JPWO2019026227A1 - 固定子、電動機、密閉型圧縮機および固定子の製造方法 - Google Patents

固定子、電動機、密閉型圧縮機および固定子の製造方法 Download PDF

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Abstract

磁極歯であるティース(32c)を有する固定子鉄心(32a)と、ティース(32c)に取り付けられた絶縁部材(38)を介して巻き回された巻線(37)と、が備えられている。絶縁部材(38)には、リード線(39)と巻線(37)とを拘束する拘束部(56a〜57i)が備えられている。固定子鉄心(32a)は、密閉容器(1)に固定されている。拘束部(56a〜57i)は、拘束した巻線(37)の切断面が固定子鉄心(32a)の内側を向くように巻線(37)を拘束している。これにより、巻線の切断面と密閉容器の内周面との絶縁距離を確保する。

Description

この発明は、密閉型圧縮機等に用いられる電動機に係わり、特に固定子の結線処理構造の改良に関するものである。
従来の密閉型圧縮機等に用いられる電動機の固定子は、内周部に沿って複数の磁極歯を有する固定子鉄心と、この固定子鉄心の各磁極歯に絶縁部材を介して巻回される巻線とから構成される。固定子鉄心の端面には、巻線の端末部を拘束する拘束部が設けられている。拘束部には、拘束溝が設けられており、巻線の巻始め端末部、または、巻線の巻終わり端末部を拘束する。また、その拘束溝には、巻線の巻始め端末部どうしを接続し、さらに、電源側リード線を接続する渡り線や、巻線の巻終わり端末部どうしを接続し、中性点を形成する渡り線も、拘束される。拘束された巻線の端末部や渡り線は、拘束部にはめ込まれる金属片により、接続される。(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−70652号公報
電動機の固定子では、その性能向上のためには、磁極歯と磁極歯とをつなぎ合わせているバックヨークの占める割合は、小さい方が良い。したがって、固定子端面において、巻線が巻回される磁極歯を除くスペースは、限られており、そのスペースに、拘束部は設けられている。一方、固定子の結線処理方法は、巻線の端末部や渡り線の端末部を拘束溝に拘束した後に、不要な部分を切断する。狭いスペースに設けられた拘束部において、その切断作業の利便性のため、巻線の端末部や渡り線の端末部が、固定子の半径方向、かつ、中心に対して外周方向に向くように配置されている。よって、巻線および渡り線の切断面は、固定子の半径方向、かつ、中心に対して外周方向に、露出して配置される。
密閉型圧縮機は、圧縮動作によって生じる高圧高温のガスを扱うので、全ての機構が金属の密閉容器に収納されている。その電動機構部も、同様に、密閉容器の内周面に固定子の外周面を嵌合し、密閉容器内に収納される。したがって、拘束部と密閉容器とが、接近して配置される。電動機構部は、小型ながら高トルクを得るため、定格電圧も高く、高電圧が印加される。この結果、狭いスペースの中で、巻線の端末部の切断面および渡り線の端末部の切断面と密閉容器の内周面との絶縁距離を確保することに課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来の固定子の結線処理における作業性を維持し、巻線の端末部の切断面と固定子を固定する密閉容器の内周面との絶縁距離を確保できる高効率で低価格な固定子、電動機および密閉型圧縮機を提供するものである。
この発明に係る固定子、電動機および密閉型圧縮機は、磁極歯を有する固定子鉄心と、磁極歯に取り付けられた絶縁部材を介して巻き回された巻線と、絶縁部材に設けられリード線と巻線とを拘束する拘束部と、を備え、拘束部は、巻線の切断面が固定子鉄心の内側を向くように巻線を拘束するものである。
この発明に係る固定子、電動機および密閉型圧縮機は、磁極歯を有する固定子鉄心と、磁極歯に取り付けられた絶縁部材を介して巻き回された巻線と、絶縁部材に設けられリード線と巻線とを拘束する拘束部と、を備え、拘束部は、巻線の切断面が固定子鉄心の内側を向くように巻線を拘束しているので、巻線の切断面と密閉容器の内周面との絶縁距離を確保するとともに、従来の固定子の結線処理における作業性を維持し、高効率で低価格な固定子、電動機および密閉型圧縮機を得ることができる。
この発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の全体の説明図である。 この発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の電動機構部の断面図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の固定子鉄心の概略説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の固定子の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の巻線の結線図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の巻線の回路図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の絶縁部材の構造図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の絶縁部材による結線方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の巻線の結線方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の絶縁部材による結線方法を説明する別図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の渡り線の結線方法を説明する別図である。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における密閉型の回転圧縮機を示す縦方向すなわちクランクシャフトの半径方向から見た断面図である。
圧縮機構部とその周囲の構成について、説明する。
図1に示すように、密閉型圧縮機100には、圧縮機構部2と、電動機構部3と、が備えられている。圧縮機構部2と電動機構部3とは、その外周を囲む密閉容器1に収納されている。そして、圧縮機構部2と電動機構部3とは、密閉容器1の内周面に固定されている。密閉容器1は、その内部が圧縮された冷媒ガスにて満たされるので、機密性、耐熱性、強度が要求される金属製の容器である。密閉容器1は、上部容器11と下部容器12とで、構成されている。電動機構部2と圧縮機構部3とは、クランクシャフト4にて連結され、圧縮機構部2は電動機構部3によって駆動される。
