
1A−C(R2A)=N−O−SO2−R3A (III)
(式(III)中、R1Aは、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、2−フリル基、2−チエニル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又はシアノ基を表し、R1Aがフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基又はアントラニル基である場合、これらの基は、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基及びニトロ基よりなる群から選ばれた置換基によって置換されていてもよく、R2Aは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基、Wで置換されていてもよいアントラニル基、ジアルキルアミノ基、モルホリノ基又はシアノ基を表し、R2AとR1Aとは互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよく、該5員環又は6員環は1個又は2個の任意の置換基を有してもよいベンゼン環と連結していてもよく、R3Aは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基又はWで置換されていてもよいアントラニル基を表し、Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表す。)
式(III)で表されるオキシムスルホネート化合物は、下記式(5)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
Figure 2011209719
式(5)中、R5は、式(4)におけるR5と同義であり、Xは、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、mは、0〜3の整数を表し、mが2又は3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。
Xで表されるアルキル基としては、炭素原子数1〜4の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。
Xで表されるアルコキシ基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状アルコキシ基が好ましい。
Xで表されるハロゲン原子としては、塩素原子又はフッ素原子が好ましい。
mは、0又は1が好ましい。
式(5)中、mが1であり、Xがメチル基であり、Xの置換位置がオルト位であり、R5が炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、又はp−トリル基である化合物が特に好ましい。
また、式(5)で表される化合物の具体例としては、下記化合物(i)、化合物(ii)、化合物(iii)、化合物(iv)等が挙げられ、1種単独で使用したり、又は、2種類以上を併用することができる。化合物(i)〜(iv)は、市販品として、入手することができる。また、他の種類の(成分B)光酸発生剤と組み合わせて使用することもできる。
Figure 2011209719
式(III)で表されるオキシムスルホネート化合物は、式(II)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
Figure 2011209719
式(II)中、R4Aは、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基を表し、Lは0〜5の整数を表す。R3Aは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基又はWで置換されていてもよいアントラニル基を表し、Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表すものである。
式(II)におけるR3Aとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基又はペンタフルオロフェニル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基又はp−トリル基であることが特に好ましい。
4Aで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
4Aで表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
4Aで表される炭素原子数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
Lとしては、0〜2が好ましく、0〜1が特に好ましい。
式(II)で表される光酸発生剤に包含される化合物の好ましい態様としては、R3Aが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基又は4−トリル基を表し、R4Aが水素原子又はメトキシ基を表し、Lが0又は1を表す態様である。
以下、式(II)で表される光酸発生剤に包含される化合物の特に好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
α−(メチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド(R3A=メチル基、R4A=水素原子)
α−(エチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド(R3A=エチル基、R4A=水素原子)
α−(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド(R3A=n−プロピル基、R4A=水素原子)
α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド(R3A=n−ブチル基、R4A=水素原子)
α−(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド(R3A=4−トリル基、R4A=水素原子)
α−〔(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R3A=メチル基、R4A=メトキシ基)
α−〔(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R3A=エチル基、R4A=メトキシ基)
α−〔(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R3A=n−プロピル基、R4A=メトキシ基)
α−〔(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R3A=n−ブチル基、R4A=メトキシ基)
α−〔(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R3A=4−トリル基、R4A=メトキシ基)
本発明の感光性樹脂組成物において、成分Bは、成分A100重量部に対して、0.1〜10重量部含有されることが好ましく、0.5〜10重量部含有されることがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、活性光線に感応する光酸発生剤として、1,2−キノンジアジド化合物は含まないことが好ましい。その理由は、1,2−キノンジアジド化合物は、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下であり、感度が低いためである。これに対し、成分Bは、活性光線に感応して生成する酸が、保護された酸性基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られるものと推測される。
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分B)光酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましい。
増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域のいずれかに吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
これら増感剤の中でも、多環芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類が好ましく、多環芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でもアントラセン誘導体が最も好ましい。
<(成分C)式(I)で表される熱酸発生剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分C)式(I)で表される熱酸発生剤を含有する。
Figure 2011209719
(式(I)中、AはL価の連結基を表し、R1はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜10のハロゲン化アルコキシ基、Vで置換されていてもよいフェニル基、Vで置換されていてもよいナフチル基又はVで置換されていてもよいアントラニル基を表し、Vはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表し、R2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、又は、炭素数7〜25のアラルキル基を表し、Lは2〜4の整数を表す。)
AにおけるL価の連結基は、例えば、アルキレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピレン等)、シクロアルキレン基(シクロへキシレン、シクロペンチレン等)、アリーレン基(1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフチレン等)、エーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、及び、これらの基及び/又は結合を組み合わせた基などのL価の基が挙げられる。AにおけるL価の連結基の炭素数は、1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましい。
また、前記L価の連結基としては、L価の飽和炭化水素基であることが好ましく、2,2−プロパンジイル基、又は、1,1,1−プロパントリイル基であることが特に好ましい。
