JPWO2020138251A1 - ダイバーティングエージェント及びこれを用いた坑井の亀裂の閉塞方法 - Google Patents

ダイバーティングエージェント及びこれを用いた坑井の亀裂の閉塞方法 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、一定時間(5分〜3時間程度)は完全溶解せず、粒子同士の凝集性が高いダイバーティングエージェントを提供することである。本発明は、ケン化度が65〜95モル%であるポリビニルアルコール系樹脂を含有するダイバーティングエージェントに関する。

Description

本発明は、ダイバーティングエージェント(Diverting Agent)及びこれを用いた採掘方法に関し、更に詳しくは、水圧破砕法を用いる掘削工法の施工時に用いられるダイバーティングエージェントに関する。
石油やその他の地下資源の採取のために、地下の頁岩(シェール)層に高圧の水を注入して亀裂を生じさせる水圧破砕法が広く採用されている。水圧破砕法では、まず、ドリルで垂直に地下数千メートルの縦孔(垂直坑井)を掘削し、頁岩層に達したところで水平に直径十から数十センチメートルの横孔(水平坑井)を掘削する。垂直坑井と水平坑井内を流体で満たし、この流体を加圧することにより、坑井から亀裂(フラクチャ、fracture)を生成させ、かかる亀裂から頁岩層にある天然ガスや石油(シェールガス・オイル)等が流出してくるので、それを回収する。このような手法によれば、亀裂の生成により、坑井の資源流入断面が増大し、効率よく地下資源の採取を行うことができる。
上記の水圧破砕法においては、流体加圧による亀裂の生成に先立って、水平坑井中でパーフォレーション(Perforation)と呼ばれる予備爆破が行われる。このような予備爆破により、坑井から生産層に穿孔を開ける。この後、この坑井内にフラクチュアリング流体を圧入することにより、これら穿孔に流体が流入し、これら穿孔に負荷が加えられることにより、これら穿孔に亀裂が生じ、資源の採取に好適な大きさの亀裂に成長していくこととなる。
水圧破砕法では、既に生成している亀裂をより大きく成長させたり、さらに多くの亀裂を生成させたりするために、既に生成している亀裂の一部をダイバーティングエージェントと呼ばれる添加剤を用いて一時的に塞ぐことがなされる。亀裂の一部をダイバーティングエージェントで一時的に閉塞し、この状態で坑井内に充填されたフラクチュアリング流体を加圧することにより、他の亀裂内に流体が侵入していき、これにより、他の亀裂を大きく成長させるあるいは新たな亀裂を発生させることができる。
ダイバーティングエージェントは、上記したように亀裂を一時的に閉塞するために用いられるものであるので、一定期間はその形状を維持でき、天然ガスや石油等を採取する際には加水分解して消失するものが使用される。例えば、ポリグリコール酸やポリ乳酸等の加水分解性樹脂をダイバーティングエージェントとして使用する技術が種々提案されている。
特許文献1では、生分解性脂肪族ポリエステル系樹脂の中でも生分解性の高いポリグリコール酸を含有する構成掘削用一時目止め剤が提案されている。
また、特許文献2では、生分解性樹脂であるポリ乳酸の粒子からなり、目開き500μmの篩にかけた際にパスしない粒子が50質量%以上、且つ、51度以上の安息角を有する粉体が提案されている。
そして、特許文献3では、ポリ乳酸中に該ポリ乳酸の加水分解性を調整するための生分解性の高いポリオキサレートの微細粒子が分布している分散構造を有している加水分解性粒子であって、平均粒径(D50)が300〜1000μmの範囲にあり、短径/長径比が0.8以上の真円度を有する加水分解性粒子が提案されている。
そしてまた、特許文献4では、平均粒径(D50)が300〜1000μmの範囲にあり、短径/長径比が0.8以上の真円度を有しているポリオキサレート粒子が提案されている。
国際公開第2015/072317号 日本国特開2016−56272号公報 日本国特開2016−147971号公報 日本国特開2016−147972号公報
水圧破砕法で亀裂を大きく成長させたり新たな亀裂を発生させたりするには、ダイバーティングエージェントが既に生成している亀裂を隙間なく塞ぐことが必要である。その際、ダイバーティングエージェントの粒子同士が凝集しにくいと、ダイバーティングエージェントが水中に散逸してしまい、亀裂を充分に塞ぐことができない。
そこで、本発明は、一定時間(5分〜3時間程度)は完全溶解せず、粒子同士の凝集性が高いダイバーティングエージェントを提供することを解決すべき課題としている。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の範囲のケン化度を持つポリビニルアルコール系樹脂をダイバーティングエージェントに含有させることにより、上記の課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記<1>〜<3>に関するものである。
<1>ケン化度が65〜95モル%であるポリビニルアルコール系樹脂を含有するダイバーティングエージェント。
<2>前記ポリビニルアルコール系樹脂1gを23℃の水100gに浸漬した際の15分後溶解率が10〜50質量%である<1>に記載のダイバーティングエージェント。
