JPWO2018143104A1 - γ,δ−不飽和アルコールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、これらの方法ではアルデヒドは水を除去後に使用するとされており、この方法では安価なホルムアルデヒド水溶液を使用することはできない。また、特許文献7の方法では実施例から判断する限り、パラホルムアルデヒドを使用しており、ホルムアルデヒド水溶液を使用することについては開示されていない。
[1]下記一般式(1):
で表されるα−オレフィンとホルムアルデヒドとを加熱条件下で反応させて、下記一般式(2):
で表されるγ,δ−不飽和アルコールを製造する方法であって、
前記方法は前記α−オレフィンとホルムアルデヒド水溶液とを炭素数3〜10のアルコールの存在下で接触させる工程を有し、
該工程の前に該ホルムアルデヒド水溶液を30〜220℃で予備加熱する、γ,δ−不飽和アルコールの製造方法。
[2]前記予備加熱時間が30分未満である、上記[1]の製造方法。
[3]前記ホルムアルデヒド水溶液を70〜190℃で予備加熱する、上記[1]又は[2]の製造方法。
[4]前記ホルムアルデヒド水溶液中のホルムアルデヒド1モルに対する、炭素数3〜10のアルコールの使用量が0.5〜20モルである、上記[1]〜[3]のいずれか1項の製造方法。
[5]前記反応時の温度が150〜350℃である、上記[1]〜[4]のいずれか1項の製造方法。
[6]前記工程において、前記α−オレフィンと炭素数3〜10のアルコールとの混合物と、前記ホルムアルデヒド水溶液とを接触させる、上記[1]〜[5]のいずれか1項の製造方法。
[7]前記α−オレフィンと前記ホルムアルデヒド水溶液とを接触させる工程の前に、前記混合物を70℃以上で予備加熱する、上記[6]の製造方法。
[8]前記ホルムアルデヒド水溶液を70〜190℃で予備加熱し、前記混合物を70〜380℃で予備加熱する、上記[7]の製造方法。
[9]前記反応が触媒非存在下で行われる、上記[1]〜[8]のいずれか1項の製造方法。
本発明のγ,δ−不飽和アルコールの製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」ともいう)は、下記一般式(1):
で表されるα−オレフィンとホルムアルデヒドとを加熱条件下で反応させて、下記一般式(2):
で表されるγ,δ−不飽和アルコールを製造する方法であって、前記方法は前記α−オレフィンとホルムアルデヒド水溶液とを炭素数3〜10のアルコールの存在下で接触させる工程を有し、該工程の前に該ホルムアルデヒド水溶液を30〜220℃で予備加熱する。
本発明の製造方法によれば、上記一般式(2)で表されるγ,δ−不飽和アルコールを高収率でかつ生産性よく製造することができる。
本発明において、上記一般式(1)で表されるα−オレフィンとホルムアルデヒドとの反応は好ましくは触媒非存在下で行われる。ここでいう触媒とは、α−オレフィンとホルムアルデヒドとの付加反応において用いられる従来公知の触媒を意味し、例えば、塩基性化合物やリン含有化合物などが挙げられる。
本発明に用いられるα−オレフィンは、下記一般式(1):
で表される。以下の記載において、上記一般式(1)で表されるα−オレフィンを単に「α−オレフィン」ということがある。
R1とR3が互いに連結して環を形成している場合の環としては、シクロペンタン(5員環)、シクロヘキサン(6員環)、シクロオクタン(8員環)、シクロデカン(10員環)などの炭素数5〜10の飽和脂肪族環が好ましく挙げられる。中でも、該環としては、シクロヘキサンが好ましい。
(1)R1、R2およびR3がいずれも水素原子[α−オレフィン=プロピレン]、
(2)R1およびR2が水素原子、且つR3が炭素数1〜10のアルキル基[α−オレフィン=イソブテン(R3はメチル基)など]、
(3)R1およびR2のうちの一方が水素原子(好ましくは他方が炭素数1〜10のアルキル基)、且つR3が炭素数1〜10のアルキル基[α−オレフィン=2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、2−メチル−1−オクテンなど]、
(4)R1、R2およびR3がいずれも炭素数1〜10のアルキル基[α−オレフィン=2,3−ジメチル−1−ブテンなど]、
(5)R1およびR2が水素原子、且つR3が炭素数6〜10のアリール基[α−オレフィン=α−メチルスチレンなど]、
(6)R2が水素原子、且つR1とR3とが互いに連結して環を形成している[α−オレフィン=メチレンシクロヘキサンなど]、
(7)R1およびR2のうちの一方が水素原子で、他方がヒドロキシル基で置換された炭素数1〜10のアルキル基、且つR3が水素原子[α−オレフィン=3−ブテン−1−オールなど]、
