JPWO2017195791A1 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
ポリエステル樹脂と、ポリエステル樹脂組成物の総量に対して1〜500ppmの群青と、を含有し、
前記ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位とを含み、
該ジオール構成単位が、環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位を含み、
該環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位の含有量が、前記ジオール構成単位の総量に対して、1〜60モル%である、
ポリエステル樹脂組成物。
[2]
前記環状アセタール骨格を有するジオールが、下記式(1)及び/又は式(2)で表されるジオールである、[1]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[3]
前記環状アセタール骨格を有するジオールが、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン又は5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンである、[1]又は[2]に記載のポリエステル樹脂組成物。
本実施形態のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂と、ポリエステル樹脂組成物の総量に対して1〜500ppmの群青と、を含有し、前記ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位とを含み、該ジオール構成単位が環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位を含み、該環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位の含有量が、前記ジオール構成単位の総量に対して、1〜60モル%である。
コバルト化合物等の他の色材と比較して、群青を用いることにより、環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位を含むポリエステル樹脂を高温で成形して得られる成形体、又は成形機内に長時間滞留させて成形して得られる成形体の色調をより良好に保つことができる。また、驚くべきことに、群青を用いることにより、長時間高温化の条件で放置した場合でもゲル化しにくく、射出成形や押出成形等における熱安定性が優れるものとなる。
本実施形態に用いられるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位とを含み、該ジオール構成単位が環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位を含み、該環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位の含有量が、前記ジオール構成単位の総量に対して、1〜60モル%であるものである。
ジオール構成単位は、環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位を含み、必要に応じて、その他のジオールに由来する構成単位を含んでもよい。
環状アセタール骨格を有するジオールとしては、特に限定されないが、例えば、式(1)及び/又は式(2)で表されるジオールが好ましい。このようなジオールを用いることにより、環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位を含むポリエステル樹脂の特性である、非晶性(透明性)や耐熱性がより向上する傾向にある。
環状アセタール骨格を有するジオール以外のその他のジオールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール類;1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノール等の脂環式ジオール類;4,4'−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(別名ビスフェノールF)、4,4'−シクロヘキシリデンビスフェノール(別名ビスフェノールZ)、4,4'−スルホニルビスフェノール(別名ビスフェノールS)等のビスフェノール類;上記ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物;及び上記芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
ジカルボン酸構成単位としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位が挙げられる。
ポリエステル樹脂を製造する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を適用することができる。例えば、エステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法または溶液重合法を挙げることができる。
本実施形態のポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、上記ポリエステルと、ポリエステル樹脂組成物の総量に対して1〜500ppmの群青と、が混合された状態であるポリエステル樹脂組成物を得る工程を有する方法であれば特に制限されない。
