JPWO2019156150A1 - 縦型水耕栽培システム及び縦型水耕栽培方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の縦型水耕栽培システムは、複数の中空水耕栽培タワー(縦型水耕栽培筒)と、中空水耕栽培タワー内の培地材料に養液を供給する灌漑手段(養液供給手段)と、を備えている。
また、前記中空水耕栽培タワーは、断面方形でその一側面に植物の苗を植え込むための溝部(垂直方向のスリット又は開口部)を備えた構造になっている。
また、前記中空水耕栽培タワー内には、粒状培地、スタイロフォーム、ポリウレタン発泡体、プラスチックメッシュ、ロックウール、ココナツ繊維、ウイッキイングストリップ、栽培袋及びバーミキュライトから選択される培地材料が挿入されている(特許文献1参照)。
特許文献2の縦型水耕栽培システムは、側面に植物を定植する多数の植え込み孔を設け、内部に不織布等の培地を充填した中空管を、養液を満たした貯液槽の中に直立させ、中空管の中に設置した送液管の下端部から空気を噴出させることにより、植物を定植した培地に養液を供給する構造になっている(特許文献2参照)。
特許文献3の縦型水耕栽培システムは、ハウスの天井に吊るし又は床面に立設した複数の縦型水耕栽培筒と、縦型水耕栽培筒内に抜き差し可能に収容した培地と、養液収容タンクから培地に養液を供給する養液供給手段と、縦型水耕栽培筒の下部から滴下した養液を収集し、養液収容タンクに回収する養液回収手段と、を備えた縦型水耕栽培システムであって、前記縦型水耕栽培筒は、その一側面に植物の苗を植え込むための垂直方向のスリットを備え、前記培地は、保水性シートとその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成されたものである。
また保水性シートと通気性素材との間に挟み込んだ植物の苗の根に確実に酸素も供給されるため、栽培植物の根腐れも防止することができる。
また、培地として保水性シートと通気性素材の2部構成にし、役割分担することにより、保水性は低いが通気性に優れて安価なものや供給容易なもの・通気性は低いが保水性に優れて安価なものや供給容易なものまで広く使用でき、材料の選択の幅を広げることができる、という効果を有するものであった。
すなわち、培地の保水性が高く通気性が低い(培地中の気相比率が低すぎる)と、根腐れを生じ、逆に通気性が高く保水性が低い(培地中の液相比率が低すぎる)と、苗を枯らさないためには大量の養液の供給が必要で、養液の供給又は循環に用いられるポンプの容量が大きくなるため、設備費及びランニングコストが高くつくという問題点があった。
また、逆に保水性が高く通気性が低い(培地中の液相比率が高すぎる)と、根腐れを生じる。若しくは、空気不足を回避するために特許文献2のような煩雑な装置が必要となり、設備費が高くついたり操作が不便になるという問題点があった。また、水相・気体相のバランスが良い培地(例えばロックウール)を選択したとしても、栽培筒内部に充填した培地が水を含むことにより栽培筒全体の重量が重くなり、作業性が悪いという問題点があった。
すなわち、従来例の縦型水耕栽培システムでは、保水性シートと通気性素材との間に植物の苗又は種を挟んだ状態の培地を縦型水耕栽培筒内に引き入れる作業が必要であるが、その際、特に苗の地下部の大き目な植物を定植する場合、大きな力が必要であるという問題があった。
また、植物の苗の地上部が挟む部分近くまで茂っている場合には引き入れる際にスリットのヘリで植物がこすれてしまう場合があり、それを避けるために慎重に時間をかけて引き入れ作業をしたり、複数の人員を割いて地上部保護と培地の引き入れ作業の分担作業にしなければならなかった。
また、同様に植物の栽培が終了した縦型水耕栽培筒を片付ける際にも、栽培中に肥大した植物の地下部が挟まれた培地を引き出すには大きな力が必要である。
また、繰り返し使用するために縦型水耕栽培筒を洗浄する際に、狭いスリット状の空き部分しかないので洗いづらく、きちんと洗えたか確認する作業も難しかった。
以上のように、従来技術は作業性に種々の課題があった。
さらに、フック等でひっかけて抜き差しをするために、フックをひっかける部分が
繰り返し使用すると伸びたりちぎれたりし、耐久性にも問題があった。
また、本発明の解決しようとする課題は、植物の苗又は種の定植等の栽培のための準備作業から栽培期間中・栽培終了後の撤去・撤去後の外枠の洗浄作業など一連の作業を少ない労力で簡単に行なえるようにし、なおかつ、耐久性が良く長く使用でき、高いコストをかけずに実施可能な縦型水耕栽培システム及び縦型水耕栽培方法を提供することにある。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成され、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその一方向に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させるように構成され、
前記養液供給手段の養液滴下口が前記保水性シートの真上に位置するように固定する固定手段を備えていることを特徴とする。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成され、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその一方向に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させるように構成され、
前記養液供給手段の養液滴下口が前記保水性シートに触れていることを特徴とする。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成され、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその一方向に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させるように構成され、
前記養液供給手段の養液滴下口が前記保水性シートと一方の通気性素材の上端部相互間に挟み込まれていることを特徴とする。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成され、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその一方向に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させるように構成され、
前記保水性シートの厚さが2mm以上であることを特徴とする。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成され、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその二方向以上に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させるように構成されていることを特徴とする。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成され、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその二方向以上に前記保水性シートと通気性素材との境目目分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリットを備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させるように構成されていることを特徴とする。
養液供給手段の養液滴下口が保水性シートの真上に位置するように固定する固定手段を備えている場合がある。
養液供給手段の養液滴下口が保水性シートに触れている場合がある。
養液供給手段の養液滴下口が保水性シートと一方の通気性素材の上端部相互間に挟み込まれている場合がある。
保水性シートの厚さが2mm以上である場合がある。
保水性シートの上端が両通気性素材の上面より突出している場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培システムは、
通気性素材の上端より突出した保水性シートの上端部を少なくとも一方の通気性素材の上面に折り曲げ載置されている場合がある。
また、さらに、本発明の縦型水耕栽培システムは、
折り曲げられた保水性シートは、その先端に行くにつれて肉厚が厚くなることでその上面が保水性シートを中心として外側に行くに連れて高くなる傾斜状に形成されている場合がある。
また、さらに、本発明の縦型水耕栽培システムは、
少なくとも折り曲げられた保水性シート側の通気性素材の上面に保水性シートを中心として外側に行くに連れて高くなる傾斜上面を有する傾斜部材を備えている場合がある。
また、さらに、本発明の縦型水耕栽培システムは、
折り曲げられた保水性シート側の通気性素材の上面が保水性シートを中心として外側に行くにつれて高くなる傾斜状に形成されている場合がある。
