JP2017206570A - 含水状態の吸水性樹脂を収縮させる方法 - Google Patents

含水状態の吸水性樹脂を収縮させる方法 Download PDF

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由佳 藤井
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博之 池内
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Abstract

【課題】地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤および収縮剤を使用して含水状態の吸水性樹脂を収縮させる方法を提供する。
【解決手段】本発明は、金属イオンを含む物質を含む、地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤を提供する。本発明はまた、地層の水圧破砕のためのキットであって、A)吸水性樹脂を含むプロパントと、B)金属イオンを含む物質を含む該吸水性樹脂の収縮剤とを備える、キットを提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤、より具体的には、金属イオンを含む物質を含む、地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤に関する。本発明はまた、本発明の収縮剤を使用して含水状態の吸水性樹脂を収縮させる方法に関する。
シェールガスの採掘における地層の水圧破砕は、古くから実施されている方法である。水圧破砕における掘削においては、広げた頁岩の隙間が閉まらないように、プロパントと呼ばれる無機材が必要である。また、フラクチャに圧入された吸水性樹脂を分解するブレーク剤とよばれる材料もまた必要である。
特許文献1〜4(それぞれ、国際公開第2012/050187号、特開2014−134090号、特開2014−132091号および国際公開第2014/092146号)は、吸水性樹脂を掘削用に使用することを開示する。
また従来から、吸水性樹脂は、金属塩、特に多価金属イオンにより収縮することが知られていた。
特許文献5(米国特許出願公開第2010/0193244号)は、掘削における逸泥を低減および制御するための掘削流体添加物および方法を開示する。
特許文献6(米国特許出願公開第2008/0045421号)は、樹脂でコーティングされたプロパントを含むセメント質複合材組成物を開示する。
特許文献7(米国特許出願公開第2012/0190593号)は、脱流体制御のための配合物および坑井において脱流体を制御する方法を開示する。
国際公開第2012/050187号 特開2014−134090号公報 特開2014−132091号公報 国際公開第2014/092146号 米国特許出願公開第2010/0193244号明細書 米国特許出願公開第2008/0045421号明細書 米国特許出願公開第2012/0190593号明細書
発明者らは、吸水性樹脂の収縮に必要な条件を探索した結果、吸水性樹脂を収縮させる収縮剤および、これをプロパントの代用品として使用する方法を見出した。また、吸水性樹脂の収縮に注目し、これをブレーク剤の代用品として使用する方法、およびプロパントの破壊を抑制するためのコーティングとして使用する方法を見出した。
これらを踏まえて、含水状態の吸水性樹脂を収縮させる方法および地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤の開発を行った。
本発明は、また、以下の項目を提供する。
(項目1)
金属イオンを含む物質を含む、地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤。
(項目2)
前記金属イオンは、多価イオンである、上記項目に記載の収縮剤。
(項目3)
前記金属イオンを含む物質は、25℃の純水100gに対して1g以上溶解する多価金属化合物である、上記項目のいずれか1項に記載の収縮剤。
(項目4)
前記金属イオンを含む物質は、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、ハイドロタルサイトからなる群より選択される、上記項目のいずれか1項に記載の収縮剤。
(項目5)
前記金属イオンはカルシウムイオンである、上記項目のいずれか1項に記載の収縮剤。
(項目6)
前記吸水性樹脂は、さらにプロパント粒子を含むかおよび/またはコーティングしている、上記項目のいずれか1項に記載の収縮剤。
(項目7)
前記吸水性樹脂は、少なくとも自重の1倍の水分を吸収し得るものである、上記項目のいずれか1項に記載の収縮剤。
(項目8)
前記吸水性樹脂が、以下(a)から(i)からなる群より選択される、上記項目のいずれか1項に記載の収縮剤:
(a)水溶性エチレン不飽和モノマーの重合によって得られる、部分架橋されているポリマー;
(b)でんぷんグラフト化ポリアクリレート;
(c)アクリルアミド/アクリル酸コポリマーおよびその塩;
(d)でんぷんグラフトアクリルアミド/アクリル酸およびその塩;
(e)イソブチレン/マレイン酸無水物コポリマー;
(f)カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩およびカリウム塩;
(g)ポリアスパラギン酸の架橋塩;
(h)キトサン/ポリビニルピロリドンの組合せおよびキトサン/ポリエチレンイミンの組合せ;ならびに
(i)スルホン酸基含有単量体、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩から選ばれる2種以上のモノマーの重合によって得られる、部分架橋されているポリマー。
(項目9)
前記吸水性樹脂がポリアクリル酸系樹脂である、上記項目のいずれか1項に記載の収縮剤。
(項目10)
前記吸水性樹脂の、吸収倍率低下度が50(g/g)以上であり、但し、吸収倍率低下度(g/g)=未添加の純水吸収倍率(g/g)−前記収縮剤添加して24時間後の純水吸収倍率(g/g)である、上記項目のいずれか1項に記載の収縮剤。
(項目11)
前記吸水性樹脂は、不飽和カルボン酸およびその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体成分(A)から導かれる繰り返し単位、1分子中に不飽和基を2個以上有する化合物(B)から導かれる繰り返し単位、1分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物(C)から導かれる繰り返し単位からなることを特徴とする、上記項目のいずれか1項に記載の収縮剤。
(項目12)
前記水圧破砕はシェールガス採掘のためのものである、上記項目のいずれか1項に記載の収縮剤。
(項目13)
地層の水圧破砕のためのキットであって、該キットは、
A)吸水性樹脂を含むプロパントと、
B)金属イオンを含む物質を含む該吸水性樹脂の収縮剤と
を備える、キット。
(項目14)
前記吸水性樹脂は、さらにプロパント粒子を含むかおよび/またはコーティングしている、上記項目のいずれか1項に記載のキット。
(項目15)
前記金属イオンは、多価イオンである、上記項目のいずれか1項に記載のキット。
(項目16)
前記金属イオンはカルシウムイオンである、上記項目のいずれか1項に記載のキット。
(項目17)
前記金属イオンを含む物質は、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、ハイドロタルサイトからなる群より選択される、上記項目のいずれか1項に記載のキット。
(項目18)
前記吸水性樹脂は、上記項目のいずれか1項に記載の特徴を有する、上記項目のいずれか1項に記載のキット。
(項目19)
前記水圧破砕はシェールガス採掘のためのものである、上記項目のいずれか1項に記載のキット。
(項目20)
地層の水圧破砕の方法であって、該方法は:
A)該地層の穿孔部から、吸水性樹脂を、必要に応じてプロパントとともに圧入し、貯留層である岩石を破砕しフラクチャを形成する工程;ならびに
B)該穿孔部から、金属イオンを含む物質を含む該吸水性樹脂の収縮剤を該フラクチャに接触するように注入する工程
を包含する、方法。
(項目21)
前記吸水性樹脂は、上記項目のいずれか1項に記載の特徴を有する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記水圧破砕はシェールガス採掘のためのものである、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記吸水性樹脂は、不飽和カルボン酸およびその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体成分(A)から導かれる繰り返し単位、1分子中に不飽和基を2個以上有する化合物(B)から導かれる繰り返し単位、および1分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物(C)から導かれる繰り返し単位を有する吸水性樹脂である、上記項目のいずれか1項に記載の収縮剤。
本発明において、上記1または複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得ることが意図される。本発明のなおさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
本発明によって、含水状態の吸水性樹脂を収縮させる方法および地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤が開発された。
