JPWO2019194048A1 - 電動車両 - Google Patents

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Abstract

車両走行用の電気モータ(30)と、前記電気モータ(30)へ電力を供給するバッテリ(100)と、を備える電動車両(1,1’,201,301)であって、車体後部を構成し、後輪(4,4a,4b)の上方に向けて延びるリアフレーム(21A)を備え、前記リアフレーム(21A)は、前記バッテリ(100)を脱着可能に収納する電装部品収納部(76)を構成するとともに、前記電装部品収納部(76)の上面に荷台(75)を構成し、前記電装部品収納部(76)は、バッテリ収納空間を開閉するための開閉部(72,74b,78)を備えている。

Description

本発明は、電動車両に関する。
本願は、2018年4月2日に、日本に出願された特願2018−071105号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来の電動車両として、例えば特許文献1には、後車体に対して前車体がロール方向(車両前後方向を向く軸回りの回動方向)に揺動可能な電動車両が開示されている。この電動車両では、以下の構成を有している。車体フレーム1(前車体、揺動車体)の後端にはトランク16が設けられている。車体フレーム1の座席15下の位置には固定ブラケット3が設けられている。固定ブラケット3にはスイング軸4を介して可動ブラケット5が左右回転自在に支持されている。
可動ブラケット5にはボールジョイント6を介してパワーユニットPが上下揺動自在に支持されている。可動ブラケット5には上部支持枠55と下部支持枠56とを含むバッテリ支持枠9が溶着されている。上部支持枠55と下部支持枠56とには前部トレー62および後部トレー65が固定されている。前部トレー62および後部トレー65には複数のバッテリ10が載置されている。
特許第3189977号公報
ところで、上記従来の技術では、バッテリ10はバッテリ支持枠9(上部支持枠55、下部支持枠56、連結枠57、補強板58、前部支持枠59および補強パイプ60,61)で覆われている。このため、バッテリ10の脱着が困難である。また、車体フレーム1(前車体、揺動車体)の後端に設けられたトランク16が、バッテリ10の上方に離間して配置されている。このため、重量物であるバッテリ10を着脱する際、トランク16を避けて行う動作が必要となる。したがって、脱着容易性の面で改善の余地があった。
そこで本発明は、電動車両において、重量のあるバッテリの着脱を容易にすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、本発明の第一の態様は、車両走行用の電気モータ(30)と、前記電気モータ(30)へ電力を供給するバッテリ(100)と、を備える電動車両(1,1’,201,301)であって、車体後部を構成し、後輪(4,4a,4b)の上方に向けて延びるリアフレーム(21A)を備え、前記リアフレーム(21A)は、前記バッテリ(100)を脱着可能に収納する電装部品収納部(76)を構成するとともに、前記電装部品収納部(76)の上面に荷台(75)を構成し、前記電装部品収納部(76)は、バッテリ収納空間を開閉するための開閉部(72,74b,78)を備えている。
本発明の第二の態様は、上記第一の態様において、前記電装部品収納部(76)は、前記バッテリ(100)の後方に充電器(125)を収納している。
本発明の第三の態様は、上記第一又は第二の態様において、前記電装部品収納部(76)は、前記バッテリ(100)を垂直方向に対して傾斜した傾斜方向(C41,C42)で挿脱させるように支持するバッテリケース(100A)を備えている。
本発明の第四の態様は、上記第一から第三の態様の何れか一つにおいて、前記電装部品収納部(76)は、前記バッテリ(100)を、前記荷台(75)の上面を避けた車両左右方向あるいは前方向から着脱可能とする。
本発明の第五の態様は、上記第一から第四の態様の何れか一つにおいて、後輪(4a,4b)を上下揺動可能に支持するスイングアーム(40)と、前記リアフレーム(21A)と前記スイングアーム(40)とを連結するリアクッション(28)と、を備え、前記リアクッション(28)は、前記バッテリ(100)の後方において前後方向視で前記バッテリ(100)と重なるように、あるいは前記バッテリ(100)の側方において側面視で前記バッテリ(100)と重なるように配置されている。
本発明の第六の態様は、上記第一から第五の態様の何れか一つにおいて、後輪(4a,4b)を上下揺動可能に支持するスイングアーム(40)を備え、前記スイングアーム(40)は、側面視で後輪(4a,4b)を避けた位置に、前記電気モータ(30)を収納するモータケース(43b)を備えている。
本発明の第七の態様は、上記第六の態様において、前記電気モータ(30)は、前記スイングアーム(40)の長さ方向(C2)の中央部(40a)よりもスイング軸(41)側に配置され、前記モータケース(43b)に隣接して前記スイング軸(41)が設けられている。
本発明の第八の態様は、上記第六又は第七の態様において、前記電気モータ(30)は、前記スイングアーム(40)の上部に配置されている。
本発明の第九の態様は、上記第一から第八の態様の何れか一つにおいて、前記電装部品収納部(76)に収納される電装部品(130)は、前記電気モータ(30)を制御するパワーコントロールユニット(120)と、前記バッテリ(100)からの出力電圧を降圧するダウンレギュレータ(126)と、前記バッテリ(100)、パワーコントロールユニット(120)およびダウンレギュレータ(126)を接続するジャンクションボックス(123)と、を備えている。
本発明の第十の態様は、上記第九の態様において、前記バッテリ(100)は、長さ方向の一端側にバッテリ接続端子(101d,102d)を備え、前記ジャンクションボックス(123)は、前記バッテリ(100)の長さ方向において、前記バッテリ(100)の長さ方向の中央部(101e,102e)よりも前記バッテリ接続端子(101d,102d)側に配置されている。
第一の態様によれば、車体後部を構成するリアフレームに、重量物であるバッテリを搭載する電装部品収納部を設けるとともに、電装部品収納部の上面に荷台を設け、さらに電装部品収納部にはバッテリ収納空間を開閉する開閉部を設けている。これにより、電装部品収納部の上方に離間して荷台を設ける場合に比べて、重量物であるバッテリを着脱する際、荷台を避けて行う動作が不要となる。また、電装部品収納部は、荷台の一部等を利用した開閉部によってバッテリ収納空間を開閉させることで、この点でも荷台を避けてバッテリの着脱を行う動作が不要となる。したがって、重量のあるバッテリの着脱を容易にすることができる。また、電装部品収納部の上面を荷台として活用し、電動車両のコンパクト化を図ることができる。
第二の態様によれば、バッテリよりも後方に充電器を配置することで、充電器が車体全体の後端寄りに配置されるので、充電器へのアクセスが容易になる。高電圧部品でかつ重量物であるバッテリは、相対的に車体全体の前後中央寄りに配置されるので、後方からの外乱の影響が抑えられるとともに、マスの集中に寄与することができる。
第三の態様によれば、バッテリを垂直方向に挿脱させる場合に比べて、重量物であるバッテリを持ち上げやすく、かつバッテリケースにてバッテリ重量の少なくとも一部を受けることが可能となるため、バッテリの着脱作業を容易にすることができる。
第四の態様によれば、荷台の上面を避けてバッテリを着脱可能とするので、荷台に荷物を積載した状態でもバッテリが脱着可能となり、利便性を向上させることができる。
第五の態様によれば、後輪懸架装置のリアクッションを利用して、バッテリに対する後方あるいは側方からの外乱の影響を抑え、バッテリの保護性を向上させることができる。
第六の態様によれば、インホイールモータのように側面視で後輪と重なるように電気モータを配置する場合に比べて、車両側方から電気モータへのアクセスが容易になり、かつ電気モータを収納するモータケースが車両側方に露出して設けられているため、電気モータの組み付け性やメンテナンス性を向上させることができる。
第七の態様によれば、重量物である電気モータをスイングアームにおけるスイング軸に近い位置に設けることで、スイングアームの作動性を向上させることができる。
第八の態様によれば、電気モータをスイングアームの上部に設けることで、電気モータに対する路面側からの外乱や被水を抑えることができる。
第九の態様明によれば、電装部品をリアフレームに集中配置することで、電装部品間のハーネス長さを短縮化するとともに、各部品が相対移動しないので、配線の屈曲や干渉による摩耗等の抑制を図ることが出来る。
第十の態様によれば、バッテリとジャンクションボックスとを近づけて配置することで、バッテリおよびジャンクションボックス間の配線をさらに短縮することができる。
本発明の第一実施形態における電動車両の左側面図である。 上記電動車両の車体後部の左側面図である。 上記電動車両の後面図である。 上記電動車両の後車体の斜視図である。 上記後車体から後車体カバーを外した状態の斜視図である。 上記電動車両の主要電装部品のブロック図である。 上記電動車両の回動機構の一部断面を含む平面図である。 図7のX−X断面図である。 第一実施形態の変形例を示す図2に相当する左側面図である。 本発明の第二実施形態における電動車両の左側面図である。 第二実施形態の電動車両の車体後部の左側面図である。 第二実施形態の電動車両の車体後部の右側面図である。 第二実施形態の電動車両の後面図である。 第二実施形態の電動車両の後車体の斜視図である。 第二実施形態の後車体から後車体カバーを外した状態の斜視図である。 本発明の第三実施形態における電動車両の左側面図である。 第三実施形態の電動車両の車体後部の左側面図である。 第三実施形態の電動車両の後面図である。 第三実施形態の電動車両の後車体の斜視図である。 第三実施形態の後車体から後車体カバーを外した状態の斜視図である。 第三実施形態の電動車両の前車体が直立状態にあるときの車体後部の前面図である。 第三実施形態の電動車両の前車体が揺動状態にあるときの車体後部の前面図である。 本発明の変形例を示す図1に相当する左側面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
まず、本発明の第一実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。
(車両全体)
図1〜図3に示すように、本実施形態の電動車両1は、操向輪である一輪の前輪2を前車体(車体前部構造体)3に支持している。電動車両1は、駆動輪である左右一対の後輪4a,4bを後車体(車体後部構造体)5に支持している。電動車両1は、左右後輪4a,4bを接地させた後車体(非揺動側車体)5に対して、乗員が乗車した前車体(揺動側車体)3を左右揺動(ローリング動)可能とする。電動車両1は、揺動式の電動三輪車として構成されている。
前車体3は、前輪転舵用のバーハンドル6と、乗員着座用のシート7と、を備えている。前車体3は、バーハンドル6とシート7との間を跨ぎ空間8とする。前車体3は、跨ぎ空間8の下方に低床フロア9を備えている。
前車体3および後車体5は、回動機構(ローリングジョイント)50を介して互いに連結されている。図中符号C1は回動機構50における車両前後方向に延びる回動軸線、線CL1は前車体3の左右中心線、線CL2は後車体5の左右中心線をそれぞれ示している。
(前車体)
図1を参照し、前車体3は、前車体フレーム11を備えている。前車体フレーム11は、ヘッドパイプ12の後側から下方へ延びた後に後方へ湾曲する単一の前部フレーム14と、前部フレーム14の湾曲部両側から左右に分岐して後方へ延びる左右一対の下部フレーム15と、左右下部フレーム15の後端部から斜め後上方へ湾曲して延びる左右一対の後部フレーム16と、を備えている。前部フレーム14の後端部は、左右下部フレーム15の後部間に渡るロアクロスフレーム17の中間部に結合されている。ヘッドパイプ12には、例えばボトムリンク式の前輪懸架装置13が操向可能に支持されている。前輪懸架装置13の下端部には、前輪2が支持されている。
ロアクロスフレーム17の後方には、左右後部フレーム16の下部間に渡るリアロアクロスフレーム18が配置されている。ロアクロスフレーム17およびリアロアクロスフレーム18には、回動機構50の前構造体51が固定的に支持されている。
電動車両1の旋回走行時において、前車体3は、左右後輪4a,4bを路面Gに接地させた後車体5に対して、回動機構50を介して旋回方向に揺動(バンク)する。これにより、前車体3は、操向輪である前輪2に舵角を生じさせる。
前車体フレーム11を含む前車体3の全体は、前車体カバー60に覆われている。前車体カバー60は、ヘッドパイプ12及び前部フレーム14の周辺を前方から覆うフロントカバー61と、ヘッドパイプ12及び前部フレーム14の周辺を後方から覆うインナカバー62と、インナカバー62の下端部の後方に連なるフロアボード63と、フロアボード63の後方で斜め上後方に傾斜して連なる後部傾斜ボード64と、後部傾斜ボード64の左右内側の部位で立ち上がりシート7の下方に至るシート下カバー65と、を備えている。図中符号61aはフロントカバー61の上端部両側に支持された左右一対のバックミラーを示している。
フロアボード63は、左右下部フレーム15等とともに、低床フロア9を構成している。後部傾斜ボード64は、左右後部フレーム16等とともに、低床フロア9の後方に連なる後部傾斜部9aを構成している。シート7の後方には、略垂直な前面を形成するバックレスト66が立ち上がる。バックレスト66は、左右後部フレーム16の上端部に支持されている。バックレスト66の後面側は、後車体5における荷台75の前端部上方に起立する荷台前壁部66bを構成している。バックレスト66の上方には、左右一対の支柱66aが延びている。フロントカバー61の上方には、ウインドスクリーン67が延びている。ウインドスクリーン67の上端部には、後方に湾曲して延びるルーフ68が連なっている。ルーフ68の後端部は、左右支柱66aの上端部に支持されている。
