JPWO2018092463A1 - カメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物、硬化物および接合体 - Google Patents

カメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物、硬化物および接合体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、低温硬化性とエンジニアリングプラスチック(特にLCP)に対する接着性とを兼ね備えたカチオン硬化性接着剤組成物を提供することを目的とする。【解決手段】(A)成分:脂環式エポキシ樹脂および水素化エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むカチオン重合性樹脂、(B)成分:熱カチオン重合開始剤、ならびに(C)成分のジエン系ゴムおよび(メタ)アクリルゴム(シリコーン・アクリル共重合体を除く)からなる群より選択される少なくとも1種を含むゴムフィラーまたはスチレン系フィラーの少なくとも一方を含むことを特徴とするカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、カメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物、ならびに当該組成物の硬化物および当該組成物を用いてなる接合体に関する。
従来、エポキシ樹脂等を含有するカチオン硬化性組成物は、接着力、封止性、高強度、耐熱性、電気特性、耐薬品性に優れることから、接着剤、封止剤、ポッティング剤、コーティング剤、導電性ペーストなどの様々な用途で用いられてきた。また、その対象は多岐にわたり、特に電子機器においては、半導体、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、タッチパネル等のフラットパネルディスプレイ、ハードディスク装置、モバイル端末装置、カメラモジュール等に用いられている。
特開2009−186756号公報、特開2016−044268号公報、特開2016−110067号公報、特開2016−122055号公報(国際公開第2016−103687号パンフレットに対応)によれば、カメラモジュールの接着箇所としては、CMOS、CCDなどのイメージセンサーと基板との間、カットフィルターと基板との間、基板と筐体との間、筐体とカットフィルターとの間、筐体とレンズユニットとの間等が挙げられる。
国際公開第2005/059002号パンフレットには、エポキシ樹脂成分、光カチオン開始剤、熱カチオン開始剤、および充填剤を含有するCMOS等の半導体デバイスパッケージ用のカチオン硬化型エポキシ接着剤組成物が開示されている。
カメラモジュールにおける筐体やレンズユニットには、材質として、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチックが使われている。エンジニアリングプラスチックとは、100℃以上の環境で長時間おかれても引っ張り強度に優れるプラスチックである。国際公開第2005/059002号パンフレットに開示されたカチオン硬化型エポキシ接着剤組成物は、エンジニアリングプラスチックに対する接着性が劣ることから、カメラモジュール用接着剤として満足できるものではなかった。また、カメラモジュール用カチオン重合性接着剤組成物には低温硬化性(例えば100℃以下)が求められる。これは、高温の硬化条件であると、カメラモジュールに使用されるプラスチックレンズ等へのダメージが懸念されるためである。国際公開第2005/059002号パンフレットのカチオン硬化型エポキシ接着剤組成物は、実施例によれば紫外線照射後に120℃加熱で硬化することが開示されており、低温硬化性という観点においても満足するものではなかった。
したがって、本発明の目的は、低温硬化性とエンジニアリングプラスチック(特にLCP)に対する接着性とを兼ね備えたカチオン硬化性接着剤組成物を提供することにある。
本発明は、上述した従来の問題点を克服するものである。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1](A)成分:脂環式エポキシ樹脂および水素化エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むカチオン重合性樹脂、(B)成分:熱カチオン重合開始剤、ならびに(C)成分:ジエン系ゴムおよび(メタ)アクリルゴム(シリコーン・アクリル共重合体を除く)からなる群より選択される少なくとも1種を含むゴムフィラーまたはスチレン系フィラーの少なくとも一方を含むことを特徴とするカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物。
[2]前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分を0.1〜30質量部、前記(C)成分を0.5〜20質量部含有することを特徴とする[1]に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物。
[3]前記(B)成分が、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンおよびカチオンからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤であることを特徴とする[1]または[2]に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物。
[4](D)成分として光カチオン重合開始剤をさらに含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物。
[5]前記(D)成分が、芳香族ヨードニウム系光カチオン重合開始剤または芳香族スルホニウム系光カチオン重合開始剤の少なくとも一方を含むことを特徴とする[4]に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物。
[6][1]〜[5]のいずれか1項に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物の硬化物。