縦型水耕栽培筒の下部から滴下した養液を収集し、養液収容タンクに回収する養液回収手段を備え、
養液回収手段は、縦型水耕栽培筒の下部から滴下する養液を回収するドレンパンを備え、ドレンパンに回収された養液を養液収容タンクに循環させるように構成する場合がある
養液供給手段には保水性シートへの養液供給量を調整する流量調整手段を備え、流量調整手段から養液を保水性シートに滴下させるように構成され、
保水性シートの下端部には水分量センサを備えている場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培システムは、
流量調整手段が、電動バルブと水分量センサからの信号で電動バルブを自動制御することにより、保水性シート下端部の保水量を制御する養液供給量制御手段で構成されている場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培システムは、
流量調整手段が、手動バルブである場合がある。
保水性シートに接する状態で温熱ヒーターを備える場合がある。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成し、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその一方向に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させることにより、保水性シートに供給された養液で植物の苗又は種子を育成し、
前記養液供給手段の養液滴下口が前記保水性シートの真上に位置するように固定する固定手段を備えることを特徴とする。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成し、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその一方向に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させることにより、保水性シートに供給された養液で植物の苗又は種子を育成し、
前記養液供給手段の養液滴下口を前記保水性シートに触れさせた状態とすることを特徴とする。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成し、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその一方向に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させることにより、保水性シートに供給された養液で植物の苗又は種子を育成し、
前記養液供給手段の養液滴下口を前記保水性シートと一方の通気性素材の上端部相互間に挟み込ませた状態とすることを特徴とする。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成し、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその一方向に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させることにより、保水性シートに供給された養液で植物の苗又は種子を育成し、
前記保水性シートの厚さが2mm以上とすることを特徴とする。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成し、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその二方向以上に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させることにより、保水性シートに供給された養液で植物の苗又は種子を育成することを特徴とする。
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成し、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその二方向以上に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリットを備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させることにより、保水性シートに供給された養液で植物の苗又は種子を育成することを特徴とする。
養液供給手段の養液滴下口が保水性シートの真上に位置するように固定する固定手段を備える場合がある。
養液供給手段の養液滴下口を保水性シートに触れさせた状態とする場合がある。
養液供給手段の養液滴下口を保水性シートと一方の通気性素材の上端部相互間に挟み込ませた状態とする場合がある。
保水性シートの厚さが2mm以上とする場合がある。
保水性シートの上端が両通気性素材の上面より突出させる場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培方法は、
通気性素材の上端より突出した保水性シートの上端部を少なくとも一方の通気性素材の上面に折り曲げ載置し、
養液供給手段から養液を折り曲げ載置した保水性シートに滴下させる場合がある。
また、さらに、本発明の縦型水耕栽培方法は、
折り曲げられた保水性シートは、その先端に行くにつれて肉厚を厚くすることでその上面が保水性シートを中心として外側に行くに連れて高くなる傾斜状に形成する場合がある。
また、さらに、本発明の縦型水耕栽培方法は、
少なくとも折り曲げられた保水性シート側の通気性素材の上面に保水性シートを中心として外側に行くに連れて高くなる傾斜上面を有する傾斜部材を備える場合がある。
また、さらに、本発明の縦型水耕栽培方法は、
折り曲げられた保水性シート側の通気性素材の上面を保水性シートを中心として外側に行くにつれて高くなる傾斜状に形成する場合がある。
縦型水耕栽培筒の下部から滴下した養液を収集し、養液収容タンクに回収する養液回収手段を備え、
養液回収手段は、縦型水耕栽培筒の下部から滴下する養液を回収するドレンパンを備え、ドレンパンに回収された養液を養液収容タンクに循環させるように構成する場合がある。
養液供給手段には保水性シートへの養液供給量を調整する流量調整手段を備え、流量調整手段から養液を保水性シートに滴下させるように構成し、
保水性シートの下端部には水分量センサを備える場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培方法は、
流量調整手段を、電動バルブと水分量センサからの信号で電動バルブを自動制御することにより、保水性シート下端部の保水量を制御する養液供給量制御手段で構成する場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培方法は、
流量調整手段を、手動バルブで構成する場合がある。
保水性シートに接する状態で温熱ヒーターを備える場合がある。
前記両外枠の横断面が前記隙間部分を残して各通気性素材の外周を囲う略コの字状又は略半円状であり、
前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成されていることを特徴とする。
前記両外枠の横断面が前記隙間部分を残して各通気性素材の外周を囲う略コの字状又は略半円状であり、
前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成されていることを特徴とする。
両外枠の上端面の少なくとも一部分を覆う天板部を有する場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培システムは、
天板部が両外枠の対面側へ向けて下向きに傾斜する斜面に形成されている場合がある。
両外枠相互間の植物の苗又は種を植え込むための隙間が縦方向細長く連続する状態で形成されている場合がある。
両外枠相互間の植物の苗又は種を植え込むため隙間が縦方向一定間隔の下に複数形成されている場合がある。
連結手段が両外枠間を着脱可能にかみ合わせる構造である場合がある。
連結手段が両外枠の外周の少なくとも1か所を巻き締める結束バンドである場合がある。
連結手段が両外枠の外周の少なくとも1か所を巻き締める熱溶融バンドである場合がある。
養液供給手段の養液滴下口が保水性シートの真上に位置するように固定する固定手段を備えている場合がある。
養液供給手段の養液滴下口が保水性シートに触れている場合がある。
養液供給手段の養液滴下口が保水性シートと一方の通気性素材の上端部相互間に挟み込まれている場合がある。
連結された両外枠および培地で形成された縦長の柱状体の上端開口部に養液供給手段から滴下する養液を保水性シートの上端部に案内する養液供給開口部を下端部に有する案内部材を備えている場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培システムは、
