JP4871857B2 - 新規微生物及び当該微生物を用いたコーヒー生豆の処理方法 - Google Patents
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Description
そうした消費者のニーズに対応すべく、多様なコーヒー香味を創出する方法として、一般的に実施されている方法としては、焙煎度合の異なる種々のコーヒー焙煎豆(ライトロースト〜イタリアンロースト)を作り出す方法が挙げられるが、これまでにはさらに、微生物に発酵処理を実施させてコーヒー香味を付与する方法が開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載される方法では、微生物として麹菌(アスペルギルス(Aspergillus)属)を使用している。詳細には、粉砕したコーヒー生豆(資化成分)に麹菌を接種して発酵させたものを焙煎し、生成したコーヒー香味成分を抽出する。次いで、抽出した前記コーヒー香味成分をコーヒー抽出液、コーヒー焙煎豆、粉末コーヒー等のコーヒー製品に添加して、コーヒー香味を強化するというものである。
本発明に係るコーヒー生豆の処理方法の第1特徴構成は、コーヒー生豆の存在下において、資化成分に微生物を接触させて発酵処理させる発酵工程を包含するコーヒー生豆の処理方法であって、前記発酵工程において使用される微生物が、ゲオトリクムキャンディダム(Geotrichum candidum)(IAM12700、GEO CA(アイテム番号200691)、GEO CB(アイテム番号200692)、GEO CD1(アイテム番号200693)、及びGEO CE(アイテム番号200835))、ゲオトリクムレクタングラタム(Geotrichum rectangulatum)(JCM1750)、ゲオトリクム クレバニ(Geotrichumklebahnii)(JCM2171)、及び国際寄託番号FERM BP−10300を有するゲオトリクム スピーシーズ(Geotrichumsp.)の新菌株からなる群から選択される微生物である点にある。
本発明に係るコーヒー生豆の処理方法の第2特徴構成は、前記発酵工程が、コーヒー果実の存在下において微生物に発酵処理させる工程である点にある。
本発明に係るコーヒー生豆の処理方法の第3特徴構成は、前記コーヒー果実に微生物を直接接触させて発酵処理させる点にある。
本発明に係るコーヒー生豆の特徴構成は、前記コーヒー生豆の処理方法により得られる点にある。
本発明に係るコーヒー焙煎豆の特徴構成は、前記コーヒー生豆を焙煎処理した点にある。
本発明に係るコーヒー飲料の特徴構成は、前記コーヒー焙煎豆を原料として用いて得られる点にある。
本発明に係る新菌株の特徴構成は、国際寄託番号FERM BP−10300を有するゲオトリクム スピーシーズ(Geotrichum sp.)である点にある。
コーヒー生豆は、発芽に備えて吸水する性質があり、また、酵母等に代表されるある種の微生物は、有機化合物(資化成分)を分解(発酵)してアルコール類、有機酸類、エステル類等(以下、発酵成分と称する)を生成し得ることが知られている。
従って、コーヒー生豆の存在下において、資化成分に微生物を接触させて発酵処理を行うと、生成された発酵成分は、水分と共にコーヒー生豆に吸収され得る。このようにして得られたコーヒー生豆を焙煎することにより、焙煎工程にて生成される従来のコーヒー香味成分に加えて、発酵により生成された新たな香味成分(発酵成分)を含むコーヒー焙煎豆を得ることができ、そのコーヒー焙煎豆から抽出したコーヒー飲料には新たな香味が付与され得る。
本発明においては、資化成分として、主としてコーヒー果実中に含まれるコーヒー果肉(糖分やその他の栄養分を含む部分)を使用するため、外来の資化成分を用意する必要がなく、原料コストが増大する虞もない。
さらに本発明は、コーヒー果実からコーヒー生豆を分離回収する精製工程中に実施することが可能であるため、従来技術と異なり、コーヒー香味成分を抽出し添加するといった新たな工程を設ける必要がなく、簡便にコーヒー生豆に新たな香味を付与することができる。
〔実施形態〕
(微生物)
