JPWO2018198322A1 - 冷凍サイクル装置及びこの冷凍サイクル装置を備えた電気機器 - Google Patents

冷凍サイクル装置及びこの冷凍サイクル装置を備えた電気機器 Download PDF

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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B41/00Fluid-circulation arrangements

Abstract

冷凍サイクル装置は、圧縮機、第1熱交換器、膨張装置、及び、第2熱交換器を冷媒配管で接続した冷媒回路を備え、冷媒回路には二相変化する冷媒が封入され、冷媒が冷媒配管を含めた冷媒回路を流動するようになっており、冷媒配管の分岐部分、冷媒配管の曲がり部分、膨張装置、及び、膨張装置に接続している冷媒配管の少なくとも一つの外側表面に透過音抑制部材を配置したものである。

Description

本発明は、冷媒回路から発生する冷媒流動音を低減するようにした冷凍サイクル装置及びこの冷凍サイクル装置を備えた電気機器に関するものである。
例えば、特許文献1に記載されているように、膨張装置の一例である電子膨張弁においては、ニードル弁に対して直交する方向から流れ込む液冷媒によって、ニードル弁が振動し、大きな振動音が発生する。そこで、特許文献1に記載されている技術では、液冷媒の流入口を偏位配置することで、ニードル弁に直接的に液冷媒を衝突させないようにし、電子膨張弁で発生する振動を抑制するようにしている。
しかしながら、運転条件によっては、気液二相冷媒に含まれる気相冷媒が泡(非常に小さな形状のマイクロバブル)になっている場合があり、上記対策だけでは電子膨張弁で発生する振動を抑制することはできない。つまり、マイクロバブル状態となっている気相冷媒が、電子膨張弁の絞り部を通過する際に、絞り部及び構造体に衝突することで、破裂し、強力な破壊力が発生するからである。気相冷媒は、マイクロバブル特有の圧縮された空気の塊となっているため、破裂することで強力な破壊力が発生する。これは、公知のキャビテーション現象に関わるものである。
そこで、特許文献2においては、電子膨張弁を流出した直後の冷媒の急激な圧力変化を緩和させ、キャビテーションによる振動(以下、キャビテーションノイズと称する)を低減化させる技術が開示されている。さらに、特許文献2には、ゴム製の防振材を配管に巻き付けることで、電子膨張弁で発生する振動を抑制するようにもしている。
また、特許文献3においては、導管の一部または全部を音響透過性材料で形成し、音響透過性材料の外周部に吸音材料を設けることで、冷媒流動音を低減するようにした技術が開示されている。
特許第3533733号公報 特開平9−133434号公報 特開平6−194006号公報
特許文献2の技術のように、従来は、キャビテーションノイズが発生する特有の運転条件に対して、キャビテーションノイズを抑える対策を講ずることで、キャビテーションノイズの低減を図るようにしていた。
しかしながら、キャビテーションノイズを低減させても、冷凍サイクル装置の冷媒回路から発生する冷媒流動音が消滅しなかった。
その理由を検討した結果、冷媒回路から発生する冷媒流動音には、従来技術でも検討されているニードル弁などの振動による騒音及びキャビテーションノイズだけではなく、配管内部から配管外部に透過する音、つまり「音響現象」が関わっていることがわかった。つまり、従来技術のように、振動対策を講ずるだけでは、冷媒の流れに伴う全ての冷媒流動音に対する対策にはなっていなかった。
また、特許文献3の技術のように、意図的に導管の一部または全部を音響透過性材料で形成する場合、音響透過性材料が導管内の圧力に耐えられずに、導管が破損する可能性が高くなってしまう。そのため、特許文献3においては、冷媒の循環自体に問題を生じる結果を招いていた。
以上のように、冷凍サイクル装置の冷媒回路で発生する冷媒流動音には、配管内を流れる冷媒によって部材が振動することで発生する振動音の他に、配管内を流れる冷媒の状態に起因して配管の内部から配管の外部へと透過する透過音が含まれている。そのため、従来技術のような振動対策だけでは、振動の伝搬のみしか低減できず、全ての冷媒流動音を低減できなかった。
本発明は、上述の課題を背景になされたもので、冷媒配管内を流れる冷媒の状態に起因して冷媒配管の内部から冷媒配管の外部へと透過する透過音に対する対策を施し、全ての冷媒流動音を低減することを可能にした冷凍サイクル装置及びこの冷凍サイクル装置を備えた電気機器を提供することを目的としている。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機、第1熱交換器、膨張装置、及び、第2熱交換器を冷媒配管で接続した冷媒回路を備え、前記冷媒回路には二相変化する冷媒が封入され、前記冷媒が前記冷媒配管を含めた前記冷媒回路を流動するようになっており、前記冷媒配管の分岐部分、前記冷媒配管の曲がり部分、前記膨張装置、及び、前記膨張装置に接続している前記冷媒配管の少なくとも一つの外側表面に透過音抑制部材を配置したものである。
本発明に係る電気機器は、上記の冷凍サイクル装置を備えたものである。
本発明に係る冷凍サイクル装置によれば、冷媒が相変化する前記冷媒回路の外側表面部分に透過音抑制部材を配置したので、透過音抑制部材によって冷媒配管内を流れる冷媒の状態に起因して冷媒配管の内部から冷媒配管の外部へと透過する透過音の抑制ができ、結果として冷媒流動音を低減することが可能になる。
本発明に係る電気機器によれば、上記の冷凍サイクル装置を備えたので、冷媒回路で発生する冷媒流動音が効果的に低減されている。
本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路構成の一例を示す概略構成図である。 冷媒配管の分岐部分で発生する冷媒流動音を説明するための模式図である。 冷媒配管の曲がり部分で発生する冷媒流動音を説明するための模式図である。 電子膨張弁で発生する冷媒流動音を説明するための模式図である。 分配器で発生する冷媒流動音を説明するための模式図である。 整流管(キャピラリーチューブ)で発生する冷媒流動音を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える膨張装置の一例である電子膨張弁の構成例を模式的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路から発生する冷媒流動音を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える電子膨張弁及び第1配管に気液二相冷媒が流れている状態を模式的に示す概略部分断面図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の構成例を模式的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の構成例を模式的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の構成例を模式的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の構成例を模式的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の構成例を模式的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の構成例を模式的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の構成例を模式的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の構成例を模式的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置において透過音抑制部材を設置した場合の電子膨張弁から50mm以内の配管振動を測定した結果の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の特性を説明するためのグラフである。