Aにおける連結基は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基(炭素数1〜10のアルキル基であり、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等)、アラルキル基(炭素数7〜15のアラルキル基であり、具体的にはベンジル、トルイルメチル、メシチルメチル、フェネチル等)、アリール基(炭素数6〜10のアリール基であり、具体的にはフェニル、トルイル、キシリル、メシチル、ナフチル等)、アルコキシ基(アルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい、炭素数1〜10のアルコキシ基であり、具体的には、メトキシ、エトキシ、直鎖又は分岐プロポキシ、直鎖又は分岐ブトキシ、直鎖又は分岐ペントキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(炭素数6〜10のアリールオキシ基であり、具体的にはフェノキシ、トルイルオキシ、1−ナフトキシ等)、アルキルチオ基(直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい、炭素数1〜10のアルキルチオ基であり、具体的には、メチルチオ、エチルチオ、直鎖又は分岐プロピルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(炭素数6〜10のアリールチオ基であり、具体的にはフェニルチオ、トルイルチオ、1−ナフチルチオ等)、アシルオキシ基(炭素数2〜10のアシルオキシ基で、具体的には、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基であり、具体的にはメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、直鎖又は分岐プロポキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル等)を挙げることができる。
式(I)のR1における炭素原子数1〜10のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、s−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
式(I)のR1における炭素原子数1〜10のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−アミルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
式(I)のR1における炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基であることが好ましく、具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−アミル基等が挙げられる。
式(I)のR1における炭素原子数1〜10のハロゲン化アルコキシ基は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基であることが好ましく、具体例としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロ−n−プロポキシ基、パーフルオロ−n−ブトキシ基、パーフルオロ−n−アミルオキシ基等が挙げられる。
式(I)のR1におけるVで置換されていてもよいフェニル基の具体例としては、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチルフェニル基、p−(n−プロピル)フェニル基、p−(i−プロピル)フェニル基、p−(n−ブチル)フェニル基、p−(i−ブチル)フェニル基、p−(s−ブチル)フェニル基、p−(t−ブチル)フェニル基、p−(n−アミル)フェニル基、p−(i−アミル)フェニル基、p−(t−アミル)フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−エトキシフェニル基、m−エトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基、p−(n−プロポキシ)フェニル基、p−(i−プロポキシ)フェニル基、p−(n−ブトキシ)フェニル基、p−(i−ブトキシ)フェニル基、p−(s−ブトキシ)フェニル基、p−(t−ブトキシ)フェニル基、p−(n−アミルオキシ)フェニル基、p−(i−アミルオキシ)フェニル基、p−(t−アミルオキシ)フェニル基、p−クロルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−フルオロフェニル基、2,4−ジクロルフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4,6−ジクロルフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタブロモフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p−ビフェニリル基等が挙げられる。
式(I)のR1におけるVで置換されていてもよいナフチル基の具体例としては、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基等が挙げられる。
式(I)のR1におけるVで置換されていてもよいアントラニル基の具体例としては、2−メチル−1−アントラニル基、3−メチル−1−アントラニル基、4−メチル−1−アントラニル基、5−メチル−1−アントラニル基、6−メチル−1−アントラニル基、7−メチル−1−アントラニル基、8−メチル−1−アントラニル基、9−メチル−1−アントラニル基、10−メチル−1−アントラニル基、1−メチル−2−アントラニル基、3−メチル−2−アントラニル基、4−メチル−2−アントラニル基、5−メチル−2−アントラニル基、6−メチル−2−アントラニル基、7−メチル−2−アントラニル基、8−メチル−2−アントラニル基、9−メチル−2−アントラニル基、10−メチル−2−アントラニル基等が挙げられる。
Vで表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、及び炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基の具体例としては、前記式(I)のR1における炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、及び炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基の具体例として挙げたものと同様のものが挙げられる。
また、式(I)におけるR1は、感度の観点から、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜4のアルキル基で1以上置換されているフェニル基であることが好ましい。
式(I)のR2における炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基の具体例としては、前記式(I)のR1における炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基具体例として挙げたものと同様のものが挙げられる。
式(I)のR2における炭素原子数7〜25のアラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、炭素数7〜15のアラルキル基が更に好ましい。具体的にはベンジル、トルイルメチル、メシチルメチル、フェネチル等を挙げることができる。
また、式(I)におけるR2は、水素原子であることが特に好ましい。
式(I)で表される熱酸発生剤としては、オキシムスルホネート化合物、又は、オキシム硫酸エステル化合物であることが好ましく、オキシムスルホネート化合物であることがより好ましい。
また、オキシムスルホネート化合物としては、下記式(II)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2011209719
(式(II)中、Aは価の連結基を表し、R3はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基又はVで置換されていてもよいフェニル基を表し、Vはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、Lは2〜4の整数を表す。)
式(II)において、Aで表される連結基の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。
式(II)において、R3は炭素原子数1〜8のアルキル基、又は、Vで置換されていてもよいフェニル基が好ましい。Vはハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましい。
成分Cとしては、下記の様な具体的化合物を例として挙げることができるが、これに限るものではない。
Figure 2011209719
Figure 2011209719
成分Cは、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いてもよい。成分Cは、例えば、塩基性条件下、スルホニルクロリド又はスルホン酸無水物を対応する多価アルコールと反応させることにより合成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物における成分Cの添加量は、成分A100重量部に対して、0.1〜10重量部含有されることが好ましく、0.5〜10重量部含有されることがより好ましい。
<(成分D)溶剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分D)溶剤を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物は、必須成分である成分A〜C、及び、後述の各種添加剤などの任意成分を、溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。
本発明に用いることができる溶剤としては、例えば、特開2010−26460号公報の段落0066に記載された溶剤が挙げられる。
本発明に用いることができる溶剤として、特に好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチルである。
溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと3−エトキシプロピオン酸エチルを併用することが更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は、成分A100重量部当たり、50〜3,000重量部であることが好ましく、100〜2,000重量部であることがより好ましく、150〜1,500重量部であることが更に好ましい。
<その他の成分>
本発明の感光性樹脂組成物には、前記成分A〜成分Dの他に、必要に応じて、任意成分として、前記増感剤や、以下に述べる、(成分E)酸化防止剤、(成分F)架橋剤、(成分G)密着改良剤、(成分H)塩基性化合物、(成分I)界面活性剤、(成分J)可塑剤、(成分K)熱ラジカル発生剤、(成分L)酸増殖剤、及び、(成分M)現像促進剤などの公知の添加剤を加えることができる。
〔(成分E)酸化防止剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。
酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−60((株)ADEKA製)、アデカスタブAO−80((株)ADEKA製)、イルガノックス1098(チバジャパン(株)製)が挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜6重量%であることが好ましく、0.2〜5重量%であることがより好ましく、0.5〜4重量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の感光性樹脂組成物に添加してもよい。
〔(成分F)架橋剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、感度、保存安定性の観点から、必要に応じ、架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤としては、例えば、以下に述べる分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有架橋剤、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を添加することができる。
架橋剤を添加することにより、本発明の感光性樹脂組成物による得られる硬化膜をより強固な膜とすることができる。
(分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物)
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらの架橋剤は市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)、等が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等が、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)等が挙げられる。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中で好ましいものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することができる。
分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物の感光性樹脂組成物への添加量は、成分Aの総量を100重量部としたとき、1〜50重量部が好ましく、3〜30重量部がより好ましい。
(アルコキシメチル基含有架橋剤)
アルコキシメチル基含有架橋剤としては、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリル及びアルコキシメチル化尿素等が好ましい。これらは、それぞれメチロール化メラミン、メチロール化ベンゾグアナミン、メチロール化グリコールウリル、又は、メチロール化尿素のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができるが、アウトガスの発生量の観点から、特にメトキシメチル基が好ましい。
これらのアルコキシメチル基含有架橋剤のうち、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリルが好ましいアルコキシメチル基含有架橋剤として挙げられ、透明性の観点から、アルコキシメチル化グリコールウリルが特に好ましい。
これらアルコキシメチル基含有架橋剤は、市販品として入手可能であり、例えば、サイメル300、301、303、370、325、327、701、266、267、238、1141、272、202、1156、1158、1123、1170、1174、UFR65、300(以上、三井サイアナミッド(株)製)、ニカラックMX−750、−032、−706、−708、−40、−31、−270、−280、−290、ニカラックMS−11、ニカラックMW−30HM、−100LM、−390、(以上、(株)三和ケミカル製)などを好ましく使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物にアルコキシメチル基含有架橋剤を用いる場合のアルコキシメチル基含有架橋剤の添加量は、成分A100重量部に対して、0.05〜50重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部であることがより好ましい。アルコキシメチル基含有架橋剤を、この範囲で添加することにより、現像時の好ましいアルカリ溶解性と、硬化後の膜の優れた耐溶剤性が得られる。
(少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物)
少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物を好適に用いることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物における少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の使用割合は、成分A100重量部に対して、50重量部以下であることが好ましく、30重量部以下であることがより好ましい。このような割合で少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有させることにより、本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の耐熱性及び表面硬度等を向上させることができる。少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を加える場合には、後述する(K)熱ラジカル発生剤を添加することが好ましい。
〔(成分G)密着改良剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、密着改良剤を含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いることができる密着改良剤は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。
本発明で使用される密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。
これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが更に好ましい。
これらの密着改良剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。密着改良剤の添加は、基板上に本発明の感光性樹脂組成物により硬化膜を形成した場合において、基板と硬化膜との密着性の向上に有効であると共に、硬化膜をパターン状に形成する場合には、基板とパターン状の硬化膜とのテーパー角の調整にも有効である。
本発明の感光性樹脂組成物における密着改良剤の含有量は、成分A100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
〔(H)塩基性化合物〕
本発明の感光性樹脂組成物は、塩基性化合物を含有してもよい。
塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、及びカルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、複素環式アミンを2種併用することが更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における塩基性化合物の含有量は、成分A100重量部に対して、0.001〜1重量部であることが好ましく、0.005〜0.2重量部であることがより好ましい。
〔(成分I)界面活性剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記式(1)で表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
Figure 2011209719
(式(1)中、R1及びR3はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R4は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す重量百分率であり、pは10重量%以上80重量%以下の数値を表し、qは20重量%以上90重量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、nは1以上10以下の整数を表す。)
前記Lは、下記式(2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式(2)におけるR5は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100重量%であることが好ましい。
Figure 2011209719
前記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物における界面活性剤の添加量は、成分A100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、0.01〜10重量部であることがより好ましく、0.01〜1重量部であることが更に好ましい。
〔(成分J)可塑剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジメチルグリセリンフタレート、酒石酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリアセチルグリセリンなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物における可塑剤の添加量は、成分A100重量部に対して、0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。
〔(成分K)熱ラジカル発生剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、熱ラジカル発生剤を含んでいてもよい。前述の少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物のようなエチレン性不飽和化合物を含有する場合には、熱ラジカル発生剤を含有することが好ましい。
本発明における熱ラジカル発生剤としては、公知の熱ラジカル発生剤を用いることができる。
熱ラジカル発生剤は、熱のエネルギーによってラジカルを発生し、重合性化合物の重合反応を開始又は促進させる化合物である。熱ラジカル発生剤を添加することによって、得られた硬化膜がより強靭になり、耐熱性、耐溶剤性が向上する場合がある。
好ましい熱ラジカル発生剤としては、芳香族ケトン類、オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アゾ系化合物、ビベンジル化合物等が挙げられる。
熱ラジカル発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物における熱ラジカル発生剤の添加量は、膜物性向上の観点から、成分Aを100重量部としたとき、0.01〜50重量部が好ましく、0.1〜20重量部がより好ましく、0.5〜10重量部であることが最も好ましい。