(8)R1およびR2のうちの一方が水素原子で、他方がヒドロキシル基で置換された炭素数1〜10のアルキル基、且つR3が炭素数1〜10のアルキル基[α−オレフィン=3−メチル−3−ブテン−1−オールなど]
などが挙げられる。
ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)としては、例えば、濃度10〜80質量%のホルムアルデヒド水溶液が使用できる。ホルムアルデヒド水溶液は入手および取り扱いが容易であるため好ましい。容積効率の観点からは、水溶液中のホルムアルデヒドの濃度は高い方が好ましい。一方、水溶液中のパラホルムアルデヒドの析出を抑制する観点からは水溶液中のホルムアルデヒドの濃度は高すぎないほうがよい。これらの観点から、ホルムアルデヒド水溶液の濃度は、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜65質量%、さらに好ましくは30〜60質量%、よりさらに好ましくは40〜60質量%である。
ホルムアルデヒド水溶液は、本発明の効果を損なわない範囲で、一般にホルマリンの安定化剤として添加されるメタノールなどを含有していてもよい。但しその含有量は、水溶液中、好ましくは10質量%以下である。
本発明の製造方法は、前述したα−オレフィンとホルムアルデヒド水溶液とを炭素数3〜10のアルコールの存在下で接触させる工程を有する。炭素数3〜10のアルコールは、α−オレフィンとホルムアルデヒドとを均一に溶解することができるので、α−オレフィンとホルムアルデヒドとの反応における反応溶媒として好適である。
炭素数3〜10のアルコールとしては、例えば、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、n−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、ヘキサノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノナノール、およびデカノール等の非環式脂肪族アルコール;シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、シクロデカノール等の脂環式アルコール;ベンジルアルコール等の芳香族アルコールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記アルコールは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
α−オレフィンとホルムアルデヒドとを均一に溶解する観点から、アルコールの炭素数は好ましくは3〜8、より好ましくは3〜6、さらに好ましくは3〜5である。
また、α−オレフィンとホルムアルデヒドとを均一に溶解する観点からは、炭素数3〜10のアルコールの中でも非環式脂肪族アルコールが好ましく、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−1−ブタノール、および2−メチル−2−ブタノールからなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、tert−ブチルアルコールがさらに好ましい。
本発明においては、α−オレフィンとホルムアルデヒド水溶液とを炭素数3〜10のアルコールの存在下で接触させる工程(以下、単に「接触工程」ともいう)の前に、ホルムアルデヒド水溶液を30〜220℃で予備加熱する。当該温度で予備加熱を行うと、高濃度のホルムアルデヒド水溶液を使用する場合にもパラホルムアルデヒドの析出が生じにくく、安定性が向上する。またホルムアルデヒドの分解も抑制できるのでγ,δ−不飽和アルコールを高収率で製造することができ、生産性の向上も可能となる。
ホルムアルデヒド水溶液の予備加熱温度は30〜220℃の範囲である。当該予備加熱温度が30℃より低いと、容積効率を向上させるために高濃度のホルムアルデヒド水溶液を使用する場合にパラホルムアルデヒドの析出が生じやすく、製造設備の運転が難しくなる。またα−オレフィンとホルムアルデヒドとの反応は、150℃以上の高温条件下でかつ短時間で行う方が好ましい。その理由は、短時間で反応させた方がホルムアルデヒドの分解抑制および生産性向上の観点で有利であり、高温条件下で反応させた方がホルムアルデヒドの転化率および反応選択率を向上させる観点で有利なためである。しかしながらホルムアルデヒド水溶液の予備加熱温度が30℃より低いと、α−オレフィンとホルムアルデヒド水溶液とを接触させた後に、反応系内を目標の反応温度に到達させるまでの時間が長くなるので好ましくない。
一方、ホルムアルデヒド水溶液の予備加熱温度が220℃より高いと、ホルムアルデヒドの分解反応が促進され、目的とするγ,δ−不飽和アルコールの収率が低下する傾向にある。