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の取り付け方の例を模式的に示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の取り付け方の例を模式的に示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の取り付け方の例を模式的に示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の取り付け方の例を模式的に示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の取り付け方の例を模式的に示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の取り付け方の例を模式的に示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が備える透過音抑制部材の取り付け方の例を模式的に示す概略図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、図1を含め、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。さらに、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置100の冷媒回路構成の一例を示す概略構成図である。なお、図1では、冷凍サイクル装置100が電気機器の一例である空気調和装置に備えられた場合を例に示している。また、図1では、冷房運転時の冷媒の流れを実線矢印で示し、暖房運転時の冷媒の流れを破線矢印で示している。
<冷凍サイクル装置100の構成>
図1に示すように、冷凍サイクル装置100は、圧縮機1、流路切替装置2、第1熱交換器(熱源側熱交換器)3、第1分配器4、膨張装置5、第2熱交換器(負荷側熱交換器)6、第2分配器7が冷媒配管15で接続された冷媒回路を備えている。
図1では、流路切替装置2を設け、流路切替装置2により冷房運転と暖房運転とを切り換えることができる冷凍サイクル装置100を例に図示しているが、流路切替装置2を設けずに冷媒の流れを一定としてもよい。
圧縮機1、流路切替装置2、第1熱交換器3、及び、膨張装置5は、例えば熱源側ユニット(室外ユニット)100Aに搭載される。熱源側ユニット100Aは、空調対象空間とは別空間(例えば屋外)に設置され、負荷側ユニット100Bに冷熱又は温熱を供給する機能を有するものである。
第2熱交換器6は、例えば負荷側ユニット(利用側ユニット、室内ユニット)100Bに搭載される。負荷側ユニット100Bは、空調対象空間に冷熱又は温熱を供給する空間(例えば屋内)に設置され、熱源側ユニット100Aから供給される冷熱又は温熱により空調対象空間を冷却又は加温する機能を有する。
圧縮機1は、冷媒を圧縮して吐出するものである。圧縮機1は、例えば、ロータリ圧縮機、スクロール圧縮機、スクリュー圧縮機、往復圧縮機等で構成することができる。第1熱交換器3が凝縮器として機能する場合、圧縮機1から吐出された冷媒は、冷媒配管15を通り、第1熱交換器3へ送られる。第1熱交換器3が蒸発器として機能する場合、圧縮機1から吐出された冷媒は、冷媒配管15を通り、第2熱交換器6へ送られる。
流路切替装置2は、圧縮機1の吐出側に設けられ、暖房運転と冷房運転とにおいて冷媒の流れを切り替えるものである。流路切替装置2は、例えば四方弁、三方弁、又は、二方弁の組み合わせにより構成することができる。
第1熱交換器3は、暖房運転時には蒸発器として機能し、冷房運転時には凝縮器として機能するものである。第1熱交換器3は、例えば、フィン・アンド・チューブ型熱交換器で構成することができる。
第1熱交換器3には、第1送風機16が付設されている。第1送風機16は、第1熱交換器3に熱交換流体である空気を供給するものである。第1送風機16は、例えば複数の翼を有するプロペラファンで構成することができる。
第1分配器4は、第1熱交換器3と膨張装置5との間に設けられ、第1熱交換器3から流出した複数の冷媒の流れを1つにまとめ、また第1熱交換器3に流入する冷媒の流れを複数に分岐するものである。つまり、第1分配器4の内部には少なくとも1つの分配合流流路が形成されており、第1分配器4は冷媒を合流又は冷媒を分流するものである。
膨張装置5は、第2熱交換器6又は第1熱交換器3を経由した冷媒を減圧するものである。なお、膨張装置5を、熱源側ユニット100Aに搭載するのではなく、負荷側ユニット100Bに搭載するようにしてもよい。膨張装置5は、電子膨張弁、または、キャピラリーチューブ等で構成することができる。
第2熱交換器6は、暖房運転時には凝縮器として機能し、冷房運転時には蒸発器として機能するものである。第2熱交換器6は、例えば、フィン・アンド・チューブ型熱交換器で構成することができる。
第2熱交換器6には、第2送風機17が付設されている。第2送風機17は、第2熱交換器6に熱交換流体である空気を供給するものである。第2送風機17は、例えば複数の翼を有するプロペラファンで構成することができる。
第2分配器7は、第2熱交換器6と圧縮機1との間に設けられ、第2熱交換器6から流出した複数の冷媒の流れを1つにまとめ、また第2熱交換器6に流入する冷媒の流れを複数に分岐するものである。つまり、第2分配器7の内部には少なくとも1つの分配合流流路が形成されており、第2分配器7は冷媒を合流又は冷媒を分流するものである。
なお、第2分配器7は、第1分配器4と同じタイプとしてもよく、異なるタイプとしてもよい。
<冷凍サイクル装置100の動作>
次に、冷凍サイクル装置100の動作について、冷媒の流れとともに説明する。ここでは、熱交換流体が空気であり、被熱交換流体が冷媒である場合を例に、冷凍サイクル装置100の動作について説明する。
まず、冷凍サイクル装置100が実行する冷房運転について説明する。
圧縮機1を駆動させることによって、圧縮機1から高温高圧のガス状態の冷媒が吐出する。以下、実線矢印にしたがって冷媒が流れる。圧縮機1から吐出した高温高圧のガス冷媒(単相)は、流路切替装置2を介して凝縮器として機能する第1熱交換器3に流れ込む。第1熱交換器3では、流れ込んだ高温高圧のガス冷媒と、第1送風機16によって供給される空気との間で熱交換が行われて、高温高圧のガス冷媒は、凝縮して高圧の液冷媒(単相)になる。
第1熱交換器3から送り出された高圧の液冷媒は、膨張装置5によって、低圧のガス冷媒と液冷媒との気液二相状態の冷媒になる。気液二相冷媒は、蒸発器として機能する第2熱交換器6に流れ込む。第2熱交換器6では、流れ込んだ気液二相冷媒と、第2送風機17によって供給される空気との間で熱交換が行われて、気液二相冷媒のうち液冷媒が蒸発して低圧のガス冷媒(単相)になる。この熱交換によって、空調対象空間が冷却されることになる。第2熱交換器6から送り出された低圧のガス冷媒は、流路切替装置2を介して圧縮機1に流れ込み、圧縮されて高温高圧のガス冷媒となって、再び圧縮機1から吐出する。以下、このサイクルが繰り返される。
次に、冷凍サイクル装置100が実行する暖房運転について説明する。
