JP2014011984A - コーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質評価方法 - Google Patents

コーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熟練したパネルによる官能検査に依存しないコーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質評価方法を提供する。
【解決手段】本発明は、コーヒー豆中の揮発性成分、特にインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの少なくとも1種を指標物質とし、指標物質の含有量を評価することを含む、コーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質評価方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、コーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質評価方法に関する。
焙煎されたコーヒー豆から得られるコーヒー抽出液、いわゆるコーヒーは、世界各国で飲用されており、わが国においても身近な嗜好性飲料の一つとなっている。
コーヒー豆の品質は、まず、豆の形状(大きさ、色、つや、形)や、豆の欠点(黒豆、発酵豆、未成熟豆、しわ豆、虫食豆、フローター、割れ豆、ドライチェリー、ドライパルプ、貝殻豆等の病痕豆、パーチメント、カビ豆、異物による欠点豆)、栽培地の標高など生産国の様々な基準により評価がなされており、例えば、欠点を多く含むコーヒー豆から得られたコーヒー抽出液は、嗜好的に悪い影響を与える欠点臭が強くなり、コーヒー本来の風味が十分に生かされていない。また、これら評価で高く格付けされた品質の良いコーヒー豆から得られたコーヒー抽出液であっても、製造上の要因(殺菌工程での加熱や保存などによる劣化)により、コーヒー抽出液の香気は変化するため、コーヒー抽出液を市場に流通させる上で、コーヒー豆、又はコーヒー抽出液の品質評価が必要となっており、これら評価は、目視による外観評価や官能評価により行なわれている。
コーヒー豆の外観評価またはコーヒー抽出液の官能評価に準ずる他の評価方法としては、近赤外線分析法、電子スピン共鳴スペクトル法、核磁気共鳴スペクトル法、熱分解法、香気分析法(非特許文献1参照)、液体クロマトグラムによるゲル濾過分析法(特許文献1参照)、味センサによる評価(非特許文献2参照)が挙げられ、また欠点臭の原因成分を調査するために固相マイクロ抽出(SPME)を用いたGC分析(非特許文献3及び4参照)等が行われてきた。しかしながら、コーヒーは嗜好性の高さの故に、その香気を科学的、客観的に評価することは困難であり、現在もこれら評価においては目視や熟練したカップテスター(パネル)による官能検査(カップテスト)等により評価が行なわれているのが現状である。
しかしながら、これらヒトによる外観評価や官能評価から得られる結果は、個人差や日間差が大きく、幾分客観性に欠ける手法である事から、コーヒー豆、又はコーヒー抽出液の客観的な品質評価方法は現在も強く望まれており、香気をより正確に客観的に評価できる品質管理手法の開発は産業上有用である。
特開平1−274062号公報
「コーヒー焙煎の化学と技術」141〜162頁、中林敏郎・筬島豊・本間清一・中林義晴・和田浩二共著、弘学出版、1995年2月発行 H.KOMAI, Y.NAITO, K.SATO, H.IKEZAKI, A.TANIGUCHI, K.TOKO MEASUREMENT OF COFFEE TASTE USING LIPID MEMBRANE TASTE SENSORS. Colloque Scientifique International sur le Cafe, 1995, 16th, p.300-308 Volatile compounds as potential defective coffee beans’markers. (Aline T. Toci and Adriana Farah Food Chem.,108,1133-1141(2008)) Discrimination between defective and non defective Brazilian coffee beans by their volatile profile. (Pamela D.C. Mancha Agresti, Adrian S. Franca, Leandro S.Oiveira and Rodinei Augusuti, Food Chem.,160, 787-796(2008))