(後車体)
図1〜図3に示すように、後車体5は、前車体フレーム11から独立した後車体フレーム21を備えている。後車体フレーム21は、回動機構50の上部から斜め後上方へ延びる第二後部フレーム22と、第二後部フレーム22の上端部から後方へ湾曲して延びる後上部フレーム23と、後上部フレーム23の後部に結合されて左右方向に延びる後上部クロスフレーム24と、後上部フレーム23の前部に結合されて左右方向に延びる中間上部クロスフレーム24aと、第二後部フレーム22の下端部に結合されて左右方向に延びる第二リアロアクロスフレーム25と、第二リアロアクロスフレーム25の左右両側から後方へ延びる左右一対のリアロアサイドフレーム26と、左右リアロアサイドフレーム26の後端部から斜め後ろ上方へ湾曲して延びる左右一対のリアサイドフレーム27と、を備えている。左右リアサイドフレーム27は、後上部クロスフレーム24の左右両側に結合される。第二後部フレーム22は、側面視で後部フレーム16と略平行をなしている。
第二後部フレーム22および後上部フレーム23は、例えば互いに一体形成されている。第二後部フレーム22および後上部フレーム23は、例えば後車体5の左右中央に配置された単一の金属部材で形成されている。後車体フレーム21(特に第二後部フレーム22、後上部フレーム23、後上部クロスフレーム24および中間上部クロスフレーム24a)は、リアフレーム21Aを構成している。リアフレーム21Aは、回動機構50の後構造体52(非回動領域)から側面視で後輪4a,4bの上方に向けて延びている。
第二後部フレーム22の下部には、回動機構50の後構造体52が固定的に支持されている。後構造体52の後端部には、スイングユニット40の前端部が、左右方向に沿う(延びる)スイング軸(ピボット軸)41を介して上下揺動可能に支持されている。例えば、スイングユニット40の後端部に設けられた後輪車軸42の外筒42aには、左右一対のリアクッション28の下端部が連結されている(図3参照)。左右リアクッション28の上端部は、後上部クロスフレーム24の左右両側にそれぞれ連結されている。スイングユニット40の後端部は、左右リアクッション28を介して後車体フレーム21の上後部に連結、支持されている。後車体5には、スイングユニット40、左右リアクッション28および後車体フレーム21を含む後輪懸架装置(リアサスペンション)29が構成されている。
図4を併せて参照し、後車体フレーム21を含む後車体5の全体は、後車体カバー70に覆われている。後車体カバー70は、第二後部フレーム22と略平行な傾斜前面を形成する前壁部71と、前壁部71の上端部から後方へ略水平に延びる上壁部72と、上壁部72の後端部から下方へ延びる後壁部73と、前壁部71および後壁部73の間に渡る左右一対の側壁部74と、を備えている。左右側壁部74には、左右後輪4a,4bの上方を覆うリアフェンダ74aが形成されている。上壁部72は、後上部フレーム23、後上部クロスフレーム24および中間上部クロスフレーム24a等とともに、後車体5の上面(収納部76の上面でもある)に荷台75を構成している。前壁部71は、前車体3の後部傾斜部9aと略平行をなしている。前壁部71は、後部傾斜部9aとの間に、前後車体3,5の相対揺動時に後部傾斜部9aと干渉しない程度の隙間S1(図2参照)を空けて配置されている。なお、図示都合上、図1〜図3には後車体カバー70の一部のみ示している。
(スイングユニット)
図1〜図3を参照し、スイングユニット40は、左右後輪4a,4bの間に配置されている。スイングユニット40は、側面視でスイング軸41から後輪車軸42まで延びるように配置されている。スイングユニット40は、長さ方向を前後方向に向けて配置されている。スイングユニット40は、側面視でスイング軸41と後輪車軸42とを結ぶ軸線C2に沿って延びている。以下、軸線C2に沿う方向をスイングユニット40の長さ方向(アーム長さ方向)C2という。
スイングユニット40は、電動車両1の駆動源である電気モータ30を含んだパワーユニットとして構成されている。スイングユニット40は、左右後輪4a,4bを上下揺動可能に支持する構造体(スイングアーム)としてのユニットケース43と、ユニットケース43の前部内に収容される電気モータ30と、ユニットケース43の後部内に収容される差動機構44と、電気モータ30の駆動軸から差動機構44の入力部に延びるドライブシャフト45と、を備えている。ユニットケース43は、側面視でスイング軸41と後輪車軸42との間を軸線C2に沿って延びる単一のアーム部43aを備えている。アーム部43aは、電気モータ30を収容する部位に、他部位に対して上下に膨出させたモータケース43bを備えている。
スイングユニット40の後部内の左右両側には、左右後輪4a,4bをそれぞれ支持する左右一対の後輪車軸(出力軸)42がそれぞれ延出している。単一の電気モータ30の駆動力は、ドライブシャフト45を介して差動機構44に伝達される。差動機構44に伝達された駆動力は、差動機構44から左右後輪車軸42に適宜分配されて、左右後輪4a,4bを駆動する。差動機構44の左右両側には、左右後輪車軸42をそれぞれ収容する外筒42aが延出している。
(回動機構)
図2、図7、図8を参照し、回動機構50は、互いに相対回動可能な前構造体51および後構造体52を備えている。前構造体51および後構造体52の間には、いわゆるナイトハルト機構55が構成されている。前構造体51は、前車体フレーム11に固定的に支持される前ケーシング51aを備えている。後構造体52は、後車体フレーム21に固定的に支持される後支軸52aを備えている。後支軸52aの前部は、前ケーシング51aに軸線C1に沿って挿入され、軸線C1回りに回動可能に支持されている。
後支軸52aにおける前ケーシング51aの後方に突出する後部には、ピボットブラケット52bが一体に結合されている。ピボットブラケット52bは、スイングユニット40の前端部を上下揺動可能に支持する。ピボットブラケット52bには、スイングユニット40のユニットケース43の前端部が、左右方向に沿うスイング軸41を介して上下揺動可能に連結されている。後支軸52aには、後車体フレーム21の前下端部が一体に結合されている。後車体フレーム21ひいては後車体5と前車体フレーム11ひいては前車体3とは、軸線C1中心で相対揺動可能に連結される。
図7、図8を参照し、後支軸52aにおける前ケーシング51a内に挿入される前部には、ナイトハルトカム56が一体回動可能に設けられている。ナイトハルトカム56は、軸方向視で凹状の四辺を有する略ひし形をなしている。前ケーシング51aにおけるナイトハルトカム56を挿入する部位には、軸方向視で略矩形のケース部57が設けられている。ケース部57内の空間の軸方向視の四隅には、例えば円筒状のナイトハルトラバー58が配置されている。各ナイトハルトラバー58は、ケース部57と軸方向を略平行にして配置されている。各ナイトハルトラバー58には、前車体3の直立状態A(前後方向視で前後車体3,5の左右中心線CL1,CL2が一致した状態、図3参照)において、ナイトハルトカム56の軸方向視の四辺が当接している。
回動機構50には、前ケーシング51aおよび後支軸52aの相対回動に非線形の復元力(減衰力)を与えるナイトハルト機構(ダンパー機構)55が構成されている。各ナイトハルトラバー58は、前車体3が直立状態Aから揺動し、前ケーシング51aおよび後支軸52aが相対回動することで、以下の作用を奏する。各ナイトハルトラバー58は、ケース部57の四隅でナイトハルトカム56に圧縮されて、前車体3の揺動に対する非線形の復元力を発生させる。
(パーキングロック装置)
図1、図2、図7を参照し、電動車両1は、パーキングロック装置90を備えている。パーキングロック装置90は、揺動ロック機構93を作動させるとともにパーキングブレーキ(パーキングロック機構99)を作動させて、前車体3の揺動および後輪4a,4bの回転を規制する。
パーキングロック装置90は、例えばバーハンドル6の左右中央近傍に配置されたパーキングレバー91(図1参照)と、パーキングレバー91から延びるパーキングケーブル92(図7参照)と、回動機構50に設けられた揺動ロック機構93(図7参照)と、スイングユニット40に設けられたパーキングロック機構99(図2参照)と、を備えている。パーキングケーブル92は、揺動ロック機構93およびパーキングロック機構99の各々に係合している。パーキングロック装置90は、パーキングレバー91が操作されると、パーキングケーブル92を介して揺動ロック機構93およびパーキングロック機構99が作動し、車体の揺動および前後移動がロックされる。
パーキングレバー91は、ロック位置とアンロック位置との何れかに向けて操作可能である。ロック位置では、前車体3の揺動および後輪4a,4bの回転が規制される。アンロック位置では、前車体3の揺動および後輪4a,4bの回転の規制が解除される。パーキングレバー91は、電動車両1の不図示のメインスイッチがオンのときに操作可能である。パーキングレバー91は、ロック位置に操作した状態でメインスイッチがオフになると、例えば機械的にロックされてアンロック位置への操作が不能となる。パーキングレバー91は、ロック位置において施錠可能である。パーキングロック装置90は、前車体3の揺動および後輪4a,4bの回転を規制したロック状態において施錠可能である。
パーキングレバー91の作用端には、パーキングケーブル92におけるインナケーブル92aの基端が係合されている。パーキングケーブル92は、パーキングレバー91の作用端から車体下部を通じて後方に延出し、先端側を回動機構50の側方に至らしめる。回動機構50の側方において、インナケーブル92aは、揺動ロック機構93の入力端に係合される。
パーキングケーブル92は、回動機構50の側方からさらに後方に延出し、先端側をスイングユニット40の側方に至らしめる。スイングユニット40の側方において、インナケーブル92aは、パーキングロック機構99の入力端に係合される。パーキングレバー91がロック位置に操作されると、パーキングケーブル92のインナケーブル92aが引かれ、揺動ロック機構93をロック作動させるとともにパーキングロック機構99をロック作動させる。
図7を参照し、回動機構50において、前ケーシング51aと後支軸52aとの間には、平面視L字状の空間が形成されている。この空間は、後支軸52aの前部の側方から前端部の前方に渡るように形成されている。この空間内に、揺動ロック機構93が配置されている。後支軸52aの側方において、前ケーシング51aの前壁には、前アウタ保持部51bが設けられている。前アウタ保持部51bは、パーキングケーブル92のパーキングレバー91側の前アウタケーブル92bの後端を保持する。後支軸52aの側方において、前ケーシング51aの後壁には、後アウタ保持部51cが設けられている。後アウタ保持部51cは、パーキングケーブル92のパーキングロック機構99側の後アウタケーブル92cの前端を保持する。前後アウタ保持部51b,51cの間において、前ケーシング51a内には、インナケーブル92aの中間部が挿通されている。
前ケーシング51a内において、インナケーブル92aには、揺動アーム94の一端が係合されている。揺動アーム94の長さ方向中間部は、前ケーシング51aに支持された揺動軸94aに揺動可能に支持されている。揺動アーム94の他端には、チェンリンク95を介してストッパポール96の先端部が連結されている。ストッパポール96の基端部は、前ケーシング51aに支持された揺動軸96aに揺動可能に支持されている。ストッパポール96は、先端側を後支軸52aの前端部の前方に延ばしている。ストッパポール96の先端部には、後支軸52aの前端部を向く爪部96bが突設されている。後支軸52aの前端部には、ストッパプレート97が一体回動可能に設けられている。ストッパプレート97は、軸方向視で軸線C1を中心とした扇状に設けられている。ストッパプレート97の外周部には、ストッパポール96の爪部96bを係合可能な複数の溝部97bが、軸線C1を中心に周方向に並んで形成されている。
係る構成において、パーキングレバー91の操作によりインナケーブル92aが引かれると、揺動ロック機構93の揺動アーム94が作動し、ストッパポール96の爪部96bをストッパプレート97の複数の溝部97bの何れかに係合させる。これにより、爪部96bが係合した溝部97bの軸線C1回りの角度において、揺動ロック機構93がロック状態となり、前ケーシング51aに対する後支軸52aの回動を規制する。すなわち、前ケーシング51aに対する後支軸52aの回動は、ストッパプレート97の複数の溝部97bを形成した角度範囲において、任意の角度において規制される。このため、後車体5に対する前車体3の揺動は、前記角度範囲において任意の揺動角度でロック可能である。
インナケーブル92aは、後アウタケーブル92cとともに前ケーシング51aの後方に延出し、スイングユニット40の後部の側方に至る。スイングユニット40の後部を構成するギアケース内には、揺動ロック機構93と同様、ストッパポールおよびストッパプレートを用いたパーキングロック機構99が構成されている。このパーキングロック機構99の入力端に、インナケーブル92aが係合されている。
係る構成において、インナケーブル92aが引かれると、パーキングロック機構99がロック状態となり、後輪車軸42の回転を規制する。これにより、後輪4a,4bの回転が規制されたパーキングブレーキ作動状態となり、電動車両1の前後移動が規制される。
(電気モータ)