圧縮機1を駆動させることによって、圧縮機1から高温高圧のガス状態の冷媒が吐出する。以下、破線矢印にしたがって冷媒が流れる。圧縮機1から吐出した高温高圧のガス冷媒(単相)は、流路切替装置2及び第2分配器7を介して凝縮器として機能する第2熱交換器6に流れ込む。第2熱交換器6では、流れ込んだ高温高圧のガス冷媒と、第2送風機17によって供給される空気との間で熱交換が行われて、高温高圧のガス冷媒は、凝縮して高圧の液冷媒(単相)になる。この熱交換によって、空調対象空間が暖房されることになる。
第2熱交換器6から送り出された高圧の液冷媒は、膨張装置5によって、低圧のガス冷媒と液冷媒との気液二相状態の冷媒になる。気液二相冷媒は、第1分配器4を介して蒸発器として機能する第1熱交換器3に流れ込む。第1熱交換器3では、流れ込んだ気液二相冷媒と、第1送風機16によって供給される空気との間で熱交換が行われて、気液二相冷媒のうち液冷媒が蒸発して低圧のガス冷媒(単相)になる。第1熱交換器3から送り出された低圧のガス冷媒は、流路切替装置2を介して圧縮機1に流れ込み、圧縮されて高温高圧のガス冷媒となって、再び圧縮機1から吐出する。以下、このサイクルが繰り返される。
<冷媒流動音の発生部分の例について>
図2は、冷媒配管の分岐部分で発生する冷媒流動音を説明するための模式図である。図3は、冷媒配管の曲がり部分で発生する冷媒流動音を説明するための模式図である。図4は、電子膨張弁で発生する冷媒流動音を説明するための模式図である。図5は、分配器で発生する冷媒流動音を説明するための模式図である。図6は、整流管(キャピラリーチューブ)で発生する冷媒流動音を説明するための模式図である。
図2〜図6に基づいて、冷凍サイクル装置100の冷媒回路から発生する冷媒流動音について説明する。
冷媒回路を冷媒が流動する場合、冷媒の相状態が変化するところで、主に冷媒の状態に起因して振動音及び透過音が発生する。冷媒の相状態が変化する箇所としては、例えば、図2に示す冷媒配管の分岐部分、図3に示す冷媒配管の曲がり部分、図4に示す電子膨張弁、図5に示す分配器、図6に示す整流管等が考えられる。図2〜図6で例示した部分は、冷媒回路において圧力変化部となる部分であり、二層変化する冷媒の相状態が変化する部分である。
図2に模式的に示すように、紙面左側から流れてきた冷媒が分岐部分で二手に分流する場合、分岐部分で冷媒配管15Xが振動し、振動音が発生する。また、分岐部分で冷媒配管15Xの外部へ透過してしまう透過音が発生する。
なお、図2では、冷媒配管を冷媒配管15Xとして図示し、冷媒の流れを白抜き矢印で示し、振動音及び透過音の伝搬を実線矢印で示している。また、図2では、振動の発生部分を波線で表し、透過音の発生部分を渦巻き矢印で表している。
図3に模式的に示すように、紙面左側から流れてきた冷媒が紙面下側の方向に曲げられる場合、曲げられたれた部分で冷媒配管15Xが振動し、振動音が発生する。また、曲げられた部分で冷媒配管15Xの外部へ透過してしまう透過音が発生する。つまり、冷媒配管15Xの曲がり部分が冷媒回路の圧力変化部となる。
なお、図3では、冷媒配管を冷媒配管15Xとして図示し、冷媒の流れを白抜き矢印で示し、振動音及び透過音の伝搬を実線矢印で示している。また、図3では、振動の発生部分を波線で表し、透過音の発生部分を渦巻き矢印で表している。
図4に模式的に示すように、膨張装置5として電子膨張弁5Xを用いた場合、絞り部54Xを冷媒が通過する際に、電子膨張弁5X及び冷媒配管15Xが振動し、振動音が発生する。また、電子膨張弁5Xに接続している冷媒配管15Xで冷媒配管15Xの外部へ透過してしまう透過音が発生する。つまり、電子膨張弁5X、及び、電子膨張弁5Xに接続している冷媒配管15Xが冷媒回路の圧力変化部となる。
なお、図4では、電子膨張弁を電子膨張弁5Xとして図示し、冷媒配管を冷媒配管15Xとして図示し、冷媒の流れを白抜き矢印で示し、振動音及び透過音の伝搬を実線矢印で示している。また、図4では、振動の発生部分を波線で表し、透過音の発生部分を渦巻き矢印で表している。
図5に模式的に示すように、冷媒の流れを複数に分岐する分配器4Xを用いた場合、紙面下側から流れてきた冷媒が分配器4Xの分配合流流路4X−1に流入した際に、分配器4X及び冷媒配管15Xが振動し、振動音が発生する。また、分配合流流路4X−1で冷媒配管15Xの外部へ透過してしまう透過音が発生する。
なお、図5では、分配器を分配器4Xとして図示し、冷媒配管を冷媒配管15Xとして図示し、冷媒の流れを白抜き矢印で示し、振動音及び透過音の伝搬を実線矢印で示している。また、図5では、振動の発生部分を波線で表し、透過音の発生部分を渦巻き矢印で表している。
図6に模式的に示すように、膨張装置5として整流管5Yを用いた場合、紙面下側から流れてきた冷媒が整流管5Yに流入した部分及び冷媒が流出する部分で整流管5Yが振動し、振動音が発生する。また、冷媒が流出した部分で冷媒配管15Xの外部へ透過してしまう透過音が発生する。
なお、図6では、整流管を整流管5Yとして図示し、冷媒配管を冷媒配管15Xとして図示し、冷媒の流れを白抜き矢印で示し、振動音及び透過音を実線矢印で示している。また、図6では、振動の発生部分を波線で表し、透過音の発生部分を渦巻き矢印で表している。
<電子膨張弁5Xの具体的な構成>
図7は、冷凍サイクル装置100が備える膨張装置5の一例である電子膨張弁5Xの構成例を模式的に示す概略断面図である。図7に基づいて、電子膨張弁5Xの構成について説明する。なお、図7では、電子膨張弁5Xに接続されている冷媒配管15Xのうち、電子膨張弁5Xの弁体52Xの冷媒流量を調整する際の移動方向の延長上に接続された冷媒配管15Xを第1配管15AXとして図示し、電子膨張弁5Xの弁体52Xの移動方向と直交するように接続された冷媒配管15Xを第2配管15BXとして図示している。
電子膨張弁5Xは、本体51Xと、本体51Xの内部に移動可能に設けられた弁体52Xと、弁体52Xを駆動する駆動装置59Xと、を有している。
本体51Xは、例えば真鍮製の鋳造品を切削加工して形成される。本体51Xの内部には、弁体52Xが進退自在に設けられている弁室55Xが形成されている。弁室55Xには、冷媒が流入する。本体51Xの側面(弁体52Xの移動方向と直交する位置にある壁部)には、第2配管15BXが接続される。第2配管15BXは、本体51Xの側面に形成されている貫通穴57Xによって弁室55Xと連通する。つまり、貫通穴57Xは冷媒の流出入口として機能する。
本体51Xの底部(弁体52Xの移動方向の延長上にある壁部)には、第1配管15AXが接続される。第1配管15AXは、本体51Xの底部に形成されている貫通穴56Xによって弁室55Xと連通する。つまり、貫通穴56Xは冷媒の流出入口として機能する。貫通穴56Xの弁室55X側の周縁部が、弁座53Xとして機能する。
弁体52Xは、円柱状部52aXと円錐状部52bXとが一体に形成され、貫通穴56Xに向かって進退自在に設けられている。円柱状部52aXが弁体52Xの軸部を構成し、駆動装置59Xに連結される。円錐状部52bXの先端部が貫通穴56Xに挿抜されることにより、円錐状部52bXと弁座53Xとにより円環状の絞り部54Xを形成する。つまり、弁体52Xを進退させることで、絞り部54Xの開口面積を変化させ、冷媒流量が調整可能になっている。なお、円錐状部52bXは、厳密に円錐形状である必要はなく、先細りする形状(第1配管15AXに向かって縮径する形状)であればよい。
駆動装置59Xは、本体51Xの第1配管15AXとは反対側に設けられている。駆動装置59Xにより、弁体52Xが弁室55Xで紙面左右方向に移動する。そして、弁体52Xの位置により、弁座53Xと弁体52Xとで形成される円環状の微少通路である絞り部54Xの通路面積(通路の断面積)が変化する。つまり、弁体52Xの位置によって、貫通穴56Xの開度が調節される。