ヒトによるコーヒーの官能評価方法は客観性に乏しく、コーヒーの香気成分は800種類以上報告されており、それら香気成分のバランスによって香気の特徴が変化するため分析によってその品質を評価することが困難であった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、熟練したパネルによる官能検査に依存しないコーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質評価方法を提供することである。
発明者は、鋭意研究の結果、コーヒー豆に含まれる揮発性成分の含有量と、コーヒー豆及びそのコーヒー豆から得られるコーヒー抽出液の品質との間に相関関係があることを発見した。さらに、本発明者は、特にコーヒー標準豆に比べコーヒー欠陥豆により多く含まれる揮発性成分が、インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルであることを発見し、コーヒー豆中のこれら化合物の含有量について検討し、コーヒー豆中の揮発性物質、特にインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの少なくとも1種を指標物質としてコーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質を評価する方法を完成させた。
すなわち、本発明は、コーヒー豆中の揮発性成分、特にインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの少なくとも1種を指標物質とし、指標物質の含有量を評価することを含む、コーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質評価方法に関する。
また、本発明は、インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルから選ばれる、少なくとも1種を含むコーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質評価指標物質に関する。
ここで、本発明において、基準となるコーヒー標準豆(以下、単に「標準豆」とも呼ぶ)とは、コーヒー被験豆(以下、単に「被験豆」とも呼ぶ)と同品種、同産地であり、かつ、同条件で処理(焙煎、粉砕等)され、後述するコーヒー欠陥豆が製造工程で除かれたコーヒー豆であって、少なくとも一般的に製造される程度の品質を有することが確立しているコーヒー豆のことを言い、より好ましくは品質の良い(格付けの高い)コーヒー豆のことを言う。
また、本発明において、コーヒー欠陥豆(以下、単に「欠陥豆」とも呼ぶ)とは、コーヒー標準豆と同品種、同産地であり、製造工程で通常除かれる欠点豆(黒豆、発酵豆、未成熟豆、しわ豆、虫食豆、フローター、割れ豆、ドライチェリー、ドライパルプ、貝殻豆等の病痕豆、パーチメント、カビ豆、異物による欠点豆)のことを言う。
本発明によると、熟練したパネルによる嗅覚に基づく官能検査や、あるいは時間がかかり、熟練を要する化学定量分析等の方法によることなく、コーヒー豆中の揮発性成分、特にインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの少なくとも1種の含有量を評価することで、容易に且つ短時間で客観的に正確なコーヒー豆又はコーヒー抽出液の評価結果を提供することができる。
本発明では、コーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質と相関関係がある、コーヒー豆中の揮発性成分を指標物質とし、その指標物質の含有量を評価する。そして、コーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質と相関関係がある該指標物質としては、インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルから選ばれる、少なくとも1種であることが好ましい。コーヒー豆中のこれら指標物質の含有量を測定することで、正確な品質評価結果を得ることができる。
コーヒー豆中のこれら指標物質の含有量を測定することで、正確な品質評価結果を得ることができる。
≪指標物質の特徴≫
インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルは、コーヒー豆中に含まれる揮発性成分として知られており、ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)によって感度良く検出できる事が知られている。
インドールは、高濃度時には不快な糞臭を有するが、希釈するとジャスミン様の香気を有することが知られている。
イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルは、強い果実様香気を有し、希釈するとアップル様香気となることが知られている。
本発明者らは、指標物質に関して、更に以下のような特徴を発見し本発明を完成した。
(1)指標物質は、コーヒー標準豆、及び、コーヒー欠陥豆(以下、欠陥豆とも呼ぶ)の双方で検出される化合物である。指標物質は、概してコーヒー欠陥豆中にコーヒー標準豆の3倍以上と多く含まれている。
