JPWO2018181151A1 - 軟質ポリウレタンフォーム、衣料材料、ブラジャーのパッド、ブラジャーのカップ、および、軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンフォーム、衣料材料、ブラジャーのパッド、ブラジャーのカップ、および、軟質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含有するポリイソシアネート成分とポリオキシアルキレンポリオールを含有するポリオール成分とが反応および発泡してなる軟質ポリウレタンフォームにおいて誘導体は脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体を含み脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体の含有割合が脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の総量に対して70モル%以上でありポリオキシアルキレンポリオールはオキシエチレンユニットおよびオキシプロピレンユニットを併有しポリオキシアルキレンポリオールに対してオキシエチレンユニットが5〜20モル%でありポリオキシアルキレンポリオールの末端水酸基の総モル数に対して、1級水酸基が50モル%以下である。

Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォーム、衣料材料、ブラジャーのパッド、ブラジャーのカップ、および、軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関し、詳しくは、軟質ポリウレタンフォーム、その軟質ポリウレタンフォームを含む衣料材料、その衣料材料の成形品であるブラジャーのパッド、そのブラジャーのパッドを備えるブラジャーのカップ、および、軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
軟質ポリウレタンフォームは、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを、ウレタン化触媒および発泡剤の存在下において反応させることにより得られ、幅広い分野において用いられている。
このようなポリイソシアネート成分としては、芳香族ポリイソシアネートを用いることが知られているが、芳香族ポリイソシアネートを用いて得られる芳香族系軟質ポリウレタンフォームは、紫外線や酸素ガス(例えば、酸化窒素ガス(NO)など)に曝されることにより変色する場合がある。
そこで、ポリイソシアネート成分として、脂肪族ポリイソシアネートおよび/またはその誘導体を用いることが検討されている。
例えば、有機ポリイソシアネート(A)、ポリオール(B)、触媒(C)、発泡剤(D)、整泡剤(E)の混合液を反応発泡、硬化させて得られる軟質ポリウレタンフォームにおいて、イソシアネート成分(A)として、モノオールと脂肪族系および/または脂環族系ジイソシアネートとからなるアロファネート変性有機ポリイソシアネート組成物(A1)と、水酸基を2つ以上含むアルコールと脂肪族系および/または脂環族系ジイソシアネートからなるアロファネート変性有機ポリイソシアネート組成物(A2)と、脂肪族系および/または脂環族系ジイソシアネートとポリオール成分(a1)とを反応させることにより得られる有機ポリイソシアネート化合物(A3)との混合物を用いることが、提案されている。また、このような軟質ポリウレタンフォームにおいて、ポリオール(B)としては、ポリプロピレングリコール(PPG)を用いることが提案されており、具体的には、官能基数2〜3、OH価56〜560のPPGを用いることが、提案されている(例えば、特許文献1(調製例44〜47)参照。)。
特開2012−224712号公報
一方、軟質ポリウレタンフォームは、近年、通気性が要求されており、特許文献1に記載のポリイソシアネート組成物とポリプロピレングリコール(PPG)とを用いて得られる軟質ポリウレタンフォームは、通気性が十分ではないという不具合を有している。
また、軟質ポリウレタンフォームは、通気性の他、機械物性(耐変形性(耐歪)、引裂強度、伸びなど)が要求される場合がある。
本発明は、通気性および機械物性を兼ね備える軟質ポリウレタンフォーム、その軟質ポリウレタンフォームを含む衣料材料、その衣料材料の成形品であるブラジャーのパッド、そのブラジャーのパッドを備えるブラジャーのカップ、および、軟質ポリウレタンフォームの製造方法である。
本発明[1]は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含有するポリイソシアネート成分と、ポリオキシアルキレンポリオールを含有するポリオール成分とが反応および発泡してなる軟質ポリウレタンフォームであって、前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体を含み、前記脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体の含有割合が、前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の総量に対して、70モル%以上であり、前記ポリオキシアルキレンポリオールは、オキシエチレンユニットおよびオキシプロピレンユニットを併有し、前記ポリオキシアルキレンポリオールに対して、前記オキシエチレンユニットが5モル%以上20モル%以下であり、前記ポリオキシアルキレンポリオールの末端水酸基の総モル数に対して、1級水酸基が50モル%以下である、軟質ポリウレタンフォームを含んでいる。
本発明[2]は、前記脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体の含有割合が、前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の総量に対して、75モル%以上99モル%以下である、上記[1]に記載の軟質ポリウレタンフォームを含んでいる。
本発明[3]は、前記脂肪族ポリイソシアネートが、ペンタメチレンジイソシアネートおよび/またはヘキサメチレンジイソシアネートを含有する、上記[1]または[2]に記載の軟質ポリウレタンフォームを含んでいる。
本発明[4]は、前記ポリイソシアネート成分が、さらに、脂環族ポリイソシアネートを含有する、上記[3]に記載の軟質ポリウレタンフォームを含んでいる。
本発明[5]は、前記誘導体は、アルコールにより変性されたアロファネート誘導体を含み、前記アルコールが、1価アルコールと2価アルコールとを含有する、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタンフォームを含んでいる。
本発明[6]は、前記アルコールが、分岐状の1価アルコールと、分岐状の2価アルコールとを含有する、上記[5]に記載の軟質ポリウレタンフォームを含んでいる。
本発明[7]は、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタンフォームを含む、衣料材料を含んでいる。
本発明[8]は、上記[7]に記載の衣料材料の成形品である、ブラジャーのパッドを含んでいる。
本発明[9]は、上記[8]に記載のブラジャーのパッドを備える、ブラジャーのカップを含んでいる。
本発明[10]は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含有するポリイソシアネート成分と、ポリオキシアルキレンポリオールを含有するポリオール成分とを準備する工程と、前記ポリイソシアネート成分と、前記ポリオール成分とを反応および発泡させ、軟質ポリウレタンフォームを製造する工程とを備え、前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体を含み、前記脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体の含有割合が、前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の総量に対して、70モル%以上であり、前記ポリオキシアルキレンポリオールは、オキシエチレンユニットおよびオキシプロピレンユニットを併有し、前記ポリオキシアルキレンポリオールに対して、前記オキシエチレンユニットが5モル%以上20モル%以下であり、前記ポリオキシアルキレンポリオールの末端水酸基の総モル数に対して、1級水酸基が50モル%以下である、軟質ポリウレタンフォームの製造方法を含んでいる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法では、ポリイソシアネート成分が、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体を含有しており、そのアロファネート誘導体が脂肪族ポリイソシアネートの誘導体に対して所定割合であり、かつ、ポリオール成分がポリオキシアルキレンポリオールを含有しており、そのポリオキシアルキレンポリオールにおけるオキシエチレンユニットの割合および1級水酸基の割合が所定割合である。そのため、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、通気性および機械物性を兼ね備える。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームを含む衣料材料、および、その衣料材料の成形品としてのブラジャーのパッドや、ブラジャーのカップは、通気性および機械物性を兼ね備える。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とが、反応および発泡してなる反応生成物である。
より具体的には、軟質ポリウレタンフォームは、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とを、ウレタン化触媒(後述)および発泡剤(後述)の存在下において、反応および発泡させることにより得られる。
ポリイソシアネート成分は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含有している。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、鎖状(直鎖状または分岐鎖状:非環式)脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、具体的には、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエート、ドデカメチレンジイソシアネートなどの鎖状脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられ、好ましくは、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が挙げられる。
また、脂肪族ポリイソシアネートとしては、脂環族ポリイソシアネートも挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物(水添XDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)などの脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
これら脂肪族ポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
脂肪族ポリイソシアネートとして、好ましくは、鎖状脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、より好ましくは、鎖状脂肪族ジイソシアネートが挙げられ、さらに好ましくは、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートが、鎖状脂肪族ポリイソシアネート(好ましくは、鎖状脂肪族ジイソシアネート)を含有していれば、通気性および機械物性の向上を図ることができる。また、脂肪族ポリイソシアネートが、ペンタメチレンジイソシアネートおよび/またはヘキサメチレンジイソシアネートを含有していれば、反応性の向上を図ることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとして、とりわけ好ましくは、ペンタメチレンジイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートが、ペンタメチレンジイソシアネートを含有していれば、柔軟性、通気性および機械物性の向上を図ることができる。
また、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体を含有している。
脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体は、例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネートと、アルコールとを反応させ、次いで、アロファネート化触媒の存在下でアロファネート化反応させることにより、得ることができる。
アルコールとしては、例えば、1価アルコール、2価アルコール、3価以上のアルコールなどが挙げられる。
1価アルコールとしては、例えば、直鎖状の1価アルコール、分岐状の1価アルコールなどが挙げられる。