以上のように構成された電子膨張弁5Xの作用について説明する。電子膨張弁5Xを冷凍サイクル装置100の膨張装置5として適用する場合、電子膨張弁5Xは、冷凍サイクル装置100の一構成要素として、第1熱交換器3と第2熱交換器6との間に設置される。そのため、電子膨張弁5Xの設置によって、気液二相冷媒は、第1配管15AX又は第2配管15BXから流入することになる。
まず、第1配管15AXから気液二相冷媒が流入する場合の電子膨張弁5Xの作用について説明する。つまり、図7において、紙面右側から紙面左側に冷媒が流れる場合を例に電子膨張弁5Xの作用を説明する。
電子膨張弁5Xの本体51Xに、第1配管15AXから気液二相冷媒が流入する。第1配管15AXから本体51Xに流入した気液二相冷媒は、弁体52Xに衝突する。気液二相冷媒が衝突した弁体52Xは、振動し、振動音が発生することになる。
また、第2配管15BXから気液二相冷媒が流入する場合は、電子膨張弁5Xの本体51Xに、第2配管15BXから気液二相冷媒が流入する。第2配管15BXから本体51Xに流入した気液二相冷媒は、弁体52Xに衝突する。気液二相冷媒が衝突した弁体52Xは、振動し、振動音が発生することになる。第2配管15BXの接続位置を偏位配置することで、弁体52Xに直接的に気液二相冷媒を衝突させないようにできる。ただし、キャビテーションノイズの対策とはならない。
第2配管15BXから流入した冷媒は、弁室55X内で、弁体52Xを中心とした旋回流となる。そのため、液冷媒が外周側、ガス冷媒が内周側に偏在しようとする。その後、短い距離を経て絞り部54Xに冷媒が流入する。
一般的に、気液二相冷媒が第2配管15BXより電子膨張弁5Xに流入する場合、弁室55X内に流入して絞り部54Xに至るまでには距離があり、冷媒流れが乱れる。
次に、第1配管15AXから液冷媒が流入する場合の電子膨張弁5Xの作用について説明する。
電子膨張弁5Xの本体51Xに、第1配管15AXから液冷媒が流入する。弁室55X内は、液冷媒のみであるので、絞り部54Xで冷媒流動音が発生しにくい。しかしながら、絞り部54Xを通過した後に、キャビテーション等により非平衡状態でガス冷媒(気泡)が発生する場合がある。つまり、液冷媒ではなく気液二相冷媒となることで、キャビテーションノイズが発生してしまうことになる。その後、弁室55X内で流れ方向を変化させ、第2配管15BXから冷媒が排出される。
なお、第2配管15BXから液冷媒が流入した場合も同様である。
以上のように、電子膨張弁5Xにおいては、第1配管15AXから冷媒が流入したとしても、第2配管15BXから冷媒が流入したとしても、いずれの場合においても、振動及び騒音が発生してしまう。
<冷媒回路から発生する冷媒流動音の詳細について>
図8は、冷凍サイクル装置100の冷媒回路から発生する冷媒流動音を説明するための説明図である。図9は、冷凍サイクル装置100が備える電子膨張弁5X及び第1配管15Aに気液二相冷媒が流れている状態を模式的に示す概略部分断面図である。図8及び図9に基づいて、冷凍サイクル装置100から発生する冷媒流動音について具体的に説明する。
なお、図8では、冷凍サイクル装置100の冷媒回路から発生する冷媒流動音の周波数特性の一例をグラフとして示している。また、図8では、縦軸が音圧レベル(dB)を示し、横軸が周波数(Hz)を示している。
図9では、膨張装置5の1つである電子膨張弁5Xを図示している。電子膨張弁5Xの構成については、図7で説明した通りである。
冷凍サイクル装置100の冷媒回路から発生する冷媒流動音には、電子膨張弁5Xの冷媒通過時に発生する衝撃性の振動音、冷媒配管15を冷媒が流れる際に、冷媒配管15と気柱共鳴した共鳴音、冷媒中に泡などが発生している場合は、その泡の径及び量などに応じた衝撃性の振動音(いわゆるキャビテーション現象に伴う音)等がある。
これらの音の中には、冷媒配管15又は構成部品そのものを振動させることで放射する振動音もあれば、冷媒配管15の内部から外部へ透過して放射する透過音もある。
透過音については、一般的に波長の1/4波長の厚みがあれば、材料面を通過するときに音響減衰効果を得られるということが知られている。しかしながら、透過音の音響エネルギが何らかの影響で大きくなる場合は、波長の1/4波長の厚みでも透過音を減衰しきれない場合がある。例えば、音の疎密波の影響付加などによって、透過音の音響エネルギが大きくなる場合が考えられる。径が小さく、かつ、長い距離となっている冷媒配管15に至っては、冷媒配管15内に必然的に音の疎密波が存在する。そして、疎密波と透過音の密部分が一致した場合、音の増幅によって音響エネルギが増大する。これにより、薄い肉厚の冷媒配管15では、音が冷媒配管15の外部に透過してしまう可能性が高くなる。
冷凍サイクル装置100の運転条件に応じて、冷媒回路内の冷媒は、気相→気液二相→液相の順に流れている。また、冷媒回路内の冷媒は、液相→気液二相→気相の順に流れている場合もある。これら相条件では、異なる冷媒流動音が発生する。つまり、気液二相冷媒から発生する冷媒流動音と、液相冷媒から発生する冷媒流動音と、気相冷媒から発生する冷媒流動音とが、異なっている。これは、音を発生させる冷媒の条件に起因するからである。相条件が異なる冷媒が絞り部54Xを通過又は絞り部54Xに衝突することで、冷媒流動音を発生させる。
特に変動的な音の条件を作るのは、冷媒が気液二相状態の場合である。気液二相状態の気相は、様々な寸法径で構成された「泡」状態の集合体とも表現できる。そして、泡径が非常に細かい泡は、マイクロクラスであり、いわゆるマイクロバブルと言われ状態となっている。また、冷媒回路を形成している冷媒配管15の内部は、冷媒を循環させるために高圧力状態となっており、冷媒には加速度が発生している。高速で流れる気液二相状態の冷媒で、マイクロクラスの泡が発生しているとき、圧力がかかった加速度状態で泡が冷媒配管15を進行していることになる。このとき、泡内は空気が押しつぶされた状態になっている。
このような高圧状態の泡が、電子膨張弁5Xに流入し、電子膨張弁5Xの絞り部54Xに衝突すると、絞り部54Xで破裂することになる。このときに、キャビテーション現象に伴うバブルパルスと呼ばれる「音=騒音」が発生する。この音は、図8に示すように、周波数が15kHz以上の高周波帯域=超音波帯域になっていることが音響特性により周波数分析できた。
泡の径、泡の衝突、及び、泡の絞り部54Xの通過状態によって、超音波帯域の音は、変動を繰り返し、様々な周波数が発生することになる。この周波数は配管振動として発生し、その振動は透過音として冷媒配管15の外部に伝搬する。冷媒配管15の外部に伝搬した透過音は、音として聴感的に聞こえる帯域として生活者に不快な音として届くことになる。つまり、複数のピーク状態の超音波の近接した周波数が発生することになる。ピーク性の超音波帯域の成分は非線形領域の音波であり、近接した周波数間で公知であるパラメトリック現象による差分と和分の周波数成分として発生する。
特に差分の周波数成分は可聴周波数帯域に新たな周波数を発生させる。つまり、差分の周波数成分が冷媒配管15を流れる液相冷媒又は気相冷媒に伝搬し、振動発生箇所とは異なる冷媒回路の部位から音が発生することになる。これが音(騒音)として放射され、生活者への不快音として提供されることになる。そして、この現象が、振動対策を講ずるだけでは、全ての冷媒流動音に対する対策にはならなかった理由の一つである。
また、図8に示すように、キャビテーションによる周波数は、15kHz以上の超音波帯域において複数発生する。この差分成分が、1kHzから8kHzの可聴帯域において発生することになる。15kHzの波長は、冷媒配管15内温度が20度状態の場合、C(音速)=f(周波数)*λ(波長)の関係から、0.023m(一波長)となる。
15kHz以上の帯域では、上記数値より波長が短くなる(C=335+0.6t(m/S))。
4kHzの波長は、波長λ=0.087mとなる。