ホルムアルデヒド水溶液の予備加熱温度は、ホルムアルデヒド水溶液中でのパラホルムアルデヒドの析出を抑制する観点、ホルムアルデヒドの転化率および反応選択率向上の観点、ならびに生産性向上の観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは70℃以上、よりさらに好ましくは80℃以上であり、ホルムアルデヒドの分解を抑制して収率を向上させる観点からは、好ましくは190℃以下、より好ましくは160℃以下、さらに好ましくは155℃以下である。
本明細書におけるホルムアルデヒド水溶液の予備加熱時間とは、ホルムアルデヒド水溶液の加熱開始から、α−オレフィンと接触させるまでの時間をいう。本発明の製造方法において連続方式を採用する場合は、所定の予備加熱温度に保持された予備加熱管内でのホルムアルデヒド水溶液の滞留時間を予備加熱時間としてもよい。
α−オレフィンの予備加熱温度は、α−オレフィンとホルムアルデヒドとの反応時の温度未満とすればよいが、当該反応時の温度以上としてもよい。
α−オレフィンの予備加熱時間および予備加熱方法、ならびにこれらの好適態様は、上記したホルムアルデヒド水溶液の予備加熱の場合と同様にすることができる。
(1)または(2)の方法を採用する場合、好ましい予備加熱温度はα−オレフィンの予備加熱温度と同じであり、(3)の方法を採用する場合、好ましい予備加熱温度はホルムアルデヒド水溶液の予備加熱温度と同じである。
本発明の製造方法は、α−オレフィンとホルムアルデヒド水溶液とを炭素数3〜10のアルコールの存在下で接触させる工程(接触工程)を有する。前述した予備加熱を行った後に、α−オレフィンとホルムアルデヒド水溶液とを炭素数3〜10のアルコールの存在下で接触させてα−オレフィンとホルムアルデヒドとを反応させることで、反応が効率よく進行するとともに、γ,δ−不飽和アルコールを高収率でかつ生産性よく製造することができる。
α−オレフィンとホルムアルデヒド水溶液とを炭素数3〜10のアルコールの存在下で接触させる方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
(I)α−オレフィン、ホルムアルデヒド水溶液、および炭素数3〜10のアルコールを同時に接触させる方法
(II)α−オレフィンと炭素数3〜10のアルコールとの混合物と、ホルムアルデヒド水溶液とを接触させる方法
(III)α−オレフィンと、ホルムアルデヒド水溶液と炭素数3〜10のアルコールとの混合物とを接触させる方法
生産性の観点からは(II)または(III)の方法が好ましく、生産性、ホルムアルデヒドの分解抑制、および加熱効率を考慮すると(II)の方法がより好ましい。
連続方式で接触工程を行う場合、α−オレフィン、ホルムアルデヒド、および炭素数3〜10のアルコールのモル比は、予備加熱管に供する原料液の組成と、予備加熱管への送液量を調整することにより設定できる。
α−オレフィンとホルムアルデヒドとの反応は加熱条件下で行われる。例えば、接触工程後に得られた前記合流後の混合液を直ちに反応器に送液して、該反応器内でα−オレフィンとホルムアルデヒドとを加熱条件下で反応させることができる。
α−オレフィンとホルムアルデヒドとの反応に用いる反応器は予め所望の反応温度まで昇温してもよいが、接触工程に供されたα−オレフィンおよび炭素数3〜10のアルコールの予備加熱温度が反応温度以上の温度である場合はこれに限られない。例えばα−オレフィンおよび炭素数3〜10のアルコールを反応温度以上の温度に予備加熱した場合などにおいて、前述の接触工程を行った後、接触工程後に得られた混合液を保温手段を有する反応器に送液して反応させる方法を採用することもできる。このような反応も本発明における加熱条件下での反応に含まれるものとする。
反応圧力が反応温度におけるα−オレフィンの蒸気圧以上であれば、反応液中のα−オレフィンの濃度が高くなり、γ,δ−不飽和アルコールの選択率の向上をもたらし、反応圧力を高くするほど反応速度およびγ,δ−不飽和アルコールの選択率が向上する傾向にある。また、反応圧力を50.0MPa以下に制御することによって、耐圧設備の建設コストが抑えられ、また、反応装置の破裂の危険性も低下する傾向にある。
また、α−オレフィンおよび炭素数3〜10のアルコールを反応温度以上の温度に予備加熱した場合などにおいて、前述の接触工程を行った後、接触工程後に得られた混合液を保温手段を有する反応器に送液して反応させる方法を採用することもできる。
なお、各例における反応液の分析は、ガスクロマトグラフィー(GC)分析により以下の条件で行った。
<ガスクロマトグラフィー分析条件>
装置:GC−14A(株式会社島津製作所製)
