JPWO2017199575A1 - 操舵制御装置及び操舵制御装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

自動運転モードから手動運転モードへの移行が必要となった場合に、自動運転モードから手動運転モードへ安全に移行することができる新規な操舵装置を提供することにある。自動運転モードS1中に自動運転モードから手動運転モードS8への移行が必要と判断した場合に、自動運転モードS1を終了する時点よりも前に移行期間Lthを設定し、この移行期間中に運転者が手動運転モードに移行することができるかどうかの運転操作信頼度S5を判定すると共に、手動運転モードS8に移行することができると判定された場合は自動運転モードS1から手動運転モードS8への移行を許可する。これによって自動運転モードによる走行で運転操作をしていなかった運転者が、手動運転に慣れていない場合は即座に手動運転に移行しないように制御することができる。

Description

本発明は自動車等の操舵制御装置に係り、特に自動運転モードから手動運転モードへの移行を安全に行う操舵制御装置及び操舵制御装置の制御方法に関するものである。
自動車の操舵装置としてパワーステアリング装置等が使用されているが、最近の操舵装置に使用される制御装置は、例えば、特開平4−55168号公報(特許文献1)で提案されているように、(1)車両の運転状態に基づき、モータなどを備えたアクチュエータを制御して運転者の操舵力を補助する操舵補助力を付与するアシスト制御と、(2)上位コントローラの指令値に基づいて目標舵角を生成し、アクチュエータを制御して転舵輪舵角を自動で調整する自動操舵制御と、の2つの制御を選択して制御する機能を有するものが知られている。
また、この他に例えば、特開平10−329575号公報(特許文献2)で提案されているように、運転者に余分な緊張感を与えず自動運転モードから手動運転モードに切り替えるために、自動運転モード中に運転者の運転操作を検出し、検出された運転操作の状態が予め定めた基準操作状態に対応すると判定したときに、自動走行モードから手動走行モードへの切換えを行う機能を有するものが知られている。
そして、特許文献2においては、自動運転モードから手動運転モードに移行する場合において、運転者は前もって運転操作の姿勢をとり、適当なタイミングで基準操作状態に対応した運転操作を行い、その運転操作のままで手動運転モードでの車両走行を行うものである。また、円滑に手動運転モードに移行するために、自動運転モードでの走行制御に寄与する割合を徐々に低減させると共に、手動運転モードによる運転者の運転操作が車両走行に寄与する割合を徐々に増大させるようにしている。
特開平4−55168号公報 特開平10−329575号公報
ところで、特許文献2に記載の自動走行車両制御装置では、自動運転モード中に運転者が基準操作状態に対応した運転操作をおこなった場合に自動運転モードから手動運転モードに移行し、運転操作が基準状態から外れている場合には手動走行モードへの移行が禁止される制御を行なっている。
しかしながら、この方法によって操舵制御を行なう場合、曲線道路等を走行している状況でなければ、基準操作状態に対応した運転操作を検出することができない構成となっている。したがって、直線道路を走行している場合において、手動運転モードに移行する必要があるときでも、自動運転モードが継続されることになる。このことは、以下に示すような不具合を発生する恐れがある。
つまり、高速道路等の自動車専用道路の限定された区間で自動運転を行う自動車において、自動運転モードの解除を要求する場所は、自動運転システムの故障による解除を除くと、走行中の自動車の安全性を保つのが容易という理由から自動車専用道路の出口に至る直線路部分が適切と考えられている。
特許文献2においては、直線路部分を走行している状態では手動運転モードへの切替えが行われず、自動車専用道路を抜けた後も自動運転モードが継続される恐れがある。また、自動運転モードから手動運転モードへ移行している途中に運転者による運転操作が基準操作状態から外れた場合には、手動運転モードへの移行が禁止され、自動運転モードが継続されることになる。
更には、直線路部分を走行している状態では、運転者が積極的に運転操作を行われず基準操作状態に収まりやすいため、運転者の運転操作が信頼できないものであったとしても、手動運転モードに移行してしまう恐れもある。また、突発的な状況に対応するため運転者が、ステアリングホイールを緊急操作した場合にも自動運転モードが解除されない恐れがある。また、自動運転中にステアリングホイールから手を離した状態だった運転者が、急にステアリングホイールを把持した場合は一時的に基準操作状態を満足する操舵を行ったことになるが、その後に継続して正確な操舵ができない場合には手動運転に完全に移行した後に車両の挙動が不安定になる恐れがある。
いずれにしても、特許文献2に記載されている自動走行車両制御装置においては、上述した課題の少なくとも一つ以上の課題を抱えており、この課題を解決することが要請されている。
本発明の目的は、自動運転モードから手動運転モードへの移行が必要となった場合に、自動運転モードから手動運転モードへ安全に移行することができる新規な操舵制御装置及び操舵制御装置の制御方法を提供することにある。
本発明の特徴は、自動運転モード中に自動運転モードから手動運転モードへの移行が必要と判断した場合に、自動運転モードを終了する時点よりも前に手動運転モードへの移行期間を設定し、この移行期間中に手動運転モードに移行することができるかどうかの運転者の運転操作信頼度を判定すると共に、手動運転モードに移行することができると判定された場合は自動運転モードから手動運転モードへの移行を許可する、ところにある。
本発明によれば、自動運転モードの終了時点までに運転操作信頼度に応じて自動運転モードから手動運転モードへの移行を完了させることができ、これによって自動運転モードによる走行で運転操作をしていなかった運転者が、手動運転に慣れていない場合は即座に手動運転に移行しないように制御することができる。したがって、自動運転モードから手動運転モードへの移行期間に、運転者が手動操作に慣れていないと判断されると自動運転モードを継続するため、安全な走行を継続することができる。
本発明に係る操舵装置を搭載した自動車の全体構成を示す構成図である。 車両制御装置とこれに接続される各制御手段の構成を示す構成図である。 本発明の第1の実施形態になる車両制御装置の構成を示す構成図である。 第1の実施形態になる操舵装置の構成を示す構成図である。 図4に示す操舵制御装置の構成を示す構成図である。 図5に示す操舵信頼度判定器の構成を示す構成図である。 本発明の第1の実施形態になる操舵制御装置の全体的な制御フローチャートである。 ステアリングホイールを把持していない時の振動変化を示す図である。 ステアリングホイールを把持している時の振動変化を示す図である。 自動運転モードから手動運転モードへの移行時の制御フローチャートである。 運転操作信頼度、手動操作寄与度、混合操舵トルク値の第1の関係を示す図である。 運転操作信頼度、手動操作寄与度、混合操舵トルク値の第2の関係を示す図である。 運転操作信頼度、手動操作寄与度、混合操舵トルク値の第3の関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態になる操舵制御装置の制御フローチャートである。 本発明の第3の実施形態になる操舵装置に構成図である。 本発明の第4の実施形態になる操舵制御装置とこれに接続される各制御手段の構成を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