<3>坑井に生成された亀裂を一時的に閉塞する方法であって、<1>又は<2>に記載のダイバーティングエージェントを、坑井内の流体の流れに乗せて閉塞したい亀裂に流入させる、坑井の亀裂の閉塞方法。
本発明のダイバーティングエージェントは、粒子同士の凝集性が高い。そのため、本発明のダイバーティングエージェントは、亀裂を塞ぐ際に水中に散逸しにくく、亀裂への優れた塞栓性を有する。
以下、本発明について詳述するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
なお、用語「ポリビニルアルコール」は、単に「PVA」ということがある。
また、本発明において、(メタ)アリルとはアリル又はメタリル、(メタ)アクリルとはアクリル又はメタクリル、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートをそれぞれ意味する。
[PVA系樹脂]
本発明のダイバーティングエージェントは、ケン化度が65〜95モル%であるPVA系樹脂を含有する。なお、ケン化度はJIS K 6726:1994に準じて測定することができる。
PVA系樹脂のケン化度が65モル%以上であると、水酸基の量が多くなり、水との親和性が高くなるので、PVA系樹脂の水溶性を高めることができる。また、PVA系樹脂のケン化度が95モル%以下であると、結晶性が高くなりすぎず、PVA系樹脂の水溶性を高めることができる。
よって、本発明で用いるPVA系樹脂は、水溶性が高い。水溶性が高いPVA系樹脂においては、一定時間(5分〜3時間程度)は一部溶解したPVA系樹脂が粒子同士を接着する働きをし、その結果、PVA系樹脂の粒子同士の凝集性が高くなる。よって、当該PVA系樹脂を含有する本発明のダイバーティングエージェントは、粒子同士の凝集性が高いものとなる。
本発明で用いるPVA系樹脂のケン化度は、水溶性の観点から、70〜90モル%であることが好ましく、72〜88モル%であることがより好ましい。
本発明で用いるPVA系樹脂のケン化度を上記範囲にする方法としては、例えば、PVA系樹脂の製造においてケン化する際、用いる溶媒及び触媒の種類及び量並びに反応温度等を調整する方法等が挙げられる。
また、本発明で用いるPVA系樹脂は、PVA系樹脂1gを23℃の水100gに浸漬した際の15分後溶解率(以下、単に「15分後溶解率」ということがある。)が10〜50質量%であることが好ましく、15〜45質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。
15分後溶解率が10質量%以上であると、PVA系樹脂の粒子同士の凝集性をより高くすることができる。15分後溶解率が50質量%以下であると、亀裂への塞栓性をより高くすることができる。
なお、15分後溶解率は、以下の方法で算出することができる。
すなわち、100gの水が入った140mLの蓋付きガラス容器を恒温機に入れ、水温を23℃とする。ナイロン製の120メッシュ(目開き125μm、10cm×7cm)の長辺を二つ折りにし、両端をヒートシールし袋状メッシュ(5cm×7cm)を得る。
得られた袋状メッシュに1gのPVA系樹脂を入れ、開口部をヒートシールし、PVA系樹脂入りの袋状メッシュを得て、質量を測定する。上記ガラス容器中にPVA系樹脂入りの袋状メッシュを浸漬させる。23℃の恒温機内で15分静置後、PVA系樹脂入りの袋状メッシュを上記ガラス容器から取り出し、140℃で3時間乾燥させ、かかるPVA系樹脂入りの袋状メッシュの質量を測定し、浸漬前の質量から袋状メッシュ中に残存したPVA系樹脂の質量を算出し、下記式によってPVA系樹脂の15分後溶解率を算出することができる。
なお、下記式中、PVA系樹脂の固形分率(質量%)は、PVA系樹脂を105℃で3時間乾燥させ、乾燥前後のPVA系樹脂の質量を測定することにより算出できる。
Figure 2020138251
本発明で用いるPVA系樹脂の平均重合度(JIS K 6726:1994に準拠して測定)は、好ましくは100〜3500であり、より好ましくは150〜3000、さらに好ましくは200〜2500、特に好ましくは300〜2000である。かかる平均重合度が大きすぎると製造が困難となる傾向がある。
本発明で用いるPVA系樹脂の平均粒子径は、好ましくは100〜3000μm、より好ましくは150〜2000μm、さらに好ましくは200〜1000μmである。
PVA系樹脂の平均粒子径が小さすぎると飛散するなどして扱いが困難となる傾向がある。PVA系樹脂の平均粒子径が大きすぎると後反応し、変性させる場合に反応が不均一となる傾向がある。
なお、かかる平均粒子径とは、PVA系樹脂を乾式ふるい分け試験方法でふるい分けし、積算値が50%になる粒子径である。
本発明で用いるPVA系樹脂の4質量%水溶液粘度は、2〜40mPa・sであることが好ましく、より好ましくは3〜30mPa・s、更に好ましくは4〜20mPa・sである。かかる粘度が低すぎると耐水性が低下する傾向があり、高すぎると粘度が上昇し、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
なお、本発明で用いるPVA系樹脂の4質量%水溶液粘度は、PVA系樹脂の4質量%水溶液を調製し、JIS K6726:1994に準拠して測定した20℃における粘度である。
本発明で用いるPVA系樹脂は、ケン化度相当のビニルアルコール構造単位と未ケン化部分の酢酸ビニル構造単位を有するものである。