カラム:G−300(内径1.2mm×長さ20m、膜厚2μm)、(財)化学物質評価研究機構製
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
キャリアガス:ヘリウム(260kPa)
キャリアガス流量:10mL/分
カラム温度:80℃→5℃/分で昇温→210℃で4分保持
注入口温度:220℃
検出器温度:220℃
サンプル注入量:0.2μL
下記操作を行うことによりイソブテンとホルムアルデヒドとを反応させ、γ,δ−不飽和アルコールである3−メチル−3−ブテン−1−オール(IPEA)の製造を行った。製造工程中、反応系内の圧力は200kg/cm2(19.6MPa)に保った状態で各操作を行った。
50質量%ホルムアルデヒド水溶液(原料液1A)を、80℃に加熱した内径2mm、長さ125mm(内容量0.4mL)のステンレス製反応管(予備加熱管1)に4.7mL/hrで送液して予備加熱を行った。一方、イソブテン55.8質量%およびtert−ブチルアルコール44.2質量%からなる混合溶液(原料液2A)を、室温(25℃)の内径2mm、長さ1465mm(内容量4.6mL)のステンレス製反応管(予備加熱管2)に55.3mL/hrで送液した。ホルムアルデヒド1モルに対するイソブテンの使用量は5モル、tert−ブチルアルコールの使用量は3モルである。
予備加熱管出口で上記原料液1Aおよび原料液2Aを合流させて接触させた後、得られた混合液をただちに、280℃に加熱した内径2mm、長さ1590mm(内容量5mL)のステンレス製反応管(反応器)に送液して、反応器内でイソブテンとホルムアルデヒドとを反応させた。各原料液の予備加熱管内での滞留時間は5分間、混合液の反応器内での滞留時間は5分間であった。反応管出口を内径2mm、長さ2000mmの冷却管につなぎ、冷却管出口圧力を200kg/cm2(19.6MPa)に保ち、反応液を流出させた。得られた反応液を前述の条件によりGC分析したところ、ホルムアルデヒドの転化率は88.1%、目的物のγ,δ−不飽和アルコールである3−メチル−3−ブテン−1−オール(IPEA)の、ホルムアルデヒドの当量基準の選択率は84.5%であった。製造条件および分析結果を表1に示す。
50質量%ホルムアルデヒド水溶液とtert−ブチルアルコールとの21.3:78.7(質量比)の混合溶液(原料液1B)を、80℃に加熱した内径2mm、長さ670mm(内容量2.1mL)のステンレス製反応管(予備加熱管1)に25.4mL/hrで送液して予備加熱を行った。一方、イソブテン(原料液2B)を、室温(25℃)の内径2mm、長さ920mm(内容量2.9mL)のステンレス製反応管(予備加熱管2)に34.6mL/hrで送液した。ホルムアルデヒド1モルに対するイソブテンの使用量は5モル、tert−ブチルアルコールの使用量は3モルである。
予備加熱管出口で上記原料液1Bおよび原料液2Bを合流させて接触させた後、得られた混合液をただちに、280℃に加熱した内径2mm、長さ1590mm(内容量5mL)のステンレス製反応管(反応器)に送液して、反応器内でイソブテンとホルムアルデヒドとを反応させた。各原料液の予備加熱管内での滞留時間は5分間、混合液の反応器内での滞留時間は5分間であった。反応管出口を内径2mm、長さ2000mmの冷却管につなぎ、冷却管出口圧力を200kg/cm2(19.6MPa)に保ち、反応液を流出させた。得られた反応液を前述の条件によりGC分析した。製造条件および分析結果を表1に示す。
実施例1において、原料液2Aを80℃に加熱した予備加熱管2に送液したこと以外は、実施例1と同様の方法でIPEAの製造を行った。製造条件および分析結果を表1に示す。
実施例1において、原料液2Aを280℃に加熱した予備加熱管2に送液したこと以外は、実施例1と同様の方法でIPEAの製造を行った。製造条件および分析結果を表1に示す。
実施例1において、50質量%ホルムアルデヒド水溶液(原料液1A)を40℃に加熱した予備加熱管1に送液したこと以外は、実施例1と同様の方法でIPEAの製造を行った。製造条件および分析結果を表1に示す。
実施例1において、原料液2Aの組成をイソブテン84.1質量%およびtert−ブチルアルコール15.9質量%からなる混合溶液(原料液2C)に変更して、反応に使用するホルムアルデヒド1モルに対するイソブテンの使用量を7モル、tert−ブチルアルコールの使用量を1モルに変更した。上記以外は実施例1と同様の方法でIPEAの製造を行った。製造条件および分析結果を表1に示す。
実施例1において、予備加熱管1の温度を表1に示す温度に変更したこと以外は実施例1と同様の方法でIPEAの製造を行った。製造条件および分析結果を表1に示す。