[7][1]〜[5]のいずれか1項に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物を使用して二以上の被着体を接着してなる接合体。
本発明の一実施形態に係るカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物(以下、単に組成物とも称する)は、(A)成分:脂環式エポキシ樹脂および水素化エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むカチオン重合性樹脂、(B)成分:熱カチオン重合開始剤、ならびに(C)成分:ジエン系ゴムおよび(メタ)アクリルゴム(シリコーン・アクリル共重合体を除く)からなる群より選択される少なくとも1種を含むゴムフィラーまたはスチレン系フィラーの少なくとも一方を含む。当該構成を有するカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物は、低温硬化性(例えば100℃以下)とエンジニアリングプラスチック(特にLCP)に対する接着性とを兼ね備えることができる。
なお、本明細書において、「X〜Y」は、その前後に記載される数値(XおよびY)を下限値および上限値として含む意味で使用する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は、室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で行う。
以下、本発明を詳細に説明する。
<(A)成分>
本発明の(A)成分は、脂環式エポキシ樹脂および水素化エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むカチオン重合性樹脂である。(A)成分を含まない場合、低温硬化性に劣る(後述の比較例1参照)。ここで、カチオン重合性樹脂とは、カチオン重合開始剤から発生するカチオン種により架橋反応を起こす化合物である。例えば、エポキシ樹脂および熱カチオン重合開始剤を用いた場合、加熱により熱カチオン重合開始剤から発生したカチオン種がエポキシ基に付加することで、エポキシ基の開環重合が引き起こされ、エポキシ樹脂が架橋する。水素化エポキシ樹脂とは、芳香族エポキシ樹脂の芳香環を核水素化して得られる化合物を意味する。これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、エンジニアリングプラスチック(特にLCP)に対する接着性をさらに高める観点から、(A)成分は水素化エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
脂環式エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3’,4’−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、エポキシエチルジビニルシクロヘキサン、ジエポキシビニルシクロヘキサン、1,2,4−トリエポキシエチルシクロヘキサン、リモネンジオキサイド、脂環式エポキシ基含有シリコーンオリゴマー等が挙げられる。これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、本発明の効果を一層向上させる観点から、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが特に好ましい。
脂環式エポキシ樹脂の市販品としては、特に限定されないが、例えば、セロキサイド2081、セロキサイド2021P、セロキサイド2000、セロキサイド3000、EHPE3150(株式会社ダイセル製)、TTA21(Jiangsu TetraChem社製)、リカレジン DME−100(新日本理化株式会社製)、X−40−2670、X−22−169AS、X−22−169B(信越化学工業株式会社製)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
水素化エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールE型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型のアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、水素化フェノールノボラックエポキシ樹脂、水素化クレゾールノボラックエポキシ樹脂等が挙げられ、特に低温硬化性が優れることから、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールE型エポキシ樹脂が好ましく、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばYX−8000、YX−8034(三菱化学株式会社製)、EXA−7015(DIC株式会社製)、ST−3000(新日鉄住金化学株式会社製)、リカレジンHBE−100(新日本理化株式会社)、EX−252(ナガセケムテックス株式会社)等が挙げられる。また、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばYL−6753(三菱化学株式会社製)等が挙げられる。
本発明の効果を一層向上させる観点から、(A)成分として脂環式エポキシ樹脂および水素化エポキシ樹脂を併用することが好ましく、その質量割合(脂環式エポキシ樹脂:水素化エポキシ樹脂)は、5:95〜70:30が好ましく、15:85〜50:50がより好ましく、25:75〜40:60がさらに好ましい。
本発明の効果を一層向上させる観点から、(A)成分のエポキシ当量は、好ましくは50〜500g/eqであり、より好ましくは100〜250g/eqである。
<(B)成分>
本発明の(B)成分は熱カチオン重合開始剤であり、加熱によりカチオン種を発生する化合物である。(B)成分を含有することで、被着体として光透過性が低いエンジニアリングプラスチックを選択した場合にも、熱硬化により優れた接着性を発揮することができる。