(2)指標物質の含有量が多いコーヒー豆ほど、コーヒー豆及びそのコーヒー豆から得られるコーヒー抽出液の欠点臭が強い。
<コーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質評価方法>
一般に、コーヒー豆に含まれる揮発性成分は品種や収穫後の処理条件などによって異なるため、上述したように、標準豆と被験豆の品種、産地等の条件は揃える必要がある。また、コーヒー豆及びコーヒー抽出液の品質の判定基準は、例えば欠点臭を基準にして欠点臭が強くなるほど悪いものとすることができる。コーヒー被験豆中、及び、コーヒー標準豆中の指標物質の含有量を、化学的又は物理的等の適切な方法で測定して、その含有量を評価することで、被験豆、及びそれから得られるコーヒー抽出液の欠点臭の程度や個体差を知ることができる。
指標物質、特にインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルは、コーヒー欠陥豆中にコーヒー標準豆のそれぞれ3倍以上と多く含まれていることを利用して、コーヒー被験豆がどの程度欠点臭を有しているかを評価する。
本発明におけるコーヒー豆、又はコーヒー抽出液の品質評価方法では、
(a)コーヒー標準豆、及び、コーヒー被験豆夫々を焙煎し、粉砕し、その粉砕物を、夫々水と一緒に加熱する工程と、
(b)加熱により生じる、コーヒー標準豆に含まれる指標物質、及び、コーヒー被験豆に含まれる指標物質の含有量を測定する工程と、
(c)コーヒー標準豆中の指標物質の含有量と、コーヒー被験豆中の指標物質の含有量とを比較する工程と、
を含む。
この評価方法では、上述したように官能検査(カップテスト)を利用することなく、機器分析等により、測定値を指標物質の含有量で表現することで、評価結果から主観性を排除し、客観的且つ定量的にコーヒー豆、又はコーヒー抽出液の品質を評価することが可能である。
以下、夫々の工程について詳しく説明する。
≪(a)工程≫
コーヒー被験豆及びコーヒー標準豆を焙煎した後に、粉砕機にて同じ粒度になるように粉砕して、これらの粉砕物を夫々に水を加え加熱する。また、夫々のコーヒー豆は、粉砕する前に、公知の一般的な方法で焙煎することが好ましい。なお、焙煎時は、コーヒー被験豆とコーヒー標準豆とは全く同じ条件で焙煎される必要がある。
≪(b)工程≫
上記(a)工程における加熱により生じる、コーヒー標準豆に含まれる指標物質、及び、コーヒー被験豆に含まれる指標物質の含有量を測定する。ここで、指標物質含有量は、公知の方法で適宜測定することが可能であるが、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)で測定することが好ましい。これは、GC/MSが高感度、及び、高選択的に測定対象を検出できるためである。この方法の条件は、後述する実施例の内容から当業者であれば当然理解できるものである。また、より好ましくは、標準豆及び被験豆、夫々をヘッドスペースが設けられたバイアル等の密閉容器に封入して加熱し、得られた揮発性成分を測定することが、揮発性成分をロスすることもなく、定量操作も簡便である点から望ましい。
≪(c)工程≫
コーヒー被験豆中の指標物質含有量を、コーヒー標準豆中の指標物質含有量と比較し、検討することで、コーヒー被験豆の品質を評価する。その際、(コーヒー被験豆中の指標物質の含有量)/(コーヒー標準豆中の指標物質の含有量)の質量比を評価値として使用することが望ましい。具体的には(コーヒー被験豆中のインドール含有量)/(コーヒー標準豆中のインドール含有量)、(コーヒー被験豆中のイソ吉草酸メチル含有量)/(コーヒー標準豆中のイソ吉草酸メチル含有量)、及び、(コーヒー被験豆中のイソ吉草酸エチル含有量)/(コーヒー標準豆中のイソ吉草酸エチル含有量)の少なくとも1種の質量比を評価値として使用する。そして、この評価値が小さければ小さいほど、被験豆及びそれから得られるコーヒー抽出液の品質の高いということとなる。
ここで、コーヒー試験液中の指標物質含有量と欠点臭の強度とは比例関係にあり、かつ、状況に応じて要する香気は異なることから、得られた評価値から一概にコーヒー被験豆の良し悪しを決定できるものではない。そこで、コーヒー被験豆の種類、評価する季節、コーヒー被験豆の産地、又は、被験豆から得られるコーヒー抽出液の目標とする香気等の様々な条件に応じて、得られた評価値からそのコーヒー被験豆にどのような品質評価を下すのかを適宜決定することができる。従って、得られた評価値がどの値よりも小さければ被験豆を合格とするかは、状況に応じて適宜設定することができる。
例えば、品質評価における該評価値の一定の基準(合格か不合格かを区別する基準値等)は、コーヒー標準豆、及び、コーヒー欠陥豆から夫々通常の方法で得られた抽出液に対するパネルによる官能評価と、コーヒー標準豆中、及び、コーヒー欠陥豆中の指標物質含有量との関係性を検討した後に、コーヒー被験豆の種類や被験豆から得られるコーヒー抽出液の目標とする香気に応じて、適宜設定することができる。
