JPWO2019131952A1 - 地下処理用目止め材、地下処理方法及び坑井壁の目止め方法 - Google Patents

地下処理用目止め材、地下処理方法及び坑井壁の目止め方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、優れた膨潤性能を有して逸泥等の現象の抑制に有効であるとともに、坑井の掘削部における目止め材の充填作業性を向上させた地下処理用目止め材を提供することを課題とする。本発明の地下処理用目止め材は、変性ポリビニルアルコール系樹脂及び未変性ポリビニルアルコールのうちの少なくとも1種のポリビニルアルコール系樹脂を含有し、前記ポリビニルアルコール系樹脂が、温度80℃の水中に30分間浸漬した後の膨潤率が250〜900%である。

Description

本発明は、地下処理用目止め材及び坑井壁の目止め方法に関し、さらに詳しくは、泥水掘削工法の施工時に用いられる地下処理用目止め材、及び該地下処理用目止め材を用いた坑井壁の目止め方法に関する。
石油(シェールオイル等を含む。)または天然ガス(シェールガス等を含む。)等の炭化水素資源(以下、総称して、「石油等」ということがある。)は、多孔質で浸透性の地下層を有する井戸(油井またはガス井。以下、総称して「坑井」ということがある。)を通じて採掘され生産されてきた。
坑井の敷設(以下、「坑井掘削」ということもある。)は、例えば以下の工程により行われている。すなわち、地表面から垂直方向及び必要により更に水平方向に、ドリルを使用して坑井孔を掘削(drill)する掘削工程、坑井孔の崩壊を防止し、坑井孔の内壁(坑井壁)を通して流体が漏洩することを防止するケーシング(casing)工程、及び、坑井壁を仕上げるセメンティング(cementing)工程、並びに、生産層〔石油等を産出する地層。例えば、シェールガス等を産出するシェール層(頁岩層)など〕に石油等を回収するために坑井壁を穿孔(perforation)する穿孔工程、穿孔内に高圧の流体を圧入して坑井壁に亀裂(fracture)を形成拡大するフラクチャリング(fracturing)工程等を含む仕上げ(completing)工程、などの諸工程を経て、坑井の敷設が完成する。なお、既に敷設された坑井の改修も、新規の坑井の敷設とほぼ同様の工程を経て実施される。
坑井の敷設工程においては、種々の流体が使用され、水ベース、油ベース、エマルジョンの各種のタイプが用いられている。
掘削工程においては、坑井孔の底(先端部)やドリル周辺から掘り屑を除去し、掘り屑を地上に上げたり、ドリル及びその周辺部材を冷却し、潤滑性を与えたり、地下の圧力を抑えることにより噴出を防止したりするために泥水(「掘削流体」ということもある。)が循環される。このとき掘削中の坑井壁を通して、または坑井壁に存在する亀裂等を通して、泥水が逸出すると、坑井壁更には坑井孔の崩壊を招いたり、予期しない地層流体の浸入が生じたりして危険であるので、泥水には、坑井壁からの泥水の逸出を防止するために坑井壁を目止めする逸泥防止剤(lost circulation material。LCM)が配合される。
逸泥防止剤(LCM)としては、杉皮、サトウキビの繊維、鉱物繊維等の繊維状物;石灰岩、大理石、木、クルミの殻、綿の実の殻、トウモロコシの穂軸、合成樹脂等の粒状物;雲母片、樹脂フィルム片、セロファン小片等の薄片状物;など、種々の無機物質及び有機物質が使用されている。
例えば、泥水掘削工法の施工時に掘削孔や掘削溝に投入される逸泥防止剤であって、(A)無機微粉末、及び(B)吸水性樹脂の混合物を所望の形状に成型してなる逸泥防止剤(特許文献1参照)や、パルプ綿、綿花、故紙、廃パルプ、石綿、綿くず等の繊維材に高吸水性合成樹脂材を混合してなる逸泥防止材(特許文献2参照)等が提案されている。
穿孔工程やフラクチャリング工程においては、予め配置したフラックプラグやフラックスリーブ等の目止め部材を使用して坑井孔内に順次閉鎖空間を形成し、該閉鎖空間に圧入される高圧の流体によって坑井壁を穿孔し、更に亀裂を形成拡大させる(火薬を使用して穿孔を行うこともある。)。したがって、坑井壁から高圧の流体が逸出するようなことがあると、所期の流体圧が得られず、その結果所期の穿孔や亀裂を形成することができなくなってしまうので、坑井壁を一時的に目止めする必要がある。目止め材としては樹脂粒子等が使用されることもある。さらに、プラグ等の目止め部材を使用することなく、フラクチャリングと一時目止めを順次繰り返すフラクチャリング方法も採用されている。また、開孔しているフラクチャを一時目止めすることにより、異なる場所をフラクチャリングすることで石油等の再回収を可能とする方法も採用されている。
さらに、フラクチャリング流体を地上に還流するフローバックの前に生産層に形成したフラクチャを一時目止めしておくことで、石油等の流出を防ぎ、生産性を向上することも必要とされている。更にまた、石油等の産出を開始するために、坑井内に残存する障害物等を除去するために高圧流体を圧入するような場合、坑井壁から高圧の流体が逸出すると、所期の流体圧が得られず、障害物の除去ができなくなる。機材の設置が完了する前に坑井壁の目止め機能が消失すると、予期しない地層流体の浸入が生じることもある。目止め材は、ブリッジ材と称されることもあり、炭酸カルシウム等が使用されることが多い。
したがって、上記した諸工程において使用される泥水(掘削流体)、セメンティング流体、穿孔流体、フラクチャリング流体または仕上げ流体等の坑井処理流体には、種々の配合剤とともに、逸泥防止剤(LCM)や転換剤(diverting agent)を始めとして、坑井壁を一時的に目止めする一時目止め材(temporary plug)が配合される。さらに、これらの坑井処理流体を坑井孔内に流入させるのに先立って、一時目止め材を含有する一時目止め用の流体を坑井孔内に流入させることも行われている。
これら一時目止め材は、石油等の産出を開始するときには、石油等の滲出を妨げることがないように坑井壁から除去されることが望ましい。そのために、酸性物質やアルカリ性物質等、一時目止め材に対して溶解作用を有する材料を含有する液体を坑井孔内に注入することもある。
泥水(掘削流体)、セメンティング流体、穿孔流体、フラクチャリング流体または仕上げ流体等の坑井処理流体においては、種々の目的で添加される配合剤として、所定期間が経過すると分解する分解性材料を使用することにより、回収処理や廃棄処理等を不要とし、坑井掘削の経費節減及び工程短縮を図ることが行われている。
日本国特開2002−161268号公報 日本国特開2004−99677号公報
しかしながら、地下を処理するための従来の目止め材は低比重になり易く、掘削用泥水中で浮いてしまう可能性があるため、充填時には泥水を継続撹拌しなければならず、掘削部への充填作業性が悪いという問題がある。また、吸水性の高い高分子材料を使用した場合は、膨潤性が高くなり過ぎて掘削用泥水の粘度が上がりすぎてしまい、同様に充填作業性が悪くなるという問題があった。泥水掘削工法において、掘削中は掘削用泥水を供給し続けるため、掘削用泥水の充填作業性が悪くなると、原油やガスの生産能力を低下させてしまう。
そこで、本発明は上記課題を解決するために、優れた膨潤性能を有して逸泥等の現象の抑制に有効であるとともに、坑井の掘削部における目止め材の充填作業性を向上させた地下処理用目止め材を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の膨潤条件で測定したときに特定の膨潤率を発現するポリビニルアルコール系樹脂を用いることで上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(7)を特徴とする。
(1)変性ポリビニルアルコール系樹脂及び未変性ポリビニルアルコールのうちの少なくとも1種のポリビニルアルコール系樹脂を含有し、前記ポリビニルアルコール系樹脂が、温度80℃の水中に30分間浸漬した後の膨潤率が250〜900%である地下処理用目止め材。