以下、本発明に係る第1の実施形態について説明する。図1乃至図5で説明する構成は、以下に説明する各実施形態において共通する構成である。
図1は、本発明の対象となる操舵装置を搭載した自動車の構成を示す構成図である。図1において、自動車(以下、車両と表記する)1は、自車両の位置を認識するための地図情報とGPS等で構成される車両位置把握手段2と、車両姿勢や速度、加速度などの車両の走行状態を把握するための車両状態認識手段3と、道路上での車両位置を認識するためのレーダー、カメラ、センサなどで構成される車両の各部に取り付けられた外界認識手段4を備えている。
また、車両1は少なくとも車両1を走行させるための駆動装置5と、操舵装置6と、制動装置7を備えている。駆動装置5は駆動制御装置8と、アクセルペダル9が取り付けられ、駆動輪に駆動力を与えものである。また、操舵装置6は操舵制御装置10とステアリングホイール11が取り付けられ、前輪12を転舵するものである。更に、制動装置7は制動制御装置14とブレーキペダル15と接続され、前輪12と後輪13の回転を制動し、車両1に制動力を与えるものである。
更に、運転者に車両1の状態を知らせるための通知手段16を有すると共に、車両位置把握手段2と車両状態認識手段3と外界認識手段4から情報が入力され、駆動制御装置8、操舵制御装置10、制動制御装置14及び通知手段16を制御する制御量を出力する車両制御装置17を備えている。
図2は、車両1の車両制御装置17及びこれに接続される各制御装置の関係を示している。車両制御装置17には車両位置把握手段2によって取得される車両位置情報21と、車両状態認識手段3によって取得された車両の速度、加速度、ヨーレイトなどの車両状態情報22と、外界認識手段4によって取得された、走行車線や近接車両、障害物などの外界環境情報23が入力されている。
また、車両制御装置17は車両1内の通信手段を介して駆動装置5を制御する駆動制御装置8、操舵装置6を制御する操舵制御装置10、制動装置7を制御する制動制御装置14等に接続されている。
車両制御装置17は、駆動制御装置8に駆動制御量24を与え、駆動装置5が発生するトルクや運転者によるアクセルペダル9の操作量等を駆動情報25として駆動制御装置8から受け取る。
また、車両制御装置17は、操舵制御装置10に操舵制御量27を与え、操舵装置6の動作による舵角や運転者によるステアリングホイール11の操作量などを操舵情報28として操舵制御装置10から受け取る。
また、車両制御装置17は、制動制御装置14に制動制御量29を与え、制動装置7の動作による制動力や運転者によるブレーキペダル15の操作量などを制動情報30として制動制御装置14から受け取る。
更に、車両制御装置17には運転者が操作し、運転モードを切り替えるための自動運転モードSW31からの信号である自動運転指示信号32が入力され、車両制御装置17は通知手段16に対して各種の通知信号33を出力する。
図3は、車両制御装置17の本実施形態に関係する主な制御手段を示す構成図であり、自動運転制御器36、手動運転制御器38、信頼度判定器40、移行制御器42、及び制御選択器43から構成されている。これらの制御手段は、実際にはマイクロコンピュータによって処理されるプログラムの演算機能でそれぞれの機能が実行されるものである。
自動運転制御器36は、「自動運転モード」の際に上述の車両位置情報21、車両状態情報22、外界環境情報23、駆動情報25、操舵情報28、制動情報30等の入力情報から適切な車両1の走行軌道を生成し、駆動制御装置8、操舵装置6、制動装置7の各アクチュエータへ送る自動運転制御量35を決定するものである。
手動運転制御器38は、「手動運転モード」の際に運転者によるアクセルペダル9、ステアリングホイール11、ブレーキペダル15の操作に基づいた動作量から駆動制御装置8、操舵装置6、制動装置7のアクチュエータへ送る手動運転制御量37を決定するものである。また、この手動運転制御量35も後述の移行制御器42と制御選択器43に送られる。
信頼度判定器40は、「自動運転モード」から「手動運転モード」に移行する際に、運転者が手動運転を行うことができる状態であるかどうかの運転操作信頼度39を求めるものであり、この運転操作信頼度39は後述の移行制御器42に送られる。運転操作信頼度39は車両制御装置17に入力される情報から運転者の運転操作が信頼できるものかどうかを判定し、数値化したものである。尚、信頼度判定器40の詳細については後述する。
移行制御器42は、車両1が自動運転制御器36による自動運転を実行している際に、車両制御装置17の判断により「自動運転モード」から運転者の操作による「手動運転モード」への移行が必要と判断した場合に、少なくとも自動運転制御量35、手動運転制御量37、運転操作信頼度39を用いて移行制御量41を出力するものである。
制御選択器43は、自動運転制御量35、手動運転制御量37、移行制御量41の中から走行状況に応じて適切な制御形態を選択するものである。車両制御装置17は操舵選択器43で選択された制御形態に基づき車両制御装置17から駆動装置5、操舵装置6、制動装置7の各アクチュエータへの制御量(駆動制御量24、操舵制御量27、制動制御量29)を出力する。
図4は操舵装置6の構成をより詳細に示したものである。操舵装置6は、ステアリングホイール11、ステアリングシャフト52、ピニオン軸53及びラック軸54を備えている。ラック軸54には、減速機構60を介して、アクチュエータである電動機58が接続されている。ラック軸54には、ピニオン軸53とかみ合うラック歯が形成されて、ラックアンドピニオンの機構を構成し、ピニオン軸53の回転をラック軸54の直動運動に変換している。
つまり、運転者によってステアリングホイール11が操作されると、ステアリングシャフト52を介してピニオン軸53に回転が伝達され、ラックアンドピニオン機構により、ラック軸54の直動運動に変換される。これにより、ラック軸54の両端に接続されるタイロッド55を介して連結される前輪12が転舵される。
ステアリングシャフト52とピニオン軸53との間には、トルクセンサ56が設けられており、トルクセンサ56は、図示しないトーションバーのねじれ角に基づいて操舵トルク情報57を出力する。トーションバーは、ステアリングシャフト52とピニオン軸53との接続部に配置される。また、トーションバーよりもステアリングシャフト52側に設置された操舵角センサ67はステアリングホイール11の回転角である操舵角情報68を出力する。
電動機58の出力軸59に接続される減速機構60は、図4に示した例においては、電動機58の出力軸59に取り付けられたベルト・プーリ61によって駆動されるボールねじ62が用いられる。この構成によって、電動機58のトルクをラック軸54の並進方向力に変換する。尚、減速機構60は、ステアリングホイール11入力と同様にラックアンドピニオンを用いる構成や、ボールねじのナットを中空モータによる直接駆動する構成などを用いても良いものである。
操舵制御装置10は入力端子63と出力端子64を備えており、操舵制御装置10の入力端子63には、例えば、車両制御装置17から出力される自動運転制御、手動運転制御、移行制御に関する操舵制御量を含む入力情報66、操舵トルク情報57、操舵角情報68、及び車速などの車両状態情報65が入力される。また、操舵制御装置10の出力端子64からは、操舵装置6の操舵制御量を含む出力制御量23が出力される。
図5は操舵装置6を制御する操舵制御装置10の構成図である。図5に示すように、操舵制御装置10は、自動操舵制御器71、手動操舵制御器72、操舵信頼度判定器75を備えている。これは図3に示す自動運転制御器36、手動運転制御器38、信頼度判定器40、移行制御器42、及び制御選択器43を、操舵制御に用いた場合の構成を示している。