上記の現象により、冷媒流動音は、液相状態及び気相状態においても不快音として発生する。液相状態で発生しやすい周波数成分は、1kHz前後の帯域である。この場合の周波数成分は、液相状態の冷媒が絞り部54Xを通過するときの渦流とその剥離流に伴う周波数成分である。また、気相状態で発生しやすい周波数成分は、5kHz〜8kHzの周波数帯域である。この場合の周波数成分は、気相状態の冷媒が絞り部54Xを通過するときの流体音成分であり、非常に狭い空間を通過するときの通過音の周波数成分が基本となっている。いずれの相においても、超音波帯域はほとんど発生せず、可聴帯域成分が主体的になっている。
また、発生する音には、冷媒配管15と冷媒との摺動音も含まれている。この摺動音には、振動成分も含まれる。そのために、従来例のような振動対策で振動に対する対策とはなっているが、冷媒配管15の内部から外部へと透過し空間に伝搬する音の周波数成分に対しては、振動対策だけでは不可能である。つまり、一旦、冷媒配管15の外部へと透過した音放射への対策としては、何らかのエネルギ変換処理を行う外部からの処理が必要である。
二相状態の冷媒流動音は、配管共鳴と一致して、冷媒配管15内の音の疎密波の密部分で増幅現象を発生させる。冷媒配管15は、一般に折り曲げられて冷凍サイクル装置100に搭載されているために、曲げ部分に至るまでの冷媒配管15の両端部は「閉ざされた空間」と想定できる。この場合の疎密波は、f=nC/2Lで定義される。Cは音速、nは次数、L=空間寸法(m)である。
二相状態を想定すると、L=nC/2fから、4kHzの場合は、L=0.044m(約4cm)程となる。電子膨張弁5Xに直結する冷媒配管15(第1配管15AX)は、直管部分は一般的に5cm前後であり、この直管部分に音の密部分があり、その部分との一致により、音の増幅が行われてしまう。これにより、電子膨張弁5Xに直結する冷媒配管15(第1配管15AX)の5cm以内で音の増幅が行われていることとなり、電子膨張弁5Xだけに対策を施しても、劇的な対策効果は得られない。
よって、冷媒流動音に対して確実な対策とするためには、電子膨張弁5Xだけでなく、電子膨張弁5Xに直結する冷媒配管15(第1配管15AX)に対しても施すことが必要となる。
<冷媒回路から発生する冷媒流動音の対策>
図10〜図17は、冷凍サイクル装置100が備える透過音抑制部材60の構成例を模式的に示す概略断面図である。図18は、冷凍サイクル装置100において透過音抑制部材60を設置した場合の電子膨張弁5Xから50mm以内の配管振動を測定した結果の一例を示すグラフである。図10〜図18に基づいて、冷凍サイクル装置100における冷媒流動音の対策ついて説明する。図10〜図18に示す透過音源80とは、図2〜図6に例示した部分のいずれかである。
なお、図10及び図11で透過音抑制部材60の一例を示し、図12及び図13で透過音抑制部材60の他の一例を示し、図14及び図15で透過音抑制部材60の更に他の一例を示し、図16及び図17で透過音抑制部材60の更に他の一例を示している。
また、図18では、縦軸が振動加速度特性(G)を示し、横軸が周波数(Hz)を示している。
上述したように、一旦、冷媒配管15の外部へと透過した音放射に対しては、何らかのエネルギ変換処理を行う外部からの処理が必要である。熱変換を効率的に行う手段としては、空気室を含む材料で音放射源を覆うことが有効である。また、音放射を効率的に対策するためには、吸音層(吸音材)、又は、吸音層と制振層とを組み合わせた吸制振層(吸制振材)で、振動音及び透過音の発生箇所(図2〜図6参照)の周囲を覆うことが有効である。こうすることで、吸音層での可聴帯域に対する対策と、制振層での超音波帯域に対する対策と、の両方を同時に行うことができる。
また、図18に示すように、6kHz付近の周波数帯域に関しては、冷媒配管15内の疎密波による音響加振が一要因となった振動成分も存在するが、それ以上の高い周波数帯域には突出するような振動周波数成分は非常に小さなレスポンスとなっている。このことから、14kHz以上の周波数は、膨張装置5で破裂した泡のキャビテーションに伴う振動が冷媒配管15を揺らして振動音として発生しているよりも、冷媒配管15内の気柱共鳴と一致して発生している可能性が高いということがわかる。
そこで、冷凍サイクル装置100では、透過音抑制部材60を設けるようにした。
透過音抑制部材60は、例えば図10及び図11に示すように、吸音材61の一層で構成することができる。吸音材61は、空気室を含んでおり、可聴帯域の周波数成分を熱エネルギに変換して、可聴帯域の音成分を消耗する役割を果たす。吸音材61は、例えばパルプ系繊維を基材として形成されている。具体的には、パルプ系繊維であるバイオプラスチック等を圧縮成形することで形成することができる。そのため、従来のガラス繊維などによる吸音材に比べ、材料から飛散した繊維による中皮腫問題などを起こす心配がない。
パルプ系繊維は、繊維の断面に空気孔が複数形成されており、他の繊維で成形したものよりも空気室を多く含み、高い吸音率を得られる。また、吸音材61の表面に撥水性能を付随させてもよい。こうすれば、冷媒配管15で発生する水分を吸収しにくく、吸音性能の低下を抑制できる。さらに、吸音材61の内部に抗カビ材を含ませてもよい。こうすれば、万が一水分を吸収しても、カビ等の発生を抑制することが可能になる。
すなわち、冷凍サイクル装置100が空気調和装置に備えられる場合、周囲温度又は対象部品の温度が50℃以上の高温となったり、0℃付近の低温となったりすることがあるため、環境に対応させるべく、吸音材61に、耐水、撥水、抗菌、防カビ機能を併せ持たせるとよい。設置箇所が露点温度以下になる可能性も想定されるため、吸音材61に、耐水、撥水、抗菌、防カビ機能を持たせれば、設置箇所から剥がれ落ちたり、制振材62又は遮音材63から剥離してしまったり、水分を吸収してしまったり、カビが発生してしまったりすることを抑制できる。
また、高温環境でも吸音材61の形状を保つため、吸音材61に耐熱性を併せ持たせるとよい。吸音材61に耐熱性を持たせれば、設置箇所から剥がれ落ちたり、制振材62又は遮音材63から剥離してしまったりすることを抑制できる。
また、透過音抑制部材60は、例えば図12及び図13に示すように、吸音材61と制振材62との二層で構成することができる。吸音材61については、図10及び図11で説明した通りである。制振材62は、振動を熱変換する誘電性材料を含んでおり、冷媒配管15の内部から外部へと透過する音響成分を熱エネルギとして消耗するものである。制振材62は、音響エネルギを振動−熱変換することでエネルギ消耗させる役目を果たす。制振材62は、可聴帯域から、特に超音波帯域の周波数成分を有効に減衰させる。制振材62は、例えばカーボンなどの誘電性材料をポリエステル系樹脂等に混錬して形成されている。また、制振材62に圧電性を有する材料等を混錬させてもよい。こうすれば、摩擦熱による熱変換もすることが可能になる。
透過音抑制部材60を、吸音材61と制振材62との2層で構成する場合、吸音材61を内側(冷媒配管15側)に設け、制振材62を吸音材61の外側に設けるようにする。こうすれば、冷媒配管15の外部に透過した音響エネルギ成分を確実に減衰させることができる。そして、発生する全ての冷媒流動音の対策となり、不快音による生活者の不快感を低減できる。
さらに、透過音抑制部材60は、例えば図14及び図15に示すように、吸音材61と遮音材63との二層で構成することができる。吸音材61については、図10及び図11で説明した通りである。遮音材63は、配置箇所の振動を抑制するものである。遮音材63は、制振材62と同様に振動エネルギを熱エネルギに変換する材料、例えばブチルゴム等の防振部材で構成され、制振材62と同様または異なる周波数帯域の周波数成分を有効に減衰させるものである。
