JP2007334156A - パターン形成方法及び薄膜トランジスタアレイ基板並びに液晶表示素子 - Google Patents

パターン形成方法及び薄膜トランジスタアレイ基板並びに液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】大画面用の液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)の作製に好適なパターン形成方法及びTFTアレイ基板並びに液晶表示素子の提供。
【解決手段】描素部により形成された描画画素で再現されることにより生じるジャギーのジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかが所定値以下となるよう、描画画素の配列ピッチ、傾斜角度、描画ピッチ、及び位相差の少なくともいずれかを設定し、前記パターン情報に基づいて前記描素部を所定のタイミングで変調制御して露光を行う露光工程等を含むパターン形成方法である。
【選択図】図10

Description

本発明は、大画面用の液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)の作製に好適なパターン形成方法及び薄膜トランジスタアレイ基板並びに液晶表示素子に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)等の基板の大型化や高精細化の動向に伴って、薄膜トランジスタ(TFT)や電極板の製造時に使用するエッチングフォトレジストには、高感度化、均一性、省レジスト化を中心として、各種基板との密着性、ドライエッチング耐性(耐熱性)などが望まれている。特に、前記均一性に関しては基板の大型化により、基板の中央部と周辺部に関する塗布膜厚の均一性や高解像度化による寸法均一性、膜厚、形状など様々な部分で要求が厳しくなっている。
従来のエッチングフォトレジストとしては、例えば、アルカリ可溶性フェノールノボラック樹脂、1,2−キノンジアジド化合物、及び溶剤を含み、更に必要に応じて密着促進剤、塗布助剤、着色剤等を含有する液状組成物が提案されている(特許文献1及び2参照)。
この場合、TFTアレイ基板やPDPの電極板の製造は、ガラス基板や透明プラスチック基板上にスパッタした導電性基材や絶縁性基材上に、エッチングフォトレジストを塗布し、乾燥、パターン露光、現像、エッチング、レジスト剥離の工程(以下、「フォトエッチング工程」と称することがある)を各層の薄膜に施すことにより行われる。
前記エッチングには、各種液体エッチャントを用いるウエットエッチング法と、減圧装置内でプラズマによりガスを分解して発生させたイオンやラジカル(活性種)を用いて、基板上の膜を気化除去するドライエッチング法とがある。
このようなフォトエッチングによる微細パターンの形成のために、1,2−キノンジアジド基を感光基とする感光性物質と、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性のノボラック系樹脂からの、2成分を主成分とするフォトレジスト組成物が一般的に使用されている。フォトレジスト膜の塗布厚みは0.5〜数μmが一般的である。
このようなフォトレジスト組成物を使い、画像パターン寸法が0.3μm程度のサブハーフミクロン領域のものから、数十〜数百μm程度のかなり大きな寸法幅のものまで、広い範囲に渡る寸法の画像が形成され、各種基板表面の微細加工を可能としている。
このタイプのフォトレジスト組成物はアルカリ水現像可能なポジ型フォトレジストであって、例えば、ゴム系のネガ型フォトレジストより広く使われている。これは、(1)ネガ型ゴム系フォトレジストよりも、ポジ型フォトレジストの方が解像性が優れていること、(2)耐酸性・耐エッチング特性が良好であること、(3)非溶剤現像のため廃液処理の問題が溶剤系ほどには大きくないこと、(4)最も大きな違いとして、ポジ型では現像時の膨潤に起因する画像寸法変化は極めて小さく、寸法制御性が比較的容易なこと、などが理由として挙げられる。
また、LCD等の分野でも、TFT、STNなどの技術の進展に伴い、線幅が細くなり微細化する傾向となり、例えば、従来のTN、STN液晶を利用した素子では、200μm〜数百μm程度の設計寸法であったものが、新技術の開発で最小設計寸法が100μm以下に、また、応答性又は画像性の良好なTFT表示素子では数μmレベルまで微細化している。
一方、フォトレジスト材料に期待される特性としては、上記の微細な加工能力を保有しつつ、大面積への対応が必要とされている。液晶ディスプレイの大型基板化やプラズマディスプレイ(PDP)のように初めから大画面を指向した基板には面内の膜厚均一性を実現することが重要な技術となりつつある。
また、大面積のディスプレイにおける共通の課題としては、コストダウンを一層進める必要があり、使用するフォトレジストの省液化も課題になっている。また、面内の膜厚均一性の改善と使用するフォトレジストの省液化を達成すべく、コーティング方式の検討が続けられ、従来一般的であったスピンコーターから、新たにスリットコーターが開発されてきている。
しかしながら、LCDのTFT加工用に求められている技術としては、まず、解像性が2〜10μmと高く、メタイオンフリー現像、有機剥離液による剥離、ITOやTa、Al等の金属薄膜やSiNx、ITOなど無機薄膜のエッチング加工である。これに対応するには、数ミクロン厚のフォトレジスト層、各種スパッタ済み金属膜や無機薄膜材料への密着性、膜厚均一性などが主な課題である。
また、従来より、前記フォトリソグラフィー法に用いる露光装置としては、フォトマスクを用いた露光方式が一般的である。しかし、基板の大型化対応での均一露光技術やフォトマスクの位置ずれやプロセス中の異物付着によるマスク汚れが問題になっている。
近年、これらの露光機とフォトマスクに基づく問題の解決策として、配線パターン等のデジタルデータから形成された露光パターンに基づいて、半導体レーザ、ガスレーザなどの紫外から可視領域のレーザ光を感光層上に直接スキャンしてパターニングを行う、レーザダイレクトイメージング(以下、「LDI」と称することがある)システムによる露光装置が研究されている。
例えば、約1m角以上の大画面LCDをフォトリソグラフィーで製造する場合、微細なTFTを多数欠陥無く大型基板上に形成する必要がある。例えば、HDTV規格の1024×1024画素を表示するパネルは画素数が197万個必要である。つまり、数万〜数百万個の画素に必要なTFTパネルには、同一基板上の1個たりとも欠陥が許されないという品質上の厳しさが要求される。この点CPUなど向けにはせいぜい直径30cmサイズのシリコン基板上に形成し、良品チップのみを分画して製造することのできる、半導体や超LSIチップなどのためのフォトリソグラフィーとは大きく事情が異なる。
前記露光装置の前記露光ヘッドにおいて、光変調手段として、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等の空間光変調素子を利用し、パターン情報(画像データ)に応じて変調された光ビームで描画パターン(画像)を形成するように露光を行う露光装置が種々提案されている。
前記DMDは、制御信号に応じて反射面の角度を変化させる多数のマイクロミラーをシリコン等の半導体基板上に二次元状に配列したミラーデバイスであり、このDMDを備えた露光ヘッドを走査方向に被露光面に沿って相対移動させることで、所望の範囲に対する露光が行われる。
一般に、DMDのマイクロミラーは、各行の並び方向と各列の並び方向とが直交するように配列されている。このようなDMDを、走査方向に対して傾斜させて配置することにより、走査線の間隔が密になり、解像度を上げることができる。
例えば、特許文献3には、複数の光弁を備えたサブ領域(空間光変調素子:イメージ源)へと光を導く照明システムにおいて、前記サブ領域を走査線上への投影に対して傾斜させることにより、解像度を高められることが記載されている。
この方法によれば、走査方向と直交する方向の解像度を高めることができる。また、走査方向の解像度は、通常、走査速度と空間光変調素子の変調速度によって決定されるため、露光速度(走査速度)を遅くするか、若しくは、空間光変調素子の変調速度を速めることで解像度を高めることが可能である。
ところで、形成される描画パターンの解像度を高めるために、前記特許文献3の方法のように、前記光照射手段(空間光変調素子)を傾斜させて描画を行うと、描画パターンによっては、無視できないジャギーが発生してしまうおそれがある。
例えば、走査方向又はそれと直交する方向に延在する直線状の描画パターンを形成する場合、前記空間光変調素子によって形成される各描画画素の位置と、描画パターンの所望の描画位置との間のずれがジャギーとして認められることがある。
すなわち、離散的な多数の画素の集合によって構成された描画パターンは、描素部に対応した離散的な描画画素により再現されるため、再現された画像の端部には、ギザギザ状のジャギーが発生したり、パターン情報に基づく描画パターンの線幅の精度が低下する等の不具合が発生したりするおそれがある。このような描画パターンで感光層を露光し、その後現像等を行うことによりレジストパターン等を形成した場合、高精細なパターンが得られないという問題がある。
したがって、フォトマスクを用いずに、露光速度を低下させることなく、ジャギーが低減された所望の描画パターンを被露光面上に形成することにより、前記パターンの線幅ばらつきを極めて少なく、高精細に形成可能なパターン形成方法、及びTFTアレイ基板、並びに該TFTアレイ基板を用いた液晶表示素子は未だ提供されておらず、その速やかな開発が望まれているのが現状である。
特開平6−27657号公報 特開2000−105466号公報 特表2001−500628号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、フォトマスクを用いずに、露光速度を低下させることなく、ジャギーが低減された所望の描画パターンを被露光面上に形成することにより、前記パターンの線幅ばらつきを極めて少なく、高精細に形成可能なパターン形成方法、及びTFTアレイ基板、並びに該TFTアレイ基板を用いた液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ポジ型フォトレジストを使用したリソグラフィー法パターン形成において、ポジ型感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の傾斜角度をなすように配置された露光ヘッドを用い、該露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させ、前記パターン情報に対応する描画パターンにおいて、前記描素部により形成された描画画素で再現されることにより生じるジャギーのジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかが所定値以下となるよう、(a)隣接する前記描素部により形成される前記描画画素の配列ピッチ、(b)複数の前記描画画素からなる二次元状の描画画素群の前記走査方向に対する傾斜角度、(c)前記走査方向に対する前記描画画素の描画ピッチ、及び(d)前記走査方向と略直交する方向に隣接して形成される前記描画画素の前記走査方向に対する描画位置の位相差の少なくともいずれかを設定し、前記パターン情報に基づいて前記描素部を所定のタイミングで変調制御して露光を行うパターン形成方法が極めて有利であることを知見した。
本発明は、本発明者の前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ポジ型感光性組成物を用いて基材の表面に、少なくとも、ポジ型感光層を形成するポジ型感光層形成工程と、
該ポジ型感光層に対し、
光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の傾斜角度をなすように配置された露光ヘッドを用い、該露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させ、
前記パターン情報に対応する描画パターンにおいて、前記描素部により形成された描画画素で再現されることにより生じるジャギーのジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかが所定値以下となるよう、
(a)隣接する前記描素部により形成される前記描画画素の配列ピッチ、
(b)複数の前記描画画素からなる二次元状の描画画素群の前記走査方向に対する傾斜角度、
(c)前記走査方向に対する前記描画画素の描画ピッチ、及び
(d)前記走査方向と略直交する方向に隣接して形成される前記描画画素の前記走査方向に対する描画位置の位相差、
の少なくともいずれかを設定し、前記パターン情報に基づいて前記描素部を所定のタイミングで変調制御して露光を行う露光工程と、
該露光工程により露光されたポジ型感光層を現像する現像工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法である。該<1>に記載のパターン形成方法においては、前記ポジ型感光層に対し、光変調手段を備えた露光ヘッドを前記ポジ型感光層の被露光面上に沿った所定の走査方向へ相対移動して、前記パターン情報に基づいて露光が行われ、該露光が、ジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかが所定値以下となるよう、(a)配列ピッチ、(b)傾斜角度、(c)描画ピッチ、及び(d)位相差の少なくともいずれかを設定し、前記パターン情報にしたがって前記各描素部を所定のタイミングで変調制御して行われるため、単位面積当たりの描画画素数を増加させる等の手段を講じることなく、また、露光速度(描画速度)を低下させることなく、最適な描画条件を設定し、ジャギーの発生を抑制した描画パターン(画像)を描画することができる。この結果、前記ポジ型感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記ポジ型感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<2> ポジ型感光層が、ポジ型感光性組成物を基材の表面に塗布し、乾燥することにより形成される前記<1>に記載のパターン形成方法である。
<3> ポジ型感光性組成物が、アルカリ可溶性樹脂及びキノンジアジド基を有する化合物を含む前記<1>から<2>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<4> アルカリ可溶性樹脂がノボラック型フェノール樹脂である前記<3>に記載のパターン形成方法である。
<5> ポジ型感光性組成物が、溶解促進剤を更に含む前記<4>に記載のパターン形成方法である。
<6> ノボラック型フェノール樹脂が、m−クレゾールと、p−クレゾールとを含む前記<4>に記載のパターン形成方法である。
<7> キノンジアジド基を有する化合物が、下記構造式(I)及び構造式(II)のいずれかで表される前記<6>に記載のパターン形成である。
<8> ポジ型感光性組成物が、アルカリ難溶性樹脂、含窒素塩基性化合物、光酸発生剤、及び界面活性剤を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<9> 界面活性剤が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する化合物を含む前記<8>に記載のパターン形成方法である。
<10> アルカリ難溶性樹脂が、アセタール変性ノボラック型樹脂である前記<8>から<9>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<11> アセタール変性ノボラック型樹脂の質量平均分子量が3,000〜70,000である前記<10>に記載のパターン形成方法である。
<12> アルカリ難溶性樹脂がアセタール変性ポリヒドロキシスチレン樹脂である前記<8>から<9>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<13> アセタール変性ポリヒドロキシスチレン樹脂の質量平均分子量が3,000〜30,000である前記<12>に記載のパターン形成方法である。