自動操舵制御器71には、車両制御装置17から出力された図3に示した自動運転制御量35に含まれる操舵装置6に関係する操舵制御量26と、操舵装置6の状態を示す操舵情報27と、車両状態情報号65が入力されている。ここで、自動操舵制御器71に入力される操舵制御量26は、車両1が自動運転時に目標軌道或いは目標レーンに対して、自車両の走行軌道或いは走行レーンが逸脱した場合に、その逸脱を補正するための前輪12の目標舵角や目標操舵力等である。以下ではその一例として目標舵角に合わせて自動操舵する場合について説明する。
また、自動操舵制御器71に入力される操舵情報27は、操舵装置6に取り付けられた各種センサから得られる操舵角情報68や操舵トルク情報57、電動機回転角情報等の情報を含んでいる。これらの入力情報を基に、自動操舵制御器71は自動操舵トルク情報73を出力する。ここで自動操舵トルク情報73は、例えば目標舵角に対して、電動機回転角から算出される前輪12の実際の舵角(実舵角)の差を低減するために、電動機58に舵角差をなくす出力を要求するトルク指令値とされている。
手動操舵制御器72は、車両制御装置17から出力された手動運転制御量37に含まれる操舵装置に関係する操舵制御量26と、操舵装置6の状態を示す操舵情報27と、車両状態情報65が入力されている。ここで、手動操舵制御器72に入力される操舵制御量26は、例えば手動操舵の実行を指示する信号や車両状態から手動操作に対する補正が必要な場合の補正値などの情報である。
また、手動操舵制御器72に入力される操舵情報27は、操舵装置6に取り付けられた各センサから得られる操舵角情報68や操舵トルク情報57、電動機回転角情報等の情報を含んでいる。これは自動操舵制御器71と同様のものである。これらの入力情報を基に手動操舵制御器72は運転者の操舵入力を補助する手動操舵トルク情報74を出力する。ここで手動操舵トルク情報74、は例えば操舵トルク情報57の値に基づいて算出される運転者操舵力のアシストをするアシスト力を発生するために電動機58に出力を要求するトルク指令値とする。
ここで、トルク情報やトルク指令値は、電動機58に入力される電流値に該当するものである。したがって、以下で、トルク情報やトルク指令値と表記するものは、電動機58に入力される電流値と読み替えることができる。
操舵信頼度判定器75には、操舵情報27と、操舵制御量26と、車両状態情報65が入力されている。操舵信頼度判定器75はこれらの情報を用いて運転操作信頼度情報76を算出して出力する。また、操舵信頼度判定器75は、運転操作信頼度情報76を算出するための判定トルク情報82を同時に出力する。判定トルク情報82の詳細は後述する。
混合操舵制御器77には、自動操舵トルク情報73と、手動操舵トルク情報74と、運転操作信頼度情報76と、判定トルク情報82が入力され、運転操作信頼度情報76に基づいて自動操舵トルク情報73と、手動操舵トルク情報74と、判定トルク情報82を混合した混合操舵トルク情報78を出力する。
操舵制御選択器79には、操舵制御量26と、自動操舵トルク情報73と、手動操舵トルク情報74と、混合操舵トルク情報78が入力されている。ここで、操舵制御選択器79は、操舵制御量26に対応して定義付けられている運転モードフラグに従って電動機駆動回路80に対するトルク指令値81を出力する。そして電動機駆動回路80は入力されたトルク指令値81と同等のトルクを発生するように駆動電流を生成して操舵装置6の電動機58を駆動する。
図6は操舵制御装置10に用いられる操舵信頼度判定器75の構成図である。操舵信頼度判定器75は、少なくともステアリングホイール(SW)機械振動発生部91と、SW機械振動推定部92と、操舵信頼度判定部93とから構成されている。SW機械振動発生部91は、操舵制御量26に対応して定義付けられている運転モードフラグが入力されている。したがって、運転モードフラグの情報から「自動運転モード」から「手動運転モード」への移行制御の必要性が判断され、必要と判断されるとSW機械振動発生部91は、所定の周波数を有する機械振動を電動機58が発生するために必要な判定トルク情報82を出力する。
判定トルク情報82は、電動機58を所定量だけ正逆回転させる電流であり、所定の周波数で電動機58に与えられるものである。電動機58の正逆転に起因する機械振動は、電動機58からステアリングホイール11までのステアリング連結機構を逆流して、ステアリングホイール11の正逆の回動振動として与えられるものである。
SW振動推定部92には、操舵情報27に含まれる操舵トルク情報57や操舵角情報68が入力され、SW機械振動発生部91によって生成された判定トルク情報82によりステアリングホイールに発生する回動振動と、その他の原因による回動振動変化(例えば、走行に必要な転舵による舵角変化)とを分離し、SW機械振動発生部91に基づくステアリングホイール11の回動振動94のみを抽出して出力している。
また、操舵信頼度判定部93は、判定トルク情報82によるステアリング11の回動振動と、操舵角センサ67で検出されたステアリングホイール11の実際の回動振動94が入力され、これらの振動情報を基に運転操作信頼度76を演算して出力している。ここで、判定トルク情報82によるステアリング11の回動振動は、予め適合作業によって求めておくことや、シミュレーションによって求めておくことができる。このステアリングホイール11の回動振動の比較方法は図8A、図8Bにおいて説明する。
次に、以上のような構成の操舵制御装置の具体的な実施形態について説明する。尚、各図において同一要素については同一の符号を記し、重複する説明は省略する。
図7は、車両1の「自動運転モード」で走行中に、自動運転終了時点(ここでは地点として説明する)が近づいてきた場合の車両制御装置17と操舵制御装置10の制御の概略を示す全体的な制御フローチャートである。また、以下の説明で自動運転終了地点は、例えば自動車専用道路の出口を終了地点とする。
≪ステップS0≫
ステップS0においては、車両1は自動車専用道路に進入して自動車専用道路を走行している状態である。この時、運転者は手動で運転操作を行い、車両はこれにしたがって操縦されている。
≪ステップS1≫
ステップS1において、自動運転SW31が運転者によって「自動運転モード」に選択された状態になると、図3に示すように、車両制御装置17は車両位置情報21と車両状態情報22と外界環境情報23を基に自動運転制御器36を用いて自動運転制御量35を算出する。
また、車両制御装置17は車両位置情報21と車両状態情報22と外界環境情報23を基に制御選択器43を用いて車両制御装置17から自動運転制御量35を選択して出力するように操作している。この自動運転制御量35を受けて駆動制御装置8、操舵制御装置10、制動制御装置14等の各アクチュエータは「自動運転モード」による走行に対応した制御を行う。その後、ステップS2へと移行する。
≪ステップS2≫
ステップS2において、車両1が自動車専用道路から離脱する地点(出口)に近づくと、車両位置情報21や外界環境情報23に基づいて、車両1が自動運転終了地点に近づき、「自動運転モード」から「手動運転モード」への移行制御区間に到達したことを判定する。移行制御区間は、例えば自動運転終了地点よりも移行距離Lth(例えば100m〜200m)の距離だけ離れた地点から自動運転終了地点までの区間である。
そして、車両1から自動運転終了地点までの移行距離がLthよりも小さくなった場合は、移行制御区間への到達を判断してステップS3へ移行し、移行制御区間に到達しないと判断されると再びステップS1に戻る。したがって、移行制御区間の開始地点に至るまでは自動運転を継続するものである。