直鎖状の1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール(ラウリルアルコール)、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘキサデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール(ステアリルアルコール)、n−ノナデカノール、エイコサノールなどのC(炭素数、以下同様)1〜20の直鎖状の1価アルコールが挙げられる。
分岐状の1価アルコールとしては、例えば、イソプロパノール、イソブタノール(イソブチルアルコール)、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソペンタノール、イソヘキサノール、イソヘプタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサン−1−オール、イソノナノール、イソデカノール、5−エチル−2−ノナノール、トリメチルノニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、3,9−ジエチル−6−トリデカノール、2−イソヘプチルイソウンデカノール、2−オクチルドデカノール、その他の分岐状アルカノール(C5〜20)などのC3〜20の分岐状の1価アルコールが挙げられる。
これら1価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
1価アルコールとして、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を低粘度化させる観点から、好ましくは、分岐状の1価アルコールが挙げられ、より好ましくは、C3〜20の分岐状の1価アルコールが挙げられ、さらに好ましくは、イソプロパノール、イソブタノールが挙げられ、とりわけ好ましくは、イソブタノールが挙げられる。
2価アルコールとしては、例えば、直鎖状の2価アルコール、分岐状の2価アルコールなどが挙げられる。
直鎖状の2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール(1,4−ブチレングリコール)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、その他の直鎖状のアルカン(C7〜20)ジオールなどが挙げられる。
分岐状の2価アルコールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,2−トリメチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、その他の分岐状のアルカン(C7〜20)ジオールなどのC3〜20の分岐状の2価アルコールなどが挙げられる。
これら2価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
2価アルコールとして、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を低粘度化させる観点から、好ましくは、分岐状の2価アルコールが挙げられ、より好ましくは、C3〜20の分岐状の2価アルコールが挙げられ、さらに好ましくは、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールが挙げられ、とりわけ好ましくは、3−メチル−1,5−ペンタンジオールが挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール、例えば、ショ糖などの8価アルコールなどが挙げられる。
これら3価以上のアルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
アルコールとして、好ましくは、1価アルコール、2価アルコールが挙げられ、通気性および機械物性の観点から、より好ましくは、分岐状の1価アルコール、分岐状の2価アルコールが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体の製造において、脂肪族ポリイソシアネートとアルコールとの反応における配合割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、アルコールが、例えば、3質量部以上、好ましくは、3質量部を超過し、より好ましくは、3.2質量部以上、さらに好ましくは、3.5質量部以上であり、例えば、50質量部以下、好ましくは、20質量部以下、より好ましくは、10質量部以下である。
また、この反応においては、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、必要に応じて、上記したアルコールと、例えば、チオール類、オキシム類、ラクタム類、フェノール類、βジケトン類などの活性水素基含有化合物とを併用することができる。
脂肪族ポリイソシアネートとアルコールとの反応における反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下において、反応温度が、例えば、室温(例えば、25℃)以上、好ましくは、40℃以上であり、例えば、100℃以下、好ましくは、90℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.05時間以上、好ましくは、0.2時間以上であり、例えば、10時間以下、好ましくは、6時間以下である。
これにより、脂肪族ポリイソシアネートとアルコールとをウレタン化反応させる。
また、上記ウレタン化反応においては、必要に応じて、公知のウレタン化触媒(例えば、アミン類(後述)、有機金属化合物(後述)など)を配合してもよい。なお、ウレタン化触媒の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、この方法では、得られる反応液に、アロファネート化触媒を配合し、脂肪族ポリイソシアネートとアルコールとの反応物を、アロファネート化反応させる。
アロファネート化触媒としては、例えば、オクチル酸ビスマス、トリス(2−エチルヘキサン酸)ビスマスなどの有機カルボン酸ビスマス塩、例えば、オクチル酸鉛などの有機カルボン酸鉛塩などが挙げられる。
これらアロファネート化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
アロファネート化触媒として、好ましくは、有機カルボン酸ビスマス塩が挙げられ、より好ましくは、トリス(2−エチルヘキサン酸)ビスマスが挙げられる。
アロファネート化触媒の添加割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.0005質量部以上、好ましくは、0.001質量部以上であり、例えば、0.3質量部以下、好ましくは、0.05質量部以下、より好ましくは、0.03質量部以下である。
アロファネート化反応の反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下、反応温度が、0℃以上、好ましくは、20℃以上であり、例えば、160℃以下、好ましくは、120℃以下である。また、反応時間が、例えば、30分以上、好ましくは、60分以上であり、例えば、1200分以下、好ましくは、600分以下である。
そして、上記のアロファネート化反応において、所定の反応率(イソシアネート基転化率)に達した時点で、例えば、リン酸、モノクロロ酢酸、塩化ベンゾイル、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸(o−またはp−トルエンスルホン酸)およびその誘導体(例えば、o−またはp−トルエンスルホン酸メチルなど)、トルエンスルホンアミド(o−またはp−トルエンスルホンアミド)などの反応停止剤を反応液に添加して、触媒を失活させてアロファネート化反応を停止させる。この場合、キレート樹脂やイオン交換樹脂などの、触媒を吸着する吸着剤を添加して、アロファネート化反応を停止させることもできる。
アロファネート化反応を停止させるときのイソシアネート基の転化率は、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上であり、例えば、20質量%以下、好ましくは、15質量%以下である。
なお、イソシアネート基の転化率は、後述する実施例に準拠して求めることができる。
これにより、脂肪族ポリイソシアネートをアロファネート化反応させることができる。
また、上記のウレタン化反応および/またはアロファネート化反応では、ウレタン化およびアロファネート化を調整するために、例えば、公知の有機亜リン酸エステルなどを、助触媒として配合することもできる。有機亜リン酸エステルは、単独使用または2種類以上併用することができる。有機亜リン酸エステルとして、好ましくは、モノフォスファイト類、より好ましくは、トリス(トリデシル)ホスファイトが挙げられる。
有機亜リン酸エステルの添加割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.02質量部以上、より好ましくは、0.03質量部以上であり、例えば、0.2質量部以下、好ましくは、0.15質量部以下、より好ましくは、0.1質量部以下である。
また、上記のウレタン化反応および/またはアロファネート化反応では、必要により、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、例えば、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェノール(BHT)、イルガノックス1010、イルガノックス1076、イルガノックス1135、イルガノックス245(以上、BASFジャパン社製、商品名)などの反応安定剤を配合することもできる。
反応安定剤の配合割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.05質量部以上であり、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.10質量部以下である。
また、上記のウレタン化反応および/またはアロファネート化反応では、必要により、公知の反応溶媒を、適宜の割合で配合してもよい。
そして、反応終了後、得られる反応混合液から、未反応の脂肪族ポリイソシアネート(触媒、反応溶媒および/または触媒失活剤を配合する場合には、触媒、反応溶媒および/または触媒失活剤も含む)を、例えば、薄膜蒸留(スミス蒸留)などの蒸留や、抽出などの公知の方法で除去することにより、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体が得られる。また、未反応の脂肪族ポリイソシアネートの除去後、得られる脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体に、反応停止剤を安定剤として任意の添加割合で添加することもできる。
そして、このような方法により、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体が得られ、より具体的には、アルコールにより変性されたアロファネート誘導体が得られる。
アルコールにより変性されたアロファネート誘導体において、アルコールとしては、上記したように、好ましくは、1価アルコール、2価アルコールが挙げられ、より好ましくは、分岐状の1価アルコール、分岐状の2価アルコールが挙げられる。
また、アルコールとして、さらに好ましくは、1価アルコールと2価アルコールとの併用が挙げられ、とりわけ好ましくは、分岐状の1価アルコールと、分岐状の2価アルコールとの併用が挙げられる。
1価アルコール(好ましくは、分岐状の1価アルコール(以下同様))と、2価アルコール(好ましくは、分岐状の2価アルコール(以下同様))とが併用されていれば、通気性および機械物性に優れる軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
1価アルコールと2価アルコールとの併用形態としては、特に制限されず、例えば、1価アルコールおよび2価アルコールの混合アルコールを、上記のアロファネート誘導体の製造に用いることができる。
また、例えば、1価アルコールのみを用いて得られたアロファネート誘導体と、2価アルコールのみを用いて得られたアロファネート誘導体とを、それぞれ調製し、それらを混合してもよい。
さらには、例えば、1価アルコールのみを用いて得られたアロファネート誘導体と、2価アルコールのみを用いて得られたアロファネート誘導体と、1価アルコールおよび2価アルコールの混合アルコールを用いて得られたアロファネート誘導体とを、それぞれ調製し、それらを混合してもよい。
1価アルコールと2価アルコールとの割合(原料基準)は、1価アルコールと2価アルコールとの総量100質量部に対して、1価アルコールが、例えば、10質量部以上、好ましくは、50質量部以上であり、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下である。また、2価アルコールが、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上であり、例えば、90質量部以下、好ましくは、50質量部以下である。