図1は、Ca水溶液を加えることによる吸水性樹脂の収縮の検討実験の、結果として得られたゲルの写真である。左側が収縮前であり、右側が収縮後である。 図2は、Mg水溶液またはAl水溶液を加えることによる吸水性樹脂の収縮の検討実験の、結果として得られたゲルの写真である。いずれも収縮後の写真であり、左側がMg水溶液の写真であり、右側がAl水溶液の写真である。
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を記載する。
〔1〕用語の定義
(1−1)「吸水性樹脂」
「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を指し、以下の物性を満たすものをいう。即ち、「水膨潤性」として、ERT441.2−02で規定されるCRCが5g/g以上、かつ、「水不溶性」として、ERT470.2−02で規定されるExtが50重量%以下の物性を満たす高分子ゲル化剤を指す。
上記吸水性樹脂は、その用途に応じて適宜、設計が可能であり、特に限定されないが、カルボキシル基を有する不飽和単量体を架橋重合させた親水性架橋重合体であることが好ましい。また、全量(100重量%)が重合体である形態に限定されず、上記物性(CRC、Ext)を満足する範囲内で、添加剤等を含んだ吸水性樹脂組成物であってもよい。
更に、吸水性樹脂は、最終製品に限らず、吸水性樹脂の製造工程における中間体(例えば、重合後の含水ゲル状架橋重合体や乾燥後の乾燥重合体、表面架橋前の吸水性樹脂粉末等)を指す場合もあり、上記吸水性樹脂組成物と合わせて、これら全てを包括して「吸水性樹脂」と総称する。なお、吸水性樹脂の形状として、シート状、繊維状、フィルム状、粒子状、ゲル状等が挙げられるが、本発明では粒子状の吸水性樹脂が好ましい。
(1−2)「ポリアクリル酸(塩)」
「ポリアクリル酸(塩)」とは、ポリアクリル酸及び/又はその塩を指し、主成分として、アクリル酸及び/又はその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)を繰り返し単位として含み、任意成分としてグラフト成分を含む重合体を指す。
なお、上記「主成分」とは、アクリル酸(塩)の使用量(含有量)が、重合に用いられる単量体(内部架橋剤を除く)全体に対して、通常50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、更に好ましくは実質100モル%であることをいう。
(1−3)「EDANA」及び「ERT」
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(EDANA Recommended Test Methods)の略称である。本発明では、特に断りのない限り、ERT原本(2002年改定/公知文献)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。
(1−3−1)「CRC」(ERT441.2−02)
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離保持容量)の略称であり、吸水性樹脂の無加圧下吸水倍率(「吸水倍率」と称する場合もある)を意味する。
具体的には、吸水性樹脂0.2gを不織布製の袋に入れた後、大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液中に30分間浸漬して自由膨潤させ、その後、遠心分離機(250G)で水切りした後の吸水倍率(単位;g/g)のことをいう。
(1−3−2)「AAP」(ERT442.2−02)
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、吸水性樹脂の加圧下吸水倍率を意味する。
具体的には、吸水性樹脂0.9gを大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対して、1時間、2.06kPa(21g/cm、0.3psi)荷重下で膨潤させた後の吸水倍率(単位;g/g)のことをいう。なお、荷重条件を4.83kPa(49g/cm、0.7psi)に変更して測定する場合もある。
また、ERT442.2−02には、Absorption Under Pressureと表記されているが、実質的に同一内容である。
(1−3−3)「PSD」(ERT420.2−02)
「PSD」は、Particle Size Distributionの略称であり、篩分級により測定される、吸水性樹脂の粒度分布を意味する。
なお、重量平均粒子径(D50)及び粒度分布の対数標準偏差(σζ)は、米国特許第7638570号に記載された「(3)Mass−Average Particle Diameter (D50) and Logarithmic Standard Deviation (σζ) of Particle Diameter Distribution」と同様の方法で測定する。
(1−3−4)「Ext」(ERT470.2−02)
「Ext」は、Extractablesの略称であり、吸水性樹脂の水可溶分(水可溶成分量)を意味する。
具体的には、吸水性樹脂1.0gを0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに添加し、500rpmで16時間攪拌した後の溶解ポリマー量(単位;重量%)のことをいう。溶解ポリマー量の測定は、pH滴定を用いて行う。
(1−3−5)「Moisture Content」(ERT430.2−02)
「Moisture Content」は、吸水性樹脂の含水率を意味する。
具体的には、吸水性樹脂4.0gを105℃で3時間乾燥した際の乾燥減量から算出した値(単位;重量%)のことをいう。なお、吸水性樹脂を1.0g、乾燥温度を180℃にそれぞれ変更して測定する場合もある。
(1−3−6)「Residual Monomers」(ERT410.2−02)
「Residual Monomers」は、吸水性樹脂中に残存する単量体(モノマー)量(以下、「残存モノマー」と称する)を意味する。
具体的には、吸水性樹脂1.0gを0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに添加し、500rpmで1時間攪拌した後の溶解残存モノマー量(単位;ppm)のことをいう。溶解残存モノマー量の測定は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行う。
(1−3−7)「FSC」(ERT440.2−02)
「FSC」は、Free Swell Capacityの略称であり、吸水性樹脂の無加圧下吊り下げ吸水倍率を意味する。
具体的には、吸水性樹脂0.200gを不織布製の袋に入れた後、大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液中に30分間浸漬して自由膨潤させ、その後、10分間吊り下げて水切りした後の吸水倍率(単位;g/g)のことをいう。上記CRCとは異なり、吸水性樹脂の粒子間(隙間)に保持する液量を評価することができる。
(1−3−8)その他、EDANAで規定される吸水性樹脂の物性
「pH」(ERT400.2−02):吸水性樹脂のpHを意味する。
「Flow Rate」(ERT450.2−02):吸水性樹脂の流下速度を意味する。
「Density」(ERT460.2−02):吸水性樹脂の嵩比重を意味する。
「Respirable Particles」(ERT480.2−02):吸水性樹脂の呼吸域粉塵を意味する。
「Dust」(ERT490.2−02):吸水性樹脂中に含まれる粉塵を意味する。
(1−4)「吸水速度」
本発明における吸水性樹脂の「吸水速度」とは、「Vortex」(単位:秒)により測定される吸水速度を意味する。
(1−5)「収縮剤」
本発明における「収縮剤」とは、吸水性樹脂を収縮させる材料を意味する。地層の水圧破砕において収縮剤を注入することにより、すでにフラクチャにある吸水性樹脂を収縮させ、プロパントとしてフラクチャを支持することができる。
(1−6)「プロパント」
本発明における「プロパント」とは、地層の水圧破砕において形成されたフラクチャを支持するための砂粒状の物質を意味し、フラクチャ内で支持材として使用される。圧入終了後にプロパントはフラクチャを支持し、完全に閉じるのを防ぐため、貯留層からのガスの流路を確保することができる。
(1−7)「ブレーク剤」
本発明における「ブレーク剤」とは、地層の水圧破砕において、圧入された吸水性樹脂を分解(液状化)することができる材料を意味する。ブレーク剤をフラクチャ形成後にフラクチャに注入すると、フラクチャ内の吸水性樹脂を、分解、液状化、または劣化することができる。
(1−8)その他
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上、Y以下」を意味する。また、特に注釈のない限り、重量の単位である「t(トン)」は「Metric ton(メトリック トン)」を意味し、「ppm」は「重量ppm」又は「質量ppm」を意味する。更に、「重量」と「質量」、「重量部」と「質量部」、「重量%」と「質量%」はそれぞれ同義語として扱う。また、「〜酸(塩)」は「〜酸及び/又はその塩」、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」をそれぞれ意味する。
また、「リットル」を「l」又は「L」、「重量%」を「wt%」と便宜上記すことがある。更に、微量成分の測定を行う場合において、検出限界以下をN.D(Non Detected)と表記する。