ここで、自動運転終了地点の手前を走行している場合の距離を「+」、自動運転終了地点を通り過ぎた場合の距離を「−」とする。尚、距離Lthは、例えば「自動運転モード」から「手動運転モード」に切り替る際に、自動運転中はステアリングホイール11などの操作入力手段の操作を行っていなかった運転者が、十分な余裕をもって手動運転に対応できるようになる距離とすると良いものである。
≪ステップS3≫
ステップS3においては、移行制御区間への到達を判断すると車両制御装置17は、通知手段16を使って運転者に移行制御区間に到達したことを伝達し、手動運転の開始を促す報知を行う。ここで通知手段16は、例えばスピーカを用いた音声情報や、インジケータやディスプレイによる視覚情報による案内を行うことができる。その後、ステップS4に移行する。
≪ステップS4≫
ステップS4において、運転者の運転操作信頼度情報39の判定を実行する。本実施形態においては、図3に示す運転操作信頼度情報39は、図5に示す操舵制御装置10に備えられた操舵信頼度判定器75によって算出されるものとする。つまり、操舵信頼度判定器75によって得られた運転操作信頼度情報76を、運転操作信頼度情報39と見做しているものである。
そのため、図3に示す信頼度判定器40は、操舵制御装置10によって送信される操舵情報28に含まれる運転操作信頼度情報76を、そのまま信頼度判定器40からの出力である運転操作信頼度情報39としている。これは、図5に示した車両制御装置17に入力される、運転操作信頼度情報76に対応している。
次に、操舵制御装置10による運転操作信頼度76の算出方法について説明する。上述したように「移行制御モード」に遷移すると、図6に示すような操舵信頼度判定器75内に備えられたSW機械振動発生部91は、判定トルク情報82を生成する。ここで、上述した通り、判定トルク情報82は、ステアリングホイール11に回動振動の動作を生じさせるトルクを電動機58に発生させるためのトルク指令値である。
判定トルク情報82は、例えば、車両1の転舵動作に影響を与えないように、操舵装置10を含む車両1の転舵に係る固有振動数よりも大きい所定値の周波数を持ち、運転者がその変化を感じることができる程度の機械振動を電動機58が発生させるトルク指令値とされている。この電動機58による機械振動は、ステアリングホイール11に与えられ、ステアリングホイール11の微小な回動振動となる。
また、SW機械振動推定部92を用いて、操舵角センサ67の検出結果から、判定トルク情報82を電動機58に与えることで振動するステアリングホイール11の回動振動94のみを抽出する。判定トルク情報82による振動のみを取り出すためには、例えば操舵角情報にハイパスフィルタやバンドパスフィルタ等によるフィルタリングを施して抽出することができる。
そして、操舵信頼度判定器75に設けられた操舵信頼度判定部93によって運転操作信頼度76が判定される。運転操作信頼度は、例えば図8A、図8Bに示す方法によって判定することができる。図8A、図8Bは車両1が直進している時にステアリングホイール11に機械振動を与えた場合のステアリングホイールの回動角度の変化を示している。
図8Aは運転者がステアリングホイール11から手を離している状態のステアリングホイールの回動角度の変化を示し、図8Bは運転者がステアリングホイール11を掴んだ状態のステアリングホイールの回動角度の変化を示している。図8Aに示すように、運転者がステアリングホイール11から手を離している状態では、回動角度の振幅がθ0であるのに対して、図8Bに示すように、運転者がステアリングホイール11を掴むと、回動角度の振幅が減少してθ1となる。
これはステアリングホイール11を掴むことで運転者の腕のインピーダンスが操舵装置10を含む系に追加されることになり、ステアリングホイール11の振動が抑制されるためである。また、運転者が漫然と運転しているときにステアリングホイール11を掴む場合に比べて、手動運転に集中しているときは、ステアリングホイール11を腕や手に力を加えてしっかり掴む傾向にある。
このため、ステアリングホイール11がしっかり掴まれた場合にはインピーダンスがより大きくなり、ステアリングホイール11の振動がより小さくなる。この傾向を利用して運転操作信頼度Rは、例えば、運転操作信頼度R=θ0−θ1として算出することができる。この運転操作信頼度Rは運転操作信頼度情報76に対応するものである。求められた運転操作信頼度Rは、車両制御装置17に送られ、ステップS5に移行する。
≪ステップS5≫
ステップS5において、「自動運転モード」から「手動運転モード」に移行する「移行制御モード」を開始する。移行制御中は、図3に示す車両制御装置17の移行制御器42により移行制御量41を算出し、制御選択器43を用いて車両制御装置17から移行制御量41が制御量として出力されるように操作する。ここで、移行制御量41には少なくとも自動運転制御量35と、運転モードが移行制御中であることを示す移行制御モードフラグ及び運転操作信頼度Rが定義されている。更に、これに加えて、移行制御量41は手動運転をアシストする制御(レーンキープアシストなどに伴うステアリングホイール11の反力制御など)を行うアシスト制御量を含むようにしても良いものである。
この「移行制御モード」に関する操舵装置10の制御状態が、図9の制御フローに示されている。したがって、以下では図7に示す制御フローの説明に替えて図9に示す制御フローの説明を行うことにする。尚、この「移行制御モード」は、車両1が「自動運転モード」を終了する終了地点から所定距離Lthだけ手前の間だけ実行されるものである。
≪ステップS20≫
ステップS20において、車両制御装置17から移行制御モードフラグを受け取り、それまで「自動運転モード」で走行していた車両1が「移行制御モード」に切り替わる遷移状態にある。移行制御モード」に切り替わるとステップS21に移行する。
≪ステップS21≫
ステップS21において、図5に示す自動操舵制御器71は、操舵制御量27に含まれる舵角指令値を用いて自動操舵トルク情報(以下、自動操舵トルク値と表記する)73を算出し、同様に手動操舵制御器72は、操舵トルク値と操舵制御量27に含まれるアシスト制御量を用いて手動操舵トルク情報(以下、手動操舵トルク値と表記する)74を算出する。これらのトルク値が算出されるとステップS22に移行する。
≪ステップS22≫
ステップS22において、図5に示す混合操舵制御器77によって運転操作信頼度Rを用いて手動操作寄与度Kを演算する。手動操作寄与度Kは、例えば運転操作信頼度Rに一定ゲインをかけた値であり、運転者がステアリングホイール11から手を放した状態で最小値0となり、運転者がしっかりステアリングホイール11を掴んで手動運転が可能であると考えられる、運転操作信頼度Rthに到達したときに最大値1となる値として算出されている。この手動操作寄与度Kが求まるとステップS23に移行する。
≪ステップS23≫
ステップS23において、混合操舵制御器77によって混合操舵トルク情報(以下、混合操舵トルク値と表記する)が算出される。混合操舵トルク値をTMとすると、手動操作寄与度Kを用いて、例えば自動操舵トルク値73をTAとし、手動操舵トルクトルク値74をTHとしたとき、TM=(1−K)×TA+K×THなる数式によって混合操舵トルク値を算出することができる。
図10は、時間経過と共に運転操作信頼度Rが一定の割合で増加する場合における、手動操作寄与度Kと混合操舵トルクトルク値に占める自動操舵トルク値と手動操舵トルク値の割合の変化を示す図である。
図10の上段が時間経過に伴う運転操作信頼度Rの変化状態、中段が同じ時間軸の手動操作寄与度Kの変化状態、下段が混合操舵トルク値に占める自動操舵トルク値の割合Traと手動操舵トルク値の割合trmを示している。尚、運転操作信頼度Rthは、運転操作信頼度の閾値である。図10の中段に示すように手動操作寄与度Kは運転操作信頼度Rに応じて「0」〜「1」までの値をとるため、図10の下段に示すように、運転操作信頼度Rの大きさに応じて混合操舵トルク値に占める自動操舵トルク値と手動操舵トルク値の割合が変化する。
