JP6264031B2 - 操舵装置 - Google Patents
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Description
操舵装置1は、操舵機構10、転舵機構20、および、制御装置30を有している。操舵装置1は、操舵部材110の操作に基づいて転舵輪100を転舵させる。操舵装置1は、操舵部材110と転舵輪100とが機械的に連結されていないステアバイワイヤシステムを構成している。
転舵駆動部23は、転舵モータ24およびボールねじ機構25を有している。転舵モータ24は、ラックシャフト21と同軸に配置されている。転舵モータ24のロータ(図示略)は、ボールねじ機構25と接続されている。そして、ロータの回転は、ボールねじ機構25によりラックシャフト21の往復動に変換される。そして、ラックシャフト21は、往復動することによりタイロッド22を介して転舵輪100を転舵させる。
操舵切替操作部33は、運転者の切替操作に基づいて手動転舵モードおよび自動転舵モードを切り替えるための指示信号を制御装置30に出力する。
カメラ123は、路面(図示略)の画像を撮影する。カメラ123は、路面の画像を制御装置30に出力する。
制御装置30は、手動操舵モード、自動操舵モード、調整モード、および、緊急操舵モードを有している。
手動操舵条件は、以下の(a)および(b)の条件を有する。制御装置30は、(a)および(b)のいずれかの条件を満たすとき、手動操舵条件が成立したと判定する。
(a)操舵トルクTSの絶対値がトルク閾値TSX以上であること。
(b)操舵切替操作部33(図1参照)により手動操舵モードに変更する操作がされたこと。
制御装置30は、ステップS11において肯定判定のとき、ステップS12において車両が緊急回避しているか否かを判定する。
制御装置30は、手動操舵モードを実行しているとき、操舵部材110に操舵反力を付与する反力付与制御、および、操舵部材110の操作に基づいて転舵輪100を転舵させる車輪転舵制御を実行する。また制御装置30は、自動操舵モードを実行しているとき、車線(図示略)内に車両を維持させるように転舵角θwを変更する自動操舵制御を実行する。また制御装置30は、調整モードを実行しているとき、操舵角θsと転舵角θwとの関係を予め規定された関係に調整する、すなわち、操舵角θsと対応操舵角θsrとの偏差をなくすように操舵部材110の操作位置を調整する位置調整制御を実行する。また制御装置30は、緊急操舵モードを実行しているとき、操舵部材110の動作に応じて転舵機構20を制御する緊急操舵制御を実行する。
制御装置30には、車速VS、操舵角θs、およびモータトルクの関係を示すマップ(図示略)が記憶されている。マップにおいて、モータトルクは、車速VSが小さくなるにつれて大きくなる。
制御装置30には、操舵角θsと転舵角θwとの関係を示したマップ(以下、「マップMP」)が記憶されている。マップMPは、一例として、図3に示されたマップが挙げられる。図3に示されるように、マップMPは、操舵角θsおよび転舵角θwは比例関係を有する。図3の直線SLは、操舵角θsと転舵角θwとの予め規定された関係を示している。また制御装置30には、車速VSの大きさに応じて直線SLの傾きが変更されたマップMPが記憶されている。制御装置30は、マップMPを用いて、転舵角θwに対応する操舵角(以下、「対応操舵角θsr」)を算出する。
制御装置30は、路面の画像を処理することにより、車線を規定するマーカ(白線)を検出する。そして、制御装置30は、マーカに基づいて車線内に車両を維持するための目標転舵角を算出する。そして、制御装置30は、転舵角θwが目標転舵角となるように転舵モータ24をPWM制御する。なお、操舵部材110は、自動操舵制御が実行されている期間において、中立位置(θs=0°)に維持される。