クランクシャフト4は、主軸部41と副軸部42と偏芯軸部43とから構成され、軸方向に主軸部41、偏心軸部43、副軸部42の順に設けられている。すなわち、偏芯軸部43の軸方向の一方に主軸部41が、偏芯軸部43の軸方向のもう一方に副軸部42が、設けられている。主軸部41、副軸部42、偏芯軸部43は、それぞれ、ほぼ円柱状の形状をしており、主軸部41と副軸部42の軸の中心が一致するように、すなわち同軸に設けられている。一方、偏芯軸部43の軸の中心は、主軸部41、副軸部42の軸の中心からずらされて設けられている。主軸部41、副軸部42が軸の中心を中心に回転すると、偏芯軸部43は偏芯回転をする。偏心軸部43には円筒状の形状のローリングピストン21が摺動自在に装着されている。
圧縮機構部2は、シリンダ22、主軸受23、副軸受24などから構成されている。
シリンダ22には、ほぼ円筒形で、軸方向の両端が開口された内部空間が設けられている。内部空間の軸方向両端の開口部は、それぞれ、主軸受23および副軸受24にて閉塞されている。シリンダ22の内部空間には、クランクシャフト4の偏芯軸部43とローリングピストン21とが収納されている。シリンダ22には、その内部空間の半径方向に溝が設けられており、溝内を半径方向に往復運動する図示しないベーンが備えられている。ベーンは、その一端がローリングピストン21の外周面に当接され、ローリングピストン21の外径側の外周面とシリンダ22の内部空間の内周面とによって形成される空間を2つに分けている。すなわち、冷媒ガスを圧縮する圧縮室が形成される。
密閉容器1に隣接して、冷媒音を消音する役割を有する吸入マフラ101が設けられている。吸入マフラ101は吸入連結管5によりシリンダ22に連結する。吸入連結管5の一端は、吸入マフラ101内に開口し、他端は、シリンダ22に形成された圧縮室に開口する吸入口に接続されている。吸入マフラ101、吸入連結管5から吸入される冷媒ガスは、吸入口を介して、シリンダ22に形成された圧縮室に吸入される。
主軸受23には、クランクシャフト4の主軸部41を挿通する軸受孔が設けられている。主軸受23は、その軸受孔に挿通された主軸部41を支持することで、クランクシャフト4を回転自在に支持する。
同様に、副軸受24には、クランクシャフト4の副軸部42を挿通する軸受孔が設けられている。副軸受24は、その軸受孔に挿通された副軸部42を支持することで、クランクシャフト4を回転自在に支持する。
主軸受23には、冷媒音の消音を目的に吐出マフラ25が取り付けられている。主軸受23と吐出マフラ25との間には、第1の吐出空間であるマフラ室が形成されている。主軸受23には、図示しない吐出口が設けられており、シリンダ22に形成された圧縮室と連通している。圧縮室にて圧縮された冷媒ガスは、この吐出口を介して吐出マフラ25のマフラ室内に吐出される。この吐出口は、通常、図示しない吐出弁にて、閉塞されている。圧縮室内の冷媒ガスが、所定の圧力に達したところで、吐出弁は、吐出口を開口する。
吐出マフラ25の上部には、開口部25aが設けられており、マフラ室内の冷媒ガスは開口部25aを介して、密閉容器1内に放出される。
密閉容器1の上部すなわち上部容器11には、吐出管6が取り付けられている。密閉容器1内に放出された冷媒ガスは、吐出管6を介して、密閉容器1の外部に、冷媒ガスを吐出する。
圧縮機構部2の動作について、簡単に説明する。
まず、吸入マフラ101、吸入連結管5、吸入口を介して、シリンダ22に形成された圧縮室に冷媒ガスが吸入される。圧縮室では、ローリングピストン21、すなわち、偏芯軸部43が、偏芯軸部43の偏芯回転により、シリンダ22の内部空間を移動して、吸入口との連通が断たれる。さらに、ローリングピストン21が偏芯回転していくと、圧縮室の容積が縮小し、吸入した冷媒ガスを圧縮する。ローリングピストン21の偏芯回転が進むにしたがって、圧縮室は吐出口と連通する。圧縮室と吐出口が連通し、冷媒ガスが所定の圧力に到達すると、吐出口を閉塞している吐出弁が開口する。吐出口が開口すると、圧縮室内の冷媒ガスは、吐出口を介して、吐出マフラ25のマフラ室内に吐出される。ローリングピストン21が偏芯回転していくと、吐出ポートとの連通が断たれ、再び、吸入ポートと連通される。これが繰り返されることによって、圧縮機構部2は、冷媒ガスを吸入、圧縮、吐出を行う。一連の動作は、ローリングピストン21がシリンダ22の内部空間内を一回転する間に行われる。
密閉型圧縮機100の外部には、熱交換器や膨張弁などから構成される冷凍回路が設けられており、密閉型圧縮機100から吐出された冷媒ガスが、冷凍回路を循環して、再び、密閉型圧縮機100に戻るように接続されている。すなわち、圧縮機構部2にて、圧縮された冷媒ガスは、吐出管6から密閉容器1の外に吐出され、冷凍回路を循環し、吸入マフラ101および吸入連結管5を経由して、圧縮機構部2に吸入される。このように構成されている。
なお、圧縮機構部2の構成と動作とは、図1に示したロータリ型圧縮機を例に説明したが、本願における電動機構部3の電動機は、ロータリ型圧縮機に限定されるものではなく、スクロール型、レシプロ型、いずれの機構であっても構わない。ローリングピストンとベーンとは、別体であり、当接される構成を説明してきたが、これは、一体型であっても、構わない。また、圧縮機構部2と電動機構部3と配置についても、必ず、圧縮機構部2の上方に電動機構部3が配置される構成でなくても構わない。すなわち、上下逆であっても、横向きの配置で、左右に並んでいる構成であっても、構わない。これら、圧縮機構部2の構成は、一例であって、本願の特徴は、これらの構成に限られるものではない。
ローリングピストン21およびクランクシャフト4は、電動機構部3によって、回転させられる。
電動機構部3の構成について、説明する。図2は、密閉型圧縮機100を電動機構部3の部分にて、クランクシャフト4に対して垂直な平面にて切断した断面図である。電動機構部3の構成は、図1と図2とを使用して、説明していく。
電動機構部3は、回転子31と、その回転子31のその外側を囲むように設けられた固定子32と、から構成される。
回転子31は、回転子31の中心軸上に、軸方向に貫通するシャフト穴31bが設けられている。回転子31のシャフト穴31bには、クランクシャフト4の主軸部41が挿入され、回転子31は主軸部41に固定されている。
固定子32は、密閉型圧縮機100の外周を形成する密閉容器1内に挿入され、焼嵌などにより、密閉容器1の内周面に固定されている。すなわち、固定子32の半径方向の外周面と密閉容器1の内周面とが接して、固定されている。
回転子31は、図2のように、円柱形であり、クランクシャフト4の主軸部41に固定されている。回転子31は、薄板状の電磁鋼板をクランクシャフト4の軸方向に積み重ねた回転子鉄心31aから構成されている。回転子鉄心31aを構成する電磁鋼板は、電磁鋼板を一定の形状に打ち抜き、複数枚、軸方向に積み重ね、積み重ねた電磁鋼板どうしは、かしめまたは溶接により固定されている。
回転子鉄心31aは、シャフト穴31bを囲むように、軸方向に貫通する磁石挿入穴31cが設けられている。その磁石挿入穴31cには、平板形状の希土類から形成された永久磁石33が挿入され、固定されている。磁石挿入穴31cおよび永久磁石33は、一般的に、偶数個、備えられ、回転子鉄心31aの半径方向の外縁部、すなわち、回転子鉄心31aの半径方向の外周面近傍に設けられている。