透過音抑制部材60を、吸音材61と遮音材63との2層で構成する場合、遮音材63を内側(冷媒配管15側)に設け、吸音材61を遮音材63の外側に設けるようにする。こうすれば、冷媒配管15の外部に透過した音響エネルギ成分を確実に減衰させることができる。そして、発生する全ての冷媒流動音の対策となり、不快音による生活者の不快感を低減できる。
加えて、透過音抑制部材60は、例えば図16及び図17に示すように、吸音材61と制振材62と遮音材63との三層で構成することができる。吸音材61については、図10及び図11で説明した通りである。制振材62については、図12及び図13で説明した通りである。なお、遮音材63については、図14及び図15で説明した通りである。
透過音抑制部材60を、吸音材61と制振材62と遮音材63との3層で構成する場合、遮音材63を内側(冷媒配管15側)に設け、制振材62を外側に設け、吸音材61を制振材62と遮音材63との間に設けるようにする。こうすれば、冷媒配管15の外部に透過した音響エネルギ成分を確実に減衰させることができる。そして、発生する全ての冷媒流動音の対策となり、不快音による生活者の不快感を低減できる。
透過音抑制部材60は、配置箇所の全周を覆うように配置するとよい。また、透過音抑制部材60を取り付け箇所の外周面に貼り付ける必要はなく、透過音抑制部材60の配管側の面と冷媒配管15の外周面との間に空隙があってもよい。なお、透過音抑制部材60の取り付け方については、後段で詳しく説明する。
更に具体的に説明する。
図19は、冷凍サイクル装置100が備える透過音抑制部材60の特性を説明するためのグラフである。図19では、左側縦軸が吸音率(%)を示し、右側縦軸が遮音量(dB)を示し、横軸が周波数(Hz)を示している。
吸音材61及び制振材62の関係は以下のようになる。
吸音材61及び制振材62のいずれも、低減したい周波数帯域の波長と出力レベル(圧力=音圧レベル)に関係する。
吸音材61は、10kHz以下の可聴帯域に対応する。
制振材62は、10kHz以上の超音波帯域に対応する。
吸音材61は、以下のように構成する。
一波長λ=C/f(Cは音速(空気中では340m/S(大気温15度の場合))、fは周波数(Hz))。
例えば中心周波数5kHzとして、その周波数を低減することを想定すると、その時の波長は、略0.068m(約7cm)となる。吸音材61が、吸音したい周波数の波長の1/4波長以上の厚みを有することが望ましいということは公知である。つまり、上記の計算から、5kHz前後の周波数を低減したい場合、吸音材61の厚みを少なくとも1.75cmとする必要があることになる。
しかしながら、理想的な厚みと、現実の家電製品(特に小空間しかないような家電製品)では理想的な厚みを確保することが困難な場合が多い。そこで、吸音材61は吸音効果を高める(音→熱変換効率を高める)ために、吸音材61の内部に空気室を確保することが重要となる。
透過音抑制部材60として用いる吸音材61は、厚みに対する空気室の吸音材重量比が50%前後を確保できる繊維線径及び製法で形成するとよい。例えば、繊維線径は100μ以下とし、繊維材の自然落下による積層を基本とした製法により、吸音材61を形成することができる。また、吸音材61の材料としては、繊維材そのものに空気層が確保されている自然素材のパルプ材を繊維状に抽出処理したパルプ繊維等を用いるとよい。
これにより、極小空間しか設けることができない家電製品の内部空間に、透過音抑制部材60を設置するための厚みを例えば5mm厚とし、5kHz前後帯域では90%以上の吸音効果を有することが可能になる(図19に示す線A)。
次に、制振材62は、以下のように構成する。
周波数が超音波帯域に近づき、かつ、その超音波帯域の音圧レベルが可聴周波数帯域と同等又は同等以上の音圧レベルを有する場合、複数の狭い指向角度を有する(指向)特性を有することは公知である。そのために、超音波帯域の音は直線性の鋭い(強い)音となっていることは周知の事実である。
よって、超音波帯域の音が同時に発生しているような音源に対しては、吸音材61だけでは音圧レベルを十分に低減できない場合がある。また、極小空間の家電製品内で広い周波数帯域全ての音の圧力(音圧レベル)を低減することは、厚みが薄い吸音材61のみでは困難である。そのために、透過音抑制部材60は、吸音材61の他に制振材62を用い、吸音材61と制振材62の二層構造としている。
制振材62を用いることで、吸音材61を通過し入射した、指向性の鋭い高周波帯域の音響エネルギを、材料での熱変換効果によって、音圧レベルの低減を更に行うことができる。この時に、特に12kHz以上の超音波帯域を対象とした場合、上述したよう波長は0.028m(3cm前後)で、1/4波長では0.007mで、相当厚み以上が有効となる。
しかしながら、上述したように有効な厚みは確保できないので、構成する材料内容で有効な遮音効果を得られるようにする必要がある。そのために、制振材62に入射する音の圧力を振動として捉え、その振動エネルギを効果的に熱エネルギに変化する材料で制振材62を構成して、遮音性能を確保するようにしている(図19に示す線B)。また、圧電効果等も利用すれば、熱変換効率を上げることができ、材料厚みが薄くても、厚みのあるゴム等の密度の高い材料(図19に示す線C)と同等以上の音の低減効果を得ることが可能になる。
以上のように、透過音抑制部材60は、製法手段及び材料選定により、従来厚みよりも薄い厚み条件で、吸音及び遮音を図ることができ、設置する空間と層構成のための混錬する材料特性により、吸音材61及び制振材62の厚みは自由に構成することが可能になる。
また、透過音抑制部材60を、遮音材63と吸音材61と制振材62との三層構造とすることで、吸音層及び遮音層の薄型化を図ることができる。遮音材63を防振部材で構成したとしても、振動に起因する音の周波数をシフトさせ、吸音材61及び制振材62での減衰可能な周波数帯域と分けることができ、透過音抑制部材60の薄型化を図ることが可能になる。例えば配管振動に起因する2k−3kHz付近の周波数帯の音でピーク音が発生している場合、遮音材63で抑制または発生周波数をシフトすることができれば、吸音材61及び制振材62の薄型化が可能になり、搭載スペースが限られている等の制約条件にたいして有効な手段となる。
<透過音抑制部材60の取り付け方の例>
図20〜図26は、冷凍サイクル装置100が備える透過音抑制部材60の取り付け方の例を模式的に示す概略図である。図20〜図26に基づいて、透過音抑制部材60の取り付け方の具体例について説明する。なお、図25及び図26は、図22〜図24の透過音抑制部材60の取り付け方を冷媒の流れ方向から見た状態を示している。また、図25及び図26では、図12及び図13で示した透過音抑制部材60を代表例として図示している。さらに、図20〜図24に示す透過音源80とは、図2〜図6に例示した部分のいずれかである。
図20に示すように、例えば粘着材を用いて透過音抑制部材60を透過音源80となる部材の外側表面に貼り付けることで、透過音抑制部材60を透過音源80となる部材の外側表面を覆うように取り付けることができる。そのため、複雑な工程及び複雑な構造を要することなく、透過音抑制部材60を取り付けることが可能になる。ただし、透過音抑制部材60の全面全部が透過音源80となる部材の外側表面に張り付いている必要はなく、透過音抑制部材60と透過音源80となる部材との間に空隙があってもよい。この空隙によって、更に吸音効果を向上させることが可能になる場合も考えられる。
図21に示すように、透過音抑制部材60で透過音源80となる部材の外側表面を覆い、例えば固定部材70(例えば、ひも、結束バンド、ワイヤーなど)を用いて透過音抑制部材60の両端部の全周を固定することで、透過音抑制部材60を透過音源80となる部材の外側表面を覆うように取り付けることができる。そのため、複雑な工程及び複雑な構造を要することなく、透過音抑制部材60を取り付けることが可能になる。