(2)前記変性ポリビニルアルコール系樹脂が、カルボキシル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)である、前記(1)に記載の地下処理用目止め材。
(3)前記変性ポリビニルアルコール系樹脂が、カルボキシル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)の熱架橋物(A1)である、前記(1)に記載の地下処理用目止め材。
(4)前記変性ポリビニルアルコール系樹脂が、カルボキシル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)の架橋剤架橋物(A2)である、前記(1)に記載の地下処理用目止め材。
(5)掘削用である、前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の地下処理用目止め材。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の地下処理用目止め材を、地下に形成された坑井に流入させる液体に含有させる、地下処理方法。
(7)前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の地下処理用目止め材を、逸泥を生じやすい地盤の付近の泥水に含有させる、坑井壁の目止め方法。
本発明の地下処理用目止め材によれば、吸水性が高いため、吸水により膨潤したポリビニルアルコール系樹脂が掘削孔や掘削溝等の坑井の壁面に出来た亀裂等の間隙を効果的に閉塞することができ、また、泥水への分散性に優れるので、掘削部への充填作業性が向上する。したがって、本発明の地下処理用目止め材は、逸泥現象の抑制および塞栓に有効である。
以下、本発明の地下処理用目止め材についてさらに詳しく説明する。
なお、用語「ポリビニルアルコール」は、単に「PVA」ということがある。
また、本明細書において、「質量」は「重量」と同義である。
また、本明細書において、「地下処理」とは、地下に形成された坑井(穴)の壁面状態を改善するための処理をいい、「地下処理用目止め材」は、地下坑井の壁面に出来た亀裂等の間隙を一時閉塞するための材料である。
本発明の地下処理用目止め材は、変性ポリビニルアルコール系樹脂及び未変性ポリビニルアルコールのうちの少なくとも1種のポリビニルアルコール系樹脂(以下、単にPVA系樹脂ともいう。)を含有し、このPVA系樹脂は、温度80℃の水中に30分間浸漬した後の膨潤率(高さ膨潤率)が250〜900%であることを特徴とする。地下での目止め発現場所での温度は、地上での温度より上昇し、井戸の種類や地域、深さにもよるが、40〜120℃程度と想定される。よって、本発明ではその中間温度である80℃での膨潤率を採用するものである。PVA系樹脂が、温度80℃の水中に30分間浸漬した後の膨潤率が250〜900%であれば、充填対象に対して膨潤粒子が密に充填するので、例えば、泥水掘削工法において泥水に含有させて使用する際に、逸泥現象が発生している箇所でPVA系樹脂を膨潤させることができ、それにより逸泥を防止することができる。また、水中における分散性にも優れるので、掘削部への充填性が向上する。
前記膨潤率は、350〜900%であることが好ましく、400〜900%であることがより好ましく、600〜900%であることが更に好ましく、700〜900%であることが特に好ましく、750〜850%が最も好ましい。
なお、膨潤率は、具体的に以下により測定できる。
1.PVA系樹脂を0.5g秤量し、内径13.5mmの10mL容の試験管に入れ、このときのPVA系樹脂の試験管内の高さを初期高さとして測定する。
2.試験管に水7mLを入れ、撹拌し、水中にPVA系樹脂を分散させる。
3.80℃に温調しておいたウォーターバスに試験管を浸し、試験管内の水温が80℃に達してから30分間静置する。
4.30分後の試験管内のPVA系樹脂の高さを膨潤後高さとして測定する。
5.下記式に従って、PVA系樹脂の膨潤率(高さ膨潤率)を算出する。
膨潤率(%)=(膨潤後高さ/初期高さ)×100
本発明において、地下処理用目止め材の掘削部への充填作業性を高め、かつ目止めを有効に行うためには、PVA系樹脂が急激に膨潤しないことが望ましい。温度80℃の水中に30分間浸漬したときに膨潤率が250〜900%となるPVA系樹脂は、水酸基の水素結合や架橋による分子間結合を中心に分子同士が絡み合っているため、膨潤するためには絡み合いをほぐしていく時間と温度が必要となるので浸水初期には膨潤しないが、絡み合いがほぐれ、水と十分に結合した際には十分な膨潤性を発揮し、本発明の効果を得ることができる。
PVA系樹脂の温度80℃の水中に30分間浸漬した後の膨潤率を調整する方法としては、樹脂の粉末の粒子径を調整する方法、架橋処理をする方法、官能基を導入する方法等が挙げられる。
高さ膨張率を上昇させるには、樹脂の粉末の粒子径を細かくする、架橋密度を下げる、イオン性官能基を導入する等の手段がある。
逆に高さ膨張率を低く調整するには、樹脂の粉末の粒子径を大きくする、架橋密度を上げる、疎水性官能基を導入する等の手段がある。
また、PVA系樹脂の離水率は40%以下であることが好ましい。本明細書において、離水率は、水400質量部に対してPVA系樹脂3質量部を添加した際にPVA系樹脂に保持されずに回収される水の割合をいい、以下により測定できる。
1.泥水濾過試験機のサンプルセルに精製水400質量部を投入し、500rpmで撹拌しながらPVA系樹脂3質量部を添加する。
2.30分間の撹拌を続けた後、撹拌を停止し、5分間静置する。
3.セル内を0.05MPaに加圧し、離水液を回収する。
4.測定は5分間行い、下記式に従って離水率を算出する。
離水率(%)=回収液(g)/(精製水(g)+樹脂(g))×100
離水率は、1〜25%であることがより好ましく、1〜20%が更に好ましく、2〜20%が特に好ましい。
本発明の地下処理用目止め材中のPVA系樹脂の含有量は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることが更に好ましい。また、上限は特に限定されず、100質量%以下であればよい。
本発明の地下処理用目止め材に含有されるPVA系樹脂は、未変性のものであっても、変性されたものであってもよい。また、PVA系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(未変性ポリビニルアルコール(PVA))
未変性PVAは、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマーを重合し得られた重合体をケン化することによって得られる。本発明においては、未変性PVAのケン化度が75〜100モル%であることが好ましく、80〜99.8モル%であることがより好ましく、85〜99.5モル%であることが更に好ましい。ケン化度が低すぎると吸水性が低下する場合がある。
なお、ケン化度はJIS K 6726:1994に準拠して測定することができるもので、PVA系樹脂中のビニルエステル構造単位以外の構造単位の含有率であって、後述の変性PVA系樹脂においても同様である。
未変性PVAの平均重合度は、300〜4,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜3,500、更に好ましくは1,500〜3,000である。平均重合度が低すぎると、耐水性が低下する傾向があり、高すぎると、粘度が上昇し、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
なお、平均重合度はJIS K 6726:1994に準拠して測定することができ、後述の変性PVA系樹脂においても同様である。
