JPWO2019098247A1 - ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体 - Google Patents

ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体 Download PDF

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Abstract

本発明は、優れた溶解性を有し、高い可撓性や機械強度、貼り付き性を有するフィルムを作製することが可能なビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、並びに、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の製造方法を提供する。本発明は、ビニルアルコールからなるユニットと、酢酸ビニルからなるユニットとを有するビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体であって、下記式(1)を用いて得られる三連子ユニット連鎖率TOOが7.5以下であるビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体である。式(1)中、VOH含有量はビニルアルコールからなるユニットの含有量、Vac含有量は酢酸ビニルからなるユニットの含有量、OOO含有比はOOO三連鎖の含有比、AOO含有比はAOO三連鎖の含有比を示す。[数1]

Description

本発明は、優れた溶解性を有し、高い可撓性や機械強度、貼り付き性を有するフィルムを作製することが可能なビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、並びに、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の製造方法に関する。
ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、分散剤やバインダーのほか、繊維加工、紙加工、フィルム、接着剤等の幅広い分野で利用されている。一般に、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、ポリ酢酸ビニル等のポリビニルエステル系重合体をアルカリ又は酸で直接けん化することによって得られる。そして、アルカリでけん化した場合は、酸を用いてけん化反応を停止し、酸でけん化した場合は、アルカリを用いてけん化反応を停止する。例えば、特許文献1には、アルカリ又は酸でけん化した後、無水ケイ酸のコロイド溶液を添加する方法が記載されている。
しかしながら、従来の方法で得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、溶媒への溶解性が悪く、特に水系溶媒で使用する場合に所望の効果が得られないという問題点があった。特に、溶解性が低い成分が存在すると、ミクロゲルや溶解残渣の原因となり、フィルターの目詰まりや透明性を損なわれるという問題があった。
また、溶解性を高めた場合、得られるフィルムの可撓性や機械強度が悪化し、クラックが発生したり、シワが生じると戻りにくくなったりするという問題があった。
また、得られるフィルムの貼り付き性が低下することで、搬送工程でずれが生じるなど、実用上問題となることがあった。
特開平09−067441号公報
本発明は、優れた溶解性を有し、高い可撓性や機械強度、貼り付き性を有するフィルムを作製することが可能なビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、並びに、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ビニルアルコールからなるユニットと、酢酸ビニルからなるユニットとを有するビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体であって、下記式(1)を用いて得られる三連子ユニット連鎖率TOOが7.5以下であるビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体である。
以下、本発明を詳述する。
Figure 2019098247
式(1)中、VOH含有量はビニルアルコールからなるユニットの含有量、Vac含有量は酢酸ビニルからなるユニットの含有量、OOO含有比はOOO三連鎖の含有比、AOO含有比はAOO三連鎖の含有比を示す。
本発明において、「AAA、AAO、OAO、AOA、AOO、OOO」は、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を、ビニルアルコールからなるユニット(単にOともいう)、酢酸ビニルからなるユニット(単にAともいう)を有する三連鎖(三連子)で分けた場合に以下のように分類したものである。
「ビニルアルコールを中心とする三連鎖」を「AOA、AOO、OOO」、
「酢酸ビニルを中心とする三連鎖」を「AAA、AAO、OAO」
但し、「AOO」と「OOA」は合わせて「AOO」とし、「AAO」と「OAA」は合わせて「AAO」とする。
本発明者らは、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の特性を改善する際に、共重合体中のモノマーの連鎖構造が関連していることを見出した。
本発明者らは更に鋭意検討した結果、各ユニットの含有量、及び、三連鎖単位での含有比から得られる三連子ユニット連鎖率を所定の範囲とすることで、優れた溶解性を有し、高い可撓性や機械強度、貼り付き性を有するフィルムを作製することが可能なビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
特に、本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、下限臨界共溶温度(LCST)を高温側にシフトさせることができるため、より高温での溶解が可能となり、更に広範な用途で使用することが可能となる。
また、ビニルアルコールユニットのブロック性が高くなると、分子間や分子内で水素結合構造を形成するため、溶解性の低下やゲルの生成などの不具合を招くが、本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、ポリマー鎖全体がランダム構造であることで、高い溶解性を実現しつつ、ゲルの生成を効果的に防止することができる。
なお、本発明において「高い溶解性」とは、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の溶媒への溶解性能(溶解速度、溶解量)が優れていることをいう。
また、「ゲルの生成を効果的に防止」とは、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を膨潤させる場合において、膨潤しにくい成分に起因するゲルの生成を防止できることを意味し、このようなゲルの生成が少ないことを「膨潤性に優れる」ともいう。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、ビニルアルコールからなるユニットと、酢酸ビニルからなるユニットとを有する。