本発明では、PVA系樹脂としては、未変性PVA系樹脂の他に、ビニルエステル系樹脂の製造時に各種モノマーを共重合させ、これをケン化して得られる変性PVA系樹脂や、未変性PVA系樹脂に後変性によって各種官能基を導入した各種の後変性PVA系樹脂等が挙げられる。かかる変性は、PVA系樹脂の水溶性が失われない範囲で行うことができる。また、場合によっては、変性PVA系樹脂を更に後変性させてもよい。
ビニルエステル系樹脂の製造時にビニルエステル系モノマーとの共重合に用いられるモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩、そのモノ又はジアルキルエステル等;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩;アルキルビニルエーテル類;N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド;アリルトリメチルアンモニウムクロライド;ジメチルアリルビニルケトン;N−ビニルピロリドン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル;ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート;ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド;ポリオキシエチレン[1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル]エステル;ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等のポリオキシアルキレンビニルエーテル;ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン等のポリオキシアルキレンアリルアミン;ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等のポリオキシアルキレンビニルアミン;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類あるいはそのアシル化物等の誘導体を挙げることができる。
また、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン、グリセリンモノアリルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、2−アセトキシ−1−アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパン、3−アセトキシ−1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、グリセリンモノビニルエーテル、グリセリンモノイソプロペニルエーテル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン等のジオールを有する化合物などが挙げられる。
上記変性PVA系樹脂としては、例えば、側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂、エチレン変性PVA系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、溶融成形性に優れる点で、側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂が好ましい。
側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂における一級水酸基の数は、通常1〜5個であり、好ましくは1〜2個であり、特に好ましくは1個である。また、一級水酸基以外にも二級水酸基を有することが好ましい。
側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂としては、例えば、側鎖に1,2−ジオール構造単位を有する変性PVA系樹脂、側鎖にヒドロキシアルキル基構造単位を有する変性PVA系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、特に下記一般式(1)で表される、側鎖に1,2−ジオール構造単位を含有する変性PVA系樹脂(以下、「側鎖1,2−ジオール構造単位含有変性PVA系樹脂」と称することがある。)を用いることが好ましい。
なお、1,2−ジオール構造単位以外の部分は、通常のPVA系樹脂と同様、ビニルアルコール構造単位と未ケン化部分のビニルエステル構造単位である。
Figure 2020138251
(式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表す。)
上記一般式(1)において、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R〜Rは、すべて水素原子であることが望ましいが、樹脂特性を大幅に損なわない程度の量であれば炭素数1〜4のアルキル基であってもよい。当該アルキル基としては特に限定しないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が好ましく、当該アルキル基は必要に応じてハロゲノ基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。