回転子31は、永久磁石33によって、磁束を発生する。
回転子鉄心31aの上部には、図1のように、上部バランスウェイト34a、下部には下部バランスウェイト34bが設けられている。上部バランスウェイト34a、下部バランスウェイト34bは、クランクシャフト4の偏芯軸部43が偏芯回転するときの荷重を打ち消すため、設けられている。さらに、上部バランスウェイト34a、下部バランスウェイト34bは、永久磁石33の飛散も防止する。上部バランスウェイト34aと下部バランスウェイト34bと回転子鉄心31aとは、リベット35によって固定されている。回転子鉄心31a、上部バランスウェイト34a、下部バランスウェイト34bには、軸方向に貫通するリベット穴が設けられ、そのリベット穴に、リベット35が挿入され、固定される。なお、クランクシャフト4の偏芯軸部43が偏芯回転するときの荷重が小さく、打ち消す必要が無い場合には、上部バランスウェイト34a、下部バランスウェイト34bの代わりに、端板が取り付けられても構わない。端板が永久磁石33の飛散を防止する。
また、回転子鉄心31aには、軸方向に連通する連通孔36が設けられている。連通孔36は、圧縮機構部2から吐出された冷媒ガスを、通過させるためのものである。すなわち、圧縮機構部2から吐出された冷媒ガスは、連通孔36を通過して、吐出管6へ送り出される。
なお、連通孔36以外にも、回転子31と固定子32との隙間や、固定子32の隙間、固定子32と密閉容器1との隙間を介して、圧縮機構部2から吐出された冷媒ガスは、吐出管6へ送り出される。
固定子32は、図2のように、全体が円筒形であり、その内側に回転子31が備えられている。固定子32と回転子31とは、0.3mmから1.0mm程度の空隙を持って、設置されている。固定子32は、薄板状の電磁鋼板をクランクシャフト4の軸方向に積み重ねた固定子鉄心32aから構成されている。
固定子鉄心32aは、外縁の円筒形部分を構成するバックヨーク32bと、バックヨーク32bの内側に設けられた複数の磁極歯すなわちティース32cと、から構成される。ティース32cは、固定子鉄心32aの中心軸、すなわち、クランクシャフト4に向かって延伸している。その先端は、回転子の外周面と対向するように、逆円弧状に広がっている。ティース32cとティース32cとの間には、固定子巻線37が占有するスロット32dが形成される。
図2では、ティース32cごとに、バックヨーク32bにて分離して、形成し、固定子巻線37を巻き回した後、成形品を、バックヨーク32bにて、円環状につなぎ合わせて、固定子鉄心32a、すなわち、固定子32を形成したものである。これは、製造方法の一例であって、本願の特徴は、この方法に限られるものではない。
ティース32cには、絶縁部材38を介して、固定子巻線37が巻き回されている。ティース32cに固定子巻線37が巻き回され、磁極を形成する。
固定子巻線37は、導体である芯線と、芯線を覆う少なくとも1層の被膜とから構成される導線である。単線であることが多いが単線を複数まとめて使用することもある。被膜の材質は、絶縁性の材質であり、AI(アミドイミド)/EI(エステルイミド)である。芯線の材質は、銅、アルミニウム、または、導通性のある合金である。固定子32は、固定子巻線37に電流を流すことによって、ティース32cごとに磁束を発生する。
なお、被膜は絶縁性があるので、導線どうしが接触しても導通はしない。
絶縁部材38は、主に鉄で構成された固定子鉄心32aと、銅で構成された固定子巻線37とを絶縁する。絶縁部材38の材質は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などが使用される。
絶縁部材38は、固定子巻線37の末端である端末部を拘束し固定する拘束部が設けられている。絶縁部材38が固定子鉄心32aに装着された状態では、拘束部はティース32cとつながるバックヨーク32bの軸方向の端面に配置される。拘束部には拘束溝が設けられている。拘束溝には、ティース32cに巻き回された固定子巻線37の端末部の一方が拘束される。固定子巻線37の端末部のもう一方は、固定子巻線37の端末部の一方が拘束された拘束部とは、別の拘束部の拘束溝に拘束される。このようにして、ティース32cに巻き回された固定子巻線37の端末部は、拘束部に係止される。
なお、拘束部の拘束溝には、固定子巻線37以外に、渡り線やリード線39も、拘束される。
拘束部には、圧接端子が組み込まれる。圧接端子にも、溝が設けられており、その溝が、それぞれの線を挟みこむ構造となっている。圧接端子は、導電性のある金属でできている。そして、固定子巻線37、渡り線、リード線39を、電気的に接続する。すなわち、固定子巻線37は、拘束部と、拘束部に組み込まれる圧接端子とを介して、渡り線、リード線39と接続される。
渡り線は、異なるティース32cに巻き回された固定子巻線37どうしを接続する導線である。例えば、複数の固定子巻線37を直列あるいは並列に接続したり、複数の固定子巻線37の端末部を接続し、中性点を形成させたりする。
リード線39は、密閉容器1の外部の電源から固定子巻線37に電源供給する導線であって、密閉容器1の外部の電源に接続する接続端子と固定子巻線37とを接続する導線である。導線の材質と構成は固定子巻線37と同じであったり、撚線であったりする。リード線39の一端は絶縁部材38の拘束部に拘束される。もう一端には、端子39aが取り付けられており、端子39aは、接続端子7と接続される。
接続端子7は、密閉容器1の上部容器11に設けられた端子で、密閉容器1の内外を電気的に接続する。これにより、絶縁部材38の拘束部に拘束された固定子巻線37および渡り線を、リード線39、端子39a、接続端子7を介して、外部の装置とつなぎ、電気的に導通させる。
なお、接続端子7は、下部容器12に設けられていても構わない。
接続端子7は、密閉型圧縮機100の外部に設けられた電源、例えば、インバータ装置などに接続される。この電源から、電動機構部3に通電され、電動機構部3が動作する。すなわち、固定子32が磁束を発生し、回転子31が回転運動を行う。そして、クランクシャフト4を介して、圧縮機構部2を駆動する。
ところで、固定子巻線37は、拘束部の拘束溝に固定した後、その余剰分は、電動機構部3の動作の邪魔にならないように切断する。切断作業の作業性と、切断した固定子巻線37の破片が、固定子32に残らないように、固定子32の中心から半径方向の外周側へ引き出し、切断を行っている。したがって、拘束部の拘束溝も固定子32の中心から半径方向の外周方向に設けられている。
一方、密閉型圧縮機100は、固定子32の半径方向の外周部を、金属製の密閉容器1の内周面に接触し、固定している。そのため、固定子巻線37の切断した断面も、密閉容器1の内周面に向いているため、絶縁距離を確保する必要がある。絶縁距離とは、例えば、IEC−J60950などに規定された規格である。特に、密閉型圧縮機100の電動機構3では、100Vから200Vの高電圧が印加されるので、絶縁距離の確保は重要である。