本発明において、「ビニルアルコールからなるユニット」及び「酢酸ビニルからなるユニット」とは、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体中に存在している「ビニルアルコール」、「酢酸ビニル」のことをいう。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、下記式(1)を用いて得られる三連子ユニット連鎖率TOOが7.5以下である。
上記三連子ユニット連鎖率TOOは、ビニルアルコール−ビニルアルコール連鎖に連なるユニットがビニルアルコールであるか酢酸ビニルであるかを三連子レベルで確認する目安となる。三連子ユニット連鎖率TOOが1以上である場合にはビニルアルコール単位が連なり、0に近い場合は酢酸ビニル単位が連なるといえる。
本願発明では、三連子ユニット連鎖率TOOが7.5以下であるため、優れた溶解性を有し、高い可撓性を有するフィルムを作製することが可能になるといえる。上記三連子ユニット連鎖率TOOは、6.5以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、5以下であることが更に好ましく、0.01以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、1.0以上であることが更に好ましい。
Figure 2019098247
式(1)中、VOH含有量はビニルアルコールからなるユニットの含有量、Vac含有量は酢酸ビニルからなるユニットの含有量、OOO含有比はOOO三連鎖の含有比、AOO含有比はAOO三連鎖の含有比を示す。
上記三連子ユニット連鎖率TOOのほか、TAO、TAA、TOAは、以下の式(2)〜(4)を用いて得られるものである。
Figure 2019098247
Figure 2019098247
式(2)〜(4)中、VOH含有量はビニルアルコールからなるユニットの含有量、Vac含有量は酢酸ビニルからなるユニットの含有量、AOO含有比はAOO三連鎖の含有比、AOA含有比はAOA三連鎖の含有比、AAA含有比はAAA三連鎖の含有比、AAO含有比はAAO三連鎖の含有比、OAO含有比はOAO三連鎖の含有比を示す。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、上記式(2)を用いて得られる三連子ユニット連鎖率TAOが0.04以上、1.65以下であることが好ましく、0.20以上、1.15以下であることがより好ましい。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、TOOが7.5以下であるため、OOO三連子が比較的ブロック構造を有するものであるといえるが、更に、TAOが0.5以下であることで、AOA三連子というAとOの交互である連鎖も有しているということができる。その結果、単純なブロック構造ではないものといえるため、「優れた溶解性」と、「高い膨潤性」、「高い可撓性」という性能を兼ね備えたものとすることができる。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、上記式(3)を用いて得られる三連子ユニット連鎖率TAAが40以下であることが好ましい。これにより、Vac組成比の割に、Aと隣り合うOが増えることで良好な溶解性を得ることができる。
また、上記TAAは、30以下であることがより好ましく、0.01以上であることが好ましい。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、ビニルアルコールを中心とする三連鎖(AOA、AOO、OOO)の合計量に対するOOO三連鎖の含有比は、70%以下であることが好ましい。上記含有比を上述した範囲内とすることで、ブロック構造のビニルアルコールユニットを低減し、より高温での溶解性を高めつつ、ゲルの生成を抑制することができる。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルを中心とする三連鎖(AAA、AAO、OAO)の合計量に対するAAA三連鎖の含有比は、70%以下であることが好ましい。上記含有比を上述した範囲内とすることで、ブロック構造の酢酸ビニルユニットを低減し、より高温での溶解性を高めつつ、ゲルの生成を抑制することができる。
加えて、上述したOOO三連鎖の含有比及びAAA三連鎖の含有比のうち、小さい方の含有比は、50%以下であることが好ましい。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、ビニルアルコールからなるユニットの平均連鎖長Lが1以上であることが好ましく、1.5以上がより好ましく、2.0以上が更に好ましい。
また、好ましい上限については、ビニルアルコールからなるユニットの含有量にもよるが、ビニルアルコールからなるユニットの含有量が、酢酸ビニルからなるユニットの含有量よりも少ない場合、5.9以下であることが好ましい。
なお、本明細書において「ビニルアルコールからなるユニットの平均連鎖長L」は、下記式(7)を用いて算出することができる。
式(7)中、IはH−NMRで得られた強度を示す。即ち、「IOOO」は「H−NMRで測定したOOOの強度」を示す。
Figure 2019098247
また、本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルからなるユニットの平均連鎖長Lが1以上であることが好ましく、1.1以上がより好ましく、1.2以上が更に好ましい。また、好ましい上限については、酢酸ビニルからなるユニットの含有量にもよるが、酢酸ビニルからなるユニットの含有量が、ビニルアルコールからなるユニットの含有量よりも少ない場合、4以下であることが好ましい。
なお、本明細書において「酢酸ビニルからなるユニットの平均連鎖長L」は、下記式(8)を用いて算出することができる。
Figure 2019098247
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体におけるビニルアルコールからなるユニットの含有量は、好ましい下限が0.2モル%、好ましい上限が99.8モル%である。このような範囲とすることで、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体分子にビニルアルコールが有する水酸基の機能を付与することができ、水や溶剤への溶解性をコントロール可能となる。より好ましい下限は50モル%、より好ましい上限が98モル%である。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルからなるユニットの含有量は、好ましい下限が0.2モル%、好ましい上限が99.8モル%である。このような範囲とすることで、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体分子にビニルアルコールが有する水酸基の機能を付与することができ、水や溶剤への溶解性をコントロール可能となる。より好ましい下限は2モル%、より好ましい上限が50モル%である。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の分子量としては特に制限は無いが、数平均分子量が1000〜100万であることが好ましい。
また、本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、重合度が200〜3000であることが好ましい。上記範囲内とすることで、良好なフィルムの物性を発現することができる。