上記一般式(1)中、Xは単結合又は結合鎖であり、熱安定性の点や高温下や酸性条件下での安定性の点で、単結合であることが好ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば結合鎖であってもよい。
かかる結合鎖としては、特に限定されず、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基、ナフチレン基等の炭化水素基(これらの炭化水素基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等で置換されていてもよい。)の他、−O−、−(CHO)−、−(OCH−、−(CHO)CH−、−CO−、−COCO−、−CO(CHCO−、−CO(C)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO−、−Si(OR)−、−OSi(OR)−、−OSi(OR)O−、−Ti(OR)−、−OTi(OR)−、−OTi(OR)O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−等が挙げられる。Rは各々独立して水素原子又は任意の置換基であり、水素原子又はアルキル基(特に炭素数1〜4のアルキル基)が好ましい。また、mは自然数であり、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5である。
結合鎖はこれらのなかでも、製造時の粘度安定性や耐熱性等の点で、炭素数6以下のアルキレン基、特にメチレン基、あるいは−CHOCH−が好ましい。
上記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位における特に好ましい構造は、R〜Rがすべて水素原子であり、Xが単結合である。
また、後反応によって官能基が導入された後変性PVA系樹脂としては、例えば、ジケテンとの反応によるアセトアセチル基を有するもの、エチレンオキサイドとの反応によるポリアルキレンオキサイド基を有するもの、エポキシ化合物等との反応によるヒドロキシアルキル基を有するもの、あるいは各種官能基を有するアルデヒド化合物をPVA系樹脂と反応させて得られたもの等を挙げることができる。
また、本発明で用いるPVA系樹脂が変性PVA系樹脂である場合、かかる変性PVA系樹脂中の変性率、すなわち共重合体中の各種モノマーに由来する構造単位、あるいは後反応によって導入された官能基の含有量は、官能基の種類によって特性が大きく異なるため一概には言えないが、通常、0.1〜20モル%である。
例えば、本発明で用いるPVA系樹脂が側鎖1,2−ジオール構造単位含有変性PVA系樹脂である場合の変性率は、通常、0.1〜20モル%であり、好ましくは0.5〜10モル%、より好ましくは1〜8モル%、特に好ましくは1〜3モル%である。
かかる変性率が高すぎると、粒子同士の凝集性が低くなる傾向があり、かかる変性率が低すぎると15分後溶解率が低くなりすぎる傾向がある。
なお、本発明で用いるPVA系樹脂中の1,2−ジオール構造単位の含有率(変性率)は、ケン化度100モル%のPVA系樹脂のH−NMRスペクトル(溶媒:DMSO−d、内部標準:テトラメチルシラン)から求めることができる。具体的には1,2−ジオール構造単位中の水酸基プロトン、メチンプロトン、およびメチレンプロトン、主鎖のメチレンプロトン、主鎖に連結する水酸基のプロトンなどに由来するピーク面積から算出することができる。
本発明で用いるPVA系樹脂がエチレン変性PVA系樹脂である場合の変性率は、通常、0.1〜15モル%であり、好ましくは0.5〜10モル%、更に好ましくは1〜10モル%、特に好ましくは5〜9モル%である。
かかる変性率が高すぎると、粒子同士の凝集性が低くなる傾向があり、かかる変性率が低すぎると15分後溶解率が低くなりすぎる傾向がある。
本発明で用いるPVA系樹脂の融点は、通常、140〜250℃であり、好ましくは150〜245℃、特に好ましくは160〜240℃、更に好ましくは170〜230℃である。
なお、融点は、示差走査熱量計(DSC)で昇降温速度10℃/minで測定した値である。
本発明で用いるPVA系樹脂の主鎖の結合様式は1,3−ジオール結合が主であり、1,2−ジオール結合の含有量は1.5〜1.7モル%程度であるが、ビニルエステル系モノマーを重合する際の重合温度を高温にすることによって1,2−ジオール結合の含有量を増やすことができ、その含有量を1.8モル%以上、更には2.0〜3.5モル%に増やすことができる。
本発明で用いるPVA系樹脂の製造方法としては、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル系モノマーを重合し、ケン化して製造する方法が挙げられる。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ピパリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、アジピン酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル、トリフロロ酢酸ビニル等を用いることができるが、価格や入手の容易さの観点で、酢酸ビニルが好ましく用いられる。