<14> 含窒素塩基性化合物が、3級アミン化合物、4級アンモニウム化合物、及びポリマー型アミンのいずれかを含む有機アミン類、並びにアミド類から選択される少なくとも1種である前記<8>から<13>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<15> 露光が、描画画素群回転手段、描画倍率変更手段、描画タイミング変更手段、移動速度変更手段、及び位相差変更手段の少なくともいずれかを備えた露光装置を用いて行われる前記<1>から<14>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<16> 描画画素群回転手段により、露光ヘッドの全体、及び光変調手段のいずれかを回転させ、傾斜角度(b)を変更する前記<1>から<15>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<17> 描画倍率変更手段により、ポジ型感光層の被露光面上に形成される描画画素の描画倍率を変更し、配列ピッチ(a)、及び描画ピッチ(c)のいずれかを調整する前記<1>から<15>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<18> 描画タイミング変更手段により、描素部によるポジ型感光層の被露光面上への描画タイミングを変更し、描画ピッチ(c)を調整する前記<1>から<15>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<19> 移動速度変更手段により、ポジ型感光層の被露光面に対する露光ヘッドの相対移動速度を変更し、描画ピッチ(c)を調整する前記<1>から<15>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<20> 位相差変更手段により、隣接する描素部の変調制御のタイミングの位相差を変更し、位相差(d)を変更する前記<1>から<15>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<21> ジャギーピッチ及びジャギー振幅の所定値が、ポジ型感光層の被露光面に形成される描画画素のドット径である前記<1>から<20>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<22> 複数の描素部からなる描画画素群を複数有し、前記各描素部群において、配列ピッチ(a)、傾斜角度(b)、描画ピッチ(c)、及び位相差(d)の少なくともいずれかを個別に設定する前記<1>から<21>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<23> 複数の描素部からなる描画画素群を複数有し、前記各描素部群で生じるジャギーピッチ及びジャギー振幅のいずれかの平均値が所定値以下となるよう、配列ピッチ(a)、傾斜角度(b)、描画ピッチ(c)、及び位相差(d)の少なくともいずれかを設定する前記<1>から<21>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<24> 描画パターンに応じて、配列ピッチ(a)、傾斜角度(b)、描画ピッチ(c)、及び位相差(d)の少なくともいずれかを設定する前記<1>から<23>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<25> 描画パターンの走査方向に対する傾斜角度に応じて、配列ピッチ(a)、傾斜角度(b)、描画ピッチ(c)、及び位相差(d)の少なくともいずれかを設定する前記<1>から<24>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<26> 走査方向と直交、又は略直交する方向の描画パターンにおいて生じるジャギーのジャギーピッチ及びジャギー振幅のいずれかが、所定値以下になるよう、配列ピッチ(a)、傾斜角度(b)、描画ピッチ(c)、及び位相差(d)の少なくともいずれかを設定する前記<1>から<25>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<27> 配列ピッチ(a)、傾斜角度(b)、描画ピッチ(c)、及び位相差(d)の調整が、
前記描素部によりポジ型感光層の被露光面上に形成される描画画素の中心点として規定される制御点の
(e)前記制御点の略走査方向に沿った制御点列のピッチ、
(f)前記制御点列の並び方向、
(g)前記制御点の前記走査方向に対するピッチ、及び
(h)前記走査方向と略直交する方向に隣接する前記制御点の前記走査方向に対する位相差、
の少なくともいずれかを、描画パターンのジャギーが低減されるように制御することにより行われる前記<1>から<26>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<28> 制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)の少なくともいずれかと、ジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかにより規定されるジャギーの形状との相関関係を求め、
該相関関係に基づいて前記(e)〜(h)のいずれかを設定、又は変更する前記<27>に記載のパターン形成方法である。
<29> ジャギーの形状が許容範囲内となる制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)の少なくともいずれかの条件を、選択条件として規定する前記<27>から<28>のいずれかに記載のパターン形成方法。
<30> ジャギーの形状が許容範囲外となる制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)の少なくともいずれかの条件を、禁止条件として規定する前記<27>から<28>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<31> 描画パターンの方向に対応して、制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)の少なくともいずれかと、ジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかにより規定されるジャギーの形状との相関関係を求める前記<27>から<29>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<32> 描画パターンの方向が、前記描画パターンの所定の領域内に含まれる前記描画パターンの代表的な方向である前記<31>に記載のパターン形成方法である。
<33> 描画パターンの代表的な方向が、描画パターンの所定の領域内に含まれ、走査方向と直交又は略直交する方向である前記<32>に記載のパターン形成方法である。
<34> 所定の領域内の描画パターン毎に、制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)の少なくともいずれかと、ジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかにより規定されるジャギーの形状との相関関係を求める前記<28>から<29>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<35> 所定の領域内の描画パターン毎に、制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)の少なくともいずれかを設定、又は変更する前記<34>に記載のパターン形成方法である。
<36> 制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)の少なくともいずれかと、ジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかにより規定されるジャギーの形状との相関関係を、
制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)の少なくともいずれかから求めた計算値に基づいて求める前記<28>から<35>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<37> あらかじめ設定した制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)による描画パターンから、制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)の少なくともいずれかと、ジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかにより規定されるジャギーの形状との相関関係を計測して求める前記<28>から<35>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<38> 光変調手段が空間光変調素子である前記<1>から<37>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<39> 空間光変調素子がデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)である前記<38>に記載のパターン形成方法である。
<40> 光照射手段が、半導体レーザ素子から発せられたレーザ光を出射する前記<1>から<39>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<41> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<40>に記載のパターン形成方法である。
<42> 露光が350〜415nmの波長のレーザ光を用いて行われる前記<1>から<41>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<43> 前記<1>から<42>のいずれかに記載のパターン形成方法により形成されたことを特徴とする薄膜トランジスタアレイ基板である。
<44> 前記<43>に記載の薄膜トランジスタアレイ基板を用いたことを特徴とする液晶表示素子である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、フォトマスクを用いずに、露光速度を低下させることなく、ジャギーが低減された所望の描画パターンを被露光面上に形成することにより、前記パターンの線幅ばらつきを極めて少なく、高精細に形成可能なパターン形成方法、及びTFTアレイ基板、並びに該TFTアレイ基板を用いた液晶表示素子を提供することができる。
(パターン形成方法、及びTFTアレイ基板並びに液晶表示素子)
本発明のパターン形成方法は、少なくとも、ポジ型感光層形成工程と、露光工程と、現像工程とを含んでなり、更に必要に応じて適宜選択されたその他の工程を含んでなる。
本発明のTFTアレイ基板は、本発明の前記パターン形成方法により製造される。
本発明の液晶表示素子は、本発明の前記TFTアレイ基板を用いてなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
以下、本発明のパターン形成方法の説明を通じて、本発明のTFTアレイ基板及び液晶表示素子の詳細についても明らかにする。
[ポジ型感光層形成工程]
ポジ型感光層形成工程は、少なくともバインダーを含むポジ型感光性組成物を用いて基材の表面に、少なくとも、ポジ型感光層を形成し、更に適宜選択されたその他の層を形成する工程である。
前記ポジ型感光層、及びその他の層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布により形成する方法、シート状の各層を加圧及び加熱の少なくともいずれかを行うことにより、ラミネートする方法、それらの併用などが挙げられる。
前記ポジ型感光層形成工程としては、以下に示す第1の態様のポジ型感光層形成工程及び第2の態様のポジ型感光層形成工程が好適に挙げられる。
前記第1態様のポジ型感光層形成工程としては、前記ポジ型感光性組成物を基材の表面に塗布し、乾燥することにより、基材の表面に、少なくとも、ポジ型感光層を形成し、更に、適宜選択したその他の層を形成する工程が挙げられる。
前記第2態様のポジ型感光層形成工程としては、前記ポジ型感光性組成物をフィルム状に成形した感光性フィルムを基材の表面に加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において積層することにより、基材の表面に、少なくとも、ポジ型感光層を形成し、更に、適宜選択したその他の層を形成する工程が挙げられる。
前記第1態様のポジ型感光層形成工程において、前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材の表面に、前記ポジ型感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させてポジ型感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記ポジ型感光性組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、メトキシプロピルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いて、前記基材に直接塗布する方法が挙げられる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記ポジ型感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.5〜10μmが好ましく、0.75〜6μmがより好ましく、1〜3μmが特に好ましい。
前記第1態様のポジ型感光層形成工程において形成されるその他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、酸素遮断層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などが挙げられる。
前記その他の層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポジ型感光層上に塗布する方法などが挙げられる。
前記第2態様のポジ型感光層形成工程において、基材の表面に感光層、及び必要に応じて適宜選択されるその他の層を形成する方法としては、前記基材の表面に支持体と該支持体上にポジ型感光性組成物が積層されてなる感光層と、必要に応じて適宜選択されるその他の層とを有する感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層する方法が挙げられ、支持体上にポジ型感光性組成物が積層されてなる感光性フィルムを、該ポジ型感光層が基材の表面側となるように積層する。次いで、支持体をポジ型感光層上から剥離する方法が好適に挙げられる。
前記支持体を剥離することにより、支持体による光の散乱や屈折の等影響により、ポジ型感光性組成物層上に結像させる像にボケ像が生じることが防止され、所定のパターンが高解像度で得られる。
なお、前記感光性フィルムが、後述する保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基材に前記ポジ型感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、70〜130℃が好ましく、80〜110℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.01〜1.0MPaが好ましく、0.05〜1.0MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒートプレス、ヒートロールラミネーター(例えば、大成ラミネーター株式会社製、VP−II)、真空ラミネーター(例えば、名機製作所製、MVLP500)などが好適に挙げられる。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ポジ型感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるのが好ましく、更に表面の平滑性が良好であるのがより好ましい。
前記支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4〜300μmが好ましく、5〜175μmがより好ましく、10〜100μmが特に好ましい。
前記支持体の形状は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの長さのものが挙げられる。
前記支持体は、合成樹脂製であり、かつ透明であるものが好ましく、例えば、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース等のセルロース系フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、ナイロン等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記支持体としては、例えば、特開平4−208940号公報、特開平5−80503号公報、特開平5−173320号公報、特開平5−72724号公報などに記載の支持体を用いることもできる。
前記感光性フィルムにおけるポジ型感光層の形成は、前記基材への前記ポジ型感光性組成物溶液の塗布及び乾燥(前記第1の態様の感光層形成方法)と同様な方法で行うことができ、例えば、該ポジ型感光性組成物溶液をスピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いて塗布する方法が挙げられる。
前記保護フィルムは、前記ポジ型感光層の汚れや損傷を防止し、保護する機能を有するフィルムである。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜40μmが特に好ましい。
前記保護フィルムの前記感光性フィルムにおいて設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記ポジ型感光層上に設けられる。
前記保護フィルムを用いる場合、前記ポジ型感光層及び前記支持体の接着力Aと、前記ポジ光層及び保護フィルムの接着力Bとの関係としては、接着力A>接着力Bであることが好適である。
前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数としては、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記保護フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体に使用されるもの、シリコーン紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、ポリオレフイン又はポリテトラフルオロエチレンシート、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが特に好ましいものとして挙げられる。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロファン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
前記保護フィルムとしては、上述の接着力の関係を満たすために、前記保護フィルムと前記ポジ型感光層との接着性を調整するために表面処理することが好ましい。
前記支持体の表面処理方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などが挙げられる。