つまり、「移行制御モード」に遷移した直後であって、運転者がステアリングホイール11を掴んでいない、或いは強くつかんでいない場合には、「自動操舵モード」により操舵装置6が操作され、運転者がステアリングホイール11をしっかり掴んで運転操作信頼度Rが十分な値に到達した場合に、運転者の手動操舵により操舵装置6が操作されることになる。
また、図10に示した運転操作信頼度Rの変化に対する手動操作寄与度Kの変化は運転操作信頼度Rが「0」から変化したとき大きくなるものとしたが、図11に示すように、運転操作信頼度Rが閾値Rsを超えたところから手動操作寄与度Kが変化するようにしても良いものである。このような変化をさせることによって、運転操作信頼度Rが低く、運転者が操作を誤る恐れが大きい場合には、「自動運転モード」による制御状態を継続させることができるため、更に安全な走行状態が維持できるようになる。
また、図10に示した運転操作信頼度Rの変化に対する自動操舵トルク値と手動操舵トルク値の混合操舵トルク値に占める割合は線形に変化するものとしたが、図12に示すように非線形な変化をとるようにしても良いものである。このような変化によっても前述の方法と同等の効果を得ることができるものである。
≪ステップS24≫
ステップ24において、図5に示す混合操舵制御器77で混合操舵トルク情報78である移行操舵トルク値を算出する。移行操舵トルク値は、ステップS23で算出した混合操舵トルク値に、先に説明した操舵信頼度判定器75において算出した判定トルク情報82を足し合わせたものである。
≪ステップS25≫
ステップS25において、図5に示す操舵制御選択器79に入力される操舵制御量に定義された運転モードフラグを読み取ることで操舵モードを判定する。「移行制御モード」と判定されればステップS26に移行し、「移行制御モード」でなければステップ28に移行する。ステップ28は、運転モードフラグから「自動運転モード」か「手動運転モード」を判定するものである
≪ステップS26≫
ステップS26において、自動操舵トルク値73、手動操舵トルク値74、移行操舵トルク値78の中から、移行操舵トルク値を図5に示す電動機駆動回路80に対するトルク指令値として出力する。
≪ステップS27≫
ステップS27において、で電動機駆動回路80により電動機58への電流値を制御して操舵装置6を駆動制御する。その後、ステップS21に戻り、運転モードが切替るまでステップS21からS27を繰り返すものである。ここで、駆動装置5と制動装置7も、「移行制御モード」では操舵装置6と同様に、運転操作信頼度Rに応じて手動操作量(アクセルペダル、ブレーキペダル操作量)と自動操作量(アクセルペダル、ブレーキペダル操作量)が混合され、車両1の動作に影響を与えるように制御される。
≪ステップS28≫
ステップS25で「移行制御モード」でないと判定されているので、このステップ28においては、運転モードフラグから「自動運転モード」か「手動運転モード」を判定している。「手動運転モード」の場合はステップS29に移行し、「自動運転モード」の場合はステップS31に移行する。
≪ステップS29、30、31、32≫
ステップS29では手動操舵トルク値を求め、ステップS30でこの手動操作トルク値に基づいて電動機58を駆動し、同様にステップS31では自動操舵トルク値を求め、ステップS32でこの自動操作トルク値に基づいて電動機58を駆動する。
このように、「移行制御モード」では運転操作信頼度Rに基づいて、混合操舵トルク値の自動操舵トルク値と手動操舵トルク値の割合を制御しているので、手動運転に慣れていくにしたがい手動運転の操作が反映されるようになる。また、運転操作信頼度Rが所定の信頼度(閾値)Rthに達して手動運転が許可されれば手動運転に移行し、運転操作信頼度Rが所定の信頼度Rthに達せず手動運転が許可されなければ自動運転を継続するので、車両1の走行の安全性を維持することが可能となる。
次に、「移行制御モード」を実行している状態、或いは「移行制御モード」を終了した状態でステップS6以降の処理が実行される。以下、図7に戻ってその制御を説明する。
≪ステップS6≫
ステップS6において、現在の時点で車両1が自動車専用道路の自動運転終了地点の手前の区間を走行しているかどうかを判定する。つまり、車両1が自動運転終了地点に達していれば、「移行制御モード」を実行する機会がすでに消滅したと判定し、車両1が自動運転終了地点に達していなければ、「移行制御モード」を実行する機会がまだ存在していると見做している。したがって、車両1が自動運転終了地点に達していなければステップS7に移行し、車両1が自動運転終了地点に達していればステップS10に移行する。
≪ステップS7≫
ステップS7において、車両1が自動運転終了地点の手前を走行中の場合、本ステップで運転操作信頼度Rと閾値Rthとの大小を比較する。運転操作信頼度Rが閾値Rthよりも小さい場合は、運転者の手動運転が許可できるまでステップS4からS6までの処理を繰り返すものである。一方、運転操作信頼度が閾値Rthよりも大きい場合は、運転者の手動運転が許可できるとしてステップS8に移行する。
≪ステップS8、9≫
ステップS8において、運転操作信頼度Rが充分に大きいため「移行制御モード」を終了して、図3に示す手動運転制御器38によって手動運転制御量37を算出し、制御選択器43を用いて手動運転制御量37を車両制御装置17の出力とする。
この手動運転制御量37には、少なくとも運転モードが「手動運転モード」で制御中であることを示す運転モードフラグ及び運転操作信頼度Rが定義されている。また、移行制御量41は、手動運転をアシストする制御(レーンキープアシストなどに伴うステアリングホイール11の反力制御など)を行うアシスト制御量を含むようにしても良いものである。
図5に示すように、操舵制御選択器79は図9のステップS25、28で「手動運転モード」であると判定して操舵制御選択器79で手動操舵トルク値をトルク指令値として選択し、操舵制御装置10の出力にする。そして手動操舵トルク値を電動機58が出力するように電動機駆動回路80が制御され、ステップS9では運転者の手動操舵に対応した制御を実行する。また、操舵装置10以外の駆動装置5や制動装置7等のアクチュエータも運転者の操作入力に対応した制御を実行する。
≪ステップS10≫
一方、ステップS5で自動運転終了地点を超えたと判定された場合は、自動運転終了地点において運転操作信頼度Rが十分でないと判断し、車両制御装置17は通知手段16を用いて、車両1の周囲に存在する他車両に対して車両1が停車することを通知する。ここで通知手段16として例えばハザードランプを用いる。この処理が終了するとステップS11に移行する。
≪ステップS11、12≫
ステップ11において、外界情報23等を用いて車両1の周辺の安全な駐車場所を探して自動運転制御器36で安全な駐車場所までの走行経路を決定し、自動運転制御量35に基づいて、駆動装置5、制動装置7、操舵装置10の各アクチュエータを制御し、自動車専用道路の安全な駐車場所へ移動した後に、ステップS12で停車状態とする。
ここで、安全な駐車場所とは、例えば十分に広い道路の路肩である。この際に操舵制御装置10では、図9のステップS25で「自動運転モード」が選ばれているため、ステップS29で自動操舵トルク値をトルク指令値として出力する。この場合、自動操舵トルク値を電動機58が出力するように電動機駆動回路80が制御され、以降は自動操舵を行う「自動運転モード」が実行される。
また、駆動装置5や制動装置7等のアクチュエータも自動運転制御量35に基づく制御を実行する。また、停車後は、例えば「自動運転モード」から「手動運転モード」に移行して、運転者の操作が開始されるまで停車状態を継続したり、駆動装置5を停止して運転者の再始動を待つようにしても良いものである。
