JPWO2018038047A1 - 脂肪酸メチルエステル高含有コーヒー豆 - Google Patents

脂肪酸メチルエステル高含有コーヒー豆 Download PDF

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Abstract

香味成分が増加したコーヒー豆、コーヒー豆の香味成分の増加方法、及びコーヒー豆の評価方法を提供する。コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量を増加させる。

Description

本発明は、コーヒー豆などに関する。具体的には、脂肪酸メチルエステルの含有量が特定値以上であるコーヒー豆、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの増加方法、及びコーヒー豆の評価方法などに関する。
コーヒー豆は、コーヒーノキと呼ばれるアカネ科の植物の果実(コーヒー果実、又はコーヒーチェリーと称される)から果肉や薄皮を除去する工程(精製工程)を経て得られる種子(コーヒー種子)、及びそれを加工した豆の総称である。このうち、コーヒー豆を加熱して煎り上げるプロセスである焙煎工程を経る前のコーヒー豆をコーヒー生豆、焙煎工程を経た後のコーヒー豆をコーヒー焙煎豆と称する。そして、このコーヒー焙煎豆を粉砕した粉砕豆に熱湯や水などの抽出原液を加水して濾布やメッシュ等の濾材により濾過抽出することにより、コーヒー飲料が得られる。
コーヒー飲料は嗜好飲料として広く愛好され、その需要もますます増大すると共にニーズの多様化が進んでいる。一方、コーヒー飲料の香味は、コーヒー豆の品種や栽培地、栽培条件などの様々な条件によって大きく異なる。そして、ニーズに合った香味を有するコーヒー飲料の製造に適したコーヒー豆を事前に評価するための客観的な指標が求められている(特許文献1)。
特開2014−011984号公報
本発明の課題は、コーヒーの香味に強く寄与するコーヒー豆中の成分を決定すると共に、当該成分を高濃度に含むコーヒー豆を提供することなどである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、コーヒー豆に含まれる脂肪酸メチルエステルがコーヒーの香味に強く寄与していることを見出した。さらに、コーヒー豆に脂肪酸メチルエステル前駆体としてメチル基供与体を添加し、その後加熱処理を施すことで、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステル含有量が増加することなどを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に関するが、これらに限定されない。
(1)脂肪酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり29.5μg以上である、コーヒー豆。
(2)脂肪酸メチルエステルが、イソ吉草酸メチルエステル、及びパルミチン酸メチルエステルの少なくとも一方を含むものである、(1)に記載のコーヒー豆。
(3)イソ吉草酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり0.10μg以上である、(2)に記載のコーヒー豆。
(4)パルミチン酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり28.0μg以上である、(2)に記載のコーヒー豆。
(5)コーヒー豆がコーヒー焙煎豆である、(1)〜(4)のいずれかに記載のコーヒー豆。
(6)L値が14以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載のコーヒー豆。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載のコーヒー豆を使用して調製されたコーヒー飲料。
(8)イソ吉草酸メチルエステルの含有量が25ppb以上である、コーヒー飲料。
(9)コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量の増加方法であって、
a)コーヒー豆にメチル基供与体を供給する工程を含む、前記方法。
(10)さらにb)コーヒー豆を加温処理又は常温処理する工程を含む、(9)に記載の方法。
(11)さらにc)コーヒー豆を焙煎する工程を含む、(9)又は(10)に記載の方法。
(12)コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり29.5μg以上である、(9)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(13)メチル基供与体が、メタノール、ペクチン素材、トリゴネリン、及びS−メチルメチオニンからなる群から選択される少なくとも1以上を含むものである、(9)〜(12)のいずれかに記載の方法。
(14)ペクチン素材が、ペクチン、及びペクチン含有材料の少なくとも1以上を含むものである、(13)に記載の方法。
(15)ペクチン含有材料が、植物の果肉を含むものである、(14)に記載の方法。
(16)植物の果肉が、コーヒー果肉、及びブドウ果実の少なくとも一方を含むものである、(15)に記載の方法。
(17)工程a)の際に、さらにペクチナーゼを供給する工程を含む、(9)〜(16)のいずれかに記載の方法。
(18)良好な香味を有するコーヒー豆の評価方法であって、
コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量を測定する工程、及び、
脂肪酸メチルエステルの含有量を所定の値と比較する工程、を含む、前記方法。
(19)脂肪酸メチルエステルの含有量の前記所定の値が、コーヒー豆1gあたり29.5μg以上であり、
脂肪酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり29.5μg以上であると決定されたコーヒー豆が良好な香味を有すると評価される、(18)に記載の方法。
(20)脂肪酸メチルエステルが、イソ吉草酸メチルエステル、及びパルミチン酸メチルエステルの少なくとも一方を含むものである、(18)又は(19)に記載の方法。
本発明では、コーヒーの香味に強く寄与する脂肪酸メチルエステルの含有量が増加したコーヒー豆を提供することができる。また、本発明によれば、コーヒーの香味を増加させることができると共に、脂肪酸メチルエステルを指標としてコーヒー豆の香味を評価することも可能になる。
図1には、コーヒー生豆にメタノールを噴霧し、その後焙煎したコーヒー焙煎豆中のイソ吉草酸メチルエステル含有量(μg/g豆)及びパルミチン酸メチルエステル含有量(μg/g豆)を示す。 図2には、コーヒー生豆にコーヒー果肉・果皮を供給し、さらにぺクチナーゼ又は水を加えて処理し、その後焙煎したコーヒー焙煎豆中のイソ吉草酸メチルエステル含有量(μg/g豆)及びパルミチン酸メチルエステル含有量(μg/g豆)を示す。 図3には、コーヒー生豆にブドウ果実粉砕物を供給し、さらにぺクチナーゼ又は水を加えて処理したコーヒー生豆におけるメタノール含有量(HS−GC−MS面積値を含水量で換算した値)を示す。 図4には、市販の缶コーヒーに用いられるコーヒー焙煎豆と同程度の品質のコーヒー焙煎豆を用いた飲料(コーヒー飲料1)及び高品質のコーヒー焙煎豆を用いた飲料(コーヒー飲料3)について、一般パネラー(20〜40代有職男性42名)による官能評価試験を行った際の酸味及び苦味の認識特性を比較した結果を示す。 図5には、市販の缶コーヒーに用いられるコーヒー焙煎豆と同程度の品質のコーヒー焙煎豆を用いた飲料(コーヒー飲料1:図5中で「X」と表記)、コーヒー飲料1にイソ吉草酸メチルエステルを添加した飲料(コーヒー飲料2:図5中で「X+A」と表記)、及び高品質のコーヒー焙煎豆を用いた飲料(コーヒー飲料3:図5中で「Z」と表記)について、専門パネラーにより酸味及び苦味強度の相対的関係を評価した結果を示す。