案内部材は、両外枠の上端開口部に養液供給手段から滴下する養液を保水性シートの上端部に案内する養液供給開口部を下端部に有する漏斗型のキャップである場合がある。
また、さらに、本発明の縦型水耕栽培システムは、
キャップは、両外枠内に収容された培地の上端部側を遮光する遮光壁を両外枠で囲まれていない側面部分の少なくとも一部分を塞ぐ状態で備えている場合がある。
保水性シートの上端が両通気性素材の上面より突出している場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培システムは、
通気性素材の上端より突出した保水性シートの上端部を少なくとも一方の通気性素材の上面に折り曲げ載置されている場合がある。
養液供給手段には保水性シートへの養液供給量を調整する流量調整手段を備え、流量調整手段から養液を保水性シートに滴下させるように構成され、
保水性シートの下端部には水分量センサを備えている場合がある。
保水性シートに接する状態で温熱ヒーターを備える場合がある。
前記両外枠の横断面が前記隙間部分を残して各通気性素材の外周を囲う略コの字状又は略半円状にし、
前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成されていることを特徴とする。
前記両外枠の横断面が前記隙間部分を残して各通気性素材の外周を囲う略コの字状又は略半円状にし、
前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成されていることを特徴とする。
両外枠の上端面の少なくとも一部分を覆う天板部を有する場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培方法は、
天板部が両外枠の対面側へ向けて下向きに傾斜する斜面に形成されている場合がある。
両外枠相互間の植物の苗又は種を植え込むための隙間が縦方向細長く連続する状態で形成されている場合がある。
両外枠相互間の植物の苗又は種を植え込むため隙間が縦方向一定間隔の下に複数形成されている場合がある。
連結手段が両外枠間を着脱可能にかみ合わせる構造である場合がある。
連結手段が両外枠の外周の少なくとも1か所を巻き締める結束バンドである場合がある。
連結手段が両外枠の外周の少なくとも1か所を巻き締める熱溶融バンドである場合がある。
養液供給手段の養液滴下口が保水性シートの真上に位置するように固定する固定手段を備えている場合がある。
養液供給手段の養液滴下口が保水性シートに触れている場合がある。
養液供給手段の養液滴下口が保水性シートと一方の通気性素材の上端部相互間に挟み込まれている場合がある。
連結された両外枠および培地で形成された縦長の柱状体の上端開口部に養液供給手段から滴下する養液を保水性シートの上端部に案内する養液供給開口部を下端部に有する案内部材を備える場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培方法は、
案内部材は、両外枠の上端開口部に養液供給手段から滴下する養液を保水性シートの上端部に案内する養液供給開口部を下端部に有する漏斗型のキャップである場合がある。
また、さらに、本発明の記載の縦型水耕栽培方法は、
キャップは、両外枠内に収容された培地の上端部側を遮光する遮光壁を両外枠で囲まれていない側面部分の少なくとも一部分を塞ぐ状態で備える場合がある。
保水性シートの上端が両通気性素材の上面より突出している場合がある。
さらに、本発明の縦型水耕栽培方法は、
通気性素材の上端より突出した保水性シートの上端部を少なくとも一方の通気性素材の上面に折り曲げ載置されている場合がある。
養液供給手段には保水性シートへの養液供給量を調整する流量調整手段を備え、流量調整手段から養液を保水性シートに滴下させるように構成され、
保水性シートの下端部には水分量センサを備えている場合がある。
保水性シートに接する状態で温熱ヒーターを備える場合がある。
保水性シートと通水性素材との間に植物のさし穂を定植する場合がある。
保水性シートに根を張っている植物を保水性シートに付着した状態で両通気性素材間に挟んで定植する場合がある。
保水性シートと通気性素材との間に植物の苗又は種子を挟み込み、挟み込んだ保水性シートと通気性素材の境目部分がスリット部分に含まれるように縦型水耕栽培筒内へ挿入し、スリット部分から植物が縦型水耕栽培筒外は地上部を伸ばしていける配置とする。若しくは縦型水耕栽培筒内に予め挿入した保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材で構成される培地に対し、スリットから保水性シートと通気性素材の間に植物の苗又は種子を植え込む。そして、養液を保水性シート上端部に滴下させることで、保水性シートと通気性素材との間に挟み込んだ植物の苗の根に確実に水と酸素が供給されるため、栽培植物の枯れや根腐れを防止することができる。
また、保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備えることで、縦長のスリット又は複数の開口部のうち、最適な株間になるような箇所を自由に選び、保水性シートと通気性素材との間に植物の苗又は種子を植え込むことができる。
また、培地として保水性シートと通気性素材の2部構成にし、役割分担することにより、保水性は低いが通気性に優れて安価なものや供給容易なもの・通気性は低いが保水性に優れて安価なものや供給容易なものであれば広く使用でき、材料の選択の幅を広げることができる。
また、重量が軽い、壊れにくいものなどを選択することにより、使い易さ等の性能を向上させることができる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
前記養液回収手段は、縦型水耕栽培筒の下部から滴下する養液を回収するドレンパンを備え、該ドレンパンに回収された養液を養液収容タンクに循環させるように構成されることにより、効率的に養液を活用することができ、養液にかかるコストを低減させることができる。また、養液の廃棄で環境に負荷を与えることも少ない。
これにより、栽培ハウス外からの遠隔操作も含め、急な天気や気温の変動に対しても出遅れることなしに自動で養液量調整を行うことができる。
また、外枠を分割型にすることにより、運搬時には従来品の栽培筒の半分程度の体積にすることができ、また、在庫として収納する際にもスペースが少なくてすむというメリットが有る。
これに対し、本出願のように分割型外枠で培地の外周を囲うようにすると、培地を抜き差しする必要がなくなるので、培地がちぎれることがなくなり結果として栽培装置全体の持ちが向上する。
これにより、従来の抜き差しタイプ(外筒一体型)に比べ、よりたくさんの苗を同じ長さの1本の栽培筒に植えることができる。
また、天板部が両外枠の対面側へ向けて下向きに傾斜する斜面に形成されていることで、滴下した養液を保水性シートに集中的に供給することができるようになる。
これにより、養液の落下位置のバラツキが大きい養液供給装置を用いて養液滴下位置が多少左右にずれてしまったとしても、植物に到達する養液が少なくなって枯れてしまうリスクを低減できる。
養液滴下手段の滴下口部分を目で見やすいような培地から上方に離した位置にした際も保水シートに液を確実に集めることができるので、養液の詰まりがないかの確認が容易である。
これにより、目視でのチェックも容易になるのに加え、監視カメラを連動させることにより、遠隔での監視も可能になる。
ひいては作業者の負担低減につながる。
また、両外筒上端よりも高く栽培植物が伸びた場合、キャップをしていないと収穫時等に葉や茎が栽培筒内部へ入ってしまい、それが放置されることでハダニ等の虫の繁殖源になったり腐ったりしてしまう。
また、上述のキャップをすることにより、葉や茎の侵入を抑制できるとともに、キャップだけをとりはずせば容易に葉や茎の清掃が可能であって、病虫害のリスク低減を簡便な方法ですることができる。
またさらに培地への光の侵入を抑制することができるので、培地へのカビや藻の発生を抑制することができるようになる。
植物に病害性をもたない種類であっても、長期間栽培を続けていくと、藻が保水性シートの表面に繁茂することで外観の印象が悪くなるだけでなく、保水性シートの表面が疎水的になり、保水能力が低減してくる。
これにより、滴下した養液の一部が通気性素材側にロスされ、ひいては植物への養液供給が不足していく。
これに対し、上述のような漏斗型のキャップとすることで、長期間の連続栽培においても、藻の除去のための清掃や薬剤散布など特別な作業を増やすことなしに、必要最小限度の養液滴下量で植物を効率的に栽培することができるようになる。
また、周囲の収穫用に栽培している植物から挿し穂を切り取れば、育苗スペースや育苗期間無しに栽培植物を増やすことが可能なことも、作業低減に寄与する。
この実施例1の縦型水耕栽培システムは、図1〜4に示すように、縦型水耕栽培筒101と、培地102と、養液収容タンク103と、養液供給手段104と、養液回収手段105と、植物の苗又は種子106と、養液107と、を主な構成として備えている。