〔(成分L)酸増殖剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、感度向上を目的に、酸増殖剤を用いることができる。本発明において用いる酸増殖剤は、酸触媒反応によって更に酸を発生して反応系内の酸濃度を上昇させることができる化合物であり、酸が存在しない状態では安定に存在する化合物である。このような化合物は、1回の反応で1つ以上の酸が増えるため、反応の進行に伴って加速的に反応が進むが、発生した酸自体が自己分解を誘起するため、ここで発生する酸の強度は、酸解離定数(pKa)として3以下であるのが好ましく、特に2以下であるのが好ましい。
酸増殖剤の具体例としては、特開平10−1508号公報の段落0203〜0223、特開平10−282642号公報の段落0016〜0055及び特表平9−512498号公報第39頁12行目〜第47頁2行目に記載の化合物を挙げることができる。
本発明で用いることができる酸増殖剤としては、酸発生剤から発生した酸によって分解し、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フェニルホスホン酸などのpKaが3以下の酸を発生させる化合物を挙げることができる。
酸増殖剤の感光性樹脂組成物への添加量は、成分B100重量部に対して、10〜1000重量部とすることが、露光部と未露光部の溶解コントラストの観点から好ましく、20〜500重量部とするのが更に好ましい。
〔(成分M)現像促進剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、現像促進剤を含有してもよい。
現像促進剤としては、現像促進効果のある任意の化合物を使用できるが、カルボキシ基、フェノール性水酸基、及びアルキレンオキシ基から選ばれる少なくとも一種の構造を有する化合物であることが好ましく、カルボキシ基又はフェノール性水酸基から選ばれる少なくとも一種の構造を有する化合物がより好ましく、フェノール性水酸基を有する化合物が最も好ましい。
また、現像促進剤の分子量としては、100〜3,000が好ましく、100〜2,000が更に好ましく、150〜1,000が最も好ましい。
現像促進剤の例として、アルキレンオキシ基を有するものとしては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル、ポリエチレングリコールグリセリルエステル、ポリプロピレングリコールグリセリルエステル、ポリプロピレングリコールジグリセリルエステル、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコール−ビスフェノールAエーテル、ポリプロピレングリコール−ビスフェノールAエーテル、ポリオキシエチレンのアルキルエーテル、ポリオキシエチレンのアルキルエステル、特開平9−222724号公報に記載の化合物等を挙げることができる。
現像促進剤の例として、カルボキシ基を有するものとしては、特開2000−66406号公報、特開平9−6001号公報、特開平10−20501号公報、特開平11−338150号公報等に記載の化合物を挙げる事ができる。
現像促進剤の例として、フェノール性水酸基を有するものとしては、特開2005−346024号公報、特開平10−133366号公報、特開平9−194415号公報、特開平9−222724号公報、特開平11−171810号公報、特開2007−121766号公報、特開平9−297396号公報、特開2003−43679号公報等に記載の化合物を挙げる事ができる。これらの中でも、ベンゼン環数が2〜10個のフェノール化合物が好適であり、ベンゼン環数が2〜5個のフェノール化合物が更に好適である。特に好ましいものとしては、特開平10−133366号公報に溶解促進剤として開示されているフェノール性化合物を挙げることができる。
現像促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物における現像促進剤の添加量は、感度と残膜率の観点から、成分Aを100重量部としたとき、0.1〜30重量部が好ましく、0.2〜20重量部がより好ましく、0.5〜10重量部であることが最も好ましい。
(硬化膜の形成方法)
次に、本発明の硬化膜の形成方法を説明する。
本発明の硬化膜の形成方法は、以下の(1)〜(5)の各工程を含むことが好ましい。
(1)本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
(3)塗布された感光性樹脂組成物を活性光線により露光する露光工程
(4)露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程
(5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程
以下に各工程を順に説明する。
塗布工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜を形成することが好ましい。
溶剤除去工程では、塗布された湿潤膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させることが好ましい。
露光工程では、得られた乾燥塗膜に、波長300nm以上450nm以下の活性光線を照射することが好ましい。この工程では、成分Bが分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、成分A中に含まれる構成単位(1)中の酸分解性基が加水分解されて、カルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基が生成する。
酸触媒の生成した領域においては、上記の加水分解反応を加速させるために、必要に応じて、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBにより、酸分解性基からのカルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基の生成を促進させることができる。
成分Aが有する構成単位(1)中の酸分解性基は、酸分解の活性化エネルギーが低く、露光による酸発生剤由来の酸により容易に分解し、カルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基を生じるため、必ずしもPEBを行うことなく、現像によりポジ画像を形成することもできる。
なお、比較的低温でPEBを行うことにより、架橋反応を起こすことなく、酸分解性基の加水分解を促進することもできる。
PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上80℃以下が特に好ましい。
現像工程では、遊離したカルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基を有する重合体を、アルカリ性現像液を用いて現像することが好ましい。アルカリ性現像液に溶解しやすいカルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基を有する樹脂組成物を含む露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成する。
ポストベーク工程においては、得られたポジ画像を加熱することにより、構成単位(1)中の酸分解性基を熱分解しカルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基を生成させ、エポキシ基及び/又はオキセタニル基と架橋させることにより、硬化膜を形成することができる。この加熱は、150℃以上の高温に加熱することが好ましく、180〜250℃に加熱することがより好ましく、200〜250℃に加熱することが特に好ましい。加熱時間は、加熱温度などにより適宜設定できるが、10〜90分の範囲内とすることが好ましい。
ポストベーク工程の前に活性光線(好ましくは紫外線)を、ポジ画像の全面照射する工程を加えると、活性光線照射により発生する酸により架橋反応を促進することができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法を具体的に説明する。
<感光性樹脂組成物の調製>
成分A〜成分Dの必須成分を、所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物を調製する。例えば、成分A〜成分Cを、それぞれ予め成分Dに溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物溶液は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
<塗布工程及び溶剤除去工程>
感光性樹樹脂組成物を、所定の基板に塗布し、減圧及び/又は加熱(プリベーク)により溶媒を除去することにより、所望の乾燥塗膜を形成することができる。
基板としては、例えば、液晶表示素子の製造においては、偏光板、さらに必要に応じてブラックマトリックス層、カラーフィルター層を設け、さらに透明導電回路層を設けたガラス板などが例示できる。
感光性樹樹脂組成物の基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の方法を用いることができる。中でもスリットコート法が大型基板に適するという観点で好ましい。ここで大型基板とは、各辺が1m以上の大きさの基板をいう。
また、溶剤除去工程の加熱条件は、未露光部における成分A中の構成単位(1)が有する酸分解性基が分解して、成分Aをアルカリ現像液に可溶性としない範囲であり、各成分の種類や配合比によっても異なるが、好ましくは80〜130℃で30〜120秒間程度である。
<露光工程>
露光工程では、乾燥塗膜を設けた基板に所定のパターンの活性光線を照射することが好ましい。活性光線を照射は、マスクを介してもよいし、直接描画してもよい。活性光線としては、波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。
露光工程の後、必要に応じて加熱処理(PEB)を行う。
活性光線による露光には、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、レーザ発生装置、LED光源などを用いることができる。
水銀灯を用いる場合には、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長を有する活性光線が好ましく使用できる。水銀灯はレーザに比べると、大面積の露光に適するという点で好ましい。
レーザを用いる場合には、固体(YAG)レーザでは343nm、355nmが用いられ、エキシマレーザでは351nm(XeF)が用いられ、さらに半導体レーザでは375nm、405nmが用いられる。この中でも安定性、コスト等の点から355nm、405nmがより好ましい。レーザは1回又は複数回に分けて、塗膜に照射することができる。
レーザの1パルス当たりのエネルギー密度は0.1mJ/cm2以上10,000mJ/cm2以下であることが好ましい。塗膜を十分に硬化させるには、0.3mJ/cm2以上がより好ましく、0.5mJ/cm2以上が最も好ましく、アブレーション現象により塗膜を分解させないようにするには、1,000mJ/cm2以下がより好ましく、100mJ/cm2以下が最も好ましい。