本発明において使用され得る微生物は、ゲオトリクム(Geotrichum)属に属する微生物であり、好ましくはゲオトリクム キャンディダム(Geotrichum candidum)、ゲオトリクム レクタングラタム(Geotrichum rectangulatum)、又はゲオトリクム クレバニ(Geotrichum klebahnii)であり、より好ましくは、国際寄託番号FERM BP−10300を有するゲオトリクム スピーシーズ(Geotrichum sp.)の新菌株(SAM2421)若しくはその変異体、又はそれらの形質転換体である。
微生物が通常の環境下で正常に生育しているときに発生する突然変異を、自然突然変異という。自然突然変異の主な原因は、DNA複製時の誤りと、内在性の突然変異原物質(ヌクレオチドアナログ)であると考えられている(真木, 「自然突然変異と修復機構」, 細胞工学 Vol.13 No.8, pp.663−672, 1994)。
2−1.放射線や突然変異原物質(mutagen)による処理
紫外線やX線などの放射線処理、あるいはアルキル化剤のような人工的な突然変異原物質処理によって、DNAに損傷が生じる。その損傷は、DNA複製の過程で突然変異に固定される。
PCR法は、試験管内でDNAを増幅するため、細胞内の突然変異抑制機構の一部が欠けており、高頻度に突然変異の誘発が可能である。また、遺伝子シャフリング法(Stemmer,”Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling”, Nature Vol.370, pp.389−391, Aug. 1994 )と組み合わせることで、有害突然変異の蓄積を避け、複数の有益突然変異を遺伝子に蓄積することができる。
ほとんどすべての生物では、突然変異抑制機構によって、自然突然変異の発生率が非常に低いレベルに保たれている。この突然変異抑制機構には、10種類以上の遺伝子が関与した複数の段階が存在する。これらの遺伝子の1つあるいは複数が破壊された個体は、高い頻度で突然変異を発生するので、ミューテーターと呼ばれている。また、これらの遺伝子は、ミューテーター遺伝子と呼ばれている(真木,「自然突然変異と修復機構」,細胞工学 Vol.13 No.8, pp.663−672, 1994; Horst et. al.,”Escherichia coli mutator genes”, Trends in Microbiology Vol.7 No.1, pp.29−36, Jan. 1999)。
本発明におけるコーヒー果実とはコーヒーノキの果実を意味し、その構造を概していえば、コーヒー生豆(種子)、果肉(糖分やその他の栄養分を含む部分)及び外皮からなるものである。より詳細には、最も内側にコーヒー生豆が存在し、その周りが順に、銀皮(シルバースキン)、内果皮(パーチメント)、果肉、外皮で覆われている。品種としては、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種などが適用可能であり、また、産地についても、ブラジル産、エチオピア産、ベトナム産、グアテマラ産などが適用可能であるが、特に限定されるものではない。尚、本実施形態で使用し得るコーヒー果実には、未乾燥及び乾燥状態のものがあり、コーヒー生豆を1とした場合の重量比は、それぞれ1粒あたり、「コーヒー果実(未乾燥):乾燥コーヒー果実:コーヒー生豆=6:4:1」である。
本発明における発酵工程にて使用される資化成分としては、例えば、果肉、果汁、糖類、培地などが挙げられるが、好ましくはコーヒー果肉である。但し、本発明でいうコーヒー果肉とは、便宜的に、コーヒー果実(未乾燥又は乾燥状態を問わない)において、そのコーヒー生豆と外皮以外の全ての部分を意味する。
コーヒー果実をそのまま用いて、中のコーヒー果肉を資化成分として使用する場合には、発酵速度を増加させるために、コーヒー果実表面の少なくとも一部にコーヒー果肉を露出させる方法を用いても良い。
1.微生物と資化成分との接触方法
本発明において、発酵工程において微生物と資化成分とを接触させる方法には、例えば以下の方法が挙げられる。
(a)直接法