なお、縦型水耕栽培筒101としては、断面四角形・円形など成型加工しやすい形状のものにスリット111又は複数の開口部を開けることで作成できる。あるいは、BrightAgrotech社のZIPGROW(商標)などの既成の商品を活用することも可能である。
養液107の滴下速度としては、0.05g/秒から100g/秒が好ましい。特に好ましくは、0.1g/秒から50g/秒が好ましい。
0.05g/秒未満では、養液107が保水性シート121に滴下したとしても蒸発により保水性シート121が乾燥してしまい十分な量の養液107が植物の根に供給されない。
また、100g/秒よりも大きい値だと、保水性シート121に保持しきれない養液107が植物表面に流れ出し床を濡らす原因になる。そしてさらに、植物をつたっての液の流出が長時間続いた場合は、循環養液が全量消費されてしまい、ひいては供給される養液107が枯渇し、植物が枯れてしまうことになる。
また、縦型水耕培施設内で、1つのポンプでくみ上げた養液107を循環させて使用する場合、縦型水耕培筒101の数が多くなるほど縦型水耕栽培筒101の1本あたりに配分できる滴下速度は小さくならざるをえない。
従って、滴下速度を小さく設定した方が、高出力で高価なポンプを使わずに多数の栽培筒で植物栽培することが可能になる。
すなわち、厚みが大きいほど、滴下してくる養液107を保水性シート121上に確実に滴下させることができる。
なお、保水性シート121は、1枚のシートである必要は必ずしもなく、複数枚のシートを重ねて使用してもよい。
例えば、厚さ1mmのシートを2枚以上重ねて通気性素材122、123に挟んで使用してもよい。
厚みの上限値としては、縦型水耕栽培筒101の厚みの80%まで、より好ましくは70%まであることが望ましい。それよりも厚くなると、含む養液107が多すぎるために重くなり、作業性がわるくなる。
この実施例1の縦型水耕栽培システムでは、上述のように構成されるため、図2、3に示すように、スリット111から、保水性シート121と通気性素材122又は123との間に複数の植物の苗又は種子106を挟み込んだ状態で培地102を縦型水耕栽培筒101の中に差込装着し、養液供給ポンプ141で養液107を保水性シート121の上端部に滴下させると、苗又は種子106は保水性シート121から養液107を吸収して成長する。
この実施例1の縦型水耕栽培システムでは、上述のように、縦型水耕栽培筒101内に抜き差し可能に収容した培地102を、植物の苗又は種子106を植え込む保水性シート121と、その両面を挟み込んだ通気性素材122、123とで構成し、養液107を保水性シート121上端部に滴下させることで、保水性シート121と通気性素材122、123との間に挟み込んだ植物の苗又は種子106の根に確実に水と酸素が供給されるため、栽培植物の枯れや根腐れを防止することができる。
また、保水性シート121と通気性素材122又は123との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子106を植え込むための縦長のスリット111を備えることで、縦長のスリット111のどの位置へも保水性シート121と通気性素材122又は123との間に植物の苗又は種子106を植え込むことができる。
また、培地102として保水性シート121と通気性素材122、123の2部構成にし、役割分担することにより、保水性は低いが通気性に優れて安価なものや供給容易なもの・通気性は低いが保水性に優れて安価なものや供給容易なものであれば広く使用でき、材料の選択の幅を広げることができる。
また、重量が軽い、壊れにくいものなどを選択することにより、使い易さ等の性能を向上させることができる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
この固定手段108は、この実施例2では、吊下部材(針金又は紐)108bに対し溶液供給パイプ104aを固定する構造としている。なお、この固定手段108の構造は任意であり、例えば、滴下チューブ104dを縦型水耕栽培筒101に直接固定するなど、任意である。
この実施例2によれば、養液供給手段104における養液供給パイプ104a下端部の養液滴下口104bが保水性シート121の真上に位置するように固定する固定手段108を備えることで、養液107を確実に保水性シート121にロスすることなく効果的に集めることができるようになる。
従って、養液107の供給又は循環に用いられるポンプとして容量の小さなポンプの使用が可能になり、これにより、設備費及びランニングコストの低減が可能になる。
この実施例3では、上述のように、養液供給手段104の養液滴下口104bが保水性シート121上端部に触れた状態にすることで、養液107が通気性素材122、123方向に漏れでることなしに、保水性シート121に確実に滴下させることができる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
この実施例4では、上述のように、養液供給手段104の養液滴下口104bが保水性シート121と通気性素材122との間に挟み込まれることで、養液を保水性シート121に確実に供給することができる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
この実施例5では、上述のように、養液供給手段104の養液滴下口104bが保水性シート121上端部に触れた状態にすることで、養液107が通気性素材122、123方向に漏れでることなしに、保水性シート121に確実に滴下させることができる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
この実施例6では、上述のように、通気性素材122、123の上端より突出した保水性シートの上端部を少なくとも一方の通気性素材123の上面に折り曲げ載置することで、単に保水性シート121を通気性素材122、123に挟んだだけの場合比べて養液107の一部を通気性素材122、123側にロスすることなく、養液107を折り曲げ載置した保水性シート121aを介して保水性シート121に効果的に集めることができるので、養液107の落下位置のバラツキが大きい養液供給装置を用いて養液滴下位置が多少左右にずれてしまったとしても、少ない養液107の供給でも確実に植物を栽培することができる。
1.実験例1(参考例):厚さ4.8cm、幅10cm、長さ150cmの通気性素材122、123(材質はポリエチレン)を半分の長さで2枚に折り畳み、その間に、厚さ1mm、幅9cm、長さ70cmの大創産業社製のポリエステルフェルト(保水性シート121)を、通気性素材122、123と上面の高さが同じになるように(フェルトの上端部を上部に突出させない状態で)挟み込み、断面の一辺が10cmの正方形で、その一辺の中央に幅2cmのスリット111を有する縦型水耕栽培筒101(材質はポリ塩化ビニル)に差し込んだ状態とした。
上述と同様のフェルトを通気性素材で挟み込んだもの(長さ75cm)をさらにもう1本準備し、合計2本を栽培筒(長さ150cm)に充填した状態とした。
上記の縦型水耕栽培筒101を6点準備した。
これら縦型水耕栽培筒に対し、バジル苗の定植を行った。
苗は9cmのポットに植わっている、草丈7〜10cmのものを用い、水道水で根から土を洗い落とした後、ポリエチレンとフェルトとの間に間隔を20cmずつ開けて6本(上下の通気性素材に対しそれぞれ3本ずつ)のバジル苗の地下部を挟み込み、縦型水耕栽培筒101に差込装着した。
上記縦型水耕栽培筒101を天井より吊り下げ、図4に示すように、上記縦型水耕栽培筒101のスリット111中央部を通り、縦型水耕栽培筒101の断面を面積の等しい2つの長方形に分割する線上に養液供給パイプ104aがくるように縦型水耕栽培筒101と養液供給パイプ104aを配置した。
各養液供給パイプ104aに開閉及び養液量制御をするためのコック104cを介して滴下チューブ104dを接続し、前記滴下チューブ104dから養液107を滴下できるようにした。
上記の縦型水耕栽培筒101を6点準備した。(滴下位置としては理論上保水性シート121の厚みを正確に2分割する位置になるが、図4に示すように、通気性素材122、123の厚みの精度、コック104c下に接続した滴下チューブ104dの反り具合により多少左右方向にブレが生じていた。)
2.実験例2(比較例):培地102がフェルトを含まないポリエチレンのみの状態で挟み込む以外は、実験例1と同様で、バジル苗を装着した縦型水耕栽培筒101を準備し、
なお、バジル苗地下部は両ポリエチレン相互間に挟み込んだ。
上記の縦型水耕栽培筒101を2点準備した。
3.実験例3:実施例1と同様のバジル苗を装着した型水耕栽培筒101を準備した。
上記型水耕栽培筒101を天井より吊り下げた後、養液107を滴下した状態で左右へのブレの有無を確認し、図5に示すように、吊下部材108bに滴下チューブ104dを固定することにより位置の微修正を行った。
4.実験例4:実施例1と同様のバジル苗を装着した栽培筒を準備した。
上記縦型水耕栽培筒101を天井より吊り下げた後、図6に示すように、滴下チューブ104dの先端を保水性シート121と接触させた。