また、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、上記した脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体以外の誘導体(以下、その他の誘導体と称する。)を、適宜の割合で含有することができる。
その他の誘導体としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネートの多量体(例えば、2量体、3量体、5量体、7量体など。)、ビウレット誘導体(例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネートと、水やアミン類との反応により生成するビウレット誘導体など。)、ウレア誘導体(例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネートとジアミンとの反応により生成するウレア誘導体など。)、オキサジアジントリオン誘導体(例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネートと炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオン誘導体など。)、カルボジイミド誘導体(上記した脂肪族ポリイソシアネートの脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド誘導体など。)、ポリオール誘導体(例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネートと公知の低分子量ポリオール(好ましくは、低分子量トリオール)との反応より生成するポリオール誘導体(アルコール付加体)、上記した脂肪族ポリイソシアネートと公知の低分子量ポリオールおよび/または公知の高分子量ポリオールとの反応より生成するポリオール誘導体)などが挙げられる。
これらその他の誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
その他の誘導体として、好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートの3量体が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートの3量体は、対称・非対称イソシアヌレート基を含有している(以下、脂肪族ポリイソシアネートの3量体を、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と称する場合がある。)。
なお、対称・非対称イソシアヌレート基とは、対称性イソシアヌレート基および/または非対称性イソシアヌレート基と定義される。
対称性イソシアヌレート基は、イソシアヌレート基であって、脂肪族ポリイソシアネートの対称性3量体(トリマー)に含有される。
また、非対称性イソシアヌレート基は、イミノオキサジアジンジオン基であって、脂肪族ポリイソシアネートの非対称性3量体(トリマー)に含有される。
その他の誘導体が含有される形態としては、特に制限されず、例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体の製造時において、各反応(ウレタン化反応、アロファネート化反応など)における副生物としてその他の誘導体(例えば、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体)が生成され、その他の誘導体が、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体に含有されていてもよい。
また、例えば、別途調製されたその他の誘導体(例えば、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体)が、上記した脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体と混合され、ポリイソシアネートの誘導体に含有されていてもよい。
脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体とを含有し、さらに好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体と、そのアロファネート誘導体の製造時に副生される脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体とを、含有する。
脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体の含有割合は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の総量に対して、例えば、70モル%以上、好ましくは、75モル%以上、より好ましくは、80モル%以上、さらに好ましくは、85モル%以上、さらに好ましくは、90モル%以上、とりわけ好ましくは、95モル%以上であり、通常、100モル%未満、好ましくは、99モル%以下、より好ましくは、98モル%以下である。
また、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の含有割合は、例えば、0モル%を超過し、好ましくは、1モル%以上、より好ましくは、2モル%以上であり、例えば、30モル%以下、好ましくは、25モル%以下、より好ましくは、20モル%以下、さらに好ましくは、15モル%以下、さらに好ましくは、10モル%以下、とりわけ好ましくは、5モル%以下である。
脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体、および、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の含有割合が上記範囲であれば、通気性および機械物性に優れる軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
また、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、好ましくは、その他の誘導体として、脂肪族ポリイソシアネートの2量体を含有しないか、または、含有量が微量である。
脂肪族ポリイソシアネートの2量体は、ウレトジオン基を含有している(以下、脂肪族ポリイソシアネートの2量体を、脂肪族ポリイソシアネートのウレトジオン誘導体と称する場合がある。)。
脂肪族ポリイソシアネートのウレトジオン誘導体の含有割合は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の総量に対して、例えば、10モル%未満、好ましくは、5モル%以下、より好ましくは、3モル%以下、さらに好ましくは、1モル%以下、とりわけ好ましくは、0モル%である。
脂肪族ポリイソシアネートのウレトジオン誘導体の含有割合が上記範囲であれば、通気性および機械物性に優れる軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
脂肪族ポリイソシアネートの誘導体として、とりわけ好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体、および、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体のみを含有する。
なお、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体中の、アロファネート誘導体、イソシアヌレート誘導体およびウレトジオン誘導体の含有割合は、後述する実施例に準拠して、H−NMR法により測定されたNMRチャートから得られるアロファネート基と対称・非対称イソシアヌレート基とのモル比率、および、13C−NMR法により測定されたNMRチャートから得られるウレトジオン基と対称・非対称イソシアヌレート基とのモル比率から、算出することができる。
より具体的には、この方法では、まず、後述する実施例に準拠して、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の、H−NMR法により測定されたNMRチャートから得られるアロファネート基と、対称・非対称イソシアヌレート基とのモル比率を算出する。
例えば、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体のH−NMR測定(400MHz、溶剤:D−DMSO(溶質:5質量%)、基準物質:テトラメチルシラン)において、8.3〜8.7ppmのピークを脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート基(アロファネート基中のNH基)のプロトンの帰属ピークとし、また、3.8ppmのピークを脂肪族ポリイソシアネートの対称・非対称イソシアヌレート基(対称・非対称イソシアヌレート基に直接結合するメチレン基(CH基))のプロトンの帰属ピークとする。そして、それらのピーク面積比(積分比)を下記式により、対称・非対称イソシアヌレート基に対するアロファネート基の含有割合として算出する。
対称・非対称イソシアヌレート基に対するアロファネート基の含有割合=アロファネート基のプロトンの帰属ピークの積分値/(対称・非対称イソシアヌレート基のプロトンの帰属ピークの積分値/6)
また、この方法では、後述する実施例に準拠して、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の、13C−NMR法により測定されたNMRチャートから得られるウレトジオン基と、対称・非対称イソシアヌレート基とのモル比率を算出する。
例えば、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の13C−NMR測定(100MHz、溶剤:CDCL(溶質:50質量%)、基準物質:テトラメチルシラン)において、157.8ppmのピークを脂肪族ポリイソシアネートのウレトジオン基(ウレトジオン基内のCO基)の炭素の帰属ピークとし、また、149.1ppmのピークを脂肪族ポリイソシアネートの対称・非対称イソシアヌレート基(対称・非対称イソシアヌレート基内のCO基)の炭素の帰属ピークとする。そして、それらのピーク面積比(積分比)を下記式により、対称・非対称イソシアヌレート基に対するウレトジオン基の含有割合として算出する。
ウレトジオン基/対称・非対称イソシアヌレート基のモル比率=(ウレトジオン基の炭素の帰属ピークの積分値/2)/(対称・非対称イソシアヌレート基の炭素の帰属ピークの積分値/3)
その後、対称・非対称イソシアヌレート基100モルに対する、アロファネート基のモル数と、ウレトジオン基のモル数とを算出する。そして、対称・非対称イソシアヌレート基、アロファネート基およびウレトジオン基の総量に対する各基のモル比を算出する。
このとき、対称・非対称イソシアヌレート基、アロファネート基およびウレトジオン基の総量に対するアロファネート基のモル比を、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体中の、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体の含有割合とする。
また、対称・非対称イソシアヌレート基、アロファネート基およびウレトジオン基の総量に対する対称・非対称イソシアヌレート基のモル比を、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体中の、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の含有割合とする。
また、対称・非対称イソシアヌレート基、アロファネート基およびウレトジオン基の総量に対するウレトジオン基のモル比を、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体中の、脂肪族ポリイソシアネートのウレトジオン誘導体の含有割合とする。
さらに、ポリイソシアネート成分は、上記した脂肪族ポリイソシアネートの誘導体(すなわち、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(および必要により配合されるその他の誘導体))に加えて、他のポリイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有することもできる。
他のポリイソシアネートおよび/またはその誘導体としては、例えば、ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート誘導体(脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を除く。)が挙げられる。
ポリイソシアネート単量体としては、例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネート(脂環族ポリイソシアネートを含む。)、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートなどのポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−またはp−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TDI)、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(MDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(XDI)、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TMXDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