図6を参照し、電気モータ30は、バッテリ100の電力により駆動する。電気モータ30は、例えばVVVF(variable voltage variable frequency)制御による可変速駆動がなされる。電気モータ30は、無段変速機を有する如く変速制御されるが、これに限らない。例えば、電気モータ30は、有段変速機を有する如く変速制御されてもよい。
図2を併せて参照し、電気モータ30は、駆動軸を車両前後方向に向けたいわゆる縦置きに配置されている。図中線C3は電気モータ30の駆動軸線を示している。電気モータ30(およびモータケース43b)は、側面視で後輪4a,4bを避けた位置に配置されている。モータケース43bは、車両側方に露出している。電気モータ30(およびモータケース43b)は、後輪4a,4bに対して車両前方へオフセットして配置されている。
電気モータ30(およびモータケース43b)は、側面視で全体が後輪4a,4bの外周よりも前方に配置されている。電気モータ30(およびモータケース43b)は、スイングユニット40の長さ方向C2の中央部40aよりも前方(スイング軸41側)に配置されている。電気モータ30は、スイング軸(ピボット軸)41に隣接する位置に配置されている。スイング軸41は、モータケース43bの前方に隣接して設けられている。これにより、スイング軸41から重量物である電気モータ30までの揺動半径が短縮し、スイングユニット40の作動性(リアサスペンション29の路面追従性や悪路走破性)を向上させている。
電気モータ30は、側面視で駆動軸線C3を前記軸線C2と一致させている。電気モータ30は、スイングユニット40のアーム部43aと同じ高さに配置されている。これにより、スイングユニット40の上下に電気モータ30(およびモータケース43b)が張り出すことを抑え、スイングユニット40の揺動スペースの縮小に寄与している。また、電気モータ30(およびモータケース43b)がスイングユニット40の下方に張り出す場合に比べて、電気モータ30(およびモータケース43b)の地上高を確保し、車両下方(路面側)からの外乱の影響を抑え、かつ路面側からの被水を抑えている。
スイングユニット40の上方には、バッテリ100が配置されている。バッテリ100は、左右一対の単位バッテリ101,102(以下、単にバッテリまたは左右バッテリということがある)で構成されている。左右バッテリ101,102は、前後方向視でV字状に配置されている。左右バッテリ101,102の下面は、前後方向視で逆V字状に配置されている。左右バッテリ101,102の下方には、前後方向視で山形の空間が形成されている。このため、バッテリ100は、車体左右中央部に位置するスイングユニット40との間のクリアランスを確保しやすい。
なお、図9に示すように、電気モータ30(およびモータケース43b)は、スイングユニット40の上方に変位して(側面視で駆動軸線C3を前記軸線C2よりも上方にオフセットして)配置されてもよい。電気モータ30(およびモータケース43b)は、スイングユニット40のアーム部43aに対して上方に配置されてもよい。この場合、電気モータ30(およびモータケース43b)の地上高をより確保し、路面側からの外乱および被水をより抑えている。
電気モータ30は、側面視で後輪4a,4bを避けて配置されているので、以下の作用を奏する。電気モータ30は、インホイールモータのように側面視で後輪4a,4bと重なる配置と比べて、車両側方から電気モータ30へのアクセスが容易になり、組み付け性やメンテナンス性を向上させる。
電動車両1が左右後輪4a,4bを備える場合、インホイールモータでは左右後輪4a,4bにそれぞれ電気モータ30を要する。本実施形態では、側面視で後輪4a,4bを避けた位置に単一の電気モータ30を設け、この電気モータ30で左右後輪4a,4bを駆動することで、後輪駆動システムの簡略化に寄与している。なお、電気モータ30は、側面視で後輪4a,4bを避けた配置であれば、後輪4a,4bの後方に配置してもよい。また、本実施形態は、電気モータ30の少なくとも一部が側面視で後輪4a,4bと重なる配置(電気モータ30の少なくとも一部が左右後輪4a,4b間にある配置)としたり、左右後輪4a,4bにインホイールモータを採用したりすることを除外するものではない。
(電装部品)
図2、図5を参照し、荷台75の下方には、電気モータ30の電源であるバッテリ100が配置されている。荷台75の下方には、電気モータ30およびバッテリ100に係る電装部品130として、ジャンクションボックス123、PCU(Power Control Unit)120、DC−DCコンバータ126およびチャージャー(充電器)125が配置されている。後車体5は、バッテリ100、ジャンクションボックス123、PCU120、DC−DCコンバータ126およびチャージャー125といった電装部品130を、リアサスペンション29のバネ上である後車体フレーム21に支持している。後車体5は、電装部品130を収納する収納部76の上面を大型の荷台75として活用している。以下、収納部76をバッテリ収納部76または電装部品収納部76ということがある。
電装部品130の配置は種々考えられるが、本実施形態では図1〜図5に示す配置について説明する。
(荷台)
図2を参照し、後車体カバー70における荷台75を構成する上壁部72(荷台板部材)は、例えば後上部フレーム23の後端部(後車体フレーム21の上後端部)に支持されている。上壁部72は、後上部フレーム23の後端部に、左右方向に沿うヒンジ軸75a回りに回動可能に支持されている。上壁部72の後端部は、前記ヒンジ軸75aを有する荷台ヒンジ75bを介して、後上部フレーム23の後端部に支持されている。上壁部72は、略水平に配置された使用状態(図中実線で示す)から、ヒンジ軸75aを中心に回動し、前部を上方に移動させて起立する。このとき、上壁部72は、前部を上方に移動させて起立した起立状態(図中鎖線で示す)となる。上壁部72が使用状態にあると、収納部76の上面が閉塞される。上壁部72が起立状態になると、収納部76の上面が開放される。上壁部72は、収納部76(バッテリ収納空間を含む)の上面を開閉可能な開閉部でもある。
上壁部72は、後車体5の後端側に配置された左右方向に沿うヒンジ軸75aを中心に開閉する構成に限らない。例えば、上壁部72は、図9に示すように、後車体5の前端側に配置されたヒンジ軸75aおよび荷台ヒンジ75bを介して開閉する構成でもよい。また、例えば、上壁部72は、後車体5の左右端側に配置された前後方向に沿うヒンジ軸(不図示)を中心に開閉する構成であってもよい。例えば、上壁部72は、後車体フレーム21に対して取り外し可能な構成であってもよい。例えば、上壁部72は、部分的に開閉する構成であってもよい。上壁部72は、収納部76を開放したとき、以下のように配置される。上壁部72は、バッテリ101,102が後述する傾斜方向C41,C42に沿って挿脱される際の通過領域(バッテリ101,102の離脱方向の領域)を避けて配置される。
(バッテリ)
図2、図3を参照し、バッテリ100は、荷台75の下方に搭載されている。バッテリ100は、複数(例えば左右二つ)の単位バッテリ101,102で構成されている。複数の単位バッテリ101,102(以下、単にバッテリまたは左右バッテリということがある)は、互いに同一構成とされている。左右バッテリ101,102は、車体左右中心線CL2を挟んで左右対称に設けられている。
本実施形態では、後車体5の荷台75よりも低い位置に左右バッテリ101,102を搭載することで、重量物である左右バッテリ101,102を持ち上げる高さが低くて済み、左右バッテリ101,102の着脱が容易になる。また、バッテリ収容スペースの上面は大型の荷台75となるので、電動車両1の利便性が向上する。
図5を併せて参照し、左右バッテリ101,102は、それぞれ断面矩形状(例えば略正方形状)をなして長手方向に延びる角柱状(直方体状)をなしている。左右バッテリ101,102は、それぞれ矩形状の上面101c,102cを斜め上後方に向けるように、側面視で傾斜して配置されている。左右バッテリ101,102は、斜め下後方を向く背面の法線方向から見て、V字状をなすように配置されている。左右バッテリ101,102は、左右方向と直交する車体側面に対しても傾斜している。上面101c,102cには、使用者が把持するための取っ手が設けられている。
左右バッテリ101,102は、斜め上後方を向いた上面101c,102cを、さらに左右外側に向けている。左右バッテリ101,102は、それぞれ上側ほど後側かつ左右外側に位置するように傾斜した起立姿勢で配置されている。左右バッテリ101,102の間には、前記法線方向から見てV字状の空間が形成されている。左右バッテリ101,102の長手方向に沿う軸線を図2、図3中線C41,C42で示している。以下、軸線C41,C42に沿う方向をそれぞれ傾斜方向C41,C42という。
バッテリ100は、左右バッテリ101,102を適宜結線することで、所定の高電圧(48〜72V)を発生させる。左右バッテリ101,102は、それぞれ充放電可能なエネルギーストレージとして、例えばリチウムイオンバッテリで構成されている。左右バッテリ101,102は、充放電状況や温度等を監視する不図示のBMU(Battery Managing Unit)を備えている。
(制御システム)
図6を参照し、左右バッテリ101,102は、コンタクタ(電磁開閉器)を含むジャンクションボックス(分配器)123を介して、不図示のPDU(Power Driver Unit)に接続されている。PDUは、不図示のECU(Electric Control Unit)とともに、一体のPCU(Power Control Unit)120を構成している。バッテリ100からの電力は、メインスイッチと連動するコンタクタを介して、モータドライバたるPDUに供給される。バッテリ100からの電力は、PDUにて直流から三相交流に変換された後、三相交流モータであるモータ30に供給される。電気モータ30は、PDUによる制御に応じて力行運転を行い、電動車両1を走行させる。
バッテリ100からの出力電圧は、DC−DCコンバータ126を介して降圧され、12Vのサブバッテリ(不図示)の充電等に供される。サブバッテリは、灯火器等の一般電装部品、及びECU等の制御系部品に電力を供給する。サブバッテリを搭載することで、メインバッテリ100の取り外し時にも各種電磁ロック等を操作可能である。
バッテリ100は、車体に搭載された状態で、外部電源に接続したチャージャー(DC−ACインバータ)125によって充電される。バッテリ100(左右バッテリ101,102)は、車体から取り外した状態で、車外の充電器により充電することも可能である。
左右バッテリ101,102とジャンクションボックス123との間には、第一接続ケーブル101a,102aが配索されている。ジャンクションボックス123とPCU120との間には、第二接続ケーブル123aが配索されている。ジャンクションボックス123とチャージャー125との間には、第三接続ケーブル125aが配索されている。
ジャンクションボックス123とDC−DCコンバータ(ダウンレギュレータ)126との間には、第四接続ケーブル126aが配索されている。PDUからは三相ケーブル80が延び、この三相ケーブル80が電気モータ30に接続されている。チャージャー125には、充電ケーブル125bが接続されている。充電ケーブル125bは、チャージャー125に対して着脱可能か否かは問わず、かつ外部充電器の構成であってもよい。
(バッテリケース)
図2、図3、図5を参照し、バッテリ100は、後車体5に固定されたバッテリケース100Aに対して挿脱される。バッテリケース100Aは、左右一対の単位バッテリ101,102に対応する左右一対の単位バッテリケース103,104(以下、単にバッテリケースまたは左右バッテリケースということがある)を備えている。左右バッテリ101,102は、それぞれ垂直方向に対して、斜め上後方かつ左右外側から長手方向(傾斜方向C41,C42)に沿って挿脱される。左右バッテリケース103,104は、それぞれ斜め上後方かつ左右外側に向けて開口している。左右バッテリケース103,104は、互いに一体でも別体でもよい。左右バッテリケース103,104には、それぞれケース内に挿入した左右バッテリ101,102の上方への離脱を規制する不図示のロック機構が設けられている。
左右バッテリ101,102は、それぞれ垂直方向に対して斜めにスライドしながら挿脱される。左右バッテリ101,102が垂直方向に対して斜めに挿脱されることで、バッテリ挿脱時のバッテリ重量の一部がバッテリケース103,104の下向きの壁部(斜面部)100Bに支持される。これにより、左右バッテリ101,102の挿脱作業がしやすくなる。なお、バッテリケース100Aは、左右バッテリ101,102を垂直方向に対して前方および左右外側の少なくとも一方に傾斜した傾斜方向C41,C42で挿脱させるように支持するものであればよい。
図2、図3を参照し、バッテリ101,102は、それぞれの長手方向(傾斜方向C41,C42)に沿うV字状の軌跡で挿脱される。バッテリ101,102は、後車体5の左右中央に位置する単一のフレーム部材(後車体フレーム21の前部に位置する第二後部フレーム22、および後車体フレーム21の上部に位置する後上部フレーム23)を避けて挿脱可能となる。
図2を参照し、左右バッテリ101,102の下端部には、それぞれバッテリ接続端子101d,102dが設けられている。左右バッテリケース103,104の底部(下端部)には、バッテリ接続端子101d,102dを着脱可能に接続するケース接続端子103d,104dが設けられている。例えば、左右バッテリ101,102をバッテリケース103,104に収納し、前記ロック機構をロック状態に操作することで、バッテリ接続端子101d,102dとケース接続端子103d,104dとが接続される。ケース接続端子103d,104dからは、ジャンクションボックス123に向けて第一接続ケーブル101a,102aが延びている(図6参照)。