1.コーヒー豆
1−1.脂肪酸メチルエステル
本発明の一態様は、脂肪酸メチルエステルの含有量が特定の範囲内にあるコーヒー豆である。
コーヒー豆に含まれる脂肪酸メチルエステルは複数知られており、その中にはフルーティーで果実のような香気を有するものが含まれるなどコーヒー特有の香味に強く寄与する成分である。そして、本発明者らは、脂肪酸メチルエステルの含有量が特定の範囲内にあるコーヒー豆を用いて製造されたコーヒー飲料は良好な香味を有することを見出した。本発明のコーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量の下限値は、コーヒー豆1gあたり29.5μg以上(29.5μg/g豆以上)であるが、好ましくは35.0μg/g豆以上、より好ましくは40.0μg/g豆以上である。また、本発明のコーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量の上限値は特に限定されないが、好ましくは60000μg/g豆以下、より好ましくは6000μg/g豆以下である。
本発明のコーヒー豆に含まれる脂肪酸メチルエステルの種類は特に限定されないが、好ましくは炭素鎖が1〜28である短鎖〜長鎖の脂肪酸メチルエステルからなる群から選択される1以上である。好ましくは、本発明のコーヒー豆に含まれる脂肪酸メチルエステルは、ギ酸メチルエステル、酢酸メチルエステル、プロピオン酸メチルエステル、酪酸メチルエステル、吉草酸メチルエステル、イソ吉草酸メチルエステル、カプロン酸メチルエステル、カプリル酸メチルエステル、カプリン酸メチルエステル、ミリスチン酸メチルエステル、パルミチン酸メチルエステル、ステアリン酸メチルエステル、リノール酸メチルエステル、及びオレイン酸メチルエステルからなる群から選択される1以上である。また、より良好な香味を付与するという観点から、本発明のコーヒー豆は、前記脂肪酸メチルエステルの各成分から選択される2以上、より好ましくは3以上、さらにより好ましくは前記各成分を全て含むことが好ましい。さらに、本発明のコーヒー豆に含まれる脂肪酸メチルエステルは、イソ吉草酸メチルエステル、及びパルミチン酸メチルエステルの少なくとも一方を含むことがより好ましい。
また、本発明のコーヒー豆は脂肪酸メチルエステル以外にも多種多様な香味成分を含有する。本発明のコーヒー豆に含まれる脂肪酸メチルエステル以外の香味成分は特に限定されないが、例えば、フルフリールメチルエーテル又は2−フランカルボン酸メチルなどが挙げられる。
また、本発明のコーヒー豆に含まれるギ酸メチルエステル、酢酸メチルエステル、プロピオン酸メチルエステル、酪酸メチルエステル、吉草酸メチルエステル、イソ吉草酸メチルエステル、カプロン酸メチルエステル、カプリル酸メチルエステル、カプリン酸メチルエステル、ミリスチン酸メチルエステル、パルミチン酸メチルエステル、ステアリン酸メチルエステル、リノール酸メチルエステル、又はオレイン酸メチルエステルの各成分の含有量は特に限定されないが、好ましくはコーヒー豆1gあたり29.5μg以上(29.5μg/g豆以上)、より好ましくは35.0μg/g豆以上、さらにより好ましくは40.0μg/g豆以上であり、好ましくは60000μg/g豆以下、より好ましくは6000μg/g豆以下である。また、本発明のコーヒー豆中のイソ吉草酸メチルエステルの含有量は、好ましくは0.10μg/g豆以上、より好ましくは0.12μg/g豆以上、さらにより好ましくは0.14μg/g豆以上、特に好ましくは0.17μg/g豆以上であり、好ましくは80μg/g豆以下、より好ましくは8μg/g豆以下である。さらに、本発明のコーヒー豆中のパルミチン酸メチルエステルの含有量は、好ましくは28.0μg/g豆以上、より好ましくは34.0μg/g豆以上、さらにより好ましくは38.0μg/g豆以上であり、好ましくは40000μg/g豆以下、より好ましくは4000μg/g豆以下である。
脂肪酸メチルエステルの測定は公知の方法で行うことができ、例えばLC−MS法、GC−MS法、LC法、GC法、近赤外線法などの分光法などにより測定することができる。
1−2.コーヒー豆、コーヒー生豆、及びコーヒー焙煎豆
本発明のコーヒー豆の産地や品種は特に限定されず、例えばコーヒー豆の産地としてはブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテン等が挙げられ、コーヒー豆の品種としてはアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種等が挙げられる。コーヒー豆は単一産地又は単一品種のものを用いても、異なる産地や品種のものを組み合わせて用いてもよい。
本明細書において「コーヒー生豆」はコーヒー豆を加熱して煎り上げるプロセスである焙煎工程を経る前のコーヒー豆を意味し、「コーヒー焙煎豆」は焙煎工程を経た後のコーヒー豆を焙煎した豆を意味する。本発明のコーヒー豆は、コーヒー生豆であってもコーヒー焙煎豆であってもよく、特に限定されない。
一般に、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルは加熱により増加する傾向にあると考えられるところ、本発明によれば、加熱の程度が弱くても、香味に十分に寄与する量の特定の脂肪酸メチルエステルをコーヒー豆に含有させることができる。本発明のコーヒー豆におけるL値は特に限定されないが、好ましくは14以上、より好ましくは18以上、さらにより好ましくは22以上、さらにより好ましくは28以上である。
本発明のコーヒー豆がコーヒー焙煎豆である場合における脂肪酸メチルエステルの含有量の下限値は、コーヒー焙煎豆1gあたり29.5μg以上(29.5μg/g豆以上)、好ましくは35.0μg/g豆以上、より好ましくは40.0μg/g豆以上である。また、本発明のコーヒー豆がコーヒー焙煎豆である場合の脂肪酸メチルエステル含有量の上限値は特に限定されないが、好ましくは60000μg/g豆以下、より好ましくは6000μg/g豆以下である。
また、本発明のコーヒー豆がコーヒー焙煎豆である場合における、ギ酸メチルエステル、酢酸メチルエステル、プロピオン酸メチルエステル、酪酸メチルエステル、吉草酸メチルエステル、イソ吉草酸メチルエステル、カプロン酸メチルエステル、カプリル酸メチルエステル、カプリン酸メチルエステル、ミリスチン酸メチルエステル、パルミチン酸メチルエステル、ステアリン酸メチルエステル、リノール酸メチルエステル、又はオレイン酸メチルエステルの各成分の含有量は特に限定されないが、好ましくはコーヒー焙煎豆1gあたり29.5μg以上(29.5μg/g豆以上)、より好ましくは35.0μg/g豆以上、さらにより好ましくは40.0μg/g豆以上であり、好ましくは60000μg/g豆以下、より好ましくは6000μg/g豆以下である。また、本発明のコーヒー豆がコーヒー焙煎豆である場合におけるイソ吉草酸メチルエステルの含有量は、好ましくは0.10μg/g豆以上、より好ましくは0.12μg/g豆以上、さらにより好ましくは0.15μg/g豆以上、特に好ましくは0.17μg/g豆以上であり、好ましくは80μg/g豆以下、より好ましくは8μg/g豆以下である。さらに、本発明のコーヒー豆がコーヒー焙煎豆である場合におけるパルミチン酸メチルエステルの含有量は、好ましくは28.0μg/g豆以上、より好ましくは34.0μg/g豆以上、さらにより好ましくは38.0μg/g豆以上であり、好ましくは40000μg/g豆以下、より好ましくは4000μg/g豆以下である。
本発明において、コーヒー焙煎豆の焙煎度は色差計で測定したL値を指標として、L値は好ましくは14以上、より好ましくは14〜30、さらにより好ましくは16〜26となるように焙煎するのがよい。焙煎度の測定としては、粉砕した豆をセルに投入し、十分にタッピングした後、分光式色彩計にて測定する。分光式色彩計としては、日本電色工業株式会社製SE−2000などが使用できる。