本実施形態のポリエステル樹脂組成物のペレットの色調(a値、b値、YI)は、JIS−Z−8722に準じて測定することができる。このようにして測定されたポリエステル樹脂組成物のペレットのa値は、好ましくは+8.0〜−8.0であり、より好ましくは+5.0〜−5.0であり、さらに好ましくは+3.0〜−3.0である。b値は、好ましくは+4.0〜−10.0であり、より好ましくは+3.0〜−8.0であり、さらに好ましくは+2.5〜−5.0である。YIは、好ましくは+12.0〜−30.0であり、より好ましくは+10.0〜−24.0であり、さらに好ましくは+7.0〜−15.0である。ペレットの色調(a値、b値、YI)の測定には、日本電色工業社製の測色色差計(型式:ZE2000)を使用することができる。ペレットの色調(a値、b値、YI)のより詳細な測定方法としては、実施例に記載した方法を用いることができる。
本実施形態のポリエステル樹脂組成物のゲル化率は、以下の方法で算出することができる。乾燥させたポリエステル樹脂組成物ペレットをSUS製容器に加え窒素で置換した後に密閉する。その後、SUS製容器中のポリエステル樹脂組成物のペレットを、270℃又は290℃で所定時間加熱した後、クロロホルムに溶解し、不溶物を吸引ろ過する。フィルター上に得られた不溶物を、その重量が恒量に達するまで乾燥し、初期ペレット量(SUS製容器に封入した時のポリエステル樹脂組成物のペレット重量)に対する重量比をゲル化率として算出することができる。
本実施形態のポリエステル樹脂組成物の成形方法は、特に限定されず、射出成形、押出成形、カレンダー成形、押出し発泡成形、押出しブロー成形、インジェクションブロー成形等の従来公知の方法を用いることができる。
本実施形態のポリエステル樹脂組成物の成形体の色調(YI)は、好ましくは+5.0〜−10.0であり、より好ましくは+4.0〜−7.0であり、さらに好ましくは+3.0〜−4.0である。成形体の色調(YI)の測定には、日本電色工業社製の色差・濁度測定装置(型式:COH−400、以下黄変度1〜3の測定においても同様とする。)を使用することができる。成形体の色調(YI)のより詳細な測定方法としては、実施例に記載した方法を用いることができる。
射出成型時のシリンダ温度265℃、射出成形時のシリンダ内での滞留時間2分の条件で本実施形態のポリエステル樹脂組成物を用いて作製した射出成形片の色調(YI1)と、射出成型時のシリンダ温度265℃、射出成形時のシリンダ内での滞留時間5分の条件で作製した射出成形片の色調(YI2)の差分を、黄変度1(ΔYI)とする。この場合、黄変度1(ΔYI)は、好ましくは+0.25以下であり、より好ましくは+0.23以下であり、さらに好ましくは+0.20以下である。
射出成型時のシリンダ温度265℃、射出成形時のシリンダ内での滞留時間2分の条件で本実施形態のポリエステル樹脂組成物を用いて作製した射出成形片の色調(YI1)と、射出成型時のシリンダ温度285℃、射出成形時のシリンダ内での滞留時間2分の条件で作製した射出成形片の色調(YI3)の差分を、黄変度2(ΔYI)とする。この場合、黄変度2(ΔYI)は、好ましくは+0.25以下であり、より好ましくは+0.23以下であり、さらに好ましくは+0.20以下である。
射出成型時のシリンダ温度285℃、射出成形時のシリンダ内での滞留時間2分の条件で本実施形態のポリエステル樹脂組成物を用いて作製した射出成形片の色調(YI3)と、射出成型時のシリンダ温度285℃、射出成形時のシリンダ内での滞留時間5分の条件で作製した射出成形片の色調(YI4)の差分を、黄変度3(ΔYI)とする。この場合、黄変度3(ΔYI)は、好ましくは+0.25以下であり、より好ましくは+0.23以下であり、さらに好ましくは+0.20以下である。
本実施形態のポリエステル樹脂組成物に含まれる群青凝集物の大きさは、以下の方法で算出することができる。乾燥させたポリエステル樹脂組成物ペレットを単軸押出機にて所定のフィルム作製条件にて押出成形を行い、100μmのフィルム得る。得られたフィルムにおいて、10cm四方を実体顕微鏡にて走査し群青凝集物を確認する。確認した群青凝集物の最大幅を測定し、群青凝集物の大きさとする。
本実施形態のポリエステル樹脂組成物は、種々の用途に用いることができる。例えば、射出成形体、シート、フィルム、パイプ等の押し出し成形体、ボトル、発泡体、粘着材、接着剤、塗料等に用いることができる。更に詳しく述べるとすれば、シートは単層でも多層でもよく、フィルムも単層でも多層でもよく、また未延伸のものでも、一方向、又は二方向に延伸されたものでもよく、鋼板などに積層してもよい。ボトルはダイレクトブローボトルでもインジェクションブローボトルでもよく、射出成形されたものでもよい。発泡体は、ビーズ発泡体でも押出し発泡体でもよい。
〔実施例1〕
分縮器、全縮器、コールドトラップ、トルク検出機付き攪拌機、加熱装置、及び窒素導入管を備えた30Lのポリエステル樹脂製造装置にテレフタル酸ジメチル10999g、エチレングリコール5977g、スピログリコール5242g、チタンテトラブトキシド0.9638gを仕込み、225℃まで昇温しつつ常法にてエステル交換反応を行った。エステル交換反応にて生成するメタノールの留出量が理論量の90%(3267g)となった後、反応液に対して、二酸化ゲルマニウム1.4813g、リン酸トリエチル5.1586g、及び群青(商品名「Nubix G−58」、Nubiola社製)を加えた。その後、反応液を225℃に維持したまま13.3kPaまで1時間かけて減圧した後、270℃、130Paまで1時間かけて昇温、減圧して重縮合反応を行った。そして、撹拌速度を100rpmから徐々に下げていき、撹拌速度が10rpm、攪拌機のトルクが200N・mとなったところで反応を終了しポリエステル樹脂をペレットとして約12kgを得た。なお、群青は、得られるポリエステル樹脂組成物の総量に対して25ppmとなる量を用いた。なお、マルバーン社製のMASTERSIZERSを用いて測定された群青の体積基準のメディアン径d50は、1.13μmであり、体積基準の90%粒子径は、10.33μmであった。