上述した通り、自動運転機能を備えた車両1では、「自動運転モード」で車両1が操作されている場合に、運転者がステアリングホイール11から手を離した状態(手放し状態)になることが想定される。車両1が自動運転で走行できる区間が自動車専用道路など限られた区間のみと想定される場合、自動運転区間終了地点で「手動運転モード」への移行が必要になる。
その際に、自動運転区間で手放し状態だったため運転操作に慣れていない運転者は自動運転終了地点で急に手動運転に切り替ることで運転操作を誤り、車両1の挙動を乱す可能性がある。特に操舵は運転者による慎重な操作が必要となるため、運転操作を誤る恐れが大きいと考えられる。
そこで、本実施形態に示すような操舵制御装置を用いることで、自動運転終了地点の前に「移行制御モード」による走行を行う移行制御区間が設けられ、その移行制御区間において、「自動運転モード」から「手動運転モード」への移行制御が実行される。この移行制御区間において、運転者の運転操作信頼度を判定し、運転操作信頼度が高くなるにつれて手動操作による操作量が車両1の動作に反映されるようにしている。
したがって、運転者が手動運転に慣れておらず運転操作信頼度が低いと判定された場合は、移行制御区間ですぐに手動運転に移行しないようにできる。また、運転操作信頼度が低い場合には、「自動運転モード」と「手動運転モード」を混在させることで、運転操作信頼度によって算出される手動操作寄与度の大きさに応じて、駆動装置、制動装置、操舵装置の各アクチュエータの動作に対する手動操作が与える影響を変化させることができる。これによって、移行制御区間において運転者に車両1の手動操作を慣れさせることができる。
また、運転者が明確な意思をもってステアリングホイール11を手動操作する場合は、運転者の腕の操作による抵抗が高まって運転操作信頼度が高く判定されるため、手動運転に素早く切り替えることも可能である。更に、自動運転終了地点に到達しても、運転者が意思をもって操作していない場合は運転操作信頼度が低いと判断し、「自動運転モード」の自動運転機能を用いて安全な駐車場所を探して停車させることができる。
このような運転操作信頼度に基づく「自動運転モード」から「手動運転モード」への移行を行う過程で「移行制御モード」を実行することで、「自動運転モード」から「手動運転モード」への移行において、車両1の挙動が乱れることなく走行の継続、或いは停車を行うことができるため、車両1の走行安全性を十分に確保できる効果がある。
また、本実施形態において、運転操作信頼度は「移行制御モード」時に操舵制御装置10によって操舵装置6のステアリングホイール11に生じる振動の大きさの変化によって求めている。このため、車両1の直進走行、旋回走行を問わずどのような走行状態の時にも運転操作信頼度を判定することが可能である。また、「移行制御モード」に遷移した際に、通知手段16によって運転者への通知後にステアリングホイール11に回動振動が発生するため、運転者に対して「移行制御モード」の状態であることを正確に認識させることができる。
このように、本実施形態によれば、操舵装置を備えた車両1において、自動運転終了地点までに「自動運転モード」から「手動運転モード」への安全な移行を実施することができるようになる。
また、本実施形態において、自動運転終了地点は自動車専用道路の出口など、予め定められた地点としたが、外界認識手段などの認識精度が低下して「自動運転モード」を継続できなくなり、それまでの認識結果を基に所定時間後に「手動運転モード」への切り替えが必要となった場合は、車両制御装置17によって所定時間後、或いは所定距離走行後の車両位置を自動運転終了地点として設定し、上述の「移行制御モード」を実行しても同様の効果が得られるようになる。
つまり、車両システムの一部に失陥が生じて、車両制御装置によって長時間の「自動運転モード」の継続が難しいと判断された場合には、所定時間後、或いは所定距離走行後の車両位置を自動運転終了地点として設定して運転操作信頼度判定器によって運転者の運転操作の信頼度を判定し、「移行制御モード」を実行すれば良いものである。
また、本実施形態では、運転操作信頼度判定器で電動機の動作によりステアリングホイールの回動振動を操舵角センサの操舵角として検出する方法を提案したが、操舵角センサの代わりにトルクセンサで検出される操舵トルクを用いて検出しても良いものである。この場合、ステアリングホイールを掴む前の操舵装置の振動によって発生する操舵トルク値の振幅に対する、操舵トルクの減少量を運転操作信頼度として算出しても同等の効果が得られるものである。
更に図7のステップS6の判断で運転操作信頼度が低い場合には、ステップS10に進んで車両を路肩に停車させるとしたが、車両の前後に他の車両がなく安全が確保できたと判定した場合には、自動運転終了地点で車両1をその場所で停車させることも可能である。
次に、本発明の第2の実施形態について説明するが、運転操作信頼度の判定方法が実施例1と異なっており、これ以外は実施例1と同様の構成である。図13を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。尚、車両、操舵装置、車両制御装置、操舵制御装置、操舵信頼度判定機器等の構成は実施例1と同様のため説明を省略する。また、操舵制御装置の「移行制御モード」の制御フローも図9と同様であるので、説明は省略する。
図13は、実施例1と同様に車両1の「自動運転モード」による走行中に自動運転終了地点が近づいてきた場合の車両制御装置の制御フローである。この図13においても、図7に示す制御フローと同じ制御ステップには同じ参照番号を付しており、同じ参照番号の制御ステップはその説明を省略する。
図13において、
≪ステップS0≫…実施例1と同様であり説明を省略する。
≪ステップS1≫…実施例1と同様であり説明を省略する。
≪ステップS2≫…実施例1と同様であり説明を省略する。
≪ステップS3≫…実施例1と同様であり説明を省略する。
≪ステップS4≫…実施例1と同様であり説明を省略する。
≪ステップS5≫…実施例1と同様であり説明を省略する。そして、ステップS5の制御ステップを実行するとステップ13に移行する。
≪ステップS13≫
ステップS13において、車両1が自動運転終了地点の手前を走行中の場合、本ステップで運転操作信頼度Rと閾値Rthとの大小を比較する。運転操作信頼度Rが閾値Rthよりも小さい場合は、運転者の手動運転が許可できるまでステップS4からS5までの処理を繰り返すものである。一方、運転操作信頼度が閾値Rthよりも大きい場合は、運転者の手動運転が許可できるとしてステップS14に移行する。
≪ステップS14≫
ステップS14においては、ステップS13で運転操作信頼度Rが閾値Rthよりも大きいと判断されると、運転操作信頼度合格回数を1回増やすインクリメント処理を実行する。この合格回数によって、運転操作信頼度を数値化できるようになる。ステップS14の処理が終了するとステップS15に移行する。
≪ステップS15≫
ステップS15においては、ステップS14の実行後に所定時間だけ「移行制御モード」のまま車両1の走行状態を継続する。これは、運転操作信頼度Rが継続して維持されているかを判断するために実行するものである。例えば、ステップS13、14で運転操作信頼度Rが1回だけ合格した場合でも、その後に再び運転者が手動運転を確実に行うことができるとは限らないからである。ステップS15の処理が終了するとステップS6に移行する。
≪ステップS6≫…実施例1と同様であり説明を省略する。そして、ステップS6の制御ステップを実行するとステップ16に移行する。
≪ステップS16≫