なお、本発明において、焙煎方法や焙煎条件は特に限定されるものではなく、直火式、熱風式、半熱風式、炭火式、遠赤外線式、マイクロ波式、過熱水蒸気式などの方法で、水平(横)ドラム型、垂直(縦)ドラム型、垂直回転ボウル型、流動床型、加圧型などの装置を用い、コーヒー豆の種別に対応して、所定の目的に応じた焙煎度(ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアン)に仕上げればよい。
本発明のコーヒー豆がコーヒー生豆である場合における脂肪酸メチルエステルの含有量の下限値は、コーヒー生豆1gあたり29.5μg以上(29.5μg/g豆以上)、好ましくは35.0μg/g豆以上、より好ましくは40.0μg/g豆以上である。また、本発明のコーヒー豆がコーヒー生豆である場合の脂肪酸メチルエステル含有量の上限値は特に限定されないが、好ましくは60000μg/g豆以下、より好ましくは6000μg/g豆以下である。
また、本発明のコーヒー豆がコーヒー生豆である場合における、ギ酸メチルエステル、酢酸メチルエステル、プロピオン酸メチルエステル、酪酸メチルエステル、吉草酸メチルエステル、イソ吉草酸メチルエステル、カプロン酸メチルエステル、カプリル酸メチルエステル、カプリン酸メチルエステル、ミリスチン酸メチルエステル、パルミチン酸メチルエステル、ステアリン酸メチルエステル、リノール酸メチルエステル、又はオレイン酸メチルエステルの各成分の含有量は特に限定されないが、好ましくはコーヒー生豆1gあたり29.5μg以上(29.5μg/g豆以上)、より好ましくは35.0μg/g豆以上、さらにより好ましくは40.0μg/g豆以上であり、好ましくは60000μg/g豆以下、より好ましくは6000μg/g豆以下である。また、本発明のコーヒー豆がコーヒー生豆である場合におけるイソ吉草酸メチルエステルの含有量は、好ましくは0.10μg0.10μg/g豆以上、より好ましくは0.12μg/g豆以上、さらにより好ましくは0.14μg/g豆以上、特に好ましくは0.17μg/g豆以上であり、好ましくは80μg/g豆以下、より好ましくは8μg/g豆以下である。さらに、本発明のコーヒー豆がコーヒー生豆である場合におけるパルミチン酸メチルエステルの含有量は、好ましくは28.0μg/g豆以上、より好ましくは34.0μg/g豆以上、さらにより好ましくは38.0μg/g豆以上であり、好ましくは40000μg/g豆以下、より好ましくは4000μg/g豆以下である。
1−3.粉砕豆
本発明は、豆の形態に限定されるものではなく、例えば粉砕豆であってもよい。コーヒー豆の粉砕は乾式粉砕や湿式粉砕等の一般的な方法を用いることができる。
本発明のコーヒー粉砕豆における脂肪酸メチルエステルの含有量の下限値は、コーヒー粉砕豆1gあたり29.5μg以上(29.5μg/g豆以上)であるが、好ましくは35.0μg/g豆以上、より好ましくは40.0μg/g豆以上である。また、本発明のコーヒー粉砕豆の脂肪酸メチルエステル含有量の上限値は特に限定されないが、好ましくは60000μg/g豆以下、より好ましくは6000μg/g豆以下である。また、本発明のコーヒー粉砕豆におけるイソ吉草酸メチルエステルの含有量は、好ましくは0.10μg/g豆以上、より好ましくは0.12μg/g豆以上、さらにより好ましくは0.14μg/g豆以上、特に好ましくは0.17μg/g豆以上であり、好ましくは80μg/g豆以下、より好ましくは80μg/g豆以下である。さらに、本発明のコーヒー粉砕豆におけるパルミチン酸メチルエステルの含有量は、好ましくは28.0μg/g豆以上、より好ましくは34.0μg/g豆以上、さらにより好ましくは38.0μg/g豆以上であり、好ましくは40000μg/g豆以下、より好ましくは4000μg/g豆以下である。
なお、本発明のコーヒー粉砕豆の原料となるコーヒー豆の品種や産地、焙煎度、焙煎方法、及び脂肪酸メチルエステルの種類等については、コーヒー豆に関して上述した通りである。
1−4.コーヒー飲料
本発明は、ある態様ではコーヒー飲料であってもよい。
本発明のコーヒー飲料における脂肪酸メチルエステルの含有量は特に限定されないが、好ましくは20ppb以上、24ppb以上、25ppb以上、35ppb以上、より好ましくは49ppb以上、さらにより好ましくは50ppb以上、特に好ましくは90ppb以上であり、好ましくは1.0×10ppb以下、より好ましくは1.0×10ppb以下である。
本発明のコーヒー飲料に含まれる脂肪酸メチルエステルの種類は特に限定されないが、好ましくは炭素鎖が1〜28である短鎖〜長鎖の脂肪酸メチルエステルからなる群から選択される1以上である。典型的には、本発明のコーヒー飲料に含まれる脂肪酸メチルエステルは、ギ酸メチルエステル、酢酸メチルエステル、プロピオン酸メチルエステル、酪酸メチルエステル、吉草酸メチルエステル、イソ吉草酸メチルエステル、カプロン酸メチル、カプリル酸メチルエステル、カプリン酸メチルエステル、ミリスチン酸メチルエステル、パルミチン酸メチルエステル、ステアリン酸メチルエステル、リノール酸メチルエステル、及びオレイン酸メチルエステルからなる群から選択される1以上である。本発明のコーヒー飲料に含まれる前記脂肪酸メチルエステルの各成分の含有量も特に限定されないが、好ましくは20ppb以上、24ppb以上、25ppb以上、35ppb以上、より好ましくは49ppb以上、さらにより好ましくは50ppb以上、特に好ましくは90ppb以上であり、好ましくは1.0×10ppb以下、より好ましくは1.0×10ppb以下である。
また、本発明のコーヒー飲料におけるイソ吉草酸メチルエステルの含有量は、下限値については、20ppb以上、24ppb以上、25ppb以上、35ppb以上、より好ましくは49ppb以上、さらにより好ましくは50ppb以上、特に好ましくは90ppb以上である。また、本発明のコーヒー飲料における前記各成分の含有量の上限値は特に限定されないが、好ましくは1.0×10ppb以下、より好ましくは1.0×10ppb以下、さらに好ましくは500ppb以下である。
本発明のコーヒー飲料は、前述のコーヒー豆又はコーヒー粉砕豆を利用して製造してもよい。また、本発明のコーヒー飲料は、コーヒー特有の香味を有する飲料であれば特に制限はなく、例えば、無糖、有糖あるいはミルク入りのコーヒー飲料などが例示される。また、本発明のコーヒー飲料には、必要に応じて、飲料に通常配合される原料、例えば、カラメル等の着色剤又は色素、消泡剤、増粘剤、乳化剤などを配合してもよい。なお、本発明のコーヒー飲料の原料となるコーヒー豆の品種や産地、焙煎度などについては、コーヒー豆に関して上述した通りである。
本発明のコーヒー飲料は、保存可能な容器(例えば、プラスチックボトル、瓶、缶、パックなど)に充填されていてもよい。好ましくは再栓できる蓋材を有する容器であり、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、アルミ、スチールなどの金属製のボトル缶を例示することができる。好ましくは、本発明の炭酸コーヒー飲料は無菌充填装置によって容器詰めされる。なお、無菌充填装置とは一般に、高温短時間殺菌した内容物を殺菌済み容器に無菌環境下で充填、密封する装置をいう。
2.コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの増加方法
コーヒー豆に含まれる脂肪酸メチルエステルは複数知られており、その中にはフルーティーで果実のような香気を有するものが含まれるなど、コーヒー特有の香味に強く寄与する成分である。そして、本発明者らは、特定の処理を施すことで、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステル含有量が増加するという知見を得た。以下、本発明の脂肪酸メチルエステル増加方法について詳述する。
2−1.メチル基供与体を供給することにより、脂肪酸メチルエステルを増加する方法