前記ロック機構の操作および左右バッテリ101,102の挿脱は手動であり、左右バッテリ101,102は工具不要で車体に対して着脱される。左右バッテリ101,102は、車体に対して着脱可能なモバイルバッテリである。左右バッテリ101,102は、それぞれ車外の充電器で充電したり、モバイルバッテリとして外部機器の電源として利用する等、単独で用いることが可能である。
左右バッテリ101,102は、荷台75を回動させて収納部76の上面を開放した状態で、車体に対して着脱可能となる。左右バッテリ101,102は、荷台75の開閉により、車体に対して着脱可能な状態と着脱不能な状態とを切り替える。
(リアクッションの配置)
図2、図3を参照し、左右バッテリ101,102の後方には、左右リアクッション28が配置されている。左右リアクッション28は、軸方向(伸縮方向)を上下方向に沿わせるように配置されている。左右リアクッション28は、前後方向視において左右バッテリ101,102と少なくとも一部が重なるように配置されている。これにより、左右バッテリ101,102に対する後方からの外乱の影響が左右リアクッション28によって抑えられる。例えば、後面衝突時の左右バッテリ101,102への荷重入力が、左右リアクッション28によって抑制される。
なお、図9に鎖線で示すように、左右バッテリ101,102の左右方向外側に左右リアクッション28が配置されてもよい。この場合、左右リアクッション28は、左右方向視において左右バッテリ101,102と少なくとも一部が重なるように配置されている。これにより、左右バッテリ101,102に対する左右方向外側からの外乱の影響が左右リアクッション28によって抑えられる。例えば、転倒時や側面衝突時の左右バッテリ101,102への荷重入力が、左右リアクッション28によって抑制される。
(電装部品の配置)
図2〜図5を参照し、左右バッテリ101,102、PCU120、ジャンクションボックス123、チャージャー125およびDC−DCコンバータ126を含む電装部品130は、後車体5に搭載されている。電装部品130は、後車体5に構成されたリアサスペンション29のバネ上に搭載されている。これにより、リアサスペンション29のバネ下重量の増加を抑えて作動性を向上させ、路面追従性や悪路走破性を向上させている。
PCU120は、上下厚さを抑えた偏平状をなしている。PCU120は、例えば後車体カバー70の前壁部71の背後で、前壁部71と略平行に傾斜して配置されている。PCU120は、平面視矩形状をなし、長手方向を前壁部71と略平行に傾斜させた状態で配置されている。PCU120は、第二後部フレーム22の右方に隣接して配置されている。PCU120の前方を向く上面には、複数の放熱フィン120aが立設されている。放熱フィン120aの前方には、後車体カバー70の前壁部71に形成された走行風取入口71aが対向配置されている。これにより、走行風取入口71aから取り入れた走行風でPCU120が効果的に冷却されるとともに、他の電装部品130も併せて冷却される。走行風取入口71aは、前壁部71に限らず側壁部74や上壁部72に設けてもよく、かつ導風フードを有してもよい。後車体カバー70内に取り入れた走行風を排出する排風口を、後車体カバー70の後部に設けてもよい。
PCU120の左方(第二後部フレーム22の左方)には、ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126が配置されている。ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126は、それぞれ上下厚さを抑えた偏平状をなしている。ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126は、それぞれ後車体カバー70の前壁部71の背後で、前壁部71と略平行に傾斜して配置されている。ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126は、それぞれ第二後部フレーム22の左方に隣接して配置されている。ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126は、互いに上下に並んで配置されている。本実施形態では、ジャンクションボックス123が下、DC−DCコンバータ126が上に配置されている。
図2、図3を参照し、ジャンクションボックス123の少なくとも一部(少なくとも第一接続ケーブル101a,102aを接続する端子台)は、領域R4に配置されている。領域R4は、バッテリ101,102の長さ方向(長手方向)において、バッテリ101,102の長さ方向の中央部101e,102eよりもバッテリ接続端子101d,102d側の領域である。換言すれば、領域R4は、以下の直交面(仮想面)よりもバッテリ接続端子101d,102d側の領域である。前記直交面は、バッテリ101,102の長さ方向の中央部101e,102eを通り長さ方向と直交する面である。これにより、バッテリ101,102とジャンクションボックス123とをつなぐ第一接続ケーブル101a,102aの短縮化が図られる。
図2を参照し、バッテリ100は、側面視でリアサイドフレーム27と略平行に傾斜している。側面視でバッテリ100およびリアサイドフレーム27の間には、チャージャー125が配置されている。チャージャー125は、上下厚さを抑えた偏平状をなしている。チャージャー125は、例えば左右リアサイドフレーム27間に渡る支持部材上に、リアサイドフレーム27と略平行な傾斜姿勢で支持されている。チャージャー125は、後車体5の後端近傍に配置されることで、使用者がアクセスしやすい。また、チャージャー125から充電コードを引き出す、あるいは外部の充電コードを接続するといった充電作業を容易にしている。チャージャー125は、後車体5の後端近傍に配置されることで、バッテリ充電時の放熱性を高めている。
チャージャー125は、バッテリ100の後方に配置されている。このため、バッテリ100(左右バッテリ101,102)に対する後方からの外乱の影響がチャージャー125によって抑えられる。例えば、後面衝突時の左右バッテリ101,102への荷重入力が、チャージャー125によって抑制される。
図3〜図5を参照し、PCU120とジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126とは、例えば車体左右中心線CL2を挟んで左右に振り分けて配置されている。チャージャー125は、例えば車体左右中心線CL2を左右に跨いで配置されている。
これらの電装部品130は、後車体5の外側部(左右後輪4a,4bの左右外側端部)よりも左右方向内側に配置されている。これにより、電装部品130に対する車両外側方からの外乱による影響が抑えられる。
図2を参照し、電装部品130は、後輪車軸42よりも上方で、かつ後車体フレーム21の下端に位置する左右リアロアサイドフレーム26よりも上方に配置されている。これにより、電装部品130の地上高を確保し、車両下方(路面側)からの外乱の影響を抑え、かつ路面側からの被水も抑えている。
電装部品130の内、左右バッテリ101,102、PCU120、ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126といった駆動系のものは、後輪車軸42よりも前方に配置されている。これにより、駆動系の電装部品130は、後輪4a,4bの前方にオフセットした電気モータ30と接続しやすく、かつ後車体5の前側への集中配置により配線長さの短縮が図られる。
電装部品130は、後車体5にまとめて配置することで、各部品間を繋ぐ配線の長さを抑え、かつ各部品の相対移動による配線の屈曲や干渉による摩耗等の発生を抑えている。
電装部品130は、非揺動側車体である後車体5に搭載されるので、電装部品130の重量が揺動側車体である前車体3の揺動に影響することを抑え、電動車両1の旋回性能への影響を抑えている。
(バッテリの挿脱)
図2を参照し、左右バッテリ101,102は、荷台75を回動させて収納部76の上面を開放した状態で、それぞれ左右バッテリケース103,104に対して傾斜方向C41,C42に沿って挿脱される。荷台75は、収納部76の上部開口を開閉して左右バッテリ101,102を着脱可能とする。大型の荷台75を略垂直に起立させて収納部76全体の上面を開放させることで、バッテリ101,102を大型の上部開口から容易に着脱可能となる。収納部76を荷台75の下方に設けることで、バッテリ100を着脱する際にバッテリ100を持ち上げる高さが低くて済む。
荷台75を略水平に寝かせて収納部76全体の上面を閉塞することで、収納部76への上方からの異物や雨水等の進入が抑えられる。荷台75は、メインスイッチと連動して(または独立して)施錠可能としてもよい。
バッテリ101,102を含む電装部品130を収納(搭載)する電装部品収納部76が、荷台75を構成するリアフレーム21Aを用いて構成されている。このため、電装部品収納部76および荷台75のフレームを個々に設ける場合に比して、車体構成の簡素化が図られる。
以上説明したように、上記実施形態における電動車両1は、車両走行用の電気モータ30と、前記電気モータ30へ電力を供給するバッテリ100と、車体後部を構成し、後輪4a,4bの上方に向けて延びるリアフレーム21Aと、を備えている。前記リアフレーム21Aは、前記バッテリ100を脱着可能に収納する電装部品収納部76を構成している。前記電装部品収納部76の上面には荷台75を構成している。前記電装部品収納部76は、バッテリ収納空間を開閉するための開閉部(上壁部72)を備えている。
この構成によれば、車体後部を構成するリアフレーム21Aに、重量物であるバッテリ100を搭載する電装部品収納部76を設けるとともに、電装部品収納部76の上面に荷台75を設け、さらに電装部品収納部76にはバッテリ収納空間を開閉する開閉部(上壁部72)を設けている。これにより、電装部品収納部76の上方に離間して荷台75を設ける場合に比べて、重量物であるバッテリ100を着脱する際、荷台75を避けて行う動作が不要となる。また、電装部品収納部76は、荷台75の一部等を利用した開閉部によってバッテリ収納空間を開閉させることで、この点でも荷台75を避けてバッテリ100の着脱を行う動作が不要となる。したがって、重量のあるバッテリ100の着脱を容易にすることができる。また、電装部品収納部76の上面を荷台75として活用し、電動車両1のコンパクト化を図ることができる。
上記電動車両1において、前記電装部品収納部76は、前記バッテリ100の後方にチャージャー125を収納している。
この構成によれば、バッテリ100よりも後方にチャージャー125を配置することで、チャージャー125が車体全体の後端寄りに配置されるので、チャージャー125へのアクセスが容易になる。高電圧部品でかつ重量物であるバッテリ100は、相対的に車体全体の前後中央寄りに配置されるので、後方からの外乱の影響が抑えられるとともに、マスの集中に寄与することができる。
上記電動車両1において、前記電装部品収納部76は、バッテリケース100A(単位バッテリケース103,104)を備えている。バッテリケース100Aは、前記バッテリ100(単位バッテリ101,102)を垂直方向に対して傾斜した傾斜方向C41,C42で挿脱させるように支持する。
この構成によれば、バッテリ101,102を垂直方向に挿脱させる場合に比べて、重量物であるバッテリ101,102を持ち上げやすく、かつバッテリケース103,104にてバッテリ重量の少なくとも一部を受けることが可能となるため、バッテリ101,102の着脱作業を容易にすることができる。
上記電動車両1において、後輪4a,4bを上下揺動可能に支持するスイングユニット40と、前記リアフレーム21Aと前記スイングユニット40とを連結するリアクッション28と、を備えている。前記リアクッション28は、前記バッテリ100の後方において前後方向視で前記バッテリ100と少なくとも一部が重なるように、あるいは前記バッテリ100の側方において側面視で前記バッテリ100と少なくとも一部が重なるように配置されている。
この構成によれば、後輪懸架装置29のリアクッション28を利用して、バッテリ100に対する後方あるいは側方からの外乱の影響を抑え、バッテリ100の保護性を向上させることができる。
上記電動車両1において、後輪4a,4bを上下揺動可能に支持するスイングユニット40を備えている。前記スイングユニット40は、側面視で後輪4a,4bを避けた位置に、前記電気モータ30を収納するモータケース43bを備えている。前記モータケース43bは、車両側方に露出して設けられている。
この構成によれば、インホイールモータのように側面視で後輪4a,4bと重なるように電気モータ30を配置する場合に比べて、車両側方から電気モータ30へのアクセスが容易になり、かつ電気モータ30を収納するモータケース43bが車両側方に露出して設けられているため、電気モータ30の組み付け性やメンテナンス性を向上させることができる。
上記電動車両1において、前記電気モータ30は、前記スイングユニット40の長さ方向C2の中央部40aよりもスイング軸41側に配置されている。スイング軸41は、前記モータケース43bに隣接して設けられている。
この構成によれば、重量物である電気モータ30をスイングユニット40におけるスイング軸41に近い位置に設けることで、スイングユニット40の作動性を向上させることができる。
上記電動車両1において、前記電気モータ30は、前記スイングユニット40の上部に配置されてもよい。
この構成によれば、電気モータ30をスイングユニット40の上部に設けることで、電気モータ30に対する路面側からの外乱や被水を抑えることができる。