また、パルス幅は、0.1nsec以上30,000nsec以下であることが好ましい。アブレーション現象により色塗膜を分解させないようにするには、0.5nsec以上がより好ましく、1nsec以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、1,000nsec以下がより好ましく、50nsec以下が最も好ましい。
さらに、レーザの周波数は、1Hz以上50,000Hz以下が好ましく、10Hz以上1,000Hz以下がより好ましい。
さらに、レーザの周波数は、露光処理時間を短くするには、10Hz以上がより好ましく、100Hz以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、10,000Hz以下がより好ましく、1,000Hz以下が最も好ましい。
レーザは水銀灯と比べると、焦点を絞ることが容易であり、露光工程でのパターン形成のマスクが不要でコストダウンできるという点で好ましい。
本発明に使用可能な露光装置としては、特に制限はないが、市販されているものとしては、Callisto((株)ブイ・テクノロジー製)やAEGIS((株)ブイ・テクノロジー製)やDF2200G(大日本スクリーン製造(株)製)などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
また、露光工程では、必要に応じて、長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
<現像工程>
現像工程では、塩基性現像液を用いて露光部領域を除去して画像パターンを形成することが好ましい。
塩基性現像液に含有される塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。
また、上記塩基性化合物を含有する水溶液に、メタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像液のpHは、10.0〜14.0であることが好ましい。
現像時間は、好ましくは30秒〜180秒間であり、また、現像の手法は液盛り法、ディップ法等のいずれでもよい。現像後は、流水洗浄を30秒〜90秒間行い、所望のパターンを形成させることができる。
<ポストベーク工程(架橋工程)>
現像により得られた未露光領域に対応するパターンについて、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば180〜250℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜60分間、オーブンならば30〜90分間、加熱処理をすることにより、成分Aにおける酸分解性基を分解して、カルボキシ基及び/又はフェノール性水酸基を発生させ、これらを成分A中のエポキシ基及び/又はオキセタニル基である架橋性基と反応させて、架橋させることにより、耐熱性、硬度等に優れた保護膜や層間絶縁膜等の硬化膜を形成することができる。
また、加熱処理を行う際は、窒素雰囲気下で行うことにより、硬化膜の透明性を向上させることもできる。
なお、加熱処理に先立ち、硬化膜がパターン状に形成した基板に活性光線により再露光した後、ポストベークすること(再露光/ポストベーク)により未露光部分に存在する成分Bから酸を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能させることが好ましい。
すなわち、本発明の硬化膜の形成方法は、現像工程とポストベーク工程の間に、活性光線により再露光する再露光工程を含むことが好ましい。
再露光工程における露光は、前記露光工程と同様の手段により行えばよいが、前記再露光工程では、基板の本発明の感光性樹脂組成物により膜が形成された側に対し、全面露光を行うことが好ましい。再露光工程の好ましい露光量としては、100〜1,000mJ/cm2である。
本発明の感光性樹脂組成物により、絶縁性に優れ、高温でベークされた場合においても高い透明性を有する硬化膜が得られ、該硬化膜は層間絶縁膜として有用である。本発明の感光性樹脂組成物を用いてなる層間絶縁膜は、高い透明性を有し、硬化膜物性に優れるため、有機EL表示装置や液晶表示装置の用途に有用である。
本発明の有機EL表示装置及び液晶表示装置としては、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜を平坦化膜や保護膜、層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物及び本発明の硬化膜は、前記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や保護膜、層間絶縁膜以外にも、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルター上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図1は、本発明の有機EL表示装置として適用しうるボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示す。
図1中、ガラス基板6上には、ボトムゲート型のTFT1が形成され、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。即ち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
図2は、本発明の液晶表示装置として適用しうるアクティブマトリックス方式の液晶表示装置の一例を示す概念的断面図である。図2中、液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14、15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルター22が設けられている。
次に、実施例により本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は重量基準である。
以下の合成例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
GMA:グリシジルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<重合体A−1の合成>
成分Aである重合体A−1を以下のごとく合成した。
エチルビニルエーテル144.2部(2モル当量)にフェノチアジン0.5部を添加し、反応系中を10℃以下に冷却しながらメタクリル酸86.1部(1モル当量)を滴下後、室温(25℃)で4時間撹拌した。p−トルエンスルホン酸ピリジニウム5.0部を添加後、室温で2時間撹拌し、一夜室温放置した。反応液に炭酸水素ナトリウム5部及び硫酸ナトリウム5部を添加し、室温で1時間撹拌し、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)43〜45℃/7mmHg留分のメタクリル酸1−エトキシエチル134.0部を無色油状物として得た。
得られたメタクリル酸1−エトキシエチル(63.28部(0.4モル当量))、GMA(42.65部(0.3モル当量))、MAA(8.61部(0.1モル当量))、HEMA(26.03部(0.2モル当量))及びPGMEA(110.8部)の混合溶液を窒素気流下、70℃に加熱した。この混合溶液を撹拌しながら、ラジカル重合開始剤V−65(和光純薬工業(株)製、4部)及びPGMEA(100.0部)の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下が終了してから、70℃で4時間反応させることにより、重合体A−1のPGMEA溶液(固形分濃度:40%)を得た。
得られた重合体A−1のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、15,000であった。
<重合体A−2〜A−10の合成>
使用した各モノマー及びその使用量を、下記表1に記載のものに変更した以外は、重合体A−1の合成と同様にして、重合体A−2〜A−10をそれぞれ合成した。
Figure 2011209719
表1中の略号は以下の通りである。
MAEVE:メタクリル酸1−エトキシエチル
GMA:グリシジルメタクリレート
OXE−30:メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(大阪有機化学工業(株)製)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
M100:メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(ダイセル化学工業(株)製)
MAA:メタクリル酸
CHOEMA:メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル
MATHF:メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル
Ph−1:α−メチルヒドロキシスチレン
P−Ph−1:α−メチルヒドロキシスチレンの1−エトキシエチル保護体
St:スチレン
<MATHF(メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル)の合成>
メタクリル酸(86g、1mol)を15℃に冷却しておき、カンファースルホン酸(4.6g,0.02mol)添加した。その溶液に、2,3−ジヒドロフラン(71g、1mol、1.0当量)を滴下した。1時間撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)54〜56℃/3.5mmHg留分のメタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(MATHF)125gを無色油状物として得た(収率80%)。
<CHOEMA(メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル)の合成>
上記MAEVEの合成法と同様の方法でCHOEMAの合成を行った。
<P−Ph−1(α−メチルヒドロキシスチレンの1−エトキシエチル保護体)の合成>
P−Ph−1は、Ph−1を酸触媒下、エチルビニルエーテルと反応させることにより、フェノール性水酸基のエチルアセタール保護体として、P−Ph−1を得た。
(実施例1)
下記組成Aとなるように各成分を溶解混合し、口径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、実施例1の感光性樹脂組成物を得た。
<組成A>
・共重合体:重合体A−1のPGMEA溶液(固形分40%) 固形分で100.0部
・光酸発生剤:下記に示すB−1 2.0部
・増感剤:下記に示すL−1 2.0部
・熱酸発生剤:下記に示すC−1 2.0部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP) 50.0部
・密着改良剤:下記に示すG−1 0.5部
・界面活性剤:下記に示すI−1 0.02部
(実施例2〜66、及び、比較例1〜4)
