JP2019073639A - ポリエステル樹脂及びブロー成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
また、テレフタル酸とエチレングリコールを主成分とするポリエステルにおいて、共重合成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いた共重合ポリエステル樹脂及びそれからなるボトルが提案されている(例えば特許文献2参照)。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(2)を要旨とするものである。
(1)エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とし、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合成分として2〜15モル%含有するポリエステル樹脂であって、極限粘度が0.9〜1.4であり、280℃にて厚み20μmのシートを溶融押出して得られるシート中に存在する直径300μm以上の異物数が3個/m2以下であり、かつ樹脂の密度が1.370g/cm3以下であることを特徴とするポリエステル樹脂。
(2)(1)記載のポリエステル樹脂を含有するブロー成形品。
そして、本発明のブロー成形品は、本発明のポリエステル樹脂を含むものであるため、透明性に優れた外観及び耐衝撃性を有しており、種々の用途に用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂(以下、本発明の樹脂と略することがある)は成形用に好適なものであり、中でも、ダイレクトブロー成形法に好適なものである。
本発明のポリエステル樹脂の酸成分は、85モル%以上がテレフタル酸であることが好ましく、中でも95モル%以上がテレフタル酸であることが好ましい。テレフタル酸の割合が85モル%未満であると、得られるポリエステル樹脂の結晶性や耐熱性が劣るものとなりやすい。
まず、共重合成分である1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は、グリコール成分の2〜15モル%であり、中でも3〜8モル%であることが好ましい。
これら3種類の成分以外のグリコール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等を用いることができる。
また、ポリエステル樹脂の熱分解による着色を抑制するために酢酸コバルト等のコバルト化合物、酢酸マンガン等のマンガン化合物、アントラキノン系染料化合物、銅フタロシアニン系化合物等の添加剤やフェノール系酸化防止剤、ホスフェート系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などの酸化防止剤を用いることができ、これらは単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
まず、ポリエステル樹脂の極限粘度は、0.90〜1.40である。なお、極限粘度(IV)は、フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、温度20℃で測定するものである。
極限粘度が0.90未満の場合は、ブロー成形時のドローダウンが大きくなり、成形が困難になる。一方、極限粘度が1.40を超える場合は、成形温度を上げる必要があり、得られる成形品の色調や透明性が悪くなる。
ポリエステル樹脂中の異物数は、具体的には、本発明のポリエステル樹脂を280℃で溶融押出しし、厚み20μmのシートを作製し、シート中に存在する直径300μm以上の異物数をカウントするものである。このとき、OCS社製ME20/2800V3、CR9、FSA200を用いて、シートの作製と直径300μm以上の異物の検出を行なうものである。
そして、本発明のポリエステル樹脂は、シート中に存在する直径300μm以上の異物数が3個/m2以下であり、中でも2.5個/m2以下であることが好ましい。
上記異物数以下であることで、異物数が少なく成形性が良好となり、耐衝撃性に優れる成形体を得ることができる。一方、上記異物数を超えると、成形時に異物により成形性が劣るものとなり、得られる成形品は外観の品位が悪くなったり、一見外観は悪くない場合であっても耐衝撃性に劣るものとなる。
島津製作所社製AUX220、SMK−401を用いて、5回測定した後に得られた数値の最大値と最小値を除いた3点の平均値から求めるものである。
ポリエステル樹脂中の異物数を上記の個数以下にし、かつ密度を1.370以下にすることにより、重量を一定とした場合に得られる成形品が肉厚なものとなることもあり、耐衝撃性に優れた成形品を得ることができる。
常圧から1hPa以下の減圧下にするまでに要する時間が75分未満であったり、この間の溶融重合温度が270℃を超える場合は、減圧速度が速くなるため、重合缶内の内容物の泡立ちが激しくなるため、重合缶内の炭化物等の異物を捕集したり、ゲル状物が生じることにより、直径300μm以上の異物数が増加する。また、得られるポリエステル樹脂の密度が高くなる。
一方、常圧から1hPa以下の減圧下にするまでに要する時間が120分を超えたり、この間の溶融重合温度が240℃未満の場合は、トータルの溶融重合反応時間が長くなるため、得られるポリエステル樹脂が劣化する。
ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド等が挙げられ、重合触媒活性、得られるポリエステル樹脂の物性及びコストの点から、二酸化ゲルマニウムが好ましい。
(a)極限粘度
前記と同様の方法で測定した。
(b)共重合成分の共重合量