本発明は、ある態様では、a)コーヒー豆にメチル基供与体を供給する工程、及び、c)工程a)後にコーヒー豆を焙煎する工程を含む、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの増加方法である。また、前記方法では、好ましくは前記工程c)後のコーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり29.5μg以上に増加する。前記方法において、コーヒー豆にメチル基供与体を供給する工程a)では、コーヒー豆とメチル基供与体を共存させることで、コーヒー豆にメチル基供与体を供給することができる。メチル基供与体を共存させる手段としては、混合、噴霧、インキュベート、接触、静置などの方法をとることができる。また、メチル基供与体を生成する微生物をコーヒー豆と共存させた状態で資化させても良い。メチル基供与体を産生する微生物としては、例えばメタノール産生菌が挙げられる。メチル基供与体の供給の時期は特に限定されないが、コーヒー生豆の精選・乾燥工程中又はコーヒー生豆の保管中の何れにおいても行うことができる。
本発明で使用するメチル基供与体は、分子構造内にメチル基を有し、置換反応や脱離反応等によって他の分子にメチル基を供与できるものであれば特に限定されないが、典型的には、メタノール、ペクチン素材、トリゴネリン、S−メチルメチオニンなどが挙げられ、好ましくはメタノール又はペクチンである。メチル基供与体の供給量は、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステル含有量が29.5μg/g豆以上に増加する限り特に限定されないが、例えばメチル基供与体としてメタノールを用いる場合、コーヒー豆1gあたりメチル基(−CH)として0.1〜200mg(0.1〜200mg/g)、好ましくは1.0〜50mg/g、より好ましくは4.5〜14.0mg/gとなるように供給することができる。
本発明によれば、前記工程c)後にコーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量が29.5μg/g豆以上、好ましくは35.0μg/g豆以上、より好ましくは40.0μg/g豆以上に増加する。
前記方法で増加する脂肪酸メチルエステルの種類は特に限定されないが、好ましくは炭素鎖が1〜28である短鎖〜長鎖の脂肪酸メチルエステルからなる群から選択される1以上である。好ましくは、前記増加方法による増加する脂肪酸メチルエステルは、ギ酸メチルエステル、酢酸メチルエステル、プロピオン酸メチルエステル、酪酸メチルエステル、吉草酸メチルエステル、イソ吉草酸メチルエステル、カプロン酸メチルエステル、カプリル酸メチルエステル、カプリン酸メチルエステル、ミリスチン酸メチルエステル、パルミチン酸メチルエステル、ステアリン酸メチルエステル、リノール酸メチルエステル、及びオレイン酸メチルエステルからなる群から選択される1以上を含むものであり、イソ吉草酸メチルエステル及びパルミチン酸メチルエステルの少なくとも一方を含むことがより好ましい。
また、前記工程c)後におけるコーヒー豆中のギ酸メチルエステル、酢酸メチルエステル、プロピオン酸メチルエステル、酪酸メチルエステル、吉草酸メチルエステル、イソ吉草酸メチルエステル、カプロン酸メチルエステル、カプリル酸メチルエステル、カプリン酸メチルエステル、ミリスチン酸メチルエステル、パルミチン酸メチルエステル、ステアリン酸メチルエステル、リノール酸メチルエステル、及びオレイン酸メチルエステルの各成分の含有量は特に限定されないが、好ましくは29.5μg/g豆以上、より好ましくは35.0μg/g豆以上、さらにより好ましくは40.0μg/g豆以上である。また、前記工程c)後におけるコーヒー豆中のイソ吉草酸メチルエステルの含有量は、好ましくは0.10μg/g豆以上、より好ましくは0.14μg/g豆以上、さらにより好ましくは0.14μg/g豆以上、特に好ましくは0.17μg/g豆以上であり、前記工程c)後におけるコーヒー豆中のパルミチン酸メチルエステルの含有量は、好ましくは28.0μg/g豆以上、より好ましくは34.0μg/g豆以上、さらにより好ましくは38.0μg/g豆以上である。
また、本発明の方法では、上記の脂肪酸メチルエステルの他にも、コーヒー豆中の多種多様な香味成分を増加することができる。本発明の方法で増加される香味成分は特に限定されないが、例えば、フルフリールメチルエーテル、又は2−フランカルボン酸メチルなどの、メチル基を有する成分が増加される。これらの成分は、メチル供与体を供給することによって生成するものと推察される。なお、これらの成分は、高品質の豆にも含まれていることが知られており、これらの成分が相互的な味の向上に繋がっていると考えられる。従って、本発明の方法を用いることで、中程度の豆について、高品質の豆を凌駕するような香味を付与することが可能であると考えられる。
焙煎条件は、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステル含有量が0.12μg/g豆以上に増加する限り特に限定されないが、焙煎温度としては好ましくは100〜300℃、より好ましくは140〜280℃、さらにより好ましくは160〜260℃である。また、焙煎時間としては好ましくは2〜180分間、より好ましくは3〜120分間、さらにより好ましくは4〜100分間である。なお、当該方法において使用する焙煎方法や焙煎度については、コーヒー豆に関して上述した通りである。
また、前記方法において使用するコーヒー豆は、コーヒー生豆であってもコーヒー焙煎豆であってもよく、特に限定されない。
本発明は、ある態様では、前記工程a)においてコーヒー豆にメチル基供与体としてペクチン素材を供給し、その後にコーヒー豆を加温処理又は常温処理する工程を含む、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの増加方法でもある。具体的には、本発明は、ある態様では、a)コーヒー豆にペクチン素材を供給する工程、b)工程a)後にコーヒー豆を加温処理又は常温処理する工程、及びc)工程b)の後にコーヒー豆を焙煎する工程、を含む、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの増加方法でもある。また、前記方法では、好ましくは前記工程c)後のコーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり29.5μg以上に増加する。
本発明は、一態様では、コーヒー豆にメチル基供与体を供給する工程a)を含む、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの増加方法でもある。また、本発明は、ある態様では、前記工程a)の後にコーヒー豆を加温処理又は常温処理する工程b)をさらに含めることができる。さらに、本発明は、ある態様では、工程a)又はb)の後にコーヒー豆を焙煎する工程c)を含めることができる。前記方法では、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量が一定値以上に増加し、好ましくはコーヒー豆1gあたり29.5μg以上に増加する。
本発明で使用するペクチン素材は、置換反応や脱離反応等によって脂肪酸にメチル基を供与できるものであれば特に限定されないが、ペクチン、及びペクチン含有材料の少なくとも1以上を含むものであることが好ましい。また、ペクチン含有材料としては、植物の果肉を含むものを好適に用いることができる。植物の果肉としては、コーヒー果肉やブドウ果肉などを用いることができ、例えばブドウ果実粉砕物など、ブドウ果肉を含む原料も好適に用いることができる。従って、本発明の方法では、植物の果肉がコーヒー果肉及びブドウ果実の少なくとも一方を含むものであることが好ましく、それらの凍結乾燥物や粉砕物も好適に使用することができる。なお、ペクチン素材の供給量は、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステル含有量が29.5μg/g豆以上に増加する限り特に限定されない。