実施例1において用いた各化合物を、表2又は表3に記載の化合物に変更した以外は、実施例1と同様の添加量にて溶解混合し、実施例2〜66及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を調製した。なお、架橋剤を用いた実施例では、表2又は表3に記載の化合物を下記添加量で添加した。また、実施例17〜66は、溶剤をPGMEAに変更した。
・架橋剤:下記に示すE−1又はE−2 2.0部
・塩基性化合物:下記に示すH−1 0.1部
・塩基性化合物:下記に示すH−2 0.01部
(比較例5)
比較例5の感光性樹脂組成物としては、特開平5−165214号公報(特許文献1)の実施例1に記載された組成物を調製した。
(比較例6)
比較例6の感光性樹脂組成物としては、特開2004−264623号公報(特許文献2)の実施例1に記載された組成物を、以下のように調製した。
−比較例6の感光性樹脂組成物の調製−
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200部を仕込んだ。引き続き1−(シクロヘキシルオキシ)エチルメタクリレート40部、スチレン5部、メタクリル酸グリシジル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部及びα−メチルスチレンダイマー3部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体を含む重合体溶液を得た。得られた共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は11,000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、31.6%であった。
上記で合成した共重合体を含有する溶液を、共重合体100部(固形分)に相当する量、及び、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート5部を、固形分濃度が30%となるようにジエチレングリコールメチルエチルエーテルに溶解させた後、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、比較例6の感光性樹脂組成物を得た。
(比較例7)
比較例7の感光性樹脂組成物としては、特開2009−98616号公報(特許文献3)の実施例8に記載された組成物を調製した。
Figure 2011209719
Figure 2011209719
実施例1〜66、又は、比較例1〜4に用いた各化合物を示す略号の詳細は、以下の通りである。
B−1:PAI−1001(下記に示す構造、みどり化学(株)製)
B−2:下記に示す構造の化合物
B−3:PAI−1003(下記に示す構造、みどり化学(株)製)
B−4:CGI−1397(下記に示す構造、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
B−5:α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)フェニルアセトニトリル(合成方法は下記に示した。)
B−6:下記に示す構造の化合物
B−7:下記に示す構造の化合物
B−8:下記に示す構造の化合物
B−9:下記に示す構造の化合物
C−1:下記に示す構造の化合物
C−2:下記に示す構造の化合物
C−3:下記に示す構造の化合物
C−4:特許文献5の実施例1で使用の化合物(下記に示す構造の化合物)
L−1:DBA(9,10−ジブトキシアントラセン、下記に示す構造、川崎化成工業(株)製)
L−2:NBCA(10−ブチル−2−クロロアクリドン、下記に示す構造、黒金化成(株)製)
E−1:JER157S65(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)
E−2:ニカラックMX−270(メチル化尿素樹脂、三和ケミカル(株)製)
G−1:KBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、下記に示す構造、信越化学工業(株)製)
H−1:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
H−2:トリフェニルイミダゾール
I−1:PolyFox PF−6320(フッ素系界面活性剤、OMNOVA社製)
I−2:W−3(下記に示す構造)
Figure 2011209719
Figure 2011209719
Figure 2011209719
<B−2の合成>
〔α−(ヒドロキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリルの合成〕
フェニルアセトニトリル5.85g(東京化成工業(株)製)をテトラヒドロフラン:50mL(和光純薬工業(株)製)に混合させ、氷浴につけ反応液を5℃以下に冷却した。次にSM−28(ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液、和光純薬工業(株)製)11.6gを滴下し、氷浴下30分間撹拌し反応させた。次に亜硝酸イソペンチル7.03g(東京化成工業(株)製)を内温20℃以下に保ちながら滴下し、滴下終了後に反応液を室温化1時間反応させた。
得られた反応液を、水酸化ナトリウム1gを溶解させた水150mLに投入し完溶させ、次いで酢酸エチル100mLを添加して分液し、目的物を有する水層約180mLを得た。更に再度酢酸エチル100mLを添加し、濃塩酸で水層をpH3以下の酸性とし、生成物を抽出、濃縮した。得られた粗結晶をヘキサンで洗浄すると、α−(ヒドロキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル4.6gが収率63%で得られた。
〔α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−2−フォニルアセトニトリルの合成〕
α−(ヒドロキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル11.5gをテトラヒドロフラン:100mL(和光純薬工業(株)製)に溶解させ、氷浴につけ反応液を5℃以下に冷却した。次にメタンスルホニルクロリド9.9g(和光純薬工業(株)製)を滴下し、次いでトリエチルアミン9.55g(和光純薬工業(株)製)を内温20度以下に保ちながら滴下し、氷浴下1時間撹拌し反応させた。
得られた反応液を水500mLに滴下し、室温(25℃)下で一時間撹拌した。得られた粉末状の析出物を濾過、乾燥させると、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−2−フォニルアセトニトリル16gが収率90%で得られた。この化合物の1H−NMRスペクトルは、生成物がオキシム構造異性体(syn/anti)の混合物であることを示し、その存在比はsyn:anti=25/75であった。
〔B−5の合成〕
特表2002−528451号公報の段落0108に記載の方法に従って、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)フェニルアセトニトリルを合成した。
〔B−6の合成)
1−1.合成中間体B−6Aの合成
2−アミノベンゼンチオール:31.3g(東京化成工業(株)製)をトルエン:100mL(和光純薬工業(株)製)に室温(25℃)下溶解させた。次に、フェニルアセチルクロリド:40.6g(東京化成工業(株)製)を滴下し、室温下1時間、次いで100℃で2時間撹拌し反応させた。得られた反応液に水500mLを入れ析出した塩を溶解させ、トルエン油分を抽出し、抽出液をロータリエバポレーターで濃縮させ、合成中間体B−6Aを得た。
1−2.B−6の合成
前記のようにして得られた合成中間体B−6A 2.25gをテトラヒドロフラン:10mL(和光純薬工業(株)製)に混合させた後、氷浴につけ反応液を5℃以下に冷却した。次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド:4.37g(25重量%メタノール溶液、Alfa Acer社製)を滴下し、氷浴下0.5時間撹拌し反応させた。さらに、亜硝酸イソペンチル:7.03gを内温20℃以下に保ちながら滴下し、滴下終了後に反応液を室温まで昇温後、1時間撹拌した。
ついで、反応液を5℃以下に冷却し後、p−トルエンスルホニルクロリド(1.9g)(東京化成工業(株)製)を投入し、10℃以下を保ちながら1時間撹拌した。その後水80mLを投入し、0℃で1時間撹拌した。得られた析出物を濾過した後、イソプロピルアルコール(IPA)60mLを投入し、50℃に加熱して1時間撹拌し、熱時濾過、乾燥させることで、(B−6:前記構造)1.8gを得た。
得られたB−6の1H−NMRスペクトル(300MHz、重DMSO((D3C)2S=O))は、δ=8.2〜8.17(m,1H),8.03〜8.00(m,1H),7.95〜7.9(m,2H),7.6〜7.45(m,9H),2.45(s,3H)であった。
上記の1H−NMR測定結果より、得られたB−6は、1種単独のシス又はトランス異性体であることが推定される。
〔B−7の合成〕
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4NHCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機層に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2NHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(30mL)の懸濁溶液に酢酸(7.3g)、50重量%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶をろ過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶をろ過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してB−7(2.3g)を得た。
なお、B−7の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
〔B−8の合成〕
2−ナフトール(20g)をN,N−ジメチルアセトアミド(150mL)に溶解させ、炭酸カリウム(28.7g)、2−ブロモオクタン酸エチル(52.2g)を添加して100℃で2時間反応させた。反応液に水(300mL)、酢酸エチル(200mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、48重量%水酸化ナトリウム水溶液(23g)、エタノール(50mL)、水(50mL)を添加し、2時間反応させた。反応液を1N HCl水溶液(500mL)にあけ、析出した結晶をろ過、水洗してカルボン酸粗体を得た後、ポリリン酸30gを添加して170℃で30分反応させた。反応液を水(300mL)にあけ、酢酸エチル(300mL)を添加して分液し、有機層を濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ケトン化合物(10g)を得た。
得られたケトン化合物(10.0g)、メタノール(100mL)の懸濁溶液に酢酸ナトリウム(30.6g)、塩酸ヒドロキシルアミン(25.9g)、硫酸マグネシウム(4.5g)を添加し、24時間加熱還流した。放冷後、水(150mL)、酢酸エチル(150mL)添加して分液し、有機層を水80mLで4回分液し、濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製してオキシム化合物(5.8g)を得た。