未変性PVAの4質量%水溶液の粘度は、2〜80mPa・sであることが好ましく、より好ましくは4〜70mPa・s、更に好ましくは10〜60mPa・sである。かかる粘度が低すぎると耐水性が低下する傾向があり、高すぎると粘度が上昇し、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
なお、未変性PVAの4質量%水溶液粘度は、未変性PVAの4質量%水溶液を調製し、JIS K6726:1994に準拠して測定した20℃における粘度であり、後述の変性PVA系樹脂においても同様である。
未変性PVAの形状は、特に限定されないが、粉末状であることが好ましい。粉末の平均粒子径は、10〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜1000μm、さらに好ましくは100〜500μmである。
なお、平均粒子径はレーザー回折装置を用いて、体積中位径として測定するものであり、後述の変性PVA系樹脂においても同様である。
(変性ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂)
変性PVA系樹脂は、未変性PVAに任意の官能基を導入したものである。導入される官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基をはじめとするアニオン性基、4級アンモニウム基等のカチオン性基、活性メチレン基含有変性基(アセトアセチル基、ジアセトン基、ジアセトンアクリルアミド基等)、カルボニル基、アミノ基、シラノール基、オキシアルキレン基、メルカプト基をはじめとする各種官能基等が挙げられる。また、側鎖に1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂等を挙げることもできる。この中でも、架橋性の観点から、カルボキシル基、活性メチレン基含有変性基を有する変性PVA系樹脂が好ましい。
〔カルボキシル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)〕
カルボキシル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)(以下、カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)と略記することがある。)は、カルボキシル基を有する化合物(モノマー)とビニルエステル系化合物(モノマー)とを共重合させて、その共重合体をケン化して得られる樹脂であり、その構造にカルボキシル基を有する。
カルボキシル基を有する構造単位の含有量(変性率)は、構造単位全体の0.1〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜8モル%、更に好ましくは0.5〜6モル%である。変性率が小さすぎると、耐水性が低下する傾向があり、大きすぎると吸水性が低下する傾向がある。
カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)のケン化度は、75〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは80〜99.8モル%、更に好ましくは85〜99.5モル%である。ケン化度が低すぎると、吸水性が低下する傾向がある。
なお、ケン化度はJIS K 6726:1994に準拠して測定することができる。
カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)の平均重合度は、300〜4,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜3,500、更に好ましくは1,500〜3,000である。平均重合度が低すぎると、耐水性が低下する傾向があり、高すぎると、粘度が上昇し、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
なお、平均重合度はJIS K 6726:1994に準拠して測定することができる。
カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)の4質量%水溶液粘度は、2〜80mPa・sであることが好ましく、より好ましくは4〜70mPa・s、更に好ましくは10〜60mPa・sである。かかる粘度が低すぎると耐水性が低下する傾向があり、高すぎると粘度が上昇し、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
なお、カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)の4質量%水溶液粘度は、カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)の4質量%水溶液を調製し、JIS K6726:1994に準拠して測定した20℃における粘度である。
カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)の形状は、特に限定されないが、粉末状であることが好ましい。粉末の平均粒子径は、10〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜1000μm、さらに好ましくは100〜500μmである。平均粒子径が大きすぎると、分散性が低下する傾向があり、小さすぎると、耐水性が低下する傾向がある。
なお、平均粒子径はレーザー回折装置を用いて、体積中位径として測定することができる。
カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)の製造方法としては、例えば、(1)カルボキシル基を有する不飽和モノマー及びビニルエステル系モノマーより共重合体を得た後、該共重合体をケン化する方法、(2)カルボキシル基を有するアルコールやカルボキシル基を有し、かつアルデヒドあるいはチオール等の官能基を有する化合物を連鎖移動剤として共存させてビニルエステル系化合物を重合した後に、アルカリ金属水酸化物等の触媒でケン化する方法等が挙げられる。中でも(1)の方法が樹脂の製造面、性能面から実用的である。
また、本発明においては、カルボキシル基含有PVA系樹脂の中でも、ビニルエステル系モノマーとの重合性が高く得られやすい点でマレイン酸変性PVA系樹脂、イタコン酸変性PVA系樹脂が好ましく、更には取扱い性の点でマレイン酸変性PVA系樹脂が好ましい。
以下、(1)の方法について具体的に説明する。
上記カルボキシル基を有する不飽和モノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)、又はエチレン性不飽和カルボン酸モノエステル(マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等)、又はエチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステル(マレイン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル等)、又はエチレン性不飽和カルボン酸無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸等)、あるいは(メタ)アクリル酸等のモノマー、及びこれらの塩が挙げられ、エチレン性不飽和カルボン酸モノエステル又はその塩が好適に使用される。
中でも、ビニルエステル系モノマーとの反応性の点でエチレン性不飽和カルボン酸モノエステルが好ましく、更にはマレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルが好ましく、特にはマレイン酸モノアルキルエステルが好ましい。
また、ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサチック酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が単独又は併用で用いることができるが、実用性の点で特に酢酸ビニルが好ましい。