また、加温又は常温での処理条件は、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステル含有量が29.5μg/g豆以上に増加する限り特に限定されないが、加温温度としては好ましくは20〜100℃、より好ましくは25〜80℃、さらにより好ましくは40〜65℃である。また、加温又は常温での処理時間としては好ましくは1〜96時間、より好ましくは3〜72時間、さらにより好ましくは6〜60時間である。ここでいう加温での処理時間は、予め加温装置を所望の温度にしておく場合は、加温装置にコーヒー豆を投入してからの経過時間であり、また加温装置にコーヒー豆を投入後に昇温を行う場合は、所望の温度に到達してからの経過時間である。なお、加熱装置としては、例えば、温度調整可能な恒温培養器や乾燥器を使用することができる。
本発明は、ある態様では、工程a)の際に酵素を供給し、その後加温又は常温での処理工程の際に酵素処理を実施することができる。これにより、ペクチン素材からのメチル基供与体の生成を促進し、より効率的にコーヒー豆中の脂肪酸メチルエステル含有量を増加させることができる。酵素としては、ぺクチナーゼなどを使用することが好ましく、ペクチンエステラーゼ及びポリガラクチュロナーゼの少なくとも一方を含むペクチナーゼを使用することがより好ましく、ペクチンエステラーゼ及びポリガラクチュロナーゼを両方含むペクチナーゼを使用することがさらにより好ましい。また、ペクチナーゼなどの複数の酵素を併用することも可能である。
酵素の供給の時期は、ペクチン素材が存在している状況であれば特に限定されないが、例えば、コーヒーの果実を収穫して生豆にするまでの工程における、精選工程や乾燥工程において行うことができる。また、酵素を供給した後で、ペクチン素材を供給してもよい。
前記方法において使用するコーヒー豆は、コーヒー生豆であってもコーヒー焙煎豆であってもよく、特に限定されない。また、コーヒー豆の焙煎方法や焙煎度についても前記した通りである。
2−2.コーヒー果実の精選によって、脂肪酸メチルエステルを増加する方法
本発明は、ある態様では、コーヒー果実の精選によって、脂肪酸メチルエステルを増加する方法である。具体的には、a)収穫したコーヒー果実をそのまま乾燥させる工程、及びb)工程a)後にコーヒー果肉を除去する工程、即ち非水洗方式と呼ばれる精選工程を含む、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの増加方法である。前記方法は、精選工程後にコーヒー豆を焙煎する工程を含んでいてもよい。前記方法では、コーヒー果肉とコーヒー果皮を残した状態で乾燥させることにより、当該工程中にコーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルを増加させることができる。また、前記方法では、精選工程中又はその精選工程前に酵素を供給することもできる。なお、酵素の種類については前記した通りである。そして、前記方法では、好ましくは前記工程c)後のコーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり29.5μg以上に増加する。
一方で、コーヒー果実の精選では、一般的には水洗方法、即ち果肉・果皮の除去と内果皮の除去が別々に行われる。具体的には、収穫後のコーヒー果実から果肉と果皮を取り除き、その後、ミューシレージ(粘膜質)の除去、水洗、乾燥工程を経て、脱殻により内果皮を除去してコーヒー生豆が得られる。
本発明では、精選工程においてメチル基供与体を産生する微生物を共存させることによりメチル基供与体を産生させて、当該メチル基供与体を利用してコーヒー豆中の脂肪酸メチルを増加させることができる。また、前記方法では、ペクチン素材などのメチル基供与体をぺクチナーゼなどの酵素で処理することでメチル基を産生させ、当該メチル基を利用してコーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルを増加させることもできる。従って、前記方法では、メチル基供与体を産生する微生物とぺクチナーゼなどの酵素を併用して、コーヒー豆中の脂肪酸メチルを増加させることも可能である。なお、微生物を共存させる工程の態様は特に限定されない。
前記方法において増加される脂肪酸メチルエステルの種類や量は前記した通りである。また、コーヒー豆の焙煎方法や焙煎度についても前記した通りである。
さらに、前記方法では、上記の脂肪酸メチルエステルの他にも、コーヒー豆中の多種多様な香味成分を増加することができる。本発明の方法で増加される香味成分は特に限定されないが、例えば、フルフリールメチルエーテル、又は2−フランカルボン酸メチルなどの、メチル基を有する成分を増加することができる。これらの成分は、メチル供与体が増えることによって生成するものと推察される。なお、これらの成分は、高品質の豆にも含まれていることが知られており、これらの成分が相互的な味の向上に繋がっていると考えられる。従って、本発明の方法を用いることで、中程度の豆について、高品質の豆を凌駕するような香味を付与することが可能であると考えられる。
3.コーヒー豆の評価方法
脂肪酸メチルエステルは複数知られており、その中にはフルーティーで果実のような香気を有するものが含まれるなど、コーヒー特有の香味に強く寄与する成分である。そして、本発明者らは、脂肪酸メチルエステルの含有量が特定の範囲内にあるコーヒー豆を用いて製造されたコーヒー飲料は良好な香味を有することを見出した。従って、脂肪酸メチルエステルを指標としてコーヒー豆の香味成分の量を事前に評価することで、良好な香味を有するコーヒーを容易に製造することができる。
本発明は、ある態様では、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量を測定する工程、及び、脂肪酸メチルエステルの含有量を所定の値と比較する工程、を含む、良好な香味を有するコーヒー豆の評価方法である。好ましくは、前記脂肪酸メチルエステルの含有量の前記所定の値は、コーヒー豆1gあたり29.5μg以上であり、脂肪酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり29.5μg以上であると決定されたコーヒー豆が良好な香味を有すると評価することができる。さらに、本発明の別の態様としては、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量を測定する工程、及び、脂肪酸メチルエステルの含有量が29.5μg/g豆以上であるコーヒー豆を決定する工程を含み、ここで脂肪酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり29.5μg以上であると決定されたコーヒー豆が良好な香味を有すると評価される、コーヒー豆の評価方法でもある。
本発明の評価方法で用いるコーヒー豆はコーヒー生豆であっても、コーヒー焙煎豆であってもよい。また、当該方法で用いるコーヒー豆の品種や産地等も特に限定されない。なお、脂肪酸メチルエステルの種類や含有量、コーヒー豆の品種や産地、焙煎度等については、コーヒー豆に関して上述した通りである。
脂肪酸メチルエステル含有量の測定方法は公知の方法で測定することができ、例えばLC−MS法、GC−MS法、LC法、GC法、近赤外線法などの分光法などにより測定することができる。
本発明の評価方法では、脂肪酸メチルエステルの含有量が29.5μg/g豆以上、好ましくは35.0μg/g豆以上、より好ましくは40.0μg/g豆以上であると判断されたコーヒー豆が、良好な香味を有するコーヒー飲料の製造に適すると判断される。