得られたオキシム(3.1g)に対し、B−7の合成と同様にスルホネート化を行い、B−8(3.2g)を得た。
なお、B−8の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.5(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(dd,1H),2.4(s,3H),2.2(ddt,1H),1.9(ddt,1H),1.4〜1.2(m,8H),0.8(t,3H)であった。
〔B−9の合成〕
B−7の合成におけるp−トルエンスルホニルクロリドの代わりにベンゼンスルホニルクロリドを用いた以外は、B−7の合成と同様にしてB−9を合成した。
なお、B−9の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.1(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.7−7.5(m,4H),7.4(dd,1H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),1.7(d,3H)であった。
Figure 2011209719
なお、上記式におけるBuは、ブチル基を表す。
Figure 2011209719
<C−1〜C−3の合成>
C−1〜C−3の熱酸発生剤は、公知の方法で合成を行った。塩基性条件下、スルホニルクロリドと多価アルコールを反応させることにより目的の化合物を得た。
Figure 2011209719
Figure 2011209719
以上により得られた実施例1〜66、及び、比較例1〜7の感光性樹脂組成物について、以下に示す各評価を行った。
<液経時安定性(液保存性)の評価>
調製直後の感光性樹脂組成物の粘度(初期粘度)と、30℃で2週間保管後の感光性樹脂組成物の粘度(経時粘度)とを、E型粘度計(東機産業(株)製)にて測定した。評価基準は、経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として10%以上変化するものを「3」、粘度の変化が10%未満5%以上の場合を「2」、粘度の変化が5%未満の場合を「1」とした。「1」及び「2」が実用上問題のないレベルである。結果を表4又は5に示す。
<感度の評価>
ガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上でプリべークして溶剤を揮発させ、膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。
次に、得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用いて、所定のマスクを介して露光した。そして、露光後の感光性樹脂組成物層を、アルカリ現像液(0.4重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスした。
これらの操作により10μmのラインアンドスペースを1:1で解像する時の最適i線露光量(Eopt)を感度とした。なお、評価基準は下記の通りである。「1」及び「2」が実用上問題のないレベルである。結果を表4又は5に示す。
1:Eoptが40mJ/cm2未満
2:Eoptが40mJ/cm2以上60mJ/cm2未満
3:Eoptが60mJ/cm2以上80mJ/cm2未満
4:Eoptが80mJ/cm2以上
<透明性の評価>
ガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上で加熱により溶剤を除去し、膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。
得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が300mJ/cm2(照度:20mW/cm2、i線)となるように露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃で1時間加熱して硬化膜を得た。
この硬化膜を有するガラス基板の光線透過率を分光光度計「150−20型ダブルビーム((株)日立製作所製)」を用いて400〜800nmの範囲の波長で測定した。そのときの最低光線透過率を、透明性の評価として表4又は5に示す。
なお、評価基準は下記の通りである。「1」及び「2」が実用上問題のないレベルである。
1:最低光線透過率が92%以上
2:最低光線透過率が90%以上92%未満
3:最低光線透過率が88%以上90%未満
4:最低光線透過率が88%未満
<耐溶剤性の評価>
透明性の評価と同様にしてガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に硬化膜を形成した。
得られた硬化膜の膜厚(T1)を測定した。そして、この硬化膜が形成された基板を7
0℃に温度制御されたジメチルスルホキシド中に20分間浸漬させた後、浸漬後の硬化膜の膜厚(t1)を測定し、浸漬による膜厚変化率{|t1−T1|/T1}×100〔%〕を算出した。結果を表4又は5に示す。
膜厚変化率の値が3%未満(すなわち、基準1〜3の結果が得られた場合。)のとき、硬化膜の耐溶剤性は良好であるといえる。
1:膜厚変化率の値が1%未満
2:膜厚変化率の値が1%以上2%未満
3:膜厚変化率の値が2%以上3%未満
4:膜厚変化率の値が3%以上
<解像性の評価>
ガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上で溶剤を除去して膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。
引き続いて、得られた感光性樹脂組成物層を、0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として、23℃で60秒現像後に10μm角のコンタクトホールパターンが得られる露光量(照度:20mW/cm2、i線)で、1μm角〜10μm角のパターン開口部を有するマスクを介して、露光を行った。
露光後の基板を、0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として、23℃で60秒のパドル現像を行った。
パターニングされた感光性樹脂組成物層付きガラス基板を切削し、解像された1μm角〜10μm角コンタクトホールを電界放出形走査電子顕微鏡S−4800(HITACHI社製)によって観察した。
評価基準は以下の通りである。結果を表4又は5に示す。
3μm角未満のパターン開口部を有するマスクによって解像できた場合、解像度は良好であると言える。
1:解像度が3μm未満
2:解像度が3μm以上5μm未満
3:解像度が5μm以上
<コンタクトホール寸法安定性の評価>
ガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上で溶剤を除去して膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。
引き続いて、得られた感光性樹脂組成物層を、0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として、23℃で60秒現像後に10μm角のコンタクトホールパターンが得られる露光量(照度:20mW/cm2、i線)で、10μm角のパターン
開口部を有するマスクを介して、露光を行った。
露光後の基板を、0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として、23℃で60秒のパドル現像を行った。
パターニングされた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が300mJ/cm2(照度:20mW/cm2、i線)となるように露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃で1時間加熱して硬化膜を得た。
得られた硬化膜付きガラス基板を切削し、パターニングされたコンタクトホールの直径を電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ製)によって測定した。
評価基準は以下の通りである。結果を表4又は5に示す。
得られたコンタクトホールの直径の変化が現像後のコンタクトホールの直径に比べ、0.5μm未満の場合、コンタクトホール寸法安定性は良好であると言える。
1:寸法変化が0.5μm未満
2:寸法変化が0.5μm以上2.0μm未満
3:寸法変化が2.0μm以上
Figure 2011209719
Figure 2011209719
表4又は5に示されるように、各実施例の感光性樹脂組成物は、各比較例のとの対比において、液保存性、感度、透明性、耐溶剤性、解像性、コンタクトホール寸法安定性のいずれの評価についても優れた結果が得られたことがわかる。
(実施例67)
実施例67では、実施例1の感光性樹脂組成物を使用し、基板をガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))から、6inchシリコンウェハに変更した以外は、実施例1の感光性樹脂組成物に対して行った感度、解像性、コンタクトホール寸法安定性の評価と同様にして、感度、解像性、コンタクトホール寸法安定性の評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例68)
実施例68では、実施例1の感光性樹脂組成物を使用し、露光機を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機から、Nikon(株)製FX−803M(gh−Line ステッパ)に変更した以外は、実施例1の感光性樹脂組成物に対して行った感度、解像性、コンタクトホール寸法安定性の評価と同様にして、感度、解像性、コンタクトホール寸法安定性の評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例69)
実施例69では、実施例1の感光性樹脂組成物を使用し、露光機を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機から、355nmレーザ露光機に変更して355nmレーザ露光を行った以外は、実施例1の感光性樹脂組成物に対して行った感度、解像性、コンタクトホール寸法安定性の評価と同様にして、感度、解像性、コンタクトホール寸法安定性の評価を行った。
なお、355nmレーザ露光機としては、(株)ブイ・テクノロジー社製の「AEGIS」を使用し(波長355nm、パルス幅6nsec)、露光量はOPHIR社製の「PE10B−V2」を用いて測定した。結果を表6に示す。
(実施例70)
実施例70では、実施例1の感光性樹脂組成物を使用し、露光機を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機から、UV−LED光源露光機に変更した以外は、実施例1の感光性樹脂組成物に対して行った感度、解像性、コンタクトホール寸法安定性の評価と同様にして、感度、解像性、コンタクトホール寸法安定性の評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 2011209719