また、(コーヒー被験豆中のインドール含有量)/(コーヒー標準豆中のインドール含有量)、(コーヒー被験豆中のイソ吉草酸メチル含有量)/(コーヒー標準豆中のイソ吉草酸メチル含有量)、及び、(コーヒー被験豆中のイソ吉草酸エチル含有量)/(コーヒー標準豆中のイソ吉草酸エチル含有量)の質量比の中でも、質量比が特に高い(コーヒー被験豆中のイソ吉草酸エチル含有量)/(コーヒー標準豆中のイソ吉草酸エチル含有量)の質量比に着目することが望ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものでなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更させてもよい。
[検討実験]
<指標物質の決定>
第1.コーヒーの官能評価
まず、製造時に色彩選別の段階にて色彩選別機(カラーソーター)で除外されるコーヒー欠陥豆(アラビカ種)と、コーヒー標準豆としてのコーヒー欠陥豆が除外されたブラジル産アラビカ種とを準備した。
コーヒー標準豆がL値17程度になる焙煎条件(焙煎条件:コーヒー生豆 15g、温度 220℃、時間 9.5分、焙煎機 家庭用焙煎機Gene Cafe CBR-101A(Genesis製))にて焙煎された欠陥豆と標準豆を、ブレードグラインダー(コーヒーメーカーHCS−40AM(東芝製))にて粉砕した。
各粉砕物1.75gに熱水30mlを注いで調製したコーヒー試験液について、専門パネル6名が香気について官能評価を行った結果、コーヒー欠陥豆の試験液はコーヒー標準豆の試験液に比べてアミン臭、魚臭い、土臭い、穀物臭、麦茶のような臭い、糞臭、動物臭、コゲ臭、ゴム臭等の強烈で不快な臭いが感じられることが分かった(表1参照)。
Figure 2014011984
第2.欠陥豆の特徴的成分の解析
(1)HS−SPME−GC/MS(ヘッドスペース固相マイクロ抽出、及び、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(HEADSPACE SOLID PHASE MICROEXTRACTION AND GAS CHROMATOGRAPHY/Mass Spectrometry))による測定
焙煎したコーヒー標準豆、及び、コーヒー欠陥豆を粉砕し、夫々をヘッドスペースバイアルに封入して加熱し、得られた揮発性成分の測定結果を比較し、検討した。コーヒー欠陥豆中の揮発性成分のピーク強度が高い成分のうち、特にコーヒー標準豆に対する強度比が高い特徴的な成分としてインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの3成分が観測された。
〔SPME測定条件〕
サンプル:20mlヘッドスペースバイアルに粉砕したコーヒー0.2g、精製水3.4mlを封入
SPMEファイバー:50/30μm ジビニルベンゼン/Carboxen/ポリジメチルシロキサン、2cm
加熱温度:90℃
加熱時間:10分
抽出時間:20分
脱着時間:5分
〔GC/MS条件〕
測定機器:HP6890(Agilent社製)
カラム:BC−WAX 50m×0.25mmI.D.、df0.15μm
温度プログラム:70℃→217℃、4.1℃/分で昇温
ヘッド圧:112kPa
注入口温度:230℃
スプリット比:1/10
検出器:MS(SCAN)
(2)HS−SPME−GC/MSによるインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの定量
焙煎したコーヒー標準豆、及び、コーヒー欠陥豆中のインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルを標準添加法にて定量した結果、コーヒー標準豆中よりも、コーヒー欠陥豆中の方がいずれの成分も含有量が高いことが確認された(表2参照)。
〔SPME測定条件〕
サンプル:20mlヘッドスペースバイアルに粉砕したコーヒー0.2g、精製水3.4ml、内標(酢酸ベンジル)のエタノール溶液0.15mlを封入
その他の条件は前記上記(1)と同様
〔GC/MS条件〕
検出器:MS(SIM)
その他の条件は前記上記(1)と同様
Figure 2014011984
[実施例1] コーヒー豆の集団における欠陥豆の含有率と、インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの含有量と、コーヒー香気の品質との間に相関関係があることの実証
上記と同様にコーヒー欠陥豆と、コーヒー標準豆とを準備し、コーヒー標準豆がL値17程度になる条件にて、焙煎された各コーヒー豆を用いて以下の試験を実施した。
この実施例においては、擬似的なコーヒー被験豆として、コーヒー欠陥豆の含有率が0、20、40、60、80又は100%となるようにコーヒー標準豆にコーヒー欠陥豆を混合したコーヒー豆の集団を調整した。