前記下塗層の塗設方法の具体例としては、例えば、前記保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフイン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥させることにより形成する方法が挙げられる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂層、中間層、などが挙げられる。
−熱可塑性樹脂層−
前記熱可塑性樹脂層は、アルカリ現像を可能とし、また、転写時にはみ出した該アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層により被転写体が汚染されるのを防止可能とする観点からアルカリ可溶性であることが好ましく、前記感光性フィルムを被転写体上に転写させる際、該被転写体上に存在する凹凸に起因して発生する転写不良を効果的に防止するクッション材としての機能を有していることが好ましく、該感光性フィルムを前記被転写体上に加熱密着させた際に該被転写体上に存在する凹凸に応じて変形可能であるのがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂層に用いる材料としては、例えば、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的には、アメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選択されることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフイン、エチレンと酢酸ビニル又はそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル又はそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル又はそのケン化物のような塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル又はそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル又はそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸プチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記熱可塑性樹脂層の乾操厚さは、2〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましく、7〜16μmが特に好ましい。
−中間層−
前記中間層は、前記ポジ型感光層上に設けられ、前記感光性フィルムがアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層を有する場合には該ポジ型感光層と該アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層との間に設けられる。該ポジ型感光層と該アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層との形成においは有機溶剤を用いるため、該中間層がその間に位置すると、両層が互いに混ざり合うのを防止することができる。
前記中間層としては、水又はアルカリ水溶液に分散乃至溶解するものが好ましい。
前記中間層の材料としては、公知のものを使用することができ、例えば、特開昭46−2121号公報及び特公昭56−40824号公報に記載のポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉及びその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも親水性高分子を使用するのが好ましく、該親水性高分子の中でも、少なくともポリビニルアルコールを使用するのが好ましく、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの併用が特に好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、その鹸化率は80%以上が好ましい。
前記ポリビニルピロリドンを使用する場合、その含有量としては、該中間層の固形分に対し、1〜75体積%が好ましく、1〜60体積%がより好ましく、10〜50体積%が特に好ましい。
前記含有量が、1体積%未満であると、前記感光層との十分な密着性が得られないことがあり、75体積%を超えると、酸素遮断能が低下することがあり、好ましくない。
前記中間層は、酸素透過率が小さいことが好ましい。前記中間層の酸素透過率が大きく酸素遮断能が低い場合には、前記ポジ型感光層に対する露光時における光量をアップする必要が生じたり、露光時間を長くする必要が生ずることがあり、解像度も低下してしまうことがある。
前記中間層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。
前記厚みが、0.1μm未満であると、酸素透過性が高過ぎてしまうことがあり、5μmを超えると、現像時や中間層除去時に長時間を要し、好ましくない。
前記感光性フィルムの構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体上に、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層と、中間層と、ポジ型感光層とを、この順に有してなる形態などが挙げられる。なお、前記ポジ型感光層は、単層であってもよいし、複数層であってもよい。
前記感光性フィルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されるのが好ましい。前記長尺状の感光性フィルムの長さとしては、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られるのが好ましい。また、前記ロール状の感光性フィルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフユージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置するのが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いるのが好ましい。
前記感光性フィルムは、以下に詳細に説明する本発明のパターン形成方法に好適に用いることができる。
なお、前記第2態様の感光層形成方法により形成されたポジ型感光層を有する積層体への露光方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体上にクッション層を介して存在する感光層からなるフィルムの場合は、前記支持体及びクッション層を剥離した後、前記酸素遮断層を介して前記ポジ型感光層を露光することが好ましい。
<ポジ型感光層>
前記ポジ型感光層形成工程で形成されるポジ型感光層としては、(A)アルカリ可溶性樹脂及びキノンジアジド基を有する化合物を少なくとも含むポジ型感光性組成物(以下「キノンジアジド含有型感光性組成物」と称することもある。)、又は(B)アルカリ難溶性樹脂、含窒素塩基性化合物、光酸発生剤、及び界面活性剤を少なくとも含むポジ型感光性組成物(以下「化学増幅型感光性組成物」と称することもある。)のいずれかよりなる。
(A)キノンジアジド含有型感光性組成物
−アルカリ可溶性樹脂−
前記アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリに対して可溶性があれば特に制限はないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂が好適に挙げられる。このアルカリ可溶性のノボラックフェノール樹脂は、フェノール類1モルに対してアルデヒド類0.6〜1.0モルを酸性触媒下、付加縮合することにより得られる。
前記ノボラック型フェノール樹脂としては、上述のようにアルカリ可溶性であり、付加縮合により得られるものであれば特に制限はないが、例えば、m−クレゾールとp−クレゾールとを必須成分として含み、好ましくは、更に前記必須成分以外の第三成分としてのフェノール類を縮合させることにより、高感度、かつ有機アルカリ水溶液での現像を可能にできる。
前記第三成分のフェノール類としては、例えば、フェノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,3,4−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノール、メチレンビスフェノール、メチレンビスp−クレゾール、レゾルシン、カテコール、2−メチルレゾルシン、4−メチルレゾルシン、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、2,3−ジクロロフェノール、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−ブトキシフェノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−ジエチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール・4−フェニルフェノールなどが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、特にクレゾール、ジメチルフェノール、トリメチルフェノールなどの、アルキルフェノールの複数混合物を用いるのが好ましい。また、これらのフェノール類のモノメチロール化体又はジメチロール化体を置換フェノール類として用いることもできる。
前記アルデヒド類としては、例えば、ホルマリンの他、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、グリオキザール、クロロアセトアルデヒド、ジクロロアセトアルデヒド、ブロモアルデヒドなどが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、蟻酸、シュウ酸、酢酸等が挙げられる。
また、比較的狭い分子量分布を有するノボラック樹脂が、現像ラチチュードの広いフォトレジストを得るためには特に好ましい。このようなポリマーの分子量分布の広がりは、一般に重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比、即ち、Mw/Mn値(分散度)で表すことができる。分子量分布が広いほど数値は大きくなり、分子量分布のないものではこの比の値は1となる。典型的なポジ型フォトレジストに用いられるノボラック樹脂は比較的広い分子量分布を有しており、例えば、特聞昭62−172341号公報に示されているように、多くは分散度が5〜10の間にある。また、SPIEブロシーディンク「Advances in Resist Technology and Processing V」第920巻、349ページには、分散度の値が3.0のものよりは、4.55〜6.75のものの方が高いγ値を与えることが示唆されている。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、分散度がこれらと異なり、1.5〜4.0が好ましく、2.0〜3.5がより好ましい。前記分散度が大きすぎる場合には、本発明の効果である広い現像ラチチュードが得られないことがあり、小さすぎると、ノボラック型フェノール樹脂を合成する上で、高度の精製工程を要するので実用上の現実性を欠くがゆえに不適切である。
前記小さな分散度を有するノボラック型フェノール樹脂を製造するには様々な方法が考えられる。
例えば、特定のフェノール性モノマーの選択、縮合反応条件の選択、更には分散度の大きな通常のノボラック型フェノール樹脂を分別沈澱する等の方法でこれを得ることができる。本発明の効果を得るためにはこれらのいずれの方法を用いて製造したものでもよい。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の質量平均分子量(Mw)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1,000〜30,000が好ましく、2,000〜15,000がより好ましい。前記質量平均分子量(Mw)が大きすぎると、上記同様に、広い現像ラチチュードが得られないことがある。
−キノンジアジド基を有する化合物−
前記キノンジアジド基を有する化合物は、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を抑制すると共に、放射線を受けることによって酸を発生し、アルカリ可溶性カルボン酸基含有樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を促進する化合物である。
前記キノンジアジド基を有する化合物としては、例えば、1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル類、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類、1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸アミド類、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド類、等が挙げられる。
前記1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類としては、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、ペンタヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、ヘキサヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、(ポリヒドロキシフェニル)アルカンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル等が挙げられる。
前記トリヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとしては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等が挙げられる。
前記テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとしては、例えば、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等が挙げられる。
前記ペンタヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとしては、例えば、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等が挙げられる。
前記ヘキサヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとしては、例えば、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等が挙げられる。
前記(ポリヒドロキシフェニル)アルカンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとしては、例えば、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、2,3,4,−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルが好ましい。
また、下記構造式(I)及び構造式(II)のいずれかで表される化合物も好ましい。
前記キノンジアジド基を有する化合物の含有量は、前記キノンジアジド含有型感光性組成物中の全固形分の5〜90質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、15〜50質量%が特に好ましい。前記含有量が5質量%未満であると、光の照射によって生成する酸の量が少ないため、光照射部分と未照射部分との現像液となるアルカリ水溶液に対する溶解度の差が小さく、精度の良いパターニングが困難となることがあり、90質量%を超えると、短時間の光照射では、未反応のノボラック型フェノール樹脂が多量に残存するため、前記アルカリ水溶液への溶解性が不足し、現像することが困難となることがある。
前記アルカリ可溶性樹脂と前記キノンジアジド基を有する化合物との使用比率はアルカリ可溶性樹脂100質量部に対しキノンジアジド基を有する化合物5〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。この使用比率が5質量部未満であると、残膜率が著しく低下することがあり、100質量部を超えると感度及び溶剤への溶解性が低下することがある。
−溶解促進剤−
前記キノンジアジド含有型感光性組成物は、溶解促進剤を含んでもよい。
前記溶解促進剤は、感度の向上などの目的で用いられるものであり、ポジ型感光性組成物への添加については多数の例が開示されている。例えば、特開昭61−141441号公報には、トリヒドロキシベンゾフェノンを含有するポジ型フォトレジスト組成物が開示されている。このトリヒドロキシベンゾフェノンを含有するポジ型フォトレジストでは感度及び現像性が改善されるが、耐熱性やプロファイルが悪化するという問題があった。
また、特開昭64−44439号公報、特開平1−177032号公報、特開平1−280748号公報、特開平2−10350号公報、特開平3−200251号公報、特開平3−191351号公報、特開平3−200255号公報、特開平4−299348号公報、及び特開平5−204144号公報には、トリヒドロキシベンゾフェノン以外の芳香族ポリヒドロキシ化合物を添加することにより、耐熱性を悪化させないで高感度化する工夫が示されている。しかし、かかる化合物はこれを添加すると未露光部の膜減りが増加し、結果としてレジストの形状を悪化させるのが普通である。また、現像速度を増加させるが故に、現像ラチチュードも低下するのが一般的である。従って、これらを最小限に抑えるようにして好ましい化合物の構造選択が行われてきた。