(B)成分としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサフルオロアンチモネートアニオンおよびカチオンからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤(B1)、ヘキサフルオロフォスフェートアニオンおよびカチオンからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤(B2)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンおよびカチオンからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤(B3)等が挙げられ、これらの中でも、低温硬化性が優れることからテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンおよびカチオンからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤(B3)が好ましい。カチオンとしては、例えば4級アンモニウムカチオン、硫黄原子に結合している3つの基のうち少なくとも1つが炭素数1〜8のアルキル基であるスルホニウムイオンなどが挙げられる。これらは1種単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンおよびカチオンからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤(B3)としては、好ましくは、より低温硬化性とエンジニアリングプラスチックに対する接着性とを良好に両立する観点から、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンおよび4級アンモニウムカチオンからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤などが挙げられる。
前記ヘキサフルオロアンチモネートアニオンおよびカチオンからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤(B1)の市販品としては、SI−60L、SI−80L、SI−100L(三新化学工業株式会社製)などが挙げられる。または前記ヘキサフルオロフォスフェートアニオンおよびカチオンからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤(B2)としては、SI−110L、SI−180L、SI−B2A、SI−B3A(三新化学工業株式会社製)が挙げられる。また、前記テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンおよびカチオンからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤(B3)の市販品としては例えば、CXC−1821(King Industries社製)などが挙げられる。
本発明のカチオン硬化性接着剤組成物における(B)成分の配合量は、特に制限されないが、前記(A)成分100質量部に対し、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは0.3〜15質量部であり、さらにより好ましくは0.5〜5質量部であり、特に好ましくは1〜3質量部である。0.1質量部以上であれば低温硬化性が良好となり、また30質量部以下であれば貯蔵安定性が良好となる。
<(C)成分>
本発明の(C)成分は、ジエン系ゴムおよび(メタ)アクリルゴム(シリコーン・アクリル共重合体を除く)からなる群より選択される少なくとも1種を含むゴムフィラーまたはスチレン系フィラーの少なくとも一方である。(C)成分は、本発明のその他成分と組み合わせることにより、組成物の硬化を阻害せず(すなわち低温硬化性を維持し)、かつエンジニアリングプラスチック(特にLCP)に対する接着性が優れるという顕著な効果をもたらす。
ここで、ゴムフィラーとは、25℃でゴム状弾性体であるものをいい、例えばガラス転移点(Tg)が25℃未満であるものが挙げられる。エンジニアリングプラスチックは結晶性が比較的高いため、これに対して国際公開第2005/059002号パンフレットに開示された接着剤組成物を適用すると、接着面に応力が働き、十分な接着性を発現できないものと考えられる。一方、本発明に係る組成物は、ゴムフィラーを含有することで、その応力が緩和され、優れた接着性を発現できると考えられる。
ジエン系ゴムとしては、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム及びこれらを水素化させたものなどが挙げられ、エンジニアリングプラスチックに対する接着性のさらなる向上の観点から、中でもポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムが好ましく、ポリブタジエンゴムまたはアクリロニトリルブタジエンゴムがより好ましく、ポリブタジエンゴムが特に好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸エステルを単独またはこれと共重合可能な単量体とともに重合して得られる重合体(但し、シリコーン・アクリル共重合体を除く)をいい、例えば、アクリル酸エステル・2−クロロエチルビニルエーテル共重合体(ACM)、アクリル酸エステル・アクリロニトリル共重合体(ANM)等のアクリルゴム等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリルゴムの定義からシリコーン・アクリル共重合体を除外しているのは、エンジニアリングプラスチックに対する十分な接着性が得られないからである(後述の比較例5を参照)。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体としては、例えば、2−クロロエチルビニルエーテル、アクリロニトリル等が挙げられる。
(C)成分としては、エンジニアリングプラスチックに対する接着性のさらなる向上の観点から、ポリブタジエンゴムまたはアクリルゴムの少なくとも一方を含むことが好ましく、ポリブタジエンゴムを含むことがより好ましい。