〔2〕ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法
以下に、本発明で用いることが出来るポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造工程(2−1)〜(2−9)について示す。
(2−1)単量体水溶液の調製工程
本工程は、アクリル酸(塩)を主成分として含む水溶液(以下、「単量体水溶液」と称する)を調製する工程である。なお、得られる吸水性樹脂の吸水性能が低下しない範囲で、単量体のスラリー液を使用することもできるが、本項では便宜上、単量体水溶液について説明を行う。
また、上記「主成分」とは、アクリル酸(塩)の使用量(含有量)が、吸水性樹脂の重合反応に供される単量体(内部架橋剤は除く)全体に対して、通常50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上(上限は100モル%)であることをいう。
(アクリル酸)
得られる吸水性樹脂の物性及び生産性の観点から、単量体としてアクリル酸及び/又はその塩(以下「アクリル酸(塩)」と称する)が用いられる。
上記「アクリル酸」は、公知のアクリル酸でよく、重合禁止剤として好ましくはメトキシフェノール類、より好ましくはp−メトキシフェノールを、アクリル酸の重合性や吸水性樹脂の色調の観点から、好ましくは200ppm以下、より好ましくは10〜160ppm、更に好ましくは20〜100ppmを含んでいればよい。また、アクリル酸中の不純物については、米国特許出願公開第2008/0161512号に記載された化合物が適用される。
また、上記「アクリル酸塩」は、上記アクリル酸を下記塩基性組成物で中和したものであるが、該アクリル酸塩として、市販のアクリル酸塩(例えば、アクリル酸ナトリウム)でもよいし、吸水性樹脂の製造プラント内で中和して得られたものでもよい。
(塩基性組成物)
「塩基性組成物」とは、塩基性化合物を含有する組成物を指し、例えば、市販の水酸化ナトリウム水溶液等が該当する。
上記塩基性化合物として、具体的には、アルカリ金属の炭酸塩や炭酸水素塩、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、有機アミン等が挙げられる。これらの中でも、得られる吸水性樹脂の物性の観点から、強塩基性であることが望まれる。即ち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
(中和)
中和として、アクリル酸に対する中和(重合前)又はアクリル酸を架橋重合して得られる含水ゲル状架橋重合体に対する中和(重合後)(以下、「後中和」と称する)の何れかを選択又は併用することができる。また、これらの中和は、連続式でもバッチ式でもよく特に限定されないが、生産効率等の観点から連続式が好ましい。
なお、中和を行う装置、中和温度、滞留時間等の条件については、国際公開第2009/123197号や米国特許出願公開第2008/0194863号に記載された条件が本発明にも適用される。
中和率は、単量体の酸基に対して、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは40〜85モル%、更に好ましくは50〜80モル%、特に好ましくは60〜75モル%である。該中和率が10モル%未満の場合、吸水倍率が著しく低下することがある。一方、該中和率が90モル%を超える場合、加圧下吸水倍率の高い吸水性樹脂が得られないことがある。
上記中和率は、後中和の場合でも同様である。また、最終製品としての吸水性樹脂の中和率についても、上記中和率が適用される。なお、中和率75モル%とは、アクリル酸25モル%及びアクリル酸塩75モル%の混合物を意味する。また、該混合物をアクリル酸部分中和物と称する場合もある。
(他の単量体)
「他の単量体」とは、上記アクリル酸(塩)以外の単量体を指し、アクリル酸(塩)と併用して吸水性樹脂を製造することができる。
上記他の単量体として、水溶性又は疎水性の不飽和単量体が挙げられる。具体的には、米国特許出願公開第2005/0215734に記載された化合物(但し、アクリル酸は除く)が本発明にも適用される。
(内部架橋剤)
使用される内部架橋剤として、米国特許第6241928号に記載された化合物が本発明にも適用される。これらの中から反応性を考慮して1種又は2種以上の化合物が選択される。
また、得られる吸水性樹脂の吸水性能等の観点から、好ましくは重合性不飽和基を2個以上有する化合物、より好ましくは下記乾燥温度で熱分解性を有する化合物、更に好ましくは(ポリ)アルキレングリコール構造単位を有する重合性不飽和基を2個以上する化合物が、内部架橋剤として用いられる。
上記重合性不飽和基として、好ましくはアリル基、(メタ)アクリレート基、より好ましくは(メタ)アクリレート基が挙げられる。また、上記(ポリ)アルキレングリコール構造単位としてポリエチレングリコールが好ましく、n数として好ましくは1〜100、より好ましくは6〜50である。
したがって、好ましくは(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート又は(ポリ)アルキレングリコールトリ(メタ)アクリレート、より好ましくは(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが用いられる。
上記内部架橋剤の使用量は、単量体全体に対して、好ましくは0.0001〜10モル%、より好ましくは0.001〜1モル%である。該使用量を上記範囲内とすることで所望する吸水性樹脂が得られる。なお、該使用量が少なすぎる場合、ゲル強度が低下し水可溶分が増加する傾向にあり、該使用量が多すぎる場合、吸水倍率が低下する傾向にあるため、好ましくない。
所定量の内部架橋剤を予め単量体水溶液に添加しておき、重合と同時に架橋反応する方法が好ましく適用される。一方、該手法以外に、重合中や重合後に内部架橋剤を添加して後架橋する方法や、ラジカル重合開始剤を用いてラジカル架橋する方法、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を用いた放射線架橋する方法等を採用することもできる。また、これらの方法を併用することもできる。
(その他、単量体水溶液に添加される物質)
得られる吸水性樹脂の物性向上の観点から、下記の物質を単量体水溶液の調製時に添加することもできる。
具体的には、澱粉、澱粉誘導体、セルロース、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子を、好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下(下限は0重量%)で添加したり、炭酸塩、アゾ化合物、気泡等の発泡剤、界面活性剤、キレート剤、連鎖移動剤等を、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下(下限は0重量%)で添加したりすることができる。
また、上記物質は、単量体水溶液に添加される形態のみならず、重合途中で添加される形態でもよいし、これらの形態を併用することもできる。
なお、親水性高分子として水溶性樹脂又は吸水性樹脂を使用する場合には、グラフト重合体又は吸水性樹脂組成物(例えば、澱粉−アクリル酸重合体、PVA−アクリル酸重合体等)が得られる。これらの重合体、吸水性樹脂組成物も本発明の範疇である。
(単量体成分の濃度)
本工程において、単量体水溶液を調製する際に、上記の各物質が添加される。該単量体水溶液中の単量体成分の濃度としては特に限定されないが、吸水性樹脂の物性の観点から、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜75重量%、更に好ましくは30〜70重量%である。
また、水溶液重合又は逆相懸濁重合を採用する場合、水以外の溶媒を必要に応じて併用することもできる。この場合、溶媒の種類は特に限定されない。
なお、上記「単量体成分の濃度」とは、下記式(1)で求められる値であり、単量体水溶液の重量には、グラフト成分や吸水性樹脂、逆相懸濁重合における疎水性溶媒の重量は含めない。
[数1]
(単量体成分の濃度(重量%))=(単量体成分の重量)/(単量体水溶液の重量)×100
(2−2)重合工程
本工程は、上記単量体水溶液の調製工程で得られたアクリル酸(塩)系単量体水溶液を重合させて、含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」と称する)を得る工程である。
(重合開始剤)
使用される重合開始剤は、重合形態等によって適宜選択されるため、特に限定されないが、例えば、熱分解型重合開始剤、光分解型重合開始剤、又はこれらの重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用したレドックス系重合開始剤等が挙げられる。具体的には、米国特許第7265190号に開示された重合開始剤のうち、1種又は2種以上が用いられる。なお、重合開始剤の取扱性や吸水性樹脂の物性の観点から、好ましくは過酸化物又はアゾ化合物、より好ましくは過酸化物、更に好ましくは過硫酸塩が使用される。
該重合開始剤の使用量は、単量体に対して、好ましくは0.001〜1モル%、より好ましくは0.001〜0.5モル%である。また、該還元剤の使用量は、単量体に対して、好ましくは0.0001〜0.02モル%である。
なお、上記重合開始剤に代えて、放射線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合反応を実施してもよく、これらの活性エネルギー線と重合開始剤を併用してもよい。