37質量%ホルムアルデヒド水溶液(原料液1C)を、80℃に加熱した内径2mm、長さ165mm(内容量0.5mL)のステンレス製反応管(予備加熱管1)に6.2mL/hrで送液して予備加熱を行った。一方、イソブテン55.8質量%およびtert−ブチルアルコール44.2質量%からなる混合溶液(原料液2A)を、室温(25℃)の内径2mm、長さ1425mm(内容量4.5mL)のステンレス製反応管(予備加熱管2)に53.8mL/hrで送液して、反応に使用するホルムアルデヒド1モルに対するイソブテンの使用量を5モル、tert−ブチルアルコールの使用量を3モルとした。上記以外は実施例1と同様の方法でIPEAの製造を行った。製造条件および分析結果を表1に示す。
50質量%ホルムアルデヒド水溶液(原料液1A)を、80℃に加熱した内径2mm、長さ80mm(内容量0.3mL)のステンレス製反応管(予備加熱管1)に3.0mL/hrで送液して予備加熱を行った。一方、イソブテン71.6質量%およびtert−ブチルアルコール28.4質量%からなる混合溶液(原料液2D)を、室温(25℃)の内径2mm、長さ1515mm(内容量4.8mL)のステンレス製反応管(予備加熱管2)に57.0mL/hrで送液して、反応に使用するホルムアルデヒド1モルに対するイソブテンの使用量を10モル、tert−ブチルアルコールの使用量を3モルに変更した。上記以外は実施例1と同様の方法でIPEAの製造を行った。製造条件および分析結果を表1に示す。
50質量%ホルムアルデヒド水溶液(原料液1A)を、80℃に加熱した内径2mm、長さ50mm(内容量0.1mL)のステンレス製反応管(予備加熱管1)に1.8mL/hrで送液して予備加熱を行った。一方、イソブテン61.9質量%およびtert−ブチルアルコール38.1質量%からなる混合溶液(原料液2E)を、室温(25℃)の内径2mm、長さ1545mm(内容量4.9mL)のステンレス製反応管(予備加熱管2)に58.2mL/hrで送液して、反応に使用するホルムアルデヒド1モルに対するイソブテンの使用量を15モル、tert−ブチルアルコールの使用量を7モルに変更した。上記以外は実施例1と同様の方法でIPEAの製造を行った。製造条件および分析結果を表1に示す。
実施例2において、原料液1Bを、室温(25℃)の予備加熱管1に送液したこと以外は、実施例2と同様の方法でIPEAの製造を行った。製造条件および分析結果を表1に示す。
実施例1において、予備加熱管1の温度を表1に示す温度に変更したこと以外は実施例1と同様の方法でIPEAの製造を行った。製造条件および分析結果を表1に示す。
実施例9において、原料液1Cを、室温(25℃)の予備加熱管1に送液したこと以外は、実施例9と同様の方法でIPEAの製造を行った。製造条件および分析結果を表1に示す。
Claims (9)
- 下記一般式(1):
で表されるα−オレフィンとホルムアルデヒドとを加熱条件下で反応させて、下記一般式(2):
で表されるγ,δ−不飽和アルコールを製造する方法であって、
前記方法は前記α−オレフィンとホルムアルデヒド水溶液とを炭素数3〜10のアルコールの存在下で接触させる工程を有し、
該工程の前に該ホルムアルデヒド水溶液を30〜220℃で予備加熱する、γ,δ−不飽和アルコールの製造方法。 - 前記予備加熱時間が30分未満である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記ホルムアルデヒド水溶液を70〜190℃で予備加熱する、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記ホルムアルデヒド水溶液中のホルムアルデヒド1モルに対する、炭素数3〜10のアルコールの使用量が0.5〜20モルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記反応時の温度が150〜350℃である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程において、前記α−オレフィンと炭素数3〜10のアルコールとの混合物と、前記ホルムアルデヒド水溶液とを接触させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記α−オレフィンと前記ホルムアルデヒド水溶液とを接触させる工程の前に、前記混合物を70℃以上で予備加熱する、請求項6に記載の製造方法。
- 前記ホルムアルデヒド水溶液を70〜190℃で予備加熱し、前記混合物を70〜380℃で予備加熱する、請求項7に記載の製造方法。
- 前記反応が触媒非存在下で行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
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