スチレン系フィラーとは、少なくとも一種のスチレン誘導体(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン)を重合またはこれと共重合可能な単量体とともに重合させた、ガラス転移点(Tg)が50℃以上(上限は例えば200℃以下)のポリスチレン系フィラーである。スチレン系フィラーの具体例としては、スチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などが挙げられ、好ましくはスチレン−ジビニルベンゼン共重合体である。市販品としては、マープルーフG−1005S(日油株式会社製)、ファインパールPB−3006E(松浦株式会社製)などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いることも、また二種以上を混合して用いても良い。
なお、本発明の(C)成分は予め本発明の(A)成分中に分散させておくことで、組成物中での分散を容易にすることも可能である。
前記(C)成分の平均粒径は、好ましくは0.01〜5μmであり、より好ましくは0.05〜1μmであり、特に好ましくは0.1〜0.6μmである。0.01μm以上であると接着剤組成物の粘度が上昇せず作業性が良好であることから好ましく、5μm以下であると、エンジニアリングプラスチックに対する接着性が優れることから好ましい。上記平均粒径の測定方法は、レーザー回折・散乱法(50%体積平均粒径)である。
また、(C)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部であり、より好ましくは0.3〜30質量部であり、エンジニアリングプラスチック(特にLCP)に対する接着性をさらに高める観点から、さらに好ましくは0.5〜20質量部であり、さらにより好ましくは2〜12質量部である。中でも、下限値としては、4質量部以上、5質量部以上または6質量部以上が好ましく、上限値としては、10質量部以下、9質量部以下または8質量部以下が好ましい。
<(D)成分>
本発明は、本発明の特性を損なわない範囲において、さらに(D)成分として光カチオン重合開始剤を含有してもよい。(D)成分をさらに含有することで、光で仮硬化させた後に、熱で深部を硬化させることができる。ゆえに、深部まで架橋した硬化物が得られ、より安定的に接着性を発現することができる。光カチオン重合開始剤は、活性エネルギー線の照射によりカチオン種を発生する化合物である。(D)成分は、特に限定されないが、例えば、(B)成分してテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを含む塩を選択する場合、光硬化性、熱硬化性および保存安定性をともに向上させる観点から、芳香族ヨードニウム系光カチオン重合開始剤または芳香族スルホニウム系光カチオン重合開始剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。中でも、芳香族ヨードニウム系光カチオン重合開始剤を含むことが好ましい。
芳香族スルホニウム系光カチオン重合開始剤とは、硫黄原子に結合している3つの基のすべてがアリール基(たとえばフェニル基)であるスルホニウムイオンを含む光カチオン重合開始剤などが挙げられる。また、芳香族ヨードニウム系光カチオン重合開始剤とは、ヨウ素原子に結合している2つの基がアリール基(たとえばフェニル基)であるヨードニウムイオンを含む光カチオン重合開始剤などが挙げられる。なお、熱および活性エネルギー線のいずれによってもカチオン種を発生する開始剤は、本発明において(B)成分に分類するものとする。
芳香族スルホニウム系光カチオン重合開始剤としては、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができる。これらに限定されるものではない。これらの芳香族スルホニウム系光カチオン重合開始剤は単独あるいは混合して使用してもよい。
芳香族スルホニウム系光カチオン重合開始剤の市販品としてはSP−150、SP−170、SP−172(株式会社ADEKA社製)、CPI−100P、CPI−101A、CPI−110B、CPI−200K、CPI−210S(サンアプロ株式会社製)、T1608、T1609、T2041、T2042(東京化成工業株式会社製)、UVI−6990、UVI−6974(ユニオンカーバイド社製)、DTS−200(みどり化学株式会社製)などが挙げられる。
芳香族ヨードニウム系光カチオン重合開始剤としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。中でも、好ましくは、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。これらは、単独あるいは混合して使用してもよい。
芳香族ヨードニウム系光カチオン重合開始剤の市販品としては、イルガキュアー250(BASF社製)、PI−2074(ローディア社製)、B2380、B2381、D2238、D2248、D2253、I0591(東京化成工業株式会社製)、WPI−113、WPI−116、WPI−169、WPI−170、WPIー124(和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
本発明のカチオン硬化性接着剤組成物における(D)成分の配合量は、特に制限されないが、前記(A)成分100質量部に対し、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは0.5〜15質量部であり、さらにより好ましくは1〜5質量部である。0.1質量部以上であれば、光硬化性が良好となり、また30質量部以下であれば、前記(A)成分に溶解しやすくなる。
<任意成分>