しかしながら、固定子鉄心32aの軸方向の端面のスペースは狭く、絶縁距離を十分に確保しようとすると、拘束部を、密閉容器1の内周面から、固定子32のティース側へ移動することが望ましい。しかし、それは、固定子巻線37を巻き回すスペースを阻害する。固定子巻線37のスペースを阻害すると、固定子巻線37が十分に巻き回せない。そのため、発生トルクが低下し、効率も低下する。拘束部を自由に配置するために、固定子32が発生する磁路や強度とは関係なく、バックヨークを確保することとなる。
そこで、本願では、拘束部における固定子巻線37などの拘束方法を改善して、密閉容器1の内周面と拘束部に拘束される固定子巻線37の端末部との距離を確保する構造とした。
具体的な構成は、図3、4、5、6にて、説明していく。
図3は、固定子鉄心32aをクランクシャフト4の軸方向から見た平面図であり、図4は、その固定子鉄心32aに固定子巻線37を巻き回したときの状態である。図5は、その固定子巻線37の概略の結線図であり、その固定子巻線37の結線状態を整理したものが図6である。
図3の固定子鉄心32aは、複数の鉄心部材51a〜51iが連結されたものである。
鉄心部材51a〜51iは、薄板状の電磁鋼板をクランクシャフト4の軸方向に積み重ねて、形成されたものであり、円弧状のバックヨーク52a〜52iの部分とバックヨーク52a〜52iに直角かつ中心方向に延伸したティース53a〜53iの部分とから構成されている。バックヨーク52a〜52iはそれぞれの端部にて接続され、円環状に組み立てられる。なお、バックヨーク52a〜52iは、図2のバックヨーク32bを構成するものであり、ティース53a〜53iはティース32cと同じものである。
ティース53a〜53iには、それぞれ、図4のように巻線54a〜54iが巻き回されている。
固定子鉄心32aの軸方向の端面、すなわち、鉄心部材51a〜51iの端面には、絶縁部材55a〜55iが取り付けられている。絶縁部材55a〜55iは、鉄心部材51a〜51i同様に、分割されている。そして、鉄心部材51a〜51iには、絶縁部材55a〜55iが、それぞれ、取り付けられている。すなわち、鉄心部材51aには絶縁部材55aが、鉄心部材51bには絶縁部材55bが、というように、取り付けられている。鉄心部材51a〜51i同様に、円環状に配置され、図2の絶縁部材38を構成する。なお、絶縁部材38は、固定子鉄心32aの両端面に取り付けられているが、2つはほぼ同じものなので、もう一方の絶縁部材38の説明は省略する。
絶縁部材55aの軸方向の端面には、拘束部56a、57aが設けられている。拘束部56a、57aは、巻線54aの端末部をそれぞれ拘束する。絶縁部材55b〜55iについても、同様に、拘束部56b〜56i、57b〜57iが設けられ、巻線54b〜54iの端末部を拘束する。
絶縁部材55a〜55iの拘束部56a〜56i、57a〜57iには、巻線54a〜54iの端末部以外にも、渡り線58a〜58cの端末部およびリード線60a〜60cの端末部も拘束される。
ここで、巻線の端末部、渡り線の端末部、リード線の端末部とは、各導線の末端部であり、一本の導線から切断して形成した巻線、渡り線、リード線の切断面を含む、切断面から数cmから数十cmの部分である。したがって、各導線の両端部に存在する。導線の端末部は、他の導線と接続するために利用する部分であり、被覆や被膜を取り除き、圧接端子による接続や、半田付けによる接続を行う部分である。
渡り線58a〜58cは、巻線54a〜54iどうしを、接続するものであり、巻線54a〜54iは渡り線58a〜58cによって繋ぎ合わされ、図2中の固定子巻線37を構成する。
渡り線58a〜58cは、導体である芯線と、芯線を覆う被覆59a〜59fと、から構成される導線である。芯線は、巻線同様、単線であることが多く、材質は、銅、アルミニウム、または、導通性のある合金である。
被覆59a〜59fは、絶縁性のPCV(ポリ塩化ビニル)などで構成されている。被覆59a〜59fは、渡り線58a〜58cどうしの接触や、渡り線58a〜58cと巻線54a〜54iとの接触があっても、導通させないようにしたものである。
巻線54a〜54i、渡り線58a〜58c、および、絶縁部材55a〜55iの拘束部56a〜56i、57a〜57iの詳細な接続方法と、渡り線58a〜58cの被覆59a〜59fで覆われていない、両端の端末部、および、端末部と端末部との中間部については、後で、説明する。
リード線60a〜60cは、固定子巻線37と接続端子7を接続する導線であり、一端は、絶縁部材55a〜55iの拘束部56a〜56i、57a〜57iに拘束される。リード線60a〜60cの他端には、端子39aが取り付けられ、リード線39が構成される。
絶縁部材55aについて、図7にて説明する。
図7は、絶縁部材55aであり、(a)は鉄心部材51aのバックヨーク52aから見た正面図、(b)は(a)の右から見た側面図、(c)は(a)の上方から見た上面図である。
絶縁部材55aは、鉄心部材51aのバックヨーク52a上に配置される絶縁部材55aのバックヨーク部61の部分と、ティース53a上に配置される絶縁部材55aのティース部62の部分から構成されている。絶縁部材55aのティース部62には、巻線54aが巻き回される。
絶縁部材55aの鉄心部材51a側には、突起63が設けられている。鉄心部材51aには、軸方向に穴が設けられており、突起63がはめ込まれて、絶縁部材55aは鉄心部材51a上に固定されている。突起63の個数には、制限はなく、1個以上設けられている。
絶縁部材55aのバックヨーク部61の鉄心部材51aとは、反対側には、第1の拘束部56aと第2の拘束部57aとが設けられている。
拘束部56a、57aの外観は、ほぼ直方体形状である。その内部も直方体状の内部空間が設けられており、内部空間の上方は、拘束部56a、57aの外部に開口している。すなわち、拘束部56a、57aは、側面4面と、底面で構成されている。
絶縁部材55aが鉄心部材51aに取り付けられた状態で、第1の拘束部56aの固定子鉄心32aの円周方向の側面には、拘束溝64a、65a、66a、67aが設けられている。同様に、第2の拘束部57aの固定子鉄心32aの円周方向の側面にも、拘束溝68a、69a、70a、71aが設けられている。拘束溝64a〜71aの溝の幅は、固定子巻線37を構成する導線の直径に比べて、ほぼ同じから少し狭く形成されている。拘束溝64a〜71aは、拘束部56a、57aの開口部とつながっており、溝の開口部から巻線54aの端末部を挿入し、挟持、拘束する。
拘束溝64a、65aは、第1の拘束部56aの一方の側面に並列に設けられており、その深さも同じとなるように設けられている。拘束溝66a、67aは、第1の拘束部56aのもう一方の側面に並列に設けられており、その深さも同じとなるように設けられている。拘束溝64aに対し、拘束溝66aは、互いに対抗する側面に、溝どうしも対抗するように設けられている。これによって、拘束溝64aから拘束溝66aに、導線が直線状に渡せるように、構成されている。拘束溝65a、67aも、拘束溝64a、66aと同様であり、互いに対抗する側面に、溝どうしも対抗するように設けられ、拘束溝65aから拘束溝67aに、導線が直線状に渡せるように、構成されている。