代表的なものとしては、分子中の炭素数の総数が12〜50であり、かつフェノール性水酸基の総数が2〜8の化合物を用いる。かかる化合物のうち、本発明で使用するノボラック型フェノール樹脂に添加した際に、該ノボラック型フェノール樹脂のアルカリ溶解速度を増大させる化合物が特に望ましい。また、炭素数が51以上の化合物では本発明の効果が著しく減少することがある。また、11以下の化合物では耐熱性が低下するなどの新たな欠点が発生する。本発明の効果を発揮させるためには、分子中に少なくとも2個の水酸基数を有することが好ましいが、これが9以上になると、現像ラチチュードの改良効果が失われることがある。
前記溶解促進剤としては、例えば、フェノール類、レゾルシン、フロログルシン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、アセトン−ピロガロール縮合樹脂、プロログルシド、2,4,2’,4’−ビフェニルテトロール、4,4’−チオビス(1,3−ジヒドロキシ)ベンゼン、2,4,2’,4’−テトラヒドロキシジフェニルエーテル、2,4,2’,4’−テトラヒドロキシジフェニルスルホキシド、2,4,2’,4’−テトラヒドロキシジフェニルスルホン、トリス(4−ヒドロキジフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキジフェニル)シクロヘキサン、4,4’−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキジフェニル)−1−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキジフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、1,2,2−トリス(ヒドロキジフェニル)プロパン、1,1,2−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキジフェニル)プロパン、2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキジフェニル)ヘキサン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキジフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキジフェニル)ブタン、パラ[α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキジフェニル)−キシレン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記溶解促進剤の添加量は、前記ノボラック型フェノール樹脂に対し2〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。前記添加量が30質量%を超えると、現像時にバターンが変形するという新たな欠点が発生することがあり、2質量%未満であると、感度の向上などの目的を達成することが困難となることがある。
−その他の成分−
前記キノンジアジド含有型感光性組成物には、上記成分以外にも、種々の目的で、必要に応じてその他の添加剤を添加することができる。該その他の添加剤としては、例えば、密着促進剤、溶剤、界面活性剤、熱架橋剤、可塑剤、着色剤などが挙げられる。
前記密着促進剤としては、本発明のポジ型感光性組成物においては、基体との密着性を向上させるために、添加剤として密着促進剤を含有させることができる。このような密着促進剤としては、官能性シランカップリング剤を好適に用いることができる。
前記官能性シランカップリング剤とは、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有するシラン化合物を意味する。該官能性シランカップリング剤としては、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記密着促進剤の使用量は、前記ポジ型感光性組成物の全固形分の10質量%以下が好ましく、7質量%以下が好ましい。
その他の密着促進剤としては、例えば、ベンズイミダゾール類やポリベンズイミダゾール類(特開平6−27657号公報)、低級ヒドロキシアルキル置換ピリジン誘導体(特許第3024695号公報)、含窒素複素環化合物(特開平7−333841号公報)、ウレア又はチオウレア(特開平8−62847号公報)、有機燐化合物(特開平11−84644号公報)、8−オキシキノリン、4−ヒドロキシプテリジン、1,10−フェナントロリン、2,2’−ビピリジン誘導体(特開平11−223937号公報)、ベンゾトリアゾール類(特開2000−171968号公報)、有機燐化合物とフェニレンジアミン化合物、2−アミノ−1−フェニルエタノール、N−フェニルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン,N−エチルジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン又はその誘導体(特開平9−15852号公報)、シクロヘキシル環、モルホリン環を有するベンゾチアゾール、ベンゾアチゾールアミン塩(特開平8−76373号公報)などが挙げられる。
−熱架橋剤−
前記熱架橋剤は、フォトレジスト膜にドライエッチング耐性を向上する場合に添加することができる。熱架橋剤を添加し、ポストベークを行うことによりドライエッチング耐性が改善されるが、添加量とポストベーク条件は、剥離処理適性を考慮して選ぶ必要がある。
使用可能な熱架橋剤は保存安定性を考慮して選択される。
高分子型の熱架橋剤としては、例えば、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートとベンジルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体などが挙げられる。
また、低分子型架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA−ジ(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、フェノールノボラック樹脂のポリ(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラ(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、トリメチロールメタントリ(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)エーテルフェノール、ビスフェノールA−ジ(3−アセトキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、フェノールノボラック樹脂のポリ(3−アセトキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラ(3−アセトキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ペンタエリスリトールポリ(3−クロロアセトキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、トリメチロールメタントリ(3−アセトキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテルなどが挙げられる。
前記熱架橋剤化合物の添加量は、キノンジアジド含有型感光性組成物の全固形分中の1〜50質量%が好ましく、1.5〜30質量%がより好ましく、3〜10質量%が更に好ましい。
前記可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等が挙げられる。
前記可塑剤の添加量は、前記キノンジアジド含有型感光性組成物の全固形分の30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
前記着色剤は、ポジ型感光層は使用時には、塗布後のポジ型感光層表面の性状や、塗布欠陥の検査のために着色する際に好適に用いられる。なお、前記着色剤は、それ自身の光吸収によりポジ型感光層の感度が阻害されないように選択される。
前記着色剤としては、トリアリールメタン染料や有機顔料が好ましい。前記有機顔料は樹脂中に微粒子分散した状態で添加される。好ましい染料としては、例えば、クリスタルバイオレット、メチルバイオレット、エチルバイオレット、オイルブルー#603、ビクトリアピュアーブルーBOH、マラカイトグリーン、ダイアモンドグリーンなどが挙げられる。その他の染料としては、特開平10−97061号公報、特開平10−104827号公報、特公平3−68375号公報などに記載の着色剤が使用できる。
前記有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン、ブリリアント・グリーン・ダイ(C.I.42040)、ビクトリア・ラインブラウFGA、ビクトリア・ラインブラウBO(C.I.42595)、ビクトリア・ブラウBO(C.I.44045)、ローダミン6G(C.I.45160)を挙げることができ、安定な分散物として添加される。
前記着色剤の使用量は、前記キノンジアジド含有型感光性組成物の全固形分の10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
前記溶剤は、本発明のポジ型感光性組成物は、1,2−キノンジアジド化合物と、ノボラック型フェノール樹脂、及び溶解促進剤以外にも、必要に応じて含有されるその他の成分を均一に混合することによって調製することができ、通常、各成分を有機溶剤に溶解又は分散して組成物溶液として調製する。ここにおける有機溶剤としては、必要に応じて含有されるその他の成分を溶解及び均一分散し、かつこれらの成分と反応しないものであればよい。
前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類等のエステル類などが挙げられる。
更に、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。これらは1種を単独使用してもよく、2種類以上を併用しても構わない。
これらの中でも、メトキシプロピレングリコールアセテート、2−ヒドロキシプロピン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどが特に好ましい。
前記界面活性剤は、塗布性、得られる塗膜の平滑性を向上させるために用いることができ、その具体例としては、例えばBM−1000(BM Chemie社製)、メガファックスF142D、同F172、同F173、同F183、同F176PF、同F177PF(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、フロラードFC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190(以上、東レシリコーン(株)製)の商品名で市販されているフッ素系又はシリコーン系界面活性剤を使用することができる。
前記界面活性剤の使用量は、前記キノンジアジド含有型感光性組成物の全固形分の0.05〜10質量%が好ましく、0.08〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましい。前記使用量が、0.05質量%未満であると、有効でなくなることがあり、10質量%を超えると、レジストパターンの密着性が劣化することがある。
(B)化学増幅型感光性組成物
−アルカリ難溶性樹脂−
前記アルカリ難溶性樹脂としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アセタール変性ノボラック型樹脂、アセタール変性ポリヒドロキシスチレン樹脂などが好適に挙げられる。なお、アセタール変性は、前記樹脂において部分的になされていればよい。
前記アセタール変性ノボラック樹脂としては、特に制限はないが、例えばノボラック型フェノール樹脂が好適に挙げられる。前記ノボラック型フェノール樹脂については、キノンジアジド含有型感光性組成物の項で既に述べた通りである。
−アセタール変性ポリヒドロキシスチレン樹脂−
前記アセタール変性ポリヒドロキシスチレン樹脂の基本構造となるポリヒドロキシスチレンも、前記ノボラック型フェノール樹脂と同様に、アルカリ可溶性であることが好ましく、合成方法、該合成方法で用いられる触媒、分散度についても前記ノボラック型フェノール樹脂で説明したもの乃至範囲が好適に挙げられる。
本発明のアセタール変性ポリヒドロキシスチレン樹脂の質量平均分子量(Mw)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、3,000〜30,000が好ましく、4,000〜20,000がより好ましい。前記質量平均分子量(Mw)が大きすぎると、前記アセタール変性ノボラック型フェノール樹脂同様に、広い現像ラチチュードを得る効果は得られないことがある。
−−アセタール変性−−
前記アセタール変性は、原料樹脂のフェノール性OH基に対する、OH基の保護基導入反応の一種である。
前記保護基としては、例えば、アルキル基、アルコキシアルキル基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。前記アルコキシアルキル基としては、例えば、1−エトキシエチル基、メトキシメチル基、1−メトキシエチル基、イソプロポキシエチル基などが挙げられる。これらの中でも、安定性及び脱保護反応性の観点からアルコキシアルキル基が特に好ましい。
前記保護基の導入率は、特に制限はないが、例えば、5〜99モル%が好ましく、10〜70%がより好ましく、15〜50%が特に好ましい。
−含窒素塩基性化合物−
前記含窒素塩基性化合物は、前記ポジ型感光性組成物より形成されるポジ型感光層の感度の向上、すなわち増感剤としての作用を有する。
前記含窒素塩基性化合物としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3級アミン化合物、4級アンモニウム化合物、及びポリマー型アミンのいずれかを含む有機アミン類、並びにアミド類から選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記有機アミン類及びアミド類としては、例えば、特開平5−232706号公報に記載の含窒素塩基性化合物、特開平9−179303号公報に記載の有機アミン、特開平6−27657号公報に記載のベンゾイミダゾール類及びポリベンゾイミダゾール、特開平7−333840号公報に記載のピリジン誘導体、特開平7−333841号公報に記載の含窒素複素環化合物、特開平11−84644号公報に記載の増感剤、特開平11−223937号公報に記載の含窒素ヘテロ環化合物、特開2000−171968号公報に記載のベンゾトリアゾール類、特開平9−15852号公報に記載のフェニレンジアミン化合物およびその誘導体、2−アミノ−1−フェニルエタノール、N−フェニルジエタノ−ルアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン及びその誘導体、特開平8−76373号公報に記載のベンゾチアゾール化合物及びベンゾチアゾールのアミン塩の具体例としてそれぞれ挙げられている化合物などを用いることができる。これら含窒素塩基性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、サリチル酸などの酸性化合物を同時に添加することも可能である。
前記含窒素塩基性化合物の使用量は、前記アルカリ難溶性樹脂に対して0.001〜10質量%が好ましく、0.005〜5質量%がより好ましい。前記使用量が、0.001質量%未満ではパターン形状及び接着性が悪化する傾向があり、10質量%を超えると感度の低下が生じる場合がある。
−光酸発生剤(PAG)−
前記光酸発生剤は、光を受けると酸を発生し、形成されるポジ型感光層を、アルカリ現像により光照射部のみが溶解されるポジ型レジストとして機能できるようにする成分である。
前記光酸発生剤としては、365nm又は405nmの波長に吸収を有する観点から、例えば、ジアゾメタン類、スルホン酸エステル類、オニウム塩類、ハロゲン含有トリアジン化合物類、シアノ基含有オキシムスルホネート化合物類などが挙げられる。
前記ジアゾメタン類としては、例えば、下記構造式で表される化合物などが挙げられる。
前記オニウム塩類としては、例えば、下記構造式で表されるスルホニウム塩などが挙げられる。また、これらと、チオキサントン、10−N−ブチル−2−クロロアクリドンなどの増感剤とを組み合わせて用いることも可能である。
前記ハロゲン含有トリアジン化合物類としては、例えば、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシ−4−エトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシ−4−プロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−エトキシ−4−プロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−プロポキシ−4−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−プロポキシ−4−エトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジプロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5‐トリアジンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いても良い。
前記シアノ基含有オキシムスルホネート化合物類としては、例えば、下記構造式で表される化合物が挙げられる。