5.実験例5:実施例1と同様のバジル苗を装着した型水耕栽培筒101を準備した。
養液供給パイプ104aでコック104cの下に接続する滴下チューブ104dを先端が長いタイプのものにすることに変更し、上記縦型水耕栽培筒101を天井より吊り下げた後、図7に示すように、滴下チューブ104dの先端を保水性シート121と通気性素材122の間に挟みこんだ。
6.実験例6:厚さ4.1cm、幅10cm、長さ150cmの通気性素材(材質はポリエチレン)を半分の長さで2枚に折り畳み、その間に、厚さ16mm、幅9cm、長さ70cmに切断した日本ロックウール社のロックウール(商品名:やさいはなベッド)を、通気性素材122、123の上面から3cm突出するように挟み込み、他は実施例1と同様のバジル苗を装着した縦型水耕栽培筒101を準備した。
図8に示すように、上記縦型水耕栽培筒101を天井より吊り下げ、養液107を滴下できるようにした。
7.実験例7:実施例1と同様のサイズ・材質の通気性素材を半分の長さで2枚に折り畳み、その間に、厚さ1mm、幅9cm、長さ70cmのポリエステルフェルト(保水性シート)を挟み込み、フェルトの上端部2cmをポリエチレンの上端より突出させ、図9に示すように、その突出部をポリエチレンの上面に折り曲げ載置し、他は実施例1と同様のバジル苗を装着した縦型水耕栽培筒101を準備した。
8.実験例8:実施例1と同様のサイズ・材質の通気性素材を半分の長さで2枚に折り畳み、その間に、厚さ1mm、幅9cm、長さ70cmのポリエステルフェルト(保水性シート)を挟み込み、フェルトの上端部1cmをポリエチレンの上端より突出させ、突出部の長さが2cmでなく1cmである以外は実施例7と同様のバジル苗を装着した縦型水耕栽培筒101を準備した。
さらに、厚さ1mmの同様のフェルトを幅9cm・長さ9cmの正方形に切り取り前記の折りたたんだポリエチレン製通気性素材の上端に、すでに折り曲げ載置された1cmのフェルトにかぶせる形で載置した。
9.実験例1から8の縦型水耕栽培筒101に肥料養液(OATハウス1号を濃度0.8g/Lとなるように溶解した水溶液)を毎分20gの速度で滴下しながら3日間太陽光下で栽培を行った。
10.比較実験結果
実験例1(参考例):縦型水耕栽培筒101の6点の合計36苗のうち、21苗が順調に生育した。
一番順調に生育した縦型水耕栽培筒101は、6苗中6苗全てが順調に生育した。
一番不調であった縦型水耕栽培筒101では、6苗中5苗が枯れた。
実験例2(比較例):2縦型水耕栽培筒101の合計12苗のうち、1苗が順調に生育した。
1つめの縦型水耕栽培筒101では、6苗中1苗は生育を続けたが、5苗が枯れた。
2つめの縦型水耕栽培筒101では、6苗中6苗が枯れた。
実験例3から8:いずれも6苗中6苗全てが順調に生育した。
この実施例7では、上述のように、折り曲げられた保水性シート121aがその先端に行くにつれて肉厚が厚くなることでその上面が保水性シート121を中心として外側に行くに連れて高くなる傾斜状に形成することにより、折り曲げられた保水性シート121a上面にとどまる時間が、傾斜がない場合に比べ短くなることにより、効率的に養液107を活用することができるようになる。
この実施例8では、上述のように、少なくとも折り曲げられた保水性シート121a側の通気性素材123の上面に保水性シート121を中心として外側に行くに連れて高くなる傾斜上面を有する傾斜部材121aを備えることで、折り曲げられた保水性シート121aの上面が傾斜面となり、その傾斜面に滴下した養液107の外部への飛び跳ねを防止すると共に、保水性シート121aに滴下された養液107の通気性素材123への漏れや蒸発を防止してより効率的に養液107を活用することができるようになる。
なお、傾斜部材121bの素材は任意であるが、少なくとも傾斜上面は通気性を有しない素材で構成されていることが望ましい。
また、傾斜部材121bの形状は、傾斜上面を形成するならば、断面は略直角三角形に限らず、任意である。また、傾斜部材121bの傾斜上面は直線に限らず、その他に例えば凹曲面にしてもよい。
この実施例9では、上述のように、折り曲げられた保水性シート121a側の通気性素材123の上面が保水性シート121を中心として外側に行くにつれて高くなる傾斜状に形成されることで、折り曲げられた保水性シート121aの上面が傾斜面となり、その傾斜面に滴下した養液107の外部への飛び跳ねを防止すると共に、保水性シート121aに滴下された養液107の通気性素材123への漏れや蒸発を防止してより効率的に養液107を活用することができるようになる。
なお、前記水分量センサ109は、保水性シート121の下端部の水分量を計測するもので、保水性シート121の下端部に備えられている。この水分量センサ109で計測された水分量は水分量計109aに表示される。
前記流量調整手段142aは、保水性シート121への養液107の滴下量を調整するもので、この実施例14では電動バルブ142aと、前記水分量センサ109からの信号により電動バルブ142aを自動制御することにより保水性シート121下端部の保水量を飽和状態になるように制御する養液供給量制御手段142bを備えている。
また、縦型水耕栽培筒101の下部に保水性シート121から滴下した養液107を受けるドレンパン109bを備えることで、保水性シート121の下端部の水分量が飽和状態を超えた場合の養液107を収容することができる。なお、このドレンパン109b内には保水性素材109cを収容することにより、養液107の蒸発を抑制する。
これにより、栽培ハウス外からの遠隔操作で制御する場合も含め、急な天気や気温の変動に対しても出遅れることなしに自動で養液量調整を行うことができる。
この実施例11では、上述のように、流量調整手段142として手動バルブ142cを用いることで、手動で特に設備費をかけず養液量を適量に調整することができる。
この実施例12では、上述のように、保水性シート121に接する状態で温熱ヒーター110を備えることで、冬場においても保水性シート121に接している植物の細根の周りの温度を適温に保つことができ、これにより、細根の発達を促し養液吸収率を大幅に向上させて収量の向上に繋げることができるようになるという効果が得られる。
すなわち、この実施例13の例1としては、図17,18に示すように、縦型水耕栽培筒101の相対する両側壁にスリット111をそれぞれ設けることで、縦型水耕栽培筒101の両面に植物の苗又は種子106を定植することができる。
また、この実施例13の例2としては、図19、20に示すように、縦型水耕栽培筒101の4つの側面全てにスリット111をそれぞれ設け、保水性シート121を十文字状に設けることにより、縦型水耕栽培筒101の4面全部に植物の苗又は種子106を定植することができる。
なお、この場合の通気性素材122、123は、図21に示すように、それぞれ下端を中心として2枚に折り畳み、両通気性素材122、123の間に十文字状の保水性シート121を挟み込む。
この実施例13では、上述のように、縦型水耕栽培筒101の少なくともその二方向以上に植物の苗又は種子106を植え込むための一つ以上の垂直方向のスリット111又は複数の開口部を備えることで、各縦型水耕栽培筒101における栽培可能な植物苗の本数、ひいては植物の生産収量を大幅に増やすことができる。
また、少ない養液量で確実に植物への水と酸素の供給が可能であるため、まだ根が出てきていない挿し穂の状態で定植するようにしてもよい。この方法を用いることにより、播種からの生育が遅い植物種についても短期間で苗を育てることができる。
この実施例14の縦型水耕栽培システムは、図22〜26に示すように、保水性シート11と少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材12、13とで構成される縦長の培地1と、保水性シート11の両側縁部付近にそれぞれ保水性シート11と通気性素材12、13との間に植物の苗又は種8を植え込むための縦方向に細長く連続する隙間W、W部分を残して各通気性素材の外周を囲う一対の横断面略コの字状の分割型外枠2、2と、両外枠2、2相互間を着脱可能に連結する連結手段3と、溶液収容タンク4と、溶液収容タンク4から培地1に養液6を供給する養液供給手段5と、溶液回収手段7と、を主な構成として備え、養液供給手段5から保水性シート11に養液6を滴下させるように構成されている。
前記外枠2、2は、ハウス等の天井に沿って備えた吊下げパイプ9aに吊下部材(針金又は紐)9bを介して吊下げた状態で備えられている。
なお、吊り下げ部材9bは、ねじることができる柔軟な素材であるまたは回転できる軸部を備えた構造を有することが好ましい。これにより、2側面の収穫を同じ場所から行うことが可能になり、作業効率が向上する。
養液6の滴下速度としては、0.05g/秒から100g/秒が好ましい。特に好ましくは、0.1g/秒から50g/秒が好ましい。
0.05g/秒未満では、養液6が保水性シート11に滴下したとしても蒸発により保水性シート11が乾燥してしまい十分な量の養液6が植物の根に供給されない。