上記電動車両1において、前記電装部品130は、前記電気モータ30を制御するパワーコントロールユニット120と、前記バッテリ100からの出力電圧を降圧するダウンレギュレータ126と、前記バッテリ100、パワーコントロールユニット120およびダウンレギュレータ126を接続するジャンクションボックス123と、を備えている。
この構成によれば、電装部品130をリアフレーム21Aに集中配置することで、電装部品130間のハーネス長さを短縮化するとともに、各部品が相対移動しないので、配線の屈曲や干渉による摩耗等の抑制を図ることが出来る。
上記電動車両1において、前記バッテリ100(バッテリ101,102)は、長さ方向の一端側にバッテリ接続端子101d,102dを備えている。前記ジャンクションボックス123は、前記バッテリ100(バッテリ101,102)の長さ方向において、前記長さ方向の中央部101e,102eよりも前記バッテリ接続端子101d,102d側に配置されている。
この構成によれば、バッテリ100とジャンクションボックス123とを近づけて配置することで、バッテリ100およびジャンクションボックス123間の配線をさらに短縮することができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について、図6〜図8を援用し図10〜図15を参照して説明する。
この実施形態は、前記第一実施形態に対して、バッテリ101,102の長さ方向(長手方向)を左右方向に向けて横置きに配置し、これらバッテリ101,102を上下二段に重ねて配置した点で特に異なる。その他の、前記実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
図10〜図13に示すように、本実施形態の電動車両201は、第一実施形態と同様の揺動式の電動三輪車として構成されている。したがって、前車体3、後車体5、スイングユニット40、回動機構50、およびパーキングロック装置90の詳細説明は省略する。
また、制御システム、およびリアクッションの配置の詳細説明も省略する。
(電装部品)
図11、図12を参照し、荷台75の下方には、電気モータ30の電源であるバッテリ100が配置されている。荷台75の下方には、電気モータ30およびバッテリ100に係る電装部品130として、ジャンクションボックス123、PCU(Power Control Unit)120、DC−DCコンバータ126およびチャージャー(充電器)125が配置されている。後車体5は、バッテリ100、ジャンクションボックス123、PCU120、DC−DCコンバータ126およびチャージャー125といった電装部品130を、リアサスペンション29のバネ上である後車体フレーム21に支持している。後車体5は、電装部品130を収納する収納部76の上面を大型の荷台75として活用している。
(後車体カバー)
図14を参照し、後車体カバー70の左側壁部74は、上下バッテリ101,102の長さ方向の一端面(左端に位置する上面101c,102c)と対向配置されている。例えば、左側側壁部74における上下バッテリ101,102の一端面と対向する領域は、後車体カバー70の残余の部位(カバー本体)に対して着脱可能な蓋部材74bを構成している。蓋部材74bは、カバー本体に一体的に取り付けられた取り付け状態から、不図示の係止爪等を外す等によって、カバー本体から取り外された取り外し状態となる。蓋部材74bが取り付け状態にあると、収納部76の左側面が閉塞される。蓋部材74bが取り外し状態になると、収納部76の左側面が開放される。蓋部材74bは、収納部76(バッテリ収納空間を含む)の左側面を開閉可能な開閉部である。蓋部材74bは、収納部76(バッテリ収納空間を含む)の側面を開閉可能な開閉部である。蓋部材74bは、ヒンジ等を介してカバー本体や後車体フレーム21に支持されてもよい。
蓋部材74bが収納部76を開放したとき、バッテリ101,102は、それぞれの長さ方向(車体左右方向)に沿って挿脱される。バッテリ101,102の離脱方向の領域は、後車体フレーム21のフレーム部材(第二後部フレーム22、後上部フレーム23、リアロアサイドフレーム26、リアサイドフレーム27)を避けて設けられている。
(バッテリ)
図11、図12を参照し、バッテリ100は、荷台75の下方に搭載されている。バッテリ100は、複数(例えば上下二つ)の単位バッテリ101,102で構成されている。複数の単位バッテリ101,102は、互いに同一構成とされている。
本実施形態では、後車体5の荷台75よりも低い位置に上下バッテリ101,102を搭載することで、重量物である上下バッテリ101,102を持ち上げる高さが低くて済み、上下バッテリ101,102の着脱が容易になる。また、バッテリ収容スペースの上面は大型の荷台75となるので、電動車両201の利便性が向上する。
図15を併せて参照し、上下バッテリ101,102は、それぞれ断面矩形状(例えば略正方形状)をなして長手方向に延びる角柱状(直方体状)をなしている。上下バッテリ101,102は、それぞれ矩形状の上面101c,102cを左方に向けた横置き姿勢で配置されている。上下バッテリ101,102は、側面視で上面101c,102cの前後辺が第二後部フレーム22と略平行になるように傾いて配置されている。上下バッテリ101,102は、上側のバッテリ101を下側のバッテリ102に対して後方にずらして配置されている。上下バッテリ101,102の長手方向に沿う軸線を図11〜図13中線C41,C42で示している。上下バッテリ101,102は、軸線C41,C42を車体左右方向に沿わせている。
バッテリ100は、上下バッテリ101,102を適宜結線することで、所定の高電圧(48〜72V)を発生させる。上下バッテリ101,102は、それぞれ充放電可能なエネルギーストレージとして、例えばリチウムイオンバッテリで構成されている。上下バッテリ101,102は、充放電状況や温度等を監視する不図示のBMU(Battery Managing Unit)を備えている。
(バッテリケース)
図11、図12、図15を参照し、バッテリ100は、後車体5に固定されたバッテリケース100Aに対して挿脱される。バッテリケース100Aは、上下バッテリ101,102に対応する上下バッテリケース103,104を備えている。上下バッテリ101,102は、それぞれ上下バッテリケース103,104に対して、左右方向を向く長手方向に沿って挿脱される。上下バッテリケース103,104は、それぞれ左方(左右一側方)に向けて開口している。左右バッテリケース103,104は、互いに一体でも別体でもよい。上下バッテリケース103,104には、それぞれケース内に挿入した上下バッテリ101,102の左方への離脱を規制する不図示のロック機構が設けられている。
上下バッテリ101,102は、それぞれバッテリケース103,104に対して略水平にスライドしながら挿脱される。上下バッテリ101,102がバッテリケース103,104に対して略水平に挿脱されることで、バッテリ挿脱時のバッテリ重量がバッテリケース103,104の壁部に支持される。これにより、上下バッテリ101,102の挿脱作業がしやすくなる。
図12を参照し、上下バッテリ101,102の右端部には、それぞれバッテリ接続端子101d,102dが設けられている。上下バッテリケース103,104の底部(右端部)には、バッテリ接続端子101d,102dを着脱可能に接続するケース接続端子103d,104dが設けられている。例えば、上下バッテリ101,102をバッテリケース103,104に収納し、前記ロック機構をロック状態に操作することで、バッテリ接続端子101d,102dとケース接続端子103d,104dとが接続される。ケース接続端子103d,104dからは、ジャンクションボックス123に向けて第一接続ケーブル101a,102aが延びている(図6参照)。
前記ロック機構の操作および上下バッテリ101,102の挿脱は手動であり、上下バッテリ101,102は工具不要で車体に対して着脱される。上下バッテリ101,102は、車体に対して着脱可能なモバイルバッテリである。上下バッテリ101,102は、それぞれ車外の充電器で充電したり、モバイルバッテリとして外部機器の電源として利用する等、単独で用いることが可能である。
上下バッテリ101,102は、蓋部材74bを取り外して左側壁部74にバッテリ101,102を挿脱可能な開口74cを形成することで、車体に対して着脱可能となる。上下バッテリ101,102は、蓋部材74bの着脱による左側壁部74の開口74cの開閉により、車体に対して着脱可能な状態と着脱不能な状態とを切り替える。
(電装部品の配置)
図11、図12を参照し、上下バッテリ101,102、PCU120、ジャンクションボックス123、チャージャー125およびDC−DCコンバータ126を含む電装部品130は、後車体5に搭載されている。電装部品130は、後車体5に構成されたリアサスペンション29のバネ上に搭載されている。これにより、リアサスペンション29のバネ下重量の増加を抑えて作動性を向上させ、路面追従性や悪路走破性を向上させている。
図14、図15を併せて参照し、PCU120は、上下厚さを抑えた偏平をなしている。PCU120は、例えば後車体カバー70の前壁部71の背後で、前壁部71と略平行に傾斜して配置されている。PCU120は、平面視矩形状をなし、長手方向を前壁部71と略平行に傾斜させた状態で配置されている。PCU120は、第二後部フレーム22の左方に隣接して配置されている。PCU120の前方を向く上面には、複数の放熱フィン120aが立設されている。放熱フィン120aの前方には、後車体カバー70の前壁部71に形成された走行風取入口71aが対向配置されている。これにより、走行風取入口71aから取り入れた走行風でPCU120が効果的に冷却されるとともに、他の電装部品130も併せて冷却される。走行風取入口71aは、前壁部71に限らず側壁部74や上壁部72に設けてもよく、かつ導風フードを有してもよい。後車体カバー70内に取り入れた走行風を排出する排風口を、後車体カバー70の後部に設けてもよい。
PCU120の右方(第二後部フレーム22の右方)には、ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126が配置されている。ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126は、それぞれ上下厚さを抑えた偏平状をなしている。ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126は、それぞれ後車体カバー70の前壁部71の背後で、前壁部71と略平行に傾斜して配置されている。ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126は、それぞれ第二後部フレーム22の右方に隣接して配置されている。ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126は、互いに上下に並んで配置されている。本実施形態では、ジャンクションボックス123が下、DC−DCコンバータ126が上に配置されている。
図13を参照し、ジャンクションボックス123の少なくとも一部(少なくとも第一接続ケーブル101a,102aを接続する端子台)は、領域R4に配置されている。領域R4は、バッテリ101,102の長さ方向(長手方向)において、バッテリ101,102の長さ方向の中央部101e,102eよりもバッテリ接続端子101d,102d側の領域である。換言すれば、領域R4は、以下の直交面(仮想面)よりもバッテリ接続端子101d,102d側の領域である。前記直交面は、バッテリ101,102の長さ方向の中央部101e,102eを通り長さ方向と直交する面である。これにより、バッテリ101,102とジャンクションボックス123とをつなぐ第一接続ケーブル101a,102aの短縮化が図られる。本実施形態では、バッテリ101,102の長さ方向の中央部101e,102eは、前後方向視で後車体5の左右中心線CL2上にある。したがって、領域R4は、左右中心線CL2よりも右側の領域となる。
図11、図12を参照し、バッテリ100の後方には、チャージャー125が配置されている。チャージャー125は、上下厚さを抑えた偏平状をなしている。チャージャー125は、例えば左右リアサイドフレーム27間に渡る支持部材上に、リアサイドフレーム27と略平行な傾斜姿勢で支持されている。チャージャー125は、後車体5の後端近傍に配置されることで、使用者がアクセスしやすい。また、チャージャー125から充電コードを引き出す、あるいは外部の充電コードを接続するといった充電作業を容易にしている。チャージャー125は、後車体5の後端近傍に配置されることで、バッテリ充電時の放熱性を高めている。
チャージャー125は、バッテリ100の後方に配置されている。このため、バッテリ100(上下バッテリ101,102)に対する後方からの外乱の影響がチャージャー125によって抑えられる。例えば、後面衝突時の上下バッテリ101,102への荷重入力が、チャージャー125によって抑制される。
図13〜図15を参照し、PCU120とジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126とは、例えば車体左右中心線CL2を挟んで左右に振り分けて配置されている。チャージャー125は、例えば車体左右中心線CL2を左右に跨いで配置されている。
これらの電装部品130は、後車体5の外側部(左右後輪4a,4bの左右外側端部)よりも左右方向内側に配置されている。これにより、電装部品130に対する車両外側方からの外乱による影響が抑えられる。