本発明においては、カルボキシル基を有する不飽和モノマー及びビニルエステル系化合物との重合の際に上記の如きカルボキシル基を有する不飽和モノマー、ビニルエステル系化合物以外に、ビニルエステル系モノマーと共重合性を有するモノマーとの共重合体のケン化物等を用いることもでき、かかる共重合モノマーとしては、例えば、エチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ウンデシレン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン、グリセリンモノアリルエーテル等のビニル化合物、酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類、塩化ビニリデン、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
更に、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等のポリオキシアルキレン基含有モノマー、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有モノマー等も挙げられる。
なお、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
かかる共重合モノマーの導入量は、モノマーの種類によって異なるため一概にはいえないが、通常は全構造単位の10モル%以下、特に好ましくは5モル%以下である。共重合モノマーの導入量が多すぎると、水溶性が損なわれたり、架橋剤との相溶性が低下したりする傾向がある。
また、ビニルエステル系モノマーおよびその他のモノマーを重合、共重合する際の重合温度を高温にすることにより、主として生成する1,3−結合に対する異種結合の生成量を増やし、PVA主鎖中の1,2−ジオール結合を1.6〜3.5モル%程度としたものを使用することが可能である。
〔カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)の架橋物〕
本発明においては、目止めの効果を高めるために、カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)が架橋されてなる架橋物を使用することが好ましい。
前記架橋物を形成する方法(架橋方法)としては、例えば、熱処理、架橋剤処理、紫外線照射処理、電子線照射処理等が用いられる。中でも好ましくは、熱処理により架橋された熱架橋物(A1)や、架橋剤によって架橋処理された架橋剤架橋物(A2)である。以下、架橋方法について説明する。
まず、熱処理による架橋方法について説明する。
熱処理の方法については、通常はカルボキシル基含有PVA系樹脂(A)を特定の熱処理に供する方法が挙げられる。熱処理条件として、熱処理温度は、通常、100〜220℃であり、好ましくは120〜200℃、より好ましくは130〜150℃である。熱処理温度が低すぎると耐水性が低下し、温度が高すぎると樹脂が分解する傾向にある。
また、熱処理時間は、通常、10〜600分であり、好ましくは20〜400分、より好ましくは100〜200分である。熱処理時間が少なすぎると耐水性が低下し、多すぎると樹脂が分解する傾向にある。
また、溶融押出等により、熱処理を施すことも可能である。
なお、本発明においては、カルボキシル基を有するPVA系樹脂(A)の熱架橋物(A1)が、カルボキシル基を有するPVA系樹脂(A)が100〜220℃で、10〜600分間加熱されてなるものであることが好ましい。
上記の熱処理における酸素濃度は、通常、3〜25体積%であり、好ましくは、5〜23体積%、より好ましくは10〜21体積%である。酸素濃度が低すぎると耐水性が低下する傾向があり、高すぎると樹脂が分解する傾向にある。
また、上記の熱処理における窒素濃度は、通常、75〜98体積%であり、好ましくは78〜95体積%、より好ましくは80〜90体積%である。かかる窒素濃度が低すぎると樹脂が分解する傾向があり、高すぎると耐水性が低下する傾向がある。
かかる熱処理により得られた熱架橋物(A1)の黄色度を表すイエローインデックス(YI)値は、通常、20〜100であり、好ましくは25〜80、より好ましくは55〜65である。YI値が低すぎると耐水性が低下し、高すぎると樹脂の吸水性が低下する傾向にある。
なお、YI値はJIS K 7373:2006の方法で求めることができ、以下の活性メチレン基含有変性基を有するPVA系樹脂(B)においても同様である。
次に、架橋剤による架橋方法について説明する。
架橋剤処理で用いる架橋剤としては、カルボキシル基を有するPVA系樹脂の架橋剤として公知のものを用いることができる。例えば、ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド等のモノアルデヒド化合物、グリオキザール,グルタルアルデヒド,ジアルデヒド澱粉等の多価アルデヒド化合物などのアルデヒド化合物、メタキシレンジアミン、ノルボルナンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビスアミノプロピルピペラジン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフォン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、3−メチル−1,2−フェニレンジアミン、4−メチル−1,2−フェニレンジアミン、2−メチル−1,3−フェニレンジアミン、4−メチル−1,3−フェニレンジアミン、2−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレンジアミン、2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−フェニレンジアミン、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン等のアミン系化合物、メチロール化尿素、メチロール化メラミンなどのメチロール化合物、ヘキサメチレンテトラミン等のアンモニアとホルムアルデヒドとの反応物、ホウ酸、ホウ砂などのホウ素化合物、塩基性塩化ジルコニル、硝酸ジルコニル、酢酸ジルコニウムアンモニウムなどのジルコニウム化合物、テトラメチルチタネートのようなチタンオルソエステル類、チタンエチルアセトアセトナートのようなチタンキレート類、ポリヒドロキシチタンステアレートのようなチタンアシレート類などのチタン化合物、アルミニウムアセチルアセトナートのようなアルミニウム有機酸キレート類などのアルミニウム化合物、シランカップリング剤などの有機反応性基を有するオルガノアルコキシシラン化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多価エポキシ化合物、各種イソシアネート系化合物、ポリアミドポリアミン−エピクロロヒドリン系樹脂などのポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン系樹脂などが挙げられる。とりわけ、ポリアミドポリアミン−エピクロロヒドリン系樹脂が好ましい。
かかる架橋剤の含有量はカルボキシル基含有PVA系樹脂(A)100質量部に対して0.05〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20質量部、特に好ましくは1〜10質量部である。架橋剤の含有量が少なすぎると、架橋剤による効果が乏しくなる傾向があり、多すぎると樹脂の吸水性が低下する傾向がある。