また、100g/秒よりも大きい値だと、保水性シート11に保持しきれない養液6が植物表面に流れ出し床を濡らす原因になる。そしてさらに、植物をつたっての液の流出が長時間続いた場合は、循環養液が全量消費されてしまい、ひいては供給される養液6が枯渇し、植物が枯れてしまうことになる。
また、縦型水耕培施設内で、1つのポンプでくみ上げた養液6を循環させて使用する場合、外枠2、2の数が多くなるほど外枠2、2の1本あたりに配分できる滴下速度は小さくならざるをえない。
従って、滴下速度を小さく設定した方が、高出力で高価なポンプを使わずに多数の栽培筒で植物栽培することが可能になる。
すなわち、厚みが大きいほど、滴下してくる養液6を保水性シート11上に確実に滴下させることができる。
なお、保水性シート11は、1枚のシートである必要は必ずしもなく、複数枚のシートを重ねて使用してもよい。
例えば、厚さ1mmのシートを2枚以上重ねて通気性素材12、13に挟んで使用してもよい。
厚みの上限値としては、縦型水耕栽培筒1の厚みの80%まで、より好ましくは70%まであることが望ましい。それよりも厚くなると、含む養液6が多すぎるために重くなり、作業性が悪くなる。
この実施例14の縦型水耕栽培システムでは、上述のように構成されるため、図22〜26に示すように、両外枠2、2相互間で保水性シートの両側縁部付近にそれぞれ形成された隙間W、Wから保水性シート1と通気性素材12、33との間に植物の苗又は種子8を植え込んだ状態で、養液供給ポンプ51で養液6を保水性シート211の上端部に滴下させると、苗又は種子8は、保水性シート11から養液6を吸収して成長する。
この実施例14の縦型水耕栽培システムでは、上述のように、培地1を、植物の苗又は種子8を植え込む保水性シート11と、その両面を挟み込んだ通気性素材12、13とで構成し、養液6を保水性シート11上端部に滴下させることで、保水性シート11と通気性素材12、13との間に挟み込んだ植物の苗又は種子8の根に確実に水と酸素が供給されるため、栽培植物の枯れや根腐れを防止することができる。
また、実施例14の栽培システムで1側面にバジル8苗、合計16苗を定植し、太陽光下で42日間栽培した。
また、同条件下で、特許文献3に記載の特開2018−113927で開示されている1側面にスリットを持つ同サイズの栽培筒を用いてバジル8苗を栽培し、両者で1タワーあたりの収穫量を比較した。
定植後、2週間ごとに合計3回収穫を実施し、合計の収穫量を比較したところ、実施例14(請求項4に相当)の収量は、スリットが1側面のみの従来品タワーに比べて1.7倍であった。
また、重量が軽い、壊れにくいものなどを選択することにより、使い易さ等の性能を向上させることができる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる
この固定手段10は、この実施例15では、吊下部材(針金又は紐)9bに対し溶液供給パイプ5aを固定する構造としている。なお、この固定手段10の構造は任意であり、例えば、滴下チューブ5dを培地1や外枠2,2に直接固定するなど、任意である。
この実施例15によれば、養液供給手段5における養液供給パイプ5a下端部の養液滴下口5bが保水性シート11の真上に位置するように固定する固定手段10を備えることで、養液6を確実に保水性シート11にロスすることなく効果的に集めることができるようになる。
従って、養液6の供給又は循環に用いられるポンプとして容量の小さなポンプの使用が可能になり、これにより、設備費及びランニングコストの低減が可能になる。
この実施例16では、上述のように、養液供給手段5の養液滴下口5bが保水性シート11上端部に触れた状態にすることで、養液6が通気性素材12、13方向に漏れでることなしに、保水性シート11に確実に滴下させることができる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
この実施例17では、上述のように、養液供給手段5の養液滴下口5bが保水性シート11と通気性素材12との間に挟み込まれることで、養液を保水性シート11に確実に供給することができる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
この実施例18では、上述のように、養液供給手段5の養液滴下口5bが保水性シート11上端部に触れた状態にすることで、養液6が通気性素材12、13方向に漏れでることなしに、保水性シート11に確実に滴下させることができる。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を栽培することができるようになる。
この実施例19では、上述のように、通気性素材12、13の上端より突出した保水性シートの上端部を少なくとも一方の通気性素材13の上面に折り曲げ載置することで、単に保水性シート11を通気性素材12、13に挟んだだけの場合比べて養液6の一部を通気性素材12、13側にロスすることなく、養液6を折り曲げ載置した保水性シート11aを介して保水性シート11に効果的に集めることができるので、養液6の落下位置のバラツキが大きい養液供給装置を用いて養液滴下位置が多少左右にずれてしまったとしても、少ない養液6の供給でも確実に植物を栽培することができる。
しかし市販で入手できるポリエチレンを通気性素材12,13として用いて検証したところ、厚みのブレが有った。
また滴下チューブ5dの反り具合にもブレがあった。
液を滴下するチューブの位置を図23の12(1)の左端から13(1)の右端までの距離を正確に2分割する位置に設定すれば、12(1)と13(1)に同じ資材を用いた場合は理論的に同じ厚みであるからちょうど中心に置かれている保水シート上に液が落とせるはずであるが、実際に上記の通気性素材と滴下チューブを無作為に取って、厚み1mmの保水性シートとともに用いた縦型システムで、太陽光下で3日間バジル苗で栽培検証したところ、中央の保水性シート上に液が滴下し順調に生育するケースと養液が部分的にしか保水シートにまわらず萎れる苗が出てくるケースの両者が確認された。
実施例15〜19は、実施例14に比べ、より確実に保水シート上に養液を集中させられる。
実施例15〜19のいずれの方法でも、上記と同じ3日間の栽培検証で苗が萎れることはなかった。
この実施例20では、上述のように、折り曲げられた保水性シート11aがその先端に行くにつれて肉厚が厚くなることでその上面が保水性シート11を中心として外側に行くに連れて高くなる傾斜状に形成することにより、折り曲げられた保水性シート11a上面にとどまる時間が、傾斜がない場合に比べ短くなることにより、効率的に養液6を活用することができるようになる。
この実施例21では、上述のように、少なくとも折り曲げられた保水性シート11a側の通気性素材13の上面に保水性シート11を中心として外側に行くに連れて高くなる傾斜上面を有する傾斜部材11aを備えることで、折り曲げられた保水性シート11aの上面が傾斜面となり、その傾斜面に滴下した養液6の外部への飛び跳ねを防止すると共に、保水性シート11aに滴下された養液6の通気性素材13への漏れや蒸発を防止してより効率的に養液6を活用することができるようになる。
なお、傾斜部材11bの素材は任意であるが、少なくとも傾斜上面は通気性を有しない素材で構成されていることが望ましい。
また、傾斜部材11bの形状は、傾斜上面を形成するならば、断面は略直角三角形に限らず、任意である。また、傾斜部材11bの傾斜上面は直線に限らず、その他に例えば凹曲面にしてもよい。
この実施例22では、上述のように、折り曲げられた保水性シート11a側の通気性素材13の上面が保水性シート11を中心として外側に行くにつれて高くなる傾斜状に形成されることで、折り曲げられた保水性シート11aの上面が傾斜面となり、その傾斜面に滴下した養液6の外部への飛び跳ねを防止すると共に、保水性シート11aに滴下された養液6の通気性素材13への漏れや蒸発を防止してより効率的に養液6を活用することができるようになる。
なお、前記水分量センサ14は、保水性シート11の下端部の水分量を計測するもので、保水性シート11の下端部に備えられている。この水分量センサ14で計測された水分量は水分量計14aに表示される。
前記流量調整手段52は、保水性シート11への養液6の滴下量を調整するもので、この実施例23では電動バルブ52aと、前記水分量センサ14からの信号により電動バルブ52aを自動制御することにより保水性シート11下端部の保水量を飽和状態になるように制御する養液供給量制御手段52bを備えている。
また、縦型水耕栽培筒1の下部に保水性シート11から滴下した養液6を受けるドレンパン14bを備えることで、保水性シート11の下端部の水分量が飽和状態を超えた場合の養液6を収容することができる。なお、このドレンパン14b内には保水性素材14cを収容することにより、養液6の蒸発を抑制する。
これにより、栽培ハウス外からの遠隔操作で制御する場合も含め、急な天気や気温の変動に対しても出遅れることなしに自動で養液量調整を行うことができる。