(重合形態)
適用される重合形態としては、特に限定されないが、吸水特性や重合制御の容易性等の観点から、好ましくは噴霧液滴重合、水溶液重合、逆相懸濁重合、より好ましくは水溶液重合、逆相懸濁重合、更に好ましくは水溶液重合が挙げられる。中でも、連続水溶液重合が特に好ましく、連続ベルト重合、連続ニーダー重合の何れでも適用される。
具体的な重合形態として、連続ベルト重合は米国特許第4893999号、同第6241928号、米国特許出願公開第2005/215734号等に、連続ニーダー重合は米国特許第6987151号、同第6710141号等に、それぞれ開示されている。これらの連続水溶液重合を採用することで、吸水性樹脂の生産効率が向上する。
また、上記連続水溶液重合の好ましい形態として、「高温開始重合」や「高濃度重合」が挙げられる。「高温開始重合」とは、単量体水溶液の温度を好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上、更に好ましくは40℃以上、特に好ましくは50℃以上(上限は沸点)の温度で重合を開始する形態をいい、「高濃度重合」とは、単量体濃度を好ましくは30重量%以上、より好ましくは35重量%以上、更に好ましくは40重量%以上、特に好ましくは45重量%以上(上限は飽和濃度)で重合を行う形態をいう。これらの重合形態を併用することもできる。
また、空気雰囲気下で重合を行うこともできるが、得られる吸水性樹脂の色調の観点から、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で重合を行うことが好ましい。この場合、例えば、酸素濃度を1容積%以下に制御することが好ましい。なお、単量体水溶液中の溶存酸素についても、不活性ガスで置換(例えば、溶存酸素;1mg/l未満)しておくことが好ましい。
また、単量体水溶液に気泡(特に上記不活性ガス等)を分散させて重合を行う発泡重合とすることもできる。
また、重合中に固形分濃度を上昇させてもよい。このような固形分濃度の上昇の指標として固形分上昇度は下記式(2)により定義される。なお、該固形分濃度の上昇度としては、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上である。
[数2]
(固形分上昇度(重量%))=(重合後の含水ゲルの固形分濃度(重量%))−(単量体水溶液の固形分濃度(重量%))
ただし、単量体水溶液の固形分濃度とは下記式(3)で求められる値であり、重合系内の成分とは、単量体水溶液とグラフト成分、吸水性樹脂、その他固形物(例えば水不溶性微粒子等)であり、逆相懸濁重合における疎水性溶媒は含めない。
[数3]
(単量体水溶液の固形分(重量%))=((単量体成分+グラフト成分+吸水性樹脂+その他固形物)の重量)/(重合系内の成分の重量)×100
(2−3)ゲル粉砕工程
本工程は、上記重合工程で得られた含水ゲルを、例えば、ニーダー、ミートチョッパー等のスクリュー押出し機、カッターミル等のゲル粉砕機でゲル粉砕し、粒子状の含水ゲル(以下、「粒子状含水ゲル」と称する)を得る工程である。なお、上記重合工程がニーダー重合の場合、重合工程とゲル粉砕工程が同時に実施されている。また、気相重合や逆相懸濁重合等、粒子状含水ゲルが重合過程で直接得られる場合には、該ゲル粉砕工程が実施されないこともある。
上記以外のゲル粉砕条件や形態については、国際公開第2011/126079号に開示される内容が適用される。
(2−4)乾燥工程
本工程は、上記重合工程及び/又はゲル粉砕工程で得られた粒子状含水ゲルを所望する樹脂固形分まで乾燥させて乾燥重合体を得る工程である。該樹脂固形分は、乾燥減量(吸水性樹脂1gを180℃で3時間加熱した際の重量変化)から求められ、好ましくは80重量%以上、より好ましくは85〜99重量%、更に好ましくは90〜98重量%、特に好ましくは92〜97重量%である。
上記粒子状含水ゲルの乾燥方法としては、特に限定されないが、例えば、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、流動層乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸脱水による乾燥、高温の水蒸気を利用した高湿乾燥等が挙げられる。中でも乾燥効率の観点から、熱風乾燥が好ましく、通気ベルト上で熱風乾燥を行うバンド乾燥がより好ましい。
上記熱風乾燥における乾燥温度(熱風の温度)としては、吸水性樹脂の色調や乾燥効率の観点から、好ましくは120〜250℃、より好ましくは150〜200℃である。なお、熱風の風速や乾燥時間等、上記乾燥温度以外の乾燥条件については、乾燥に供する粒子状含水ゲルの含水率や総重量及び目的とする樹脂固形分に応じて、適宜設定すればよく、バンド乾燥を行う際には、国際公開第2006/100300号、同第2011/025012号、同第2011/025013号、同第2011/111657号等に記載される諸条件が適宜適用される。
上述した乾燥温度や乾燥時間を上記範囲とすることで、得られる吸水性樹脂のCRC(吸水倍率)やExt(水可溶分)を所望する範囲(下記〔3〕を参照)とすることができる。
(2−5)粉砕工程、分級工程
本工程は、上記乾燥工程で得られた乾燥重合体を粉砕(粉砕工程)し、所定範囲の粒度に調整(分級工程)して、吸水性樹脂粉末(表面架橋を施す前の、粉末状の吸水性樹脂を便宜上「吸水性樹脂粉末」と称する)を得る工程である。
本発明の粉砕工程で使用される機器としては、例えば、ロールミル、ハンマーミル、スクリューミル、ピンミル等の高速回転式粉砕機、振動ミル、ナックルタイプ粉砕機、円筒型ミキサー等が挙げられ、必要により併用される。
また、分級工程での粒度調整方法としては、特に限定されないが、例えば、JIS標準篩(JIS Z8801−1(2000))を用いた篩分級や気流分級等が挙げられる。なお、吸水性樹脂の粒度調整は、上記粉砕工程、分級工程に限定されず、重合工程(特に逆相懸濁重合や噴霧液滴重合)、その他の工程(例えば、造粒工程、微粉回収工程)で適宜実施できる。
得られる吸水性樹脂粉末は、重量平均粒子径(D50)として、好ましくは200〜600μm、より好ましくは200〜550μm、更に好ましくは250〜500μm、特に好ましくは350〜450μmである。また、粒子径150μm未満の粒子の割合は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下であり、粒子径850μm以上の粒子の割合は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。なお、これらの粒子の割合の下限値としては、何れの場合も少ないほど好ましく、0重量%が望まれるが、0.1重量%程度でもよい。更に、粒度分布の対数標準偏差(σζ)は、好ましくは0.20〜0.50、より好ましくは0.25〜0.40、更に好ましくは0.27〜0.35である。なお、これらの粒度は、米国特許第7638570号やEDANA ERT420.2−02に開示されている測定方法に準じて、標準篩を用いて測定される。
上述した粒度は、表面架橋後の吸水性樹脂(以下、便宜上「吸水性樹脂粒子」と称する場合がある)のみならず、最終製品としての吸水性樹脂についても適用される。そのため、吸水性樹脂粒子において、上記範囲の粒度を維持するように、表面架橋処理(表面架橋工程)されることが好ましく、表面架橋工程以降に整粒工程を設けて粒度調整されることがより好ましい。
(2−6)表面架橋工程
本工程は、上述した工程を経て得られる吸水性樹脂粉末の表面層(吸水性樹脂粉末の表面から数10μmの部分)に、更に架橋密度の高い部分を設ける工程であり、混合工程、加熱処理工程及び冷却工程から構成される。
該表面架橋工程において、吸水性樹脂粉末表面でのラジカル架橋や表面重合、表面架橋剤との架橋反応等により表面架橋された吸水性樹脂(吸水性樹脂粒子)が得られるので、吸水性樹脂に要求される物性に応じて適宜実施することができる。
(表面架橋剤)
使用される表面架橋剤としては、特に限定されないが、有機又は無機の表面架橋剤が挙げられる。中でも、吸水性樹脂の物性や表面架橋剤の取扱性の観点から、カルボキシル基と反応する有機表面架橋剤が好ましい。例えば、米国特許7183456号に開示される1種又は2種以上の表面架橋剤が挙げられる。より具体的には、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、ハロエポキシ化合物、多価アミン化合物又はそのハロエポキシ化合物との縮合物、オキサゾリン化合物、オキサゾリジノン化合物、多価金属塩、アルキレンカーボネート化合物、環状尿素化合物等が挙げられる。
該表面架橋剤の使用量(複数使用の場合は合計使用量)は、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部である。また、該表面架橋剤は水溶液として添加することが好ましく、この場合、水の使用量は、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。更に必要に応じて、親水性有機溶媒を使用する場合、その使用量は、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
また、後述の「再加湿工程」で添加される各添加剤をそれぞれ5重量部以下の範囲内で該表面架橋剤(水溶液)に混合して添加したり、別途本混合工程で添加したりすることもできる。
(混合工程)