ビニルエステル系モノマーの重合は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより行うことができる。なかでも、反応熱を効率的に除去できる溶液重合を還流下で行うことが好ましい。溶液重合の溶媒としては、通常はアルコールが用いられ、好ましくは炭素数1〜3の低級アルコールが用いられる。
得られた重合体のケン化についても、従来行われている公知のケン化方法を採用することができる。すなわち、重合体をアルコール又は水/アルコール溶媒に溶解させた状態で、アルカリ触媒又は酸触媒を用いて行うことができる。
前記アルカリ触媒としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートを用いることができる。
通常、無水アルコール系溶媒下、アルカリ触媒を用いたエステル交換反応が反応速度の点や脂肪酸塩等の不純物を低減できるなどの点で好適に用いられる。
ケン化反応の反応温度は、通常20〜60℃である。反応温度が低すぎると、反応速度が小さくなり反応効率が低下する傾向があり、高すぎると反応溶媒の沸点以上となる場合があり、製造面における安全性が低下する傾向がある。なお、耐圧性の高い塔式連続ケン化塔などを用いて高圧下でケン化する場合には、より高温、例えば、80〜150℃でケン化することが可能であり、少量のケン化触媒も短時間、高ケン化度のものを得ることが可能である。
また、側鎖1,2−ジオール構造単位含有変性PVA系樹脂は、公知の製造方法により製造することができる。例えば、日本国特開2002−284818号公報、日本国特開2004−285143号公報、日本国特開2006−95825号公報に記載されている方法により製造することができる。
すなわち、(i)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(2)で示される化合物との共重合体をケン化する方法、(ii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(3)で示されるビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(iii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(4)で示される2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法などにより、製造することができる。
Figure 2020138251
(式(2)中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表し、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はR−CO−(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)を表す。)
Figure 2020138251
(式(3)中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表す。)
Figure 2020138251
(式(4)中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表し、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
式(2)〜式(4)中のR〜R及びXの具体例、好ましい例示は、上記式(1)の場合と同様であり、また、R〜R11の炭素数1〜4のアルキル基の具体例、好ましい例示も式(1)の場合と同様である。
上記方法のうち、共重合反応性及び工業的な取扱いにおいて優れるという点で、(i)の方法が好ましく、特に、上記一般式(2)で示される化合物は、R〜Rが水素原子、Xが単結合、R、RがR−CO−であり、Rが炭素数1〜4のアルキル基である3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、その中でも特にRがメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが好ましく用いられる。
本発明で用いるPVA系樹脂は、一種類であっても、二種類以上の混合物であってもよい。PVA系樹脂を二種類以上用いる場合としては、例えば、ケン化度、粘度平均重合度、融点などが異なる二種以上の未変性PVA系樹脂の組み合わせ;未変性PVA系樹脂と変性PVA系樹脂との組み合わせ;ケン化度、粘度平均重合度、融点、官能基の種類や変性率などが異なる二種以上の変性PVA系樹脂の組み合わせ;溶融成形により製造したPVAと溶融成形せずに得られたPVAの組み合わせ等が挙げられるが、ケン化度、平均重合度、変性率などの平均値は本発明の好ましい範囲内であることが好ましい。
本発明で用いるPVA系樹脂の形状は、例えば、円柱状(ペレット)、球状、粉末状等であり、目止効果の向上や製造の点で、好ましくは円柱状や粉末状であり、使用する際にはこれらの混合物とすることが好ましい。