直接法は、コーヒー生豆の存在下において微生物を資化成分に直接接触させる方法である。例えば、コーヒー果肉を少なくとも一部露出させたコーヒー果実(又は、精製工程にてコーヒー生豆と分離されたときに得られるコーヒー果肉とコーヒー生豆との混合物)に、微生物を噴霧あるいは散布して直接接触させて発酵させる。特に、一部果肉を露出させたコーヒー果実を用いて発酵させる場合、資化される糖分等が果肉中に高濃度で局在するので効率良く発酵が進むと共に、すぐ近傍にコーヒー生豆が存在するので発酵により生成されたアルコール類やエステル類等の発酵成分が速やかにコーヒー生豆中に移行し得る。なお、乾燥させたコーヒー果実(もしくはコーヒー果肉)を使用する場合は、適度に水分を含ませた状態で発酵させても良い。ゲオトリクム属に属する微生物については、直接法を好適に用いることができる。
間接法は、発酵液を備える発酵槽を用意して、発酵液中にコーヒー生豆、資化成分、及び微生物を加えて、発酵液中に溶出し得る資化成分に微生物を接触させる方法である。例えば、微生物と、コーヒー果肉を少なくとも一部露出させたコーヒー果実(又は、精製工程にてコーヒー生豆と分離されたときに得られるコーヒー果肉とコーヒー生豆との混合物)とを発酵液中に添加して発酵させる。
微生物の発酵条件については、発酵が実施され得る条件であれば特に限定されず、必要に応じて発酵に適した条件(例えば、使用する微生物の種類やその菌量(初期菌数)、資化成分の種類や量(濃度)、温度、湿度、pH、酸素又は二酸化炭素濃度、発酵時間等)を適宜設定することができる。また他にも例えば、上記の資化成分以外にも、必要に応じてpH調整剤などの添加剤や窒素源や炭素源を補うための市販の栄養培地などを補助的に添加することもできる。
ここでは、コーヒー果実を用いて発酵を行う例を説明する。
まず、上記微生物の前培養を行い、その懸濁液を調製する。詳細には、微生物を適当な液体培地にて通気培養し、培養後その培養液を遠心分離して上澄み液を除去し、得られたペレット(微生物の塊)を滅菌水に懸濁する。
上記懸濁液を用いて、例えば、コーヒー生豆の精製工程中に発酵工程を行うことができる。
コーヒー果実からコーヒー生豆を得るための精製工程には、非水洗式と水洗式の二種類が知られている。
非水洗式とは、コーヒー果実を収穫後、そのまま乾燥させたものを脱穀して外皮、果肉、内果皮、銀皮等を除去し、コーヒー生豆を得る方法である。
水洗式とは、コーヒー果実を収穫後、水槽に沈めて不純物を除去し、果肉除去機で外皮及び果肉を除去してから、水中に沈めて粘着物を溶かして除去し、さらに、水洗した後に乾燥させたものを脱穀して内果皮、銀皮を除去してコーヒー生豆を得る方法である。
非水洗式の精製工程は操作が容易であるが、主に気候が乾燥している地域で適用される。一方、水洗式の精製工程は、主に多雨の地域で適用される。
本発明に好適に用いることができるSAM2421株は、以下の方法で単離した。
微生物の単離源の一つとして、コーヒー果実を試験した。コーヒー果実(沖縄県産)5粒と、滅菌水5mlとを試験管に入れて、ボルテックスミキサーで攪拌した。上澄み液をそのままと、1000倍希釈したものの2種類の濃度で、クロラムフェニコール100ppmを添加したYM寒天培地に100μl塗末した。23℃で4日間培養して、その結果、5種のコロニーを単離した。これらの5種類の菌株をYM培地、或いは赤葡萄濃縮液(マスト)を用いて27℃で3日間通気培養した。遠心分離(3000rpm、10min)して上澄み液を除去した後、上記5種類の各菌株のペレットを水に懸濁して、5種類の懸濁液を得た。
発酵液に特徴ある香味を呈した段階で、発酵後の各コーヒー果実を発酵液から取り出し、水切りしたのち、55℃の乾燥器で48時間乾燥させた後、果肉および外皮を取り除き、5種類のコーヒー生豆を得た。得られた各コーヒー生豆のうち100gを家庭用全自動珈琲豆焙煎機(CRPA−100 トータス株式会社)で深煎りボタン操作により焙煎した。焙煎時間は約25分程度であった。
得られた5種類の焙煎豆およびそれを用いた抽出液を官能評価した結果、その中の1種について特に好ましい香りを有していた。
また、この菌株の性状について観察した結果を以下に示す。