さらに本発明のカチオン硬化性接着剤組成物には、本発明の特性を損なわない範囲において、芳香族エポキシ樹脂、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物、顔料、染料などの着色剤、増感剤、シランカップリング剤、ポリオール化合物、過酸化物、チオール化合物、保存安定剤、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、タルク、シリカ、アルミナ、ガラス、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び酸化マグネシウム等の平均粒径が0.001〜100μmの無機充填剤、銀等の導電性粒子、難燃剤、可塑剤、有機溶剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等の酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、消泡剤、発泡剤、離型剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、粘着付与剤、硬化遅延剤、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂類、シアネートエステル類、ポリビニルブチラール樹脂等の添加剤を適量配合しても良い。これらの添加により、より樹脂強度・接着強さ・難燃性・熱伝導性、作業性等に優れたカチオン硬化性接着剤組成物およびその硬化物が得られる。中でも、エンジニアリングプラスチックに対する接着性のさらなる向上の観点から、シランカップリング剤をさらに含むことが好ましい。
本発明において、(A)成分の脂環式エポキシ樹脂、水素化エポキシ樹脂以外に、芳香族エポキシ樹脂、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物等を併用することができる。
芳香族エポキシ樹脂としては、芳香族ビスフェノールA型エポキシ樹脂、芳香族ビスフェノールF型エポキシ樹脂、芳香族ビスフェノールE型エポキシ樹脂、芳香族ビスフェノールA型のアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、芳香族ビスフェノールF型のアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、芳香族ビスフェノールE型のアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、芳香族ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン変性芳香族エポキシ樹脂、窒素含有芳香族エポキシ樹脂、ポリブタジエン又はニトリルブタジエンゴム(NBR)等を含有するゴム変性芳香族エポキシ樹脂等をあげることができる。これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族エポキシ樹脂の市販品としては、例えばjER825、827、828、828EL、828US、828XA、834、806、806H、807、604、630(三菱化学株式会社製)、EPICLON830、EXA−830LVP、EXA−850CRP、835LV、HP4032D、703、720、726、HP820、N−660、N−680、N−695、N−655−EXP−S、N−665−EXP−S、N−685−EXP−S、N−740、N−775、N−865(DIC株式会社製)、EP4100、EP4000、EP4080、EP4085、EP4088、EP4100HF、EP4901HF、EP4000S、EP4000L、EP4003S、EP4010S、EP4010L(株式会社ADEKA製)、デナコールEX614B、EX411、EX314、EX201、EX212、EX252(ナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは、それぞれ単独で用いることも、また二種以上を混合して用いても良い。
オキセタン化合物としては、例えば3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレングリコースビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等を挙げることができる。前記オキセタン化合物の市販品としては、例えば、OXT−212、OXT−221、OXT−213、OXT−101(東亜合成株式会社製)などが挙げられる。これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビニルエーテル化合物としては、例えば1,4−ブタンジオールジビニエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ノルマルプロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ノルマルブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル,ジエチレングリコールモノビニルエーテル,4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等が挙げられる。前記ビニルエーテル化合物の市販品としてはNPVE、IPVE、NBVE、IBVE、EHVECHVE(日本カーバイド工業株式会社製)、HEVE、DEGV、HBVE(丸善石油化学株式会社製)、VEEA、VEEM(株式会社日本触媒製)などが挙げられる。これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