これらポリイソシアネート単量体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート誘導体(脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を除く。)としては、例えば、上記したポリイソシアネート単量体の、多量体(例えば、2量体、3量体、5量体、7量体など。)、アロファネート誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と、アルコールとの反応より生成するアロファネート誘導体など。)、ビウレット誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と、水やアミン類との反応により生成するビウレット誘導体など。)、ウレア誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体とジアミンとの反応により生成するウレア誘導体など。)、オキサジアジントリオン誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオン誘導体など。)、カルボジイミド誘導体(上記したポリイソシアネート単量体の脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド誘導体など。)、ポリオール誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と公知の低分子量ポリオール(好ましくは、低分子量トリオール)との反応より生成するポリオール誘導体(アルコール付加体)、上記したポリイソシアネート単量体と公知の低分子量ポリオールおよび/または公知の高分子量ポリオール(好ましくは、高分子量ポリオール)との反応より生成するポリオール誘導体(ポリイソシアネート基末端プレポリマー)など。)などが挙げられる。
これらポリイソシアネート誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これら他のポリイソシアネートおよび/またはその誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
他のポリイソシアネートとして、好ましくは、ポリイソシアネート単量体が挙げられ、より好ましくは、脂肪族ポリイソシアネート(単量体)が挙げられ、さらに好ましくは、脂環族ポリイソシアネート(単量体)が挙げられる。
換言すれば、ポリイソシアネート成分は、好ましくは、さらに、脂肪族ポリイソシアネート(単量体)を含有し、より好ましくは、脂環族ポリイソシアネート(単量体)を含有する。
また、脂環族ポリイソシアネート(単量体)として、とりわけ好ましくは、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート;IPDI)が挙げられる。
ポリイソシアネート成分が、脂環族ポリイソシアネート(単量体)を含有していれば、伸び率の向上を図ることができる。
ポリイソシアネート成分において、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体以外の成分(他のポリイソシアネートおよび/またはその誘導体)の含有割合は、ポリイソシアネート成分の総量に対して、例えば、50質量%未満、好ましくは、30質量%以下、より好ましくは、20質量%以下、さらに好ましくは、10質量%以下、さらに好ましくは、5質量%以下である。
また、ポリイソシアネート成分として、好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を単独で含有することが挙げられる。すなわち、ポリイソシアネート成分として、好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体以外の成分(他のポリイソシアネートおよび/またはその誘導体)を含有しないことが挙げられる。
そして、このようにして調製されるポリイソシアネート成分のイソシアネート基当量は、例えば、150以上、好ましくは、200以上であり、また、例えば、750以下、好ましくは、500以下である。
なお、イソシアネート基当量は、アミン当量と同義であり、JIS K 1603−1(2007)のA法またはB法により、求めることができる(以下同様)。
また、ポリイソシアネート成分の平均官能基数は、例えば、1.80以上、好ましくは、2.00以上、より好ましくは、2.10以上であり、また、例えば、2.90以下、好ましくは、2.80以下である。
また、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基濃度は、例えば、18質量%以上、好ましくは、20質量%以上であり、例えば、28質量%以下、好ましくは、25質量%以下、より好ましくは、24質量%以下である。
なお、イソシアネート基濃度は、後述する実施例に準拠して求めることができる(以下同様)。
また、ポリイソシアネート成分の25℃における粘度は、例えば、20mPa・s以上、好ましくは、100mPa・s以上、より好ましくは、150mPa・s以上、さらに好ましくは、200mPa・s以上であり、例えば、5000mPa・s、好ましくは、3000mPa・s以下、より好ましくは、1500mPa・s以下、さらに好ましくは、1000mPa・s以下、さらに好ましくは、980mPa・s以下、とりわけ好ましくは、800mPa・s以下である。
イソシアネート成分の粘度が上記範囲であれば、軟質ポリウレタンフォームの製造における作業性の向上を図ることができる。
なお、粘度は、後述する実施例に準拠して求めることができる(以下同様)。
ポリオール成分は、必須成分として、ポリオキシアルキレンポリオールを含有しており、好ましくは、ポリオキシアルキレンポリオールを単独で含有する。
ポリオキシアルキレンポリオールは、分子中に2つ以上のオキシアルキレンユニットと、2つ以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールである。
本発明において、ポリオキシアルキレンポリオールは、オキシエチレンユニットおよびオキシプロピレンユニットを併有している。すなわち、本発明において、ポリオキシアルキレンポリオールは、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン(ランダム/ブロック)共重合体である。
オキシエチレンユニットの含有割合は、ポリオキシアルキレンポリオールに対して、5モル%以上、好ましくは、8モル%以上、より好ましくは、10モル%以上、さらに好ましくは、12モル%以上であり、20モル%以下、好ましくは、18モル%以下、より好ましくは、15モル%以下である。
また、オキシプロピレンユニットの含有割合は、ポリオキシアルキレンポリオールに対して、例えば、80モル%以上、好ましくは、82モル%以上、より好ましくは、85モル%以上であり、例えば、95モル%以下、好ましくは、92モル%以下、より好ましくは、90モル%以下、さらに好ましくは、88モル%以下である。
オキシエチレンユニットおよびオキシプロピレンユニットの含有割合が上記範囲であれば、通気性および機械物性を兼ね備える軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
また、ポリオキシアルキレンポリオールは、分子末端に水酸基を有しており、その水酸基は、直接結合するオキシアルキレンユニット(オキシエチレンユニットまたはオキシプロピレンユニット)に応じて、1級水酸基または2級水酸基に分類される。
1級水酸基としては、例えば、−OCHCH−OH、−OCH(CH)CH−OHなどが挙げられる。また、2級水酸基としては、例えば、−OCHCH(CH)−OHなどが挙げられる。しかし、付加反応における1級水酸基および2級水酸基の選択性により、−OCH(CH)CH−OHは実質的に生成しない。そのため、オキシエチレンユニットの末端水酸基は、1級水酸基(−OCHCH−OH)であり、オキシプロピレンユニットの末端水酸基は、2級水酸基(−OCHCH(CH)−OH)である。
このようなポリオキシアルキレンポリオールにおいて、1級水酸基の割合は、ポリオキシアルキレンポリオールの末端水酸基の総モル数に対して、例えば、1モル%以上、好ましくは、5モル%以上、より好ましくは、10モル%以上、さらに好ましくは、15モル%以上、とりわけ好ましくは、20モル%以上であり、50モル%以下、好ましくは、50モル%未満、より好ましくは、45モル%以下、さらに好ましくは、40モル%以下、さらに好ましくは、35モル%以下、とりわけ好ましくは、30モル%以下である。
1級水酸基の割合が上記範囲であれば、通気性および機械物性を兼ね備える軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
なお、ポリオキシアルキレンポリオールにおけるオキシエチレンユニットの含有割合、および、末端水酸基の総量に対する1級水酸基の割合は、例えば、H−NMR(核磁気共鳴)装置において、無水トリフルオロ酢酸を添加した重水素化クロロホルムを溶媒として用いる方法などにより、プロトン積分値として算出することができる。
また、ポリオキシアルキレンポリオールにおけるオキシエチレンユニットの含有割合は、ポリオキシアルキレンポリオールの原料成分(仕込み量)から算出することもできる。
このようなポリオキシアルキレンポリオールは、例えば、水、低分子量アルコール、低分子量アミン、アンモニアなどの開始剤に、重合触媒の存在下で、アルキレンオキサイドを付加重合させることにより得られる。
低分子量アルコールは、分子量が30以上400未満の多価のアルコールであって、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価脂肪族アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価脂肪族アルコール、例えば、ペンタエリスリトール、ジグリセリンなどの4価脂肪族アルコール、例えば、ソルビトールなどの6価脂肪族アルコール、例えば、ショ糖などの8価脂肪族アルコールなどの2〜8価脂肪族アルコールが挙げられる。
低分子量アミンは、分子量が30以上400未満の多価のアミン化合物であって、具体的には、例えば、メチルアミン、エチルアミンなどの2価脂肪族アミン(活性水素を2つ有する脂肪族アミン)、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの3価脂肪族アミン(活性水素を3つ有する脂肪族アミン)(具体的には、アルカノールアミン)、例えば、エチレンジアミン、1,3−および/または1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソフォロンジアミンなどの4価脂肪族アミン(活性水素を4つ有する脂肪族アミン)、例えば、ジエチレントリアミンなどの5価脂肪族アミン(活性水素を5つ有する脂肪族アミン)などの2〜5価脂肪族アミン(活性水素を1つまたは複数有する脂肪族アミン)が挙げられる。また、低分子量アミンとして、例えば、2,4−または2,6−トリレンジアミン(TDA)などの芳香族ジアミンなどの多価芳香族アミン(活性水素を複数有する芳香族アミン)なども挙げられる。
これら開始剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
開始剤として、好ましくは、アルコールが挙げられ、より好ましくは、多価の脂肪族アルコールが挙げられ、より好ましくは、2〜6価脂肪族アルコールが挙げられ、さらに好ましくは、2〜4価脂肪族アルコールが挙げられ、とりわけ好ましくは、3価脂肪族アルコールが挙げられる。
重合触媒としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属触媒、例えば、亜鉛とコバルトとのシアノ錯体などの複合金属触媒(例えば、USP4,477,589号に記載される複合金属シアン化錯体)、例えば、窒素−リン二重結合を有するホスファゼンやホスファゼニウムなどのホスファゼニウム触媒などが挙げられる。
これら重合触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
アルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドを含有している。
アルキレンオキサイドは、好ましくは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドからなる。なお、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドの付加形式は、特に制限されず、ブロックまたはランダムのいずれであってもよい。
エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドの併用割合は、得られるポリオキシアルキレンポリオール中のオキシエチレンユニットとオキシプロピレンユニットとの割合が上記範囲となり、また、末端水酸基の総量に対する1級水酸基の割合が上記範囲となるように、適宜設定される。
開始剤にアルキレンオキサイドを付加重合させる方法としては、特に制限されず、公知の方法が採用される。また、付加重合においては、開始剤とアルキレンオキサイドとを一括で仕込んでもよく、開始剤に対して、アルキレンオキサイドを順次添加してもよい。
より具体的には、例えば、開始剤に対して、まず、プロピレンオキサイドを付加重合させ、次いで、エチレンオキサイドを付加重合させることもできる。また、得られた重合物の分子末端の一部または全部に対して、プロピレンオキサイドをさらに付加重合させることもできる。
また、例えば、開始剤に対して、まず、エチレンオキサイドを付加重合させ、次いで、プロピレンオキサイドを付加重合させることもできる。また、得られた重合物の分子末端の一部または全部に対して、エチレンオキサイドをさらに付加重合させることもできる。
好ましくは、まず、プロピレンオキサイドを付加重合させ、次いで、エチレンオキサイドを付加重合させる。
これにより、オキシエチレンユニットとオキシプロピレンユニットとの割合、および、1級水酸基の割合を、容易に調整することができる。
また、ポリオール成分としては、単独種類のポリオキシアルキレンポリオールを使用することもできるが、2種類以上のポリオキシアルキレンポリオールを併用することもできる。
すなわち、ポリオール成分としては、例えば、オキシエチレンユニットおよびオキシプロピレンユニットの含有割合や、例えば、末端水酸基に対する1級水酸基の割合などが異なるポリオキシアルキレンポリオールを、2種類以上併用することができる。
また、オキシエチレンユニットおよびオキシプロピレンユニットを併有するポリオキシアルキレンポリオールと、例えば、ポリオキシエチレンポリオール(オキシエチレンユニットのみを含有するポリオキシアルキレンポリオール)および/またはポリオキシプロピレンポリオール(オキシプロピレンユニットのみを含有するポリオキシアルキレンポリオール)とを混合して用いることができる。
さらに、ポリオキシアルキレンポリオールとして、例えば、ポリオキシエチレンポリオール(オキシエチレンユニットのみを含有するポリオキシアルキレンポリオール)と、ポリオキシプロピレンポリオール(オキシプロピレンユニットのみを含有するポリオキシアルキレンポリオール)とを混合して用いることもできる。
このような場合、2種類以上のポリオキシアルキレンポリオールの併用割合は、ポリオキシアルキレンポリオールの総量(混合物の総量)に対するオキシエチレンユニットの含有割合が上記範囲となり、かつ、末端水酸基の総量に対する1級水酸基の割合が上記範囲となるように、適宜設定される。
また、ポリオール成分は、必要に応じて、その他のポリオール(上記のポリオキシアルキレンポリオールを除くポリオール)を含有することもできる。
その他のポリオールとしては、軟質ポリウレタンフォームに用いられる公知のポリオールが挙げられ、具体的には、高分子量ポリオール、低分子量ポリオールなどが挙げられ、好ましくは、高分子量ポリオールが挙げられる。
高分子量ポリオールは、数平均分子量(Mn)400以上10000以下のポリオールであって、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオールなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
これらその他のポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、好ましくは、ポリオール成分は、その他のポリオールを含まず、上記のポリオキシアルキレンポリオールを単独で含有する。
そして、ポリオール成分は、軟質ポリウレタンフォームを得るための水酸基価および平均官能基数を有する。
具体的には、ポリオール成分の水酸基価(OH価)が、例えば、5mgKOH/g以上、好ましくは、50mgKOH/g以上、100mgKOH/g以上であり、例えば、500mgKOH/g以下、好ましくは、300mgKOH/g以下、より好ましくは、250mgKOH/g以下、さらに好ましくは、200mgKOH/g以下である。
また、ポリオール成分の平均官能基数が、例えば、1.5以上、好ましくは、2.0以上であり、例えば、8.0以下、好ましくは、4.0以下、より好ましくは、3.0以下である。
なお、ポリオール成分の水酸基価は、JIS K 1557−1(2007年)の記載に準拠して測定され、また、ポリオール成分の平均官能基数は、仕込みの配合処方から算出される。
そして、軟質ポリウレタンフォームは、上記ポリイソシアネート成分と、上記ポリオール成分とを、上記の通り準備し、それらをウレタン化触媒および発泡剤の存在下において反応させることにより、得ることができる。
ウレタン化触媒としては、例えば、アミン類、有機金属化合物などが挙げられる。
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホリンなどの3級アミン類、例えば、テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。これらアミン類は、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、これらアミン類は、市販品として入手することができ、例えば、カオーライザー No.31(花王社製)、カオーライザー No.120(花王社製)、カオーライザー No.12(花王社製)、カオーライザー No.25(花王社製)、DABCO 33LV(トリエチレンジアミンの33質量%ジエチレングリコール溶液、エア・プロダクツジャパン社製)、Niax A−1(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製(以下、「モメンティブ社製」とする。))、TOYOCAT−NCE(東ソー社製)などが挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプチド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジメルカプチド、ジオクチル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジクロリドなどの有機錫化合物、例えば、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物、例えば、ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル化合物、例えば、ナフテン酸コバルトなどの有機コバルト化合物、例えば、オクテン酸銅などの有機銅化合物、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物などが挙げられる。これら有機金属化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、これら有機金属化合物は、市販品として入手することができ、例えば、ネオスタンU−100(有機錫化合物、日東化成社製)、フォーメートTK−1(有機錫化合物、三井化学社製)、Formrez UL−28(有機錫化合物、モメンティブ社製)、Stanoct(有機錫化合物、三菱化学社製)などが挙げられる。
これらウレタン化触媒(アミン類および有機金属化合物)は、単独使用または2種類以上併用することができ、好ましくは、アミン類と有機金属化合物とを併用する。
ウレタン化触媒(有効成分量100%換算)の配合割合は、ポリオール成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上、より好ましくは、1.0質量部以上であり、また、例えば、5質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
ウレタン化触媒の配合割合が上記範囲であれば、得られる軟質ポリウレタンフォームの無黄変性を向上させることができる。
また、ウレタン化触媒として、アミン類と有機金属化合物とを併用する場合において、アミン類と有機金属化合物との配合割合の比率(アミン類の配合割合/有機金属化合物の配合割合、有効成分量100%換算)は、例えば、0.1以上、好ましくは、0.3以上であり、また、例えば、1以下、好ましくは、0.7以下である。
発泡剤としては、特に制限されず、公知の発泡剤が挙げられ、好ましくは、水が挙げられる。
また、発泡剤としては、水と、物理発泡剤(例えば、ハロゲン化炭化水素類(例えば、メチレンクロライドなど)、炭化水素類(例えば、シクロペンタンなど)、炭酸ガス、液化炭酸ガスなど)とを、適宜の割合で併用することができる。物理発泡剤としては、環境負荷低減の観点から、好ましくは、炭酸ガス、液化炭酸ガスが挙げられる。
これら物理発泡剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
発泡剤の配合割合は、ポリオール成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、7質量部以下である。
発泡剤の含有割合が上記範囲であれば、優れた発泡性を得ることができる。
そして、本発明の軟質ポリウレタンフォームを製造するには、まず、上記したポリオール成分に、上記したウレタン化触媒および上記した発泡剤を、上記した配合割合で配合してプレミックス(レジンプレミックス)を調製する。
また、プレミックスの調製では、必要により、整泡剤、安定剤などの添加剤を配合することができ、好ましくは、プレミックスは、上記したポリオール成分、上記したウレタン化触媒、上記した発泡剤、整泡剤および安定剤から調製される。
整泡剤としては、特に制限されず、公知の整泡剤が挙げられ、例えば、シリコーン整泡剤が挙げられる。
また、整泡剤は、市販品として入手することができ、例えば、DC−6070、DC−2525(以上、エア・プロダクツジャパン社製、商品名)、SZ−1966、SRX−274C、SF−2969、SF−2961、SF−2962、SZ−1325、SZ−1328(以上、東レ・ダウコーニング社製、商品名)、L−5309、L−3601、L−5307、L−3600、L−5366、Y−10366(以上、モメンティブ社製、商品名)、B−8002、B−8545、B−8715LF2(以上、エボニック社製、商品名)などが挙げられる。
これら整泡剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
整泡剤の配合割合は、ポリオール成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
安定剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤などが挙げられ、好ましくは、酸化防止剤、光安定剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(例えば、4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(BHT)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]など)、その他の酸化防止剤(例えば、ビス(2,4−ジt−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤、例えば、2,5−チオフェンジイルビス(5−t−ブチルー1,3−ベンゾキサゾール)などのチオフェン系酸化防止剤などのヒンダードフェノール系酸化防止剤を除く酸化防止剤)が挙げられる。
このような酸化防止剤の中では、好ましくは、リン系酸化防止剤が挙げられ、より好ましくは、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイトが挙げられる。トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイトとしては、市販品を用いることもでき、例えば、JP−308E(城北化学社製、商品名)が挙げられる。
これら酸化防止剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられる。
これら紫外線吸収剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
熱安定剤としては、例えば、スルホンアミド基を含有する化合物などが挙げられる。
スルホンアミド基を含有する化合物としては、例えば、芳香族スルホンアミド類、脂肪族スルホンアミド類などが挙げられ、好ましくは、o−トルエンスルホンアミドが挙げられる。
これら熱安定剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系耐光安定剤、ブレンド系耐光安定剤などが挙げられ、好ましくは、ヒンダードアミン系耐光安定剤が挙げられる。ヒンダートアミン系耐光安定剤としては、例えば、アデカスタブLA62、アデカスタブLA67(以上、アデカアーガス化学社製、商品名)、チヌビン765、チヌビン144、チヌビン770、チヌビン622(以上、BASFジャパン社製、商品名)などが挙げられる。
これら光安定剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