カルボキシル基を有するPVA系樹脂(A)と架橋剤の混合方法としては、例えば、(i)カルボキシル基を有するPVA系樹脂(A)水溶液と架橋剤水溶液を混合する方法、(ii)固体状(粉末等)のカルボキシル基を有するPVA系樹脂(A)に架橋剤水溶液を噴霧する方法、(iii)固体状の架橋剤にカルボキシル基を有するPVA系樹脂(A)水溶液を噴霧する方法、などが用いられる。中でも、短い乾燥時間で固体状の架橋物が得られることから(ii)の方法が好ましい。
カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)の熱架橋物(A1)及び架橋剤架橋物(A2)の平均粒子径、粉砕方法は、カルボキシル基含有PVA系樹脂(A)に準ずる。
〔活性メチレン基含有変性基を有するポリビニルアルコール系樹脂(B)〕
次に、本発明で用いられる活性メチレン基含有変性基を有するポリビニルアルコール系樹脂(B)(以下、活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)と略記することがある。)について説明する。
本発明でいう活性メチレン基とは、例えば、カルボニル基に隣接するメチレン基のように、酸性度が高められたメチレン基を示すものである。すなわちメチレン基とカルボニル基との間で共鳴安定化された部分に架橋反応が起こるのである。
上記のような活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)としては、例えば、ケトン、カルボン酸またはカルボン酸エステル等のカルボニル基とメチレン基が隣接した構造を有する変性基を有するPVA系樹脂であり、具体的には、例えば、アセトアセチル基やジアセトン基を有するPVA系樹脂が挙げられる。
なかでも、アセトアセチル基含有PVA系樹脂(以下、AA化PVA系樹脂と略記することがある。)や、ジアセトンアクリルアミド構造単位含有PVA系樹脂が好ましく、更には架橋性の点でAA化PVA系樹脂が好ましい。
本発明において、活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)の平均重合度は、300〜4000であることが好ましく、より好ましくは400〜3000、更に好ましくは800〜2000である。かかる平均重合度が低すぎると、耐水性が低下する傾向があり、高すぎると、粘度が上昇し、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
なお、上記平均重合度は、JIS K 6726:1994に準拠して測定される。
活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)のケン化度は、75〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは80〜99.9モル%、更に好ましくは85〜99.8モル%である。かかるケン化度が低すぎると、吸水性が低下する傾向がある。
なお、上記ケン化度は、JIS K 6726:1994に準拠して測定される。
活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)の含有量(変性率)は、構造単位全体の0.1〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜8モル%、更に好ましくは0.5〜6モル%である。かかる含有量が少なすぎると、耐水性が低下する傾向があり、逆に多すぎると、吸水性が低下する傾向がある。
活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)の4質量%水溶液粘度は、2〜80mPa・sであることが好ましく、より好ましくは4〜70mPa・s、更に好ましくは10〜60mPa・sである。かかる粘度が低すぎると耐水性が低下する傾向があり、高すぎると粘度が上昇し、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
なお、活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)の4質量%水溶液粘度は、活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)の4質量%水溶液を調製し、JIS K6726:1994に準拠して測定した20℃における粘度である。
活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)の形状は、特に限定されないが、粉末状であることが好ましい。粉末の平均粒子径は、10〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜1000μm、さらに好ましくは100〜500μmである。平均粒子径が大きすぎると、分散性が低下する傾向があり、小さすぎると、耐水性が低下する傾向がある。
なお、平均粒子径はレーザー回折装置を用いて、体積中位径として測定される。
以下、活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)の好ましい態様として、AA化PVA系樹脂(b)について説明する。
本発明に用いられるAA化PVA系樹脂(b)は、PVA系樹脂の主鎖に直接、あるいは酸素原子や連結基を介してアセトアセチル基(AA基)が結合したもので、例えば、下記一般式(1)で表されるAA基を有する構造単位を含むPVA系樹脂が挙げられる。なお、かかるAA化PVA系樹脂は、AA基を有する構造単位以外にビニルアルコール構造単位を有し、必要に応じて更に未ケン化部分のビニルエステル構造単位を有するものである。
Figure 2019131952
AA基を有する構造単位の含有量(AA化度)は、通常、構造単位全体の0.1〜10モル%であり、好ましくは0.3〜8モル%、特に好ましくは0.5〜6モル%である。AA化度が小さすぎると、耐水性が低下する傾向があり、大きすぎると吸水性が低下する傾向がある。
なお、AA化度は、AA化PVA系樹脂の総エステル基量と酢酸エステル基量との差から求めることができる。
AA化PVA系樹脂(b)の好ましいケン化度、平均重合度、4質量%水溶液粘度及び形状は、上記したとおりである。
AA化PVA系樹脂(b)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、(1)PVA系樹脂とジケテンを反応させる方法、(2)PVA系樹脂とアセト酢酸エステルを反応させてエステル交換する方法、(3)酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルの共重合体をケン化する方法等を挙げることができる。特に、製造工程が簡略で、品質の良いAA化PVAが得られることから、(1)PVA系樹脂とジケテンを反応させる方法で製造するのが好ましい。
以下、(1)の方法について説明する。
原料となるPVA系樹脂としては、一般的にはビニルエステル系モノマーの重合体のケン化物またはその誘導体が用いられる。かかるビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済性の点から酢酸ビニルが好ましく用いられる。
また、ビニルエステル系モノマーと該ビニルエステル系モノマーと共重合性を有するモノマーとの共重合体のケン化物等を用いることもでき、かかる共重合モノマーとしては、例えば、エチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ウンデシレン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン、グリセリンモノアリルエーテル等のビニル化合物、酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類、塩化ビニリデン、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