表6に示されるように、実施例の感光性樹脂組成物は、基板、露光機の如何に拘らず、優れた感度を示し、且つ、形成されたパターンの形状にも優れていることがわかる。
(実施例71)
薄膜トランジスター(TFT)を用いた有機EL表示装置を以下の方法で作製した(図1参照)。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3を形成した。次に、この絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)を絶縁膜3上に形成した。この配線2は、TFT1間又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上へ平坦化膜4を形成した。絶縁膜3上への平坦化膜4の形成は、実施例5の感光性樹脂組成物を基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(90℃×2分)した後、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を45mJ/cm2
(照度20mW/cm2)照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、
230℃で60分間の加熱処理を行った。
感光性樹脂組成物を塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、焼成の後に得られた硬化膜には、しわやクラックの発生は認められなかった。更に、配線2の平均段差は500nm、作製した平坦化膜4の膜厚は2,000nmであった。
次に、得られた平坦化膜4上に、ボトムエミッション型の有機EL素子を形成した。まず、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5を、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成した。その後、レジストを塗布、プリベークし、所望のパターンのマスクを介して露光し、現像した。このレジストパターンをマスクとして、ITOエッチャント用いたウエットエッチングによりパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(リムーバ100、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用いて該レジストパターンを50℃で剥離した。こうして得られた第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
次に、第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8を形成した。絶縁膜8には、実施例6の感光性樹脂組成物を用い、前記と同様の方法で形成した。この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、真空蒸着装置内で所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設けた。次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成した。得られた上記基板を蒸着機から取り出し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。
以上のようにして、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続してなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られた。駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い有機EL表示装置であることが分かった。
(実施例72)
特許第3321003号公報の図1に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、層間絶縁膜として硬化膜17を以下のようにして形成し、実施例72の液晶表示装置を得た。すなわち、実施例14の感光性樹脂組成物を用い、上記実施例71における有機EL表示装置の平坦化膜4の形成方法と同様の方法で、層間絶縁膜として硬化膜17を形成した。
得られた液晶表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い液晶表示装置であることが分かった。
1:TFT(薄膜トランジスター)、2:配線、3:絶縁膜、4:平坦化膜、5:第一電極、6:ガラス基板、7:コンタクトホール、8:絶縁膜、10:液晶表示装置、12:バックライトユニット、14,15:ガラス基板、16:TFT、17:硬化膜、18:コンタクトホール、19:ITO透明電極、20:液晶、22:カラーフィルター。

Claims (13)

  1. (成分A)酸分解性基で保護されたカルボキシ基及び/又は酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基を有する構成単位(1)と、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(2)と、を含有する共重合体、
    (成分B)光酸発生剤、
    (成分C)下記式(I)で表される熱酸発生剤、並びに、
    (成分D)溶剤、を含有することを特徴とする
    感光性樹脂組成物。
    Figure 2011209719
    (式(I)中、AはL価の連結基を表し、R1はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜10のハロゲン化アルコキシ基、Vで置換されていてもよいフェニル基、Vで置換されていてもよいナフチル基又はVで置換されていてもよいアントラニル基を表し、Vはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表し、R2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、又は、炭素数7〜25のアラルキル基を表し、Lは2〜4の整数を表す。)
  2. 前記成分Cが、下記式(II)で表される化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2011209719
    (式(II)中、AはL価の連結基を表し、R3はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のハロゲン化アルキル基又はVで置換されていてもよいフェニル基を表し、Vはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、Lは2〜4の整数を表す。)
  3. 前記成分Bが、オキシムスルホネート化合物又はオキシム硫酸エステル化合物である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記成分Bが、下記式(OS−3)、式(OS−4)、及び、式(OS−5)で表される化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2011209719
    (式(OS−3)〜式(OS−5)中、R1はアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、複数存在するR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表し、複数存在するR6はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基又はアルコキシスルホニル基を表し、XはO又はSを表し、nは1又は2を表し、mは0〜6の整数を表す。)
  5. 前記成分Bが、下記式(III)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
    1A−C(R2A)=N−O−SO2−R3A (III)
    (式(III)中、R1Aは、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、2−フリル基、2−チエニル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又はシアノ基を表し、R1Aがフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基又はアントラニル基である場合、これらの基は、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基及びニトロ基よりなる群から選ばれた置換基によって置換されていてもよく、R2Aは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基、Wで置換されていてもよいアントラニル基、ジアルキルアミノ基、モルホリノ基又はシアノ基を表し、R2AとR1Aとは互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよく、該5員環又は6員環は1個又は2個の任意の置換基を有してもよいベンゼン環と連結していてもよく、R3Aは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基又はWで置換されていてもよいアントラニル基を表し、Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表す。)
  6. 前記構成単位(2)が、オキセタニル基を有する構成単位である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 架橋剤を更に含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物に、光及び熱を付与して形成された硬化膜。
  9. (1)請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程、
    (2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、
    (3)塗布された感光性樹脂組成物を活性光線により露光する露光工程、
    (4)露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程、及び、
    (5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程、を含む
    硬化膜の形成方法。
  10. 請求項9に記載の方法により形成された硬化膜。
  11. 層間絶縁膜である、請求項8又は10に記載の硬化膜。
  12. 請求項8、10又は11に記載の硬化膜を具備する有機EL表示装置。
  13. 請求項8、10又は11に記載の硬化膜を具備する液晶表示装置。
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