ステップ6で自動運転終了地点の手前を走行中と判定されているので、「移行制御モード」による移行状態である。この状態でステップS16においては、ステップS14で求めた運転操作信頼度Rの合格回数と予め設定した閾値回数N(3〜5)とを比較する。運転操作信頼度Rの合格回数が閾値回数Nよりも小さい場合は、ステップS4、5、13、14、16、6までを繰り返して運転操作信頼度を判定する。運転操作信頼度Rの合格回数がN以上になった場合、運転者による手動運転が十分可能と判断してステップS8に移行して、以下の制御ステップを実行する。尚、合格回数は、ステップS16で閾値回数Nを超えたと判断されると「0」にクリアされるものである。
≪ステップS8≫…実施例1と同様であり説明を省略する。
≪ステップS9≫…実施例1と同様であり説明を省略する。
≪ステップS10≫…実施例1と同様であり説明を省略する。
≪ステップS11≫…実施例1と同様であり説明を省略する。
≪ステップS12≫…実施例1と同様であり省略する。
本実施形態によっても実施例1と同様に、自動運転終了地点の前に移行制御による走行を行う移行制御区間が設けられ、その区間において自動運転から手動運転への移行制御が実行される。本実施形態によって得られる作用、効果は実施例1と同様であるので、その説明は省略する。
尚、本実施形態では、運転者の運転操作信頼度の合格回数を判定した後に「手動運転モード」に移行するようにしているため、信頼度判定をより正確、確実に行うことができ、車両1の「自動運転モード」から「手動運転モード」への移行をより安全に行うことができる。
また、図13に示す制御フローではステップS110で運転操作信頼度Rが閾値RthよりもN回以上大きくならないと「手動運転モード」に移行しない例を説明したが、ステップS15の所定時間だけ「移行制御モード」の状態で走行している間に、運転者が自動運転SW31を操作して「自動運転モード」の解除を指示した場合には即座に「手動運転モード」に移行するように構成されている。
次に、本発明の第3の実施形態について説明するが、運転操作信頼度の判定に使用するパラメータが実施例1と異なっており、これ以外は実施例1と同様の構成である。図14を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。尚、車両、操舵装置、車両制御装置、操舵制御装置、操舵信頼度判定機器等の構成は実施例1と同様のため説明を省略する。また、制御フローは実施例1或いは実施例2と同様であるので、説明は省略する。
図14の操舵装置6では、ステアリングホイール11の運転者の把持部に把持圧力センサ201を組み込み、操舵制御装置10に把持圧力情報202を操舵情報の一つとして入力している。
この構成の場合、図7のステップS4の運転操作信頼度判定において、ステアリングホイール11を握る運転者の把持圧力情報202を検出し、把持圧力202の大きさによって運転操作信頼度Rを判定することができる。把持圧力情報202がない場合には、運転者はステアリングホイール11から手を放した手放し状態であり、把持圧力情報202が所定値以上ある場合は、運転者によってステアリングホイール11が強く掴まれている状態である。
このため、運転操作信頼度Rは、把持圧力情報202に一定のゲインKpをかけた値として求め、運転操作信頼度Rとして用いることができる。この把持圧力情報202から求めた運転操作信頼度Rを用いて、実施例1と同様に「移行制御モード」を実行することで、実施例1と同様の作用、効果が得られ、自動運転終了地点までに「自動運転モード」から「手動運転モード」への安全な移行を実施することができる。
また、把持圧力センサ201の変形例として、把持部に圧力スイッチを設けて運転者がこれを握った場合にスイッチ信号が立ち上がり、この立ち上がりを検出すると運転操作信頼度が高いと判定しても同様の、作用効果が得られるものである。
次に、本発明の第4の実施形態について説明するが、運転操作信頼度の判定に使用するパラメータが実施例1と異なっており、これ以外は実施例1と同様の構成である。図14を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。尚、車両、操舵装置、車両制御装置、操舵制御装置、操舵信頼度判定機器等の構成は実施例1と同様のため説明を省略する。また、制御フローは実施例1或いは実施例2と同様であるので、説明は省略する。
図15に示すように、車両制御装置17には、入力手段として運転者状態認識手段301が取り付けられ、運転者状態情報302が入力される点で実施例1と異なっている。ここで、運転者状態認識手段301とは運転者の挙動を監視するセンサーカメラや心拍計などである。
この構成の場合、図7のステップS4の運転操作信頼度判定において、運転者状態情報302を用いて運転操作信頼度Rを判定する。例えば、運転者が目を開けているかどうか、ハンドルを握っているかどうかを直接画像で検出したり、心拍数の上昇などから運転者の緊張状態などを推定したりすることで運転操作信頼度を決定する。
このような運転者状態情報302から求めた運転操作信頼度Rを用いて実施例1と同様に制御を実行することができる。この場合、この判定は車両制御装置17の信頼度判定手段40で運転操作信頼度39を算出するため、実施例1では操舵装置6で実行したステアリングホイール11の振動による判定は行わなくて良いものである。このため、操舵装置6の操舵信頼度判定器75は操舵制御量に含まれる値をそのまま使うことができる。
このような本実施形態も実施例1と同様の作用、効果が得られ、自動運転終了地点までに「自動運転モード」から「手動運転モード」への安全な移行を実施することができる。
尚、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…車両、2…車両位置把握手段、3…車両状態認識手段、4…外界認識手段、5…駆動装置、6…操舵装置、7…制動装置、8…駆動制御装置、9…アクセルペダル、10…操舵制御装置、11…ステアリングホイール、12…前輪、13…後輪、14…制動制御装置、15…ブレーキペダル、16…通知手段、17…車両制御装置、36…自動運転制御器、38…手動運転制御器、40…運転操作信頼度判定器、42…移行制御器、43…制御選択器、52…ステアリングシャフト、53…ピニオン軸、54…ラック軸、55…タイロッド、56…トルクセンサ、58…電動機、59…出力軸、60…減速機構、61…ベルト・プーリ、62…ボールねじ、63…入力端子、64…出力端子、67…操舵角センサ、71…自動操舵制御器、72…手動操舵制御器、75…操舵信頼度判定器、77…混合操舵制御器、79…操舵制御選択器、91…ステアリングホイール振動発生部、92…ステアリングホイール振動推定部、93…操舵信頼度判定部。

Claims (17)

  1. 車両位置を認識するための車両位置把握手段と、前記車両の走行状態を認識する車両状態認識手段と、前記車両の外界環境を認識するための外界認識手段と、前記車両位置、前記走行状態、前記外界環境に基づき、少なくとも前記車両の操舵装置のアクチュエータを自動的に制御する「自動運転モード」を実行する「自動運転モード」機能と運転者の操作に基づいて前記操舵装置の前記アクチュエータを制御する「手動運転モード」を実行する「手動運転モード」機能を備える操舵制御部とよりなる操舵制御装置において、
    前記操舵制御部は、
    前記「自動運転モード」中に前記「自動運転モード」から前記「手動運転モード」への移行が必要かどうかを判断する移行判断手段と、
    前記移行判断手段によって前記「自動運転モード」から前記「手動運転モード」への移行が必要と判断されると、前記「自動運転モード」から前記「手動運転モード」への移行期間を設定する移行期間設定手段と、