前記光酸発生剤の含有量は、前記ポジ型感光性組成物中の全固形分の5〜90質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、15〜50質量%が特に好ましい。前記含有量が5質量%未満であると、光の照射によって生成する酸の量が少ないため、光照射部分と未照射部分との現像液となるアルカリ水溶液に対する溶解度の差が小さく、精度の良いパターニングが困難となることがあり、90質量%を超えると、短時間の光照射では、未反応のアルカリ可溶性樹脂が多量に残存するため、前記アルカリ水溶液への溶解性が不足し、現像することが困難となることがある。
−界面活性剤−
前記化学増幅型感光性組成物における界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する化合物などが挙げられる。また、前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書に記載の界面活性剤が挙げられる。
前記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する化合物としては、市販品を用いてもよい。該市販品としては、例えば、エフトップEF301、同EF303、(以上、新秋田化成(株)製)、フロラードFC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、同F173、同F176、同F189、同R08(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(以上、旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤が挙げられる。また、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として挙げられる。
また、前記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する化合物としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する、重合体を用いた界面活性剤を用いることもできる。前記フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
前記フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーとポリオキシアルキレンアクリレート及びポリオキシアルキレンメタクリレートのいずれかとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。
前記ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基などが挙げられる。また、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとポリオキシエチレンとのブロック連結体や、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロック連結体など、同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。
更に、前記フルオロ脂肪族基を有するモノマーとポリオキシアルキレンアクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は、2元共重合体のみならず、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上のポリオキシアルキレンアクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
前記共重合体としては、例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、同F−470、同F−473、同F−475、同F−476、同F−472(以上、大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。更に、C13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)とポリオキシアルキレンアクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)とポリ(オキシエチレンアクリレート(又はメタクリレート)とポリ(オキシプロピレンアクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)とポリオキシアルキレンアクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)とポリオキシエチレンアクリレート(又はメタクリレート)とポリオキシプロピレンアクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、なども挙げられる。
前記界面活性剤としては、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する化合物以外の、その他の界面活性剤を単独又は併用して用いることもできる。その具体例としては、例えば、前記キノンジアジド含有型感光性組成物の項で挙げたものが使用できる。
前記界面活性剤の使用量は、前記化学増幅型感光性組成物の全固形分の0.0001〜2質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。前記使用量が、0.0001質量%未満であると、有効でなくなることがあり、2質量%を超えると、レジストパターンの密着性が劣化することがある。
−その他の成分−
前記化学増幅型感光性組成物には、上記成分以外にも、種々の目的で、必要に応じてその他の添加剤を添加することができる。該その他の添加剤としては、例えば、密着促進剤、可塑剤、溶剤、着色剤などが挙げられ、これらの具体的成分については、例えば、前記キノンジアジド含有型感光性組成物の項で述べたものが挙げられる。また、これらの化学増幅型感光性組成物における含有量についても、前記キノンジアジド含有型感光性組成物において述べた範囲と同様である。
また、本発明のポジ型感光性組成物溶液の調製においては、例えば、前記ポジ型感光性組成物中の成分を所定の溶剤及びその混合液の少なくともいずれか中に所定の割合で溶解することにより調製できる。前記ポジ型感光性組成物の溶液は、例えば、孔径0.2μmのミクロ濾過フィルター等を用いて濾過した後、使用に供することもできる。
前記ポジ型感光層は、一般によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法などにより上記ポジ型感光性組成物塗布液を塗布することにより形成することができる。
前記ポジ型感光層は、ノボラック型フェノール樹脂、1,2−キノンジアジド化合物、及び溶解促進剤を含有してなり、所望のパターンで露光した際に該露光部をアルカリ水溶液等による現像によって除去するポジ型の感光性組成物から形成される。即ち、アルカリ可溶性のノボラック型フェノール樹脂に対し、1,2−キノンジアジド化合物は溶解禁止剤として作用するが、光を受けると3−インデンカルボン酸を生成し、溶解禁止効果がなくなる。このため、ノボラック型フェノール樹脂、及び1,2−キノンジアジド化合物を含むポジ型感光層は、アルカリ現像により光照射部のみが溶解されるポジ型レジストとして機能する。
前記ポジ型感光層の膜厚は、通常0.2〜30μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜6μmが特に好ましい。前記膜厚が0.2μm未満であると、耐エッチング性が劣ることがあり、30μmを超えると解像度が劣化することがある。
<基材>
前記ポジ型感光層形成工程で用いられる前記基材としては、特に制限はなく、公知の材料の中から表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を有するものまで、目的に応じて適宜選択することができるが、板状の基材(基板)が好ましく、具体的には、ガラス板(例えば、ソーダガラス板、酸化ケイ素をスパッタしたガラス板、石英ガラス板等)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
先行パターンや薄膜を有する基体上を洗浄後に、例えばHMDS(ヘキサメチルホスホルアミド)のような溶剤で処理して基板表面の水分を除去する。ポジ型感光性組成物をスピンコーターを用いて、塗布乾燥する。乾燥温度は100〜150℃が好ましい。
[露光工程]
前記露光工程は、前記ポジ型感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の傾斜角度をなすように配置された露光ヘッドを用い、該露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行う工程である。
前記露光は、前記パターン情報に対応する描画パターンにおいて、前記描素部により形成された描画画素で再現されることにより生じるジャギーのジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかが所定値以下となるよう、
(a)隣接する前記描素部により形成される前記描画画素の配列ピッチ、
(b)複数の前記描画画素からなる二次元状の描画画素群の前記走査方向に対する傾斜角度、
(c)前記走査方向に対する前記描画画素の描画ピッチ、及び
(d)前記走査方向と略直交する方向に隣接して形成される前記描画画素の前記走査方向に対する描画位置の位相差、
の少なくともいずれかを設定し、前記パターン情報に基づいて前記描素部を所定のタイミングで変調制御して行われる。
本発明のパターン形成方法の露光工程に係る露光装置の一例について、以下、図面を参照しながら説明する。前記露光工程における露光方法は、前記露光装置の説明を通じて明らかにする。
<露光装置の構成>
<<露光装置の外観>>
図1は、本発明の実施形態に係る描画装置であるフラットベッドタイプの露光装置10を示す。
露光装置10は、複数の脚部12によって支持された変形の極めて小さい定盤14を備え、この定盤14上には、2本のガイドレール16を介して露光ステージ18が矢印方向に往復移動可能に設置されている。なお、露光ステージ18には、前記パターン形成材料における該ポジ型感光層を、被処理基体上に積層してなる積層体(以下、「感光材料」ということがある)であるシートフイルムFの貼着された基板が吸着保持される。
定盤14の中央部には、ガイドレール16を跨ぐようにして門型のコラム20が設置されている。このコラム20の一方の側部には、シートフイルムFに記録されたアラインメントマークを検出するカメラ22a、22bが固定され、他方の側部には、シートフイルムFに対して描画パターン(画像)を形成する複数の露光ヘッド24a〜24j(描画ヘッド)が位置決め保持されたスキャナ26が固定されている。
図2に、各露光ヘッド24a〜24jの構成を示す。
露光ヘッド24a〜24jには、例えば、前記光照射手段としての光源ユニット28を構成する複数の半導体レーザから出力されたレーザビームLが、合波されて光ファイバ30を介して導入される。レーザビームLが導入された光ファイバ30の出射端には、ロッドレンズ32、反射ミラー34、及びデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36が順に配列されている。
DMD36は、図3に示すように、SRAMセル(メモリセル)38の上に格子状に配列された多数のマイクロミラー40(描画素子)を揺動可能な状態で配置したものであり、各マイクロミラー40の表面には、アルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。SRAMセル38に描画データに従ったデジタル信号が書き込まれると、その信号の状態に応じて、図4及び図5に示すように、各マイクロミラー40が対角線を中心とする所定方向に傾斜する。
図4は、マイクロミラー40がオン状態の方向に傾斜した場合を示し、図5は、マイクロミラー40がオフ状態の方向に傾斜した場合を示す。従って、制御ユニット42から供給されるパターン情報(描画データ)に基づく変調信号でDMD36の各マイクロミラー40の傾きを制御することにより、描画データに応じてレーザビームLを選択的にシートフイルムFに導き、所望の描画パターン(画像)を描画することができる。
オン状態のマイクロミラー40によって反射されたレーザビームLの射出方向には、拡大光学系である第1結像光学レンズ44及び46、DMD36の各マイクロミラー40に対応して多数のレンズを配設したマイクロレンズアレー48、ズーム光学系である第2結像光学レンズ50及び52が順に配列されている。
なお、マイクロレンズアレー48の前後には、迷光を除去するとともに、レーザビームLを所定の径に調整するためのマイクロアパーチャアレー54、56が配設される。
以上のように構成される露光ヘッド24a〜24jは、図6に示すように、シートフイルムFの走査方向(露光ステージ18の移動方向)と直交する方向に2列で千鳥状に配列される。
各露光ヘッド24a〜24jに組み込まれるDMD36は、図7に示すように、高い解像度を実現すべく、走査方向に対して所定角度傾斜した状態に設定される。すなわち、DMD36をシートフイルムFの走査方向に対して傾斜させることにより、DMD36を構成するマイクロミラー40の走査方向と直交する方向に対する間隔が狭くなり、これによって、走査方向と直交する方向に対する解像度を高くすることができる。
なお、露光ヘッド24a〜24j間の継ぎ目が生じることのないよう、各露光ヘッド24a〜24jによる露光エリア58a〜58jが走査方向と直交する方向に重畳するように設定される。
図8は、露光装置10の制御回路の要部構成ブロック図である。露光装置10を制御する制御ユニット42(制御手段)は、エンコーダ62により検出された露光ステージ18の位置データに基づいて同期信号を生成する同期信号生成部64と、生成された同期信号に基づいて露光ステージ18を走査方向に移動させる露光ステージ駆動部66と、シートフイルムFに描画される描画パターン(画像)の描画データを記憶する描画データ記憶部68と、同期信号及び描画データに基づいてDMD36のSRAMセル38を変調制御し、マイクロミラー40を駆動するDMD変調部70とを備える。
また、制御ユニット42は、同期信号生成部64により生成される同期信号を調整する周波数変更部72(描画タイミング変更手段)、位相差変更部74(位相差変更手段)及び移動速度変更部75(移動速度変更手段)を備えることが好ましい。
前記描画タイミング変更手段としての周波数変更部72は、DMD36を構成するマイクロミラー40の走査方向に対するオンオフ制御のタイミングを決定する周波数を変更して同期信号生成部64に供給し、シートフイルムFに描画される画素の走査方向の間隔を調整する。
前記位相差変更手段としての位相差変更部74は、走査方向と略直交する方向に隣接して配列されたマイクロミラー40のオンオフ制御のタイミングの位相差を変更して同期信号生成部64に供給し、シートフイルムFに描画される画素の走査方向に対する位相差を調整する。
前記移動速度変更手段としての移動速度変更部75は、露光ステージ18の移動速度を変更して同期信号生成部64に供給することで露光ステージ18の移動速度を調整する。
さらに、制御ユニット42には、必要に応じて、露光ヘッド回転駆動部76(描画画素群回転手段)、及び光学倍率変更部78(描画倍率変更手段)を配設することが好ましい。
前記描画画素群回転手段としての露光ヘッド回転駆動部76は、露光ヘッド24a〜24jをレーザビームLの光軸の回りに所定角度回転させ、シートフイルムF上に形成される画素配列の走査方向に対する傾斜角度を調整する。なお、露光ヘッド24a〜24jの一部の光学部材を回転させることによって、画素配列の傾斜角度を調整するようにしてもよい。
前記描画倍率変更手段としての光学倍率変更部78は、露光ヘッド24a〜24jの第2結像光学レンズ50、52により構成されるズーム光学系79を制御して光学倍率を変更し、隣接するマイクロミラー40によりシートフイルムF上に形成される画素の配列ピッチ又は同一のマイクロミラー40による描画ピッチを調整する。
<<露光装置の動作>>
露光装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下に、該露光装置を用いて露光を行う際の動作について説明する。
露光ステージ18にシートフイルムFを吸着保持させた後、制御ユニット42は、露光ステージ駆動部66を駆動し、露光ステージ18を定盤14のガイドレール16に沿って一方の方向に移動させる。露光ステージ18がコラム20間を通過する際、カメラ22a、22bがシートフイルムFの所定位置に記録されているアライメントマークを読み取る。制御ユニット42は、読み取ったアライメントマークの位置データに基づき、シートフイルムFの位置補正データを算出する。
位置補正データが算出された後、制御ユニット42は、露光ステージ18を他方の方向に移動させ、スキャナ26によりシートフイルムFに対する描画パターン(画像)の露光を開始する。
すなわち、前記光照射手段としての光源ユニット28から出力されたレーザビームLは、光ファイバ30を介して各露光ヘッド24a〜24jに導入される。導入されたレーザビームLは、ロッドレンズ32から反射ミラー34を介してDMD36に入射する。
一方、描画データ記憶部68から読み出され、位置補正データにより補正された描画データ(パターン情報)は、DMD変調部70において、同期信号生成部64から供給される同期信号に従ったタイミングで変調されてDMD36に供給される。この結果、DMD36を構成する各マイクロミラー40が描画データに従い同期信号に応じたタイミングでオンオフ制御される。
図4及び図5に示すように、DMD36を構成する各マイクロミラー40により所望の方向に選択的に反射されたレーザビームLは、第1結像光学レンズ44及び46によって拡大された後、マイクロアパーチャアレー54、マイクロレンズアレー48、マイクロアパーチャアレー56を介して所定の径に調整され、次いで、光学倍率変更部78を構成する第2結像光学レンズ50及び52により所定の倍率に調整されてシートフイルムFに導かれる。