更に、本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、融点が30〜240℃であることが好ましい。なお、上記融点は示差走査熱量計で測定することができる。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、上記TOOと、ビニルアルコールからなるユニットの含有量(VOH)との比率(TOO/VOH)が、0.001〜0.10であることが好ましい。より好ましくは0.08以下である。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、上記Too及び重合度(DP)を用いて、下記式(10)で算出される連鎖重合度積(PDOH)が1以上、18以下であることが好ましい。上記範囲内とすることで、高い重合度を持ちながらも水素結合の形成が抑制され、膨潤しにくい成分の量が低減し、得られるフィルムの総合的な物性値を良好なものとすることができる。また、上記連鎖重合度積は、2以上、15以下であることがより好ましい。
Figure 2019098247
また、本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、上記Too及び重合度(DP)を用いて、下記式(11)で算出される連鎖重合度比(RDOH)が0.01以上、2.7以下であることが好ましい。上記範囲内とすることで、高い重合度を持ちながらも水素結合の形成が抑制され、膨潤しにくい成分の量が低減し、得られるフィルムの総合的な物性値を良好なものとすることができる。また、上記連鎖重合度比は、0.1以上、2.5以下であることがより好ましい。
Figure 2019098247
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、上記AAA含有比、OAO含有比、酢酸ビニルからなるユニットの含有量(Vac含有量)を用いて、下記式(12)で算出されるA中心傾斜値が−5.0以上、2.0以下であることが好ましい。上記範囲内とすることで、膨潤しにくい成分の量が低減し、得られるフィルムの総合的な物性値を良好なものとすることができる。また、上記A中心傾斜値は、−4.0以上、1.0以下であることがより好ましい。
Figure 2019098247
式(12)中、CDは各ピークのケミカルシフト値の差を表す。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、上述した酢酸ビニルからなるユニットの含有量(Vac含有量)と平均連鎖長Lとの積(Vac含有量×平均連鎖長L×0.01、以下アセチル連鎖比ともいう)が2.5以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましく、0.25以下であることが更に好ましい。上記アセチル連鎖比が、上述した範囲内であることで、優れた溶解性とゲル生成の抑制効果を両立することが可能となる。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、ビニルアルコールからなるユニットの平均連鎖長Lと、酢酸ビニルからなるユニットの平均連鎖長Lから下記式(5)を用いて得られるランダムネス値(平均持続性比)Rが0.5以上であることが好ましい。
上記ランダムネス値Rは、ポリマー鎖全体がブロック構造であるかランダム構造であるかを確認する目安となる。ランダムネス値Rが0である場合、ポリマー鎖全体がブロック構造であり、ランダムネス値Rが1である場合、ポリマー鎖全体がランダム構造であるといえる。
また、ランダムネス値Rが2である場合は、一分子中にビニルアルコールからなるユニットと酢酸ビニルからなるユニットとが交互に併存している状態であるといえる。
本願発明では、ランダムネス値Rが0.5以上である場合、溶解性に優れた樹脂であるといえる。上記ランダムネス値Rは、0.6以上であることがより好ましく、0.9以上であることが更に好ましく、2以下であることが好ましい。
Figure 2019098247
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、更に、他のモノマーからなるユニットを有していてもよい。
上記他のモノマーは特に限定されないが、分子内にカルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基及びエポキシ基、エーテル基からなる群から選択される少なくとも1つの極性基と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーが好ましい。このようなモノマーとしては、例えば、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、アリルアルコール、ビニルエーテル、アリルアミン等が挙げられる。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体中に含まれる他のモノマーからなるユニットの含有量は、用途に応じて設計されるため、特に限定されないが、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体全体に対して、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下がさらに好ましい。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を製造する方法としては、例えば、下記式(6)に示すジアニオン型亜鉛アート錯体を用いて、ポリ酢酸ビニル又は原料ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体をエステル交換反応する工程を有する方法(エステル交換反応法)を用いることが好ましい。このようなビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の製造方法もまた本発明の1つである。
また、本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を製造する方法としては、ポリビニルアルコールを再酢化する方法(再酢化反応法)を用いてもよい。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の製造方法(エステル交換反応法)は、下記式(6)に示すジアニオン型亜鉛アート錯体を用いて、ポリ酢酸ビニル又は原料ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体をエステル交換反応する工程を有する。
上記ジアニオン型亜鉛アート錯体を用いることで、ランダムネス値が所定の範囲内のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を好適に作製することができる。さらに上記ジアニオン型亜鉛アート錯体を用いることで、エステル交換反応が非常に短い反応時間で進行させることが可能となる。具体的には、CHONaを用いたエステル交換に比べて10分の1程度の時間で反応を進行させることが可能となる。
Figure 2019098247
式(6)中、nは1〜4の整数、mは1又は2であり、Rはnが1又は2のときはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアリールアルキル基であり、Mはリチウム又はマグネシウムである。
上記炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記Mはリチウム又はマグネシウムを示し、Mがリチウムのときは、mは2であり、Mがマグネシウムのときはmは1を示す。