(1)集落:白色、裏面は無色、色素産性なし。
(2)臭い:強い発酵臭、甘ずっぱい臭気。
(3)菌糸:有隔壁、無色、菌糸が発育するにつれて分節した分生子となる。尚、子のうは確認できなかった。
(2)東京大学分子生物学研究所から購入した前記新菌株と同属のゲオトリクム キャンディダム(Geotrichum candidum)(IAM12700)。
(3)ゲオトリクム キャンディダム(Geotrichum candidum)と近縁種であるゲオトリクム レクタングラタム(Geotrichum rectangulatum)(JCM1750)。
(4)理化学研究所微生物系統保存施設から購入したゲオトリクム クレバニ(Geotrichum klebahnii)(JCM2171)。
ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて香気成分を分析した。上記実施例2にて得られた6種類の各焙煎豆を粉砕せずにそのままの形状でGC用サンプルチューブに5gずつ入れ、ヘッドスペースの気体を測定した。実験サンプルの他に分析値を比較するためにブラジル産サントス豆(焙煎豆)(No.2)(以下の表にて、ブラジル産と称する)を用いた。装置は「Agilent 7694 HeadspaceSampler」「Agilent6890 GC System」を用いた。試料導入は60℃、15分保持、スプリット10:1、使用カラムはCP7673wax(長さ25mm×内径0.25mm、膜厚1.2μm)とした。温度条件は40℃5分保持、10℃/分で220℃まで昇温し、220℃で20分間保持した。検出器としてMSD、FIDを用いた。
一方、ゲオトリクム(Geotrichum)属の各種菌株を用いて発酵させたサンプルでは、ワイン酵母に顕著に検出された、醸造香に関係すると考えられるピークが減少し、バランスの良い成分組成となっていることがわかった。近縁のアスペルギルス(Aspergillus)を用いた場合は酢酸メチルが強すぎることが、香りのバランスの悪いことの一因であると考えられた。
上記実施例2にて得られた6種類の各焙煎豆を用いてコーヒー抽出液を調製した。上記各焙煎豆を細挽きにし、粉砕豆12gに対して熱湯を100g加えて攪拌した。カップテストの定法に従って、浮き上がったコーヒーを取り除き、上澄み液の官能評価を行った。コーヒー専門パネラー5名により実施した。評価項目は、香り(醸造香、エステリー香、アルコール臭)及び味(苦味、ボディ感)の5種類とした。評価結果を以下の表3に示す。対照区としては、ワイン酵母の発酵液を用いた。対照区の評価を3として、それより大きい数字が強い、小さい数字を弱いことを示すこととして、1点から5点までを0.1点刻みで評価した。評価点の平均値で表した。
上記実施例4にて得られた各抽出液10mlをGC用サンプルチューブに入れてGC分析を行った。ほかの測定条件は前述の実施例3の方法に準じた。結果を以下の表4に示す。
上記実施例3の焙煎豆の場合と同様に、ワイン酵母を用いた発酵では、エステル類やエタノールの揮発量が多すぎて、バランスを崩し、アルコール臭の原因となっていると考えられた。しかしながら、ゲオトリクム(Geotrichum)を用いた水準では、いずれもその量が押さえられており、バランスが改善されていた。この程度の量であれば、標記以外の香気成分の邪魔することなく、華やかでリッチなコーヒーらしいアロマを持った優秀な豆が創製できたと考えられる。
菌株として、クリスチャンハンセン(Chrstian Hansen)社がチーズ製造におけるスターターとして販売しているゲオトリクム キャンディダム(Geotrichum candidum)に属する、GEO CA(アイテム番号200691)、GEO CB(アイテム番号200692)、GEO CD1(アイテム番号200693)、および、GEO CE(アイテム番号200835)の4株を用いた。尚、対照区として、ワイン酵母(L2323)を用いた。
これら5種類の株をそれぞれ0.1g量り取り、水に縣濁し、さらに水を加えて希釈して1000mlとした。三角フラスコ(5000ml容)に、前記各希釈液1000mLと、コーヒー果実1000gとを加えて発酵させた。発酵は室温を23℃に保った恒温室で静置し72時間行った。発酵が進むにつれ、果実の懸濁液表面に菌糸状に生育し始め、フィルムの形成が見られた。同時に発酵液に特徴ある香味を呈した。