図11、図12を参照し、電装部品130は、後輪車軸42よりも上方で、かつ後車体フレーム21の下端に位置する左右リアロアサイドフレーム26よりも上方に配置されている。これにより、電装部品130の地上高を確保し、車両下方(路面側)からの外乱の影響を抑え、かつ路面側からの被水も抑えている。
電装部品130の内、上下バッテリ101,102、PCU120、ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126といった駆動系のものは、後輪車軸42よりも前方に配置されている。これにより、駆動系の電装部品130は、後輪4a,4bの前方にオフセットした電気モータ30と接続しやすく、かつ後車体5の前側への集中配置により配線長さの短縮が図られる。
電装部品130は、後車体5にまとめて配置することで、各部品間を繋ぐ配線の長さを抑え、かつ各部品の相対移動による配線の屈曲や干渉による摩耗等の発生を抑えている。
電装部品130は、非揺動側車体である後車体5に搭載されるので、電装部品130の重量が揺動側車体である前車体3の揺動に影響することを抑え、電動車両201の旋回性能への影響を抑えている。
(バッテリの挿脱)
図14を参照し、上下バッテリ101,102は、蓋部材74bを取り外し、左側壁部74にバッテリ101,102を挿脱可能な開口74cを形成した状態で、それぞれ上下バッテリケース103,104に対して挿脱される。上下バッテリ101,102は、それぞれバッテリケース103,104に対して略水平にスライドしながら挿脱される。これにより、バッテリ挿脱時のバッテリ重量がバッテリケース103,104の下向きの壁部に支持される。収納部76を荷台75の下方に設けることで、バッテリ100を着脱する際にバッテリ100を持ち上げる高さが低くて済む。収納部76は、荷台75の上面を避けて車両側方からバッテリ100を着脱可能とする。これにより、荷台75に荷物を積載した状態でもバッテリ100が脱着可能となり、利便性を向上させる。
収納部76は、蓋部材74bを取り付けて左側壁部74の開口74cを閉塞する。これにより、大型の開口74cを形成した場合でも、開口74cを通じて収納部76内に異物や雨水等が進入することが抑えられる。蓋部材74bは、メインスイッチと連動して(または独立して)施錠可能としてもよい。
バッテリ101,102を含む電装部品130を収納(搭載)する電装部品収納部76が、荷台75を構成するリアフレーム21Aを用いて構成されている。このため、電装部品収納部76および荷台75のフレームを個々に設ける場合に比して、車体構成の簡素化が図られる。
以上説明したように、上記実施形態における電動車両201においても、車両走行用の電気モータ30と、前記電気モータ30へ電力を供給するバッテリ100と、車体後部を構成し、後輪4a,4bの上方に向けて延びるリアフレーム21Aと、を備えている。前記リアフレーム21Aは、前記バッテリ100を脱着可能に収納する電装部品収納部76を構成している。前記電装部品収納部76の上面には荷台75を構成している。前記電装部品収納部76は、バッテリ収納空間を開閉するための開閉部(蓋部材74b)を備えている。
この構成によれば、車体後部を構成するリアフレーム21Aに、重量物であるバッテリ100を搭載する電装部品収納部76を設けるとともに、電装部品収納部76の上面に荷台75を設け、さらに電装部品収納部76にはバッテリ収納空間を開閉する開閉部(蓋部材74b)を設けている。これにより、電装部品収納部76の上方に離間して荷台75を設ける場合に比べて、重量物であるバッテリ100を着脱する際、荷台75を避けて行う動作が不要となる。また、電装部品収納部76は、荷台75の一部等を利用した開閉部によってバッテリ収納空間を開閉させることで、この点でも荷台75を避けてバッテリ100の着脱を行う動作が不要となる。したがって、重量のあるバッテリ100の着脱を容易にすることができる。また、電装部品収納部76の上面を荷台75として活用し、電動車両201のコンパクト化を図ることができる。
上記電動車両201において、前記電装部品収納部76は、前記バッテリ100を、前記荷台75の上面を避けて車両側方から着脱可能としている。
この構成によれば、荷台75の上面を避けてバッテリ100を着脱可能とするので、荷台75に荷物を積載した状態でもバッテリ100が脱着可能となり、利便性を向上させることができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について、図6〜図8を援用し図16〜図22を参照して説明する。
この実施形態は、前記第一実施形態に対して、左右バッテリ101,102を前傾させ、上側ほど前側かつ左右外側に位置するように傾斜した起立姿勢で配置した点で特に異なる。その他の、前記実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
図16〜図18に示すように、本実施形態の電動車両301は、第一実施形態と同様の揺動式の電動三輪車として構成されている。したがって、前車体3、後車体5、スイングユニット40、回動機構50、およびパーキングロック装置90の詳細説明は省略する。
また、制御システム、およびリアクッションの配置の詳細説明も省略する。
(電装部品)
図17、図20を参照し、荷台75の下方には、電気モータ30の電源であるバッテリ100が配置されている。荷台75の下方には、電気モータ30およびバッテリ100に係る電装部品130として、ジャンクションボックス123、PCU(Power Control Unit)120、DC−DCコンバータ126およびチャージャー(充電器)125が配置されている。後車体5は、バッテリ100、ジャンクションボックス123、PCU120、DC−DCコンバータ126およびチャージャー125といった電装部品130を、リアサスペンション29のバネ上である後車体フレーム21に支持している。後車体5は、電装部品130を収納する収納部76の上面を大型の荷台75として活用している。
(バッテリ)
図17、図18を参照し、バッテリ100は、荷台75の下方に搭載されている。バッテリ100は、複数(例えば左右二つ)の単位バッテリ101,102で構成されている。複数の単位バッテリ101,102は、互いに同一構成とされている。左右バッテリ101,102は、車体左右中心線CL2を挟んで左右対称に設けられている。
本実施形態では、後車体5の荷台75よりも低い位置に左右バッテリ101,102を搭載することで、重量物である左右バッテリ101,102を持ち上げる高さが低くて済み、左右バッテリ101,102の着脱が容易になる。また、バッテリ収容スペースの上面は大型の荷台75となるので、電動車両301の利便性が向上する。
図20を併せて参照し、左右バッテリ101,102は、それぞれ断面矩形状(例えば略正方形状)をなして長手方向に延びる角柱状(直方体状)をなしている。左右バッテリ101,102は、それぞれ矩形状の上面101c,102cを斜め上前方に向けるように、側面視で傾斜して配置されている。左右バッテリ101,102は、斜め上後方を向く背面の法線方向から見て、V字状をなすように配置されている。左右バッテリ101,102は、左右方向と直交する車体側面に対しても傾斜している。
左右バッテリ101,102は、斜め上前方を向いた上面101c,102cを、さらに左右外側に向けている。左右バッテリ101,102は、それぞれ上側ほど前側かつ左右外側に位置するように傾斜した起立姿勢で配置されている。左右バッテリ101,102の間には、前記法線方向から見てV字状の空間が形成されている。左右バッテリ101,102の長手方向に沿う軸線を図17、図18中線C41,C42で示している。以下、軸線C41,C42に沿う方向をそれぞれ傾斜方向C41,C42という。
バッテリ100は、左右バッテリ101,102を適宜結線することで、所定の高電圧(48〜72V)を発生させる。左右バッテリ101,102は、それぞれ充放電可能なエネルギーストレージとして、例えばリチウムイオンバッテリで構成されている。左右バッテリ101,102は、充放電状況や温度等を監視する不図示のBMU(Battery Managing Unit)を備えている。
(バッテリケース)
図17、図18、図20を参照し、バッテリ100は、後車体5に固定されたバッテリケース100Aに対して挿脱される。バッテリケース100Aは、左右バッテリ101,102に対応する左右バッテリケース103,104を備えている。左右バッテリ101,102は、それぞれ左右バッテリケース103,104に対して、斜め上前方かつ左右外側から長手方向(傾斜方向C41,C42)に沿って挿脱される。左右バッテリケース103,104は、それぞれ斜め上前方かつ左右外側に向けて開口している。左右バッテリケース103,104は、互いに一体でも別体でもよい。左右バッテリケース103,104には、それぞれケース内に挿入した左右バッテリ101,102の上方への離脱を規制する不図示のロック機構が設けられている。
左右バッテリ101,102は、それぞれ垂直方向に対して斜めにスライドしながら挿脱される。左右バッテリ101,102が垂直方向に対して斜めに挿脱されることで、バッテリ挿脱時のバッテリ重量の一部がバッテリケース103,104の下向きの壁部(斜面部)100Bに支持される。これにより、左右バッテリ101,102の挿脱作業がしやすくなる。
図17、図18を参照し、バッテリ101,102は、それぞれの長手方向(傾斜方向C41,C42)に沿うV字状の軌跡で挿脱される。バッテリ101,102は、後車体5の左右中央に位置する単一のフレーム部材(後車体フレーム21の前部に位置する第二後部フレーム22、および後車体フレーム21の上部に位置する後上部フレーム23)を避けて挿脱可能となる。
図17を参照し、左右バッテリ101,102の下端部には、それぞれバッテリ接続端子101d,102dが設けられている。左右バッテリケース103,104の底部(下端部)には、バッテリ接続端子101d,102dを着脱可能に接続するケース接続端子103d,104dが設けられている。例えば、左右バッテリ101,102をバッテリケース103,104に収納し、前記ロック機構をロック状態に操作することで、バッテリ接続端子101d,102dとケース接続端子103d,104dとが接続される。ケース接続端子103d,104dからは、ジャンクションボックス123に向けて第一接続ケーブル101a,102aが延びている(図6参照)。
前記ロック機構の操作および左右バッテリ101,102の挿脱は手動であり、左右バッテリ101,102は工具不要で車体に対して着脱される。左右バッテリ101,102は、車体に対して着脱可能なモバイルバッテリである。左右バッテリ101,102は、それぞれ車外の充電器で充電したり、モバイルバッテリとして外部機器の電源として利用する等、単独で用いることが可能である。
後述するように、左右バッテリ101,102は、後車体5に対して前車体3を揺動させた状態で、車体に対して着脱可能となる。左右バッテリ101,102は、前車体3を揺動させた状態にあるか否かにより、車体に対して着脱可能な状態と着脱不能な状態とを切り替える。
(電装部品の配置)
図17〜図20を参照し、左右バッテリ101,102、PCU120、ジャンクションボックス123、チャージャー125およびDC−DCコンバータ126を含む電装部品130は、後車体5に搭載されている。電装部品130は、後車体5に構成されたリアサスペンション29のバネ上に搭載されている。これにより、リアサスペンション29のバネ下重量の増加を抑えて作動性を向上させ、路面追従性や悪路走破性を向上させている。
図19、図20を参照し、PCU120は、上下厚さを抑えた偏平をなしている。PCU120は、例えば後車体カバー70の前壁部71の背後で、前壁部71と略平行に傾斜して配置されている。PCU120は、平面視矩形状をなし、長手方向を左右方向に向けて配置されている。PCU120の前方を向く上面には、複数の放熱フィン120aが立設されている。放熱フィン120aの前方には、後車体カバー70の前壁部71に形成された走行風取入口71aが対向配置されている。これにより、走行風取入口71aから取り入れた走行風でPCU120が効果的に冷却されるとともに、他の電装部品130も併せて冷却される。走行風取入口71aは、前壁部71に限らず側壁部74や上壁部72に設けてもよく、かつ導風フードを有してもよい。後車体カバー70内に取り入れた走行風を排出する排風口を、後車体カバー70の後部に設けてもよい。
側面視でPCU120、バッテリ100およびリアロアサイドフレーム26に囲まれる空間には、ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126が配置されている。ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126は、それぞれ上下厚さを抑えた偏平状をなし、例えば左右リアロアサイドフレーム26間に渡る支持部材上に略水平に支持されている。
図17を参照し、ジャンクションボックス123の少なくとも一部(少なくとも第一接続ケーブル101a,102aを接続する端子台)は、バッテリ101,102の長さ方向において、バッテリ101,102の長さ方向の中央部101e,102eよりもバッテリ接続端子101d,102d側の領域R4に配置されている。換言すれば、ジャンクションボックス123の少なくとも一部は、バッテリ101,102の長さ方向の中央部101e,102eを通り長さ方向と直交する直交面(仮想面)よりもバッテリ接続端子101d,102d側の領域R4に配置されている。これにより、バッテリ101,102とジャンクションボックス123とをつなぐ第一接続ケーブル101a,102aの短縮化が図られる。