上記式(6)で示されるジアニオン型亜鉛アート錯体は、特開2004−292328号公報に記載されており、該公報に記載の方法により入手可能である。
具体的には例えば、ジリチウム塩としては、テトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム、トリt−ブチルメチル亜鉛酸ジリチウム、トリt−ブチルエチル亜鉛酸ジリチウム、トリt−ブチル−n−プロピル亜鉛酸ジリチウム、トリt−ブチル−n−ブチル亜鉛酸ジリチウム、トリt−ブチル−i−ブチル亜鉛酸ジリチウム、トリt−ブチル−sec−ブチル亜鉛酸ジリチウム、ジt−ブチルジメチル亜鉛酸ジリチウム、ジt−ブチルジエチル亜鉛酸ジリチウム、ジt−ブチルジ−n−プロピル亜鉛酸ジリチウム、ジt−ブチルジ−n−ブチル亜鉛酸ジリチウム、ジt−ブチルジ−i−ブチル亜鉛酸ジリチウム、ジt−ブチルジ−sec−ブチル亜鉛酸ジリチウム、t−ブチルトリメチル亜鉛酸ジリチウム、t−ブチルトリエチル亜鉛酸ジリチウム、t−ブチルトリ−n−プロピル亜鉛酸ジリチウム、t−ブチルトリ−n−ブチル亜鉛酸ジリチウム、t−ブチルトリ−i−ブチル亜鉛酸ジリチウム、t−ブチルトリ−sec−ブチル亜鉛酸ジリチウム等が挙げられる。
また、マグネシウム塩としては、テトラt−ブチル亜鉛酸マグネシウム、トリt−ブチルメチル亜鉛酸マグネシウム、トリt−ブチルエチル亜鉛酸マグネシウム、トリt−ブチル−n−プロピル亜鉛酸マグネシウム、トリt−ブチル−n−ブチル亜鉛酸マグネシウム、トリt−ブチル−i−ブチル亜鉛酸マグネシウム、トリt−ブチル−sec−ブチル亜鉛酸マグネシウム、ジt−ブチルジメチル亜鉛酸マグネシウム、ジt−ブチルジエチル亜鉛酸マグネシウム、ジt−ブチルジ−n−プロピル亜鉛酸マグネシウム、ジt−ブチルジ−n−ブチル亜鉛酸マグネシウム、ジt−ブチルジ−i−ブチル亜鉛酸マグネシウム、ジt−ブチルジ−sec−ブチル亜鉛酸マグネシウム、t−ブチルトリメチル亜鉛酸マグネシウム、t−ブチルトリエチル亜鉛酸マグネシウム、t−ブチルトリ−n−プロピル亜鉛酸マグネシウム、t−ブチルトリ−n−ブチル亜鉛酸マグネシウム、t−ブチルトリ−i−ブチル亜鉛酸マグネシウム、t−ブチルトリ−sec−ブチル亜鉛酸マグネシウム等が挙げられる。
なかでも、上記式(6)で示されるジアニオン型亜鉛アート錯体としては、ジリチウム塩を使用することが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を有することが好ましい。特に、テトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)が好ましい。
なお、上記ジアニオン型亜鉛アート錯体は、1種のみ用いても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
上記TBZLの調製は、特開2004−292328号公報の実施例1記載の方法に準じて行うことができる。
上記エステル交換反応法で使用する原料としては、ポリ酢酸ビニルを使用してもよく、原料ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を使用してもよい。
ポリ酢酸ビニルを使用した場合、短い反応時間で本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を作製することができる。
また、原料ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を使用した場合、よりランダムネス値の高い本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を作製することができる。
更に、上記エステル交換反応法を用いる場合、上記式(6)に示すジアニオン型亜鉛アート錯体を用いて、ポリ酢酸ビニルをエステル交換反応する工程を行った後、得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を上記式(6)に示すジアニオン型亜鉛アート錯体を用いて、エステル交換反応する工程を行う方法を用いてもよい。
なお、上記原料ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体とは、通常の市販等のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体のほか、ジアニオン型亜鉛アート錯体を用いて、ポリ酢酸ビニルをエステル交換反応したビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体も含むものである。
上記エステル交換反応の際の反応温度は、特に限定されないが、−80℃〜200℃の範囲から適宜選択することができる。好ましくは、−80℃〜80℃、更に好ましくは、−50℃〜50℃の範囲である。上記ジアニオン型亜鉛アート錯体は、低温においての反応の触媒として有効であり、50℃以下の範囲の温度における使用が特に有効である。
上記エステル交換反応は、常圧で行ってもよく、あるいは減圧下で行ってもよい。
また、上記エステル交換反応の反応時間は、エステル交換反応が終了するように調整することでよい。
更に、上記エステル交換反応を行う際に、副生するアルコールを有機溶媒との共沸により除去する手法をとることも可能である。
上記エステル交換反応において、ジアニオン型亜鉛アート触媒の使用量は、ポリ酢酸ビニル1モルに対して、好ましい下限が0.001モル、好ましい上限が0.5モルである。より好ましい下限は0.001モル、より好ましい上限は0.1モルであり、更に好ましい下限は0.005モル、更に好ましい上限は0.05モルである。
上記ジアニオン型亜鉛アート錯体を用いて、ポリ酢酸ビニルをエステル交換反応する工程は、例えば、ポリ酢酸ビニルを溶媒に溶解した後、ジアニオン型亜鉛アート錯体を添加してエステル交換反応を行い、更に酸を添加することでエステル交換反応を停止する方法を用いることが好ましい。
上記溶媒は特に限定されず、例えば、メタノール、トルエン、ジメチルスルホキシド、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、水、及び、これらの混合溶媒等が挙げられる。
上記エステル交換反応する工程は、均一系で行ってもよく、不均一系で行ってもよい。
なお、均一系とは物質が均一な濃度で存在している系であり、成分が溶媒に溶解している状態を意味する。不均一系は反応系が不均一なことを言い、反応が進行するにつれて、物質が局在化してくる系であり、一部の樹脂などの成分が反応の過程で未溶解となる状態を意味する。
上記エステル交換反応する工程を均一系で行った場合、ビニルアルコールを中心とする三連鎖からなる群がランダム構造であり、酢酸ビニルを中心とする三連鎖からなる群がブロック構造であるビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を得ることが可能となる。
また、上記エステル交換反応する工程を不均一系で行った場合、ビニルアルコールを中心とする三連鎖からなる群がブロック構造であり、酢酸ビニルを中心とする三連鎖からなる群がランダム構造であるビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を得ることが可能となる。
上記ポリビニルアルコールを再酢化する方法としては、例えば、ポリビニルアルコールを酢酸を含有する溶媒に添加し、反応させる方法等が挙げられる。