拘束溝68a〜71aも、拘束溝64a〜67aと同様である。拘束溝68a、69aは、第2の拘束部57aの一方の側面に並列に設けられており、その深さも同じとなるように設けられている。拘束溝70a、71aは、第2の拘束部57aのもう一方の側面に並列に設けられており、その深さも同じとなるように設けられている。拘束溝68a、70aは、互いに対抗する側面に、溝どうしも対抗するように設けられ、拘束溝68aから拘束溝70aに、導線が直線状に渡せるように、構成されている。拘束溝69a、71aは、互いに対抗する側面に、溝どうしも対抗するように設けられ、拘束溝69aから拘束溝71aに、導線が直線状に渡せるように、構成されている。
なお、2本の導線が拘束できるように、拘束部の一方の側面に拘束溝が2個設けられた例を説明したが、設ける数には制限は無く、拘束部の一方の側面に拘束溝が1個以上設けられていれば良い。
また、第1の拘束部56aの底部の鉄心部材51a側の面には、拘束溝72aが設けられている。拘束溝64a〜67aおよび拘束溝68a〜71aは、鉄心部材51aに向かって、溝が形成されているものに対し、拘束溝72aは、鉄心部材51aの反対側に向かって、溝が形成されている。すなわち、鉄心部材51a側に開口部を有する。拘束溝72aの最深部から鉄心部材51aの端面までの距離と、拘束溝68a〜71aの最深部から鉄心部材51aの端面までの距離とが、ほぼ同じとなるように、拘束溝72aは、設けられている。
これに伴い、第1の拘束部56aの底面から鉄心部材51aの端面までの距離は、第2の拘束部57aの底面から鉄心部材51aの端面までの距離に比べて、大きくしている。同じく、第1の拘束部56aの上部開口部から鉄心部材51aの端面までの距離は、第2の拘束部57aの上部開口部から鉄心部材51aの端面までの距離に比べて、大きくしている。すなわち、鉄心部材51aの端面に対し、第1の拘束部56aは、第2の拘束部57aより、離れた位置に配置されている。第1の拘束部56aの側面と第2の拘束部57aの側面とは、完全に対向しておらず、拘束溝64a〜67aおよび拘束溝68a〜71aの円周方向には、空間が形成されている。すなわち、第1の拘束部56bと固定子鉄心32aの端面との間には、隙間が形成されている。そして、拘束溝64a〜67aおよび拘束溝68a〜71aの円周方向には、その方向を塞ぐ、障害物は、設けられていない。
拘束部56a、57aに導線を拘束し、導通させる仕組みを、図8にて説明する。
図8は、鉄心部材51aに絶縁部材55aを取り付け、拘束部56a、57aに導線を拘束した状態の図である。すなわち、導線73は、拘束溝64a、66aに、直線状に渡され、それぞれの溝に挟持され、拘束されている。導線74は、拘束溝65a、67aに、直線状に渡され、それぞれの溝に挟持され、拘束されている。導線75は、拘束溝68a、70aに、直線状に渡され、それぞれの溝に挟持され、拘束されている。導線76は、拘束溝69a、71aに、直線状に渡され、それぞれの溝に挟持され、拘束されている。導線73は、拘束溝66a側で切断されており、導線74は、拘束溝67a側で切断されている。導線75は、拘束溝70a側で切断されており、導線76は、拘束溝71a側で切断されている。
77、78は、拘束部56a、57aに嵌合させる圧接端子である。圧接端子77、78は、金属片で構成され、2本の導線に接続し、導通させる。圧接端子77には、溝77aと溝77bとが設けられている。同様に、圧接端子78には、溝78aと溝78bとが設けられている。溝77a、77b、78a、78bの幅は、固定子巻線37を構成する導線の直径より、狭い。
圧接端子77は、第1の拘束部56aの開口部から挿入される。圧接端子77が第1の拘束部56aの内部空間に押し込まれると、導線73が溝77aに挿入される。同様に、導線74が溝77bに挿入される。導線73が溝77aに挿入されると、圧接端子77は、導線の被膜を破り、芯線まで食い込み、到達する。これにより、導線73は溝77aに挟持される。同様に、導線74が溝77bに挿入されると、圧接端子77は、導線の被膜を破り、芯線まで食い込み、到達する。これにより、導線74は溝77bに挟持される。そして、圧接端子77が、導線73と74との芯線まで到達することで、導線73と74とを導通させる。
圧接端子78も同様の仕組みであり、第2の拘束部57aの開口部から挿入し、導線75、76を圧接端子78の溝78a、78bにて、挟持するとともに、圧接端子78は、導線75と76との芯線まで食い込み、到達し、導線75と76とを導通させる。
以上、絶縁部材55aについて、説明してきたが、絶縁部材55b〜55iは、同一の構造を持つものであり、説明は割愛するが、拘束部、拘束溝、導線の拘束方法、圧接端子と導線の接続方法は、全く同じである。
従来の絶縁部材では、作業を考慮して、固定子鉄心32aの中心から半径方向の外周側すなわち密閉容器1に向かって、導線すなわち固定子巻線37を引き出し、切断していた。よって、固定子巻線37の切断面が密閉容器1の内周面に対向するような配置であった。
図7のような構造の絶縁部材55a〜55iとすることによって、従来との拘束方法や拘束する機能は変えず、固定子巻線37の切断面を90度変え、固定子鉄心32aの円周方向すなわち固定子鉄心32aの内側方向とし、固定子巻線37の切断面と密閉容器1の内周面とを直交させ、固定子巻線37の切断面が密閉容器1の内周面に対向させないように配置した。すなわち、拘束部56a〜56i、57a〜57iの固定子鉄心32aの円周方向の側面に拘束溝を設けることにより、固定子巻線37を拘束溝に固定子鉄心32aの半径方向から挟持させ、固定子巻線37の切断面と密閉容器1の内周面とが直交する配置を実現させた。これにより、固定子巻線37の切断面を密閉容器1から引き離した配置とし、固定子巻線37の切断面と密閉容器1の内周面との絶縁距離を確保できるようになった。一方、このような構造を取ると、従来技術では、固定子巻線37の巻き回しや、切断作業において、作業スペースが取れない課題が発生し、実現が困難であった。しかし、これを改善する構造を実現し、同時に組み込んだ。
次に、固定子鉄心32aに対する巻線の手順を説明する。ここでは、図9にて説明するが、図9は図4と同じ図である。
まず、初めに、鉄心部材51aに巻線54aを巻き回す。初めに、巻線54aの巻始め端末部80aを絶縁部材55aの第1の拘束部56aの拘束溝64aと66aとに拘束し、ティース53aに巻線54aの巻き回しを開始する。巻線54aをティース53aに巻き回した後、巻線54aの巻終わり端末部81aを絶縁部材55aの第2の拘束部57aの拘束溝68aと70aとに拘束して、終了する。