安定剤の配合割合は、ポリオール成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
なお、プレミックスには、上記の添加剤以外に、さらに、必要により、例えば、架橋剤、連通化剤、顔料(着色顔料)、染料、硬化促進剤、つや消し剤、密着性付与剤、シランカップリング剤などの公知のその他の添加剤を、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜の割合で配合することができる。
また、さらに、公知のその他の添加剤として、例えば、鎖延長剤、消泡剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、離型剤、滑剤、フィラー、加水分解防止剤などを、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜の割合で配合することもできる。
そして、このようにして得られたプレミックスと、ポリイソシアネート成分とを混合して反応させるとともに、例えば、スラブ方式、モールド方式、スプレー方式など、公知の発泡方式により発泡させることにより、本発明の軟質ポリウレタンフォームを得る。
プレミックスと、ポリイソシアネート成分との反応条件(例えば、反応温度など)は、その目的および用途に応じて、適宜設定される。
ポリイソシアネート成分の配合割合は、例えば、イソシアネートインデックス(ポリオール成分中の水酸基、発泡剤としての水などの活性水素の総量100に対するイソシアネート基の割合)として、例えば、60以上、好ましくは、70以上であり、例えば、500以下、好ましくは、130以下である。
プレミックスとポリイソシアネート成分との反応時間(クリームタイム(CT))は、後述する実施例に準拠して測定され、例えば、40秒以上であり、例えば、200秒以下、好ましくは、100秒以下、より好ましくは、60秒以下、さらに好ましくは、50秒以下である。
プレミックスとポリイソシアネート成分との反応時間(クリームタイム(CT))が上記範囲であれば、作業性の向上を図ることができる。
これによって、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分との反応生成物である、本発明の軟質ポリウレタンフォームを得る。
このようにして得られる本発明の軟質ポリウレタンフォームでは、ポリイソシアネート成分が、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体を含有しており、そのアロファネート誘導体が脂肪族ポリイソシアネートの誘導体に対して所定割合であり、かつ、ポリオール成分がポリオキシアルキレンポリオールを含有しており、そのポリオキシアルキレンポリオールにおけるオキシエチレンユニットの割合および1級水酸基の割合が所定割合である。そのため、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、通気性および機械物性を兼ね備える。
本発明の軟質ポリウレタンフォームにおいて、「軟質」とは、ポリウレタンフォームの硬さ(25%CLD、後述する実施例に準拠して測定)として、例えば、40.0N/100cm以下、好ましくは、30.0N/100cm以下、より好ましくは、20.0N/100cm以下、さらに好ましくは、15.0N/100cm以下、さらに好ましくは、10.0N/100cm以下、さらに好ましくは、7.0N/100cm以下、さらに好ましくは、5.0N/100cm以下であるものと定義することができる。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームの密度(後述する実施例に準拠して測定)は、例えば、10.0kg/m以上、好ましくは、15.0kg/m以上であり、また、例えば、50.0kg/m以下、好ましくは、45.0kg/m以下、より好ましくは、40.0kg/m以下、さらに好ましくは、37.0kg/m以下、とりわけ好ましくは、35.0kg/m以下である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの通気性(後述する実施例に準拠して測定)は、例えば、10cc/cm/sec以上、好ましくは、100cc/cm/sec以上、より好ましくは、200cc/cm/sec以上であり、例えば、500cc/cm/sec以下、好ましくは、400cc/cm/sec以下である。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームの引裂強度(後述する実施例に準拠して測定)は、例えば、1N/cm以上、好ましくは、1.5N/cm以上、より好ましくは、2N/cm以上である。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームの引張破断時伸び(後述する実施例に準拠して測定)は、例えば、35%以上、好ましくは、100%以上、より好ましくは、150%以上、さらに好ましくは、185%以上、さらに好ましくは、190%以上、特に好ましくは、200%以上であり、例えば、500%以下、好ましくは、400%以下である。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームの湿熱圧縮永久歪み(Wet Set(後述する実施例に準拠して測定))は、例えば、10%以下、好ましくは、6%以下、より好ましくは、5%以下、さらに好ましくは、4%以下、さらに好ましくは、3%以下、とりわけ好ましくは、2%以下である。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、耐変色性に優れている。換言すれば、本発明のポリウレタンフォームは、無黄変フォームである。
「無黄変」とは、軟質ポリウレタンフォームの耐光性Δbとして、例えば、15.0以下、好ましくは、12.0以下であるものと定義することができる。
そのため、得られた軟質ポリウレタンフォームの用途としては、例えば、自動車、家具、寝具、電子材料、医療、衣料、衛生素材などの分野における、耐圧分散材、保型性材料、吸音材、衝撃吸収材、振動吸収材、光学材料などの弾性材料として有効に用いることができる。
より具体的には、軟質ポリウレタンフォームは、例えば、座席シート、ヘッドレスト、アームレスト、チェアー、枕やマットレスなどの寝具やソファー、介護用クッション材料、レジャーシート、サポーター、カツラ用保型剤、フィルター、マイクのカバー、イヤホンのカバー、ヘッドホンのカバー、クッションフロアーの床材、化粧パフ、アイシャドーチップ、医療材料、塗工用ロール、OAロール、インク吸収シート、電子部材(例えば、電子タブレット、スマートフォンなど)、研磨パッド、生理用品、オムツに使用できる。
とりわけ、ポリウレタンフォームは、柔らかな触感および優れた無黄変性を有することから、好ましくは、衣料用または靴用、さらには、ロボット用の耐圧緩衝材に用いられ、具体的には、肩用パッド、ひざ用パッド、ひじ用パッド、水着用パッド、靴の舌部、靴インナーソール、医療材料、衣料材料、ロボット表皮、ロボットハンドなどに用いることができ、特に、衣料材料の成形品としての、ブラジャーのパッド、ブラジャーのカップなどに好適である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームを含む衣料材料、および、その衣料材料の成形品としてのブラジャーのパッドや、ブラジャーのカップは、通気性および機械物性を兼ね備える。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
また、各調製例、各合成例、各実施例および各比較例において採用される測定方法を下記する。
1.測定方法
<イソシアネート基濃度(単位:質量%)、イソシアネート基の転化率(単位:質量%)>
電位差滴定装置(京都電子工業社製、型番:AT−510)を用いて、JIS K−1603−1(2007年)に準拠したトルエン/ジブチルアミン・塩酸法によりイソシアネート基濃度(イソシアネート基含有率)を測定し、以下の式により、測定試料のイソシアネート基の転化率を算出した。
イソシアネート基の転化率=100−(反応終了後の反応混合液のイソシアネート基濃度/反応前の反応液のイソシアネート基濃度×100)
<イソシアネートモノマー濃度(単位:質量%)>
国際公開第2012/121291号パンフレットの明細書における実施例1と同様にして製造されたペンタメチレンジイソシアネートまたは市販のヘキサメチレンジイソシアネートを標準物質として用い、ジベンジルアミンによりラベル化させ、以下のHPLC測定条件下で得られたクロマトグラムの面積値から作成した検量線により、未反応のペンタメチレンジイソシアネートモノマーまたはヘキサメチレンジイソシアネートモノマーの濃度を算出した。
装置;Prominence(島津製作所社製)
ポンプ LC−20AT
デガッサ DGU−20A3
オートサンプラ SIL−20A
カラム恒温槽 COT−20A
検出器 SPD−20A
カラム;SHISEIDO SILICA SG−120
カラム温度;40℃
溶離液;n−ヘキサン/メタノール/1,2−ジクロロエタン=90/5/5(体積比)
流量;0.2mL/min
検出方法;UV 225nm
<粘度(単位:mPa・s)>
東機産業社製のE型粘度計TV−30(ローター角度:1°34’、ローター半径:24cm)を用いて、JIS K5600−2−3(2014年)のコーンプレート粘度計法に準拠して、25℃で測定試料の粘度を測定した。測定時のコーンプレートの回転数は、粘度が高くなるのに合わせて、100rpmから2.5rpmまでの間で順次変更した。
H−NMRによるアロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比率の算出>
下記の装置および条件にてH−NMRを測定し、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体における、イソシアヌレート基1モルに対するアロファネート基の含有割合(アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率)を以下の式により算出した。なお、化学シフトppmの基準として、D−DMSO溶媒中のテトラメチルシラン(0ppm)を用いた。
装置; JNM−AL400(JEOL製)
条件; 測定周波数:400MHz、溶媒:D−DMSO、溶質濃度:5質量%
アロファネート基(アロファネート基内のNH基)のプロトンの帰属ピーク(1H):8.3〜8.7ppm
イソシアヌレート基(イソシアヌレート基に直接結合するメチレン基(CH2基))のプロトンの帰属ピーク(6H):3.8ppm
アロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比率=アロファネート基のプロトンの帰属ピークの積分値/(イソシアヌレート基のプロトンの帰属ピークの積分値/6)
13C−NMRによるウレトジオン基とイソシアヌレート基とのモル比率の算出>
下記の装置および条件にて13C−NMRを測定し、ポリイソシアネート誘導体における、イソシアヌレート基1モルに対するウレトジオン基の含有割合(ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率)を以下の式により算出した。なお、化学シフトppmの基準として、CDCL溶媒中のテトラメチルシラン(0ppm)を用いた。
装置; JNM−AL400(JEOL製)
条件; 測定周波数:100MHz、溶媒:CDCL、溶質濃度:50質量%
ウレトジオン基(ウレトジオン基内のCO基)の炭素の帰属ピーク(2H):157.8ppm
イソシアヌレート基(イソシアヌレート基内のCO基)の炭素の帰属ピーク(3H):149.1ppm
ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率=(ウレトジオン基の炭素の帰属ピークの積分値/2)/(イソシアヌレート基の炭素の帰属ピークの積分値/3)
<ポリオールの水酸基価の測定方法>
水酸基価を、ポリオキシアルキレンポリオール1g中の水酸基に相当する水酸化カリウムのmg数と定義した。そして、JIS K1557(2007年)6.4項「水酸基価」に従って、水酸基価を測定した。
<ポリオールの全末端水酸基に対する一級水酸基の濃度の測定方法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させた。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とした。その後、H−NMR測定(装置;JNM−AL400(JEOL製)、測定周波数:400MHz)した。
この方法では、ポリオキシアルキレンポリオールの末端水酸基が、無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフルオロ酢酸エステルとなるため、1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測される。また、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される。そこで、末端水酸基の1級化率は次の計算式により算出した。
末端水酸基1級化率(%)=[a/(a+2×b)]×100
(式中、aは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値であり、bは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。)