混合したコーヒー豆の各集団の粉砕物1.75gに熱水30mlを注いで調製された各コーヒー試験液と、コーヒー標準豆から得られるコーヒー試験液との香気の比較による官能評価を専門パネル6名で行った。コーヒー欠陥豆の試験液の特徴的臭気、つまり「欠点臭」の強度に関して、コーヒー標準豆では「1」とし、コーヒー欠陥豆100%の集団の試験液では「5」としたときの、上記各コーヒー試験液のそれぞれの欠点臭の強度を5段階で評価し、6名の専門パネルの平均値を表3に示した。
また上述の方法と同様にして、この混合したコーヒー豆中のインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの定量を行い、結果を表3に示した。
表3に示されるように、混合したコーヒー豆の集団におけるコーヒー欠陥豆の含有率と、インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの含有量と、コーヒー試験液の香気の品質との間には相関関係が確認され、インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの含有率の増加に比例して欠点臭の強度が高くなることが確認された。
Figure 2014011984
この結果より、インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルを指標物質として用いることで、コーヒー豆の合否やその品質を判定でき、コーヒーの香気を評価できることが確認された。
[実施例2] 焙煎度の変化に伴うインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの含有量の変化の確認
<焙煎条件の検討>
上記と同様にコーヒー欠陥豆とコーヒー標準豆とを準備し、コーヒー標準豆のL値が浅煎りから深煎りになる焙煎条件を上記と同じ焙煎機を用いて検討した。焙煎温度は一定(220℃)とし、焙煎時間を変化させて検討した結果、コーヒー標準豆は焙煎時間を6.5分にすると浅煎り、11.5分にすると深煎りとなることが判明した。この範囲で1分刻みで焙煎時間を変化させたコーヒー欠陥豆と、コーヒー標準豆を作製し、それぞれのL値を測定した結果を表4に示した。
Figure 2014011984
<各焙煎度のコーヒー豆中のインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの定量>
上記6段階の焙煎度のコーヒー標準豆とコーヒー欠陥豆中のインドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの定量を上述と同様の方法で行い、結果を表5に示した。
表5に示されるように、インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルの含有量は、どの焙煎度においてもコーヒー欠陥豆の方がコーヒー標準豆より高いことが確認された。
Figure 2014011984
この結果より、インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルは、浅煎りから深煎りの、どの焙煎度であっても指標物質として用いるのは可能であることが確認された。
本発明は、コーヒー豆、又は、飲料として摂取されるコーヒー(コーヒー抽出液)に含まれる成分と香気、特に欠点臭との関係を客観的に示すことができる評価方法を提供できる。

Claims (7)

  1. コーヒー豆中の揮発性成分を指標物質とし、指標物質の含有量を評価することを含む、コーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質評価方法。
  2. 指標物質が、インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルから選ばれる、少なくとも1種である、請求項1に記載の品質評価方法。
  3. (a)コーヒー標準豆、及び、コーヒー被験豆夫々を焙煎し、粉砕し、その粉砕物を、夫々水と一緒に加熱する工程と、
    (b)加熱により生じる、コーヒー標準豆に含まれる指標物質、及び、コーヒー被験豆に含まれる指標物質の含有量を測定する工程と、
    (c)コーヒー標準豆中の指標物質の含有量と、コーヒー被験豆中の指標物質の含有量とを比較する工程と、
    を含む、請求項1又は2に記載の品質評価方法。
  4. 前記工程(c)において、
    (コーヒー被験豆中の指標物質の含有量)/(コーヒー標準豆中の指標物質の含有量)の質量比を評価値として使用する、請求項3に記載の品質評価方法。
  5. 前記工程(b)において、
    ガスクロマトグラフィー/質量分析法によって指標物質の含有量を測定する、請求項3又は4に記載の品質評価方法。
  6. コーヒー豆がアラビカ種である、請求項1〜5のいずれかに記載の品質評価方法。
  7. インドール、イソ吉草酸メチル、及び、イソ吉草酸エチルから選ばれる、少なくとも1種を含む、コーヒー豆又はコーヒー抽出液の品質評価指標物質。
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