次に、隣接する鉄心部材51bに巻線54bを巻き回す。巻線54bの巻始め端末部80bを絶縁部材55bの第1の拘束部56bの拘束溝64bと66bとに拘束し、ティース53bに巻線54bの巻き回しを開始する。巻線54bをティース53bに巻き回した後、巻線54bの巻終わり端末部81bを絶縁部材55bの第2の拘束部57bの拘束溝68bと70bとに拘束する。さらに、図10のように、巻線54bの巻終わり端末部81bは、絶縁部材55bの第1の拘束部56bの下方の隙間すなわち第1の拘束部56bと固定子鉄心32aとの間の隙間を通過させ、隣接する鉄心部材51a側へ渡す。絶縁部材55bの第1の拘束部56bにも、絶縁部材55aの第1の拘束部56a同様に、拘束溝72a相当の拘束溝72bが設けられている。巻線54bの巻終わり端末部81bは、その拘束溝72bを挿通し、図9のように、絶縁部材55aの第2の拘束部57aの拘束溝69aと71aとに拘束される。絶縁部材55aの第2の拘束部57aに圧接端子78を挿入すると、巻線54aの巻終わり端末部81aと巻線54bの巻終わり端末部81bとに、圧接端子78が食い込み、導通させる状態となる。すなわち、巻線54aと巻線54bとを接続させる。
隣接する鉄心部材51cについても、図は省略するが、鉄心部材51bと同様である。巻線54cの巻始め端末部80cを絶縁部材55cの第1の拘束部56cの拘束溝64cと66cとに拘束し、ティース53cに巻線54cの巻き回しを開始する。巻線54cをティース53cに巻き回した後、巻線54cの巻終わり端末部81cを絶縁部材55cの第2の拘束部57cの拘束溝68cと70cとに拘束する。さらに、巻線54cの巻終わり端末部81cは、絶縁部材55cの第1の拘束部56cの下方の隙間すなわち第1の拘束部56bと固定子鉄心32aとの間の隙間を通過させ、鉄心部材51b側へ渡す。絶縁部材55cの第1の拘束部56cにも、絶縁部材55aの第1の拘束部56a同様に、拘束溝72a相当の拘束溝が設けられている。巻線54cの巻終わり端末部81cは、拘束溝72a相当の拘束溝を挿通し、絶縁部材55bの第2の拘束部57bの拘束溝69bと71bとに拘束される。絶縁部材55bの第2の拘束部57bに圧接端子を挿入すると、巻線54bの巻終わり端末部81bと巻線54cの巻終わり端末部81cとに、圧接端子が食い込み、導通させる状態となる。すなわち、巻線54bと巻線54cとを接続させる。したがって、巻線54a、巻線54b、巻線54cの3つの巻線どうしが接続される。
同様の手順にて、巻線54d、巻線54e、巻線54fの3つの巻線を、巻線54eの巻終わり端末部と巻線54fの巻終わり端末部とを利用して、接続する。さらに、巻線54g、巻線54h、巻線54iの3つの巻線を、巻線54hの巻終わり端末部と巻線54iの巻終わり端末部とを利用して、接続する。
次に、3つ巻線ごとに接続された巻線群を渡り線で、接続する。ここでは、図11にて説明するが、図11は図4と同じ図である。
前述のとおり、渡り線58aは、導体である芯線と、芯線を覆う被覆59a、59bと、から構成されている。ただし、渡り線58aの一方の端末部である第1の端末部83は、被覆59aおよび59bに覆われていない。同様に、渡り線58aのもう一方の端末部である第2の端末部85も被覆59aおよび59bに覆われていない。すなわち、渡り線58aは、被覆59aおよび59bに覆われていない第1の端末部83および第2の端末部85を有する。また、渡り線58aは、第1の端末部83と第2の端末部85との中間付近に、被覆59aおよび59bに覆われていない中間部84が設けられている。したがって、中間部84は、被覆59aと被覆59bの間に配置されている。よって、被覆59aは、第1の端末部83と中間部84との間に配置された第1の被覆であり、被覆59bは、第2の端末部85と中間部84との間に配置された第2の被覆である。
絶縁部材55aの第1の拘束部56aには、渡り線58aの第1の端末部83を拘束する。すなわち、第1の拘束部56aの拘束溝65a、67aに渡り線58aの第1の端末部83は、拘束される。
渡り線58aの第2の端末部85は、絶縁部材55gの第1の拘束部56gに拘束される。すなわち、第1の拘束部56gの拘束溝65g、67gに渡り線58aの第2の端末部85は、拘束される。
渡り線58aの中間部84は、絶縁部材55dの第1の拘束部56dに拘束する。すなわち、第1の拘束部56dの拘束溝65d、67dに渡り線58aの中間部84を渡して、拘束する。
そして、各絶縁部材の第1の拘束部56a、56d、56gに、圧接端子77をそれぞれ挿入すると、渡り線58aと巻線54a、54d、54gとを接続することができる。
すなわち、巻線54aと第1の端末部83とが接続され、巻線54dと中間部84とが接続され、巻線54gと第2の端末部85とが接続される。その結果、渡り線58aは、巻線54a、54d、54gの3つの異なる巻線を接続する。
渡り線58b、58cも同様である。渡り線58bも、導体である芯線と、芯線を覆う被覆59c、59dと、から構成されている。そして、被覆59cおよび59dに覆われていない両端末部と、両端末部の中間付近に、被覆59cおよび59dに覆われていない中間部が設けられている。渡り線58cも、導体である芯線と、芯線を覆う被覆59e、59fと、から構成されている。そして、被覆59eおよび59fに覆われていない両端末部と、両端末部の中間付近に、被覆59eおよび59fに覆われていない中間部が設けられている。
渡り線58bは、巻線54b、54e、54hの3つの異なる巻線を接続する。渡り線58cは、巻線54i、54c、54fの3つの異なる巻線を接続する。
なお、ここでは、渡り線の接続点が、第1の端末部、第2の端末部、および、中間部の3箇所とし、3つの異なる巻線を接続するような例で説明したが、渡り線の接続点は3箇所以上あってもよく、巻線も3つ以上を接続することであっても構わない。
例えば、渡り線の接続点が、第1の端末部と第2の端末部に加え、中間部の接続点を2箇所設ければ、4箇所の接続が可能となり、4つの巻線を接続できる。
なお、リード線60aは、絶縁部材55dの第1の拘束部56dに接続される。リード線60bは、絶縁部材55eの第1の拘束部56eに接続される。リード線60cは、絶縁部材55cの第1の拘束部56cに接続される。
以上のように巻線54a〜54i、渡り線58a〜58cを接続していくと、図5のようになる。図5を整理したものが、図6であるので、図6にて、説明していく。
リード線60a〜60cは、渡り線58a〜58cと接続されている。リード線60aは、渡り線58aを介して、巻線54a、54d、54gと接続されている。したがって、渡り線58aは、リード線60aを通過する電流を、分流あるいは合流させることになる。
同様に、リード線60bは、渡り線58bを介して、巻線54b、54e、54hと接続され、渡り線58bは、リード線60bを通過する電流を、分流あるいは合流させることになる。リード線60cは、渡り線58cを介して、巻線54i、54c、54fと接続され、渡り線58cは、リード線60cを通過する電流を、分流あるいは合流させることになる。
巻線54a、54b、54cは、巻線54bの巻終わり端末部81bと巻線54cの巻終わり端末部81cとによって、結線され、Y結線を構成する。すなわち、巻終わり端末部81bと巻終わり端末部81cによって、Y結線における中性線が構成されることになる。