制御装置30は、自動操舵モードから手動操舵モードに変更するとき、マップMPに基づいて、転舵角θwから対応操舵角θsrを算出する。制御装置30は、操舵角θsが対応操舵角θsrとなるように操舵モータ13をPWM制御する。これにより、操舵角θsと転舵角θwとの関係が予め規定された関係となるように調整される。制御装置30は、操舵角θsが対応操舵角θsrに向けて変更されている間、自動操舵モードを維持している。そして、制御装置30は、操舵角θsが対応操舵角θsrに一致したとき、自動操舵モードから手動操舵モードに切り替える。
緊急操舵制御は、緊急車輪転舵制御および緊急反力付与制御を含む。緊急車輪転舵制御および緊急反力付与制御は、車両が緊急回避していないときの車輪転舵制御および反力付与制御とは異なる制御を実行する。緊急操舵制御は、車両の緊急回避が完了した後、操舵角θsと転舵角θwとの関係を予め規定された関係となるように調整する。
制御装置30は、自動操舵モードを実行している場合において、例えば転舵輪100が右旋回方向に転舵されて転舵角θwが転舵角θwa(θwa>0°)となった状態で車両が緊急回避していると判定したとき、転舵角θwaを記憶する。
制御装置30は、自動操舵モードを実行している場合において、例えば転舵輪100が右旋回方向に転舵されて転舵角θwが転舵角θwa(θwa>0°)となったときに車両が緊急回避していると判定したとき、転舵角θwaを記憶する。
この緊急操舵制御は、車両が緊急回避しているときに緊急反力付与制御および緊急車輪転舵制御を実行する(ステップS21)。そして、緊急回避制御は、緊急回避が完了したか否かを判定し(ステップS22〜S25)、車両の緊急回避が完了したと判定した場合に、調整モードを実行する(ステップS27)。以下、その処理手順を説明する。
次に、制御装置30(図1参照)は、ステップS22において転舵輪100(図1参照)の転舵速度(以下、「転舵速度γ」)の絶対値が転舵速度閾値γX以下か否かを判定する。転舵速度γは、転舵角θwの単位時間当たりの変化量を示す。転舵速度閾値γXは、車両の姿勢が一定であると判定される転舵速度γの上限値を示す。転舵速度閾値γXは、試験等により予め設定されている。なお、車両の姿勢が一定とは、車両の挙動が安定した状態である。車両の姿勢が一定となる状態は、車両が直進するときには直進が維持された状態であり、車両が旋回しているときには旋回半径が一定となる状態を示す。
時刻t1〜t2の期間において、制御装置30が自動操舵モードを実行しており、車両が右旋回となる路面を走行している。そして、時刻t2〜t7の期間において、運転者が車両に緊急回避させるため、操舵部材110を急激に操作している。
・変形例の転舵機構20は、ラックシャフト21の長手方向の変位を検出する変位センサ(図示略)を有する。この場合、変位センサが検出するラックシャフト21の変位量に基づいて転舵角θwを算出してもよい。
(a)制御装置30は、ブレーキ踏込速度が踏込速度閾値以上か否かを判定する。制御装置30は、ブレーキ踏込速度が踏込速度閾値以上のとき、車両に緊急回避が要求されるときであると判定する。なお、踏込速度閾値は、試験等により予め設定される。
(b)制御装置30は、車両前方に障害物がある場合、障害物と車両との距離が閾値以下か否かを判定する。制御装置30は、障害物と車両との距離が閾値以下のとき、車両に緊急回避が要求されるときであると判定する。なお、閾値は、試験等により予め設定される。また、障害物と車両との距離の計測は、一例としてミリ波レーダを用いる。
・上記実施形態の緊急操舵制御において、車両の緊急回避が完了したと判定したとき、手動で操舵角θsと転舵角θwとの関係を予め規定された関係に調整してもよい。
・上記実施形態の制御装置30において、操舵部材110の操舵角θsと転舵輪100の転舵角θwとの関係を調整する方法を、以下の(A)および(B)の方法に変更してもよい。
(A)制御装置30は、マップMPを用いて転舵角θwと操舵角θsとの関係を予め規定した関係となるように転舵機構20を動作させる。