発酵後のコーヒー果実を発酵液から取り出し、水きりした後、55℃の乾燥機で48時間乾燥させた後、果皮を取り除き、5種類のコーヒー生豆を取得した。得られた各コーヒー生豆のうち100gを家庭用全自動珈琲焙煎機(CRPA−100 トータス株式会社)で深煎りボタン操作により焙煎した。焙煎時間は25分程度であった。次いで、実施例2に方法に準じて、官能評価を行った(表5)。
更に、上記各焙煎豆を用いてコーヒー抽出液を調製した。各焙煎豆を細引きにし、粉砕豆12gに対して熱湯を100g加えて攪拌した。得られたコーヒー抽出液について、実施例4の方法に準じて官能評価を行った(表6)。
以上より、市販のゲオトリクム(Geotrichum)属の各種細菌を用いることでも、コーヒー生豆の発酵処理を行うことで、好適な香りを付与できることがわかった。
発酵終了後、水切りした後、55℃の乾熱器で48時間乾燥させた後、果皮を取り除き、コーヒー生豆を取得した。得られたコーヒー生豆のうち100gを家庭用全自動珈琲焙煎機(CRPA−100 トータス株式会社)で深煎りボタン操作により焙煎した。焙煎時間は25分程度であった。
次いで、コーヒー官能専門パネラー5名によって、焙煎豆の官能評価を行った。焙煎豆30gを粉砕せずにそのままの形状で専用の官能グラスにいれ、ガラスの蓋をした。官能時に蓋をずらし、醸造香、エステリー香、焙煎香、アルコール臭の4種類を評価した。対照区として、SAM2421株を用いて間接法で発酵させた焙煎豆(実施例2にて得られた焙煎豆)を用いた。それより大きい数字が強い、小さい数字が弱いことを示すことにして、1点から5点までを0.1点刻みで評価した。5名の評価点の平均値であらわした。結果を表7示す。
また、得られた焙煎豆について、実施例3の方法に準じて、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した。その結果、間接法による対照区に比較して、直接法による焙煎豆のトータルピークエリアは1.6倍であった。上述の焙煎豆やコーヒー抽出液の官能評価結果と合わせて考えると、直接法を用いることによって、バランスを崩すことなく、良好な品質の高い香味を効率よく付与できることが確認された。
Claims (7)
- コーヒー生豆の存在下において、資化成分に微生物を接触させて発酵処理させる発酵工程を包含するコーヒー生豆の処理方法であって、
前記発酵工程において使用される微生物が、ゲオトリクム キャンディダム(Geotrichum candidum)(IAM12700、GEO CA(アイテム番号200691)、GEO CB(アイテム番号200692)、GEO CD1(アイテム番号200693)、及びGEO CE(アイテム番号200835))、ゲオトリクム レクタングラタム(Geotrichum rectangulatum)(JCM1750)、ゲオトリクムクレバニ(Geotrichum klebahnii)(JCM2171)、及び国際寄託番号FERM BP−10300を有するゲオトリクムスピーシーズ(Geotrichum sp.)の新菌株からなる群から選択される微生物であるコーヒー生豆の処理方法。 - 前記発酵工程が、コーヒー果実の存在下において微生物に発酵処理させる工程である請求項1に記載のコーヒー生豆の処理方法。
- 前記コーヒー果実に微生物を直接接触させて発酵処理させる請求項2に記載のコーヒー生豆の処理方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載される処理方法により得られたコーヒー生豆。
- 請求項4に記載されるコーヒー生豆を焙煎処理したコーヒー焙煎豆。
- 請求項5に記載されるコーヒー焙煎豆を原料として用いて得られたコーヒー飲料。
- 国際寄託番号FERM BP−10300を有するゲオトリクムスピーシーズ(Geotrichum sp.)の新菌株。
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