固定部材70による透過音抑制部材60の固定位置は、透過音抑制部材60で透過音源80となる部材の外側表面を覆った際における透過音抑制部材60の透過音源80の投影領域R1を避けた位置にする。投影領域R1に固定部材70を設置すると、透過音抑制部材60を構成している吸音材61の空気室がつぶれてしまう可能性があるからである。
ただし、固定部材70の個数及び大きさを特に限定するものではない。また、固定部材70が透過音抑制部材60の投影領域R1を避けて設置されていれば、固定部材70が透過音抑制部材60の両端を必ずしも固定していなくてもよい。さらに、透過音抑制部材60と透過音源80となる部材との間に空隙があってもよいことは上述した通りである。
図22に示すように、透過音抑制部材60で透過音源80となる部材の外側表面を覆い、例えばバンド71を用いて透過音抑制部材60の一部を固定することで、透過音抑制部材60を透過音源80となる部材の外側表面を覆うように取り付けることができる。そのため、複雑な工程及び複雑な構造を要することなく、透過音抑制部材60を取り付けることが可能になる。なお、バンド71は、固定部材70の一例である。
図23に示すように、透過音抑制部材60で透過音源80となる部材の外側表面を覆い、例えばクリップ72を用いて透過音抑制部材60の一部を固定することで、透過音抑制部材60を透過音源80となる部材の外側表面を覆うように取り付けることができる。そのため、複雑な工程及び複雑な構造を要することなく、透過音抑制部材60を取り付けることが可能になる。なお、クリップ72は、固定部材70の一例である。
図24に示すように、透過音抑制部材60で透過音源80となる部材の外側表面を覆い、例えばステープラー73を用いて透過音抑制部材60の一部を固定することで、透過音抑制部材60を透過音源80となる部材の外側表面を覆うように取り付けることができる。そのため、複雑な工程及び複雑な構造を要することなく、透過音抑制部材60を取り付けることが可能になる。なお、ステープラー73は、固定部材70の一例である。
図22〜図24に示す透過音抑制部材60の取り付け方は、例えば図25及び図26に示すような場合を想定している。図25では、透過音源80となる部材の外側表面を覆った透過音抑制部材60の端部同士が重なる重複部65が1つ形成されている状態を例に示している。図26では、2つの透過音抑制部材60を用いて透過音源80となる部材の外側表面を覆い、2つの透過音抑制部材60の端部同士が重なる重複部65が2つ形成されている状態を例に示している。
図25及び図26に示すように透過音抑制部材60を透過音源80となる部材の外側表面を覆う場合、重複部65をバンド71、クリップ72又はステープラー73で固定し、透過音抑制部材60を透過音源80となる部材の外側表面を覆うように取り付けることができる。バンド71、クリップ72又はステープラー73による透過音抑制部材60の固定位置は、透過音抑制部材60で透過音源80となる部材の外側表面を覆った際における透過音抑制部材60の透過音源80の投影領域R2を避けた位置にする。投影領域R2にバンド71、クリップ72又はステープラー73を設置すると、透過音抑制部材60を構成している吸音材61の空気室がつぶれてしまう可能性があるからである。
以上のように、透過音抑制部材60の吸音材61が有している空気室を確保した状態で、透過音抑制部材60を透過音源80となる部材の外側表面に取り付けることができ、吸音材61の音響エネルギ減衰効果が確保できる。
なお、図25及び図26では、図12及び図13で示した透過音抑制部材60を代表例として図示したが、透過音抑制部材60は、図10及び図11で示したものでもよく、図14及び図15で示したものでもよく、図16及び図17で示したものでもよい。また、固定部材70(バンド71、クリップ72又はステープラー73を含む)については、透過音抑制部材60を固定できるものであればよく、例示した部材に限定するものではない。
<冷凍サイクル装置100の奏する効果>
冷凍サイクル装置100は、圧縮機1、第1熱交換器(熱源側熱交換器)3、膨張装置5、及び、第2熱交換器(利用側熱交換器)6を冷媒配管15で接続した冷媒回路を備え、冷媒回路には二相変化する冷媒が封入され、冷媒が冷媒配管15を含めた前記冷媒回路を流動するようになっており、前記冷媒回路のうち冷媒が相変化する部分の外側表面に透過音抑制部材60を配置したものである。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、冷媒が相変化する冷媒回路の外側表面部分に透過音抑制部材60を配置したので、透過音抑制部材60によって冷媒配管15内を流れる冷媒の状態に起因して冷媒配管15の内部から冷媒配管15の外部へと透過する透過音の抑制ができ、結果として冷媒流動音を低減することが可能になる。
冷凍サイクル装置100では、透過音抑制部材60が、可聴帯域音及び超音波帯域音を吸音するものである。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、透過音抑制部材60によって、可聴帯域の透過音及び超音波帯域の透過音の双方の対策ができる。
冷凍サイクル装置100では、透過音抑制部材60が、冷媒回路を構成する冷媒配管15の分岐部分及び冷媒配管15の曲がり部分の少なくとも1つに配置されている。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、冷媒の相状態が変化する冷媒配管15の分岐部分及び冷媒配管15の曲がり部分の少なくとも1つに透過音抑制部材60を配置したので、冷媒が相変化する際に発生する冷媒流動音を効果的に低減できる。
冷凍サイクル装置100は、膨張装置5として電子膨張弁5Xを用いたものにおいて、透過音抑制部材60が、冷媒回路を構成する電子膨張弁5Xに配置されている。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、冷媒の相状態が変化する電子膨張弁5Xに透過音抑制部材60を配置したので、冷媒が相変化する際に発生する冷媒流動音を効果的に低減できる。
冷凍サイクル装置100は、膨張装置5として整流管5Yを用いたものにおいて、透過音抑制部材60が、冷媒回路を構成する整流管5Yに配置されている。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、冷媒の相状態が変化する整流管5Yに透過音抑制部材60を配置したので、冷媒が相変化する際に発生する冷媒流動音を効果的に低減できる。
冷凍サイクル装置100は、第1熱交換器(熱源側熱交換器)3及び第2熱交換器(利用側熱交換器)6の少なくとも1つの入口側に分配器4Xを備えたものにおいて、透過音抑制部材60が、冷媒回路を構成する分配器4Xに配置されている。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、冷媒の相状態が変化する分配器4Xに透過音抑制部材60を配置したので、冷媒が相変化する際に発生する冷媒流動音を効果的に低減できる。
冷凍サイクル装置100は、透過音抑制部材60が、配置箇所の全周を覆っている。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、配置箇所の全周から外部に放射的に伝搬してしまう音放射を抑制することができる。
冷凍サイクル装置100は、透過音抑制部材60が、空気室を含んだ吸音材61で構成されている。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、吸音材61の空気室によって透過音を効果的に吸音することができる。