図19を参照し、側面視でバッテリ100、後上部フレーム23およびリアサイドフレーム27に囲まれる空間には、チャージャー125が配置されている。チャージャー125は、上下厚さを抑えた偏平状をなしている。チャージャー125は、例えば左右リアサイドフレーム27間に渡る支持部材上に、リアサイドフレーム27と略平行な傾斜姿勢で支持されている。チャージャー125は、後車体5の後端近傍に配置されることで、使用者がアクセスしやすい。また、チャージャー125から充電コードを引き出す、あるいは外部の充電コードを接続するといった充電作業を容易にしている。チャージャー125は、後車体5の後端近傍に配置されることで、バッテリ充電時の放熱性を高めている。
チャージャー125は、バッテリ100の後方に配置されている。このため、バッテリ100(左右バッテリ101,102)に対する後方からの外乱の影響がチャージャー125によって抑えられる。例えば、後面衝突時の左右バッテリ101,102への荷重入力が、チャージャー125によって抑制される。
PCU120は、例えば車体左右中心線CL2を左右に跨いで配置されている。ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126は、例えば車体左右中心線CL2を挟んで左右に並んで配置されている。チャージャー125は、例えば車体左右中心線CL2を左右に跨いで配置されている。
これらの電装部品130は、後車体5の外側部(左右後輪4a,4bの左右外側端部)よりも左右方向内側に配置されている。これにより、電装部品130に対する車両外側方からの外乱による影響が抑えられる。
電装部品130は、後輪車軸42よりも上方で、かつ後車体フレーム21の下端に位置する左右リアロアサイドフレーム26よりも上方に配置されている。これにより、電装部品130の地上高を確保し、車両下方(路面側)からの外乱の影響を抑え、かつ路面側からの被水も抑えている。
電装部品130の内、左右バッテリ101,102、PCU120、ジャンクションボックス123およびDC−DCコンバータ126といった駆動系のものは、後輪車軸42よりも前方に配置されている。これにより、駆動系の電装部品130は、後輪4a,4bの前方にオフセットした電気モータ30と接続しやすく、かつ後車体5の前側への集中配置により配線長さの短縮が図られる。
電装部品130は、後車体5にまとめて配置することで、各部品間を繋ぐ配線の長さを抑え、かつ各部品の相対移動による配線の屈曲や干渉による摩耗等の発生を抑えている。
電装部品130は、非揺動側車体である後車体5に搭載されるので、電装部品130の重量が揺動側車体である前車体3の揺動に影響することを抑え、電動車両301の旋回性能への影響を抑えている。
(バッテリの挿脱)
図17、図19を参照し、後車体カバー70の前壁部71には、左右バッテリ101,102の上面101c,102cと挿脱方向(長手方向)で対向する位置に、左右開口77がそれぞれ形成されている。左右開口77は、バッテリ収納部76を前方に向けて開放する。左右開口77は、例えば前後方向視で矩形状をなし、角柱状の左右バッテリ101,102をそれぞれ挿脱可能とする。左右開口77は、前後車体3,5間の隙間S1に臨んでいる。
図21を併せて参照し、前車体3が直立状態Aにあるとき、前車体3の後部傾斜部9aの少なくとも一部が、開口77と隙間S1を空けて対向する位置にある。隙間S1は、左右バッテリ101,102の挿脱方向の長さより小さい。このため、左右バッテリ101,102の挿脱は不能となる。左右バッテリ101,102の挿脱を可能とするには、前車体3を揺動させて揺動状態Bとし(図22参照)、後部傾斜部9aを開口77との対向位置から退避させる必要がある。
図22を参照し、前車体3は、直立状態A(図21参照)から回動機構50の軸線C1回りに予め定めた角度θだけ回動することで、揺動状態Bとなる。前車体3は、揺動状態Bにおいて後部傾斜部9aを開口77との対向位置から退避させ、左右バッテリ101,102の挿脱を可能とする。このとき、前車体3の揺動角度θは、回動機構50が相対回動をロック可能な角度範囲にある。これにより、左右バッテリ101,102の挿脱時に、前車体3を揺動状態Bでロック可能である。
左右開口77には、それぞれ開閉可能なリッド78が設けられている。車両前方を向いた左右開口77にリッド78を設けることで、バッテリ側への異物や雨水等の進入が抑えられる。リッド78には、バッテリ側への走行風(冷却風)を取り入れ可能とする走行風取入口を形成してもよい。リッド78は、メインスイッチと連動して(または独立して)施錠可能としてもよい。
左右開口77は、前車体3の直立状態Aでは、前車体3の後部傾斜部9aによって、左右バッテリ101,102を着脱不能となる。左右開口77は、前車体3が左右何れかに揺動して揺動状態Bになると、左右バッテリ101,102の何れかを着脱可能となる。前車体3が揺動状態Bになると、揺動方向と反対側の開口77から後部傾斜部9aが退避し、この開口77に対して左右バッテリ101,102の対応するものを着脱可能となる。
すなわち、図8に示すように、前車体3を右側にロールさせると、後車体5の左側の開口77が前方に露出し、左側のバッテリ101を着脱可能となる。一方、図示は略すが、前車体3を左側にロールさせると、後車体5の右側の開口77が前方に露出し、右側のバッテリ102を着脱可能となる。前車体3の傾斜方向(揺動方向)と反対側から左右バッテリ101,102の何れかを着脱可能となるので、前車体3の傾斜方向と反対側に立つ使用者から左右バッテリ101,102の着脱作業をしやすい。
このように、前後車体3,5の相対揺動に応じて、左右バッテリ101,102を着脱可能な状態と左右バッテリ101,102を着脱不能な状態とが切り替わる。このため、電動車両301の駐車時には、パーキングロック操作をすることのみで確実に左右バッテリ101,102の着脱が不能となり、バッテリ100の防盗性を向上させる。バッテリ100の周囲は後車体カバー70に覆われて外部から遮蔽されるので、この点でもバッテリ100の防盗性を向上させる。
電動車両301は、パーキングレバー91の操作により前車体3の揺動を規制するパーキングロック装置90を備えている。パーキングレバー91は、前車体3の揺動をロックしたロック位置において、メインスイッチのオフに応じて施錠状態となる。電動車両301は、以下の手順により、左右バッテリ101,102を取り出し不能としたロック状態で施錠可能である。
すなわち、前車体3を直立状態A相当としてパーキングレバー91をロック位置に操作し、この状態でメインスイッチをオフにする。すると、前車体3の揺動が直立状態A相当でロックされ、もって左右バッテリ101,102を取り出し不能な状態でロックされる。この状態からパーキングレバー91を操作して前車体3の揺動ロック(左右バッテリ101,102の取り出しのロック)を解除するには、メインスイッチをオンにする操作が必要となる。
このように、電動車両301は、駐車時等において左右バッテリ101,102を取り出し不能な状態で施錠可能であり、バッテリ100の防盗性を向上させている。そして、電動車両301の旋回走行時にバンクする前車体3の揺動ロック機構93(パーキングロック装置90)を利用して、バッテリ100の盗難防止用のロックを行うので、簡素な構成で盗難防止ロック構造の実現が可能となる。
また、収納部76を荷台75の下方に設けることで、バッテリ100を着脱する際にバッテリ100を持ち上げる高さが低くて済む。
そして、バッテリ101,102を含む電装部品130を収納(搭載)する電装部品収納部76が、荷台75を構成するリアフレーム21Aを用いて構成されるので、電装部品収納部76および荷台75のフレームを個々に設ける場合に比して、車体構成の簡素化が図られる。
以上説明したように、上記実施形態における電動車両301においても、車両走行用の電気モータ30と、前記電気モータ30へ電力を供給するバッテリ100と、車体後部を構成し、後輪4a,4bの上方に向けて延びるリアフレーム21Aと、を備えている。前記リアフレーム21Aは、前記バッテリ100を脱着可能に収納する電装部品収納部76を構成している。前記電装部品収納部76の上面には荷台75を構成している。前記電装部品収納部76は、バッテリ収納空間を開閉するための開閉部(リッド78)を備えている。
この構成によれば、車体後部を構成するリアフレーム21Aに、重量物であるバッテリ100を搭載する電装部品収納部76を設けるとともに、電装部品収納部76の上面に荷台75を設け、さらに電装部品収納部76にはバッテリ収納空間を開閉する開閉部(リッド78)を設けている。これにより、電装部品収納部76の上方に離間して荷台75を設ける場合に比べて、重量物であるバッテリ100を着脱する際、荷台75を避けて行う動作が不要となる。また、電装部品収納部76は、荷台75の一部等を利用した開閉部によってバッテリ収納空間を開閉させることで、この点でも荷台75を避けてバッテリ100の着脱を行う動作が不要となる。したがって、重量のあるバッテリ100の着脱を容易にすることができる。また、電装部品収納部76の上面を荷台75として活用し、電動車両301のコンパクト化を図ることができる。
上記電動車両301において、前記電装部品収納部76は、前記バッテリ100を、前記荷台75の上面を避けて車両前方から着脱可能としている。
この構成によれば、荷台75の上面を避けてバッテリ100を着脱可能とするので、荷台75に荷物を積載した状態でもバッテリ100が脱着可能となり、利便性を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、実施形態では屋根付きの自動三輪車を例示したが、これに限らない。本発明は、屋根なしの車両を含め、前後の車体を相対回動可能な鞍乗り型車両に広く適用可能である。前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
図23は、本実施形態における自動二輪車としての電動車両1’が示されている。電動車両1’は、「前記リアフレーム21Aは、前記バッテリ100を脱着可能に収納する電装部品収納部76を構成する」、「前記電装部品収納部76の上面に荷台75を構成する」、「前記電装部品収納部76は、バッテリ収納空間を開閉するための開閉部(上壁部72)を備える」の構成を適用している。以下、電動車両1’について説明するが、上記実施形態と同一構成には同一符号を付してその説明は省略する。
電動車両1’は、操向輪である一輪の前輪2を前車体3に支持している。電動車両1’は、駆動輪である一輪の後輪4を後車体5に支持している。前車体3の前車体フレーム11と後車体5の後車体フレーム21とは、相対回動不能に一体化されている。後車体フレーム21は、側面視で後輪4の上方に向けて延びるリアフレーム21Aを構成している。
前車体フレーム21のロアクロスフレーム17およびリアロアクロスフレーム18には、ピボットブラケット19が固定されている。ピボットブラケット19には、スイングアーム40’の前端部が、左右方向に沿うスイング軸(ピボット軸)41’を介して上下揺動可能に支持されている。スイングアーム40’の後端部には、後輪4が支持されている。スイングアーム40’は、側面視でスイング軸41’から後輪車軸42まで延びるように、長さ方向を前後方向に向けて配置されている。
電動車両1の駆動源である電気モータ30’は、例えばスイングアーム40’の長さ方向の中間部に搭載されている。電気モータ30’は、駆動軸を車両左右方向に向けたいわゆる横置き配置され、後輪4とドライブチェーン45’を介して連係されている。電気モータ30’は、リアクッション28を含むリアサスペンション29のバネ下に搭載されるが、リアサスペンション29のバネ上である前車体フレーム11やリアフレーム21Aに搭載されてもよい。
スイングアーム40’の上方で荷台75の下方には、後車体5に対して着脱可能なバッテリ100(左右バッテリ101,102)が配置されている。荷台75の下方には、電気モータ30’およびバッテリ100に係る電装部品130として、ジャンクションボックス123、PCU(Power Control Unit)120、DC−DCコンバータ126およびチャージャー(充電器)125が配置されている。リアフレーム21Aは、上記電装部品130を収納する電装部品収納部76を構成している。荷台75の上面を構成する上壁部72は、ヒンジ等を介して後車体フレーム11に連結されている。上壁部72は、電装部品収納部76(バッテリ収納空間を含む)の上面を開閉可能な開閉部を構成している。
この電動車両1’においても、重量物であるバッテリ100を着脱する際、荷台75を避けて行う動作が不要となり、重量のあるバッテリ100の着脱を容易にすることができる。なお、図23では第一実施形態における電装部品130の配置を例示したが、これに限らない。例えば、第二実施形態および第三実施形態における電装部品130の配置を適用することも可能である。
また、電装部品130をリアサスペンション29のバネ上に搭載する構成であればよい。例えば、前車体3に後輪4の上方を後方へ延びるリアフレームを一体に設け、このリアフレームに電装部品130を搭載してもよい。リアフレームを前車体3に設ける場合、スイングユニット40および後輪4の揺動スペースを確保しやすくなる。
リアクッション28は、バッテリ100よりも前方に配置してもよい。この場合、リアクッション28を単一に設けてもよい。また、リアクッション28は、リンク機構を介して車体に連結されてもよい。
第一実施形態では、荷台75の上面(荷物積載面)を形成する上壁部72の全体を、電装部品収納部76の上面を開閉する開閉部としたが、これに限らない。例えば、上壁部72の一部を開閉部としてもよい。また、第三実施形態において、前壁部71の全体を、電装部品収納部76の前面を開閉する開閉部としてもよい。また、第二実施形態において、側壁部74の全体を、電装部品収納部76の側面を開閉する開閉部としてもよい。さらに、後壁部73の少なくとも一部を、電装部品収納部76の後面を開閉する開閉部としてもよい。すなわち、電装部品収納部76を覆う後車体カバー70の少なくとも一部を、バッテリ100の着脱を可能とする開閉部とした構成であればよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1,1’,201,301 電動車両