更に、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等のポリオキシアルキレン基含有モノマー、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有モノマー等も挙げられる。
なお、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
かかる共重合モノマーの導入量は、モノマーの種類によって異なるため一概にはいえないが、通常は全構造単位の10モル%以下、特に好ましくは5モル%以下である。共重合モノマーの導入量が多すぎると、水溶性が損なわれたり、架橋剤との相溶性が低下したりする傾向がある。
また、ビニルエステル系モノマーおよびその他のモノマーを重合、共重合する際の重合温度を高温にすることにより、主として生成する1,3−結合に対する異種結合の生成量を増やし、PVA主鎖中の1,2−ジオール結合を1.6〜3.5モル%程度としたものを使用することが可能である。
上記ビニルエステル系モノマーの重合体および共重合体をケン化して得られるPVA系樹脂とジケテンとの反応によるアセトアセチル基の導入には、PVA系樹脂とガス状或いは液状のジケテンを直接反応させてもよいし、有機酸をPVA系樹脂に予め吸着吸蔵させた後、不活性ガス雰囲気下でガス状または液状のジケテンを噴霧、反応するか、またはPVA系樹脂に有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応する等の方法が用いられる。
上記の反応を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置が挙げられる。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を用いることができる。
かかるAA化PVA系樹脂は粉砕されていてもよい。粉砕方法としては、例えば、ローラーミル、ビーズミル、ボールミル、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、グラインド粉砕、衝突粉砕、凍結粉砕などの方法が用いられる。
〔活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)の架橋物〕
本発明においては、目止めの効果を高めるために、活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)が架橋されてなる架橋物を使用することが好ましい。
前記架橋物を形成する方法(架橋方法)としては、例えば、熱処理、架橋剤処理、紫外線照射処理、電子線照射処理等が用いられる。中でも好ましくは、熱処理により架橋された熱架橋物(B1)や、架橋剤によって架橋処理された架橋剤架橋物(B2)である。以下、架橋方法について説明する。
まず、熱処理による架橋方法について説明する。
熱処理による架橋方法については、通常は活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)を特定の熱処理に供する方法が挙げられる。熱処理条件として、熱処理温度は、通常、100〜220℃であり、好ましくは120〜200℃、より好ましくは130〜150℃である。熱処理温度が低すぎると耐水性が低下し、温度が高すぎると樹脂が分解する傾向にある。
また、熱処理時間は、通常、10〜600分であり、好ましくは、20〜400分、より好ましくは100〜200分である。熱処理時間が少なすぎると耐水性が低下し、多すぎると樹脂が分解する傾向にある。
また、溶融押出等により、熱処理を施すことも可能である。
上記の熱処理における酸素濃度は、通常、3〜25体積%であり、好ましくは、5〜23体積%、より好ましくは10〜21体積%である。酸素濃度が低すぎると耐水性が低下する傾向があり、高すぎるとPVA系樹脂が分解する傾向にある。
また、上記の熱処理における窒素濃度は、通常、75〜98体積%であり、好ましくは78〜95体積%、より好ましくは80〜90体積%である。かかる窒素濃度が低すぎるとPVA系樹脂が分解する傾向があり、高すぎると耐水性が低下する傾向がある。
上記の熱処理で得られた架橋物(B1)の黄色度を表すYI値は、通常、20〜100であり、好ましくは25〜80、より好ましくは30〜40である。YI値が低すぎると耐水性が低下し、高すぎると樹脂の吸水性が低下する傾向にある。
次に、架橋剤による架橋方法について説明する。
架橋剤処理で用いる架橋剤としては、例えば、活性メチレン基含有PVA系樹脂の架橋剤として公知のものを用いることができる。例えば、クロム化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、ホウ素化合物等の無機系架橋剤や、グリオキザール、グリオキシル酸及びその塩、尿素樹脂、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジン系化合物、ヒドラジン系化合物、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、N−メチロール系化合物、アクリロイル系化合物、活性ハロゲン系化合物、エチレンイミノ系化合物等の有機系架橋剤や、金属、金属錯塩を挙げることができる。特に、耐水性の点からグリオキシル酸及びその金属塩、とりわけ、グリオキシル酸金属塩、更にはグリオキシル酸ナトリウムが好ましい。
かかる架橋剤の含有量は活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)100質量部に対して0.05〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20質量部、特に好ましくは1〜10質量部である。架橋剤の含有量が少なすぎると、架橋剤による効果が乏しくなる傾向があり、多すぎると樹脂の吸水性が低下する傾向がある。
活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)と架橋剤の混合方法としては、例えば、(i)活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)水溶液と架橋剤水溶液を混合する方法、(ii)固体状(粉末等)の活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)に架橋剤水溶液を噴霧する方法、(iii)固体状の架橋剤に活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)水溶液を噴霧する方法、などが用いられる。中でも、短い乾燥時間で固体状の架橋物が得られることから(ii)の方法が好ましい。
活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)の熱架橋物(B1)及び架橋剤架橋物(B2)の平均粒子径、粉砕方法は、活性メチレン基含有PVA系樹脂(B)に準ずる。
本発明において、変性PVA系樹脂及び未変性PVAは、1種類を単独で用いてもよく、また、粘度や平均重合度、ケン化度、変性量が異なる2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上を組み合わせて用いる場合には、粘度、平均重合度、ケン化度、変性量の平均値が上述の範囲内であることが好ましい。
本発明の地下処理用目止め材には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、例えば、補強剤、充填剤、可塑剤、顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、帯電防止剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤等が含有されていてもよい。