本発明で用いるPVA系樹脂の形状が円柱状(ペレット)の場合は、直径は、好ましくは0.5〜4.0mm、より好ましくは1.0〜3.5mm、さらに好ましくは1.5〜3.0mmであり、厚みは、好ましくは0.5〜4.0mm、より好ましくは1.0〜3.0mm、さらに好ましくは、1.5〜2.5mmである。
本発明で用いるPVA系樹脂の形状が粉末状の場合は、平均粒子径は、好ましくは10〜1000μm、より好ましくは100〜500μmである。かかる平均粒子径とは、レーザー回折で粒径別の体積分布を測定し、積算値(累積分布)が50%になる径である。
直径、厚み及び平均粒径が大きすぎると水溶解性が低下する傾向があり、小さすぎると目止効果が低下する傾向がある。
[ダイバーティングエージェント]
本発明のダイバーティングエージェントは、上記のPVA系樹脂を含有するものである。PVA系樹脂の含有量は、ダイバーティングエージェント全体に対して、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。かかる含有量が少なすぎると本発明の効果が得られにくくなる傾向がある。
本発明のダイバーティングエージェントには、上記のPVA系樹脂以外に、例えば、砂、鉄、セラミック、その他の生分解性樹脂等の添加剤を配合することができる。
かかる添加剤の配合量は、ダイバーティングエージェント全体に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
本発明のダイバーティングエージェントは、石油や天然ガスなどの掘削において、水圧破砕法を用いる場合に、坑井に生成された亀裂や割れ目の中に入り、その亀裂や割れ目を一時的に閉塞することにより、新たな亀裂や割れ目を形成することができる。亀裂や割れ目の閉塞方法としては、本発明のダイバーティングエージェントを坑井内の流体の流れに乗せて閉塞したい亀裂に流入させればよい。
また、本発明のダイバーティングエージェントは水溶性で、かつ生分解性であるため、使用後は速やかに水に溶解し除去され、その後生分解されるため、環境負荷が小さく、非常に有用である。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
なお、例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り、質量基準を意味する。
[実施例1]
<PVA−1の作製>
還流冷却器、滴下装置、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル28部(全体の28%を初期仕込み)、メタノール30部を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、沸点に到達した後、アセチルパーオキサイドを0.060部投入し、重合を開始した。
さらに、重合開始から0.4時間後に酢酸ビニル72部を9.5時間かけて等速滴下した。酢酸ビニルの重合率が91%となった時点で、ヒドロキノンモノメチルエーテルを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込みつつ蒸留することで未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し酢酸ビニル重合体のメタノール溶液を得た。
ついで、上記溶液をメタノールで希釈し、固形分濃度を50%に調整して、溶液温度を45℃に保ちながら、水酸化ナトリウム2%メタノール溶液(ナトリウム換算)を酢酸ビニル構造単位1モルに対して9.2ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、ケーキ状となった時点で、ケーキをベルト上で粉砕した。その後、中和用の酢酸を添加し、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(PVA−1)を得た。
<PVA−1の評価>
(ケン化度)
PVA−1のケン化度を、JIS K 6726:1994に準じて、樹脂中の残存酢酸ビニル構造単位の加水分解に要するアルカリ消費量によって求めた。結果を表1に示す。
(平均重合度)
PVA−1の平均重合度を、JIS K 6726:1994に準じて分析した。結果を表1に示す。
(平均粒子径)
PVA−1を乾式ふるい分け試験方法でふるい分けし、積算値が50%になる粒子径を算出し、PVA−1の平均粒子径とした。結果を表1に示す。
(15分後溶解率)
100gの水が入った140mLの蓋付きガラス容器を恒温機に入れ、水温を23℃とした。ナイロン製の120メッシュ(目開き125μm、10cm×7cm)の長辺を二つ折りにし、両端をヒートシールし袋状メッシュ(5cm×7cm)を得た。
得られた袋状メッシュに1gのPVA−1を入れ、開口部をヒートシールし、PVA−1入りの袋状メッシュを得て、質量を測定した。上記ガラス容器中にPVA−1入りの袋状メッシュを浸漬させた。23℃の恒温機内で15分静置後、PVA−1入りの袋状メッシュを上記ガラス容器から取り出し、140℃で3時間乾燥させ、かかるPVA−1入りの袋状メッシュの質量を測定し、浸漬前の質量から袋状メッシュ中に残存したPVA−1の質量を算出し、下記式によってPVA−1の15分後溶解率を算出した。結果を表1に示す。
なお、下記式中、PVA系樹脂の固形分率(質量%)は、PVA系樹脂を105℃で3時間乾燥させ、乾燥前後のPVA系樹脂の質量を測定することにより算出できる。