また、本発明の評価方法では、コーヒー豆中のギ酸メチルエステル、酢酸メチルエステル、プロピオン酸メチルエステル、酪酸メチルエステル、吉草酸メチルエステル、イソ吉草酸メチルエステル、カプロン酸メチルエステル、カプリル酸メチルエステル、カプリン酸メチルエステル、ミリスチン酸メチルエステル、パルミチン酸メチルエステル、ステアリン酸メチルエステル、リノール酸メチルエステル、又はオレイン酸メチルエステルの各成分の含有量を指標としてもよい。この場合、イソ吉草酸メチルエステルの含有量が好ましくは0.10μg/g豆以上、より好ましくは0.14μg/g豆以上、さらにより好ましくは0.14μg/g豆以上、特に好ましくは0.17μg/g豆以上であると判断されたコーヒー豆、パルミチン酸メチルエステルの含有量が好ましくは28.0μg/g豆以上、より好ましくは34.0μg/g豆以上、さらにより好ましくは38.0μg/g豆以上であると判断されたコーヒー豆、であると判断されたコーヒー豆が、良好な香味を有するコーヒー飲料の製造に適すると判断される。
以下、実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:コーヒー焙煎豆中の脂肪酸メチルエステル含有量と香味スコアとの相関
グアテマラ産のコーヒー生豆14種を焙煎した後(焙煎度:L値22〜23)、SCAA(Specialty Coffee Associate of America)のプロトコールに準じてコーヒー抽出液の香味スコアを付した。官能評価は専門パネラーによって実施した。そして、それぞれの残りの焙煎豆を粉砕し、粉砕物4gに10mLのペンタン−エーテル混合溶液(ペンタン:エーテル=1:2)及び100μLの内部標準物質ウンデカン(2000μL/Lのアセトン溶液)を用いて22〜24℃で抽出(16時間)し、得られた抽出液をGC−MSで測定した。GC−MSで検出された各シグナルの面積値を内部標準の面積値で標準化し、標準化された各シグナルの面積値とコーヒー抽出液の香味スコアとの相関を多変量解析ソフトSIMCA−P(Umetrix社製)を用いて評価した。コーヒー焙煎豆の粉砕は、コーン式コーヒーグラインダー(Delongi社製)を用いた。GC−MSの測定は、以下の測定機器及び測定条件でn=3で行った。
<GC−MS条件(ペンタンーエーテル抽出液用、液体注入法)>
装置:Agilent製 7890A(GC)、5975C(MS)
カラム:GESTEL社製 DB−WAXetr(60m×0.32mm×0.25μm)
カラム温度:40℃(2min)−4℃/min−250℃(5min)
キャリアガス:He
トランスファーライン:250℃
イオン源温度:230℃
Scan Parameter:m/z=33〜450
注入量:2μL
スプリット:なし
実験の結果、焙煎豆中の脂肪酸メチルエステル類(イソ吉草酸メチルエステル及びパルミチン酸メチルエステル)の含有量と、コーヒー抽出液の香味に相関があることが判明し、脂肪酸メチルエステル類がコーヒー抽出液の香味スコアにポジティブに相関するマーカーであることが明らかとなった。
実施例2:コーヒー焙煎豆中の脂肪酸メチルエステル含有量と香味品質との相関
香味品質に明確な差があるグアテマラ産のコーヒー焙煎豆2種の粉砕物4gを10mLのペンタン−エーテル混合溶液(ペンタン:エーテル=1:2)及び100μLの内部標準物質ウンデカン(2000μL/Lのアセトン溶液)を用いて22〜24℃で抽出(16時間)し、得られた抽出液をGC−MSで測定した。GC−MSで検出された各シグナルの面積値を内部標準の面積値で標準化し、標準化された各シグナルの面積値とコーヒー抽出液の香味品質との相関を多変量解析ソフトSIMCA−P(Umetrix社製)を用いて評価した。コーヒー焙煎豆の粉砕は、コーン式コーヒーグラインダー(Delongi社製)を用いた。GC−MSの測定は、以下の測定機器及び測定条件でn=3で行った。
<GC−MS条件(ペンタンーエーテル抽出液用、液体注入法)>
装置:Agilent製 7890A(GC)、5975C(MS)
カラム:GESTEL社製 DB−WAXetr(60m×0.32mm×1.0μm)
カラム温度:40℃(2min)−4℃/min−250℃(5min)
キャリアガス:He
トランスファーライン:250℃
イオン源温度:230℃
Scan Parameter:m/z=33〜450
注入量:2μL
スプリット:なし
実験の結果、焙煎豆中の脂肪酸メチルエステル類(イソ吉草酸メチルエステル及びパルミチン酸メチルエステル)の含有量とコーヒー抽出液の香味に相関があることが判明し、脂肪酸メチルエステル類がコーヒー抽出液の香味スコアにポジティブに相関するマーカーであることを見出した。
実施例3:脂肪酸メチルエステル前駆体を用いた脂肪酸メチルエステル増加方法
実施例3−1:コーヒー生豆にメタノールを付加する方法
コーヒー生豆(100g)にメタノール(1mL、2mL、又は3mL)を噴霧した後に、当該コーヒー生豆及び未処理のコーヒー生豆(コントロール)をそれぞれ焙煎した。焙煎後のコーヒー生豆のL値が22〜23又は18〜19となるように、焙煎度を調整した。得られた焙煎豆を粉砕し、粉砕物4gに10mLのペンタン−エーテル混合溶液(ペンタン:エーテル=1:2)及び100μLの内部標準物質ウンデカン(2000μL/Lのアセトン溶液)を用いて22〜24℃で抽出(16時間)し、得られた抽出液をGC−MSで測定した。GC−MSで検出された各シグナルの面積値を内部標準の面積値で標準化した。コーヒー焙煎豆の粉砕は、コーン式コーヒーグラインダー(Delongi社製)を用いた。GC−MSの測定は、以下の測定機器及び測定条件でn=3で行った。
<GC−MS条件(ペンタンーエーテル抽出液用、液体注入法)>
装置:Agilent製 7890A(GC)、5975C(MS)
カラム:GESTEL社製 DB−WAXetr(60m×0.32mm×0.25μm)
カラム温度:40℃(2min)−4℃/min−250℃(5min)
キャリアガス:He
トランスファーライン:250℃
イオン源温度:230℃
Scan Parameter:m/z=33〜450
注入量:2μL
スプリット:なし
結果を表1及び図1に示す。なお、表1においてイソ吉草酸メチルエステルを「C5´Me」と表記し、パルミチン酸メチルエステルを「C16Me」と表記する。
表1及び図1に示す通り、コーヒー生豆にメタノールを噴霧し、その後焙煎することで、メタノール噴霧量に応じてコーヒー焙煎豆中の脂肪酸メチルエステル類(イソ吉草酸メチルエステル及びパルミチン酸メチルエステル)の含有量が、コントロール焙煎豆と比較して増加することが示された。
実施例3−2:コーヒー果肉・果皮の粉砕物にぺクチナーゼ又は水を加えてコーヒー生豆を処理する方法
コーヒー果実より採取した果肉・果皮の粉砕物17gに食品工業用酵素ぺクチナーゼPL「アマノ」(天野エンザイム株式会社)1mL/水24mL又は水25mLを加えたスラリーにコーヒー生豆50gを加え45℃で48時間インキュベートした。コントロールサンプルとして未処理の生豆、生豆に水25mLを添加(室温)した生豆、生豆に水25mLを添加して45℃でインキュベートした豆を準備した。得られた処理豆及びコントロール豆の一部を凍結後粉砕し、含有するメタノール量をヘッドスペース(HS)−GC―MSで分析した。また、水分含量を測定し、HS−GC−MSで得られた面積値を水分含量で換算、生豆乾燥重量あたりの算出値とした。また、残りの処理豆およびコントロール豆は焙煎し実施例3−1と同様にGC−MS測定に供した。なお、HS−GC−MSの測定は、以下の測定機器及び測定条件でn=3で行った。
<HS−GC−MS条件>
装置:Agilent製 7890A(GC)、5975C(MS)、ゲステル社製MPS
カラム:GESTEL社製 DB−WAXetr(60m×0.32mm×1.0μm)
カラム温度:50℃(20min)−10℃/min−150℃―40℃/min(2min)
キャリアガス:He
トランスファーライン:250℃
イオン源温度:230℃
Scan Parameter:m/z=29〜300
HSガス注入量:200μL
スプリット比:5:1
結果を表2、表3及び図2に示す。なお、表3においてイソ吉草酸メチルエステルを「C5´Me」と表記し、パルミチン酸メチルエステルを「C16Me」と表記する。