本工程は、吸水性樹脂粉末と上記表面架橋剤を混合する工程である。該表面架橋剤の混合方法については、特に限定されないが、予め表面架橋剤溶液を作成しておき、該液を吸水性樹脂粉末に対して、好ましくは噴霧又は滴下して、より好ましくは噴霧して混合する方法が挙げられる。
該混合を行う装置としては、特に限定されないが、好ましくは高速撹拌型混合機、より好ましくは高速撹拌型連続混合機が挙げられる。
(加熱処理工程)
本工程は、上記混合工程から排出された混合物に熱を加えて、吸水性樹脂粉末の表面上で架橋反応を起させる工程である。
該架橋反応を行う装置としては、特に限定されないが、好ましくはパドルドライヤーが挙げられる。該架橋反応での反応温度は、使用される表面架橋剤の種類に応じて適宜設定されるが、好ましくは50〜300℃、より好ましくは100〜200℃である。
(冷却工程)
本工程は、上記加熱処理工程後に必要に応じて設置される工程である。
該冷却を行う装置としては、特に限定されないが、好ましくは加熱処理工程で使用される装置と同一仕様の装置であり、より好ましくはパドルドライヤーである。熱媒を冷媒に変更することで、冷却装置として使用できるためである。なお、上記加熱処理工程で得られた吸水性樹脂粒子は、該冷却工程において、好ましくは40〜80℃、より好ましくは50〜70℃に、必要に応じて強制冷却される。
(2−7)任意の再加湿工程
本工程は、上記表面架橋工程で得られた吸水性樹脂粒子に、下記の多価金属塩化合物、カチオン性ポリマー、キレート剤、無機還元剤、α−ヒドロキシカルボン酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を添加する工程である。
なお、上記添加剤は水溶液又はスラリー液で添加されるため、吸水性樹脂粒子は再度、水膨潤する。このため、本工程を「再加湿工程」と称する。また、上述したように、該添加剤は上記表面架橋剤(水溶液)と同時に、吸水性樹脂粉末と混合することもできる。
(多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマー)
本発明において、得られる吸水性樹脂の吸水速度、通液性、吸湿流動性等の向上の観点から、多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマーを添加することが好ましい。
上記多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマーとして、具体的には、国際公開第2011/040530号の「〔7〕多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマー」に開示された化合物及びその使用量が適用される。
(キレート剤)
本発明において、得られる吸水性樹脂の色調(着色防止)、劣化防止等の観点から、キレート剤を添加することが好ましい。
上記キレート剤として、具体的には、国際公開第2011/040530号の「〔2〕キレート剤」に開示された化合物及びその使用量が適用される。
(無機還元剤)
劣化防止、残存モノマー低減等の観点から、無機還元剤を添加することが好ましい。
上記無機還元剤として、具体的には、国際公開第2011/040530号の「〔3〕無機還元剤」に開示された化合物及びその使用量が適用される。
(α−ヒドロキシカルボン酸化合物)
得られる吸水性樹脂の色調(着色防止)等の観点から、α−ヒドロキシカルボン酸を添加することが好ましい。なお、「α−ヒドロキシカルボン酸化合物」とは、分子内にヒドロキシル基を有するカルボン酸又はその塩のことで、α位にヒドロキシル基を有するヒドロキシカルボン酸である。
上記α−ヒドロキシカルボン酸化合物として、具体的には、国際公開第2011/040530号の「〔6〕α−ヒドロキシカルボン酸化合物」に開示された化合物及びその使用量が適用される。
(2−8)その他の添加剤添加工程
上述した添加剤以外の添加剤を、吸水性樹脂に種々の機能を付加させるため、添加することもできる。該添加剤として、具体的には、界面活性剤、リン原子を有する化合物、酸化剤、有機還元剤、水不溶性無機微粒子、金属石鹸等の有機粉末、消臭剤、抗菌剤、パルプや熱可塑性繊維等が挙げられる。なお、上記界面活性剤は、国際公開第2005/075070号に開示された化合物が、また、上記水不溶性無機微粒子は、国際公開第2011/040530号の「〔5〕水不溶性無機微粒子」に開示された化合物が、それぞれ適用される。
該添加剤の使用量(添加量)は、その用途に応じて適宜決定されるため、特に限定されないが、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは3重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。また、該添加剤は、上記工程とは別の工程で添加することもできる。
(2−9)その他の工程
上述した工程以外に、造粒工程、整粒工程、微粉除去工程、微粉の再利用工程等を必要に応じて設けることができる。また、輸送工程、貯蔵工程、梱包工程、保管工程等の1種又は2種以上の工程を更に含んでもよい。なお、「整粒工程」は、表面架橋工程以降の微粉除去工程や吸水性樹脂が凝集し、所望の大きさを超えた場合に分級、粉砕を行う工程を含む。また、「微粉の再利用工程」は、本発明のように微粉をそのまま添加する形態の他、大きな含水ゲルにして、吸水性樹脂の製造工程の何れかの工程に添加する工程を含む。
〔3〕ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の物性
上記製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、下記の(3−1)〜(3−10)に掲げた物性のうち、少なくとも1つ以上、好ましくはCRCを含めた2つ以上、より好ましくはCRCを含めた3つ以上、最も好ましくは全ての物性を、所望する範囲に制御することが望まれる。これらの物性が下記の範囲を満たさない場合、水圧破砕用途において十分な性能を発揮しない虞がある。
また、本発明に係る製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、その形状について特に限定されないが、好ましくは粒子状である。本項においては、好ましい態様である粒子状の吸水性樹脂について、その物性を説明する。なお、下記の物性は、特に断りのない限り、EDANA法に準拠して測定した。
(3−1)CRC(無加圧下吸水倍率)
本発明の吸水性樹脂のCRC(無加圧下吸水倍率)は、通常5g/g以上であり、好ましくは15g/g以上、より好ましくは25g/g以上である。上限値については特に限定されず高値ほど好ましいが、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは80g/g以下、より好ましくは70g/g以下、更に好ましくは65g/g以下である。
該CRCが5g/g未満の場合、吸収量が少なく、水圧破砕用途に適さない。なお、CRCは、内部架橋剤や表面架橋剤等で制御することができる。
(3−2)AAP(加圧下吸水倍率)
本発明の吸水性樹脂のAAP(加圧下吸水倍率)は、好ましくは20g/g以上、より好ましくは22g/g以上、更に好ましくは23g/g以上、特に好ましくは24g/g以上、最も好ましくは25g/g以上である。上限値については特に限定されないが、好ましくは30g/g以下である。
該AAPが20g/g未満の場合、加圧下での給水量が低く、水圧破砕用途に適さない。なお、AAPは、粒度や表面架橋剤等で制御することができる。
(3−3)粒度(粒度分布、重量平均粒子径(D50)、粒度分布の対数標準偏差(σζ))
本発明の吸水性樹脂の粒度(粒度分布、重量平均粒子径(D50)、粒度分布の対数標準偏差(σζ))は、表面架橋を施す前の吸水性樹脂粉末の粒度と同じになるように、制御される。
(3−4)Ext(水可溶分)
本発明の吸水性樹脂のExt(水可溶分)は、通常50重量%以下であり、好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下、更に好ましくは15重量%以下である。下限値については特に限定されないが、好ましくは0重量%、より好ましくは0.1重量%程度である。
該Extが50重量%を超える場合、ゲル強度が弱く、水圧破砕用途に適さない虞がある。なお、Extは、内部架橋剤等で制御することができる。
(3−5)含水率
本発明の吸水性樹脂の含水率は、好ましくは0重量%を超えて15重量%以下、より好ましくは1〜13重量%、更に好ましくは2〜10重量%、特に好ましくは2〜9重量%である。
該含水率を上記範囲内とすることで、粉体特性(例えば、流動性、搬送性、耐ダメージ性等)に優れた吸水性樹脂が得られる。
(3−6)残存モノマー
本発明の吸水性樹脂に含有する残存モノマーは、安全性の観点から、好ましくは500ppm以下、より好ましくは400ppm以下、更に好ましくは300ppm以下である。下限値については特に限定されないが、好ましくは0ppm、より好ましくは10ppm程度である。
(3−7)Vortex(吸水速度)
本発明の吸水性樹脂のVortex(吸水速度)は、好ましくは80s以下、より好ましくは75s以下、更に好ましくは70s以下、特に好ましくは65s以下である。下限値については特に限定されないが、好ましくは5s以上、より好ましくは15s以上である。
〔4〕地層の水圧破砕技術の代表的な説明
水圧破砕技術とは、坑井内を満たした流体を高圧で加圧することで、坑井付近の貯留岩を人工的に破壊し、貯槽層内に人工的にフラクチャを形成・伸展させることにより、流体の流路を確保する技術である。生成したフラクチャ(亀裂)により、坑井近傍の浸透率(流体の流れやすさ)を改善し、坑井への有効な流入断面を拡大して、坑井の生産性を向上させることができる。