Figure 2020138251
(凝集性)
100gの水が入った140mLの蓋付きガラス容器を恒温機に入れ、水温を23℃とした。ナイロン製の120メッシュ(目開き125μm、10cm×7cm)の長辺を二つ折りにし、両端をヒートシールし袋状メッシュ(5cm×7cm)を得た。
得られた袋状メッシュに1gのPVA−1を入れ、開口部をヒートシールし、PVA−1入りの袋状メッシュを得た。上記ガラス容器中にPVA−1入りの袋状メッシュを浸漬させた。23℃の恒温機内で15分静置後、PVA−1入りの袋状メッシュを上記ガラス容器から取り出した。
袋状メッシュからのPVA−1を取り出して目視にて観察し、下記基準により評価した。結果を表1に示す。
○:PVAの凝集が確認された。
×:PVAの凝集は確認されなかった。
[実施例2]
<PVA−2の作製>
酢酸ビニルの初期仕込率を20%とし、メタノールを32部仕込み、酢酸ビニルの重合率が90%となった時点で重合を終了し、メタノール希釈時の固形分濃度を58%、水酸化ナトリウム2%メタノール溶液(ナトリウム換算)の添加量を4.5ミリモルとした以外は、実施例1と同様に、PVA系樹脂(PVA−2)を得た。
<PVA−2の評価>
PVA−2の評価を、PVA−1と同様に行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
<PVA−3の作製>
還流冷却器、滴下装置、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル40部(全体の40%を初期仕込み)、メタノール28部、及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテン2.40部(全体の40%を初期仕込み)を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、沸点に到達した後、アセチルパーオキサイドを0.137部投入し、重合を開始した。
さらに、重合開始から0.5時間後に酢酸ビニル60部と3,4−ジアセトキシ−1−ブテン3.60部を6時間かけて等速滴下した。酢酸ビニルの重合率が92%となった時点で、ヒドロキノンモノメチルエーテルを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込みつつ蒸留することで未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
ついで、上記溶液をメタノールで希釈し、固形分濃度を50%に調整した。かかるメタノール溶液をニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら、水酸化ナトリウム2%メタノール溶液(ナトリウム換算)を共重合体中の酢酸ビニル構造単位及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して6.0ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。その後、中和用の酢酸を水酸化ナトリウムの0.8当量添加し、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、側鎖に1,2−ジオール構造を有するPVA系樹脂(PVA−3)を得た。
(変性率)
PVA−3中の前記式(1)で表される1,2−ジオール構造単位の含有率(変性率)を、H−NMR(300MHz プロトンNMR、d−DMSO溶液、内部標準物質;テトラメチルシラン、50℃)にて測定した積分値より算出した。結果を表1に示す。
<PVA−3の評価>
PVA−3の評価を、PVA−1と同様に行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
<PVA−4の作製>
還流冷却器、滴下装置、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル40部(全体の40%を初期仕込み)、メタノール30部を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、沸点に到達した後、アセチルパーオキサイドを0.050部投入し、重合を開始した。
さらに、重合開始から0.5時間後に酢酸ビニル60部を9.5時間かけて等速滴下した。酢酸ビニルの重合率が92%となった時点で、ヒドロキノンモノメチルエーテルを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込みつつ蒸留することで未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し酢酸ビニル重合体のメタノール溶液を得た。
ついで、上記溶液をメタノールで希釈し、固形分濃度を55%に調整して、溶液温度を45℃に保ちながら、水酸化ナトリウム中のナトリウム分2%メタノール溶液を酢酸ビニル構造単位1モルに対して、10ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、ケーキ状となった時点で、ケーキを粉砕した。その後、中和用の酢酸を添加し、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(PVA−4)を得た。