増感剤としては、9−フルオレノン、アントロン、ジベンゾスベロン、フルオレン、2−ブロモフルオレン、9−ブロモフルオレン、9,9−ジメチルフルオレン、2−フルオロフルオレン、2−ヨードフルオレン、2−フルオレンアミン、9−フルオレノール、2,7−ジブロモフルオレン、9−アミノフルオレン塩酸塩、2,7−ジアミノフルオレン、9,9’−スピロビ[9H−フルオレン]、2−フルオレンカルボキシアルデヒド、9−フルオレニルメタノール、2−アセチルフルオレン、ベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー、ニトロ化合物、色素等が挙げられる。添加量は、特に限定されるものではないが、吸収波長及びモル吸光係数を参考にする必要がある。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤、その他γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でもグリシジル基含有シランカップリング剤が好ましく用いられ、グリシジル基含有シランカップリング剤の中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ポリオール化合物としては、硬化速度の調整や接着力をより高める為に添加してもよい。前記ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメチロール、シクロヘキサンジメチロール、トリメチロールプロパン、グリセリン、水添ポリブタジエンポリオール、水添ダイマージオール等の脂肪族ポリオール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパンポリエトキシトリオール、グリセリンポリプロポキシトリオール、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ビスフェノールFポリエトキシジオール、ジトリメチロールプロパン等のエーテル結合を1つもしくは2つ以上有する(ポリ)エーテルポリオール、ポリエステルポリオール化合物、ポリカプロラクトンポリオール化合物、フェノール性水酸基を有するポリオール化合物、ポリカーボネートジオール等のポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。
<硬化方法および硬化物>
本発明は、上記のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物の硬化物についても提供する。本発明のカチオン硬化性接着剤組成物を加熱硬化して硬化物を得る場合において、加熱温度は特に限定されないが、例えば、好ましくは45℃以上100℃未満の温度であり、より好ましくは50℃以上95℃未満である。また、加熱時間も特に制限されないが、例えば、好ましくは5〜120分であり、より好ましくは10〜60分である。また、本発明に係る組成物は、(D)成分を含むことで、活性エネルギー線照射により硬化させることができる。この場合の活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、可視光線等が挙げられるが、特に制限されない。活性エネルギー線の積算光量は300〜100000mJ/cmが好ましく、活性エネルギー線の波長は150〜830nmが好ましく、より好ましくは200〜400nmである。なお、本発明のカチオン硬化性接着剤組成物の硬化方法としては、活性エネルギー線照射と加熱を併用してもよい。
<用途>
本発明のカチオン硬化性接着剤組成物の用途としては、カメラモジュールである。カメラモジュールの接着箇所としては、CMOS、CCDなどのイメージセンサーと基板との間、カットフィルターと基板との間、基板と筐体との間、筐体とカットフィルターとの間、筐体とレンズユニットとの間等が挙げられる。筐体やレンズユニットの材質は、特に限定されないが、例えば、成形性に優れることからLCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。本発明のカチオン硬化性接着剤組成物の硬化物は、これらのエンジニアリングプラスチック(特にLCP)に対して優れた接着性を有する。すなわち、本発明の他の実施形態は、上記カチオン硬化性接着剤組成物の硬化物を含むカメラモジュールである。
<接合体>
本発明は、上記のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物を使用して二以上の被着体を接着してなる接合体についても提供する。被着体としては、特に限定されないが、例えばLCP、PPS、ポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチックなどが挙げられ、中でも好ましくはLCPである。したがって、本発明の好ましい一実施形態は、上記のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物を使用して二以上のLCPを接着してなる接合体である。
以下に実施例によって本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により制約されるものではない。
<カチオン硬化性接着剤組成物の調製>
各成分を表1に示す質量部で採取し、遮光下で常温にてプラネタリーミキサーで60分混合し、カチオン硬化性接着剤組成物を調製し、各種物性に関して次のようにして測定した。
<(A)成分>
a1:水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YX8000、エポキシ当量205g/eq、三菱化学株式会社製)
a2:3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2021P、エポキシ当量137g/eq、株式会社ダイセル製)
<(A)成分の比較成分>
a’1:芳香族ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER807、三菱化学株式会社製)
<(B)成分>
b1:テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンと4級アンモニウムカチオンとからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤(CXC−1821、King Industries社製)
<(C)成分>
c1:平均粒径0.2μmのポリブタジエンゴムフィラー(Tg25℃未満)
c2:平均粒径0.1μmのスチレンブタジエンゴムフィラー(Tg25℃未満)
c3:平均粒径0.3μmアクリルゴムフィラー(Tg25℃未満)
c4:平均粒径0.3μmのアクリロニトリルブタジエンゴムフィラー(Tg25℃未満)
c5:平均粒径0.6μmのスチレン−ジビニルベンゼン共重合体のスチレン系フィラー(Tg100℃)
<(C)成分の比較成分>
c’1:25℃で液状の水酸基末端ポリイソプレン(Poly ip(登録商標)、出光興産株式会社製)