水圧破砕技術の例示的な手順は、以下のとおりである。
1.高粘性流体(ゲル)を穿孔部から圧入して、貯留層である岩石を破砕しフラクチャを形成する。
2.ゲルの圧入を続け、フラクチャの長さや幅を大きくする。
3.形成されたフラクチャを半永久的に支持するため、プロパントと呼ばれる砂粒状の物質を徐々にゲルに混ぜ圧入する。
4.プロパントの濃度を徐々に上げる。
5.規定量のプロパントを送り終わったら、圧入ポンプを停止する。
6.圧入されたゲルは熱により分解され貯留層に浸み込むため、形成されたフラクチャは徐々に閉じようとする。しかし、プロパントがフラクチャを支持し完全に閉じるのを防ぐので、ガスの流路は確保される。
7.貯留層の小さな隙間に溜まっているガスは、フラクチャを介して坑井内に流れ込み、経済的な生産性を確保することができる。
生成したフラクチャは閉合を阻止し、長期にわたって維持される必要がある。このためプロパントと呼ばれる粒状の物体を、発生したフラクチャに注入する。
適切なフラクチャを生成し、かつ維持するためには、圧入流体とプロパントの設計を適切に行う必要がある。圧入されたフラクチャリング流体の効率は、次式のように定義できる。
流体効率=(密閉時のフラクチャ体積)/(破砕(フラクチャリング)流体の圧入量)
水圧破砕の作業の典型的手順は以下のとおりである。
<水圧破砕の作業の典型的手順>
(1)フラクチャリング作業[フラクチャ形成、フラクチャ伸展]
・流体圧入:プレパッド(高粘性流体、フラクチャ生成用)、パッド(ジェル流体、フラクチャ伸展用)、プロパント輸送流体(高粘性流体、およびプロパントの混合物)
・坑井密閉、圧力挙動のモニタリング(フラクチャ閉合)
(2)ポストフラクチャリング作業
・坑井洗浄(フラクチャリング流体のポリマー結合破壊、バックフロー)
生成したフラクチャの方向を知るのに、フラクチャ伸展時の破砕音(AE:AcousticEmission)のモニタリングが行われる。近隣の坑井または水圧破砕を施した坑井に3次元地震計を設置し、AEの音源を調査し、フラクチャの広がりを調べる技術(マイクロサイスミック技術)も使用される。
プロパントの材質や粒径の選定は、重要である。プロパントの直径は生成したフラクチャ幅の1/4程度以下であるべきとされ、それ以上ではスクリーンアウトの(フラクチャ内から排除される)可能性が大きくなる。
また、水圧破砕作業で留意すべき点は以下のとおりである。
<水圧破砕作業での留意点>
(1)フラクチャリング流体
以下の3種類に大別される。
1.水にポリマーを溶解したもの(中程度の粘性)
2.水にポリマーを溶解し、クロスリンクさせたもの(高粘性)
3.水−油エマルジョン。
また、フラクチャリング流体として具備すべき主な特性は、次の4点である。
1.地層条件でフラクチャをつくり、支持材を運搬し得る粘性を持つこと
2.適切な流体効率(リークオフが少ないこと)
3.地層または地層水との適合性
4.処理後に急速に分解すること
(2)支持材
水圧破砕作業の終了後、支持材は割れ目表面より閉塞圧を受けるが、これにより割れ目が破壊され、支持材が地層中に埋没しないことが大切である。
(3)圧入圧力と必要馬力
(坑口圧入圧力/ポンプ吐出圧力)=(破砕圧力)+(パイプ内の摩擦損失)+(穿孔部の圧力損失)−(静水圧)。
ポンプの必要馬力は、坑口圧入圧力×圧入速度で計算され、効率を考慮して、必要なポンプ数を求める。
(4)フラクチャリング流体の通路の確保
水圧破砕の前処理として酸処理を通常行う。穿孔(パーフォレーション)の清掃処理も行う。清掃処理の後半部において、破砕圧力が予想値と大差ないことを確認しておくことも有効である。
(5)圧入速度
水圧破砕の実施前は、多くのデータが推定値であるが、十分な圧入速度を確保することで不確定要素に起因するトラブルを解消することができる。
(6)圧入作業
圧入は、プレパッドとして粘性の小さな酸(15%塩酸)または塩水(2%塩化カリウム)を用いて開始する。続いて圧入するフラクチャリング流体(支持材を含まない)をパッドと呼び、この量が作業の成果を大きく左右する。パッドは常に割れ目内の最深部へ進入していき、あたかも後続から伝播される圧力で地層を破壊していく。しかし、リークオフ等によってパッドが消費された場合には、割れ目の発達は止まり、坑井内に支持材の砂が沈殿し作業の中止を引き起こす。あらかじめ決めたフラクチャ流体量の少なくとも20%はパッドとして用いられるべきだと言われる。ガス層の場合はパッドの割合は増える。坑井近傍の導通性をよくすることと、地層への砂の埋没による損失を少なくすることも大切である。
〔5〕好ましい実施形態の説明
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。また、本発明の以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができることが理解される。
(地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤)
1つの局面において、本発明は、金属イオンを含む物質を含む、地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤を提供する。金属イオンを含む物質としては、どのような物質でも用いることができることが理解される。
1つの実施形態では、前記金属イオンは、多価イオンである。多価イオンとは、二価以上のイオンを意味する。1つの好ましい実施形態では、前記多価イオンは、二価イオンまたは三価イオンである。さらに好ましい実施形態では、前記多価イオンは、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、またはマグネシウムイオンである。最も好ましい実施形態では、前記多価イオンは、カルシウムイオンである。
別の実施形態では、前記金属イオンを含む物質は、25℃の純水100gに対して1g以上溶解する多価金属化合物である。多価金属化合物とは、二価以上の金属化合物である。1つの好ましい実施形態では、多価金属化合物とは、二価金属化合物または三価金属化合物である。さらに好ましい実施形態では、前記多価金属化合物は、カルシウム含有化合物、アルミニウム含有化合物、またはマグネシウム含有化合物である。最も好ましい実施形態では、前記多価金属化合物は、カルシウム含有化合物である。
1つの実施形態では、前記金属イオンを含む物質は、第1酸化鉄(FeO)、第2酸化鉄(Fe)、塩化鉄、硫酸アルミニウム、ミョウバン、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイトからなる群より選択される。
別の実施形態では、前記吸水性樹脂は、さらにプロパント粒子を含むかおよび/またはコーティングしている。プロパント粒子を含むことにより、吸水性樹脂をプロパントとして使用することができる。またプロパント粒子を吸水性樹脂でコーティングすることによって、プロパントの破壊を抑制することができる。
さらに別の実施形態では、前記吸水性樹脂は、少なくとも自重の1倍の水分を吸収し得るものである好ましくは、前記吸水性樹脂は、少なくとも自重の2倍、少なくとも自重の5倍、少なくとも自重の10倍、少なくとも自重の20倍、少なくとも自重の50倍、少なくとも自重の100倍、少なくとも自重の200倍、少なくとも自重の500倍、少なくとも自重の1000倍、少なくとも自重の2000倍の水分を吸収し得るものであってもよいがこれらに限定されない。別の実施形態では、前記吸水性樹脂は、含水状態の吸水性樹脂である。別の実施形態では、前記吸水性樹脂は、分散液として提供されてもよい。さらに別の実施形態では、前記吸水性樹脂は、例えば、米国特許出願公開第2004/0059054号に記載のものである。
具体的な実施形態では、前記吸水性樹脂は、以下:
(a)水溶性エチレン不飽和モノマーの重合によって得られる、部分架橋されているポリマー;
(b)でんぷんグラフト化ポリアクリレート;
(c)アクリルアミド/アクリル酸コポリマーおよびその塩;
(d)でんぷんグラフトアクリルアミド/アクリル酸およびその塩;
(e)イソブチレン/マレイン酸無水物コポリマー;
(f)カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩およびカリウム塩;
(g)ポリアスパラギン酸の架橋塩;
(h)キトサン/ポリビニルピロリドンの組合せおよびキトサン/ポリエチレンイミンの組合せ;ならびに
(i)スルホン酸基含有単量体、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩から選ばれる2種以上のモノマーの重合によって得られる、部分架橋されているポリマー
からなる群より選択される。
さらなる実施形態では、前記吸水性樹脂がポリアクリル酸系樹脂である。
1つの実施形態では、前記吸水性樹脂の、吸収倍率低下度が50(g/g)以上であり、但し、吸収倍率低下度(g/g)=未添加の純水吸収倍率(g/g)−前記収縮剤添加して24時間後の純水吸収倍率(g/g)である。
別の実施形態では、前記吸水性樹脂は、不飽和カルボン酸およびその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体成分(A)から導かれる繰り返し単位、1分子中に不飽和基を2個以上有する化合物(B)から導かれる繰り返し単位、1分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物(C)から導かれる繰り返し単位からなることを特徴とする。