表2に示す通り、コーヒー生豆をコーヒー果肉・果皮で処理することで、コーヒー生豆中のメタノール含有量が増加することが示された。また、表3及び図2に示す通り、コーヒー果肉・果皮で処理したコーヒー生豆を焙煎したコーヒー焙煎豆中にはイソ吉草酸メチルエステル及びパルミチン酸メチルエステルが豊富に含まれ、さらにそれらの含有量はコーヒー生豆をコーヒー果肉・果皮とぺクチナーゼPLとで処理することで、より増大することが明らかとなった。
実施例3−3:ブドウ果実粉砕物にぺクチナーゼ又は水を加えてコーヒー生豆を処理する方法
植物の果肉を含む素材として、ブドウ果実を用いて試験した。ブドウ果実粉砕物(50g)にペクチナーゼPL「アマノ」(PecPL:天野エンザイム株式会社)又はぺクチナーゼG「アマノ」(PecG:天野エンザイム株式会社)、ペクチナーゼMP(PecMP:MP Biomedicals)を加えたスラリーにコーヒー生豆50gを入れ、45℃で48時間インキュベートした。また、コントロールとして未処理のコーヒー生豆、コーヒー生豆に水25mLを添加(室温)したコーヒー生豆、コーヒー生豆に水25mLを添加して45℃でインキュベートしたコーヒー生豆を準備した。前記処理豆及び未処理豆中のメタノール含有量は実施例3−2と同様にHS−GC−MSで測定し、水分含量で換算した生豆乾燥重量あたりの算出値を求めた。
結果を表4及び図3に示す。
表4及び図3に示す通り、コーヒー生豆をブドウ果実粉砕物で処理することで、コーヒー生豆中のメタノール含有量が増加することが示された。さらにコーヒー生豆をブドウ果実粉砕物とぺクチナーゼで処理することで、コーヒー生豆中のメタノール含有量がより増大することが明らかとなった。そのため、当該処理をしたコーヒー生豆を焙煎したコーヒー焙煎豆中にはイソ吉草酸メチルエステル及びパルミチン酸メチルエステルが豊富に含まれることが示唆された。
実施例3−4:ペクチンにペクチナーゼを加えてコーヒー生豆を処理することにより、脂肪酸メチルエステルを増加する方法
ペクチン(40g)(ユニペクチン社、リンゴ由来HM)にPectinase FE/水(100mL)を加え、グアテマラ産の中程度の品質のコーヒー生豆(100g)を加え、45℃で48時間インキュベートした。得られた処理豆は焙煎し実施例3−1と同様にGC−MSで測定し、中程度の品質の焙煎豆中のパルミチン酸メチルエステル含有量に対する相対量として、前記処理豆におけるパルミチン酸メチルエステルの生成量比を算出した。また比較対象として高品質なコーヒー焙煎豆中のパルミチン酸メチルエステル量も測定した。
結果を表5に示す。
表5に示す通り、グアテマラ産の中程度の品質のコーヒー生豆をペクチンで処理し、その後焙煎することでコーヒー焙煎豆中のパルミチン酸メチルエステル含有量が増大することが示された。
実施例4:脂肪酸メチルエステルを増加させたコーヒー飲料の官能評価
実施例4−1:イソ吉草酸メチルエステルを添加したコーヒー飲料の官能評価
脂肪酸メチルエステルをコーヒー飲料に添加し、添加による香味特性の変化を評価した。中程度の品質のコーヒー生豆を焙煎(L値18〜19)して得た焙煎コーヒー粉末30gを97℃のHO(300mL)で抽出し、Brixが1.0になるようHOで希釈しベースのコーヒー飲料とした。このコーヒー飲料に香料のイソ吉草酸メチルエステルを最終濃度が25ppb又は50ppbとなるように添加し、パネラー6名で官能評価を行った。その結果、何れの濃度においても、酸味が増すこと、エグ味が低減し、まるくなる印象とのコメントを得ることができ、イソ吉草酸メチルエステルの添加による香味特性の向上の効果を確認した。
実施例4−2:イソ吉草酸メチルエステルを添加した容器詰めコーヒー飲料の官能評価
容器詰めコーヒー飲料において、イソ吉草酸メチル含有量の増加が香味特性の向上に及ぼす影響を確認するために、以下の通り官能評価を行った。なお、各パネラーには飲料の詳細に関する情報は与えず、容器には識別用に、中身と関係のない記号を付して提示した。
<官能評価に用いた飲料>
以下の3種類のコーヒー飲料を使用した。
コーヒー飲料1:市販缶コーヒーに用いられるコーヒー焙煎豆と同程度の品質のコーヒー焙煎豆を用いた飲料
コーヒー飲料2:コーヒー飲料1にイソ吉草酸メチルエステルを添加した飲料
コーヒー飲料3:高品質のコーヒー焙煎豆を用いた飲料
コーヒー飲料はいずれも中程度に焙煎した豆から、同じ製法にて抽出した。また、コーヒー飲料1及び3は抽出後、飲料のBrix値が等しくなるように調製した。さらに、コーヒー飲料2は、イソ吉草酸メチルエステルを、飲料中の終濃度が50ppbとなるよう添加した。その後、コーヒー飲料1〜3を容器詰めし、加熱殺菌を行ったものについて、官能評価を行った。
(1)官能評価1:一般パネラーによる官能評価
・官能評価パネラー:
市販コーヒー飲料を頻繁に飲用する20〜40代有職男性42名
<官能評価1−1>
コーヒー飲料1及び3について、香味に差があるかどうかを確認するため、3点識別法による識別試験を行った。その結果、両者は有意に識別可能であり(識別率50%/有意水準10%/有意確率2%)、コーヒー飲料1及び3の香味に差があることが確認できた。
<官能評価1−2>
前記官能評価1−1において、違いを感じた部分を各一般パネラー尋ねたところ、図4に示す通り、苦味や酸味の強さの違いを挙げるパネラーが多かった。そこで、一対比較により両者の苦味・酸味強度を比較したところ、苦味はコーヒー飲料1の方が強いとするパネラーが多く、逆に酸味はコーヒー飲料3の方が強いとするパネラーが多い傾向にあった。このことから、コーヒー飲料1及び3の香味の主要な差は苦味と酸味の強度の違いにあり、苦味を抑え、酸味を強めることが、コーヒー飲料1の香味品質向上に繋がると考えられた。
(2)官能評価2:専門パネラーによる官能評価
・官能評価パネラー:
コーヒー飲料の官能評価に熟練した社内専門パネラー6名
<官能評価>
前記官能評価1において、コーヒー飲料1及び3の香味品質の差が酸味・苦味の強さに起因していることが示唆されたため、イソ吉草酸メチルエステルの添加がコーヒー飲料の酸味及び苦味にどのような影響を与えるかを、専門パネラーによる官能評価によって確認した。コーヒー飲料1〜3のいずれか2つを組み合わせ、合計3通りを提示し、苦味・酸味について、一対比較法による評価を行った。その結果、前記官能評価1−2で示唆された通り、苦味はコーヒー飲料1の方が有意に強く、酸味はコーヒー3の方が有意に強かった。一方、コーヒー飲料1にイソ吉草酸メチルエステルを加えたコーヒー飲料2では、苦味及び酸味ともコーヒー飲料3に近づき、両者は識別不能であることが明らかとなった。
(3)官能評価3:一般パネラーによる評価(2)
・官能評価パネラー:
市販コーヒー飲料を頻繁に飲用する20〜40代有職男性42名
<官能評価>
前記官能評価2より、コーヒー飲料1へのイソ吉草酸メチルエステルの添加により、コーヒー飲料1及び3の香味品質の差の要因となっている苦味及び酸味が、コーヒー飲料3に近づくことが示唆された。そこで、コーヒー飲料2及び3について、3点識別法による識別試験を行った。その結果、両者は識別不能であったことから(識別率43%/有意水準10%/有意確率13%)、イソ吉草酸メチルエステルにはコーヒー飲料の香味品質を向上させる効果があることが裏付けられた。
実施例4−3:ペクチン素材を利用して脂肪酸メチルエステル含有量を増加させた豆の官能評価
前記実施例3−4で調製した、ペクチンとペクチナーゼFEを利用してグアテマラ産の中程度の品質のコーヒー生豆を処理して脂肪酸メチルエステル含有量を増加したコーヒー焙煎豆、及びグアテマラ産の中程度の品質の焙煎豆(コントロール)、グアテマラ産の高品質の焙煎豆(ポジティブコントロール)について、それぞれ30gを粉砕後、300mLのお湯でドリップし、得られたコーヒー飲料を官能評価に習熟したパネラー4名で官能評価試験を行った。各コーヒー飲料の酸味、苦味、又はエグ味について、各パネラーにつきそれぞれ5段階で評価し、その平均値を酸味、苦味、又はエグ味の官能スコアとした。