得られたポリエステル樹脂を、重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比が1/20の混合溶媒に溶解させ、日本電子社製JNM−ECZ−400R型NMR装置にて1H−NMRを測定し、得られたチャートの各成分のプロトンのピークの積分強度から、共重合量を求めた。
(c)異物数
得られたポリエステル樹脂を、OCS社製ME20/2800V3、CR9、FSA200を用いて、280℃にて厚み20μmのシートを溶融押出し、得られるシート中に存在する直径(円相当径)300μm以上の異物を検出した。
(d)密度
得られたポリエステル樹脂を、島津製作所社製AUX220、SMK−401を用いて、5回測定した後に得られた数値の最大値と最小値を除いた3点の平均値から求めた。
(e)成形性
得られた成形品(サンプル数100本)を目視にて観察し、異物を含有している成形品の個数で以下のように3段階で評価した。
1本以内・・・○
2〜4本・・・△
5本以上・・・×
(f)耐衝撃性
得られた成形品(サンプル数100本)に水400mlを充填し、150cm高さから落下させた際に割れが生じた成形品の個数で以下のように3段階で評価した。
1本以内・・・○
2〜4本・・・△
5本以上・・・×
〔ポリエステル樹脂〕
エステル化反応器に、テレフタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)のスラリー(TPA/EGモル比=1/1.6)を供給し、温度250℃、圧力50hPaの条件で反応させ、エステル化反応率95%の反応生成物(数平均重合度:5)を得た。
TPAとEGの反応生成物60.3質量部を重合反応器に仕込み、続いて、1,4−シクロヘキサンジメタノール3.9質量部、重合触媒として二酸化ゲルマニウム0.008質量部、トリエチルフォスフェート0.016質量部、酢酸コバルト0.004質量部を、それぞれ加え、反応器を120分間かけて270℃で最終圧力0.9hPaまで減圧した後、温度280℃で5時間、溶融重合反応を行い、極限粘度0.66のポリエステル樹脂を得た。
次に、このプレポリマーを150℃で5時間予備乾燥した後、窒素気流中で210℃、30時間固相重合し、ポリエステル樹脂を得た。
〔ブロー成形体〕
得られたポリエステル樹脂を用い、乾燥させた後、ダイレクトブロー成形機を用いて、押出温度260℃、パリソン径3cmで長さが25cmとなったところで成形し、500mlの中空容器(ダイレクトブロー成形品)を得た。
1,4−シクロヘキサンジメタノールの共重合量を表1に示すように変更し、また、溶融重合時の1hPa以下の圧力に到達するまでの時間とそのときの溶融重合温度、トータルの溶融重合時間を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂を用い、実施例1と同様にしてダイレクトブロー成形品を作製した。
エステル化反応器に、テレフタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)のスラリー(TPA/EGモル比=1/1.6)を供給し、温度250℃、圧力50hPaの条件で反応させ、エステル化反応率95%の反応生成物(数平均重合度:5)を得た。
TPAとEGの反応生成物60.3質量部を重合反応器に仕込み、続いて、1,4−シクロヘキサンジメタノール3.9質量部、重合触媒として二酸化ゲルマニウム0.008質量部、添加剤としてテトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャリティーズ社製イルガノックス−1010)0.12質量部を、それぞれ加え、反応器を60分間かけて260℃で最終圧力0.9hPaまで減圧した後、温度280℃で4時間、溶融重合反応を行い、極限粘度は、0.72の共重合ポリエステル樹脂組成物を得た。
得られたポリエステル樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして固相重合を行った後にダイレクトブロー成形品を作製した。
比較例2では、溶融重合時の1hPa以下の圧力に到達するまでの間の時間が長く、また溶融重合温度が高過ぎたため、得られたポリエステル樹脂は、異物数が多く、密度が高く、また劣化も生じていた。このため、ブロー成形性が悪く、得られた成形品は耐衝撃性に劣るものであった。
比較例3では、溶融重合時の1hPa以下の圧力に到達するまでの間の時間が長く、また溶融重合温度が低すぎたため、トータルの溶融時間が長くなり、得られたポリエステル樹脂は、異物が多く、劣化が生じていた。このため、ブロー成形性が悪く、得られた成形品は耐衝撃性に劣るものであった。
比較例4では、溶融重合時の1hPa以下の圧力に到達するまでの間の時間が短く、また、ポリエステル樹脂中に酸化防止剤を含有していたため、得られたポリエステル樹脂組成物は、異物数が多く、密度が高いものとなった。このため、ブロー成形性が悪く、得られた成形品は耐衝撃性に劣るものであった。
Claims (2)
- エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とし、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合成分として2〜15モル%含有するポリエステル樹脂であって、極限粘度が0.9〜1.4であり、280℃にて厚み20μmのシートを溶融押出して得られるシート中に存在する直径300μm以上の異物数が3個/m2以下であり、かつ樹脂の密度が1.370g/cm3以下であることを特徴とするポリエステル樹脂。
- 請求項1記載のポリエステル樹脂を含有するブロー成形品。
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