本発明の地下処理用目止め材は、逸泥防止剤として使用される際は、通常は現場にて流水(泥水等)に添加され、混合物の形態で用いられる。すなわち、本発明の地下処理用目止め材を地下に形成された坑井に流入させる液体に含有させ、これを地下処理に用いる。この形態において、逸泥防止剤の混合割合は、混合物の充填作業性の観点から、0.01〜50質量%とすることが好ましく、0.1〜30質量%がより好ましい。
また、本発明は、上記した地下処理用目止め材を用いた逸泥防止方法も提供するものである。本発明の地下処理用目止め材を、逸泥を生じやすい地盤の付近の泥水に含有させることにより、地下処理用目止め材に含有される本発明のPVA系樹脂が膨潤し、掘削孔や掘削溝等の坑井の壁面に出来た間隙を効果的に閉塞する(目止めする)ことができ、逸泥を防止することができる。
本発明の地下処理用目止め材は、坑井掘削、リバース工法等の、泥水掘削技術が利用される現場で制限なく用いることができ、その使用方法も常法に従えばよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において「部」及び「%」は、特に断りのない限り質量を基準とする。
ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂またはその架橋物の平均粒子径、平均重合度、ケン化度、膨潤率(高さ膨潤率)、離水率、充填作業性は、以下の方法により測定した。
(a)平均粒子径(μm)
Malvern社製レーザー回折式粒度分布測定装置「マスターサイザー3000」にて乾式分散で体積分布を測定し、積算値が50%になる径を算出した。
(b)平均重合度
JIS K6726:1994に基づいて測定した。
(c)ケン化度(%)
JIS K6726:1994に基づき、原料PVA系樹脂の残存酢酸エステル基の加水分解に要するアルカリ消費量で分析することにより求めた。
(d)高さ膨潤率
1.PVA系樹脂を0.5g秤量し、内径13.5mmの10mL容の試験管に入れ、このときのPVA系樹脂の試験管内の高さを初期高さとして測定した。
2.試験管に水7mLを入れ、撹拌し、水中にPVA系樹脂を分散させた。
3.80℃に温調しておいたウォーターバスに試験管を浸し、試験管内の水温が80℃に達してから30分間静置した。
4.30分後の試験管内のPVA系樹脂の高さを膨潤後高さとして測定した。
5.下記式に従って、PVA系樹脂の膨潤率(高さ膨潤率)を算出した。
膨潤率(%)=(膨潤後高さ/初期高さ)×100
(e)目止効果の評価(離水率)
S−250泥水濾過試験機(株式会社西日本試験機製)のサンプルセルに精製水400部を投入し、500rpmで撹拌しているところにPVA系樹脂3部を添加した。30分間の撹拌を続けた後、撹拌を停止し、5分間静置した。空気によりセル内を0.05MPaに加圧し、離水液を回収した。測定は5分間行い、下記式に従って離水率を決定した。
離水率(%)=回収液(g)/(精製水(g)+樹脂(g))×100
(f)充填作業性
上記「(e)目止効果の評価(離水率)」において、液の撹拌の際の液の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
○(良好):PVA系樹脂が液中に均一に分散していた。
×(不良):PVA系樹脂が吸水しすぎて均一な撹拌が困難であった。
<実施例1:マレイン酸変性PVA系樹脂の熱架橋物(PVA1)>
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル100部、メタノール26部、マレイン酸モノメチル0.1部を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で60℃まで上昇させてから、重合触媒としてt−ブチルパーオキシネオデカノエート(半減期が1時間になる温度が65℃)を0.001モル%(酢酸ビニル総量に対して)投入し、重合を開始した。重合開始直後にマレイン酸モノメチル2.2部(酢酸ビニル総量に対して2モル%)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート0.008モル%(酢酸ビニル総量に対して)を重合速度に合わせて連続追加し、酢酸ビニルの重合率が73%となった時点で、4−メトキシフェノールを0.01部及び希釈・冷却用メタノールを58部添加して重合を終了した。重合終了時における残存活性触媒量は、反応液総量に対して2ppmであった。
続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整して水酸化ナトリウムの4%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して30ミリモルとなる割合で混合し、温度を40〜50℃にて25分間ケン化反応を行った。ケン化反応により固化した樹脂をカットし、マレイン酸変性PVA系樹脂を得た。得られたマレイン酸変性PVA系樹脂の変性率は、2.1モル%であった。
得られたマレイン酸変性PVA系樹脂をジャケット温度130〜135℃の熱処理缶内で5時間真空乾燥させた後、常圧状態で窒素ガスを24Nm/hの速度で熱処理缶に流しながら3時間、130〜135℃で熱処理を行い、マレイン酸変性PVA系樹脂の熱架橋物(PVA1)を得た。PVA1の平均粒子径は379μmであった。
<実施例2:マレイン酸変性PVA系樹脂の熱架橋物(PVA2)>
実施例1で得られたマレイン酸変性PVA系樹脂の熱架橋物(PVA1)7部を凍結粉砕用のサンプルセルに入れ、Freezer/Mill(SPEX SamplePrep社)を用いて、100秒間、10cps、液体窒素下で凍結粉砕を行い、マレイン酸変性PVA系樹脂の熱架橋物(PVA2)を得た。PVA2の平均粒子径は204μmであった。
<実施例3:マレイン酸変性PVA系樹脂の熱架橋物(PVA3)>
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル100部、メタノール30部、マレイン酸モノメチル0.28部を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で60℃まで上昇させてから、重合触媒としてt−ブチルパーオキシネオデカノエート(半減期が1時間になる温度が65℃)を0.0014モル%(酢酸ビニル総量に対して)投入し、重合を開始した。重合開始直後にマレイン酸モノメチル5.4部(酢酸ビニル総量に対して4モル%)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート0.013モル%(酢酸ビニル総量に対して)を重合速度に合わせて連続追加し、酢酸ビニルの重合率が80%となった時点で、4−メトキシフェノールを0.01部及び希釈・冷却用メタノールを60部添加して重合を終了した。重合終了時における残存活性触媒量は、反応液総量に対して2ppmであった。
続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度43%に調整して水酸化ナトリウムの4%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して60ミリモルとなる割合で混合し、温度を40〜50℃にて25分間ケン化反応を行った。ケン化反応により固化した樹脂をカットし、マレイン酸変性PVA系樹脂を得た。得られたマレイン酸変性PVA系樹脂の変性率は、4.0モル%であった。
得られたマレイン酸変性PVA系樹脂をふるい分けし、200部をアルミホイルに広げて、乾燥機中で140℃、4時間熱処理を行った。熱処理途中、1時間おきに計4回スパチュラで樹脂の混合を行い、マレイン酸変性PVA系樹脂の熱架橋物(PVA3)を得た。PVA3の平均粒子径は358μmであった。
<実施例4:マレイン酸変性PVA系樹脂の架橋剤架橋物(PVA4)>