同様に、巻線54d、54e、54fは、巻線54eの巻終わり端末部81eと巻線54fの巻終わり端末部81fとによって、結線され、Y結線を構成するので、巻終わり端末部81eと巻終わり端末部81fによって、Y結線における中性線が構成されることになる。巻線54g、54h、54iは、巻線54hの巻終わり端末部81hと巻線54iの巻終わり端末部81iとによって、結線され、Y結線を構成するので、巻終わり端末部81hと巻終わり端末部81iによって、Y結線における中性線が構成されることになる。
ところで、従来、隣接する巻線を接続するためには、渡り線を使用している。しかしながら、図7のような構造の絶縁部材55a〜55iでは、渡り線の切断作業などの作業性が悪い。これに対し、巻線の巻終わり端末部を利用して、隣接する巻線と接続するような構造とすることによって、渡り線を省略し、渡り線の切断作業を省いた。すなわち、作業性を改善させている。
具体的には、巻線54bの巻終わり端末部81bを絶縁部材55bの第2の拘束部57bに拘束した後、切断することなく、絶縁部材55aの第2の拘束部57aまで引き回し、第2の拘束部57aに拘束させ、巻線54bの巻終わり端末部81bは切断される。これにより、渡り線と渡り線を切断する作業とが不要となる。すなわち、狭いスペースでの作業と、渡り線を切断するという工程が省略できる。
巻線54cの巻終わり端末部81cと絶縁部材55bの第2の拘束部57bとの構造関係についても、全く同じである。
一方、巻線54bの巻終わり端末部81bを絶縁部材55aの第2の拘束部57aに引き回すとき、絶縁部材55bの第1の拘束部56bが、引き回し方向を閉塞し、障害物となる。しかしながら、第1の拘束部56bの底面を、鉄心部材51bの端面に対し、第2の拘束部57bの底面より、離れた位置に配置される構造とした。すなわち、第1の拘束部56bを、鉄心部材51bの端面に対し、第2の拘束部57bより、離れた位置に配置することにより、第2の拘束部57bの側面の円周方向の障害物を取り除いた。これより、絶縁部材55bの第2の拘束部57bから、絶縁部材55bの第1の拘束部56bの下方を通過させ、絶縁部材55aの第2の拘束部57aに、導線を配線しやすくできる。
さらに、第1の拘束部56bの底部には、拘束溝72bを設け、巻線54bの巻終わり端末部81bを絶縁部材55aの第2の拘束部57aに引き回すときのガイドの役目とした。これにより、巻線54bの巻終わり端末部81bは絶縁部材55aの第2の拘束部57aに向かって、ほぼ直線状に引き回すことができ、配線を引き回すスペースも小さくできる。そして、最短で結線することにより、電気的抵抗も抑制でき、効率が良いものが組み立てられる。
これは、巻線54cの巻終わり端末部81cを絶縁部材55bの第2の拘束部57bに引き回すときの構造関係についても、全く同じである。
また、絶縁部材55bの第1の拘束部56bを、鉄心部材51bの端面に対し、絶縁部材55bの第2の拘束部57bより、離れた位置に配置するようにした。すなわち、第1の拘束部56bの鉄心部材51bの端面に対する高さを、第2の拘束部57bの鉄心部材51bの端面に対する高さより、高くし、第1の拘束部56bと第2の拘束部57bとの高さを変えた。これにより、第1の拘束部56bの側面と第2の拘束部57bの側面とは、完全に対向することは無くなった。すなわち、第1の拘束部56bの円周方向の側面および第2の拘束部57bの円周方向の側面には、障害物は無くなった。すなわち、拘束溝64b〜67bおよび拘束溝68b〜71bの円周方向には、障害物は無く、空間が形成されている。これにより、各端末部を拘束溝に拘束した後、端末部を切断する作業スペースも確保でき、作業性を損ねることもない。
そして、第1の拘束部56bの側面と第2の拘束部57bの側面とが、対向しないことにより、拘束溝64b〜67bに拘束される導線の切断面と、拘束溝68b〜71bに拘束される導線の切断面とが、対向することはなくなり、導線の切断面どうしの絶縁距離も確保しやすくなった。
さらに、巻線の巻終わり端末部を引き伸ばし、隣接する巻線との接続に使用するため、拘束溝に拘束されて露出している導線の切断面の数も減り、絶縁距離確保の心配をする箇所が減少した。
これは、絶縁部材55aの第1の拘束部56a、第2の拘束部57a、および、絶縁部材55cの第1の拘束部56c、第2の拘束部57c、の構造関係についても、全く同じである。
以上、まとめると、絶縁部材の拘束部の拘束溝は、その拘束溝に挿入した導線を固定子の半径方向に挟持させるように設けたので、拘束溝に拘束される巻線の端末部の切断面および渡り線の端末部の切断面も、固定子の半径方向と直交する方向すなわち固定子の円周方向を向いて並べられる。これにより、従来、これら切断面が、密閉容器の内周面に対向するように配置されていたものを、拘束方法や拘束する機能を損なわず、密閉容器の内周面とは対向しない配置すなわち固定子鉄心の内側を向くような配置とした。すなわち、各切断面を密閉容器から離した配置とすることができるようにし、巻線の端末部の切断面および渡り線の端末部の切断面と、密閉容器の内周面との絶縁距離を確保できるようにした。
また、隣接する巻線を接続するとき、巻線の巻終わり端末部を、固定子の円周方向にある隣接する巻線の拘束部まで引き回し、隣接する巻線どうしを接続するようにした。これにより、従来必要であった渡り線が省略することができ、必要な切断作業を省くことができる。巻線の端末部および渡り線の端末部を固定子の円周方向を向けたとき生じる切断作業の作業スペースの不足や切断作業の作業性の悪化に対し、その作業工程数を減らすことによって、改善が図れる。
また、絶縁部材の拘束部の拘束溝は、その拘束溝に挿入した導線を固定子の半径方向に挟持させるように設け、挟持した導線を固定子の円周方向に引き回せるようにしたので、巻線の巻終わり端末部は、円周方向にある隣接する巻線の拘束部まで、曲折することなく、最短距離で結ぶことができ、引き回す効率も、電気的な効率も、高いものが確保できる。
特に、渡り線を使用しなくても、中性線のような重要な結線を行うことができ、その信頼性も向上させることができた。
また、鉄心部材の端面に対する、巻線の巻始め端末部を拘束する絶縁部材の拘束部と、巻線の巻終わり端末部を拘束する絶縁部材の拘束部と、の配置を変えた。すなわち、巻線の巻始め端末部を拘束する絶縁部材の第1の拘束部を、鉄心部材の端面に対し、巻線の巻終わり端末部を拘束する絶縁部材の第2の拘束部より、離れた位置に配置した。つまり、第1の拘束部の鉄心部材の端面に対する高さを、第2の拘束部の鉄心部材の端面に対する高さより、高くし、第1の拘束部と第2の拘束部との高さを変えた。これにより、第1の拘束部の側面と第2の拘束部の側面とは、完全に対向することが無くなり、第1の拘束部の円周方向の側面および第2の拘束部の円周方向の側面には、障害物は無くなった。すなわち、各端末部を拘束溝に拘束した後、端末部を切断する作業スペースも確保でき、作業性を損ねることも無くなった。
すなわち、本願の構造により、作業工程数を減らすとともに、作業スペース確保もできるようになった。
また、巻線の巻終わり端末部を、隣接する巻線の拘束部まで引き回しとき、隣接する拘束部が障害となるが、巻線の巻始め端末部を拘束する絶縁部材の第1の拘束部の底面を、鉄心部材の端面に対し、巻線の巻終わり端末部を拘束する絶縁部材の第2の拘束部の底面より、離れた位置に配置した。これにより、巻線の巻終わり端末部は、第1の拘束部の下方を通過し、隣接する絶縁部材の拘束部に向かって、ほぼ直線状に引き回すことができ、配線を引き回すスペースも小さくできる。そして、最短で結線することにより、電気的抵抗も抑制でき、効率が良いものが組み立てられる。