この場合、露光ステージ18は、定盤14に沿って移動し、シートフイルムFには、露光ステージ18の移動方向と直交する方向に配列される複数の露光ヘッド24a〜24jにより所望の二次元パターン(以下、「二次元画像」という)が描画される。
ところで、前記のようにしてシートフイルムF上に描画される二次元画像は、DMD36を構成するマイクロミラー40に基づく離散的な多数の画素の集合によって構成されている。この場合、描画前のオリジナル画像は、シートフイルムF上の離散的な描画点にマッピングされて再現されるため、前記オリジナル画像と描画点の配置との関係で、描素部に対応したピクセルからなる再現画像において、該画像の端部がギザギザ状となった状態であるジャギーが発生する、あるいは、前記オリジナル画像の線幅の精度が低下する等の不具合が発生するおそれがある。
本発明のパターン形成方法における前記露光方法は、シートフイルムF上に形成される描画画素の配置を調整することにより、ジャギーの発生を抑制し、適切な描画パターンの形成を可能とするものである。
前記描画画素の配置を規定するパラメータとしては、(a)隣接する前記描素部により形成される前記描画画素の配列ピッチ、(b)複数の前記描画画素からなる二次元状の描画画素群の前記走査方向に対する傾斜角度、(c)前記走査方向に対する前記描画画素の描画ピッチ、及び(d)前記走査方向と略直交する方向に隣接して形成される前記描画画素の前記走査方向に対する描画位置の位相差、の4つが挙げられ、これらの少なくともいずれかを設定し、前記描素部を所定のタイミングで変調制御することにより、ジャギーの発生を抑制することができる。
前記(a)〜(d)のパラメータを調整する方法としては、前記描素部により前記ポジ型感光層の被露光面上に形成される描画画素の中心点として制御点を規定し、該制御点の(e)前記制御点の略走査方向に沿った制御点列のピッチ、(f)前記制御点列の並び方向、(g)前記制御点の前記走査方向に対するピッチ、及び(h)前記走査方向と略直交する方向に隣接する前記制御点の前記走査方向に対する位相差、の4つが挙げられ、これらの少なくともいずれかを、描画パターンのジャギーが低減されるように制御する方法が挙げられる。
以下、その一例として、1つのDMD36によって生じるジャギーを抑制する場合について説明する。
図9は、1つのDMD36を構成する多数のマイクロミラー40の配列を模式的に示した図である。
図9において、シートフイルムFの走査方向をy、走査方向yと直交する方向をxとし、略走査方向yに沿って配列されるマイクロミラー40の列をスワス77と定義する。この場合、スワス77は、描画される画像のx方向に対する解像度を高めるため、x方向に対して所定の角度θs(以下、スワス傾斜角度θs(≠90゜)という)に設定される。なお、スワス77上で隣接する2つのマイクロミラー40をDMD画素A、Bとする。
図10は、図9に示すように、DMD36により形成され、シートフイルムF上に形成される描画画素の中心点として規定される制御点(以下、「アドレス格子点」という)と、前記パターン情報に基づく所望の描画パターン(以下、「オリジナル画像」という)との関係を模式的に示した図である。図9において、前記アドレス格子点は、実線丸及び点線丸で示され、前記オリジナル画像80は直線状の描画パターンとして示されている。
この場合、オリジナル画像80は、実線丸で示される複数のアドレス格子点によって再現される。なお、レーザビームLは、各アドレス格子点を中心とする所定のビーム径(ドット径)で画素を形成する。従って、シートフイルムF上に実際に形成される画像は、外郭線82で示すように、実線で示すアドレス格子点の輪郭よりも広がった画像となる。
アドレス格子点の配列は、図10に示すように、格子点列1、格子点列2、及び格子点列3の3種類の見方がある。各格子点列を特定するパラメータとしては、格子点列1〜3のx方向に対する傾斜角度θgi(i=1〜3)、格子点列1〜3を構成するアドレス格子点の格子点ピッチpgi(i=1〜3)、及び、格子点列1〜3の列ピッチdgi(i=1〜3)がある。
これらのパラメータは、スワス77上での隣接するDMD画素A、B(図9参照)によりシートフイルムF上に形成されるアドレス格子点(以下、アドレス格子点A、Bとも言う。)の配列ピッチps(制御点列のピッチ(e))、スワス傾斜角度θs(制御点列の並び方向(f))(ただし、x方向を基準として反時計回りを+とする。)、各アドレス格子点のy方向に対する描画ピッチpy(制御点の走査方向に対するピッチ(g))により決定される。以下、これらのパラメータ間の関係を説明する。
<(I)傾斜角度θgi(i=1〜3)>
図11に示す3つの隣接するアドレス格子点A、B′、B″を考える。格子点列3の傾斜角度θg3は、
θg3=90゜ 式(1)
である。また、格子点列1、2の傾斜角度θg1、θg2については、
N1=integer(ps・sinθs/py)
(integerは、切り捨て演算を表す。)
N2=N1+1
とすると、アドレス格子点Aに対するアドレス格子点B′、B″のy方向の距離Δy1、
Δy2(前記走査方向と略直交する方向に隣接する前記制御点の前記走査方向に対する位相差(h))は、
Δyi=|ps・sinθs−py・Ni| (i=1、2)
となる。また、アドレス格子点A、B′、B″のx方向の描画ピッチpxは、
px=ps・cosθs
で、
tanθgi=Δyi/px (i=1、2) 式(2)
となる。従って、格子点列1〜3の傾斜角度θg1、θg2は、
θgi=tan-1{|ps・sinθs−py・Ni|/(ps・cosθs)}
(i=1、2) 式(3)
として求められる。
<(II)格子点ピッチpgi(i=1〜3)>
格子点列3は、y方向に配列されたアドレス格子点で構成されるから、
pg3=py 式(4)
である。また、
pgi=px/cosθgi (i=1、2) 式(5)
である。
<(III)列ピッチdgi(i=1〜3)>
格子点列3の列ピッチdg3は、
dg3=px 式(6)
である。また、
dgi=py・cosθgi (i=1、2) 式(7)
である。
一方、オリジナル画像80をアドレス格子点によって再現した際に発生するジャギーは、格子点列1〜3によって発生するため、上記で求めた格子点列1〜3のパラメータ及びオリジナル画像80のx方向に対する傾斜角度θLを用いて定義することができる。
この場合、ジャギーは、ジャギーピッチpj1〜pj3、及びジャギー振幅aj1〜aj3により規定される。
<(IV)ジャギーピッチpji(i=1〜3)>
ジャギーピッチpjiは、格子点列1〜3の列ピッチdgiと、格子点列1〜3の傾斜角度θgi及びオリジナル画像80の傾斜角度θLの差(θgi−θL)とにより決定される。
この場合、各格子点列1〜3上にアドレス格子点が連続的に形成されるものと仮定して、平均値としてのジャギーピッチpjiは、
pji=dgi/sin(θgi−θL) (i=1〜3) 式(8)
となる。
<(V)ジャギー振幅aji(i=1〜3)>
図12は、格子点列1とオリジナル画像80との間で発生するジャギーの説明図である。この場合、オリジナル画像80の境界と格子点列1との交点間の距離がジャギーピッチpj1となる。
また、ジャギー振幅aj1は、格子点列1及び格子点列2と、格子点列1及び格子点列3との間でそれぞれ定義できる。これらのジャギー振幅aj1のうち、小さい方を代表値としてのジャギー振幅aj1に選択すると、図12に示す関係から、
aj1=pj1・tanθ′1・tanθ′2/(tanθ′2−tanθ′1)
(θ′1=θg1−θL)
となる。従って、ジャギー振幅ajiは、
aji=pji・tanθ′i・tanθ′k/(tanθ′k−tanθ′i)
(i=1〜3、θ′i=θgi−θL、k=1〜3、i≠k)
式(9)
である。なお、θ′kは、選択されたジャギー振幅ajiの小さい格子点列とオリジナル画像80とのなす角度である。
シートフイルムF上に再現される描画パターンにおけるジャギーは、ジャギーピッチpji及びジャギー振幅ajiがともにある程度大きい場合に視認される。
描画パターンを構成する各画素は、図10に示すアドレス格子点を中心として、レーザビームLのビーム径に基づく所定の径で描画されるため、ジャギーピッチpjiが小さい場合には、ジャギー振幅ajiが大きくてもジャギーが視認されることはない。従って、ジャギーの視認を低下させるためには、ジャギーピッチpji又はジャギー振幅ajiのいずれかが所定値以下となるように、パラメータを設定すればよいことになる。
なお、前記ジャギーピッチ及びジャギー振幅の所定値としては、ポジ型感光層の被露光面に形成される描画画素のドット径、すなわち、レーザビームLのビーム径とすることができる。
ジャギーピッチpji及びジャギー振幅ajiは、式(1)〜(9)から、オリジナル画像80のx方向に対する傾斜角度θL、スワス傾斜角度θs、スワス77上での隣接するDMDにより形成される描画画素A及びBの配列ピッチps、アドレス格子点のy方向に対する描画ピッチpyの各パラメータによって決定される。
従って、これらのパラメータに対応する(a)隣接する前記描素部により形成される前記描画画素の配列ピッチ、(b)複数の前記描画画素からなる二次元状の描画画素群の前記走査方向に対する傾斜角度、(c)前記走査方向に対する前記描画画素の描画ピッチ、及び(d)前記走査方向と略直交する方向に隣接して形成される前記描画画素の前記走査方向に対する描画位置の位相差の各パラメータを調整することにより、ジャギーの発生を抑制し、ジャギーを低減させた画像を再現することができる。なお、各パラメータは、個別に調整して設定してもよく、複数のパラメータを同時に調整してもよい。
この場合、傾斜角度θL、すなわち、複数の前記描画画素からなる二次元状の描画画素群の前記走査方向に対する傾斜角度(b)は、シートフイルムFに形成するオリジナル画像80によって予め決まっている。
スワス傾斜角度θsは、露光ヘッド24a〜24jに組み込まれたDMD36の傾斜角度によって決定されるが、この傾斜角度は、露光ヘッド回転駆動部76により露光ヘッド24a〜24jを光軸の回りに所定角度回転させて調整することができる。なお、露光ヘッド24a〜24jの一部の光学部材、例えば、マイクロレンズアレー48、マイクロアパーチャアレー54、56を回転させることで前記傾斜角度を調整することもできる。また、光学像を回転させるダブプリズム等の像回転素子を配設し、この像回転素子を回転させて前記傾斜角度を調整することもできる。像回転素子は、第2結像光学レンズ50、52の後に配置することができる。また、第2結像光学レンズ50、52を配設することなく、マイクロレンズアレー48により直接シートフイルムF上にレーザビームLを結像させるような装置構成の場合、像回転素子をマイクロレンズアレー48の後に配置することができる。
配列ピッチps、すなわち、隣接する前記描素部により形成される前記描画画素の配列ピッチ(a)は、DMD36を構成するマイクロミラー40の間隔に依存しているが、光学倍率変更部78によりズーム光学系79を構成する第2結像光学レンズ50、52の位置を変更させることで、シートフイルムF上での配列ピッチpsを調整することができる。
描画ピッチpy、すなわち、前記走査方向に対する前記描画画素の描画ピッチ(c)は、同期信号生成部64により生成される同期信号の出力タイミングを周波数変更部72からの周波数変更信号によって調整し、あるいは、移動速度変更部75からの移動速度変更信号を同期信号生成部64に供給して同期信号の出力タイミングを変更し、露光ステージ駆動部66により露光ステージ18のy方向への移動速度を変更することで調整することができる。
なお、傾斜角度θLがy方向の位置によって変化するオリジナル画像80に対しては、スワス傾斜角度θsをオリジナル画像80の傾斜角度θLに応じて迅速に変更することは困難であるため、例えば、周波数変更部72によって描画ピッチpyを変更するのが適当である。
さらに、ジャギーピッチpji及びジャギー振幅ajiは、例えば、図10において、DMDにより形成される描画画素A及びBを同時に描画するのではなく、位相差変更部74によってy方向に対するDMD画素A及びBの描画タイミングを所定時間ずらすことにより、DMD画素Aのx方向に隣接して形成されるDMD画素B′、B″の位相差Δyi、すなわち、前記走査方向と略直交する方向に隣接して形成される前記描画画素の前記走査方向に対する描画位置の位相差(d)を変更し、この結果として傾斜角度θgiを変更して調整することもできる。
図13〜図15及び図16〜図18は、各パラメータを所定の値に設定し、前記式(8)及び式(9)に従って、各格子点列1〜3のジャギーピッチpji及びジャギー振幅ajiを計算した結果を示している。
なお、格子点列間で生じるジャギー振幅については、小さい方の値の絶対値を選択するものとする。また、ジャギーピッチpjiの許容範囲を−5μm〜+5μm、ジャギー振幅ajiの許容範囲を−1μm〜+1μmとする。
図13に示す格子点列1では、オリジナル画像80の傾斜角度θL=0゜〜55゜の範囲で許容されないジャギーが発生し、図14に示す格子点列2では、オリジナル画像80の傾斜角度θL=110゜〜135゜の範囲で許容されないジャギーが発生し、図15に示す格子点列3では、ジャギーが発生しないことが予測される。この場合、例えば、オリジナル画像80に傾斜角度15゜前後の直線が含まれていると、この直線に格子点列1に起因する許容できないジャギーが発生するおそれがある。
これに対して、パラメータを変更した図16〜図18に示す格子点列1〜3では、オリジナル画像80の傾斜角度15゜の前後でいずれもジャギーが発生することがなく、従って、良好な描画パターンが得られることが期待される。
以上、1つのDMD36によって生じるジャギーを抑制する場合について説明したが、複数の露光ヘッド24a〜24jを構成する各DMD36に対し、同様の調整を行うことができることは勿論である。すなわち、複数の描素部からなる描画画素群を複数有し、前記各描素部群で生じるジャギーピッチ及びジャギー振幅のいずれかの平均値が所定値以下となるように調整することができる。
この場合、露光ヘッド24a〜24jの各DMD毎に個別に各パラメータの調整を行ってもよいが、描画される画像全体としてジャギーを低減させるため、各露光ヘッド24a〜24jによって生じるジャギーのジャギーピッチ又はジャギー振幅の平均値が所定値以下となるように、例えば、露光ステージ18の移動速度を調整するようにしてもよい。
また、各パラメータは、オリジナル画像80のパターン、例えば、各オリジナル画像80のy方向に対する傾斜角度θLに応じて設定又は変更するようにしてもよい。
特に、オリジナル画像80のパターンがジャギーの目立ち易いx方向又はx方向に近い方向に延在するライン状のパターンである場合、このパターンに対するジャギーが最も低減されるようにパラメータを調整すると好適である。
また、ジャギーピッチ又はジャギー振幅によって規定されるオリジナル画像80のジャギーの形状と、ジャギーを調整するための各パラメータとの相関関係を求めておき、この相関関係に基づいて最適なパラメータを設定し、あるいは、パラメータが既に設定されている場合には、そのパラメータを変更することにより、適切な画像を容易に得ることが可能となる。
また、前記ジャギーの形状を許容範囲内とすることのできる各パラメータの条件を選択条件として求めておき、オリジナル画像80に応じた所望のパラメータを選択して設定し、あるいは、前記ジャギーの形状を許容範囲外とする各パラメータの条件を禁止条件として求めておき、オリジナル画像80に応じて当該パラメータの選択を禁止するようにすることもできる。
なお、許容範囲としては、任意の範囲を設定することができるが、例えば、形成されるパターンの線幅精度やエッジラフネスを基準として設定することができる。
オリジナル画像80と前記(e)〜(h)の各パラメータとの相関関係は、オリジナル画像80を構成するパターンの方向、例えば、オリジナル画像80の所定の領域内における支配的なパターンの方向、平均値、方向のヒストグラムが最大となる方向等を選択して求めることができる。なお、オリジナル画像80を複数の領域に分割し、各領域毎に前記相関関係を求め、各領域毎にジャギーを低減することのできるパラメータを設定するようにしてもよい。
さらに、ジャギーを低減させるためのパラメータは、初期パラメータを設定した状態で画像を描画し、その画像から、各パラメータとジャギー形状等との相関関係を計測し、最適なパラメータを探索して設定することも可能である。
すなわち、あらかじめ設定した制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)による描画パターンから、制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)の少なくともいずれかと、ジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかにより規定されるジャギーの形状との相関関係を計測して求めることができる。
上述の露光方法においては、マイクロミラー40を直交する格子上に配列したDMD36を使用し、これを傾斜させて露光を行う形態について説明したが、傾斜角度θsで交差する格子上にマイクロミラー40を配列したDMDを使用すれば、DMDを傾斜させることなく露光ヘッド24a〜24jに組み込んでジャギーの抑制された画像を形成することができる。
また、上述の露光方法において、前記光変調手段としては、反射型空間光変調素子であるDMD36を用いた場合について説明したが、前記DMD以外の前記光変調手段として、透過型空間光変調素子(LCD)を使用することもできる。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM:Spacial Light Modulator)や、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)や液晶光シャッタ(FLC)等の液晶シャッターアレイ等、MEMSタイプ以外の空間光変調素子を用いることも可能である。なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基盤としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間光変調素子とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間光変調素子を意味している。