本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体は、例えば、水溶液の粘度調整剤、ガスバリアコーティング剤、懸濁剤、乳化剤、偏光板、水溶性フィルム、分散剤、各種樹脂の原材料等の用途で使用することができる。
本発明によれば、優れた溶解性を有し、高い可撓性や機械強度、貼り付き性を有するフィルムを作製することが可能なビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、並びに、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の製造方法が得られる。また、本発明のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を用いてフィルムを作製することで、クラックが発生したり、シワが治りにくくなったりするといった不具合や、搬送時にずれが生じることを効果的に防止することができる。
また、膨潤しにくい成分が要因となる未溶解物を抑制できる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
原料となるポリ酢酸ビニル(重合度300)1.0gについて、エタノールで抽出することにより不純物を除去した後、真空乾燥機を用いて乾燥処理を行った。なお、以下の全ての実施例、比較例について、ポリ酢酸ビニルの精製を行った。
得られた精製後のポリ酢酸ビニル0.5g(5.8mmol)を22.5mLのDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解した後、メタノール2.5mLを添加し、更に触媒としてテトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)を0.15mL(1.5mol%)添加した。
30℃で5分間撹拌した後、塩酸を添加することで反応を停止した。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例2)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度300、5.8mmol)を25mLのメタノールに溶解した後、触媒としてテトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)を0.38mL(2.5mol%)添加した。
30℃で45分間撹拌した後、塩酸を添加することで反応を停止した。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例3)
ポリビニルアルコール[けん化度:>99mol%]0.5026g(重合度300、11.4mmol)を、酢酸と水の混合溶媒(酢酸:水=5:5)に溶解することで、ポリビニルアルコールの5重量%溶液10.5gを得た。
得られたポリビニルアルコール溶液を100℃で24時間撹拌し、アセトンで再沈殿させることで、生成物を得た(再酢化反応)。
得られた生成物について、酢酸と水の混合溶媒(酢酸:水=7:3)、次いで、酢酸と水の混合溶媒(酢酸:水=9:1)を用いて同様の操作(再酢化反応)を行うことで生成物を得た。なお、酢酸と水の混合溶媒(酢酸:水=9:1)を用いて再酢化反応を行った後、濃縮により生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を回収した。
(実施例4)
実施例1において、撹拌時間(反応時間)を10分とした以外は、実施例1と同様にして、生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例5)
実施例2において、撹拌時間(反応時間)を90分とした以外は、実施例2と同様にして、生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例6)
実施例4で得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を2重量%になるようにDMSOに溶解した後、5モル%のテトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)を添加し、30℃で24時間撹拌することで、分子内エステル交換反応を行った。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例7)
実施例6において、原料として実施例5で得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を用いた以外は、実施例6と同様にして、生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例8)
実施例4において、撹拌時間(反応時間)を15分とした以外は、実施例4と同様にして、生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例9)
実施例5において、撹拌時間(反応時間)を180分とした以外は、実施例5と同様にして、生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例10)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度300、5.8mmol)を35.4mLのDMSO(ジメチルスルホキシド)及び水8.9mLに溶解した後、NaOHを0.21g(5.1mmol)添加した。60℃で120分間撹拌した後、メタノールで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を2重量%になるようにDMSOに溶解した後、5モル%のテトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)を添加し、30℃で24時間撹拌し、分子内エステル交換反応を行った。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例11)
実施例10において、NaOHの添加量を0.16g(3.9mmol)とした以外は、実施例10と同様にして、生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例12)
原料となるポリ酢酸ビニル0.5g(重合度300、5.8mmol)を35.0mLのアセトン及び水5mLに溶解した後、NaOH0.175g(4.2mmol)を水3.5mLに溶解させた水溶液を添加した。60℃で2時間反応させ、遠心分離させることで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を2重量%になるようにモレキュラーシーブスで乾燥させたDMSOに溶解した後、1.5モル%のテトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)を添加し、30℃で24時間撹拌することで、分子内エステル交換反応を行った。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例13)
実施例12において、TBZLの添加後の撹拌時間(反応時間)を17時間とした以外は、実施例12と同様にして、生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例14)