    前記移行期間設定手段によって設定された前記移行期間の間に、前記「手動運転モード」に移行することができるかどうかの運転者の運転操作信頼度を求める運転操作信頼度判定手段と、
    前記運転操作信頼度判定手段によって求められた前記運転操作信頼度から前記「自動運転モード」から前記「手動運転モード」に移行することができると判定された場合は、前記「自動運転モード」から前記「手動運転モード」への移行を行うように前記アクチュエータに与える制御量を制御する移行制御実行手段と
    を備えていることを特徴とする操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記運転操作信頼度判定手段は、前記「自動運転モード」を終了する終了時点より手前で前記運転者の前記運転操作信頼度を判定することを特徴とする操舵制御装置。
  3. 請求項2に記載の操舵制御装置において、
    前記終了時点は、車両専用道路の出口を終了地点とし、
    前記運転操作信頼度判定手段は、前記出口から所定距離だけ手前の間で前記運転者の前記運転操作信頼度を判定することを特徴とする操舵制御装置。
  4. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記移行判断手段によって前記「自動運転モード」の継続が難しいと判断された場合には、前記移行期間設定手段は所定時間後、或いは所定距離走行後の前記車両の位置を「自動運転モード」の終了時点として設定し、
    前記運転操作信頼度判定手段は、前記移行期間設定手段によって設定された前記所定時間後、或いは前記所定距離走行後の前記「自動運転モード」の終了時点までの間に前記運転者の前記運転操作信頼度を判定することを特徴とする操舵制御装置。
  5. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記移行制御実行手段は、前記アクチュエータに与える前記制御量を前記運転操作信頼度の大きさに応じて、前記「自動運転モード」の場合の前記制御量と前記「手動運転モード」の場合の前記制御量の混合割合を変えて前記アクチュエータに与えることを特徴とする操舵制御装置。
  6. 請求項1に記載の操舵制御装置は、
    前記操舵制御部は、
    前記「手動運転モード」で前記運転者によるステアリングホイールの操作に基づいて前記車両の車輪を転舵する前記アクチュエータを制御する手動操舵制御器と、
    前記「自動運転モード」で目標走行軌道、或いは目標走行レーンから前記車両の走行軌道、或いは走行レーンが逸脱することが予測されると、この逸脱を補正するように前記アクチュエータを制御する自動操舵制御器と、
    前記手動操舵制御器から出力される制御量と前記自動操舵制御器から出力される制御量とを、前記運転操作信頼度の大きさに応じて決められた手動操作寄与度に基づいて混合した混合制御量を求める混合操舵制御器を有し、
    前記移行制御実行手段は、前記「自動運転モード」から前記「手動運転モード」への移行を行う場合において、前記混合操舵制御器からの制御量を前記アクチュエータに与えることを特徴とする操舵制御装置。
  7. 請求項6に記載の操舵制御装置において、
    前記運転操作信頼度判定手段は、前記アクチュエータに振動発生信号を送って前記ステアリングホイールに回動振動を発生させる振動発生手段と、前記ステアリングホイールの回動振動の振動振幅を検出する振動検出手段と、前記運転者が前記ステアリングホイールを把持した時の前記振動振幅と、前記運転者が前記ステアリングホイールを把持していない時の前記振動振幅を比較し、前記運転者が前記ステアリングホイールを把持した時の前記振動振幅の減衰量に応じて前記運転操作信頼度を求める操舵信頼度判定手段とを備えていることを特徴とする操舵制御装置。
  8. 請求項7に記載の操舵制御装置において、
    前記振動発生手段から前記アクチュエータに与えられる振動の振動周波数は、前記操舵装置を用いた転舵に係る固有振動数よりも大きい値に設定されていることを特徴とする操舵制御装置。
  9. 請求項7に記載の操舵制御装置において、
    前記振動発生手段から前記アクチュエータに与えられる振動の前記振動振幅は、前記車両の走行軌道に影響を及ぼさない前記振動振幅とされていることを特徴とする操舵制御装置。
  10. 請求項7に記載の操舵制御装置において、
    前記振動検出手段は、前記ステアリングホイールの操舵角センサ、或いは前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルクセンサであることを特徴とする操舵制御装置。
  11. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記運転操作信頼度判定手段は、前記移行期間の間に所定の運転操作信頼度閾値を所定回数だけ超えたことを検出すると、前記「手動運転モード」に移行することができると判断することを特徴とする操舵制御装置。
  12. 請求項2に記載の操舵制御装置において、
    前記終了時点は車両専用道路の出口であり、
    前記運転操作信頼度判定手段は、前記出口から所定距離だけ手前の直進可能な区間の間で前記運転者の前記運転操作信頼度を判定することを特徴とする操舵制御装置。
  13. 請求項3に記載の操舵制御装置において、
    前記移行制御実行手段は、前記終了地点に到達後に前記運転操作信頼度判定手段によって前記運転者の前記運転操作信頼度が低いと判断された場合は、「自動運転モード」で前記車両の走行を継続することを特徴とする操舵制御装置。
  14. 請求項3に記載の操舵制御装置において、
    前記終了地点に到達後に前記運転操作信頼度判定手段によって前記運転者の前記運転操作信頼度が低いと判断された場合は、「自動運転モード」で前記車両の走行を継続すると共に、「自動運転モード」によって路肩に誘導、停車すること特徴とする操舵制御装置。
  15. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記操舵制御部は、「自動運転モード」から「手動運転モード」への移行が必要と判断した場合に、前記運転者に「移行制御モード」を実行することを通知する通知手段を備えていることを特徴とする操舵制御装置。
  16. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記運転操作信頼度判定手段は、前記運転者の挙動を検知する運転者状態検知手段であり、前記運転者状態検知手段で検出された前記運転者の挙動からの前記運転操作信頼度を求めることを特徴とする操舵制御装置。
  17. 車両位置を認識するための車両位置把握手段と、車両走行状態を認識する車両状態認識手段と、周辺環境を認識するための外界認識手段と、前記車両位置、前記車両走行状態、前記周辺環境に基づき少なくとも前記車両の操舵装置を自動的に制御する「自動運転モード」と運転者の操作に基づく「手動運転モード」を実行する操舵制御部とを備えている操舵制御装置の制御方法において、
    前記操舵制御部は、
    前記「自動運転モード」中に前記「自動運転モード」から前記「手動運転モード」への移行が必要と判断した場合に、前記「自動運転モード」から前記「手動運転モード」への移行期間を設定し、
    前記移行期間の間に前記「手動運転モード」に移行することができるかどうかの運転者の運転操作信頼度を判定し、
    前記運転操作信頼度から前記「手動運転モード」に移行することができると判定された場合は、前記「自動運転モード」から前記「手動運転モード」への移行を許可する、移行制御モードを実行する
    ことを特徴とする操舵制御装置の制御方法。
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