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル100部、メタノール26部、マレイン酸モノメチル0.1部を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で60℃まで上昇させてから、重合触媒としてt−ブチルパーオキシネオデカノエート(半減期が1時間になる温度が65℃)を0.001モル%(酢酸ビニル総量に対して)投入し、重合を開始した。重合開始直後にマレイン酸モノメチル2.2部(酢酸ビニル総量に対して2モル%)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート0.008モル%(酢酸ビニル総量に対して)を重合速度に合わせて連続追加し、酢酸ビニルの重合率が73%となった時点で、4−メトキシフェノールを0.01部及び希釈・冷却用メタノールを58部添加して重合を終了した。重合終了時における残存活性触媒量は、反応液総量に対して2ppmであった。
続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整して水酸化ナトリウムの4%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して30ミリモルとなる割合で混合し、温度を40〜50℃にて25分間ケン化反応を行った。ケン化反応により固化した樹脂をカットし、マレイン酸変性PVA系樹脂を得た。得られたマレイン酸変性PVA系樹脂の変性率は、2.1モル%であった。
得られたマレイン酸変性PVA系樹脂の50部をビニル袋に入れ、架橋剤としてのポリアミド・エピクロロヒドリン(湿潤紙力剤WS4002 星光PMC株式会社)の12.5%水溶液50部をスプレーで噴きつけた。次いで10分間、上記ビニル袋の口を手で握り、振り混ぜ、混合物を得た。
アルミトレイに上記混合物を広げて、乾燥機中で70℃で、3時間放置し、乾燥した後、7部を凍結粉砕用のサンプルセルに入れ、Freezer/Mill(SPEX SamplePrep社)を用いて、100秒間、10cps、液体窒素下で凍結粉砕を行い、マレイン酸変性PVA系樹脂の架橋剤架橋物(PVA4)を得た。PVA4の平均粒子径は213μmであった。
<比較例1:マレイン酸変性PVA系樹脂(PVA5)>
実施例1において作製した熱処理前のマレイン酸変性PVA系樹脂を用い、ふるい分けにより平均粒子径358μmのマレイン酸変性PVA系樹脂(PVA5)を得た。
<比較例2:アセトアセチル(AA)化PVA系樹脂(PVA6)>
PVA(ケン化度98.0モル%、4%水溶液の粘度54mPa・s、平均重合度2400)を、ニーダーに100部仕込み、これに酢酸30部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで撹拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン5部を5時間かけて滴下し、更に1時間反応させた。
反応終了後、メタノールで洗浄した後、70℃で12時間乾燥してAA化PVA系樹脂(PVA6)を得た。かかるPVA6のAA化度は4.0モル%であり、平均粒子径306μmであった。
<実施例5:AA化PVA系樹脂の架橋剤架橋物(PVA7)>
比較例2で得られたPVA6の50部をビニル袋に入れ、架橋剤としてのグリオキシル酸ナトリウムの10%水溶液25部をスプレーで噴きつけた。次いで10分間、上記ビニル袋の口を手で握り、振り混ぜ、混合物を得た。
アルミトレイに上記混合物を広げて、乾燥機中で70℃で、3時間放置して、乾燥した後、7部を凍結粉砕用のサンプルセルに入れ、Freezer/Mill(SPEX SamplePrep社)を用いて、100秒間、10cps、液体窒素下で凍結粉砕を行い、AA化PVA系樹脂の架橋剤架橋物(PVA7)を得た。PVA7の平均粒子径は377μmであった。
<実施例6:未変性PVA(PVA8)>
PVA(ケン化度99.7モル%、重合度2600)を、BIミル(ミクロパウテック株式会社製)を用いて、目標の大きさになるまで衝突粉砕し、平均粒子径62μmの未変性PVA(PVA8)を得た。
<実施例7:未変性PVA(PVA9)>
実施例6で得られた未変性PVA(PVA8)の200部をアルミホイルに広げて、乾燥機中で125℃で、5時間熱処理を行った。熱処理途中、1時間おきに計4回スパチュラで樹脂の混合を行い、未変性PVA(PVA9)を得た。PVA9の平均粒子径は61μmであった。
<実施例8:AA化PVA系樹脂の架橋剤架橋物(PVA10)>
比較例2で得られたAA化PVA系樹脂(PVA6)の50部をビニル袋に入れ、架橋剤としてのグリオキシル酸ナトリウムの10%水溶液25部をスプレーで噴きつけた。次いで10分間、上記ビニル袋の口を手で握り、振り混ぜ、混合物を得た。
アルミトレイに上記混合物を広げて、乾燥機中で140℃、6時間乾燥し、AA化PVA系樹脂の架橋剤架橋物(PVA10)を得た。
<比較例3:高吸水性樹脂>
和光純薬工業株式会社より購入した高吸水性ポリマー(「高吸水性ポリマー(アクリル酸塩系)」(商品名))を比較例3の高吸水性樹脂とした。
実施例1〜8、比較例1〜3で作製したPVA系樹脂および高吸水性樹脂の平均重合度、ケン化度、高さ膨潤率、離水率、充填作業性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2019131952
表1の結果より、実施例1〜8は、温度80℃の水中に30分間浸漬した後の膨潤率(高さ膨潤率)が250〜900%の範囲にあり、間隙を効果的に閉塞することができるものであり、また、充填作業性にも優れることが分かった。また、実施例1〜8は離水率が40%以下であり、泥水濾過試験機からの水の漏えいが比較例1〜3に比べて抑制されていた。中でも実施例1〜3は、吸水性が高く、高さ膨潤率が700%以上であり、且つ離水率が20%以下であった。
本発明を詳細にまた特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2017年12月28日出願の日本特許出願(特願2017−254845)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (7)

  1. 変性ポリビニルアルコール系樹脂及び未変性ポリビニルアルコールのうちの少なくとも1種のポリビニルアルコール系樹脂を含有し、
    前記ポリビニルアルコール系樹脂が、温度80℃の水中に30分間浸漬した後の膨潤率が250〜900%である地下処理用目止め材。
  2. 前記変性ポリビニルアルコール系樹脂が、カルボキシル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)である、請求項1に記載の地下処理用目止め材。
  3. 前記変性ポリビニルアルコール系樹脂が、カルボキシル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)の熱架橋物(A1)である、請求項1に記載の地下処理用目止め材。
  4. 前記変性ポリビニルアルコール系樹脂が、カルボキシル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)の架橋剤架橋物(A2)である、請求項1に記載の地下処理用目止め材。
  5. 掘削用である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の地下処理用目止め材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の地下処理用目止め材を、地下に形成された坑井に流入させる液体に含有させる、地下処理方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の地下処理用目止め材を、逸泥を生じやすい地盤の付近の泥水に含有させる、坑井壁の目止め方法。
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