さらに別の実施形態では、前記吸水性樹脂は、不飽和カルボン酸およびその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体成分(A)から導かれる繰り返し単位、1分子中に不飽和基を2個以上有する化合物(B)から導かれる繰り返し単位、および1分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物(C)から導かれる繰り返し単位を有する吸水性樹脂である。
1つの実施形態では、前記水圧破砕はシェールガス採掘のためのものである。別の実施形態では、前記水圧破砕はシェールオイル採掘のためのものである。
別の局面において、本発明地層の水圧破砕のためのキットを提供する。前記キットは、
A)吸水性樹脂を含むプロパントと、
B)金属イオンを含む物質を含む該吸水性樹脂の収縮剤と
を備える。
1つの実施形態では、キットにおける前記吸水性樹脂は、さらにプロパント粒子を含むかおよび/またはコーティングしている。
別の実施形態では、キットにおける前記金属イオンは、多価イオンである。1つの好ましい実施形態では、前記金属イオンはカルシウムイオンである。別の好ましい実施形態では、前記金属イオンを含む物質は、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化鉄、硫酸鉄、ハイドロタルサイトからなる群より選択される。
さらに別の実施形態では、前記吸水性樹脂は、上記項目のいずれか1項に記載の特徴を有する。
1つの好ましい実施形態では、前記水圧破砕はシェールガス採掘のためのものである。別の実施形態では、前記キットにおける前記水圧破砕はシェールオイル採掘のためのものである。
(地層の水圧破砕の方法)
さらなる局面において、本発明は、地層の水圧破砕の方法を提供する。前記方法は、
A)該地層の穿孔部から、吸水性樹脂を、必要に応じてプロパントとともに圧入し、貯留層である岩石を破砕しフラクチャを形成する工程;ならびに
B)該穿孔部から、金属イオンを含む物質を含む該吸水性樹脂の収縮剤を該フラクチャに接触するように注入する工程
を包含する。ここで使用される、吸水性樹脂、および金属イオンを含む物質は、本明細書の(地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤)の節等において記載される任意のものを用いることができることが理解される。
従って、1つの実施形態では、前記方法における前記吸水性樹脂は、(地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤)の節のいずれかの特徴またはその組み合わせを有する。
1つの好ましい実施形態では、収縮剤は、フラクチャリング流体に含まれてもよい。別の好ましい実施形態では、収縮剤はプロパントに含まれてもよい。さらに別の実施形態では、収縮剤は、プロパントと一緒にフラクチャリング流体に含まれてもよい。
別の実施形態では、前記水圧破砕はシェールガス採掘のためのものである。さらに別の実施形態では、前記方法における前記水圧破砕はシェールオイル採掘のためのものである。
さらに別の局面において、本発明は、地層の水圧破砕の方法を提供する。前記方法は、
i)該地層の穿孔部から高粘性流体を圧入して、貯留層である岩石を破砕しフラクチャを形成する工程;
ii)該高粘性流体の圧入を続け、該フラクチャの長さや幅を大きくする工程;
iii)形成されたフラクチャを半永久的に支持するため、必要に応じてプロパントを徐々に該高粘性流体に混ぜ圧入する工程;
iv)必要に応じて規定量の該プロパントを送るまで、該プロパントの濃度を徐々に上げる工程;
v)該穿孔部から、金属イオンを含む物質を含む該吸水性樹脂の収縮剤を該フラクチャに接触するように注入する工程;
vi)圧入ポンプを停止する工程;
vii)圧入された該高粘性流体が該金属イオンを含む物質を含む該吸水性樹脂の収縮剤によって収縮することにより、該フラクチャが閉合する工程、ただし該プロパントおよび収縮した吸水性樹脂が該フラクチャを支持して完全に閉じることを防ぐ、工程;ならびに
viii)該フラクチャに流れ込む貯留層の隙間に溜まっているガスを収集する工程;
を包含する。
1つの実施形態では、上記方法において、工程(vi)と工程(vii)の順番は逆であってもよい。
1つの実施形態では、前記高粘性流体はゲルである。別の実施形態では、前記高粘性流体は、吸水性樹脂を含む。さらに別の実施形態では、前記方法における前記吸水性樹脂は、上記のいずれかの特徴を有する。
1つの実施形態では、前記プロパントは砂粒状の物質である。別の実施形態では、前記プロパントは無機材である。1つの好ましい実施形態では、プロパントは吸水性樹脂を含む。別の好ましい実施形態では、プロパントは吸水性樹脂である。
別の実施形態では、前記方法における前記水圧破砕はシェールガス採掘のためのものである。
このように、本発明で用いられる吸水性樹脂の収縮剤を水圧破砕において地下に圧入し、その後この吸水性樹脂を収縮することができるため、プロパントとして機能することにより、目的とする地下資源の掘削を行うことができる。
具体的には、目的とする地下資源が存在する地層まで掘削を行って竪穴を形成し、次いで水平方向に掘削を行って水平穴を形成することにより坑井を形成する。
このようにして形成された坑井に、上述したプロパントを含む掘削用分散液を充満させ、加圧することによりフラクチュアリングを行う。詳細に述べると、この加圧により、水平穴の近傍に吸水性樹脂および/またはプロパントが浸透していき、該吸水性樹脂が液状化して消滅し、ピラー構造を形成することとなる。残存する液体を吸引後、ガスやオイルなどの地下資源の回収が開始される。
本発明の収縮剤を用いて水圧破砕を行った場合には、竪穴を形成後、吸水性樹脂がすみやかに収縮するため短時間で効率よく行うことができる。また、吸水性樹脂自体がプロパントとして機能するため、例えば無機材などのプロパント送入の低減が可能であるか、またはプロパント送入が不要になるという利点がある。
尚、本発明において、上述した掘削用分散液は、吸水性樹脂及びその他の材料が水に分散された形で地中の坑井に圧入されるが、液状化のためのブレーク剤を後添加することも可能である。例えば、ブレーク剤以外の成分が水に分散した液を坑井に圧入した後、ブレーク剤の水溶液を後から供給することもできる。
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したものではない。したがって、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下の実施例・比較例に従って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定解釈されるものではなく、各実施例に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施例も、本発明の範囲に含まれるものとする。
なお、実施例及び比較例で使用する電気機器(吸水性樹脂の物性測定も含む)は、特に注釈のない限り、200V又は100Vの電源を使用した。また、本発明の吸水性樹脂の諸物性は、特に注釈のない限り、室温(20〜25℃)、相対湿度50%RHの条件下で測定した。
また、「リットル」を「l」又は「L」、「重量%」を「wt%」と便宜上、表記する場合がある。更に微量成分の測定において、検出限界以下を「N.D」(Non Detected)と表記する。
[吸水性樹脂の物性測定]
(a)CRC(無加圧下吸水倍率)
本発明の吸水性樹脂のCRC(無加圧下吸水倍率)は、EDANA法(ERT441.2−02)に準拠して測定した。
[吸水性樹脂の製造]
本発明の吸水性樹脂を、下記の製造例1の方法によって得た。
(製造例1)
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、トリメチロールプロパントリアクリレート1.7gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気したのち、内容積10Lのシグマ型羽根を2本有する双腕型のジャケット付きステンレス製ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液温を30℃に保ちながら反応器内に窒素ガスを吹き込み、系内の溶存酸素が1ppm以下となるように窒素置換した。
続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液29.8g及びL−アスコルビン酸の0.2質量%水溶液21.8gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後17分で重合ピーク温度86℃を示し、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。
得られた含水ゲル状重合体は約1〜5mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、180℃で45分間熱風乾燥し、乾燥物とした。
次いで、乾燥物をロールミルで粉砕し、さらに目開き850μmと106μmの金網で連続的に分級した。850μm以上の粒子は、再度ロールミルで粉砕することで、不定形破砕状の吸水性樹脂粒子を得た。尚、吸水性樹脂粉末のCRC(無加圧下吸水倍率)は54.5[g/g]であった。
次いで、得られた吸水性樹脂粒子100質量部に、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.02質量部、1,4−ブタンジオール0.3質量部、プロピレングリコール0.5質量部と、水2.8質量部とからなる表面架橋剤水溶液3.62質量部を混合した。上記の混合物を195℃に加熱されたモルタルミキサー内で40分間加熱処理することにより吸水性樹脂を得た。