この実施例24では、上述のように、流量調整手段52として手動バルブ52cを用いることで、手動で特に設備費をかけず養液量を適量に調整することができる。
この実施例25では、上述のように、保水性シート11に接する状態で温熱ヒーター15を備えることで、冬場においても保水性シート11に接している植物の細根の周りの温度を適温に保つことができ、これにより、細根の発達を促し養液吸収率を大幅に向上させて収量の向上に繋げることができるようになるという効果が得られる。
従って、この実施例26では、両外枠2、2内への埃の侵入を防止すると共に、太陽光を遮断し、これにより、培地1に藻やカビが発生するのを抑制することができる。
従って、この実施例27では、保水シートをどちらかの傾斜面に接触させる位置に配置させれば、斜面上のいずれの部分に養液6が滴下しても養液6を確実に保水布上に集中的に供給することができるようになる。
実施例29のシステムでは、苗を植える株間が非熟練者でもすぐわかり、定植作業がミスなく効率的に実施できる。
一方、実施例14〜28に示したような、例えば、図25のような外枠を用いたシステムでは、結束の強さ・結束バンドの長さ等を調節することにより、はさみこむ植物体の大きさにあわせて柔軟に締め具合を調節することが可能である。
また、実施例14〜28に示したような一続きの縦型スリット又は苗2つ以上が入るような縦長な開口部を有するシステムは、実施例29や特許文献2のシステムのようなあらかじめ各植物苗を植える位置に孔が設けられているのに比べて、最適な株間になるような箇所を自由に選べる点で優れている。つまり、大きな苗を植える際には株間を大きめにとることも可能であり、一方、株間を小さくして、より多くの本数の苗を植えることも可能となる。
中でも、一続きの縦型スリットは、苗の本数・株間に柔軟に対応できる点で、特に優れている。
すなわち、この実施例30では、両外枠2、2の両端部に、互いにかみ合う係合爪32、33を備え、両係合爪32、33同士の係合状態を維持するようになっている。
なお、両係合爪32、33を設ける箇所及び個数は任意であるが、少なくとも外枠2、2の上下両端部付近に設けることが望ましい。
従って、この実施例30の連結手段3では、両外枠2、2間の着脱操作が簡単に行なえるようになる。
従って、この実施例31では、植物の栽培量が少ない点を除けば、上記実施例14〜30と同様の効果が得られる。
(特開2018−113927に相当する栽培システムは、できあがり形状は図44と同じであるが2枚に分割できないスリットが入った一体型の筒である点が実施例31とは異なっている。)
具体的には、下記の方法で特開2018−113927に相当する栽培システムとしてサンプルAを、本出願の実施例31に相当する栽培システムとしてサンプルBを準備した。
それらを用いて、3か月栽培後の苗片づけ時に「苗および内部の培地の取り出しやすさ」・「培地を取り出したあとの栽培筒の洗浄しやすさ」の2点を比較評価した。 サンプルの準備方法:
(1)断面の一辺が10cmの正方形で、その一辺に幅1cmのスリット(隙間)を有し、長さが150cmである分割型の縦型水耕栽培筒(材質はポリ塩化ビニル)を準備した。
厚さ4.8cm、幅10cm、長さ150cmの通気性素材(ポリエチレン)を半分の長さで2枚に折り畳み、その間に、厚さ1mm、幅9cm、長さ70cmのポリエステルフェルト(保水性シート)をその間に入れ通気性素材と保水性素材の中間に、バジル苗を株間20cmずつ開けて3苗挟み込んだ。
上記を2セット準備した。
断面の一辺が10cmの正方形で、その一辺に幅1cmのスリット(隙間)を有し、長さが150cmである分割型の縦型水耕栽培筒に2つを縦長に重ねる状態で充填し、サンプルAとした。
(2)断面の一辺が10cmの正方形で、その一辺に幅1cmのスリット(隙間)を有し、長さが150cmである縦型水耕栽培筒(材質はポリ塩化ビニル)を、スリット(隙間)を有する側面の向かい側にある面を縦長に2分割するように、電動のこぎりで切断し、略コの字型の外枠2枚を準備した。
厚さ4.8cm、幅10cm、長さ150cmの通気性素材(ポリエチレン)を2枚用意し、そのうち1枚を、略コの字型の外枠1枚の内側におさまる向きで納めた。そのポリエチレンシートの上に、厚さ1mm、幅9cm、長さ150cmのポリエステルフェルト(保水性シート)をのせ、スリット(隙間)に相当する方向にバジルの地上部が向くように、そして、縦方向の間隔はサンプルAと同様になるようバジル苗6を保水シート上に配置し上からもう1枚のポリエチレンシートを載せた。
その上から、スリットの向きがそろうようにもう1枚の略コの字型の外枠をかぶせ、上端・中央・下端の3か所を、爪の位置を調節することでシメ具合を調節可能なタイプの結束バンドで巻締め、サンプルBとした。
比較実験1:サンプルA、Bそれぞれを図22、29に示す装置で、太陽光下で3か月栽培した後、サンプルAはフックを用いて培地を引き出した。サンプルBは、結束バンドをゆるめて外し、外枠を開き、培地を取り出した。
サンプルAは、足で栽培筒を抑えながら両手でフックを力いっぱいひくことで取り出すことができた。
サンプルBは、結束バンドを緩めるだけなので手先のみで培地の取り出しが可能であった。
また、取り出したあとの通気性素材は、サンプルAではフックをあてた部分が引き延ばされて変形していた。
同じ3か月栽培を3回繰り返すと、縁部分がちぎれる培地も出てくることも同条件で実施した他のサンプルを用いて確認された。
サンプルBでは、同様の回数栽培試験に使用したが、通気性素材の目立った劣化は見られなかったことから、本願発明の方が、苗交換時の操作性・耐久性に優れることが確認された。
比較実験2:サンプルA、Bそれぞれについて、内側に付着した藻を除去するためハイター液を含ませたスポンジでこすり、水洗いを実施した。
1セットの栽培筒を洗うための所要時間は、サンプルAで5分、サンプルBでは2分であった。また、サンプルAについては奥まで手が届かないのでスポンジに細い棒をつけてこする必要があった。
以上のように、洗いやすさという点でも圧倒的に本願発明の方が、操作性が良いことが確認された。
前記案内部材16は、両外筒2、2の上端開口部に養液供給手段5から滴下する養液6を保水性シート11の上端部に適正に案内する役目をなす。
この案内部材16は、図46にその詳細を示すように、両外筒2、2の上端開口縁部の前後の縁部に掛止する状態で備えられ、養液供給手段5からの養液6を受け止める広めの上端開口部16aの底部には、中央に向かって傾斜する傾斜面を介して養液供給開口部16bが設けられている。この養液供給開口部16bは、この実施例32では、保水性シート11の長手方向に沿って長いスリット状に形成されている。
上述の案内部材16を使わずに、通気性素材12、13と保水シート11に養液供給パイプ5aの先端を挟んだりする方法でも養液6を保水性シート11に集めることはできるが、上述の案内部材16を用いた場合の方が、案内部19の養液供給開口部16b部分が目で見える状態にできるので、養液6の詰まりがないかの確認が容易である。
これにより、必要最小限度の養液滴下量で植物を効率的に栽培することができる。
この実施例33では、上述のように、前記案内部材16として、両外枠2,2の上端開口部に養液供給手段5から滴下する養液6を保水性シート11の上端部に案内する養液供給開口部16bを下端部に有する漏斗型のキャップとすることで、両外枠2,2の上端開口部の開放部分面積を大幅に減らすことができ、両外枠2,2の内へのほこり(カビの胞子も含まれる)の侵入を防ぐことができる。
また、両外枠2,2の上端よりも高く栽培植物が伸びた場合、キャップをしていないと収穫時等に葉や茎が栽培筒内部へ入ってしまい、それが放置されることでハダニ等の虫の繁殖源になったり腐ったりしてしまう。上述のキャップをすることにより、葉や茎の侵入を抑制できるとともに、キャップだけをとりはずせば容易に葉や茎の清掃が可能であって、病虫害のリスク低減を簡便な方法ですることができる。
またさらに培地への光の侵入を抑制することができるので、培地へのカビや藻の発生を抑制することができるようになる。
植物に病害性をもたない種類であっても、長期間栽培を続けていくと、藻が保水性シートの表面に繁茂することで外観の印象が悪くなるだけでなく、保水性シートの表面が疎水的になり、保水能力が低減してくる。これにより、滴下した養液の一部が通気性素材側にロスされ、ひいては植物への養液供給が不足していく。
これに対し、上述のような漏斗型のキャップとすることで、長期間の連続栽培においても、必要最小限度の養液滴下量で植物を効率的に栽培することができるようになる。
従って、この実施例34では、上述のように、培地1の上端部側を遮光する遮光壁16cを備えることで、保水性シート11表面へのほこり(カビの胞子も含まれる)の付着を抑制するとともに保水性シート11表面へ光があたることを抑制し、これにより、培地1へのカビや藻の発生を抑制することができるようになる。
従って、この実施例35では、閉自在な蓋体16dを備えることで、外枠2、2を使用していないときには案内部材16の口を完全に閉鎖することにより、キャップ内へのほこり(カビの胞子も含まれる)の侵入を防止することができるようになる。