2 前輪
4 後輪
4a,4b 左右後輪
21A リアフレーム
28 リアクッション
30,30’ 電気モータ
40 スイングユニット(スイングアーム)
40’ スイングアーム
40a 中央部
C2 長さ方向
41 スイング軸
43b モータケース
72 上壁部(開閉部)
74b 蓋部材(開閉部)
75 荷台
76 電装部品収納部
78 リッド(開閉部)
100 バッテリ
101,102 単位バッテリ
101d,102d バッテリ接続端子
101e,102e 中央部
C41,C42 傾斜方向
100A バッテリケース
103,104 単位バッテリケース
120 パワーコントロールユニット
123 ジャンクションボックス
125 チャージャー(充電器)
126 ダウンレギュレータ
130 電装部品
【0002】
よび補強パイプ60,61)で覆われている。このため、バッテリ10の脱着が困難である。また、車体フレーム1(前車体、揺動車体)の後端に設けられたトランク16が、バッテリ10の上方に離間して配置されている。このため、重量物であるバッテリ10を着脱する際、トランク16を避けて行う動作が必要となる。したがって、脱着容易性の面で改善の余地があった。
[0005]
そこで本発明は、電動車両において、重量のあるバッテリの着脱を容易にすることを目的とする。
課題を解決するための手段
[0006]
上記課題の解決手段として、本発明の第一の態様は、車両走行用の電気モータ(30)と、前記電気モータ(30)へ電力を供給するバッテリ(100)と、を備える電動車両(1,1’,201,301)であって、車体後部を構成し、後輪(4,4a,4b)の上方に向けて延びるリアフレーム(21A)を備え、前記リアフレーム(21A)は、前記バッテリ(100)を脱着可能に収納する電装部品収納部(76)を構成するとともに、前記電装部品収納部(76)の上面に荷台(75)を構成し、前記電装部品収納部(76)は、バッテリ収納空間を開閉するための開閉部(72,74b,78)を備え、前記電装部品収納部(76)は、前記バッテリ(100)を垂直方向に対して傾斜した傾斜方向(C41,C42)で挿脱させるように支持するバッテリケース(100A)を備え、前記バッテリ(100)は、一対の単位バッテリ(101,102)で構成され、前記一対の単位バッテリ(101,102)は、V字状に配置され、それぞれ傾斜方向(C41,C42)に沿って挿脱される。
本発明の第十一(説明都合上の順序を示す。以下同様。)の態様は、車体前部構造体(3)と、前記車体前部構造体(3)から分離した車体後部構造体(5)と、前記車体前部構造体(3)および車体後部構造体(5)を、車両前後方向を向く軸線(C1)回りに相対揺動可能に連結する回動機構(50)と、車両走行用の電気モータ(30)と、前記電気モータ(30)へ電力を供給するバッテリ(100)と、を備える電動車両(1,1’,201
【0003】
,301)であって、車体後部を構成し、後輪(4,4a,4b)の上方に向けて延びるリアフレーム(21A)を備え、前記リアフレーム(21A)は、前記バッテリ(100)を脱着可能に収納する電装部品収納部(76)を構成するとともに、前記電装部品収納部(76)の上面に荷台(75)を構成し、前記電装部品収納部(76)は、バッテリ収納空間を開閉するための開閉部(72,74b,78)を備え、前記電装部品収納部(76)は、前記バッテリ(100)を垂直方向に対して傾斜した傾斜方向(C41,C42)で挿脱させるように支持するバッテリケース(100A)を備え、前記車体後部構造体(5)を覆う後車体カバー(70)の前壁部(71)には、前記バッテリ(100)と挿脱方向で対向する位置に、前記バッテリ(100)を挿脱可能とする開口(77)が形成され、前記開口(77)は、前記車体前部構造体(3)および車体後部構造体(5)間の隙間(S1)に臨んでいる。
本発明の第十二の態様は、上記第一又は第十一の態様において、前記電装部品収納部(76)は、前記バッテリ(100)の後方に充電器(125)を収納している。
本発明の第十三の態様は、上記第十一の態様において、前記電装部品収納部(76)は、前記バッテリ(100)を、前記荷台(75)の上面を避けた前方向から着脱可能とする
本発明の第十四の態様は、上記第一、第十一から第十三の態様の何れか一つにおいて、後輪(4a,4b)を上下揺動可能に支持するスイングアーム(40)と、前記リアフレーム(21A)と前記スイングアーム(40)とを連結するリアクッション(28)と、を備え、前記リアクッション(28)は、前記バッテリ(100)の後方において前後方向視で前記バッテリ(100)と重なるように、あるいは前記バッテリ(100)の側方において側面視で前記バッテリ(100)と重なるように配置されている。
本発明の第十五の態様は、上記第一、第十一から第十四の態様の何れか一つにおいて、後輪(4a,4b)を上下揺動可能に支持するスイングアーム
【0004】
(40)を備え、前記スイングアーム(40)は、側面視で後輪(4a,4b)を避けた位置に、前記電気モータ(30)を収納するモータケース(43b)を備えている。
本発明の第十六の態様は、上記第十五の態様において、前記電気モータ(30)は、前記スイングアーム(40)の長さ方向(C2)の中央部(40a)よりもスイング軸(41)側に配置され、前記モータケース(43b)に隣接して前記スイング軸(41)が設けられている。
本発明の第十七の態様は、上記第十五又は第十六の態様において、前記電気モータ(30)は、前記スイングアーム(40)の上部に配置されている。
本発明の第十八の態様は、上記第一、第十一から第十七の態様の何れか一つにおいて、前記電装部品収納部(76)に収納される電装部品(130)は、前記電気モータ(30)を制御するパワーコントロールユニット(120)と、前記バッテリ(100)からの出力電圧を降圧するダウンレギュレータ(126)と、前記バッテリ(100)、パワーコントロールユニット(120)およびダウンレギュレータ(126)を接続するジャンクションボックス(123)と、を備えている。
本発明の第十九の態様は、上記第十八の態様において、前記バッテリ(100)は、長さ方向の一端側にバッテリ接続端子(101d,102d)を備え、前記ジャンクションボックス(123)は、前記バッテリ(100)の長さ方向において、前記バッテリ(100)の長さ方向の中央部(101e,102e)よりも前記バッテリ接続端子(101d,102d)側に配置されている。
発明の効果
[0007]
第一および第十一の態様によれば、車体後部を構成するリアフレームに、重量物であるバッテリを搭載する電装部品収納部を設けるとともに、電装部品収納部の上面に荷台を設け、さらに電装部品収納部にはバッテリ収納空間を開閉する開閉部を設けている。これにより、電装部品収納部の上方に離間して荷台を設ける場合に比べて、重量物であるバッテリを着脱する際、荷台
【0005】
を避けて行う動作が不要となる。また、電装部品収納部は、荷台の一部等を利用した開閉部によってバッテリ収納空間を開閉させることで、この点でも荷台を避けてバッテリの着脱を行う動作が不要となる。したがって、重量のあるバッテリの着脱を容易にすることができる。また、電装部品収納部の上面を荷台として活用し、電動車両のコンパクト化を図ることができる。
また、バッテリを垂直方向に挿脱させる場合に比べて、重量物であるバッテリを持ち上げやすく、かつバッテリケースにてバッテリ重量の少なくとも一部を受けることが可能となるため、バッテリの着脱作業を容易にすることができる。
第十二の態様によれば、バッテリよりも後方に充電器を配置することで、充電器が車体全体の後端寄りに配置されるので、充電器へのアクセスが容易になる。高電圧部品でかつ重量物であるバッテリは、相対的に車体全体の前後中央寄りに配置されるので、後方からの外乱の影響が抑えられるとともに、マスの集中に寄与することができる。
第十三の態様によれば、荷台の上面を避けてバッテリを着脱可能とするので、荷台に荷物を積載した状態でもバッテリが脱着可能となり、利便性を向上させることができる。
第十四の態様によれば、後輪懸架装置のリアクッションを利用して、バッテリに対する後方あるいは側方からの外乱の影響を抑え、バッテリの保護性を向上させることができる。
第十五の態様によれば、インホイールモータのように側面視で後輪と重なるように電気モータを配置する場合に比べて、車両側方から電気モータへのアクセスが容易になり、かつ電気モータを収納するモータケースが車両側方に露出して設けられているため、電気モータの組み付け性やメンテナンス性を向上させることができる。
第十六の態様によれば、重量物である電気モータをスイングアームにおけるスイング軸に近い位置に設けることで、スイングアームの作動性を向上させることができる。
第十七の態様によれば、電気モータをスイングアームの上部に設けることで、電気モータに対する路面側からの外乱や被水を抑えることができる。
第十八の態様明によれば、電装部品をリアフレームに集中配置することで、電装部品間のハーネス長さを短縮化するとともに、各部品が相対移動しないので、配線の屈曲や干渉による摩耗等の抑制を図ることが出来る。
第十九の態様によれば、バッテリとジャンクションボックスとを近づけて配置することで、バッテリおよびジャンクションボックス間の配線をさらに短縮することができる。
図面の簡単な説明
[0008]
[図1]本発明の第一実施形態における電動車両の左側面図である。
[図2]上記電動車両の車体後部の左側面図である。
[図3]上記電動車両の後面図である。
[図4]上記電動車両の後車体の斜視図である。
[図5]上記後車体から後車体カバーを外した状態の斜視図である。
[図6]上記電動車両の主要電装部品のブロック図である。
[図7]上記電動車両の回動機構の一部断面を含む平面図である。
[図8]図7のX−X断面図である。
[図9]第一実施形態の変形例を示す図2に相当する左側面図である。
[図10]本発明の第二実施形態における電動車両の左側面図である。
[図11]第二実施形態の電動車両の車体後部の左側面図である。

Claims (10)

  1. 車両走行用の電気モータ(30)と、
    前記電気モータ(30)へ電力を供給するバッテリ(100)と、を備える電動車両(1,1’,201,301)であって、
    車体後部を構成し、後輪(4,4a,4b)の上方に向けて延びるリアフレーム(21A)を備え、
    前記リアフレーム(21A)は、前記バッテリ(100)を脱着可能に収納する電装部品収納部(76)を構成するとともに、前記電装部品収納部(76)の上面に荷台(75)を構成し、
    前記電装部品収納部(76)は、バッテリ収納空間を開閉するための開閉部(72,74b,78)を備えている電動車両。
  2. 前記電装部品収納部(76)は、前記バッテリ(100)の後方に充電器(125)を収納している請求項1に記載の電動車両。
  3. 前記電装部品収納部(76)は、前記バッテリ(100)を垂直方向に対して傾斜した傾斜方向(C41,C42)で挿脱させるように支持するバッテリケース(100A)を備えている請求項1又は2に記載の電動車両。
  4. 前記電装部品収納部(76)は、前記バッテリ(100)を、前記荷台(75)の上面を避けた車両左右方向あるいは前方向から着脱可能とする請求項1から3の何れか一項に記載の電動車両。
  5. 後輪(4a,4b)を上下揺動可能に支持するスイングアーム(40)と、前記リアフレーム(21A)と前記スイングアーム(40)とを連結するリアクッション(28)と、を備え、
    前記リアクッション(28)は、前記バッテリ(100)の後方において前後方向視で前記バッテリ(100)と重なるように、あるいは前記バッテリ(100)の側方において側面視で前記バッテリ(100)と重なるように配置されている請求項1から4の何れか一項に記載の電動車両。
  6. 後輪(4a,4b)を上下揺動可能に支持するスイングアーム(40)を備え、
    前記スイングアーム(40)は、側面視で後輪(4a,4b)を避けた位置に、前記電気モータ(30)を収納するモータケース(43b)を備えている請求項1から5の何れか一項に記載の電動車両。
  7. 前記電気モータ(30)は、前記スイングアーム(40)の長さ方向(C2)の中央部(40a)よりもスイング軸(41)側に配置され、
    前記モータケース(43b)に隣接して前記スイング軸(41)が設けられている請求項6に記載の電動車両。
  8. 前記電気モータ(30)は、前記スイングアーム(40)の上部に配置されている請求項6又は7に記載の電動車両。
  9. 前記電装部品収納部(76)に収納される電装部品(130)は、
    前記電気モータ(30)を制御するパワーコントロールユニット(120)と、
    前記バッテリ(100)からの出力電圧を降圧するダウンレギュレータ(126)と、
    前記バッテリ(100)、パワーコントロールユニット(120)およびダウンレギュレータ(126)を接続するジャンクションボックス(123)と、を備えている請求項1から8の何れか一項に記載の電動車両。
  10. 前記バッテリ(100)は、長さ方向の一端側にバッテリ接続端子(101d,102d)を備え、
    前記ジャンクションボックス(123)は、前記バッテリ(100)の長さ方向において、前記バッテリ(100)の長さ方向の中央部(101e,102e)よりも前記バッテリ接続端子(101d,102d)側に配置されている請求項9に記載の電動車両。
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