吸水性樹脂100質量部に日本アエロジル社製のヒュームドシリカAEROSIL200を0.3質量部加え均一に混合することで粒子状吸水性樹脂を得た。
[吸水性樹脂の収縮実験]
吸水性樹脂の収縮について以下の実施例を行った。
(実施例1)
Ca水溶液を加えることによる吸水性樹脂の収縮の検討を行った。
<実験手順>
1.純水450gに、製造例1にて作製した吸水性樹脂0.25gを加え、1時間膨潤させた。
2.上記1に13.5%Ca水溶液(塩化カルシウムを水に溶解して作製)を265g加えて5日間静置させた。添加後のCa濃度は5%であった。
3.形成されたゲルをろ過して固形分を測定した。
<結果>
※固形分[%]は、重量%である。
・図1に示されるように、Ca水溶液を加えると、収縮が起こった。
・Ca水溶液を加えた瞬間に、ゲルは収縮し、白くなった。
・5日後にろ過して得られたゲルは硬かった。
・Ca添加によって固形分が高い状態が生じたことを確認した。
(実施例2)
Mg水溶液またはAl水溶液を加えることによる吸水性樹脂の収縮の検討を行った。
<実験手順>
[Mgの場合]
1.純水200gに、製造例1にて作製した吸水性樹脂0.11gを加え、1時間膨潤させた。
2.上記1に8.98%Mg水溶液(塩化マグネシウムを水に溶解して作製)を251g加えて5日間静置させた。添加後のMg濃度は5%であった。
3.形成されたゲルをろ過して固形分を測定した。
[Alの場合]
1.純水200gに、製造例1にて作製した吸水性樹脂0.11gを加え、1時間膨潤させた。
2.上記1に50%Al水溶液(硫酸アルミニウムを水に溶解して作製)を206g加えて5日間静置させた。添加後のAl濃度は2%であった(※硫酸アルミニウムの溶解度が低いため、Al濃度5%は達成されなかった)。
3.形成されたゲルをろ過して固形分を測定した。
<結果>
※固形分[%]は、重量%である。Caは実施例1の結果のものである。
・図2に示されるように、Mg水溶液またはAl水溶液を加えると、収縮が起こった。
(実施例3)
比較しやすくするため、多価金属水溶液(塩化カルシウム由来のCa水溶液、塩化マグネシウム由来のMg水溶液、または硫酸アルミニウム由来のAl水溶液)添加後の水溶液濃度を揃えて、吸水性樹脂の収縮の検討を行った。
<実験手順>
1.純水450gに、製造例1にて作製した吸水性樹脂0.5gを加え、1時間膨潤させた。
2.上記1にそれぞれの多価金属水溶液を加えて(Ca:0.8mol/Lを64.3g、Mg:0.8mol/Lを64.3g、Al:2.92mol/Lを1.6g)、1日間静置させた。添加後の多価金属水溶液濃度は0.1mol/Lであった。
3.形成されたゲルをろ過して固形分を測定した。
<結果>
※固形分[%]は、重量%である。
・得られたゲルはどれも白く、柔らかかった。
・実施例2では水溶液の金属濃度が高く、静置時間も長かったため、ゲルの固形分は50%近くまで高くなった。一方、実施例3では、金属濃度が実施例2より低く、静置時間も短かったため、低い固形分となったと考えられる。
・プロパントとして最も適した金属はCaであると言える。
(実施例4)
ハイドロタルサイト(HT)を加えることによる吸水性樹脂の収縮の検討を行った。
<サンプル作製>
・製造例1にて作製した吸水性樹脂5gとHT5gをマヨネーズ瓶に入れ、株式会社東洋精機製作所製のNo.488試験用分散機で3分×2回混合することにより、吸水性樹脂とHTとが等量の混合物(HT等量)を作製した。
・製造例1にて作製した吸水性樹脂5gとHT0.5gをマヨネーズ瓶に入れ、株式会社東洋精機製作所製のNo.488試験用分散機で3分混合することにより、HT0.1%の混合物(HT0.1%)を作製した。
<実験手順>
1.純水450gに、製造例1にて作製した吸水性樹脂が0.5gとなるようにサンプルを加え、1時間膨潤させた。
2.HTを溶解させるため、10%L−アスコルビン酸(L−as)水溶液をHT等量には100g、HT0.1%には10g添加し、1日間静置させた。L−asはHTの20倍量になった。
3.形成されたゲルをろ過して固形分を測定した。
・ハイドロタルサイト混合物では、ゲルの収縮は多価金属水溶液ほど起こっていなかった。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
発明者らは、吸水性樹脂の収縮に必要な条件を探索した結果、含水状態の吸水性樹脂を収縮させる方法および地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤を見出した。したがって、本発明は地層の水圧破砕の分野において有効である。

Claims (22)

  1. 金属イオンを含む物質を含む、地層の水圧破砕においてプロパントとして使用する吸水性樹脂の収縮剤。
  2. 前記金属イオンは、多価イオンである、請求項1に記載の収縮剤。
  3. 前記金属イオンを含む物質は、25℃の純水100gに対して1g以上溶解する多価金属化合物である、請求項1に記載の収縮剤。
  4. 前記金属イオンを含む物質は、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、ハイドロタルサイトからなる群より選択される、請求項1に記載の収縮剤。
  5. 前記金属イオンはカルシウムイオンである、請求項1に記載の収縮剤。
  6. 前記吸水性樹脂は、さらにプロパント粒子を含むかおよび/またはコーティングしている、請求項1に記載の収縮剤。
  7. 前記吸水性樹脂は、少なくとも自重の1倍の水分を吸収し得るものである、請求項1に記載の収縮剤。
  8. 前記吸水性樹脂が、以下(a)から(i)からなる群より選択される、請求項1に記載の収縮剤:
    (a)水溶性エチレン不飽和モノマーの重合によって得られる、部分架橋されているポリマー;
    (b)でんぷんグラフト化ポリアクリレート;
    (c)アクリルアミド/アクリル酸コポリマーおよびその塩;
    (d)でんぷんグラフトアクリルアミド/アクリル酸およびその塩;
    (e)イソブチレン/マレイン酸無水物コポリマー;
    (f)カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩およびカリウム塩;
    (g)ポリアスパラギン酸の架橋塩;
    (h)キトサン/ポリビニルピロリドンの組合せおよびキトサン/ポリエチレンイミンの組合せ;ならびに
    (i)スルホン酸基含有単量体、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩から選ばれる2種以上のモノマーの重合によって得られる、部分架橋されているポリマー。
  9. 前記吸水性樹脂がポリアクリル酸系樹脂である、請求項1に記載の収縮剤。
  10. 前記吸水性樹脂の、吸収倍率低下度が50(g/g)以上であり、但し、吸収倍率低下度(g/g)=未添加の純水吸収倍率(g/g)−前記収縮剤添加して24時間後の純水吸収倍率(g/g)である、請求項1に記載の収縮剤。
  11. 前記吸水性樹脂は、不飽和カルボン酸およびその塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体成分(A)から導かれる繰り返し単位、1分子中に不飽和基を2個以上有する化合物(B)から導かれる繰り返し単位、1分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物(C)から導かれる繰り返し単位からなることを特徴とする、請求項10に記載の収縮剤。
  12. 前記水圧破砕はシェールガス採掘のためのものである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の収縮剤。
  13. 地層の水圧破砕のためのキットであって、該キットは、
    A)吸水性樹脂を含むプロパントと、
    B)金属イオンを含む物質を含む該吸水性樹脂の収縮剤と
    を備える、キット。
  14. 前記吸水性樹脂は、さらにプロパント粒子を含むかおよび/またはコーティングしている、請求項13に記載のキット。
  15. 前記金属イオンは、多価イオンである、請求項13に記載のキット。
  16. 前記金属イオンはカルシウムイオンである、請求項13に記載のキット。
  17. 前記金属イオンを含む物質は、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、ハイドロタルサイトからなる群より選択される、請求項13に記載のキット。
  18. 前記吸水性樹脂は、請求項7〜11のいずれか1項に記載の特徴を有する、請求項16に記載のキット。
  19. 前記水圧破砕はシェールガス採掘のためのものである、請求項13〜18のいずれか1項に記載のキット。
  20. 地層の水圧破砕の方法であって、該方法は:
    A)該地層の穿孔部から、吸水性樹脂を、必要に応じてプロパントとともに圧入し、貯留層である岩石を破砕しフラクチャを形成する工程;ならびに
    B)該穿孔部から、金属イオンを含む物質を含む該吸水性樹脂の収縮剤を該フラクチャに接触するように注入する工程
    を包含する、方法。
  21. 前記吸水性樹脂は、請求項7〜11のいずれか1項に記載の特徴を有する、請求項19に記載の方法。
  22. 前記水圧破砕はシェールガス採掘のためのものである、請求項19に記載の方法。
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