群青の使用量をポリエステル樹脂組成物の総量に対して10ppm用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、ポリエステル樹脂組成物をペレットとして得た。
群青の使用量をポリエステル樹脂組成物の総量に対して2ppm用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、ポリエステル樹脂組成物をペレットとして得た。
分縮器、全縮器、コールドトラップ、トルク検出機付き攪拌機、加熱装置、及び窒素導入管を備えた30Lのポリエステル樹脂製造装置にテレフタル酸ジメチル13460g、エチレングリコール8174g、スピログリコール2138g、チタンテトラブトキシド1.1795gを仕込み、225℃まで昇温しつつ常法にてエステル交換反応を行った。エステル交換反応にて生成するメタノールの留出量が理論量の90%(3997g)となった後、反応液に対して、二酸化ゲルマニウム1.8127g、リン酸トリエチル6.3128g、及び群青(商品名「Nubiflow」、Nubiola社製)を加えた。その後、反応液を225℃に維持したまま13.3kPaまで1時間かけて減圧した後、270℃、130Paまで1時間かけて昇温、減圧して重縮合反応を行った。そして、撹拌速度を100rpmから徐々に下げていき、撹拌速度が10rpm、攪拌機のトルクが200N・mとなったところで反応を終了しポリエステル樹脂をペレットとして約12kgを得た。なお、群青は、得られるポリエステル樹脂組成物の総量に対して7ppmとなる量を用いた。なお、マルバーン社製のMASTERSIZERSを用いて測定された群青の体積基準のメディアン径d50は、1.12μmであり、体積基準の90%粒子径は、2.18μmであった。
分縮器、全縮器、コールドトラップ、トルク検出機付き攪拌機、加熱装置、及び窒素導入管を備えた30Lのポリエステル樹脂製造装置にテレフタル酸ジメチル12105g、エチレングリコール6965g、スピログリコール3846g、チタンテトラブトキシド1.0608gを仕込み、225℃まで昇温しつつ常法にてエステル交換反応を行った。エステル交換反応にて生成するメタノールの留出量が理論量の90%(3595g)となった後、反応液に対して、二酸化ゲルマニウム1.6303g、リン酸トリエチル5.6776g、及び群青(商品名「Nubiflow」、Nubiola社製)を加えた。その後、反応液を225℃に維持したまま13.3kPaまで1時間かけて減圧した後、270℃、130Paまで1時間かけて昇温、減圧して重縮合反応を行った。そして、撹拌速度を100rpmから徐々に下げていき、撹拌速度が10rpm、攪拌機のトルクが200N・mとなったところで反応を終了しポリエステル樹脂をペレットとして約12kgを得た。なお、群青は、得られるポリエステル樹脂組成物の総量に対して7ppmとなる量を用いた。なお、マルバーン社製のMASTERSIZERSを用いて測定された群青の体積基準のメディアン径d50は、1.12μmであり、体積基準の90%粒子径は、2.18μmであった。
群青として商品名「Nubiflow」(Nubiola社製)を用いたことおよび、群青の使用量をポリエステル樹脂組成物の総量に対して7ppm用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、ポリエステル樹脂組成物をペレットとして得た。なお、群青はマルバーン社製のMASTERSIZERSを用いて測定された体積基準のメディアン径d50が1.12μmであり、体積基準の90%粒子径が2.18μmであった。
分縮器、全縮器、コールドトラップ、トルク検出機付き攪拌機、加熱装置、及び窒素導入管を備えた30Lのポリエステル樹脂製造装置にテレフタル酸ジメチル9673g、エチレングリコール4792g、スピログリコール6915g、チタンテトラブトキシド0.8476gを仕込み、225℃まで昇温しつつ常法にてエステル交換反応を行った。エステル交換反応にて生成するメタノールの留出量が理論量の90%(2872g)となった後、反応液に対して、二酸化ゲルマニウム1.3027g、リン酸トリエチル4.5365g、及び群青(商品名「Nubiflow」、Nubiola社製)を加えた。その後、反応液を225℃に維持したまま13.3kPaまで1時間かけて減圧した後、270℃、130Paまで1時間かけて昇温、減圧して重縮合反応を行った。そして、撹拌速度を100rpmから徐々に下げていき、撹拌速度が10rpm、攪拌機のトルクが200N・mとなったところで反応を終了しポリエステル樹脂をペレットとして約12kgを得た。なお、群青は、得られるポリエステル樹脂組成物の総量に対して10ppmとなる量を用いた。なお、マルバーン社製のMASTERSIZERSを用いて測定された群青の体積基準のメディアン径d50は、1.12μmであり、体積基準の90%粒子径は、2.18μmであった。
群青に代えて、酢酸コバルトをポリエステル樹脂組成物の総量に対して、コバルト元素当たりの値として、10ppm用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、ポリエステル樹脂組成物をペレットとして得た。