実施例12において、TBZLの添加後の撹拌時間(反応時間)を3時間とした以外は、実施例12と同様にして、生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例15)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度1000、5.8mmol)を25mLのメタノールに溶解した後、NaOHを0.052g(0.22mol%)添加した。40℃で60分間撹拌した後、メタノールで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を2重量%になるようにDMSOに溶解した後、5モル%のテトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)を添加し、室温で16時間撹拌し、分子内エステル交換反応を行った。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例16)
実施例15において、TBZLの添加後の撹拌時間(反応時間)を18時間とした以外は、実施例15と同様にして、生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例17)
実施例15において、TBZLの添加後の撹拌時間(反応時間)を19時間とした以外は、実施例15と同様にして、生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例18)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度600、5.8mmol)を25mLのメタノールに溶解した後、NaOHを0.045g(0.19mol%)添加した。60℃で120分間撹拌した後、メタノールで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を2重量%になるようにDMSOに溶解した後、5モル%のテトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)を添加し、室温で21時間撹拌し、分子内エステル交換反応を行った。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例19)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度600、5.8mmol)を25mLのメタノールに溶解した後、NaOHを0.047g(0.20mol%)添加した。60℃で120分間撹拌した後、メタノールで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を2重量%になるようにDMSOに溶解した後、5モル%のテトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)を添加し、室温で19時間撹拌し、分子内エステル交換反応を行った。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例20)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度600、5.8mmol)を25mLのメタノールに溶解した後、NaOHを0.047g(0.20mol%)添加した。60℃で120分間撹拌した後、メタノールで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を2重量%になるようにDMSOに溶解した後、5モル%のテトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)を添加し、室温で24時間撹拌し、分子内エステル交換反応を行った。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例21)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度1450、5.8mmol)を25mLのメタノールに溶解した後、NaOHを0.040g(0.17mol%)添加した。60℃で120分間撹拌した後、メタノールで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を2重量%になるようにDMSOに溶解した後、5モル%のテトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)を添加し、室温で24時間撹拌し、分子内エステル交換反応を行った。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(実施例22)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度1450、5.8mmol)を25mLのメタノールに溶解した後、NaOHを0.045g(0.19mol%)添加した。60℃で120分間撹拌した後、メタノールで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
得られたビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を2重量%になるようにDMSOに溶解した後、5モル%のテトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウム(TBZL)を添加し、室温で19時間撹拌し、分子内エステル交換反応を行った。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(比較例1)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度300、5.8mmol)を35.4mLのアセトン及び水8.9mLに溶解した後、NaOHを0.12g(2.9mmol)添加した。
60℃で120分間撹拌した後、エバポレーターで濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(比較例2)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度300、5.8mmol)を22.5mLのDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解した後、メタノール2.5mLを添加し、更に触媒としてCHONaを4.8mg(1.5mol%)添加した。
30℃で80分間撹拌した後、過剰量の酢酸を添加することで反応を停止した。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(比較例3)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度300、5.8mmol)を25mLのメタノールに溶解した後、触媒としてCHONaを8.6mg(2.5mol%)添加した。
30℃で17時間撹拌した後、過剰量の酢酸を添加することで反応を停止した。その後アセトンで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(比較例4)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度300、5.8mmol)を35.4mLのDMSO(ジメチルスルホキシド)及び水8.9mLに溶解した後、NaOHを0.12g(2.9mmol)添加した。