また、自動結束機を用いることで大量な結束を短時間で実施することもできる。自動結束機でも使用されているような、熱溶融バンドでの結束の場合は、とりはずす際ははさみで切断することができ、楽に栽培筒の分割・片付けが可能となる。
この方法を用いた場合、例えばウレタン培地に播種を行い、各苗周辺の培地を残したまま挟むことにより根洗いの手間を省くことができる。
また、根が細く根洗いをすると傷んでその後の生育が悪くなる植物種も失敗せずに栽培することが可能となる。
また、少ない養液量で確実に植物への水と酸素の供給が可能であるため、まだ根が出てきていない挿し穂の状態で定植するようにしてもよい。
この方法を用いることにより、播種からの生育が遅い植物種についても短期間で苗を育てることができる。
根のついている状態の植物の代わりに、さし穂をはさむ方法とすることにより、通常の根がついた植物を移植する場合に実施する、床や台の上などで通気性素材の上にのせた保水布上に植物を並べてからもう一方の通気性素材を上にのせてはさんだ状態をつくり結束するという方法に加え、通気性素材の間に保水シートをはさんだものを分割型外枠で囲った栽培筒を植物なしで先に組み立てておき、通気性素材と保水シートの間に差し込んでいくという方法も実施しやすく、定植作業を1人で実施する場合であっても時間をかけず簡単に実施することが可能となる。
周囲の収穫用に栽培している植物から挿し穂を切り取れば、育苗スペースや育苗期間無しに栽培植物を増やすことが可能なことも、作業低減に寄与する。
また、保水性シートに付着した状態の植物の両側を通気性素材ではさんで定植する方法を用いることにより、草丈が高めの状態・地下部がある程度発達した状態で移植したい場合にも簡単に定植作業を行うことができる。
111 スリット
102 培地
121 保水性シート
121a 折り曲げた保水性シート
121b 傾斜部材
122 通気性素材
123 通気性素材
103 養液収容タンク
104 養液供給手段
104a 養液供給パイプ
104b 養液滴下口
104c コック
104d 滴下チューブ
141 養液供給ポンプ
142 流量調整手段
142a 電動バルブ
142b 養液供給量制御手段
142c 手動バルブ
105 養液回収手段
151 ドレンパン
152 養液回収循環ポンプ
106 植物の苗又は種子
107 養液
108 固定手段
108a 吊下げパイプ
108b 吊下部材
109 水分量センサ
109a 水分量計
109b ドレンパン
109c 保水性素材
110 温熱ヒーター
1 培地
11 保水性シート
11a 折り曲げた保水性シート
11b 傾斜部材
12 通気性素材
13 通気性素材
2 外枠
21 天板部
3 連結部材
31 結束バンド(連結部材)
32 係合爪(連結部材)
33 係合爪(連結部材)
4 養液収容タンク
5 養液供給手段
5a 養液供給パイプ
5b 養液滴下口
5c コック
5d 滴下チューブ
51 養液供給ポンプ
52 流量調整手段
52a 電動バルブ
52b 養液供給量制御手段
52c 手動バルブ
6 養液
7 養液回収手段
71 ドレンパン
72 養液回収循環ポンプ
8 植物の苗又は種子
9a 吊下げパイプ
9b 吊下部材
10 固定手段
14 水分量センサ
14a 水分量計
14b ドレンパン
14c 保水性素材
15 温熱ヒーター
16 案内部材
16a 上端開口部
16b 養液供給開口部
16c 遮光壁
16d 蓋体
W 隙間
Claims (10)
- ハウスの天井に吊下げ又は床面に立設した縦型水耕栽培筒と、縦型水耕栽培筒内に抜き差し可能に収容した培地と、養液収容タンクから培地に養液を供給する養液供給手段と、を備えた縦型水耕栽培システムであって、
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成され、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその二方向以上に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させるように構成されていることを特徴とする縦型水耕栽培システム。 - ハウスの天井に吊下げ又は床面に立設した縦型水耕栽培筒と、縦型水耕栽培筒内に抜き差し可能に収容した培地と、養液収容タンクから培地に養液を供給する養液供給手段と、を備えた縦型水耕栽培方法であって、
前記培地は、保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成し、
前記縦型水耕栽培筒は、少なくともその二方向以上に前記保水性シートと通気性素材との境目部分を含む位置に植物の苗又は種子を植え込むための一つ以上の縦長のスリット又は縦方向に複数の開口部を備え、
前記養液供給手段から養液を保水性シートに滴下させることにより、保水性シートに供給された養液で植物の苗又は種子を育成することを特徴とする縦型水耕栽培方法。 - 保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成される縦長の培地と、保水性シートの一側縁部付近に保水性シートと通気性素材との間に植物の苗又は種を植え込むための一つ以上の隙間を開けて両通気性素材側から培地を挟み込む一対の分割型外枠と、両外枠相互間を着脱可能に連結する連結手段と、溶液収容タンクと、溶液収容タンクから培地に養液を供給する養液供給手段とを備え、
前記両外枠の横断面が前記隙間部分を残して各通気性素材の外周を囲う略コの字状又は略半円状であり、
前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成されていることを特徴とする縦型水耕栽培システム。 - 保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成される縦長の培地と、保水性シートの両側縁部付近にそれぞれ保水性シートと通気性素材との間に植物の苗又は種を植え込むための一つ以上の隙間を開けて両通気性素材側から培地を挟み込む一対の分割型外枠と、両外枠相互間を着脱可能に連結する連結手段と、溶液収容タンクと、溶液収容タンクから培地に養液を供給する養液供給手段とを備え、
前記両外枠の横断面が前記隙間部分を残して各通気性素材の外周を囲う略コの字状又は略半円状であり、
前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成されていることを特徴とする縦型水耕栽培システム。 - 請求項3〜4のいずれか1項に記載の縦型水耕栽培システムにおいて、
前記連結手段が両外枠間を着脱可能にかみ合わせる構造であることを特徴とする縦型水耕栽培システム。 - 請求項3〜5のいずれか1項に記載の縦型水耕栽培システムにおいて、
前記連結手段が両外枠の外周の少なくとも1か所を巻き締める結束バンドであることを特徴とする縦型水耕栽培システム。 - 保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成される縦長の培地と、保水性シートの一側縁部付近に保水性シートと通気性素材との間に植物の苗又は種を植え込むための一つ以上の隙間を開けて両通気性素材側から培地を挟み込む一対の分割型外枠と、両外枠相互間を着脱可能に連結する連結手段と、溶液収容タンクと、溶液収容タンクから培地に養液を供給する養液供給手段とを備え、
前記両外枠の横断面が前記隙間部分を残して各通気性素材の外周を囲う略コの字状又は略半円状にし、
前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成されていることを特徴とする縦型水耕栽培方法。 - 保水性シートと少なくともその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成される縦長の培地と、保水性シートの両側縁部付近にそれぞれ保水性シートと通気性素材との間に植物の苗又は種を植え込むための一つ以上の隙間を開けて両通気性素材側から培地を挟み込む一対の分割型外枠と、両外枠相互間を着脱可能に連結する連結手段と、溶液収容タンクと、溶液収容タンクから培地に養液を供給する養液供給手段とを備え、
前記両外枠の横断面が前記隙間部分を残して各通気性素材の外周を囲う略コの字状又は略半円状にし、
前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成されていることを特徴とする縦型水耕栽培方法。 - 請求項2又は請求項7〜8のいずれか1項に記載の縦型水耕栽培方法において、
前記保水性シートと前記通気性素材との間に植物のさし穂を定植することを特徴とする縦型水耕栽培方法。 - 請求項2又は請求項7〜8のいずれか1項に記載の縦型水耕栽培方法において、
前記保水性シートに根を張っている植物を同保水性シートに付着した状態で両通気性素材に挟んで定植することを特徴とする縦型水耕栽培方法。
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