さらに、グレーティングライトバルブ(GLV:Grating Light Valve)を複数ならべて二次元状に構成したものを用いることもできる。これらの反射型空間光変調素子(GLV)や透過型空間光変調素子(LCD)を使用する構成においては、前記光照射手段として、レーザの他にランプ等を光源として使用することができる。
また、上述の露光方法において、前記光照射手段としては、半導体レーザを光源とする態様について説明したが、前記半導体レーザ以外に、例えば、固体レーザ、紫外LD、赤外LD等を用いることもできる。さらに、複数の発光点が二次元状に配列された光源(例えば、LDアレイ、有機ELアレイ等)を使用することもできる。
レーザの波長は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性組成物の露光時間の短縮を図る目的から、330〜650nmが好ましく、340〜445nmがより好ましく、350〜415nmが特に好ましい。
前記露光装置としては、フラットベッドタイプの露光装置10を例に挙げたが、フラットベッドタイプ以外の露光装置であってもよく、例えば、感光材料がドラムの外周面に巻きつけられるアウタードラムタイプの露光装置、感光材料がシリンダの内周面に装着されるインナードラムタイプの露光装置であってもよい。
[現像工程]
前記現像工程としては、前記露光工程により前記ポジ型感光層を露光し、未露光部分を除去することにより現像する工程を有する。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
本発明では、現像工程において、2種以上の現像強度の異なる現像液を用いて現像を行うことにより、上記露光工程での強度変調露光と組み合わせて、TFTアレイ基板の製造工程での工程数の減少が可能となる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。
該アルカリ性の水溶液は、アルカリ性物質の希薄水溶液を使用するが、さらに、水と混和性の有機溶剤を少量添加したものを用いてもよい。前記アルカリ性物質としては、例えば、アルカリ金属水酸化物類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕−5−ノナン又は燐酸三ナトリウムを挙げることができる。
前記アルカリ性物質の濃度は、0.01質量%〜30質量%であり、pHは8〜14が好ましい。
また、上記の水と混和性のある適当な有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドンを挙げることができる。水と混和性の有機溶剤の濃度は、0.1質量%〜30質量%が一般的である。
現像液には、さらに公知のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
前記現像液の温度としては、前記ポジ型感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等が挙げられる。
前記シャワー現像について説明すると、露光後のポジ型感光層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前にポジ型感光層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
[その他の工程]
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のパターン形成における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、硬化処理工程、エッチング工程、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−硬化処理工程−
前記現像工程後に、ポジ型感光層に対して硬化処理を行う硬化処理工程を備えることが好ましい。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像工程の後に、前記パターンが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記ポジ型感光層を形成する感光性組成物中の樹脂の硬化が促進され、前記パターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像工程の後に、前記パターンが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記ポジ型感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
−エッチング工程−
前記エッチング工程としては、公知のエッチング処理方法の中から適宜選択した方法により行うことができ、レジストパターンで覆われていない下地部分を除去するために行い、薄膜のパターンを得る。
エッチング液による処理(ウエットエッチング)、及び減圧下でのガス放電により反応させてガス状にして処理(ドライエッチング)のいずれかを行う。
前記ウエットエッチングを行う場合は、エッチャントの浸透によるアンダーカットを防止するためにポストベークを行うことが望ましい。通常これらのポストベークは110℃〜140℃程度で行われるが、必ずしもこれに限られてはいない。使用されるエッチャントには、塩化第二鉄/塩酸系、塩酸/硝酸系、臭化水素酸系などを代表例として、多くのエッチャントが開発され使用されている。Cr用には硝酸セリウムアンモニウム溶液、Ti、Ta用には希釈フッ酸、Mo用には過酸化水素水、MoW、Alにはリン硝酸、ITO用には希釈王水、塩化第二鉄溶液、ヨウ化水素水、SiNxやSiOには緩衝フッ酸、a−Si、n+a−Siにはフッ硝酸がそれぞれ使用される。
本発明の感光性組成物においては、熱架橋剤をポジ型感光層中に添加して、ポストベークを行うことによりレジストパターンの耐ドライエッチ性を改良することができる。
前記ドライエッチングにおいて用いられるエッチャントガスとしては、それぞれの膜種に適合するエッチャントガスが使用される。a−Si/nやs−Si用には四フッ化炭素(塩素)+酸素、四フッ化炭素(六フッ化硫黄)+塩化水素(塩素)、a−SiNx用には四フッ化炭素+酸素、a−SiOx用には四フッ化炭素+酸素、三フッ化炭素+酸素、Ta用には四フッ化炭素(六フッ化硫黄)+酸素、MoTa/MoW用には四フッ化炭素+酸素、Cr用には塩素+酸素、Al用には三塩化硼素+塩素、ITO用にはメタン系、臭化水素、臭化水素+塩素、ヨウ化水素等が挙げられる。
−レジスト剥離−
終わりに、パターン形成のために用いたレジストを剥離液にて取り除く(ウエット剥離)か、あるいは、減圧下での酸素ガスの放電により酸化させてガス状にして取り除く(ドライ剥離/アッシング)か、あるいはオゾンとUV光によって酸化させてガス状にして取り除く(ドライ剥離/UVアッシング)など、いくつかの剥離方法によってレジスト除去を行う。剥離液には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液のような水溶液系とアミンとジメチルスルホキシドやN−メチルピロリドンの混合物のような有機溶剤系が一般的に知られている。後者の例としてはモノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド混合物(質量混合比=7/3)が良く知られている。
本発明のパターン形成方法は、ポジ型感光層上に結像させる像の歪みを抑制することにより、パターンを高精細に、かつ、効率よく形成可能であるため、高精細な露光が必要とされる各種パターンの形成などに好適に使用することができ、特に大面積のTFTアレイ基板の形成に好適に使用することができる。
(TFTアレイ基板)
TFTアレイ基板は、本発明の前記パターン形成方法により形成することができる。即ち、前記本発明のポジ型感光性組成物からなるポジ型感光層を、TFT(薄膜トランジスター)アクティブマトリクス基板(TFTアレイ基板)上に形成し、露光し現像して同一のTFTアレイ基板上に複数の画素電極を形成する。
この場合、前記ポジ型感光層の形成、露光、現像、エッチング等については、本発明の前記パターン形成方法と同様である。
ここで、LCD用TFTアレイ基板について図19を参照して説明する。
図19は、LCD用TFTアレイ基板の基本的な断面構造図を示す。このTFTアレイ基板は、(1)まず、ガラス基板501上にモリブデンタンタル(MoTa)などによりゲート電極502a、Cs電極502bを設ける。(2)次に、ゲート電極の上にシリコン酸化膜(SiOx)503やシリコン窒化膜(SiNx)504などによりゲート酸化膜を形成し、このゲート酸化膜上に、(3)半導体活性層である非晶質シリコン層(a−Si)505を形成する。(4)更に、接合抵抗を低減するためのN不純物を混合したa−Si層506を設ける。(5)その後、アルミニウムなどの金属によりドレイン電極507a、ソース電極507bを形成する。このドレイン電極507aはデータ信号線に接続され、ソース電極507bは画素電極(又は、サブ画素電極)509に接続される。(6)最後に、半導体層(a−Si層)やドレイン電極、ソース電極を保護するような窒化膜(SiNx)508などによる保護膜が設けられる。
次に、TFTアレイ基板の製造工程について、図20に基づいて説明する。
まず、図20A工程に示すように、絶縁性基板521上に、ゲート電極になる金属膜522をガラス基板の全面にスパッタリングにて付ける。この金属膜における金属としては、例えば、タンタル(Ta)、モリブデンタンタル(MoTa)、モリブデンタングステン(MoW)などの合金、アルミニウム(Al)などが挙げられる。
次に、図20B工程に示すように、フォトレジスト塗布、乾燥、マスク露光、現像、エッチングにより金属パターン522aを形成する(以下、この一連の工程を「フォトエッチング工程」と称することもある)。このフォトエッチング工程は、前記本発明のパターン形成方法により行われる。
次に、CVD技術により図20C工程に示すように、ゲート酸化膜(SiOx)523を形成する。
次に、CVD技術によって図20D工程に示すように、半導体膜(a−Si)524を蒸着する。
更に、図20E工程に示すように、リン(N)を微量添加した半導体膜525を形成する。その後、TFTとなる部分のみを前記本発明のフォトエッチング工程により図20F工程に示すように、パターニングして、半導体層(a−Si膜)524aを形成する。
その後、画素電極となる部分に透明導電膜であるITO膜526を図20G工程に示すように、スパッタし、前記本発明のフォトエッチング工程によって図20H工程に示すように、画素電極526aを形成する。
一方、蓄積キャパシタCsの電源部を形成するため、Cs上のゲート酸化膜の一部を前記本発明のフォトエッチング工程により図20I工程に示すように、パターニングして除去する(523a)。
次に、TFTのドレイン電極、ソース電極になる部分にアルミニウムやチタンなどの金属層527を図20J工程に示すように、スパッタリングにより成膜する。次いで、前記本発明のフォトエッチング工程によって図20K工程に示すように、パターニングして、ソース電極527aとドレイン電極527bを形成する。
最後に、TFTなどの素子を保護するために窒化膜(SiNx)などの保護膜をCVD法によって成長させる。この保護膜を成長させた後に、前記本発明のフォトエッチング工程によってパターニングして保護膜を形成する。以上により、TFTアレイ基板を作製できる。
(液晶表示素子)
本発明の液晶表示素子は、既述の本発明のパターン形成方法により製造した前記本発明のTFTアレイ基板を備えてなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記液晶表示素子の基本的な構成態様としては、(1)薄膜トランジスタ(以下、「TFT」という。)等の駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された前記本発明のTFTアレイ基板(駆動側基板)と、カラーフィルタ及び対向電極(導電層)を備えるカラーフィルタ側基板とをスペーサを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるもの、(2)カラーフィルタが前記本発明のTFTアレイ基板に直接形成されたカラーフィルタ一体型TFTアレイ基板と、対向電極(導電層)を備える対向基板とをスペーサを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるもの等が挙げられる。
前記導電層としては、例えば、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられ、これらの中でも、透明性を有するものが好ましく、ITO膜が特に好ましい。
前記本発明のTFTアレイ基板、カラーフィルタ側基板、対向基板は、その基材として、例えば、ソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板、又はプラスチックフィルム等を用いて構成される。
本発明の液晶表示素子は、本発明のパターン形成方法により形成された微細なTFTを欠陥無く密に形成したTFTアレイ基板を用いているので、約1m角以上の大画面のLCDを高品質であり、かつ安価に提供できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
1,160mm×980mmガラス基板の前面にマグネトロンDCスパッタリングにてアルミニウム(Al)膜を成膜した。該アルミニウム(Al)膜上に、下記の組成のポジ型感光性組成物をスピンコーターを用いて2,500rpmで20秒間塗布し、120℃のオーブン中で2分間乾燥することにより、厚さ1.5μmのポジ型感光層(フォトレジスト膜)を形成した。
−ポジ型感光性組成物(溶液)の組成−
m−クレゾール/o−エトキシフェノールモル比70/30)(ホルマリンからのノボラック樹脂を反応後、再沈殿したもの、重量平均分子量=11,600、Mw/Mn=3.1)・・・70質量部
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼンの1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル・・・35質量部
4,4’−(1−α−メチルベンジリデン)ビスフェノール・・・30質量部
フッ素系界面活性剤(F176PF、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・1質量部
1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)−2−チオウレア・・・3.6質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・425質量部
<露光工程>
次に、基材上のポジ型感光層に対し、以下に説明する露光装置を用い、TFTパターンを有するレーザ光を50mJ/cmの照射量で露光し、パターニングを行った。また、得られたパターンについて以下に説明する方法により、ジャギーの有無及びエッジラフネスの評価を行なった。結果を表3に示す。
−露光装置−
前記露光装置として、図2に示した構成の露光ヘッドを備え、図1に示す外観のフラットベットタイプの露光装置を用いた。制御ユニット42は、図8に示す制御回路を有する。前記露光ヘッドは、前記光照射手段として半導体レーザ光源と、前記光変調手段として図3に概略図を示したDMD36において、マイクロミラー40が、主走査方向に1024個配列され、副走査方向に768組配列された内、1024個×256列のみを駆動するように制御したDMD36を備えている。
該露光ヘッドを、走査方向に対し、前記DMDの列方向が15°となるように配置し、該露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行った。
各パラメータを図16に示した値と同様に設定して、露光を行った。このとき、図16から明らかなとおり、オリジナル画像80の傾斜角度15゜の前後でいずれもジャギーが発生することがなく、良好な描画パターンが得られることが期待される。
<現像工程>
0.5質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる現像液で、25℃にて1分間現像した後、超純水で1分間シャワー水洗した。
−ジャギーの有無の評価−
前記ポジ型感光層に、前記露光装置を用いて、前記露光ヘッドの走査方向と直交する方向の横線パターンが形成されるように照射して露光し、パターンを形成した。
形成されたパターンのうち、ライン幅10μmのラインの任意の5箇所について、レーザ顕微鏡(VK−9500、キーエンス(株)製;対物レンズ50倍)を用いて観察し、ジャギーの有無を評価した。ジャギーピッチpjiの許容範囲は−5μm〜+5μm、ジャギー振幅ajiの許容範囲を−1μm〜+1μmとし、許容範囲を外れたものについて、ジャギー有りとして評価した。
−エッジラフネスの評価−
前記ポジ型感光層に、前記露光装置を用いて、前記露光ヘッドの走査方向と直交する方向の横線パターンが形成されるように照射して露光し、パターンを形成した。得られたパターンのうち、ライン幅10μmのラインの任意の5箇所について、レーザ顕微鏡(VK−9500、キーエンス(株)製;対物レンズ50倍)を用いて観察し、視野内のエッジ位置のうち、最も膨らんだ箇所(山頂部)と、最もくびれた箇所(谷底部)との差を絶対値として求め、観察した5箇所の平均値を算出し、これをエッジラフネスとした。該エッジラフネスは、値が小さい程、良好な性能を示すため好ましい。
<エッチング工程>
リン硝酸エッチャントによりレジストに被覆されていないアルミニウム(Al)部を除去し、アルミニウム(Al)製ゲート電極パターンを形成した。
なお、以上の工程を、本発明のフォトエッチング工程と称する。
<TFTアレイ基板の作製>
図2A工程〜図2K工程に示すTFTアレイ基板の製造方法に従ってTFTアレイ基板を作製した。即ち、プラズマCVD技術により、ゲート酸化膜(約400nm厚のSiOx)を形成した。