60℃で120分間撹拌した後、メタノールで透析し、濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(比較例5)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度300、5.8mmol)を35.0mLのアセトン及び水5mLに溶解した後、NaOH0.175g(4.2mmol)を水3.5mLに溶解させた水溶液を添加した。60℃で2時間反応させ、遠心分離させることで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(比較例6)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度600、5.8mmol)を35.4mLのアセトン及び水8.9mLに溶解した後、NaOHを0.045g(0.19mol%)添加した。
60℃で120分間撹拌した後、エバポレーターで濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(比較例7)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度600、5.8mmol)を35.4mLのアセトン及び水8.9mLに溶解した後、NaOHを0.047g(0.20mol%)添加した。
60℃で120分間撹拌した後、エバポレーターで濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
(比較例8)
ポリ酢酸ビニル0.5g(重合度600、5.8mmol)を35.4mLのアセトン及び水8.9mLに溶解した後、NaOHを0.052g(0.22mol%)添加した。
60℃で120分間撹拌した後、エバポレーターで濃縮することで生成物(ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体)を得た。
Figure 2019098247
(評価方法)
上記で得られた生成物を以下の方法で評価した。結果を表2に示した。
(1)H−NMR測定
得られた生成物をH−NMR測定することで、生成物の組成比(VOH:ビニルアルコール、Vac:酢酸ビニル)を測定した。なお、H−NMR測定には、JEOL JNM−ECX500を用い、DMSO−d溶液(1wt/vol%)を用いて150℃で測定を実施した。解析には水のピークを消失させるため、プレサチュレーション法用いた。プレサチュレーション法を用いることで、水酸基由来のピークが消失し、解析精度を向上させることができる。NMRを用いた3連鎖の解析にはJEOL RESONANCE社製のNMR解析ソフトDELTA Vre.5を用いた。
また、ビニルアルコールを中心とする三連鎖(AOA、AOO、OOO)、酢酸ビニルを中心とする三連鎖(AAA、AAO、OAO)の三連鎖含有比を、各連鎖3種類としてピークフィッティングすることにより得られた面積値から算出した。各ピークの帰属は、文献(Macromolecules 1982, 15, 1071)を参考にした。なお、ピークは立体構造などの影響で先端が分裂することがあるが、一本のピークと見なしてフィッティングを行った。
なお、「AOO」と「OOA」は合わせて「AOO」とし、「AAO」と「OAA」は合わせて「AAO」とした。
更に、ビニルアルコールからなるユニット及び酢酸ビニルからなるユニットの平均連鎖長(L、L)、三連子ユニット連鎖率(TOO、TOA、TAO、TAA)を算出した。
また、TOO、VOH、重合度(DP)から、TOO/VOH、連鎖重合度積(PDOH)及び連鎖重合度比(RDOH)を算出した。更に、AAA含有比、OAO含有比、VacからA中心傾斜値を算出した。なお、各ピークのケミカルシフト値の差は0.26であった。
(2)フィルム溶解性
(2−1)フィルム作製
イオン交換水に得られた生成物を5重量%となるように完全に溶解させた。
得られた水溶液を塗布した後、フィルムを形成するまで25℃の室温で水を乾燥させることでフィルムを得た。その後、温度25℃、湿度50%RHで24時間養生させた。得られたフィルムの厚みは100μmであった。
(2−2)溶解性評価
得られたフィルム0.5gと8mLのイオン交換水をサンプル管に投入し、マグネチックスターラーで撹拌しながら、以下の基準で溶解性を評価した(液温25℃)。なお、溶解性の評価は、目視にて行い、残渣の有無の確認は撹拌を止めて行った。また、実施例1、2、3、比較例1、2、3、4に関しては、イオン交換水に代えて、イオン交換水/テトラヒドロフランの混合溶媒(50/50)を溶媒として用いた。また、実施例15、16、17に関しては、13.3mLのイオン交換水、実施例21、22に関しては、19.3mLのイオン交換水を用いて評価を行った。
◎◎:フィルムが5分未満で溶解
◎:フィルムが5分以上、20分未満で溶解
○:フィルムが20分〜3時間で溶解
△:フィルムが3時間超、120時間以下で溶解
×:120時間を超えても、浮遊している残渣が確認できる
(3)フィルム可撓性(動的粘弾性)評価
「(2−1)フィルム作製」で得られたフィルムを室温、湿度40〜50%の環境に24時間静置し、測定サンプルとした。
その後、動的粘弾性測定装置(DVA−200、アイティー計測制御社製)を用いて、下記の条件で損失弾性率のピーク値及びtanδのピーク値を測定し、以下の基準で評価した。
(測定条件)
つかみ間長:15mm
試料幅:5mm
変形様式:引張
設定歪:0.10%
測定温度:−20℃から150℃
設定昇温速度:20℃/分
測定周波数:10Hz
(評価基準)
◎:tanδのピーク値が0.4以上かつ損失弾性率のピーク値が550MPa以上
○:tanδのピーク値が0.4以上かつ損失弾性率のピーク値が550MPa未満
×:tanδのピーク値が0.4未満
(4)機械強度(引張性)評価
「(3)フィルム可撓性(動的粘弾性)評価」で得られた測定サンプルについて、万能材料試験機(オリエンテック社製、テンシロンRTC−1310A)を用い、下記の条件で、100%伸び時点の応力(MPa)及び破断点伸度(%)を測定した。
その後、「100%伸び時点の応力」を「破断点伸度」で割った値(応力/伸び)を算出し、以下の基準で評価した。例えば、100%伸び時点の応力が10MPa、破断点伸度が200%であった場合、応力/伸びの値は0.05となる。
(測定条件)
試料幅:5mm
チャック間:30mm
ロードセル:1kN
試験速度:50mm/分
温度:24℃
湿度:50%RH
(評価基準)
◎◎:応力/伸びの値が0.05未満
◎:応力/伸びの値が0.05以上、0.1未満
○:応力/伸びの値が0.1以上、0.3未満
×:応力/伸びの値が0.3以上
(5)フィルムタック性評価
「(3)フィルム可撓性(動的粘弾性)評価」で得られた測定サンプルについて、タッキング試験機(RHESCA社製、TAC−1000)を用いて、以下の条件でサンプルを加熱した。
サンプルを設置した3分後に、上側より直径5.0mmのSUS製のプローブを接触させた。プローブを測定試料に接触させる時のスピードは1mm/秒、押し付け保持時間は5秒である。その後、プローブを1mm/秒の剥離速度で上方に引き剥がし、負の方向に現れるピーク(剥離開始点)の値を読み取った。3回試験をした内の、近い値2つを採用して平均値を算出して以下の基準で評価した。
(測定条件)
サンプル温度:70℃
サンプル加温時間:3分
(評価基準)
◎:ピーク値が100gf以上
○:ピーク値が4gf以上、100gf未満
×:ピーク値が4gf未満