冷凍サイクル装置100は、透過音抑制部材60が、空気室を含んだ吸音材61と、誘電性材料を含んだ制振材62と、の2層で構成されており、制振材62による層が透過音抑制部材60の最も外側を構成している。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、従来厚みよりも薄い厚み条件で、吸音及び遮音を図ることができる。
冷凍サイクル装置100は、透過音抑制部材60が、空気室を含んだ吸音材61と、誘電性材料を含んだ遮音材63と、の2層で構成されており、吸音材61による層が透過音抑制部材60の最も外側を構成している。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、従来厚みよりも薄い厚み条件で、吸音及び遮音を図ることができる。
冷凍サイクル装置100は、透過音抑制部材60が、空気室を含んだ吸音材61と、誘電性材料を含んだ遮音材63と、誘電性材料を含んだ制振材62と、の3層で構成されており、制振材62による層が透過音抑制部材60の最も内側を構成し、遮音材63による層が透過音抑制部材60の最も外側を構成し、吸音材61による層が制振材62による層と遮音材63による層との間を構成している。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、従来厚みよりも薄い厚み条件で、吸音及び遮音を図ることができる。
冷凍サイクル装置100は、透過音抑制部材60が、粘着材を用いて貼り付けられている。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、複雑な工程及び複雑な構造を要することなく、透過音抑制部材60を取り付けることができる。
冷凍サイクル装置100は、透過音抑制部材60が、固定部材70を用いて取り付けられている。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、複雑な工程及び複雑な構造を要することなく、透過音抑制部材60を取り付けることができる。
冷凍サイクル装置100は、固定部材70は、透過音抑制部材60の透過音源80の投影領域(投影領域R1、投影領域R2)を避けた位置で透過音抑制部材60を固定する。
そのため、冷凍サイクル装置100によれば、固定部材70によって投影領域R1及び投影領域R2における透過音抑制部材60を構成している吸音材61の空気室をつぶすことがないので、吸音材61による吸音特性が低下しない。
また、本発明に係る電気機器によれば、上記の冷凍サイクル装置を備えているので、生活者の身近な電気機器から発生する不快音に対しての対策ができ、生活者の不快感を低減できる。
なお、電気機器としては、例えば、空気調和装置、給湯装置、冷凍装置、除湿装置、又は、冷蔵庫等が挙げられる。
1 圧縮機、2 流路切替装置、3 第1熱交換器、4 第1分配器、4X 分配器、4X−1 分配合流流路、5 膨張装置、5X 電子膨張弁、5Y 整流管、6 第2熱交換器、7 第2分配器、15 冷媒配管、15A 第1配管、15AX 第1配管、15BX 第2配管、15X 冷媒配管、16 第1送風機、17 第2送風機、51X 本体、52X 弁体、52aX 円柱状部、52bX 円錐状部、53X 弁座、54X 絞り部、55X 弁室、56X 貫通穴、57X 貫通穴、59X 駆動装置、60 透過音抑制部材、61 吸音材、62 制振材、63 遮音材、65 重複部、70 固定部材、71 バンド、72 クリップ、73 ステープラー、80 透過音源、100 冷凍サイクル装置、100A 熱源側ユニット、100B 負荷側ユニット、R1 投影領域、R2 投影領域。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機、第1熱交換器、膨張装置、及び、第2熱交換器を冷媒配管で接続した冷媒回路を備え、前記冷媒回路には二相変化する冷媒が封入され、前記冷媒が前記冷媒配管を含めた前記冷媒回路を流動するようになっており、前記冷媒配管の分岐部分、前記冷媒配管の曲がり部分、前記膨張装置、及び、前記膨張装置に接続している前記冷媒配管の少なくとも一つの外側表面に透過音抑制部材を配置し、前記透過音抑制部材は、空気室を含んだ吸音材で構成され、可聴帯域音及び超音波帯域音を吸音するものである。

Claims (13)

  1. 圧縮機、第1熱交換器、膨張装置、及び、第2熱交換器を冷媒配管で接続した冷媒回路を備え、
    前記冷媒回路には二相変化する冷媒が封入され、前記冷媒が前記冷媒配管を含めた前記冷媒回路を流動するようになっており、
    前記冷媒配管の分岐部分、前記冷媒配管の曲がり部分、前記膨張装置、及び、前記膨張装置に接続している前記冷媒配管の少なくとも一つの外側表面に透過音抑制部材を配置した
    冷凍サイクル装置。
  2. 前記透過音抑制部材は、
    可聴帯域音及び超音波帯域音を吸音する
    請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記膨張装置は、電子膨張弁又は整流管である
    請求項1又は2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器の少なくとも1つの入口側に分配器を備え、
    前記透過音抑制部材は、
    前記分配器の外側表面にも配置されている
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記透過音抑制部材は、
    配置箇所の全周を覆っている
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記透過音抑制部材は、
    空気室を含んだ吸音材で構成されている
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記透過音抑制部材は、
    空気室を含んだ吸音材と、
    誘電性材料を含んだ制振材と、の2層で構成されており、
    前記制振材による層が前記透過音抑制部材の最も外側を構成している
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記透過音抑制部材は、
    空気室を含んだ吸音材と、
    誘電性材料を含んだ遮音材と、の2層で構成されており、
    前記吸音材による層が前記透過音抑制部材の最も外側を構成している
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記透過音抑制部材は、
    空気室を含んだ吸音材と、
    誘電性材料を含んだ遮音材と、
    誘電性材料を含んだ制振材と、の3層で構成されており、
    前記制振材による層が前記透過音抑制部材の最も内側を構成し、前記遮音材による層が前記透過音抑制部材の最も外側を構成し、前記吸音材による層が前記制振材による層と前記遮音材による層との間を構成している
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  10. 前記透過音抑制部材は、
    粘着材を用いて貼り付けられている
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  11. 前記透過音抑制部材は、
    固定部材を用いて取り付けられている
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  12. 前記固定部材は、
    前記透過音抑制部材の透過音源の投影領域を避けた位置で前記透過音抑制部材を固定する
    請求項11に記載の冷凍サイクル装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置を備えた
    電気機器。
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