結果を表6に示す。
表6に示す通り、中程度の品質のコーヒー生豆をペクチンとペクチナーゼで処理して脂肪酸メチルエステル含有量を増加させたコーヒー焙煎豆を用いて調製したコーヒー飲料は、コントロール豆由来のコーヒー飲料に比べ、酸味スコアが高くなる一方、エグミと苦味のスコアが低く、高品質なコーヒー焙煎豆由来のコーヒー飲料に近づき、ペクチンとぺクチナーゼを利用してメチルエステルを増加させた焙煎豆(表5)から淹れたコーヒー飲料は、香味品質が向上することが示された。
実施例4−4:メタノール付加により脂肪酸メチルエステル含有量を増加させた豆の官能評価
前記実施例3−1で調製した、メタノール付加により脂肪酸メチルエステル含有量を増加させた焙煎豆(L22−23)2水準(100gの生豆に1mL又は2mL付加した生豆を焙煎した豆)を前記実施例4−3と同様にして官能評価を行った。比較例として未処理の焙煎豆をコントロールとして用い、官能評価は専門パネラー6名により実施した。
検討の結果、メタノール噴霧により脂肪酸メチルエステル含有量を増強させた豆は、コントロールに比べ、酸味と果実香が高くなりエグ味が低減されスッキリすることが示された。これらの特徴は、香味品質の高い豆に共通した官能軸である。
実施例5:コーヒー飲料中の脂肪酸メチルエステルの定量
グアテマラ産の中程度の豆(コントロール生豆)を焙煎した豆、コントロール生豆100gにメタノール2mLを噴霧して焙煎した豆、及びグアテマラ産の高品質な生豆を焙煎した豆を粉砕し(10g)、97℃の水100mLを注ぎ5分間抽出して、コーヒー飲料を調製した。その後、調製したコーヒー飲料をろ過し、20mLをPoraPakTMQ樹脂(50−80mesh、ジーエルサイエンス社製)(150mg)に吸着させ、ジクロロメタン1mLで溶出させた。内部標準物質にはベンゾイソシアネートを用いた。GC−MS分析は実施例3−1と同様に液体注入法で行った。
結果を表7に示す。なお、表7においてイソ吉草酸メチルエステルを「C5´Me」と表記する。
表7に示す通り、中程度の品質のコーヒー生豆にメタノールを噴霧して脂肪酸メチルエステル含有量を増加させた焙煎豆を用いてコーヒー飲料を調製することで、イソ吉草酸メチルエステルを豊富に含むコーヒー飲料が得られることが示された。
実施例6:脂肪酸メチルエステル増加方法において増加するコーヒー豆中の各種成分の評価
本発明の方法では、脂肪酸メチルエステルの他にも、メチル基を有する多種多様な香味成分が増加される。そこで、実施例3−1の表1に示した、コーヒー生豆にメタノールを噴霧して脂肪酸メチルエステルを増加させたコーヒー焙煎豆において、メチル基を有する他の香味成分について検討した。具体的には、コーヒー焙煎豆中のイソ吉草酸メチルエステルの他に、フルフリールメチルエーテル及び2−フランカルボン酸メチルの増加量を評価した。分析条件は、実施例3−1に記載のGC−MS法に準じて行った。
結果を表8に示す。
表8に示す通り、コーヒー生豆にメタノールを噴霧して脂肪酸メチルエステルを増加させたコーヒー焙煎豆では、脂肪酸メチルエステルであるイソ吉草酸メチルエステル以外にも、フルフリールメチルエーテル及び2−フランカルボン酸メチルといったメチル基を有する香味成分も増加されることが明らかとなった。これらの成分は、メチル供与体を供給することによって生成するものと推察され、さらに増加後の前記成分量は高品質の豆よりも増加していた。そのため、脂肪酸メチルエステルに加えて、これらの成分もコーヒー豆の好適な香味の向上に寄与すると考えられる。従って、本発明の方法を用いることで、中程度の豆について、高品質の豆を凌駕するような香味を付与することが可能であることが示唆された。
本発明は、脂肪酸メチルエステルの含有量が特定値以上であるコーヒー豆、コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの増加方法、及びコーヒー豆の評価方法などを提供するものである。本発明は、コーヒーの香味に強く寄与する脂肪酸メチルエステルの含有量が増加したコーヒー豆を提供するための新たな手段に関するものであるため、産業上の利用性が高い。

Claims (20)

  1. 脂肪酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり29.5μg以上である、コーヒー豆。
  2. 脂肪酸メチルエステルが、イソ吉草酸メチルエステル、及びパルミチン酸メチルエステルの少なくとも一方を含むものである、請求項1に記載のコーヒー豆。
  3. イソ吉草酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり0.10μg以上である、請求項2に記載のコーヒー豆。
  4. パルミチン酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり28.0μg以上である、請求項2に記載のコーヒー豆。
  5. コーヒー豆がコーヒー焙煎豆である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーヒー豆。
  6. L値が14以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーヒー豆。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のコーヒー豆を使用して調製されたコーヒー飲料。
  8. イソ吉草酸メチルエステルの含有量が25ppb以上である、コーヒー飲料。
  9. コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量の増加方法であって、
    a)コーヒー豆にメチル基供与体を供給する工程を含む、前記方法。
  10. さらにb)コーヒー豆を加温処理又は常温処理する工程を含む、請求項9に記載の方法。
  11. さらにc)コーヒー豆を焙煎する工程を含む、請求項9又は10に記載の方法。
  12. コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり29.5μg以上である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. メチル基供与体が、メタノール、ペクチン素材、トリゴネリン、及びS−メチルメチオニンからなる群から選択される少なくとも1以上を含むものである、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. ペクチン素材が、ペクチン、及びペクチン含有材料の少なくとも1以上を含むものである、請求項13に記載の方法。
  15. ペクチン含有材料が、植物の果肉を含むものである、請求項14に記載の方法。
  16. 植物の果肉が、コーヒー果肉、及びブドウ果実の少なくとも一方を含むものである、請求項15に記載の方法。
  17. 工程a)の際に、さらにペクチナーゼを供給する工程を含む、請求項9〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 良好な香味を有するコーヒー豆の評価方法であって、
    コーヒー豆中の脂肪酸メチルエステルの含有量を測定する工程、及び、
    脂肪酸メチルエステルの含有量を所定の値と比較する工程、を含む、前記方法。
  19. 脂肪酸メチルエステルの含有量の前記所定の値が、コーヒー豆1gあたり29.5μg以上であり、
    脂肪酸メチルエステルの含有量がコーヒー豆1gあたり29.5μg以上であると決定されたコーヒー豆が良好な香味を有すると評価される、請求項18に記載の方法。
  20. 脂肪酸メチルエステルが、イソ吉草酸メチルエステル、及びパルミチン酸メチルエステルの少なくとも一方を含むものである、請求項18又は19に記載の方法。
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