(B)制御装置30は、マップMPを用いて転舵角θwと操舵角θsとの関係を予め規定した関係となるように操舵機構10および転舵機構20を動作させる。
(付記)前記車両が緊急回避しているとき、操作速度に応じて前記操舵角の変化量に対する前記転舵角の変化量を変更する請求項5に記載の操舵装置。
Claims (8)
- 操舵部材と機械的に連結されず、転舵輪と機械的に連結される転舵機構と、
前記転舵機構を制御することにより前記転舵輪を転舵させる制御装置と
を備える操舵装置であって、
前記制御装置は、
運転者による前記操舵部材の操作に応じて前記転舵機構を制御する手動操舵モードと、前記転舵機構を制御することにより転舵輪を自動的に転舵させる自動操舵モードと、前記自動操舵モードを実行しているときに前記手動操舵モードを実行するための手動操舵条件が成立したことに基づいて、前記操舵部材の操舵角と前記転舵輪の転舵角との関係を調整するための調整モードとを含み、
前記手動操舵条件が成立した場合であっても、車両が緊急回避しているとき、または、前記車両に緊急回避が要求されると予測したときには、前記調整モードを実行することなく前記手動操舵モードを開始する
操舵装置。 - 前記制御装置は、前記操舵部材の操作速度が閾値以上であることに基づいて、前記車両が緊急回避していると予測する
請求項1に記載の操舵装置。 - 前記制御装置は、前記調整モードを実行することなく前記手動操舵モードを開始した後、前記車両の挙動が安定していると予測したことに基づいて、前記調整モードを開始する
請求項1または2に記載の操舵装置。 - 前記制御装置は、前記調整モードを実行することなく前記手動操舵モードを開始したとき、その手動操舵モードにおける前記操舵部材の操舵角と前記転舵輪の転舵角との関係を保持する
請求項1〜3のいずれか一項に記載の操舵装置。 - 前記制御装置は、前記調整モードを実行することなく前記手動操舵モードを開始したとき、その手動操舵モードにおける前記操舵角の変化量に対する前記転舵角の変化量を、前記調整モードを実行した後に前記手動操舵モードを開始したときにおける前記操舵角の変化量に対する前記転舵角の変化量よりも大きくする制御を実行する
請求項1〜4のいずれか一項に記載の操舵装置。 - 前記制御装置は、
前記自動操舵モードを実行しているときに、前記操舵角と前記転舵角との関係が予め規定された関係からずれた後において、前記調整モードを実行することなく前記手動操舵モードを開始し、前記操舵角の変化量に対する前記転舵角の変化量を大きくする前記制御を実行することにより、前記操舵角に対して前記転舵角がずれている方向に前記操舵部材が操作されたとき、前記操舵角と前記転舵角との関係と、前記予め規定された関係とのずれの度合を拡大させる
請求項5に記載の操舵装置。 - 前記制御装置は、
前記自動操舵モードを実行しているときに、前記操舵角と前記転舵角との関係が予め規定された関係からずれた後において、前記調整モードを実行することなく前記手動操舵モードを開始し、前記操舵角の変化量に対する前記転舵角の変化量を大きくする前記制御を実行することにより、前記操舵角に対して前記転舵角がずれている方向とは反対方向に前記操舵部材が操作されたとき、前記操舵角と前記転舵角との関係と、前記予め規定された関係とのずれの度合を縮小させる
請求項5に記載の操舵装置。 - 前記制御装置は、前記手動操舵条件が成立したときの転舵角と、前記運転者による前記操舵部材の操作後の操舵角に対応する転舵角とを加算した目標転舵角を算出し、前記転舵輪の転舵角が前記目標転舵角となるように調節する緊急操舵モードをさらに含み、
前記手動操舵条件が成立した場合であっても、車両が緊急回避しているとき、または、前記車両に緊急回避が要求されると予測したときには、前記調整モードを実行することなく、前記緊急操舵モードを経て前記手動操舵モードを開始する
請求項1〜7のいずれか一項に記載の操舵装置。
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