次に、プラズマCVD技術によって半導体膜(約100nm厚のa−Si)を蒸着し、さらにリン(N)を微量添加し、その後、TFTとなる部分のみを、前記と同様にポジ型感光性組成物を使用した本発明のフォトエッチング工程によりパターニングし、半導体層(a−Si膜)を形成した。
その後、画素電極となる部分に透明導電膜であるITO膜(約100nm厚)をスパッタし、フォトエッチング工程によって画素電極を形成した。
一方、蓄積キャパシタCsの電源部を形成するためにCs上のゲート酸化膜の一部を前記と同様にポジ型感光性組成物を使用した本発明のフォトエッチング工程によりパターニングして除去した。
次に、TFTのドレイン電極、ソース電極になる部分にアルミニウム(Al)をスパッタし、前記と同様にポジ型感光性組成物を使用した本発明のフォトエッチング工程によってパターニングして、各電極を形成した。
最後に、窒化膜(SiNx)の保護膜をCVD法によって成長させた。この成長の後に、前記と同様にポジ型感光性組成物を使用した本発明のフォトエッチング工程によってパターニングして保護膜を形成しTFTアレイを作製した。
いずれのフォトエッチング工程においてもパターンエッジの切れは良好であった。
(実施例2)
アルカリ可溶性樹脂としてクレゾールノボラック樹脂(m/p比=60/40、重量平均分子量 5,500)37質量部、キノンジアジド基を有する化合物として下記構造式(I)で表される化合物(以下、「感光剤1」と称する。)4.44質量部、密着促進剤としてシクロヘキシルモルホリノエチルチオウレア1.3質量部、及び界面活性剤として下記化合物(*)0.04質量部を、溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート164.55質量部に溶解し、ポジ型感光性組成物を調製した。
*界面活性剤;C13CHCHOCOCH=CH;40質量部とH(OCH(CH)CHOCOCH=CH;55部とH(OCHCHOCOCH=CH;5部との共重合体(質量平均分子量30,000)
調製したポジ型感光性組成物を、Cr膜が形成されたガラス基板(360mm×460mm)上に膜厚1.5μmになるようにスピンナー塗布したのち、ホットプレートの温度を120℃とし、基板の裏面とホットプレートとの間が約0.5mmになるように両者を設置し、60秒間乾燥を行い、次いでホットプレート上に基板の裏面が直接接触するように配置して110℃で60秒間加熱してポジ型感光層を得た。
得られたポジ型感光層に、実施例1と同様にして露光、現像、及びエッチングを行ない、ジャギーの有無及びエッジラフネスを評価した。結果を表3に示す。
(実施例3〜8)
実施例2において、ポジ型感光性組成物の組成を、表1に示すように代えた以外は、実施例2と同様にしてポジ型感光性組成物を形成し、実施例1と同様にして露光、現像、及びエッチングを行ない、ジャギーの有無及びエッジラフネスを評価した。結果を表3に示す。
表1中、各成分の具体的内容は以下の通りである。
アルカリ可溶性樹脂;クレゾールノボラック樹脂(m/p比=60/40、重量平均分子量 5,500)
感光剤1;前記構造式(I)で表される化合物
感光剤2;下記構造式(II)で表される化合物
密着促進剤;シクロヘキシルモルホリノエチルチオウレア
界面活性剤;C13CHCHOCOCH=CH;40質量部とH(OCH(CH)CH)7OCOCH=CH;55部とH(OCHCHOCOCH=CH;5部との共重合体(質量平均分子量30,000)
溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(実施例9)
<感光層形成工程>
1,160mm×980mmガラス基板の前面にマグネトロンDCスパッタリングにてアルミニウム(Al)膜を成膜した。該アルミニウム(Al)膜上に、下記の組成の化学増幅ポジ型感光性組成物をスピンコーターを用いて500rpmで30秒間塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥することにより、厚さ1.5μmの化学増幅ポジ型感光層(フォトレジスト膜)を形成した。
−化学増幅ポジ型感光性組成物(溶液)の組成−
アルカリ難溶性樹脂1;ポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量=14,700、Mw/Mn=2.48)に29モル%の1−エトキシエチル基を保護基として導入した樹脂・・・312.6質量部
光酸発生剤;CGI.1397(チバ スペシャルティ ケミカルズ社製)・・・4.28質量部
含窒素塩基性化合物1;1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)−2−チオウレア・・・1.0質量部
界面活性剤1;メガファックF176(大日本インキ社製)・・・0.3質量部
溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・1,670質量
このようにして得られたポジ型感光層に、実施例1と同様にして露光、現像、及びエッチングを行ない、ジャギーの有無及びエッジラフネスを評価した。結果を表3に示す。
(実施例10)
実施例9において、表2に示すように、含窒素塩基性化合物1をトリn―ブチルアミン(以下「含窒素塩基性化合物2」と称す。)0.2質量部に代え、かつ界面活性剤1をメガファックR08(大日本インキ社製、以下「界面活性剤2」と称す。)に代えた以外は、実施例9と同様にしてポジ型感光性組成物を形成し、実施例1と同様にして露光、現像、及びエッチングを行ない、ジャギーの有無及びエッジラフネスを評価した。結果を表3に示す。
(実施例11)
実施例9において、表2に示すように、アルカリ難溶性樹脂1をノボラック樹脂(m/p比=72/28、重量平均分子量=5800、Mw/Mn=3.97)に22モル%の1−エトキシエチル基を保護基として導入した樹脂(以下「アルカリ難溶性樹脂2」と称す。)に、含窒素塩基性化合物1の量を0.15質量部に、光酸発生剤の量を6.9質量部に、界面活性剤1をポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業社製、以下「界面活性剤3」と称す。)に、それぞれ代えた以外は、実施例9と同様にしてポジ型感光性組成物を形成し、実施例1と同様にして露光、現像、及びエッチングを行ない、ジャギーの有無及びエッジラフネスを評価した。結果を表3に示す。
(実施例12)
実施例11において、表2に示すように、含窒素塩基性化合物1を含窒素塩基性化合物2;0.1質量部に代えた以外は、実施例11と同様にしてポジ型感光性組成物を形成し、実施例1と同様にして露光、現像、及びエッチングを行ない、ジャギーの有無及びエッジラフネスを評価した。結果を表3に示す。
(実施例13)
実施例9において、表2に示すように、界面活性剤1をポリエチレングリコールジステアレート(以下「界面活性剤4」と称す。)に代えた以外は、実施例9と同様にしてポジ型感光性組成物を形成し、実施例1と同様にして露光、現像、及びエッチングを行ない、ジャギーの有無及びエッジラフネスを評価した。結果を表3に示す。
(実施例14)
実施例11において、表2に示すように、界面活性剤1をポリオキシアルキレンアルキルエーテル(花王社製、エマルゲン108、以下「界面活性剤5」と称す。)に代えた以外は、実施例11と同様にしてポジ型感光性組成物を形成し、実施例1と同様にして露光、現像、及びエッチングを行ない、ジャギーの有無及びエッジラフネスを評価した。結果を表3に示す。
また、実施例2〜14の各例について、実施例1と同様にしてTFTアレイ基板を作製したところ、各例におけるいずれのフォトエッチング工程においてもパターンエッジの切れは良好であった。
(比較例1)
実施例1において、各パラメータの設定及び変更を行わずに露光を行った以外は、実施例1と同様にして露光、現像、及びエッチングを行ない、ジャギーの有無及びエッジラフネスを評価した。結果を表3に示す。
(比較例2)
実施例2において、各パラメータの設定及び変更を行わずに露光を行った以外は、実施例2と同様にして露光、現像、及びエッチングを行ない、ジャギーの有無及びエッジラフネスを評価した。結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例9において、各パラメータの設定及び変更を行わずに露光を行った以外は、実施例9と同様にして露光、現像、及びエッチングを行ない、ジャギーの有無及びエッジラフネスを評価した。結果を表3に示す。
表3の結果から、比較例1〜3のパターンと比較して、本発明のパターン形成方法により形成された実施例1〜14のパターンは、ジャギーが抑制され、エッジラフネスも小さく、高精細であることが判った。
また、比較例1〜3の各例について、実施例1と同様にしてTFTアレイ基板を作製したところ、いずれのフォトエッチング工程においてもパターンエッジの切れが、上述のようにジャギーが抑制されず、エッジラフネスも実施例1〜14に比して良くないことに起因して劣っていた。
(実施例15)
[液晶表示装置の作製及び評価]
実施例1〜14及び比較例1〜3のTFTアレイ基板を用いて、公知の方法(特開平11−248921号公報)により液晶パネルを作製し、表示性能を評価したところ、比較例1〜3の液晶表示装置と比較して、実施例1〜14の液晶表示装置は、良好な表示特性を示すことが確認できた。
本発明のパターン形成方法は、フォトマスクを用いずに、露光速度を低下させることなく、ジャギーが低減された所望の描画パターンを被露光面上に形成することにより、前記パターンの線幅ばらつきを極めて少なく、高精細に形成可能であるため、高精細な露光が必要とされるTFTアレイ基板やプラズマディスプレイ(PDP)の電極板の製造に好適であり、本発明のパターン形成方法で製造されたTFTアレイ基板はノートパソコン、テレビモニター等の大型の液晶表示装置(LCD)用、PALC(プラズマアドレス液晶)、プラズマディスプレイ(PDP)用として好適に用いられる。
図1は、露光装置の外観斜視図である。 図2は、露光装置における露光ヘッドの概略構成図である。 図3は、光変調手段としてのデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図である。 図4は、図3に示すDMDを構成するマイクロミラーがオン状態に設定されている場合の説明図である。 図5は、図3に示すDMDを構成するマイクロミラーがオフ状態に設定されている場合の説明図である。 図6は、露光装置における露光ヘッドと、露光ステージに位置決めされたシートフイルム(感光層の被露光面)との関係説明図である。 図7は、露光装置における露光ヘッドと、シートフイルム(感光層の被露光面)上の露光エリアとの関係説明図である。 図8は、露光装置の制御回路ブロック図である。 図9は、露光装置における露光ヘッドに使用されるDMDを構成するマイクロミラーの配列状態の説明図である。 図10は、露光ヘッドにより形成される描画パターンのパラメータの説明図である。 図11は、露光ヘッドにより形成される描画パターンのパラメータの説明図である。 図12は、露光ヘッドにより形成される描画パターンのパラメータの説明図である。 図13は、露光ヘッドにより形成される描画パターンのジャギーピッチ及びジャギー振幅の計算結果説明図である。 図14は、露光ヘッドにより形成される描画パターンのジャギーピッチ及びジャギー振幅の計算結果説明図である。 図15は、露光ヘッドにより形成される描画パターンのジャギーピッチ及びジャギー振幅の計算結果説明図である。 図16は、露光ヘッドにより形成される描画パターンのジャギーピッチ及びジャギー振幅の計算結果説明図である。 図17は、露光ヘッドにより形成される描画パターンのジャギーピッチ及びジャギー振幅の計算結果説明図である。 図18は、露光ヘッドにより形成される描画パターンのジャギーピッチ及びジャギー振幅の計算結果説明図である。 図19は、LCD用TFT基板の代表的な断面構造を示す図である。 図20は、LCD用TFTアレイの製造工程を示す断面図である。
符号の説明
10 露光装置
18 露光ステージ
24a〜24j 露光ヘッド
26 スキャナ
28 光源ユニット
36 DMD
38 SRAMセル
40 マイクロミラー
42 制御ユニット
48 マイクロレンズアレー
58a〜58j 露光エリア
64 同期信号生成部
66 露光ステージ駆動部
68 描画データ記憶部
70 DMD変調部
72 周波数変更部
74 位相差変更部
75 移動速度変更部
76 露光ヘッド回転駆動部
77 スワス
78 光学倍率変更部
79 ズーム光学系
80 オリジナル画像
F シートフイルム
L レーザビーム
501 ガラス基板
502a ゲート電極
502b Cs電極
503 シリコン酸化膜
504 シリコン窒化膜
505 非晶質シリコン層(a−Si)
506 N不純物を混合したa−Si層
507a ドレイン電極
507b ソース電極
508 保護層
509 画像電極
521 絶縁性基板
522a 金属パターン
523 ゲート酸化膜
524 半導体膜
525 N不純物を混合したa−Si層
526 ITO膜
527a ドレイン電極
527b ソース電極

Claims (14)

  1. ポジ型感光性組成物を用いて基材の表面に、少なくとも、ポジ型感光層を形成するポジ型感光層形成工程と、
    該ポジ型感光層に対し、
    光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の傾斜角度をなすように配置された露光ヘッドを用い、該露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させ、
    前記パターン情報に対応する描画パターンにおいて、前記描素部により形成された描画画素で再現されることにより生じるジャギーのジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかが所定値以下となるよう、
    (a)隣接する前記描素部により形成される前記描画画素の配列ピッチ、
    (b)複数の前記描画画素からなる二次元状の描画画素群の前記走査方向に対する傾斜角度、
    (c)前記走査方向に対する前記描画画素の描画ピッチ、及び
    (d)前記走査方向と略直交する方向に隣接して形成される前記描画画素の前記走査方向に対する描画位置の位相差、
    の少なくともいずれかを設定し、前記パターン情報に基づいて前記描素部を所定のタイミングで変調制御して露光を行う露光工程と、
    該露光工程により露光されたポジ型感光層を現像する現像工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
  2. ポジ型感光層が、ポジ型感光性組成物を基材の表面に塗布し、乾燥することにより形成される請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. ポジ型感光性組成物が、アルカリ可溶性樹脂及びキノンジアジド基を有する化合物を含み、該アルカリ可溶性樹脂がノボラック型フェノール樹脂である請求項1から2のいずれかに記載のパターン形成方法。
  4. ポジ型感光性組成物が、アルカリ難溶性樹脂、含窒素塩基性化合物、光酸発生剤、及び界面活性剤を含む請求項1から2のいずれかに記載のパターン形成方法。
  5. 露光が、描画画素群回転手段、描画倍率変更手段、描画タイミング変更手段、移動速度変更手段、及び位相差変更手段の少なくともいずれかを備えた露光装置を用いて行われる請求項1から4のいずれかに記載のパターン形成方法。
  6. 描画パターンに応じて、配列ピッチ(a)、傾斜角度(b)、描画ピッチ(c)、及び位相差(d)の少なくともいずれかを設定する請求項1から5のいずれかに記載のパターン形成方法。
  7. 描画パターンの走査方向に対する傾斜角度に応じて、配列ピッチ(a)、傾斜角度(b)、描画ピッチ(c)、及び位相差(d)の少なくともいずれかを設定する請求項1から6のいずれかに記載のパターン形成方法。
  8. 走査方向と直交、又は略直交する方向の描画パターンにおいて生じるジャギーのジャギーピッチ及びジャギー振幅のいずれかが、所定値以下になるよう、配列ピッチ(a)、傾斜角度(b)、描画ピッチ(c)、及び位相差(d)の少なくともいずれかを設定する請求項1から7のいずれかに記載のパターン形成方法。
  9. 配列ピッチ(a)、傾斜角度(b)、描画ピッチ(c)、及び位相差(d)の調整が、
    前記描素部によりポジ型感光層の被露光面上に形成される描画画素の中心点として規定される制御点の
    (e)前記制御点の略走査方向に沿った制御点列のピッチ、
    (f)前記制御点列の並び方向、
    (g)前記制御点の前記走査方向に対するピッチ、及び
    (h)前記走査方向と略直交する方向に隣接する前記制御点の前記走査方向に対する位相差、
    の少なくともいずれかを、描画パターンのジャギーが低減されるように制御することにより行われる請求項1から8のいずれかに記載のパターン形成方法。
  10. 制御点列のピッチ(e)、並び方向(f)、前記制御点の前記走査方向に対するピッチ(g)、及び位相差(h)の少なくともいずれかと、ジャギーピッチ及びジャギー振幅の少なくともいずれかにより規定されるジャギーの形状との相関関係を求め、
    該相関関係に基づいて前記(e)〜(h)のいずれかを設定、又は変更する請求項9に記載のパターン形成方法。
  11. 光変調手段が空間光変調素子であり、該空間光変調素子がデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)である請求項1から10のいずれかに記載のパターン形成方法。
  12. 光照射手段が、半導体レーザ素子から発せられたレーザ光を出射し、2以上の光を合成して照射可能である請求項1から11のいずれかに記載のパターン形成方法。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載のパターン形成方法により形成されたことを特徴とする薄膜トランジスタアレイ基板。
  14. 請求項13に記載の薄膜トランジスタアレイ基板を用いたことを特徴とする液晶表示素子。
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