(6)ゲル生成確認評価(パルスNMR Solid Echo法測定)
(6−1)サンプル
得られたフィルム300mgを量り取った。その後、パルスNMR測定において、含水率が変化することによる評価結果のずれを抑制するため、フィルムを23℃、50%RHの恒温室で48時間養生した。養生後のPVAフィルムを長さ15mmの短冊状にカットしてフィルムサンプルとした。
(6−2)測定
フィルムサンプルを直径10mmのガラス製のサンプル管(BRUKER製、品番1824511、10mm径長さ180mm、フラットボトム)に垂直に充填した。
フィルムサンプル約300mgに60℃に加温した重水(Deuteerium oxide 99.9 atom%D)を2mL加えた。次いで、60℃に設定したテンパリングユニット(BRUKER社製「サンプルオートメーション」に付随した恒温槽)内で2時間加温した後に、サンプル管をパルスNMR装置(BRUKER社製、「the minispec mq20」)に設置し、測定を行った。なお、測定は60℃でSolid Echo法で行った。
<Solid Echo法>
Scans:256times
Recycle Deray:1sec
Acquisition scale:1ms
Temperature:60℃
(6−3)解析方法
得られた横緩和時間T2について、データ分析ソフトウェア(OriginLab Corporation社製、ORIGIN Pro (Ver.2017J)を用いて解析を行った。具体的には、パルスNMR測定により得られた自由誘導減衰の0〜0.3msecまでの部分を、線形最小二乗法によって下記式(9)にフィッティングし、2つの成分「ハード成分」と「ソフト成分」とに分離し、各成分の横緩和時間(それぞれT2hおよびT2s)および成分比率(それぞれA1およびA2)を算出した。
緩和時間T2hが0.02m秒未満の成分をハード成分とし、ガウス型関数(ワイブル係数w1が2)で、T2sが0.02m秒以上のソフト成分は、エクスポーネンシャル型関数(ワイブル係数w2が1)で2成分の波形分離処理を行った。そのハード成分の分率を測定し、以下の基準でゲル生成確認評価を評価した。
Figure 2019098247
◎◎:ハード成分が2%以下
◎:ハード成分が2%超、8%以下
○:ハード成分が8%超、10%以下かつ緩和時間T2hが0.01m秒以上
△:ハード成分が8%超、10%以下かつ緩和時間T2hが0.01m秒未満
×:ハード成分が10%超
(7)熱分析(融点)
得られたフィルムの融点をDSC6220(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、以下の条件で実施した。なお、融点は、2度目の昇温時のデータに基づき測定した。
(測定条件)
サンプル量:約20mg
温度条件:25℃→20℃/分→−5℃(保持時間5分)
−5℃→10℃/分→250℃(保持時間5分)
250℃→10℃/分→−5℃(保持時間5分)
−5℃→10℃/分→250℃(保持時間5分)
250℃→30℃/分→25℃(保持時間10分)
測定雰囲気:窒素50mL/分
(8)総合評価
「(2)フィルム溶解性」、「(3)フィルム可撓性評価」、「(4)機械強度評価」、「(5)フィルムタック性評価」、「(6)フィルム膨潤性評価」の評価について、◎◎を3点、◎を2点、○を1点、△を0.5点、×を0点として合計点を算出した。なお、「(2)フィルム溶解性」、「(6)フィルム膨潤性評価」については点数を5倍して算出した。
Figure 2019098247
本発明によれば、優れた溶解性を有し、高い可撓性や機械強度、貼り付き性を有するフィルムを作製することが可能なビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、並びに、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の製造方法を提供することができる。

Claims (9)

  1. ビニルアルコールからなるユニットと、酢酸ビニルからなるユニットとを有するビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体であって、下記式(1)を用いて得られる三連子ユニット連鎖率TOOが7.5以下であることを特徴とするビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体。
    Figure 2019098247
    式(1)中、VOH含有量はビニルアルコールからなるユニットの含有量、Vac含有量は酢酸ビニルからなるユニットの含有量、OOO含有比はOOO三連鎖の含有比、AOO含有比はAOO三連鎖の含有比を示す。
  2. ビニルアルコールからなるユニットの平均連鎖長Lが1以上であることを特徴とする請求項1記載のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体。
  3. 酢酸ビニルからなるユニットの平均連鎖長Lが1以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体。
  4. ビニルアルコールからなるユニットの含有量が0.2〜99.8モル%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体。
  5. 下記式(2)を用いて得られる三連子ユニット連鎖率TAOが0.5以下であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体。
    Figure 2019098247
    式(2)中、VOH含有量はビニルアルコールからなるユニットの含有量、Vac含有量は酢酸ビニルからなるユニットの含有量、AOO含有比はAOO三連鎖の含有比、AOA含有比はAOA三連鎖の含有比を示す。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を製造する方法であって、
    下記式(6)に示すジアニオン型亜鉛アート錯体を用いて、ポリ酢酸ビニル又は原料ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体をエステル交換反応する工程を有することを特徴とするビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の製造方法。
    Figure 2019098247
    式(6)中、nは1〜4の整数、mは1又は2であり、Rはnが1又は2のときはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアリールアルキル基であり、Mはリチウム又はマグネシウムである。
  7. ジアニオン型亜鉛アート錯体が、テトラt−ブチル亜鉛酸ジリチウムであることを特徴とする請求項6記載のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の製造方法。
  8. エステル交換反応する工程を均一系で行うことを特徴とする請求項6又は7記載のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の製造方法。
  9. エステル交換反応する工程を不均一系で行うことを特徴とする請求項6又は7記載のビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の製造方法。
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