2.原料
(1)ポリイソシアネート成分(a)
調製例1(脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−1)(PDIのiBA変性アロファネート誘導体))
温度計、撹拌装置、窒素導入管および冷却管が装着された反応機において、窒素雰囲気下、国際公開第2012/121291号パンフレットの明細書における実施例1と同様にして製造されたペンタメチレンジイソシアネートを500質量部、イソブタノールを24質量部、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノールを0.3質量部、トリス(トリデシル)ホスファイトを0.3質量部装入し、85℃で3時間ウレタン化反応させた。
次いで、アロファネート化触媒としてトリス(2−エチルヘキサン酸)ビスマスを0.02質量部添加し、イソシアネート基濃度が計算値(46.7質量%、すなわち、転化率10質量%)に達するまで反応させた後、o−トルエンスルホンアミドを0.02質量部添加した。
その後、得られた反応液を薄膜蒸留装置(真空度0.093KPa、温度150℃)に通液して未反応のペンタメチレンジイソシアネートを除去し、さらに、得られたろ物100質量部に対し、o−トルエンスルホンアミドを0.02質量部添加し、イソシアネート(a−1)を得た。
得られた脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−1)のイソシアネート基濃度は、20.4質量%であり、25℃における粘度は、200mPa・sであり、イソシアネートモノマー濃度は、0.2質量%であった。
また、H−NMR測定によるアロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比率は、アロファネート基/イソシアヌレート基=100/3であった。
また、13C−NMR測定によるウレトジオン基とイソシアヌレート基とのモル比率は、ウレトジオン基/イソシアヌレート基=0/3であった。
これらから、誘導体総量に対するイソシアヌレート誘導体含量、アロファネート誘導体含量、ウレトジオン誘導体含量をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
調製例2(脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−2)(PDIのiPA変性アロファネート誘導体))
イソブタノールに代えて、イソプロパノール24質量部を用いた以外は、調製例1と同じ方法で、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−2)を得た。
得られた脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−2)のイソシアネート基濃度は、21.2質量%であり、25℃における粘度は、180mPa・sであり、イソシアネートモノマー濃度は、0.2質量%であった。
また、H−NMR測定によるアロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比率は、アロファネート基/イソシアヌレート基=100/3であった。
また、13C−NMR測定によるウレトジオン基とイソシアヌレート基とのモル比率は、ウレトジオン基/イソシアヌレート基=0/3であった。
これらから、誘導体総量に対するイソシアヌレート誘導体含量、アロファネート誘導体含量、ウレトジオン誘導体含量をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
調製例3(脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−3)(PDIのnBA変性アロファネート誘導体))
イソブタノールに代えて、n−ブタノール24質量部を用いた以外は、調製例1と同じ方法で、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−3)を得た。
得られた脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−3)のイソシアネート基濃度は、20.5質量%であり、25℃における粘度は、320mPa・sであり、イソシアネートモノマー濃度は、0.2質量%であった。
また、H−NMR測定によるアロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比率は、アロファネート基/イソシアヌレート基=100/3であった。
また、13C−NMR測定によるウレトジオン基とイソシアヌレート基とのモル比率は、ウレトジオン基/イソシアヌレート基=0/3であった。
これらから、誘導体総量に対するイソシアヌレート誘導体含量、アロファネート誘導体含量、ウレトジオン誘導体含量をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
調製例4(脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−4)(PDIの3MPD変性アロファネート誘導体))
イソブタノールに代えて、3−メチル−ペンタンジオール14.6質量部を用いた以外は、調製例1と同じ方法で脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−4)を得た。
得られた脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−4)のイソシアネート基濃度は、21.3質量%であり、25℃における粘度は、1800mPa・sであり、イソシアネートモノマー濃度は、0.2質量%であった。
また、H−NMR測定によるアロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比率は、アロファネート基/イソシアヌレート基=100/3であった。
また、13C−NMR測定によるウレトジオン基とイソシアヌレート基とのモル比率は、ウレトジオン基/イソシアヌレート基=0/3であった。
これらから、誘導体総量に対するイソシアヌレート誘導体含量、アロファネート誘導体含量、ウレトジオン誘導体含量をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
調製例5(脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−5)(PDIの1,4−BG変性アロファネート誘導体))
イソブタノールに代えて、1,4−ブタンジオール14.6質量部を用いた以外は、調製例1と同じ方法で脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−5)を得た。
得られた脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−5)のイソシアネート基濃度は、22.1質量%であり、25℃における粘度は、2400mPa・sであり、イソシアネートモノマー濃度は、0.2質量%であった。
また、H−NMR測定によるアロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比率は、アロファネート基/イソシアヌレート基=100/3であった。
また、13C−NMR測定によるウレトジオン基とイソシアヌレート基とのモル比率は、ウレトジオン基/イソシアヌレート基=0/3であった。
これらから、誘導体総量に対するイソシアヌレート誘導体含量、アロファネート誘導体含量、ウレトジオン誘導体含量をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
調製例6(脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−6):HDIのiBA変性アロファネート誘導体))
ペンタメチレンジイソシアネートをヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学社製、商品名:タケネート700)に変更した以外は、調製例1と同じ方法で脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−6)を得た。
得られた脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体(a−6)の、イソシアネート基濃度は19.3%であり、25℃における粘度は300mPa・sであり、イソシアネートモノマー濃度は0.4質量%であった。
これらから、誘導体総量に対するイソシアヌレート誘導体含量、アロファネート誘導体含量、ウレトジオン誘導体含量をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
調製例7(脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体(a−7):PDIのiBA変性イソシアヌレート誘導体))
温度計、攪拌装置、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、国際公開第2012/121291号パンフレットの明細書における実施例1と同様にして製造されたペンタメチレンジイソシアネートを500質量部、イソブチルアルコールを0.5質量部、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェノールを0.3質量部、トリス(トリデシル)ホスファイトを0.3質量部、それぞれ、装入し、80℃で2時間反応させた。
次いで、イソシアヌレート化触媒としてN−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−エチルヘキサノエートを0.05質量部配合した。イソシアネート基濃度を測定し、その濃度が48.9質量%(すなわち、転化率10質量%)に至るまで反応を継続した。50分後に所定の転化率(転化率10質量%)に達したところで、o−トルエンスルホンアミドを0.12質量部添加した。得られた反応混合液を薄膜蒸留装置(温度:150℃、真空度:0.093kPa)に通液して未反応のペンタメチレンジイソシアネートモノマーを除去し、さらに、得られたろ物100質量部に対し、o−トルエンスルホンアミドを0.02質量部および塩化ベンゾイルを0.003質量部添加し、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体(a−7)を得た。
脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体(a−7)のイソシアネートモノマー濃度は0.5質量%、イソシアネート基濃度は24.7質量%、25℃における粘度は2000mPa・sであった。
また、H−NMR測定によるアロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比率は、アロファネート基/イソシアヌレート基=7.4/100であった。
また、13C−NMR測定によるウレトジオン基とイソシアヌレート基とのモル比率は、ウレトジオン基/イソシアヌレート基=1/100であった。
これらから、誘導体総量に対するイソシアヌレート誘導体含量、アロファネート誘導体含量、ウレトジオン誘導体含量をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
調製例8(脂環族ポリイソシアネート(a−8))
イソホロンジイソシアネート(EVONIK社製、商品名:VESTANAT IPDI、イソシアネート基濃度は37.8質量%、25℃における粘度は5mPa・s)を、脂環族ポリイソシアネート(a−8)とした。
(2)ポリオール成分(b)
準備例1(ポリオール(b−1))
ポリオキシアルキレンポリオール(グリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合し、次いで、エチレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオール、数平均分子量(Mn)=940、官能基数f=3、OH価=180mgKOH/g、全オキシアルキレン中のエチレンオキサイド濃度=20質量%(25モル%)、全末端水酸基中の一級水酸基濃度=45.5%)を、ポリオール(b−1)とした。
準備例2(ポリオール(b−2))
ポリオキシアルキレンポリオール(ペンタエリスリトールにプロピレンオキサイドを付加重合し、次いで、エチレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオール、数平均分子量(Mn)=1250、官能基数f=4、OH価=180mgKOH/g、全オキシアルキレン中のエチレンオキサイド濃度=20質量%(25モル%)、全末端水酸基中の一級水酸基濃度=46.6%)を、ポリオール(b−2)とした。
準備例3(ポリオール(b−3))
ポリオキシアルキレンポリオール(プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加重合し、次いで、エチレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオール、数平均分子量(Mn)=620、官能基数f=2、OH価=180mgKOH/g、全オキシアルキレン中のエチレンオキサイド濃度=20質量%(25モル%)、全末端水酸基中の一級水酸基濃度=45.7%)を、ポリオール(b−3)とした。