<PVA−4の評価>
PVA−4の評価を、PVA−1と同様に行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
<PVA−5の作製>
還流冷却器、滴下装置、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル20部(全体の20%を初期仕込み)、メタノール34.5部を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、沸点に到達した後、アセチルパーオキサイドを0.068部投入し、重合を開始した。
さらに、重合開始から0.4時間後に酢酸ビニル80部を9.5時間かけて等速滴下した。酢酸ビニルの重合率が89%となった時点で、ヒドロキノンモノメチルエーテルを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込みつつ蒸留することで未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し酢酸ビニル重合体のメタノール溶液を得た。
ついで、上記溶液をメタノールで希釈し、固形分濃度を54%に調整して、溶液温度を45℃に保ちながら、水酸化ナトリウム2%メタノール溶液(ナトリウム換算)を酢酸ビニル構造単位1モルに対して10ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、ケーキ状となった時点で、ケーキを粉砕した。その後、中和用の酢酸を添加し、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(PVA−5)を得た。
<PVA−5の評価>
PVA−5の評価を、PVA−1と同様に行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
<PVA−6の作製>
還流冷却器、滴下装置、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル30部(全体の30%を初期仕込み)、メタノール32部を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、沸点に到達した後、アセチルパーオキサイドを0.068部投入し、重合を開始した。
さらに、重合開始から0.4時間後に酢酸ビニル70部を9.5時間かけて等速滴下した。酢酸ビニルの重合率が90%となった時点で、ヒドロキノンモノメチルエーテルを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込みつつ蒸留することで未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し酢酸ビニル重合体のメタノール溶液を得た。
ついで、上記溶液をメタノールで希釈し、固形分濃度を55%に調整して、溶液温度を45℃に保ちながら、水酸化ナトリウム中のナトリウム分2%メタノール溶液を酢酸ビニル構造単位1モルに対して、10ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、ケーキ状となった時点で、ケーキを粉砕した。その後、中和用の酢酸を添加し、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(PVA−6)を得た。
<PVA−6の評価>
PVA−6の評価を、PVA−1と同様に行った。結果を表1に示す。
Figure 2020138251
表1の結果より、実施例1〜4の本発明のダイバーティングエージェントは、一定時間は完全溶解せず、粒子同士の凝集性が高いことが分かった。
なお、PVA−2は、PVA−1、PVA−3及びPVA−4に比べてケン化度が低かったため、疎水性が高くなった。その結果、実施例2では実施例1、3及び4と比べて15分後溶解率が低くなった。
また、PVA−5及びPVA−6は、ケン化度が高いため結晶性が高くなりすぎた。その結果、比較例1及び2では実施例1〜4と比べて15分後溶解率が低くなった。
また、実施例1〜4のなかでは、水溶性の観点からは、実施例1、3及び4の本発明のダイバーティングエージェントがより好ましく、実施例4の本発明のダイバーティングエージェントが特に好ましいことが分かった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2018年12月27日出願の日本特許出願(特願2018−245095)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (3)

  1. ケン化度が65〜95モル%であるポリビニルアルコール系樹脂を含有するダイバーティングエージェント。
  2. 前記ポリビニルアルコール系樹脂1gを23℃の水100gに浸漬した際の15分後溶解率が10〜50質量%である請求項1に記載のダイバーティングエージェント。
  3. 坑井に生成された亀裂を一時的に閉塞する方法であって、
    請求項1又は2に記載のダイバーティングエージェントを、坑井内の流体の流れに乗せて閉塞したい亀裂に流入させる、坑井の亀裂の閉塞方法。
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