c’2:25℃で液状の水酸基ポリブタジエン(Poly bd(登録商標)、出光興産株式会社製)
c’3:平均粒径0.4μmのシリコーン・アクリル共重合体のゴムフィラー
c’4:平均粒径0.3μmのウレタンゴムフィラー
c’5:25℃でゴム弾性を有しないフレーク形状アクリル樹脂(ARUFON(登録商標)UG−4035、東亞合成株式会社製)
<(D)成分>
d1:芳香族ヨードニウム塩含有光カチオン重合開始剤(PI−2074、ローディア社製)
<その他の成分>
シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学工業株式会社製)。
実施例及び比較例において使用した試験法は下記の通りである。
<低温硬化性試験>
80℃に設定したホットプレート上に各カチオン硬化性接着剤組成物を0.1g滴下して、30分後に先端が尖ったガラス製棒で接触し、組成物の硬化性を下記基準に基づき目視にて評価した。下記基準において○であれば、低温硬化性が良好であると言える。結果を表1に示す。
[評価基準]
○:棒に付着物がない
×:棒に付着物がある。
<エンジニアリングプラスチックに対する接着性>
厚み0.5mm、直径6.1mmの穴があるSUS製ワッシャーの裏面にポリテトラフルオロエチレン製テープを貼り、幅250mm×長さ10mm×厚さ3mmのLCP製テストピース(ポリプラスチックス株式会社製 VECTRA E130i)の上に設置した。次に、ワッシャー内部に各カチオン硬化性接着剤組成物を塗布して、80℃×1時間加熱し硬化させた。これによりLCP製テストピースとカチオン硬化性接着剤組成物の硬化物が接着した試験片を得た。そして、前記試験片を用いてプッシュプルゲージにてチップ強度[N/mm]を測定した。結果を表1に示す。
本発明において好ましいチップ強度は、6.0N/m以上であり、より好ましくは7.0N/mm以上であり、さらにより好ましくは8.0N/mm以上であり、特に好ましくは10N/mm以上である(上限値は、例えば20N/mm以下である)。なお、表1中の「測定不可能」とは、80℃×1時間加熱してもカチオン硬化性接着剤組成物が硬化しなかったため、本試験を行うことが不可能であったものを意味する。
実施例1〜11により、本発明のカチオン硬化性接着剤組成物は、低温硬化性(100℃以下)とエンジニアリングプラスチック(LCP)に対する接着性とを兼ね備えていることがわかる。
比較例1は、本発明の(A)成分の必須成分である脂環式エポキシ樹脂または水素化エポキシ樹脂のいずれも含まず、芳香族ビスフェノールA型エポキシ樹脂のみ含む組成物であるが、低温硬化性が著しく劣ることがわかる。また、比較例2は、本発明の(C)成分を含まない組成物であるが、エンジニアリングプラスチック(LCP)に対する接着性が劣ることがわかる。また、比較例3〜5は、本発明の(C)成分の代わりに25℃で液状の水酸基末端ポリイソプレンまたは25℃で液状の水酸基ポリブタジエンまたは平均粒径0.4μmのシリコーン・アクリルの共重合体を用いた組成物であるが、エンジニアリングプラスチックに対する接着性が劣ることがわかる。また、比較例6は、本発明の(C)成分の代わりにウレタンゴムを用いた組成物であるが、低温硬化性が著しく劣るものであった。また、比較例7は、本発明の(C)成分の代わりに25℃でゴム弾性体ではないフレーク形状アクリル樹脂を用いた組成物であるが、低温硬化性が著しく劣るものであった。
本発明は、低温硬化性とエンジニアリングプラスチック(特にLCP)に対する接着性とを兼ね備えたカチオン硬化性接着剤組成物であり、カメラモジュール用接着剤に適用可能であることから産業上有用である。
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本出願は、2016年11月18日に出願された日本特許出願番号2016−225225号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。

Claims (7)

  1. (A)成分:脂環式エポキシ樹脂および水素化エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むカチオン重合性樹脂、
    (B)成分:熱カチオン重合開始剤、ならびに
    (C)成分:ジエン系ゴムおよび(メタ)アクリルゴム(シリコーン・アクリル共重合体を除く)からなる群より選択される少なくとも1種を含むゴムフィラーまたはスチレン系フィラーの少なくとも一方
    を含むことを特徴とするカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物。
  2. 前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分を0.1〜30質量部、前記(C)成分を0.5〜20質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物。
  3. 前記(B)成分が、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンおよびカチオンからなる塩を含む熱カチオン重合開始剤であることを特徴とする請求項1または2に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物。
  4. (D)成分として光カチオン重合開始剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物。
  5. 前記(D)成分が、芳香族ヨードニウム系光カチオン重合開始剤または芳香族スルホニウム系光カチオン重合開始剤の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項4に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物の硬化物。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカメラモジュール用カチオン硬化性接着剤組成物を使用して二以上の被着体を接着してなる接合体。
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