準備例4(ポリオール(b−4))
ポリオキシアルキレンポリオール(トリエタノールアミンにプロピレンオキサイドを付加重合し、次いで、エチレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオール、数平均分子量(Mn)=940、官能基数f=3、OH価=180mgKOH/g、全オキシアルキレン中のエチレンオキサイド濃度=20質量%(25モル%)、全末端水酸基中の一級水酸基濃度=46.8%)を、ポリオール(b−4)とした。
準備例5(ポリオール(b−5))
ポリオキシアルキレンポリオール(グリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合し、次いで、エチレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオール、数平均分子量(Mn)=5000、官能基数f=3、OH価=34mgKOH/g、全オキシアルキレン中のエチレンオキサイド濃度=15質量%(19モル%)、全末端水酸基中の一級水酸基濃度=90.0%)を、ポリオール(b−5)とした。
準備例6(ポリオール(b−6))
ポリオキシアルキレンポリオール(グリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合し、次いで、エチレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオール、数平均分子量(Mn)=6000、官能基数f=3、OH価=28mgKOH/g、全オキシアルキレン中のエチレンオキサイド濃度=40質量%(47モル%)、全末端水酸基中の一級水酸基濃度=92.0%)を、ポリオール(b−6)とした。
準備例7(ポリオール(b−7))
ポリオキシアルキレンポリオール(グリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオール、数平均分子量(Mn)=5000、官能基数f=3、OH価=34mgKOH/g、全末端水酸基中の一級水酸基濃度=3.3%)を、ポリオール(b−7)とした。
準備例8(ポリオール(b−8))
ポリオキシアルキレンポリオール(グリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合し、次いで、エチレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオール、数平均分子量(Mn)=700、官能基数f=3、OH価=240mgKOH/g、全末端水酸基中の一級水酸基濃度=3.5%)を、ポリオール(b−8)とした。
(3)触媒(c)
(触媒(c−1))
トリエチエンジアミンの33質量%ジプロピレングリコール溶液(エアプロダクツ社製、商品名:Dabco−33LV)
(触媒(c−2))
有機錫化合物(モメンティブ社製、商品名:Formrez UL−28)
(4)発泡剤(d)
(発泡剤(d−1))
純水(HO)
(5)整泡剤(e)
(整泡剤(e−1))
シリコーン整泡剤(エボニック社製、商品名:B−8002)
(6)安定剤(f)
(安定剤(f−1))
ヒンダードアミン化合物(耐光安定剤、BASFジャパン社製、商品名:チヌビン765)
(安定剤(f−2))
有機リン化合物(酸化防止剤、城北化学社製、商品名:JP−308E)
3.実施例1〜20および比較例1〜5(軟質ポリウレタンフォームの製造)
(1)実施例1
下記の表1に示した成分(原料)のうち、ポリイソシアネート成分以外の各成分を秤量し、温度23℃、相対湿度55%の実験室内で、それらを、表1の配合処方に従って配合して、それらが均一になるように攪拌混合して、プレミックスを調製した。
別途用意したポリイソシアネート成分を表3〜6の配合処方に従って秤量し、温度を23℃に調整した。
その後、プレミックスに、ポリイソシアネート成分を加えて、それらをハンドミキサー(回転数5000rpm)によって15秒間攪拌した後すぐに、手早く、木製のボックスに投入して発泡させた。これによって、軟質ポリウレタンフォームを得た。
(2)実施例2〜20および比較例1〜5
下記の表3〜6の配合処方に従って秤量した以外は、実施例1と同様にして、軟質ポリウレタンフォームを得た。
各実施例および各比較例における配合処方およびポリイソシアネート成分の性状を表3〜6に示す。
4.軟質ポリウレタンフォームの評価
<密度(単位:kg/m)>
各実施例および各比較例の軟質ポリウレタンフォームの中心部(コア)より10×10×5cmのサイズの直方体を切り出して、測定試料を作製し、その後、測定試料の見かけ密度をJIS K7222(2005年)に従って測定した。
<硬さ(25%CLD)(単位:N/100cm)>
各実施例および各比較例の軟質ポリウレタンフォームの中心部(コア)より10×10×5cmのサイズの直方体を切り出して、測定試料を作製し、その後、JIS K−6400(2012年)に準拠して測定試料の硬さ(25%CLD)を測定した。
<通気性(単位:cc/cm/sec)>
各実施例および各比較例の軟質ポリウレタンフォームの中心部より厚み10mmのサイズに切り出してクラッシング(クラッシング条件:軟質ポリウレタンフォームが、2本ローラの間(間隔0.2mm)を通過)して、測定試料を作製し、通気量測定装置(東洋精機社製)を用いてJIS K−6400(2012年)B法に従って通気性を測定した。
<引裂き強度(単位:N/cm)
各実施例および各比較例の軟質ポリウレタンフォームの中心部より厚み10mmのサイズに切り出して、アングル形試験片形状にサンプルを打抜いて測定試料を作製し、引張圧縮試験機(インテスコ社製、Model205N)を用いて、JIS K−6400(2012年)B法に従って引裂き試験し、破断時における応力を算出した。
<引張破断時伸び(単位:%)>
各実施例および各比較例の軟質ポリウレタンフォームの中心部より厚み10mmのサイズに切り出して、1号形試験片形状にサンプルを打抜いて測定試料を作製し、引張圧縮試験機(インテスコ社製、Model205N)を用いて、JIS K−6400(2012年)に従って引張試験し、破断時における伸びを算出した。
<湿熱圧縮永久歪み Wet Set(単位:%)>
各実施例および各比較例の軟質ポリウレタンフォームの中心部(コア)より50mm×50mm×25mmのサイズの直方体を切り出して、測定試料を作製し、その後、JIS K 6400−4に記載の方法に準じて、湿熱圧縮永久歪み(%)を測定した。この試験片を50%の厚みまで圧縮し、平行平面板に挟み、50℃、相対湿度95%の条件下で22時間放置した。試験片を取り出して30分後、その厚みを測定し、試験前の厚みと比較して歪み率(%)を測定した。
実施例1〜20および比較例1〜4の軟質ポリウレタンフォームにおける評価を表3〜6に示す。
Figure 2018181151
Figure 2018181151
Figure 2018181151
Figure 2018181151
Figure 2018181151
Figure 2018181151
以下に表中で用いた略号の詳細を示す。
PDI:ペンタメチレンジイソシアネート
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
iBA:イソブチルアルコール(イソブタノール)
nBA:n−ブタノール
3MPD:3−メチル−ペンタンジオール
1,4−BG:1,4−ブタンジオール
AO:アルキレンオキサイド
EO:エチレンオキサイド
PO:プロピレンオキサイド
Gly:グリセリン
PE:ペンタエリスリトール
PG:プロピレングリコール
TEOA:トリエタノールアミン
Dabco 33LV:トリエチレンジアミンの33質量%ジプロピレングリコール溶液(エアプロダクツ社製)
Formrez UL−28:有機錫化合物(モメンティブ社製)
B−8002:シリコーン整泡剤(エボニック社製)
Tin.765:ヒンダードアミン化合物(耐光安定剤、BASFジャパン社製)
JP−308E:有機リン化合物(酸化防止剤、城北化学社製)
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記特許請求の範囲に含まれる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、肩用パッド、ひざ用パッド、ひじ用パッド、水着用パッド、靴の舌部、靴インナーソール、医療材料、衣料材料、ロボット表皮、ロボットハンドなどに用いることができ、特に、衣料材料の成形品としての、ブラジャーのパッド、ブラジャーのカップなどに好適である。

Claims (10)

  1. 脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含有するポリイソシアネート成分と、ポリオキシアルキレンポリオールを含有するポリオール成分とが反応および発泡してなる軟質ポリウレタンフォームであって、
    前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体を含み、
    前記脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体の含有割合が、前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の総量に対して、70モル%以上であり、
    前記ポリオキシアルキレンポリオールは、オキシエチレンユニットおよびオキシプロピレンユニットを併有し、
    前記ポリオキシアルキレンポリオールに対して、前記オキシエチレンユニットが5モル%以上20モル%以下であり、
    前記ポリオキシアルキレンポリオールの末端水酸基の総モル数に対して、1級水酸基が50モル%以下である
    ことを特徴とする、軟質ポリウレタンフォーム。
  2. 前記脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体の含有割合が、前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の総量に対して、75モル%以上99モル%以下である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  3. 前記脂肪族ポリイソシアネートが、ペンタメチレンジイソシアネートおよび/またはヘキサメチレンジイソシアネートを含有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  4. 前記ポリイソシアネート成分が、さらに、脂環族ポリイソシアネートを含有する
    ことを特徴とする、請求項3に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  5. 前記誘導体は、アルコールにより変性されたアロファネート誘導体を含み、
    前記アルコールが、1価アルコールと2価アルコールとを含有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  6. 前記アルコールが、分岐状の1価アルコールと、分岐状の2価アルコールとを含有する
    ことを特徴とする、請求項5に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  7. 請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォームを含むことを特徴とする、衣料材料。
  8. 請求項7に記載の衣料材料の成形品であることを特徴とする、ブラジャーのパッド。
  9. 請求項8に記載のブラジャーのパッドを備えることを特徴とする、ブラジャーのカップ。
  10. 脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含有するポリイソシアネート成分と、ポリオキシアルキレンポリオールを含有するポリオール成分とを準備する工程と、
    前記ポリイソシアネート成分と、前記ポリオール成分とを反応および発泡させ、軟質ポリウレタンフォームを製造する工程とを備え、
    前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体を含み、
    前記脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体の含有割合が、前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の総量に対して、70モル%以上であり、
    前記ポリオキシアルキレンポリオールは、オキシエチレンユニットおよびオキシプロピレンユニットを併有し、
    前記ポリオキシアルキレンポリオールに対して、前記オキシエチレンユニットが5モル%以上20モル%以下であり、
    前記ポリオキシアルキレンポリオールの末端水酸基の総モル数に対して、1級水酸基が50モル%以下である
    ことを特徴とする、軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
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