群青に代えて、フタロシアニンブルー(Pigment Blue 15:3)をポリエステル樹脂組成物の総量に対して、2.5ppm用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、ポリエステル樹脂組成物をペレットとして得た。
群青に代えて、フタロシアニンブルー(Pigment Blue 15)をポリエステル樹脂組成物の総量に対して、2.5ppm用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、ポリエステル樹脂組成物をペレットとして得た。
群青を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の操作により、ポリエステル樹脂組成物をペレットとして得た。
参考例1では、ポリエステル樹脂として環状アセタール骨格を含むジオールを含まず、かつコバルト化合物をポリエステル樹脂組成物の総量に対して、コバルト元素当たりの値として、14ppm含むポリエチレンテレフタレート樹脂である三菱化学株式会社製の「ユニペット(BK2180)」をそのまま使用した。
実施例1〜7、比較例1〜4、及び参考例1で得られたポリエステル樹脂組成物のペレットの色調(a値、b値、YI)を、JIS−Z−8722に準じて測定した。使用した測定装置は、日本電色工業社製の測色色差計(型式:ZE2000)であった。得られた評価結果を表1に示す。
実施例1、2、5及び7、比較例1及び4で得られたポリエステル樹脂組成物のペレットのゲル化率は、以下の方法で算出した。乾燥させたポリエステル樹脂組成物のペレットをSUS製容器に加え、容器内を窒素で置換した後に密閉した。その後、SUS製容器中のポリエステル樹脂組成物のペレットを、270℃又は290℃で所定時間加熱した後、クロロホルムに溶解し、不溶物を吸引ろ過した。フィルター上に得られた不溶物を、その重量が恒量に達するまで乾燥し、初期ペレット量(SUS製容器に封入した時のポリエステル樹脂組成物のペレット重量)に対する重量比をゲル化率として算出した。なお、290℃における加熱時間は、18時間、24時間、及び30時間として、それぞれの加熱時間ごとのゲル化率を測定した。また、270℃における加熱時間は、42時間及び60時間として、それぞれの加熱時間ごとのゲル化率を測定した。
射出成形片の色調の測定のため、実施例1〜7及び比較例1で得られたポリエステル樹脂組成物を射出成形した。射出成形には住友重機械工業製射出成型機(型式:SE130DU)を用いた。スクリュー回転数80rpm、射出成型時のシリンダ温度265℃、射出成形時のシリンダ内での滞留時間2分の条件で、3.2mm厚の射出成形片を作製した。得られた射出成形片の色調(YI1)を、JIS−K−7105に準じて、射出成形体を48時間調湿後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で測定した。使用した測定装置は、日本電色工業社製の色差・濁度測定装置(型式:COH−400)であった。
実施例1〜7及び比較例1において、色調(YI1)と色調(YI2)の差分を算出し、黄変度1(ΔYI)を求めた。得られた評価結果を表1に示す。
実施例1〜7、及び比較例1において、色調(YI1)と色調(YI3)の差分を算出し、黄変度2(ΔYI)を求めた。得られた評価結果を表1に示す。
実施例2〜6、及び参考例1において、色調(YI3)と色調(YI4)の差分を算出し、黄変度3(ΔYI)を求めた。得られた評価結果を表1に示す。
上記のようにして得られたポリエステル樹脂組成物ペレットを二軸押出機(株式会社プラスチック工学研究所社製、製品名BTN−30−S2−30−A型押出機、スクリュー径:29.75mmφ、L/D:30)にて、Tダイ法によりシリンダー温度245〜265℃、Tダイ温度240〜260℃、スクリュー回転数80rpm、冷却ロール温度60〜110℃の作製条件にて押出成形を行い、100μmのフィルム得た。得られたフィルムにおいて、10cm四方を実体顕微鏡にて走査し群青凝集物を確認した。確認した群青凝集物の最大幅を測定し、群青凝集物の大きさとした。
Claims (3)
- ポリエステル樹脂と、ポリエステル樹脂組成物の総量に対して1〜500ppmの群青と、を含有し、
前記ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位とを含み、
該ジオール構成単位が、環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位を含み、
該環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位の含有量が、前記ジオール構成単位の総量に対して、1〜60モル%である、
ポリエステル樹脂組成物。 - 前記環状アセタール骨格を有するジオールが、下記式(1)及び/又は式(2)で表されるジオールである、請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記環状アセタール骨格を有するジオールが、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン又は5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンである、請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
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