また、第1の拘束部の底部に、拘束溝を設け、巻線の巻終わり端末部を隣接する絶縁部材の拘束部に引き回すときのガイドとすることによって、巻線の巻終わり端末部を、さらに、ほぼ直線状に引き回すことや、引き回すスペースを小さくすることや、最短で結線することが、容易にできるようになった。
また、第1の拘束部の側面と第2の拘束部の側面とが、対向しないことにより、拘束溝に拘束される導線の切断面どうしが、対向することがなくなり、導線の切断面どうしの絶縁距離も確保しやすくなった。
さらに、巻線の巻終わり端末部を引き伸ばし、隣接する巻線との接続に使用するため、拘束溝に拘束されて露出している導線の切断面の数も減り、絶縁距離確保の心配をする箇所も減少した。
また、絶縁部材の拘束部の拘束溝は、その拘束溝に挿入した導線を固定子の半径方向に挟持させるように設け、挟持した導線を少ない曲折にて固定子の円周方向に引き回せるようにしたので、隣接しない離れた巻線どうしを、より簡単に、1本の渡り線で、接続することができるようになった。すなわち、絶縁部材の拘束部の拘束溝に、渡り線の両端の端末部以外に、渡り線の中間部を拘束して、圧接端子にて巻線と接続できるようにしたので、複数の巻線を1本の渡り線で接続できるようになった。これにより、無駄な切断作業や作業スペースは不要となり、渡り線の使用数も減らすことが可能となった。さらに、渡り線の曲折も少ない数で接続が可能となり、接続する距離も短く、電気的抵抗も抑制できるようになった。すなわち、効率の良い固定子巻線が組み立てられようになった。
1 密閉容器、2 圧縮機構部、3 電動機構部、4 クランクシャフト、5 吸入連結管、6 吐出管、7 接続端子、11 上部容器、12 下部容器、21 ローリングピストン、22 シリンダ、23 主軸受、24 副軸受、25 吐出マフラ、25a 開口部、31 回転子、31a 回転子鉄心、31b シャフト穴、31c 磁石挿入穴、32 固定子、32a 固定子鉄心、32b バックヨーク、32c ティース、32d スロット、33 永久磁石、34a 上部バランスウェイト、34b 下部バランスウェイト、35 リベット、36 連通孔、37 固定子巻線、38 絶縁部材、39 リード線、39a 端子、41 主軸部、42 副軸部、43 偏芯軸部、51a〜51i 鉄心部材、52a〜52i バックヨーク、53a〜53i ティース、54a〜54i 巻線、55a〜55i 絶縁部材、56a〜56i 第1の拘束部、57a〜57i 第2の拘束部、58a〜58c 渡り線、59a〜59f 被覆、60a〜60c リード線、61 絶縁部材のバックヨーク部、62 絶縁部材のティース部、63 突起、64a〜64c,65a〜65b,65d,65g,66a〜66c,67a〜67b,67d,67g 第1の拘束部の拘束溝、68a〜68c,69a〜69b,70a〜70c,71a〜71b 第2の拘束部の拘束溝、72a〜72b 第1の拘束部の拘束溝、73,74,75,76 導線、77,78 圧接端子、77a、77b、78a、78b 圧接端子の溝、80a〜80c 巻始め端末部、81a〜81c,81e,81f,81h,81i 巻終わり端末部、83 渡り線の第1の端末部、84 渡り線の中間部、85 渡り線の第2の端末部、100 密閉型圧縮機、101 吸入マフラ。

Claims (12)

  1. 内周部に複数の磁極歯を有する円筒形の固定子鉄心と、
    前記複数の磁極歯に取り付けられた絶縁部材を介して巻き回された巻線と、
    前記絶縁部材に設けられ、電源供給するリード線と前記巻線とを拘束する拘束部と、
    前記拘束部に設けられ、前記リード線と前記巻線とを接続する圧接端子と、
    を備え、
    前記拘束部は、前記巻線の切断面が前記固定子鉄心の内側を向くように前記巻線を拘束していることを特徴とする固定子。
  2. 前記拘束部は、拘束溝を備え、
    前記拘束溝は、前記巻線を固定子鉄心の半径方向から挟持するように設けられたことを特徴とする請求項1に記載の固定子。
  3. 前記拘束部は、
    前記巻線の巻始め端末部を拘束する第1の拘束部と、
    前記巻線の巻終わり端末部を拘束する第2の拘束部と、
    から構成されたことを特徴とする請求項2に記載の固定子。
  4. 前記拘束部は、
    前記固定子鉄心の軸方向の端面に設けられ、
    前記第1の拘束部は、前記第2の拘束部より、前記固定子鉄心の端面から離れた位置に配置され、
    前記第1の拘束部と前記固定子鉄心の端面との間に隙間が設けられたことを特徴とする請求項3に記載の固定子。
  5. 前記巻線の巻終わり端末部は、前記第2の拘束部に拘束されるとともに、前記第1の拘束部と前記固定子鉄心の端面との間の前記隙間を通過し、隣接する前記磁極歯の絶縁部材の拘束部に拘束されることを特徴とする請求項4に記載の固定子。
  6. 前記巻線の巻終わり端末部にて、前記巻線と、隣接する前記磁極歯に巻き回された巻線と、を接続することを特徴とする請求項5に記載の固定子。
  7. 導体と、前記導体を覆う被覆と、から構成された渡り線を備え、
    前記渡り線の一方の端末部と前記渡り線のもう一方の端末部と前記渡り線の中間部とは、ぞれぞれ、異なる前記磁極歯の絶縁部材の拘束部に拘束されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の固定子。
  8. 前記渡り線は、3以上の前記異なる磁極歯の巻線を接続することを特徴とする請求項7に記載の固定子。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の固定子と、前記固定子の内側に設けられた回転子と、を備えた電動機。
  10. 密閉容器と、
    前記密閉容器内に設けられた電動機構部と、
    前記電動機構部に駆動される圧縮機構部と、
    を備え、
    前記電動機構部は、
    内周部に複数の磁極歯を有する円筒形の固定子鉄心と、
    前記複数の磁極歯に取り付けられた絶縁部材を介して巻き回された巻線と、
    前記絶縁部材に設けられ、電源供給するリード線と前記巻線とを拘束する拘束部と、
    前記拘束部に設けられ、前記リード線と前記巻線とを接続する圧接端子と、
    を備え、
    前記拘束部は、前記巻線の切断面が前記固定子鉄心の内側を向くように前記巻線を拘束していることを特徴とする密閉型圧縮機。
  11. 前記拘束部に拘束した前記巻線の切断面は、前記密閉容器の内周面に直交するように拘束することを特徴とする請求項10に記載の固定子。
  12. 前記拘束部は、拘束溝を備え、
    前記拘束溝は、前記巻線を固定子鉄心の半径方向から挟持するように設けられたことを特徴とする請求項11に記載の固定子。
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